令和8年2月19日(木曜日)10時00分~12時00分
文部科学省18階研究開発局会議室1及びオンライン(ハイブリッド開催)
本郷主査、杉山主査代理、青砥委員、石川委員、堅達委員、佐々木委員、佐藤委員、田中委員、所委員、平本委員、水無委員
山口環境エネルギー課長、澄川半導体エレクトロニクス推進室長、鈴木課長補佐 他
【鈴木(事務局)】 定刻になりましたので、第13期環境エネルギー科学技術委員会の第2回を開催いたします。
本日はお忙しい中、御出席をいただきまして、ありがとうございます。
まず、事務局より進行などの御説明を申し上げます。
本日は対面、オンラインのハイブリッド開催の会議です。事前にお送りした進行上のお願いのとおり、オンラインで発言される際はビデオ、マイクをオンに、発言されていない際はオフにするよう御協力をお願いいたします。また、御発言をいただく場合には、「手を挙げる」のボタンを押していただくか、チャットにてお知らせをいただくようお願いします。指名を受けて御発言をされる際には、マイクとビデオをオンにしていただき、名前をおっしゃってから御発言をお願いします。
議事に入る前に、まず、本日の資料を確認させていただきます。議事次第、資料本体、参考資料を事前にメールでお送りをしております。会場で御出席の委員の方には印刷したものを机上に置かせていただいております。不備等がありましたら、事務局までお申し付けください。
本日の御出欠です。本日は大久保委員、関根委員、中北委員が御欠席です。対面では本郷主査、水無委員に御出席をいただいておりまして、その他の委員に関してはオンラインで御参加をいただいているところです。
御出席の委員数は、本委員会の定足数である過半数に達しております。
本日の議事は全て公開でして、既にオンラインで傍聴をいただいているところです。議事録及び会議資料は、後日文科省のホームページに掲載をします。
事務局からは以上です。
以降の議事の進行は本郷主査にお願いをいたします。
【本郷主査】 おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
本日の議事ですけれども、報告が3件です。
議題1は、環境エネルギー科学技術分野の令和8年度予算案、令和7年度補正予算です。それでは、資料1に基づき、事務局より説明をお願いいたします。
【鈴木(事務局)】 資料1に基づき説明をさせていただきます。環境エネルギー科学技術分野の令和8年度予算案、令和7年度補正予算です。
1枚おめくりください。こちらが主な事業をまとめました全体像です。カーボンニュートラルの実現に貢献する研究開発といたしまして、令和8年度予算案に96億円、令和7年度補正予算に20億円、計106億円を計上しています。
柱は、中央の箱にありますカーボンニュートラル実現に貢献する革新的GX技術等の研究開発力強化ということで、省エネルギー・高性能な次世代半導体の研究開発の推進、及び、革新的技術の創出に向けた基盤研究開発の推進を位置付けるとともに、また、下の箱にありますように、気候変動対策の基盤となる科学的知見の充実・利活用強化という2本の柱で整理しております。
また、記載の事業のほか、既に科学技術振興機構(JST)に措置をされました基金を活用して、後ほどの議題で御報告がありますが、革新的GX技術創出事業(GteX)や次世代エッジAI半導体研究開発事業も進めているところです。次のスライドからは、ただいま御紹介をしました各事業について御紹介を申し上げます。
DX/GX両立に向けたパワーエレクトロニクス次世代化加速事業は、令和8年度予算案に11億円を計上しております。本事業は、昨年夏の本委員会において、委員の皆様に事前評価をいただきまして、その内容も踏まえまして新規事業を立ち上げるという運びになりました。
背景としましては、生成AIの登場やAIデータセンターの需要の急進により電力消費量が急増すると見込まれる中、DXとGXを両立させ、我が国の産業競争力強化、持続的な社会の発展を実現するために、次世代パワー半導体、特にGaN(窒化ガリウム)の力を引き出し、社会全体の省エネ化を図ることを目的としまして、現行の革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術研究開発事業(INNOPEL)の成果等を引き継ぐ設計としております。
事業の柱としましては、まず1つ目は、右下の箱にありますように、GaNパワーデバイス作り込み技術としまして、日本初の技術でありますイオン注入技術を完成させるため、世界初の6インチ対応GaN専用高温高圧アニーリング装置を開発するとともに、電力損失の要因の一つでありますオン抵抗の更なる低減に向けたデバイス作成技術の確立を図るというものを柱の一つとするとともに、その柱と連動させまして、2つ目の柱として、GaNパワエレ機器トータルとしての実証として、GaNデバイスのポテンシャルを引き出すための回路設計、受動素子の開発、システム統合化研究をAIや数理分野の知見も取り入れつつ進めてまいります。
具体的なテーマとしては、記載にありますように、AIデータセンター用のサーバー電源システム、またモーター駆動EV電源システムに取り組む予定にしております。
本事業は7年間の事業期間を予定しておりまして、事業期間後半にはスタートアップを立ち上げ、民間資金とのマッチングにより投資拡大を図るなどの官民協働による加速を図るという形で、社会実装を見据えた展開を図ることとしております。現在、公募開始に向けて準備を進めているところです。
次のスライドは、次世代X-nics半導体創生拠点形成事業です。令和8年度予算案に9億円、前年度同額を計上しております。本事業は10年間の事業ですが、来年度は5年目の折り返しになるところです。省エネ・高性能な半導体創生に向けた、これまでの半導体の微細化技術とは全く異なる新しい軸での研究開発と人材育成を行うアカデミアの拠点形成を推進するという事業です。東北大学を代表とするスピントロニクス融合半導体創出拠点など3つの拠点で推進をしているところです。
次のスライドは、JSTの先端的カーボンニュートラル技術開発(ALCA-Next)です。令和8年度予算案として26億円をJST運営費交付金の中に計上しております。こちらは後ほどPDの魚崎先生から詳しい御説明があるかと思いますので、ポイントのみ申し上げますと、2050年カーボンニュートラル実現等への貢献を目指し、従来の延長線上にはない非連続的なイノベーションをもたらす革新的技術に係る基礎研究を推進するものです。
毎年新規公募を実施しており、今年も、JSTにおいて公募が開始される予定です。公募で採択をされると、まずは原則4年間、スモールフェーズということで1年1課題当たり3千万円程度を措置しつつ、その後のステージゲート評価を経て加速フェーズへ移行すると、更に最長3年間、1年当たり1億円程度を措置するという形の事業になっております。
事業の特色としましては、GteXとの一体的な事業運営としまして、魚崎先生に両事業のPDをお務めいただいておりまして、そのリーダーシップの下で運営をいただいているところです。
次のスライドは、JSTの未来社会創造事業「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域です。令和8年度予算案に3億円をJST運営交付金の中に計上しております。こちらの事業はALCA-Nextのほうに段階的に移行しておりますので、新規採択は行わない予定ですが、これまでの事業の中では、左下の箱に御紹介をしておりますとおり、例えば、ゲノム情報を活用したバイオマス作物の新規育種手法の開発としまして、五大穀物の1つでありますソルガムの新品種の創出に名古屋大学のチームが成功するなどの成果を上げているところです。こちらの成果は昨年の大阪・関西万博でも展示がなされております。
次のスライドは、気候変動の関係の事業を1つにまとめたものです。気候変動適応戦略イニシアチブとしまして、この下の箱の左側にあります気候変動予測先端研究プログラム、いわゆる先端プロというものと、右の箱にあります地球環境データ統合・解析プラットフォーム事業、いわゆるDIASの2事業の合計で、令和8年度予算案に9億円を計上しております。国際的には、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に科学的知見を提供するとともに、国内においても、自然災害の激甚化・頻発化を踏まえた対応をはじめとする気候変動対策、また、カーボンニュートラルに向けた取組を加速することに資するということを目的にしておりまして、具体的には、先端プロにおきましては、気候変動メカニズムの解明、また、ニーズを踏まえた高精度な気候予測データの創出・提供など、世界最高水準の研究開発を推進しております。また、そのデータや地球観測データをDIASに蓄積し、こちらで統合・解析をした情報を提供することで適応策等へのデータの利活用を図っているところです。
こちら左側の先端プロにつきましては、来年度が5年事業の最終年度を迎えるところです。今後の気候変動研究や地球環境データ連携基盤の在り方等に関して、それを一体的に捉えまして意見交換を行うための有識者会議を立ち上げております。その概要については参考資料4につけておりますが、時間の関係で説明は省略させていただきます。
こちらの有識者会議には本郷主査にも委員として御参画をいただいているところでして、また、オブザーバー省庁として、こうした適応策等に関係する関係府省庁にも御協力をいただきながら検討を進めているところです。
次のスライドをお願いします。データ基盤のDIASにつきましては、令和7年度補正予算に5億円を計上しており、地球環境データを保存するストレージ装置の一部老朽化が進行しているものについて、更新を行う予定です。老朽化した機器の更新を行い障害のリスクを回避するということで、DIASの利用者は年々増加しておりますが、こうした利用者の地球環境データの利活用を支え、気候変動対策や防災対策等に引き続き貢献をしていくことを狙いとした事業です。
以上です。
【本郷主査】 御説明ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ありましたら、御発言をお願いいたします。オンラインではいらっしゃらないですか。よろしいでしょうか。
質問等がないようですので、次の議題に移りたいと思います。いずれにせよ、補正を含めますと昨年度と今年度は執行予算としては同程度ということが今回のポイントかなというふうに思います。
では、次の議題に移りたいと思います。議題2は、次世代エッジAI半導体研究開発事業の採択結果についてです。令和6年7月の本委員会において事前評価を行った半導体研究開発事業については、昨年12月に研究開発課題を新規採択しましたので、その内容について御報告いただきたいと思います。
それでは、資料2に基づき、事務局より説明をお願いいたします。
【澄川(事務局)】 ありがとうございます。それでは、御説明させていただきます。
1ページ目に入っていただきまして、次世代エッジAI半導体研究開発事業です。今、主査から御紹介いただいたとおり、文科省では、一昨年になりますが、次世代半導体のアカデミアにおける研究開発等に関する検討会というものを開催させていただいておりまして、これを踏まえた政策ということで、本事業につながっています。昨年12月に採択を行いましたので、御説明をさせていただきたいと思います。
また、昨年度、前期の本委員会において御審議いただいたものですが、少し委員構成が変わっているところがありますので、改めて政策を少し御紹介させていただきたいと思います。
まず、次世代エッジAI半導体研究開発事業ですが、左上にありますとおり、近年、データ処理量の増大、こういったものでクラウド側の消費電力というものも今後大きくなっていくということがよく言われております。このため、基本的にはエッジ側、それぞれの端末側で高度な情報処理ができるようにしていくというのが1つの大きな考え方となっています。そのためには個々の半導体の性能の飛躍的向上というものが求められるといったバックグラウンドの中から、さらに、喫緊の課題でもありますので、いわゆる通常のアカデミア的基礎研究というよりは、アカデミアの最先端の知見を持って結集して取り組む、かつ、その成果の産業界への速やかな橋渡しの両立を狙うというハードルの高い事業という形の制度設計となっています。
あわせまして、こういった我が国のアカデミアの方々の力を結集するとともに、そこに若い方にも参加いただくということを通じて、特に設計人材などは我が国において人材が枯渇しているというような御指摘をいただいていますので、こういったところに参加していただくことを通じて、人材育成、トップカンファレンスなどでも一定のプレゼンスを示すような成果が創出できればということを併せて見通した事業設計となっています。
また、本事業については、当初は文科省の事前評価を受けさせていただきましたが、先ほどのアカデミアの力を結集しつつも産業界の速やかな橋渡しを目指すということも相まって、文科省、経産省ともに連携をして検討してまいりました。
事業形態としましては、右肩に事業予算295億円というふうになっておりますが、これはJSTに基金を設置いたしまして、さらに、その財源に関しましては、経済産業省の予算を計上させていただいております。経済産業省の予算の下で、かつ実行をJSTという、両者の連携の下に行われる事業になっておりまして、研究開発計画というものを両省で決定した上で進めさせていただいております。
事業の推進体制につきましては、右側に顔写真をお示しさせていただいておりますが、東京大学の教授でもあり、今は熊本県立大学の理事長として非常に精力的に活動も行われております黒田先生にPDをお願いしております。その下でテーマを3つ、次世代のAI回路・システムという設計周りの課題が1つ、テーマ2が3D集積技術ということで、製造、特に3D集積に関する部分の技術が1つ、最後、テーマ3が次世代トランジスタ技術としておりますが、こちらは今のシングルナノからビヨンド1ナノという更に集積を進めるといった中で、既存のシリコンのチャネルですとか、銅のような、カッパーのような通常の配線材料、こういった材料を超えるまた新しい材料レベルでトランジスタを構築するといった取組をテーマ3の取組ということで、テーマ3つで公募をさせていただきました。
次のスライドをめくっていただきまして、12月16日に採択結果を公表させていただきました。テーマ1につきましては5課題です。設計の課題に関しましては、様々なユースケースにつながるような成果も見込むということで、少し課題数としては多めということで、5課題、バラエティーを確保した上での採択をさせていただきました。
テーマ2に関しては3D集積技術ということで、当初は1課題程度を想定しておりましたが、非常に評価が拮抗したということで、甲乙つけ難いということで、2課題を採択させていただいております。
また、最後のテーマ3については、次世代トランジスタ技術ということで、1課題を採択という形になっています。
役職の欄を見ていただいても、准教授の先生にお二人ほどPDを張っていただくというようなこともさせていただいておりまして、非常に若い研究者の方々に活躍をいただくことも期待をしているところです。
以上です。
【本郷主査】 御説明ありがとうございました。
ただいまの説明について御質問、御意見等ありましたら、御発言をお願いいたします。オンラインの方は挙手機能を御活用いただければと思います。
私から1つ質問なんですけれども、JST基金は何年とか期間があるんでしょうか。どのぐらいの期間でしょうか。
【澄川(事務局)】 基金、まず、全体の方針としては、政府全体で原則3年というふうにされております。その上で、事業としては、研究計画上は一応最大5年ということで研究提案をいただいておりまして、ただ、いわゆるステージゲートといいますか、厳しい評価というものを前提としておりますので、それは個別に進捗に合わせて判断していくということになろうかと思っております。
【本郷主査】 そうしますと、3年終わったところでもう一度、予算手当てが必要だと。
【澄川(事務局)】 はい。少なくとも、その時点でのステージゲート評価が入ることになります。
【本郷主査】 分かりました。順調に進むことを期待したいなと思います。どうもありがとうございました。
特に追加質問がないようですので、議題3に移りたいと思います。議題3は、JSTにおけるGX関連事業についてです。昨年度までは、本委員会の下に設置しておりました革新的GX技術開発小委員会において、GteXやALCA-NextといったJSTのGX関連事業の進捗などを報告いただいておりました。本年度はこの小委員会を設置しておりませんので、これら事業の進捗報告などについて本委員会で扱わせていただきたいと思います。
本議題につきましては、両事業の魚崎PDから資料3に基づき御報告いただきたいと思います。魚崎PDにおかれましては、本日対面で出席いただいております。魚崎先生、よろしくお願いいたします。
【魚崎PD】 魚崎です。よろしくお願いします。
ただ今、御紹介いただきましたように、昨年までは小委員会でお話ししていまして、この委員会では初めてですので、少し経緯等も含めながら説明させていただければと思います。
次のページをお願いします。JSTでは2010年から低炭素に関連してALCAという事業をずっとやってまいりました。そして、その中でも2013年からは特別重点領域ということで、チーム型の大型研究、ALCA-SPRINGとエネルギーキャリアを設置しました。エネルギーキャリアはすぐにSIPに移管、それからホワイトバイオ、そして、先ほども少し出てきました未来社会創造事業がスピンアウトしたような格好でできてきたということでありましたが、2022年度いっぱいでそれまでのALCAが終了し、2023年度にALCA-NextとGteXがスタートしたという状況になっております。
次のページをお願いします。全体では、連携してやるということで、GteXのほうはトップレベル研究者が連携するチーム型ということで大型の研究になっていまして、蓄電池、水素、バイオものづくりの各領域で、社会実装を最終的ににらみながらやっていくということになっておりますが、ALCA-Nextは、相補的なプロジェクトとして、もう少し小ぶりの、しかも幅広い領域でゲームチェンジングテクノロジーの創出を目指すということになっております。
次をお願いいたします。GteXは、先ほども言いました通り、以前にやっておりましたALCA-SPRINGの特徴を生かしてやっていくということでありまして、ここには5つほど特徴を書いておりますが、ALCA-SPRINGにおいては全国トップ研究者が参画するチーム研究を推進しました。その中で、大型機器の集中管理、共通利用というやり方を進めました。
それから、システム・戦略検討に基づいて明確な知財ポリシーを当初から出して、強い特許を創出するということに注力し、結果的に外国特許出願率が40%を超えるという結果となっています。
それから、先ほど説明のあった半導体でもありましたように、ステージゲート審査をやってきたということで、これによって研究体制を逐次見直して、人材の新陳代謝を図りました。実際、プロジェクトスタート時の参画者で最後まで残った研究者は50%でありまして、10年間のプロジェクトでしたので、普通でいくと平均年齢10歳上がるところが、平均年齢は5歳上がったということで、若手を随時導入していったということが分かります。
それから、文科省、経産省の課長、JST、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の関係者さらに関連プロジェクトの代表や有識者からなるガバニングボードを設置し、プロジェクト間の連携を図りました。特にALCA-SPRINGと同時に開始されたNEDOの先進・革新蓄電池材料評価技術開発プロジェクトとは開始当初から密接に連携し、5年目のところで、NEDOプロジェクトがSOLiD-EVに衣替えする際にALCA-SPRINGの硫化物全固体電池チームの成果と研究者を移管したという経緯がありました。また、ALCA-SPRINGの結果として人材育成があげられます。例えば、15名以上のプロジェクト参画者が研究室を新設して教授になられ、約900名の学生、うち120名がドクターの学生ですが、ALCA-SPRINGに参画し、その内700名が企業に就職して、この分野の下支えに貢献しています。
次をお願いいたします。さて、GteXは、2022年12月の補正予算で496億円を基金として頂きまして、10年間の計画ですが、基金は5年間ということでスタートしております。
進め方としては、事業イメージにありますように、ALCA-SPRINGでの例にならい、蓄電池領域、水素領域、およびバイオものづくり領域について、オールジャパンのチーム型研究をやるということです。ここでは、蓄電池の例で書いていますが、蓄電池の場合、電極と電解質とそれから評価・解析というのをばらばらでやっていたのでは電池にならないということで、それを統合的にチームとしてやるということがポイントで、ALCA-SPRINGではそれは成功してきたと思っております。
次のページお願いします。この496億円は脱炭素成長型経済移行債、GX経済移行債というところがソースになっております。全体としては、10年間で20兆円を発行するということになっていますが、その1回目の入札で1.6兆円分を発行し、そのうちの、GI基金に7,500億円、補助金7,000億円、そしてその他研究開発に1,300億円とありますが、その他研究開発の1,300億円の一部がGteXに来ているということであります。
次お願いいたします。それで、先ほどの補正予算の成立を受けまして、2023年4月に、先ほどから話題になっております、本委員会の下に革新的GX技術開発小委員会が設けられ、蓄電池、水素、バイオものづくり各領域の研究開発方針が策定されています。そして、5月にはそれを受けてJSTの中に革新的GX技術推進委員会が設置され、研究開発計画を策定、それに基づいて公募に移り、2か月強の公募時期を経て採択を決め、2023年10月に採択テーマを発表して研究開始したということであります。1年後、24年にも追加公募、1件採択しております。
次のページお願いします。これがGteXの研究開発実施体制ですが、私がPDで、上述の革新的GX技術推進委員会のサポートを得ながら全体管理をしておりまして、蓄電池領域は大阪大学名誉教授の桑畑先生、水素領域は山梨大学名誉教授の内田先生、そして、バイオものづくりは神戸大学名誉教授の近藤先生の各POの下、事業を進めています。蓄電池はここにありますように8チーム、水素は3チーム、バイオは5チームでありまして、参画機関が合計78機関、約270名の研究者が参画しています。
それから、蓄電池の一番下にあります共通基盤のところは、蓄電池の下にありますが、水素領域も支援するということになっております。
次のページをお願いいたします。これはGteXの参加研究者の分布でありますが、北は北海道大学から南は九州、一番南は宮崎大学まで、全国の幅広い機関が参加しております。
次のページをお願いします。GteXの研究開発マネジメントですが、まず先ほどのALCA-SPRINGの10年間の経験を生かしながらステージゲート評価を行います。実際、1回目のステージゲート評価を今年度の昨年の8月~11月に行いましたが、それに先駆けて戦略会議を行い、国内外の状況を把握しながらステージゲートを行いました。
それから、成果最大化、早期の社会実装を目指して、文科省、経産省の各課長級及びNEDO、JST、関連PJリーダーなどが参画したガバニングボードをおのおのの領域に設置して、プロジェクト間の連携の推進を図っています。
蓄電池については、既に経産省傘下のLIBTECの参画企業への説明会を実施するなど、社会実装に向けた活動を開始しており、企業から問合せを受けています。また、スタートアップも水素領域で1件発出しております。
それから、共通機器につきましては、先ほどもありましたように、ALCA-SPRINGでは蓄電池基盤プラットフォームをNIMS中心に設置し、それが非常に有効に働いたということで、今回も領域毎に主要な研究機関に大型機器を設置、専任のオペレーターを配置して共用を図っています。GteX研究参画者は無料で使用でき、スペシャリストのサポートを受けることができます。なお、ALCA-NextはGteXとは形式上は別事業ではありますが、そこの研究者も支援をするということにしております。ALCA-Nextは比較的若いメンバーが多いこともありまして、これは非常に重要だと思っています。
さらに、研究データに関しては、データマネジメント方針、データマネジメント規則を策定して、研究データの収集・保管、それから活用について議論を進めています。
人材育成にも力を入れています。これは先ほどもありましたように、ALCA-SPRINGでは約900人の学生を輩出し、そのうち700名が企業に就職したということでありまして、ここでも当然のことながら人材育成をこれまで以上に強力に推進しています。今年度の登録学生数は845名でうち博士の学生が183人と、非常に多くの学生が参画しています。さらに、オンラインの講義シリーズ、若手の合宿研究交流会などを実施し、知識と意識の向上を図っております。
人材育成にも関係しますが、この分野で世界をリードするためには、研究開発はもちろん、科学政策等、多様な階層で世界をリードする人材の育成が必要であると考えており、国際連携を戦略的に実施しています。具体的には、個々の研究者のレベルアップを図るとともに、領域全体において我が国の存在感を示すために、パートナー国との大学・研究機関と戦略的国際連携方針に基づいて、研究者、特に若手研究者の派遣、受入れ、共同研究などを実施しています。
次をお願いします。ここでは国際連携の推進についてまとめておりますが、蓄電池領域では、アメリカはDepartment of Energy(DOE)、イギリスはFaraday Institution、ドイツはBMFTR、イタリアは大臣連携合意に基づいてCNR、といった代表的な組織と連携しており、ワークショップを継続的に実施し、さらには、研究者の交流が始まっており、情報交換、学生派遣・受入れ、共同研究等が進んでいます。
それから、各国の代表研究者と定期的に会合をしており、今は一対一の連携ですが、一方で、例えばイギリスはアメリカと、また、イギリスはドイツというような、おのおののところでいろいろな2国間をやっておりますので、大きく多国間連携ができないかというような議論もしております。
一方、水素については、アメリカとはDOEと連携に関する議論を2024年に行いましたが、御存じのように、政権交代に伴う大きな方針変更があり、先方のDOEの主要メンバーがもう退職してしまったというようなことで、現在は交渉を停止しています。
ドイツについては、昨年、主要機関を訪問しまして、連携について合意しておりますし、バイオについても、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア等と連携を始めております。特にドイツ、イタリアは、もともとの私がPDとして水素、あるいは蓄電池に関する連携に関連してGteXの説明をしたところ、バイオにもぜひ一緒にやりたいということで話が進んでおり、ドイツもイタリアも合同ワークショップとオンライン連携等をやっています。実際、2月第2週にはベルギー、ドイツ、フランスのバイオ関連機関の訪問をしましたが、非常に前向きに迎えられ、連携に向けて機運が高まっています。
なお、JSTの別事業で、ASPIREという国際連携事業がありますが、それとの連携が有効に機能しておりまして、そこでの知見、こちらでの知見がお互いに相互に働いております。
それから、GteXにおいては、学生支援についてはPD裁量経費で推進しており、フューチャーフェローという名前をつけて、修士だと3か月以上、博士は6か月以上の留学を促進しています。
以下、具体的な3年間の成果です。リチウムイオン電池は現在実際に使われているものですが、よく御存じのように、発火事故などの問題がありますが、ここでは高温耐性の非常に強い電池を作るということに成功しています。次に、ナトリウムイオン電池に関する成果です。これは実用化の面で中国が非常に先行しているのですが、基礎研究としては、GteXナトリウム電池チームのチームリーダーをしております東京理科大の駒場先生が元々リードしていたものですが、GteXでは実用化に向け研究を進めた結果、大幅にエネルギー密度が上がり、電池を作る技術も発展してきています。
それから、マグネシウム電池です。これも資源制約に関連して非常に有効な蓄電池ですが、室温作動が可能となっています。
それから、全固体電池について。これは非常にいろいろなところでも今話題になっておりますが、新しい手法で固体電解質の性能向上が実現できています。
次のページお願いします。水素については、水電解は実際、今、いろいろなところで実用化されていますが、酸素極では触媒として非常に高価なイリジウムを使うという大きな問題があり、それの大幅削減を目指して研究を行い、50%以下に落としても同一性能が出るというようなものを見つけております。
それから、現在は固体電解質膜として、プロトン伝導性のものを主として使っていますが、ここでアニオン交換膜を使って、特に現在問題になっておりますPFASフリーの材料を開発しました。
さらに、新しいコンセプトとして、プロトン伝導性のセラミックスを電解質として用いた、かなり低温で動く燃料電池の開発に成功しております。
水素貯蔵についても、室温で従来の性能を超えるものができてきています。
バイオものづくり領域については、C1化合物を原料とした有用物質生産、および微細藻類の利用に成功し、周りの環境の相互作用というのは非常に重要である植物系で寄生線虫を認識する仕組みを解明し、さらに迅速スクリーニングの技術を開発するなどの成果が上がっています。
ステージゲートに向けて戦略検討会議を時間をかけてやりまして、現在の国際状況、各領域の進捗等を議論しながら、今後どのようにしていくかということをまとめてステージゲート実施の参考としました。次のページをお願いします。ステージゲート結果の詳細についてはまだオープンにしていないので、ここでは蓄電池領域についてだけ示します。もともと安全性、資源制約フリー、軽量・小型・大容量といったターゲット志向で公募を行い、8チームを採択し、研究を推進してきましたが、ステージゲート後の新体制では実用化に近いレベルで区分し、関連した電池系2つをまとめてチームとし、各電池系はサブチームとしました。
加えて、共通基盤チームを強化しました。これまでは各チームに計測の専門家が所属していましたが、例えば放射光ではいろいろな計測法があり、研究者毎に得意な手法があるわけですが、特定のチームに所属していると、他のチームの人は見えないということがありますので、これらの研究者をまとめて見える格好にしました。GteXにおいては、ナノテラスのコアリションメンバーになって毎年200時間使用する権利を持っていますので、その有効活用を図るということでやっております。
それから、これは現在話題になっており、今後ますます重要性が増すと考えられるAI for Scienceに関連しても、計測、計算、データ、自動実験といったグループをまとめて対応していきたいと考えています。
次お願いします。ここからはGteXと連携しているALCA-Nextについての説明です。ALCA-Nextでは、先ほども言いましたように、比較的小ぶりなチームで幅広い領域でやっています。これは毎年予算要求して頂いているということでありまして、2023年度、4年度、5年度と、毎年新規採択しますので予算は増えていますが、新規採択課題数は28、15、10と毎年減っていっております。こちらは非連続なイノベーションを目指すということで、GteXよりも幅広い分野・領域をやっているというところに大きな特徴があると考えています。
次のページをお願いします。ALCA-Nextの進め方は前のALCAのときの考え方を引き継いでおりまして、まずスモールフェーズを、3年間半程度2,500万円/年で行い、その段階でステージゲートを実施し、加速フェーズに移行するチーム数を1/3とし、残ったチームの研究費はそれまでの3倍の7,500万円/年で研究を推進します。ちなみに、2,500万円/年をスモールフェーズと言うのは、大学の研究者からするとちょっと違和感があるのではないかと申しています。
次お願いします。これはALCA-Nextの運営体制ですが、エネルギー変換・蓄エネルギー、資源循環については横浜国大の渡邉名誉教授、グリーンバイオテクノロジーは筑波大学の江面教授、そして、半導体、グリーンコンピューティング・DXは、東大の黒田先生にPOをお願いしています。
特に資源循環と半導体、グリーンコンピューティング・DXについてはGteXにはない分野ですので、うまく連携することを期待しています。
募集採択状況です。募集を3回行い、55課題を採択しています。なお、上記の領域に加えて『その他新発想』という募集も行いました。それから、2,500万円というのは若手の研究者にとってはなかなか応募のバリアが高いということで、FSというものを募集いたしました。その結果、金額は極端に低く250万円ですが、それでも10倍以上の応募があり、非常に若手の採択率が上がりました。それから、採択者の女性比率も上がっております。
次のページに募集採択状況を上げておりますが、採択率を見ていただきますと、十数%から昨年は全体で7%、それから、FSについては常に10%以下という、非常に厳しい競争になっております。
次のページをお願いします。事業マネジメントは、GteXと連携するということで、GteXの領域会議にALCAの研究者が参加する、あるいは、先ほどの装置を使えるというようなことを行っており、それから、お互いのPOもアドバイザーになるなど、情報共有も実施しております。
国際連携については、半導体領域については、JSTとUKRIのマッチングファンドで3課題を採択し、日英国合同ワークショップ等も実施しており、半導体分野については、研究セキュリティ面への対応を先行して実施しました。それから、2026年度はALCA-Nextの初めてのステージゲートを実施することになっております。
次お願いいたします。成果のトピックスは、時間が限られますが、新しい興味深い研究成果が出てきております。
次のページお願いいたします。ここはもう一度まとめになりますが、GteXとALCA-Next全体をまとめながら推進しているということで、参画研究者が、研究者だけでGteX276名、ALCA-Next135名、合計400名、それに共同研究者・学生が加わり非常に大きな組織となっています。学生はここにありますように現時点で両方合わせますと約1,000名が毎年参画しています。
次お願いいたします。これはGteXとALCA-Nextの参加者の分布ですが、日本各地の広範な機関から参加していることが分かります。カーボンニュートラル創出では、既存の学問分野にとらわれない新しい視点が必要ですが、GteXおよびALCA-Nextをあわせますと、半導体からバイオまでという非常に幅広い研究者がいますので、これまで不十分だった連携をこの中で推進したいということで、異分野の研究者が議論できる分野横断シンポジウムを企画しましたが、1,000人を超える研究者を一気に集めてやるというのは難しいことから、地域ごとに実施しました。例えば、東大は参画者が多いので単独で実施したのですが、東大の研究者同士でも初めて会ったという人がかなりいたというようなことで、それなりに有効に働いたのかなと思っております。
以上です。
【本郷主査】 御説明ありがとうございました。いろいろ工夫されているようで、非常に印象深かったなと思います。
ただいま報告いただきました内容につきまして御質問等がございましたら、御発言をお願いしたいと思います。オンラインの方は挙手機能をお使いいただければと思いますが、いかがでしょうか。
まず、私のほうから、1つお伺いしたいんですけれども。先ほど米国で担当者がかわったという話がありましたが、今、アメリカではいろいろなことが起きているので、こういった分野についてもかなり影響が出てきているという状況なんでしょうか。
【魚崎PD】 水素については大きく減額されています。一方で、Office of Scienceの予算はそれほど大きく影響も受けておらず、当初の大統領の2026年度予算要求においても、減額は非常に少なく、比較的守られているという印象です。ただし、例えば、蓄電池も今まで強調していた気候変動との関連には触れず、視点を変えながらやっていく必要はあるということのようです。
水素については、もともと昨年6月に予定されていたDOEのAnnual Merit Review Meetingが中止になるなど非常に大きな影響を受けています。バイオについてはまた強力に進めたいという印象です。
繰り返しですが、蓄電池はDOEの中でもOffice of Scienceに加えてVTO(自動車局)が大きく支援していますが、こちらは影響を受けているようです。とはいえ、水素ほどの影響は受けていないようです。なお、前述したようにGteX蓄電池領域ではDOEと連携しており、第2回ワークショップを8月の開催に向け今週の土曜日に打合せの予定ですが、軸が少しずつ変わってきており、AI for Energy Storageを主題にやりたい、と言われていますが、大きな方向性としてバッテリーはやっていきたいということになっているものと思います。
【本郷主査】 ありがとうございます。気候変動とあるいはそれに絞ったようなところは影響を受けているけれども、それ以外のエネルギー関係、産業関係のところは名前を変えて継続されているという状況ですかね。
【魚崎PD】 産業、蓄電池では今までも大きな、10年間のちょうどGteXと同じ規模のJCESRというプロジェクトを、アルゴンヌの研究所を中心に行っていたのですが、去年ぐらいから新しいハブが2つできました。それについては順調にスタートしておりまして、そこと我々は連携しております。
【本郷主査】 ありがとうございます。
堅達委員から質問がありますので、堅達委員、お願いいたします。
【堅達委員】 私は文部科学省のナノテクノロジー・材料科学技術委員会の委員も務めているんですけれども、今お話を伺っていて、いろいろな分野の研究者が垣根を越えて一緒にやっていくというところに非常に価値があるというふうに感じたんですが、実際、そういう素材関係の研究者と具体的にどういう連携をしていらっしゃるかとか、もし進んでいるものがありましたら教えていただきたいと思います。
【魚崎PD】 ありがとうございます。実は私、JSTのCRDSのナノテクノロジー材料ユニットの上席フェローもしておりまして、そちらもよくフォローしているのですが、蓄電池の場合、非常にスペシフィックに何とか電池とは書いておりますが、一方で、多くの部分、特に計測、計算といった基盤的なところは、共通化できるところがたくさんあります。もっと言えば、バイオであったとしても、今回フランスに私も同行しましたが、そこで置かれている装置群あるいはやり方というのは、こういう材料関係とも共通性があるということで、それはお互いが知り合うということで非常に進んでいくだろうというふうに思っております。
実際、材料も共通の、例えば炭素という材料について、別々のチーム間で有効に情報交換したりするというような形で進んでおります。
【堅達委員】 ありがとうございます。
【本郷主査】 堅達委員、ありがとうございました。
続きまして、佐々木委員、青砥委員の順番でお願いいたします。佐々木委員、お願いいたします。
【佐々木委員】 九大の佐々木です。まず、包括的な御尽力、ありがとうございます。それから、グリーン分野のまさにフラッグシッププロジェクトでございますので、引き続き御指導よろしくお願いいたします。
私からは確認ですけれども、先ほどの予算のところの説明で聞きそびれたかもしれないんですが、ALCA-NextとGteXについての来年度の新規募集というのは、ALCA-Nextで新規5課題分程度というところだけと考えてよろしいんでしょうかというのが確認です。よろしくお願いします。
【魚崎PD】 GteXはチーム研究で最初スタートして、翌年はポートフォリオを考えて1件追加公募しましたが、これはもう公募はしません。一方、ALCA-Nextは予算を確保いただいた分で公募するということで、来年度は5件程度の予算をいただいたということで、少しずつ新規採択の数は減ってきています。
それから、これまでFSをやっておりましたが、FSは、2年間研究を行った後、本格的なALCA-Nextに応募するということを前提で募集しておりましたので、2年先にALCA-Nextが募集できるのかどうか少し不明なところもあるので、今年はFSの募集もやらないということになっております。
【佐々木委員】 御説明ありがとうございました。
以上です。
【本郷主査】 佐々木委員、ありがとうございました。
続きまして、青砥委員、お願いいたします。
【青砥委員】 質問を3つさせていただきたいと思います。
1つは、既に御説明はあったと思うんですが、GteXとALCA-Nextが2本立てになっている理由がよく分からなかったので、重なっているところもあると思うんですけれども、そこをもう一度御説明いただければと思います。
2つ目は、ステージゲートの評価が昨年8月から11月に実施されたということで、今日は詳細はないというお話でしたけれども、ステージゲートの評価の中で、社会実装に向けてこれが進んでいると、これはとてもいい進捗だというものがあったかというところを可能な範囲でお伺いしたいと思います。
3つ目は、2つ目の質問の発展になるんですけれども、これは最終段階まで研究が進んだとして、その中で、国際競争力があって国際的な最終的に使われる技術として完成するネタはちゃんと入っているでしょうかということの確認です。というのも、最後、研究が終わって、一応製品にもなったけれども、国際的にはそれは使われない技術だけやっていましたみたいなことにならないように、可能性が高い技術がちゃんとカバーされているかというところを質問させていただきたいと思います。
以上3点でございます。
【魚崎PD】 GteX、ALCA-Nextの関係は、もともとの以前のALCAとALCA-SPRINGという関係のところともありまして、前回のALCAというプロジェクトをスタートしたときは、今で言うALCA-Next的なものが中心で、その後、特に集中的にやるものについてはチーム研究をしようということでALCA-SPRINGができたわけですが。
一方、今回、2022年度で全てが終わる段階で、概算要求時点ではGteXとして、探索型とチーム型という2つの形をつくり、チーム型がふさわしい、蓄電池、水素、バイオものづくりについてはチーム研究で、一方、さらにその下支えをするようなものについては探索型でとの提案でした。そのうちのチーム型のほうが幸い基金化されて、予算としては別枠になったという背景です。
ですので、チームでやるというのは、ある程度目標を定めてやっていくわけですが、一方で、もう少し幅広い研究者の融合をして、ゲームチェンジングなものを求めていこうとするということでALCA-Nextが置かれています。
それから、ステージゲートの成果については、例えば、蓄電池で言いますと、ここに挙げたものは全てかなりのレベルに至っておりまして、特に、先進リチウムイオン電池チームの、高温作動型の新規溶媒とか新規セパレーターなどはすぐにでも産業界に展開出来るレベルに到達していると考えており、先ほども申し上げたとおり、LIBTECのメンバーに紹介する、など社会実装に向けた取り組みを行っております。
それから、ナトリウムイオン電池についても、これはもう既に中国が非常に活発にやっているわけですが、日本としても競争力のあるものをつくりたいということでやっております。
そのあとのものとも関係しますが、こういったものについては、GteXの範囲で社会実装するということは当然なかなか難しいことでありますし、この先、企業とも連携しながらNEDOプロに行く、あるいは、コンポーネントが非常にいいものであれば、直接GI基金をやっている企業あるいは企業そのものに展開していくというようなことでやっていきたいと考えています。当然、国際競争力がなければ話にならないので、前回のALCA-SPRINGのとき以来、知財についても何でも出したらいいということではなく、国際特許になるような非常に強いものをつくる、というポリシーでやっています。
それから、国際連携をやっているのも、ただ行って仲よくなるということだけではなくて、今後の展開も考えながら、あるいは連携するところは連携し、競争するところは競争するということを念頭に置いてやっています。
以上です。
【青砥委員】 ありがとうございました。
【本郷主査】 青砥委員、ありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、それから水無委員の順番でお願いいたします。佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】 御説明ありがとうございます。産総研の佐藤です。
GteXの研究実施体制とALCA-Nextの体制につきまして、実際に事例も紹介していただき、ありがとうございます。私からは、ぜひ教えていただきたいと思うことが1点だけなんですけれども、文科省としては、人材育成にしても、そして最先端の研究にしても、今もそしてこれからもコアになる事業というか、こういったことをやっていらっしゃると思って、本当にすばらしいことをやっていらっしゃるという思いで見ています。
国際的な動きとか非常に動きが早い中で、視点を変えながら、難しい潮目とかも読みながら、そういったお考えをこの体制で現場に下ろして、現場の研究者あるいは学生、そういった先生方に下ろしてまたうまく回していくというところにすごく難しさがあるように思うんですけれども、すごく有効だったとかそういったことはあるのでしょうか。こういったふうにやったらうまくいったとか。文科省以外にもすごく有効な手法になるんだろうなと思ったので、ぜひそのあたりを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【魚崎PD】 なかなか難しいところではありますが、例えば、この戦略検討のプロセスの中でも、常時、我々のプロジェクトの置かれた環境、それから国際動向、そういったことをできるだけお伝えし、今回も、ステージゲートが終わった後も、ステージゲートの意図、ステージゲートで今度大きく組織変更する、特に蓄電池がそうですが、そういう意図をチームリーダー中心に紹介するといったこともしております。
それから、国際連携を通して、特にワークショップ等に参画いただいて、国際的な動きに直接触れていただくことが大事だと思っています。例えば、AI for Batteryといった話になると、アメリカなどは非常に敏感にそちらへ動くのですが、日本の場合は、やや腰が重いというと変な言い方になりますが、『電池研究者は電池をちゃんとやっていこう』ということで、なかなか言葉は難しいですが、浮ついたというか、すぐAIに飛びつくというようなことはどうか、というような人もいます。
とはいえ、世界の中で競争していくためには、いいものは使っていくということが大事であり、そのためには、特に影響力のある主要な研究者にこれからのアメリカのワークショップ等に参画いただき、世界的動向に触れていただくことが大事かと思っております。
それから、運営のところですが、PD、PO、そしてチームリーダー、一般研究者、さらには学生まできちっと情報が共有されながら、意図が共通になっていくということが非常に大事ですので、ステージゲート、それから領域会議等に、私も出席して叱咤激励ではないですが、情報の共有を積極的にやっています。
それから、先ほど、特に蓄電池は、前回のALCA-SPRINGにおいて新たな研究室が十数個生まれた。つまり、それだけ影響力がある人たちが育ったということで、そういうことも、それに続く人たちも非常にやる気が出てくるということです。
これも今回の資料に入れたかどうかは不明ですが、ALCA-SPRINGでも修士の学生を600人輩出しましたが、ドクターが120人出ています。ドクターのうち50数名は企業に行ったというようなことで、そういう考え方がきちんと伝わると、研究者、いわゆるアカデミアだけではなく企業に進むということを前提にドクターに進むということが起こっており、これはチーム研究のよさじゃないかと思っております。現在も大きな人数を抱えてやっているわけで、その人たちをきちんと育てていくことが低炭素化技術という世界的課題を進める上で非常に重要だと思っております。
以上です。
【佐藤委員】 どうもありがとうございます。
【本郷主査】 ありがとうございました。
続きまして、水無委員、田中委員の順番でお願いいたします。まずは、水無委員、お願いいたします。
【水無委員】 水無です。まず、御説明ありがとうございました。GteXそれからALCA-Nextが確実に前進しているんだということを感じました。
そこで、質問ですけれども、先ほどステージゲートで電池のケースを御説明されたと思うのですが、その中で基盤をチームとして分けた。
【魚崎PD】 前から基盤チームはあります。
【水無委員】 前からですか。そのときに、AI for Scienceに備えてGXであるとか、そこについて強化するような御発言があったのかなと認識しているんですけれども。ほかのテーマ、例えばバイオであるとか、そこでもAIとよく言われて、特に生成AIをどう使うかとか、かなりグーグルであるとかが進んできていると思うんですけれども、そこに対してどういう施策をこのGteXの中では考えられているのかというのをもしあればお聞きしたいというのが1点。
それから、もう一点は、定性的な質問になるんですけれども、若手の方のテーマを採択されていたと思うんですが、そこで感じられる若手の成長とかそういうことがもしございましたら、共有いただきたいなというのが2点目です。
それから、3点目はコメントなんですけれども、電池においては標準化というのがかなり進んできて、その中で日本もある一定のポジションを築けてきていると思うんですが、例えばバイオに関しては、今まさにグローバルで標準化の議論が進んでいるところと認識しておりますけれども、そこで遅れずに、好ましくは先導できるような進め方を進めていただきたいなと思います。これはコメントです。
以上です。
【魚崎PD】 組織図を見ていただきますと、左側が今までのものですが、一番下に、字が小さいですけれども、「共通基盤(蓄電池基盤プラットフォーム)」とあって、計測基盤、DX基盤、自動実験というのがあります。
このチームは蓄電池の下において、少し水素領域のメンバーもサポートするということで、例えば、計測基盤にはNIMSの増田センター長がいるだけで、計測関係の研究者は各チームにちらばっていました。新体制では、蓄電池基盤プラットフォームというインフラの部分と、各チームに別々に参画している人の主要な人をピックアップして併任してもらって作る計測基盤グループとして参画いただいて、ここでグループミーティングをやることで、こっちの電池系ではこれが成功したとか、こっちはこれが困っているというようなことを議論し、解決策を探る機会としたい。
それで、これは実は電池にとどまらず、特にこのDX基盤グループ、これはNIMSの出村グループリーダーがやっているわけですが、それは当然、水素はもちろん、バイオなんかとも連携していきたいというふうに思っています。新体制では、共通基盤研究チームは、少なくとも蓄電池領域と水素領域の下に置くということにしております。
2つ目の若手の成長については、例えば、1つの例で言えば、先ほどFSという話をしましたけれども、FSとして採択して2年後に本格型に応募してもらうことを想定していましたが、ものすごく進んで、1年目で本格に移った人もいます。これは自動的に移るのではなくて、応募して通っているということです。
FSの人はほとんど助教クラスで、予算が250万円/年ということもあり、それだけにチャレンジングな提案があったように思えます。FSの場合は採択審査で面接もしない、それから、その時点では予備実験をしていなくてもいいというような、思い切ったことを提案してくださいということでしたので、逆にそこがよかったのではないかと思っています。ですから、本当はPO達もこれはぜひ残したいと言われていたのですが、全体の都合上、今回やめるということになりましたが、若手が一番成長する非常に有効なやり方だったと思っています。
それから、もう一つは、GteXの中でも、前回のALCA-SPRINGもそうですが、これだけ大きな組織でやっているために、優秀な若手がすぐに目をつけられ、どんどん動いていっています。
幾つかの例がありますが、前回のALCA-SPRINGだと10年やりましたが、最初まだポスドクレベルだった人が特任准教授になり、准教授になり、最後は教授になったと、ホップ・ステップ・ジャンプというような例が幾つかありました。こういう中で切磋琢磨して、顔が見えてくるといろいろなチャンスが与えられるということで、それも機能しているのではないかと思っております。
それから、バイオについてはそのとおりで、標準化というか、バイオは、神戸大、近藤先生なので、比較的、国際的にもいろいろ力のある人ですので、ぜひその辺は頑張っていただこうと思っております。
【水無委員】 ありがとうございます。
【本郷主査】 ありがとうございました。
田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 御説明ありがとうございました。
私から最初に既に予算のコメントをさせてもらいますけれども、文科省におかれましては、こういった非常に面白いというか、期待できるテーマを設定いただいて、期待できる内容だなと思いましたので、コメントさせてもらいます。特にエネルギー、データセンター向けのエネルギーは電力変換が非常に必要になってくると思いますので、GaNの研究その他のところと、あとデータセットをそろえるところは非常に興味があるので、ぜひこれは期待しております。
そこで、御質問というか、GteXのほうですけれども、これは非常にすばらしい活動をされているなと思って聞かせてもらいました。特に、日本の強みの一つというのは、どの分野にも必ず研究者がいて、それを何年もやっていらっしゃるという基盤があるということだと思いますが、そこにおいては非常にすばらしい活動をされていて、オールジャパンのコミュニティーが出てきているというのはすばらしいなというふうに聞いておりました。
私からは2点ありまして、一方で、今まで委員の議論にもありましたが、世の中、海外の状況とかいろいろな社会環境を含めると、急に潮目が変わったりする部分もあると思うんですが、そういった意味で、フィージビリティースタディのほうでいろいろなところを取り込んで採択されているということですばらしいんですが、そこでAI×蓄電池、さっきありましたけれども、そういった業界横断型のところをうまく取り入れるような仕組みというのがあったりするんでしょうかというのが1つ御質問と。
もう一つは、すごく幅広く日本の自力を上げていくというのはあると思うんですけれども、一方で、芽が出てきたようなところとか可能性が出てきて対外的にも強みを生かしていきたいというときに、集中的にリソースを強化するというか、もっともっとサポートするようなことというのが必要になってくると思うんですが。これはGteXのほうでやるのか、それともNEDOのほうで進んでもらうのかというところだと思いますが、そういうところ、国際的な競争力をつけようとするときのサポートの仕組みみたいなところというのはどういうふうにお考えになっているのかなという、その2点、御質問というか、お願いできればと思いました。
【魚崎PD】 横断的なという観点では、PDは私でPOが3人いるわけですが、これがおのおの勝手にやっているとなかなか、3つの分かれたプロジェクトになってしまうわけですが、かなり頻繁にPD・PO会議というか、ミーティングを対面でやっておりまして、そこで密接な情報交流をしています。それから、先ほども言いましたように、異分野交流のシンポジウムをやるというようなこともやりながら、横断的に、共通的なことは共通的なことをやっていくようにしています。
私はもともと物理化学の分野にいたわけですが、今回バイオのフランス視察に同行したところ、私が知っているようなバイオの研究室とは全く違って、実験室の状況はほとんど物理化学とそんなに変わらないようなことになっているなということで、先ほどの基盤チーム等もバイオにもきちんと連携していけるのではないかなと思っております。
それから、実用展開については、GteXはもちろん予算も限られておりますので、ここで出てきた芽を、先ほど開発マネジメントのところで触れましたガバニングボード等を通して、成果最大化を意識してNEDOとの連携を図っています。具体的にはNEDOのメンバー、それから連携しているプロジェクトメンバーが相互に研究会に参画して、お互いの状況をうまく理解できるようにしていります。このように壁をつくらないようにしながらやっています。
勿論、NEDOのプロジェクトに移そうとすると、企業も巻き込まなければならないということで難しいのですが、実は来週締切りのNEDOの蓄電池の公募がありますが、それに挑戦しています。そうすることで、国際競争力を持てるようにとの戦略で今いろいろなもの進めています。
それから、NEDOとの連携で言えば、蓄電池については、例えば、ドイツとはNEDOが長く連携しており、また一方で、GteXとしても別途やっていたと言いましたが、2月初めに仙台で行われたNEDO主催の日独ジョイントセミナーで、そういうことではなく、ドイツと日本という形できちんと連携できるような形をつくっていこうということで合意をしています。
ということで、今、御指摘されたところはそのとおりだと思っておりまして、ぜひ進めたいと思っています。ただし、GteXの範囲で、実用化まで行くほどの規模の予算にはなっていませんので、できるだけ展開は早いところで渡していきたいと思っております。
以上です。
【田中委員】 承知しました。ありがとうございます。
【本郷主査】 ありがとうございました。
非常にフレキシブルに対応されておられて、文科省のほうにも何やら宿題っぽい話があったような気もしたりしますけれども、ぜひ続けていただければと思います。また、基礎研究プラス、それから産業界に実際に就職されている、そこで活躍されている方もいらっしゃると、非常にいいバランスなのかなというふうに思いました。
どうも、長い間、いろいろな質問にお答えいただきまして、ありがとうございました。
議題3について御質問等がないようであれば、これまで御発言いただいていない方に、議題1、2、3全体を通して、あるいは、それ以外のところでも、何かお気付きの点とか御意見、せっかくの機会でございますので、いただければと思います。
杉山委員、よろしくお願いいたします。
【杉山主査代理】 発言の機会、ありがとうございます。本日御説明いただいた文科省の施策全般についてのコメントを2つ申し上げます。
1つは、先ほどアメリカの情勢等の話がありましたけれども、目先のファクターで様々に政策的なフラクチュエーションがかかる、あるいは経済的なフラクチュエーションがかかるというのは各プロジェクトでも経験することではあると思いますが、ここで議論しているのは文科省のプロジェクトでありますので、ぜひ我々が将来実現したい、ある意味遠い未来の姿というものをしっかりと見据えた上で、ぶれない政策を打っていただくということが非常に大事だというふうに考えております。
先ほど例でいきますと、水素の話で言いましても、確かにアメリカでは今、水素に対して強烈なバックラッシュがかかっているわけですが、しかしながら、それは、例えばカーボンニュートラルの実現を考えたときに、水素の重要性が消えてしまったわけでは全くない。更に言えば、気候変動に関する疑問が呈されておりますけれども、科学的に考えたときに、気候変動の絶大なインパクトというものに関しては、サイエンティフィックなコミュニティーの中では全くもって影響を過小評価するという動きにはなっていないというふうに認識しています。
ですから、そのようなことをしっかりと見据えた上で、我々としては、まず、エビデンスに基づいて、あるいは科学的な知識に基づいて、どういう政策を打っていくのが正しいのかということをぜひこういう場も通じて議論をしていく必要が、絶対に必要であろうということを申し上げたく、1点目でございます。
2点目なんですけれども、今回、GteXはもともとカーボンニュートラルに貢献するボリュームゾーンを狙う技術ということで設計されておりますので、既に織り込み済みだということではありますが、ほかの施策も含めてのコメントです。
我々としては、環境エネルギーについての議論をしていますので、その目的といたしましては、先ほども申し上げたような気候変動の防止、あるいは、場合によっては気候変動への適応ということも入ってくるかもしれません。それから、ネイチャーポジティブという非常に広範な概念があります。
こうしたことに関して、今回説明いただいたような、例えば半導体などもそうですが、先進的な技術、あるいはAI等も含めてエマージングな技術が次々に出てきていますが、やはりカーボンニュートラルであるとかネイチャーポジティブであるとかそうした実現に向けて、一体それらの技術がどのように定量的に貢献し得るのかということは、研究をしているその方そのものが議論できるとは必ずしも限りませんけれども、こうした環境エネルギー技術分野全体としては、そのような開発中の技術あるいは今後施策として打っていくべき技術がどのような目的に対して定量的な貢献をし得るのかということに対する全体的な分析というものは、絶対に必要であるというふうに考えております。
これは私も何度か申し上げていることではあるんですけれども、そうしたいわゆるインテリジェンス的な、ただ、インテリジェンスというのは、経済安全保障的なインテリジェンスというよりは、ここで言うのは、そうした我々の目的に対する各技術がどのように貢献するのかということに関する俯瞰的かつ全体的な様々な要素、相関関係も含めたような定量関係をもって分析し、かつ、それをもって政策の評価であるとか提案をしていくようなインテリジェンス機能というものも、ぜひこの環境エネルギーの分野の中で、文科省側、つまりサイエンティフィック・コミュニティーからどのようにその下に取り組むことができるのかというような取組をやっていくべきだというふうに考えております。
ですので、こうしたことについても、個々の技術の開発を協力に進めるとともに、同時並行の形でそのようなアクティビティーをぜひ盛り込んでいただくことが必要ではないかというふうに考えております。これが2点目です。
以上です。
【本郷主査】 杉山委員、ありがとうございました。
それでは、次に、石川委員、所委員、平本委員の順番で、全体的な話、コメントなど、御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。最初に、石川委員、よろしいでしょうか。
【石川委員】 海洋研究開発機構の石川です。よろしくお願いいたします。
今日は、来年度事業及び今年度の補正についての説明、ありがとうございました。いろいろなプロジェクトが順調に進んでいるということ、また、予算確保についてもきちんとしていただいているということで、環境エネルギー課をはじめ関係者の御努力については非常に感謝しておりますし、期待しております。
私のほうからコメントとしては、今日のところでも少し議論の中でも出てきましたが、環境エネルギー課の事業として、研究開発についてきちんと進めていくとともに、社会実装の部分というのをどうつなげていくのかというのは大きな課題だと思って聞かせていただきました。私が関わっているところ、気候変動研究でも、民間からの情報のニーズというのは非常に高まっておりますが、なかなかアカデミックなところと実際の産業利用というところをつなぐというのは簡単ではないというのを私も実感しております。
この辺りについて、環境エネルギー課としてどこまでやるのかというのもありますし、やはりこれは他省庁との連携というのは非常に重要となってくるので、この辺りをうまく連携してやっていただきたいなと思っております。
また、海外との連携というのももちろん重要ですので、特に国際情勢は不明瞭なところが多いですけれども、その中でも我々として、日本としてやるべきことをきちんとやっていくというところを進めていただければと思っております。
引き続き、よろしくお願いいたします。
【本郷主査】 御意見ありがとうございます。
続きまして、所委員、お願いいたします。
【所委員】 所です。本日は、大変まとまった資料をお見せいただいて、また、お話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
今日のお話をお伺いして私が感じましたところは、来年度に向けてしっかりと予算確保していただき、プロジェクトもいろいろな工夫を凝らして進めていただいているんですけれども、一研究者としていろいろなプロジェクトに関わらせていただいた実感としては、研究者というのはしっかりと時間を研究に費やして、また、研究とその研究の成果を発信する、これは学会や論文ですけれども、この時間をしっかりと確保するということが非常に大事で。
今日はいろいろなプロジェクトの仕組みもお示しいただきましたが、ぜひその時間がちゃんと確保できるという方向で仕組みづくり、特に最近感じますのは、研究者がしっかりとやるためには、支えてくださるいろいろなコーディネーター、もちろんプロジェクトであればチームの統括、それから事務局、URA、いろいろな方が必要なわけですけれども、こういった方も横断的に一緒に育てていくというような仕組みが更にこの中で醸成されていくといいなというふうに思って聞かせていただいておりました。
ありがとうございました。
【本郷主査】 御意見ありがとうございました。
では、最後に、平本委員、お願いいたします。
【平本委員】 平本です。いろいろ情報をいただきまして、ありがとうございました。
私は専門が半導体です。今日の議論の中では、次世代エッジAI半導体研究開発事業の採択が決まりました。もう研究が始まっていると思いますが、非常に大きな額で、チームも非常に大型だと思います。この事業については、私自身が文科省の次世代半導体のアカデミアにおける研究開発等に関する検討会のときからいろいろ関わってまいりまして、やっとこういう形になって非常によかったと思います。半導体は、息の長い研究が必要ですけれども、アカデミアからいろいろなことを発信していってほしいと思っています。
それから、半導体では、先ほどの次世代エッジAI半導体研究開発事業の資料にも、著名な国際会議で発信するという言葉がありまして、「半導体のオリンピックと言われる国際会議」というような文言があったかと思いますが、これは半導体のチップ設計では、ISSCCと呼ばれている国際会議のことです。これは毎年2月開催で、実は今行われております。私は今サンフランシスコにいて、その国際会議に参加しているところです。チップ設計では毎年2月のISSCC、それから、デバイス材料系では毎年12月にIEDMという国際会議があります。
その傾向について申し上げますと、残念ながら、日本の論文数が減りつつあります。今回、今行われている2月のISSCCは、日本から12件でした。去年の8件から増えてはいます。中国は約100件です。それから、アメリカと韓国が約50件です。この傾向は今年、急にそうなったわけではなく、過去10年ぐらいの傾向でこうなっています。ですから、急に挽回するというのは無理ですね。長期的な計画を立てる必要があり、やはり人材育成が重要だと思います。
半導体は少しほかの分野とも違うかもしれません。特に回路設計は1人でできるようなものではありませんので、大きなチームが必要です。半導体設計については、次世代エッジAI半導体研究開発事業でも多くのチームが採択されておりますので、長期的な視点に立って、1年、2年ではなく、もっと次の新しいアイデアを出していくというところで日本の貢献をぜひ期待したいとに思います。
それから、これも感じることですが、今回、日本の大学の12件のうち6件が大学です。企業が6件です。ただ、中身を見ると、ファーストオーサーが留学生のことが多いのです。これはISSCCでも12月のIEDMでも同じです。日本人が必ずしもファーストオーサーではないということがあるので、大学の研究室としては、留学生は大きな戦力です。留学生と一緒にどのように研究室を運営していくかというのが極めて重要です。こういう議論も文科省も含めてぜひプラスに進めていっていただきたいと考えているところです。
以上です。
【本郷主査】 貴重な御意見、情報、ありがとうございました。
本日予定されている議題は、全て終了いたしました。最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。
【鈴木(事務局)】 本日の議事録は、後日、事務局よりメールで委員の皆様にお諮りをさせていただいた後、文科省ホームページに掲載をすることで公表させていただければと思います。
また、次回の日程につきましては、主査に御相談の上、改めて事務局より御連絡をさせていただきます。
以上です。
【本郷主査】 ありがとうございました。
では、これをもちまして、第13期環境エネルギー科学技術委員会の第2回を閉会いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
―― 了 ――
研究開発局環境エネルギー課