革新的GX技術開発小委員会(第10回)議事録

1.日時

令和7年1月31日(金曜日)10時00分~11時30分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

 1.前回の議論のまとめ
 2.文部科学省のGX関連施策の状況
 3.GteXの取組状況等
 4.革新的GX技術開発小委員会における検討状況と今後の対応

4.出席者

委員

杉山主査、石内委員、菅野委員、五味委員、佐々木委員、佐藤委員、志満津委員、田中委員、所委員、平本委員、本郷委員、本藤委員、水無委員

文部科学省

清浦研究開発局審議官、山口環境エネルギー課長、後藤環境エネルギー課長補佐 他

オブザーバー

経済産業省、科学技術振興機構(JST) 他

5.議事録

【後藤(事務局)】  それでは、お時間になりましたので、ただいまより科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会第12期環境エネルギー科学技術委員会革新的GX技術開発小委員会の第10回会合を開催いたします。
 冒頭進行を務めさせていただきます研究開発局環境エネルギー課の後藤です。本日はお忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日はオンライン会議になります。御発言の際はビデオ・マイクをオンに、発言されていない際はオフにするよう御協力をお願いいたします。また、御発言いただく際には、「手を挙げる」のボタンを押していただくか、チャットにてお知らせいただくようお願いいたします。指名を受けて御発言をされる際には、マイクとビデオをオンにし、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。
 また、本日の議題は全て公開議題となり、会議の様子はYouTubeを通じて一般傍聴者の方に公開されています。
 議事に入る前に、まず本日の資料を確認させていただきます。議事次第、資料1から4、参考資料0から1のファイルをメールでお送りしておりますけれども、もし不備等ございましたら、事務局までお申しつけください。皆様、よろしいでしょうか。
 なお、本日は、文部科学省のほか、経済産業省、科学技術振興機構(JST)様よりオブザーバー参加がございます。それぞれの御紹介につきましては、出席者名簿に代えさせていただきます。
 また、本日は、森主査代理が御欠席でございますが、定足数を満たしておりますので、委員会は成立となります。
 それでは、ここからの進行につきまして、杉山主査にお願いいたします。
【杉山主査】  杉山です。皆さん、おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事次第は、4件の議題を予定しております。委員の皆様からは忌憚のない御意見を頂戴いただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
 なお、終了見込みは11時半頃を予定しております。
 それでは、議事に入ってまいります。まず、議題1は、「前回の議論のまとめ」です。事務局より、まず御説明をよろしくお願いします。
【後藤(事務局)】  資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 前回第9回の小委員会を昨年の7月に開催をさせていただきました。その際の議論について、改めて御報告をさせていただきます。
 前回の議論といたしまして、まず、一昨年の9月からおよそ1年間をかけて議論をしていただきました議論の中間まとめの案について御説明をし、そちらについて御意見をいただきました。また、GteX事業の取組状況について、JSTより御報告をいただきまして、そちらについて御指導、御助言を賜りました。また、文部科学省で次世代半導体のアカデミアにおける研究開発等に関する検討会を開いておりましたので、そちらの検討会の報告書について御報告をさせていただき、その後、総合討論を行いました。
 総合討論における主なポイントといたしまして、まず議論の中間まとめ(案)について、大きくは、新たな技術が社会に受け入れられるためには、技術開発と並走して、行動変容や社会変革、トランジションに向けたルールメーキングといったソフトサイエンスといったことにも取り組むことが重要であり、その視点をより盛り込むべきではないかといった御意見、また、戦略的に技術開発を進めるためには、協調領域と競争領域の切り分けや持続的な支援も重要ではないかといった御意見をいただきました。
 詳細について、簡単に御報告をさせていただきますと、まず、技術を生かすためのソフトサイエンスという観点で、新たな技術やサービスが社会に受け入れられるためには、市民の行動変容やシステムの変革を検討するためのトランスフォーメーション、それに資するようなサイエンスという観点も同時に必要ではないかといった御意見をいただきました。デジタル技術については、行動変容を考えながら社会を変えるというニュアンスが追加できるといいのではないかといった御意見がございました。また、産業界や学術界などの技術をつくる側のステークホルダーに関しては十分記載されているが、社会受容性の観点から、製品を使う側の一般利用者の視点というのも忘れずに考慮することが重要ではないかといった御意見がございました。また、脱炭素社会においては、炭素排出コストとして、最終的に国民負担も発生し得るといった観点から、炭素排出コストを顕在化させるような規制も併せて整備をしていくことが、研究開発の推進においても重要ではないかといった御意見や、そうした観点から、技術開発と規制対応への働きかけを一緒に進めていくことが重要ではないかといった御意見を賜りました。
 また、インテリジェンス機能という観点では、プロジェクトマネジメントの強化、攻める分野の明確化、標準化の進め方などの戦略検討にあたりまして、技術インテリジェンスが重要ということで、国にも様々なシンクタンクなどがございますが、そうした機能の連携・強化を行うことが重要ではないかといった御意見がございました。
 次のページに行っていただきまして、戦略的な技術開発として、集中化・分散化の議論につきまして、報告書の中で盛り込んでございますが、様々な技術があるうちどれが勝つかということは本質的に不確実性がございますので、競争的にやっていくという視点も重要ではないかといった御意見がございました。また、産業界の連携や国際連携といったものが不可欠でございますけれども、その際においても、協調領域と競争領域の切り分けが必要であるとともに、技術開発の進展に伴って、線引きを絶えずアップデートしていくことも重要ではないかといった御意見がございました。
 また、アカデミアの研究開発としましては、技術開発支援がストップ・アンド・ゴーということになってしまうと、継続性が見込まれにくいことから、長期的な戦略に基づいて持続的に支援をしていくといった観点も、併せて必要ではないかといった御意見がございました。
 そのほかといたしましては、多様性の中で育つ人材が参画するといった視点や、抽象的な未来像を持った上での短期的なバックキャストに基づいて、技術やサービスに落とし込むといった視点、手法も有効ではないかというような御議論がございましたが、この点について、少し表現ぶりを見直してはどうかといった御指摘もございました。
 これらの御指摘を踏まえまして、参考資料1につけております、中間まとめといたしまして、委員の皆様の御意見を賜りまして、昨年の10月に公開をさせていただいております。御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 また、前回、GteX事業の取組状況につきましても魚崎PDから報告をいただきまして、御議論いただきました。主な御意見といたしましては、GteXでは海外連携を進めていただいていますが、こちらを進めるにあたっては、様々なオープン領域をつないだような連携を活発化していくことができるのではないかという御意見がございました。また、マネジメントの中で、異分野連携シンポジウムなど、成果創出に向けた活動が非常に強化されているということを御紹介いただきまして、その取組を評価いただく声がございました。
 また、本日もこの後、JSTからGteXの進捗について御説明いただくことになってございますが、技術開発がしっかりと社会実装につながるような戦略策定をお願いしたいという御意見がありました。本日もこの後、御議論いただければと考えております。
 また、研究開発を進める中で、様々なコストダウンにつながるような話や規制緩和のポイントなども出てくると思いますので、そうした声を継続的に、こうした委員会などの場で上げていただく、といった連携というのも重要ではないかという御意見がございました。
 事務局からは以上でございます。
【杉山主査】  御説明ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、何か委員の方々から御意見、ご質問等ございますでしょうか。
 先ほど事務局からの御説明にありましたように、既にいただいた御意見につきましては、適宜中間まとめに反映させていただいて、公開させていただいているという状況でございます。いろいろな御意見をいただきまして、今後の施策に役立つペーパーになったと思います。改めまして、どうもありがとうございます。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。次は議題2、「文部科学省のGX関連施策の状況」についてです。事務局より御説明をお願いいたします。
【後藤(事務局)】  引き続き事務局から、資料2に基づいて御説明をさせていただきます。
 前回の委員会が昨年の7月ということで、令和7年度の概算要求の前でございましたが、その間、令和6年度の補正予算が国会の審議を経て決定されるとともに、令和7年度の予算案につきましても、ただいま国会で御審議いただいているところということで、その状況について御報告をさせていただきます。
 こちらは、この委員会でも何度かお示しさせていただきました、GX関連領域から見た主な文部科学省関連施策のマッピングを更新したものになってございます。GX関連領域は非常に裾野広くございますので、そうした中で、様々な施策の性質の違いを色で示しております。緑にありますような分野を特定しないものの中にも、科研費などでのGXに貢献する研究開発、あるいは成果展開、国際連携、人材育成、基盤整備といった取組がございます。また、事業の中に、GX関連領域を設定して進めているようなプログラムもございます。
 この中で、文部科学省環境エネルギー課といたしましては、ピンク色のところ、GX関連領域を主眼としたものについて、主に担当してございますので、本日この部分を中心に御紹介をさせていただきます。
 1枚めくっていただいて、まず、先端的カーボンニュートラル技術開発、ALCA-Nextという事業でございます。こちらは、本小委員会でも議論いただいておりますチーム型のGteXに対しまして、その対となるような探索型の研究開発を進めていく事業となってございます。
 事業概要のところにございますけれども、カーボンニュートラルを達成する上での重要な技術領域を設定した上で、幅広い領域でのチャレンジングな提案を募りまして、それらを厳格なステージゲート評価によって絞り込んだ上で、技術的成熟度の向上を図っていくことで技術シーズを育成することが主眼の事業となっております。また、GteXと連携して一体的な運用を図るということとなってございます。
 令和7年度の予算額の案といたしましては、22億円を計上しておりまして、前年度予算からは約6億円の増となってございます。初年度が10億円でございましたので、およそ前年と同規模の新規拡充予算案を確保させていただくことができました。
 内容といたしましては、右側にございますとおり、まずはステージゲートの前段、スモールスタートフェーズである通常型のところで、継続していく課題とともに、新しく採択する課題といたしまして、新規10課題分を計上しております。また、下側の未来本格型につきまして、次のページで御紹介いたしますが、この事業の前身という位置づけにございます未来社会創造事業の低炭素領域というものがございます。そちらにおけるステージゲート評価を経て、本事業において本格研究として移行していくものにつきまして、こちらに計上させていただいております。継続1課題分に加えまして、こちらについて新規移行2課題分を計上させていただいております。
 次のページが、今御紹介いたしました未来社会創造事業の低炭素領域になってございます。こちらは、新規課題の採択についてはALCA-Nextで行うということで、新規課題の採択はなしとなっています。現在走っている課題につきまして、ステージゲート評価を通った課題については、ALCA-Nextで本格研究ということで実施することになっておりまして、予算案としては7億円を計上してございます。
 次のページでございますけれども、こちらは、前回の委員会においても検討会の報告書を御説明させていただきましたが、文部科学省で検討しております次世代半導体についての施策のパッケージになってございます。こちらにつきましては、絵にございますとおり、研究開発、研究基盤、それから人材育成という観点で幅広く検討を行いまして、様々な施策をパッケージとしてまとめてございます。
 右下に担当とございますけれども、文部科学省の中でも非常に多くの部局が関わりまして、次世代半導体に向けて、文部科学省としてアカデミアでどのようなことができるかということで施策を検討し、予算要求をさせていただいたものでございます。
 それぞれ個別に御説明をさせていただきます。
 次のページになりますけれども、まずは、次世代X-nics半導体創生拠点形成事業でございます。こちらは令和4年度からスタートしております事業でございますけれども、アカデミアの中核的な拠点を形成するということで、省エネ・高性能な半導体の創生に向けた新たな切り口による研究開発、また、人材育成も推進するということで、大学の拠点形成を支援してございます。
 事業の切り口といたしまして、未来社会で求められるということと、これまでの強みや技術シーズを生かせるということで、東京科学大学、東京大学、そして東北大学が拠点として、それぞれの強みを生かしたアカデミアの中核的な拠点を形成するということを進めていただいております。前年度同額として、9億円を令和7年度予算案に計上してございます。
 また、次のページでございますけれども、革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術研究開発事業になってございます。こちらは、電力ネットワークの分野ですとか、EV自動車、またICTなどの電力供給など、上流から電力需要の末端まで効率的に電力を伝えるためのデバイスといたしまして、パワーエレクトロニクスの研究開発を総合的に行うというものでございます。
 パワーデバイスについてはいろいろな素子がございますけれども、コイルやコンデンサなどの受動素子、また、それに係る回路システムなど、そうしたものを全体として行うということでございます。
 これは令和7年度が最終年度ということになりますけれども、こちらにつきましても14億円を、前年同額、必要な経費ということで計上させていただいてございます。こちらの事業につきましては、しっかりと最終年度の研究開発を推進しつつ、それらの成果なども踏まえながら、今後の展開を検討していく必要があると考えてございます。
 次のページでございます。こちらは、研究開発のところで先ほどのパッケージのところにもございましたけれども、次世代エッジAI半導体研究開発事業ということになってございます。こちらについては、当初文部科学省の予算として概算要求をしてございましたが、予算編成過程の中で、経済産業省と連携を進めるということで、経済産業省の予算として計上することになったものでございます。ですので、経済産業省作成資料をこちらにつけさせていただいてございます。
 事業といたしましては、エッジ側での高度な情報処理を可能とするAI半導体の飛躍的な性能向上に必要となるアカデミアのシーズを活用することによりまして、超低消費電力の革新的な次世代エッジAI半導体の実現に貢献するということになってございます。
 スキーム図のところにございますけれども、今回、経済産業省のほうで予算案として計上されておりますが、JSTを通じまして、大学、アカデミアの研究開発を支援することで取り組んでいくものでございまして、事業につきましては、経済産業省と文部科学省で連携をして実施するということをただいま検討しているところでございます。
 次のページでございます。こちらは、先ほどの絵で言いますと真ん中にあります緑色の基盤のところになります。半導体基盤プラットフォームの構築といたしまして、令和7年度予算案額として22億円の内数ということで計上してございます。
 こちらにつきましては、幅広いアプローチでの半導体の研究開発、それを支える研究環境を構築するということで、もともとARIMというナノテクノロジー、マテリアルを中心とした共用ネットワークがございますけれども、そちらをさらに発展させていくということで、より半導体、特に集積回路の研究開発も支援できるように機能を増強するということで、今回計上しているものでございます。
 令和6年度の補正予算といたしましても、設備整備費として66億円を計上しております。また、令和7年度当初予算案においても、集積回路の設計や試作について支援ができるような機関を新たに追加するなど、そういったことに必要な経費というものを計上しているものでございます。
 次ページ以降は参考として資料をつけてございます。研究開発以外の半導体の事業というのも参考でつけさせていただいておりますけれども、本日、私からの説明については省略させていただきたいと思います。
 事務局からの説明は以上でございます。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 それでは、ここまでの御説明に関しまして、御意見あるいは御質問等ありましたらよろしくお願いします。特によろしいでしょうか。
 それでは、特に出てこないようですので、次に進めさせていただきたいと思います。
 次の議題は、「GteXの取組状況等」についてです。一昨年の10月にGteXの研究開発が開始しまして、現在のところで1年4か月経過したという状況です。その間に、本小委員会でも御指摘のありましたとおり、戦略的な検討をするということも含めて、様々な取組を進めていただいているところでございます。本日はその状況につきまして、魚崎PDから御説明をいただきたく存じます。
 それでは、魚崎先生、よろしくお願いいたします。
【魚崎PD】  魚崎です。どうぞよろしくお願いします。
 では、次のページをお願いします。
 今日の発表は、全体概要、実施体制、今年度行った公募の結果、そして、今の主査のお話にありました事業マネジメント、成果創出に向けた活動強化という順番で説明したいと思います。
 では、次をお願いいたします。
 全体概要は既に御存じのとおり、革新的GX技術開発小委員会の下での助言を受けながら進めるということで、JSTの中に革新的GX技術推進委員会を置いて、GteXと、先ほどもありましたALCA-Next、それから未来社会創造事業低炭素領域のうち本格型へ移行したものを統括しながら、まとまって推進しています。関連省庁とは、ガバニングボードあるいは合同検討会を通して、経済産業省、NEDOなどと連携する体制になっております。
 次、お願いします。
 これは体制ですが、これも既に御存じのとおり、蓄電池、水素、バイオものづくりの3本柱で実施しておりまして、蓄電池は大阪大学の名誉教授の桑畑先生、水素は山梨大学特任教授の内田先生、そしてバイオものづくりにおいては神戸大学副学長/教授であります近藤先生にお願いしています。蓄電池においては、リチウム空気電池、中西チームを今年度採択したということになっております。
 では、次をお願いします。
 これがGteX研究体制の参画者分布ですが、ここにありますように、関東、関西、九州、北海道、それから東北地区と全国に散らばっていますが、集約されているところは関東、関西、それから中部、九州等に多いということになります。
 領域ごとで言いますと、蓄電池が組織的には大きく52機関、それから、契約をしている人は研究担当者と言っていますが、135名、水素は32機関64名、バイオは32機関72名ということで、研究担当者だけで260名以上いまして、当然その他共同研究者、学生等いますので、非常に大きな組織でこれを実施しているということになっております。ALCA-Nextの参画者も含めるとトータルで1,000名以上の幅広い分野の研究者がGX研究に参画しているということになります。なお、昨年も言いましたように、これら研究者間の連携を目指して地域ごとの異分野交流シンポジウムを実施しています。
 では、次をお願いします。
 今年度の公募実施にあたりましては、もともと構築していた領域ポートフォリオを踏まえた上で、追加公募の対象を決めました。このポートフォリオの横軸は、この小委員会で示された研究開発方針に記載された蓄電池開発に係る研究開発領域ということで、A.現在の課題、B.中期的課題、C.長期的課題の3つになっております。縦軸は、JSTの研究開発に記載されたテーマということで、これは具体的に公募に移っていくときに重要ですが、実用電池、高安全性、資源制約フリー、軽量・小型・大容量、そして基盤となっております。この2軸で考えたときに、右下隅の辺り、将来的な企業投資が見込まれている長期的な課題でかつ軽量・小型・大容量のところが弱いということがわかります。
 では、次をお願いいたします。
 以上の認識に基づいて、高安全性、資源フリー、軽量・小型・大容量という、先ほどの表の赤で囲ったところで若干数、優れた提案がなければ採択を見送るという条件で、1課題10億円程度ということで、4月から5月にかけて公募を行いました。
 特に注意としては、先ほど言った文部科学省の方針で言うC、JSTの計画で言う軽量・小型・大容量ということを想定したということでありますが、革新的な発想がある場合は、高安全性、資源制約といった提案も受け付けるという形で公募をいたしました。
 次、お願いします。
 応募は数件ありまして、書類審査、面接審査を行い、大阪大学の中西先生がチームリーダーを行う、「軽量・小型・大容量を特徴とするリチウム空気電池の開発」という課題を採択しました。
 空気電池はALCA-SPRINGでも採択しておりましたが、理論容量が非常に高いのですが、サイクル特性が悪いということで、なかなか実用化へ進みにくいという問題がありましたが、中西チームの提案は、根本的なところからアプローチしようという提案でありまして、非常に高い評価で採択されております。共同機関として、東北大学、大阪大学、北海道大学、神戸大学、名古屋大学、NIMS、核融合研が含まれる大きな組織となっております。リチウム空気電池についてはALCA-SPRINGでも10年間研究を進めていましたが、今回のメンバーはその時からかなり入れ替わっており、新しいアプローチでブレークスルーを目指そうというものです。
 では、次をお願いします。
 事業マネジメントについてですが、まず、共通研究機器についてです。もともとALCA-SPRING開始時に大型機器は共通化し、専門家の支援を提供し、有効活用しようという方針の下、NIMS他に蓄電池基盤プラットフォームを設置していましたが、今回GteXの開始にあたり、分野の拡大も有り、この図にありますように、東北大、阪大、神戸大、東京科学大、理研等にも領域ごとの装置を入れ、専任のオペレーターを置いて共用を目指しています。一部既に入っているものは運用を開始していますが、全体としては現在導入を進めているという状況です。
 それから、重要な点は、領域に閉じず、共通機器の拠点ネットワークとして、ホームページも公開して、使いやすい形で運用するということです。例えばNIMSの装置はもともと蓄電池を対象としたものですが、蓄電池と水素の両領域の研究に有効ですし、電子顕微鏡などバイオにも適用できるかもしれません。また、東北大は水素中心としていますが、これも他の領域の人たちも使えるというような形でやっていくということです。
 また、今後ますますデータが大事になっていくことが想定されるため、研究データの取扱いに関して、大枠のデータマネジメント方針、それから公開・共用の区分、管理・共用・利活用について定めたデータマネジメント規則を策定しました。そして、まずはもともとALCA-SPRING時代からデータ収集をしていた蓄電池領域で、固体電解質のデータ収集・保管、それに活用の取組を開始しています。
 それから、人材育成はこの事業においても非常に重要です。先ほどもありましたとおり、GteXには多数の研究者が参画しており、その下に学生がたくさん参画しております。ALCA-SPRINGでは事業全体で約1,000名の学生を社会に送り出し、そのうち約700名が産業界に進みましたが、GteXにおいても事業全体で600名を超える学生が参画おり、非常に大きな人材育成のソースになっています。
 これらの多くの人材をばらばらにしないで、若手研究者・学生の全国ネットワークを形成する、それから技術分野への理解を向上させるということで、分野を超えてGXということを理解してもらうために、レクチャーシリーズを開催しました。事業全体の概要や各領域の説明に加えて、知財、スタートアップなどに関するレクチャーを行い、学生を含む若手研究者の人材育成に取り組んでいます。
 それから、経済産業省、NEDOとの連携が非常に重要でありますが、各領域とも、両省課長、JST、NEDO、PD、PO、有識者で構成されるガバニングボードや研究者レベルでの連携会議、実務者会議などいろいろなフェーズでNEDOとは定期的に打合せを持ち、両方の研究開発状況等の把握や連携できそうな課題について意見交換をしています。
 次、お願いします。
 次は国際連携です。これもすでに議論がありましたが、蓄電池が先行しています。米国とは2023年3月にワークショップをしておりますが、2025年中の米国でのワークショップ開催に向けてDOEの担当者と議論を開始していますが、トランプ政権の誕生により、NSFなどもファンドの審査がストップされるなど、いろいろ難しい状況となっており、特にグリーン分野は予算が結構厳しくなるのではないかということで、少し様子見のところもあります。
 イギリスとはFaraday Institutionと連携を進めておりまして、先方がUK-Japan Fellowshipということで5名を派遣し、GteXでそれを既に受け入れております。5月15、16日にそれをコアにしながら、日本でワークショップを開催する予定になっています。
 ドイツとは2023年11月にワークショップを行い、共同研究の実施で合意しましたが、その後こちらも先方の予算の関係で、先方からの研究者の派遣は難しくなっています。しかし、こちらから派遣することについては問題がないということで、具体的連携の可能性を検討しています。
 イタリアについては、昨年の6月の日伊大臣会合で、重力波と蓄電池について共同研究を行うことが合意され、蓄電池については、日本側はGteXが、イタリア側はCNRが担当するということで、合意後すぐに共同研究に向けて議論を開始しました。昨年12月には、PDの私とPOの桑畑先生、それから、CNR側が主としてナトリウムに興味があるということで、ナトリウムチームの研究者を中心に、CNRの本部や5研究所を5日間で回りました。非常にタイトなスケジュールでありましたが、ワークショップを実施するとともに、先方の研究環境を視察してまいりました。現在、具体的な研究テーマについて議論をしているところです。
 水素については、昨年、DOEのAMR、Annual Merit Review Meetingに私と内田POが参加して、その後、議論を続けています。水素については、本年5月に予定されていたAMRが中止、次回が来年6月となるなど先ほどの蓄電池以上に厳しい状況ですが、引き続き議論を進めていきたいと思います。
 ドイツについては、この1月にDAADとオンラインワークショップをしまして、若手研究者の相互派遣について具体的な議論を開始しました。こちら側からGteXの状況等を説明したところ、非常にポジティブな反応があり、直ちに受入れを開始したいと手を挙げた組織が幾つかありました。さらに、DAADはドイツからの派遣も担っていますので、日本側からも受入れリストをもらえれば派遣を考えたいとのことで、現在リストを準備しています。
 バイオについても、これは近藤POが若手研究者を連れて昨年10月にイギリスを訪問して、スタートアップの現状等や日英の連携の可能性について意見交換しています。
 全体共通としては、キプロスと研究者受入れの議論をしています。
 次、お願いします。
 学生については、GteXのPD裁量経費で派遣費を持つということで、海外派遣希望者を現在公募しています。
 それから、先ほども少し触れましたが、成果創出に向けた活動強化ということで、GteXセミナーを実施しておりまして、ここにありますように全体を私が話した後、各領域の説明を各POから、スタートアップ、特許、LCA、それからELSI、RRI、特許出願のポイント、データといったものについて情報提供を行っています。現在、第7回まで終わったところで、第6回まででのべ700名の参加を得ています。GteXは通常の個別研究ではないということをいろいろチーム活動の中でも言っておりますが、セミナーの中でもこれを強調しています。
 次、お願いします。
 それから、これは大事なことです。この委員会でも指摘されましたが、戦略をきちっと考えるということです。来年度の後半には、ステージゲートも行うということもあり、国内外の研究動向の理解、今後の展開等、全体、領域ごとの方向性、それから現在やっているチームの目標等について、かなりきちっとやっていこうということで、GteX全体の研究開発戦略検討会議、それから領域ごとの分科会、さらにはその分科会の下に、実際の作業をするワーキンググループをつくって、現在検討を進めています。
 次、お願いします。
 これは戦略会議のスケジュールです。4月頃に中間報告をするということで、現在ワーキンググループでいろいろ活動いただいておりまして、その後、ブラッシュアップをしながら、10月には戦略を報告書にまとめ、それに基づいてステージゲート評価を行う予定です。もちろんこれはステージゲート評価のためだけのものではなく、より長期的な、最初の5年が終わった後の先まで見据えながら考えてもらうように、指示をしております。
 次、お願いします。
 ということで、以下、参考がついておりますので、ぜひ見ていただければと思います。
 以上です。
【杉山主査】  魚崎先生、どうもありがとうございました。
 それでは、先ほどの説明に関しまして御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 魚崎先生のリーダーシップの下で、順調に進んでいるという様子がよく分かったところでございますが、先ほどもお話ありましたように、今年はステージゲートもあり、また、戦略検討会議で様々な検討が行われている結果を、このステージゲートあるいはその後のプロジェクトの運営にダイナミックに生かしていただく、そういうフェーズになってくるかと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
【魚崎PD】  少しだけ追加しますと、戦略会議では、単なる文献調査だけではなくて、昨日は、例えば次の蓄電池に向けて、定置型についての専門家へのヒアリングや再来週ぐらいには自動車業界のニーズに関するヒアリングなど、産業界の方々を含めたいろいろな階層のヒアリング等も行いながら進めていきたいと思っています。よろしくお願いします。
【杉山主査】  ぜひよろしくお願いいたします。
 委員の先生方、よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。今度は議題4、「革新的GX技術開発小委員会における検討状況と今後の対応」についてです。
 それでは、まず事務局より説明をよろしくお願いいたします。
【後藤(事務局)】  事務局から資料4につきまして御説明をさせていただきます。
 革新的GX技術開発小委員会は、革新的GX技術推進に係る事項や、研究開発プロジェクトの実施方針、また事業体制等について審議を行うために、環境エネルギー科学技術委員会の下に設置をいたしまして、これまで11期から12期にかけて計9回開催をさせていただきました。今期12期については2月までが任期ということで、本日が恐らく事実上最終回になるということでございまして、これまでの振り返りと今後の対応について、この資料にまとめてございます。
 前半、第1回から第5回では、GteX事業の基本方針、そして各領域の研究開発方針について審議をいただくということで、この間、3か月の間に5回という非常に密な頻度で委員の皆様には御議論いただきまして、無事に取りまとめることができました。令和5年の4月に文部科学省にて基本方針及び研究開発方針を策定させていただいております。この方針に基づいて、GteX公募採択、運営などをしているところでございまして、委員会においてもその後、本日のように報告をさせていただきながら、御助言をいただいてきたところでございます。
 また、後半、第6回から第9回までの間、およそ1年程度にわたりましては、GteX推進の方向性に加えまして、GX実現に向けた様々な領域あるいは施策の方向性等について議論をいただきまして、令和6年10月に「GX実現に向けてアカデミアに求められる研究開発の方向性について」ということで、中間まとめとして、取りまとめていただきました。こちらについても、改めまして本当に感謝を申し上げます。
 今後の対応でございますけれども、これまで委員の皆様に御尽力いただきまして、基本方針及び研究開発方針の審議、そしてGX実現に向けた方向性の議論について、一定の区切りがついたと考えてございます。次期第13期につきましては、当面、革新的GX技術開発小委員会の役割につきまして、この上部に当たります環境エネルギー科学技術委員会に引き継ぎまして、同委員会においてGteXの進捗状況の確認、助言、及びGX施策推進の方向性に係る議論等を実施していく方向で考えてございます。
 なお、最後のところでございますけれども、GteX基本方針の中で、それを改定するに当たっては、本小委員会で議論を行うということになってございますけれども、伴いまして、この部分は上部の環境エネルギー科学技術委員会と読み替えるよう改定をさせていただきたいと考えてございます。
 以上が、本委員会の検討状況の振り返りと今後の対応についての御説明となります。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 それでは、今までの御説明に関しまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうかね。
 御説明がありましたとおり、今後は環境エネルギー科学技術委員会でGteXのフォローアップをしていくということになるかと思います。
 本郷先生、よろしくお願いいたします。
【本郷委員】  ありがとうございます。
 今までいただいた説明、非常に内容が濃く、また順調に進んでいるということかなと思います。1つ気になる点として、この検討の間に周辺の外部環境が少し変わってきたところもあると思います。それを踏まえ、今後の対応のところに、2つほど入れていただいたらと思う点があります。
 一つは、今、経済安全保障ということが重視されるようになってきております。これは、政府のほうで厳しく規制すればよいというものでもなく、研究者や産業を守るという観点も重要であり、ある種のガイドラインや制度を整備していくということも入れておくということが、技術開発を進める上では重要なのではないかなという気がいたします。
 それからもう一つ、GXに関わるという点では、リサイクルや、リサイクルしやすい技術といった点へのニーズも高まってきているように思います。例えば先ほどのバッテリーのところであれば、高効率、長寿命、安全とありましたけれども、それに加えて、リサイクルのしやすさに配慮して製品を作るという必要があるのではないかと思います。特に今後EUは、リサイクルを前提とするというところを強調して、さらにそれを世界標準にしようとしている動きがありますので、日本としてもそういう点に配慮するような技術開発を考えたらいかがかなと思います。
 全体的な話でございますけれども、私のコメントは以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。1番目の経済安全保障につきましては、特に非常に重要ですけれども、かなり広範な論点になるかとは思いますが、事務局から何かありますか。
【後藤(事務局)】  本郷先生、ありがとうございます。この部分の対応のところは、この委員会の設置紙における審議事項で、その部分を書かせていただいたという整理でございます。
 ただ、まさに先生の御指摘のとおり、今回まとめていただいた中間まとめの中にも、今おっしゃっていただいたような経済安全保障もしっかり対応したような研究開発ですとか、あるいは、リサイクルをはじめとした規制に対する研究開発が重要といった趣旨を十分盛り込んでいただきましたので、その部分について、次期環境エネルギー科学技術委員会でどういった議論がされるかというのは今後検討することになりますけれども、今回まとめていただいた取りまとめを踏まえて、今後さらに施策の検討を進めていくということになりますので、先生に今いただいた趣旨もしっかり踏まえて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 あと、リサイクルについては、GteXにおいて、特に今、蓄電池を特出しして御指摘いただいたかと思いますけれども、技術開発あるいは戦略の面について検討していく必要もあるかと思いますが、こちらにつきましては、魚崎先生のほうで何かコメントありましたらお願いできますでしょうか。
【魚崎PD】  先ほどの戦略会議において、明確にその辺りも入っておりますし、先ほどのレクチャーシリーズでもLCA等も入れており、十分意識しています。例えば、蓄電池も当初、ALCA-SPRINGがスタートしたときは自動車一本やりで、高エネルギー・高密度さえ実現できればという感じだったのですが、GteXでは多様なものを考えていかなければならないということで、LCA、それからELSI、RRI等も、広範に考えながらやっておりますし、今回の戦略会議においてもこの辺を意識しながら、次の戦略に落とし込んでいくというふうに考えています。
【杉山主査】  ありがとうございます。環境エネルギー科学技術委員会のほうでも大きな方針は引き続き議論しつつ、GteXの運営につきましては、先ほど魚崎先生からの御説明にもありましたとおり、戦略会議を中心に、今後の研究テーマあるいはフォローアップに関して、十分に意識しながら進めていただけるということであるかと思います。
 本郷先生、よろしいでしょうか。
【本郷委員】  御説明ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 佐々木先生、よろしくお願いいたします。
【佐々木委員】  九大の佐々木です。まず、御説明ありがとうございました。それから、GteXも着実に進んでいるということがよく分かりました。魚崎先生はじめ、御尽力に心より敬意を表したいと思います。
 今回、新しい若い先生のチームを新たに採択されたということで、本当によかったと思います。NEDOの事業との役割分担というのがいつも問われるわけなんですけれども、アカデミアで若い先生がどんどんリーダーシップを取って、そこにさらに次の世代を担う研究者が入るような形で、ぜひ研究者の層を広げるという面では、JST様の事業、GteXの事業というのは引き続き重要かと思いますので、そういう御配慮もされているということはすばらしいと思いますし、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
 私からのコメントですけれども、以上です。
【杉山主査】  佐々木先生、重要なコメントをありがとうございました。引き続き、この流れをぜひ活発化していただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、今までいただきました御意見、コメント等も踏まえて、申し上げましたとおり、引き続き環境エネルギー科学技術委員会において、それから実際のGteXの事業運営に関しましては、JST、そして魚崎PDのリーダーシップの下に、ぜひよりよい方向性を常に意識しながら進めていただければと思っております。どうもありがとうございます。
 それでは、用意いたしました4つの議題は以上でございます。
 本委員会は、先ほども御説明ありましたとおり、今回が一旦の区切りということになりますので、これまで御議論いただきました委員の先生方には深く感謝を申し上げるとともに、ぜひこの場で、1分程度で一言ずつ、最後に御発言いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 では、まず石内先生からよろしくお願いいたします。
【石内委員】  石内でございます。
 今までの議論を大変ありがとうございました。皆様方といろいろ議論ができましたこと、それから、議論の成果が着実にプロジェクトとして進行していることを聞いてうれしく思います。
 今回の議論に参加させていただいて思ったのは、今回のGteXは複数の分野が関わっているわけですけれども、分野間での連携も大事かと思いますので、引き続きそのような形での研究開発を進めていただいて、大きな成果が出ることを期待しております。
 私からは以上でございます。どうもありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、五味先生、お願いできますでしょうか。
【五味委員】  東北大学の五味です。
 あまり意見も大したことが言えず、申し訳なかったんですけれども、自分自身、バイオものづくりの担当みたいな感じですけれども、バイオの関係は、生ものを使っていますので、想定通りいかないということがあります。論理的に、こっちを動かせばこっちがうまくいくだろうといってやってみると、逆のほうがうまくいかなかったり、物をいっぱい作らせると生物が嫌がるので、ストレスがかかって生育が悪くなったりするなど、課題が多くて、どうしても時間がかかるということもあります。
 GteXでいろいろな研究にチャレンジされて、非常に期待が持てる一方で、どうしてもバイオは時間がかかりますので、それも含めて進めていただき、チャレンジングな成果が多く出ると非常にありがたいなと思います。今後ともこのような研究を支援していただければ非常にありがたいと思いますし、皆様からいろいろサジェスチョンいただくと非常にいいかなと思っておりますので、ぜひ今後ともよろしくお願いします。
 ちょっと言い訳じみた話で申し訳なかったんですけれども、どうもありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、菅野先生、よろしくお願いいたします。
【菅野委員】  菅野です。どうもありがとうございます。
 このGX小委員会に参加させていただきまして、GteX開始のときに様々な議論に参画させていただくことができました。どうもありがとうございました。
 GteXも無事スタートして、順調に進行している様子で安心しています。今後、すばらしい成果が出るように期待しています。どうもありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、佐々木先生、よろしくお願いいたします。
【佐々木委員】  佐々木です。以前も申し上げたんですけれども、エネルギー分野は、研究者の方々が科研費で成果を出して、いきなりNEDOの事業にチャレンジするというところが多かったんですけれども、本当に文部科学省様、JST様の御尽力で、アカデミア主導でこのようなエネルギー分野の研究開発を加速して、花を咲かせるというスキームができたというのはすばらしいことだと、研究者としても感じます。ぜひこの取組を今後とも発展させていただければ幸いです。
 私からは、コメントは以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、佐藤先生、よろしくお願いいたします。
【佐藤委員】  佐藤でございます。本当にお世話になりました。
 この革新的GX技術開発小委員会に参加しまして、GteXの立ち上がり当初から、実際に動き出すまで参加させていただき、本当に厳しい中、頑張っていらっしゃるのを目の当たりにして、また応援もできたのかなということで、非常に感謝しております。
 非常に国際的にも変化も速く、いろいろな事件や戦争も起きるなど、いろいろと動きが見えにくい中で、方向を決めるのも本当に難しいなと感じております。その中でもこの委員会、文部科学省の方、そしてJSTの方、皆さん判断が早いといいますか、きちんと追随していらっしゃるというのも感じて、その応援の一端でも担えたら本当にうれしいなと思っておりました。このようにして参加できたことを非常に感謝しております。ありがとうございます。
 また、一つだけ、さらに追加のお願いをしますと、GteXもそうなんですけれども、リーダーのリーダーといいますか、次のリーダーのリーダーも養成していただければ、難しいと思うんですけれども、私たちも安心かなと思っております。
 どうもありがとうございました。
【杉山主査】  佐藤先生、ありがとうございます。重要な御指摘をいただきました。ありがとうございました。
 続きまして、志満津先生、よろしくお願いいたします。
【志満津委員】  志満津です。今回の議論に参加させていただきまして、大変勉強になりました。ありがとうございます。
 また、議論の中でもありましたように、研究と実証と政策みたいなものが一環でつながるというところは、今後も含めて、ぜひ取組をよろしくお願いいたします。その上で、研究者の育成も含め、アカデミアの総合力に非常に期待しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 続きまして、田中先生、よろしくお願いいたします。
【田中委員】  東京大学、田中でございます。私もこの委員会に参加させてもらいまして、いろいろな勉強をさせてもらいました。
 研究は非常に長く時間がかかりますし、一方で産業はニーズがいろいろ変わってくるところがあって、そこに対応しなければいけないというところで、橋渡しがなかなか難しいところですけれども、今回、文部科学省さんがこういったところを設定していただいて、蓄電池をはじめとして大きく動き出したというのは、非常に大きな一歩かなと思っておりますし、ますますこの分野は大きく期待が膨らんでくると思いますので、そのほかの分野もこういった形で進めていくというのは期待ができるところかなと思います。
 一方で、私の分野でいきますと、ハードウエア的な少し時間がかかる研究とデジタル的な新しい技術を組み合わせて、さらに進化させたり、いろいろな業種を横断させながら組み合わせていくという、専門家的な部分と横断的な部分というのがクロスするようなところがすごくホットになってきていますので、人材の育成に時間をかけながら、その人が活躍できるような仕組みのようなものも、こういうところを起点に考えられれば、すごく面白いなと思いながら考えておりました。
 特に海外に行くと、ハードウエアをうまくデジタル技術を使って実際に使える形に落とし込んでいくところは、日本に対する期待がすごく高いなとも感じておりますので、今回非常にいろいろディスカッションに参加させてもらいまして、いろいろ勉強になりましたし、これの動きが今後さらに広がることを望むところでございます。
 今回はありがとうございました。以上でございます。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、所先生、よろしくお願いいたします。
【所委員】  このたびは貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。この委員会が始まった頃に比べましても、環境に対する考え方というのは本当に変遷が速くて、当初は恐らくカーボンの意味合いが強かったと思いますけれども、例えば今、足元を見ますと、サーキュラーエコノミーやネーチャーポジティブなど、いろいろな新しい考え方が出てきていると思っています。
 そういった意味では、仕組みのほうも少しずつそういったものに対応できるように、かなりスピーディーに対応していただいているのではないかなと感じていまして、このままいろいろな様々なものづくり、研究開発、技術開発が、環境を意識したものになって、さらに強いものになっていくということになることを期待しております。ありがとうございました。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 続きまして、平本先生、よろしくお願いいたします。
【平本委員】  平本でございます。私は半導体分野から小委員会に参加させていただきましたけれども、先ほどの魚崎先生の話もありましたが、このGX分野は本当にうまくよくなさっていて、成果が上がっている上に、人材育成の点で、1,000人の学生を輩出して、そのうち700人が企業に就職しているということで、人材育成という点からしても成功例だと思いますので、半導体分野もこれをぜひ参考にさせていただいて、技術も人材育成も進めていきたいと考えております。
 以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、本郷先生、よろしくお願いいたします。
【本郷委員】  この委員会に参加させていただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。また、ここで出てきた戦略というのはすばらしいものだし、それに従って、沿って実際に動いており、あとは、しっかり実行していくのみという印象を持ちました。
 その上で考えたのは、せっかく開発した技術が孤立するというのはよろしくないので、せっかくの技術を生かすためには、バリューチェーンで考えるとか、あるいはその技術を生かすための制度や規制の改革、あるいは市場といったものも、いろいろ工夫していく必要があるのかなと思っています。私自身は経済システムとか、そちら側の人間ですので、ぜひ技術の開発を生かせるような仕組み、マーケットづくりといったものに取り組んでいきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、本藤先生、よろしくお願いいたします。
【本藤委員】  まずは、本小委員会に参加させていただきましたこと、多少なりとも議論に加わらせていただいたことに深く感謝申し上げます。
 この小委員会の後半では、GX実現に向けたアカデミアにおける研究開発の方向性について、今日の参考資料にもついてありますように、まとめられました。これは非常に重要なペーパーだと個人的には思っています。
 それに関連しまして、個人的な思いを1点だけ申し上げますと、今後のアカデミアには、社会課題解決に向けた研究開発というのは非常に重要で、重点を占めていくと思います。そのためには、開発される技術が社会にいかなる価値を与えるのか、温室効果ガスの削減であったり、省資源化の効果であったり、経済成長や社会の安定性に与える影響など、そういったものをしっかり評価して、技術開発をバックアップしていくということが、私としては重要かなと思っております。
 改めて、本小委員会に参加させていただきましたことに御礼申し上げます。ありがとうございました。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 続きまして、水無先生、よろしくお願いいたします。
【水無委員】  NEDOの水無です。私も本委員会でいろいろな勉強をさせていただき、大変ありがとうございました。
 今日、文部科学省から紹介された中間取りまとめも、非常によくまとめていただいて、重要なポイントが幾つも入っていると思いますので、実施に向けて推進していただきたいなと思っています。
 GteXに関しては、非常にうまく立ち上がって、うまくマネジメントされて進んできていると思います。チーム型のやり方で、若手のチャレンジと、メンター能力、あるいはマネジメント能力のあるリーダーを育てていき、それらを産業界も含めて輩出していただくということも同時に進めていただいているというのは、非常に心強いなと思います。研究成果の実現だけではなくて、人材育成という観点も非常に重要だと思っています。
 それから、これはこの委員会の議題ではないと思うんですけれども、今、基礎科学力の低下ということも、よく話題になるところだと思います。この点についても、文部科学省の皆様方、いろいろな事業を含めて強化させて、さらにGXやほかの社会課題の解決に寄与するような研究者を育成していただきたいと思っています。
 委員会に参加させていただいて、大変ありがとうございました。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 以上で、委員の先生方から御発言をいただきました。どうもありがとうございました。
 最後に当たりまして、私自身も少しお話させていただければと思います。
 今回この小委員会の主査として、大変不慣れながらファシリテーションを務めさせていただきまして、私自身も非常に勉強になりました。それから、委員の先生方からいただいたコメントというのは、第一人者の集まりでありまして、極めて説得力のある重要な論点を多方面から出していただいたと思います。
 こうした様々な御意見があったおかげで、先ほども言及いただきました議論の中間まとめも出すことができましたし、また、何よりGteXを立ち上げることができたということは、この小委員会の大きなミッションとして成功であったと考えております。これも皆様方、事務局も含めて、御尽力のたまものでございます。どうもありがとうございました。
 こうした認識の上で、あえて今後に向けた発言を少し、これは主査というより、私個人の意見として述べさせていただければと思っております。
 まず一つは、GteXは、先ほどの委員の先生方からも御発言ありましたように、極めて順調な立ち上がりを示していますし、また、まさに佐々木先生がおっしゃったとおり、科研費からいきなりNEDOの事業という、アカデミアにとってはかなりつらいギャップがあった状況について、文部科学省においてアカデミアがこのGXの分野で活性化するプロジェクトを、しかも、ある意味ミッションオリエンテッドな形でチーム型の大型研究として立ち上げられたということは、非常に大きなゲームチェンジであったかと思います。
 もちろんこのGteXは、先ほど来申し上げているように、ステージゲートなども経ながらダイナミックにプログラムを変化させていくということも求められているものでございますので、引き続き、環境エネルギー科学技術委員会でフォローアップをしていく必要があるかと考えております。
 その上で、先ほど人材育成ということもございましたけれども、まず一つは、こうしたチーム型の研究に、若いプレーヤーの先生たちが主体的に取り組まれているということは非常に重要ですし、実際にはその研究室の中で、主体的に取り組まれている学生さんがいらっしゃいます。ですので、こうした学生さんたちが、未来のリーダーという観点でいくと、次の世代のGteXを引っ張る方々になるということが大きく期待されるわけでございますし、また、そうした方々が単にアカデミアのリーダーだけではなくて、先ほども言及あったような産業界のリーダーになっていくということも非常に重要です。
 また、議論の中にありましたとおり、そうしたアカデミアのリーダーと産業界のリーダーが、回転ドアとよく言いますけれども、今までのような、一度就職したら産業界は産業界、アカデミアはアカデミアという形だけではなくて、ダイナミックに入れ替わっていくことが非常に重要になってくると思いますので、引き続きそういう方向性を我が国全体でつくっていく必要があるかと思います。そうした中で、今回参画いただいた委員の方々は、引き続き各方面のリーダーとして発言力が強いと期待されますので、ぜひ応援していただければと考えております。
 さらに申し上げますと、このGteXのXですけれども、先ほどX-nicsのスライドにもあったんですが、Xはトランスフォーメーションで使われる場合も多いですが、私としては、Xというのは掛け算という意味が非常に大きいと考えております。
 そういった中で、今回GteXでは、蓄電池、水素、そしてバイオものづくりといった3つの柱を立てておりますけれども、もちろん、今までも御指摘がありましたとおり、そうした技術開発だけではなくて、ルールメーキングであるとか、あるいは戦略的なインテリジェンスに基づいた出口戦略なども非常に必要になってきます。はたまた、経済安全保障といった非常に難しい課題に対しても、特にこのGteXでは、単に競争領域だけではなくて、国際協調領域という認識の下に、世界全体でネットゼロを目指して取り組んでいく必要があるわけです。
 ですので、非常に様々な領域の掛け算が求められておりますので、それは常に意識して、今後もこうしたGX関係の研究開発施策というのは進めていく必要があると思われますし、そういう中で、このGteXに代表されるような、アカデミアから掛け算を主導していくといったことは、引き続き重要な取組になるかと思います。
 それを実践するに当たって、最後に一言申し上げたいと思います。今回GteXの中では、先ほどお話しした3つの柱が立っておりますが、掛け算という観点で申しますと、もちろんそれぞれのテーマを牽引される先生は目標を達成するために必死で頑張られると思うんですが、そういう中で、蓄電池や水素やバイオものづくりといった壁を超えた掛け算が展開されるような、そういう機運もぜひ醸成していただきたいと思います。
 具体例で言えば、再エネの変動を定置型の蓄電池でマネジメントしながら、経済合理性の高い水電解を行って、そのグリーン水素を使ってバイオものづくりで、例えば食料を大量生産するとか、あるいは合成燃料なり化学品原料を大量生産するといった、夢のようなGXを牽引する技術というのが、GteXの3つの柱の中から、多分出てくるんじゃないかと思うんですよね。
 ですから、ぜひPDの魚崎先生にも意識していただきながら、そうした研究者の間のある意味の自分の領域だけを守るという機運ではなくて、その周辺と積極的にコラボレーションしていこうという機運を、このGteXで率先して実践していただくということが非常に重要かなと思います。
 その観点で申し上げますと、一つは先ほどのような、例えば戦略的インテリジェンスでありますとか、ルール形成であるとか、はたまたELSI、RRIといった、いわゆる総合知という言葉に押し込められるような重要なテーマがございますが、こちらに関しては、現在のGteXでは明示的には実装されていませんし、また、それを予算化していくということも決して簡単な作業ではないというのは、私も事務局とお話をしながら強く認識したところでございます。
 ですので、今回の中間まとめに記したような戦略というのは非常に重要なんですけれども、それをいかに実装していくかという観点での予算化という論点は、まだまだそう簡単ではないというところがあると思いますが、先ほど申し上げたような、まずはGteXの中で、3つの柱の間での掛け算、それから、先ほどの戦略の検討会議などで、一部なりともそうした総合知であるとか、インテリジェンス機能、あるいは社会実装戦略といったところ、あるいは国際協調、競争の戦略といったところを積極的に取り組んでいただくことによって、その機能を予算化して、より強化していこうという流れが出てくることを強く期待するものでございます。
 ですので、そうした活動につきましては、今回の小委員会で、繰り返しにはなりますけれども、皆様方からいただいた貴重な御意見をまとめた議論の中間まとめがございますので、今後の環境エネルギー科学技術委員会の中で、こうした論点を参照しつつ、先ほど申し上げたような、単にプログラムをうまくマネージしていくということだけではなくて、そこからシナジーとして出てくる新しい動きをいかに創生していくのか、そこに、ぜひ文部科学省には頑張っていただいて、さらに予算をつけて、その動きをさらに支援、強化していくといったことにつなげていくことが、今後のこの小委員会の議論を踏まえた活動になるかなと僭越ながら考えているところでございます。
 長くなりましたけれども、私として今まで感じたこと、考えたことを述べさせていただきました。
 ということで、本日予定されている議題は以上でございます。ここで、今期の締めくくりに当たりまして、清浦研究開発局担当審議官より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【清浦(事務局)】  皆様、ありがとうございました。今期の締めくくりということでございますので、研究開発局の担当審議官であります清浦でございますが、代表いたしまして、閉会の御挨拶をさせていただきます。
 本小委員会では、第11期から第12期と期をまたいで、本日まで10回開催させていただきました。誠に御多用の中、貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。
 特に前半におきましては、GteXの基本方針、研究開発方針の策定ということで、3か月間の中で5回ということで活発な御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。このGteX事業につきましては、引き続き、経済産業省等関係府省、それからJSTとも連携しつつ、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
 また、後半におきましては、GXの施策に関する幅広い御議論をいただきまして、中間取りまとめということでまとめていただいております。今日も様々、非常に示唆に富む御意見をいただいてございます。私どもGX関連施策は、非常に今後とも、より重要になっていくと思ってございます。
 その上で、非常に裾野の広い分野からの知見を集めつつ、それを実装する分野も非常に幅が広いというところ、そして、その技術の進展も非常に速い中、国際情勢も非常に変化が激しいという状況の中で、どのような研究開発を適時適切に進めながら実装につなげていくか、そのための仕組みづくりなどを、引き続き我々としてもしっかり進めていきたいと思います。
 その中で、今、杉山先生からも、アカデミアから掛け算を主導するという言葉をいただきました。それをするための仕組みづくり、それから人材づくりというところに、今後とも意を払ってまいりたいと思います。
 最後になりますけれども、杉山主査をはじめ、委員の皆様の御尽力に対して、重ねて厚く感謝を申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から事務連絡をよろしくお願いします。
【後藤(事務局)】  事務連絡でございます。
 本日の議事録につきましては、後日、事務局よりメールで委員の皆様にお諮りした後、文部科学省ホームページに掲載することで公表させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上となります。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして環境エネルギー科学技術委員会革新的GX技術開発小委員会の第10回会合を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
 
── 了 ──

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研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)