令和8年3月17日(火曜日)14時00分~16時00分
文部科学省17階研究振興局会議室(+オンライン形式でも開催)
大曲主査、川上委員、小柳委員、鹿野主査代理、鈴木委員、多屋委員、山野委員、渡辺委員
鈴木 忠樹(国立健康危機管理研究機構(JIHS)国立感染症研究所感染病理部長)
佐藤戦略官、秋野企画官、南専門官、森田専門官
【大曲主査】 それでは、定刻となりましたので、ライフサイエンス委員会第4回の感染症研究の推進に関する作業部会を開会いたします。構成員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の議事でありますけれども、ライフサイエンス委員会運営規則第4条に基づいて公開となっております。よろしくお願い申し上げます。
まず、議事に入ります前に、事務局より本日の出席委員、そして資料などについて説明をよろしくお願いいたします。
【森田専門官】 本日事務局を務めさせていただきます森田でございます。
まず初めに、本日の御出席の委員について御報告いたします。オンラインで御参加の先生方もいらっしゃいますので、通信状況の確認も踏まえて、お名前を申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
まず、現地で御参加の大曲主査。
【大曲主査】 大曲です。よろしくお願いします。
【森田専門官】 よろしくお願いいたします。
川上委員。
【川上委員】 よろしくお願いします。
【森田専門官】 小柳委員。
【小柳委員】 小柳です。よろしくお願いします。
【森田専門官】 鹿野委員。
【鹿野主査代理】 鹿野です。よろしくお願いします。
【森田専門官】 よろしくお願いします。
鈴木委員。
【鈴木(基)委員】 感染研の鈴木基です。よろしくお願いします。
【森田専門官】 よろしくお願いします。
多屋委員。
【多屋委員】 多屋でございます。よろしくお願いいたします。
【森田専門官】 渡辺委員。
【渡辺委員】 渡辺です。よろしくお願いいたします。
【森田専門官】 以上7名の委員に御出席いただいております。山野委員におかれましては遅参となりまして、また遅参にて御参加の予定です。
現時点で作業部会の委員7名が御出席となりますので、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会ライフサイエンス委員会運営規則第3条に基づき、会議は成立いたしますことを御報告申し上げます。
また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所感染病理部部長の鈴木忠樹先生に御出席をいただいております。
第3回作業部会に関する議論については、昨日、委員の御意見を事務局でまとめさせていただいた資料を送付させていただいております。資料を御確認の上、御意見に相違がないか御確認をお願いいたします。
また、本日の作業部会では非公開資料が含まれているため、議題(2)中間報告案についての途中より傍聴を停止させていただきます。傍聴の皆様におかれましては、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。資料1から2、それと非公開の資料を1つ御用意しております。資料の不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
特に問題ないようでしたので、事務局からの御説明は以上となります。
【大曲主査】 御説明ありがとうございました。それでは早速、議事を始めてまいります。
まずは議題(1)でありますネットワークコア拠点における感染症研究のための病原体等の収集や共有のあり方に関する研究についてのヒアリングであります。JIHS国立感染症研究所、鈴木忠樹先生からお話をいただきます。それでは、鈴木先生、よろしくお願いいたします。
【鈴木(忠)部長】 国立感染症研究所感染病理部の鈴木忠樹と申します。よろしくお願いいたします。
私のほうからは、AMED新興・再興感染症研究基盤創生事業の海外研究拠点研究領域の中におきまして、國土先生が代表者を務めるネットワークコア拠点の設置にかかる研究開発及び支援機能ということで研究を実施している中の分担課題の一つについて本日御報告させていただきます。
次のスライドお願いいたします。私の担当課題につきましては、感染症研究に必須となります病原体資源の収集や共有について現状を把握して、今後の研究促進に資する要素を特定することを目的としております。背景としましては、私が所属します国立健康危機管理研究機構が海外拠点のネットワークのコアとして研究を促進していく、サポートしていくような機能を今担っておりますので、その中の一環としまして、どのように病原体資源を収集して共有していけばいいのかということの現状についてまとめようということでやっております。
背景の一つとしましては、こちら赤字で示しましたように、昨年の5月にWHOのパンデミック協定が採択されまして、その中で病原体へのアクセスと利益配分、PABSというものが定められました。内容はまだ議論が続いておりますが、こういうような病原体をめぐる社会状況が変わってきておりますので、そこを踏まえてこのような調査を実施したということになります。
次お願いいたします。こちらは私の立ち位置を今示すために、J-GRID+と言われる感染症国際研究拠点連携プログラムの中のJIHS拠点においてこの研究を行ったというものになります。
次お願いいたします。こちらはそのコア拠点の役割を示しているだけですので、次お願いいたします。
こちらも、時間の関係で割愛させていただきます。
次お願いいたします。先ほど背景のところで述べましたPABSですが、これはWHOのパンデミック協定で新設される病原体共有と利益配分の枠組みとなります。これは新型コロナのパンデミックを契機としまして、各国の間で病原体資源へのアクセスや、そこから得られる医薬品についての配分の不平等があったのではないかという議論がありまして、このような枠組みが設定されることの議論が現在続いております。
パンデミックを引き起こす可能性のある病原体(ウイルス・細菌など)やそれらの遺伝情報(シークエンス情報)も包含しておりまして、迅速・公平に各国で共有して、その利用から生じる利益も公平に分配することを目的としています。利益配分には、金銭的なもの、非金銭的なものが含まれておりまして、各国は法令や国際法にのっとり、このPABSシステムの運用に必要な措置や調整を行うことが求められているということで、具体的な利益配分の方法などについては現在Annexとして議論が続いているところになります。この議論は今年の5月に結果が見えてくることになっておりますが、まだ確定的なことが言える状況ではないということになります。
次お願いいたします。大きなものとしましては、このPABSが求めているものとしては、病原体情報から作られましたワクチン・治療薬・診断薬の生産量の20%をWHOに拠出する仕組みとして構築されているものとなります。この20%というのは、パンデミックのさなかにもCOVAXというワクチンの分配のシステムがありましたが、そういうところでも求められてきた数字と認識しております。
次お願いいたします。現在このPABSのスキームについては議論が続いておりますが、ここに示しましたように、締結国からWHOにマテリアルやシーケンスが提供されて、参加する企業にWHOを経由して提供されていく。その結果、その企業等で作られた生産物がWHOに分配されて、WHOが必要としている国々へ分配していくという流れが考えられているということです。まだ議論が続くところですが、このスキームが動き出すことによって、研究現場へ過度な負荷がかかる、もしくは感染症研究そのものが阻害される懸念ということも現在議論されているということになります。
次お願いいたします。このような背景を踏まえまして、私のほうで令和6年から令和7年にかけて病原体の収集や共有の現在の在り方がどうであるかということを調査して、さらに、海外拠点の研究ネットワークでどのようにしていったらいいのかということを考察していました。
次お願いいたします。まず大前提としまして、病原体バンクが今現在世界でどうなっているのかということを調査いたしました。病原体バンクの定義につきましては、こちらのスライドで示しているとおりです。様々なバイオバンクがある中で、病原性のある微生物を取り扱っているSpecial CC、Culture Collectionsが病原体バンクだろうという定義をしまして、これでいろいろと調査を行いました。
次お願いいたします。通常のバイオバンクと病原体バンクの違いをこちらに示しております。大きな違いは病原体を取り扱っているかどうかということになりますが、病原体のほうは、各国におきましてそれぞれ病原体の取扱いに関する法令が定められております。日本におきましては感染症法や家伝法がありますが、そういうものに対応している必要があるということで、通常のバイオバンクとは少し求められる制限が違うということが重要となってきます。
次お願いいたします。ということで令和6年度は何をやったかといいますと、まず、国内外でこのような病原体を共有する仕組みがどういう形であるのかということを調査する。海外の事例に関してはなかなか調査の費用がかかりますので、デスクトップ調査のみとなりますが、代表的な国を4つぐらい選びまして調べました。また、国内は、いわゆる微生物などを取り扱っているバイオバンクにお願いをしまして、状況を調査させていただきました。
次お願いいたします。まず、バイオバンク、病原体バンクの活動内容について、様々な活動があるんですが、それらを細かく切り分けまして、大体このような形になるだろうということでこのスライドに図示しています。特に私の調査では、病原体そのものを収集していく活動や保存とか管理ということについて重点的に調査を行ったものとなります。
次お願いいたします。海外の病原体等バンクに関しましては、こちらに示しましたように、米国の2か所の大きなバンク、英国、またフランス、さらにベトナムにおけるバンクについて調査いたしました。
次お願いいたします。こちらはそれぞれの海外のバンクの基本的な情報を示していますが、それぞれ多種多様な病原体等を多く保管して管理しているということが分かっていただけると思います。
次お願いいたします。公開情報を基にまとめたものですが、欧米のバンクは感染症研究に関するレポジトリを効率的に集約・統合することによってコレクションの数を充実させているということ、また、海外の機関と株を交換するなどの方法でコレクションを充実させるという方法を取っておりました。それによってバンクそのもののコレクションを増やしているということがうかがえました。あと、欧米でやはり目立ったのが、ISOなどの認証を取っているバンクが非常に多かったということになります。このような認証を取ることによって、受入れ側にとってしっかりと管理できるということを示して、さらに分与先に対しても一定程度の品質が担保された病原体・微生物を提供できるということを保障しているということと考えています。
次お願いいたします。一方、日本国内はどこを調べたかといいますと、こちらに明記したような15個のバンクにお願いしまして、実情をお聞きいたしました。聞き取り調査を行いました。
次お願いいたします。中身の詳細につきましては、こちらは機微情報も含まれますのでここで言及することは避けさせていただきますが、大きく15個の国内のバンク活動を行っている機関を調べた結果、大体収集の方法としては、検査試料から病原体を得ている、または研究活動を通じて病原体を得ている。さらに、寄託などを通じて病原体を収集している。また、特徴的だったのは、臨床検査会社から買取りをしているというような事例もありました。このような活動を通じて国内のバンクでは病原体等のコレクションを増やしているということが分かりました。
次お願いいたします。一方で、様々な聞き取り調査の中で、幾つか問題点もあるということが分かってきました。まず、分離した株の所有権が法的にははっきりしていないということも幾つかの先生方から御指摘いただきました。歴史的にはその病原体を分離した、微生物を分離した機関に所有権があるということで運用されているんですが、実際にはそれを保障するような法的な文書があるわけではなくて、なかなかここの所有権については議論があるんだということを、私自身十分に認識していなかったことですので、この問題は非常に驚きました。
また、海外のバンクに比べますと、なかなか体制が十分ではなくて、特に科学的な専門性ではなくて、知財とか法令に対して十分な専門知識のある人材を確保することに多くのバンクが非常に困難であるということを述べておりました。
また、微生物の輸送に関しても、非常に難しくなってきているということを聞いております。特に病原性のある微生物ですと感染症法とかで制限がありますので、そういうものに対応していくことに困難があるということです。
また、バンク活動そのものに対してなかなか理解を得ていけない。資金を確保することが困難である。また、資金不足によって、バンク自体のクオリティーを上げていくことがかなり難しくなってきているということもおっしゃっておりました。
さらに、海外からの病原体に関しましては、名古屋議定書に対応していくことも非常に課題があるということを聞いております。
次お願いいたします。こちらの先生方に御協力いただいて、先ほどのような課題などをまとめさせていただきました。
次お願いいたします。このような国内のバンク、海外のバンクの調査を経て、では、J-GRID+の中ではどのように病原体を共有していくのがいいのだろうかということを今年度令和7年度調査いたしました。
次お願いいたします。この調査は、前年度令和6年の調査の調査票を活用しまして各拠点にアンケート調査を行った後に、インタビュー調査を実施しております。
次お願いいたします。調査をした拠点は、海外拠点を保有している拠点の代表者の先生方に調査をしております。
次お願いいたします。調査の結果ですけれども、海外の研究拠点と日本の国内の拠点、大学の拠点の間では、病原体等のやり取りとか、また、国内外の共同研究先への提供も一部実施されているということが分かりました。多くは国内拠点と海外拠点の間、この2者間での物の行き来になりますが、一部、国内拠点を経由しまして第3の共同研究先にも提供されているという事例も見受けられました。
次お願いいたします。それぞれの海外の拠点ではどのようなものが収集されているかということについても調査いたしました。個々の数字に関しては機微情報となっていますので、どういったものを各拠点で集めているかということを拠点の数字として示しております。多くは医療機関にひもづいたヒト検体を集めているところが多かったんですけれども、環境中の検体とか、また、動物の検体を収集している拠点も多く見受けられました。
次お願いいたします。また、どんな病原体等を保管しているかということで、こちらも拠点の数として出させていただいていますが、ウイルス、細菌、寄生虫、また、臨床検体そのものを収集している機関が多かったということになります。真菌はこの拠点の中では収集しているところはありませんでした。また、感染症法上の分類、家伝法上の分類についても、四種病原体は多くの機関で収集しておりましたし、一部の機関では、二種の病原体等、また、家畜伝染病病原体についても収集しているということで、なかなか取扱いが困難になるようなものについても収集しているということが分かりました。また、拠点間でMTAを締結することによって、海外拠点から日本国内拠点へ病原体等を輸送している、また、一部では3拠点間のMTAによって日本国内の連携機関にも提供していることが分かりました。
次お願いいたします。現地、海外の拠点での病原体の分離や解析レベルは、国によって大きく状況が異なっていたということも今回の調査で分かりました。国によっては非常に技術レベルが高いところもありますし、また、国によってはなかなかリソースがそろっていないというところもあって、それぞれの事情によって対応されているということでした。名古屋議定書への対応については、現状、相手国側でしっかりと整備されていないところも結構多くありまして、そのような国ではMTAの中で制限を設けているというものが多かったと感じています。
次お願いいたします。さらに、このような拠点は、病原体の収集に限らず、感染症の研究をするに当たって、そのほかの欧米の研究機関とのやり取りも現地であるということが分かってきました。そのような中で、米国CDCをはじめとする欧米拠点との競争に勝っていかないと、なかなか拠点での研究が難しくなるというのをお聞きいたしました。一方で、欧米の拠点に比べて長い期間の信頼関係によって優位性を持っているということも多く報告されました。
次お願いいたします。こちらはこのような活動をされている海外拠点の先生方なんですけれども、コア拠点に対してどのような期待があるか、どのようなことをしてほしいかということをお聞きしましたところ、やはり法令とか、また、国際間の合意形成や国内の省庁間の調整など、政府レベルの交渉とか情報提供についてはニーズが高いということを確認することができました。また、人材育成については、病原体の取扱いに関して、各機関でレベル感があったような人材育成の研修があってもいいのではないかという意見もありました。研修の実施とか情報の提供というのは我々JIHSとしても推進できる一方で、レジストリの整備とか政府レベルの交渉というのは、かなり大きなリソースが必要となるため、JIHS単独ではできないだろうというふうに私自身は考えておりますが、今後、各拠点の先生方としてはこのようなニーズがあるということが把握できました。
次お願いいたします。このような調査を経て、拠点の特徴を私なりに整理させていただきました。まず、1点目が、11か所の拠点、いずれもしっかりとそれぞれの国に根づいておりまして、築き上げた強固な信頼関係とネットワークというのは、日本の感染症研究の貴重な資産であるということは本調査を通じて実感することができました。
一方で、現状、病原体の共有に関しては、確固たる機能が実装されているわけではないということも確認できました。もちろん限定的に日本の拠点と海外の拠点との間で病原体の移動はありますけれども、それは研究するために病原体を移動しているだけであって、いわゆるバイオバンクのように病原体を共有するというような仕組みにはなっておりません。このような新たな機能を追加するためには、前年度の調査結果を踏まえますと、相当入念な事業設計と膨大な投資が必要ではないかと感じました。
次お願いいたします。それを踏まえて、拠点の役割と今後の課題を病原体の共有というところから考えてみますと、海外共同研究拠点事業の効果としましては、多様な病原体を対象とした研究が様々な感染症流行地域で推進されておりまして、感染症のフィールドサイエンスのサイトとしては非常にきれいにワークしておりまして、微生物学と感染症学の全体の基盤強化には大きく貢献していると考えています。さらに、微生物学の枠組みを超えて包括的な感染症学としての視点で幅広い基礎研究ができているというのも、本事業の大きな特徴だと考えています。MTA等の制限はついているんですけれども、病原体等の一部は日本の国内の拠点にも共有されて日本国内での研究にも貢献しているということも確認できましたし、さらに、基礎研究だけではなくて各国の感染症対策にも直接貢献しているという事例も多くお聞きすることができました。
このような事業の効果を踏まえて今後の課題ということを考えていきますと、感染症研究は、そもそも地球規模の課題解決のために各国のローカルな課題に対応していくという類いのものですので、それの知的基盤ということをしっかりと認識して整理していくのがいいのではないかと考えております。感染症流行地域における情報とか材料の収集は、感染症研究そのものの質を高めて、そこから得られる知的資源は感染症対策の効果と効率の向上に大きく貢献すると考えています。流行地域での高い効果と効率の感染症対策の実装というのは、スピルオーバーを抑制して、日本のような非流行地域の被害低減にも貢献しているだろうと考えています。感染症流行国に設置された海外研究拠点は、現地カウンターパートとの強い信頼関係に基づく感染症研究のための研究インフラとしては非常に高い価値を有していると考えています。一方で、PABSなどの感染症研究をめぐる国際的な情勢が大きく変化する状況において、海外研究拠点群として大学の垣根を超えて国として統一的な拠点運営支援が必要だろうということも本調査を通じて強く感じました。
次お願いいたします。こちら、最後のスライドになります。私の立場から言うことではないのかもしれませんが、調査を通じて、拠点の先生方の意見も踏まえて、大体このような5つのところが機能強化としては必要なのではないかということが出ました。
1つ目が、政府系の海外事業(JICA等)との連携による研究環境を安定化させるということ。昨今、海外ではいろいろな国で政情不安定などいろいろ難しい状況になっていますので、現地の法人同士がしっかりと連携できる体制は非常に重要だと考えています。
これに関連するんですが、海外派遣者の安全管理、研究継続支援体制というのは、この事業において全く実装されていませんので、ここについてはしっかりと考えていかなくてはならないだろうと考えています。
さらに、学際的人材の育成、疫学・統計学分野を重視した感染症学への投資も、このような感染症のフィールドサイエンスの場においては非常に重要だと考えています。
また、これはある拠点の先生から提案されたんですけれども、複数拠点の連携したような臨床疫学研究ができないかということをおっしゃっている先生がおらいらっしゃいました。ここは非常に面白い視点だと考えていますし、このような研究があってもいいのではないかなと考えております。
またさらに、国内でBSL4施設が現在稼働し出しています。このような施設と連携することによって、海外のフィールド研究とBSL4を有機的に連携させた共同研究というのは非常に価値の高い研究になりますし、また、世界トップレベルの研究人材を国内で育成・維持することにも貢献するのではないかと考えております。
以上、私のほうからは、調査結果とそれに基づいた提言をさせていただきます。
以上となります。
【大曲主査】 鈴木先生、御発表ありがとうございます。それでは、委員の先生方から鈴木先生に御質問がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
川上先生、お願いします。
【川上委員】 どうもありがとうございました。海外でもかなりバイオバンクがしっかりと運営されているということですけれども、国内だとやはり国からのサポートが十分でないという意見も見られた一方で、海外だとこの辺りはどのようにサポートされて、継続的に運用されているんでしょうか。
【鈴木(忠)部長】 ありがとうございます。デスクトップ調査に限っておりますので、資金の出どころははっきりと調べることができなかったんですけれども、基本的にはやはり公的資金によって運営されているという印象を受けております。
【川上委員】 例えば今回トランプ政権になって、かなりそこら辺がNIHとかも資金を切られたりしているわけですけれども、そういうときであってもそこだけはもう絶対に死守するみたいな形になっているのか。バイオバンクとかだと、1回資金がなくなってしまって打ち切られてしまうと、もう1回再開というのは非常に難しいと思うんですね。この辺りはデスクトップ調査では分からなかったというところでしょうか。
【鈴木(忠)部長】 バイオバンクの調査自体が令和6年度に実施されていますので、そういう影響を特に把握することができなかったということなります。
【川上委員】 ありがとうございます。今後、多分バイオバンクを日本でもしっかり整備していくとなってくると、一度つくると、基本的には10年20年やめられないというところもあると思うので、その辺りもかなり設計が大変そうだなと感じました。ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。ほか、先生方いかがでしょうか。
多屋先生、お願いします。
【多屋委員】 鈴木忠樹先生、大変詳しい調査結果と御発表ありがとうございました。
一つバイオバンクのことで教えていただきたいのですが、バックグラウンドにある情報というのはどのぐらい一緒にひもづいているものでしょうか。また、それは同じような情報が各バイオバンクで保管されているものなんでしょうか。よろしくお願いします。
【鈴木(忠)部長】 例えばヒトから分離された病原体ですと、人の情報が付随しますと人倫理の観点から共有が非常に難しくなりますので、基本的にはほとんどそういうメタデータはついていないというのが一般的でした。なので、病原体そのものの性質とかそういう情報は各バンクで保管されていますし、その精度管理についても情報があるんですけれども、いわゆるそこの由来検体の情報についてはほとんど入手できないと考えています。
【多屋委員】 なるほど。ありがとうございます。由来の情報というのはとても大事じゃないかなと思っているんですけれども、今後やはりそこはどうしても集めることは倫理上難しいと、そういうことでしょうか。
【鈴木(忠)部長】 由来情報、例えばヒトの検体の臨床情報とひもづいたような病原体を収集するのであれば、やはりそれ用のスキームが必要だろうと考えています。広く収集して共有するということを優先するのか、それともメタデータがリッチな病原体を収集してそれを提供するのかというのは、それぞれ事業の目的によって設計を変えなくてはならないと考えております。
【多屋委員】 ありがとうございました。以上でございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。では次は、渡辺先生、お願いします。
【渡辺委員】 大阪大学の渡辺です。鈴木先生、大変詳細な調査結果についてどうもありがとうございます。
スライドの29でしたか、ネットワークコア拠点への期待というのが挙げられていたと思います。こちら、もともと情報を集めるとか提供するとかそういったことはあるのかなと思っていたんですけれども、人材育成みたいなものもネットワークコア拠点に期待される役割ということで割とちょっと驚きました。この辺り、ネットワークコア拠点へ期待されるということがかなり多いような気がするんですけれども、この辺はこれから先というのは具体的というか実際はどういったところを力を入れて進めていかれるというようなことを考えておられるんでしょうか。全部を行くのか、あるいは選んでやっていくのかとか、その辺を少し教えていただけたらと思いました。
【鈴木(忠)部長】 ありがとうございます。これはあくまでも、JIHS側からこれをやったらいいでしょうかという形ではなくて各海外拠点の先生方からの意見ということで取りまとめているので、特にオープンクエスチョンで聞いている中で出てきたものになります。日本国内の人材育成については大丈夫なようなんですけれども、各拠点、海外側でしっかり海外の拠点の従事者をバイオリスク管理などそういうところを教育するというのは、やはり拠点の日本人の先生方の御負担にもなっているようで、そういうものを一括して統一的な体制でできないんですかねというのは意見としていただきました。
【渡辺委員】 すみません、その辺りというのは、海外の拠点の研究従事者なり何なりが例えば日本に来て学ぶとかそういったことなんですか。
【鈴木(忠)部長】 恐らくそこまで考慮しているわけではないと思うんですけれども、バイオリスク管理の講習会を開くということ、研修をするというだけでも割としっかりとメニューをつくっていくのは多くの専門家をそろえる必要がありますので、それを海外拠点を運営している数名のスタッフで全て用意するというのはやはり負荷が大きいのかなと感じました。
【渡辺委員】 ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。そのほか、委員の先生方いかがでしょうか。
小柳先生、お願いします。
【小柳委員】 鈴木先生、いろいろありがとうございます。国内調査の17ページのところで質問がございます。これを拝見したときに、結局これ、1から15、それぞれお金の出どころがそれなりに分かるような感じがするんですけれども、この中で私らが知っているのは、例えば遺伝研とか、5番とか、8番もそうですね。これは例えば8番の遺伝研の先生に聞くと、最近コロナの頃にいろいろ相談があって、これの共有について、もともと遺伝研は共有の思想が強いところですから、それなりに病原体の共有について何か特別なことはされているんですか。
【鈴木(忠)部長】 ありがとうございます。遺伝情報の共有については、遺伝研の先生方は非常に多くノウハウを持っていますし、DDBJを管理されていますので、そこは日本ではバイオインフォの共有ということについては一番担ってらっしゃる先生方と考えますが、今回は情報というよりも生き物そのものですね。
【小柳委員】 生き物なんですね。
【鈴木(忠)部長】 はい。微生物を一応、遺伝研の生物遺伝情報センターの先生方が原核生物、大腸菌のバンク活動をしているというので、実際にどのようにされているのかということをお聞きしたというものになります。
【小柳委員】 誤解していました。これはジーンバンクじゃないんですね。
【鈴木(忠)部長】 はい。
【小柳委員】 分かりました。それで、そうすると、例えば現在のJIHS、もともとの感染研が関わっているものは、例えば地方衛研から入ってくる情報あるいは病原体、そういうものは2番ということですか。あるいは1番?
【鈴木(忠)部長】 感染研の中で薬剤耐性研究センターの薬剤耐性菌バンクにあえてお聞きしたのは、こちらは厚労省の管轄の事業の中で全国の医療機関から薬剤耐性菌を収集しているというシステムを持っていまして、それで、どのように収集して、どういうように分与等の還元をしているのかということの実情をお聞きするために聞いたものになります。これはいわゆる地衛、地方衛生研究所から何かを集めてというものではありません。地方衛生研究所も各自治体の中でそういう病原体の収集を担っている実情がありますので、そこについても幾つかの衛研の先生方にお話をしまして、どういう状況であるかということをお聞きしました。
【小柳委員】 僕は、日本のもともと感染研がつくられた地方衛研とのネットワークはすばらしいものだと思って、それはかなり情報共有されているんですね。
【鈴木(忠)部長】 はい。あくまでもそれぞれの目的に応じてだと思うんですけれども、情報と病原体そのものというのは必ずしもいつも一緒になっているわけではないんですが、必要に応じて地方衛生研究所から感染研のほうに集約されて、感染研で解析をされて、その結果が国民に還元されるというシステムはございます。ただ、それがバンクとしてやられているかどうかということが分かりませんでしたので、今回……。
【小柳委員】 バンクではないんですね。
【鈴木(忠)部長】 はい。そのバンクとの関係性について調査したということでございます。
【小柳委員】 分かりました。誤解していたのは、僕は、衛研の方は臨床的にひもづけされて、それが感染研に情報が上がっているんだと思っていたんですが、そうではないんですね。
【鈴木(忠)部長】 情報として上がっているものもあるみたいなんですけれども、全てが全てそういうわけではないという感じになっております。
【小柳委員】 何せやっぱり感染研は大きな組織ですから、そこのネットワーク化は、このJ-GRID+とは関係ないかもしれないんですけれども、感染研のネットワーク化ってどうなのかなと思って聞かせていただいたというところです。
ありがとうございます。いろいろJ-GRID+については、私がいろいろ聞かせていただいて、できるとことできないところがあるというのはよく分かりました。
それで最後、個人的意見でもよろしいんですけれども、先生が最後に言われた、ページでいうと32ページ、この中でもうちょっと詳しく聞いてもいいですか。
【鈴木(忠)部長】 はい、もちろんです。
【小柳委員】 ここでできることとできないこととあると思うんですけれども、あるいはJIHSがやれそうなこととか、やれそうでないことって、コメントをいただけますか。
【鈴木(忠)部長】 まず、私自身、研究者として、私自身も海外のフィールドを使っていますが、やってほしいこととしましては、海外派遣者の安全管理ということに関してはやはり非常に大学の負担が大きいのではないかなと考えています。何かいろいろなテロとか政変が起こったときにどうやってその人たちのセキュリティーを確保するかということについては、何らかの措置があったほうが安全ではないかと考えていました。
もう一つ、研究の面ではぜひ、長崎大学のBSL4がBSL4として認定されましたので、海外拠点のフィールド研究と国内のBSL4の連携というのはしっかりと考えていったほうがいいのかなと考えます。臨床検体の状態ですと国内への輸送ということもされているということでしたので、そこから例えば一種病原体が予想外に見つかったときなどとかにBSL4が連携できると、非常に価値の高い研究ができるんじゃないかなと考えております。
【小柳委員】 まさしく私が研究交流会でそういう印象を持った一番最後のBSL4の共有は、アフリカでの研究をしておられる先生が思わず「それってBSL4じゃん」と言ってしまったんですけれども、向こうでは検査する前だからBSL4ではないということで、向こうでそこで研究が終わっているんですね。だから、そういう意味で、最後の点は日本の研究者が日本でやってほしいなと思いながら聞いておりました。
以上です。ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。では、鈴木基先生、お願いします。
【鈴木(基)委員】 忠樹先生、非常に詳細な分析と示唆に富むコメントをありがとうございます。
まさに今、先生も御指摘されていたように、コロナの前から国際フィールド研究においてはいわゆる脱植民地化というような、要するに、先進国の研究者が中低所得国に落下傘的に入っていってサンプルと情報だけ吸い上げていくというような流れというのはもう批判されてきていて、パンデミックアコードも基本的にそういった流れを踏まえたものと認識しています。なので、今後も海外拠点を展開していくに際しては、単に情報やサンプルを集めるのではなくて、現地のカウンターパートと対等な共同研究の体制を構築していくというのが大事なんだろうと思っています。
その上で、先生が最後のところで指摘されていたような、今後海外拠点を活用しながら病原体のレジストリ構築とか共有の仕組みを整備していくためには相当な投資が必要であるという御指摘は、私もそのように感じているところです。
ここから質問ですけれども、仮に本当に物すごい投資がなされたとして、じゃ、海外研究拠点を使ってどのように病原体レジストリ構築をして共有の仕組みが出来るのか、あるいはこうあってほしいというような先生のイメージがもしあったら教えていただきたいと思います。
【鈴木(忠)部長】 ありがとうございます。そういう海外で取得された病原体等を日本国内に共有できるという仕組みがあれば、日本国内の感染症研究のサポートになることは間違いないと考えています。一方で、例えば20年の長きにわたって信頼関係を構築してきた海外研究拠点を活用してそれをつくってしまったときにどういうことが予想されるかというと、基先生がおっしゃったように、植民地的な搾取的な行動に現地は捉えられる危険性が高いと考えまして、これまで培ってきた信頼関係を壊してしまう危険性も高いなというのは先生方のお話を聞いていて強く感じました。なので、もし海外の病原体を収集してレジストリにするんであれば、この立てつけとは独立した形で新しく事業を立てないと、二兎を追う者は一兎をも得ずということではないですが、成立し得ないのではないかと考えております。
【鈴木(基)委員】 ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。ほか、先生方よろしいでしょうか。
御議論ありがとうございます。それでは、鈴木先生のセッションは以上としたいと思います。鈴木忠樹先生、ありがとうございました。
【鈴木(忠)部長】 ありがとうございました。
【大曲主査】 ありがとうございます。
それでは続きまして、議題(2)に移ってまいります。中間報告案でございます。
まずは、事務局から御説明をお願いいたします。
【秋野企画官】 事務局の秋野でございます。資料2を掲示させていただきます。本作業部会における委員の皆様方の御意見をこちらで集約させていただきました。第5回に御議論いただきます提言の中間案として取りまとめさせていただきました。
2ページをお願いします。これまでに各回でヒアリングを行わせていただきました。新興・再興感染症基盤創生事業の取組と成果、それから感染症基礎研究人材の育成、モニタリング体制の強化、そしてBSL4を活用した研究の取組とコロナ禍の取組、それから他事業連携などを取り上げさせていただいております。また、本日は、病原体共有の取組について御発表いただきました。
3ページ目お願いします。ここでは、第1回目の作業部会で杉浦亙先生にお話しいただいた際に、拠点における人材育成として、大学院生の修士・博士人材の育成が重要な点ということで御議論をされたと思いますけれども、あのときに掲示させていただいた情報は一部の拠点のものでございました。その後、AMEDを通じて、全拠点で修士・博士の人材の育成の状況はどうだったかということについて調査をしていただきました。その結果について掲示をさせていただきます。
拠点が始まった年度が違いますので期間は少し異なっておりますけれども、非常に熱心取り組まれているところでは、例えば北海道大学、東北大学、それから長崎大学のように20名を超える博士人材をこの事業の中で育成されているところがあり、総数を見ていただきましても、20を超えるというような形で、このような現状があるということでございます。
それから今日はもう1点、第2回の作業部会でJIHSの齋藤智也先生にお話しいただいた内容と関連しまして、あの際、インテリジェンスレポートについて様式をお示ししただけだったんですけれども、その後、ウェブ版のインテリジェンスレポートが見られるシステムの試験運用が開始されましたので、本日御紹介させていただきたいと思っております。
画面を御覧ください。これはJ-GRID+Jインテリジェンスシステムと左側に書いておると思うんですけれども、2月24日から運用が開始されております。右側のほうに信号のように赤、黄色、緑というような形で数字があると思います。総数に対しましてAIで、注意情報であるピックアップ、それから注目情報の数が表示されたり、そして今回は見送ってもいいだろうものということで、それぞれ数値化されて出ております。
そして、このシステムはいろいろソートがかけられるようになっておりまして、今の3色のアラートのほかに、期間、それから疾患ということで、最近例えば麻疹がはやっているということであれば、そういった形でのソートもできるということです。
今、COVID-19を出しておりますけれども、例えばこれを選択すると、日本語訳された現地の記事の内容等が出てきて、これはまだ検証が必要と聞いておりますけれども、AIによる評価、そして下のほうに行きますと、本記事に飛べるような形になっております。こちらのほうは現地の言葉で、例えばスペイン語とかであればそういったところのページが開くというような形になっております。多分エクセルで共有されるよりも格段にこちらのほうが見やすく、また、このシステムをいろいろ活用されることによりまして、検疫の関係者も含めましていろいろなところで利用の価値があるものではないかなと感じております。
それから、4ページ目を御覧ください。こちらが中間取りまとめの中身になっていきます。上段のほうに、皆様方からのこの事業の4期までの振り返りとその御評価について記載させていただきました。そして下段のほうに、20年を超えたこの事業を引き続き文部科学省として支援していくということについての必要性について御意見を賜りましたので、それについて記載をさせていただきます。
そして、これらの議題に関する皆様の御意見から、第5期の事業の検討の方向性ということで、一番下の2行になりますけれども、様々な新興・再興感染症に対応するためにも、継続的な基礎研究の充実・人材育成の強化、感染症情報の早期検知・研究開発動向の把握を目的とした国際ネットワークの構築など有機的な国際的な連携の強化を行っていく必要があるとまとめさせていただいております。
それから、おめくりいただきまして、5ページ目でございます。これは提言書の中でのリードの文のほうに変わっていきます。今後の感染症研究の在り方として、これまで日本国内では実施が困難な感染症研究の成果を踏まえ、引き続き、新興・再興感染症に関する基礎研究の継続と社会実装への展開、また、感染症有事に備えたモニタリング体制の深化や拠点間連携の強化など、グローバルな共同研究の推進の強化をしていく必要がある。また、今後の感染症研究を担う人材の育成を目指し、拠点を活用した教育・研究の機会充実などの支援の推進や、完成したBSL4施設の活用と、それを取り扱う高度研究人材の育成を進める必要があるという形でまとめさせていただいております。
資料の下段には、これまでの本作業部会での御意見を踏まえて、4つの論点として今後推進すべき取組についてまとめさせていただきました。委員の方々にさらなる御意見をいただきたい点につきましては青字で表記をしてございます。
1つ目の海外拠点に関する今後推進すべき取組としまして、我が国では研究困難な病原体研究が可能な拠点の維持・強化、それから基礎研究から応用研究、臨床開発への展開、基礎・臨床・疫学の連携した研究課題の推進、拠点間での共同研究の促進、継続的な取組のための大学ガバナンスの強化の要件化を挙げさせていただきました。一方、青字となっております、諸外国の例を参考とした我が国としての強化の方向性や、本日後ほど御説明いたします外部資金の取組につきましては、この部会の中でさらなる御意見をいただきたいと考えております。
人材育成に関する今後推進すべき取組としましては、若手研究者向けの拠点活用・多分野融合研究の拡大、AI・データサイエンスなど、感染症分野への参入が少なかった領域の参画促進、臨床人材を基礎研究に参画を促進させるための取組の導入などを挙げております。
右側でございます。モニタリングに関する今後推進すべき取組としましては、平時からのシミュレーションを含めた有事モニタリング体制の構築、国際的なインナーサークルへの参入も含めたネットワークの構築などが議論されました。また、本日のヒアリングで鈴木忠樹先生に御発表いただいた内容と関連しまして、パンデミック協定を念頭に置いた上での拠点で蓄積した情報・検体の管理について、それから先ほどのヒアリングを踏まえた議論につきまして、ここに記載をさせていただきたいと考えております。
それから、BSL4の活用でございます。BSL4施設が厚生労働大臣による特定一種病原体所持施設として指定されたことを踏まえまして、危険度の高い感染症に関わる基礎研究の向上及びその取扱いに精通した人材育成等の基盤研究のさらなる継続が必要という御意見をいただきました。
一番下の行でございますけれども、これらをもって、我が国における感染症研究の今後の方向性として、幅広く存在する病原体に対して、感染症研究人材を育成し、我が国の健康医療安全保障を強化するという形で今々まとめさせていただいております。
これらを参考に本作業部会の提言案に向けた御議論をお願いしたいと考えております。
【大曲主査】 ありがとうございます。それでは、議題(2)について、総合討論もありますので、今御発表いただいた議題(2)に関して、まずは先生方から御質問をいただければと思います。御質問が出切ったところで、その後は総合討論ということで実際に御意見をいただこうかと思っております。
ということで、まずは先生方、御質問いかがでしょうか。
多屋先生、お願いします。
【多屋委員】 すみません。説明ありがとうございました。私が理解していないだけだと思うんですが、齋藤先生が作られているサイトは、どのようにしてアクセスすればよいのかはどこかを見れば分かるものなんでしょうか。
【秋野企画官】 これはまだベータ版になってございまして、今日この関係者のみという形で公開させていただいております。今後もう少し開発が進みましたら、また公開の方向性など検討させていただきたいと思っております。
【多屋委員】 ありがとうございました。
【大曲主査】 ありがとうございます。基本的には広く公開されて活用される方向性だと私も伺っております。ありがとうございます。
川上先生、お願いします。
【川上委員】 ありがとうございます。ちょっと学位取得者のページについて伺いたいんですけれども、これを見ると、北大とか東北大が非常に多い一方で、例えば長崎大のブラジル拠点は非常に少ないわけなんですけれども、隣のベトナム拠点はかなり多いということで、これはコースがベトナム拠点のほうに集約されているという理解でよろしいんでしょうか。
あともう一つが、東大の中国拠点とか東京科学大のガーナ拠点が博士号も修士号も極めて少なくなっているんですけれども、この辺りは事情はどういうふうな状況なのかというのを伺えればと思います。
【秋野企画官】 ありがとうございます。まず、長崎大学のブラジル拠点でございますけれども、こちらのほうは拠点の設置が2024年になっておりまして、そこから日が浅いということが理由だと思います。
一方で東京大学、それから東京科学大学がなぜ1名なのかというのは、そこまで理由を把握しておりません。
【川上委員】 承知いたしました。
【大曲主査】 ありがとうございます。じゃ、次は、渡辺先生、お願いします。
【渡辺委員】 ありがとうございます。今の川上先生のところなんですけれども、学位取得者数、これは海外研究拠点、現地で育成した人材というのは、例えばなんですけれども、修士にいる学生、博士にいる学生が1回でも出張みたいな形でその拠点に行ったらカウントされるのかとか、その場所でちゃんと研究したことで学位を取ったらそれが1名みたいな感じでカウントされるのか、先ほど東大中国拠点とほかとかと比べて全然違うなというのが、何かカウントするクライテリアとかが違うのかなとちょっと思ったんですけれども、その辺りいかがでしょうか。
【秋野企画官】 ありがとうございます。先生に御指摘いただいているように、人材がどのくらいこの機関で研究を積んだのかといったところは具体的につかめておらず、この上のほうの矢羽根のところに書いてありますような形で、この拠点を活用した日本人材で学位を取得した方の人数だということでございます。
【渡辺委員】 すいません。それは拠点に質問事項でアンケートみたいなのを取って返ってきた回答ということでしょうか。
【秋野企画官】 今回、拠点側に対して、拠点で育ったという形での学位取得者が幾らいるのかという形でお尋ねをして、この件数が返ってきたということでございます。
【渡辺委員】 そうすると、各拠点によってちょっと捉え方とかが異なっているという可能性もあるということで。
【秋野企画官】 はい。その可能性は十分あると思っております。
【渡辺委員】 分かりました。
【大曲主査】 ありがとうございます。
山野先生、お願いします。
【山野委員】 ありがとうございます。私も同じページで質問なんですけれども。
結構、この感染症領域で学位等を取得された後、継続的に感染症領域で研究を続けられるような感じなのかどうかというのは少し気にはなっていたんですが。このようにして学位取得された方のキャリアというか、その辺りなかなかフォローするのは難しいのかなと思うんですけれども、もし何か分かっていれば、その辺りの情報もあれば、お教えいただければありがたいんですが、いかがでしょうか。
【秋野企画官】 ありがとうございます。前々回、前回、舘田先生の御発表のときも、育てた感染症人材がきちんと感染症の業界に残っているのかというテーマがあったと思いますけれども、今回の調査ではそのフォローまではし切れていないというところでございます。
【山野委員】 その辺り、どういう関係にあるのかというのが分かればいろいろな参考になるかなと思いますので、可能な範囲でお願いいたします。
【秋野企画官】 第1回目のときに、杉浦先生の御発表のときのスライドをここに掲示させていただいておりますけれども、こういった方たちの育成の後、育ったという方たちのデータはここでお示しをさせていただいております。
【山野委員】 分かりました。ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。
では、小柳先生、お願いします。
【小柳委員】 ちょうどこれ話題になったので、私の解釈を言います。
私、設置審とかあるいはいろいろなところで大学院のいろいろな話を聞いたことがあるので、北大と長崎大学は、明らかにここは、国際科の大学院を持っておられて、それを設置審に出されたのが10年以上前の話だと思いますね。そこで、特に拠点の出身者も含めた大学院生を受け入れられたように私は感じているんです。もちろん、北大とかは獣医の方々がたくさんおられますけれども。
私はフィリピン拠点は直接関係ないですけれども、東北大学の教授だったので、ここはザンビアの人がずっと定期的に来られていました。私もザンビアの人をよく知っていまして、学位を取りに東北大学に来られていました。そういう人の流れが明らかにあったところが、この20年以上の大学だと思います。
直接全部それが裏打ちになっているかどうかは別ですけれども、ほかの大学に比べて、そういうパイプラインをつくられた、大学院を含めてですね、そういうところがこういうふうな人材育成に貢献されたというふうに理解しております。正確かどうか分からないですけれども、そういう流れかなと思って見ておりました。
ちょっと私のほうから質問で。よろしいですか。
【大曲主査】 お願いします、先生。
【小柳委員】 ここで今後検討するべき取組、特に一番最後のページですね。この4つのポイント、確かにきれいにまとめていただいて、ありがとうございます。
そこで、前回、私が基礎、臨床、疫学を含めたそういうブリッジングの話をしたと思うんですけれども、これは、緑と青とだいだい色と紫と、そこを文科省事業として重みを置くべきなのか、それとも平等にやるべきなのか、そこのところは後で総合討論でもいいんですけれども、考えなきゃいけないなと思って聞いておりました。もちろん、現在の時点でと考えておられるわけじゃないでしょうけれども。いろいろ頭出ししていただいて、ありがとうございます。
私からのコメントです。
【大曲主査】 ありがとうございます。こちらに関しては我々の議論でということで、先生、よろしいでしょうか。
【小柳委員】 すいません。
【大曲主査】 ありがとうございます。
それでは、先生方、ほか御質問よろしいでしょうか。よろしいですかね。ありがとうございます。
それでは、御質問が出切ったところでありますので、総合討論に移りたいと思います。今日ヒアリングがございました鈴木忠樹先生から、ネットワークコア拠点における調査、病原体等々の収集あるいは共有の在り方等々に関する研究のヒアリングをさせていただいて、2番目では、これまでのところについて、中間の取りまとめについて御紹介をいただいておりますが、これらを踏まえまして、今後の感染症研究の推進に関する課題について御議論いただければと思います。また、資料の2の中でも、特に御議論いただきたい点に関しては最後のページに青字で示していただいていますので、御参考にいただければと思います。
それでは、先生方、いかがでしょうか。川上先生、お願いします。
【川上委員】 どうもありがとうございます。今、ちょっと小柳先生から御意見が出たのと同じような話なんですけれども。結構、私もこここの海外拠点の話を聞くにつけて、かなり拠点ごとに機能が異なるなというふうに感じていたんです。なので、今まで比較的、私がPOとして入ってから、どの拠点も同じように評価されているような感じを受けていたので、そういう意味で、拠点ごとにどういうところに重点を置くのかであるとか、そういうふうなところをしっかりと定義して、そこをポートフォリオとして全体の拠点群として構築していくというような考え方のほうがいいんじゃないかなと思いました。
それをちゃんと位置付けた上で、その観点に従ってそれぞれの拠点を評価していくというふうにしないと、なかなか、同じことを全ての拠点に求めても、拠点によってはそれが達成不可能なようなところも出てきたりであるとか、そういうふうなことがあるのかなと思いましたので、それをもう一度定義し直すというようなことは重要かなと思いました。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。ネットワーク全体の構成といいますか、という中での個々の拠点の位置付けといいますか、というところに関しての御意見ということで承りました。
確かに、このまとめの中でもネットワーク化という話が、もともとネットワークですけれども、幾つか地域ネットワークみたいな話もある中で、これまでの議論でも、役割というか、各拠点ごとに持っている機能が大分違うので、相補的に補うような形で活動してはどうかみたいなお話も出ておりましたので、今の御意見はなるほどと思って伺っておりました。ありがとうございます。
先生方、いかがでしょうか。鈴木基先生、お願いします。
【鈴木(基)委員】 ありがとうございます。
今、川上委員先生が御指摘されたことに乗っかる形で。毎回私言っていますけれども、海外研究拠点の基本的なキャパシティーが、現状、あまりに限られているのが実態だと思います。
その上で、今、5ページにあるように、4つの検討すべき取組は、もちろんこれはいずれも必要だと思いますが、この機能を全部載っけるわけには現実的にはいかないので、この方向性に向かっていくとするならば、根本的に各海外拠点、もちろん拠点ごとの特性を踏まえた上で、調整とロジの部分をしっかりと強化する必要があるということは、できればここの図の中、あるいは図の外でもいいですけれども、拠点のキャパシティーを強化するということ自体も方向性の1つとして記載していただくのがいいのかなというふうに思いました。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。鹿野先生、お願いします。
【鹿野主査代理】 疫学の専門家との多様な分野の協力というのが、AIデータサイエンス等、人材育成において重要なところですけれども、そういう研究者が現地に必ずしも行けるとは限らないので、国内でそういうメンバーも含めて協力できる体制があるといいかなと思っております。
それと、モニタリング体制の強化の件ですけれども、蓄積した情報・検体の管理等というところで、先ほどの鈴木先生の御説明の最後のページにあった5点の提言の下から2つ目ですね。統一フォーマットによるデータ収集、これは疫学等の話だと思いますが、それに限らず、バイオバンク化などでは、必要な情報が同じ項目やフォーマットで情報がそろっているほうが後々の利用がしやすいと思います。それも含めてデータフォーマットの統一は、いろいろな面でそれは必要になってくるのかなと思います。
あと、これは直接関係ないかもしれませんけれども、せっかく蓄積した検体を例えば国内などで研究に利用しようとする場合に、国内での検体、病原体の移動で問題が生じる事例も考えられます。例えば、エムポックスの事例は、御存じの先生もいらっしゃるかと思いますが、検体の共有、研究等々への有効活用をするために必要な国内体制も並行して整備していっていただけるといいと思いました。
【大曲主査】 ありがとうございます。
参考まで、臨床の分野で言いますと、臨床情報の同じフォーマットで国際的にそれをいろいろな拠点で取り入れて、何か起こったときに迅速に情報を集める、みんなで解析するというようなことは、確かに例としてあると思います。呼吸器感染症が多いですね。イサリックですとかありますけれども。前例としてはあるかなと思っておりました。それ以降の病原体に関連するものに関して、私は詳しくは存じ上げませんが、例はあるのかもなと思っております。ありがとうございます。
ほのほか、先生方、いかがでしょうか。鈴木先生、お願いします。
【鈴木(基)委員】 海外研究拠点の強みといいますか、その意義というのは、やっぱりフィールド研究であるというふうに考えます。もちろん、個々の病原体の基礎研究だったり開発の研究というものも現地で行う意義というのはあると思いますが、どうしてもフィールドで、現地でやらなくてはいけない研究という意味では、やはりフィールド研究なのかなと思います。
そうした観点からすると、現地に一定程度根ざした研究者がいて、その研究の目的を設定して、デザインをして、今挙がったようなデータ収集の仕組みをつくった上で研究を継続的に行っていくというシステムをつくっていくのが大事だというふうに考えます。
そうした観点からいうと、個人的に知っている研究としては、例えば、長崎大学の吉田レイミント教授がゲイツ財団から非常に大きなファンドを取って小児のPCBワクチンのトライアルを実施した研究などもあります。あれが1つフィールド疫学研究の非常に大きな好事例だったのかなと考えています。
ただ、このような海外の現地に根差したフィールド研究を行うためには、繰り返しですが、現地の研究のプラットフォームをしっかりと整備していかなくては実現できないわけで、私自身、疫学者として、フィールド疫学の海外研究拠点の強化というものをぜひ強調したいですが、それと同時に、しっかりとそういったフィールド、プラットフォームの強化というものを並行して取り組んでいく必要があるというふうに考えます。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。
山野先生、お願いします。
【山野委員】 ありがとうございます。以前も、人材育成のときも議論になったことの繰り返しになってしまうかもしれないんですけれども。
この4つの方向性については、大きな方向はいいかなと思いますし、特にこの感染症研究人材の育成というところが方向性としてはすごく重要だと思うんですけれども、具体的にどうやっていくかというところがなかなか難しいというところも既に議論になっていたかと思います。ほかの緑とかオレンジとかピンク色のところをうまく稼働させることによって、そこに興味を持っていただきながら、裾野を広げるとかスペシャリティーを上げるというところになってくるんだろうなと思うんですけれども。
この育成のために、もう少し何かアクションというか、何か手を打つところというのがうまく入れ込んでいかなきゃいけないんだろうなと思います。ちょっとまだ具体的にこうすればというところまでは言えませんけれども、人材育成というところがポイントかなと思いましたので、コメントさせていただきました。
以上です。
【大曲主査】 山野先生、ありがとうございます。
確かに同感でありまして、幾つか確かに具体的プログラムに落とし込む必要はあると思って私も伺っておりました。幾つか切り口があるなと思っています。分野の話もあると思いますし、拠点の分担、分業という話も出ていますが、どこで担うのか、あるいはそれぞれ担うのかという話もありますし。恐らく、その辺のところをある程度のところの形まで落とし込んでいくということをしていかないと、なかなか山野さんがおっしゃるような実現性というところには行きにくいのかなと思いました。
いずれにしても、鈴木先生もよくおっしゃっているように、個別の拠点だけでやるとなるとなかなか難しいのかなと。すごく簡単に言えばですね。ということは非常に感じました。ありがとうございます。
【山野委員】 簡単に1つの策だけとは思いませんので、総合的に、継続的に何かできることというのを考えなきゃいけないんだろうなと思いました。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。
そのほか、先生方、いかがでしょうか。
では、先生の御意見が出る前に、大して参考にならないかもしれませんが、私の所感だけ、1個だけ申し上げますと。青字で書かれているところですと、ブロックでいくと、だいだい色のこのページのモニタリング体制の構築のところで、我が国の国益に資するための拠点の蓄積した情報・検体の管理ということで、すごく具体的な提案があるわけじゃないんですが、最近の状況を見ていきますと、まず、過去にはJ-GRIDの中でも、複数の拠点で検体を収集して、日本国内等に持ってきて、一緒に解析をしたりということはあったように記憶します。MRの領域等でそのようにコンソーシアムをつくってやられていたと思って見ています。
ちょっと僕の記憶が不確かで、その情報ですとか検体そのものの二次利用等々に関してどういう体制だったかとかどうされたかというのは、すいません、出てこないんですけれども、そういう体制はありました。
それをどう深めるかという考え方もあるんだと思うんですが、一方で、もう既に先生方がよく議論、しっかりと議論されていただいているように、PABSの問題もありますし、現実的に検体を持って来にくいという状況が出てきています。我々も耐性菌の領域でやっておるんですけれども、どんどん、以前はオーケーだったけれども、やっぱり検体は出せないという話はすごく増えてきています。
ただ、そうすると交換条件の話が出てきて、例えば、検体は出さない、ゲノムは自分たちで読みたい、でも、ゲノムを読むとか解析のところのキャパシティーがないので、そこのところに関しては、何らかの形で日本側から入ってもらって共同でやりたいとかいうような話が現実的にどんどん出始めていて、なるほど、そういう状況なんだと思いました。
そういう意味では、これも出た議論だとは思うんですが、我々自身がそこで何を提供できるのかということも非常に重要で、試されているなとすごく思いました。ウィン・ウィンではないですけれども、出し合いをすることで、いいものの交換、贈をすることで共同研究が成り立っていって、やっと動くのかなというところは考えています。
いずれにしましても、鈴木先生、基さんも指摘されたように、帝国主義的にならないような配慮というのは重々、今後の発展を考える上でも必要かなと思って伺っておりました。
すいません。具体的などうこうというわけではないんですが、口火を切るということで話をさせていただきました。
そのほか、先生方、いかがでしょうか。小柳先生、お願いします。
【小柳委員】 もうちょっと具体的な話をしますと、感染症研究の人材育成プラス基礎研究と考えますと、例えば耐性菌の場合に、日本の研究者がロングリードが読めるよとなると、例えば、PCRで今まで検出だけだったものが、もうちょっとレゾリューションが上がるから、そういうものでいい論文ができるよというふうに、彼らと一緒に共同研究を推進するというやり方があると思うんですよね。
研究者って基本的に研究の面白さというのを知っている人間たちですから。もちろん、重要性だけでなかなか興味を連れてこないんですけれども、彼らを新たな人材として育成するためには、何か新しいものを見つけるという意欲が必要。はっきり言えば、教授の立場で言わせてもらうと、餌が必要なんですよね。だから、これは重要だと言っても彼らにはなかなか響かなくて、これで新しいものが見つかるぜというふうに言うと、彼らは突っ込んでくるから、そういう意味の共同研究って物すごく重要だと思うんですよ。
それが、海外の研究者、海外の若い人、日本の研究者の若い人、そういう人たちをどういうふうに活性化するかというプロジェクト、あるいは、その場を設けるというのが重要かなと思います。だから、それが拠点だったらいいなと思いながら聞いていました。
以上、いろいろな勝手なことを言いました。
【大曲主査】 いいえ。先生、ありがとうございます。
ついでに私も具体的な話で乗っからせていただきますと、先生がおっしゃった、こちらから重要だということをカウンターパートにお示ししたところで、なかなか乗っかってくれないなというか、共感してくれないなというのはすごく感じるところでして、僕自身はなかなかそれがうまくやれてこなくて、10年以上たってしまったというところです。やり方がまずかったのかなと、今、小柳先生の話を伺っていて非常に思いましたし、拠点での研究、共同研究、今後、本当になると思うんですけれども、どう火をつけて進めていくかという意味で、今のお話、大変御参考なりました。ありがとうございます。
【小柳委員】 具体的には、腸内細菌を見るといっても、6SrRNAだけでは十分じゃなくて、全ゲノムいろいろ見ると、いろいろなレゾリューションが出てくるから、そういう意味の新たなディープに解析しようよというのはどうかなと思いながら聞いていました。
【大曲主査】 ありがとうございます。
そのほか、先生方、いかがでしょうか。よろしいですかね。
じゃあ、たきつけるわけではないんですが、個人的にもちょっと先生方に御意見を伺ってみたかったのが、この世の中の動きを受けた上で、ここに青で書かれた、1個あります。諸外国の海外拠点の例を参考にして我が国としての強化方向性の検討ということが書かれていまして、私個人は先生方の御意見をぜひ伺えればと思っています。
研究に限らず別の場でも、例えば、海外での医療活動ですとかいろいろな会議の場で話を聞くと、米国の動向あるいは欧州の動向を踏まえた、特に欧州の国々の動向等を見る中で、日本としての活動の立ち位置どうするんだという議論が出てきます。その領域ごとにいろいろな議論があるんだと思うんですけれども。
この感染症の海外での研究ネットワークという観点で、どういうふうに強化をしていけばいいかということに関して、先生方の御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。鈴木基先生、お願いします。
【鈴木(基)委員】 大曲先生、ありがとうございます。一番最も本質的な問いかけで、私自身、答えを準備せずに話し始めますけれども。
先ほど来議論に出てきたような、これまで既に植民地化、植民地的なアプローチというのが批判されてきて、脱植民地化の流れにある。基本的にグローバルヘルス領域の研究というのは、脱植民地化で、先進国、低所得国の縦方向ではなくて横方向の対等なカウンターパートでネットワークをつくって新しい知見を出していきましょうという流れになってきている。
一方で、これもアメリカの現状だったりとか、Gaviも含めて、国際的なグローバルファンドの研究資金、サポートのほうもシュリンクしてきている中で、なかなか、いわゆる先進諸国、日本も含めていいと思いますが、こういった海外研究をどのようにアプローチしていくのか、ちょっと混沌としてきている状況なのかなというふうに認識しているところです。
そうした意味で、私自身、言葉としては、現地のカウンターパートと対等な関係で研究を展開していくべきだというふうに、そのように思ってはいますけれども、じゃあ本当に今後も国際的なファンディングが減っていく中でそのアプローチで継続的にできるのかというと、ちょっと不透明なところがあるなというふうに思っています。
なので、一定の不透明さというのは織り込み済みで、とはいえ、日本として国際社会で生き残っていくためには、やはり海外との連携、特にフィールドに根差した研究というのは不可欠であることは変わらないだろうと思いますので。
ということで、明確にこういう在り方がよいというふうに答えを持ち合わせていませんが、ただ、とにかく海外のフィールドで研究をすると、そのために現地カウンターパートとは良好なネットワークをキープしていくということは、我が国のナショナルセキュリティーとあるいは国の発展のためにも重要であると、この点に関しては明確に言えるんじゃないかというふうに思います。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。この話題は歯応えがあるところを、先生、口火を切っていただきましてありがとうございます。
先生方、いかがでしょうか。
では、振っておいて、自分も多少所感を申し上げますと。すごく目新しいことではないんですが、今回のこの数回の議論を踏まえて伺っていく中で、拠点の長い歴史とそれに基づいてといいますか、あるいは、もともと別の活動があったのかもしれませんが、各拠点の国との間でつくられた信用関係といいますか、信用関係、もうちょっと言いますと、拠点そしてその周囲には、研究者の先生方、大学関係者だけではなくて、それこそJICAの方々、領事館あるいは大使館の皆様、あるいは企業の方々もそうかもしれませんが、入っていらっしゃって、そこで強固なネットワークを中で日本の仲間として組んで活動をされている。そういう仕組みが出来上がっているということが非常に大事だなと思って見ておりましたし、そういうところでは非常に生産的な活動が進んでいるなと思って見ておりました。
それは2つの国の間の信用というところにも非常に成り立っているんだと思うんですけれども、それをしっかりとプラットフォームとして生かしていって、その上でしっかりと研究を進めていく、あるいは開発を進めていくということはやっぱり大事なんだなと思って見ています。これは特にこの一、二年、拠点の視察のほうに私もDRCとか行かせていただきましたけれども、それは非常に感じました。
1つ例を申し上げますと、たしかルワンダで、感染症医のくせに病気を間違っていたら申し上げませんが、マールブルクか何かのアウトブレイクがあったんですけれども、非常に対応がすばらしかったんです。まず、臨床対応は、恐らくドイツとの連携のもともと長い歴史があったんだと思うんですけれども、すごく医療がしっかりしていて、体制としてどうか分かりませんが、少なくとも受け入れる病院は非常にしっかりとしていて、かなり高度な医療ができて、十分に患者さんを救える医療が行われていたということがあったのと。
どうもその背景にはドイツのJICA的な団体が入っていて、感染症対策、公衆衛生対策に対する長い支援がされていたということと、あと、もう一つは研究なんですね。たしかワクチンにしても、たしかワクチンだったと思いますが、迅速に流行の波を捉える形で研究がしっかり行われていた。治験に近いところだと思うんですけれども。というのを見て非常に驚いたことを覚えています。
ただ、それもよくよく見ていくと、結局、ドイツを中心とした欧州の国々が入っていて、アフリカCDCもたしか入っていて、そういう体制を事前に整えていたということを知って、なるほど、だからこういうことができるんだなと思いました。
ただ、いずれにせよ、ドイツなりの国が入っていて、自分たちの国の関係機関なり関係者の中でかなり強固な関係を築いていて、一体感があって動いているというのは非常に印象的でした。自分たちが取り入れるとすればそこなんだろうなと。ただ、やっぱり本当に、本当に注意しなければいけないのは、この時代なので、いわゆる帝国主義的な振る舞いに絶対ならないようにしていくということは大事だなと思って見ていました。
そういう意味では、最近アフリカの国でいろいろな感染症のアウトブレイクが起きたときに、そのような対応というのが結構かいま見えるので、私個人としては、事例を見ながら勉強はしていきたいと思っております。
そのほか、先生方、いかがでしょうか。よろしいですかね。
それでは、ちょっと話題を替えてみようと思います。今回の議題に絡んで、1つ非公表の参考資料ということで事務局に御用意をいただいています。こちら御紹介するとなると、非公表ということもありますので、大変申し訳ございませんが、傍聴の皆様につきましては、本作業部会終了までの公開は、これからは停止させていただきますので、御容赦いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【森田専門官】 事務局です。
鈴木忠樹先生、本日、ヒアリングありがとうございました。こちらから非公開となりますので、申し訳ありませんが、御退室の形となります。本日はありがとうございました。
―― 了 ――
研究振興局研究振興戦略官付