ライフサイエンス委員会 基礎・横断研究戦略作業部会(第13期~)(第5回)議事録

1.日時

令和8年6月2日(火曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省会議室 及び オンライン

3.出席者

委員

杉本主査、坂内主査代理、岡田委員、鎌田委員、下郡委員、洲﨑委員、高鳥委員、武田委員、夏目委員、西増委員、水島委員、山崎委員

文部科学省

倉田ライフサイエンス課長、高木生命科学専門官

4.議事録

【高木生命科学専門官】  
 定刻になりましたので、ただいまより、第5回基礎・横断研究戦略作業部会を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙のところをお集まりいただき、誠にありがとうございます。主査に進行をお願いするまでの間、進行役を務めさせていただきます、文部科学省ライフサイエンス課生命科学専門官の高木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、対面とオンラインを併用したハイブリッド形式による開催とさせていただいております。また、傍聴者といたしまして事前に御登録いただいた方々に本部会の模様を配信しております。
 まず、委員の出欠について、御報告いたします。本日は、全委員が御出席予定であり、うち、対面で5名、オンラインで7名の委員が御出席を予定しております。なお、下郡委員、水島委員、夏目委員、岡田委員が途中出席される予定となっておりますが、定足数である過半数に達していることを御報告いたします。
 続きまして、オンラインで参加している委員の皆様へ、Web会議システムの留意事項について御説明いたします。会議の円滑な運営のため、通常はマイクをオフにしていただき、主査から指名がありましたら、マイクをオンにして御発言ください。御発言が難しい場合は、チャットにて御意見をお送りいただければ、主査または事務局より代読いたします。
 また、通信の不具合等が生じた場合は、随時お知らせください。Web会議システムの音声が切れてしまった場合には、事前にいただいた電話番号に事務局から御連絡をいたします。御不便をおかけすることもあるかもしれませんが、何とぞ御理解いただけますと幸いでございます。
 それでは、これ以降の進行は杉本主査にお願いいたします。
 杉本主査、よろしくお願いいたします。

【杉本主査】
 主査を務めます、杉本です。よろしくお願いいたします。
 それでは、これより議事に入ります。本日の議事及び配付資料について、事務局から確認をお願いします。

【高木生命科学専門官】
 では、議事次第を御覧ください。本日の議題は2点でございます。
 議題(1)は、ライフサイエンス委員会への中間報告です。4月27日にライフサイエンス委員会を開催し、そこで、これまでの4回の作業部会で御議論いただいた内容につきまして、杉本主査より中間報告を行っていただきました。中間報告の際にライフサイエンス委員会の委員の皆様からいただいた御意見を共有させていただきます。
 議題(2)は、作業部会報告書(案)に関する意見交換です。これまでの作業部会での議論を踏まえて作業部会報告書の素案を作成いたしましたので、作業部会報告書の取りまとめに向けて御議論いただければと考えております。
 予定しております議事は、以上でございます。

【杉本主査】
 ありがとうございます。
 それでは、これより議事に入ります。議題の一つ目について、まずは事務局から、ライフサイエンス委員会への中間報告について、説明をお願いいたします。

【倉田ライフサイエンス課長】
 それでは、資料1と参考資料3に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 4月27日に開催されたライフサイエンス委員会において、杉本主査より、参考資料3に基づき御報告をいただきました。その際、委員からいただいた主な意見を資料1に記載しておりますので、ポイントを御紹介させていただきます。
 まず、事業共通の御意見として、データ主権の概念を十分に考慮しながら、各事業・主体がデータを管理し相互に共有する仕組みが重要であるという御意見をいただきました。
 バイオリソース事業については、国内外の状況を把握しつつ、実態や多様性を踏まえながら、収集・保存・提供の適切なバランスの確保、また、戦略的な支援を体系的に展開していくことの重要性について、御意見をいただいております。
 データベースの事業ですが、こちらについては、まだデータベースの乱立が生じているという現状を踏まえ、事業の制度設計の段階からデータの保管先や、統一的な管理ルールをあらかじめ定めていくことが重要である、またデータ基盤の持続的な可能性も考慮しながら、戦略的にどのデータから集めるのかといったことを段階的に進めていくことを検討することが必要という御意見をいただいております。
 BINDS事業ですが、昨今のバイオ医薬品や細胞療法等のモダリティの急速な高度化・多様化により、創薬に求められる基盤も大きく変わってきている、このような環境変化を踏まえながら、新しいモダリティにも対応可能な基盤の強化を図るとともに、多様な創薬手法に対応した統合的な支援体制が必要である、といった御意見をいただいております。また、BINDS事業のデータについても、先ほどのデータベース事業などのようなデータ基盤に集約をしていく、そういったことの方針を明確にすることが必要といった御意見をいただいております。
 また、ライフサイエンス委員会におきまして、京都大学の竹邊先生から電子ラボノートについて御紹介いただきました。その資料は参考資料4として添付しておりまして、この参考資料4の中でも触れていただいておりますが、昨今、NIHなどではこうした電子的な手段での記録づけの義務化など、諸外国でも電子的な記録の導入が始まっております。国内でも、京都大学や九州大学を始め、幾つかの大学で試行的な取組が始まっているところでして、AI for Scienceを支えるデータ基盤の中で、電子ラボノートの活用も一つ検討に値するのではないかということで、ライフサイエンス委員会でも御紹介いただき、意見交換が行われたところですが、当日、その議論の中で、今申し上げたこちらの作業部会の報告で議論があったデータ基盤の話と電子ラボノートの連携を併せて検討したらどうか、といった御意見もございましたので、こちらの作業部会でも電子ラボノートを御紹介させていただくものです。
 いただいた御意見につきましては、後ほど御紹介します資料4「今後の方向性」にも要素を反映しておりますので、併せて、その際にも御紹介させていただければと思います。
 以上でございます。

【杉本主査】
 ありがとうございました。
 今、御説明のあった点についての御意見等は、後ほど、議題(2)の意見交換にて議論できればと思います。
 それでは、次の議題は、作業部会報告書(案)に関する意見交換です。
 事務局から説明をお願いいたします。

【倉田ライフサイエンス課長】
 それではまず、これまでの振り返りでございますが、資料2にお示ししておりますように、これまで4回、こちらの作業部会で御審議をいただきまして、また先ほど申しましたようにライフサイエンス委員会でも御報告いただいたところですが、これまでにいただいた意見を資料3で整理をしてきたところですが、それを報告書の形に落とし込んだのが資料4でございます。
 ですので、本日は資料4を順番に御紹介する形で御確認いただければと思っておりますが、基本的には資料3でいただいたものを組み替えて配置した形となっています。
 では、資料4について、順番に御紹介させていただきます。
 まず、構成としては「はじめに」の後で国内外の状況を簡単に整理し、その上で成果と課題、今後の方向性、このような形でお示ししております。
 3ページ目は「はじめに」として本作業部会の位置づけを記しておりますが、ライフサイエンスを取り巻く大きな背景の後、文部科学省で行っている「ライフサイエンス研究基盤整備事業」と、AMEDで行っている「生命科学・創薬研究支援基盤事業」、いわゆるBINDSが令和8年度に事業終了を迎えるということで、今後の方向性の基本的な考え方を示すものである、と、こちらの報告書の位置づけを記しております。
 その上で、2ポツの「国内外の状況」はこれまでの作業部会で事務局等から御紹介した資料をベースにまとめておりますが、ポイントのみしか反映しておりませんので、今日も御意見を賜れればと思っております。
 まず、研究基盤の変化ということで、昨今の計測・解析技術の高度化と併せて、AIの進展で研究の在り方自体が変わってきている中、研究基盤に求められる機能も大きく変化をしており、「AI-ready」なデータの共有・整備も含めて課題を記載しております。また、それに伴い、機器の自動化・自律化や、機器の共有の推進の必要性、データ基盤の高度化、さらにオープン・アンド・クローズ戦略の必要性や、特にデータサイエンティストをはじめとする高度研究支援人材の育成・確保など、本作業部会でいただいた御指摘等を簡単にまとめております。
 国内の動向については、現在進められております成長戦略の会議の状況に加え、この4月から始まった第7期の「科学技術・イノベーション基本計画」におきましてもAI・データの活用の重要性が記され、また、文部科学省におきましてもAI for Scienceの基本的な戦略方針を定めた、といったところに言及しておりますが、ライフサイエンス分野の状況として、研究時間の確保の課題や研究機器の維持・更新の課題、また、AI活用を前提としたデータ整備の遅れといった、ここでも御指摘いただいたような課題を列挙させていただくとともに、バイオリソースについても、AIだけでは完結しないということで、実験と相互に補完できるような質の高いバイオリソースの重要性等にも言及しております。
 3ポツは国際動向とさせていただいておりますが、こちらもAIの進展を背景に、研究基盤の高度化や、AI・データの活用が各国で戦略的に進められている状況などを御紹介しております。例えば、アメリカのエネルギー省ではGenesis Missionが始まっておりますし、イギリスでも「AI for Science戦略」で国家的にデータの統合が進められている、という状況です。また、データ基盤に特化した例えとして、欧州のバイオインフォマティクス研究所(EBI)におけるデータ基盤の取組や、あるいは、NIHにおいてもデータやAIの活用の促進とともに、特にヒトゲノム等のデータを扱う場合の制限やプライバシーの強化などについての取組が進められていることに言及しており、このような取組が各国でも加速してきている現状をかなり簡潔な形でまとめております。
 こうした背景の中で、3ポツ、7ページ以降ですが、各事業等のこれまでの成果と課題をまとめております。(1)は共通する状況と課題としておりますが、特に共通する課題については、資料3から転記したものですが、各事業(バイオリソースとデータベースとBINDSの3事業)が相互に連携・協力していくことが重要であること、事業間のデータ連携・司令塔機能の強化・高度研究支援人材の必要性、さらに、昨今の色々な価格の高騰に対応していけるような、持続可能な仕組みとするべきであること、という形でまとめております。
 8ページ以降は、三つの事業について、各事業の概要と成果と課題という構成でまとめております。事業の概要と成果については、詳細の紹介は省略させていただきますが、これまでの会議で先生方から御報告いただいた内容等からデータ等を抜粋し記載させていただきます。
また、課題が8ページから9ページにかけてございます。バイオリソースプロジェクトについては、先ほどの繰り返しでありますが、AIだけということではなく、AIと実験・研究が補完できるような関係にあることに留意しながら、きちんとリソースを国家研究基盤として整備していくことの重要性に言及しております。そうした中で、最新のライフサイエンス研究動向を踏まえた世界標準モデル生物への支援の必要性とともに、日本発の独自性・地域性を有するリソースへの戦略的な支援の重要性等についても、言及しております。また、色々な保存技術の高度化という点もございますので、簡便に保存できる技術開発の推進についても、言及しております。
 続いて、データベース事業でございます。同じく事業の概要と成果を述べた上で、10ページ目の上の方に課題がございまして、こちらも繰り返しではございますが、AI-readyな統合基盤としていく必要性があり、また、データベースが乱立している状況を見直す必要性があり、そういった中でガバナンス体制の構築が重要である、といった御指摘をいただきましたので、このような形でまとめております。
 BINDS事業についても、これまでの成果と支援・提供している機能について列挙しております。その上で、11ページ目ですが、こちらは原則無償ということでこれまで支援をしてきた中で、最先端の機器のさらなる高度化に対応していくための課題について言及しております。特に、高度な技術を持つ研究支援人材の育成や、研究者に寄り添う伴走支援の強化、汎用機器類の老朽化、修理・保守経費が高騰している中で、持続可能な設計にすべきであるという点について御意見をいただいておりますし、先ほどのライフサイエンス委員会でも御指摘のあった旨を御紹介しましたが、色々な新しいモダリティに対応していく必要性についてもここで言及しております。
 こうした各事業の課題を整理した上で、12ページ目以降、今後の方向性を提言としてお示しさせていただいております。
 まず、事業間共通が(1)ですが、繰り返しになりますが、AIの活用も前提とした基盤とすること、それを支えるデータのオープン・アンド・クローズを意識したデータ連携ですとか、研究基盤を支える研究支援技術者の育成・確保、またそのキャリアパスの観点についても検討すべきであるという点について、言及しております。
 その上で、各事業について、まず、バイオリソースプロジェクトでございますが、基本的には、従来のバイオリソースの収集・保存・提供を行うという事業の方向性は維持しつつ、さらに質の高いバイオリソースを体系的かつ効率的に収集・保存・提供できる体制の整備を引き続き進めるべきであるという、大きな方向性を示しております。また、戦略的に多様なカテゴリーを支援できるようにしていく、という点を掲げるとともに、こちらも国際的な共同研究に対応できるような基盤へと高度化をしていく必要性などを書いております。また、どうしても提供数が少ないリソースというものもございますが、そうしたリソースものについては必要最低限の予算措置とするとともに、期待する役割に応じた支援が可能となるような枠組みを検討していくなど、限られた予算の中でどのように効率的な支援体制とするかを検討すべきということで、入れております。また、これは共通事項にもなりますが、専門人材の体制整備なども入れるとともに、他事業、特にライフサイエンスデータベース事業との連携について、ここでも言及をしております。
 (3)はデータベース事業ですが、こちらも繰り返しとなりますが、ナショナルセンターの位置づけということで進めていくべきとしておりまして、その際、特に欧州やアメリカで実施されているナショナルセンター機能等も参考にすべきとしております。また、そうした司令塔機能を果たしていく上で、コミュニティの意見をきちんと集約していく枠組みやキュレーション体制の強化についても言及しております。
 最後はBINDS事業で、こちらについては、基本的には第2期5年間の理念は踏襲しながら、より最先端の研究機器の技術動向や産業界のニーズなども含め対応できる体制を検討すべきとしております。また、ここも繰り返しですが、どうしても先端機器の高度運用を支える人材の育成・確保が課題ですので言及するとともに、産業界との効果的な連携や、BINDSから生まれてきている研究データをより活用していくため、新たなデータ管理部門を設けるといったことも入れております。また、先ほど御紹介しました電子ラボノートも、BINDS事業の各拠点等で導入できるところは導入していくなど、そうした活用を検討すべきという形で、入れおります。また、この事業ですが、原則無償で支援するという形になっておりますが、昨今の試薬の高騰なども踏まえつつ、一定程度の受益者負担を求める仕組みについても検討すべきとしておりますし、分野横断的な取組にも対応できるようにすべきという点も言及しております。
 15ページ目からはBINDSで期待される機能ということで、前回案をお示しし、いただいた御意見を反映する形で、現在、15ページから17ページまで示させていただいております。まず共用ファシリティの機能、幅広いライフサイエンス研究に資する研究基盤ということで、タンパク質構造解析、イメージング・画像解析、細胞解析・オミクス解析・シーズ探索、生体・生体模倣評価・実験系について言及し、また、様々な医薬品開発のモダリティに対応した基盤として、ライブラリ・スクリーニング、医薬品合成化学・リード創出展開、ADMET、ペプチド・核酸・抗体等の生産、このように大きく括りつつ、期待される機能を記載しています。また、横断的な取組として、繰り返しになりますが、司令塔機能を強化して研究開発課題を設定していくとか、産学連携、データ利活用、社会ニーズへの対応等々を、ここでも横串的に期待される機能として入れております。
 こちらは案ですので、本日もぜひ忌憚のない御意見を賜ることができればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【杉本主査】
 御説明、ありがとうございました。
 では、ここから意見交換に移ります。まず、本作業部会の目的とこの報告書の位置づけを確認させていただきます。令和8年度でNBRP、NLDP、BINDSの事業が終了するということで、これまでの成果等を検証し、令和9年度以降の在り方を検討すると、そのためにこの報告書を最終的にはライフサイエンス委員会に提出し提言として出すのですが、ライフサイエンス委員会が8月中旬に開催される予定です。第4回まで委員の皆様には御意見を色々出していただき、それをまとめたのがこの案となっています。本日の第5回の作業部会でこの案について検討いただき、そこでまとめたものを8月のライフサイエンス委員会に提出することになっておりますので、基本的には今日が意見交換の最後の機会ということで、ぜひ御意見をいただければと思います。
 進め方ですが、御覧いただいたように17ページの報告書になっておりますので、小分けにしながら御意見をいただければと思います。
 まず、目次を映していただいてよろしいですか。
 こちらは目次になっておりまして、「はじめに」と、2番はライフサイエンス研究基盤を巡る国内外の状況がまとめてありまして、3番はこれまでの取組の成果と課題、4番は今後の方向性について(提言)という構成になっております。ですので、提言のところがもちろん重要ですが、そこに至る状況と課題もしっかり表現できているかという点もありますので、一つずつ見ていきたいと思います。
 まず、「はじめに」と2番の国内外の状況のところ、ざっと御説明はいただいたのですが、このイントロの部分で、もう少しここは足したほうがいいとか、そういう御意見はございますか。この点はよろしいですか。
 こちらは色々な周囲の状況ですので、AI for Scienceの件や、第7期の基本計画等についても、言及いただいているということです。よろしいでしょうか。
 よろしければ、3番と4番ですが、それぞれの事業について、3番で言及されている成果と課題、それに対する今後の方向性がうまくつながっているか確認したいので、順番としては、NBRP・NLDP・BINDS、それぞれについて、3番と4番を参照しながら御意見をいただければと思います。その上で、共通する状況と課題、事業間共通の方向性については、その後まとめて議論をしたいと思います。
 まず、8ページのNBRPの「これまでの成果」と「課題」と、12ページ下半分のNBRPの「今後の方向性」、この二つを見ていただきたいのですが、8ページの事業の概要とこれまでの成果を御覧いただき、しっかりとこれまでの成果が述べられているか、成果を出しているが言及されていない点がないか御確認いただければと思います。もしお気づきの点がありましたら、挙手いただければと思います。
 武田先生、お願いいたします。

【武田委員】
 どうもありがとうございます。課題と方向性、リンクでディスカッションですよね。

【杉本主査】
 そうです。

【武田委員】
 分かりました。課題までは非常によく整理されていて、私も特に修正をお願いすることはなかったです。課題から方向性につながるところで1点だけ気になっていることがあって、それを発言させていただきます。
 9ページの上から二つ目で、私も前から何回か強調している、「国際研究ネットワークの中核を担い得る」、日本発の独自性・地域性があるというリソース、ここはうまくまとめていただいています。今度は12ページの方向性を読んでみると、ちょっと反映が足りないというか、修正したほうが良いと思いました。独自性・地域性があるという点は、(2)の二つ目に該当すると思います。幾つかに関しては、ここに国際ネットワークの中核を担ってほしいわけですよね。そこが欠けています。国際性は次のところに、生物多様性・進化研究の重要性を踏まえて、非モデル生物でも有用なものを、ということで、ゲノム等のデータを国際共同研究に接続……と、これはこれでいいですね。なので、二つ目に関して、さっきの「国際研究ネットワークの中核を担い得る国家研究基盤として整備する」という文言を足したほうがつながるかなと思いました。
 そこだけです、この二つについて気になったところは。

【杉本主査】
 ありがとうございます。今のような御指摘は大変ありがたくて、成果や課題として指摘されていることが提言に反映されているかということで、今、御指摘いただいたように、課題で「国際研究ネットワークの中核を担い得る国家研究基盤」という文言があるので、それを提言にもしっかり反映させるべきという御指摘です。

【武田委員】
 適切な文言を入れていただければと思います。
 以上です。

【杉本主査】
 ありがとうございます。
 今のような感じで御指摘いただけるとありがたいのですが、NBRPに関して、ほかにございますか。課題で不足している点や、課題から提言にうまくつながっていない点などありましたら、お願いいたします。
 鎌田先生、お願いします。

【鎌田委員】
 9ページの課題のところで言葉の定義をお伺いしたいと思っていて、「AI技術が進展したとしても、AIがモデルを提示するだけでは不十分で」という、この「モデル」というのは、何かしらのメカニズムを表すモデルなのか、AIのモデルなのか、モデル生物のなどのモデルなのか、言葉の定義をお伺いしたく、まず質問します。

【杉本主査】
 「モデル」という言葉はいろいろなケースで使われる言葉なので、もう少し明確にしたほうがよいという御指摘かと思います。例えば、バイオリソースのほうでも「モデル生物」という言葉があるのですが、そういう「モデル」の使い方もありますし、AIが提示するモデルの具体的なイメージが湧かないということで、もし、こういう表現のほうがいいという御提案がありましたら、お願いできますか。

【鎌田委員】
 この後の文章として、実験とAIが出してくる推論みたいなものを検証すべきだということかなと思うので。

【杉本主査】
 ここは、「モデル」を仮説という意味で使っているのですかね。

【倉田ライフサイエンス課長】
 いわゆるタンパクモデルですとか、ゲノムも、数理モデル的に生命現象を表しているように、提示するだけではなくて、実証していくことが必要であるという御意見をいただいたという理解でおりましたけども、確かに言葉が不足していますので。

【武田委員】
 ちょっとよろしいですか。

【杉本主査】
 お願いします。

【武田委員】
 まさにそうで、AIが予測するモデルですね。予測する形質なんですね、きっと。それを実験的に検証するという意味かなと思いました。

【杉本主査】
 AIが予測するモデル。

【鎌田委員】
 もしくは、AIによる推論や予測、では。

【杉本主査】
 そうですね。AIによる推論や予測。それは事務局で修正をお願いいたします。それだけでは駄目で、実験的な実証が必要であるという方向で修正させていただきます。

【鎌田委員】
 今の点が課題として挙がっていますが、提言の部分に関して、そういった検証を実験とデータサイエンティスト側と相互にやりとりするというところが特にないのかなと。読んでいてつかめていないのですが、相互のやり取りを課題としてここで示すのであれば、提言にもそういった記載があるといいかと。

【杉本主査】
 そうですね。こちらも課題の指摘と提言がうまく対応していないようなので、13ページの上から四つ目になりますが、「AI時代の研究創出基盤としての機能強化」は書いてあるのですが、こちらを、AIによる予測・推論を検証できる基盤として、という意味合いを少し書き加えていただければと思います。
 他はいかがでしょうか。
 では、一旦NBRPはここまでで議論を止めまして、後でお気づきの点があればいつでも御発言いただければと思います。
 では、続いてナショナルライフサイエンスデータベースプロジェクトで、これまでの成果と課題は9ページ目の後半から、方向性の提言は13ページ目の中ほどからとなっています。こちらについて、同様に、課題と提言がうまくつながっているかなど、御指摘いただければありがたいです。
 ナショナルライフサイエンスデータベースプロジェクトについての指摘が、議論ではかなり出てきたかと思います。その中でも文言がうまく表現できているかという議論がございましたので、その辺りもうまく取り込まれているかなど、もう一度御確認の上、御意見をいただければありがたいです。
 鎌田委員、お願いします。

【鎌田委員】
 課題の二つ目、「データベースが乱立する状態を見直す必要がある」という点は、おっしゃるとおりではあるのですが、データベースが新しく色々提案されるということ自体は良いことでもあり、それぞれの専門家の先生が作るデータベースは重要だと思っています。ですので、乱立する状況よりも、それが例えば共通する基盤を用いていれば、それぞれの先生のアイデアがまとまって、しかも、それをつなげていくことができます。これまでのナショナルセンターに期待するところでもありますが、使うプラットフォームとか、自分のデータベースだけではなく、他のデータベースとつながるための技術を共有するとか、それによってつながっていくと良いと思っていますので、乱立する状況が悪いわけでは必ずしもないと、これを拝見して思いました。具体的にどういう言葉にすればいいのかは、ちょっと悩ましいのですが。

【杉本主査】
 「乱立する状態」というのは少しネガティブなイメージがついてしまうので、独立なデータベースが存在していることは問題ないが、共通の基盤をつくるところが重要、ということですか。

【鎌田委員】
 以前も、オントロジーとか、そういう話をさせていただいたと思うのですが、共通の言葉を使うとか、意見を共有しつつデータベースのシステムの部分をつくっていくとか、それを主導するセンターとしてNLDPにナショナルセンターがあると良いかと思いました。

【杉本主査】
 ナショナルデータベースセンターがなく、共通基盤が存在しない状況でデータベースが乱立する状態がよくない、というような点を書き加えれば大丈夫ですか。ここに「共通基盤がない状態で」という文言が入ればよろしいですか。

【鎌田委員】
 そうですね。ありがとうございます。

【杉本主査】
 他はいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 特にないようでしたら、御意見があれば後でまた伺えればと思います。
 では、次に、BINDSに移りたいと思います。これまでの成果と課題については10ページの後半から、提言は13ページの下のほうからとなっております。
 もし御意見がございましたら、お願いいたします。
 高鳥先生、お願いいたします。

【高鳥委員】
 まとめていただき、どうもありがとうございました。質問というか、参考のページにファシリティ機能がいくつか示されているのですが、この参考資料は提言の中でどういう位置づけになるのか。あくまでも参考なのか、これも含めた上での提言なのか、その辺はどういう感じでしょうか。

【倉田ライフサイエンス課長】
 こちらも含めての提言という形に一応なっておりますが、BINDS事業は最終的にはAMEDを通じた公募になります。ここで御提言をいただいたような機能を取り込み、今後AMEDで事業設計をしていくという位置づけになるかと思います。

【高鳥委員】
 分かりました。共用ファシリティの機能ということで幾つか挙げられてはいるのですが、本文というか、提言本体にあったほうが良いかと思いますのは、ライフサイエンス委員会での御指摘もありますし、これまでの色々な議論の中に、新規モダリティに対する対応において、モダリティが多様化されていく中で、それを支えるような基盤を整備していく必要があると御指摘いただいていますが、この本文には、具体的に新規モダリティに対する基盤を整備するという記述が方向性のところには特に見当たらない感じがしますので、そこには文章として入れたほうが良いかと。その上で参考資料において、こういった機能を検討する必要があるんじゃないか、という具体的記載につながるかと思いますので、それが一つ。また、16ページのところに、新規モダリティに対応した研究支援技術基盤としてライブラリ・スクリーニングなど4項目が挙げられていますが、新規モダリティとモダリティの多様化で、高分子医薬、細胞医薬とか、そういったところが幅広く進んでいるわけですが、16ページの各項目の文頭が「低分子・中分子」という言葉で全部始まってしまっています。「低分子・中分子医薬を対象として」とか、そういう枕言葉をあえてつける必要があるのかどうかはやや疑問で、抗体生産、最後の「タンパク質生産技術」といったところでは書かれているのですが、文面も含めて、低分子・中分子に言及する必要もなく、次世代のモダリティに幅広くそういった対応をする必要があるのではないか、という表現をしたほうが良いかと感じました。

【杉本主査】
 ありがとうございます。参考の取扱と、マルチモダリティのところで新しいモダリティも出てくる可能性があるということで、16ページの文言はもう少し幅広くということだと思います。入れていただければと思います。
 BINDSに関しては、15ページ以降の参考が提言に含まれるということですが、前回までの作業部会ではあまり議論をする時間がなかったかと思いますので、この参考の部分も含め、BINDS事業について追加で御意見等ございましたら、お願いいたします。
 皆さんに確認いただいている間に、1点私から指摘させていただきたいのは、14ページの下から三つ目の丸の最後のところに「併せて、実験条件を含む研究プロセスの体系的な記録・共有を推進するため、電子実験ノートの活用を検討すべきである」という文言が加わっていると思うのですが、「検討すべき」という表現は強過ぎるのではないかという気がします。こちらも、この前のライフサイエンス委員会で参考として御講演があり、それも含めてということで加えられたものかと思うのですが、それについても、今回の事業の中に含める含め方といいますか、そこは少しフォーカスがずれるような気もしますので、「電子実験ノートの活用の可能性も検討することが望ましい」とか、「すべき」は強いかなと思いますので、ここでは少し弱めていただいたほうがいいかと思います。電子実験ノートを使うことでデータの共有化が進むことはあると思うのですが、かといって、そういう方策かというと、少し疑問がありますので、その辺りはやや弱めていただいたほうがいいかと思いました。
 他に、BINDSに関して、参考の何か具体的な機能も含めて御意見等ございましたら、お願いいたします。
 西増委員、お願いします。

【西増委員】
 先ほどの御意見とも少しかぶるのですが、新規モダリティのところで一番新しいのは、生成AIを使ってタンパク質を作るというのがまさに世界最先端で、今、トップジャーナルに投稿されたのを査読したりしていて、こんなのがあるんだとか、今、プレプリントでもすごく出ているのですが、抗体等の生産のところの「生成AIを活用した分子設計や」というのは良いのですけれど、今は抗体に限らず、例えば、タンパク質の相互作用を促進して活性を上げるとか、そうした新しいde novoタンパク質が非常にホットな分野なので、そういうのもあると非常に良いかと思います。これを自分たちでやろうと思っても、コンピューターのリソースや、専門の人もいないので、こういうのがあると非常に役に立って、研究が進むと思いますね。ここ数年、ここ1、2年で出てきているところなので、できる人は少ないかもしれないですが、若手研究者等の育成にもつながると思うので、ぜひあるといいかなと思いました。
 それと、クライオ電顕など、実験も重要というのは何回も申し上げているところですけど、そこも引き続き支援して、機械・設備だけではなく、使っている人、研究者の待遇も含めて支援し、いい待遇になるといいかなと思っています。
 以上です。

【杉本主査】
 ありがとうございます。そうですね、16ページの「生成AIを活用した分子設計」については、文章としては書いてあるのですが、ここのタイトルが「ペプチド・核酸・抗体等の生産」となっているので、少し狭く見えてしまうということですかね。

【西増委員】
 そうですね。

【杉本主査】
 タイトルをもう少し広めの……西増先生、御提案ありましたらぜひ。「ペプチド・核酸・抗体等」ではなくて、もう少し……。

【西増委員】
 抗体ではなくても、タンパク質の生産と言うと、あるものを特殊な培養細胞で作って渡すという感じですが、デザインと生産、設計と生産などというのがいいんじゃないですかね。時代に合っているかな。

【杉本主査】
 では、「核酸・タンパク質等の設計と生産」ですかね。

【西増委員】
 そうですね。ペプチドはタンパク質に含まれますし、小分子になるので、「核酸・タンパク質}と言えばいいんじゃないですかね。

【杉本主査】
 では、「核酸・タンパク質等の設計と生産」。後半も抗体に特化せず、核酸やタンパク質全体にかかるように、少し修正をお願いいたします。

【西増委員】
 とてもいいと思います。

【杉本主査】
 ここは日本が少し弱いところなので強化が必要で、それにBINDS事業が貢献できると非常にいいかと思います。

【西増委員】
 まさにそう思います。この分野、日本は弱いのですが、ヨーロッパが強いかというとそうでもなく、アメリカの大きな資本のあるところが独り勝ちのようになっていますので、何とかそれを取り入れてついていくということが重要ですね。ヨーロッパのほかの国でも全然強くなく、アメリカでも皆が強いわけではなく本当に一部で、今、格差が非常に広がっていますので、何とかこれを取り入れ、国を挙げてやっていくのが非常に重要だと思います。クライオ電顕のときもそうでしたが、一つの研究室がやるというのはコンピューターのリソースもあって非常に難しいので、ここは集約して、協力してできると非常にいいのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

【杉本主査】
 どうも、御指摘ありがとうございました。
 ほかに、BINDS事業関係、いかがでしょうか。
 
【坂内主査代理】
 1点確認したいことがあるのですが、BINDSも、バイオリソースも、原則無償ではあるが受益者負担、という言葉が書いてありました。一方で、データベースに関しては、受益者負担とも、原則無償とも書いてないということに気づきました。データベースに詳しい先生にお伺いしたいのですが、これはお金のことを書いておかなくて大丈夫でしょうか。サーバーとかも非常にお金が要ると聞いていますし、計算機資源も大きな負担だと聞いております。お金のことを入れておくほうがいいのか、御意見をお聞かせください。

【杉本主査】
 御指摘、ありがとうございます。データベースに詳しい先生、もし受益者負担について御意見ありましたらお願いいたします。
 鎌田委員、お願いします。

【鎌田委員】
 確かに、データベースのサーバーの維持にしても、データ量が増えると大変だなというのは、すごく感じるところがあります。原則無償、確かにそうですね。

【杉本主査】
 岡田先生、お願いします。

【岡田委員】
 岡田です。移動していて発言できず、申し訳ございませんでした。
 受益者負担は結構大事ですが、難しいですよね。全部受益者負担にすると、多分、払える人はいない。サーバー等を研究施設で持つのも限界が来ていると思います。だから、受益者負担もそうだし、運営側もそうだし、国からのお金で基盤を支えつつ、リーズナブルな価格設定を目指しつつ、受益者負担も重要であるという、受益者負担だけに行かないような、受益者負担も大事だよ、みたいな書き方がいいのではないかなと思いました。
 以上です。

【杉本主査】
 ありがとうございます。 鎌田先生、よろしかったですか。

【鎌田委員】
 先ほど申し上げたように、個人でやるには維持・運用が非常に大変なので、そういったものはNLDPで、データベースを運用する側として提供していただけるといいなと思いながら、スパコンなど使用料はお支払いしたりするので、必要な範囲でそういうことはあってもよいかと思いました。

【杉本主査】
 ありがとうございました。いかがでしょうか。
 それでは、今御指摘があった受益者負担については、三つの事業共通かと思いますので、それぞれの事業の提言のところで言及するとともに、これから議論したいのですが、共通する状況と課題、事業間共通の方向性のところでも改めて、三つまとめて受益者負担の在り方について言及するということで、お願いいたします。
 高鳥委員、お願いします。

【高鳥委員】
 お金の話が出たのでひとつコメントさせていただきたいのですが、BINDS事業は企業も利用したりすることがあり、AMEDも企業利用を推進するというお話を聞いたりしていたのですが、その際に、基本的に成果公開となるとなかなか利用しがたいという意見が各企業からは来ており、課金制でもよいので成果非公開の枠をつくるのはどうかという話も出たりしていますので、その辺りも含めて、多分、AMEDさんでは検討されているのかもしれないのですが、その辺は全く書かれてないので、ここに入れるかどうかは別として、一つ課題かなと思っています。

【杉本主査】
 御指摘、ありがとうございます。企業による利用の際の情報秘匿で、その際に料金を上乗せするようなことがあれば……。

【高鳥委員】
 妥当な金額で。

【杉本主査】
 収入の確保という点でも検討すべきかと思いますので、それも少し提言に入れていただくということで、お願いいたします。
 他、いかがでしょうか。
 岡田先生は先ほどの御発言が残っているということで、追加で御意見ございますか。

【岡田委員】
 一つ言い忘れたことがあって、NBRPのところで非モデル生物を、という話がありましたよね。非モデル生物もやりましょうという話です。急な提案で申し訳ないですが、私は非モデル生物のところに「日本固有種」という言葉を入れたいと前々から思っております。というのも、今、各国が自分たちの固有種について色々、ゲノムを調べたり、精査したりして、それをいろんなリソースとして、最終的に生成AIの基盤モデルとかに使おうという動きがあるのですが、結構、囲い込みが進んでいるんですね。ウェルカム・サンガー研究所がやっているダーウィンプロジェクト(Darwin Tree of Life Project)とか。なので、日本ってすごく長いので固有種が多くいるのですが、ほとんど研究されてない面もあり、多分、研究するお金が全然動いてないというのが大きかったのですが、そうなると恐らく、日本の固有種だけど、何故か海外が全部やってしまう、ということになるので、事業とは別かもしれませんが、個人的には「日本固有種」という言葉がどこかに入ってもいいのではないかと、今さらですが、思いついたので述べさせていただきます。以上です。

【杉本主査】
 ありがとうございました。「日本固有種」という表現で、これは先ほどの武田委員の御指摘とも少し関係があるかと思うのですが、12ページには「日本発の独自性・地域性を有する特定の生命現象を解析するのに適した」という表現がありまして、「地域性を有する」と固有種との関係は、もう少し明確に固有種と書いたほうがいいのか、恐らく武田委員の御意見は、固有と言うだけでは駄目で、地域性はあるけれども生命現象を解析するのに適したリソースという、両方を兼ねているということが重要かと感じたのですが、その辺り、いかがですか。
 武田委員、今の御意見を伺って、いかがでしょうか。

【武田委員】
 ありがとうございます。「固有種」という言葉がどう受け止められるか、僕は分からないですね。確かに、囲い込みということがすぐに入ってくると、これを前面にしていいのかどうかという辺りは、今のところ、ちょっと判断できないですね。「地域性を有する」ということで留めておくと、いわゆる囲い込みみたいな形の戦略性はちょっと薄まりますよね。

【岡田委員】
 御指摘のとおりで、私も今聞いていて、固有って言い過ぎると、政策的な面が出てしまっていると捉えられても困るかなと。日本固有種がされてないから日本固有種もやろうという意味であって、日本固有種だけ駄目という意味ではないのでは、そう思うと、今の表現のままでもカバーできているかなとも、ちょっと感じる次第です。
 以上です。

【武田委員】
 ただ、少し違った視点で大事なことかなと、今思いました。

【杉本主査】
 ありがとうございます。確かに、諸外国ではその土地固有の種を囲い込むということが行われつつありますので。でも、入れるならば、今のところかなと思いますね。「日本発の独自性・地域性を有する」のところで……。そうですね。「固有種」という言葉を使うかどうか。「地域性を有する」の中に固有種も含まれているということで……。

【岡田委員】
 固有種と言うと、もしかしたら環境省等、別の省庁の管轄になってしまうかもしれない。さっきの電子実験ノートじゃないですが、ちょっと強過ぎたかな、と、言っておきながらも感じたところです。

【杉本主査】
 ありがとうございます。坂内委員、お願いします。

【坂内主査代理】
 有田先生が話題提供をされた際のことを思い出したのですが、固有種ではなくても、今、生物資源は国際的にも、ある国で取れるものだったらその国の資源で、その配列もその国が権利を持つ、というような話題提供があったと記憶しています。間違っていたら訂正いただければと思うのですが。つまり、固有種に限らず、日本に棲んでいる生物であれば、価値とかが出てきてしまうのではないかと思います。そこはもう一度確認をしたほうが良いとは思うのですが、何が言いたいかというと、固有種だけにすると固有種に限ってしまうのではないかと思いますので、割と広い書き方のほうがいいのではないかという考えです。 以上です。

【杉本主査】
 ありがとうございます。今の件で、もし追加で……。
 武田委員、お願いします。

【武田委員】
 そこで固有種と言うよりは、独自性とか地域性を持ったものがモデル生物として、日本の財産になるみたいな感じですね、きっと。そこの中に固有種が入ってももちろんいいのですけど、この前、有田さんが言っているのは、これらはみんな、日本の資源というか、財産であるというか、価値あるリソースだというような発言だったかなと思って、むしろこの後のところに、それを国のリソースというか資源として戦略的に活用するみたいなのが入ってくると、みんな含まれるかなと、ちょっと思いました。

【杉本主査】
 ありがとうございます。洲﨑委員、お願いいたします。

【洲﨑委員】
 今の議論とも少し関係するところもあるかもしれないのですが、特にデータベースのところ、どういったデータを集めていくかという部分に関して、深掘りがもうちょっとあってもいいかなと感じています。これまでの議論でも結構、国として戦略的に日本の強みをどのように出していくかという視点が幾つか出ていたと思うのですが、その辺の織り込みがもう少しあってもよいかという気がします。つまり、他の国が集めているようなデータを横並びで日本が集めてもあまり勝ち筋にならないという点がありますので、日本でしか集められないようなデータの中に、固有種といいますか、日本独自のモデル生物、あるいは非モデル生物かもしれないですけど、そうしたデータがあるかもしれないですし、あるいは、画像データにしても、日本独自の技術であったり、サンプルであったりといったところで、ある程度、戦略的に集めていくという視点は、もう少し書き込みがあってもいいのかなと、全体を読みながら思っております。以上です。

【杉本主査】
 ありがとうございました。今の御意見は、バイオリソースにとどまらず、データそのものについても、日本独自のデータ、日本でしか集められないデータもあるはずなので、それは日本の財産として重要であるというコンセプトをもう少し表現として入れていくべきという御指摘かと思いました。

【洲﨑委員】
 おっしゃるとおりです。特にAI活用の文脈で、とにかく何でもいいからデータを集めてAIにしましょう、だとあまりにもざっくりし過ぎているので、例えば、日本に勝ち筋があるようなデータを戦略的に集めてhogehogeのようなAIをつくるみたいな、そのぐらいの粒度の書き込みがあってもいいのではないかと思います。

【杉本主査】
 ありがとうございます。御指摘の点は、NLDPに足して、さらにNBRPにも、固有種という言葉は使わないけれど、独自性・地域性を有するものは日本の財産として非常に重要であるというような表現でもう少し書き足すということで……。

【洲﨑委員】
 そうですね。少しメタ的な視点で見ますと、結局、日本の勝ち筋はどこですか、と。その日本の勝ち筋をどうやってこういうバイオリソース系のアクティビティで強化していきますか、という点だと思いますので、少しそういう視点の書き込みがあってもいいのかなという意見です。

【杉本主査】
 ありがとうございます。では、それをぜひ取り入れ、修正したいと思います。これは三つともに関わるので、各事業にて書き込んだ上で、共通の方向性にも入れたいと思います。

【洲﨑委員】
 ありがとうございます。例えば、7ページ目の課題の部分にそういう戦略性の絞り込みがもう少しあってもよかったのではないか、という内容を書き込めるのではないかと思いますし、最後の今後の方向性について、これは12ページ目からだと思うのですが、事業間共通の方向性に、そうした日本の独自性や勝ち筋をより強調した形で入れ込んでもいいのではないかと思っております。

【杉本主査】
 御指摘、ありがとうございます。まさに課題でも、それが足りていなかった、戦略性が若干足りていない部分もあったということを指摘した上で、提言のほうで日本の独自性を出していくという風に、呼応させて入れたいと思います。ありがとうございました。

【洲﨑委員】
 ありがとうございます。

【杉本主査】
 では、今の御意見で、7ページ目の「共通する状況」と「課題」と、12ページ目の「今後の方向性について(提言)」の事業間共通の方向性の議論がうまくつながったと思いますので、この部分について、3事業共通の課題、3事業共通で提言すべきことについて、今の「日本の独自性」という点以外に何か御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
 3事業共通の部分は、AI時代であるので、という点と、3事業が連携することが必要であるという点が比較的繰り返し出てきた議論です。これまで3事業はかなり独立に行われてきたと思うのですが、事業間連携の重要性を課題として指摘の上、提言でも書かれていると思うのですが、どうでしょうか。
 「課題」では、「各事業が相互に連携・協力しながら一体的に機能することがこれまで以上に重要である」という点については書いてあるのですが、「今後の方向性」では、一つ目は原則無償の話になっていますね。二つ目に「事業間で横断的に」等はありますが、12ページの提言の最初のところで3事業の連携が重要であるという点を強いメッセージとして抜き出したほうが良いかもしれないですね。事業横断的というのはフレーズとして幾つか出てきているのですが、まず、それが重要であるということを先に述べた上でより具体的な話へ、受益者負担はやや制度的な話ですので、順序を変えたほうが良いかと思いました。
 他、いかがでしょうか。
 武田委員、お願いします。

【武田委員】
 普通は書かないかもしれませんが、独自性とか勝ち筋は本当に大事だと思っており、だからこそしっかりと投資してください、というようなことは書かないのですか。

【杉本主査】
 事務局、いかがでしょうか。

【倉田ライフサイエンス課長】
 そういった点に長期的に投資していくことが重要だと、先生方から御提案ございましたら。

【杉本主査】
 では、明言しましょう。

【武田委員】
 きちんと勝ち筋のようなものを取って投資する時期というか、最後の時期かなと思いましたので、ぜひお願いします。これは全体です。

【杉本主査】
 ありがとうございます。

【岡田委員】
 今の関係で、すみません。

【杉本主査】
 お願いいたします。

【岡田委員】
 安定した投資も結構大事だと思っていて、代えの利かないものって、一度なくすと消えてしまいますけれど、皆さん、結構苦労しながらされていたりしますので、一度にバーンと(予算が)来ることも大事なのですが、それなりのものが安定して続くということも大事だったりして、「継続的な」みたいなメッセージもあったほうが、皆さん、ありがたがるのではないかなと思いました。

【杉本主査】
 ありがとうございます。これまでの意見交換の中でも、人材の育成に絡んでくるところかと思いますが、安定的に長期的にこの基盤が維持できるためには人材の確保も重要であると。そのためには安定的に投資していくことが必要であるというような形で、ぜひ書き込んでいただきたいと思います。
 他、いかがでしょうか。鎌田委員、お願いします。

【鎌田委員】
 細かい点で恐縮ですが、提言の二つ目「従来のデータの蓄積・検索・統合を目的としたデータベースではなく」という一文が非常に唐突に感じてしまうのですが、その後の「AIでの活用も前提とした」からでは駄目なのでしょうか。そういったデータベースをつくることはあまり望ましくないように見えてしまいます。

【杉本主査】
 そうですね。「AIでの活用」の前の部分が若干ネガティブに読めてしまうということなので、それはそれであった上でということですね。だから、「従来のデータの」という部分がなくてもいいのではないかという。

【鎌田委員】
 伝えていただきたいメッセージとしては、後ろのほうでも活用できるものを事業間で横断的に連携してやるということかなと思いました。

【杉本主査】
 御指摘、ありがとうございます。そのようにお願いします。
 他、いかがでしょうか。
 7ページ目の三点目で、高度研究支援人材の安定的な雇用が重要であるということが書いてあるのですが、提言では、三点目のところで、「一体的な人材育成や」として、一部に入れられてしまっていますね。その次も、「事業間の橋渡しを担う人材や仕組み」ということで、人材の部分が少し入れ込まれてしまっているので、これはやはり、先ほど御指摘があった、継続的な基盤の維持という点から人材の育成と維持は重要ということで、課題の指摘と対応させる形で、人材の育成と維持、雇用制度が大事という項目は独立させたほうが良いかと思いますので、そちらもお願いします。
 他、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。
 それでは、一応それぞれの事業について、また、3事業共通の部分について意見交換を行ってきたわけですが、それ以外に全体としての構成であったり、あるいは途中の議論で言い残した点などあったりしましたら、追加で述べていただければありがたいです。

【岡田委員】
 自分としては、とてもよくまとめていただいていて、感謝であります。とてもいい出来だと思います。ありがとうございます。

【杉本主査】
 どうもありがとうございます。他、いかがでしょうか。
 水島先生、いかがですか。

【水島委員】
 遅れてきて、申し訳ありませんでした。私も事前に拝読させていただいて、非常によくまとめていただいているなと思いました。AIをかなり強調されていて、若干とんがっている感じはあるかと思ったのですが、その点も含めよろしいのではないかと思います。この事業、いずれもかなり基盤的なインフラ的な要素があるので、これまで普通に使っていた方々に不利益になるような読まれ方ではないほうがいいかなと思ったので、とんがった部分、これから少しとんがらせようとしている部分と、これまでのいいところを継続するのは、このぐらいのバランス感でいいかなと思いました。日本は論文数が減っている、ですとか、そうした問題って、トップのサイエンティストが頑張るよりかは、全体としていかに効率よく研究できるかということにかかっていると思いますので、そこの方々がこれまで使っていたことに不利益がないような書きぶりというのが大事かなと思ったのですけれども、そこも十分カバーされているかなと思いました。すみません。大きなコメントは特にございません。

【杉本主査】
 ありがとうございます。他、いかがでしょうか。高鳥委員、お願いします。

【高鳥委員】
 BINDSの今後の方向性の最初の丸のところですが、これまでも先端機器の導入を戦略的にやっていく必要があるのではないかということで意見させてもらったのですけれど、多分、それについてここに書かれていると思うのですが、「体制の整備を検討すべきである」というのは、BINDSの中で検討するということなのか、それとももっと広く、文科省全体で検討するのか、そこら辺はどういう感じでしょうか。前回申し上げましたが、文科省の他事業で、共用の仕組みやプラットフォーム事業がありますので、BINDSの中だけで検討するというのでは非効率的というか、効果的にどうかというようなところはちょっと疑問がありますので、戦略的な先端機器は他事業と連携し導入を検討することが有効ではないかと考えるのですけれど、そういったことを書くのは、この提案ではあまり適当ではないのでしょうか。

【倉田ライフサイエンス課長】
 そういうことではなく、前回も御指摘いただいておりますが、この事業だけではなく、AMEDの他事業、あるいは前回の会議で事務局から御紹介させていただきました、EPOCH等も文科省で進めていくこととしておりますので、色々な関係事業と有機的に連携をしつつ、その中でできるだけ先端機器を活用いただける環境をつくってまいりたいと思います。

【高鳥委員】
 その辺が分かるような言葉があるとありがたいと思うので、よろしくお願いします。

【杉本主査】
 御指摘、ありがとうございます。それは少し積極的に文章として、国全体として先端機器は導入すべきであり、AMEDはその中でもライフサイエンス部門を担当しているというようなことで、他事業との連携は必要ということを少し書き加えていただければと思います。他はいかがでしょうか。

【水島委員】
 既に議論があったら申し訳ないのですが、今、先端機器の共有化は、個人の研究費で買って努力されている方もいますので、事業だけでなく、そういうのも一緒にまとめられるといいかなという風にも思います。

【杉本主査】
 それをこの部分で書き込むのはやや難しいかなと思ったのですが、EPOCH事業の方では個人で買っているものを共有化するという方向を進めようとしているかと思うのですけども、この研究支援基盤事業の中でその部分を書き込むとすると、どういう表現がよろしいですか。

【水島委員】
 連携は他事業だけでなく、そこはもう少しうまい言葉で書けるといいかなと思ったのですが。

【倉田ライフサイエンス課長】
 EPOCH事業の趣旨も含めて、ちょっと言葉を足させていただきたいと思います。ありがとうございます。御指摘の点は、重要な点だと思います。

【杉本主査】
 他、いかがでしょうか。大体、本日御出席の委員には、御発言いただいたでしょうか。夏目先生、お願いいたします。

【夏目委員】
 電波が悪いので、後ほどテキストでお送りさせていただきます。申し訳ありません。
(テキストでのご意見)
本提言を通して、研究を支える基盤の重要性と維持運用に必要な事項について共通認識を持てるようにしたい、と考えております。本提言の内容を実現するためにはそれ相応の費用がかかることから、本提言と合わせてある種の”ビジネスプラン”(どのように予算を確保するか)と合わせて提案できればと思ったのですが、残念ながら具体的な良い案は思いついていない状態です。

【杉本主査】
 どうもありがとうございます。他、いかがでしょうか。山崎委員は入っていらっしゃいますでしょうか。

【山崎委員】
 入っております。

【杉本主査】
 もし、全体を通して何か御意見ございましたら、お願いいたします。

【山崎委員】
 この3事業はこれまで研究の基盤を支えてきた重要な事業であったと先ほど水島先生が言われていましたが、これまでやってきたこととか、これまでのユーザー、あるいは支えている側が不利にならないようにと言いますか、発展的に継続的に続くことを思っておりましたけれども、その点よく書かれていると思います。以上です。

【杉本主査】
 どうもありがとうございます。他はよろしいでしょうか。下郡先生、お願いいたします。

【下郡委員】
 理研の下郡です。遅刻して入ったので議論は途中からしか聞けてないのですが、事前に文書を読ませていただきまして、様々な事業が、ただ単に継続するだけではなくて、発展的に、融合したりしつつさらに大きくなるように、かつ、つくっている側だけではなくて、ユーザー目線からの色々気配りなどが書かれていて、満遍なくカバーできている文書ではないかと感じましたので、特に意見はございません。ありがとうございます。

【杉本主査】
 どうもありがとうございました。夏目先生は後ほどテキストで送っていただくということで、全員に意見は伺えたかと思います。最後に、追加で御意見等ございますでしょうか。大丈夫でしょうか。
 特に無いようでしたら、本日も、様々な御意見をありがとうございました。本日、御指摘や御議論があった点につきましては、主査一任とさせていただき、文言を主査と事務局で調整の上、確定させたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、本日予定しておりました議事は以上ですが、ほかに、御意見や御質問がございましたら、お願いいたします。無ければ、事務局から連絡事項をお願いいたします。

【高木生命科学専門官】
 本日は、長時間にわたり、大変有益な御議論を賜り、誠にありがとうございました。作業部会の報告書につきましては、今、主査からもお話がございましたが、本日の御議論を踏まえ、主査と事務局で調整の上、確定しましたら委員の皆様に共有させていただきます。また、8月開催予定のライフサイエンス委員会で、作業部会の報告書として報告させていただきます。
 なお、本日の議事録は、事務局にて案を作成し、委員の皆様にお諮りした上で、主査の御確認を経て、文部科学省ホームページにて公開をいたします。以上でございます。

【杉本主査】 
 それでは、本日の基礎・横断研究戦略作業部会は、これにて閉会させていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

研究振興局ライフサイエンス課

(研究振興局ライフサイエンス課)