革新的GX技術開発小委員会(第5回)議事録

1.日時

令和5年3月30日(木曜日)16時00分~18時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

 1. 前回の議論のまとめ
 2.「革新的 GX 技術創出事業(GteX)」基本方針(案)及び研究開発方針(案)について
 3.「革新的 GX 技術創出事業(GteX)」研究開発計画(素案)等について
 4総合討議

4.出席者

委員

杉山主査、森主査代理、石内委員、菅野委員、五味委員、佐々木委員、佐藤委員、志満津委員、田中委員、田畑委員、所委員、新田委員、平本委員、本郷委員、本藤委員、水無委員

文部科学省

千原研究開発局長、林研究開発局審議官、轟環境エネルギー課長、吉元環境エネルギー課長補佐、奥ライフサイエンス課長、根橋ライフサイエンス課長補佐、葛谷ライフサイエンス課長補佐 他

オブザーバー

経済産業省、科学技術振興機構 他

5.議事録

【吉元補佐】  では、ただいまより第5回革新的GX技術開発小委員会を開催いたします。
 冒頭、進行を務めさせていただきます環境エネルギー課の吉元です。本日はお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日もオンライン会議になります。事前にお送りした進行上のお願いのとおり、発言の際はビデオ、マイクをオンにし、発言されていない際はオフにするよう御協力をお願いいたします。また、御発言をいただく場合には、「手を挙げる」のボタンを押していただくか、チャットにてお知らせいただくようお願いいたします。指名を受けて御発言をされる際はマイクとビデオをオンにし、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。
 また、本日の議題は全て公開議題となり、会議の様子はユーチューブを通じて一般の傍聴者の方にも公開されております。
 議事に入る前に、まず、本日の資料を確認させていただきます。議事次第、それから、資料が議事に沿って資料の1。2-1が2-5まで5つです。それから、議題3用として資料3。それから、参考資料0というファイルをメールでお送りしております。不備などございましたら、事務局までお申しつけください。
 なお、本日、事務局の文部科学省環境エネルギー課及びライフサイエンス課、経済産業省産業技術環境局のカーボンニュートラルプロジェクト推進室、それから、JST、有識者として近藤科学官よりオブザーバー参加がございます。それぞれの御紹介は出席者名簿に代えさせていただきます。
 本日、全ての委員が御参加いただいておりますので、委員会は成立となります。ありがとうございます。
 事務局からは以上です。
 ここからの進行は杉山主査にお願いします。
【杉山主査】  皆さん、こんにちは。主査の杉山でございます。
 それでは、本日は、議事次第にございますとおり、4件の議題を予定しておりまして、委員の皆様方は、これは5回目、最後になりますので、忌憚のない御意見を頂戴いただければと思います。なお、終了は6時頃を予定しております。
 それでは、早速議事に入ってまいります。まず、第1の議題ですけれども、前回の議論のまとめでございまして、こちら事務局より御説明をよろしくお願いします。
【吉元補佐】  事務局です。資料、右肩のほうに資料1とつけている資料になります。前回、まさにこのGteXの基本方針・研究開発方針の素案をかけさせていただいて、GteX事業に関する進め方というところで総合討論いただいたということです。
 その中で、この1ページ目になりますが、研究開発の進め方というところで、これはやっぱりグリーン・トランスフォーメーションというところを目指していきますので、3ポツ目になりますが、代替技術や競合技術などの技術動向を注視しながら、機動的に研究開発を進めていくことが重要ではないか。
 それから、我々の方針のほうで短期、中期、長期というような考え方を示させていただきましたが、この辺はバランスよく、それから、経産省さん、NEDOさんの事業との役割分担もしっかりやった上で、協力してやっていくべきではないかというような御意見というところ。
 それから、蓄電池に関しては、ALCA-SPRINGというものがあったので、こういったこともしっかり整理をして進めていってほしいというような御意見がございました。
 次のページになりますが、チームの構成、ここは非常にこの事業のポイントだというところで、それぞれ領域で、例えば、これまでそこに参画していなかった研究者とか、多様な研究者が応募できるような形にしたほうがいいという御意見だとか、それから、企業、技術研究組合というところをしっかり巻き込んでチームをつくっていってほしいというような御意見もいただきました。
 それから、オープン・クローズ、知的財産、データ取扱いというところで、自動・自律実験のプレゼンもしていただいたところですけれども、こういったことをしっかり活用しつつ、実験データを取るところというところは、ネガティブデータ、こういったところもしっかり収集できるような形で事業が進められるといいというところの御意見がございました。
 3ページ目になります。共用、これもかなりチーム型の大きな事業になりますので、共用というところの重要性は論をまたないところはありますけれども、これは大型の設備だけじゃなくて、中小の設備についても非常ニーズが高いのもあるので、そういったところもしっかり必要であると。
 それから、また、技術スタッフというところの支援というのもやはり欠かせないでしょうという御意見がありました。
 いただいたご意見は、本日、これから御説明させていただきますけれども、基本方針並びに研究開発方針のほうに反映させていただいております。本日も議論のほどよろしくお願いいたします。
 以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、議題2に入ります。革新的GX技術創出事業(GteX)の基本方針案と研究開発方針案について議論していきたいと思いますが、まず、議題2のほうで、基本方針案と研究開発方針案、それぞれを文科省の担当のほうから御説明いただきます。
 まず、研究開発局環境エネルギー課の轟課長より、革新的GX技術創出事業(GteX)の基本方針の案、そして、蓄電池領域及び水素領域の研究開発方針の案について御説明いただきます。
 次に、ライフサイエンス課の奥課長から、バイオものづくり領域の研究開発方針の案についての御説明をいただきます。
 それでは、轟課長と奥課長、順番によろしくお願いいたします。
【轟課長】  環境エネルギー課長の轟です。資料2-1をご覧ください。これまで御議論いただきましたが、制度全体に係る基本方針と3領域ごとの研究開発方針のポイントをまとめた概要を作成いたしました。これに沿って、まず、これまでの議論を振り返りつつ、特に前回第4回から大きな変更点があったところは、方針の本文を用いて御説明したいと思います。
 まず、1の背景・目的ですけれども、我が国として、カーボンニュートラルと経済成長の同時実現に向けて、今後10年間で官民合わせて150兆円超のGX関連投資を行う。そのために、新たにGX経済移行債を財源として、官のほうで20兆円規模の先行投資を行う。GteXはこの中で実施するということになっております。
 本事業GteXは、日本のアカデミアの将来的な貢献が特に期待できる3領域で、大学等のトップレベルの研究者がオールジャパンの統合的なチーム型で行う研究開発を支援するということです。
 2の実施方法ですけれども、温室効果ガスの削減効果・経済波及効果に対して、量的な貢献、それから、産業界の抱えるボトルネックの解決、研究開発等への投資拡大への貢献、それから、アカデミアから独自性のある貢献、こういった観点から研究開発のテーマを設定しますということです。
 課題の性質に応じて短期、中期、長期の研究開発期間を設定いたします。
 支援対象ですが、アカデミアがメインということで、原則として研究開発開始時にはオープンイノベーション型としますが、早期の社会実装を目指すということで、クローズ型での共同研究や社会実装の担い手となる技術研究組合や企業等の参画も可能とします。
 ステージゲート評価については、事業開始から3年目、5年目に行うということで、将来的な市場開拓・投資融資誘発の可能性や、技術の革新性、実現可能性、国際競争力等の多角的観点から評価をするということです。
 次のページに行っていただいて、効果的な研究開発の推進というところで、たくさん意見をいただきましたが、世界と戦っていくためには、研究DXと自動・自律実験といった新たな研究手法の導入が不可欠であろうということです。また、大型設備等については、中核となる機関に技術職員等の十分なサポート体制を整備しつつ、参画機関間の相互扶助のネットワークを形成していくということです。
 成果最大化の取組ですけれども、ここのところは前回もオープン・クローズ戦略の御説明がありましたけれども、JSTは、将来的な社会実装や企業参画等を見据えたオープン・クローズ戦略を領域ごとに策定するとともに、研究成果やデータの共有範囲等について方針や知的財産に係る方針を策定する。その上で企業等との意見交換や具体的なニーズの抽出、連携策の検討等を積極的に行い、研究開発内容にも適宜反映していく。ここが重要であろうということです。
 今度、実施体制ですけれども、PD・POに十分な裁量を与えて、その下で産業動向、技術動向、企業の投資意欲等を勘案して、機動的に研究課題やチームの体制の見直しを行っていく。その際に新たな研究者も参画し、挑戦的な研究課題に挑戦していくことを推奨しますということです。
 また、海外連携のところでは、同志国になる海外のトップレベル研究機関との戦略的な連携を促進する。また、若手研究者の参画、特に博士課程学生等の参画を奨励するというところが基本方針の概要でございます。
 ここで資料も移りまして、資料の2-2の基本方針の本体のほうで、前回から特に大きな更新があったところを御紹介したいと思います。
 基本方針、資料2-2の3ページですけれども、インパクトのところです。先ほどお話ししましたとおり、GX経済移行債が財源であるということを明確にするという意味で、今後10年間における150兆円超のGX投資への貢献というところを追加しています。
 それから、8ページに行っていただいて、共用の推進のところですけれども、大型の設備だけではなく、小さくても全国的なニーズが高い設備も重要であるという御指摘を前回いただきましたので、その旨ここに記載をしております。
 また、下のオープン・クローズ戦略のところ。ここは、9ページですけれども、前回、東大の小川様から非常に貴重なお話をいただきましたので、それについて、本事業によるいわゆる協調領域での研究開発支援から、企業等における競争領域での技術開発へと移行することも見据えた事業運営を図ることが極めて重要であるといったところの趣旨を追記、充実させております。
 また、10ページに行きまして、研究成果の展開のところですけれども、この事業は、肝となるのはGXの出口側である企業等といかに具体的な連携ができるかというところになってきますので、JSTは事業実施中に、企業等との意見交換や具体的なニーズの抽出、各研究課題における企業等との具体的な連携策の検討等を積極的に行い、その結果を適宜反映していくということを強調させていただいております。
 続きまして、戻りますが、資料2-1の今度は蓄電池領域の概要を説明したいと思います。資料の2-1の今度は3ページになります。蓄電池の研究開発方針、概要ですけれども、背景・目的のところです。当面続く見込みの液系LIBの製造基盤を強化しつつ、次世代電池の開発・実用化加速、市場の創出獲得を目指す。そのために、企業側の電池開発・実装とアカデミア側の原理解明・材料開発をすり合わせるなど、産業界とアカデミアのより一層緊密な連携・協働が必要であろうということです。
 2の研究開発テーマのところは、短期、中期、長期の3つに分けるということになっていますが、短期のところは、車載用電池市場の主力である液系LIBの高性能化や硫化物系全固体LIBの本格実用化等、産業界における技術開発・実装上のボトルネックとなっている基礎課題、こういったところをやるということです。
 中期のところですが、ここは、ボトルネック課題の困難性等により、産業界での取組・普及がまだ一部にとどまっている次世代電池ということで、記載してあるような電池の技術的な成熟度の引上げといったところをテーマにしています。
 長期のところですが、ここは、企業が取り組むにはまだ障壁が高いが、将来的な企業との本格的な共同研究が見込める新原理や新規構成による革新電池を対象にします。
 この短期、中期、長期と併せて重要なのは、共通基盤の材料探索とか計測・解析のところでDXを活用した手法が重要であるというのが、ここで1つテーマとなっているということです。
 次のページに行きまして、体制ですが、蓄電池は、材料開発から蓄電池システムとしてのトータルとしての電池のくみ上げができるチーム体制をつくるというところが重要です。
 それから、2つ目のところで、電池研究と材料研究が止揚するような産学の有機的連携体制の構築。LIBTECに御説明いただきましたけれども、技術研究組合等との密接な連携も重要であろうということです。
 それから、同志国というのは、これは蓄電池がまさに経済安全保障推進法における特定重要物資になっていることから、ここは同志国になる海外との連携を推奨するということです。それから、先行する事業であるALCA-SPRINGの蓄積がありますので、ここはNIMSのデータプラットフォーム等、こういった既存のデータの活用も効率的にやっていきましょうということが書いてあります。
 前回から大きな修正については、今度は、資料の2-3の研究開発方針・蓄電池のほうで少し補足したいと思います。9ページの(3)の共用設備プラットフォームの中に入っているんですけれども、前回、失敗データの共有はアカデミア主導の事業の中で行うことは非常に大きな意味がある、例えば、応募する研究者から見れば、ネガティブデータというのは、次への成長の芽であるとか次の成果を出す宝物である、そういった御指摘をいただきましたので、その趣旨をここのところに書かせていただいています。ネガティブデータも含めたデータ連携・蓄積・活用による効率的な研究開発を目指す。そのために、データマネジメント方針を策定するといったところです。
 それから、次に11ページの、マネジメントのところなんですけれども、こちらも前回、短期、中期、長期と設定はしているんですが、例えば、短期の課題についても、ステージゲート評価をしたときに当初予想外の画期的な芽が出てきて、これをもうちょっとやっていくと、今回のGteXの大きな成果につながるんじゃないかというようなものが出てきた場合は、最初の設定が短期であっても、中長期のほうに引き継ぐというのもあっていいんじゃないかという御指摘がありましたので、ここのところで追記をしております。
 オープン・クローズ戦略のところは、先ほどの経済安全保障の観点に留意しつつというのを入れてあるというところが蓄電池の大きな変更点でございます。
 また、資料の2-1に戻っていただいて、今度は、水素の研究開発方針の概要について御説明いたします。5ページになります。水素は、研究開発テーマのところに黒字になっていますが、水素製造技術、水素貯蔵技術、燃料電池技術と、つくる、ためる、つかう、というそれぞれのカテゴリーで研究テーマがいろいろ設定できるという話がありました。
 こちらも短期、中期、長期ですけれども、短期のところは、企業主体で実用化を進めている技術で隘路となっているものということで、そこにあるアルカリ形の水電解とか、固体高分子形の水電解による製造コストの削減とか、燃料電池の長寿命化や低コスト化といったものを例示しています。
 それから、次の中期のところは、2030年や40年頃に実用化を目指す中長期的な課題で一企業のみの技術開発で実現することはハードルが高いといったもの。例えば、中性水溶液を用いた水電解システムとか、新規材料を用いた高圧水素貯蔵システムといったものを例示しています。
 長期のところは、こちらは新原理、革新的技術を創出といったところで、アニオン交換膜形水電解とか、水素吸蔵合金、あるいは非貴金属電極触媒を用いた燃料電池といったものを例示しています。こういったところに分けて取り組みますが、ここも材料探索、計測・解析のところは共通基盤ということで、これは水素に限らず、蓄電池とかほかの領域とも情報交換をしていったらいいんじゃないかというお話だったと思います。
 水素に関しては、今度、資料の2-4の研究開発方針の本体のほうで、また大きな修正点は補足したいと思います。資料2-4の8ページですけれども、若手研究者の積極的な参画・育成というところで、前回、水素領域を念頭に置いて御意見いただいたところですけれども、FC-Cubicといった技術研究組合やコンソーシアムといった場を活用して、アカデミアと企業の若手が一緒に研究シナリオの策定段階から活動していくことで、非常に若手の能力アップ、それから育成につながるんじゃないかというお話だったと思います。そこの部分を、研究開発の方向性を検討する場等への若手研究者の参画というところで追記をさせていただいています。
 また、次のページ、9ページのオープン・クローズ戦略、それからデータ戦略のところは、水素領域の特性に合わせた書きぶりということで、具体的に水素貯蔵システムの開発のときに、オープンからクローズへの発展のシナリオを検討するといったことも書いているところでございます。
 水素領域については以上です。
【奥課長】  続いて、バイオものづくりについて御説明をします。資料の2-1のバイオものづくりのところを御覧ください。研究開発方針になります。バイオものづくりについては、経済成長と社会的課題の解決の二兎を追える分野として位置づけています。これは経済産業省さんの事業と密接に連携・協力しながら進めるということで、経済産業省さんのほうが企業における製造の大規模スケール化、効率化等の実用化に向けた研究開発を進める一方で、文部科学省の事業のほうは、アカデミアにおいて新規の代謝経路の開発など基盤的な研究開発を推進するということが重要だとしています。
 前回の委員会を受けて大きく変えたところが、研究開発目標・項目の具体的に何をつくるのかというところです。前回、C4以上に限定する必要はないんじゃないかという御意見をいただきました。そのため、2つ目の丸ポツですけれども、多様な脂肪族化合物や芳香族化合物、具体例としてゴム製品、プラスチック、化学繊維等の原料、これとSAFをはじめとする次世代燃料等の化学品の種類、機能の拡大や物質生産の効率性の向上、CO2の固定化能の向上、さらに、より効率的なDNA合成・ゲノム編集技術の開発などを行うということで、目標を改めて見直しをさせていただきました。
 研究開発のテーマ例として、微生物研究、それと植物研究。さらに、これは「横断技術」と書いていますが、すいません、修正が漏れて、「基盤技術」になります。この3つの研究例を設けさせていただいています。この3つ目の基盤技術のところですけれども、前回の経済産業省さんと一緒に行ったガバニングボードの場で、エンジニアリング技術についても必要じゃないかということで、ここに書いてありませんけれども、本文のほうには追記をさせていただいています。これが1つ目の大きい修正点です。
 2つ目の研究開発の実施体制です。チーム編成につきまして、チーム名が若干分かりにくいというところがありましたので、今回、中核研究チームを設けるとした上で、この中核研究チームについて、微生物研究中心のチーム、それと植物研究中心のチーム、この2つを置くということで対象を明確にしています。この2つのチーム、中核チームにおいて、基盤技術に関する研究等を総合的・統合的に進めるというとともに、人材育成であるとか機器共用などの中核的な機能を併せて構築するというふうにしています。
 さらに、この中核チームを支えるものとして、関連する複数の革新的な個別技術の高度化などを行う基盤技術研究チームというのを設けて、中核チームと連携・協力して研究開発を行う体制を構築するという形にしています。
 さらに、データ活用であるとか研究開発のマネジメント、特に研究開発のマネジメントのところでは、POが若手ですとか異分野の研究者も巻き込んだ形でオールジャパンの体制を構築するということ。さらに、必要に応じてこのプロジェクトの構成というのを機動的に見直すということ。さらに、産業界への実装を目指して中核チームを中心に産業界からのニーズを取り込む体制を整備する。迅速に企業からのボトルネック課題にも対応するということを書いています。
 さらに、対象について、出口としてスタートアップによる成果展開を目指すということを明確に書かせていただいています。
 さらに、前回の意見を踏まえて、オープン・クローズ戦略の中身であるとか経済産業省さんとの連携・協力の体制というのも本文のほうではさらに追記をさせていただいているところです。
 私からは以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、まず、五味委員が4時45分頃に御退席予定ということですので、五味委員のほうから、もし御意見ありましたら先に賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。特にないかな。
【五味委員】  すいません。ちょっとバタバタしていて。申し訳ないです。
【杉山主査】  お願いします。
【五味委員】  申し訳ないですが、途中で抜けてしまうので。
 幾つかあるんですけれども、簡単にお話しさせていただくと、前から言っているんですが、前の研究開発方針、今お話いただいたように、修正案で資源配分方針やオープン・クローズ戦略に関しても追加されていて、漏れのないような内容になっていると思いますので、よいかと思います。
 先ほど、前回のところでもあったということで入れてよかったと思うんですけれども、小型とか大型、または中型の解析機器等共用というのをちゃんとしっかりうたってくれているのはすごくありがたいんですが、このような拠点が1か所だけだと使い勝手がよくないので、本当は数箇所設定されると非常によいのではないかと思いました。
 また、若手人材育成についても、これは前ちょっと意見を言ったかと思うんですけれども、アウトカム目標として挙げられている博士号の取得者を多く輩出するというだけでは不十分だと思いますので、重要なのは、博士号の取得者がその後も活躍できる場をつくっておくことが非常に大事だと思っています。
 そのような観点から、研究開発方針の中に、産業界に供給できる人材育成を目指すということが明示されているのは非常に好ましいと思いました。このような博士号の取得者の明るい未来が描かれていると、博士課程進学者も多くなって、我が国の将来を担っていただけるのではないかと思います。そのためには、先ほどもありましたけれども、民間企業の皆さんの理解と協力と、あと連携が必要だと思っています。
 一方、研究開発テーマについては、まだ漠然として、ターゲットがはっきりしていないように感じていますし、具体的な研究計画みたいなのはJSTさんから示されていたと思うんですけれども、今日の資料を受け取るのがちょっとうまくできてなくて見られていなかったので、先ほどちょっと見たんですが、あまり変わっていないので、今おっしゃっていたように、経産省との連携ということもあるんだと思うんですけれども、NEDOのスマートセルやものづくりバイオと同じような内容で、ちょっといま一つ具体性がないかなと思っていまして。いずれにしても、実効性のある研究計画や実施体制ができるとよいと思っています。
 最後、ちょっと目くじらを立てるようで申し訳ないんですけれども、この小委員会が革新的GXと銘打たれていることもあって、文章に「革新的」という文言が多く見られて、このように多いと、逆に「革新的」という言葉が陳腐化して、何が革新的なのか分からなくなりそうな危惧を持っています。生物を対象にすると、思うようにいかないことが多くあるので、あまり「革新的」という文言にとらわれずに、地味でもいいんですけれども、成果を積み上げて社会実装につなげてほしいと思っています。
 そのような観点で、第3回目の委員会の際に、カネカの佐藤さんからアカデミアの要望として、AIだとかIoTだとかじゃなくて、ウエット系の研究者、つまり、体を動かして汗をかくのをいとわない研究者が求められているというようなことを言っていましたので、生産現場はそういうことだと思うんです。
 さらに、上市することができるようなレベルの生産性を達成するためには、バイオ工学やプロセス工学の知見が必要になると思います。先ほどちょっとエンジニアリングも入れてくれたということで、非常にいいと思いますので、いずれにしても、そのような人材育成を大事に考えていっていただければと思います。
 簡単で、長くなってしまうので、これ以上コメントしませんけれども、この前ちょっと感じたことを、大事かなと思ったことを申し上げました。どうも、今日は途中で失礼しますけれども、申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
 以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 その他の委員の皆様は、今日は総合討論の時間を1時間程度取ってございますので、そちらでまた御意見いただければとは思いますけれども、今の段階で、あまり忘れないうちに言っておきたいとかそういうようなことがございましたら御意見を賜りたいと思います。今までの基本方針とそれから研究開発方針の案について、御意見、急ぎのものがございましたら、いかがでしょうか。よろしいでしょうかね。
 特にお急ぎのものがないようであれば、最後に総合討論でまとめて議論させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、議題3に移ってまいります。議題3は、革新的GX技術創出事業(GteX)の研究開発計画の素案等についてです。先ほどの文科省のほうが方針で、こちらは計画になって、より具体的にどのように事業を進めていくのかということについての素案が出てくるかと思います。
 それでは、こちらは科学技術振興機構未来創造研究開発推進部の大矢部長より御説明をよろしくお願いします。
【大矢部長】  JST未来創造研究開発推進部の大矢のほうから、このGteXの研究開発計画、現在の方針を御検討いただいておりますが、並行して我々のほうでも計画の素案という議論を進めております。御報告をさせていただきます。
 1枚めくっていただきます。今日は、まず今まで検討してきた状況、そしてそこからつくっております計画の素案についての御報告、そして最後に、我々は運営交付金のほうでもALCA-Nextという事業を進める予定になっております。それとの連携について御説明したいと思います。
 1枚めくっていただきます。検討状況になります。
 現在我々は、3月にワークショップを実施する形で、様々な有識者の方々から御意見をいただくことをしておりました。3分野ごとに、過去に、下に書いてあります合計5回のワークショップ、延べ約50名の方々で、産官学の有識者による議論を進めておりました。今回GteXの趣旨も踏まえまして、どうしても大学の先生方は50%程度になりますが、産業界の方々にも多く参加をしていただき、産業界のニーズも酌み取る形でのワークショップを実施しております。
 それを踏まえまして、下のほうに書いてありますが、革新的GX技術推進準備委員会というものをJSTの中で発足させまして、その委員会の中でも議論して行いました。その委員の構成については下に書いてあるような形で、大学、国研、産業界、それぞれの割合で議論を進めてきておりました。
 1枚めくっていただきます。前回のところでも少し御紹介しておりましたが、ワークショップでの議論を少し御紹介したいと思います。
 まず蓄電池のところになりますが、上のほうに書いております安全性向上や軽量化、資源制約フリーなどの社会・産業からの要請に応じた様々な電池系を、バックキャストで研究開発の実施を行う、公募していくということを考えております。
 また、方針のほうでも御議論がありましたが、リチウムイオン電池、硫化物全固体電池、ALCA-SPRINGでも硫化物電池の固体の成果を、NEDO等にも伝えております。リチウムイオン電池はもちろんのこと、硫化物全固体電池も実用化に進みつつありますが、その中でも、なおアカデミアで行うべき研究課題というものがございます。我々はここの基礎研究の要素をちゃんと整理した上でも、他事業、NEDO等の事業と有機的な連携を取りつつ、アカデミアが行うべき研究を整理して実施するということを取り入れる形になります。
 マネジメントのほうになりますが、方針のほうでも議論がありましたように、電池系でチームを組む体制を取りたいと思います。各要素のチームではなくて、電池系としてチームを組み上げるということを想定しております。
 また、大学中心だけではなくて、当然ながら企業、そして技術組合等ございます。そことの連携を、チームの中もしくは全体として取り入れていくことを考えていきます。
 また、データベースの活用のほうも御議論いただいておりますが、これも前身のALCA-SPRINGでも既に一部進めてきておりますが、それを拡充する形で様々なデータの取り込みというものも行っていきます。
 また、学生のところになります。博士課程の進学率の向上というものはALCA-SPRINGでも行ってきました。議論の中では、博士課程はもちろんですが、その下の修士課程の学生たちにも、この研究の面白さ、重要性というものを理解した上で取り込んでいくということが重要だと思っております。また、異分野の若手研究者がこの研究分野に飛び込んでくるような体制も考えていきます。
 次のページ、お願いいたします。水素になりますが、水素も上のほうに記載ございますが、トータルとしてのシステム(材料開発から先端解析、DX、セルの評価、スケール化の見通しなど)を、一気通貫して取り組んでいく体制を構築していきます。
 また、研究開発マネジメントのところにございますが、水素、燃料電池については、やはり物理的な関係が非常に強うございますので、ここの水電解・燃料電池に関しては、チーム間連携を積極的につくっていくマネジメントを行います。
 また、下のほうにもございますが、実際にもう燃料電池等進んで、水電解もある程度実用化のところが進んでおります。この企業関係者を、評価等でも様々な形で取り込んでいくことを予定しております。
 次をめくっていただきまして、バイオのほうになります。バイオは特に下のほうに書いてありますが、有用物質の生産が可能となる微生物・植物等を開発するための革新技術を開発する方針にのっとって進めていきたいと思います。先ほど方針にもございました様々な化合物、またSAFのような次世代燃料、もしくはCO2を原料として物質生産を行う際の固定化技術に関与する微生物・植物などの開発を、一気通貫で行っていくような体制を構築します。
 マネジメントのところになりますが、まず、先ほど方針のところにもありました中核研究チーム、そして基盤研究チームという構成をつくっていきます。基盤研究チームのほうでは、各要素技術の革新技術の開発を進めていくとともに、中核研究チームのほうでは、これらの技術を組み合わせる形で、微生物、そして植物のほうでチームを構成して、それぞれの微生物・植物を開発していくファウンドリをつくっていくというのを、一つ大きな目標に掲げています。
 また、一番下になりますが、ほかの領域でも同様ですが、特にこのバイオのところでは、ELSIや過去の規制動向というものも非常に踏まえた上で研究を推進する必要があるということの御議論がございました。
 1枚めくっていただきまして、その後、GteXの研究開発研究素案ということで御紹介していきますが、まずは各領域にまたがる形での全体共通として御紹介したいと思います。
 まず知的財産管理になりますが、各領域に知財委員会を設置いたします。この知財委員会をベースに、真に強い特許創出を目指します。特にどうしても評価という形になりますと、特許の数での議論になってしまいますが、必ずしも数の議論ではなくて、本当の意味で有効な、企業の活動に役に立つ特許創出を目指していきたいと思います。
 特に、どうしても国のアカデミアのほうでの研究開発になりますと、30条適用などの特例を使うことが多いかと思いますが、やはりそれを使っているとなかなか強い特許が出せないという意味で、外部発表等をしていただくときに、事前に確認するような申請をいただいて、確認を取るような体制を整えたいと思います。
 また、特許出願も同じように、本当に強い意味での特許が出せるような確認をしたいと思っております。それを申請、そして確認するというような体制を整えたいと思います。
 また、これはどちらかというとチェック体制みたいな形になっておりますが、チェック体制だけではなくて、特許を出しやすい環境という意味で、直接研究費からの出願費用が捻出できるような仕組みにしたいと思います。また、どうしても出願しやすくはなりますが、やはり直接経費から出願する場合も、この委員会を通した事前確認をする形で、適切なものが出願されるようにしていきたいと思います。
 また、実施許諾のところも、確認もしくは申請をいただいて確認を取るというような体制を取って、必ずしも数ではない、有用な特許の創出、または利用のところの誘導をエンカレッジするような形での体制を取っていきたいと思います。
 次のページをお願いします。社会実装・企業の巻き込みのところになります。これは今後チームが立ち上がって、さらに議論が必要だと思いますが、まず1つに、オープン戦略の中でコンソーシアムの構築などを考えております。今参考にしているものは、当機構が進めておりましたイノベーションハブ構築支援事業というものがございました。
 そこで情報統合型物質・材料開発イニシアティブ、MI2Iと呼ばれる事業がございますが、ここでのコンソーシアムというものが、企業を集めてある程度の情報をオープンで出してきたという実績がございます。参加企業の負担がないような形での様々な工夫をしておりましたが、これらを参考にして、これと同じだけではなくて、工夫を凝らしたコンソーシアムなどの構築を今後考えていきたいと思います。これは実際採択したチームとの連携が必要だと思っております。
 また当然ですが、分かりやすい形での情報発信というものは進めていきたいと思います。
 1枚めくっていただきたいと思います。選考時の評価基準になります。基本はJSTが進めている各事業と大きく変わるものではございませんが、ただ、このGteXは、当然ながら温室効果ガス排出削減に寄与するかどうかというのは、やはり大きな基準となっております。ここをまず大前提に審査をしていくことになります。
 また、今回企業等との議論がございました。期待される成果が企業等における研究開発投資を誘発する構想になっているかというものも非常に大事な要素となっております。この点を重視するような評価基準となっております。
 また、特にJSTが進める、アカデミアが推進する研究であるということも踏まえまして、科学技術の飛躍的な発展が見込めるかという要素もこの中に取り込んでいく予定です。
 また、研究開発計画においては、企業等もしくは今後考えていく次世代の技術において、課題が当然ございます。その技術課題の解決に向けた計画であるかという視点もございます。
 また、研究開発体制ですが、今回、GteXは非常に大きな体制を構築することを目指しております。1機関だけで閉じたチームではなくて、非常にオールジャパン的な、各地域のそれぞれの技術を持った大学を結びつけたチーム体制での応募となっているかという視点も非常に大事になってくるかと思います。この点を評価基準の中に取り入れた上での審査体制というものをつくっていきたいと思っております。
 1枚めくっていただきまして、3年後もしくは5年後にステージゲートを実施する予定になっております。少しビジーな図になっておりますが、通常JSTであれば、また他の事業もそうだとは思いますが、いわゆる研究開発課題単位での評価になっております。今回のGteXに照らせば、大体チーム単位での評価というものが基本の体系になるかと思いますが、GteXは非常にチームが大きくなってきます。参加する研究者の方々も大変多い形での提案となってきます。
 それを審査するときに、単純にチームの単位での審査というものは適切じゃないということもありまして、実際に今回は、1つブレークダウンしたチーム、サブチーム等が構築されることを今前提としておりますが、サブチーム単位での評価も個々にしっかり見た上で評価を行っていく、必要があればその評価結果に基づいて、チームの代表者に対して、チーム体制の見直しそのものを依頼するという体制を取っていきたいと思います。
 また、このサブチームでの評価もホームページ等で公開していくというスキームを取り入れたいと思っております。
 また、サブチームの取替えというものも、チーム代表者と話しながら進めていく形になるかと思いますが、このサブチームの追加も原則として公開する、JSTのホームページもしくは学会等でアナウンスをする形で、広く募集する形を取りたいと思っております。
 1枚めくっていただきます。それでは、蓄電池等の技術開発のそれぞれの体制のほうの御説明になりますが、領域で達成したい目標として、方針のほうでもございました高安全性、資源制約フリー、軽量化など、社会から求められる性能を備えた新しい概念に基づく次世代蓄電池の開発を行うという形で、求められる電池の枠で募集するということを考えております。
 下に書いておりますが、研究開発テーマ1から4までそれぞれ、まずテーマ1のほうでは、先ほどございました既存のリチウムイオン電池、もしくは実用化が近くなっております硫化物イオンの話もございますが、そこに対する我々アカデミアでの基礎的な研究内容について募集をする。またテーマ2、3、4と、それぞれの特徴を持った電池をバックキャストで提示しております。これに対して、電池系も含めて御提案いただくという想定をしております。
 1枚めくっていただきまして、体制としてはこのような形になっております。チームごとでの募集となります。
 また、議論がございましたDX等の計測チームは、横軸のチームとして、これもまた募集をしていきます。これに関しては、水素と連携を非常に強く求められておりますので、ここに関しては水素と連携する形で、支援チームのほうは募集をかけたいと思っております。
 また、少し右下に書いてありますが、ALCA-SPRINGでも実施はしていたんですが、このチームに入れない課題についても、チームに導入することを前提に募集するという工夫もしたいと思っております。
 次のページをお願いします。水素のほうになりますが、水素も先ほども議論がありましたが、いわゆるデバイス単位での募集になります。高効率、高長寿化、低コスト化など、社会から求められる性能を兼ね備える水電解・燃料電池・水素貯蔵システムの研究開発を行っていくという想定で、下のテーマを設定しております。
 まず、テーマ1が水電解そのもののシステム開発、またテーマ2のほうでは燃料電池、またテーマ3のほうでは水素貯蔵のシステムの開発を行います。最後、テーマ4のほうでは、先端計測・DXのチーム、横串な形になりますが、この分野に関しては、先ほどの蓄電池と連携した形で行います。この水素の中では、まず各チームの中、テーマ1から3のチームに対して、そのようなチームが所属するような形で推進していく。ただそれを、仮想的な形でチームを新たに横串でつくっていくというような工夫をする形、実験現場に連携した形でのこのようなテーマ4の推進を行っていくことを想定しております。
 次のページをめくっていただきますと、これも水電解、燃料電池、水素貯蔵という形での募集、また技術で書いておりますが、このような提示を徹底した上での募集という形になります。横串のところは、各チームに所属することを前提としておりますが、先ほどの蓄電池のチームと連携し、ここは対応していくということを考えております。
 最後、バイオになりますが、バイオも目標として先ほどお話がありました、様々な化合物等の生産を行っていく、微生物もしくは植物の開発を行っていくことを目的としております。それぞれテーマを書いてありますが、微生物、植物のテーマは、まず中核拠点として記載しております。
 微生物のほうは、化学品の生産への展開の元となる必要最小限機能を有するハブ細胞の開発をまず行う、もしくは有用遺伝子・新規酵素の探索、新規代謝経路などの開発、またCO2から直接化学品の生産を行うような有用微生物の探索などをここで行っていきます。
 植物のほうに関しては、生合成で行われているような複雑な代謝経路の機序解明をした上での光合成の効率の向上、もしくは有用物質の生産性を高めるような新規代謝経路の開発を行っていく、もしくは植物に有用遺伝子を導入するための革新的な技術開発をここのテーマで行っていく。
 最後、基盤技術になりますが、基盤技術は上の2つのテーマに対して寄与する、それぞれの個々の開発を行っていくことを想定しております。データプラットフォームの整備、もしくはDBTL技術に関する革新的な技術の開発、さらにCO2の排出削減に寄与する生物間相互作用の解析、そしてバイオ分子を用いた測定、物質生産に係る技術、そして最後に微生物や植物の培養等に係るスケールアップに向けたエンジニア技術です。経産省から指摘された内容をここでカバーしたいと思っております。
 最後、チームの体制になっておりますが、このような形になっております。中核研究チームに微生物チーム、植物チームというのを構成する。ここでそれぞれの分野でのプラットフォーム化によるファウンドリを確立していく。
 そこに寄与していく様々な技術に対する開発というのを、各下の基盤技術研究チームの中で行っていく。基盤技術研究チームに関しては、今このような5つの体制を予定しております。次世代生産株探索研究チーム、そして生産性向上物質探索研究チーム、人工系による物質生産研究チーム、解析技術高度化研究チーム、そしてDXなどを担当します情報科学/数理科学研究チームの構成としております。
 以上が各分野での素案となっております。
 最後に、我々は運営費交付金来のほうでALCA-Nextという事業も実施しております。1枚めくっていただきますが、文科省のほうから以前御提示がありましたポンチ絵となっております。
 ちょっと大事なところだけ引っ張り出した図を、1枚、次のページに御用意しております。こちらのほうで御説明いたしますが、事業概要としては、2050年のカーボンニュートラルを目指して、従来の延長線上にない、非連続のイノベーションをもたらす革新的技術に係る基礎研究を推進するということで、GteXの分野も含みつつ、幅広い分野に対応するというふうにしております。
 また、ステージゲートを実施する形で、技術的な成熟度を上げていくことを目的としております。
 中間の事業スキームに書いてございますが、いわゆるスモールスタート・ステージゲートという実施をしていきたいと思います。今までやってきましたALCAを踏襲した形にはなっておりますが、第1フェーズ、第2フェーズを用意しております。
 第1フェーズは3年半、研究単価としては、書いてあるような年間3,000万程度のものを予定しております。この程度の課題を採択した後にステージゲートを迎えまして、第2フェーズに移る課題がございます。選択と集中を行いますが、現状では、年間の単位で1億円程度の大きい課題での研究に育て上げる、選択と集中を行っていくことを予定しております。
 このALCA-Nextですが、これとGteXとうまく連携していきたいと思っております。ステージゲートのタイミングが多いかと思いますが、ちょうどGteXのほうで使えるような技術がもし育っているのであれば、GteXのほうへ移行していくような柔軟な対応をしていきたいと思います。
 次のページにございますが、この下のような形でのJSTの中での事業の位置づけとなっておりますが、GteXとうまく連携していきたいと考えています。
 また、次のページになりますが、マネジメント体制も統一したものにしたいと思っております。通常、事業ごとにプログラムディレクター(PD)というのは設定いたしますが、今回はこのGteX、ALCA-Nextを同一のPDに見ていただこうと思っております。またそれをアドバイスする技術推進委員会も別途設けまして、この連携を後押しするような体制としていきたいと思います。
 最後になりますが、ALCA-Nextの募集をする範囲になりますが、次のページをお願いします。このような形で現状分野を検討しております。左側が、国が固めておりますグリーン成長戦略を基に議論を進めてまいりました。
 各重点分野が指定されておりますが、そこの中での基礎的な研究開発要素を抜き出しまして、それを束ねる形で、真ん中に書いております技術領域案、6領域を考えておりますが、この分野での公募を現在計画しております。ここはJSTが進めている各事業でのシーズもあります。こういうところでの研究経過をうまく使う形での募集というものをしたいと思っております。このような形でJSTは進めていきたいと思います。
 最後の予定になりますが、次のページをお願いします。GteXに関しては、急ぎ公募を開始したいと思います。今素案を御説明しましたが、4月中に決定するとともに、PD、POの選定を行います。公募も4月以降、急いで行いたいと思います。
 以上となります。
【杉山主査】  大矢さん、どうもありがとうございました。討論はこの後まとめて行いたいと思いますけれども、ただいまのJST、大矢さんからの発表に対しまして、もし御質問、あるいは明確化したい点等ございましたら承りますが、いかがでしょうか。
 すみません、私からちょっと小さいこと1点だけなんですけど、先ほど知財委員会ってありましたが、この知財委員会とか、あと、知財担当者というのは、プレーヤーのほうから出してもらう、そういう想定をされているんですか。
【大矢部長】  いえ、知財委員会は有識者の方々で、各領域の中で構築していきたいと思います。ただ、そのカウンターパートとして、各研究現場の方々にもそのような担当の方を決めていただいて、そことのやり取りをしていくスキームを考えております。
【杉山主査】  だからそうすると、例えば大学の先生なんか、ほっとくとすぐ発表しちゃうんだけれども、それをある意味審査するのは、必ずしもそのグループの中の大学の先生たちとかという話じゃなくて、もう少し産業界の人とかが交じってできた委員会というのをつくっておいて、その人たちが、いやいや、これは特許になるからちょっと待ってくださいよみたいな話をする、そういう理解でよろしいんですか。
【大矢部長】  そうですね。そこの部分は、今後PD、POが決定したときの各領域での特徴を踏まえた議論になると思いますが、例えば成果発表のところは、場合によってはもしかして現場のところでそういう判断をする会議体をつくっていただいて、御報告をいただくようなアイデアもあるかと思います。
 ただ特許に関してはなかなか現場での判断が難しいこともありますので、委員会で専門家に意見をもらうような体制も当然必要だと思っております。そこの組合せをどのようにやっていくかは、各POと話して決定していきたいと思っております。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 田畑委員からよろしくお願いします。
【田畑委員】  すみません。簡単に。少し13ページから17ページ辺りに、達成したい目標および研究開発テーマというのが書かれているんですが、これまでの議論で、ここに挙げられている個々のテーマというのはあくまで例示で、これ以外のものも十分検討に値するというふうに理解してきたんですけど、それはそういうことでよろしいんでしょうか。これがだんだん独り歩きして、これに合致したものしか取れないというようなことにならないほうがいいと思いますので。
 以上です。
【大矢部長】  我々は公募ですので、研究者のまずアイデアというものが御提案いただけると思います。ただ、その方向性があまりにもずれてしまうのを防ぐためにも、例示という形で、当然今まで御議論いただいた内容というのは提示していきたいと思います。その内容が含む、かつそれ以外のところも当然御提案があると思いますので、それを踏まえて採択、評価をしていく形になると思います。
【田畑委員】  どうもありがとうございました。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。御質問、あるいは明確化のコメント等ございましたら承りますが。よろしいでしょうかね。ありがとうございます。
 それでは、大矢さん、どうもありがとうございました。
 そうしましたら議題を進めまして、4の総合討論に入っていきたいと思います。
 今回が検討5回目になりまして、こちらで、先ほど文科省のほうから御説明いただきました基本方針と、それから研究開発方針のほうはファイナライズしていく方向で、皆様の意見を収束させていくという形に持っていければと思いますので、そうした意味で、こちらの基本方針、研究開発方針について御議論がございましたら、順不同でいただきまして、場合によってはその専門家の先生方にいろいろと御意見を重ねていただきながら、深めていければと思っております。
 また、JSTの先ほどの研究開発計画のほう、こちらは最後、JSTのほうでまたもんでいただくということになりますので、こちらについては委員の先生方から御意見をいただきまして、最後、JSTのほうに渡していくという形になっていくかと思いますので、それでは、まずは基本方針、研究開発方針について何かございましたら御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは本藤委員、よろしくお願いします。
【本藤委員】  御指名ありがとうございます。第2回から第4回を欠席してしまいまして、誠に申し訳ございません。まずおわび申し上げます。
 その間の議論をきちんと把握できておりませんので、多少重複するかもしれませんが、資料2に関して、全体の基本方針とそれぞれの領域の研究開発方針について、3点ほどございます。2点コメントと1点質問になります。
 まず1点目は、全体の基本方針についてです。御提案の基本方針を拝読しますと、このGteX事業の特徴の一つが前面に出ていて非常によいと思いました。具体的には、研究課題選定、それから資源配分方針など、全体を通して、GHG削減効果への貢献と経済波及効果への貢献、これらを評価軸としていることが明記されておりまして、非常によいと判断しました。このGteX事業は、GHG削減効果と経済成長の同時実現に向けた研究開発ということを、やはり強くメッセージとして出していくことが必要だと思いますので、その点、今回の方針案はよくできているのかなと思いました。これが1点目です。
 それから2点目に関しましては、これも基本方針についてです。具体的に申し上げますと、12ページ目に有機的な「チーム」の構築という項目がございます。その2段落目に、技術開発の推進とともに、技術評価やシナリオ分析などを同時に行う必要があると明記されております。12ページ目、ここの2段落目です。「また」から始まるところです。
 実際にこれをどのような形で行うかは改めて検討する必要があるとは思いますが、やはりGteXが脱炭素社会の構築という大目標に向けた技術開発事業だということを考えますと、常にその大目標を見据えて技術開発を進めるべきだというメッセージになると思います。だからもしかしたらもう少し、あくまでこの大目標は脱炭素社会なんだよと、そのメッセージをより強く意識していただけるような文言とできたら、さらによろしいかなと思いました。これが2点目です。
 それから最後、3点目、これは御質問です。各領域の研究開発方針についてです。今、1点目として最初に、基本方針において、GHG削減効果と経済波及効果、この両者への貢献を評価軸とするということが明記されていて、非常によいと思いました。この点に関しまして、各領域の研究開発方針を横並びで拝読しました。そうしたところ、これは細かい点かもしれませんがちょっと気になったので御質問です。
 資源配分の考え方というのが、どの3領域にもございます。どの3領域でも評価軸として、GHG削減効果への貢献というのは明記されているんですが、他方で経済効果への貢献という文言は蓄電池のみに記載があり、水素とバイオにはどうも記載されていないようなんです。これには何か意図がございますかというのが質問です。もちろんそれぞれの領域の特性を考慮した結果であれば、その点について御教示いただければ幸いです。
 以上3件となります。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】  本藤先生、大変重要な御指摘をありがとうございます。まず3番目の御質問から行きたいと思いますけれども、これ、事務局はいかがでしょうか。
 質問といたしましては、経済的な貢献という文言が蓄電池だけに入っていて、ほかの2つに入っていないのは意図があるものでしょうかという御質問だったかと思いますが。
【吉元補佐】  では、私から。
【杉山主査】  吉元さん、お願いします。
【吉元補佐】  ありがとうございます。先生おっしゃるとおり、今回のGteXの事業というのは、我々の思いというのは基本方針の5ページ目、「各研究領域ごとに、将来的に、GHG削減効果・経済波及効果に対して」、ニッチではなくて「量的な貢献」というところで、これは杉山主査からも何度も言っていただいて、非常に重要なポイントかなと思っているところです。
 その上で、各領域の資源配分方針のところは、基本方針が全体にかかっているので、3領域とも基本的にはGHG削減、それから経済波及効果、どちらにも量的に貢献するということは変わりません。ただ、ちょっと記載が統一されていないとすれば我々の手落ちなので、そこはちょっと、内容を見て追記しようかなと思っています。いずれにせよ、どの領域のものもGHG削減と、あと企業の投資意欲とか、そういった文言が入っていると思います。そういった意味でいくと、どちらもCO2削減という話と産業への効果というものは一応今のところも入っているかなと思いますけれども、そこは精査をさせていただいて、反映をしたいと思います。
 ありがとうございます。
【杉山主査】  ありがとうございます。ということですので、基本精神としてはGHGの排出削減、それから経済波及効果、どちらも全ての領域でうたう意図があるということでございますので、この後、事務局、あるいは私のほうも含めて、そこの点を最終案に反映させていただくという方向で承れればと思いますが、それでよろしいでしょうか。
【本藤委員】  承知しました。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 それからもう一つ、2点目のコメントでございますけれども、基本方針の12ページ目、ライフサイクルアセスメント、それからシステム評価、それから資源循環可能性のところについて、脱炭素というところをもう一息強く打ち出すことを考えてもいいのではないかというコメントで、こちらも重要な点かと思いますので、最終修文のときに事務局あるいは私のほうで検討させていただければと思います。
 本藤先生、以上でよろしいでしょうか。
【本藤委員】  もちろんでございます。ありがとうございました。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 あと、すみません。私、個人的に今の話を聞いていて1つ思ったのですけど、JSTさんの話をこの後やっていきたいと思いますが、このLCAやシステム評価、あるいは資源循環可能性といった観点が、このGteXの実際の計画にどう反映されるのかということも少し議論する必要があるのかなと思いましたので、こちら覚えておきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、所先生、よろしくお願いいたします。
【所委員】  ありがとうございます。
 今の議論に少し関係するかもしれませんが、今話題になっておりましたのと同じところ、「GHG削減効果・経済波及効果に対して量的な貢献が期待でき」という文言に対して、質的な貢献というのは入らないのかというのが質問です。
 どういうことかと申しますと、まさに今、資源循環に代表されるような、LCA的な広い視野からの効果を考えたときに、GHGはもちろん増えてはいけないので量的な削減は必ず必要ですが、例えば量的な削減は僅かなんだけれども、その中身が、ほかの環境負荷が下がっているとか、資源効率が大幅に上がっているとか、質的によくなっているということはあり得るんじゃないかなと考えています。長期的な視点ではそういったことも重要になってくると思いますので、ここでは量的な貢献だけでなく、質的な貢献という概念は入れなくてよいかというのが質問です。
 よろしくお願いします。
【杉山主査】  重要な御指摘、大変ありがとうございます。
 具体論としては、今出していただいておりますけれども、この経済波及効果に対しての後ですね。例えば、「量的・質的」というふうにしていく考え方もあると思いまして、その読み方としてどう取るかというのは、あまりがちがちに書き過ぎずに、できれば両方貢献してほしいというところも含めて書き込んでおく。
 ただ、所先生おっしゃるとおり、基本的にはがっつりとCO2を減らしてほしいという思いはあるわけですけれども、そういう中で今までできなかったことができるようにするというゲームチェンジャーを求めたいという精神を表明するためには、「・質的」と入れるのがかなり効果的ではないかなと私は思いました。
 事務局のほう、いかがでしょうかね。
【吉元補佐】  事務局です。
 今回この事業というのは、冒頭説明ございましたけれどもGX移行債という、今まさに国会で審議いただいているところだと思いますが、新しい国債を使っているところがあって、その中で、GXとは何ですかというところで、温室効果ガスの削減と、それから経済成長に両方貢献するというところがあります。その上でいうと、量的な貢献というところはやっぱり大きいかなとは思っています。
 ただ一方で、おっしゃるとおり質的といったところでは、例えば、環境負荷が低い材料ができて、それで新産業ができるとかという話であれば後者の経済成長のほうにもかかってきますし、「量的・質的」と並べて書くのがよいのか、もうちょっと先生の御趣旨を踏まえつつほかのところに書くのがよいのか、ちょっと検討させていただきたいと思っています。
【杉山主査】  ありがとうございます。いずれにしましても、御指摘を踏まえた形で修正を検討するということで承らせていただきたいと思います。
 本郷先生、よろしくお願いします。
【本郷委員】  よろしくお願いします。ありがとうございます。
 全体の話ですけれども、これまでの議論を踏まえて包括的な内容になっているし、これを読めば元気を与える内容なのかと思います。これで結構ですし、また支持したいと思います。
 それで、実際の分類に当たって、あえてということかもしれませんが、ちょっとめり張りをつけるような点で、3点コメントさせていただこうかなと思っています。
 まず1つには、日本の経済環境です。前にも申し上げたと思いますが、経済力、人口を考えれば米国やEU、中国にはやはり及ばないわけなので、同じことはできません。そうした中で工夫をしていかなければいけない。だから、ほかの国との連携というのも必要でしょう。特にASEANなどの新興国との連携とも重要なのではないかと思います。書かれている中で他先進国との協調とありましたけれども、先進国にこだわらず、もう少し広く連携を取るのも必要なのかなと思います。既に大学ではたくさんのASEANとか途上国からの研究生、留学生が来ていますし、また社会に出ても活躍していますので、あえてそこまで言わなくても現実には進んでいるのかと思いますけれども、気持ちとしては、そこを入れていただきたいなと思います。ただ、一方でナショナルセキュリティーの問題もかなり深刻になってきましたので、その辺りにも注意が必要なのかなと思います。
 2つ目は、日本コンソーシアム、あるいはオールジャパンという言葉なんですけども、オールジャパンという言葉を使ったとき、日本にあるものを全て活用しましょうという意味で使われているのかと思います。しかし、あまりジャパンにこだわり過ぎるのも今の時代に合わないのかなと思います。むしろ発展的解消という意味で、オールジャパンを超えてというような気持ちもあっていいのかなと思います。特に、やはり弱者連合をつくっても意味がないので、強者連合という観点から、オールジャパンを超えて強者連合を作るという発想もあっていいのかなという気がします。そうした中では、いろんな取組が競争をしながら発展していくことが期待され、競争環境が必要になってくるだろうと思います。複数の取り組みが競争するといことは、技術の不確実性を考えれば当然だろうと思います。そうした中で、最初に説明していただいた中に、ネガティブデータ、失敗したデータをうまく活用していきましょうねという話がありました。これは非常にいいことと思います。
 それから3点目は、実際に技術を使う場合には、技術のバリューチェーンが完成して初めて使えるわけで、ボトルネックとなっている点を克服する技術というのも非常に価値があるんじゃないかなと思います。革新的という言葉がたくさん出てきてやや表現が陳腐化しているんじゃないかというコメントも先ほど他委員からありました。何が革新的な技術か明確に定義するのは難しいですが、対象となった技術単体では比較的技術レベルとしては高くなくても、革新的な技術のバリューチェーンが動き出すためには欠かせない技術というところについても十分高い評価を与えていただいていいのかなという気がいたします。
 最後に1つ質問なんですけども、時間軸を短期、中期、長期の3つに分けて考えるということでしたけれども、では長期とは一体どのあたりを意図しているのかなと、質問でございます。時間のあるときに教えていただければと思います。
 以上、3点プラス質問1点でした。ありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございます。
 まず、1個目の点、連携ですね。同志国との連携という言葉が、経済安全保障も絡めて出てきたと思いますけれども、この辺をどう書き込んでいくのかというところですね。
 何か、事務局からございますか。
【吉元補佐】  たしか本郷委員に前回の委員会でも御意見いただいていて、それは一応12ページのところで私としては思いを込めたつもりなのですけれども、この海外連携というところですね。「本事業が、グローバルなネットワークの核になっていくことを目指し、我が国の強みと相補的な研究開発成果や技術等を有する」というところで、ここは単純に日本国内だけに閉じてやっていくわけじゃなくて、やっぱり海外でも強いところがあったら、それをしっかり我々としては戦略的に取り込んでいくというようなところをここで書かせていただいています。
 その上でちょっと今日も御意見をいただいたので、全体を見渡して、また追記が必要か、こちらで検討をさせていただければと思っています。
【本郷委員】  説明が不十分ですみませんでした。書き直してほしいとか修正してほしいということじゃなくて、既に反映していただいているのを承知で、さらにそこを強調するために申し上げたものです。コメントですので、御回答いただく必要はございませんでした。
【杉山主査】  分かりました。ありがとうございます。
【吉元補佐】  ありがとうございます。
【本郷委員】  どうもすみません。私の説明が悪くて、失礼いたしました。反映していただいてありがとうございました。
【杉山主査】  オールジャパンというのも、そういった意味で日本に閉じずに、むしろ外国と連携するんだけれども、日本の中では少なくともちゃんと連携しましょうよと、そういうことで書かれているということかと思います。
 最後の、長期が何年なのかということですね。こちらの考え方を事務局のほうから。
【吉元補佐】  長期の考え方ですけれども、今回のGteXの事業が最長で10年となっていて、大学での基盤研究をやるのが最長で10年ということなので、この技術の尺的には、10年後には企業さんなり次のフェーズに橋渡しをしたいというぐらいの意味で、長期と位置づけさせていただいているところです。
【杉山主査】  本郷委員、よろしいでしょうか。
【本郷委員】  御説明ありがとうございます。了解いたしました。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 では、次は田中委員、よろしくお願いします。
【田中委員】  田中でございます。本郷委員の発言もあったので、ちょっと。
 国際的な文言を入れていただきまして、私もそこが気になっていたのでありがとうございましたというコメントと、できればオールジャパンの次はジャパンイニシアチブで、先進国も巻き込みながら、東南アジアとか日本の仕組みを多分導入したいと思っていらっしゃるところがあると思うので、そういったところをうまく巻き込んでいけると、研究の段階から巻き込んでいくと、出来上がった頃に社会的に導入できる素地ができているということで、非常に有機的になるんじゃないかなというふうに思いました。特に変えてくださいというコメントじゃないですが、反映していただいてありがとうございましたということで。私的には、ジャパンイニシアチブで世の中を変えていくというふうに理解をしています。
 そして、私のコメントというよりは評価しているポイントなんですけれども、11ページの資源配分の、特に(イ)ですね。「産業界の抱える技術課題解決とそれによる研究開発等への投資拡大への貢献が期待できるか」。これは日本がよくやるパターンで、すごく先進的な技術はつくれるんですけど、それがうまく安く作れないので、大量生産になったときには必ず海外に工場が移転してしまうということがあると思うんですけれども、こういった意味では産業界の抱える技術的課題の中に生産プロセスの効率化みたいなものも入っているのかなと思いまして、そういった意味では、蓄電池のものはJSTさんの資料13ページに製造プロセスに関する研究開発というものが(C)であったと思いますけれども、まさにそういうところが、非常に高性能な電池の組合せができても、安く早く作ることができないので、この左上の研究テーマ1、実用電池の革新のところの(C)だと思いますけれども、こういったものが入っているということは非常に期待できるなと思いました。
 一方でコメントなんですけれども、そういった電池ができたといったときに、電池を含めた社会システムといいますか、本郷委員の表現だとバリューチェーンといったところを考えてみて、その社会システムのどこに導入するかと、その電池定置用の電池で入れる先の技術的な課題も見ておきながら、研究の中で視野に入れておくみたいなことも必要かなと思いましたので、社会システムとかそういった下流のところの研究も視野に、課題の整理のところで入れてほしいなということが1点。
 あと、産業界というのは重要なんですけれども、先ほどの11ページ、資源配分方針の(イ)と、社会規制というかルールみたいなところも同時並行で、これから出来上がって社会に導入しようとすると起こる問題みたいなものというのも、同時に、ここで議論する必要はないんですけれども視野に入れておくということは非常に重要なのではないかと思いましたので、産業界プラス社会というか、官といいますか、そういったところもあってもいいかなと思いました。
 以上、私のコメントです。ありがとうございました。
【杉山主査】  田中先生、コメントありがとうございます。いただいた意見、この後、JSTの研究開発計画の議論もしていきたいと思うんですけれども、そちらでもう一度確認する必要があるかなと思いましたので、またそちらに継続させていただきたいと思いますが、事務局のほうでお願いします。
【吉元補佐】  1点目のイニシアチブという点は、一応PRをさせていただくと、基本方針において3ページ目に思いを込めさせていただいておりまして、これは事業のインパクトですね。10年で達成できるということではないんですけれども、最終的にどういったところを目指しているかというと、4ポツ目で、「GXの国際的潮流の中で我が国がイニシアティブを発揮」ということで、この事業が1つきっかけとなって、特にカーボンニュートラルという世界でイニシアチブを発揮するということが、1つの目標と定めさせていただいてます。また、研究開発のモデルとしてもALCA-SPRINGからの流れはありますけれども、新しいモデルとして、国際的にも発信していければと考えています。
 あと、2点目のいろんな、ある種、社会と研究の接点みたいなところは、これまで様々な委員の方に御指摘いただいて、なるべく事業のマネジメントのところでこなすところとか、あとは実際の研究開発の支援としてこなすところ、様々なフェーズがあると思いますので、方針のほうにはいろいろ各所で書かせていただいているので、これから実行の部分、後でJSTから回答もあるかと思いますけれども、こなしていければと考えています。
【杉山主査】  吉元さん、ありがとうございます。私も、JSTの議論に持っていったらいいかなと思っていました。ありがとうございました。
 ほか、委員の先生方、いかがでしょうか。
 もし、すぐに出てこないようであれば、今、何回か申し上げましたけれども、今度はJSTの研究開発計画のほうに議論のメインを移させていただいて、またそこで基本方針、あるいは研究開発方針に戻ってきてもいいかと思いますので、では、研究開発計画のほうにフォーカスを移していきたいと思います。
 こちらに関して、まず何か御意見ございますか。
 もし、すぐに出てこないようであれば、ちょうど先ほど出てきました2点があるかと思うんですけれども、LCA評価であるとか、あるいは社会システムへの実装の形態の評価ですね。あるいは前回議論があったかと思いますけれども、今日も出てきましたが、バリューチェーンの中でのこうした今回研究開発計画の素案に書いてあった各種アイテム、項目が、どういうふうにバリューチェーンにはまっていくのか。あるいはオープンクローズ戦略ですね、こうしたものが横串を刺すような、あるいは全体を束ねるような項目として重要ではないかという議論があったわけですけれども、このような辺りを今、JSTの研究開発計画ではどのように考えていらっしゃるのかということを、もしよろしければ大矢さんからコメントをいただけますでしょうか。
【大矢部長】  ありがとうございます。幾つか御質問のあったうち、まずLCAの部分ですね。当然、その考え方というのは各領域の中で必要になってきます。特にバイオ系のところでも、非常にそこは重要だと思います。
 そして、それをどう判断基準の中に入れていくかですが、1つはまず各研究チームの中でのそういう議論というものが当然ある話だと思います。かつ、チーム間をまたぐような形で領域での議論が必要な案件が出てきましたら、そこは我々のところで調査をするような形で、その意義を別の形で示していく必要があると思います。その調査体制も、どのようにしていくのかということは検討していく必要があるかと思います。
 また、社会システムなりバリューチェーンのところ、課題をどのように取り入れていくかですが、当然、評価の対象としてそのような重要な部分があるというのは明記した上で、評価というのはされるものだと思います。先ほどの、どういうところがバリューチェーンのネックになっているのか、そして社会システムの中に入れるときにどういう課題があるかというのは、コンソーシアム等の議論で企業との議論の中で明らかにする必要があるのかなと思っております。なかなか難しいところではあるのですが、そういう議論をする場をつくっていくことが必要かなと思っております。
 まず、その2つでよろしかったでしょうか。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 すみません、3つ目に海外連携という話も先ほど出ていました。
【大矢部長】  失礼しました、海外連携ですね。先ほど、いわゆる同志国に対するもの、特に水電解、水素の分野、蓄電池の分野というのは同志国との連携が非常に重要になってくるかと思います。また、先ほどASEANの話がございましたが、まだチームが決まっていない中での発言となって恐縮ですが、例えばバイオのところでは、そういう、特に東南アジアのところでの環境の利用というのも視野の中に入ってくると思いますので、そういう中でのASEANとの連携というのは当然出てくるかと思います。
 オールジャパンの話もございましたが、当然ながらオールジャパンだけ、世界から見たときに、負け組とは言いませんが、必ずしも優位性を持っていないチームの中だけではなくて、海外のいわゆる我々以上の研究力、同じような研究力を持っている人たちの同志国との連携というのは非常に重要になってきます。特に蓄電池では、既にDOE等との議論もALCA-SPRINGの中でもやっておりました。そういうところの連携をやはり強化していきたいと思っております。
 以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、先生方のほうから、順不同で結構ですので、JSTの研究開発計画、あるいは今までの全般について御意見ございましたらいただければと思います。
 水無委員、よろしくお願いします。
【水無委員】  意見を申し上げます。まず、研究開発方針と基本方針については、先ほどの議論と同じですけれども、この委員会でのコメントを反映させていただいて、大変いい形になっていると思います。事前に事務局にコメントをメールしましたのでご参照いただければと思います
 次に、JSTさんの研究開発計画ですけれども、特にバイオにおいてどのような課題を提案してもらうかという提案候補のような形になるのか、あるいは、領域を決めて公募するのか、そこが多分悩みどころかなと思うので、その辺りはいろいろな議論が必要かなと思っています。
 例えば、グリーンイノベーション基金のバイオものづくりについては採択結果が先週公表されたところですので、例えば、そこを起点として議論を始めるとか、そういうこともあるのかなと思いました。
 それから、先ほどのLCAの関係もありますけれども、内閣府の第3期のSIPで議論されているような各種のレディーネスレベルですね。TRL(テクノロジーレディーネスレベル)だけではなくて、特にGteXで関係するのかなと思うのがヒューマンリソースレディーネスレベルであるとか、あとはソーシャルレディーネスレベルですね。まだまだ概念設計が確実になっているわけではないんですけれども、そのような考え方で評価軸として設定するのもありかなと思いました。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。そうしましたら、まずは具体的に御質問いただきましたバイオの今後の想定といいますか、どういう形でテーマを募っていくのかということにつきまして、大矢さんからコメントございますか。
【大矢部長】  バイオに関しては、先ほど体制図のほうでも御説明しましたが、いわゆる中核研究チーム、そして基板技術研究チームの枠での募集を今、想定しております。中核研究チームのほうは様々な技術の統合化というものを狙ったチームになりますので、それができるようなチームを構成して提案していただきます。基盤技術のチームに関しては、今の素案のレベルにはなりますが、それぞれに今示してあるようなテーマを提示した上で、それに寄与するチームの構成で提案をしていただくことを想定しております。細かくこれをするというようなことはあくまでも例示の形での提示になります。募集枠としては現状このようなことを想定して募集したいと思っております。
【杉山主査】  水無委員、いかがでしょうか。
【水無委員】  分かりました、ありがとうございます。多分、公募説明会とか、いろいろな質問を受ける形で広く提案を募集できるような形がいいのかなと思いました。ありがとうございます。
【大矢部長】  募集提案、説明会等をしっかりやっていきたいと思います。ありがとうございます。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 では、続きまして志満津委員、よろしくお願いいたします。
【志満津委員】  ありがとうございます。志満津です。
 15ページ目にあります水素のところ、水電解チームと燃料電池チームに共通技術が多いので一帯運営というところですが、一番下に書かれているところで、一帯運営として連携を図るということは非常にいいことだと思いますし、非常に有望だと考えています。
 それで、実際にそれを16ページ目にありますようなチーム構成にしたとき、水電解チームと燃料電池チームは研究者がかなり重複する中で、多分、燃料電池関係の研究者のほうが圧倒的に多いと思います。そういう中で水電解と燃料電池にどんな形で研究者が構成されていくのかとか、これを一帯運営するとき、2つの系統でやる研究テーマをどんなふうに公募していくのかということが物すごく重要だと思っております。その辺りについて何かアイデアとか進め方があれば、教えていただきたいと思います。
【杉山主査】  ありがとうございます。それでは、大矢さんお願いします。
【大矢部長】  ありがとうございます。御指摘のとおりだと思います。
 水電解チーム、燃料電池チームは物理的なところで非常に重なっている部分がございますので、我々としてはここが連携をしていくと。すみません、一体化と書きましたが、チームはそれぞれ公募する形で採択をして、そのチームが様々な形で連携をしていく工夫をしていきたいと思います。御指摘のとおり、研究者を見比べたときに、やはり燃料電池のほうが多いと思っております。むしろ水電解のほうは必ずしも研究者が多くないというイメージを我々は持っております。そういう意味で、やはりここは連携をする形で同じ課題、学問を共有する形で水電解を強化していきたいということも思いとしてはございます。また、研究者も重なる場合もあるかと思います。研究者のエフォートの管理はございますが、同じ研究者が複数のチームの代表者になるということはもちろん禁止しておりますが、その共同研究チームのメンバーとして重なることは否定しておりません。ですので、両方にまたがる研究者というのも参画者としてはあるのだろうと思っております。その点も踏まえて、ここのチームの中の、例えば、どのように連携を進めるかはPOを決めた後にPOとの相談にもなりますが、例えば、クローズな成果報告会などの議論を活発にさせるために、ここの2つのチームで進めていくことなどが考えられると思っています。ここは密接に進めていきたいと思っております。
 このような説明でよろしかったでしょうか。
【志満津委員】  ありがとうございました。特に情報の共有の仕方とともに、全体として研究者が少ない中でそこをどうしていくかということがすごく課題だと思います。特に水電解側は時間軸を含めて先に課題が発生する可能性もあると思っていますので、その辺りを、研究のバランスとかお金の入れ方とか、体制のつくり方というところを含めて議論する場をしっかりと持っていただければと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【大矢部長】  ありがとうございます。
【杉山主査】  大変重要な御指摘かと思います。水電解も非常に重要ですので、うまくマネジメントして、燃料電池側で有用な知見を持っている研究者をうまく水電解のほうに促していくようなマネジメントも含めて、JSTもそうですし、特にPOの采配が非常に重要になってくるのかなと思うところですが。
 佐々木先生、ちょうど手を挙げておられます。すみません、少し順番を飛ばして繰り上げてしまいますけれども、今の点に関して何かコメントございますか。
【佐々木委員】  私のほうからは一般的なコメントをしようかなと思っていたので、水電解と燃料電池のコラボは今の志満津委員のお話のとおりだと思います。
【杉山主査】  ありがとうございます。ではついでにすみません、お願いしたので、一般的なコメントもお願いします。
【佐々木委員】  分かりました。私は今回、最後だということで、全般的なコメントを改めて、ちょっと以前のコメントと重複するかもしれませんけれども、4点発言させていただきたいと思います。
 まずは冒頭、こういう形でグリーンイノベーション分野、なかなかNEDO事業がほとんどだったんですけれども、文部科学省の事業を立ち上げていただきまして、本当に心より感謝申し上げたいと思います。
 まず1つ目のコメントは、これは蓄電池もバイオものづくりも共通だと思いますけれども、やはりNEDOさんが長年この分野を背負っていただいてきたということは純然たる事実だと思います。やはり研究者目線でいきますと、出口とか連携企業さんがある程度固まったような形で応募するのはNEDO事業なのかなと。他方、まだ出口などが未確定で、ただしポテンシャルが大きくて、伸び代も大きいような、そういう事業はJSTさんの事業としてうまくやっていけるのかなと思いますので、ぜひそういう役割分担というものをガバニングボードでもこれから継続的に議論し続けるかなと思いますけれども、多分、そこは大事なポイントであり続けるかなと思っております。やはり応募者次第というのもありますので、走りながら引き続き検討いただきたいというのが1点目です。
 それから2点目が、チームで、オールジャパンという言葉はいいんですけれども、得てしてアカデミアというのはお仲間をつくりやすいという習性がある意味ではあります。なので、やっぱりこのGteX事業の大事な点は、研究者の裾野を広げるということが文科省事業として大事だと思いますので、ぜひ、お仲間の集まりにならないように、若手中堅が広く応募できて、頑張っている研究者がいいアイデアを持っていればそのチームに入れるというような運営体制にしていただければと思います。以前もお話ししましたけれども、JSTさんのすばらしい事業のさきがけというのがございますので、そのさきがけのGteX版というような位置づけになれば、若い先生方も大いに参画しやすいのかなと思います。
 それから3点目は、やはりこの評価、審査、運営というところは非常に大変なところだと思います。やはり評価や審査を客観的に行うというのは本当に難しいところがございますけれども、まさにそこを産学で力を合わせて進めていただきたいと思います。例えばチーム長がアカデミアの人でしたら、サブチーム長的な方は産業界から来ていただくとか、アカデミア主導のチームですと評価は産業界の方が中心となって客観的に評価をいただくとか、やはり産学、考え方も違いますし、産の方というのは客観的な評価は非常に得意とされておりますので、ぜひ運営評価、審査で産学の連携というのをきっちりやっていただきたいと思います。
 最後、4点目でございますけれども、評価というのはやはり難しいところがございますが、長期的な視点で研究開発ができるのが文科省、JSTさんの事業だと思います。なので、スパンが短過ぎると、研究者側も達成可能な提案しか出しにくくなりますので、ぜひ評価においても、長期的な視点で御評価いただければと思いますし、将来の大きなポテンシャルにかけて、そこにチャレンジできるのがGteXというような形が社会に認知されればいいのかなと思いました。私からは4点、総合的なコメントですけれども、発言させていただきました。
 以上です。ありがとうございました。
【杉山主査】  大変ありがとうございます。轟課長のほうからコメントお願いします。
【轟課長】  特に1点目のところですけれども、今、佐々木先生からガバニングボードというお話があったのでちょっとお話しさせていただくと、本事業、去年の財務省への要求の段階から経産省と連携してやっておりまして、経産省との連携については局長級での政策対話の場、それから、各3領域においては課長級での対話の場を設けておりまして、そこでJST、NEDOに入っていただき、かつ有識者の先生方にも意見をいただきながら、しっかり連携を組んでやっていくという体制を整えております。そういった中で、今、佐々木先生からいただいたようないろんな連携というのを具体的に進めていきたいと思っております。
 評価のところとか、それから裾野を広げていくといったところは、実際、JSTで運営をしていく中でしっかり御意見として承って進めていければと思っております。
【杉山主査】  轟課長、どうもありがとうございます。
 大矢さん、何かコメントありますか。
【大矢部長】  ありがとうございます。
 NEDOの連携の件、先ほどガバニングボードの御紹介もありましたが、当機構の理事長の橋本も出席する形で連携を取っております。また、上の会議だけではなくて、我々担当者レベルでもNEDOの担当者の方々と連携を取って情報交換等していきたいと思っております。また、裾野を広げる仲間意識にならないという御指摘、非常に重要な点だと思います。私の考えにはなりますが、このGteXを通して、既存の仲間同士が行うのではなくて、新しい仲間をここでつくり上げていくぐらいの形で、そういう場をつくり上げるのが一つ大きな大事なところだろうと思っております。そのためにも、先ほどさきがけのほうを御紹介いただきましたが、まずはいろんなアイデアのものが応募できるような形、GteXの中でも要素の応募もしたいと思っておりますが、先ほどのALCA-Nextの形でもございます。それをうまく連携する形で裾野を広げ、新しい形でGteXに入っていただく、そこでまた大きな仲間ができる、オールジャパンの仲間ができるというのを一つ理想としていきたいと思っております。
 あと、産と学の連携のところ、評価のところがございました。もちろんチームの中で企業が入ってくるということも想定をしております。アカデミアが中心になるかと思いますが、一方で、評価のところは、そこになるべく企業の方々にも参画していただいて、その業界の企業全体が望んでいるような技術開発というものもちゃんとふまえた上での評価が行われるような評価体制というのはしっかりつくっていきたいと思います。
 以上になります。
【杉山主査】  大矢さん、ありがとうございました。ちなみに、さきがけ、いいモデルですよねということに関連すると、研究開発体制のところには、右下に「※チームへの合流を前提に、革新的な要素技術の個別提案も募集」と書いてくださっているんですけども、この辺りを運用上うまく使っていけば、必ずしも決め打ちの仲よしチームだけではなくて、こんな人もいたんだというのがうまくチームに組み込めるような、そういうマネジメントもできるのかなと思いますので、この辺りはぜひJSTさんの運用、あるいはPD・POの手腕にかかっているところかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、次に参りたいと思いますが、佐々木先生、よろしいでしょうか。
【佐々木委員】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】  どうもありがとうございます。
 順番前後しますが、佐藤委員、お願いできますでしょうか。
【佐藤委員】  よろしくお願いします。今、佐々木先生がおっしゃったこととかなり重なるのですが、私からコメントを3つほどさせていただきます。
 JSTさんの前に、このGteXの基本方針、これまでの議論を踏まえてよく練られていて、方針は非常によろしいかと拝見いたしました。ただ、後ろにもつながるのですが、本当に温室効果ガスはこれで減るのかというのがかなり疑問というか、これから頑張らなきゃいけないなというのはありますが、その際に一層の技術解決の課題、ボトルネックを洗い出して進めることが肝要かなと思いました。
 コメントというのは、本当に先ほどの佐々木先生のコメントと重なりますが、ALCA-SPRINGはある程度うまくいってこういうことになったということですが、決してうまくやり過ぎようとしないというか、縮こまることのないように、新しい仲間を入れて失敗を恐れない、チャレンジを潰さないようにするということも一定割合は必要かなと思ったので、そういう視点をぜひ、持っていただきたいなと思い、6ページの辺り、支援対象のところにもう少し入っていけるといいなと思いました。
 あと、これはちょっと範囲を超えるかもしれないですが、やはり技術がすばらしくて実用で負けるというのは本当に日本が繰り返してきたことだと思うので、ここから先は範囲を超えるかもしれませんが、知財確保だけではなくて、国際規格とかそういったところの視点・協力する体制があると、負けないのではないかと思いました。
 あと、最後、質問ですいません。先ほどJSTさんの、燃料電池と蓄電池の研究者が多いということをお話しされたと思うのですけれども、この分野のバイオの研究者というのはかなり少ないと見積もられているのでしょうか。
 すいません、質問、1点だけです。よろしくお願いします。
【杉山主査】  ありがとうございます。まずは質問、大矢さん、お願いできますか。
【大矢部長】  先ほどちょっとお話しさせていただいたのは、水電解と燃料電池のところですが、我々、この議論をする前に様々な有識者にインタビューをしております。そのところで、やはり水電解の研究者は、今の状況も踏まえて研究者が少し離れていた経緯があるかと思います。燃料電池分野のほうにシフトしている、また燃料電池分野にも必ずしも研究者が集まっているわけではない、というふうに理解をしておりますので、水電解のところにもまた研究者を集める工夫が必要だと思っています。
 バイオのほうは、すみません、少なくとも私の認識としては、バイオのところの研究者が少ないという認識はありません。バイオものづくりの分野も様々なフィールドで、日本国内の研究者は活躍しているかと思いますので、その点に関しては、私個人の考えになりますが、心配はしていません。水電解のところは燃料電池と組み合わせる形で盛り上げていくことは重視したいと思います。
 以上です。
【杉山主査】  よろしいでしょうか。
【佐藤委員】  承知しました。ありがとうございます。
【杉山主査】  いただいたコメントにつきましては、最終的な修文の観点で、さらにもう一度いただいたコメントを踏まえて、事務局、私のほうで見ていきたいと思います。ありがとうございます。
【佐藤委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】  それでは、新田委員、よろしくお願いいたします。
【新田委員】  ありがとうございます。
 私のほうからは、皆さんも大体おっしゃっているんですが、GHGの定量的な扱いというところがちょっと気になっていまして、それぞれテーマに応じて新しい技術をつくっていくということに対して、JSTさんの御提案というのは非常に的をついていると思うんですが、つくる技術というのはもちろん大事だと思っているんですが、前にちょっと申し上げたかも分からないんですけれども、その後の下流の静脈系というのが非常に大事だと思っていまして、全体的に温室効果ガスを下げるということに対して、定量化という部分、今はGaBiとかGreetとかありますが、非常に国際的な標準化ですね。私も標準化をやっていましたが、そういったものの中においては、数値化とか根拠といったこと、それによって定量化されたり、その質が問われたりしてしまうということで、何をもって競争力というのかなと疑問に思っておりました。
 そういう点で少し、物をつくる、技術をつくるということと同時に、静脈系としての、つくったものがまた次にどういうふうに再生されるのかという部分の考え方というのは必要なのではないかなと3つの分野を聞いていまして思いました。
 あと、時間があんまりないんで申し上げたいのが、例えばヨーロッパなんかでは、これはバッテリーに関係しますが、Catena-Xとか、あるいはバッテリーパスポート、アメリカなんかだとMOBIとか、いろんな諸外国でサプライチェーン、その中で分業のブロックチェーンという考え方があって、すごく強く表面化されているという流れがあります。そういう中において、結局、国内のアカデミアなんかで、個別のテーマを拾い上げるというのは大事なんですが、その出口がかなり意識された上で、もう一度戻ったときに、サーキュラーエコノミーでもいいんですけれども、始点から終点まで考えたときのそれぞれのシーンにおいて、何をやらないといけないのか、どこでどういうCO2の負荷がかかっているのか、どう回収できるのか、どう低減できるのかという部分が必要ではないかと思っていまして、そこをシステマチックに海外ではやられているように、私なんかは見受けております。
 そういう意味において、国際動静を察知した中での競争力、並びに、その動脈と静脈系を合わせたサーキュラーエコノミーの考え方というのが必要なのではないかと思っておりまして、テーマの中に、ぜひそういう概念を入れて、どういうふうに定量化していくのかというのも入っていいのではないかなと思いました。意見です。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。何か事務局からございますか。
【吉元補佐】  これまで新田委員のほうから、動脈系、静脈系、ないしサーキュラーエコノミーみたいなところの観点を御指摘いただいていたので、特に蓄電池のほうはそういった観点で盛り込ませていただいています。ただ、それを実際にどうこなしていくのか、もうちょっと全体的なところでいくと、この事業でできることできないことというのがあって、できることというところの中でも、それは先ほどの話じゃないですけど、マネジメントでこなすのか、研究開発を実施する中でどうこなしていくのか、また、そのタイムスケールが違うものみたいなところ、たくさんあると思うので、今日いただいた意見も踏まえて、JSTのほうでも、定量的にどう評価していくかというところは、まずこれから評価なり、実施の観点になってくると思うので、いただいた意見を踏まえて、事業運営に生かしたいなと考えています。
【杉山主査】  ありがとうございます。おっしゃるとおりで、先ほどJSTの大矢さんとも、LCAシステム評価をどういうふうに入れていきましょうかというのは若干お話しさせていただいたんですけれども、これを各テーマの中で実施していただくのか、あるいは、全体のマネジメントの中でうまくそういうセクションをつくってやっていくのかという辺りがかなりJSTの運用上も重要なポイントになってくるのかなと思うんですが、何か大矢さん、改めてコメントございますか。
【大矢部長】  ありがとうございます。難しいところだと思います。ただ、蓄電池のところはもちろん、リサイクル性の向上を踏まえて文言を書いておりますので、そこはやはり無視できないところだと思います。特に実用電池の核心の部分のところでもそういうところは当然議題になってくるかと思いますが、まず研究の中では取り込んでいくと。
 あとは、全体を通してどうやっていくかはちゃんと考えていかなければいけないと思います。全体を通して、領域を通して、そういう検討ができるような体制をどのように構築するとはPD/POと相談をして決めていきたいと思います。ありがとうございます。
【杉山主査】  どうもありがとうございます。ということで、JST側の検討要素も多いかなと思いますので、引き続きプロジェクトの提案、あるいは運用の中でいただいた意見を踏まえて検討していただきたいと思っております。ありがとうございました。
 新田委員、これでよろしいでしょうか。
【新田委員】  ありがとうございます。特に標準化とかそういうものというのは、とかく技術法規的な文言として捉えられがちなんですが、決してそうではなくて、それは多分、3年、5年先を読んだときに、何の技術が必要になってくるか、何が今我々に欠けているのか、どこにイニシアチブを取られてしまうのかということによって、特に産業界のほうではかなりその後に負荷がかかってくるというのはもう見えています。ですので、これから仕掛ける、さっき短・中・長期という議論がありましたが、それぞれに対してのタイミングが合うように、外の動きと、我々が先にどういう種を仕込んでおかないといけないのかという議論、できればそれに定量性が入るといいんですが、そこが議論できるといいのではないかと思います。よろしくお願いします。
【杉山主査】  どうもありがとうございます。ぜひ継続して検討していきたいと思います。
 では、菅野委員、よろしいでしょうか。
【菅野委員】  菅野です。どうもありがとうございます。それではコメントを3点ほどさせていただきます。
 まず、これまで研究の短期、中期、長期に関して様々コメントを述べたんですけれども、最大限、研究現場の意見を取り入れていただいたと思っています。本当にありがとうございます。感謝しております。
 まず1点目、短期、中期、長期の課題ですけれども、いずれにしましても、継続するということが非常に重要であるということをもう一度述べたいと思います。例えば、既に実用化したものの、リチウムイオン電池であっても、次のステップに関しては基礎研究が重要ですし、これから実用化されると考えられている個体に関しても、その次、またその次に関して、今現在の課題を継続して続けるということが大変重要であるということです。これに関しては、最大限配慮いただきまして本当にありがとうございます。
 2点目です。これも配慮いただいた点ですが、産業との関わりです。例えば、蓄電池に関して、8ページ目に段階的に企業の参画を得ながら研究開発を推進することを推奨すると控え目ながら記述していただいているということで、大変難しいことなんですけれども、この点、感謝いたします。これに対して、JSTがどのようにプログラムを考えるかということに対して注目したいと思います。研究組合との連携に関してはこれまでも行われていますので、それに関しては、むしろ容易であると考えています。それを一歩進んだところでどのように連携を取るかと、これは大変難しい課題ですが、今後ぜひうまく運営していただきたいと考えます。
 3点目、これはJST側の書類に関してですけれども、電池系の分類です。これは短期、中期、長期とも関係するんですが、JST側の13ページ目、研究開発テーマを1、2、3、4と分けて、それぞれに短期、中期、長期と、例として記述されている。大変現場に即したうまい記述をしていただいているなと思います。ありがとうございます。
 それを実際の電池系にどのように振り分けるかに関して、ここでまた大変難しい課題が生じてくると予想します。それぞれの電池系に分類した途端に、何が何か訳が分からなくなってくるというのがこれまでALCA-SPRINGの課題だったかとも思います。電池系別でいいのかという基本的な問題になってきてしまいます。
 この解決策をどうするかというアイデアは、私も当然ないんですけれども、横串の材料プロセス、データサイエンス、そういうものを含めて打ち破ることができるかなというようにも考えてきたんですけれども、今日の議論を少しお聞きしまして、社会システムとの関連、それから、先ほど新田委員との議論もありましたが、標準化など少し別の観点からそれぞれの電池系に対する評価をするとこれまでとは異なった見方ができるのかなと感じました。
 以上、3点です。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 それではまず、事務局、吉元さんからお願いします。
【吉元補佐】  ありがとうございます。特に一番最後の電池系のところに関して、我々も非常に悩ましいなと考えていまして、研究開発方針の8ページ目、「チーム」の考え方のところで、「必ずしも電池系ごとの縦割りのチームではなく、ある共通の部材に主軸を置きながら多様な電池系に共通する課題に横断的に取り組むチームの形成も有効と考えられる」と記載をさせていただいています。この辺、実際のJSTのほうの公募を、どういうふうにこなしていくかとはこれから検討していかなきゃいけないなと考えております。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 これを受けまして、大矢さんのほう、何かコメントございますか。
【大矢部長】  最初のほうにございました企業等の参加の件、今回の提案の段階で企業が提案してくれる、もしくは企業を入れての提案というのは当然想定しております。ただ、いわゆるオープン・クローズ戦略のところに関わってくるかと思いますが、やはり最初は非競争領域での研究開発が中心になるだろうと思っております。ステージゲートを経た上でどんどん社会実装に近くなってくると、やはり企業と連携をしていく、ある程度クローズなところでやっていく研究というのは当然出てきますので、そこの切り分け、すみ分け、評価をどうしていくというのは非常に重要になってきますので、そこは研究計画を立てる中で重要だとしっかり見ていく必要があると思っております。
 また、先ほどの電池系のお話、大変重要な点だと思います。我々も電池系を今想定をしておりますが、横串のところのチームというのは非常に重要な役割が出てきます。当然ですけど、経験者からの提案が出てきたものを、POらを通して、研究計画をまたすり合わせて、最後、研究の開始になってきますが、その中で、その視点をうまく解決ができるような計画に練り直すことも含めて、POと一緒に推進をしていく必要があるかと思います。そのようにやっていきたいと思います。
 以上です。
【菅野委員】  ありがとうございます。文科省側の書類としては、理想を追求して、かなり理想的な文言として記述されていますけれども、実際の運営をどうするかというところに大変困難かあると思います。そこはうまくハンドルしていただく、リンクしていただければと思います。ありがとうございました。
【杉山主査】  ありがとうございました。ぜひJSTのほうでも御協力をよろしくお願いいたします。
 本藤委員、よろしくお願いします。
【本藤委員】  2回目の意見表明で恐縮です。
 JST大矢様から御回答、御発言いただいたことに関連して1点だけ質問です。端的に申し上げますと、GHG削減効果並びに経済波及効果の評価というのは、課題設定とか採択などの最初の段階のみに行われるのか、それとも研究期間中継続して行われるのかについて、お伺いできますでしょうか。
【杉山主査】  非常に重要な視点だと思います。大矢さん、いかがでしょうか。
【大矢部長】  もちろんここは途中で行われるステージゲートの評価も含めてそのような視点というのは当然入ってきます。先ほど評価の視点を御紹介いたしましたが、当然それは途中の評価でも効いてくる項目だと思っておりますので、途中でもしっかり見ていきたいと思います。
 ただ、この評価はなかなか、先ほど難しい議論もございましたので、並行して、その基準となるものをどういうふうに定めていくかというのは議論していく必要があるかと思います。ありがとうございます。
【本藤委員】  ありがとうございます。
 端的に2点だけお願いがございます。
 1つは、今の点を資料のほうにもやはり明記していただいたほうがよろしいのかなと思いました。継続して行うということがある程度分かるようにしていただいたほうがよろしいのかなと思いました。
 それから2点目は、これは先ほども少しお話が出ましたが、3領域別々に評価を行うのも重要なんですが、領域を通して行う必要性が後半では出てくるのではないかと思います。3領域で技術開発された各技術というのは、社会システムに導入されるときに多分競合したり、もしくは組み合わせることでより効果が出たり、そういうこともあり得るので、その点少し視野に入れていただければありがたいです。
 以上です。
【大矢部長】  ありがとうございます。最後の3領域にまたがっての評価、または確認ですけれども、今、上位の会議体をつくっておりますので、そこでの議論をやっていくような形かなと思っております。大事な点だと思いますので、考えていきたいと思います。ありがとうございます。
【本藤委員】  ありがとうございます。
【杉山主査】  ぜひ御考慮をよろしくお願いいたします。多分、ステージゲートの評価基準としてLCAを取り入れていくということだけなのか、あるいは、先ほどの基準づくりとかというところも含めて、開発している技術の社会への実装の仕方、あるいは競争の中で勝っていく戦略というのを、ある意味横串を刺して戦略を立てていくようなユニットというのが本当は必要ではないかとかいうような御指摘の意図でもあったのかなと思いますので、プロジェクトの実装の中でそうしたことを御考慮いただく必要があるのかなと思いました。
 よろしいでしょうか。
 森先生、お願いいたします。
【森主査代理】  どうもありがとうございました。今回はJSTのプロジェクトに向けて文科省での話合いなんですけれども、JSTの中でもALCA、CREST、さきがけ、それから、NEDOと非常に連携を深く考えておられること、それから、文科省と経産省が本当に、今回は一緒にこの問題を考えておられるということで、局長をはじめ課長も一緒に話し合われているということで、やはりこのGteXの課題の解決に対する意気込みというのを非常に感じまして、心強いなと思っております。
 その中で、若手の次世代の育成ということを強く言われているのは非常にいいことだなと思っております。その中で、学生さんの参画、育成ということを強く打ち出されていて、そういう方を育てるということと、やはり、その次、研究員、助教という方がおられて、企業でも若手研究員という方がおられると思いますけれど、アカデミアでの斬新なアイデアで進むことではありますが、やはりこのGteXを解決するに当たって、どういう課題があるかということを若者たちも含めてロードマップをつくるところに参画して、GteXが今あって、その次の30年、50年をどう……、2050だとあと30年ですか、そういうところをどういうふうに考えていくのかというのを一緒に考えるような場ということで、学生プラス、次の世代を担っていく人たちを育てていくというのはとても重要だなと思っております。
 その中でやはり、NEDOでは、燃料電池では既にロードマップをつくっておられるとも聞いておりますので、そういうところをネタにして、そういう中では若者も含めて、次世代を話し合うような、先ほどコンソーシアムをつくって企業の方も入れながら、課題を知りながら話し合うということもされると伺っておりますけれども、ぜひ若い方も入れて、その次のシーズを埋め込むような形にGteXが進めばというふうに思っております。
 以上です。
【杉山主査】  森先生、大変重要な観点をありがとうございました。
 先ほどの件にも少し共通しますけれども、やはりそれぞれの3つの領域に横串を刺して、将来の戦略を、将来を担う若い人が主体的に考えるような取組をGteXの中で育んでいくというのが重要かと思いますので、多分にJSTのプロジェクトの実装のほうに関わってくるかと思いますが、ぜひいただいた大事な御意見を踏まえて運営をしていただきたいと思います。大矢さん、よろしくお願いいたします。
 それでは、ほかよろしいでしょうか。ちょうど予定していた時間を少し過ぎてしまいましたので、特段ないようでございましたら、こちらで総合討議を終了させていただきます。大変ありがとうございました。
 ということで、今回で、このGteXの基本方針と、それから、研究開発方針につきましては、議論はここでクローズとさせていただきたく存じます。いただいた御意見を踏まえまして、事務局を中心に修正をいたしますけれども、私のほうでも確認させていただいて、最終的な仕上げに入りたいと思いますので、最終版の内容につきましては、主査である私に御一任いただきたいと思うところですが、お任せいただけますでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
【杉山主査】  ありがとうございます。
 また、後半のほうで御議論いただきましたJSTの研究開発計画のほうですけれども、こちらは非常に重要な御意見が本日もたくさん出ていたと思います。4月に向けて大急ぎでやっていかなければならないところではございますが、公募要領に向けて取り込んでいくべきところ、それから、その後の運用の中で留意していくべきことと、時間スケールが違う対応が必要になってくるかと思いますので、ぜひよく整理をして、また文科省とJSTのほうでも密接に連絡を取りながら、よりよい方向に進めていただければと思いますので、ぜひJSTのほうでもこれから大変な作業になると思いますが、よろしくお願いいたします。
 ということで、本日予定していた議題は以上でございますが、ここで千原研究開発局長から御発言をいただきたいと思います。
 千原さん、よろしくお願いいたします。
【千原局長】  ありがとうございます。研究開発局長の千原でございます。今日が本委員会での議論の一つの区切りとなりますので、事務局を代表して一言御礼の御挨拶をさせていただきます。
 委員の先生方におかれましては、去年の12月から本日まで約3か月という短期間の中で、5回にわたり、御多忙の中、本委員会に御出席をいただき、活発な議論を行っていただきましたこと、心より御礼を申し上げます。
 これまでの貴重な御指摘、あるいは御意見のおかげによりまして、GteXの基本方針、あるいは研究開発方針を大方策定することができました。今後、JSTにおいて検討を進めまして、4月以降公募を開始して、事業を始める予定で進めさせていただきたいと思っております。
 GteXの議論につきましては、今回で一区切りとなりますけれども、文部科学省といたしましては、引き続き革新的な技術シーズの創出、あるいは人材輩出の観点から、求められる政策につきまして、しっかり検討を行ってまいりたいと思っております。つきましては、来年度も本委員会において、GX関連の技術動向、あるいは政策等について、様々な観点から御意見、御指導をお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から、今後の予定及び事務連絡をお願いいたします。
【吉元補佐】  本日含めまして複数回にわたり、しかも、短期間で御議論いただきまして、ありがとうございました。先ほど杉山主査からもございましたけれども、本日の意見を踏まえまして、基本方針並びに研究開発方針のほうに反映をさせて確定とさせていただきます。
 本日の議事録は、後日事務局よりメールで委員の皆様にお諮りした後、文部科学省ホームページに掲載、公表させていただきます。
 次回の委員会、特段をいつということは決まっていませんが、また時期が決まり次第、改めて御案内いたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
【杉山主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、先生方本当にありがとうございました。これをもちまして、環境エネルギー科学技術委員会革新的GX技術開発小委員会の第5回会合を閉会いたします。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)