研究計画・評価分科会(第90回)議事録

1.日時

令和5年12月1日(金曜日)16時00分~16時50分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 分野別研究開発プランの修正について
  2. 研究開発課題の評価について
  3. 「第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」の改定について
  4. その他

4.出席者

委員

観山分科会長、相澤委員、菅野委員、栗原委員、田中委員、明和委員、村岡委員、村山委員、出光委員、上田委員、上村委員、佐々木委員、土屋委員、長谷山委員、原澤委員、宮園委員

文部科学省

清浦大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、倉田研究開発戦略課長、髙橋科学技術・学術戦略官、井上研究開発戦略課専門官、柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐、竹之内原子力課課長補佐、ほか関係官

5.議事録

【井上研究開発戦略課専門官】  それでは、委員の皆様がおそろいになられましたので、観山分科会長、よろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  ただいまから第90回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
 それでは、議事に入る前に、事務局から説明をお願いいたします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。本日の研究計画・評価分科会は、科学技術・学術審議会令第8条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
 まず初めに、御報告でございますが、任期満了に伴い、林隆之委員は、令和5年11月28日をもって御退任となりました。令和5年11月29日より、当分科会の構成委員は20名となりました。
 続きまして、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。1つ目、会議中は常にビデオをオンにしてください。2つ目、御発言の際は、参加者リストの御自身のお名前の横にある手のマークの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。御発言後は、再度挙手ボタンを押して挙手を取り消してください。3つ目、御発言時以外はミュートにしていただき、発言時のみミュート解除を御選択いただくようお願いいたします。
 なお、議事録作成のため、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
 また、御発言の際、資料参照する際には、資料番号、ページ番号、又はページ内の該当場所などを分かりやすくお示しいただくようお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
 
【観山分科会長】  それでは、議題1、分野別研究開発プランの修正についてです。原子力科学技術委員会より、原子力科学技術分野研究開発プランに掲載されている内容について修正希望がありました。このことについて事務局より説明をお願いいたします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。
 資料1-1、3ページ、原子力科学技術分野研究開発プランでございます。こちらの中段を御覧ください。こちらに原子力科学技術分野別研究開発プランに関する上位施策を記載しております。ここで、「第6期エネルギー基本計画」と記載されておりますが、正しくは「第6次エネルギー基本計画」でございます。ここで、誤植の修正をさせていただきます。修正後は、資料1-2のとおり、分野別研究開発プランの全体版に反映しております。
 説明は以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございます。
 ただいまの説明について御質問ある方は、Webexで挙手ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。
 これは単に誤植の訂正なので、よろしいですね。
 それでは、ただいま事務局から報告いただきました修正案につきまして、資料1のとおり分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 次に、議題2、研究開発課題の評価についてです。本日、2つの委員会から提出された中間評価3件の評価をしていただきます。まずは、本日、評価を行う中間評価3件の利害関係に関して確認をいたします。
 それでは、事務局からよろしくお願いします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。
 参考資料4、第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価についての参考の176ページ、下のほうでございます。4ポツの(1)利害関係者の範囲を御覧ください。事前に各委員会事務局に確認したところ、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会の中間評価、材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業につきましては、菅野委員が利害関係者に該当するとの報告を受けています。また、原子力科学技術委員会の中間評価、原子力システム研究開発事業及び英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業については、出光委員が利害関係者に該当すると報告を受けております。それ以外で、1から3に該当となる方はいらっしゃいますでしょうか。
 それでは、追加で利害関係者はいらっしゃらないということを確認いたしました。
 なお、菅野委員及び出光委員は、当該課題の審議において、御発言は控えていただきますようお願い申し上げます。
 事務局からは以上でございます。
 
【観山分科会長】  両委員、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
 次に、本分科会における研究開発課題の評価に関する評価票のポイントについて、事務局から説明をお願いいたします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。
 資料といたしましては、参考資料の3、参考171ページの研究開発課題の評価について(留意点)でございます。こちらを御覧ください。こちらに留意点としてまとめておりますので、順番に御説明をさせていただきます。
 まず、1ポツでございます。共通事項でございますが、評価につきましては、当該研究課題の必要性、有効性、効率性等の観点から行っていただきます。
 続きまして、2ポツ、評価票の様式についてでございます。第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価についてにおいて様式が定めております。こちらは、参考資料の4ということで参考の173ページでございます。本日、中間評価でございますので、こちらの(2)を御覧いただきたいのですが、(2)中間評価について、こちらが今回の留意点でございます。
 まず、丸1でございますが、(1)課題の進捗状況についての留意点でございます。中間評価におきましては、課題の初期の目標に向けての進捗度の判定と、その判定根拠を明確にするという点で評価を行わせていただきます。
 続きまして、丸2でございますが、(2)の各観点の再評価でございます。中間評価におきましては、研究開発を取り巻く状況に応じて、当初設定された必要性、有効性、効率性の観点における評価項目及びその評価基準の妥当性を、中間評価におきまして改めて評価するということとなってございます。
 留意点につきましては以上でございます。
 続きまして、本日の審議の進め方でございますが、研究開発課題の評価の審議に当たりましては、説明時間を適切に管理するために、予定説明時間の終了1分前にベルを1回、終了時点でベルを2回、事務局より鳴らしますので、時間厳守でお願いいたします。
 なお、各委員会から御提出いただいた評価書と併せて、審議を行った委員が分かるよう、研究計画・評価分科会の委員名簿を決定後に付するということにさせていただきます。
 説明については以上でございます。よろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、中間評価を実施いたします。まず、委員会から評価票の説明をしていただき、その後、質疑の時間を取ります。複数の中間評価がある場合は、まとめて説明をお願いして、1つの委員会の質疑が終わりましたら、次の委員会の説明に移るという形にいたします。
 説明の際は、最初に、分野別研究開発プログラムにおける当該課題の位置づけが明確となる該当ページを用いて、上位施策や大目標・中目標の達成に向けた今回の評価課題の位置づけ、意義及び課題間の相互関係等を簡潔に説明いただき、次に、評価票の評価の観点における評価項目や評価基準に触れながら、必要な部分のみを簡潔に説明するようお願いいたします。
 説明時間につきましては、1課題について5分でお願いいたしたいと思います。また、それぞれの説明の後に、質疑応答の時間を5分取らせていただきます。よろしいでしょうか。
 それでは、まず、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会の中間評価1件について、今日は、同委員会の主査の高梨先生が御欠席ですので、事務局からお願いいたします。
 
【柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。本日、高梨主査が御欠席のため、事務局より御説明いたします。
 ナノテクノロジー・材料科学技術委員会において、中間評価を行いました、材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業の結果を御説明いたします。資料は、資料2-1-1、資料2-1-2に基づいて御説明しますので、右下の通し番号では、166ページ以降になります。
 初めに、事業の概要について御説明をいたします。まず、172ページからを御覧ください。材料開発には、新しいものをつくるマテリアルサイエンスと、つくり方、使い方に対する理解を深め、新しく生み出すプロセスサイエンスの両方が不可欠です。マテリアル研究に重点が置かれがちですが、革新的なマテリアルを開発し、社会実装までつなげるためには、学理やサイエンスに裏づけされた新たな材料設計や開発指針を構築することが重要です。そこで、本事業では、革新的な機能を有するもののプロセス技術の確立していない材料の社会実装に向け、プロセスサイエンスの構築、それに加え、それらを活用し、企業が技術開発を行うための産学官からの相談先の構築を目的として実施しております。
 位置づけといたしましては、資料が少し戻りますが、ナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プログラムにおきまして、資料2-1-1、通し番号で言いますと167ページを御覧ください。本事業は、先に御説明したとおりですが、本プログラムのうち、革新的な材料を創製し、社会実装につなげていく、これを加速するための取組として実施しております。
 それでは、中間評価の内容に移ります。177ページからが中間評価票になります。まず、指標について、アウトプット指標とアウトカム指標を、それぞれ177ページ及び178ページのとおり設定しています。両指標とも、いずれについても増加傾向にございまして、順調に成果が上がっています。
 また、評価結果、課題の進捗状況についてですが、178ページの3ポツの評価結果を御覧ください。本事業で実施している2つのプロジェクトについては、いずれも一部改善を要するものの、想定以上の成果創出が2つのプロジェクトともに認められると評価しました。各プロジェクトの状況及び評価につきましては、179ページから180ページのとおりで、詳細の説明は割愛いたします。
 次に、180ページからが、各観点の再評価になります。まずは、必要性についてです。プロセスサイエンスの構築は、我が国が強みを有するマテリアル分野の研究力・産業競争力強化の上で不可欠なものであること、また、本事業の取組は、単独の機関の取組では不可能で、産学官の連携が必要であること、産学官からの相談件数、企業等からの資金導入も順調に伸びており、産学官の問題解決のための相談先としても機能していると認められることから、評価基準を十分に満たしていると評価いたしました。
 次に、有効性については、181ページ後半から記載されております。企業等からの資金導入や事業終了後を見据えた体制の構築も進んでおりまして、本事業の成果が産学官の抱える課題の解決にも資する期待があることから、評価基準を十分に満たしていると評価いたしました。
 次に、効率性については、183ページの中ほどから記載されております。参画している機関が、それぞれの機関の特徴を生かして取り組んでおり、効率的で適切な実施計画と体制が形成されるスキームとなっていることから、評価基準を十分に満たしていると評価しました。
 最後になりますが、以上の観点を踏まえ、184ページ後半記載のとおり、本事業は継続が妥当と評価いたしました。
 本課題の改善に向けた指摘事項は、185ページのとおりですが、事業全体としましては、2つのプロジェクトそれぞれの課題に対応すべく、PD等がさらなる主体的な検討及び各プロジェクトが抱える個別課題へ、より積極的な関与をしていただきたいと考えております。
 最後、その他としまして、本事業の終了を見据えたプロセスサイエンス拠点として、持続するための方策、また、各プロジェクトの成果を維持・発展していけるような知的財産を活用するためのルールについて、今の時点から検討すべきだと考えておりますので、こちらについても、事務局も一緒になって取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
 
【観山分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御意見や御質問等がある方は、Webexの挙手ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 非常に順調に進んでいるということでございますが、一部改善が必要な部分があるということを言われていましたけれども、もしも可能でありましたら簡単に、どういうことが必要なのかちょっとコメントしていただけますか。
 
【柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  企業との関わり方ですとか、あるいは知的財産の活用のためのルールについて、やはりこれから考えていくべきだということがございまして、PD・POも一緒になって、これからきちんと方策を立てていくべきだということが1つございます。
 また、それぞれの研究課題にプロジェクトがございますけれども、それぞれのプロジェクトで出てきた課題を今後、事業の終了に向けてどのように社会実装につなげていくかというところがやはり肝になりますので、こちらについてもロードマップをきちんと作りながら取り組んでいくことで、より成果の最大化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上です。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 ほかの委員、御質問やコメントはありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。この後にも全体で質疑の時間を取りますので。
 ありがとうございました。
 次に、原子力科学技術委員会の中間評価2件でございます。それでは、原子力科学技術委員会事務局から御説明をお願いいたします。
 
【竹之内原子力課課長補佐】  ありがとうございます。原子力科学技術委員会の事務局でございます。
 私からは、原子力科学技術委員会における中間評価2件について、まとめて説明させていただきます。まず、資料の2-2-1でございます。原子力科学技術分野の研究開発プランとなってございます。次の189ページでございますけれども、この2件の事業につきましては、まず、プログラムの2-1という緑囲みでございますが、原子力システム研究開発事業、これが1件、2件目が、その下にございます、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業、この2件について御説明をさせていただきます。
 それでは、資料の2-2-2です。通しで言いますと190ページ以降でございます。192ページをお願いいたします。本事業の、まずは原子力システム研究開発事業でございますけれども、目的としましては、原子力が将来直面する様々な課題に的確に対応して解決するために、多様な原子力システムに関しまして、基礎的研究から工学的検証に至るまでの技術開発を進めることを目的としました公募事業でございます。
 概要につきましては、194ページをお願いいたします。これが課題の実施体制でございますけれども、文科省からの委託契約として受託者に対して資金を供給しているものでございまして、課題管理については、PD・PO体制を取ってございます。
 その下のところでは、採択課題の一覧を載せてございますが、ちょっと先に行っていただきまして、196ページの絵を御覧いただければと思います。横になってしまって申し訳ありません。この左側にあるのが原子力システム研究開発事業でございまして、これは大学・研究機関等の取組を推進するものでございます。中身としましては、基盤チーム型、ボトルネック課題解決型、新発想型という3つのカテゴリーに分かれております。
 右側にあるのが経産省が進めております事業でございまして、これは民間企業等の取組を支援するというところで、この枠組みをNEXIPというふうに呼んでおりますけれども、ここをうまく橋渡しをしていくというような事業になっております。
 次のページをお願いいたします。197ページからが、中間評価票になっております。まず、この全体のアウトプット指標でございますけれども、学会等での発表件数や研究成果の論文数といったものを指標に置いてございます。また、アウトカム指標としましては、この事業の中間評価、事後評価でのA評価以上の課題の件数割合を取っております。
 次のページからが、評価の進捗状況でございますけれども、198ページです。この中に書いてありますのは、先ほど申しましたとおり丸1から丸3、こういったタイプの募集を行っているというところでございまして、この成果につきましては、学会論文等での発表をもちまして広く公表を努めてございます。また、令和3年度からは、産学官の連携の場として、このNEXIP交流会というものを開催しておりまして、関係者の情報交換ですとか意見交換をすることによって、さらなるイノベーションにつなげております。
 次のページでございます。各観点の再評価ですけれども、まず、必要性のところにつきましては、この事業につきましては、第6次エネルギー基本計画の中でも、原子力システムに係る研究開発は、国が主体的に取り組むべき事業であると、また、実際、この事業のニーズにつきましては、直近5年間における公募の平均倍率は約5倍でありまして、引き続きニーズが高いということを示していることから必要性が高いと評価をしております。
 有効性につきましては、次のページにわたりますけれども、実際、外部の有識者による事後評価委員会において、当初の目標に合った成果が達成されていることを確認してございます。また、それぞれの課題につきましても、研究成果を国内外の学術誌ですとか学会等で発表することで優れた成果を上げていると、また、最先端の科学の発展に寄与していると評価をしております。主要な成果としましては、令和元年に採択した課題の成果が、これはJAEAが進めている原子炉の設計の最適化アルゴリズムであるARKADIAというものがありますけれども、こうしたところにもつながっているという状況でございます。
 次に、効率性ですけれども、次のページをお願いします。実際、効率性につきましても、外部の有識者による評価に基づいて、PDによる各研究課題の内容の重複を避けるための管理ですとか、POによる課題の進捗管理といったものを実施していることに加えまして、3年を超える課題についてはステージゲート評価といったものを実施することで効率性を確保しております。
 全体のまとめとしましては、国民的な関心の高い原子力施設等の安全基盤技術等に係る研究開発事業でありまして、国が主体的かつ優先的に取り組むべき、また、研究開発を通じた人材育成の点からも活用されるということで、国際競争力の確保に寄与しているということで、本事業は継続して実施すべきであるという結論に至っております。
 次に、もう一つの事業でございますけれども、これは、資料の2-2-4です。207ページからお願いいたします。英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業の概要でございます。こちらにつきましては、東京電力福島第一原発の廃止措置等研究開発の加速プラン等を踏まえまして、JAEAのCLADS、廃炉環境国際共同センターを中核としまして、様々な分野の知見・経験を融合することで、中長期的な廃炉現場のニーズに対応する研究開発・人材育成を推進しております。
 概要としましては、課題解決型、国際協力型、研究人材育成型の3つのタイプの廃炉研究プログラムを進めております。
 次に、209ページをお願いします。課題の実施体制でございます。こちらについては、文科省から補助金の形でJAEA/CLADSに資金を出しておりまして、そこから公募を行っているという状況です。また、併せまして、ステアリングコミッティを設置しておりまして、こちらで全体方針の決定等を行っているという状況です。
 その下は、直近の課題の一覧を示しておりますけれども、個別の説明は割愛をさせていただければと思います。
 211ページには、また、パワーポイントの絵がありますけれども、これが全体の概要を示してございます。
 中間評価につきましては、212ページからでございます。まず、こちらについてもアウトプット指標につきましては、学会発表数、それから研究成果の論文数等を挙げております。また、アウトカム指標としましては、当該年度の事後評価におけるA評価以上の課題の件数割合を挙げてございます。
 次に、評価結果のところに移りたいと思います。まず、必要性のところでございますけれども、こちら、213ページの下から214ページにありますが、214ページの頭のところから、これは1Fの廃炉作業というのが世界にも前例のない困難な作業ということで、研究開発が大変重要になってくると。実際、東京電力の中長期ロードマップの中でも、この事業で取り上げているようなことの重要性が掲げられております。また、NDFが作成しております技術戦略プランの中でも、この英知事業を個別に指しておりまして、この取組が一定の成果を上げていて、また、人材育成に関するところでも実際、活性化が進んでいるというような評価がされているところです。こうしたことから、廃炉現場からも求められている基礎基盤的な研究ですとか、中長期的な人材育成を着実に実施する上で必要性は極めて高いというふうに評価をしております。
 また、有効性につきましては、その下のところでございますけれども、コロナ禍の下では、なかなか研究活動の計画などの進捗に支障が生じていたわけでございますが、その中でも学会発表等の件数は増加をしておりまして、各研究開発課題は着実に進捗をしていると考えております。また、成果報告会の中では、ニーズ側とシーズ側のマッチングに向けてワークショップを行うなど、JAEAにおいては、東電等のニーズとの連携を強化しているという状況でございます。その結果、この事業で得られた成果が、実際の実用化研究等を行う経産省のプログラムですとか、東電、メーカーからも費用を得て研究開発を実施しているというところで、実際、1Fの現場で運用が開始されているものもありまして、1F廃炉に資する研究成果を創出しているということが確認されております。
 その下には、実際に英知事業の成果事例ということで2つ示させていただいております。
 また、人材育成の観点からもですけれども、実際、1Fの事故からの廃炉作業というのは、今後三、四十年続くとされておりますので、その現場を支える人材育成というのは非常に大事になってきます。このプログラムを経験した若手研究者が、実際に東電やJAEAといった原子力関係企業にも就職をしていたり、また、廃炉人材の育成が着実に進んでいるということが確認をされていることから、有効性は非常に高いというふうに結論が出ております。
 最後、効率性ですけれども、ここに当たりましては、ちょっと下のところにマップが出ておりますが、廃炉全体を俯瞰しまして、研究開発のニーズ・シーズを整理した全体のマップというものを作っておりまして、まさに現場のニーズを踏まえた公募を実施しているところでございます。これは(4)の指摘事項、前回の指摘事項でありましたけれども、全体の課題については、POが中心となって課題の進捗を把握すると、また、各テーマごとにリサーチサポーターというものをCLADS内に設置をしておりまして、研究進捗の促進を管理できる体制となっておりますから、そのため効率性は高いと評価をしております。
 最後、まとめとしまして、217ページのところでございます。最後(5)ですけれども、この事業につきましては、大学等の基礎基盤的な研究開発や研究人材の育成を推進しておりまして、得られた成果が1Fの廃炉現場に適用されるなど、優れた成果を創出しているということから、引き続き継続的に実施すべきものであると結論づけてございます。
 説明は以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの原子力科学技術委員会からの説明について御意見、御質問がある方は、Webexの挙手ボタンをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、ありがとうございました。以上、中間評価の3件の説明が終了いたしましたけれども、全体を通して御質問、御意見がある方は、Webexの挙手ボタンを押していただければと思いますが。
 ないようでしたら、先ほどの原子力科学技術委員会の説明のところにちょっとありましたけれども、これ、ちょうどコロナが非常に厳しい状態のところで計画が進捗しているということでありましたが、いろいろな工夫をして乗り越えられたと思うのですが、あまり影響は出なかったというようなことでよろしいでしょうか。ちょっと論文の数が若干減っていた、3年間で言うと、その真ん中のところで減っているとかというのがちょっとあるのかなと思いましたけれども、いかがなのでしょうか。
 
【竹之内原子力課課長補佐】  ありがとうございます。原子力科学技術委員会の事務局でございます。
 確かに、コロナ禍の影響でなかなか人が集まって発表するような機会というのは難しい局面もございましたけれども、その中でもできること、研究課題の取組につきましては着実に進めてきたというところで、大きな影響はなく、また、学会等での発表件数も、先ほども増加をしているということもありましたが、そこは何とか進捗をさせてきたというような状況でございます。
 
【観山分科会長】  ただ、若手人材養成というところでは、なかなか厳しいところもあったのではないかと思いますけれども。
 
【竹之内原子力課課長補佐】  確かに若手の育成というところでは、現場に入って実習をするというところもありますので、なかなか人が集まることができないというのは、研究活動を進める上では支障になってきたところでございますが、そういう意味では、今ようやく活動が活発化できるというところになりましたので、これまでできなかった、一時止まっていたところというのも、また復活させて、取組をしっかり進めていくというような状況でございます。
 
【観山分科会長】  分かりました。
 ナノテクノロジー・材料科学技術委員会のほうでは、コロナの影響とかというのは何か委員会の中で議論されたのでしょうか。
 
【柴田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  ナノ・材担当の事務局でございます。
 特段、評価のときに議論はございませんでしたけれども、令和元年に開始している事業ですので、コロナが本格化するよりも少し手前から始められていたので、そこはある程度関係性も築けていたのかなというふうには推察いたします。特に議論があったわけではないのですけれども、開始時期から拝察すると、そういうことかなと理解しております。
 
【観山分科会長】  ほかに御質問がある方、よろしいでしょうか。
 それでは、ただいまの御審議いただいた評価案につきまして、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのようにお受けしました。
 
【事務局】  先生、土屋先生が挙手しております。
 
【観山分科会長】  すみません。土屋先生、どうぞ。
 
【土屋委員】  すみません、ちょっと手を挙げるのが遅れました。ちょっと私、興味を持ったのが、215ページで、就職ですね、関係機関と原子力関係の企業等に就職する学生でしょうか、研究者20名という数が出ておりました。この20名というのは、この研究に参加している研究者、大学生、大学院生ということなのでしょうか。あるいは、もうちょっと広く捉えた、どこまでの20名なのでしょうか。この20名というのが、この成果であるということで、実際これがどの程度の効果を持って、この20名が就職してくれたのかとか、ちょっとその辺りも教えていただけないでしょうか。
 
【竹之内原子力課課長補佐】  ありがとうございます。原子力科学技術委員会の事務局でございます。
 御質問の件ですけれども、今、この215ページに書かれております20名につきましては、実際にこの事業のプログラムに参加した若手研究者が、こうした関連企業に就職した数ということです。もちろんこのプログラムを受けていなかったら就職しなかったのかということは明確には言えませんけれども、少なくとも全てこのプログラムを受けて、就職した者の人数であるということでございます。
 
【土屋委員】  ありがとうございます。特にこういう非常に重要な廃炉という人材が必要なところに、必要な人材が行きますように希望しております。どうもありがとうございました。
 
【竹之内原子力課課長補佐】  ありがとうございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、もう一度確認しますけれども、評価案につきまして、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、次に、議題3、第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価についての改定についてです。まずは、事務局より説明をお願いいたします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。
 資料の3-1、221ページを御覧ください。第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について(案)の主な変更点についてでございます。
 今期の最初に定めました研究開発評価の方針であります、第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価についてに関しまして、これまで評価を進めてまいりまして、事務的に明示したほうがよいと思われる事柄等につきまして変更等を加えるものでございます。
 主な変更点といたしましては、まず、1ポツでございますが、分野別委員会等の所掌に属さない課題の評価に関する整理でございます。これまでも、分野別委員会等の所掌に属さない評価も研究計画・評価分科会で取り扱っておりますが、今回、研究計画・評価分科会から地球観測推進部会や宇宙開発利用部会のような部会へ審議を付託することや、国際戦略委員会が実施した国際事業などの評価について研究計画・評価分科会で審議することにつきまして、この評価方針である第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価についてにおいて明示するということとしたものでございます。
 評価箇所は、資料の3-2、226ページでございますが、分野別委員会以外の課題の評価といたしまして、丸1に地球観測推進部会及び宇宙開発利用部会、丸2に国際戦略委員会に関する記載がございます。
 それでは戻っていただきまして、資料3-1、221ページでございます。続きまして、2ポツ、施策見直しの方法の妥当性に関する補足説明についてでございます。最近、予算執行の観点から注目されることも多い個別事業で設定されるステージゲートにつきましては、従来から、評価の観点として効率性の観点に位置づけられるものとして評価をしておりますが、今回、個別事業においてステージゲートを設定する場合には、効率性の観点について、特に施策見直しの方法の妥当性から評価をするということを明示したものでございます。
 変更箇所につきましては、資料3-2、227ページでございますが、注といたしまして、ウの施策見直し方法には、個別事業で設定されるステージゲートも含むことを明示したということでございます。
 また戻っていただきまして、資料3-1、221ページでございます。続きまして、3ポツ、フォーマットの記載内容の変更でございます。フォーマットの記載に関する指摘事項に対する対応状況への記載につきましては、中間評価では、直近の評価結果への対応状況を記載していただく必要があるため、事業期間が長期にわたるものにつきましては、直近の中間評価への対応を記載できるようにフォーマットを変更するものでございます。
 修正箇所は、資料3-2、242ページでございます。このような変更を加えてございます。
 続きまして戻っていただきまして、資料3-1でございますが、2ポツ、その他でございます。この適用につきましては、令和6年度に実施される事前・中間・事後評価からの適用となります。
 事務局からの説明は以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御意見、御質問がある方は、Webexの挙手ボタンでお願いいたします。
 特に、最初の件は、以前、このような形で進めたいと聞いていたものを明文化したというような状況ではないかと思います。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。それでは、その修正について、お認めいただいたということにさせていただきたいと思います。
 最後に、議題4、その他になりますが、この際、皆様から何かございますでしょうか。
 手が挙がっているのは、上村委員、どうぞ。
 
【上村委員】  すみません、勉強不足で、今の議論で出てきていた、ステージゲートという概念を取り入れていくというお話なのですけれども、具体的にどういうステージでどういう観点でフィルタリングするということに、かなり難しい判断が出てくると思うのですが、その辺りの判断の基準ということも含めて、これから議論していくという理解でよろしいでしょうか。
 
【観山分科会長】  事務局、お願いします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。
 まず、ステージゲートといたしましては、ここで言っているステージゲートというのは、注にも書かせていただいておりますが、不確実性が高いことから当初は広範に採択をして、進展に応じて通過数を絞り込むような仕組みということで、通常の事前評価を厳しく行って、中間評価で進捗を把握する、そして終了時の評価を行うといったものとは違う考え方として、ある程度間口を広く取った上で事業を絞り込んでいって、最終的に、例えば実用化に向けて評価をするなど、事業の性格が異なるようなものが最近入ってきておりますので、その辺りにつきましては、施策の見直し方法という観点から、しっかりと妥当性という観点で評価しておく、ということで、今回、こちらのほうに記載をさせていただいているということでございます。
 事務局からは以上でございます。
 
【上村委員】  御趣旨については、本当にすばらしいことだと思います。何がどういうふうに花開いていくかというのは読み切れないですし、非常に変化の早い中で、当初計画したことというのが非常に早いペースで陳腐化してしまったり、新しいことが出てしまったりということが起こり得るので、こういう概念を入れていくというのは本当に大賛成なのですけれども、ちょっと表現が難しいのですが、ステージゲートを通過させないものを選ばざるを得なくなるということを考えた際に、この評価に対して、要するにどの部分がすばらしいかという議論だけでなくて、どの部分に問題があるのかという非常に苦しい判断をこの委員会そのものが迫られる場面が出てくると。そうすると、その際の判断基準というのが何であるかというのが、我々自身もやっぱり同じように苦しみながら判断せざるを得なくなるのではないかなと想像しまして、その辺りのどういう考え方でどう判断をするのか、その判断材料となる報告書といいましょうか、成果報告書の部分について、どういう点について書いていただくかということをしっかり御議論いただきたいなという意見です。
 以上です。
 
【観山分科会長】  ありがとうございます。非常に重要なことだと思います。質問にあったステージゲートの時期だとか、その評価の観点みたいなものは、今後、しっかりと議論していく必要があることだと思います。ただいまの点は、しっかりと記録したいと思います。
 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 事務局から今後の開催予定を含めた事務連絡をお願いしたいと思います。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。
 まず、今後の当分科会の開催予定でございますが、次回、第91回研究計画・評価分科会につきましては、令和6年2月15日木曜日の10時から、第92回については、令和6年3月6日水曜日の4時から開催を予定しております。詳細につきましては、別途御連絡をさせていただきます。
 次に、本日の議事録は、後日、事務局よりメールで送付いたしますので、御確認をお願いいたします。最終的に観山分科会長に御了承いただいた上で、文部科学省のウェブページに掲載いたしますのでよろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  それでは、どうもありがとうございました。これで科学技術・学術審議会第90回研究計画・評価分科会を終了させていただきたいと思います。どうも御参加ありがとうございました。
 

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発戦略課

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)付)