研究計画・評価分科会(第91回)議事録

1.日時

令和6年2月15日(木曜日)10時00分~10時55分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 分野別研究開発プランの変更について
  2. 研究開発課題の評価について
  3. その他

4.出席者

委員

観山分科会長、五十嵐委員分科会長代理、相澤委員、菅野委員、栗原委員、田中委員、原田委員、明和委員、村岡委員、村山委員、出光臨時委員、上田臨時委員、大森臨時委員、上村臨時委員、佐々木臨時委員、高梨臨時委員、土屋臨時委員、原澤臨時委員、宮園臨時委員

文部科学省

山下科学技術・学術総括官、稲田研究環境課長、井上研究開発戦略課専門官、柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐、ほか関係官

5.議事録

【観山分科会長】  皆さん、おはようございます。ただいまから第91回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
 それでは、議事に入る前に、事務局から説明をお願いいたします。

【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。本日の研究計画・評価分科会は、科学技術・学術審議会令第8条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
 続きまして、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。1つ目、会議中は常にビデオをオンにしてください。2つ目、御発言の際は、参加者リストの御自身のお名前の横にある手のマークの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。御発言後は、再度挙手ボタンを押して挙手を取り消してください。3つ目、御発言時以外はミュートにしていただき、御発言時のみミュート解除を御選択いただくようお願いいたします。4つ目、なお、議事録作成のため、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。5つ目、また、御発言の際、資料を参照する際には、資料番号、ページ番号、またはページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくようお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【観山分科会長】  それでは、議題1、分野別研究開発プランの変更についてです。
 本日は、ナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プランについて、変更希望がありました。つきましては、初めにナノテクノロジー・材料科学技術委員会からプランについて3分程度で御説明をいただき、次に、その内容について2分程度で質疑応答の時間を取らせていただきたいと思います。
 それでは、ナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プランの変更について、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会主査の高梨委員から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【高梨委員】  ありがとうございます。主査の高梨です。それでは、今回ナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プランの変更点として4点ございますので、ここで御説明をいたします。
 資料の1-1、通しページの4ページを御覧になっていただいて、対象となる研究開発課題についてでございますが、令和4年度に事後評価を終了した2課題を、そこにありますように削除してありまして、令和5年度の1月時点に更新しております。また、各事業の略称を追記ということで、ARIM、それからDxMT、この略称を追記しております。
 2点目は、5ページの冒頭、プログラム達成状況の評価のための指標についてでございますが、今年度中間評価を行ったマテリアル先端リサーチインフラ及び材料の社会実装に向けたプロセスサイエンスの構築事業、丸2と丸3において、事業の進捗を踏まえた適切な評価のための指標の修正を行っております。上に書いてある赤ですね、アウトプット指標とアウトカム指標で、赤の部分、丸2と丸3について指標の修正を行っております。
 それから、3点目ですが、同じページの表の部分の丸4のデータ創出・活用型研究開発プロジェクトについて、これは前の資料に単純なミスが、中間評価の実施年度に誤りがございましたので、ここで修正しております。赤で「中」と書いてあるのが、正しい中間評価の実施年度でございます。
 それから4点目は、6ページ以降になりますが、これは参考資料の部分でございまして、対象となる研究開発課題の更新等に伴い、加除修正をしております。
 具体的には、昨年度事後評価を終了した2課題を削除しております。また、マテリアル先端リサーチインフラと材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業について、中間評価に合わせて修正しております。なお、マテリアル先端リサーチインフラについては、この後中間評価を審議いただきますので、概要案として提出しております。
 以上4点が変更点になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。

【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御意見、御質問等がある方は、Webexの挙手ボタンを押していただければと思いますが。
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

【高梨委員】  ありがとうございました。

【観山分科会長】  それでは、以上、報告のとおり決したということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、分野別研究開発プランの変更に関して、事務局から補足をお願いします。

【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。分野別研究開発プランにつきまして、資料1-2、19ページの目次8ポツ及び9ポツを御覧ください。
 量子科学技術委員会が作成されましたプラン及びプログラムにつきまして、「分野」という文言が抜けておりましたので、今回のプラン変更に合わせまして修正をいたしました。資料は修正済みでございます。
 事務局からの報告は以上でございます。

【観山分科会長】  次に議題2、研究開発課題の評価についてです。本日、3つの委員会から提出された中間評価3件の評価をしていただきます。
 まずは、本日評価を行う中間評価3件の利害関係に関して確認をいたします。
 それでは、事務局より確認をお願いいたします。

【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。参考資料の4、ページといたしましては参の176ページの下のほうを御覧ください。
 176ページ、4ポツ(1)利害関係者の範囲を御覧ください。
 事前に各委員会事務局に確認し、情報委員会の中間評価「スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム」につきましては、観山分科会長が利害関係者に該当することを確認しております。また、量子科学技術委員会の中間評価「大強度陽子加速器施設」については、高梨委員が利害関係者に該当すると報告を受けております。そのほか、1から3に該当となる方はいらっしゃらないでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、追加で利害関係者はいらっしゃらないということを確認いたしました。
 なお、高梨委員は、当該課題の審議においては御発言をお控えいただくようお願いいたします。
 また、情報委員会の中間評価の審議につきましては、観山分科会長に代わり五十嵐分科会長代理が議事進行をすることといたします。観山分科会長は、当該課題の審議においては御発言を控えていただくようお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、今のように、本分科会において研究開発課題の評価に関する評価票のポイントについて、まず事務局より御説明をお願いいたします。

【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。資料といたしましては、資料3を御覧ください。ページ数については、参171ページでございます。
 参考資料3、研究開発課題の評価について(留意点)でございます。
 まず、1ポツの共通事項でございますが、評価につきましては、当該研究開発課題の「必要性」「有効性」「効率性」の観点から行います。
 次に2ポツでございますが、評価票の様式につきましては、「第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」において定めております。
 続きまして真ん中辺り、(2)、今回の中間評価でございますが、中間評価票につきましては、丸1、課題の進捗状況につきまして、課題の所期の目標に向けて、進捗と進捗度の判定、その判断根拠を明確にするということが留意事項として挙がってございます。
 丸2、各観点の評価についてですが、こちらは評価の観点のお話でございますが、当初設定された「必要性」「有効性」「効率性」の各観点におきまして、改めて評価をいただきまして、「必要性」「有効性」「効率性」の各評価項目につきまして、その評価基準を満たしているか評価することとしております。評価に当たっては、以上の内容を御留意いただければと思います。
 続きまして、本日の審議の進め方でございますが、研究開発課題の審議に当たっては、説明時間を適切に管理するために、予定説明時間の終了1分前にベルを1回、終了時点でベルを2回、事務局より鳴らしますので、時間厳守でお願いいたします。
 なお、各委員会から御提出いただいた評価票と併せて、審議を行った委員が分かるよう、研究計画・評価分科会の委員名簿を決定後に付することとさせていただきます。
 事務局からの説明については以上でございます。

【観山分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、中間評価を実施いたします。まず、委員会から評価票の説明をしていただき、その後、質疑の時間を取ります。1つの委員会の質疑を終えましたら、次の委員会の説明に移ります。
 説明の際は、最初に分野別研究開発プログラムにおける、当該課題の位置づけが明確となる該当ページを用いて、上位施策や大目標・中目標の達成に向けた、今回の評価課題の位置づけ、意義及び課題間の相互関係等を簡潔に説明いただき、次に、評価票の評価の観点における評価項目や評価基準に触れながら、必要な部分のみを簡潔に説明するようにお願いいたします。
 説明時間につきましては、1課題について5分でお願いします。また、それぞれの説明の後に、質疑応答の時間を5分取らせていただきます。
 それでは、まず、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会の中間評価について、同委員会主査の高梨委員から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【高梨委員】  どうもありがとうございます。ナノテクノロジー・材料科学技術委員会において実施した研究開発課題の評価について、主査の高梨より御説明を申し上げます。
 まず資料2-1-2を出していただけますか。178ページになりますが、今回お諮りいたしますのは、マテリアル先端リサーチインフラの第1回中間評価結果案でございます。
 本事業は、前身事業、ナノテクノロジープラットフォームですけども、研究基盤を活用し、産学官の利用者に対して技術支援と併せて先端設備の提供を行っております。
 さらに、共用設備等から創出された高品質なデータを収集・蓄積・構造化し、データ利活用環境の構築を行っており、マテリアル開発力強化戦略で掲げるマテリアルDXプラットフォームの一翼を担っております。
 本事業は令和3年より開始しており、実施期間は10年です。中間評価は二度の実施予定で、今回は事業開始から3年目に実施する、1回目の中間評価になります。
 それで、ちょっと戻っていただいて177ページの表で、このナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プログラムにおける位置づけは、資料2-1-1、研究開発プランの177ページの線表を御覧いただければと思います。
 本事業は、さきに御説明したとおり、ナノテク分野を支える基盤の強化、活用及びデータの活用を推進するための取組として実施しております。
 それでは中間評価票のほうに入りますが、資料2-1-2で188ページを出していただけますでしょうか。次の189ページからが評価結果になっています。
 ではそちらを御覧いただきまして、まず、課題の進捗状況です。課題の進捗状況は、約500名規模の専門技術人材が先端設備を産学官の利用者に提供することで、異分野融合を促進し、付加価値や相乗効果を創出しています。また、前身事業に引き続き共用設備の利用が定着・拡大していることが認められるとともに、他分野に先駆けてデータ利活用に関する基盤整備を進めております。加えて、産業界の利用では実用化につながる事例もございまして、産業競争力に資するイノベーション創出に貢献していると思われます。
 これらの成果は、前身事業からの共用基盤とノウハウがスムーズに継承され、データ収集の取組も含めて事業として成長している結果であると思われます。
 それでは、次に190ページに行っていただいて、190ページの下のほうが各観点の再評価であります。
 まず「必要性」でございますが、これが191ページから192ページにかけて文章がございますが、大学等における設備への重複投資を排除して、最先端設備の有効利用を図るとともに、経験や知識が蓄積される体制を整備しておりまして、成果の創出につながると期待されます。
 また、特に若手研究者への先端設備の活用機会の提供や、専門技術人材を積極的に登用し、任期のない雇用に移行した事例など、人材の育成において重要性が認められました。
 さらに、共用設備から創出されたデータの構造化を自動で実施するシステムを構築したほか、データ共有を試行的に開始する等、研究開発の効率化や高度化に向けたデータ利活用の取組の進展が認められます。
 以上から、「必要性」の評価項目を十分満たしていると評価いたしました。
 次に「有効性」、ちょうどそのページの下のほうからになりますが、192ページの中段中頃から193ページにかけて文章がございます。事業の運営体制について、PDやPOや運営機構等によるガバニング体制が整備され、事業の運営体制は有効に機能していると認められます。
 大学等の研究力強化の観点は、「必要性」の説明と重複しますので割愛いたします。
 また、産業界からの利用の増加、実用化につながる事例も出るなど、産業競争力の強化につながるイノベーションの創出にも貢献していると認められます。
 以上により、「有効性」の評価項目も十分に満たしているというふうに評価いたしました。
 次に「効率性」、ちょうどそのページの下のほうから194ページに文章がございますが、事業の運営体制としては、前身事業からの体制変更もありましたが、業務移行がスムーズに行われております。また、前身事業の共有基盤を引継ぎ、大学等における先端設備への重複投資を排除し有効活用を図ることは、研究競争力の維持・確保のみならず、国費の有効活用という観点からも、「効率性」の評価項目を十分満たしていると評価いたしました。
 それから195ページのほうに移っていただきまして、こちらは評価結果、それから今後の研究開発の方向性、指摘事項をまとめておりますが、以上に御説明した観点を踏まえまして、本事業は、研究設備の共用体制の充実により、マテリアル分野の研究開発力の底上げに大きく貢献するとともに、データの利活用に関する取組を着実に進捗しており、今後も継続が妥当と評価しました。
 本課題の改善に向けた指摘事項は、195ページから196ページにかけてまとめられておりますが、先端設備の共用プラットフォームの確立、次世代設備の研究開発、人材育成への貢献、事業を支えるスタッフのキャリア開発支援などの期待が指摘されております。
 また、個々の事業の部分最適化ではなくて、本事業を含むマテリアルDXプラットフォームの一体的な推進、それに伴う必要な予算や人的資源の確保という非常に重要な指摘もございましたので、これらを踏まえまして、事業運営に当たっていただきたいと考えております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がある方は、Webexの挙手ボタンを押してお知らせください。
 では私のほうから一点。188ページの、アウトプット、アウトカムの指標を見ていると、特許件数が令和3年度、令和4年度で急激に伸びているというので非常に感心しますが、これは5年度もこの調子で、大分いい成績になっているのでしょうか。

【高梨委員】  5年度がどうなっているか、まだ私はちょっと分からないのですが、事務局のほうから何かありますか。

【柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  文科省事務局の参事官補佐をしております柴田と申します。よろしくお願いいたします。
 特許件数も現在集計等してございますので、令和5年度の実績は令和6年度に集計されると思うのですが、同じような数字が出てくるのではないかなというふうには考えてございます。
 ただ、まだ指標を取り始めて2年目になりますので、指標のほうはこちらでもしっかり見てまいりたいと考えております。

【観山分科会長】  はい。まだ統計が不十分なところで聞きましたけれども、とにかくこの令和3年・4年度の立ち上がりはすばらしいものだと思います。

【高梨委員】  ありがとうございます。

【観山分科会長】  ほかにはよろしいでしょうか。
 原田委員、お願いします。

【原田委員】  丁寧な御説明ありがとうございます。事業が順調に進んでいるようで大変すばらしいなと思いました。
 私の質問は、192ページから193ページの、事業全体のガバナンスのところなのですけれども、ここに「体系的に5つの委員会を組織し」と書かれているのですが、表ではプログラム委員会以外の委員会がよく分からなかったので、どんな委員会があって、どんな役割をしているのかなというのが質問の1点目と、それから、こういう委員会には、恐らく多様な視点からの意見が反映されるということが重要になってくるかと思うのですが、外部の委員が入れるような、そういった方々が参画しているような体制になっているのでしょうかという、2つの質問です。

【高梨委員】  ありがとうございます。
 すみません、これも事務局からお願いできます。 今ちょっと、手元に資料がないので。

【柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  はい。文科省の柴田です。原田先生、御質問ありがとうございます。
 委員会は事業の運営を実施するための委員会でございますので、外部の方々に入っていただいてアドバイザリーボード的に見ていただくというよりは、中で、そもそも参加機関が25機関ございます。ですので、全体で方針を共有しながらやるという意味で委員会を設置してございます。
 ぱっと表示できる資料がなくて恐縮なのですが、データの構造化や設備の共用に関する委員会等を設置しており、方針を議論した上で決定し、実施しておるところでございます。

【原田委員】  よく理解できました。ありがとうございます。

【観山分科会長】  よろしいでしょうか。それでは、ほかに御意見ある方、ありますでしょうか。

【柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  すみません、文科省の柴田ですが、一言補足させていただいてよろしいでしょうか。
 先ほど原田先生から御指摘のあった外部の目という意味では、事業のプログラム運営委員会に、外部の有識者の方に専門委員という形で入っていただいておりまして、こちらは年2回程度開催しておりますが、そこでまとめて、委員会活動の状況も含めて御報告をして、適宜アドバイスいただく形で実施してございます。
 以上です。

【原田委員】  ありがとうございます。

【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、次に量子科学技術委員会の中間評価を行いたいと思います。
 それでは、同委員会の主査の大森委員から、御説明をお願いいたします。

【大森委員】  大森でございます。本件については、評価作業部会の事務局より御説明させていただきます。事務局、よろしくお願いいたします。

【稲田研究環境課長】  事務局をやっておりました研究環境課の稲田でございます。
 資料199ページを御覧ください。本施策は、研究DXを推進するに当たって必要な、良質な研究データを生み出すという位置づけでございまして、具体的にはSPring-8/SACLA、J-PARC、それから次世代放射光施設(NanoTerasu)の3つの柱から成っておりまして、この中の、今回はJ-PARCに関する中間評価を行うものでございます。
 203ページまで飛ばしてください。施設に関しては、JAEAとKEKで共同運用しているというところもございますので、関係する委員会などが幾つかございまして、具体的には量子科学、原子力、それから研究環境基盤の3つが関係して、評価を実施してございます。
 具体的な評価に関しては206ページ以降を御覧いただきたいところでございますが、まず本評価に関しては、2008年に運転開始し、最初の中間評価を平成15年に実施してから、5回目の中間評価となります。
 前期からの5年の進捗状況としては、207ページ、5年間の進捗状況にございまして、運転開始から20年以上を経ているのですが、なおも実は施設の増強・強化をしているところでございまして、これの目標を適切に達成しましたよというのが最初のポツでございます。
 また、ハドロン実験施設に関しては、5つのビームラインが稼働していて、中性子の実験装置は21台、それからミュオン実験装置については8台というところ、いずれも適切に運用していまして、所要のサービスを提供していると。
 その結果として、中性子利用、ミュオン利用、ハドロン実験施設及びニュートリノ実験施設で、おのおのそこに記載されているような成果が出ているということを、ここでは評価してございます。
 加えまして、これは先ほど申しましたように、実はずっとアップグレードをかけているというところで、施設運用に関する技術開発というのもかなり重要なのですが、ここにも成果が見られるというところを評価してございます。
 「必要性」等々に関しては、その下のところでございますが、J-PARCの目指すところというのは、原子核・素粒子物理から産業応用までを幅広くカバーしておって、国が国費を用いてナショナルプロジェクトとしてやるものとして非常に意義が高い。また、様々な国の基本施策とも合致するものであるというところを評価してございます。
 「有効性」に関してですが、実は研究評価、令和4年の5月に大きな評価をしているのですが、もうそこで研究成果については評価しているところでありますが、ここではもう一度、原子力・素粒子物理の分野、及び物質・生命科学分野、その他の部分について適切な成果が出ているということを挙げてございます。
 「効率性」でございますが、J-PARCというのはJAEAとKEKの2つの機関で実施するものでございますので、この2つが適切に行っていること。今後の課題として、人材の育成であるとか、あるいは利用料の着実な確保というのが重要でありますよというところを言っているところでございます。
 209ページをお願いします。前回の中間評価においてやるべきことというところを幾つか指摘されているのですが、そこについて確認したところ、おおむね確実に対応されておりますが、これ、書いてある内容というのはほぼ継続的な課題でありますが、以下の点に関してはなおも注意が必要であるというところで、次回の評価にかけている留意点となってございます。
 これらを踏まえまして、210ページをお願いします。最後の結論でございますが、本事業は継続が適当でありますが、その際に、さらなる拡張であるとか、あるいは燃料費の高騰、それからGX社会等の戦略分野も含めて、産業界による中性子利用のさらなる裾野拡大等々をしっかりとやっていけということを指摘してございます。
 以上です。

【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御質問、御意見がありましたら、Webexの挙手ボタンを押していただければと思います。
 では私のほうから。非常に順調に進んでいると思うのですけれども、実験系においてもコロナの影響は結構あったというところもありましたけれども、それはほとんど克服できたというようなことでございましょうか。

【稲田研究環境課長】  コロナの影響というのは確かにあったのですが、ちょうどアップグレードの時期に当たっていたということもありまして、その影響については比較的極限的なものであったということ。それから、リモートにおける実験対応というところをかなり一生懸命やっていたこともございまして、今ではほぼ確立しているという理解でおります。
 ただ、もちろんオンサイトで実験するほうがいいに決まっているので、今後さらなる人材交流等々というところについては考えていくところでございます。
 以上です。

【観山分科会長】  ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見ありますでしょうか。
 それでは、以上2件の中間評価の説明が終了いたしました。2件を通して御意見、御質問がある方は、改めてWebexの挙手ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいですか。それでは、ただいま審議いただいた評価案につきまして、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に、情報委員会の中間評価の審議の議事進行は、五十嵐分科会長代理にお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【五十嵐分科会長代理】  五十嵐でございます。情報委員会の中間評価につきまして、議事進行を務めさせていただきます。
 それでは、情報委員会の中間評価について、同委員会主査の相澤委員から、御説明をお願いいたします。

【相澤委員】  情報委員会について、資料は213ページとなります。説明は情報委員会の事務局から、よろしくお願いいたします。

【谷本参事官(情報担当)付参事官補佐】  よろしくお願いいたします。213ページでございます。情報分野研究開発プランの中で、今回中間評価を行いました「富岳」成果創出加速プログラムは、下から2つ目、2-4の革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築の中に含まれてございます。
 こちらは上位施策として第6期科学技術・イノベーション基本計画において、データ駆動化研究の推進が掲げられておりまして、こちらに貢献する施策と位置づけております。
 続いて215ページを御覧いただければと思います。情報分野研究開発プログラムの中で、真ん中からやや下のところに点線で囲われた矢印があると思うのですが、こちらがHPCIの構築を示しておりまして、この中で下にある2つ目の矢印が「富岳」成果創出加速プログラムに該当するところでございます。
 続いて、施策の概要について御説明いたします。218ページをお願いいたします。
 本事業は、スーパーコンピュータ「富岳」の成果創出の早期化・最大化を目的として実施しております。採択した課題に対して、課題推進費や「富岳」の計算資源を割り当てまして、その両輪で支援を行っているところです。
 真ん中やや下にある体制図ですが、4つの領域を設けまして、領域それぞれで課題の採択を行っているところでございます。資料の一番下にありますとおり、令和2年度、令和3年度、令和5年度それぞれで課題の採択を実施しているという状況でございます。
 続いて、中間評価票について説明いたします。228ページをお願いいたします。こちらは、課題の進捗状況について、次のページにわたって記載しているところでございます。
 まず、令和2年度に採択した課題については、昨年の3月に事業を終了しておりまして、事業終了時に外部有識者による評価を行っております。令和2年度に採択した19課題のうち、期待以上の成果があった課題が4課題、期待どおりの成果があった課題が14課題という評価をいただいております。
 このほか、課題の進捗状況のところには、論文の発表数ですとか、国際学会、国際会議やシンポジウムの発表の数なども記載しているところでございます。
 続いて、各観点の再評価について御説明いたします。
 まず「必要性」について、230ページを御覧いただければと思います。
 この事業では、シミュレーションとAI・データ科学を融合・連携させた研究課題が実施されておりまして、この表のところにはその主な事例を示しているところでございます。
 そのほか、本事業では国土強靱化に貢献する課題ですとか、健康医療に資する課題なども実施しているところでございまして、こうしたことから、本事業の必要性は引き続き高いと評価しているところでございます。
 続いて「有効性」について御説明いたします。231ページを御覧いただければと思います。
 本事業では、個別課題におきまして、行政組織や産業界等等との連携体制を構築して事業を進めている課題も多くございまして、その事例を、このページの下部から次のページにわたって示しているところでございます。
 この中では、新型コロナウイルス感染症対策ですとか、線状降水帯の予測精度向上に資する研究開発を実施するなど、早期の社会実践につながる取組を実施しているところでございまして、こうした取組によって、スーパーコンピュータを用いた国際的な賞であるゴードン・ベル賞の特別賞の受賞であるとか、また、ゴードン・ベル賞のファイナリストに選出されるといったような、国際的にも評価される研究開発が進められているところでございます。こうしたことをもちまして、本事業の有効性は引き続き高いと評価しているところでございます。
 続いて「効率性」について御説明いたします。234ページ目をお願いいたします。
 この事業は、冒頭も申し上げましたとおり、4つの領域を設定して課題を採択しているところでございます。その中で、研究領域の枠を超えて、全体を俯瞰して総括する領域総括を設置しております。この領域総括によって、プログラム全体の推進方策に関する意思決定プロセスを加速化しておりまして、必要な施策を適宜事業に反映を行っているところでございます。こうしたことをもちまして、本事業の効率性は引き続き高いと評価しているところでございます。
 続いて、今後の研究開発の方向性についてでございます。235ページ目の下のところをお願いいたします。
 本課題は継続という評価をしております。目標の達成状況及び運営方法は適切であること、また社会的・科学的課題の解決に資する成果の創出及び社会実装に向けた取組のさらなる進展、シミュレーションとAI・データ科学を融合・連携させた専門的なAI・データ駆動型研究の推進が期待されるということで記載をしているところでございます。
 最後にその他の欄ですが、引き続き成果等の発信を積極的に行うことであるとか、また、若手研究者の積極的な参画を促進することについて記載しているところです。
 駆け足でございますが、説明は以上でございます。

【五十嵐分科会長代理】  説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの情報委員会の中間評価の説明について、御意見、御質問等がある方は、Webexの挙手ボタンを押してお知らせください。
 よろしいでしょうか。特に御意見、御質問等ございませんか。
 分かりました。では、ただいま御審議いただいた評価案について、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 御異議ないようです。ありがとうございました。
 それでは、情報委員会の中間評価の審議が終わりましたので、観山分科会長に議事進行をお戻しいたします。

【観山分科会長】  観山でございます。五十嵐分科会長代理、どうもありがとうございました。
 それでは最後に、議題3、その他になりますが、皆様から何かございますでしょうか。
 よろしいですか。

【栗原委員】  すみません、全体ということでよろしいのでしょうか。

【観山分科会長】  どうぞ、栗原委員。

【栗原委員】  ありがとうございます。今回、3つの中間評価のお話がありましたが、それぞれの良し悪しということではないのですが、かなり中間評価の表現の仕方がまちまちだと思いました。例えば一番最後にお聞きした「富岳」は、若手の研究者の方々をより積極的に参画させることについて、具体的な平均年齢で表現するなど、非常に分かりやすいと思いました。
 一方で、KPIにしているにもかかわらず、「積極的にやった」という表現ぶりにとどまっているところもありまして、評価の過程で見られてはいると思いますが、中間評価のほうに表現されていません。是非、裏づけとなる点を記述いただくと良いのではないかと思いました。

【観山分科会長】  ありがとうございました。人材養成というのは非常に重要な観点でありますので。
 事務局、何かありますでしょうか。

【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。資料として、参考の178ページを出していただきたいのですが、こちらのほうで、研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価に関する留意事項ということで基本的な考え方等をまとめさせていただいておりますが、「必要性」「有効性」「効率性」の観点につきまして、各委員会等でこれらの観点を選んで、特に大事なものについては、こういったところの観点に留意いただきながら評価を進めていただければと思っております。
 事務局からは以上でございます。

【観山分科会長】  この有効性の観点の中に人材養成とかありますので、特に今御指摘の、若手研究者にどのように広がってできるかというのも一つの観点ではないかと思いますので、平均年齢を示すのがいいのかどうかは分かりませんけれども、そういうことにも留意して、各委員会で評価の参考にしていただければと思います。
 栗原委員、そのような状況でよろしいでしょうか。

【栗原委員】  ありがとうございます。必ずしも人材育成のところばかりではないですけれども、中間評価の記述ぶりについて、かなり抽象的、一般的な表現も多かったものですから、より具体的、特徴的なところを書いていただいたほうが良いのではないかと思いましたので、少し表現する際に工夫していただければと思います。

【観山分科会長】  大事な指摘ありがとうございました。各委員会で考慮いただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、事務局から今後の開催予定を含めた事務連絡をお願いいたします。

【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。まず、今後の当分科会の開催予定でございますが、次回第92回につきましては、令和6年3月6日、水曜日の14時から開催を予定しております。詳細につきましては、別途御連絡させていただきます。
 次に、本日の議事録は、後日、事務局よりメールで送付いたしますので、御確認いただきますようお願い申し上げます。最終的に観山分科会長に御了解いただいた上で、文部科学省のウェブページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【観山分科会長】  それでは、これで科学技術・学術審議会第91回研究計画・評価分科会を終了いたしたいと思います。今日は御出席どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 
 

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発戦略課

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)付)