令和8年1月28日(水曜日)10時00分~12時00分
WEB開催
大曲主査、川上委員、小柳委員、鹿野主査代理、鈴木委員、舘田委員、多屋委員、山野委員、渡辺委員
杉浦PS(日本医療研究開発機構(AMED))、伊藤部長(日本医療研究開発機構(AMED)感染症研究開発事業部)
佐藤戦略官、秋野企画官、南専門官、森田専門官
《議題1については非公開》
【大曲主査】 ありがとうございました。
それでは、早速、議事を進めてまいります。議題(2)でありますが、本作業部会の進め方についてでございます。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
【秋野企画官】 事務局の企画官の秋野でございます。どうぞよろしくお願いします。
事務局から、資料2について、御説明させていただきます。お手元に御用意をお願いします。
1ページ目を御覧ください。本作業部会では、現在行っている「新興・再興感染症研究基盤創生事業」の事業期間が令和8年度末に終了を迎えることを踏まえまして、文部科学省科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会ライフサイエンス委員会の下、我が国における今後の感染症分野の研究開発・人材育成等の推進に係る方策について、御議論いただきます。本作業部会での提言を踏まえまして、令和9年度以降の後継事業の事業内容を検討させていただきたいと考えております。
続きまして、本作業部会のスケジュールとなります。本日の第1回の作業部会では、作業部会の趣旨・進め方について事務局から御説明させていただき、その後、本事業のPSの杉浦亙先生から、「新興・再興感染症研究基盤創生事業」の取組と成果につきまして、ヒアリングを行います。
第2回につきましては、東邦大学医学部教授で日本感染症学会の理事でもあられる舘田委員から感染症基礎研究人材の育成について、また、JIHS感染症危機管理研究センターの齋藤智也センター長からモニタリング体制の強化につきまして、ヒアリングを予定してございます。
第3回では、杉浦PSからBSL4施設を活用した研究の取組と本事業のコロナ禍の取組について、また、他事業連携につきまして、京都大学国際高等教育院の特定教授でAMEDの感染症プロジェクトのPDでもあられる小柳先生から、ヒアリングを予定してございます。
第4回には、病原体共有に関する取組につきまして、JIHSの鈴木忠樹感染病理部長から、ヒアリングを予定しています。また、この第4回では、事務局から、それまでにヒアリングで聴取し、御議論いただいた論点の中間報告を提示させていただき、御議論いただく予定でございます。
第4回までの御議論を踏まえまして事務局が作成した報告書案につきまして、第5回の作業部会で議論をしていただくことを予定してございます。本部会の報告書を踏まえまして、例年夏前に策定されている「骨太の方針」「成長戦略」等に打ち込みを行い、令和9年度の概算要求に反映したいというふうに考えてございます。
2ページを御覧ください。本作業部会での論点をお示ししております。文部科学省で行う感染症研究支援、海外研究拠点の役割と対象地域、感染症研究人材の育成、感染症法に基づく第一種病原体の研究、モニタリング体制の強化について、第1回から第4回を通じて御議論いただきたいというふうに考えております。
事務局からは、以上でございます。
【大曲主査】 御説明、ありがとうございます。
続けて、議題(3)の資料ですけども、海外研究拠点等を活用したこれまでの文部科学省の取組ということで、こちらも事務局からお願いいたします。
【秋野企画官】 ありがとうございます。引き続き、事務局から御説明させていただきます。資料3を御用意ください。
資料、1ページ目を御覧ください。こちらには、文部科学省における感染症基盤研究事業のこれまでの経緯を表示させていただいております。2005年から2009年に実施された第1期の「新興・再興感染症拠点形成プログラム」としましては、アジア・アフリカの国々に、日本の大学等と現地の大学等が互恵関係の下、共同研究拠点の形成を目的とし、中国、タイ、ベトナムの3か国で拠点が形成され、それに続きまして、インド、インドネシア、ザンビア、フィリピン、ガーナを加えた8か国で拠点が形成されました。
第2期では、第1期で整備された研究拠点を充実・強化することで、永続的な研究活動を進める基盤を確立することや、感染症研究分野で国際的に活躍する人材の育成等を推進することを目指し、事業が開始されたところでございます。
第3期では、大きな変化として、第2期までの事業の後継としての「感染症研究国際展開戦略プロジェクト(J-GRID)」に加えまして、2017年より「感染症研究革新イニシアティブ(J-PRIDE)」が開始されました。J-GRIDでは、これまで整備した海外研究拠点において、疾患の重篤度などを考慮した研究対象に対する研究を推進しまして、J-PRIDEでは、長崎大学のBSL4施設整備を開始し、その準備として、海外のBSL4施設を活用した研究等が行われました。加えまして、次世代を担う若手研究者が行う異分野連携や斬新な視点・発想等に基づく創薬の標的探索につながる感染症研究も推進されました。
現在実施しております第4期の「新興・再興感染症研究基盤創生事業」では、第3期のJ-GRIDとJ-PRIDEを統合しまして、J-GRID+として実施をしております。拠点事業では、大阪公立大学のコンゴ民主主義共和国拠点と、南米では初となる長崎大学のブラジル拠点が整備されました。さらに、令和3年6月1日に閣議決定されました「ワクチン開発・生産体制強化戦略」、いわゆるワクチン戦略でございますが、これに基づきまして、令和5年(2023年)より、拠点間の連携とモニタリング体制の強化を担うネットワークコア拠点として国立国際医療研究センター(NCGM)が参画し、2025年4月より国立健康危機管理研究機構(JIHS)がその役割を担っております。第4期では、研究者を幅広く育成する観点からも、海外拠点で得られる検体・情報を活用する海外拠点活用研究領域が実施され、拠点外の研究者も広く本事業に参画して成果を上げております。J-PRIDEで実施されておりました長崎大学のBSL4施設に関する取組も第4期の事業に引き継がれ、2025年1月に長崎大学がBSL4施設として厚生労働大臣から特定一種病原体等所持施設としての指定を受けたところでございます。引き続き、BSL4研究を行うための人材の育成等の準備が進められております。また、異分野連携や創薬の標的探索に関しましては、多分野融合研究として、引き続き、感染症学以外の分野の研究者の参画による挑戦的な研究が実施されております。
資料、2ページ目を御覧ください。第3期の最終年度であった2019年には、第4期の事業に向けた有識者検討会が実施され、その提言を基に、公募要領に本事業に求められる成果・役割が書き込まれることとなりました。感染症流行地における研究基盤の整備を引き続き推進するよう御提言いただきまして、海外拠点研究領域におきまして拠点に研究者が常駐することを求め、求められる成果につきましては、疫学研究等を活用した感染症制御や、診断薬・治療薬・ワクチン等の開発に資する研究成果の創出、グローバルに活躍できる感染症研究人材の育成が挙げられました。国内外の大学・研究機関と拠点間における研究ネットワークを面として捉え、拠点を活用した共同研究を効果的かつ効率的に実施した成果の創出の加速という提言をいただきまして、海外拠点活用領域では、拠点に閉じた研究とならないよう、拠点外の研究者も参画した上で、海外研究拠点領域同様、疫学研究等を活用した感染症制御や、診断薬・治療薬・ワクチン等の開発に資する研究成果の創出や、グローバルに活躍できる感染症研究人材の育成について、求められる成果として記載をしております。また、今後の感染症研究を担う新たな人材の育成と斬新な発想による研究促進という提言を踏まえまして、多分野融合研究領域におきまして、従来の感染症研究にとどまらず、多分野研究領域による融合的な観点・手法・アプローチを加えた提言や、臨床現場からもたらされる課題に立脚した提案に基づいた、治療標的の同定や治療戦略の最適化、基礎研究成果の実用化、新技術の創出などが、求められる成果として明示をしてございます。さらに、J-PRIDEで開始された長崎大学のBSL4施設整備の継続と、高度な研究を担う人材育成に関する提言を踏まえまして、国内外の研究機関との連携の下で、国際的に脅威となる一類感染症の研究及び高度安全実験施設設置及び人材育成を中心とした国内研究基盤の整備に関する研究や、世界最高水準の安全性を備えた施設管理運営法の検討に資する調査研究を推進しております。
本表2段目のネットワークコア拠点に関する提言につきましては、ワクチン戦略におけるワクチン開発の前提としてのモニタリング体制の強化についての対応について検討するために、令和4年度(2022年度)に設置されました「海外拠点の感染症情報収集及びネットワーク体制強化に関する有識者会議」におきまして、各海外研究拠点間のネットワーク強化や政府の感染症インテリジェンスへの円滑な協力体制の確保を目的としたコア機能の整備が必要であるという御提言を踏まえまして、感染症モニタリングと海外研究拠点間の連携推進を目的としまして、海外拠点研究領域の中で新たにネットワークコア拠点の公募を実施しました。
資料、3ページを御覧ください。令和5年度に本事業の中間評価を実施しております。中間評価では、海外拠点活用研究領域におきまして、感染症流行地以外では実施することのできない、質の高い多岐にわたる研究により、成果を上げた、また、多分野融合研究領域におきまして、多くの分野との融合研究を目指す研究課題を推進し、多くの革新的な成果を得たとの評価をいただき、各研究領域で順調に成果を出していること、また、海外研究拠点の有用性や上位施策への貢献等を評価されております。
そして、この事業の継続につきましては、現地でなくては得られない情報や検体へのアクセス、現地と協力して研究することで得られる科学的成果及び国際的な交流や人材育成は、我が国における感染症対策において必須。我が国の感染症研究にとって貴重な財産であると同時に、感染症研究の裾野を広げ、将来に向けて感染症研究の新たな方向性を示しているため、高く評価でき、継続すべきものであるという評価をいただいております。
一方で、改善に向けた指摘事項としましては、AMEDの他事業等との連携による、効果的かつ革新的な研究の実施や、幅広い基礎的研究と人材の確保に関する戦略的なスキームの検討が提案されております。
これらの指摘事項につきましては、AMEDの他事業との連携等につきましては、例えば、本事業とAMED-CRESTとの研究者交流会等を実施し、研究者のネットワーキングを推進し、共同研究や革新的なテーマの研究アイデアの創出の場となるような取組も行ってございます。また、幅広い基礎研究と人材の確保に関する戦略的なスキームの検討につきましては、ネットワークコア拠点におきまして、海外研究拠点が必要とする支援や拠点間の連携推進のサポート、研究人材の確保に関する取組を行っているところでございます。
資料、4ページ目を御覧ください。こちらは本事業の概要のポンチ絵となっておりますが、資料の右上に目を移していただきますと、最終年度となる令和8年度は20億円を計上してございます。
以上が、本事業のこれまでの取組となります。事務局からは、以上でございます。
【大曲主査】 御説明いただきまして、ありがとうございます。
ここまで資料2と資料3の御説明をいただきましたけれども、委員の先生方、御質問ございましたら、ぜひよろしくお願いします。
今のところ、よろしいですかね。大丈夫ですかね。
ありがとうございます。後でまた、適宜、議事の中でお聞きいただける場面もあると思いますので、これにつきましては、またよろしくお願いいたします。
それでは、先に進めてまいりたいと思います。次ですけども、議題(4)でありますが、「新興・再興感染症研究基盤創生事業」の成果及び今後の課題についてに移ってまいります。AMEDの感染症プロジェクト「新興・再興感染症研究基盤創生事業」のプログラムスーパーバイザーでいらっしゃる、杉浦亙先生からお話を伺えればと思います。
それでは、杉浦先生、よろしくお願いします。
【杉浦PS】 大曲先生、ありがとうございます。
それでは、始めさせていただきたいと思います。改めまして、私は国立健康危機管理研究機構の杉浦と言います。昨年度から、「新興・再興感染症研究基盤創生事業」のプログラムスーパーバイザーを務めさせていただいております。本日は、よろしくお願いいたします。
今日は、令和2年から始まった本事業の成果と課題について、御説明をさせていただきたいと思います。
次のページをお願いいたします。
今日のアジェンダですが、まず、本事業の概要を、先生方も御存じかと思いますけれども、簡単にお話をしまして、その後、本事業で取り組む三つの事業、海外拠点研究領域、海外拠点活用領域、多分野融合研究領域の成果について順次お話しし、最後に、本事業の課題についても、少し触れていきたいと考えております。
スライド、次をお願いします。
早速、事業の概要に移りたいと思います。本「新興・再興感染症研究基盤創生事業」は、私ども、COVID-19パンデミックで得られた教訓を重要な背景として、進めている取組であります。私たちは未知の病原体や既知の病原体の再燃を含む新興・再興感染症のリスクに常にさらされているわけでありますけれども、この現実を踏まえますと、危機が顕在化してから対応するのではなく、平時から、次なるパンデミックを見据えた制度を組み込みまして、継続的に強化していくことが不可欠だと思われます。その中核の一つが、我が国の大学等がこれまで海外の研究者と共に築き上げてきました国際研究拠点を基盤として、感染症の基礎研究を一層活性化させることになります。さらに、国立健康危機管理研究機構との連携を通じまして、各海外拠点からの自発的かつ継続的な感染症情報の提供を促しまして、国際的なモニタリング体制の基盤を強化することで、次なる新興・再興感染症のアーリーウォーニングサインをいち早く捉える体制構築を目指していきたいと思います。
加えまして、海外拠点で得られる多様な情報・検体・データなどの資源を国内の研究者と共有することにより、創薬研究や診断・治療薬開発などの裾野を広げまして、研究成果を社会実装へとつなげる加速を図りたいと思います。そして、最終的には、多様な視点から生まれる斬新な着想に基づきまして、革新的な感染症研究を推進させることが本事業の狙いになります。
ということで、次のページをお願いしたいと思います。
こちらのほうは、本事業の実施体制を示しております。冒頭にも言いましたように、現在、私がプログラムスーパーバイザーを務めております。そして、この表にあります11名のプログラムオフィサーによって、この事業がサポートされております。まず、海外拠点研究領域及び海外拠点活用研究領域では5名のPOの先生方が、そして、多分野融合研究領域に関しては7名の先生方がPOを担当してくださっております。また、BSL4に関しましては、1名のPOが担当している。このようになっております。
スライド、次をお願いします。
このスライドは、海外拠点領域の担当POを示しております。このスライドに示しますように、11の海外拠点それぞれに対して、2名のPOが担当するように割り振っております。このように担当を決めることで、効率よく、かつ、緻密に、拠点活動を支援できるような体制を取っております。
では、スライド、次をお願いします。
ここからは各事業の成果について、順次、話をしていきたいと思います。まず、海外拠点研究領域における成果のサマリーです。このスライドにお示ししているとおり、本事業では、感染症の流行地でなければ実施が難しい研究、すなわち、現地の疫学情報、臨床現場、検体やデータへのアクセスを前提とする研究に、重点的に取り組んでまいりました。現在、11の海外拠点が活動しております。拠点間の連携を一層深化させると同時に、国内研究者との協働も積極的に推進しております。さらに、拠点設置国で得られる多様な感染症関連情報を集約・分析することで、新興・再興感染症に対するモニタリング機能の強化を図っております。そして、最も根幹にあるのは、各国で課題となっている感染症に対して、病態や感染動態の解明、免疫学、公衆衛生学などの観点から、基礎研究を着実に推進していくことであります。
こうした取組の結果として、この5年間で651本の論文発表に至っております。加えて、実用化に結びつく案件として4件が創出され、そのうち2件は既に上市に至っております。これらについては、また後ほど詳しくお話ししたいと思います。
人材育成の観点でも、現地人材では19名、日本人では33名が、リーダーシップを担う人材として活躍をしております。研究成果の創出と同時に、次世代を担う人材の輩出という点でも、この事業は一定の成果を上げております。そして、このような活動を通じて、いずれの拠点も現地の政府機関やアカデミアと強い信頼関係を築き上げていることも、大きな成果であると思います。
スライド、次をお願いいたします。
では、海外拠点について、具体的にその成果をお話ししていきたいと思います。このスライドは、現在の海外拠点の設置状況をまとめたものになります。現在、11の海外拠点についてこの事業の中で支援をしておりますが、この吹き出しの中には、それぞれの国を担当している大学と、それと連携をしている現地の研究組織が記載されております。例えば、右下のフィリピンでは、東北大学が拠点を設置しており、現地の協力機関はフィリピンの熱帯医学研究所となっております。このように見ていただければと思います。
拠点の中で歴史が非常に長いのは、2005年からスタートしております、東京大学の中国拠点、長崎大学のベトナム拠点、大阪大学のタイ拠点になります。一方、新しいものとしましては、2020年の大阪公立大学のコンゴ民主共和国拠点、2023年からの長崎大学のブラジル拠点があります。また、2023年からは、これらの海外拠点の連携を強化するという目的で、JIHSによりますネットワークコア拠点が始動をしております。
スライド、次をお願いいたします。
本スライドは、各海外拠点が現在取り組んでいる感染症の病原体を整理したものになります。おおむね11の病原体を対象に研究が進められております。中でも、新型コロナウイルス、インフルエンザ並びにAMRについては、約半数の拠点がサーベイランスを含む何らかの研究を行っており、このような国際的にも重要度の高い課題に対して、今後は拠点横断で研究を推進していくことが一つの課題かと考えております。
一方で、デングウイルス、チクングニア、マラリアなど、流行地での継続的な調査や臨床疫学情報へのアクセスが不可欠な病原体についても、複数の拠点が取り組んでおります。これはまさに、海外拠点という基盤を生かした、国内のみでは実施困難な研究領域になるかと思います。
スライド、次をお願いいたします。
では、これらの病原体を対象に進められている具体的な研究内容について、幾つか代表例を御紹介したいと思います。
まず、スライド左側、デングウイルスです。大阪大学、神戸大学、長崎大学の3拠点が中心となって、取り組んできました。大阪の拠点では、血清型判別免疫クロマトキットの薬事承認取得に加えまして、デング重症化の重要な要因とされますADE(抗体依存性感染増強)の活性を測定するキットの開発・製品化を実現しており、研究成果の社会実装という点で大きな成果を上げております。これについては、また後ほど触れたいと思います。
さらに、神戸大学及び長崎大学でも、現地で流行する株のゲノム情報に基づきまして、診断や治療につながる検査法の開発などに取り組んできております。これらはまさにデングウイルスの流行地に研究基盤を有する海外拠点だからこそ可能となる研究開発でありまして、拠点設置国の感染症対策にも直接的に貢献し得る成果と言えるかと思います。
次に、右側のマラリアですが、東京科学大学及び大阪公立大学の2拠点が取り組んでおります。東京科学大学では、マラリアワクチン開発に資する基礎技術として、マラリア原虫の感染評価系の開発を進めております。一方、大阪公立大学では、重症度に関連するバイオマーカー探索に加えまして、現地における無症候感染の疾患負荷の把握、薬剤耐性関連遺伝子の検出、さらには先天性マラリアの病態解析など、現地の感染症対策や臨床的な課題の解決に直結する、様々な研究を展開しております。
スライド、次をお願いいたします。
次に、多くの拠点が取り組んでいます、インフルエンザと薬剤耐性研究についてです。まず、左側のインフルエンザですけれども、東北大学のフィリピン拠点、新潟大学のミャンマー拠点、東京大学の中国拠点並びに長崎大学のベトナム拠点において、調査研究が進められております。具体的には、インフルエンザウイルスのゲノム情報に基づく分子疫学解析を通じて、地域における流行株の変遷や感染動向の把握などが進められております。また、ヒトへのスピルオーバーに対しての警戒が続く鳥インフルエンザにつきましても、海外拠点の強みを生かした実践的な取組が進んでおります。東京大学のハルビン拠点では、そこで作成したシードウイルスを基盤として、それをワクチン製造につなげ、家禽に対して使用しているということです。長崎大学のベトナム拠点では、鳥インフルエンザ感染により死亡したトラ由来検体のウイルス解析を通じて哺乳類適応に関わる関与を見いだし、報告をしております。これは種のバリアを超えるアーリーウォーニングサインとして注視すべき知見であり、流行地に研究拠点を有するからこそ得られた成果と言えるかと思います。
続いて、右側の薬剤耐性研究ですけれども、こちらも複数拠点で推進されております。北海道のザンビア拠点では、薬剤耐性遺伝子の伝播動向の調査に加えまして、迅速診断法の開発に取り組んでおります。東京科学大学では、カルバペネム耐性に対する迅速検査法の開発及び実態把握を進めております。さらに、神戸大学のインドネシア拠点では、ワンヘルスの観点から、ヒト・動物環境を横断した耐性動向の調査を展開し、岡山大学のインド拠点では、多様な病原体を対象にした分子疫学研究に取り組んでおります。
スライド、次をお願いします。
今度は、拠点のほうから、幾つか注目すべき成果を御紹介したいと思います。
まず、東京大学中国ハルビン拠点の研究成果です。先ほど述べましたけど、ハルビン拠点では中国全土を対象とした大規模かつ継続的なサーベイランスを実施しております。その調査の中で、ユーラシア系の鳥由来の豚インフルエンザウイルスが、遺伝子再集合とPAタンパク質の変異の蓄積を通じて、より高い病原性及び伝播性を獲得していることを明らかにしました。本成果は「PNAS」に報告されており、動物由来インフルエンザがパンデミックリスクヘと接近していく過程を示した、重要な知見であると言えます。これはまさに流行地での継続的な観測に基づく知見でありまして、すばらしい成果ではないかと思います。
次に、東北大学フィリピン拠点の成果であります。こちらのほうでは、小児における重症呼吸器感染症の原因の一つでありますRSウイルス感染症について、重症肺炎を含む急性呼吸器感染症で入院した5歳未満の3,205例を対象に、感染動態の分子疫学的解析を行っております。その結果、主要流行株がクレードBであるということ、そして、その中でも新規クレードB.D.E.1が全体の64.2%を占め、当該クレードが流行拡大に関与した可能性が示されております。これは、新しいウイルスの型が、流行の規模や持続性、さらには臨床負荷に影響し得ることを示唆するものでありまして、分子疫学的研究の意義を明確に示すとともに、今後の感染症対策にも資する成果と言えるかと思います。
次、お願いいたします。
続いて、北海道大学ザンビア拠点の成果になります。ザンビア大学教育病院並びに養鶏場から分離された薬剤耐性菌のゲノム情報に基づきまして、PCRと核酸クロマトグラフィ―を組み合わせました迅速検査法として、STH-PASストリップキットというものを開発しております。本キットは多様な検体への適用が可能ということで、ヒト、環境、様々なものですね。現地の公的機関とも連携しながら、社会実装に向けた具体的な可能性を検討しているということであります。AMR対策において現場で使える迅速診断を形にするという点で、海外拠点ならではの実効性の高い成果と言えるかと思います。
次に、右側、大阪大学タイ拠点の成果になります。こちらのほうでは、大阪大学発ベンチャーである株式会社ビズジーンがタイ現地法人VisGene Thailandを設立しているということで、拠点で開発し、薬事承認を取得した、デングウイルスの血清型判別免疫クロマトキットについて、タイ国内での製造販売を実現しております。研究成果を現地の生産体制と市場につなげておりまして、継続的に供給可能な形へ移行させる点で、これもすばらしい成果だと思います。
スライド、次をお願いいたします。大阪の拠点の続きですが、デング感染症の重症に関するADE活性を評価する迅速ADE試験法を開発しまして、ベンチャー企業と連携して、こちらも製品化に向けた取組を進めております。写真が出ているので、お分かりかと思います。加えて、チクングニアウイルスにつきましても、研究用ではありますけれども、抗原検査キットの開発を進めています。このように、大阪大学のタイ拠点では研究成果を着実に社会実装へと結びつけておりまして、本海外拠点事業を代表する成功例の一つと言えるかと思います。
続いて、2023年にスタートした右側の大阪公立大学コンゴ民主共和国拠点でも、ここに示しておりますように、現地でやられる感染症のゲノム情報を基盤としまして、迅速な病原体診断法の開発に取り組んでいるということであります。
時間の都合上、全ての拠点の成果を御紹介することはできませんが、いずれの拠点においても、現地の公衆衛生の向上や感染症予防に直結する調査研究並びに、診断技術、検査キット開発などに積極的に取り組んでおります。詳細につきましては、アペンディクスに拠点ごとのまとめがございますので、そちらのほうを御参照いただければと思います。
スライド、次をお願いいたします。
次に、2023年より開始したネットワークコア拠点について、御紹介したいと思います。コア拠点では、海外研究拠点全体の機能強化の一環としまして、感染症モニタリング体制の強化に取り組んでおります。具体的には、拠点設置国及び近隣国における感染症の発生・流行・終息などに関する情報を継続的に収集・整理し、ニュースを取りまとめたインテリジェンスレポートとして、各海外拠点に対して、原則週1回、メールで配信を行っているということです。これによりまして、各拠点が各国における感染症の状況を俯瞰しつつ、新興・再興感染症の早期の兆候把握、あるいはリスク評価につなげることを期待しているということです。また、拠点間の連携を実質的に高める取組としまして、拠点関係者が一堂に会するシンポジウムを年に1回開催しております。2024年度はザンビア拠点で、2025年は、ちょうど先週ですけれども、長崎拠点の主催で、ベトナムのハノイにおいて開催をしております。そこで、各区拠点の研究状況や課題、今後の協働可能性について、具体的な議論と相互理解を深めるような議論がございました。先ほどのスライドでもお示ししたとおり、各拠点が対象とする病原体には共通するものがあります。本シンポジウムを起点としまして、スライド右下に示した、これはザンビア拠点のチームが提案しているコンソーシアム構想なんですけれども、このような、テーマ横断、拠点横断の共同研究や情報共有が一層進み、ネットワークとしての総合力が高まっていくことが期待されております。
スライド、次をお願いいたします。
このスライドは、海外拠点を通じて育成・輩出された、現地人材並びに国内人材の概要をまとめたものになります。まず、現地の人材としましては、これまでに19名がそれぞれの国・地域においてリーダーシップを担う人材として成長し、活躍をしております。一方、国内の人材のほうに目を向けますと、本事業を通じまして7名の教授職が誕生しております。本事業が、研究成果の創出のみならず、次世代研究者の育成とキャリア形成に貢献していることがお分かりかと思います。このように、海外拠点事業の価値というものは、研究成果の創出にとどまらず、各国の現場において、将来にわたり、継続的に機能する研究体制、協力体制、こういったものを支える人材基盤の形成にもあると考えております。
以上が、海外拠点事業の御説明になります。
スライド、次をお願いします。
続きまして、海外拠点活用領域についての成果をお話しさせていただきます。
まず、本領域における成果のサマリーになります。海外拠点活用研究領域は、拠点を運営する大学・研究機関に所属する研究者に限らず、他機関の研究者にも海外拠点が保有する多様な研究資材を活用する機会を提供し、海外拠点を国として研究に有効に活用することを目的としております。これまで、過去3年間で46課題を採択してまいりました。加えて、令和2年には、COVID-19の流行を受けまして、新型コロナウイルスに関する課題を4課題追加で支援し、さらに、令和6年度には、病原体移送・解析に関する課題も採択をしております。採択された研究代表者は海外拠点研究領域を上回る31名に達しておりまして、多様な研究者が本領域を通じて海外拠点の資源にアクセスできる仕組みが機能していることが示されているかと思います。
研究成果としましては、これまでに365報の論文発表に至っております。また、シンポジウムなどでの発信に加えまして、メディアで取り上げられた研究も複数あり、学術的なインパクトのみならず、社会的な関心の高い成果にもつながっているかと思います。
このように、拠点活用研究領域は、海外拠点を持たない大学・機関の研究者に対しても、各拠点の研究資源を活用できる有用な研究機会を提供していると考えております。
スライド、次をお願いいたします。
拠点活用研究領域で採択された研究のうち、この後、代表的な成果を幾つか御紹介したいと思います。
まず、上の段、感染症研究所の葛西先生の研究です。葛西先生は、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、台湾、インドネシア、マレーシア、シンガポール、バングラデシュにおいて、約1万3,000頭の蚊を解析し、殺虫剤耐性関連遺伝子の分布を明らかにしました。さらに、その分布が、移動を含む人間活動、文化的な活動、政治的な多国間関係、地形条件などと、密接に関連していることを示しました。この葛西先生の研究は、2024年7月にNHK「クローズアップ現代」で、また、2025年にはNHK「あしたを守るナビ」などでも紹介されまして、成果の科学的意義に加えまして、社会的な関心の高さを示す成果となっております。
次に、下段、愛媛大学の高島先生の研究ですけれども、高島先生は、コムギ無細胞タンパク質合成系を用いて、マラリア原虫由来の1,050種のタンパク質を合成し、それらに対する患者抗体反応を比較検討しました。その結果、無症状感染者を単一の抗体バイオマーカーで高感度に検出することに成功したということです。この成果も2024年2月21日に共同通信で報道され、さらに、2024年6月6日にはNHKの「おはよう日本」のおはBizコーナーでも取り上げられております。
次、お願いいたします。
続いて、順天堂大学医学部の岡本先生の研究になります。岡本先生は、バンコクにおいて蚊を捕集し、デング熱の媒介蚊が有する微生物叢に注目して、ウイルスや細菌などの相互作用を解明されました。その過程でデングウイルスの増殖を抑制し得るウイルスを見いだしているということです。これは、媒介蚊側の生態微生物叢環境から、新たな治療法につながる、非常に独創性の高い成果だというふうに言えるかと思います。
次に、下段、国立健康危機管理研究機構の鈴木先生の研究になります。臨床で重要な薬剤耐性菌に限定されていたプラスミド解析手法を現在知られている全ての細菌へ拡張したということです。包括的な解析基盤を構築するとともに、プラスミドデータベースを整備・公開するなど、薬剤耐性菌サーベイランスや感染対策・診断に資する、国際的な研究基盤を確立したということです。
今、ここで御紹介した研究はいずれも、国内のみでは十分な検体を確保することが難しく、海外拠点があってこそ実現した成果だと思います。海外拠点活用研究領域は、こうした海外の研究資源へのアクセスを通じて、我が国の感染症研究の裾野を広げ、新たな知見の創出を推進させるということが示されているかと思います。
スライドをお願いいたします。
このスライドは、海外拠点10施設と拠点活用に参加した研究者が所属する国内機関20施設のつながりを一つの図として取りまとめてみたものになります。破線でつないでいるのは、同じ大学同士です。実線はそうでないところですけれども、このように図に描いてみますと、海外拠点活用というものが多くの共同研究を提供していることがお分かりかと思います。
スライド、次をお願いします。
続きまして、多分野融合領域について、御説明をしたいと思います。
スライド、次をお願いいたします。
まず、サマリーですけれども、本領域では、これまでに合計75課題を採択し、研究成果として873報の論文が発表されております。加えて、複数のシンポジウムでの発信、メディアの紹介、受賞等も重ねておりまして、学術的インパクトにとどまらず、社会的な発信力という点でも成果が表れているかと思います。これらについては、この後、改めて具体例を交えて御紹介したいと思います。また、令和5年度には、AMED-CRESTとの連携による追加配賦を行い、共同研究を開始しております。さらに、令和6年度以降は、事業内連携を一層強化する観点から、この領域においても海外拠点との連携による課題を積極的に推奨し、令和6年度及び令和7年度において、合計3課題が連携研究として実施されております。
スライド、次をお願いいたします。
具体的な成果を幾つか紹介したいと思います。
まず、東京大学の山岸先生の成果ですけど、山岸先生は、HTLV-1関連疾患を含むT細胞リンパ腫の発症・進行において、エピゲノム異常、特にEZH1及びEZH2による異常な遺伝子制御が本質的な役割を担うことを見いだし、これらを治療標的として提示しました。この知見を基盤に、産学連携で実用化研究を推進し、世界初のEZH1/EZH2阻害剤、バレメトスタット(商品名エザルミア)の開発に成功しております。これらの一連の取組は、第8回日本医療研究開発大賞内閣総理大臣賞の受賞にもつながっておりまして、基礎的な発見から臨床応用へと橋渡しした、すばらしい成果だと言えるかと思います。
下段に行きまして、東京科学大学、石野先生の成果になります。石野先生は、マラリア原虫スポロゾイトが血管内から類洞内皮細胞を通過して肝細胞へ到達・感染する過程を模倣する、肝臓チップというものを作成しました。そして、これを活用しまして、抗CSPウサギモノクローナル抗体の樹立に至っております。
スライド、次をお願いいたします。
次に、国立健康危機管理研究機構の氣駕先生の成果であります。氣駕先生は、細菌が備える多様な抗ファージ防御システムを分子レベルで解明し、多くの論文を発表しております。そして、その知見を基盤としまして、バクテリアファージ療法の実用化に向けた研究開発を今推進しております。
下段に移りまして、大阪大学の田口先生の成果です。田口先生は、子宮頸部に存在する扁平上皮と腺上皮の接合部でありますSquamocolumnar Junction(SCJ)に着目しまして、SCJ由来のオルガノイドを構築して、解析を進めております。その結果、HPV18型の標的となる細胞を特定するとともに、NPM3というタンパク質がHPV18型の初期プロモーターの活性化及びウイルスゲノム複製に必須であることを明らかにしております。
次に行きたいと思います。
次に、熊本大学の佐藤先生の成果です。佐藤先生は、HTLV-1感染者由来の血液検体を用いたシングルセル解析を実施し、ウイルスによる発がん機構とT細胞の異常活性化が密接に関連していることを明らかにしております。さらに、HTLV-1感染病態の大きな特徴であります潜伏感染指向性と、それに基づく持続感染の維持機構に着目し、ウイルスゲノム内に存在する制御エレメントを同定しております。これらの成果はHTLV-1の病態形成を分子レベルで理解する上で重要でありまして、将来的な治療標的の探索にもつながり得る知見として、世界に先駆けて論文・学会などでの発信をされております。
下段に移りまして、大阪大学の広瀬先生の成果であります。広瀬先生は、溶連菌の病原性発揮機構に関して、菌の遺伝子発現データに機械学習を応用し、利用する糖質の違いがアミノ酸代謝の再編成を誘導し、その結果として毒素発現及び増殖能が制御されることを明らかにしました。本研究の成果によりまして、広瀬先生は歯科基礎医学会奨励賞を2024年11月に受賞されております。
スライド、次をお願いいたします。
次に、先ほど触れました多分野融合研究領域におけますシナジー効果について、簡単に御紹介したいと思います。本領域では、海外拠点が保有する現地のネットワークを積極的に活用することで、研究の実効性と波及効果を高める取組を推進しております。具体的には、令和6年度の公募で採択された5課題のうち、表に示す2課題が海外拠点との連携研究として実施されております。また、令和7年度においても、表に書いておりますけど、1課題が海外拠点との連携を行っております。このように、多分野融合研究領域におきましても、海外拠点の活用を通じた連携研究を着実に推進しており、海外拠点と組み合わせることで、より高い研究価値の創出につながっていると考えております。
スライド、次をお願いいたします。
最後ですけれど、「新興・再興感染症研究基盤創生事業」における課題について、少し触れたいと思います。
スライドをお願いいたします。
まず、海外研究拠点領域ですけど、ここに書いてあるとおりでありまして、コロナ禍による日本人研究者の帰国以来、海外研究拠点における日本人研究者が減少していると。そのようなことが認識されているということです。国際的に活躍する研究者がもっと増えてほしいということで、人材の確保ということかと思います。それと、海外研究拠点での海外研究者との積極的な共同研究。今もかなりやっておりますけど、さらに活性化をしていきたいと。
海外拠点活用研究領域におきましては、国内外の大学・研究機関や拠点間における研究ネットワークをより強化し、成果の早期創出に向けた研究が必要と考えるということで、これにはコア拠点が一翼を担うのかなと考えております。次の新規の課題提案者を増やす必要があるということは、課題が少ないということではなくて、リピーターというんでしょうか、同じような方が毎回申請されているということで、もう少し、若い方も含めて、そういった方にもぜひ応募していただきたいと、そういうことだということです。
それから、多分野融合研究領域ですけど、他の領域と比較して多様で数多くの提案・応募がある領域でありまして、優良な提案の取りこぼしが課題であるということで、これは、審査が問題だということではなく、非常に狭いものですので、なかなか競争が激しいということです。そういうことを取りこぼさないためにも、もう少し枠が広がればいいのかもしれません。また、先ほどの新規の提案者を増やす必要があることにもつながりますけど、公募の周知方法や課題の評価方法などについて、より効果的な運用が必要であると。このようなことが課題だということです。多様な研究者の参画や、先進的な研究を進める諸外国との連携がさらに期待されると。この辺りが、この事業の三つの領域の課題だということです。
私からの御説明は、以上になります。ありがとうございました。
【大曲主査】 杉浦先生、全体像を御説明いただきまして、本当にありがとうございます。
それでは、今御説明いただきました内容に関しまして、委員の先生方から、ぜひ、御意見、御質問をいただきたいと思います。
小柳先生、よろしくお願いいたします。
【小柳委員】 小柳です。昨年1年間、「新興・再興感染症研究基盤創生事業」のPSをやらせていただいたので、細かいことはいろいろ知っておりますので、コメントと質問をさせてください。
1番目のコメントは、ATL、つまり、多分野でも山岸先生と佐藤先生のHTLVの成果を今日発表していただきましたが、ATLは、日本では高月先生が見つけた病気です。そして、その原因ウイルスがHTLV-1という。これは、私が大学院生の頃、恩師の日沼先生とアメリカではGallo博士がそれぞれウイルスを分離した業績で、日本に100万人の感染者がおりますから、これは日本の研究からわかった病気なんです。この病気に関して山岸先生と佐藤先生の多分野融合のお仕事が成果として結びついたということで、これは非常にいいなと思いながら聞いておりました。ありがとうございます。これはコメントです。
2番目の質問は二つありまして、11ページ目、対象となる代表的な病原体について、御紹介いただきました。ここについては、去年、私は研究交流会でいろいろ聞いておりましたが、それぞれの海外研究拠点の対象となる病原体について丸印つけておられますが、それぞれ重みが違うと思います。例えば東大のインフルエンザウイルスと新型コロナウイルス研究は、河岡先生のお仕事ですから、よく分かりますし、論文も出ていますから、ここでちゃんと成果があるという情報を得ることができます。そういう意味で、東京大学と大阪大学のタイ拠点についてはそれぞれの研究成果が出ていますから問題ないと思います。一方、ここで書いておられます幾つかの拠点、神戸大とか、岡山大とか、こういう海外研究拠点は、こういうふうに書いておられますが、病原体の解析の重みがかなり違うと考えます。重みというのは、研究成果として出てくるものが違うと思います。どういうふうに重みを表現すればいいのかなと思いながら聞いてたんですが、例えば、これで成果として出てきたものは、論文としてこういうものがありますとか、何か説明資料をつけていただくと納得できると思いました。
それから、ちょっと疑問に思ったのは東京科学大です。あそこは、お話しいただいた多くは、鈴木先生が抗酸菌をやっておられて、それの話をかなりされたので、もちろんマラリアもやっておられますが、抗酸菌の話があまりないなと思いながら聞いておりました。
それから、長崎大のブラジル拠点ですが、トリパノソーマだけを書いておられますが、そうだったっけ? と思いながら聞いておりました。ですから、ここの立ち位置がよく分からなかったというふうに理解しております。これはむしろ、PSの先生が答えるよりも、それぞれの拠点の方に考えていただくということかと思います。
もう一つの質問は、PSの先生の話ではなくて、アペンディクスのほうであったんですけど、45ページ目のネットワークコア拠点です。わたくしがネットワーク拠点の話を聞いていたときに非常に重要だと思っていたのは病原体のデータベース並びにバイオバンクの国内事例の整理で、今週、また発表会がございますから、その辺りの整理状況について、杉浦先生にPSとして、よろしくお願いしますというふうに、資料を見て感じました。
質問とコメントですが、以上です。
【杉浦PS】 小柳先生、どうもありがとうございます。先生は私よりもよくこの事業を御存じだと思いますけれども、その上での御質問で、まず、11ページに関しましては、全く先生のおっしゃるとおりだと思っております。御覧のように、今御指摘のあった二つの拠点は結構幅広い病原体に取り組んでいるということで、絞り込めていないような感じも確かに受けますし、論文発表等も含めて、東京大学や大阪大学と比べてしまうと、それは申し訳ないかなと思います。この表を作った最大の理由というのは、最後のほうで先生が触れましたが、コア拠点の中で、実際、どういう連携が可能なのかということを先生方に知っていただく目的で作った。要するに、まさに横串を刺せるか、どういうふうにできるかと。皆さんと一緒にやっていくことによって、それぞれの拠点で得意とする感染症研究がさらに進展、あるいはレベルがより高くなっていければいいかなということで、取りあえずは、この表の中ではイーブンな形で描かせていただいております。
【小柳委員】 ですから、拠点そのものがやっておられることと、拠点活用研究でやっておられることを分けた表現がいいかなと思います。
それから、もう一つは、コンゴ拠点とかは明らかに未知病原体をやっておられますので、そういう項目をつくっていただいたほうがよろしいと思います。コンゴ拠点は非常に大変なところです。病原体をさがしに、奥地の村に入って、実際に現地に滞在してやっておられるというふうに理解しておりますので、あれは非常に重要な活動だと思います。コンゴ拠点と科学大のマラリアがありますけど、実はガーナのマラリアとコンゴのマラリアの病態が違いますので、そういう面でも強調していただいたほうがよろしいと思います。
以上です。
【杉浦PS】 非常に貴重な御意見、ありがとうございます。スライドの下のほうに書いてありますように、「共通の病原体に対する研究成果を拠点間で共有することも今後検討」ということで、今、先生がおっしゃったようなこと、同じ病原体でも、それぞれ病態が違ったり、あるいは媒介するものが違うのかもしれませんけど、そういったことも含めて、連携のポジティブな面が出していければなというふうに思います。
【小柳委員】 ガーナに聞くと、もうマラリアでは死なないというふうに彼らは言っていて、病態が違うんだなというふうに思いました。
【杉浦PS】 ありがとうございます。
それと、もう一つは45ページ目のお話ですかね。(1)モニタリング体制の強化の中でのマル4のところですね。病原体の収集・共有の在り方の検討ということで、データベースやバイオバンクの整理ということかと思いますけど、情報に関してはそれなりにいいとは思うんですが、それでも結構リスクがあるように思うんですけど、サンプル自体を集めるということはなかなか難しいかと思っておりますが、その辺りはコア拠点の中でもいろいろと検討されているのかと思います。
【小柳委員】 これに関しては国ごとの対応が当然違うから、大変だなと思いながら聞いておりました。
【杉浦PS】 そうですね。私もその検討には若干関わっていたのですが、やりようによっては、今まで培ってきた現地の方との信頼関係を壊してしまったり、あるいは研究者自身がリスクにさらされたりする可能性もあるということで、情報に関しても、国ごとにできる範囲でやっていくということではないかなというふうに思っております。
【秋野企画官】 事務局ですけども、1点、補足でよろしいでしょうか。
【大曲主査】 お願いします。
【秋野企画官】 この病原体共有につきましては、今、NCGM(現在のJIHS)、ネットワークコア拠点のほうで病原体共有に関する研究を鈴木忠樹先生にやっていただいておりまして、本部会の中でも第4回の3月17日のときにヒアリングを予定しておりますので、(拠点のある)国ごとに、病原体共有の仕組みであるとか、今、拠点が困っていることについてヒアリングをしていただいておりますので、第4回で御議論を深めていただければというふうに思っております。
【杉浦PS】 どうもありがとうございます。
【秋野企画官】 以上になります。ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
それでは、ほかの委員の先生方、御質問ございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
鈴木先生、お願いします。
【鈴木委員】 感染症疫学センターの鈴木です。質問というか、私、コメントだけになりますけども、私自身、長崎大学時代に、2005年に、まさに第1期の事業が開始された年にベトナム拠点プロジェクトに特任助教として採用されて今のキャリアを始めたということもありまして、この一連の事業には、個人的にも非常に思い入れがあります。その後、今の発表を聞かせていただきまして、たくさんの研究成果を出している、多くの研究者を巻き込んで連携をしながら発展してきているということに、非常に感銘を受けました。
1点、冒頭の御挨拶でも触れられていましたが、海外研究拠点の人材育成の成果として一つ強調させていただきたいのは、今回の新型コロナのパンデミックに際して、2020年2月に厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策本部にクラスター対策班というのが設置されました。当時、全国から数十名の感染症研究者とか疫学者が集結したわけですけども、そこに集まったメンバーの中には、東北大学のフィリピン拠点、それから、私も含めて長崎大学のベトナム拠点で博士号を取ったり、キャリアを積んできたメンバーが数多くいました。グローバルな視点と現地のフィールドの視点の両方を持って感染症の情報を分析できる人材というのは、少なくとも当時の日本においては、海外の大学に留学したりとか、国際機関で仕事をしたりとかいうのでなければ、結局、この海外拠点しかなかったということなんだろうと、今にして思っています。当時、クラスター対策班に集まった海外拠点のメンバーの中の何人かは、現在、JIHS、感染研の中で部長とか室長として活躍しているメンバーもいます。ということで、まさに我が国の有事対応に際してこの拠点がいかに役立ったのかということは、私のことも含めてアピールしておきたいと思います。この資料に書き込むには適さないかもしれませんが、ぜひ心にとどめておいていただければありがたいなと思います。
以上、コメントでした。ありがとうございます。
【杉浦PS】 非常にすばらしいコメントをありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。
先週、僕もベトナムに連れていっていただいて、鈴木先生のニャチャンでのお仕事をしっかりと伺ってまいりました。私も実は2012年からこのプログラムでベトナムでやらしていただいているということを、せっかくなので付け加えておきたいと思います。
ありがとうございます。
【杉浦PS】 ありがとうございます。
【大曲主査】 それでは、舘田委員、お願いします。
【舘田委員】 舘田ですけども、ありがとうございます。すばらしいプロジェクトで、すごい成果が出ているなということを改めて見させていただきました。
その上で、今、鈴木先生のコメントにも関連するんですけれど、やっぱり人材育成が非常に大事である。これはみんなが共有している認識ですし、そして、そこにこのプロジェクトが役割を果たしていたということが分かったということも非常に大事な成果になるわけですけど、果たしてそれが人材育成という視点において本当に十分なのか。僕は、ここはしっかり評価していかなければいけないなあというふうに思いました。確かに、数で見ると、博士課程を取ったり、どうのこうのという人がいますけれど、もっと増やせるんじゃないか、もっと増やすためにどういう工夫をすればいいのかということも、考えておかなければいけない。特に危機管理体制においての人材育成ですし、先ほどもちょっと出ましたけど、研究者の裾野を広げるという意味においての人材育成とか獲得になるわけで、そのときにこれらの拠点をさらにもっといい形で活用できないかという方向性も考えていく必要があるのかなというふうに思いました。
そんな中で、このプロジェクトは日本で唯一ですから、比較ができないわけですね。ほかの日本のというのと比較はなかなか難しいわけですけど、例えば、諸外国で同じような、こういう拠点活用・形成等々で人材育成ということはどういうふうにやっているのかというような、そういうような例があるならば、それを参考にしながら見ていく。特に、多分野融合とか異分野連携は、非常に大事な方向性、シナジー、大事なキーワードになってくるわけですけども、感染症の危機管理の視点からは基礎と臨床の連携も非常に大事だから、臨床家を巻き込みながら、臨床家の中から基礎医学を目指すような人をいかに育てていくのか、そういうのを意識した戦略的なプロジェクトというのを考えていってもいい。もうあるんですけど、それをさらにブラッシュアップしていくような、そういう方向性もあってもいいのかなというふうに、ちょっと思いました。
以上です。
【杉浦PS】 すばらしいコメント、ありがとうございます。
人材育成のことに関しては、先ほど課題のところでも少し触れましたが、海外拠点における研究者が、数のデータがあるわけではないんですけど、どうも減少しているようであるということで、それは、資金的な問題なのか、あるいは今の日本の若者たちが内向きなのか、その辺はいろいろと見てみないと分からないんですが、何とかそういう部分をきちんと解決して、より多くの若い研究者あるいは臨床家の方がこういった拠点のほうに出向いていくようになればいいのかなと思いながら、今、先生のコメントを聞いておりました。ありがとうございます。
【舘田委員】 ありがとうございます。
杉浦先生、例えば、このプログラムの中で、臨床家を巻き込むぞと、そういう狙いも込められているんですか。例えば、向こうの臨床のドクターと日本の臨床家がディスカッションし、そして、その中で次のテーマが出てきて基礎研究に持っていくみたいなものが、実際あるんでしょうけれど、そこはこのプロジェクトの中でどのぐらい重みがあるのかなというのは、ちょっと思いました。
【杉浦PS】 ありがとうございます。私個人は、このPSを受けたときに、これは基礎研究を推進するというのが一番根幹にあるんだろうと思っていたんですけど、でも、先生のおっしゃるとおりで、そのネタというか、いわゆる臨床現場からアンメットのようなニーズのものがないとなかなか基礎研究も広がっていかないような、そんなふうには感じます。恐らく、それぞれの拠点においては、研究機関以外にも、そういった病院とも連携をしておられるんじゃないかなと思いますので、そういうところでは、今、先生がおっしゃったような臨床サイドから基礎への研究の発案であったり、そういうものは行われているのではないかなと思います。ただ、現時点では、私はそれが今回の事業の中心だとは、あまり考えておりませんでした。また、関係者の方といろいろ議論をしてみたいと思います。ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。
僕、忘れてしまわない前に、主査なのに申し訳ないんですが、一応、臨床の人間で入った立場として申し上げますと、最初、J-GRIDに入るときに本音で思ったのは、入り口がなさそうだなということでした。臨床家として研究に入る入り口がすごく見えにくくて、入っていいのかなという不安といいますか、そういうところは一番ありました。でも。無理くり入らせていただくと、やっぱり苦労はしたんです。それは、お金の問題ですとか、なかなかお金が取れないですとか、自分たちはそもそも経験がないということもありますけども、でも、問題となったというより、役に立ったのは、やはり臨床家だけでできることは非常に限りがあるので、いろいろな拠点の先生方ですとかと知り合う中で、分業といいますか、分担ができる。その中でプロジェクトを進めていくものなんだというのが分かるようになって臨床家としての役割が分かってきて、自分はこういうことができますが、どうでしょうかといったようなことができて、事が動かせるようになったということがございましたので、一応、共有だけさせていただきます。
【杉浦PS】 ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。
山野委員、お願いします。
【山野委員】 杉浦先生、どうもありがとうございます。私、改めてこの成果を見せていただいて、非常に多くの成果が出ているなというところは、強く思いました。今、舘田先生が言われたようなところと少しかぶるところもあるんですけども、一番気になったのは、若手研究者がどのようにこの領域に入ってくるのか、そこでどう育成していくのか。杉浦先生は課題としてもそこの部分を挙げておられましたので、そこのところの原因は何なのかなということを聞きたかったんですが、先ほど、お金の問題なのか、あるいは、今、日本の若手の方の成果の出し方というところもいろいろ変わってきていますから、海外に興味を持たないというところもございますので、その辺りが影響しているのか。何を持っていけば相手のモチベーションが上がるのかなというところについて、何かヒントをもしお持ちなら、教えていただければ次のアクションにつなげやすいかなと思ったんですけども、どんなものなんでしょうかね。
【杉浦PS】 多分、その辺は大学で教鞭を執っている先生方のほうがお分かりなのかもしれませんけれども、一つは、今、大曲先生がおっしゃったことにも近いかもしれませんが、中が見えないお店に入るというのは勇気が要りますよね。そういう意味において、明日から事業の交流会なんかもありますけれども、この事業がどんなことをやっているか、もう少し、この事業の中身が見えるような取組というのが必要なのかもしれません。コア拠点のほうでやっていたザンビアとかベトナム、私も参加させていただきましたけれども、ああいうものって非常にその点がよくて、ほかの拠点が何をやっているかじゃなくて、いろんな人たちが来て、中が見えるというか。そうしますと、入ってくるときのその意識というのは下がるような気はいたします。
あと、やはり、研究費というんでしょうか、お金の部分というのはかなり大きいんじゃないかなと思います。変な例ですけど、私はHIVの研究者なんですが、どうしてHIVの研究を始めたかというと、若い頃、留学するときに、そのポジションしかなかったからなんですね、アメリカで。HIVの研究以外、ポスドクを取ってなかったんですけど、アメリカは当時、物すごい膨大なお金をHIVウイルスの研究に投入しておりまして、山ほど留学先があったんですね。小柳先生の前で申し上げるのも恐縮なんですけれども、一時期、どっち向いても、留学から帰っている人はHIVの研究者だらけの時代もあったわけなんですね。ですから、そういうのを経験していますと、内向きの思考というのももちろんありますけれども、経済的な支援であったり、お金であったりというのは、一つの大きなファクターであるようには感じております。
以上です。
【山野委員】 ありがとうございます。私、企業の立場からお話ししますと、企業のほうではなかなか、新興・再興感染症というところは取り組みにくい。やはりいろんなビジネスのところとかいうところでいろんな縛りが入っちゃいますので、そこは厳しい部分が正直ございます。だけど、その中で、例えば、今、個人的にはマラリアなんかに取り組んだりもしかけているんですけども、そういう場合にも、こういう形で基礎基盤というのをアカデミアのほうでつくっていただけないとなかなか入っていけないというところはございますので、こういう活動は非常に重要だと思っております。そのときに研究者の方々と少し話をすることがあっても、やはり、先生が言われた研究資金のところですね。そこのところの不十分さというか、なかなか継続的にもらえないというところでうまく進めないという声というのはどうしても聞こえてきますので、この事業、かなり多くの予算を頂いていますけれども、それで十分なのか、これから継続的にやるにはどうすればいいのかということもしっかり考えたほうがいいのかなあと思いながら、コメントさせていただきました。
ありがとうございます。
【杉浦PS】 ありがとうございます。
【大曲主査】 それでは、渡辺委員、お願いします。
【渡辺委員】 ありがとうございます。渡辺です。
私も、スライドの32ですが、海外拠点における日本人研究者が減少しているとか、新規の課題提案者を増やす必要があるとか、その辺りはこれから取り組んでいくべきことだと思うんですけど、先ほど先生方は、最近の若い人は内向きなのかなということをおっしゃっていたと思うんですが、私は反対意見で、博士の学生とかも来たりはするんですけど、あと、ウイルス学会とかに行って若い研究者と会うと、私自身が新興・再興感染症をやっているせいもあるんですが、若い人たちが内向きになっているかというと、そうでもないような気がしています。周りにいる人がそうなのかもしれないんですけど、例えば、北大とかだとザンビア拠点があって、北大にいる学生とかは海外にというのを思っている人がすごく多いので、やっぱり環境なのかなあというのがありまして、研究室とか研究所とかが外に向いていると海外を近く感じてで、さらに拠点があると、そこに博士の頃から行って研究ができる。そういうのをやっていると、その後も海外にという志向になるのかなと思います。多分、北大とか、阪大とか、そういうところだと割と海外と近いというのがあるのかもしれないんですけど、それをもっと日本全体に広げていくと多くの学生なり若い人が行くのかなということで、結局のところ、お金なんだろうなというのは、ちょっと思っています。海外拠点活用の公募とか出ているんですけど、門が狭くて、なかなか採択されない。門をもし広げられるのであれば、新たに入った先生や研究室の学生も外にという、いいループというか、サイクルというか、そういうのが回っていけばいいかなあというふうに考えました。
ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。
事務局に一つ御相談があります。何かといいますと、今、プログラムの御説明をいただいて、御質問をお受けして、杉浦先生にお答えいただくという形で進めているんですけども、実は、このプログラムの歴史も踏まえて全体像をお示しいただいた中で、明らかに議論の方向としては、先生方、総合討論のことを念頭にお話をされているように思うので、よろしければ、このまま総合討論としてしまいたいのですが、事務局としては差し支えありませんか。
【秋野企画官】 そのようにお願いします。よろしくお願いします。
【大曲主査】 ありがとうございます。
杉浦先生も、適宜お答えいただければと思います。ぜひ、お時間の許す限り、よろしくお願いいたします。
【杉浦PS】 ありがとうございます。
【大曲主査】 ということで、総合討論ということで、もちろん、J-GRID+のこと、あるいは、もう一歩引いたところの今後の日本の感染症研究の推進に関する課題ということで、ぜひ御意見をいただければと思います。
ということで、小柳委員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
【小柳委員】 人材育成の話になりましたので、私が知っている人材育成の例として、よかったなあと思うのが一つありまして、順天堂大学の岡本先生は、医学部の先生ですから、タイ拠点に医学部の学生を連れていかれて実習をされたことのお話を聞いたことがあります。医学部の先生はお分かりになるんですけど、臨床実習に加えて、海外での研究実習というのは大体どこの大学でも組まれておりまして、そういうのを拠点活用研究として岡本先生はされたんだなというふうに理解いたしました。拠点活用が彼らの渡航費に使えるかどうか、わたしには分からないのですが、1週間か2週間だと思うんです。彼らをタイで活動させて、彼らにもこういうことが重要だということを理解させる機会を持たれたなというふうに理解いたしました。
私から、情報としてお知らせいたします。
それから、一つコメントは、先ほど渡辺先生が言われたように、この拠点を支えているのは、はっきり言えば、北海道大学の獣医学科の人たちだと思います。多くの人材はあそこから出ているのは間違いなくて、獣医の方というのも非常にアクティブに、ザンビアに行かれたり、ベトナムに行かれたり、そういうふうにされて、実際にフィールドで活躍されているのは北海道大学と長崎大学の学生だと理解しています。特に獣医としては、東大獣医の方に申し訳ないけど、北大の方が非常にアクティブにされているという印象を私は研究報告会で持ちました。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。
川上委員、お願いします。
【川上委員】 ありがとうございます。基礎研究としてはすばらしい成果がどんどん出ていて、拠点ごとにかなり先端的な研究をされているなと思うんですけども、私としては、二つコメントがありまして、一つは、今、AI・データサイエンスがかなり普及してきている中で、AI・データサイエンスの活用という面ではあまり顕在化していないなという印象で、あと、AI・データサイエンスの研究者自体も感染症領域にあまり入ってきてないなというのがあるんですね。というのは、私自身は河岡研出身で、もともとインフルエンザウイルスの研究者だったんですけども、そこからAI・データサイエンスのほうに行ったので、今は割とAI・データサイエンス技術を使った感染症研究というのもやっているんですが、逆のケース、AI・データサイエンスの人が感染症研究に入ってきているかというと、私の周りでもAI・データサイエンスの人が感染症研究をやっているというケースはあまりないので、そこら辺を次期においてリクルートできるような仕掛けができるといいかなあというのが一つあります。
もう一つは、ウイルス研究って一つ一つのウイルスごとの単位で研究をしていて、どうしても縦割りになってしまっているようなところがありますので、ウイルスを超えたような知見の共有であるとか、研究方法の共有というのがもっと起こると、かなり進むのかなというのがありました。私がインフルエンザウイルスの研究をやっていたときも、HIVがかなり進んでいて、HIVでやられたような研究手法をインフルエンザウイルスに導入しましたというだけで結構いいジャ―ナルに載ったりとか、そういうふうなこともあったので、ほかのウイルス領域で進んでいるところをどんどん取り入れていけるような仕掛けがあるといいのかなというふうに思いました。
私からは、以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。
僕、思いついたので、ちょっとだけ追加でコメントしますと、確かに、すごく反省したのは、臨床の情報を含めて、情報と、検体と、それに関連したゲノムの情報とか、ウイルスならウイルスの動態とかってというのは手元にあるんですけども、それをデータサイエンスの先生方にお渡しして料理していただくとすごいものが出てくるということが分かって、不勉強をすごく恥じたことがありました。そういう意味で、我々もアンテナを張ってお声かけをして、お力を借りるということをこれから意識的にやっていかないといけないなあと、今、すごく思っているところです。まずはエムポックスからやれないかということで、やらせていただいています。それが1点。
あと、2点目は、先生がおっしゃった点はすごくそうだと思っていまして、コロナをやっているときに実感しました。HIVの専門家の先生方、肝炎ウイルスの専門の先生方がどっと来られて、僕は圧倒されておりましたけれども、なるほど、こうやって動くんだというのがよく分かりましたので、先生のおっしゃっていること、すごく納得しました。ありがとうございます。
ほかの委員の先生方、御質問、御意見、いかがでしょうか。
よろしいですかね。
じゃあ、まだ時間もあるので、僕も、自分なりに資料を見て、あるいは先生方の御議論を伺って、思うところがあったので、最後にと思っていたんですが、ちょっとだけコメントさせていただければと思います。お時間をいただければと思います。
まず、このプログラムは非常に重要で、日本にとっての非常に大事な基盤であり、財産だと思っています。海外を見れば、オックスフォードのネットワークとか、パスツールのネットワークとかありますけども、そこを超えてしっかりと育てていく必要があるんじゃないかなと、今日のお話を伺っていて思いました。今の方向性ですと、インテリジェンスと、応用、あるいは臨床も含めた研究開発をしっかりやっていくというところまでスコープが伸びていますけれども、そこは非常に重要だと思っています。
インテリジェンスに関して言うと、現状ですと、各拠点から情報を自発的に上げていくということになっているんです。私はコア拠点の事務局で仕事をしている人間ですので、その形ができてきたと思うんですけども、これはほかの領域でも情報を扱うときに思うんですが、その情報を誰が必要として要求されているのかというのを明確にしていただくのと、あと、何が欲しいのかというところを明確にしないと、僕、地元というか、拠点の一部の人間でもありますけども、報告する側としては何を上げていいか分からないということになってしまうなあと思いました。ですので、インテリジェンスはすごく大事だと思うんですが、そもそもの体制としての情報要求の主体は誰なのか、何をもって見るのかというところを、次の段階ではしっかりと決めていくということが大事だと思っています。
あとは、人材育成の話が出たんですけども、これはよく拠点の先生方からお話が出るんですが、やっぱり立場が弱いと。一つは、守られてないという言い方をされます。例えば、大学から海外に派遣するときの保険とか、どちらかというと大学に期待されているのは身の安全とか保証の話なんだと思うんですけども、それは大学ではなかなかカバーしてもらえない、自己責任という議論になってしまうというのをよく伺いました。これが1点。
もう1点は、ある拠点の先生からお話を伺うと、例えば、USCDCの人が他国で活動されていると、彼らは外交官として来ている、外交官の特権も有しているという中で、各拠点の先生方は、今の扱いだと大学から派遣されている一研究者という扱いなので、弱いと。何でおまえはここに来て、どういう権利があって研究しているんだということを某国の人から言われたと、そういったことも伺いました。そうすると、情報も取りにくいでしょうし、信用も得にくいだろうなと思いますので、何らか国としての肩書みたいなものが要るんじゃないかなと思います。
あと、サイト間の連携に関しては、既に先生方も御議論されていましたし、アフリカの拠点間ではコンソーシアムの構想ということが出ていて、その話が出始めてから拠点間のシナジーが働いて研究活動が活発化しているというのは見ていて明らかに分かるので、私も、これは進めていくことが必要だと思います。そういう意味では、今後はそれも進めながら、それと同時に、事務局からもプレゼンでおっしゃっていましたけども、AMEDならAMEDのプログラム間の連携がちゃんとつながるようにしていくということが、MCMへのアクセスが一つかもしれませんが、今後はゴールということを考えると非常に重要だと思っていますけど、個別に動かないようにということですね。どちらかの成果が次につながるとか、共同でやれるとか、そういうところが非常に重要だと思っています。
長くなって、すみません。最後の1点なんですが、各拠点の中でも、すごく工夫をされているところでは、多くはそうなんですけども、現地の拠点でパートナーとしてのアカデミアの先生とか、あるいは国立の研究所の先生との関係をつくるのは当然として、日本の関係者、それは、大使館の方々、領事館の方々とか、あるいはJICAの方々といったところとのネットワークづくりをすごく熱心にされている方もいらっしゃいますし、単にアカデミアとか国の研究機関だけではなくて、その国の政府、あるいは規制当局、そこもしっかりと連携を取って活動を進めていらっしゃるところが多くあって、そうしたところは現地ですごく信用があって、いろんなことを進められているように思います。これは先生方が構築されたすごく大事な信用だと思うので、こういう活動を何らかの形で評価をしたほうがいいのではないかと思います。形のやり方は分かりません。議論できればと思います。それとともに、全体としてもそこを拠点として活用させていただく、そういうネットワークに乗っからせていただくといったようなことも、今後は全体として考えた場合に大事じゃないかなと思って、活動をしております。
というところで、ちょっと長くなりましたが、一委員としてコメントさせていただきました。時間をいただきまして、ありがとうございます。スライドもありがとうございます。
ということで、今回、感染症作業部会の論点案ということで出していただいておりますが、先生方、今後、これを全体として進めていく上で、課題意識ですとか、あるいは御意見ですとか、そういうところを残りの時間でいただければと思います。よろしくお願いいたします。
小柳委員、お願いします。
【小柳委員】 ありがとうございます。先ほど大曲先生が最後に言われた現地拠点とJICA等のお話で、先生が気になられた、厚生労働省がやっておられるiCROWNとの連携について、私はよく把握してないんですけど、iCROWNと海外拠点との連携について、具体的には文科省と厚労省の事業のそれぞれの連携はどういうふうにされるおつもりなのかなと思いながら聞いてたんですが、事務局、その辺りはいかがなんでしょうか。
【大曲主査】 小柳委員、ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
【秋野企画官】 事務局としまして、iCROWNというのは、国内の病原体であるとか、検体を集めて臨床情報と結びつけていくというようなネットワークだというふうに理解しておりますので、今、海外とiCROWNの連携があるというのは把握し切れていないという状況なのですが、どのような連携のことを指しておられるのでしょうか。
【小柳委員】 僕は、iCROWNなのか、よく分かってないんですけど、感染研だった頃に、海外からたくさん臨床検査の方を呼んで、研修会をやっておられたんですね。それの人的ネットワークは明らかにあったんです。私は俣野先生に頼まれてやっていたんですけど、感染研の事業で、研究連携というよりも、明らかに人材育成でしたね。アフリカの臨床検査の方がたくさん来られた。現場の方で、医師ではなかったです。一、二か月おられるわけですから、そういう方と知り合いになっているので、そういう方と海外拠点の方々のインタラクション、そういう連携をつなぐというのは、僕はいいなあと思いながら理解していたんですけど、そういうことは御存じないですか。
【秋野企画官】 今、手元にその情報がございませんので、正しいことをお伝えすることは難しいのですが、感染研のほうにもお聞きして、どのような枠組みがあるのか、こちらでも調べさせていただきたいと思います。
委員の方で御存じの方がいらっしゃったら……。
【小柳委員】 エイズ事業として、今の所長の俣野先生が中心になっておられた事業で、私は講師として呼ばれて、アフリカの方を中心に実習と講義をやっていた事業がございました。それはまさしく、人材育成の連携でした。人材育成というのは、日本人ばかりの人材育成ではなくて、海外の方との人材育成も含まれますし、そういう方が日本とつながっているというのはネットワークとしても極めて重要だと思いますので、そういう事業との連携が必要かなというふうに理解しております。
よろしくお願いします。
【杉浦PS】 杉浦から、今の件についてお話ししてもよろしいでしょうか。
小柳先生が今おっしゃったのは、多分、JICAのHIV(エイズ)の国際研修というものでして、私も感染研に12年いた人間で、それを担当しておりましたが、例年10人ぐらい、アジアであったり、アフリカであったり、そういったところから、医師はあまりいなかったと思うんですけど、先生おっしゃるように検査技師の方がいらして、1か月、2か月ぐらいでしたか、研修をずっとやっておりました。恐らく、そこに参加した方たちの中から、今、各拠点の中で中心的に働いている方が何名か輩出されているのではないかと思います。ですから、先生がおっしゃるとおり、それは別の意味での人材育成として機能してはいたんだろうというふうに思っております。ただ、その中で意図的にネットワークをつくっているというふうではなく、参加した人たちが、その後、個人的につながっている、そういった緩いネットワークであったように、私は理解しておりました。
それと、今、iCROWNのお話が出ましたけれども、これを言うとやぶ蛇かもしれませんが、私ども、ARISEというアジアの臨床試験のネットワークというものをもう一つ構築しておりまして、それは、アフリカは入っておらず、アジア5か国とのネットワークを組んでいるんですけど、こちらのほうは、基礎研究ではなくて、完全な出口の部分、いわゆる治験をする、臨床試験をする、そういったためのネットワークなんですが、ただ、我々がその中で組んでいる病院と、今回のネットワークコア拠点の各拠点が連携している病院が一致しているものが幾つかあります。その病院は大きいので、恐らく同じ方ではないので、直接つながっているわけではございませんけれども、そういう意味での緩いつながりみたいなものは存在しているのかなと思います。ですから、そこを出口として、もっと強くつなぐという意思があれば、できないことではないのかなというふうに思っておりますけど、ただ、こちらの事業がバリバリの基礎に対して、もう一つのほうは完全な出口ですよね。プレクリニカルですらないです。既に、上市をするか、しないか、あるいは上市されたものを取り扱うネットワークですので、そういう意味で、ちょっとギャップがあるのかなと思いながら、話を聞いておりました。
以上になります。
【大曲主査】 ありがとうございます。
iCROWNは、僕も少し関わっていますのでお話ししますと、小柳委員がおっしゃったような形での連携は、私たちが把握しているところでは、今のところないと思っています。ただ、今日も資料の中とか議論の中でもお話があったように、今後の課題として、できるかどうかという話もありますけど、海外で得られた情報なり、検体なり、病原体をどうリポジトリ化していくのか。それらを共有の財産としてどう活用していくのかというところは、将来、議論なるだろうと私個人は想像しておりまして、そのときには主に国内の情報と検体を集めているiCROWNとはどういう関係になるのかという話が自然な流れの中で出てくるんじゃなかろうかと、一個人として想像はしております。
以上です。
ほかに、先生方、いかがでしょうか。
多屋先生、お願いします。
【多屋委員】 ありがとうございます。私も、長い間、この事業の評価委員として関わってきました。最初は海外拠点をつくるところから御苦労があって、そこがしっかりと根づいて、その後、海外拠点活用事業が始まって、それがこの事業をより一層発展させたと感じています。当初から国立感染症研究所と連携していくことと明記されていて、感染研の職員が一緒に研究していたですし、また、若手の活用、若手の人材育成も、発展してきたと思います。
今日の御議論を伺っていまして、基礎、臨床、疫学の三つの分野の中で、基礎の先生が多いチーム、疫学の先生が多いチームはどうしてもあるので、基礎、臨床、疫学が一緒になって活動していくことでさらに発展するということもありますので、そういうことが書かれると、連携が進んで、先ほど大曲先生がおっしゃられたように、入っていいのかな、入り口が見えないというのが、少し見えやすくなるんじゃないかなと思いました。すばらしい発展と思っております。
以上でございます。
【大曲主査】 貴重な御意見、ありがとうございます。
ほかに、委員の先生方、御意見、いかがでしょうか。
小栁委員、お願いします。
【小柳委員】 これはなかなか難しいんだと思うんですけど、この事業の継続性を維持するには、今は、交流事業として、拠点をつくられた人的努力に依存していたんですね。例えば、信頼関係を構築された先生が退職された後、その人的交流関係を誰が引き継ぐかということは結構難しい問題です。それは、はっきり言えば、阪大とか、北大とか、東大とか、そういうたくさんの人材がいる拠点では引き継がれていくんですが、教室単位で人的交流をされた拠点がどういうふうに引き継がれていくかということは悩ましいところだと、僕は見ていました。だから、引き継がれた人が、ちゃんと彼・彼女らの研究として、基礎的研究としても成り立つのかどうか、悩んでいました。答えはなかなか難しいんですが、立てつけがそれぞれの研究者と人材なので、そこは非常に悩ましいところです。なかなか難しいことを言っているとは思いますが、今のように、AMEDと大学、AMEDと研究者個人との立てつけでいいのかどうか、そこは考えてもいいのかなと。こういう会議ですからということで、具体的ではないですけど、この立てつけについては、私からの疑問でした。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。先生がおっしゃった継続性というところは、僕もあまり考えたことがなかった。確かに、冷静に見れば、研究者とこちらの研究室、あるいは研究者と先方のカウンターパート、それはいろいろありますけども、それの関係でのみ成り立っているという場はたくさんあるなと、今、お話を伺っていて思いました。ですから、非常に不安定でして、私たち自身も次にやる方に入ってもらってということは意識して動いておりますけども、でも、研究者レベル、教室レベルの動きであるのは事実でして、何らかの問題が起こったときに、すっと途切れる。それまで構築した人的ネットワークや信用もなくなってしまうというリスクは、今、お話を伺っていて、あるなと思いました。私自身もそこをどうすればいいのかということに関して具体的なイメージはまだ持ち合わせておりませんけども、それを気づかせていただいたということで今日は承りたいと思います。ありがとうございます。
先生方、御意見、いかがでしょうか。
鈴木先生、お願いします。
【鈴木委員】 時間も差し迫っているところで、すみません。まさに先生方に御指摘いただいたところは非常に重要だと思って、今、私自身も解決方法は全く頭にありませんが、とても重要な課題だと思っています。例えば、教授が10年20年かけて現地のカウンターパートと人間関係をつくって大学院生を育てて、教授が退官した後はどうなるのかという場所は、私の頭の中でも、具体的に、一、二か所、思い当たります。ということで、私は今、解決方法は思い当たりませんが、この事業を今後も続けていくのであれば、属人的ではない、何らかのやり方を考えていくべきではないか。可能であれば、この論点案の中の論点の一つとして組み込んでもよいのではないかというふうに思ったところです。
以上です。
【大曲主査】 ありがとうございます。僕も全く同意します。
そのほか、委員の先生方、御意見、いかがでしょうか。
【秋野企画官】 大曲先生、事務局でございますが、1点、発言よろしいでしょうか。
【大曲主査】 どうぞお願いします。
【秋野企画官】 拠点の安定的な運営と継続というところにつきましては、こちらのほうとしても大変重要な論点かなというふうに思っております。先ほど提示させていただきました資料3の3ページ目の右側の今後の方向性というところで、中段のところになりますけれども、海外拠点の整備に関しまして、「設置国の現地情勢等の影響はあるものの、拠点間で差がみられるため、大学本部と拠点との関係が、より強固で組織的な連携協力体制となることを求める」。また、中間評価の御議論の中でも、海外拠点の現地のカウンターパート、現地国政府との関係は、研究拠点を擁する大学の学長や医学部長、上層部や担当者が替わっても変わらず維持されるべきものであるということで、今後も我が国の海外拠点を継続的に発展させることが望ましいという御意見もいただいております。本部会の中で、この論点を深めていただければというふうに考えております。
ありがとうございます。
【大曲主査】 ありがとうございます。これがちゃんと残されているのは非常に重要なことだと思いました。この点は、おっしゃったとおり、今後、ぜひ議論が深められればと思いますので、事務局としても、よろしくお願いいたします。
【秋野企画官】 ありがとうございます。
【大曲主査】 そのほか、先生方、いかがでしょうか。
それでは、せっかくなので、鹿野先生、感想でもよろしいので、一言いただけるといいかなと思いましたが、いかがでしょうか。
【鹿野主査代理】 ありがとうございます。改めて成果等の御説明をお聞きして、すごく活発に活動されていて、成果も大変注目すべきもので、それから、今後の日本の感染症対策に資するような情報を得られているということで、大変感銘を受けました。ただ、私、感染症関連のところに多少関与しているんですけど、海外拠点の活動がこれほどすばらしいというのは、大変申し訳ないんですが、あまり認識しておりませんでした。ほかの先生方からも、入りにくいとか、中が見えないというお話があったように、もっと広く情報発信をされてもいいのかなということを感じながら、聞かせていただいていました。今後の論点として、人材育成であるとか、いろいろな課題でこの後もまた議論されるので、そのお話を伺ってから発言しようかなと思っていたんですけど、やはり、若手の人たちにも興味を持ってもらうという視点も含めて、先ほど、AIであるとか、他分野連携というお話もありましたので、周辺の分野の人たちにも、こんなすばらしい機会があるんですよというのをもっとアピールしてもいいなと思って伺っていた次第です。
以上です。
【大曲主査】 先生、ありがとうございます。しっかりと承りました。
そのほか、先生方、御意見よろしいでしょうか。
それでは、今日は活発な御議論いただきまして、ありがとうございます。今日は全体像を見た上での御意見だったと私は認識しておりますが、具体的に問題意識を多く共有していただきまして、今日だけでもかなりしっかりと議論ができたと思っております。
では、今日のところは、議題は全て終了したというところで、閉じさせていただきます。
じゃあ、事務局にお返しいたします。
【森田専門官】 事務局でございます。
今回の内容に関しては、後ほど事務局よりメールさせていただきますが、追加の御意見がある場合は、1月30日、金曜日、15時までに事務局宛てに御返信ください。
次回に関しては、2月17日、火曜日の15時から17時を予定しています。委員の皆様におかれましては、御予定の確保に御協力のほど、よろしくお願いいたします。
また、主査から冒頭に御説明ありましたとおり、本日の資料及び議事録は、委員の皆様に御確認いただいた上で、後日、公開させていただきます。よろしくお願いいたします。
【大曲主査】 それでは、本日の議事は、以上でございます。先生方、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。
―― 了 ――