第9期地球観測推進部会(第9回) 議事録

1.日時

令和5年1月20日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

委員

春日部会長,小縣部会長代理,赤松委員,岩崎委員,岩谷委員,川辺委員,三枝委員,嶋田委員,神成委員,中北委員,平林委員,堀委員,村岡委員,六川委員,若松委員

文部科学省

千原研究開発局長,林研究開発局審議官,久芳環境科学技術推進官,伊藤課長補佐,甲斐地球観測推進専門官

4.議事録

【春日部会長】  皆様こんにちは。ただいまより科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会、第9期地球観測推進部会の第9回会合を開催いたします。
 本日もお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 最初に、委員の出欠と資料の確認をお願いします。また本日もオンラインでの会議になりますので、進行に当たっての留意点など、事務局から併せて御説明お願いします。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
 それでは、事務局より委員会の進め方について簡単に御確認をさせていただきます。
 まずは、ウェブ環境の安定のため、この後議題に入りましたら御発言されていないときにはマイクとビデオをオフにしていただくようお願いいたします。また、御発言いただく場合には挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。御発言の際はお名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。挙手ボタンが見つからない場合には、画面オンにして手を挙げていただくか、そのまま割り込んで御発言いただければと思います。
 本日の資料の確認になります。まず、議事次第、資料1-1、それから資料1-2のファイルをメールでお送りしております。もし不備等がございましたら事務局まで申しつけください。よろしいでしょうか。
 出欠の確認ですけれども、本日は15名の委員の方に御出席いただいております。出席者が過半数に達しておりますので、部会は成立となります。本日御欠席は上田委員、浦嶋委員、蟹江委員、河野委員、佐藤委員が御欠席となっております。また、神成委員が途中退席されると伺っております。
 なお、本部会にはオブザーバーとして、科学技術・イノベーション推進事務局の本多様にも御参加いただいております。
 本部会は、部会運営規則により公開とさせていただきます。
 最後に傍聴者の方へのお願いとなります。本日はオンラインでの開催となっております。万が一システムトラブル等で傍聴不可となった場合は、後日公開する議事録を御確認いただくようお願いいたします。
 御説明は以上となります。
【春日部会長】  甲斐さん、ありがとうございました。
 それでは、議題1に移ります。
 前回以降、委員の皆様から大変貴重な御指摘や御意見を多数いただきましてありがとうございました。資料はそちらの御意見等を反映したものになります。その最終取りまとめの案について本日審議するわけですけれども、まずは、事務局から前回の素案以降の変更点などについて御説明をお願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。では、事務局から、前回御議論いただいた素案からの主な変更点、それから概要・別添資料について御説明をいたします。
 まず、前回の御議論では多くの御意見をいただき、また、部会の後にもメール等で記載が不足している点などについて御指摘をいただいております。ちょうだいした御意見や御指摘を反映して今回の最終取りまとめ案を作成しております。
 素案から大きく変わった点としましては、素案では第1章から第4章の4章構成であったものから、第2章の課題と方向性、それから第3章の求められる施策を一つにまとめております。この変更により、本取りまとめ案では第1章から第3章の3章構成になり、第2章で論点ごとに課題、方向性、求められる施策が整理される形となっております。
 そのほかは、記載が不足していた点について、御指摘を踏まえ追加をしております。
 追加した主な修正点を御紹介いたします。
 まず、第1章ですけれども、こちらの3ページ目の真ん中付近、ステークホルダーの記載について、SDGsの実施指針での記載を基に追記をしております。
 また、次のページ、4ページの中央よりもやや下の部分ですけれども、こちらに昨年12月に開催されました生物多様性条約の第15回締約国会議での動きとして、昆明・モントリオール生物多様性枠組の採択や同枠組での主要な目標の一つである30by30目標について記載をしております。
 加えて、同じく4ページの下の部分ですけれども、国連防災世界会議での動きとして、気候変動の影響への適応の観点も念頭に置いた治水対策や渇水対策を進めていくことについて追記をしております。
 次が、第2章になります。
 第2章全体としてですけれども、各論点が分かりやすいように、ここに並べております各節のタイトルの修正を行っております。比較的大きい変更としましては、例えば一番最初のところ、もとが「地球観測」となっていたものから「課題解決を志向した地球観測インフラの長期性・継続性の確保」と変更されております。ほかもそれぞれ少しずつ変わっております。
 また、2-1節から2-3節につきまして、気候変動のみに限定されてしまうような書きぶりがありましたので、例えば「気候予測データ」という表現を「地球観測・予測データ」とするなど、生物多様性、自然資本等も読めるような記載に修正をしております。
 そのほか、各論点の求められる施策等について、隅つき括弧で実施主体、対応の主体を追加しております。
 第2章の各論点では、2-2節の9ページ、真ん中よりやや下の部分について、優先してアーカイブすべきデータについての記載を加えております。
 また、求められる施策等の中でも、このようにデータプラットフォームの充実というところが分かるように追記しております。
 次が13ページ、2-5節になります。ここの節の冒頭の部分ですけれども、こちらで気候変動と生物多様性・自然資本が相互に関係していることについての説明を冒頭に持ってきて、少し強調するような形になっております。
 また、14ページの一番下の部分で、利活用ニーズを見据えた評価指標の標準化がなされていないといった課題について追記をしております。
 また、次が15ページの最下部になりますが、ここでは対話にとどまらない、成果創出に向けた具体的な活動が必要ということで追記をしております。
 そして第3章の中で、地球観測の役割について、地球観測・予測データの位置づけがSDGsの達成に向けた取組の基本情報、客観的な証拠、そして取組効果の測定といった役割があるといったところを追記しております。
 ここまでが前回素案から大きく変わった修正の説明になります。
 ここからは概要・別添資料について御説明いたします。
 こちらの資料ですけれども、概要として11ページ、別添資料として14ページという構成となっております。
 まず、概要ですけれども、表紙の次の2ページ目、こちらが先ほどの取りまとめ案の第1章についてのまとめとなります。
 SDGsと地球観測の関係、そして今回の検討の背景について記載をしております。こちらの枠で囲んだ部分について読み上げます。
 地球観測は、気候変動をはじめとした地球規模の課題への適切な対処に貢献するものであり、その重要性はますます高まっている。SDGsにおいては、主に生物圏(目標6、目標13、目標14、目標15)の現状把握等の根拠となっている。
 続いて、気候変動対策や生物多様性・自然資本の保全、防災・減災等において、国際的に様々な動きが進展。地球観測・予測データの利活用の中心はこれまで行政であったが、民間企業等においてもニーズが高まっている。
 これらの動きを踏まえ、地球観測推進部会では、地球観測を取り巻く課題を取りまとめ、今後の方向性、求められる施策等の提言を行うというところです。
 こちらのページの下の部分では、SDGsにおいて生物圏が全体の基盤となっており、その現状把握等で地球観測が活用されているということを図示しております。
 SDGsへの活用事例及び可能性につきましては、別添資料1としまして、こちらの資料の後半に付け加えております。
 次のページですけれども、こちらは2ページ目に関連して、民間企業における気候関連・自然関連財務情報開示の動きということで、TCFD、TNFDの概要についてをまとめております。
 次の4ページ目は「第3章 終わりに」の概要になります。概要資料ということで、分かりやすさの観点から結論を先に持ってきております。
 第3章では、SDGsの達成に向け、地球観測・予測データが大きな役割を果たしていくことが望まれること、そして、そのためにはデータバリューチェーンが構築・強化され、様々な主体において地球観測・予測データや生物多様性・自然資本データの利活用が進み、その結果、地球観測自体の長期一貫性、継続性が確保されるという好循環の実現が求められることを強調しております。
 そのような観点から、地球観測とデータ利活用の好循環の実現を今後目指すべき理念イメージとして、このような形で図示しております。
 この先、5ページ目以降ですけれども、こちらは論点ごとに課題と対応の方向性、今後の施策等への提言をまとめているところで、第2章に対応しております。
 5ページ目では、「課題解決を志向した地球観測インフラの長期性・継続性の確保」ということで、課題としては、観測期間の断絶により観測データの価値・信頼性は著しく低下すること、観測データのユーザーニーズが様々であることなどを挙げております。
 これに対して対応の方向性として、まずは国による基盤的な地球観測の実施、効果的なガバナンスの構築、民間も含めた地球観測の充実のための動機づけがあり、さらに、観測データを気候モデル等に融合するデータ同化手法の高度化等の必要性があるというところです。さらには、地球観測・予測データが社会基盤としてさらに発展することが望まれているというところが方向性です。
 そのために求められる施策等をこちらの一番下の部分のようにまとめており、特に、多様化する利活用者のニーズやデータバリューチェーンの構築・強化に対応した観測体制と利用の推進が求められるというところになります。
 続いて、6ページ目ですけれども、「地球観測・予測データに関する専門性・リテラシー向上及び提供体制の構築」になります。
 課題としては、リテラシーに関しましては、利活用には専門性が求められるが、しかし、一方で、理解や認識は十分とは言い難いという点、提供体制については、データが分散していたり、ペタサイズの大規模で、ダウンロードしての使用が容易ではないデータの存在、それから、アーカイブやダウンロード解析のためのプラットフォームの恒常的な維持・利便性の向上の必要性、それから、社会実装に関しましては、社会実装を進める際に、既存の社会制度等との間で調整が必要となることがあるといったことを挙げております。
 これらの課題に対しての方向性として、不確実性を低減するための研究開発や専門性・リテラシーの向上に向けた取組、それから使用の容易化、利便性の高いダウンロードシステムの構築、あとは系統的なアーカイブやオンライン上で解析できる環境の整備といったものを挙げております。
 そのために求められる施策をこちらのようにまとめておりまして、特にデータの提供体制におきましては、データプラットフォームの充実の推進が求められるというところを記載しております。
 7ページ目、「データバリューチェーンの構築・強化」です。
 課題としましては、専門人材を各エンドユーザーで確保することは容易とは言えないということ、他国においては産官学連携によりデータプラットフォームが構築されて、ベンチャー企業等が地球観測・予測データを用いて個別具体的な情報をサービスとして提供している一方、我が国ではそのようなサービス提供主体の規模はいまだ限定的であるということを挙げております。
 このような課題に対して方向性は、データ提供者、サービス提供者、エンドユーザーがデータバリューチェーンを構築・強化していくことが必要といったことを挙げております。
 ここで、8ページ目にデータバリューチェーンのイメージ図を入れておりますので、そちらを御説明いたします。
 ここでは、エンドユーザーが必要とするインテリジェンスやアプリケーションのイメージとして、地域の気候変動や生物多様性情報といった個別具体的な情報になります。こちらを、この図の中央の部分に配置しているサービス提供者が、図の左側のデータ提供者が提供するデータを統合解析して図の右側のエンドユーザーに届けるというイメージとなっております。
 そのための代表的な取組としましては、データに関する事例集やガイドラインを用意し提供していくこと、産官学連携での共同研究による技術やサービスの開発、そして、そのためにニーズなどを拾い上げるための連携を促進するコミュニティの形成といったものを図示しております。
 7ページ目に戻りまして、このようなデータバリューチェーンの構築強化について、求められる施策等をこのようにまとめております。
 9ページ目は、「気候変動の現状把握や緩和策・適応策」についてとなります。
 こちらでの課題としましては、カーボンニュートラルを目指す様々な動きがある状況で、気候予測データには依然として不確実性が存在しています。また、そのデータの利活用に十分につながっていない面もあります。加えて地球観測の空白域の存在や気候予測データを扱う人材の不足といった課題があるというところです。
 これらに対して、対応の方向性としては、温室効果ガスの排出の現状把握のための観測だけではなくて、生態系、生物多様性分布・状態、土地利用変化等の観測、それらに基づく緩和策や適応策に応用できる気候予測データの創出が求められます。また、引き続き国際的な貢献も求められます。
 そのために求められる施策等をこちらのようにまとめております。
 10ページ目、11ページ目は、「生物多様性の現状把握と保全及び自然資本の持続可能な利用」になります。
 ただいま表示しているのが10ページ目ですけれども、10ページ目では、生物多様性・自然資本分野では、その特性により観測対象の特定や評価等が困難であるといった課題や観測主体それぞれの予算や人員確保の観点から、観測の一貫性・継続性やデータ集約・共有化に課題があるということが挙げられております。
 また、観測データにつきましては、紙媒体での保存や保存場所等の分散、主となる目的のみに活用されているとの指摘、あとはデータの特性を踏まえた取扱いの必要性、さらにニーズを見据えた評価手法の標準化がなされていないといった課題が挙げられております。
 対応の方向性としては、こちらに記載しているように、課題で挙がっている内容を裏返したようなものになります。なお、こちらの、特に観測データが経済的価値を生み出せる動機づけというのは、観測の継続やデータバリューチェーンの構築・強化等で重要になってきます。また、データの管理やルールの整備についての検討が求められます。
 そのために求められる施策等をこちらにまとめております。
 11ページ目では、データバリューチェーンの構築強化に関して、サービスとして提供する民間企業の規模はいまだ限定的であるという課題、国際貢献については、観測の空白域の存在という課題を挙げております。
 方向性については、データバリューチェーンについては、データ提供者、サービス提供者、エンドユーザーがデータバリューチェーンを構築・強化する必要性、気候変動や社会活動等のデータ統合の必要性を挙げております。国際貢献では、各国、地域と連携して課題解決に努めることが求められることを挙げております。
 そのために求められる施策等をこちらにまとめております。
 この先、12ページ目以降は別添資料という形となっております。
 13ページ目から20ページ目は、中間取りまとめにも掲載しておりましたSDGsへの活用事例及び可能性についての資料となっております。
 21ページ目から最後の25ページ目は、同じく中間取りまとめにも掲載しておりましたデータプラットフォームの国内外の動向についての資料となっております。
 これで取りまとめ案の変更箇所の概要、それから概要資料及び別添資料についての説明は以上となります。
【春日部会長】  甲斐さん、大変長い資料に関して、とても分かりやすくポイントを選んで御説明いただき、ありがとうございました。
 委員の皆様、小縣部会長代理、ほかの方々からも御指摘がありましたが、今回、本文はワードの文書になっていますけれども、それを分かりやすく概要としてまとめる別の資料があったほうがいいという御指摘をいただいて、このパワーポイントバージョンの概要を作っていただいた次第です。中間取りまとめはパワーポイントだけでしたけれども、今回最終取りまとめということで、ワード版と、このパワーポイントの概要版のセットという形になりました。
 これから皆様から御意見等をいただいて審議に入っていきたいと思いますが、前回、素案の段階では取りまとめの章ごとに御審議いただきました。今回、先ほども甲斐さんがおっしゃってくださったように、前回の部会、またそれ以降、素案にいただいた御意見や御指摘等を踏まえて反映していますので、今日は全体を通して審議したいと思います。本文と概要と両方、どちらでも結構です。
 なお、今回、取りまとめの本文のほうの目次にはページをまだ入れておりません。本日いただく御意見を反映させて、最終版になったところでページを入れようと思いますので、御意見のある方は現在のバージョンのページ、あるいは目次を見ていただいて、どの章のどの節ということで場所を特定して御意見いただけるとありがたいと思います。
 それでは、どうぞ手を挙げる等していただいて御意見いただければと思います。
【中北委員】  京大の中北です。よろしくお願いします。
 確認ですけれども、前回お休みさせていただいていて、今頃こんな質問で申し訳ありません。今回、主に気候変動と、それから生物、生態系の話が大きくクローズアップした形での地球観測・予測の重要性ということになっていて、この二つだけのように見えるのですけれども、そこはよろしいのでしょうかという質問です。どうぞよろしくお願いします。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。事務局、環境エネルギー課の久芳でございます。
 おっしゃるとおり、今回、どうしてもメインコンテンツが気候変動対策、そして生物多様性・自然資本の保全というところに当たってしまいますので、そのように読めてしまうのではという御指摘は、別途メールや、また、この年末年始にかけて委員の方々に直接お伺いした際に御指摘いただいた方もございます。その観点で、できる限り、2-1、2-2、2-3、先ほど甲斐から申し上げましたけれども、もともと「気候変動予測データ」となっていたところを「地球観測・予測データ」と書き直したりという形で、できる限り修正してみたところではございますが、やはりどうしても印象論として、まだまだというところを今おっしゃっているのかなと感じております。
 もしよろしければ、この辺りのところが修正できたらとか、御提案、御指摘いただけたら幸いでございます。事務局としても改めてもう一度見てみたいとは思います。
【中北委員】  分かりました。今さっと答えられないですけれども、またいろいろな面があると思いますので、今までの議論からすると、自然現象の実態とか、その中に気候変動があるかもしれませんし、防災関連も当然今まで入ってきていますので、上手に散りばめる形で、今のニュアンスを減らすことができたらなと思います。もし何かあれば、またメールさせていただきます。よろしくお願いします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 三枝委員、お願いいたします。
【三枝委員】  今、中北先生がおっしゃったのと同じようなことを私も感じました。序論の国際的な背景のところで、気候と生態系は詳しく書いていただいているけれども、防災のところが薄いようでしたので、国連防災世界会議ですとか、気候変動適応と併せて治水対策、渇水対策を進めていく必要があるということを書いていただきました。反映していただいてありがとうございました。
 でも、パワーポイントのほうを見ると、例えば3ページ目などは、気候変動、生物多様性となってしまうので、ここに新たに加えるのは大変かもしれないですが、もしこういうところに防災・減災が入ると、気候変動、生物多様性、防災・減災、それぞれ深く関与しつつ、3本柱みたいなイメージが強まって、中北先生の御懸念も薄まるのではないかと思いました。これは一つの例ですので、ところどころに気候変動、生態系、防災・減災を増やしていくか、生物多様性のところで生態系を利用した防災・減災のEco-DRRみたいな取組を少し手厚く書くとかするとよいと思いました。
 防災・減災をもし増やせるところがあれば今からでも少しというのが1点目と、もう一つは、パワーポイントの2ページ目の右半分、背景が青っぽくなっているところで、SDGsの様々の重要な項目の中で多くのものをここに挙げていただいていますが、飢餓の対策も非常に重要ですし、農業も大変重要なので、食料生産というキーワードがこういうところにも入るといいなと思いました。どこに入れたらいいのかというとなかなか大変ですが、地上なのか衛星なのか、あるいは予測でもいいけれども、ちょっと行が増えてしまいますかね。地上観測データのところは「河川・湖沼の水質、モデルシミュレーション」とあるのですが、モデルシミュレーションはもしかすると全ての項目に当てはまるので、こういうところを消して、食料とか生態系を地上観測に入れていただくか、あるいは衛星観測のところは文字がまだ少し入りそうですので、食料生産とか農業のキーワードを入れるといいかなと思いました。
 以上です。
【春日部会長】  三枝委員、大変貴重な御指摘をありがとうございました。
 最後の点、漁業のデータも食料に関すると思うので、海洋観測のところにも加えることが可能かなと感じました。
 また、中北委員の御指摘と共通する点、気候変動と生物多様性と排他的に、限定的に見えないような工夫を引き続き事務局とも相談させていただきたいと思います。
 続いて、平林委員、その後、村岡委員、赤松委員、すみません、順番が私のほうで見えないので、先に手を挙げていた方が後回しになってしまったら申し訳ありません、お許しください。平林委員、お願いいたします。
【平林委員】  取りまとめいただきましてありがとうございました。非常によくまとまっていると思いながら拝見、お聞きしておりました。
 その上で、全体的な視点でのコメントになるのですけれども、ここに書かれているような様々な取組を持続的に推進する上での最重要課題の一つとして、人材の育成・確保が共通的にあるのではないかなと思います。地球観測に関する専門家に加えて、データサイエンティストであったり、あるいは社会やユーザーと地球観測をつなぐ人材であったり、社会実装を進めていく人材、様々な人材を育成・確保していくことが非常に重要な共通課題ではないかと思います。
 その上で、パワーポイントの資料を拝見していて思いましたのは、人材の育成・確保という観点で、今後の施策のところに国際の分野では書かれてはいるのですけれども、国内の分野についてあまり書かれていないような感もしておりまして、共通的な観点で書かれたほうがいいのかなと思いました。
 では具体的に何をするのかというと、例えば今映し出されている地球観測のところですと、若手研究者の包括的、萌芽的、試行的な課題研究の支援をするとか、そういった小規模で速度早く回すような活動の中で人材育成を心がけていくとか、あるいは、そもそも裾野を広げるとか、足がかりにするために価値を社会に広く発信していく活動であったり、そういった様々な具体策もあろうかと思いますので、人材育成という観点で少し共通的に記載していただくといいのではないかと思いました。
 以上でございます。
【春日部会長】  平林委員、ありがとうございます。
 確認ですが、今、御指摘いただいたように、ちょうど見せていただいている資料のところ、こちらにも専門性とリテラシーの向上という形で専門家も社会で利活用する人も含めて人材育成のことを盛り込んでいるつもりではあるのですけれども、もう少し別枠で書いたほうがいいということでしょうか。具体的なまとめ方等は。
【平林委員】  人材育成というワーディングで書いたほうが、よりストレートに施策としては打ち出されてくるのではないかなと思うのですけれども。
【春日部会長】  専門性、リテラシーの向上に代えて。
【平林委員】  それはそれでいいと思います、リテラシーも大事ですけれども、地球観測の専門性だけではなくて、地球観測をやっていないようなデータサイエンティストをこの業界に巻き込んでいくとか、あるいは社会やユーザーと地球観測の業界をつないでいく、つなぎ役の方とか、実際に課題を解決していこうとしたときに、その課題解決に向けて推進していくような人は、必ずしも地球観測の専門家とも限らないところもあると思いますので、もう少し幅広い観点での人材育成が重要だというメッセージも必要ではないかと思います。
【春日部会長】  はい、承知しました。
 事務局から、この点について何かございますか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。昨日、JAXAの窓口の方から今の御指摘をいただいておりまして、そこで事務局のほうで「専門性」と記載したところではございますが、我々のほうで委員の御指摘の内容を酌み取れていなかったと今反省しております。
 イメージとしては、例えば地球観測・予測データの利活用に向けた人材育成とか、そのような言葉をこの後修正してみたいと思っております。また後ほど御確認いただけたらと思います。ありがとうございます。
【平林委員】  よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 では、村岡委員、お願いいたします。
【村岡委員】  村岡です。こんにちは。よろしくお願いいたします。
 文章を整えてくださってありがとうございました。多くの加筆、修正が入っているのを拝見しました。特に2-5の生物多様性・自然資本のところでも多くの重要な文言を入れていただきました。例えば(1)のところでは、2050年の自然共生社会の実現に向けてというところで文言を入れていただきましてありがとうございます。恐らく2050年のカーボンニュートラルの目標とセットで自然共生社会に向けた様々な対策を網羅する形での文言が入ることで、より総合的に取り組んでいくというところが出せると思いました。
 また、これに続く生物多様性分野の主体のところで、これまでの地球観測推進部会の様々な議論ではあまり入らなかった市民や団体、博物館、あるいは大学に限らず、例えば高等学校等も含めた形で「教育研究機関」と入れていただきました。これも誠にありがとうございます。このところ、日本生物多様性観測ネットワークの再構築の準備をしている中で、地域に根差した生物多様性の観測・保全といったことを進めていくにあたり市民科学や博物館あるいは学校との連携も非常に重要だということが分かってまいりました。
 そして、今後さらに日本全体として連携を深めて進めていくことにおいても、2-5の(1)、③の後半に「連携強化に向けた連携組織の検討」という文言を入れていただきまして、ぜひこれも引き続き御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
 ここのところまでは修正いただいたことへの確認ですが、1点だけ御提案です。
 パワーポイントの概要版、4ページに1か所加えてはどうかという御提案です。この「正のフィードバック」というところで、その下に「地球観測・予測データの専門性・リテラシー向上」と書いていただきましたけれども、この本文全体の議論と、そして今日のこの会議中の委員の方々からの御意見にもありました「ニーズの拡大」ですとか「人材育成」あるいは「連携の促進」といったことを言葉として、ここの「リテラシー向上」に加えてポンチ絵のところに入れることで、対応策あるいはその効果といったものが、この1ページからも読み取れるようになればと思いました。
 以上です。長くなりまして失礼しました。
【春日部会長】  村岡委員、ありがとうございました。このスライドへの追加ということで、最終取りまとめの発展がはっきりすると思います。
 また、前半で御指摘いただいた点、既に盛り込んでいますけれども、この最終取りまとめが実際に使われるように、実践のところに注力したいという御意見とも受け止めました。ありがとうございました。
 では、赤松委員、お願いいたします。
【赤松委員】  赤松でございます。大変御苦労、御尽力いただいて、ここまでまとめ上げられたことに、まず感謝と敬意を表したいと思います。非常によくまとまってきたなと感じているところであります。
 何点かあるので、一つずつ進めていきたいと思います。
 最初に、中北委員と三枝委員から御指摘があった点です。これは、恐らくこのSDGs検討の組立てをしていく中で、最初に10年計画のフォローアップがあって、その中でSDGsということに最初にフォーカスをしました。次にSDGsの中で気候変動をまず大きなテーマとして取り上げて、その中には防災という要素も実は入っていたと思うのですが、そこに対応することを検討して中間報告をまとめました。その後、今年度、さらに生物多様性を取り上げたということで、この二つの主要テーマに取り組んだことが、この最終とりまとめの形につながっているのだと思いますので、そういったストーリーを冒頭の説明の中に書いていったほうがいいのかなと思います。テーマはあくまでSDGsであって、その中でこの二つを主要テーマとしてフォーカスし、そして気候変動の中に防災的なことも組み込んであるということです。しかし、防災について記載はされていますがまだ十分でないところもあるので、ここは中北委員からも御指摘をいただきながら追加していって、重要な点が落ちないように全体として見ていくことが必要かと思います。
 また、ところどころSDGsという言葉が抜けていて、それで気候変動だけみたいな感じになっているところもあるので、もう一度SDGsというテーマをしっかりと全体にかぶせていったほうがいいかなと思います。まずそれが1点目の指摘であります。いかがでしょうか。
【春日部会長】  区切って御発言いただきありがとうございます。
 この点、確かに検討の背景、最終取りまとめワード版の5ページの最後の段落に若干、その上の背景を踏まえて、この地球観測推進部会で行ってきたことがまとめられていますが、確かに上と比べると短いかなという気はします。
【赤松委員】  そうなのですよね。
【春日部会長】  その点で、こういう構成になりましたということを加えたらどうかという御意見だと思うのですが、事務局、いかがでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  はい。もうまさに御指摘のとおりと思いますので、この後に部会長と相談しながら事務局のほうで修正を図りたいと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。SDGsについてもリマインドするような形で追記するということですね。
【赤松委員】  そうですね。そのように検討お願いします。個別には、ここどうでしょうみたいなことは、もう1回、ワード版の上でお返ししたいと思いますので、御参考にしていただければと思います。
【春日部会長】  今の段階で大きな点、もしも御発言いただけるようでしたら、皆さんにも聞いていただけると思いますが。
【赤松委員】  それでは、もう一つ、次の点ですけれども、今回パワーポイントで概要版という形で作っていただいたのですが、これは、基本的にワード版の本文の中身とイコールで作っていると考えてよろしいですか。ところどころ図とかが加わっているので、それはもちろん追加されていますけれども、記載されている趣旨、内容は基本的に本文と一致していると考えてよろしいですか。
【久芳環境科学技術推進官】  はい。そのとおりでございます。
【赤松委員】  分かりました。そうしますと、この本文が固まってから、このパワーポイント版のほうは見ないといけないのかなと思うので、このパワーポイント版を確認するステップをどのように考えられているか教えていただきたいのですが。
【春日部会長】  スケジュールも含めてということですね。
【赤松委員】  そうですね。後で聞けばいいのかもしれないですけれども、その確認によって、本日の協議をどう進めるかが変わるかなと思ったので。
【春日部会長】  はい。いかがでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘の点、まさにおっしゃるとおりだと認識しております。本来であれば、本体ができた後に概要を作り、そして、その概要についてまた御意見をいただくというプロセスを図るのが当然でございまして、ただ、今回に関しましては時間の関係もあることから、事務局にて概要をある程度作り、イメージを見ていただいていると捉えていただいていいのかと思います。
 ですので、この後、本体のほう、今既に複数の委員から御指摘いただいているところは当然修正を図っていかなくてはいけないということで、それが概要に当然はねてくるところも出てくるかと思います。そこにつきましては、まず一旦部会長に見ていただき、そして部会長のほうから、この内容であればそのまま走ってもいいかもしれないとか、もしくは、これは各委員にもう一度見てもらったほうがいいとか、そういうところも御指導いただきながら進めていきたいと思います。
 いずれにしても、委員それぞれの御任期が2月14日までとなっておりますので、確認いただく場合は1月中には御送付できるように進めてまいりたいと思います。
【赤松委員】  分かりました。タイトな時間の中で同時並行になるかもしれませんけれども、また意見があれば、この部会の後に御指摘することも可能だと考えていいですか。
【久芳環境科学技術推進官】  はい。ぜひよろしくお願いいたします。
【赤松委員】  分かりました。また今日の議論も踏まえて確認をしてみたいと思っています。
 それと、あともう一つ、前回の議論の中で、なるべく重複しないようにという話もあって、いろいろ整形をしていただいているところはあるのですけれども、データバリューチェーンという言葉が、例えば生物多様性のほうには出てきているけれども気候変動のほうには出てきてないとか、そこら辺の不統一な感じというか、バランスがちょっと崩れているところがあります。全体を束ねる要素としてデータバリューチェーンという言葉があるので、触れる分量は少なくてもいいですけれども、一応気候変動のほうにも施策として入れたほうがいいかなと思いました。これも後で具体の文面はお送りしますけれども、御検討いただければと思います。
【春日部会長】  この点は、生物多様性のほうにも入れたほうがいいと。
【赤松委員】  生物多様性のほうには入っているのです。気候変動にはなかったのでということです。
【久芳環境科学技術推進官】  今の御指摘は、すなわち2-3にまず柱としてあり、そして2-5のほうには生物多様性のところでそれに関するところが触れられている。一方で2-4のところには一切書かれていないので、そこについて軽めでいいので触れたほうがいいということですね。
【赤松委員】  そういうことです。
【久芳環境科学技術推進官】  はい。承知しました。
【赤松委員】  ちなみに2-3の施策の中にデータバリューチェーンという言葉が入ってなかったのもあるので、これは施策としてもちゃんとその言葉は出しておいたほうがいいと思うので、これも後で文面案としてお送りしますので御検討いただければと思います。
【久芳環境科学技術推進官】  承知いたしました。
【春日部会長】  ありがとうございます。
【赤松委員】  私からは全体としては以上でございます。あとは言葉の問題とか、ちょこちょこあるので、それはまた文面上で御指摘したいと思います。
 以上でございます。
【春日部会長】  御協力ありがとうございます。
 川辺委員、そして小縣部会長代理、順番にお願いしたいと思います。川辺委員、お願いします。
【川辺委員】  ありがとうございます。東京海洋大学の川辺でございます。非常に分かりやすい形でまとめていただいてありがとうございました。
 ワードの3ページの第3段落で、ステークホルダーをいろいろ出していただいたので、SDGs、地球観測を多様な人々を巻き込んでやっていかなくではいけないのだよ、ということを宣言していただいた感が出ていると思います。
 パワーポイントのほうはこの後また修正されるかと思うのですけれども、こちらのほうでもと最初のほうに、このステークホルダーの話を1行ぐらいでも入れていただけるとよいのではないかなと思いました。4ページ目には「エンドユーザー」というのが出てくるのですが、その前にあると、いろいろな方たちが関わっていて、その中でエンドユーザーとして位置づけられるのがこういう人たちだということがイメージしやすいのではないかと思いました。
【春日部会長】  重要な御指摘をありがとうございます。ステークホルダーは必ずしもエンドユーザーだけではないと思います。データを観測する側にも、今回市民科学なども含めたように様々なステークホルダーが関わることが可能と思いますので、パワーポイントのなるべく前のほうに入れたいと思います。
 事務局のほうはよろしいですか。
【久芳環境科学技術推進官】  はい、大丈夫です。
【川辺委員】  ありがとうございます。以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 では、小縣部会長代理、お願いいたします。
【小縣委員】  小縣でございます。どうもありがとうございました。春日部会長も事務局の方々も御苦労さまでございました。いろいろな皆様の御意見、私の意見も含めて反映していただきましてありがとうございます。また、事務局の方にも直接お話しする機会もありまして、とてもよいものが出来上がったかなと思います。その上で、2点だけ申し上げます。
 どちらかというと大きい目で見ているつもりですけれども、一つは事務局の方に申し上げたのですが、今回はこれで未来につなげていくということになり、これからも大変な仕事がまだまだ残っているので、主語と目的語、タイムラインをよく意識して、ぜひ日本国家としてのロードマップをつくっていくことが大事だと思います。その点、文科省が一番データの保有量とか蓄積すなわち、ストレージ、ストックも多いと思うので、例えば全体のパワーポイントの25ページにあるような、DIASとかTellusとか、省庁間に縦線が入っていますが、これを国全体としてまとめていくという大変な作業になりますが、よろしくお願いしたいと思います。
 そういう意味で、全体として1章、2章、3章と分かれて力強くなったと思うのですが、「第3章 終わりに」については、次期は「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」等を定めていく大事なときだと思うので、ぜひ、そういう中に今申し上げたようなことが着実に落とし込まれていくといいなと思っております。
 あとは2点目として、もう大分文章は固まっていますけれども、国際貢献という言葉が随所に出てきて、パワーポイントのほうにも国際貢献という言葉が出ています。ただ全体として、日本が国際貢献できることは、私はすごく大きい部分があると思っていまして、特に私がずっと仕事をしていて、日本の場合は民間の力も含めて応用する能力が本来は非常に高いと思っています。今回バリューチェーンもしっかり書いていただいていますが、産官学合わせた形で日本国家は本当にFields of Applications――豊かな応用の場だとも思っています。一方、国際貢献の表現等を見ますと、ところどころに分かれて出てきていて、パワーポイント9ページでは「アジア太平洋地域をはじめ」という形で始まっています。「貢献」という言葉がまさに今回のパワーポイントの表紙にも出てくるぐらいなので、ぜひもう少し国際貢献というのを意識した形でさらにおまとめいただきたいと思います。
 現実に、この今回出した提言を基にきちんと実行していき、例えばデータバリューチェーンにしろ、データドリブンにしろ、このアジア大変洋地域のみならず、世界の中では日本が一番先頭に行く状況を創り出すようなことをしてほしいし、私はそれができると思っていますので、まとめるときに「国際貢献」という言葉が出てくる部分を見ていただいて、つながりがあるようにしていただくとよりいいのかなと思いました。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。大変高い観点から、国として、また文部科学省として、今後の実行に当たってリーダーシップを取るということ、それから、日本国として国際貢献の場でも日本らしい力を生かすこと、そしてリーダーシップを取りたいということ、それが生かせるような文言を加えるという、そういう御指摘かと思いました。この点、事務局と相談させていただきたいと思います。
【小縣委員】  ありがとうございます。
【春日部会長】  ありがとうございました。
 嶋田委員、お願いいたします。
【嶋田委員】  嶋田でございます。大変分かりやすくまとめていただきまして、ありがとうございます。
 一つ確認ですけれども、このパワーポイントファイルについても、文書のほうと同じように、同時に公開するという理解でよろしいのでしょうか、これは事務局に対する質問です。
 あともう1点、意見ですが、何度かこの会合の中で、オープンデータ化が重要だということを意見として述べさせていただいたのですが、特に我々のような地方自治体にとっては財政的な基盤が脆弱なこともあって、オープンデータ化などは非常に重要だと考えていますし、あと市民科学にとっても、このオープンデータはキーワードとしては極めて大切だと思っています。
 今回、文書の中でもパワポの中でも、オープンデータ化ということを明確に示していただいたのですけれども、その示された場所が専門性・リテラシーの向上とか提供体制の構築の部分で、もちろんそこに位置づけるのは当然だと思いますけれども、データバリューチェーンのところについても、場合によってはデータの価値を高めるためにオープンデータ化は極めて重要だと思いますので、そこにキーワードとして盛り込むこともあってもいいのではないかなと思いました。
 以上でございます。
【春日部会長】  ありがとうございます。意図されることはよく分かりました。事務局として対応のところで御意見ありますか。
【久芳環境科学技術推進官】  事務局、久芳でございます。
 まず、1点目のお問合せに関しましては御推察のとおりでございます。同時にホームページにアップすることを考えております。
 2点目に関しましては、オープンデータ化の重要性については先生から御指摘をいただき、我々としても重々承知しているところでございます。まだ書き足りてないところがあるかもしれないという観点で、改めて3章を見直してみたいと思います。
 ただ一方で、懸念しているところは、データバリューチェーンの場合は、サービス提供者がつくったデータはサービス提供者の方が創り出した価値ということで、そこについてはある程度の専有性が発生してしまうところがございますので、そこに変に食い込まないような形での整理をしなくてはならないというところで、観測データ、そして公的機関ないし研究者の方々がつくられたデータがオープンデータ化されていき、それがいろいろな方々に利用されていくというような流れを全体を通じてもう一度再読して、必要に応じて書き直しをしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
【嶋田委員】  ありがとうございます。データバリューチェーンを狭義に捉えるのか、広義に捉えるのか、その辺りと関係があると思いますので、御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
【春日部会長】  貴重な御意見をありがとうございました。
 岩崎委員、お願いいたします。
【岩崎委員】  岩崎です。多数のコメントが出された中、前回のバージョンからより分かりやすく包括的にまとめていただき、本当にありがとうございました。大変良いものになったと私も考えております。
 小縣部会長代理の「国際貢献」に関する御発言を踏まえて、1点コメントです。御発言のとおり、ハイライトいただける部分があればよろしくお願いします。
 その理由として2点程ございます。まず、この地球観測は、多くの国々の方々に使ってもらい多くのバリューチェーンを形成することが価値を高める上で重要だということ。二点目としては、日本とは異なる経済社会、自然条件の中で使ってもらうことで、そのフィードバックが日本における地球観測の質を高めることになると思っております。
 以上になります。
【春日部会長】  国際貢献、国際協力を実践されているJICAとしての貴重な御発言だと思います。ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 岩谷委員、お願いいたします。
【岩谷委員】  私も今日お話を伺って、様々な先生方のコメントと、それから事務局の尽力で、すごくよくまとめられていて、すごく理解ができたなというところで、特にパワーポイントにしていただいたのが非常に分かりやすくて、なかなか文章だと分からないところが多かったので、非常に理解が進むかなと思いました。本当にありがとうございます。
 その上で、先ほど委員の方からもありましたが、全部パワーポイントも公開されるということですけれども、別添資料のところに、これまでもこういう地球観測が役に立っている、貢献しているということが書かれているのですけれども、実はワードのほうではほとんどそこは端折ってしまっていて、3ページ目、序論の最後に、別添資料でまとめてありますよと書かれていますが、私としては、地球観測が既にこういう貢献をしているというところを、本文にも項目でいいので少し具体例として入れていってはどうかなと思ったところです。
 というのは、どうも背景とか序論を見ていると、まだまだ地球観測が社会実装として課題が多いということは読み取れますが、役に立っている、貢献しているというところが少し弱いかなと思いまして、これを広く国民に見てもらうときに、既にこういうところで貢献しているのだというところをぜひアピールしていただいて、さらにこういう課題があるので地球観測が重要だというところを入れていくために、別添資料に書かれているような事例を、幾つかキーワードだけでいいので少し入れていただくといいのかなと思いました。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。この別添の資料は、皆様御存じのように、これまでの地球観測推進部会の審議の中で資料として使ってきたもので、その都度公開はされているのですが、そういう経緯も踏まえて、この最終取りまとめの中に生かしてはどうかという御指摘かと思います。
 序論があまり重くなってもいけないとは思いますが、御提案のように項目として触れることは可能かと思います。事務局からお考えはありますか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。入れ方としての工夫は必要かなと思います。今、部会長がおっしゃったように、長くなっては逆に読みにくくなるし、一方で、岩谷委員がおっしゃったように、このままではあまり活用されてないのではないかとも読めてしまうところがありますので、例えば、ここに枠囲みで参考として幾つかの事例を載せてみたり、もしくは項目名だけを載せて、詳細はパワーポイントへという形のリンクを入れるとか、その辺りの作り方は工夫してみたいと思いますけれども、いずれにしてもおっしゃった御指摘を踏まえて修正を図りたいと思います。
【岩谷委員】  よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんか。
 既に大変貴重な御意見を多数いただきました。先ほど、この第9期部会としての任期のお話もありましたけれども、本日いただいた御意見、また、さらにこれから少し時間を区切ってメールでも追加の御指摘をいただきたいと思うのですが、その後のやり取りのスケジュールを、大体の感触で結構ですが、事務局から御説明いただくことは可能でしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。今御指摘いただきましたところ、しっかりと事務局として修正内容を考えてまいりたいと思います。さらに追加での修正ないし御意見につきましては、可能であれば1月24日中にメールなどでお寄せいただけたら幸いでございます。事務局として並行して修正を図り、そこでいただいた意見も踏まえて来週中に部会長に一旦御相談をさせていただくという形で進めていけば、先ほどの任期まで余裕を持って、皆様が委員である段階でホームページにアップすることが可能になってくるかと思っております。
 以上でございます。
【春日部会長】  ありがとうございます。このプロセスについて御質問等ございますか。よろしいでしょうか。
 赤松委員、お願いします。
【赤松委員】  赤松です。すみません、確認ですが、多分そのスケジュールでいくと、この本文が固まったものを見てから、パワーポイントの概要版を見て指摘することはできないかと思いますので、そこの整合的なところは事務局様にお願いするということで考えてよろしいですか。こちら側でパワーポイントの概要版に関して見るのは、例えば全体の構成の話だとか、ここのところが大きく抜けているとか、そういうことでよろしいでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。大変失礼いたしました。パワーポイントのところが若干今の説明で抜けておりました。
 今、赤松委員のおっしゃった形で進めさせていただけると大変ありがたく存じますが、一方で、内容について迷いは当然生じるところもあるかと思います。その点につきましては、部会長とも相談しつつ、場合によっては個別の委員にそれぞれ御確認をしていただくといった対応をさせていただけたらと思います。
【赤松委員】  分かりました。取りあえず気になったところはピックアップしておいて、対応については適宜やり取りしながらやっていくという感じで理解しておけばよろしいですか。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。そのような形で進められたらと思っております。
【赤松委員】  分かりました。そのように進めさせていただきます。ありがとうございます。
【春日部会長】  ということで、皆様には、これからも一、二週間、全体へのメールでのお願い、また御意見をいただいた方に関しましては、もしかすると個別にまた御相談させていただくかもしれませんけれども、引き続き御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 最終取りまとめ案に関する審議は、ほぼ御意見も出そろったと思うので、ここで一段落させていただきたいと思いますが、今日はちょっとまだお時間がありますので、この機会に、来期、第10期に向けて、こんなテーマが必要ではないか、こういう審議をしたらいいのではないかといった御意見をいただければと思います。特に御用意のお願いをしていたわけではないですが、せっかくの機会ですので、何か御意見等お持ちの方は、ぜひお願いしたいと思います。少し考えていただいても結構です。
 また、皆様に来期のことを考えていただく間に、特に、今期で御退任になられる部会委員の方々、小縣部会長代理、三枝委員、残念ながら佐藤委員と蟹江委員は今日欠席ですが、少なくともお二人の委員の方には、後ほど来期以降に向けた期待、宿題といったことも伺えればと思いますので、御準備をお願いできればと思います。
 今はまずどなたでも結構ですので、ぜひこれを自分としては審議したいとか抱負をお話しいただけたらと思います。いかがでしょうか。
【中北委員】  中北です。
 次期になるのか、次々期になるのか、ちょっと時間がかかるものかもしれないですけれども、静止衛星でいろいろな新たな項目が測れるようになるのは新たなパラダイムシフトだと思います。今、PMMにおいて降雨衛星自身もそういう議論に上ったり、いや、まだ無理だという話が出たりしていると思いますが、全体、いろいろな観測項目、センサーも含めて、徐々に静止衛星として求められる利点の整理を始めていくのは大事なことかと、ここ何年も思っていますので、今、一言申させていただきました。次期で実現するわけではありませんけれども、スタートしてみてはどうかなと思います。あくまでコメントですが、御高配をどうぞよろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。静止衛星ですね。
 村岡委員、お願いいたします。
【村岡委員】  ありがとうございます。
 私は今回で丸8年間、地球観測推進部会ではお世話になりました。先ほどもお話がありましたように、来期では、また今後10年の実施方針の再点検の年と伺いました。そういうことも進めながら、現状はどうか、将来どのようなニーズ、課題があるかということを議論するのと並行して、毎年事務局のほうには実施計画を整理していただいていますけれども、それと照合しながら点検をして、毎回たくさんのリストですので、全部を見ていくことはなかなか難しいところもあるかと思いますけれども、件数の確認にとどまらず、この地球観測推進部会で議論し日本全体に提案している内容と併せて、そういった地球観測の実施計画がどのようになっているか、どんなところが推進されているか、どこに何かギャップがということも何かしら分析しながら次のニーズ、課題について、第10期で議論できればと思っています。
 地球観測推進部会の最近の数期で、地上観測の重要性、あるいはネットワークが地球観測機関として、プレイヤーとしても重要であるという議論をしていただきましたけれども、つい先日、ある海外の研究機関から連絡がありまして、温室効果ガス観測や生態系の変化を組み合わせたグローバルな観測網をつくることを大学や研究機関が連携して考えたいという相談を受けました。そういった方向性も随分国際的には議論されているようですので、日本では生態系や生物多様性、温室効果ガスに関する地上観測ネットワークが大変充実していますので、国際的な動向と併せて、日本の地上観測コミュニティをどう強化していくのか、日本として支えていくのかという議論もできればと思いました。
 以上です。ありがとうございました。
【春日部会長】  ありがとうございます。先ほどの中北委員の静止衛星、そして村岡委員は地上観測にも視点を持って、さらにネットワークとして日本が持つ有利な点から国際的なトレンドに乗り遅れないように、あるいは先ほど国際貢献という御意見もありましたけれども、国際的な議論を先導できるような、そういう議論ができればという御指摘です。それに加えて、実施計画と実施方針との照合による点検も必要ではないかという御意見だったと思います。ありがとうございます。
 では、赤松委員、お願いいたします。
【赤松委員】  赤松でございます。
 今の村岡委員の御意見は私もそのとおりだと思いまして、こうやっていろいろな実施方針を我々がつくっていくわけですけれども、それが実施計画の中にどういうふうに落ちていっているのか、ないしは落ちていっていないのかということは確認してみたいと思います。その確認をした結果、落ちていればいいのですが、もし落ちていないとしたら、何が足りないのか、我々としてどうしていったらいいのかを確認しながら、次の10年計画の見直しにしっかりと反映していくことを考えてみたいと思いますので、ぜひその点を照合しながら来期は進めていければと思っております。
 以上でございます。
【春日部会長】  貴重な御意見をありがとうございます。
 平林委員、お願いいたします。
【平林委員】  来期ということではなくて、今後取り扱ったほうがいいのではないかという観点で2点程思いつくものがございますので、お話しさせていただければと思います。
 まず、パリ協定に関わるグローバル・ストックテイクにつきましては、今年、2023年に第1回目が行われます。第2回が2028年に予定されていますが、第1回のグローバル・ストックテイクにおきまして、地球観測がどういう役割を果たしたのか、これからどういう課題が残るのかという分析も踏まえつつ、第2回のグローバル・ストックテイクに向けてどのような取組をしていくのかというのが一つテーマとしてあるのではないかと感じております。
 それからもう1点は、これはバズワードだという話も時々聞きますが、地球デジタルツインについて、様々な分野、それから日本だけではなく国際的にも地球デジタルツインへの動向がございますので、我が国として地球デジタルツインにどのように取り組んでいくのかといったことも今後の将来のテーマとしては考えられるのではないかと思いました。
 以上でございます。
【春日部会長】  国際的な動向を踏まえて、大変重要な御提案をありがとうございます。
 よろしいでしょうか。重要なプロセスに関するもの、それからトピックスに関するもの、突然の問いかけにもかかわらず、多数の御意見をありがとうございました。事務局もこれを受け止めて次期に引き継いでいただきたいと思いますし、任期の続く委員の皆様には、引き続きこういう観点も頭にとめて、また積極的な御審議をいただければと思います。
 それでは、先ほど少し触れましたが、今期で任期として御退任になる、最初に三枝委員、これまでの振り返りも踏まえて、来期への期待などございましたら、一言いただけるでしょうか。
【三枝委員】  ありがとうございます。国立環境研究所の三枝です。
 早いもので、もう10年もお世話になっていたということで、これまで何度か話題提供させていただいたりして、それを盛り込んでいただいて、本当に大変お世話になりました。
 改めて、今からということを考えますと、まず気候変動は喫緊の課題であって、2050年に世界各国が協力してカーボンニュートラルの実現を通して地球の気候を安定化させるというところに大きく社会の仕組みを変えていかなければなりません。IPCCも今から10年、気候変動対策を先送りにすることは、将来の世代に大きな気候変動リスクを負わせると言っております。
 ですので、非常に難しいSDGsの複数の目標が競合するような問題にこれから取り組んでいかなければならないので、一言で言いますと、未来の地球の気候を安定化させるため、生物多様性や食料生産と調和し、防災・減災との共便益を最大化する気候変動の緩和策や適応策に資する地球観測をぜひ今急ぎ推進していくということをお願いできたらと思います。
 先ほど平林委員がおっしゃったとおり、パリ協定の進捗目標が5年ごとにグローバル・ストックテイクという形で確認されていきますので、そうした国際的取組への日本からの貢献も併せて重要と思っております。
 以上です。発言の機会をありがとうございました。
【春日部会長】  大変示唆に富む御発言をありがとうございます。今おっしゃったフレーズは、この部会はレコーディングしていますので、議事録からしっかりと拾い上げて、何らかの形で次期の提言に生かしていただけたらと今期部会長として強く感じるところです。三枝委員、ありがとうございました。
 では、小縣部会長代理、一言いただけますでしょうか。
【小縣委員】  JR東日本の小縣でございます。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 先ほどは少し具体的な主語、述語、タイムライン、それからそれを含めたロードマップと国際貢献の話を申し上げましたが、特に来期以降で期待したいのは、文書にも書かれているので、あえて申し上げますけれども、具体的に国家として大事な今後10年の我が国の地球観測の実施方針なども更新されるのがちょうど次期に当たるのでしょうか。だから、ぜひそれへの今回の提言の反映が大きいとは思うのですが、またメールもいたしますけれども、国際貢献でもっと日本は力が発揮できる、だから、今回の文書でも全体の国際貢献があちこち出てくるので、それをよく見ていただいて、つながりとかまとまりを考えていただくといいかなと思います。書いてある位置まで直せというのではなくて、表現のつながりを考えていただくといいなと思います。
 その中で、今も三枝委員からありましたように、先ほども岩崎委員からあったと思いますが、皆様、この委員の方々もいろいろな世界の会議に出てらっしゃると思います。日本の発言は一般的に、私も国際分野をやってきましたが、ちゃんと臆せず言わないと、なかなか発言する場面も少ないというところもあって、本問題も、国際貢献という面でいくと、文章的に言っても、例えば、今回はあまり出ていませんが、日本を代表するような閣僚であってもいいし、学識経験者の方々が日本を背負って出てくる場面でもいいのですが、日本のしっかりした考え方を発言していくのはすごく大事だと思うので、国際貢献の今回のまとめの中に入れていただいてもいいですが、そういうあらゆる国際会議、国際的なミーティングの中で、日本の考え方をしっかり打ち出していく、これは日本の代表として出ていく人は全て、閣僚が行く場合も含めて、そんな気構えが出ているといいなという意味で先ほど申し上げました。
 次期については、今回の部分は非常によくできてきているので、ぜひ深めていただくことが大事だと思うし、パワーポイントの4ページにあるような、データドリブンでいきますと、サイクルを回す、すなわちパワーポイントを読んでいくとフィードバック、ここのところも併せて、サイクルが回るような仕組みが、継続性があってすごく大事だと思うので、ぜひその辺を本当に実現するためにはどうしたらいいかということをお願いしたいと思いますし、このフィードバックをすることで、利活用を実態的に行政、民間、国際でやる場面で足らざるものが見えてくるはずなので、それを日本として付け加えていくことが大事かなと思います。
 そういう意味で、8ページも同様で、今回はっきり書いていただきましたが、このデータバリューチェーンの中から基本的にはいろいろな知見が出てくると思うので、それをまた観測に生かすということがすごく大事だと思います。
 それから、24ページで言いますと、多分今期の最初の頃に委員の皆様からそれぞれの立場で海外の事例が出されていました。正直なかなか肌感覚では分かりにくいところがありまして、私の仕事でもそうですが、地球観測とか気候変動に対する対応はみんな仲間なわけで、ある意味ではそれぞれ競い合って頑張っているところもありますが、この24ページでも、米国、欧州、豪州、中国の進んでいる点と進んでない点があって、こういうのをもっと具体的に把握できるのであればそれを把握して、それに対して日本がどうやって伍していけるのかという議論が進むといいなと思います。それによって一つの日本のロードマップなりマイルストーンなり目標が出てくるのかなと思っております。
 ただ、何度も言いますけれども、25ページにあるように、日本の場合はデータは随分そろっていますので、これをいかに統合して一つのすごく力のあるデータベースにしていくかというのも次期の課題だと思っています。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。先ほどの最終取りまとめ案に対する御意見と共通している点だとは思いますけれども、実際に実行していくところ、それと日本としての戦略を考えるという点、次期にも申し送りとして重要な御指摘をいただいたと思います。ありがとうございました。
【小縣委員】  ありがとうございます。
【春日部会長】  それでは、審議としましては以上となります。
 先ほどの繰り返しにはなりますが、取りまとめの案につきましては、まず来週1月24日までに御意見を事務局までお寄せください。その後、本文とスライドと両方になりますけれども、事務局と私のほうで修正をしまして、必要に応じて関係する委員の皆さんに御相談して進めていきたいと思います。
 このような形を取ることについて、部会長である私に一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                              (「異議なし」の声)
【春日部会長】  ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきたいと思います。
 議題としては以上となりますが、本日が部会として集まっていただく第9期地球観測推進部会の最後の会合となりますので、文部科学省研究開発局、千原局長より御挨拶いただけると伺っております。
 千原局長、どうぞよろしくお願いいたします。
【千原研究開発局長】  部会長、ありがとうございます。御紹介いただきました研究開発局長の千原でございます。
 委員の先生方におかれましては、令和3年6月の第1回より本日まで、9回にわたりまして熱心に御審議いただきまして、また今日も数々の建設的な御意見と来期に向けての期待、あるいは視点まで御指摘いただきまして、誠にありがとうございました。
 御提言いただきましたとおり、SDGsの達成のために地球観測・予測データが果たす役割は非常に大きなものと認識しております。また、国際社会の動きやTCFD、TNFDをはじめとした民間におけます取組等、地球観測を取り巻く状況は大きく変化しておりまして、文部科学省といたしましても、近く取りまとめていただく内容を実際の施策にしっかりと反映していきたいと考えております。
 特に第3章で強調していただいておりますとおり、データ利活用の好循環の実現、そのためのデータバリューチェーン、今日も御指摘をたくさんいただきましたけれども、その構築・強化は非常に重要な鍵であると受け止めおりまして、関係省庁等と連携して、実現に向けた取組を進めてまいりたいと思っております。
 先ほどありましたように、本日が第9期の地球観測推進部会の最終回となりますけれども、今回はコロナ禍のためオンラインでの審議となり、やりにくさを感じられた先生方も多々あったかと存じます。そのような中でも熱心に御審議いただきましたことに、改めて感謝、御礼を申し上げたいと思います。
 最後になりますけれども、春日部会長をはじめ、長年にわたり科学技術・学術審議会地球観測推進部会に御尽力をいただきました委員の先生方に、この場をお借りしまして厚く感謝申し上げ、簡単ではございますが御礼の御挨拶とさせていただきます。大変ありがとうございました。
【春日部会長】  千原局長、大変力強い、また温かいお言葉をありがとうございました。
 それでは、その他、委員の皆様から特にという御発言はございますでしょうか。
 ないようでしたら、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  それでは、事務局からの連絡事項となります。
 いつものこととなりますけれども、本日の議事録に関しましては後日事務局よりメールで皆様にお送りいたします。各委員の皆様に御確認いただいた後、文部科学省のホームページにて公表いたします。
 事務局からの連絡事項は以上となります。
 引き続き、もうしばらく取りまとめに関しての修正について、やり取りをさせていただくこともあるかと思いますが、ここまで9回にわたり活発に御審議いただきまして、誠にありがとうございました。
【春日部会長】  甲斐さん、ありがとうございました。
 私自身も地球観測推進部会、今回で任期が終わります。今回の取りまとめが地球観測に関わる文科省の施策、そして社会での利活用に大きく役立つことを強く願っております。
 なかなかうまく進行できない不手際もありましたけれども、小縣部会長代理はじめ委員の皆様、それぞれの専門の観点から非常に有益な貴重な御意見をいただきまして、これまで地球観測推進部会を有意義に進められてきましたこと、皆様に本当に強く御礼を申し上げます。
 また、轟課長、久芳推進官、甲斐さん、渡邊さん、茂木さん、また前任の御担当の方も含めて、文科省の事務局の皆様にも本当にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 今期はSDGsに焦点を当てて審議を進めてまいりましたけれども、今日いただいた御意見も含めて、また来期以降、科学技術の進展、そして社会の動向、これらニーズを踏まえて、次期の皆様には引き続き有益な御審議をいただければと思います。
 一つ残念なのは、千原局長もおっしゃっていましたが、コロナのために皆さんと顔を合わせて会議ができなかったことです。最後に黙ってマスクを外させていただきます。本当にありがとうございました。
 以上をもちまして、第9期地球観測推進部会の第9回会合を閉会いたします。ありがとうございました。
 
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