大強度陽子加速器施設評価作業部会(第12期)(第4回) 議事録

1.日時

令和5年12月25日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省内15階局1会議室及びオンラインのハイブリッド形式

3.議題

  1. これまでの作業部会の質疑に対する回答
  2. 報告書(案)について
  3. 中間評価票(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

高原主査、飯沼委員、石切山委員、大竹委員、上村委員、中野委員

文部科学省

稲田研究環境課課長、内野研究環境課課長補佐、田邉研究環境課専門職、村松素粒子・原子核研究推進室室長

オブザーバー

小林J-PARCセンター長、脇本J-PARC副センター長、大友J-PARCセンター物質・生命科学ディビジョン長、柴山CROSS中性子科学センター長

5.議事録

【稲田課長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第4回大強度陽子加速器施設評価作業部会を開催します。
 本日は、皆様、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。本日はオンラインとのハイブリッド形式で会議を開催いたしますので、まずはオンライン会議の留意点について御説明させていただきます。
 通信を安定させるため、発言されるとき以外はマイクをミュートにしてください。御発言される際はミュートを解除してください。議事録作成のために速記者を入れておりますので、御発言の前にはお名前をおっしゃってから御発言をお願いします。会議中、不具合などトラブルが発生した場合については、事前にお知らせした事務局の電話番号へお電話をお願いします。
 なお、本日は、会議公開の原則に基づき、一般傍聴者によるYouTubeでの傍聴を認めていますので、御了承ください。
 次に、配付資料の確認を行います。ズーム上に画面を共有しておりますので、御覧ください。画面が見にくい方は適宜、事前にお送りしている資料を御覧ください。配付資料は資料1から3、参考資料1から4を御用意しております。これまでの議論の取りまとめについては、前回同様、参考資料1に取りまとめておりますので、御参照ください。欠落等ございましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。
 本日は、6名の委員の皆様に御出席いただいております。内訳としては、対面による御参加4名プラス、オンラインでの御参加2名となります。
 なお、J-PARCからは小林センター長、脇本副センター長、大友物質・生命科学ディビジョン長、CROSSからは柴山センター長にお越しいただいています。
 引き続きまして、文科省からの出席者につきましては、私、研究環境課長の稲田に加えまして、基礎・基盤研究課素粒子・原子核研究推進室長の村松が出席しております。
 それでは、以降の議事については、高原主査に進行をお願いします。よろしくお願いいたします。
【高原主査】  それでは、本日の議事に入らせていただきます。まず、議題1として、これまでの作業部会の質疑に対する回答について、資料1に基づきましてJ-PARCセンターより御説明願います。お願いいたします。
【小林センター長】  センター長の小林から説明させていただきます。これは主に第2回目にあった質疑に対する回答ということになると思います。詳細は2ページ目以降にあるのですけれども、1ページ目の概要に基づいて御説明させていただきます。
 まず1つ目がTES検出器の大面積化、米国NISTとの連携や国際化の見通しについてということですけれども、1,000ピクセルを超える大面積な検出器も実現可能となってきている、NISTとは2台目のTES検出器の構築中、国産化に向けては国内需要のさらなる喚起と研究所レベルの基盤支援が必要。
 次はミュオニウムの超微細構造(MuHFS)、Hyperfine Structureについて、磁場をかけて測定するとどの程度精度が上がる見込みかということに関して、精密磁場制御されたMRI磁石を用いた高磁場測定によって0.6ppb程度で、それに合わせてミュオン磁気モーメントも4ppb程度が見込まれる。
 それから、磁気スキルミオンをミュオン顕微鏡で測ることは可能かということですけれども、ローレンツ顕微鏡法を用いることで実空間イメージングを撮影することが可能と考えられます。
 ペロブスカイト太陽電池は企業からの関心はあるか。今のところは、この研究に関して、MLFにおいては学術研究の実験のみになっているということです。
 あと、中性子標的の水銀中の気泡生成の機械学習による最適化について、機械学習の教師データは何かということですけれども、1,000ケース程度の設定パラメータ、いろいろなサイズとか何とか、いろいろあるわけですけれども、を用いて数値解析した結果を教師データとしております。詳細は後ろのほうにありますが、割愛させていただきます。
 以上になります。
【高原主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまJ-PARCセンターから御説明があった内容に対して御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。2ページ以降も御覧になりながら、質問していただければと思います。質疑の時間は10分程度確保しておりますので、どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。オンラインから何かございますか。
【石切山委員】  特にございません。
【高原主査】  それでは、いかがでしょうか、先生方、何か。
【中野委員】  せっかくですので。
【高原主査】  はい。よろしくお願いいたします。
【中野委員】  TESに関してなのですけれども、研究者レベルでの基盤支援というのが必要ということですが、具体的には、その基盤支援とはどういう中身なのでしょうか。
【小林センター長】  基盤支援というのは、一つイメージとしては、やはりテストビームというか、そういうものが一つかなと思いますけれども、今、その検出器の試験のための基盤というか、その場所というのは、一つは今、つくばに1個あるだけですけれども、あとは、そういう意味で中性子とかミュオンという意味では、東海も利用はできると思うのですけれども、例えばそういう場をもう少し広げていくとか。
【中野委員】  スペースの問題ですか。
【小林センター長】  いや、そもそもCharged Particleの場合にはですけれども、Charged Particleの試験って、今、東海にはずっとユーザーから言われてきてはいるのですけれども、なかなか作れていないというのが一つあるかなと思うのですけれども、答えにそのままなっているかどうかあれですけれども。
【中野委員】  いや、何となく低温とか、そういうところじゃないと。
【小林センター長】  ああ、確かにそうかもしれないですね。どうもありがとうございます。
【高原主査】  ほか、いかがでしょうか。このペロブスカイトについては、研究者はかなり関わっているということなのですね。この件数を見ますと。
【大友物質・生命科学ディビジョン長】  そうですね。
【高原主査】  ただ、産業界があまり関わっていないと。
【大友物質・生命科学ディビジョン長】  そうですね。私もその専門ではないのですけれども、ペロブスカイト的なものは耐用性に問題があって、企業でない研究者の人は、その新しい原理とか、新しい材料の開発のところで非常に興味を持っておられると思うのですけれども、企業はまだそういうステージにはないのかなとは思っています。
【高原主査】  ただ、ダイナミクスで測定できるというのは非常にメリットがあると思いますので、成果をアピールすればユーザーも増えてくると思いますけれども、ほか、いかがでしょうか。無いようでしたら、次の議題に移りたいと思います。
本日は、これまでの議論を踏まえて、報告書案について議論し、取りまとめていくというところがメインとなっております。議題2として、報告書案についてです。資料2-1及び2-2につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【稲田課長】  資料2-1、2-2について御説明差し上げます。資料2-2が本体の中間評価の報告書でございまして、資料2-1というのは、それをまとめたアブストラクトとなってございます。
 具体的にそのアブストラクトに沿って説明いたしますと、この評価の「はじめに」というところで、この評価の根拠であるとか、何を目的にするということを明らかにしております。その上で、この評価において前回の指摘事項に対してどのような対応をされたかというところが重要でございますので、その取組状況を確認したところ、おおむね着実に対応なされているけれども、以下の事項については課題が認められ、今後の対応が必要であるということとして、人員確保であるとか、あるいは安全かつ安定な施設運営であるとか、あるいは施設の将来像の具体化と若手人材を惹きつけるための方策であるとか、あるいはユーザーの利便性の向上とセキュリティのバランスをどのように考えるかであるとか、あるいは設備の持続性に関する利用体系の整備と、あと自己収入の獲得についてどのように考えるかとか、J-JOINなど中性子利用、ミュオン利用のプラットフォーム等に関して、これは放射光の利用、活用の拡大等々も含めてどのように考えるか。最後に、一般国民に向けた効果的な施設の広報や国際連携についてどのように考えるかなどというところが今後の対応が必要な事項として指摘されています。
 なお、資料2-2には、これを導き出すのにおいてどのような議論をしたのか、そのときの指摘事項、宿題事項は何か等に対して、枠囲いという形で、これまでの議論の概要をお載せしております。当該部分については、既に委員の皆様は御覧になっていただいていると理解しております。
 続きまして、新たな視点に関してですが、イノベーションを取り巻く環境変化や国際状況の変化を踏まえると以下の点が重要であるというところで2点。すなわち、競争領域/非競争領域のデータポリシーの検討を含む産業利用の拡大と社会実装実現への貢献をどうするのか。物価高・燃油高騰などの対応を踏まえた利用料収入の自己財源化についてどう考えていくのか等々が指摘されています。同様にこちらも、これを導き出すこれまでの検討に関して、枠囲いのところで詳細がございまして、その長い議論を踏まえた中で、その特記するものとして取り出すのがこの2点というふうに整理しているところでございます。
 2.と3.の議論を踏まえまして、中間評価の結果について作業部会からの提言として4.に定めているところ、すなわち、将来計画の実現に向けた取組を具体的に進めること。その際、将来的な人材、若手に魅力的なビジョンを示すとともに、技術継承の課題に対応するための計画的な人材登用等を考えなさいであるとか、燃油高騰を踏まえた利用料の収入と自己財源化を含めた施設運営の改善を図ること、併せてユーザーの利便性の向上を図ること。それから、GX社会等の戦略分野も含めて、今後、産業界における中性子利用の一般化を含めて社会実装の創出につなげ、国民の生活への還元を図ってくださいというようなところを指摘事項として、提言としてまとめてございます。
 最後に当該中間評価に関しては、中間評価、継続する研究開発については5年ごとに行うことになってございますということを踏まえまして、その次の評価については5年後となる2028年頃を予定しているというところを定めてございます。
 以上でございます。
【高原主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から御説明のあった内容に対し、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。質疑の時間はたっぷり50分とっております。どなたでも結構ですが、まず今、骨子案のほうで報告いただいた、まず2番の前回評価指摘事項に対する対応状況のところで、本文を御覧になって何か質問等、御意見等ありましたらお願いいたします。一度委員の先生方、目を通されているはずですので、何か新たにあればお願いいたします。オンラインのほうも何か質問があれば挙手をお願いいたします。評価報告書のほうでは5ページからのところですね。今の前回評価指摘事項に対する対応状況というところは。
【中野委員】  では、よろしいでしょうか。
【高原主査】  はい。中野先生、お願いします。
【中野委員】  ありがとうございます。内容については、これでいいというか、問題ないと思うのですけれども、前回指摘事項に対する対応状況のところで、かなりたくさんの課題がまた出てきてしまったというところは、これは何か考えないといけないかなという感じがしていて、指摘があったにもかかわらず、まだ課題として残っているということなので、書き方なのですけれども、こういう課題がまだ残っているというだけではなくて、それに向けて何らかの取組も行っているということを併せて書いたほうがいいかなという感じはしました。
 以上です。
【高原主査】  ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。大竹先生、お願いします。
【大竹委員】  今、中野先生からの御指摘も踏まえてというか、例えばこの項目のユーザーの利便性のさらなる向上とサイバーセキュリティのバランスって、これ、多分、どんどん難しくなっていく課題だと思うのですね。前回指摘というよりは、そういうことを継続的に新しく取り組んでいく項目みたいなものとして、ここの中間評価として取り組んでいただけるようにというのは、何か項目として作れるのでしょうかね。今のこのサイバーセキュリティは、本当に時々刻々と変わっているので、予算化にしても、人員にしても、やはり施設としては本当に対応していくのが大変なことと思いますけれども、やはり持続的にというところで。
【稲田課長】  御指摘の点に関しては、前回の指摘事項に関して、同じようなことが2と3に出てくるところもありますように、継続的な課題であるというのは事実なのですね。一方、古くて新しい課題で、これに対して今までどういうことをやったか、これは四角の中に書いてあるのですが、それを踏まえ、まだこれだけ残ったので、次の5年間でもやっぱりしっかり見ていかなければいけませんよというところをコールしているところでございますので、その意味だと、この2、3、4のいずれもきちんと対応するべきものというふうに整理していて、この2、3、4にどれが重いとか、重くないとか、そういう優劣があるわけではないという理解をして作っているところではございます。
【高原主査】  ほか、いかがでしょうか。
【飯沼委員】  飯沼です。継続的に対応していかなければいけないことがどんどん増えていくというのと、あと、今まで着実に対応がなされてきたことと両方ハンドルしていく文章になるかと思うのですけれども、例えば達成度とか、項目は紙にずっと出てくるのですけれども、何か目標に対して今どこにいるのかとか、そういう何か、これ、ずっと何年も、今後また2028年にやるということではあるのですけれども、何と言えばいいんでしょうかね。
 文章というか、項目はどんどん増えていく一方になると思うのですけれども、その項目に対してどれだけの達成度を得て、してきたのかという何か定量的な物差しみたいな、何か何%やっていますとか、何%って、そういうふうに評価できるのかどうか分からないのですけれども、例えば当初の目標の何%とか、何かそういう少し定量的な物差しを入れることって可能なのですか、こういう文章のまとめ方。どうなのですか。何か項目ばっかり増えてきても、じゃあ、一体全体としてどこまで行っているの、一言で言うと、今回、どこまで行っているのという、そういうイメージが何か見えるような形で出せるといいのではないかなと思いました。
 以上です。
【高原主査】  いかがですか。
【稲田課長】  実は研究開発の評価をどのように評価していく、定性的な目標をどうやって立てていくとかというのは、評価の委員会でもかなり議論があって、一方において、今後5年を見越したときに何々の目標をどこまで、要は目標なので、5年を見越して、5年前のときにこれだけ達成できるのだというものが明らかなものであれば、それは立てればいいということなのですけれども、それが難しいものに関しては定性的なもので、その評価をするということになっています。その意味だと、この次のJ-PARCの評価の資料3にもあるのですが、予算投入とか何とかはあるのですけれども、いつまでに何について、どれだけの成果を上げるという目標が必ずしも立っていないというのがこのJ-PARCにおける評価の現状ではあると思います。
 一方、そこのところについて何か定量的な目標を立てたほうがいいということに関しては、おっしゃるとおりだと思うのですが、では、それがどんなものなのかというところに関して、どこまで行けるのかなというところが、議論がどれだけ行くかというところで、今までのところだと、どれぐらいの成果が出ていますよ、定性的なところをやっているのですけれども、定量的な目標については、必ずしも、ここまでに何々をやりますというところは、法人側のほうではコールしていなくて、我々としても、それは確かに難しいところがあるので、これらに書いたようなところについて、気をつけて、なるべく事後的に定量的にどのぐらいのものができたかについては、この後ろのところにいろいろ書いてあるようにやっているのですけれどもというところで評価をしているというのが現状であります。
 定量的な評価、もちろん到達目標なのだから先に立てるべきだということであれば、おっしゃるとおり、そうだと思いますので、御議論いただいて、それを立てるというのも考え方ではあるというふうに理解しております。
【中野委員】  よろしいですか。
【高原主査】  はい。お願いします。
【中野委員】  中野ですけれども、本文のほうにはいろいろと書いてあるのです。例えば半導体パワースイッチの例とか、それから、加速器施設の省電力化というところで、いろいろな高効率化とか、高機能化という取組が書かれていて、これはここでの会の理解では、そういう少しずつのアップグレードというか、更新が老朽化対策にも役立っていて、安心・安全というのは非常に大事なのですけれども、その面でも非常に大きな貢献をしているという理解です。こういうのはやっぱり、かなり他の研究施設であるとか、いろいろなところでも参考になると思いますので、好事例として、もう少し目立つように書いていいのではないかなと思うのです。
 だから、維持管理、老朽化対策、非常に大事ですけれども、今あるものをそのまま維持するというのがやっぱり老朽化対策ではなくて、順次アップデートすることによって、より管理しやすいもの、より機能が高いもの、省電力なものというのが手に入ると思いますので、そういう点については、もう少し宣伝してもいいのではないかなと思います。
 以上です。
【稲田課長】  この概略というところ、何をやることというところにまとめておりますけれども、これまでの達成、どの程度行ったかという達成をやったというところも参考のところでお付けして、ちょっと分量が、1枚紙であることにこだわって1枚にしたのですが、2枚紙になって、その後ろに参考でどういう達成があったかというところをお付けするということは可能でありますので、もしもそういうことがよろしいということであれば、後ほどそのように修正して再度確認していただくことになります。
【高原主査】  ほか、いかがでしょうか。オンラインのほうから。
【上村委員】  いいでしょうか。上村ですけれども。
【高原主査】  上村先生、お願いします。
【上村委員】  よろしいでしょうか。
【高原主査】  はい。大丈夫です。お願いします。
【上村委員】  私も今の先生と同じようなところを大事かなと思っています。それで、いわゆるこの5年って、5年ってあっという間じゃないですか。ですから、やっぱりこれだけはやるというところを、例えばこの計画的とかで、計画的に継続的にやっていくというところが、本当はどういうふうなことを1年目にやって、2年目でどうやるかというところを、計画的というところをやっぱり具体的に何かあるといいなと思うのですね。
 ですから、それがここの文章で無理であれば、ガントチャートみたいな形で1年目こういう形、2年目こういう形、この継続的、計画的という人員確保というようなことに関しても、目標でもいいのですけれども、何かやっぱり計画的となると、5年間、1年目、2年目、3年目という感じで、3年目ぐらいにはこういうふうにめどを付けてというような、何か具体例があるとかなり分かりやすいのですけれども、文章で書かれてしまうと何か、やはり具体的なところが見えてこないというところがあって、ですから、また5年後に同じような問題が積み残しみたいな形になってしまうのが、やっぱり我々としては一番、中間評価をやった意味がなくなってしまうと思うのですね。
 ですから、その辺をちゃんと、前の委員の方がおっしゃったような形に非常に近いのですけれども、ウエイトというか、重みづけをいたしまして、例えばこの中で、これだけはやっていかなければいけないというのがありますよね。だから、一般国民向けに効果的な広報や国際連携なんていうのもちょっと難しいとは思うのですけれども、1年目はこんなことをやっていって、2年目はこんなこととか、そういう形で書けるものについては具体的な施策というのですか、そういうのも書いていくほうがいいのではないかなと思いました。大項目としては、全く異議はないし、非常にきちんと課題を書かれていると思うのですけれども、やはりその辺の落とし込み方、どういうふうに進めていくかというところが何かもう少し分かりやすいと、例えば公開したときに一般の人にも何か分かりやすいのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
【高原主査】  何かうまく記載することが。
【稲田課長】  例えば6ページにビームの増強に関して、どういうところを目指すかについては、目標が書いてあるところってあるのですね。こういうところを目指すというようなところ等を踏まえて、適時書くことは可能なのですが、一方、議論されていないところについて何か追記するというのも、ちょっとなかなか難しいところがございますので、そこら辺は今までの議論を踏まえて、どこまで書けるかを検討した上で、再度、皆さんにお諮りすることになろうかと思います。
【高原主査】  そういたしましたら、可能な範囲で記載いただいて、あと委員のほうにフィードバックするということでよろしいでしょうか。
【稲田課長】  そうですね。独法なので中長期目標、中長期計画等々でどのようにやるというところは書いてございますので、そこら辺の数字等というのは議論されていると理解してもいいと思いますので、そこら辺も含めて少し増強させて、再度提示いたします。
【高原主査】  はい。お願いいたします。
 それでは、次に新たな視点についてというところで何かコメント、御意見等ありましたらお願いいたします。新たな視点についてというのは、12ページからですね。ここも具体的なものは出しにくいところですよね。いかがでしょうか、何かコメント等ございましたら。
【大竹委員】  確認になるのですけれども、よろしいですか。
【高原主査】  はい。大竹先生、お願いします。
【大竹委員】  この自己財源化のところの前のこの物価高、燃料高騰の対応を踏まえたという、この「踏まえた」という議論を私ども評価委員会で出しましたっけ。すみません、自己財源化はぜひとも、例えば有償利用等は自己財源化していくというところに関しては、そういったことを議論させていただいたと記憶しておりますし、それから、少し先走ってしまうのですけれども、次の作業部会からの提言の際の中身に書いてあるような利用推進のほうに、その自己財源化のほうは使われるようにと書いていただいているので、そこもお話で、私ども提言したような気がするのですけれども、前提となっているここの物価高と燃料高騰の対応を踏まえたというところを入れた、議論していたというのがちょっと、すみません、自分たちでやっていたものの確認で申し訳ない。
【稲田課長】  この自己収入の考え方というのが、幾らお金がかかったかというアクチュアルコストに基づいて計算されているものなのですね。一方、前回の議論であったように、燃油、ウクライナの問題とかで物価が上昇していて、コストが上がっているという面がございます。それらを踏まえると、今後の物価上昇というのがゼロベースでやっているものではなくて、ちゃんと一定程度上がっているというのを念頭に置いた上で、自己収入の目標等々立てておかないと、後でshortageが生じるという、こういうことがございます。それを踏まえて、このような書きぶりにはなっているのですけれども、その意味だと、議論としては、物価が上がっているという説明と、それに伴ってバランスするような適切な収入という2つに対応しているのですが、そこのところを翻訳したという形になってございます。
【大竹委員】  分かりました。ありがとうございます。
【高原主査】  これ、もうちょっと誤解を受けないようにしていただいたほうがいいかもしれませんね。
【稲田課長】  そうですね。はい。分かりました。
【高原主査】  ほか、いかがでしょうか。オンラインのほうから何かございますか。
 それでは、4番目のJ-PARC中間評価の結果についてというところで、本文の15ページのところ以降に対応いたします。今の物価高、燃油高騰というのも関連した表現、内容になっていますけれども、いかがでしょうか。
 これも若手に魅力的なビジョンを示すというところが、どういうふうなタイムスパンとスキームでやっていくかというのが少し考えたほうがいいかもしれないなと感じましたけれども、あと、いろいろな国民に対するフィードバックというのも関連しておりますので。
【稲田課長】  ここはある意味、この委員会としてどのようなことを法人及び我々役所に対して課していくかということでございますので、何々の目標をいつまでに立てるとかというところがあるならば、そこは御指摘いただいた場合は、我々はそれを踏まえて適切に動くというところでありますので、適宜関門設定をいただければ。
【高原主査】  だから、魅力的なビジョンというのは、できるだけ早く若手に示していただいたほうがいいのかなと。あと、人材獲得とも関連して重要になってまいりますので、ただ、ここにそれこそ数値を入れるというのは、なかなか難しいかなと思いますけれども、何かいいアイディアはございますか。
 中野先生。
【中野委員】  若手を集めるときに魅力的なビジョンだけで大丈夫かなという感じはします。ビジョンは言えるのですけれども、魅力的にもできるのですけれども、やはり将来の不安があるとなかなか入ってこないので、ビジョンとともにキャリアパスというか、自分がどう進んでいくかという、そのシナリオみたいなものをいろいろと提示してあげないとなかなか集まらないのかなという感じがいたします。
 あと、1つ質問なのですけれども、我々の言ったことによってこれが書かれているので、私が質問をするのはおかしいかもしれないのですけれども、中性子等利用の一般化というのは、この「一般化」というのはどういう意味なのでしょうか。もう少し具体的に。
【稲田課長】  中性子利用ってJ-PARCが運転し始めてからかなり一定時間たっているということもありますので、炉も含めてなんですけれども、産業利用も含めてかなりイメージングから始めて、それこそ加工も含めてかなり一般化されているというところを踏まえての記載というふうに理解してございます。今まで中性子って、知る人ぞ知る特殊なものだったのだけれども、その場合を超えて、これをツールとしてどういうふうに、これを専門にしない人たちにどういうふうにやっていくのかというようなところも、にじみ出しがあるものというふうに理解はしてございますが。
【中野委員】  だから、今まで中性子を利用したことがない人に、もう既に一般化されている方法であるとか、そういうものをより広めていくという、そういう意味での一般化でしょうか。
【稲田課長】  そうですね。というか、テクニックとしては……。
【中野委員】  確立しているのだけれども。
【稲田課長】  ある程度確立しているので、それを使っていない人たちに対してどういうふうに波及していくかとか、新たなユーザーの方のところについてどうするかとか、そういうところを念頭に置いた記載というふうに理解してございます。
【中野委員】  なるほど。もう少し何か言葉を足したほうがいいかもしれないような気も、一般化された方法をさらに普及させるとか、何かターゲットが誰で、何がもう既に行われていて、何をしようとしているかというところをもう少し分かりやすくしたほうがいいかもしれないと思いました。
 以上です。
【高原主査】  そうですね。広く普及とか、そのような表現のほうがいいかもしれませんね。一般化というと、何かちょっと誤解を受けかねないので。
【上村委員】  いいですか。
【高原主査】  上村先生、お願いします。
【上村委員】  一般化というよりも融合化ですよね。例えばこの間、BINDSの報告会があったのですけれども、先週。そのときは中性子利用というのが、結局、いろいろなX線とか、クライオEMとか、NMRとか、ほかの技術と融合化して、それで初めて創薬に役立つという話になっているのですね。実際、そういうのは、BINDSに入れたことによってやり出しているのですよ。例えば量研の玉田さんとか、それから、京大の杉山先生とか。
 これ、BINDSに入っていなかったら、懇親会とかでも、じゃあ、一緒に共同でやろうという話になかなかならないじゃないですか。だから、一般化というよりも、他技術との融合だと思うのですけれども、これ、そういうふうにやることはできないのですか。だから、結局、社会に役立つ、実装できるというのは、その1つの技術でどうのこうのという話では今ないので、マテリアルのほうも同じではないかと思うのですけれども、どうなのですか。一般化というよりも、他領域との融合化ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
【高原主査】  他領域との融合というのがいいのか、あるいは連携というのがいいのか、どちらかだと思いますけれども、マテリアルの場合もやっぱり放射光との連携というのはかなり今進んでいますので。
【稲田課長】  シャープに書けば書くほど受けが少なくなるので、「一般化」という文言は残しておいた上で、それがどういうものをもって一般化としているのか例示して可視化することによって、ある意味、ここから5年後を考えるわけですから、僕らが思っている以上の広がりというのもあるのかもしれないというところを踏まえて、現時点で分かっているところ、どういうふうにしたいという方向性は出しつつ、とはいっても、受け手はあまり小さくしないというところで文章を工夫させていただこうと思います。
【高原主査】  分かりました。はい。よろしいですか、上村先生。
【上村委員】  ええ。今の形でしたらいいと思いますけれども、すごくそういうのが、この間、BINDSに入れたことによって目に見えて、共同研究とか目の前で決まっていったりしているので、ですから、産業界としても、そういうのができるとやっぱり、モデルケースとしてやっていくということがすごく重要かと思いますので、それでしたら、そのようにうまく分かるように書いていただければと思います。
【稲田課長】  はい。分かりました。
【高原主査】  ほかに全体にわたって御意見、コメント等ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議論はこの辺りまでにいたしまして、報告書案につきましては、本日、委員の先生方からいただいた御意見につきまして、事務局のほうで修正案を作成いただきたいと思います。修正を受けた報告書の取りまとめにつきましては、主査に一任いただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。場合によっては、皆さんに回覧するということも。
【稲田課長】  はい。皆さんに回覧させていただいた後、主査によろしいかという御確認をとらせていただきますので。
【高原主査】  はい。では、そういうことで、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、今の修正版の作成というのと回覧、コメントいただくということ。また、確定した後に事務局より確認に報告していくということで御承諾いただきたいと思います。
 それでは、続きまして議題3、「中間評価票(案)について」に入ります。資料3に基づきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【稲田課長】  資料3について御説明差し上げます。これは研究計画・評価分科会において、この大規模な研究開発に関しては定められたフォーマットに基づいて報告し、統一的な評価を行うということを求められてございまして、先ほど御議論がありました資料2-2を求められたフォーマットの形に変更しているというのが基本的な考えになります。ただし、どのぐらい資源を投入したのかとか、特定の部分に関しては追記する必要がございますので、そこら辺については追加されているというところでございます。
 資料3に基づいて御説明させていただきますが、この資料については、概要と個票という形になっています。この概要と個票、先ほどの2-2と2-1というのは完全に包含関係になっていたのですが、概要と個票を合わせて一体のもの、片方にしか書いていないというところがございますので、そういうフォーマットの違いについては、そういうものだというふうな御理解をいただけるとありがたいと思います。
 概要について御説明させていただきますが、まず評価時期やどこのところの点を評価したものであるかというところ、それから、研究開発の目的、概要について、何を目的としたものかというところを考慮した上で、研究開発の必要性、これ、研究開発の必要性というのは他の分野、プロばかりではありませんので、一般に対しても含めてなので、何のために何をやっているのかというところを分かりやすく説明するという目的です。
 多目的な研究活動、その整備するものであり、中間子やニュートリノを用いた素粒子物理学や世界最高強度の中性子・ミュオンを用いた物質・生命科学とフロンティアを開く基礎研究から産業創出についての応用研究につながる幅広い研究開発が期待されて、こういうものの重要性に鑑みては、国として着実に進めることが必要であるという必要性を説明した上で、有効性に関しては、世界的にリードする我が国の学術的な地位をさらに向上させるものであって、生命科学分野では質、量的に新しい研究開発が開拓され、新しい学位の貢献であるとか、あるいはあと放射光や計算科学と相補的な研究開発も期待される領域であるというところ、こういうような研究開発の内容というのは、我が国の科学技術の振興に関する施策と整合するものであって、幅広い研究開発に寄与する本事業の役割は非常に大きいというところで有効性を宣言しておりまして、効率性に関して、効率性というのは実行に当たっての体制等についてのことでございますが、JAEAとKEKが共同で開発しているのですが、J-PARCセンターという統一組織を基にして両機関の長がその合意を尊重して、効率的に行うというところであって、それはそれでいいですよと。その上でセンターの役割は重要であって、順調な運営が期待されるという旨を記載してございます。
 続きまして、その予算の執行額でございますが、ここに関しては、過去においての事実ベースの予算額及び執行額を記載しています。執行額はR4年まで、予算額についてはR6年まで、R5年、執行額についてというのはまだ計算されていないところでありますので、公表のタイミング等によっては、ここのところは逐次埋めていくという形になってございます。
 5.の実施体制・機関にありますけれども、主機関としてJAEAとKEKが並び立ってやっていて、共用促進法に基づく登録機関としてCROSSがこれをサポートしているという旨をここに書いております。
 その他の事項として、これは関係法令とかで法律事項として何かやらなければいけないというところを説明するところなのですが、共用促進法に基づいて共用に供する義務を負っているというところを記載しているところです。
 次に、というのを前振りに個別評価票に入るのですが、個別評価票においては、むしろ、今までの何をやって、どんな成果が上がってきたかというようなところをメインに書いてございまして、その事業名、それから、関係施策、その施策体系について書いて、実際の実運転時間等を書いた上で、評価結果として、進捗状況として過去5年間の状況に関して、どういう状況であるかというところをここに記載し、その各観点からの再評価ということで必要性、有効性、効率性等に関して、これはその概要と内容は一緒でありますが、というところを考慮した上で、その3.において、結局、研究開発がイノベーションとどうつながっているかというところが求められてございますので、そういうところについての記載、J-PARCの主な貢献として、産学の研究者の共用に供されて、研究力の持続的な創出に貢献しているというところ、あるいは第6期科学技術・イノベーション基本計画に関して、どういうことをやるということになっていて、それに基づいてJ-PARCに関してはスマート化、リモート化についてDX対応などを行っているということを書いてございます。
 事前評価時の指摘事項とその対応状況に関しては、前回評価に対してどのような対応をしたかというところでございますが、これは本体の、先ほどの2-2のところが参考で付きますので、そこのところのアブストラクトを記載してございまして、ここについては基本的には、先ほど来、2-2のところで、書きぶりが変わったら、それに連動して記述ぶりを変えるということにしてございます。
 最後、一番重要なところでありますが、この施策というところが、意味があるのか、継続すべきなのか、中止すべきなのか、方向転換が必要なのかというところでありますが、ここについては、持続することが適当であると言った上で、将来に向けて具体化を進めるべきところの宿題事項、これは2-2で言うところの提言に相当する部分ですが、ここのところが記載されているというところです。同様に2-2が変わったら連動して変わるという内容になってございます。
 以上でございます。
【高原主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの御説明があった内容に関しまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
 まず、オンラインのほうから何か質問ありますか。
【石切山委員】  石切山です。
【高原主査】  石切山先生、お願いします。
【石切山委員】  全般的にはこれまでの議論に基づき、よく総括されていると考えております。特に異論はございません。
 以上です。
【高原主査】  ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。今までの議論を踏まえた内容になって……。
【稲田課長】  今のところは2-2を踏まえて、それをフォーマットに直すという世界でありますので、2-2の議論を適切に反映させていただくということだと思っています。
【高原主査】  非常にコンパクトによくまとまっていると思いますけれども、何かございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、中間評価票につきましても連動して修正が入りますので、報告書と同様に委員の先生方にお送りして、その後、私のほうで取りまとめ、まとめていくということにしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
 それでは、中間票につきましても報告書と同様に取り扱って各委員にまずお送りして修正という過程を経て仕上げていきたいと思います。
 本日の議題は以上となりますけれども、最後に何か先生方から質問があれば、コメント等あれば受けて、ないようでしたら、事務局から連絡事項等、お願いいたします。
【稲田課長】  それでは、本日の資料は後日、ウェブサイトに公開いたします。また、議事録についても皆様のチェックをいただいた上で公表いたしますので、後ほど御確認をいただけるとありがたいと思います。本日の資料に関しては、御希望の方、そのまま机の上に置いておいていただければ郵送いたしますので、机の上に置いたままで結構でございます。
 以上です。
【高原主査】  それでは、以上をもちまして第4回大強度陽子加速器施設評価作業部会を閉会いたします。2か月の間、集中的に御審議いただきまして、ありがとうございました。またこれ、今後、上の委員会で議論されて、その後、量子ビームの委員会ですか、1月の下旬ですね。
【稲田課長】  そうですね。量子ビーム推進小委員会については1月下旬、それから、残りの委員会についても、その結果については報告とか、参考資料になると思いますので、引き続き御指導を賜れるとありがたいと思います。ありがとうございます。
【高原主査】  では、先生方、4回プラス、サイトビジットということで、長い時間にわたってありがとうございました。これをもちまして、この作業部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。
 
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