研究計画・評価分科会(第77回)議事録

1.日時

令和3年8月25日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

Web会議形式で開催

3.議題

  1. 研究開発課題の評価について(非公開)
  2. 政策評価から俯瞰するオープンサイエンス時代の研究評価の論点検討会について
  3. その他

4.出席者

委員

岸本分科会長、高梨(弘)分科会長代理、春日委員、明和委員、村山委員、安浦委員、五十嵐委員、出光委員、上村委員、佐々木委員、高梨(千)委員、田中委員、塚本委員、長谷山委員、林委員、原澤委員、宮園委員、李家委員

文部科学省

千原科学技術・学術政策局長、氷見谷科学技術・学術総括官、塩田企画評価課長、佐野科学技術・学術戦略官、武田ライフサイエンス課長、高木研究振興戦略官、鈴木先端科学研究企画官、福田防災科学技術推進室長、根津政策推進室室長補佐、久保企画評価課専門官、ほか関係官

5.議事要旨

冒頭、本日の会議は研究計画・評価分科会運営規則(平成13年2月27日決定)第6条第3項の規定に基づき、非公開とすることが認められた。

 

以下の事前評価について各委員会より概要の説明があり、質疑応答が行われた後、事前評価結果が決定された。

・ライフサイエンスに関する研究開発課題の事前評価

・環境エネルギー科学技術に関する研究開発課題の事前評価

・防災科学技術に関する研究開発課題の事前評価

・情報科学技術に関する研究開発課題の事前評価

以降、運営規則第7条の規定に基づき議事録を公開。

 

<議題2>

 それでは、少し時間がオーバーしておりましたが、議題2の方に進みたいと思います。政策評価から俯瞰するオープンサイエンス時代の研究評価の論点検討会についてに入ります。本議題からは公開といたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

【根津政策推進室室長補佐】  大臣官房政策課政策推進室の根津と申します。ありがとうございます。このたび本報告書につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、こういった文書を取りまとめるに至った経緯でございます。研究開発評価につきましては、皆様には釈迦に説法ではございますけれども、非常に多様な対象がございますし、いろんな形で今も実施されているという状況です。

 特に国が関係する研究開発の評価につきましては、国の研究開発評価に関する大綱的指針であるとか、また、文科省でも研究及び開発に関する評価指針というものがつくられて、それに沿って国あるいは各機関で適切に実施していただいているというふうに認識してございます。

 ただ、一方で、オープンサイエンスを中心に研究開発の形も非常に刻々と変わって、特にスピード感を増しているという状況の中で、研究開発の評価をめぐる状況につきましても非常に変化が激しいというところがございます。

 そういった問題意識を持ちまして、当室は文科省全体のEBPMを推進するという政策を所掌しているのですが、そういった立場の当室が事務局になりまして、松尾文部科学審議官をヘッドにして、政策評価から俯瞰するオープンサイエンス時代の研究評価の論点検討会というものを6月30日に設置をしまして、約1か月、ざっと議論をして、こういった文章をまとめたということになってございます。

 構成員としましては、省内の関係課に加えまして、有識者の方3名にも御参画いただいて、今日委員として御参画いただいている林委員にも参加していただきまして、議論をしてまとめたということになってございます。

 論点検討会ということなので、ざっくり6つの論点をまとめたというところになりますけれども、ただ、その議論の中で、研究開発評価はそもそも何のためにするかといいますと、やはり研究開発をよりよくしていくということのためにするのであるから、そういったことにつながる評価にすべきだよねという問題意識も共有されましたので、御覧いただいている1ページ目の下の方にそういった趣旨も記載をしてございます。

 時間の関係で、6つの論点についてごく簡単に御紹介をしたいと思います。次のページをお願いいたします。先ほど申し上げた6つの論点といいますのが、その括弧の中に6つあります。

 まず1つ目としては、社会的インパクト評価という言葉で表現してございます。研究のアウトプットというのは、最初の方は論文とか研究データとかいろんな形で出ていくと思うのですけども、最終的には、社会的インパクトという言葉で表現してございますが、経済、社会、環境、文化など非常に多様な形でいろいろなインパクトを与えるというところが最終的なアウトプットとして出ていくということを考えまして、そういった社会的なインパクトをきちんと評価していく方法について、きちんと検討していくべきじゃないかというのが1つ目の論点でございます。

 2つ目です。これはオープンサイエンス等に関わる評価と記載してございます。オープンサイエンスの潮流を踏まえて、研究データの共有・公開であるとか、あとはチームサイエンスの推進、研究者が非常に多様な形で研究活動に貢献されるようになったということなどを、そのプロセスとか組織の構造みたいなものまできちんと評価をしていくような仕組みが必要ではないかということと、あと、迅速性と質のバランスみたいなものにも配慮する必要がある。一方で、分野によって、例えばデータの多様性であるとか、また、その形態が非常に多様である、あるいは利用のされ方も非常に変わってくるということがございますので、そういった点にもきちんと配慮する必要があるというような御議論を頂きました。

 3つ目の論点としては、質的評価と記載をしてございます。量的評価が今まで重視をされてきてはいますが、そういった量的評価だけで評価することについての懸念点も非常に認識されるようになってきてございますので、改めて質的な評価としてのピアレビューであるとかエキスパートジャッジ、エキスパートパネルの有効性について再認識する必要があるのではないかということ。一方で、ピアレビューについて、率直に申し上げれば、仲間内で評価しているのではないかのような反論を頂く場面もございますので、例えばメンバーの選定とか評価基準の設定の仕方、あるいは議論の進め方みたいなものもきちんとノウハウを蓄積していって、そういったものを透明化していく中で、そういった点について御理解を頂くやり方もあるんじゃないかというふうな議論もございました。

 また、4つ目、研究活動への関わりの多様性を踏まえた評価でございます。これは正に今日、審議いただいた事前評価の事業にもこういったものございましたけれども、研究支援人材、あるいは研究基盤という重要性を踏まえて、そういったものもきちんと評価していけるような仕組みが必要ではないかという点でございます。

 5つ目、指標の厳選と書いてございます。これは、指標は乱立されている状況、あるいはそもそも目標が曖昧なので指標が乱立してしまうのではないかという議論もあったんですけども、そういったものはいろんな各方面に悪影響を与えますので、しっかりと指標は厳選した上で、かつ、その研究機関の特性に応じた柔軟な指標設定をすべきではないかというところをまとめてございます。

 6つ目、最後、こちらは評価に伴う研究支援体制の組織化と記載してございます。評価書を全て研究者の方に作っていただくと、そもそもの研究時間が失われてしまうというところもございますので、きちんと研究者の負担軽減がなされるような形で評価を実施していく。そういった研究支援体制の構築もきちんと考えていく必要があるというところを記載してございます。

 以上、6つの論点をまとめて今回御説明させていただきました。今後これらの論点や、冒頭御紹介した各種指針を踏まえて、引き続き関係課と連携しながら、適切な評価がなされるように、関係機関あるいは国の関係課にも働きかけていきたいと考えてございます。

 簡単でございますが、以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。この論点整理についての位置づけについては、今最後にお話しいただいたように、これからいろんな形で関係者と検討を進めていくというところだということです。この時点での御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。

 私の方から質問です。この委員会との関係というのはどんな形になるということが想定されるのでしょうか。今日はこういうことが行われているという紹介を私たちがお聞きすればよいという形でしょうか。

【根津政策推進室室長補佐】  ありがとうございます。大臣官房政策課でございます。この論点検討会、今回御紹介させていただきましたのは、まず、こういった議論を省内でしてございますという御紹介と、あとはこの検討にこの会議の事務局をしております科学技術・学術政策局の課も入ってございますので、今後そういった課と相談していく中で、場合によっては先生方に、直接、間接かは分からないですけれども、御意見を伺う機会もあるかなということで、今回御相談させていただいた上で御紹介させていただきました。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。ほかに委員の方々から御質問、御意見ございますでしょうか。安浦委員から手が挙がり、上村委員から手が挙がっていますので、続けて御質問いただいてというふうに思いますので、よろしくお願いします。

【安浦委員】  おまとめいただいてありがとうございます。ここで評価する上で、大学や研究機関も法人化していますので、視点、人事的な待遇に対する自由度とか、これは研究者だけではなくて研究支援者も含めてですけど、そういったものまで含めてプロジェクトを評価する、そういう考え方で臨んでいるということで考えてよろしいんでしょうか。以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。それでは続いて、上村委員から御意見、御質問をお願いいたします。

【上村委員】  最初の岸本先生のお話も関わってきます。今こういう議論が進められているという情報提供という御説明はあったのです。非常に重要な議論をされていて、これが1つの方向性を持って文書が出てきたということになると、将来的には、私どもそれぞれ委員会の中で議論している事前、中間、事後の評価票における評価項目、評価指標といったところが、こういう哲学に基づいて再編成されることになるのだろうなと推測するんですけれども、そういう理解で合っていますでしょうか。

 だとすると、もし分かれば、スケジュール感としてどれぐらいの時期にそのアップデートをイメージされているのかというところが、お話しいただける範囲でお聞かせいただけるとありがたいです。

【岸本分科会長】  ありがとうございます。ほかの委員の方からは御質問、御意見ございますでしょうか。それでは、お二人の委員からの御質問について、お答えいただけるようであれば、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

【根津政策推進室室長補佐】  まず、大臣官房政策課でございます。安浦先生、御質問いただいてありがとうございます。

 スケジュール感も併せて御質問いただきました。冒頭御説明させていただいたとおり、まずは論点として、省内で有識者の先生の力も借りながらまとめさせていただいたというものでございまして、あと、率直に言って、1か月でざっとまとめたというものでございまして、今後は例えば、冒頭御紹介したとおり、国の研究開発に関する指針としては、国の大きな指針もございますけども、例えば内閣府のCSTIがまとめているという位置づけになりますし、今回まとめさせていただいた論点を踏まえて、今後そういう、ある意味正式なといいますか、きちんと会議体として決定されるような、そういう指針にどういう形で入れ込んでいくかということは、これから検討させていただくということになろうかと思いますので、具体的なスケジュール感もまだお答えできるような答えを持ち合わせていないところではあります。

 引き続き事務局とも御相談しながら、できれば定期的に御意見というか、動きを御紹介できる形にできればと我々としては考えてございます。

 科学技術・学術政策局の方からも何かございましたら、よろしくお願いいたします。

【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。分科会事務局の佐野でございます。

 私もこの検討会に参加をずっとさせていただいて、林先生も含めまして、非常に貴重な意見を伺ったというふうに思っております。

 この検討会、非常に短いタイトな中で議論していったということでございまして、評価の指針などを読みますと、いろんな被評価者がいまして、この被評価者の中でどういう評価をやっていくのか非常に複雑だということをまず認識をしておって、ただ、この短い中で1つアウトプットとしたかったということがありまして、こういうかなり短いコンパクトな形になっているかと思っております。

 本日ここで御紹介を頂きまして、また、先生方からも質問等頂いていて、例えば、この分科会との関係というところでございますが、我々も今年課題評価をやっていく、それから、次回の分科会の議題で少し関わって、また御議論いただく予定でございますが、例えばプログラム評価のようなもの、これ前期の分科会から引き続き議論されているようなものだったりしております。こういう中で議論していく中で、適切なものについては適宜反映していくということも1つあるかなと思っております。以上でございます。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、この件についてはここまでとさせていただきまして、最後に議題3、その他になります。何かございますでしょうか。また、この委員会、あさってですか、ありますので、またそのときにでも伺えればと思います。

 それでは、その他はないということで、事務局から事務連絡等についてお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【久保企画評価課専門官】  では、最後になって恐縮でございます。局長の千原が参加しておりますので、御挨拶をさせていただきます。千原局長、よろしくお願いいたします。

【千原科学技術・学術政策局長】  本年7月に科学技術・学術政策局長を拝命いたしました千原でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 委員の先生方におかれましては大変御多忙の中、本日の第77回の分科会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございました。

 今年度も新型コロナがまだこういう猛威を振るっているという状況で、オンラインでの会議の開催ということで、大変先生方に御不便をおかけしております。大変そういう恐縮な中でも長時間、また多岐にわたりまして本日、研究開発課題について事前評価をしていただきまして、大変ありがとうございました。頂いた御指摘、御意見を踏まえて、事務局の方としても、それぞれの課題における研究開発の質の向上、あるいは新しい知の創出等に向けてしっかり努力をしてまいりたいと思います。

 どうぞ引き続き御指導賜りますようによろしくお願い申し上げます。また、先ほどもありましたが、あさってもまた大変御多忙の中、よろしくどうぞお願い申し上げます。簡単ですが、以上でございます。

【久保企画評価課専門官】  ありがとうございました。では、最後に事務連絡でございます。次回は明後日の8月27日金曜日の15時から、また同じようにオンラインで開催いたします。

 なお、本日の議事録につきましては、後日、事務局よりメールで送付いたしますので、御確認を頂きますよう、お願いいたします。

 なお、今回は事前評価以外の部分が公表となりますが、その点につきましては御確認いただいた後、最終的に岸本分科会長に御了承いただきまして、文部科学省のウェブページに掲載いたしますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 説明は以上です。

【岸本分科会長】  ありがとうございました。それでは、以上で科学技術・学術審議会第77回研究計画・評価分科会を終了いたします。明後日78回がございますけども、またよろしくお願いできればと思います。本日はどうもありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)