ライフサイエンス委員会 基礎・横断研究戦略作業部会(第13期~)(第3回)議事録

1.日時

令和8年3月24日(火曜日)16時00分~18時00分

2.場所

WEB開催

3.出席者

委員

杉本主査、坂内主査代理、岡田委員、鎌田委員、下郡委員、洲﨑委員、高鳥委員、武田委員、夏目委員、西増委員、水島委員、山崎委員

発表者

鎌田 真由美 委員(北里大学未来工学部 教授)
高鳥 登志郎 委員(日本製薬工業協会研究開発委員会専門副委員長 創薬研究部会長)
武田 洋幸  委員(京都産業大学生命科学部 教授)
西増 弘志  委員(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
坂内 博子  委員(早稲田大学理工学術院 教授)
水島 昇   委員(東京大学大学院医学系研究科 教授)

文部科学省

倉田ライフサイエンス課長、西山生命科学専門官

4.議事録

【西山生命科学専門官】
定刻になりましたので、ただいまより、第3回基礎・横断研究戦略作業部会を開会いたします。御多忙のところ、お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 主査に進行をお願いするまでの間、進行役を務めさせていただきます、文部科学省ライフサイエンス課生命科学専門官の西山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、傍聴者として事前に御登録いただいた方々に本部会の模様を配信しております。
 まず、委員の出欠状況について、御報告いたします。本日は全ての委員に御出席いただいており、定足数である過半数に達していることを御報告いたします。
 続いて、Web会議システムの留意事項について、御説明いたします。本日は、Web会議システムによる開催とさせていただきます。会議の円滑な運営に当たり、通常はマイクをオフにしていただき、主査から指名がありましたら、マイクをオンにして御発言ください。御発言が難しい場合は、チャットにて御意見をお送りいただければ、主査または事務局より代読させていただきます。
 また、通信の不具合等が生じた場合は、随時お知らせください。Web会議システムの音声が途切れてしまった場合には、事前にいただいております電話番号に事務局から御連絡いたします。御不便をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞ御理解いただけますと幸いです。
 それでは、以降の進行は杉本主査にお願いいたします。
 杉本主査、よろしくお願いいたします。
 
【杉本主査】  
それでは、これより議事に入ります。まず、本日の議事及び配付資料について、事務局から確認をお願いいたします。
 
【西山生命科学専門官】  
議事次第を御覧ください。本日の議題は、2点でございます。
 議題(1)は、第2回までの議論を踏まえた論点整理です。これまでの2回の作業部会でいただいた御意見を事務局にて整理しておりますので、本日の議論の土台として共有させていただきます。
 議題(2)は、今後のライフサイエンス研究支援基盤の在り方についてでございます。まず、委員の先生方の研究者としての御経験を踏まえ、御自身の研究をさらに発展させるとした場合、次期のNBRP、NLDP、BINDSにどのような機能や仕組みが必要かという観点から、御発言をお願いしたいと考えております。発表資料がある委員とない委員がおられますので、その点はあらかじめ御了承ください。
 その後、総合討論に移りまして、過去2回の作業部会及び各委員の御発表を踏まえた上で、本作業部会として次期事業に向けた方向性を整理したいと考えております。
 本日予定している議題は、以上になります。
 配付資料につきましては、議事次第に記載のとおりとなっております。過不足等ございましたら、議事の途中でも構いませんので、事務局へお知らせください。
 以上でございます。

【杉本主査】
ありがとうございます。
 それでは、これから議事に入ります。まず、1点目は、これまでの作業部会で出た意見及び論点に関してですが、個別の説明に入る前に、本作業部会の位置づけと今後のスケジュールについて、改めて私から御説明いたします。
 資料1を御覧ください。一番上の括弧で示しているところですが、本作業部会の検討事項は大きく2点ございます。1点目が最初のポツのところで、各事業の次期の在り方に関する検討です。令和8年度で事業期間が終了します、NBRP、NLDP、BINDSについて、これまでの進捗や、成果、効果を検証した上で、令和9年度以降の在り方を御議論いただくということです。  
2点目は、データやAIを活用するという点でして、今、ライフサイエンス分野におきましても、データ・AIの技術が非常に進んでいますので、それをどういうふうに取り込んで各事業に役立てていくか、各事業の設計に反映していくかということを議論するというのも重要な点です。
 これまで、第1回、第2回でいろいろな御意見を伺いまして、本日の第3回では、委員の皆様から、御自身の経験も踏まえつつ、次期事業の在り方について、御意見をいただければと思っております。今回の意見も含め、次回第4回以降では、事業の見直しの方向性についてさらに議論を深めて、最終的には作業部会としての報告書案を取りまとめます。これは、夏頃に開催予定のライフサイエンス委員会に報告されまして、了承を得られたら正式な報告書となるものです。
 作業部会の位置づけとスケジュールについては、以上となります。
 続いて、これまでの作業部会で出た意見及び論点を資料2にまとめていますので、事務局から御説明をお願いいたします。
 
【倉田ライフサイエンス課長】  
それでは、事務局より、資料2-1、また、参考として資料2-2をつけておりますので、併せて簡単に御紹介をさせていただきます。
 まず、資料2-1でございますが、第1回、第2回でいただいた御意見等を列挙させていただいております。特に第2回におきましては、有識者の先生方をお呼びして意見交換をいただきましたが、その際にいただいた御意見については黄色のハイライトとしております。特に、バイオリソース、データベースにつきましては、国際関係、国際的な潮流を踏まえて、どう海外と連携をしていくか、そういった国際的な視点からも御説明いただき、また、そういった意見交換もいただきました。
 BINDS事業につきましては、今後必要となるサービスですとか、あるいは、BINDSから出てきたデータをどう利活用していくか、さらに、このような事業を支えていく人材の育成・確保、こういった点について大きく意見をいただいたところでございますが、後半の議論の際にも御参考としていただければと思います。
 また、御参考まで、資料2-2で、国内外の動向についても、簡単に御説明させていただければと思います。
 まず、1ページ目でございますが、AI for Scienceにつきましては、第1回のときも簡単に御紹介しましたが、文部科学省におきまして、現在、AI for Science推進委員会といった会議を設けまして、議論をいただいております。その会議におきまして、現在、基本的な戦略方針というものを御議論いただいているところでございますが、そこの3本柱の一つに研究データというものが掲げられておりまして、AIとして活用していくような、いわゆるAI-readyのデータをどのように整備していくかといったところも重要な視点となっているところでございます。
 また、データの扱いにつきまして、2ページ目でございますが、基本的にはオープンサイエンスという観点で、基本的には皆様にAIでも活用いただけるようにオープンにしていくというところが原則ではございますが、やはり、法令上、取扱いに気をつけるべきものといったものもございますので、どのような点に留意をすべきか、あるいは、オープン、クローズといった戦略を各機関あるいは各研究ごとにしっかり考えていくといった、そういった基本的な考え方の整理などもこの推進委員会でなされているところでございまして、今後、こういった考えも新しくなります事業においても留意していく必要があると考えているところでございます。
 また、海外における取組も簡単に触れさせていただきますが、今後の議論の参考としていただければと思います。第1回目のときにも御紹介がありましたけども、まず、欧州でございまして、欧州分子生物学研究所(EMBL)の中にバイオインフォマティクス研究所(EBI)というところございまして、ここは、欧州の組織というよりは、欧州の加盟国が拠出金等を出しながら、また、EUではないですが、英国も拠出をしながらやっている取組でございますが、最近、AIをどう活用していくかという戦略を基に、AI-readyのデータをどう集めていくか、あるいは、AIを活用した新しいモデル自体をどう皆さんで共有していくか、そういう新しい取組なども進められているところでございます。
 また、4ページですが、欧州は、ライフサイエンスだけに限らず、全体のオープンサイエンスのプラットフォームがありますが、その中で、ライフサイエンス分野につきましても、欧州内のライフサイエンスデータをどう活用していくかと、AIの観点も含めた取組が新しく立ち上がっているところでございます。
 また、5ページ以降がアメリカの取組でございますが、DOEにおきましては、ヒト以外のゲノムデータなどが主に取り扱われているところでございます。過去の経緯、日本とも似ていますけども、プロジェクトごとに、種類ごとに、いろいろなプロデータベースがあるところですが、そういったものをより連携をしてAIも活用した制度設計にしていくべきだということで、6ページですが、Data Lake Houseというような言い方もしていますけども、そういった新しいアーキテクチャーの議論なども進められておりまして、こういったところも、我々としても参考にしていくものと思っております。
 また、NIHにおきましても同じようにAIの活用というところが積極的に進められておりまして、データの共有ももちろんですが、計算資源をいかにAI活用に使っていただくかという取組、あるいはリスクへの対応なども行われているところでございます。
 また、特にAIへのデータの活用といったところでは、AI-readyのデータの標準化といったことも含めまして、Bridge2AIというプロジェクトを、8ページと9ページにも載せておりますが、こういったところも試行的に進められているところでございまして、こういう中で、解析ツールというものを皆さんで共有したりとか、人材育成といったところも取組が進められているところでございます。
 一方で、10ページですが、NIH、DOE、あるいは、それ以外もありますけども、各省ばらばらな取組がやはりアメリカのほうでも指摘をされておりまして、そういったところの一元化なども米国議会からも指摘されていたり、どこの国も同様の課題を抱えているような状況でございます。
 そのような中、11ページでございますが、全体的な傾向としましては、保管・検索するといった従来型のデータベースから、AI時代のデータ基盤にしていくといったところが共通の傾向でもあり、また、我々としても参照すべき傾向かと思っておりますが、共通的な課題としては、AI-readyなデータの標準化ですとか、そういったところの持続可能な運用の在り方、また、オープン・クローズといったところの対応というのはどこの拠点も抱えている共通の課題でありまして、そういったところをしっかりと日本側でも検討していく必要があると思っています。
 最後、12ページは、そういった中で、OECD側も2025年末に、どういう政策オプションがあるかといったところでのメリット・デメリットも含めて整理をしておりまして、こういうことが各国共通の課題になっているということで、今後の議論の御参考まで、御紹介させていただきます。
 以上でございます。
 
【杉本主査】  
御説明、ありがとうございました。
 では、ただいまの御説明についての御意見等は、後ほどの議題(2)の総合討論の時間に議論できればと思います。議題(2)では、この論点整理を踏まえて、御議論をお願いしたいと思います。
 では、次の議題(2)ですけれども、今後のライフサイエンス研究支援基盤の在り方についてです。まず、各委員から御意見を伺います。研究者としての御経験を踏まえて、御自身の研究を発展させる観点から、次期のNBRP、NLDP、BINDS事業に必要であるという要素について、お一人5分程度で御発言をお願いします。それぞれの御発表の後に、もしその場で質問がある場合には質問していただいて結構なのですが、全体の議論は総合討論の際に行いたいというふうに考えております。発表の順番は、参考資料1の委員の名簿順としまして、最後に私のほうからまとめをさせていただいて、その後、総合討論に入りたいと思います。
 では、最初に、岡田随象先生からお願いいたします。
 
【岡田委員】  
岡田でございます。私、資料を用意してない者でございます。
 私、有識者の先生方の事業の説明を聞いたときに、こういうインフラは大変大事でありますので、ぜひとも継続する形で検討していただくことが大事かなと考えております。特に、サイエンスキュレーターという観点からも、こういった事業に関わる人間の継続的な雇用が続くということは非常に大事であります。私が第1回目のときお話しさせていただいたのは、NBDCのデータベースの登録の件だったかなと思っております。もし議題が違っていたら、御指摘ください。現在、データの登録というものが論文の際に義務づけられているように伺いましておりまして、これがないと論文がアクセプトにならず、報告等もそうですが、学位審査のときなどに非常にスケジュールがタイトになってきます。現在、非常にデータのデポジットが増えている中で、NBDCを介したデータベースの登録が迅速に進んでいないところがあるかなと感じております。こういったところにもう少し人的予算をつけて、現在は恐らく1人の方がされているので、複数の方がワーキングシェアをしてデータ登録を進められるようにしていくということが、多分、研究の迅速な底上げという意味で非常に重要ではないかということをそのとき申し上げさせていただきました。
 また、現在、データの登録の審査について非常に時間がかかっておりまして、ややもすると現実的なタイムスケールで登録ができないことになっています。これは、そのときも申し上げましたけれども、研究計画と登録データに対する二重審査というものが行われているところでございます。現在、各研究施設の倫理審査で承認されて、本来はそれで終わって、その後登録できるのが、もう1回、NBDCで倫理審査にかかり、その過程で様々な、私からすると不要ではないかというようなコメントが非常に多く、手続きが建設的に進んでいかないところがあります。諸外国のデータベース登録、例えばヨーロッパのEGAやアメリカのdbGaPでは二重審査は行っておりませんので、そこに関して撤廃して、あくまでデータベース側は公開の場を提供するだけであり、データ登録に伴う責任は全て研究者側にあるという認識の下、二重審査を撤廃して手続きを迅速にしていくということが、パブリケーションを支えるという意味で非常に重要ではないかなと思っております。それは各論ではございますけれども、いずれにしろ、3事業とも根幹的に非常に重要なところでありますので、継続的な支援と、特に人件費等も含めた安定的な運営が非常に重要ではないかと考える次第でございます。
 以上です。
 
【杉本主査】  
どうもありがとうございました。いずれの事業も重要であるということと、データの登録の効率化・迅速化、審査の簡略化ということで、御意見いただきました。
 今の御意見について、御質問ありますでしょうか。
 では、最後に総合討論させていただくということでお願いします。
 続きまして、鎌田真由美委員、お願いいたします。
 
【鎌田委員】  
鎌田です。よろしくお願いいたします。本日は、意見を述べさせていただく場をいただき、ありがとうございます。
 こちらは提出させていただいた資料です。こういった場は初めてですので、どのように資料としておまとめするべきか分からないまま提出させていただいたのですが、時間も限られていますので、あまりお話もできないかと思ったので、意見をまとめさせていただきました。
 立ち位置と書かせていただいていますが、私のバックグラウンドはバイオインフォマティクスですので、それぞれの事業の次期への期待に関しては、データ駆動型の研究や、そのためのデータプラットフォームを開発している研究者としての立場で述べさせていただきたいと思います。
 次をお願いいたします。
 こちらは、これまで2回にわたって先生方がお話しくださった、それぞれの事業の成果と課題に関して、私の理解をまとめてみました。ですので、もし認識違い等あれば御指摘いただければと思いますが、それぞれの成果については、これまで御発表いただいたとおり、それぞれの事業ですばらしい成果が生み出されているなと思って拝見しておりました。ただ、いずれの事業においても、サステナブル、安定した運用のための仕組みが必要というところや、あと、データを集積するところ、集めていくところ、そして、そのデータを横断的に活用するためのデータの標準化であったりとか、そういった体制・仕組みというものが必要である、それが課題となっているというふうに理解をいたしました。
 次、お願いしてもよろしいでしょうか。
 その理解の上で、私の立場から、恐縮ながら思ったことを記載させていただいたのが、こちらになります。私たちが取り組んでいるような創薬とか個別化医療のためのデータ駆動型研究においては、オミクス横断的なデータ活用、統合されたデータの活用というのは必須になっています。そのためには、データがどんどん生み出されて、それが集まっていく、そして、横断的に活用できるような、メタデータというのは前回からも出ていると思いますが、そういったデータに付随する情報や、データそのものを標準化していくということが必要になります。
 一方で、現状では、ゲノムとかプロテオーム、そういったそれぞれのオミクスを集積する仕組みが別々である。先ほど岡田先生も登録に関してコメントされておりましたが、登録先の体制だったりとか、集めるときに必要となるメタデータだったり、そういったデータの標準化整備というのが整っていなくて、データの生産者の負担がとても多い状況かと思っています。
 また、データを集積して提供していくためのデータベース、データ基盤に関してですが、私自身もデータベースを開発してきて、維持・運用とか管理の負担がとても大きいというのを感じてきています。皆様も御案内のように、データというのは、AI・データサイエンスにおいて入力であって、最も重要な部分になります。なので、AI時代においては、それを個々人の研究者が担っていくのではなくて、国レベルで安定して運用していくような体制が必要だなというふうに考えています。そのときに、先ほどAI for ScienceのところでEBIなどの御説明もありましたが、そういった国際的なデータベースセンターのカウンターパートとなるようなナショナルデータベースセンターが必要じゃないかというふうに考えています。そういった基盤を整えた上で、データを活用する人、そして、データをどんどん生み出していく生産者側と、密な連携が必要じゃないかと考えています。
 次、お願いいたします。
 これが最後ですけれども、これらを踏まえて、次期事業への期待についてです。冒頭にも述べましたが、データ活用のための仕組みとか、データを集めて活用するための仕組み、安定的な運用というのが、この三つの事業の次期においても、そこから成果を生み出すためにも重要であるというふうに思いました。そのためにはやはり、中核となるようなナショナルデータベースセンターといったものが必要じゃないかと思います。これまでデータ基盤をつくってこられているNLDPが、その基盤を発展的な運用として構築していただけるのではないかと期待をしています。データを生み出していく研究者側の負担が大きいという現状は先ほども述べたとおりですが、それを効率化するということがAI時代においてはとても重要ですし、AI時代のAI-readyなデータをつくる上でもその点はとても重要かなと思っています。なので、ナショナルデータベースセンターを中心として、登録のための窓口を一本化するなど、統一的な仕組みを、それぞれの事業、個別ではなくて、三つの事業が連携する形で行っていただくのがいいのではないかなと思いました。データベースの基盤に関しては、日本において様々なデータベースを新たに創出していくというところをNLDPでも支援されていますが、新しい創出だけではなくて、KEGGなどの日本発の独自のデータベースなどもたくさんありますし、そういったものを安定的に運用できるような仕組みといったものが必要じゃないかと思いました。
 データを生み出していくためのリソースを提供しているのがNBRPであると思っていますし、さらに、活用の場というのを提供し、データを実際に取っていくころをされているのがBINDSかなと理解しています。なので、それらのデータを活用するための仕組みというのをNLDPでつくって、この三者が一体となってデータの流れができるような、そういった仕組みの設計を次期事業には期待したいなと思っています。
 駆け足ですが、以上になります。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。データベース構築の際のメタデータの標準化、ナショナルデータベースセンターの確立が重要という御意見をいただきました。また、3事業の連携も重要ということです。
 今の御意見について、御質問ありますでしょうか。
 では、総合討論のときにお願いいたします。
 続いて、下郡智美委員お願いいたします。
 
【下郡委員】  
恐れ入ります。理化学研究所の下郡です。私も資料は準備しておりませんので、口頭だけで御説明させていただきます。
 データベースとしての重要性ですとか、どういうことをしなければいけないのかという点は、今、岡田先生、鎌田先生が十分御発表していただいたので、繰り返しになるのはちょっとあれなので、私としては、我々が脳の分野でどういうデータベースをつくってきて、今後、どういうふうにしようとしているかというようなところを御紹介させていただきたいと思います。
 脳の分野としましては、2014年から革新のプロジェクトでマーモセットのデータベースというものをチームジャパンというような形でつくってまいりました。最初に始まったときは、全員、ノウハウがいま一つよく分かっていなかったので、それぞれが個別にデータを取り始めてしまって、後に、それをどうやって統合していくのかということで大変頭を悩ませたという経緯がございます。ですので、データを最初から取るときには、できるだけ共通のプラットフォームを使うというようなことの意識を持ちながら行うというのは非常に重要かと思います。ただ、そうだとしても、同じ取り方をしていても、個別の研究機関によってデータの違いが若干出たりすることもありますので、できるだけそこも、最初から同じようにデータが取れるような、例えばプロトコルの共通化ですとか、そういった努力というものがあると、非常に加速して、いいデータが取れるというような経験を持っております。
 データの取り方に関しましては、繰り返しになりますけど、データそのものだけではなくって、付随するメタデータがどれだけあるかによってどんどん統合することができるようになりますので、統一したメタデータをどれだけつけられるかというようなプラットフォームづくりというのも、非常に重要な観点になるかと思います。
 一方で、メタデータをつけるというのは、研究者としては負担になるところがありますので、できるだけ研究者の負担を減らすようなメタデータのつけ方の工夫というのもいろいろ考えながらやらないと、皆さん、なかなかメタデータをつけてくれなくなりますので、せっかくあるデータがその後使えなくなってしまうというようなことにもなりますので、その点気をつけなければいけないのかなと感じております。
 データベース、みんなでつくっているものは、先ほどからも出ていますように持続性というものは当然大事なことであり、これを維持してくれるような人材、その方々の教育とか、あと、その方々を確保していくことも重要なのですけども、彼らはただ単にデータベースを維持・管理するだけではなくて、データベースって発展していかなければいけないものではないかというふうに感じます。特に、今後、AIに使わせるようなデータというのは、生のデータそのものではなくて、それを加工したものとか、様々モダリティを統合したようなものがあることによって、さらに価値のあるデータに生まれ変わりますので、モダリティ統合というようなことを今後どうしていくのかというようなことも考えるべきではないかと思います。
 あと、脳に関しては、臓器としては特殊なのかもしれないのですけれども、脳というのは色々な脳領域がありますので、脳領域ごとのデータをどういうふうに比較していくのかというような、我々にとっては、もう少しプラスして比較しなければいけない、検討していかなければいけないものもありますし、また、これは脳だけではなくて、いろんな臓器においても個体差というのもありますので、比較するときにおいて、どうやってその個体差を標準化して比較していくのかというような部分においても、きちんとしたプラットフォームというのを考えながらつくるべきではないか。さらに、個体差というものが解決できるようになれば、例えば、いろんなデータベース、いろんな臓器のデータベースがどんどん出てきているわけですので、いろんな種間比較というのもできるようになってくるのではないか。種間比較というのは特にAIなんかには非常に重要なデータでして、一つの種からのデータで別の種の状況がどうなっているのかというのを推測するようなこともできるようになりますので、こういった観点でも非常に重要なのではないかというふうに考えます。
 最後には、我々は生き物を扱っているわけでして、生き物って、スナップショットでデータを取るとそのときの瞬間だけなのですけど、当然、経時変化というのがあると思います。経時変化の間に動物ですとか生き物というのはいろんな経験をしますので、その経験を基にどういった変化が起きているのかというようなことを予測するという意味においても、そういった経時的なデータを取って、それをきちんと、どういうインプット、どういうような刺激があったがゆえにこういうことになっているというような、スナップショットではないデータというのをこれからどんどん取っていって、それを統合していくというような概念というのも、統合したデータベースをつくっていく意味では重要なのかなというふうに感じております。
 ちょっと駆け足になって大変恐縮ですけども、今後、どういうふうなものがあるのがいいのかなというような観点を中心に発表させていただきました。ありがとうございます。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。データの共通プラットフォームの構築や、プロトコル共通化、モダリティ統合、それから、今後の展開として、種間比較や経時変化のデータ解析への応用ということで、御指摘いただきました。ありがとうございます。
 今の御意見について、御質問ありますでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 では、続きまして、洲﨑悦生委員、お願いいたします。
 
【洲﨑委員】  
洲﨑でございます。私のほうも資料がないので、口頭で意見を述べさせていただきます。
 私は、主にウェット研究者の立場から、この審議のほうに関わらせていただいております。もう一つ、計測技術の開発というところでも興味深いお話をたくさんお伺いいたしまして、そういった観点から、少し御意見を述べさせていただければと思います。
 まず、基盤事業に関しまして、これは岡田先生なども述べていらっしゃったと思うのですけれども、こういった基盤事業の継続・拡張というのは非常に重要であると思います。ユーザーとして私から見た場合に重要なポイントが二つあると思っていまして、研究予算の圧縮、研究時間の確保という点において、基盤事業を利用するというのが非常に有効であるというふうに考えております。そういった観点から、基盤事業の運用・拡張におきましては、現在の運用体制というのが一部の支援者に偏り過ぎている嫌いがあるのではないかなというのを、御報告をお伺いしながら思っていたところでございます。今申し上げた二つの論点、ユーザー側からの視点にはなりますが、こういった事業をきちんと継続して提供していく際に、支援者の負担が大き過ぎるという状況ではなく、それなりの支援者の拡充、あるいは事務作業者等の人材の増員というのが重要になってくるのではないかというふうに思います。例えば、同様の基盤事業として、規模は全然違いますけど、NIHのシステムなどの運用にどの程度の人材が関わっているかというのを比較していただくと分かると思うのですが、多分、人の数が1オーダーか2オーダー多い状態で回しているということがあります。なので、かなり限られたリソースでこれだけの成果が出ているというのは本当に驚くべきことだと思うのですけれども、こういったところさらに拡充をしていただければというふうに、ユーザーのほうからは思います。
 もう一つ、データベースの話が出ておりますが、ここはなかなか難しいところもたくさんあると思うのですけれども、私のほうから少し申し上げたいのは、どういったAIをつくるためにどういったデータを集めるのかという、そこの論点がなかなか見えてこないなというのがあります。とにかくデータを集めればいいみたいな議論にどうしても進みがちで、そこをもう少し検討していく必要があるのではないかなというのが一つございます。そういった意味では、データベースをつくる際というのは、コンピューターサイエンスだけではなくて、計測技術そのものをつくっている人とか、あるいは計測を実際行っている研究者が、データベースのデザインであったり、どういったデータを集めていくのかという運用の部分であったり、こういったところにある程度関わる必要があるのではないかなというのを感じております。特に、バイオロジーのデータを大量に収集する場合に、シークエンスのデータなどが典型だと思うのですけれども、国産技術で取れるデータというのはそこまで多くないところはあると思います。シークエンスを大量にやると非常に大量の研究費を使用して、しかもそれはほとんど海外に流れるというような状況も発生いたしますので、日本として強い部分を育てていくという観点も少し必要なんじゃないかなというのが、私が感じているところでございます。
 もう一つの関連する観点としましては、現在、AIあるいはデータベースというものを、とにかくデータを集めて提供しようというような視点で議論がなされているというふうに理解をしておりますが、今後、逆のパターンもあり得ると思っていて、スモールスケールのAIを研究者や研究チームがつくっていきたいというような場合というのが今後非常に多く発生してくるというふうに思っております。この場合に研究者側がデータベースをつくって利用するというようなニーズがある程度発生するというふうに見込んでおりまして、我々もそういうニーズが出ているのですけれども、実際のところ、現在、データベースをランニングのサービスとして提供しているようなところがないというところで、我々としても非常に困っているところがございます。なので、データを集めてデータベースを提供するという視点に加えて、データベースをつくる研究者に、データベースそのもの、空のデータベースを提供して運用をサポートするというような事業も今後必要になってくるのではないかなということを考えております。
 以上になります。どうもありがとうございます。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。データベースを作成する際に、データベース作成者側と計測者とデータ取得者が連携することが必要、そこが重要だという御意見だったと理解しました。
 御質問、ございますでしょうか。
 ありがとうございます。
 では、続いて、高鳥登志郎委員、お願いいたします。
 
【高鳥委員】  
よろしくお願いします。「次期BINDS事業への期待」ということで、資料を用意させていただきました。私は、研究者というよりは、製薬協の研究開発委員会の創薬研究部会長として、創薬研究部会で部会メンバーといろいろ議論してきたものを簡単にまとめたものとして、用意させていただいています。
 次のスライドをお願いします。
 スライド2枚目ですが、最初に、次期BINDS事業への期待ということで、我が国における生命科学研究、創薬研究を支援する基盤として、さらなる充実を期待していますということです。
 二つ目ですけども、BINDSのII期でユニット連携・事業間連携がかなり進んだと伺っておりますが、次期ではさらにそれを推進することを期待しています。AMEDには創薬支援事業として、創薬ブースター、Nモダコンソ、AMED-FLuXなど、いろんな事業がありますが、それらの事業と連携してアカデミアスタートアップの創薬支援を効率的に進めることを期待しています。
 それから、これは4月から新たに始まると思うのですが、AMEDと製薬協との連携による新たな創薬支援の取組ということで、AND=Eという取組が始まりますが、それとの連携というのも視野に入れて進めていただければというふうに思っております。創薬プロセスの進展に応じていろんな技術が必要となってきますけども、必要な技術をつなげるなどの適切なサポートを行うような伴走支援とか、プロジェクトとしてマネジメントするプロジェクトマネジメント体制とか、そういったものを構築することも必要じゃないかとに考えています。
 三つ目は、次世代のモダリティということで、、次世代抗体、中分子、ペプチド、核酸、糖鎖、細胞等と書かせていただいていますけども、それらへの支援の充実というのを期待しています。構造解析とか、物性評価、薬物動態、安全性、DBS、それから、新たなモダリティに関しては製造ですね。そういったものの一連のプラットフォームへの支援を充実させていただきたいと考えています。
 四つ目は、AI for Life Science時代の創薬支援基盤を整備していただきたいということで、活用するデータと、先ほど鎌田先生からナショナルデータベースセンターというお話がありましたけども、そういった形でのデータ基盤というのを整備していくことが重要だと考えていて、そこはNBRPとNLDPと連携した形で進めていただければというふうに思っています。
 五つ目は、動物実験削減が国際的潮流にあるなかで、それに対応する創薬研究基盤ということで、動物実験代替技術の開発、評価系の確立ということが重要だと考えていて、オルガノイドとか、MPSとか、AI等と書いていますが、これらについてもNBRPとNLDPと連携した形で進められていただければと思います。NBRPはヒトではなくてマウス等のリソースが多いと思うのですけれども、ヒトの安全性・有効性の予測精度を高めるという観点ではマウスのオルガノイドも重要かと思いますが、ヒト由来のオルガノイド、MPS、AI等、そういったものをNBRPとしても整備していただければと思っています。
 次のスライドをお願いします。
 六つ目は、老朽化が課題である汎用機器について、精度の高いデータの取得とハイスループット性の向上につなげるために、最新版ヘのアップデートとか、技術職員の整備・配置を含むような維持管理というのが重要だと。
 次は、以前、最先端機器の導入についてお話ししましたが、それは引き続き検討していただきたいと思いますが、最先端機器には高額な機器もありますので、BINDS事業だけで考えるのではなくて、文科省全体で戦略的に先端機器を導入して、アカデミア・産業界の利活用をBINDS事業及び他の共用プラットフォーム事業などで推進していただきたいということです。少し例を挙げさせていただいていますが、創薬を志向した量子コンピューターや放射光施設、あと、第1回でお話しした超高磁場NMR(1.2ギガ以上)とか、次世代シークエンサー、質量分析など、こういったものを導入してもらいたい。
 八つ目は人材育成で、これについては、最先端研究機器を扱う技術人材、AI人材やデータサイエンティスト、コーディネート人材ということで、コーディネート人材については、産業界とをつなぐコーディネート人材や、事業間連携などを推進するようなコーディネート人材、そういったコーディネート人材が重要だということです。それには、キャリアパスの充実とか、産学間の流動性の向上、人材交流とかが重要なポイントになってくるということです。
 最後は、企業利用の促進ということです。BINDSは企業も利用してはいるのですが、成果公開というようなこともありまして、企業の知財保護とか競争力維持の観点で、成果非公開での利用の仕組みの向上等。ある程度、AMEDさんのほうでは検討されて工夫されていると思うのですけれども、その向上というのを期待しています。
 私が用意させていただいたのは、以上になります。
 
【杉本主査】  
どうもありがとうございました。主にAMEDのBINDS事業について持続的な運営を今後も検討していく必要があるということで、また、AMEDの他事業であったり、BINDS内のユニット連携、さらには、NBRP、NLDPとの連携も必要という御提案でした。ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 では、続いて、武田洋幸委員、お願いいたします。
 
【武田委員】  
スライドを4枚用意しました。京産大の武田です。前回もヒアリングでお話しさせていただきまして、引き続き、NBRPの利用者の立場というところから意見を述べさせていただきます。
 これは前回の最後のスライドですけれども、前回は、国際的な学術潮流の中で自然環境と連続したモデル生物の重要性が高まっているということを述べました。本日は、それに続いて、次期バイオリソースについて私の意見を述べますが、今までもたくさん出ていますAI for Scienceというのは、こういういろんなバイオリソースからのゲノムデータと、その表現型が結びつくことによって、ここで書いてあるようにComputer Organismを目指すのだということは、皆さんも恐らく目指しているのと同じじゃないかなと思っています。特に、これからNBRPに関して、次のスライドでやりたいと思います。
 お願いします。
 三つ、意見を述べさせていただきますが、第一は、ここに書かれているように、世界的に使われ始めている新規モデルの導入をしっかりと意識して進めるべきだと思います。現在、ジェネラリスト型として確立している、マウス、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュに加えて、特定の生命現象に特化したモデル生物が注目されているというのは御存じかと思います。ここに例を挙げていますけれども、例えば、老化研究・寿命研究ではハダカデバネズミやターコイズキリフィッシュ。再生では、有名な両生類のアホロートル。それから、下のほうでは、全個体・生体深部イメージングで最近非常に使われ始めている、小型の完全な透明な魚のダニオネラ。また、植物分野では、ゼニゴケやヒメツリガネゴケのような、植物の陸上化や進化・適応の理解に重要であるリソースが日本の研究者を中心に整備されていっている等々、こういったことをしっかりと見極めて取り込んでいくのがいいかと思います。ただし、新しいモデル生物を導入するだけでは、限られた資源の中で既存の事業も影響を受けるおそれがあります。これまで長い時間と労力をかけて収集・保存してきた貴重なリソースを損なうことなく、新しい形のリソースへと展開していくためには、既存の系統維持体制の効率化が必要になってくるのではないかなということを考えています。
 次、お願いします。
 そこで重要になる第二のポイントですけれども、保存技術のさらなる高度化ということです。特に動物について話させていただきますけれども、動物の系統保存というのは、例えば哺乳類では、胚、受精卵の凍結保存です。しかし、両生類や魚類、ホヤ、ショウジョウバエなどでは、現在でも生きた状態での累代維持に多く依存しています。これは、受精卵の体積が大きく、脂肪分が多いために、凍結保存が難しいというところから来ています。ここでブレークスルーとなるのが、生殖幹細胞を利用した代理親技術です。生殖幹細胞生物学は、日本が世界をリードする研究分野です。その応用として、例えば、右側に書いてある魚類の代理親技術は、東京海洋大学の吉崎研究室が世界に先駆けて基盤技術を開発しました。サンマからマグロの仔魚を産ませ育てるというのは聞いたことあるかと思いますが、そういう代理親技術です。
 下のほうの真ん中の絵はメダカを描いていますけど、メダカを例にすると、受精卵ではなく、生体の精巣や卵巣から得られる生殖幹細胞、または胚の始原生殖細胞は保存できます。保存し、必要なときに起こして、それらを代理親に移植する。代理親は生殖細胞を除いていますし、それから、魚では少なくとも雌雄はコントロールできますので、そこから新たに卵子・精子を得て受精させることによって復元することが可能となる技術で、これはNBRPの基盤技術整備プログラムの支援を受けて、既に実用段階ということを聞いています。
 このような技術は、保存コストの削減や系統途絶のリスクの低減にもつながることから、今後のバイオリソース事業において極めて重要な基盤技術になると考えております。そして、理論上胚の凍結が難しい他の動物にも応用可能ということで、こういう技術の実用化を進めていただければと思います。
 次、お願いします。
 最後に、これは前回の繰り返しになりますので簡単に申し上げますけれども、実際に国際的に注目されているリソースに対する長期的な支援制度ということになります。幾つかのバイオリソースにつきましては、保存・配布事業に加えて、世界から注目されているということもあって、国際共同研究プラットフォームの核となるような、制度的に支援する枠組みが必要かなと考えています。一番下に書いているように、例えば、科研費の国際先導研究や国際共同研究強化などとのマッチングや、それに類するようなものを新たに枠組みとして考える。また、基本的には国際共同研究プラットフォームとなりますので、EUなどとの共同のグラントなんかも連携を考えていくべきかと思います。ポイントは、赤い四角で囲っていますように、リソースの周辺に活発で生産的な国際的な研究者コミュニティが存在することが重要で、その存在がバイオリソースの質と価値を高め、研究成果で広く世界で認知されるようにするものと考えます。特に、日本の独自性が強いリソースについては、これを主導で進めていきたいところです。こうした展開を加速するには、今申し上げたような、何らかの制度的な支援がやはり必要と思っています。各研究者の自助努力ではなかなか、スピーディーには進まないと思っています。
 三つのポイントは以上ですけれども、全体として言えますことは、これまでも限られた予算の中でリソースってすごく成果を上げてくれていると、私も思っています。ただ、幾つかのリソースがこれからも国際的に発展するということが予想される一方、全体的な予算は厳しく、現場も疲弊していると聞いています。その辺はぜひ、将来に向けた配慮が必要かと思います。
 以上です。
 
【杉本主査】  
どうもありがとうございました。これまでのNBRPの成果も踏まえつつ、新しいモデル生物の導入であったり、国際共同研究強化も必要という御提案でした。ありがとうございました。
 では、続きまして、夏目やよい委員、お願いいたします。

【夏目委員】  
よろしくお願いいたします。私は、資料を用意しておりませんので、口頭のみで失礼いたします。
 私、バイオインフォマティクスが専門なのですが、一研究者としてこちらの三つの事業のリソースをどういうふうに活用できたらうれしいかなという観点でウェブサイトなどを拝見したんですけれども、NBRP、NLDP、BIND、それぞれ一番重要なのは、何がどこにあるのかが一元管理されているということだと、まずは思いました。
 例えば、NBRP、バイオリソースなのですけれども、ウェブサイトを見てみると、いろいろな研究機関、日本各地の研究機関が協力をしていて、どの機関がどのリソースを持っているかというのがリストとして提供されていて、検索できるようになっているということと、あとは、メダカのプロトコルを調べられるように、Notebook LMでリソースが提供されている。何がどこにあるのかを検索できるという形にもなっていますし、ウェブサイトなどを自分で調べなくても必要な情報が効率よく得られるように工夫が始められているというところで、いい印象を持ちました。
 BINDSも、日本の各機関でどういった技術を持っているのか、どの技術がどこにあるのかというのを管理するプラットフォームとして見ることもできるのかなと思います。こちらは創薬支援という印象がすごく強かったのですけれども、ライフサイエンスの研究を支援するというのもコンセプトとして入っているということでしたので、そういうことであれば、創薬に限定しなくても、日本国内で、この研究者はこういう技術を持っていて、積極的にほかの機関とのコラボレーションだったり、あるいは技術支援だったりといったことを受け入れる準備ができているというところは、もっとここに登録をして、国内でのコラボレーションだったり、つながりというのをより活発にできる可能性がある事業なのかなというふうに思いました。
 NLDPについては、新しい枠組みということもあって、今、ちょうど過渡期にあるところ、あるべき姿に向かってこれからどんどん変化していくところだと思うのですけれども、NLDPに関してはほかの二つの事業と違う点があって、ユーザーは、人だけではなくて、AIも入ってくると思うんですね。そういう意味で、ここの基盤の整備をすることによって得られるメリットといいますか、強みといいますか、今であれば、そこが一番効果的に出るところなのかなという印象を持ちました。あと、もう1点違うところとしては、NBPRやBINDSですと、ある種の合州国といいますか、それぞれ独立の機関がネットワークとして集まっていて、どこに何があるのかを管理するような事業が存在している、国としてつながるというような枠組みに見えるのですけども、データリソースに関しては、NLDPは州なのか、それとも、これから日本各地にある州をまとめ上げていくような立場になっていくのかというところが、まだ分からないところなのかなと思います。どちらであるべきかということは一朝一夕で決められることではないと思うので議論が必要なところではあると思うのですけれども、ただ、データリソースに関しても、司令塔に当たるような、鎌田先生がナショナルデータセンターの必要性についてコメントされていたのですが、そういった形で、NBRPやBINDSと同じように、日本各地にあるデータベースを統一していくような枠組みというのは何かしら必要なんじゃないかなというふうに思いました。
 特に、データリソースの場合、共通の課題というのがあると思うんですね。例えば、多くの先生方が既にコメントされたとおり、データの登録というのをできるだけしていただきたい。今はまだデータの登録に関してはそれほど強制力があるわけではないというところで、実際には存在はしているけれども、共有はされていない、利活用まで進んでいないというデータというのがいろいろ潜在的にあるはずなのですが、まだまだ、データベースの登録には至っていない。データベースに登録されて活用されるというところを目指すためにはメタデータも併せて登録してほしいと思うのですけれども、ただ、それの負担というのも相当重い。現時点で研究者もすごく多くのデューティーを抱えている中で、データ登録のすごく重たい負荷というのをなかなか負いにくいというところはあるのかと思います。そこは多分、どこのデータベースでも似たような課題感というのを持っているのではないかなと思うんですが、データの登録を支援するようなこと、例えば、そのデータとひもづく、論文だったり、研究計画だったり、そのファイルをアップロードするだけでドラフトが作れるとか、そういったことは今の技術であれば可能なはずなのですけれども、そういったメタデータをできるだけ簡便に、研究者に負荷がないように登録できるような基盤というのを共通に持つとか、そういったところで連携はできるんじゃないかなというふうに思いました。
 もう一つ、司令塔が必要なんじゃないかと思う理由としては、データベースをつくるための研究と研究成果のデータベース化って、似て非なるものだと思うんですね。データベースをつくるための研究であれば、国としてどういったデータベースを必要としているのかという大きなグランドデザインが必要ですし、それに向けて、プロトコルの統一だったりだとか、多機関でどういうふうに連携するだとか、そういったところを最初に考える必要があると思うのですが、一方で、研究成果のデータベース化となると、もともとその研究で何を一番重視していたのかというところに合わせてプロトコルを最適化しているはずで、それができているからこそ質の高いデータベースにつながる可能性というのもあるかと思うんです。だけど、データベースをつくるための研究に関しては、多機関で協力をする必要があるので、やはり司令塔が必要だと。そういう役割を担うところというのをどこにするのか、そういったものをこれからどうやってつくっていくのかというのは、これから議論が必要なんじゃないかなというふうに思いました。
 私からは、以上です。
 
【杉本主査】  
どうもありがとうございました。全国に散らばっているデータベースをどうやって統合的にしていくか。それはNLDPが担うのか。また、その際の課題についてもお話しいただきました。ありがとうございました。
 では、続いて、西増弘志委員、お願いいたします。
 
【西増委員】  
よろしくお願いします。僕は、BINDS、特にクライオ電子顕微鏡の支援事業をユーザーとして使わせてもらっているので、それに関して具体的に話をさせていただきます。
 次、お願いします。
 私は、タンパク質やたくさんの分子構造を解明して、働く仕組みを理解したり、新たなツールをつくるということをやっていて、例えば、CRISPR-Cas9はゲノム編集に使われていますけど、10年前にこれの結晶構造を解いたりしていました。
 次、お願いします。
 2020年に先端研で独立しまして、研究室を始めて、最初は1人だったのですが、今は、学生も増えて、研究をしています。
 次、お願いします。
 自分の研究にとって、BINDSのタンパク質クライオ電子顕微鏡構造解析支援というのは必須でして、これがなければ研究できないという、基本的なインフラとなっています。
 次、お願いします。
 具体的には、研究室で試料を作成して、たんぱく質や核酸、RNA・DNAを生成して複合体をつくるなりして、Vitrobotというので凍結した試料を作って、これを東大の電顕のところに郵送して、ここで電顕の画像を撮ります。今、測定はすごくよくなっていて、電顕のところに行って取ることもあるのですが、基本的にはリモートで迅速に取れるようになっています。
 次、お願いします。
 2020年に研究室を立ち上げたのですけど、BINDSの支援のおかげもあって、これまで幾つか成果を上げてくることができました。2個、代表できるものを話したいのですが、例えば、これは2年前見つかった新しいタンパク質で、CRISPR-Cas9とは違って、RNAと協働して、DNAを切るだけじゃなくて、組み換えるという、全く新しいタンパク質が見つかったのですけれど、これに関してもBINDSの支援事業を使わせてもらうことで迅速に電顕解析をすることができて、これは1回では決まらないので、試料を作っては測定して、そこをフィードバックして、条件を検討してまた撮るとか、こういうサイクルが必要なんですが、それをできる環境に整えてもらっていて、構造解析できて、この仕組みを判別することができました。
 次、お願いします。
 これに関しては発見と構造解析の論文というのが共同研究でback-to-backで「Nature」に出るというのはあまりないことなので注目されていまして、単に基礎的にも面白いのですけど、CRISPR-Cas9ができないような長鎖のDNAを組み込むという、新たなゲノム編集ツールにもつながるというので注目されていて、こういった世界最先端の研究もできて、研究室を立ち上げて4年のときですけど、BINDSのおかげでできている。BINDSの事業がなかったら、不可能でありました。
 次、お願いします。
 Cas9というのは、トランスポゾンから進化したと言われているのですけれど、2014年に解いた一番右のCRISPR-Cas9の進化の中間と考えられるタンパク質があるのですが、結晶構造って、一つずつ、1年、2年かかるので難しかったんですけど、電顕を利用させてもらうことで、それぞれ四つ、これは予測構造じゃなくて実験的に行動決めて、進化の過程というのを可視化することができたりもしています。
 次、お願いします。
 電顕はすごくお世話になっているのですが、先ほどもあったように、電顕はもちろん、最新の機械というのはなかなか、研究室で買うことは不可能です。買っている先生もたまにいますけど、基本的には不可能です。これはMass photometryという、相互作用を解析する装置がここ一、二年で世界的にも使われているのですが、小さいのですけど数千万円するので、こういうのを買うのは難しいんですけど、これもBINDSの測定機器の利用支援というので使うことが実はできていて、これを最近使わせてもらっているんですが、こういったこともできています。なので、ユーザーとしてはすごく感謝していて、ないとならないというもので、次期事業に期待することとしては、それほど大きな変更でなくて、今までどおりやってほしいのと、あと、最新の機器というのが出れば、電顕はしばらく新しいものはないと思うんですけど、そのアップグレードと、あとは、前回も申し上げたように、そこに機械だけあっても研究は進まないので、技術職員、支援職員の方々がすごくよくしてくれているので、その方々の待遇をよくした、継続的な雇用というのを望みたいと思います。
 僕からは、以上です。ありがとうございました。
 
【杉本主査】
ありがとうございます。若手研究者にとってもBINDSの事業が非常に必要で、最先端機器と、支援人材がいるということが大事だという御意見。ありがとうございました。
 では、続いて、坂内博子委員、お願いします。
 
【坂内主査代理】  
よろしくお願いします。私、自分の研究でもありますけれども、生物物理学コミュニティでずっと話し合ってきたデータベースに対する希望を反映させながら、本日、お話をさせていただきたいと思います。
 次のスライド、お願いします。
 生命科学の情報があまりにも増えてきているということ、そこから得られるデータが様々なモダリティであることから、データベースの整備と拡充は喫緊の課題です。例えば、遺伝子だったらシークエンス、細胞生物学、または、生きている、活性を見るなどのイメージング、また、特定の疾患の治療に役立つような化合物、医療現場のデータなど、様々なモダリティのデータがございます。それらのデータをサステナブルに整備して利活用できる体制の構築というのは、世界中で求められることでございます。それと同時に、前回、有田参考人のほうからも情報提供あったように、遺伝生物資源というのもこれからは国の財産にもなりうるということも考え、そのような観点からもバイオサイエンスデータを保護することが必要だと考えられます。
 その上で、我が国の課題としまして、まず、一番大きい点は、先ほど夏目委員のほうからご指摘ありましたとおり、データベースの維持や管理は、国全体が保護しているというよりは、各データベースを維持している機関がグラントを取りにいって、それを維持するためのグラントを分け合っているというような状態、すなわち競争的資金であるという点です。このような競争は安定であるべきデータベースに不安定さをもたらすとともに、構成員、少ない人数で運営しているのに、さらにグラントまで取る必要があるのだったら、それは関係者に疲弊を起こすということで、非常に無駄であります。何よりも、グラントを申請して採択を待つというようなステップを踏んでいては、前回、大浪参考人のほうから情報提供がありましたが、AI時代のスピードにはとてもついていけないという問題点がございます。
 ユーザー側からの観点としては、下郡先生のほうからも言われたように、データベースの登録がとても難しいという点があります。複数の委員からも言われたとおり、その原因としては、フォーマットが異なるということもあります。データベース側の人からは協力的でないというふうによく言われるのですけれども、そうじゃなくて、もともとメタデータの登録が容易ではない。しかも、データベースごとにユーザーIDが違って、遺伝子の配列にはこのユーザーIDを使って登録して、イメージングのデータは別のユーザーIDでデータベースに登録するというような、同じ論文から出たデータであっても、登録に煩雑さがあり、分野融合に壁があると感じております。
 最後の個人情報や生物資源保護に関しては、個人情報に関しては国の法律に基づいて生物科学のほうの基準も決まっておりまして、必ずしもバイオサイエンスの現場に合ったものではないという意見も聞いております。何を保護し、何をオープンにするかという戦略を改めて立てる必要があると考えています。
 次のスライド、お願いします。
 この3点を、私は提案したい。次期の「ナショナルバイオリソースプロジェクト」「ナショナルライフサイエンスデータベースプロジェクト」、BINDSに必要と思われる要素でございます。
 まず、何よりもデータベースは国策として安定に運営するということで、現在のような競争的資金で各プロジェクトがお金を取り合うのではなく、夏目先生の例えで言えば、一つの国みたいなところ、合衆国の機関みたいなところが統合的・戦略的に運営する組織であることが必要ではないかと思います。先ほど武田先生のほうからありましたけれども、「ナショナルバイオリソースプロジェクト」では、多分、バイオリソースの全ゲノムデータだったり、いろんなメタデータが出てくると思うので、これも、各プロジェクトが独立するのではなくて、統一的・理想的な形で格納するということが必要ではないかと思います。
 メタデータなどの登録に関しては、現在、大規模言語モデルを用いた対話型インターフェースはとても有用な方法ではないかと思います。それを使って、AIが読むことのできる、国際基準にフィットするフォーマットでデータを格納することが重要かと思います。そのためには、実験する側も、実験のときにメタデータも同時に入れやすいようにすることが必要で、洲﨑委員がおっしゃったように、実験のデータを取る側の人とも話をして、体制を構築していくことが重要かと思います。最終的には、あるキーワードを入れたら異なる分野のデータも閲覧できる形を理想としています。分野が違うと言葉が違うから分からないところもあるのですけど、そこを大規模言語モデルなどが補って、異なる分野をつなぐようなAIの使い方ができたらいいのではないかと思います。
 最後に、知的財産、生物遺伝資源、個人情報の保護に関しては匿名化も含めて早急な議論が必要で、特に医療データなんかはとても重要なのですけど、匿名化の手法、データの匿名化などについて議論を詰めていく必要があると考えています。
 以上で終わります。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。データベースに関しては、国が統一して対応していく、ナショナルセンターの構築というのが非常に重要であるということと、AIの活用、データ登録の効率化、幾つか既に議論された点でもございますけれども、そういう点も重要であるということ。また、知的財産、個人情報の保護が重要ということで、御意見いただきました。ありがとうございます。
 では、続いて、水島昇先生、お願いいたします。
 
【水島委員】  
こんにちは。もう言うことがなくなってきた気もするのですけれども、一応、資料を2枚だけ用意してきましたので、紹介したいと思います。
 一つ目は、バイオリソースプロジェクトのほうですけれども、これは、私自身もユーザーとして助けられてきていて、もはや、単なる支援というよりかは、日本の生命科学を支える重要な基盤的なインフラであるというふうに認識できると思います。日本のリソースを、国内の方が使ってもらえるのはもちろんいいのですけれども、実は海外の方にもかなり使っていただいていて、私も、マウスは400件か500件ぐらい、既に理研から出ているのですが、そのうちの7割以上は海外からなんですね。そういうことを通して日本がきちんとしたリソースをディストリビュートしているということで、日本のプレゼンスを上げることもできますし、個人的にも、そういうので引用されれば論文の引用数も増えるということで、非常にメリットがあるというふうに感じています。ですけれども、これまで議論がありますように、現行制度のままだと持続的な運営や国際競争力という点では困難さがあるというのは事実かと思います。
 この事業の継続的な運営に関してですけども、既に指摘がありますように、このプロジェクトは各拠点の状況にかなり依存していますので、そこの状況次第によっては長期的な運営が不安定になる可能性も十分あるというふうに思います。人材雇用が短期化しているとか、設備投資の困難さというところがあると思いますので、可能であれば、リソース維持には技術職員やデータ管理人材というのを安定的に供給できればというふうに思います。
 質の担保については、今、非常に質の高いものを配布していると思っているのですけれども、これはリソースの考え方の根幹に関わるのであまり気安くは言えないのですが、例えば、誰もリクエストしないようなものもかなりきちんと調べて配っていらっしゃるというのは分かっていて、私も、恥ずかしい話ながら、プラスミドを寄託したときに、INSERTが二つも入っていますと言われて、戻ってくるときもありました。そのぐらいきちんとされているのですけれども、もしマンパワーの点で効率化ということを目指すのであれば、例えば、理研がお墨つきを与えた高品質のものと、寄託者が入れたものをそのまま配布しますというようなものとの2段階ぐらいに分けて効率化するというのも、一つの可能性かなというふうに思いました。
 基盤インフラと考えたときには、第1回目にありましたように、右肩上がりというのは困難かと思いますので、プロジェクト型の評価というのは難しいのではないか。できれば恒久化というのが理想的ですし、財源の安定的確保というのも理想的かと思います。そのためには、少なくとも人件費や物価上昇程度のことを踏まえた受益者負担というのはありかなというふうにも思います。これは杉本先生の御専門ですけれども、野生系統に加えて、非モデル生物の研究というのはかなりやられるようになってきていて、しかもゲノム情報を見ると面白そうな非モデル生物に当たることというのは非常にたくさんありますので、そういう点では、これから、新しいリソース、特に非モデル生物のリソースというのをどのようにこのプロジェクトでカバーしていくかという点は、重要になっていく点だろうというふうに考えております。
 次のスライド、お願いします。
 もう一つはBINDSで、私もBINDSにはお世話になっているのですけれども、いろんな高額設備の機械が多いわけですが、これも支援事業として日本の基礎研究のサポートに大きく貢献しているのは間違いないと思います。中でも西増先生から御紹介ありましたクライオ電顕などは特に高額化・短寿命化しておりますので、個別研究費で維持するのはほぼ難しいと思います。安定的な運用のためには、機械も更新する必要がありますし、設備維持費や保守費を含めた中長期的な維持体制が必要となります。西増先生は、こういうのは個人では買えないとおっしゃったのですが、個人で買っている方もいて、競争的資金で買って、競争的資金で維持しているというような方もいて、それは非常に効率がよくないので、BINDSの機械ではないですけれども、BINDSがそういう機械も統合して日本全体で有効活用できるような仕組みができると、なおよろしいかなというふうに思っています。
 別の例ですけど、中国の深圳市という新しい市にあるSUS Tech(南方科学技術大学)にはワンフロアにクライオ電顕が5台あって、それは、大学が維持しているのではなくて、深圳市が市として維持費も含めて全部支援をしている。そういうところと伍していくには、日本全体でそれなりに統合的に支援をしていくということが必要だろうというふうに思います。
 クライオ電顕以外にも、今、3次元の、ボリューム電顕と言われているものも世界的に非常に使われるようになってきていますけども、そういうところは日本は遅れていますので、その辺もカバーできるといいかというふうに思います。
 人材ですけども、これは長いプロジェクトなのでPIもどんどん交代していきますので、若手育成という点では、PIだけじゃなくて、Co-PI制のようにして、若手と同時に、育成も含めて、そのような制度を導入されるといいのではないかというふうにも思っております。
 技術支援者のキャリア等に関しては、これまでお話が出ているものと重複しますので、省略したいと思います。
 以上となります。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。NBRPの、BINDSもですけれども、持続的な運営についての工夫が必要であるということで、後ほど、総合討論のほうでも議論したいと思います。ありがとうございました。
 では、最後になりますが、山崎真巳委員、お願いいたします。
 
【山崎委員】  
こんにちは。私はウェットな研究者で、末端のユーザーとしての立場からお話をしたいと思うのですけれども、今まで一番関係していたのがNBRPかなと思います。バイオリソースについては、末端の研究者としても、研究分野としても、多大な恩恵を受けてきた基盤であると、本当に研究の基盤になっているということが言えると思います。ただし、サイエンスの流れというのは、モデル生物から、実用生物、環境中の生物へと、どんどん多種に広がってきているわけで、バイオリソースとして、どこまで見るか、共有できるかというのは、経費の問題もあり、限りはあると思うのですけれども、物としてのリソースのほかにも、情報として共有することは可能なんじゃないかと。先ほども出てきた種間の比較ですとか、あるいは生物間の相互作用なんていうことにも使えるようなデータベースがあったらと思っています。そうなると、データということでNLDPとも関係してくるのかもしれないのですけれども、そこら辺がうまく連携されるといいかなと思います。
 それから、物の面で、これは今までないのですが、生物由来の化合物については、研究者がどんどんいなくなると、それと同時になくなってしまう。でも、日本はケミカルデータをたくさん持っているわけですけれども、情報でもいいし、分析技術や計測方法なんかをどこかでまとめられないかなあと、何となく思っているところです。
 この基盤があればということで、BINDSについては、今まで利用はしていないのですが、大変魅力的な、各研究者では買えないような大型の機器の支援があるということで、これも継続されるとどんどんいろいろなデータが出てくるのではないかと思っています。データのところで、最初の説明であったのですが、オープンとクローズドの切り分けというのは、考えなければならないポイントかなあと思っています。
 最後に、人材育成ですが、どこの大学もそうなのですけれど、博士人材の出口もいろいろ考えなければならないし、それから、基盤を支えるための人材を初めから育成するということもあると思うのですが、まず、雇用形態が安定であることが望ましいけれども、人材交流も必要だと感じています。実際、企業は最近、博士人材をたくさん採られるようになって、メーカーさんなんかから来たときに、博士課程を出られた方が研究のいろいろなサポートをしてくれる機会も多くなりましたので、そのような形で博士人材が生かされることを期待しています。また、身近でも、いろいろな機械を導入して、例えばシングルセルの解析など、データを生産する人というのはかなり増えてきたのですが、解析のところでは個々の研究者は結構苦労しておりますので、データ解析なども、どこか中心となるようなところでできるような仕組みがあるといいかと思っております。機器を入れると人も必ずセットで入るようなというか、機器だけではどうしようもないので、人もつくような仕組みがぜひとも必要だと思います。
 以上です。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。それぞれの事業で重要であるものをどうやって維持するかということだと思います。
 10名の委員の方からそれぞれ御意見を述べていただきましたので、残り40分程度ですが、これから総合討論を行いたいと思います。
 今、こちらからメモを共有させていただいていますが、黒字の部分が第2回までの議論をまとめたもので、青字で示していますのは、今日の議論でいただいた御意見を書き加えたり、それぞれの意見、御指摘があった部分に、お名前を書き加えたものとなります。
 本日の論点としましては、NBRP、NLDP、BINDS、この三つの事業は令和8年度で終了なので、その後、次期の事業について、どの部分を維持して、どの部分を変えていくかということを議論させていただければと思います。各委員からの御意見で、三つの事業、いずれもライフサイエンスにとって重要なものであるということは間違いないのですが、時代に即してどうやって変えていくかということで、少し議論できればと思います。
 内容についてですが、ここも論点として書いてありますけれども、それぞれ、事業内容の高度化や多様化、どの部分をスクラップして、どの部分を加えるかというようなこと。それから、AIの進展の反映、運営体制についても意見が幾つかございましたので、それについても議論できればと思います。
 まず、これまでのまとめとして全体を説明させていただいて、その後、それぞれの事業について、また御意見を伺えればと思います。
 NBRPについてですが、今回の議論としましては、リソースとしては、日本発の独自性を持ったリソースも非常に多いので、国際展開が見込まれるものについては戦略的に支援すべきと。日本のプレゼンス向上にも貢献しているということです。また、非モデル生物、新規リソースを導入することも非常に重要であるという御意見も、複数の方からございました。
 それから、いずれの事業も、事業の持続性な運営どうするべきか。能力の高い、高度な技術を持った支援人材の安定的な雇用。また、費用のことも考えると、質の担保と効率化のバランスも重要であるという、水島先生の御意見。それから、NBRPで支援しているリソースのタイプがいろいろ分かれてきているということなので、国際標準のコアリソース、日本発の独自リソース、小規模リソースなどのカテゴリーに分けて、それぞれに適合した支援体制をつくるということも今後必要かということで、これは私が書き加えさせていただきました。
 それから、国際的な情勢が非常にスピーディーに変わっているので、それに合わせて体制も迅速に変えていく必要があるということで、NBRPに関しても、個別の事業の評価だけではなくて、全体の戦略を評価しつつ、柔軟にスピーディーに変えていくことを検討する組織というのも必要かもしれないと思います。
 また、NBRPに関しては、他事業との連携、NLDPとの連携が必要という御意見が出た、とまとめさせていただきます。
 続いて、NLDPですが、これまで別々に研究者コミュニティがデータベースを作成していたものを、ナショナルデータベースセンターとして一元的に管理することが重要な時期になっているのではないかという御意見がかなり多かったと思っております。また、その際にAI技術が一番影響するのがNLDPで、いろいろなデータを統合しやすい形、AI-readyにするということ。それから、メタデータの標準化、データ登録の効率化・迅速化などにもAIを活用するべき。その際に、データ登録の共通基盤をつくるところでは、それぞれのデータベースでやるのではなく、ナショナルセンターとして共通基盤の作成を支援するということも、御提案がありました。
 それから、こちらもやはり、3事業の連携、NBRPやBINDSとの連携も必要であるという御意見もございました。
 それから、国際的には、国際標準であったり、遺伝資源に関しては、ABSというところで書いてありますが、遺伝資源へのアクセスと、その利用から生じる利益の公正・衡平な配分という考え方に基づいて、海外との調整であったり、国際的なデータ流通のルールに沿った管理体制を整備するということも必要になってきています。この辺りもやはり、次期のNLDPでは考える必要があるかと思います。また、知的財産、生物遺伝資源、個人情報の保護についての議論も、同様に必要になります。また、化合物情報の統合も必要であるという御意見がございました。
 それから、BINDSについては、個人ではできない研究がBINDSのおかげでできているという御意見が多いですし、BINDS事業をさらに強くしていくには、BINDS内のユニット間の連携、事業間の連携であったり、AMED内のほかの事業との連携であったり、さらには、BINDSと、NBRP、NLDPの連携が非常に有効であろうという御意見がございました。
 運営体制としては、どうやって持続的に運営していくか。高額機器、最先端の機器がの更新にかかる費用をどうやって捻出するかという点では、受益者負担なども検討する必要があるのではないかということ。それから、BINDS内で閉じるだけではなく、それ以外の事業であったり、ファンディングエージェンシーで購入されている機器についても、共用プラットフォームとして連携する必要があるのではないか。そうすることで、より効率的に、限られた予算を有効に活用できるのではないかという御意見もありました。
 最後に、3事業共通で指摘されたのは、これまでNBRPやNLDPは、それぞれの生物種であったり、それぞれのデータベースを支援するということは十分やってきているのですけれども、全体をまとめるということが大事なのではないかという御意見が幾つか出てきました。NBRPに関しても、限られた財源の中でどうやって、維持するリソース、新しく導入するリソースを考えていくか、それを判断する、戦略を決める組織も必要です。また、NLDPについても、ナショナルDBセンターとして一元管理をするという方向にシフトしたほうがいいのではないかという御意見が複数ありました。BINDSに関しても、それぞれのユニットであったり、事業をつなげて、コンサルティングが可能な支援センターの設置という御提案もありました。ですので、これらの各事業を統括的・俯瞰的に見る組織、運営の体制が必要だということに加えて、この三つの事業をつなぐことも必要だというのが、共通して出てきた意見かと思います。
 さらに、共通して出てきたのは人材の育成と確保についてで、これも、それぞれの事業で必要な人材というのは多岐にわたりますが、サポート人材が安定的に雇用できないとこれらの事業は維持できないということです。事業の支援に関わっている研究者に過度の負担がかかっている状況も見受けられるので、支援人材を安定的に確保して、増員するということが必要であろうと。また、人材交流によるメリットもあるのではないかという御意見をいただきました。
 もう一つ共通して出てきたのは、持続的な運営が可能な体制の構築ということで、現時点では受益者負担をかなり抑えている状況かと思うのですけれども、限られた財源でこの制度を維持するには、受益者負担の考え方ももう少し整理する必要があるのではないかという御意見がありました。また、企業との連携も、三つの事業それぞれ、連携できることがあるかというふうに思っております。
 ここまでがこれまでの意見を取りまとめということで、ここから残りの時間で改めて意見交換できればと思います。三つの事業それぞれで、5分程度、時間を取って、議論できればと思います。
 まず、NBRP、バイオリソースのほうですが、こちらについて、このメモなども御覧になった上で、追加で御意見がある方がいらっしゃいましたら、ぜひお願いいたします。
 いかがでしょうか。特に、次期の事業を構築する際に、制度的に入れ込んだほうがいいものとか、今までの体制を少し改変したほうがいいとか、そのような御意見があれば、ぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 御意見がないようなので私のほうから指名させていただきますが、武田先生、新しいモデル生物の導入であるとか、日本からの発信とか、重要な点があると思いますけれども、その辺りの入れ替えであったり、全体的な事業の生物種の選定であったり、その辺りについて何か御意見ございましたら。
 
【武田委員】 
 僕はユーザーなので、実は中身をよく知らないというところで、ユーザーの立場で話したのですけれども、次の方向性を全体で議論するのではなく、やはり司令塔的な組織は必ず必要で、その上で、新しいリソースを新しく立てるのか、どことバインドするのかというのは、なかなか各リソースの担当者からは出てこないと思います。ですので、どこかでお話があったように、今でもあると思うのですけど、そういうところを強化して、方向性を定めるような機能を持たせるべきと、話を聞いて思いました。でも、ゼロサムでやり合ったら終わりだと私は思っていて、皆さんの意見にあったとおり、ウェットの生き物ですので、しかも日本の財産で、これから恐らく利用価値が増えるものもたくさんあるので、戦略的にしっかりと議論できる場が必要かなと思いました。
 個別のところは、私が申し上げたとおり、ここに反映されていると思います。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 そうですね。個別のユーザーが競合するというよりは、国全体として、どの部分を強化して、限られた財源をできるだけ効率的に使ってサポートするかということが重要かと思いました。
 
【武田委員】  
でも、効率化をあまり求めてしまうとゼロサムになっちゃうので、しっかりと手当てをしろという要求は、全体としては必要なのではないですかね。
 
【杉本主査】  
そうですね。ありがとうございます。
 NBRP関連で、ほかはいかがでしょうか。
 坂内先生、お願いします。
 
【坂内主査代理】  
ユーザーの立場でございますが、国のプレゼンスを示すために大事ともちょっと関係あるのですけれど、最近、国際的に物を送るのが、該非判定とか、非常に大変で、しかも、FedEXとか、そういうのも、バイオリソースサンプルを送るのが個々の研究機関だと本当に難しくなっているという現状がございます。したがって、国内の研究者が持っているバイオマテリアルについては、論文を読んでこの材料が欲しいという人もいると思うのですけれども、国を代表してバイオマテリアルを送るというADDgene(遺伝子を集めて分譲しているNPO組織)のような役割も「ナショナルバイオリソースプロジェクト」にはあるという認識でおります。実際、現在も寄託したバイオリソースを配布してくださるので研究者としては非常に助かっていると思うので、そういった国を代表して日本の研究者の財産を広げていくという役割も、ぜひ次期には期待したいと思っております。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、海外に生きたサンプルを送るとか、送ってもらうというのが難しい状況になっていますので、その点でもNBRP事業は非常に重要な役割かと思います。
 よろしいでしょうか。
 夏目委員、お願いします。
 
【夏目委員】  
ありがとうございます。私が申し上げたことが思っていたとおりに伝わってなかったのかなと思ったので少し補足させていただきたいのですけれども、合州国から国へというふうにしたいという意味ではなくて、むしろ、どちらかというと逆なぐらいで、データベースそのものは日本各地にいろいろあると思うのですが、データベースそのものを統合するというのは現実的ではないので、それぞれ独立に運用されていくというのでもいいと思うのですけれども、ただ、共通基盤として持てるものは持って、横のつながりを持てる形にして、それぞれがばらばらのほうを向くのではなくて、国のデータベースをどうしていくのかというところで目線を合わせられるように、司令塔になるような組織があるといいのではないかという意味で申し上げました。なので、それぞれの州が国としてまとめられるように、というイメージで申し上げました。
 
【杉本主査】  
すみません、うまく表現できず。
 
【夏目委員】  
いえいえ、とんでもないです。
 
【杉本主査】  
国の司令塔となる組織ですね。これでよろしいですか。      
 
【夏目委員】  
はい。ありがとうございます。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 共通に動かせる部分は共通にするということで、多くのデータベースを支援できることが理想ということだと思います。
 ほか、いかがでしょうか。
 次は、AIの進展をどういうふうにうまく取り込むかというところで、データ登録の効率化のところはAIの活用がかなり期待されるところですが、そのためには人材をしっかり確保するということも重要だというふうに思います。ですが、AI関連の人材が取り合いになっているということで、そこも難しいので、前に企業との連携ができないかというお話もあったかと思うのですけれども、その辺り、人材確保などについて、もし追加で御意見等ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 
【岡田委員】 
岡田です。人材確保について、一言。
 
【杉本主査】  
お願いします。
 
【岡田委員】  
AI関連の人材の育成と確保は非常に重要でありますが、これに関しては、企業に就職した場合の条件がアカデミアにおける条件と非常に大きく乖離していますので、人材がいないわけではなく、条件面でアカデミアは確保ができていないというところもありますので、これは今回に限った話でありませんけど、やはり、研究者全体の社会的な地位であったり、給与面の改善というものが、特にこの分野においては非常にクリティカルというか、その構造を変えないと、なかなかほかのものでは難しいという状況かなと感じております。
 以上です。
 
【杉本主査】  
そこは、今、アカデミアがかなり苦労しているところかと思いますが、専門人材・支援人材の確保というのは研究基盤としては重要だと思いますので、何とか経費で採れたらいいと思います。
 ほか、いかがでしょうか。
 では、後で時間ありましたらまた戻るということで、BINDSについてはいかがでしょうか。こちらは、最先端機器の導入を続けていけるかどうか。やはり、ここも支援人材が必要なところですが、追加で御意見等ございますでしょうか。
 ここに書いてあることで大体網羅されているでしょうか。
 高鳥先生、ユニット間であったり、AMEDのほかの事業、あるいは、NBRP、NLDPなどの事業との連携について、もし、こういう連携があるといいというような御意見がありましたら、追加でお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
 
【高鳥委員】  
どうも、先生、ありがとうございます。私、申し上げた以上のことは特にないのですけども、AMEDでは、創薬支援基盤ということでBINDSがこれまでいろんなアカデミアの先生方とかスタートアップをしっかり支援してきたのですが、創薬に関わる事業には、アカデミアの有望なシーズを創薬ブースターで拾い上げて支援していく事業や、FLuXという仕組みでコンサルティングをやったりすることといった、様々な事業があるわけで、既に連携されていたら申し訳ありませんが、それぞれで動いていると感じられるところがあって、これらブースターとか、FLuXとか、そういったところの事業においても、創薬支援基盤ということでBINDSというのを利用するというか、ベースに置いて、それぞれの事業を推進していっていただければいいかなと思っています。また、先ほど申し上げたAND=Eというのが4月から始まりますが、そこでは有望なシーズを強力に推進して創薬につなげていこうというにフォーカスしていくというお話ですので、そういった取組を推進するにしても、創薬支援基盤ということでのBINDSというのを常に捉えていただいて、お互いに連携がどのようにできるかというのを考えて進めていっていただきたいと考えているところです。
 同じようなことの繰り返しで申し訳ありませんが、そういった形で考えているところです。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。
 ほか、御意見よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、最後に、3事業共通のことであったり、この三つの事業はライフサイエンスの基盤として今まで以上に連携する必要があるという御意見も多く出たのですが、この辺りについて、いかがでしょうか。
 
【岡田委員】  
一般論ですけど、こういう似たような方向性を持った、似たような立てつけのものは、連携していくというか、組織の都合上、同じにすることはできなかったとしても、外から見たときに実質的に一つに見えるような形での努力の方向性というのはあっても悪くないのではないかなと感じております。
 データ登録に関しましては、NBDCさんが窓口でDDBJさんの登録を行っており、この二つは異なる事業なのですけども、それぐらいについては一つにしてしまってもいいのではないか。逆に言うとジャーナルとのやり取りで二つに分かれていることの説明をよく求められてしまうという実情もございまして、実質の組織とは別に、外から見たときは同じ方向性はなるべく一つにまとめていくというのは、人材の有効活用という面からも非常に重要じゃないかと考えております。
 以上です。
 
【杉本主査】  
ありがとうございました。
 組織が中で分かれていても、なるべく同じ方向を向くであるとか、常に情報を共有するということが重要かと思います。
 ほか、いかがでしょうか。
 坂内委員、お願いします。
 
【坂内主査代理】  
ありがとうございます。同じ方向を向くについては、データベースの方もそうなのですが、ユーザー側としても、できれば同じものとして扱えたらと思います。具体的には、科研費申請の研究者番号があるように、国のデータベース、ナショナルライフサイエンスデータベースも、ナショナルバイオリソースも、登録するときに同じIDとかが使えたら、データを登録するのも楽だし、その後、データを引っ張ってくるのも楽とかいうので、そういう入り口の工夫も必要ではないかというふうに考えております。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 統合、なるべく共通のプラットフォームをつくっていく方向にいければと思いますが、ほかはいかがでしょうか。
 洲﨑委員、お願いします。
 
【洲﨑委員】  
ありがとうございます。事業共通のところと、あと、NLDPの運営体制のところにも関係すると思うのですけども、私のコメントの中で申し上げました、ボトムアップに各研究者や各チームがデータベースをつくった際に、それをどういうふうにこういう一元的なデータベースに統合していくかという辺りの連携に関しても、少し追求いただけると助かります。夏目先生がデータベース作成のための研究は異なるというふうにおっしゃられたので、その部分に関連するところかと思います。よろしくお願いいたします。
 
【杉本主査】  
こちらと、あと、データベース作成者と、データをつくるのは誰か。
 
【洲﨑委員】  
国策として大きなデータベースをつくって、トップダウンにやるだけではなくて、ボトムアップにデータベースができていくケースが、今後、AIの発展に伴って展開されていくと思います。そのときに各研究者がつくったデータベースというのをどのように一元管理していくかというところが問題になっていくかと思います。現状、そのようにして個別につくったデータベースを管理・運用するというのを各研究者にかなり依存してしまう部分が大きくて、そこの部分がサポートとしてまだ足りない部分だと考えています。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 鎌田委員、お願いします。
 
【鎌田委員】  
ありがとうございます。今、洲﨑先生がおっしゃっていただいたところにも関連して、データベースセンターと申し上げたときに、データベースの一元管理という、一つに集約するというようなイメージで伝わっているかと思うのですが、それぞれつくってこられた先生方がいらっしゃるので、それを全部まとめてしまうというわけではなくて、共通して使えるように、例えば、IDを揃えるとか、あと、メタデータであれば、どういうオントロジーを使うのかとか、そういったところの意識合わせをする、そのための司令塔としてナショナルデータベースセンターがあれば、統一された使い方ができるような仕組みができるのかと思っています。
なので、さっきも情報共有とおっしゃっていただきましたが、そういったところを揃えていくというのをそれこそ司令塔としてやっていただけるといいかと思いました。
 
【杉本主査】  
では、この辺りでよろしいでしょうか。基本的には、ボトムアップの個別のデータベースをナショナルセンターのほうで一元管理する方策ということでまとめられますか。
 
【鎌田委員】  
一元管理というか……。

【杉本主査】  
夏目先生がおっしゃっていることと同じ方向の御意見ということでよろしいですかね。それぞれのデータベースは維持したまま、それを共通に使えるような基盤を整えていく。
 
【鎌田委員】  
基盤と、それを使いましょうねというところは、司令塔的に制度的に共通化していく必要があるなと思っているので、ある意味、トップダウンだけではなく、ボトムアップももちろん必要なのですけれど、そういった共通するための、これを使っていきましょうというところは、ある程度、トップダウン的に必要かと思っています。
 
【杉本主査】  
これで合っていますでしょうか。
 
【鎌田委員】  
はい。ありがとうございます。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 夏目委員、お願いします。
 
【夏目委員】  
ありがとうございます。度々すみません。先ほど鎌田先生がおっしゃったのは、NLDPの運営体制の下、「ナショナルセンターとしての戦略的意思決定機能を強化」のすぐ下のところの文で、鎌田先生と私と坂内先生の「分散したDBセンターを集約し」、ここの一文が意図するものと違う表現かと思いました。
 鎌田先生、そこの部分でしょうか。
 
【鎌田委員】  
そうですね。
 
【杉本主査】 
では、適切な表現を教えていただけると、そのように書きます。どう書けばよろしいですかね。
 
【夏目委員】 
どう書けばいいですかね。
 
【鎌田委員】  
集約ではない……。
 
【杉本主査】  
データベースを、集約ではなくて……。
 
【坂内主査代理】  
統合していきたいです。統合するけれど、フォーマットとか、物理的に集めるのではなくて、つながるようにしたいというイメージですよね、先生方。
 
【夏目委員】 
 そうですね。ばらばらの状態ではなく。
 
【坂内主査代理】  
ぽんぽんぽんって散っているのではなくて、それぞれのところにいるけれど、つながっているという。
 
【夏目委員】  
それをどう日本語にすればいいのか。
 
【杉本主査】   
使うための基盤、各DBを共通に使うための基盤を整えていく。うまく表現が……。
 
【夏目委員】  
そうですね。何と言えばいいのでしょうか。私がもともと意図したのは、どのデータベースにどの情報があるのかだとか、そういった情報の方です。
データベースそのものを一元管理したいのではなくて、国として持っているデータは、何がどこにあるのかという情報を一元管理したい。そうすると、各データベースで管理しているデータの関係性というものをつなげられるようにしないといけないと思うんですね。ばらばらの状態のまま、ただ検索の対象にするというのだと有機的につながらないと思いますので。
 
【杉本主査】  
そろそろ時間になってしまうので、これは、来月、また委員会がございますので、一度、事務局のほうでこれまでの議論をまとめていただいて、この辺りについて、次回、もう少しブラッシュアップできればと思います。
 すみません。武田先生、何か追加でございましたら、お願いします。
 
【武田委員】  
全体に関わることであるし、特にNBRPのほうが深刻なのですけれど、事業の継続性ということに関して、もっとしっかりと議論をしたほうがよいかと思っています。例えば、人材の雇用が短期的になってしまう。そして、期ごとにしっかりと決められた評価を受けるという体制が本当にいいのかというのを真面目に考えたほうが良いと思います。他の委員からも出ています。これは評価の在り方も含めてですけれども、長期的な視野でもって継続できるような事業を目指すということは、どこかに書かれてもいいのではないかと思います。どこかに書いていますかね。
 そして、特にNBRPに関しては、拠点に依存しているというのはいいのですけれども、世代が代わるときに混乱が生じています。その継続の在り方が、ちょっと心配ですね。ですので、そのことを一言書いておいて、意識は持って進めたほうがいいと思い、発言しました。
 
【杉本主査】  
ありがとうございます。
 持続可能性については、非常に重要な観点として、今後、次回以降の委員会でも議論していければと思います。
 では、ちょうど時間となってしまいましたので、本日はこれまでとさせていただきます。
 では、事務局のほうから連絡事項をお願いいたします。
 
【西山生命科学専門官】  
本日は、長時間にわたりまして、大変有益な御議論を賜り、誠にありがとうございました。
 冒頭の杉本主査からの御説明と重なる部分もございますけれども、今後の作業部会の進め方につきまして、改めて御説明いたします。資料1を御覧になってください。
 本日、杉本先生に整理いただきましたメモ、そして、先生方から頂戴した御意見を踏まえまして、我々のほうで論点整理を進めさせていただき、次回4月22日の作業部会では事業見直しの方向性の素案をお示しさせていただきますので、その内容を御確認いただいた上で、各事業の課題や今後の方向性について、改めて御議論いただければと考えております。
 その上で、4月下旬に開催予定のライフサイエンス委員会において、本作業部会における検討内容の中間報告を杉本主査より御説明していただこうと考えております。中間報告の結果につきましては、6月上旬開催予定の第5回作業部会において御説明をさせていただきます。
 今後の進め方につきましては、以上でございます。
 なお、本日の議事録につきましては、事務局において案を作成しまして、委員の皆様にお諮りした上で、主査の御確認を経て、弊省ホームページにて公開させていただきます。
 以上でございます。
 
【杉本主査】  
どうもありがとうございました。
 それでは、本日の基礎・横断研究戦略作業部会はこれにて閉会とさせていただきます。
 ありがとうございました。
―― 了 ――

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研究振興局ライフサイエンス課

(研究振興局ライフサイエンス課)