研究計画・評価分科会(第84回)議事録

1.日時

令和5年1月31日(火曜日)16時00分~18時10分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 研究開発課題の評価について
  2. 分野別研究開発プランの変更について
  3. 分野別研究開発プログラム評価の試行について
  4. その他

4.出席者

委員

岸本分科会長、高梨(弘)分科会長代理、濵口委員、明和委員、村山委員、安浦委員、五十嵐委員、出光委員、上田(正)委員、上田(良)委員、上村委員、高梨(千)委員、田中委員、塚本委員、長谷山委員、林委員、原澤委員、宮園委員、李家委員

文部科学省

柿田科学技術・学術政策局長、阿蘇大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、北山科学技術・学術総括官、佐野科学技術・学術戦略官、久保研究開発戦略課専門官、建部ライフサイエンス課専門官、佐々木参事官(情報担当)付参事官補佐、長田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐、伊藤環境エネルギー課課長補佐、山田防災科学技術推進室室長補佐、ほか関係官

5.議事録

【岸本分科会長】  ただいまから第84回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
 それでは、議事に入る前に、事務局から説明をお願いいたします。

【久保研究開発戦略課専門官】  本日の研究計画・評価分科会は、科学技術・学術審議会令第8条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
 続いて、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。
 御発言の際は、手のマークの挙手ボタンを押していただくようお願いします。御発言後は、再度挙手ボタンを押して、挙手を取り消していただくようお願いします。また、御発言時以外はミュートにしていただき、御発言時のみミュート解除を御選択いただくようお願いいたします。オンライン上でも聞き取りやすいように、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いします。最後に、御発言の際、資料を参照する際には、資料番号、ページ番号またはページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくよう御配慮をお願いします。
 説明は以上です。

【岸本分科会長】  それでは、議事に入ります。
 まず、議題1の「研究開発課題の評価について」です。本日は、4つの委員会から提出された事後評価4件を行っていただきます。各委員会において取りまとめられた評価結果を資料として配付しておりますので、これを基に御審議いただきます。
 まずは、本事後評価を行う4件の利害関係に関して確認いたします。それでは、事務局より確認をお願いいたします。

【久保研究開発戦略課専門官】  では、参考資料2の4ポツ(1)利害関係者の範囲を御覧ください。資料は、参考の7ページでございます。
 事前に各委員会事務局に確認したところ、ライフサイエンス委員会の橋渡し研究戦略的推進プログラムについては宮園委員が、環境エネルギー科学技術委員会の統合的気候モデル高度化研究プログラムについては原澤委員が、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会の元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>については高梨弘毅委員が利害関係者に該当すると報告を受けております。
 それ以外に、こちらに書いてある丸1から丸3に該当する方はいらっしゃらないでしょうか。
 では、いらっしゃらないようですので、追加で利害関係者はいないということを確認いたしました。なお、宮園委員、原澤委員、高梨弘毅委員は、当該課題の審議においては御発言を控えていただくようお願いいたします。
 以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 次に、本分科会における研究開発課題の評価に関する評価票のポイントについて、事務局より説明をお願いいたします。

【久保研究開発戦略課専門官】  資料は、再び参考資料の1を御覧ください。参考資料1の1ページでございます。
 研究開発課題の評価をいただくに当たっての留意点は、こちらにまとめているとおりです。
 まず1ポツ、共通事項といたしまして、評価は、必要性、有効性、効率性等の観点から行います。
 2ポツ、評価票の様式についてですが、こちらは参考資料の2で配付しているものでございますが、「第11期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」において様式を定めております。その様式の中には、(1)以降のことが記載してあるのですが、本日は全て事後評価ですので、次ページを御覧ください。
 事後評価については、まず課題の達成状況として、課題の所期の達成度の判定とその判断根拠を明確にするということ。設定された必要性、有効性、効率性の各観点における評価項目ですとか、評価基準の妥当性を改めて評価をするということ。その評価項目について、評価基準の要件を満たしているかを評価するということ。そして、総合評価として、どのような成果を得たか、所期の目標との関係などを記載することとしています。これらの点に特に御留意をいただければと思います。
 最後に、研究開発課題評価の審議に当たっては、説明時間を適切に管理するため、予定説明時間の終了1分前と終了時点で、事務局よりチャットで全員にお伝えいたしますので、時間を厳守いただくようお願いいたします。
 説明は以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、評価を実施します。まず委員会から評価票の説明をしていただき、その後、質疑の時間を取ります。1つの委員会の質疑を終えましたら、次の委員会の説明に移ります。全ての説明が終了したところで評価案を決定したいと思います。
 説明の際は、最初に分野別研究開発プログラムにおける当該研究開発課題の位置づけが明確となる当該ページを用いて、上位施策や大目標、中目標の達成に向けた今回の評価課題の位置づけ、意義及び課題間の相互関係等を簡潔に説明いただき、次に、評価票の評価の観点における評価項目や評価基準に触れながら、必要な部分のみを簡潔に説明するようお願いいたします。説明時間につきましては、1課題につき5分でお願いいたします。
 それでは、ライフサイエンス委員会事務局から御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【建部ライフサイエンス課専門官】  それでは、説明させていただきます。橋渡し研究戦略的推進プログラムの事後評価案について御説明いたします。資料1-1-1、通し番号の4ページを御覧ください。
 本プログラムですけれども、ライフサイエンス分野別研究開発プランの6つのプログラムのうち、2-5のシーズ開発・研究基盤プログラムに位置づけられており、上位施策である健康・医療戦略等に基づき研究開発が行われてきました。
 次に、10ページを御覧ください。シーズ開発・研究基盤プログラムをお示ししております。上段中央の橋渡し研究戦略的推進プログラムが、本日御審議いただく事後評価となります。本事後評価案でございますけれども、今月13日の第105回ライフサイエンス委員会で審議が行われたものとなります。
 続いて、14ページを御覧ください。資料1-1-2、橋渡し研究戦略的推進プログラムの概要となります。本プログラムですが、平成29年度から令和3年度の5年事業となり、全国の大学等、橋渡し研究支援拠点において、アカデミア等の優れた基礎研究の成果を臨床研究・実用化へ効率的に橋渡しできる体制を構築し、拠点内外のシーズの積極的支援や産学連携の強化を通じて、より多くの革新的な医薬品・医療機器等を持続的に創出する目的で行われました。
 次に、15ページを御覧ください。予算の総額ですが、調整費と合わせまして、5年間で約250億超となってございます。本プログラムの課題ですが、全国の10機関により実施されております。
 続いて、評価結果について、観点別に御説明いたします。本課題の成果につきまして、18ページから21ページにかけて記載してございます。拠点体制の構築及びシーズの育成、ネットワークの強化の各項目で優れた成果を達成し、AMEDにおける本プログラムの事後評価では、課題を実施した10機関が全て高く評価されたところでございます。
 次に、必要性ですが、必要性の評価につきましては、21ページから22ページにかけて記載してございます。政府の方針に合致しているかなどの基準で評価しております。優れた基礎研究の成果を革新的な医療技術として実用化に結びつけるための橋渡し研究への国民の期待は高く、健康・医療戦略においても橋渡し研究の重要性が示されております。以上より、必要性はあったものと評価いたしました。
 次に、有効性に関する評価ですが、22ページから23ページに記載しております。シーズの実用化を加速しているかなどの基準で評価しております。基礎研究から臨床試験、治験段階まで、シームレスな橋渡し研究支援体制の構築により、本課題の成果にも示したように、製造販売承認や保険医療化といった成果が毎年度10件から20件程度創出されております。また、実用化研究に関する人材を日本全国で継続的に育成し、拠点内外に人材・ノウハウを供給する仕組みも構築いたしました。以上より、有効性はあったと評価しております。
 次に、効率性の評価を23ページから24ページにかけて記載してございます。各橋渡し拠点では、プロジェクトマネジメント体制を整備し、支援中止も含めて、効率的な研究推進が実施されました。また、AMEDにおいても、課題評価委員会による課題評価や、PD、PS、POによるサイトビジット等で、適切なシーズ進捗管理が行われています。以上より、効率性はあったと評価しております。
 続いて、中間評価時の指摘事項及び対応状況を24ページから26ページにかけて記載してございます。自立化・収入・知財、特色化、人材、シーズ・プロジェクトマネジメント、その他の5項目について、中間評価時の指摘を踏まえ、取組の改善、支援の拡充等をいたしました。
 次に、総合評価に移ります。各評価を踏まえた総合評価を26ページに記載しております。総合評価ですが、必要性、有効性、効率性を踏まえると、本事業は、事業全体として橋渡し研究支援体制の整備が十分なされ、また、実用化の可能性があるシーズを確実に実用化につなげる道筋・体制が確立されたと言えることから、橋渡し研究支援を通じて、国民への成果還元を強化したと評価されます。
 最後に、今後の展望についてになります。26ページから27ページを御覧ください。本プログラムですが、橋渡し研究支援総合戦略での議論を踏まえ、令和3年度より後継の橋渡し研究プログラムが実施されており、令和4年度からは橋渡し研究支援機関認定制度により認定を受けた橋渡し研究支援機関を活用した橋渡し研究支援が行われています。一方で、社会的インパクトがある革新的なシーズの発掘・選定や、優れたアカデミアのシーズの実用化の加速については、さらなる取組が必要との意見でまとめられております。
 本事業については以上となります。よろしくお願いいたします。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等ありますでしょうか。御質問等ある方は「手を挙げる」ボタンを押していただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 私のほうから御質問ですけども、専門人材及びアントレプレナー等の育成ということで、このプロジェクトの中では人材育成のことが一つ、ポイントとしてあったのかなと思いますけども、ここで育成された方々の今後の活躍というのはどんな形でなされていくのか、もし評価の中で見えていましたら教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。

【建部ライフサイエンス課専門官】  ありがとうございます。いろいろな人材育成を行ってきたところでございますけれども、例えば若手のプロジェクトマネージャー育成事業などにおきましては、そのプログラムを受講した卒業生が拠点内外への就職を果たすなど、人材育成の成果が上げられているところでございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。ほかの方からはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。

【建部ライフサイエンス課専門官】  ありがとうございました。

【岸本分科会長】  それでは続きまして、環境エネルギー科学技術委員会の事後評価です。環境エネルギー科学技術委員会事務局から御説明をお願いいたします。

【伊藤環境エネルギー課課長補佐】  ありがとうございます。環境エネルギー科学技術委員会事務局より、統合的気候モデル高度化研究プログラムの事後評価結果案について説明いたします。
 31ページをお願いいたします。本プログラムは、環境エネルギー科学技術分野研究開発プランの2-1、環境エネルギー科学技術分野研究開発プログラム(気候変動研究)に含まれ、上位施策である科学技術・イノベーション基本計画にあります、高精度な気候変動予測情報の創出や、気候変動課題の解決に貢献するため、温室効果ガス等の観測データや予測情報等の地球環境ビッグデータの蓄積・利活用の推進に貢献する事業として位置づけております。
 33ページをお願いいたします。本プログラムは、表の左上になりますが、平成29年度から令和3年度まで実施いたしました。現在、その後継プログラムである気候変動予測先端研究プログラムを令和4年から、原則5年間実施しており、本プログラムで創出される気候変動予測データ等を蓄積・統合解析・提供するプラットフォーム事業と並行して進めているところでございます。
 それでは、事後評価結果案の内容について御説明いたします。
 38ページをお願いいたします。プログラムの概要ですが、先ほど御説明しましたとおり、実施期間は平成29年度から令和3年度となっており、令和4年度からは後継プログラムの先端プログラムを原則5年間で実施しております。
 研究開発概要と目的について、改めて御紹介させていただきます。本事業では、国内外における気候変動対策に活用されるよう、地球観測ビッグデータやスーパーコンピューター等を活用し、気候変動メカニズムの解明、気候変動予測モデルの開発等を推進することを目的としております。具体的な取組としては、適応策・緩和策の基盤となる我が国独自の基盤的気候モデルの開発、炭素・窒素循環等の解明を目標とした気候モデル要素の精度向上、国内や東南アジア地域を対象とした気候モデル活用のための高度化、適応策に資する統合的ハザード予測を実施してまいりました。これらの課題を4つの領域テーマに分類して、それぞれの機関、ここでは東大、JAMSTEC、気象業務支援センター、京都大学で実施いたしました。
 39ページをお願いいたします。予算全体としましては、5年間で31.5億円となっております。
 続いて、41ページをお願いいたします。事後評価票案について御説明いたします。本事業では、アウトプット指標として累計論文数を設定しております。こちらは5年間で1,028件と、目標値の650件を大きく上回る成果が出ております。
 続いて、アウトカム指標として、国際共同研究の海外連携実績を設定しております。令和2年度から3年度にかけて実績数が減っておりますが、これは新型コロナウイルスの影響が考えられます。ただし、いずれの年度も目標値の50件を上回る結果となっております。
 続いて、ページ飛びまして、53ページをお願いいたします。総合評価、必要性、有効性、効率性についてまとめておりますので、こちらのページで御説明させていただければと思います。
 必要性については、科学的・技術的意義等について評価をしております。本プログラムの成果例を紹介させていただきますと、気候感度という、大気中のCO2濃度が2倍になったときの気温上昇量というのがあるのですが、過去40年間ほぼ変わらなかったこの気候感度の不確実性の半減に本プログラムでは貢献しました。その科学的成果は、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告書にも強く反映されました。ほかにも、気候変動メカニズムについて、世界初となる研究成果も得ており、これらの成果は「ネイチャー」や「サイエンス」に掲載されたところです。本プログラムでは、IPCCをはじめとする国際的な場への貢献というものを目的の一つとしておりまして、その観点でも非常によい成果が得られたと評価しております。
 続いて、有効性についてですが、こちらでは社会実装に至る取組等を評価しております。本プログラムにおける成果を用いて、国交省においては全国5河川で河川整備基本方針が更新され、また、本プログラムの知見は地方整備局等での検討にも活用され、大阪府の高潮3大水門の改築といった具体的な適応策にも活用が広がりました。ほかにも文科省や気象庁がまとめた「日本の気候変動2020」及び「気候予測データセット2022」というデータ集でも本プログラムでの成果が用いられたところです。また、東南アジア諸国との共同研究等も実施いたしまして、その成果を基に気候変動適応策の実装支援を目的とする「知の統合システム」、これはOSS-SRと呼ばれるeラーニングのシステムになるのですが、それを構築するなどの国際貢献も進めました。
 続いて、効率性の評価ですが、本プログラムでは、研究調整委員会や各テーマの研究運営委員会の開催等を通じて、各テーマが連携して研究を進めました。また、テーマ間で共同利用する数値実験データについて、共有ファイルサーバーシステムを連携基盤として利用し、各テーマ間の連携が推進されました。
 以上より、必要性、有効性、効率性を踏まえると、本プログラムは、気候変動メカニズムの解明、気候変動予測モデルの開発等の推進に大きく貢献したと評価しております。
 54ページをお願いいたします。最後に、今後の展望になりますが、本プログラムの成果である気候予測データは、気候変動対策に係る政策・施策の科学的根拠として活用される例が出てきており、また防災・減災等においては、過去データを基にした対策から、科学的な将来の予測データも活用した対策へのパラダイムシフトも進んでおります。こういった状況を踏まえて、気候モデルのさらなる高度化・精密化を図りつつ、国、地方自治体、国際社会等における幅広いニーズ等を踏まえた気候予測データの高精度化を進めることが必要だと認識しております。
 また、企業でも気候変動リスクマネジメントに取り組んでいるという状況がございます。投資家も投資の判断基準の一つとして、企業に対して気候変動リスク情報の開示を求めたり、トランジションファイナンスに取り組むなどしております。こういった動きに資するためにも、金融業界等のニーズも踏まえながら、日本の企業や自治体等が使いやすいユーザーフレンドリーなデータ・システムの構築及び提供に向けた取組につなげていくことが今後必要になると認識しております。
 以上で説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 私からですけども、このプロジェクト、大きな成果を上げられたということで、よく理解したのですけども、このプロジェクトについては、次の後続のプロジェクトが既にスタートして、きちんと引き継がれた形になっているというふうに理解してよろしいでしょうか。

【伊藤環境エネルギー課課長補佐】  おっしゃるとおりでございます。御説明させていただいたとおり、さらにモデルを高度化して、自治体ですとか企業さんのニーズに応えられるような対応が求められておりますので、引き続き、後継のプログラムでは、モデルやデータの高度化や精緻化というものに取り組んでいるところです。

【岸本分科会長】  どうもありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会の事後評価です。それでは、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会事務局から御説明をお願いいたします。

【長田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  事務局の長田と申します。よろしくお願いします。本日、委員会の主査の高梨先生が評価対象の事業の一部参画者になっておりましたので、事務局から御説明いたします。
 58ページ、プランを推進するに当たっての大目標は、未来社会を見据えた先端基盤技術の強化、この中にナノテクノロジー・材料科学技術分野が入っています。次の59ページですけれども、線表の形になっていますが、左下5番、元素戦略プロジェクトというのが、広範な社会的課題の解決に資する研究開発の推進という中目標の下、進められておりました。
 事業の概要について、まず簡単に御説明します。66ページを御覧ください。ポンチ絵の形式になっておりますけれども、背景のところ、レアアース等の希少元素が高機能材料に必須であるということですけども、資源リスクを克服していかないといけないということで、概要のところにありますけども、希少元素を用いない全く新しい代替材料を創製する、そのような研究拠点を構築したいということでございます。
 左下の推進体制にありますように、電子論グループ、これは理論のグループですけども、それと材料を実際に作るグループ、また解析をして評価するグループ、これを一体的に拠点内に組み込んでいただくような体制をつくっていただいたと。その上で、右に「省庁の壁を打破」とありますけれども、関係省庁の事業とも連携しながら、一体的な事業運営をしてきたものです。右に材料領域1から4までありますけど、磁石、触媒・電池、電子、構造、それぞれの材料に関して拠点を設定しまして、令和3年度までの10年間の事業を進めてきたところです。
 次に、評価結果について御説明します。68ページから御覧ください。
 まず、課題の達成状況につきまして、各拠点について、評価票では主立った成果等を記載しています。特にそれぞれ、学理的な、基礎的なところの研究、また産業界が必要とするような成果の導出、それプラス人材の育成、このような観点で各拠点、成果があったということで、各拠点の事例を書いています。例えば、この68ページの磁性材料研究拠点、NIMSでは、丸1番にありますように、ジスプロシウムフリー磁石を作るときの指針を導出するというような成果が出ておりますし、次の69ページ、中ほどの触媒・電池材料研究拠点というところでは、希少元素を節減あるいは代替した触媒・二次電池の開発ということで、自動車排ガス浄化触媒の開発等を行っています。また、次の70ページ、電子材料研究拠点、これは東工大ですけれども、電子部材の関係でして、例えばIGZOの後継に当たるアモルファス酸化物半導体みたいなものを、企業ニーズに準じた形で実用化に資するようなデータ、材料の創出等を行っています。また、次の71ページ、構造材料研究拠点、これは京大ですけれども、ここは理論に裏打ちされた合理的な構造材料の設計指針をつくるということで、新概念「プラストン」というのが書いてありますけれども、非常に有用な概念の提案と、それに基づく材料開発、このような成果が出ています。また、先ほど申し上げたように、様々各拠点において人材育成も図られたということを書いております。
 以降、必要性等について御説明します。
 72ページの必要性のところを御覧ください。希少な元素資源を用いない革新的な物質・材料で持続可能な社会を構成するという元素戦略のコンセプトは、非常に必要なものと評価されております。また、その下の有効性ですけれども、拠点としては当然、濃淡があるのですけども、全体として十分に事業目標が達成できたと評価しております。4行目、例えば研究論文が5,000報以上であったということで、学術界への発信も十分だったと言われております。また、特に電子材料拠点や触媒・電池材料拠点、これは拠点の分野によって、特許出願に関して、分野の性質もあって、多い少ないというのはやはり出てくるということも議論になったのですけれども、こういった出しやすい拠点に関しては多くの特許出願があったということも評価されております。
 次の73ページの上の段落では、政策研究大学院大学の林教授の分析をいただきまして、3つのグループ機能の融合みたいなものがうまくいったのではないかということも示唆されたというふうに評価しております。
 次に、効率性のところですけれども、事業運営に関しましては、PDペーパーなどを通じて必要な指示がなされていたり、またプログラム運営委員会も企業出身の方が半数以上いたりということで、非常にいい運営ができたということでございますが、ただ、各拠点の成果を社会全体の成果とするためには、もうちょっと、拠点を閉じない、オープンな仕組みをつくる必要があるという指摘がございます。
 次に、総合評価のところは、先ほど申しました3つの観点のことを書いておりますので、割愛させていただきまして、最後に77ページ、今後の展望ということで、今後に向けた指摘事項でございます。高性能な材料が多数得られたので、一日も早い社会実装が期待される。また、2つ目のポツでは、様々な材料データが多く蓄積されているということなので、今、次の事業として、データを活用した研究を進めるためのプロジェクトを立ち上げていますので、ここへの引継ぎ、発展を期待するという声。また、拠点の成果を事業外にオープンにする、そういった方策も今後考えはどうかというような展望の御指摘を評価としてまとめております。
 以上でございます。

【岸本分科会長】  御説明ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 塚本委員、お願いいたします。

【塚本委員】  どうもありがとうございます。御説明ありがとうございました。
 73ページでお話しいただいた、拠点のオープン化というような指摘もあったということですが、その前に経済安保の関係で、これをどれぐらいオープンにするのか非常に微妙なところでもあるというような話もあったのですが、実際どれぐらい、どうしようとなさっているのか、差し支えない範囲で教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【長田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。おっしゃるとおり、材料の分野は非常にいろいろな観点があるので難しいのですけれども、このときの拠点についてはこういう指摘が出ています。
 今後どうしようかということですけれども、次の事業は、個別の材料の特許とか、そういうところではなくて、データ駆動でいろんな材料開発することとしており、その中でツールみたいなものが出てきたら、それはいろんなところに使っていただけるだろうということで、個別の拠点の知財戦略はオープン、クローズしっかり守りながら、そういう手法を横展開して広げていくというような事業設計を次考えて、新事業で打ち出していますので、そのような観点でしっかり対応したいと思っています。

【塚本委員】  ありがとうございました。

【岸本分科会長】  続いて、村山委員、お願いいたします。

【村山委員】  これは極めて重要な研究だと考えております。その一方で、これを実用化に結びつけるまでの道のり、これが非常に大切だと思うのですけれども、今後実用化するためにはどういうことをしなければならないのかという点と、実際に社会でこれが実用化されるのは何年後ぐらいになるのか。これは材料によって違うと思うのですけれども、大体の目安のようなものを御説明いただければと思います。

【長田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。この事業で出た成果は、やはり産業連携みたいなものは非常に重視していただいていましたので、知財もありますし、企業への導出みたいなものをやっていただいて、各拠点、評価書の中には何件か書いているのですけども、実際に企業に導出をされたと、製品化に向けた試験がなされているものがあるというような事例を幾つか記載させていただいております。
 すみません、そういったものが何年後というのは、個別の企業さんの事情もありますので、申し上げにくいですけども、そういう成果は各拠点出ているということと、あと、なるべくそういうものにつなげるための事業の仕組みとして、先ほどもありましたけど、プログラム運営委員会等、企業の目線からなるべく評価をするということ。また、経産省等、出口側の事業とよく連携する体制を政府として組んだこと、このようなことは一応、評価票では評価できるということになっておりまして、このようなことは今後の事業でも継続していきたいと思っています。

【村山委員】  大体の、本当に感触でいいのですけれども、例えば5年後なのか10年後なのか、20年後なのか30年後なのか、どういう段階のレベルなのか教えていただければと思います。

【長田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  一部の例としては、触媒のところにありましたけど、自動車排ガス浄化触媒は今、エンジンの試験中と聞いていますので、その結果もあるかと思いますし、あと一部、リチウムイオン電池みたいなもので、開発した電解質が既に実用化されている例もありますので、すみません、拠点の個別の事情に応じてということでございます。例としてはそういった、既に実用化まで行っているものもあるし、実際の試験まで行っているようなものもあるということでございます。

【村山委員】  大体の感触分かりました。ありがとうございます。

【岸本分科会長】  林委員、お願いいたします。

【林委員】  林です。我々のほうの研究プロジェクトで分析もさせていただいて、まず、大変ありがたかった、分析対象となっていただいてありがたかったとともに、その中で我々も分析して、各拠点が3つのグループ、連携をしたりとか、毎年積極的にシンポジウム等を開いて交流されているという状況もよく分かりまして、大変すばらしい活動をされているというのを我々改めて認識させていただきました。
 2点質問があります。1点目は人材育成のところでございます。我々も見させていただいた中で、各拠点、かなり若い人の人材を育成するということをされてきたと認識していますが、この評価の中で人材育成に関して、どのような効果があったか、あるいは課題はどういうところにあるかというような、人材育成の点に関してどういうふうに評価をされているのかというところが質問です。
 それから2点目でございますが、77ページに、もう元素戦略、「キーワードは定着したが」ということで書いてありますが、元素戦略、学術面からしても、元素科学ということで、面白いコンセプトで、大学の先生方も引きつけられるようなコンセプトだったと思いますし、また、希少元素の話は現在も、経済安全保障の中でそういう議論はずっと続いてあるところだと思いますので、この元素戦略という考え方については、今後どういう形で維持あるいは展開させていくことを考えているのか。それとも、これは一つのキーワードとしながらも、さらにまた大きな発想の下で展開されていく予定なのか、この辺りもぜひお教えいただければと思います。
 以上です。

【長田参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  ありがとうございます。人材育成、おっしゃるとおり、評価票の中に各拠点のことを書いています。例えば69ページとかだと磁石のところ、異分野の研究者に対して理解させることができて、ポスドク、助教等のうち、任期終了後に国内にたくさんの方が就職したとか、大学または公的機関に何名入ったとか、そういった成果を書かせていただいて、いずれの拠点も確かに若手のところは、プレゼンを聞かせていただいたときもかなり成果も出ていると伺ったので、そういったものを今回評価票にも書かせていただいておりますので、先ほどの拠点内のグループ間の融合とか、そういったところは非常によかったのかなと思います。
 御指摘の元素戦略の今後の展開については、おっしゃるとおり経済安保とか、そういった観点で非常に重要になります。先ほどお示ししましたデータ駆動型の研究の事業でも、元素戦略の参画研究者がしっかりと中心に入ってもらっているような拠点もありますので、ちょっとコンセプト、目的は変わりますけど、そういうところで一部関連する研究を行っていただき、あとは経済安全保障の関係で、非常にレアメタル、レアアースの重要性が高いということであれば、そういったところでの展開が今後個別に必要かどうか、しっかりそこは政策的に検討して考えていきたいと思っております。

【林委員】  分かりました。ぜひ進めていただければと思います。ありがとうございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、次に行きたいと思います。最後になりますけども、防災科学技術委員会の事後評価です。主査の上村委員から御説明をお願いいたします。

【上村委員】  防災科学技術委員会、上村でございます。事後評価いたしました首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクトについて、80ページより評価内容について御報告いたします。
 最初に、80ページと81ページにおいて分野別研究開発プランをお示ししております。81ページの表内にて、ピンク色の枠で囲っております箇所が今年度の評価対象でございます。最上段に記載しているものが対象の事業となります。
 次に、84ページを御覧ください。プロジェクトの概要について御説明いたします。本プロジェクトでは、首都圏において、都市機能、人口が集中している社会経済活動の中枢でございますので、発災時に首都機能の維持、また、速やかな復旧・復興を実現することが災害に対するレジリエンスを向上させることにつながってまいります。そのため、災害の予測・予防・対応に関する社会科学的な研究、地震学を中心とした理学的研究、耐震工学などの工学的な研究を進め、産官学民が連携することにより、安全・安心を確保して、レジリエントな社会を構築する手法を開発するものでございます。
 実施期間は、平成29年度から令和3年度の5年間でございました。
 次に、予算、体制などの説明は省かせていただきます。89ページの事後評価票について御説明いたします。
 初めに、分野別研究開発プランや上位施策との関係ですが、本プロジェクトは、安全・安心の確保に関する課題への対応を大目標として、防災科学技術分野研究開発プログラムの達成目標2、3の対象課題となります。関係するアウトプット指標につきましては、データ公開の充実、災害に強いまちづくりへの寄与、査読つき論文数、アウトカム指標につきましては、建築物・インフラの耐災害性の向上と、自然災害の不確実性と社会の多様性を踏まえたリスク評価手法の確立となります。各指標の過去3年程度の状況は、この表のとおりとなります。表の詳細については割愛させていただきます。
 自然災害の不確実性と社会の多様性を踏まえたリスク評価手法の確立につきましては、災害対応能力向上のための被害把握技術として、衛星画像やドローンによる空撮画像、そしてAIを活用した被害把握の開発を進めております。
 続いて、91ページの3、評価結果となります。
 (1)の課題の達成状況では、社会の対応力、社会科学でございます。予測力は地震学、それから予防力、これは耐震工学でございます。この3つのサブプロジェクトにおいて、首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上に資するデータ利活用に向けた連携体制の構築、官民連携による高密度地震動観測データの収集・整備、非構造部材を含む構造物の崩壊余裕度に関するデータ収集・整備の研究が進められ、社会の対応力、予測力、予防力の向上に貢献し、安全・安心を確保してレジリエントな社会を構築する手法を開発しております。また、産官学民が保有するデータを統合的に利活用し、新たな知見を生み出す仕組みとしてデータ利活用協議会を組織し、その運用を通じた研究開発を実施し、社会実装に取り組むことができております。本プロジェクトの必要性、有効性、効率性の観点からの評価を踏まえ、課題の所期の目標は達成されたものと考えております。
 続いて、各観点の評価となります。各観点の評価項目と基準については、これまでから変更はございません。
 まず、必要性については、人工的なノイズが高く、基盤的地震観測点の少ない首都圏で、地震観測網(MeSO-net)を維持したことには意義があり、地表面の振動も精密に推定できるようにしたことは革新性が高いと評価しております。また、MOWLASの地震動データとともに、一般に公開しております。さらに、民間企業等が保有する地震動データ等を統合したマルチデータインテグレーションシステムの研究開発を行い、その成果の社会実装に向け取り組んだことは革新性が高いと評価しております。
 続いて、有効性について。建物の崩壊余裕度に関するデータを収集するため、E-ディフェンスを活用した木造住宅などの4種類の実大型実験を実施し、センサーによって定量把握する手法を開発、データ収集と判定法の構築を実施しております。災害発災後に迅速に建物やインフラ施設の機能健全性を評価できる実用的な技術の確立につながるものとして、社会や行政のレジリエンス向上につながるもので、有効性が高いと評価しております。
 続いて、効率性については、産官学民が連携して、データ利活用協議会を提案、運営し、産官学民のそれぞれの役割の下、データ利活用協議会に設置した分科会の議論を踏まえ、研究開発を進めております。これら産官学民連携による実施体制と運営体制は、それぞれの役割を生かす点で妥当であり、効率性が認められると評価しております。
 次に、(2)科学技術・イノベーション基本計画への貢献状況となります。本プロジェクトは記載の各項の取組により、レジリエントで安全・安心な社会の構築に貢献するものと評価しております。
 続いて94ページ、(3)中間評価結果時の指摘事項とその対応状況ですが、中間評価時の4つの指摘、それらに対する取組を実施しており、評価しております。詳細については割愛させていただきます。
 95ページ、(4)総合評価につきましては、社会の対応力、予測力、予防力がお互いに連携し、その分野の向上に貢献したことは高く評価しております。また、データ利活用協議会の取組や議論により、首都圏のみならず、他の地域での安全・安心を確保してレジリエントな社会を構築するといった観点からも大きな意義があったと評価しております。
 最後となりますが、96ページ、(5)今後の展望については、進捗状況、必要性、有効性、効率性の評価を踏まえると、本プロジェクトが掲げるコンセプト「企業も強くなる首都圏も強くなる」の下、社会の対応力、予測力、予防力の3つのサブプロジェクトにおいて掲げた目標は、おおむね達成されたと言えると評価しております。今後は、得られた成果のさらなる高度化・深化と、成果の社会還元に引き続き取り組むことが重要になると考えております。
 以上でございます。

【岸本分科会長】  御説明ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 高梨千賀子委員、お願いいたします。

【高梨(千)委員】  御説明ありがとうございました。このプロジェクトにおいては、産官学民の、民の絡みについて、何か具体的な例を用いて教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

【上村委員】  ありがとうございます。地震観測網のお話が一番分かりやすいかと思うのですけれども、公的機関が設置しております地震観測網だけでなくて、民間企業が持っている観測センサーというのが相当な数ございまして、こういったデータを有効に取り込む、つまりデータの活用ということになるのですが、取り込むことによって、より精細な、非常に細かい単位での情報が得られるということが、このプロジェクトの中で実証されました。この民間のデータの活用が極めて有効であるというところが実証されたところではあるのですが、やや問題としましては、今後本当に社会に利用していく段階では、本来の目的と違う使い方になるという問題も明らかになりまして、この辺りをどう乗り越えていくかという課題がクリアになったというところも大きな成果かと思います。

【高梨(千)委員】  ありがとうございました。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、明和委員、お願いいたします。

【明和委員】  本当に重要な課題で、ますますの発展を期待させていただいているところです。私からは、社会の対応力、社会科学、これら側面について意見します。これらの側面について、どのような評価軸を設定すべきかが難しいと考えます。特に、対応力といいますと、何かが起こったときに「事後的に」どうするかという発想がベースとなっています。しかし、たとえば教育という点からみると、何か問題が起こる前にいかに未然に防ぐかという発想やイメージ力、こうした点も実は社会科学に期待される重要な視点だと思います。こうした視点も、今後盛り込んで検討いただけるとさらによいのではないかと感じます。

【上村委員】  ありがとうございます。まさに御指摘のとおりでございまして、社会の対応力というのが3つの柱のうちの1本を占めております。このプロジェクトの中では、主には行政の対応といったところ、市民向けの情報ではあるのですが、行政の対応という視点での取組が中心でございましたけれども、委員会の中でも、今後はという点でいうと、やはり教育が重要になってくるという議論は出ておりまして、今後の取組の中にここの成果を生かして、次の世代への教育に反映させていくというふうにしていきたいと考えております。ありがとうございます。

【岸本分科会長】  ほか、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。

【上村委員】  ありがとうございました。

【岸本分科会長】  以上で事後評価の説明が終了いたしました。全体を通して御意見、御質問はございますでしょうか。
 それでは、ただいま御審議いただきました評価案につきまして、4件ありましたけども、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。特に御異議ございませんでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、分科会として評価案を決定したいと思います。
 それでは次に、議題2の「分野別研究開発プランの変更について」に進みたいと思います。核融合科学技術分野研究開発プランを構成する研究開発課題について、中間評価実施時期の変更希望がありましたので、御審議をお願いいたします。
 それでは、核融合科学技術委員会主査の上田良夫委員から御説明をお願いいたします。

【上田(良)委員】  核融合科学技術委員会の上田でございます。資料2-1の核融合科学技術分野研究開発プランで説明をさせていただきます。
 次の2ページ目が年次計画となっております。この計画は、基本的には、国際協力で進めているITER計画、それから日欧協力で進めている幅広いアプローチ計画という、この2つの計画、活動によってできております。このページの2022年から2023年のところに赤色の矢印で示しておりますように、ITER計画等の推進の中間評価の実施時期を、当初は2022年だったものを2023年度に変更させていただきたいと考えております。
 理由は、現在、ITER計画につきましては、ITER機構でベースラインの更新中でございます。ベースラインというのは、このプロジェクトの日程やコストを規定する基本文書を指します。したがいまして、この基本的な文書、基本的な計画の日程等が見直される可能性があると、こういう状況を踏まえまして、核融合科学技術委員会といたしましては、ITER機構でのベースラインの更新を受けて中間評価を実施することが適切だと認識しています。そのため、少なくとも1年間後ろ倒し、2023年への後ろ倒しが必要だと考えております。
 以上が説明でございます。本件につきまして御審議のほどよろしくお願いいたします。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、ただいま御審議いただきました変更案について、御提案のとおりとしたいと思います。資料2-2は変更案を盛り込んだ形の分野別研究開発プランになっておりまして、このとおり分科会として決定したいと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、次の議題に移りたいと思います。
 議題3の「分野別研究開発プログラム評価の試行について」です。第81回研究計画・評価分科会において、参考資料3のとおり、第11期分野別研究開発プログラム評価の試行についてを決定したところです。今御覧になっているところです。
 本日は、当該決定に基づき、評価フォーマット等に沿って報告をいただきます。初めに事務局から説明をお願いいたします。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。それでは、まず参考資料3、決定したのが少し前でございますので、記憶を呼び起こす意味でも、この資料3等をもちまして説明をさせていただきます。
 まず、昨年7月8日に決定をしていただきました、この試行についてでございます。内容的には、1、評価の進め方ということで、最新の分野別プランにおいて定められたプログラムごとに、ここに記載してあります3つの観点などについて、添付のフォーマットということでお示ししていますフォーマットに従って、プログラム全体の状況を把握し、分野別委員会等から御報告いただくということ。そのときに、プログラム全体や課題の進捗状況が分かる資料も添付をしていただくことにしたところでございます。そして、指標につきましては、いろいろな議論、委員会等の議論を踏まえまして変更できるものとするとしていただいたところでございます。
 2ポツ、プログラム評価を行うに当たっての留意事項でございます。(1)のところ、分野別委員会等におかれましては、このフォーマットに基づいて、可能な範囲で全体を俯瞰した上での留意点や気づき、プログラムの進捗状況におけるコメントについて、プログラムの現状の欄に記入していただくことにさせていただいております。
 それから、次のページ、(2)でございます。(2)は、対象となる研究開発課題の範囲を示したもの、(3)につきましては、御審議をいただいた方々の名簿を添付すると。それから(4)につきましては、プログラム評価の利害関係者につきまして定めさせていただいたものでございまして、2)のところ、これは後ほど確認をさせていただきますが、分科会で評価結果を決定するに当たっては、丸4のところを利害関係者という形にさせていただいているところでございますが、今回のプログラム評価に当たりましては、試行であるということでありますので、利害関係者も排除しないものとするとさせていただいておりますが、利害関係の内容を明確にし、名簿に記載するとさせていただいております。
 (5)今回分科会におきましては、各委員会から報告を受けまして、それを基にプログラムの進捗状況を確認するということになっておるところでございます。
 次のページはプログラム評価の報告のフォーマットでございます。
 それから、参考資料4でございます。これは御紹介だけでございますが、先ほど決定いただいた分野別の研究開発プランというものがございますが、今回プログラム評価をするに当たって、少し見やすいような形で、参考の42ページ目のところから見ていただければと思いますが、分野別研究開発プランの中で、大目標と、プログラム名、プログラムの概要、それから、その次の43ページ、こういう形で、プログラムをまとめていただいている資料、昔でいう施策マップと言われているもの、ここだけを抜き出したものを、事務的な作業の簡便性のために作成させていただいたものを参考としてお配りさせていただいておりますので、御紹介をさせていただきます。
 それから、資料飛びまして、参考資料5でございます。研究開発プログラム評価についてということで、これも過去に御紹介させていただいた資料でございますが、少し記憶を呼び起こす意味で御紹介させていただきます。
 参考資料5は、指針等におけるプログラム評価についての記述についてということで、1ポツは国の大綱的指針に記載されているプログラム評価の記載、2ポツは文科省指針の記載、それから3ポツのところは、今回廃止をさせていただいている研究開発の記載というものを記載させていただいております。次のページが、2ポツの文科省の研究開発評価指針の中の、プログラム評価関係部分の抜粋、さらに細かいところでございます。今回特に関係すると思われるところを簡単に御紹介させていただきます。
 まず、2ポツ目でございます。この研究開発プログラム評価の目的でございます。研究開発プログラムの評価ということで、文科省の内部部局及び研究開発法人等が、このような施策、制度を対象として、目標の設定された研究開発プログラムごとに評価を実施することにより、実施の当否の判断、それから研究開発の質の向上、運営改善、計画の見直し等につながることを目的とするという記載がございます。
 それから、少し飛びまして5ポツ、プログラム評価の視点でございます。この中で、今回、現状を把握していただくということで、中間・事後の観点が強かったと思います。ここに記載してあります「中間・事後等の評価では」というところでございますが、研究開発プログラム実施に伴う実績の把握を中心に行うというところでございまして、例えば、アウトカムに係る期待した成果と実績の比較とか、評価基準に照らした実績の多寡とか、そういうところが書かれているところでございます。
 それから、6ポツでございますが、評価については、評価に先立つ調査分析法から評価法そのものに至るまで様々な方法があるというところで、入手可能な情報の状況に応じて適切な調査・分析及び評価の手法を選択すると。その際、評価の客観性を確保する観点から、具体的な指標・数値の評価、手法を用いるよう努めるという記載があるところでございます。
 それから、本資料のほうに戻っていただきまして、280ページ、資料の3-1でございます。こちらの資料は今回の試行に関しまして、事務局で特に御意見をいただきたいポイントというものを幾つかまとめさせていただいております。
 幾つか書かせていただいてございます。まず、プログラムの粒度についてという記載でございます。このプログラムの粒度といいますのは、今回プログラムはどういう形、どういう単位でやるのかというところでございますが、基本的にはプランの中にプログラムというのを記載していただいておりますが、政策評価の体系による達成目標の任意の単位を基本としているというところですが、一部の分野ではさらに細分化しているものもあるということで、様々な粒度のものがあるという状況でございます。
 それから、その次、研究開発課題の事前・中間・事後評価との関係についてというところでございます。これは先ほどの参考資料の72ページ目と見比べていただければと思いますが、様々な研究開発プログラムがあるのですが、例えば分野2と書いてあるところを見ると、分野2は研究開発課題が1つだけという、そういう1プログラムの中に1研究開発課題しかないものもあるということで、こういうプログラムも今回の中に入りまして、こういう中で現状、先ほど行っていただきましたように、事前・中間・事後評価を行っているということで、その関係について御意見をいただければと思っておるところでございます。
 それから、戻っていただきまして資料3-1、280ページでございます。プログラム評価、現在示されている評価指標以外の適切な評価指標ということについても御意見いただければと思っております。また、プログラム評価のタイミングということで、状況把握に必要な指標等の情報がタイミングよく共有されていたのか。それから、その次の観点、個々のプログラムの進捗状況についての把握についてということで、この試行で行った進め方で状況の把握が可能であったかとか、個々の研究開発課題に期待されるアウトプットではなくて、当該分野別プログラムにおいて実現しようとしている目標の状況が把握可能かという観点。それから、今回のプログラム評価(試行)の今後の進め方や改善点について。それから、プログラム評価のフォーマットについてということで、先ほどお示ししたようなフォーマットを添付させていただいて、さらに政策評価・行政事業レビューを添付するというような形にさせていただいておりましたが、このようなフォーマットについての御意見。それから上位施策との関係について、こういう形で見ることができたのか。
 それから、一番最後でございますが、利害関係者についての考え方ということで、先ほどの文章に示させていただいたような考え方でまずは試行させていただいて、利害関係者も今回は入り得るというふうな形にさせていただいておりますが、これについて御意見あるかないかというふうなことで、御意見をいただければと思っているところでございます。
 事務局からの説明は以上です。

【岸本分科会長】  よろしいでしょうか、御説明は。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問などございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、まず今回御用意いただいたプログラム表について順次御紹介いただき、その後で今お示しいただいた点について御意見いただく時間を設けたいと思います。
 それでは、まず利害関係について確認したいと思います。
 それでは事務局より確認をお願いいたします。

【久保研究開発戦略課専門官】  では、今の説明とも少し重なるのですけれども、参考資料3の2ポツ(4)プログラム評価における利害関係者についてを御覧ください。ページ36ページになります。
 今回はプログラム全体の状況を把握することを主とする試行なので、利害関係者も排除しないものとしますが、評価指針を勘案して、名簿のほうには記載することとしています。
 それで、1)のほうでございます。これは各分野別委員会での対応ですが、これについては各プログラムの資料の最後に付されている名簿のとおりとなっております。
 2)が当分科会での対応でございますけれども、事前に丸1の各プログラムに含まれる課題に参加している者というところについては、各分野別委員会の事務局に確認をしたところ、資料3-2-22、これは1,009ページになりますが、後で確認いただけたらと思いますが、その名簿のとおり報告がございました。
 具体的には宮園委員、原澤委員、高梨弘毅委員が該当となっているので、そういう表記にしております。
 それ以外に、ここの丸1から丸3に該当となる方がいらっしゃいますでしょうか。
 よろしいですかね。では、追加での利害関係者はいらっしゃらないということを確認いたしました。
 また、一点補足ですが、今回の説明について各委員会ごとに御説明をいただきますが、こちらについても時間に限りがございますので、終了の1分前と終了時刻にチャットでまたお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 私のほうからは以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、各委員会からプログラム評価表の説明をいただきたいと思います。その後、全体として質疑の時間を取りたいと思います。それが終わりましたところで、今後の進め方について皆様から御意見をいただければということで進めてまいりたいと思います。
 各委員会より御提出いただきました進捗状況把握によるプログラム評価表につきましては、資料3-2-1から3-2-21というふうになっています。非常に大部な資料になっております。
 初めに、各委員会からそれぞれの分野別研究開発プログラムの進捗状況把握によるプログラム評価について、恐れ入りますけれども4分程度で御説明いただきたいと思います。時間のほうも限られていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、ライフサイエンス委員会の主査の宮園委員から、まず説明をお願いいたします。

【宮園委員】  宮園です。ライフサイエンス分野研究開発プランに含まれます6つのプログラムについて説明いたします。資料3-2-1、通し番号で281ページです。
 各プログラムは、昨年8月のライフサイエンス委員会にて審議しまして了承されております。これらのプログラムは、令和2年3月に閣議決定されました第2期健康・医療戦略において定められました統合プロジェクトの単位をベースとして、文部科学省の事業に合わせて設定しております。
 6つのプログラムがありまして、読み上げます。医薬品・医療機器・ヘルスケアプログラム、再生・細胞医療・遺伝子治療プログラム、ゲノム・データ基盤プログラム、疾患基礎研究プログラム、シーズ開発・研究基盤プログラム、この5つと、内局事業のバイオリソース整備プログラムにて構成されております。
 各プログラムに含まれます事業、プログラムごとのアウトプット指標、それからアウトカム指標の詳細は以降のページを御覧いただきたいのですけれども、ちょっと例を挙げて御説明いたします。
 1つの例として、疾患基礎研究プログラム、資料3-2-4の407ページを御覧ください。
 疾患基礎研究プログラムは、医療分野の研究開発の応用を目指しまして、脳機能などの生命現象の機能解明や、様々な疾患を対象にした疾患メカニズムの解明などのための基礎的な研究開発を行うこととしておりまして、第2期健康・医療戦略における統合プロジェクトの疾患基礎研究プロジェクトに対応しております。
 疾患基礎研究プログラムには、脳とこころの研究推進プログラム、新興・再興感染症研究基盤創生事業などが含まれておりまして、プログラム全体のアウトプット指標としては科学誌に論文が掲載された研究成果の数、アウトカム指標としてはシーズの導出件数を設定しております。
 これらの指標は、第2期健康・医療戦略に即して策定された医療分野研究開発推進計画において、疾患基礎研究プロジェクトの成果目標を指標として定められているものになります。
 次に、個別に研究開発課題に関連する指標及びその状況について、これも1つ選んで、脳とこころの研究推進プログラムを例として御説明いたします。こちらは407ページ中段の(2)丸1、研究開発課題名、脳とこころの研究推進プログラムを御覧ください。
 脳とこころの研究推進プログラムは、脳機能や疾患メカニズムの解明のための研究開発等を推進する事業です。課題の進捗状況を把握するための指標としては、活動指標として科学誌に論文が掲載された研究成果の数、成果指標としてシーズの他の統合プロジェクトや企業などへの導出件数を設定しております。
 どちらも令和4年度行政事業レビューにおいても設定している指標であることから、分野別研究開発プログラムにおける実際の記載としては、令和4年度行政事業レビューを参照としております。
 このように、ちょっとかいつまんで御紹介いたしましたけれども、分野別研究開発プログラム全体に関しましては、ライフサイエンス委員会での審議時には特に委員からの意見はなかったということを申し添えさせていただきます。
 以上です。よろしくお願いいたします。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、環境エネルギー科学技術委員会主査の原澤委員から御説明をお願いいたします。

【原澤委員】  原澤です。資料3-2-7、507ページを御覧ください。環境エネルギー科学技術委員会で議論した分野別研究開発プログラムについて御報告いたします。
 環境エネルギー科学技術分野では2つの研究プログラムが動いております。1つ目の研究開発プログラムは気候変動研究関係、2つ目の研究開発プログラムはGX技術関係です。
 気候変動研究関係について、プログラムの実施状況を指標を中心に御報告したいと思います。
 気候変動研究プログラムでは、論文累積件数や海外連携実績、DIASと呼ばれるデータベースの利用者数を指標としてモニタリングいたしました。
 論文累積件数につきましては、2018年度から徐々に増加していることが確認できます。一方、海外連携実績は2020年度以降減少しておりますが、これはコロナによる影響であるということで、事務局から報告を受けております。
 そのほか、共通基盤技術の件数ですとかデータセットの登録累積件数ですとか、2018年以降の増減を記録して、これによって進捗が分かるようになったということであります。
 最後の指標のDIASの利用者数は、2018年度から継続的に増加しているということがありますが、空白の欄があったりするのは、これはプログラム、プロジェクトが1期終わって次の期に至るというときに、データが切れるということがございます。
 次に資料3-2-8、523ページを御覧ください。GX技術関係です。
 この研究開発プログラムでは、大学間ネットワークの参加大学数や論文累積件数、特許出願累積件数等を指標として設定し、モニタリングしております。
 例えば大学間ネットワークへの参加大学等の数は、「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」に参加する機関数を示しており、2021年度は192の大学等が参加しました。
 また、研究開発テーマ数は2021年度に15テーマに減少していますが、パワーエレクトロニクス関係の事業が2021年度に切り替わり、本契約本数が減少したことによるものです。ということで、こういった数値を見ることによって、進捗をしっかり管理できると思っております。
 以上が大体モニタリングの結果になりますが、プログラム評価の試行について委員会で議論した際には、特に意見はございませんでしたが、今後改善する余地としては、プログラムに含まれる研究開発課題の始まりと終わりが総括表で確認できるようにすると、より事業と指標との関係を把握できるようになるのではないかと考えております。
 報告は以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは次に、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会主査の高梨委員から、御説明をお願いいたします。

【高梨(弘)委員】  高梨弘毅です。ナノテクノロジー・材料科学技術委員会といたしましては、プログラム1つでナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プログラムの評価の試行を行いましたので、その結果について御説明いたします。
 資料3-2-9、550ページを御覧いただければと思います。
 初めに、本プログラム評価の構成を簡単に御説明いたしますと、本委員会では未来社会を見据えた先端基盤技術の強化という大目標の下で、ナノテクノロジー・材料科学技術分野研究開発プログラムを作成しております。
 その中で、本分野が他の先端科学技術分野の研究開発を支え、幅広い応用が期待される重要な基盤であるということを明記し、中長期的な視点での研究開発の戦略的な推進や実用化を展望した技術シーズの展開、最先端の研究基盤の整備強化等に取り組むことにより、革新的な材料の創製や研究人材の育成、社会実装等につなげることとしております。
 次に、プログラム全体の実施状況を説明いたしますと、プログラム全体に関連する指標については、先ほど説明いたしましたプログラムの概要に対応する指標を、各研究開発課題の代表的な指標から引用して設定しております。
 具体的には、上から順番に、最先端の研究基盤の整備強化等の指標として、先端共用設備における利用者に対する支援件数。それから研究開発の戦略的及び革新的な材料の創製の指標として査読付論文数、シンポジウム・セミナー等への参加数。それから実用化を展望した技術シーズの育成及び社会実装の指標として、産学官からの相談件数、この3つを設定することで、プログラムの進捗状況を測定することとしております。
 これらの指標の値については、令和4年度事前分析表から転記した内容になっておりますので、参考としてそのURLを備考欄に記載しております。
 続いて、次のページからになりますけれども、個別の研究開発課題に関連する指標とその状況について御説明いたします。
 本プログラムでは5つの研究開発課題を対象としておりますが、その目的・概要等については、資料丸1から丸5に記載しているとおりであります。
 丸1のナノテクノロジープラットフォーム、それから丸5の元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>に関しましては、本年度に事後評価をナノ材委員会として実施いたしましたので、基本計画等への貢献状況には事後評価結果から内容を転記するとともに、当該研究開発課題の成果を公開しているホームページのURLを参考として備考欄に記載しているところであります。
 それぞれ簡単に指標を1点ずつ御説明いたしますと、まず丸1のナノテクノロジープラットフォームにおける支援件数に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、令和元年度・令和2年度の2年間は減少しているのですが、事後評価では10年間を通じて大学や企業とバランスよく利用が促進されていることが指摘されております。
 また、丸5の元素戦略プロジェクト、これは本日、事後評価を認めていただきましたけれども、査読付論文数が毎年増加しておりまして、研究成果が継続的に創出されていることが分かります。
 それから残りの3つの研究開発課題、すみません、ページがいろいろ飛び飛びになっておりまして申し訳ありませんけど、丸2マテリアル先端リサーチインフラ、それから丸3材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業、それから丸4データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト、この3つに関しましては、それぞれのアウトプット・アウトカム指標を行政事業レビューシートの内容を基に設定しております。それぞれ参考として令和4年度行政事業レビューシートを添付しております。
 丸2のマテリアル先端リサーチインフラと、丸4のデータ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクトに関しましては、令和3年度より開始したため、令和2年度に行った事前評価結果を基に各項目を記載しております。今後、進捗状況も踏まえ、必要があれば、指標の修正等を検討したいと考えています。
 また、丸3の材料の社会実装に向けたプロセスサイエンスの構築事業に関しましては、令和3年度に実施した中間評価結果を基に各項目を記載しておりまして、各測定成果指標が毎年上昇しているということが読み取れます。
 このような作業を継続的に行いまして、それぞれの研究開発課題の進捗状況を俯瞰的に把握したいと考えているところでございます。
 以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは次に、防災科学技術委員会主査の上村委員から御説明をお願いいたします。

【上村委員】  事務局のほうから説明をお願いいたします。

【山田地震・防災課室長補佐】  失礼しました。事務局より説明します。資料の579ページ、資料3-2-10を御覧ください。
 防災科学技術分野研究開発プラン、今2つのプログラムがございます。1つ目の達成目標2、3として、自然災害を観測・予測することにより、人命と財産の被害を最大限予防し、事業継続能力の向上と社会の持続的発展を保つため、国土強靱化に向けた調査・観測やシミュレーション技術、及び災害リスク評価手法の高度化を図る。これが達成目標2でございます。
 また、自然災害発生後の被害の拡大防止と早期の復旧・復興によって社会機能を維持し、その持続的発展を保つためには、よりよい回復に向けた防災・減災対策の実効性向上や社会実装の加速を図る。これが達成目標2でございます。
 この達成目標2と3には、4つの研究課題がございます。1つは、首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト。2つ目は防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト。3つ目が情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト。そして4つ目が、次世代火山研究人材育成総合プロジェクトでございます。
 プログラム評価としては、達成目標2と3にある4つの研究開発課題につきましては、記載したアウトプット資料・アウトカム指標のとおり、研究開発課題はおおむね順調に進んでおります。
 アウトプット指標とアウトカム指標は、ほぼ行政事業レビューの資料を用いておりますが、次のページ、580ページを御覧いただいて、備考欄がございます。これには、定性的な表現ですけども、研究開発課題の現状の取組状況を補足的に記載しております。
 ページを一旦戻っていただきまして579ページ、アウトプット指標についてですが、例えば1つ目の、産学官が連携した運営体制(協議会)への参画機関数、これは首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクトに関してです。これはプランのアウトプット指標の1、データ公開の充実に資する指標として記載しております。
 同様に、次のページになりますけども580ページ、アウトカム指標では、地震観測データを提供する企業等の数ですが、プランのアウトカム指標の5、被害の軽減につながる予測指標の確立に資する指標として記載しております。
 以降、記載のとおり、プランに対応した指標、既存資料を主に用いまして、プログラム全体の進捗状況を記載しております。これら指標と、資料が添付されておりますけども説明資料を用いまして、防災委員会の委員に進捗状況を把握・了承いただいているところでございます。
 次に、資料飛びます、649ページの資料3-2-11を御覧ください。プログラムの2つ目になります。達成目標1、地震調査研究を推進し成果を活用する、南海トラフ海底地震津波観測網の整備です。
 こちらは、研究開発といった側面もございますが、観測網の整備が主な事業の内容でございます。
 アウトカム指標については、行政事業レビューの既存の資料ではほかの事業も含まれているため、南海トラフ海底地震津波観測網の整備のみの指標として独自にカウントした資料をここでは用いております。
 本事業は、観測機器等の研究開発と観測網の整備の両輪を進めているものでございます。そして防災委員会においても、このプログラム評価の様式として、進捗状況の説明資料によりまして、引き続き観測網の整備完了に向け、防災委員会委員の先生方に現状を把握していただき、了承をいただいたところでございます。
 以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、航空科学技術委員会主査の李家委員から御説明をお願いいたします。

【李家委員】  李家でございます。それでは、679ページの資料3-2-12を御覧ください。航空科学技術分野のプログラム評価について御説明いたします。
 航空科学技術委員会では、昨年8月に3件の事前評価を行い、本分科会でも御審議いただきました。
 今回のプログラム評価は事前評価の内容とおおむね重複しており、また8月の事前評価から今回の評価まで時間の経過がさほどなかったことから、航空科学技術委員会では事前評価の際に作成した資料を基にプログラム評価を行いました。
 事前評価では3件の課題、既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発、次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発、及びデザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発を、それぞれ評価しております。また、その際に参照した資料を684ページの別添1、補足説明資料として添付しております。それらを参考に、今回のプログラム評価のフォーマットにほぼ落とし込む形で記載しております。
 ただし、2022年度の指標については、今年度終了をもって集計するため記載はしておらず、集計後速やかに報告を受けることとし、注意書きをしております。
 本プログラムについては今年度スタートした段階にあり、社会からの要請に応じ、従来からの研究開発・技術開発を少なくとも技術移転段階にまで発展させていくことに加えて、変化する社会のニーズをしっかりと捉え、それに確実に応える新たな課題を立ち上げて、技術開発と実用化につなげていくことが重要であると考えております。
 私からの説明は以上となります。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、原子力科学技術委員会主査の出光委員から御説明をお願いいたします。
 出光委員、ちょっとマイクの調子が戻るまで、先に進ませていただいて、マイクのほうを御確認いただければと思います。
 それでは先に、核融合科学技術委員会主査の上田良夫委員から御説明いただいてもよろしいでしょうか。

【上田(良)委員】  核融合科学技術委員会の上田でございます。それでは、核融合科学技術分野研究開発プログラム評価について説明させていただきます。核融合科学技術分野研究開発プログラムにつきましては、令和4年8月18日に開催された研究計画評価分科会での審議を経て確定しました。その後、令和4年12月5日に、核融合科学技術委員会において、プログラム評価に関わる書面審議を行いました。本日は、この書面審議で頂戴した意見を踏まえて修正したものを、資料3-2-15としてお示ししております。
 まず1.核融合科学技術分野研究開発プランを推進するにあたっての大目標、及び2.プログラム名「核融合分野研究開発プログラム」の概要につきましては、研究開発プランから抜粋いたしました。これは先ほども少し述べさせていただきましたように、ITER計画・BA計画を推進しつつ、核融合エネルギーの実現に向けた研究開発に取り組むものでございます。3.プログラムの実施状況につきましては、アウトプット指標、アウトカム指標それぞれの状況について、備考欄及び関連する数値があるものについては、年度の記載欄に記載しております。アウトプット指標につきましては、丸1我が国が調達責任を有するITER計画の製作の着実な推進、丸2JT60SAの組立行程の完了及び運転の開始、丸3LHDにおける1億2,000万度の高性能プラズマの生成、丸4予備的な原型炉設計活動と研究開発活動の完了、丸5アウトリーチヘッドクオーターを通して多様な双方向型の交流の実施、に関係した5点でございますが、全体的におおむね着実に進展しているという評価でございます。また、アウトカム指標はそれぞれに対応するものでございますが、アウトプット指標と同様に、この5点についておおむね順調に進展しているという評価でございます。なお、アウトカム指標、例えば丸1ITER建設作業の進捗と計画の着実な進展への貢献 、丸2T60SAについて先進プラズマ研究開発のプラットフォームの構築の数値でございますが、これは公表されている令和3年度実施施策に関わる事前分析表から抜粋したものでございます。次に、(2)個別の研究開発課題に関連する指標及びその状況について説明をさせていただきます。目的・概要については記載のとおりでございます。詳細はここでは省略させていただきます。成果指標といたしましては実績値を記載しておりますが、これは既存の行政事業レビューの該当する項目から抜粋したものでございます。例えば定量的な成果目標としては、ITER建設に必要な機器の製作を通じてITER計画の着実な進展に寄与するものとして、その業務実績評価の結果を記載させていただいております。基本計画等への貢献状況につきましては、引き続き核融合発電の実現に向けて、ITER計画等のプロジェクトを最大限活用し研究開発を推進することで、第6期科学技術・イノベーション事業基本計画に貢献しているという内容を記載してございます。また、4.プログラムの現状についてのコメントですが、ITER計画につきましては、先ほどベースラインの更新が行われているということを述べさせていただきましたが、これは実は他極での調達の問題などによるものでございます。ただ、日本におきましては、超電導コイル等我が国に調達責任のある機器製作やITER機構への納入というものは着実に進展しており、計画が着実に進展していると評価させていただいております。また、BA活動につきましては、JT60SAの組立てが完了し、BAフェーズ2としてITER計画を補完・支援する研究成果を創出する段階に移行しております。現在は、運転本格化に向けた試験を実施するなど、計画が進展していると評価いたしました。以上がプログラム評価についてでございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは出光委員、マイクのほういかがでしょうか。それではよろしくお願いいたします。

【出光委員】  すみません、失礼いたしました。資料戻っていただきまして、719ページの資料3-2-13になります。
 こちら原子力の科学分野ですが、達成目標8と9とございますが、まず8のほうでございます。原子力科学技術分野の研究開発プログラム、達成目標8のほうですが、概要としましては、福島第一原子力発電所の廃炉や、エネルギーの安定供給、原子力の安全性向上、先端化技術の発展等を図るということになっております。
 アウトプット指標ですが、原子力分野における査読付論文の公開数、それから研究成果の報道等の発表件数にしております。
 アウトカム指標といたしましては、当該年度に実施する事後評価でA以上の評価のものの数としております。2つございますが、1つ、まだ今実施中のものについては空欄になってございます。
 中身について2つございまして、1つが、ちょっと下のほうになりますが研究開発課題、丸1というところで原子力システム研究開発事業がございますが、こちらは革新的な技術の開発に関するものということで、広く先ほどの目標に貢献するようなものを拾い出していく、それを開発していくというものでございます。これもアウトプット指標、それからアウトカム指標、こちらに書いてございますとおりです。
 現状、貢献状況といたしましては、第6次エネルギー計画では産官学の垣根を超えた人材・技術・産業基盤の強化を進めるとなっておりまして、それらにつきまして、現在多様な原子力システムに関して基礎的研究から工学的検証に至る領域における技術開発を進めることで貢献しております。
 次のページに移りまして、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業でございます。
 こちらもアウトプット指標等は同じでございます。貢献状況につきまして下のほうに書いてございますが、福島第一に関わるものに対する基礎的・基盤的な研究といったもの、それから人材育成に関するものについて進めております。原子力災害から福島復興の加速のための基本方針というものに基づきまして、それらに向けた貢献をしているところでございます。
 それから、達成目標の9のほうに移ってまいります。これらに関しまして、いろんなデータにつきましては、その後ろのほうについております。
 それから達成目標9に飛びますが、ページが749ページになります。ちょっと飛びますが、749ページのほうが、原子力分野の研究開発利用の基盤整備を図るということになっておりますが、アウトプットの指標とアウトカム指標につきましては先ほどと同様でございます。
 これらがまた2つに分かれておりまして、下のほう、国際原子力人材育成イニシアチブというのがございます。これは人材育成に関わるものですが、先ほどまでの人材育成は育成される側を主に見ておりますが、こちらは育成する側、要は伝える側のほうが主になってきております。いろんな人材もありますし、それから施設等もありますが、そういったものを産官学で協働しまして利用していくというものになってございます。
 貢献状況につきましては、国際協力を進めることとなっておりまして、国際協力も含めた形で広く教育等をやっていくという形のものを取っております。
 それから最後になりますが、その次のページのほうですが、核不拡散・核セキュリティー関連業務ということで、こちらのほうは国際協力の枠組みの中で、日本が査察等につきまして非常に優れた技術を持っているということで、査察に関しましての技術開発、それから、これからアジアの国々等につきまして人材育成が必要ということで、その方々への教育を行っていくというものでございます。
 アウトプット指標ですが、人材育成、アジア諸国を対象とするコースの開催の数。それからアウトカム指標のほうですが、その中でB評価以上になっているものというものを挙げさせていただいております。空欄部分は現在進行中のもので、集計出来次第ここに入力していくことにしております。
 貢献状況につきましては、いろんな研究開発課題、査察に関するものについての研究を行っているということと、教育を、国際協力をやっているということでございます。
 すみません、時間が超過しておりますが、以上で終わりにいたします。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは次に、量子科学技術委員会主査の上田正仁委員から御説明をお願いいたします。

【上田(正)委員】  量子科学技術委員会主査の上田でございます。量子分野の分野別研究開発プログラム評価について御報告いたします。792ページを御覧ください。
 まず、光・量子技術分野研究開発プログラム評価についてです。本プログラムは、1、プランを推進するに当たっての大目標における文部科学省の施策目標、「未来社会を見据えた先端基盤技術の強化」を踏まえ、2に示すように、量子コンピュータをはじめとする量子科学技術の研究開発や成果創出を推進するプログラムでございます。
 プログラムの実施状況についてですが、3の1に示しておりますように、研究成果の学会等の発表、論文数等の指標は毎年1,500件程度増加しておりまして、順調に本分野の振興が図られております。
 また、関連事業におきましても、そうした論文数に占めるトップ10%の論文の割合も30%を超える水準でございまして、非常に顕著な成果が数多く生み出されております。
 また、2には個別の研究開発の状況を示しておりますが、本分野の中核事業であります光・量子飛躍フラッグシッププログラムは、昨年11月の分科会での中間評価でも報告しましたとおり、政府戦略のロードマップの実現に大きく貢献しております。
 以上のとおり、本プログラム評価では、着実に量子分野の振興が図られていることを確認いたしました。
 続きまして、量子ビーム分野研究開発プランについて御説明いたします。829ページを御覧ください。
 本プログラムでは、1、プランを推進するに当たっての大目標における文部科学省の施策目標「オープンサイエンスとデータ駆動型研究等の推進」を踏まえ、2に示しておりますように、研究DXを支える大型研究施設、具体的にはSPring-8、SACLA、J-PARC、次世代放射光施設(Nano Terasu)等の整備・共用を推進するプログラムでございます。
 プログラムの実施状況ですが、3の1に示しておりますように、SPring-8、SACLA及びJ-PARCの各施設におきましては、安定的かつ継続的な運転時間の確保に努めることにより、毎年、施設累計1,300件以上の研究論文の発表実績がございます。
 また、現在東北で建設が進められております次世代放射光施設Nano Terasuにおきましては、開発・整備が順調に進捗しておりまして、令和5年度の建設完了を見込んでおります。
 2、個別の研究開発課題の状況ですが、量子ビーム分野研究開発プログラムにつきまして、各施設は本分野におきまして中核的な役割を担っており、中間評価でも報告いたしましたとおり、今後はNano Terasuの完成をもって、ますます我が国の研究力強化や生産性向上への貢献による国際競争力の強化に寄与してまいります。
 私からの説明は以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、最後になりますけども情報委員会主査の安浦委員から御説明をお願いいたします。

【安浦委員】  情報委員会につきましては、事務局のほうから説明させていただきます。

【佐々木参事官(情報担当)付参事官補佐】  情報委員会の事務局でございます。私から説明させていただきます。
 まず、情報分野におきましては、研究開発プログラムの設定の仕方を達成目標単位にしておりませんので、少しその辺りから御説明させていただければと思っております。
 参考資料の67ページを御覧いただければと思います。
 情報分野におきましては、今お示しいただいているように、研究開発プランにおきまして4つプログラムを設定させていただいておりまして、情報分野においては研究開発活動のまとまりを一つの事業として定めているところでございますので、その事業を1つの単位として、この4つのプログラムを設定させていただいているところでございます。
 この点につきましては昨年7月、こちらの研究計画評価分科会のほうにも意見として出させていただきましたし、実際この点も情報委員会で御議論いただく際にも御説明させていただいているところでございます。
 こちら、2-1の情報分野研究開発プログラム(1)が、それぞれ3-2-18の資料、2-2が3-2-19、2-3が3-2-20、2-4が3-2-21の資料にそれぞれ対応しているものでございまして、3-2-18につきましては、ここに書いてあるとおりでございますが、人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティーについて、理研のAIPセンターに世界最先端の研究者を糾合し、研究開発の推進から社会実装までを一体的に実施するという取組となっているところでございます。
 参考資料の67ページを引き続き御覧いただければと思います。まず各プロジェクトの概要を御説明させていただきます。2-2のプログラム(2)につきましては、Society5.0の実現化のために、学長等のリーダーシップによって組織全体としてのマネジメントを発揮できる体制構築を支援する事業としているところでございます。
 プログラム(3)につきましては、1行目の最後のところからでございますが、分野・機関を超えてデータを共有・利活用するための全国的な研究データ基盤の構築・高度化・実装等を行う研究DXの中核機関を支援するといった事業としているところでございまして、そのすぐ下にありますように、データ駆動型研究の支援や、環境整備を行う事業としているところでございます。
 2-4、プログラム(4)につきましては、冒頭にありますが、HPCIを構築するとともにこの利用を推進するといった事業として定めているところでございます。
 少し進んでいただきまして、参考資料の69ページの上半分に、各プログラムについて指標を設定させていただいておりまして、これらにつきましては行政事業レビューシートのほうで設定している指標をこちらでも活用しているところでございます。
 各プログラムと研究開発課題との関係につきましては、この下の線表、スケジュール表を御覧いただければと思いますが、(1)(2)(3)については、それぞれこちらの分科会でも御審議いただいております、1つの研究開発課題が1つのプログラムに対応しているところでございます。
 (4)のHPCIの構築につきましては、2つその中に研究開発課題が含まれてございまして、HPCIの運営と「富岳」の成果創出プログラムについての研究開発課題が含まれているところでございます。
 これらについて、資料のほうに移らせていただきますが、資料の897ページからが情報分野の研究開発プログラムに関するプログラム評価の案でございまして、こちらは昨年12月から書面調査の形で、情報委員会の皆様から御意見を頂戴いたしました。
 その後、主査の安浦先生に一任とさせていただいて、1月に情報委員会の案として決定させていただいているところでございます。
 こちらは4つのプログラムそれぞれについて、先ほど御説明させていただいた指標に、レビューシートで公表している各数値の状況を記載させていただいておりまして、特段進捗状況について委員の皆様から御意見はいただかなかったところでございます。
 1点だけ補足させていただければと思います。プログラム(3)について、945ページを御覧いただければと思います。
 こちらもプログラムの指標についてほとんど空欄となっていますが、こちらについては今年度から開始している事業でございまして、1つ目のアウトプット指標のみ見込みを書けるというところで、1つ、見込みがあるという形で書かせていただいているところでございます。
 また、委員の皆さんから基本的に御意見はなかったというふうに先ほど御説明させていただいておりますが、こちらのプログラム(3)に少しだけ御意見をいただきました。947ページを御覧いただければと思います。
 プログラムの現状についてのコメントということで、指標の設定に関して、事業内容をより適切に評価できる指標を引き続き検討すべきといった御意見をいただいているところでございまして、事務局についてもこの事業に関する指標を引き続き検討していきたいと考えております。
 情報委員会からの報告は以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 以上で全ての委員会からの報告をいただいたところです。
 それで、残りの時間なのですけども、時間が限られてまいりましたので、個々の委員会の報告についての御質問というよりは、この試行を受けて、これからの改善ということで御意見をいただく時間にしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
 そうしましたら、280ページでしたかね、今回の試行を行ったところで、いろんな御意見あるかと思いますけども、ここに示されているようなところで事務局がポイントを考えていただいておりますけども、どなたからでも結構ですので御発言いただければと思います。
 これについては、できるだけ御意見をいただいて次期につないでいきたいと思いますので、意見をいただく形で、次々に委員の方々から御発言いただければと思います。
 それでは高梨委員、お願いいたします。

【高梨(弘)委員】  ありがとうございます。高梨弘毅です。ちょっと私の意見を述べさせていただきますと、このプログラム評価というものの趣旨とは何かというと、各委員会の対応している各プランの中で、複数のいろいろなプロジェクトなり研究課題があるけれど、それらの個別の評価では決してない。個別の評価は別にやっているわけなので、やっぱりそれぞれがどういうふうに関連していて、全体としてどういうふうに有機的に関連して大目標に向かって貢献しているかという、そういう俯瞰するということが一番重要だと思うのです。
 そういうことを考えると、そもそもこの評価という言葉が適切かどうかというのも、ちょっと疑問に思うのですけど、だから全体として俯瞰したときにどういう状況になっているかというのを、この委員会で確認するというか、把握する、チェックする、そういう場であるべきなのではないかなという感じがします。
 そういう意味で、何か数値目標というか、数値指標みたいなものをここでまた出してくるのが、必ずしも妥当なのかどうかということも思うのです。
 今日も質問ありましたけど、例えば今走っているプロジェクトが次のプロジェクトにどうつながるかとか、あるいは、今走っているこのプロジェクトが、例えばその進捗状況が今走っている別なプロジェクトにどういういい影響を与えるか、あるいは悪い影響になってしまうのかとか、そういうものが分かるような形にしてもらって、そういうことを我々がチェックする、確認するという、そうであるべきじゃないかというふうに私は思います。
 それから、現状ですと、各委員会でプログラムに対するまさに粒度というか、考え方がちょっと違う感じがして、私が主査をやっているナノ材なんかは1つのプログラムの中でやっているわけですけど、委員会によっては一つ一つのプロジェクトがプログラムになっているような感じになっていたり、そこら辺もかなり各委員会でも違うので、もう少し統一したほうがよろしいのではないかと思います。
 それで、評価じゃなくて、先ほど言いましたけど、評価というよりは全体を俯瞰的に確認するということであれば、先ほどの利害関係ということでいくと、個別のそれぞれのプロジェクトや研究課題に対する利害関係者というものをここで排除する必要はなくて、全体をあくまで俯瞰する、確認するという形で進めていただければいいのではないかというふうに思います。
 私の意見は以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。ほかの方はいかがでしょうか。
 林委員、お願いいたします。

【林委員】  今の高梨委員の御意見にも大賛成でございます。
 まず、この論点のペーパーで言うところの、個々のプログラムの進捗状況についての把握について、丸の5つ目ですよね。「個別の研究開発課題に期待されるアウトプットではなく、プログラムによって実現しようとしている目標の状況が把握可能か」と書いてあるのですが、今日いろいろと御説明いただいたものを見ていると、プログラム名の2ポツに、各分野、概要と書いてあって、概要、大変よく分かるなと思っていて、ここで扱っているようなものは科研費とかとは違って、国として戦略的にやるべきような研究開発課題だったり、あるいは様々な研究者のための基盤を形成するような事業が多いと思うのですけども、概要のところはそういうものを通じて、その分野の研究開発力を発展させるとかそういうことが書いてあるのですが、一方で、3ポツのアウトプット指標、アウトカム指標になると、一気に個別課題の指標が合算されたり、あるいはもう一度再掲されているような、何かそういう感じが見えるのです。
 恐らくそうすると、何かプログラムの議論をしているはずなのに、結局個別課題の実施状況を取りまとめているような、何かそういう感じをきっと委員会の先生方も思われたのではないかなというのが、はたから見ていてそう思いました。
 本来、アウトカム指標、概要に書かれたような趣旨で考えれば、その分野の研究開発基盤とか環境ができているかとか、あるいはその分野の国の研究開発力がほかの国と比べてどうかとか、あるいはかなり高度な研究機器を開発しているようなところだったら、そういうものを使った研究力がほかの国と比べてどうかとか、もうちょっと、要は個別の課題よりは、概要に書かれているような、その分野についての状況がどうなっているかということが分かるような指標というのが立てられればしかるべきだと思うのですけれども、ただ、口でそのようなことを言うのは簡単ですが、恐らくそのようなものを立てるというのは非常に難しいことだと思ってはいます。
 恐らく、このつくる議論をされる中で、結局、日本のその分野の状況として最終的にどういう形になれば望ましいのかと。そのためにプログラムの中で課題群をやっているけれども、それで十分、構成としていいのかと、そういう議論が、このプログラム評価という作業をする中で議論として展開されていればとてもいいことだと思うのですけども、その辺りが今回、各分野ごとで、委員会の中で御議論がどうだったのかなということは思いました。
 ですので、恐らく1回目、まさに試行なので、試しにやってみてという、今回そういうことだったと思いますけれども、まさに先ほど高梨先生が言われたように、各分野の中でのそういう建設的な議論を誘導していくような形に、ぜひ変えていければいいのではないかなと思っております。
 以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、続いて宮園委員、お願いいたします。

【宮園委員】  宮園です。ちょっと私も高梨委員とそれから林委員がおっしゃったことの繰り返しになるのですが、やっぱり数値目標というとどうしてもその数字が先行してしまって、じゃあ論文をたくさん書くのがいいのかな、よかったのかなとか、反省するところが多くて、どうしても数値目標の中で、例えばきらりと光るいい仕事が出たとか、そういうのはなかなかピックアップするのは難しいなと思いながら見ていました。
 じゃあどうしたらいいかというのは、ちょっと私もなかなか思いつきませんけれども、今のお二人の意見に私も非常に賛成します。
 以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 続いて原澤委員、お願いできますでしょうか。

【原澤委員】  原澤です。基本的にお三方の御意見と同じなのですけれど、2点。1つは当初、このフォーマットの中に、ある程度このプログラムの実施状況を踏まえた進捗状況のコメントを書けるような欄があったと思ったのですけれど、委員会の中でもこの資料が出てきて、そこまでの議論をする時間がなかったということで、今回試行ということなので、次回からこの指標値の変化、あるいは進捗状況も踏まえて、やはり委員会として、このプログラムはどういう現状にあって、どう動こうとしているか、あるいは社会にどれだけ影響しそうか、そういったところも俯瞰的な意見を書くほうがいいのかなと思います。その分ちょっと大変ではあるのですけれど。
 2点目が、指標についてはアウトプット指標とアウトカム指標両方あって、これは文科省の事業は5年で更新、次のプロジェクトに移るということで、切れ目があると、その指標の継続性が途切れたりする可能性も出てくる、あと空欄があったり、急に数字がぽんと出てきたりするので、この辺は見せ方にもよるのか、考え方にもよると思うのですけれど、あと補助的な指標も加えることができるようになっていると思うのですけれど、そういう意味ではテクニカルな面でのちょっと問題点もあるかなという感じがいたしました。
 以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。ほかの委員の方からはいかがでしょうか。
 特に分野で御議論されてきたかと思いますけども、その時の様子だとか踏まえて御意見があればお願いしたいと思いますけども、いかがでしょうか。
 私からは、こういう形でフォーマットを整理できて、指標をいろいろ改善しなきゃいけないところもあるかと思いますけども、統一フォーマットができて、データとして集まってきたところについては、この期で大分進歩したのかなと思いますけども、各委員会で、分野のところで、この資料を使って、今まで委員の皆様が御発言されましたけども、そういった議論がこの資料でできるのかどうかというのが、一つ課題としてあるのかなと思いました。
 そういった議論をした上で、今度はここの委員会でどういう議論をするのかということで、恐らく2段階の議論が要るのではないかなと。そういったところに、今日は資料のディテールをかなり急いで御紹介いただきましたけれども、むしろこちらの委員会では、この資料を基にどういう議論が委員会でなされて、どういう状況だという説明をして、みんなで俯瞰的に見ていくというようなやり方もあるのかなというふうにお聞きしました。
 ということで、内容の改善というのはあるかもしれませんけども、これをどうやってうまく使っていったら、分野での議論、さらには文科省全体のプログラムの議論というのができていければいいのかなということで、そういった観点で、今回の試行も踏まえて来期につないでいっていただければありがたいかなと思った次第です。
 ほかの委員の方から、よろしいでしょうか。恐らく実際に作業された方、議論されたところで課題も見えてきているのかなと思いますので、本日は限られた時間ですのでこの辺にさせていただきますけども、ぜひ、気がつかれたことがありましたら事務局のほうにおっしゃっていただいて、次に向かっていければと思います。どうもありがとうございました。
 いただいた意見については、本日だけではなく、もしこの後でもいただければ、事務局のほうでまとめていただいて、私のほうでも確認して、次期の分科会で御紹介していただくなり、改善の方向に向かっていければと思います。ありがとうございました。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございました。

【岸本分科会長】  それでは議題の、4その他になりますけども、本日をもって今期の研究計画評価分科会の開催は最後となります。これまでの期の本分科会の取組について、お気づきの点がありましたら御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 今期、プログラム評価の試行をするということで、多くの委員の先生方にお手伝いいただいて試行ができたのかなと思います。一歩進んだのかなというふうに思っておりますけども、次につながるような、もし意見がございましたらお願いしたいと思いますけども、よろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。それでは事務局から事務連絡をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【久保研究開発戦略課専門】  本日はどうもありがとうございました。本日の議事録は後日事務局よりメールで送付いたしますので、御確認をいただきますようお願い申し上げます。最終的に岸本分科会長に御了承いただきまして、文部科学省のウェブページに掲載いたします。
 事務局からは以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは最後に、柿田科学技術・学術政策局長から一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【柿田科学技術・学術政策局長】  柿田です。委員の皆様には長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきましてありがとうございます。今期の締めくくりということでございますので、事務局を代表しまして一言御礼の御挨拶をさせていただきたいと思います。
 第11期科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会におきましては、岸本分科会長をはじめ委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中、本分科会に御参画いただきまして厚く御礼を申し上げます。
 今期の分科会におきましては会議が8回開催され、その中で研究開発課題の評価、分野別研究開発プランの策定、そして本日も終盤のほうで御議論いただきました分野別研究開発プログラム評価の試行という新たな取組も含めて、非常に活発に、熱心に御議論をいただきました。大変ありがとうございます。
 分野別研究開発プログラム評価の試行につきまして、本日、各委員会から御報告をいただき、そして委員の皆様から非常に貴重な御意見をいただきました。プログラム評価の考え方に関して、個々の施策の評価ではもちろんないわけでございますので、その分野の政策がどうなっているのかを俯瞰、把握、確認していくという視点が大事ではないかという御意見をいただきましたし、それぞれ政策を担当している部署が、分野別の委員会にプログラム評価をお諮りする中で、その分野の施策の推進状況がどうなっているのか、どういう方向に向かって、どの程度進んでいるのかということを、評価の作業の中で議論し確認していく、そのように展開すればよいという御意見もいただきました。確かに、そのように進めていくと理想的な形になるのかなと、私も感じた次第です。
 岸本分科会長からは最後に、このプログラム評価について一歩進んだという温かいお言葉もいただきました。他方で、たくさんいただきました貴重な御意見、これはしっかりと事務局として受け止めまして、次期の分科会でさらに進化をさせていきたいと思っております。
 私事でございますけれども、10年以上前に、課長のときに研究計画・評価分科会の事務局もしておりまして、その時は個々の課題、一個一個の課題の事前・中間・事後評価をひたすらやるということで、委員の皆様においてもかなりストレスフルな会議体でございまして、当時は文科省のOBも委員に入っておられた時代で、そのOBから毎回教育的なお叱りを受けていたというような状況でございました。本日御議論いただきましたような分野別研究開発プログラム評価、まさにこれは、これから文科省として政策をよりよい方向に進めていくために新しい取組として極めて重要で、また、この研究計画・評価分科会においてしっかりと御指導いただいて、リードしていただきたい、そして我々事務局としてもしっかり取り組んでいかなければいけない新たな取組だというように改めて感じましたので、本日の会議が今期最後でございますけれども、ぜひ委員の皆様におかれましては、今後とも様々な機会を通じて、私どもに御指導、御助力を賜りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、委員の皆様方のこれまでの御尽力に感謝を申し上げますとともに、皆様方のますますの御活躍を祈念いたしまして、御礼の御挨拶とさせていただきます。本当にお世話になりましてありがとうございました。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして科学技術・学術審議会第84回研究計画・評価分科会を終了したいと思います。ありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発戦略課

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)付)