第9期地球観測推進部会(第8回) 議事録

1.日時

令和4年12月16日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

委員

春日部会長,小縣部会長代理,赤松委員,岩崎委員,岩谷委員,上田委員,浦嶋委員,河野委員,川辺委員,三枝委員,佐藤委員,嶋田委員,平林委員,堀委員,村岡委員,六川委員,若松委員

文部科学省

久芳環境科学技術推進官,伊藤課長補佐,甲斐地球観測推進専門官

4.議事録

【春日部会長】  お待たせしました。ただいまより科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会、第9期地球観測推進部会の第8回会合を開催いたします。
 年末が近づく中、お忙しい中でお集まりいただきましてありがとうございます。
 最初に、委員の皆様の出欠と資料の確認をお願いしたいと思います。また本日もオンライン会議になりますので、進行に当たっての留意点等、事務局から併せて説明お願いしたいと思います。
【甲斐地球観測推進専門官】  それでは、事務局より御説明させていただきます。
 まず、委員会の進め方について簡単に御確認をさせていただきます。
 まずは、ウェブ環境の安定のために、この後議題に入りましたら御発言されていないときはマイクとビデオをオフにしていただくようお願いいたします。
 また、御発言いただく際は手を挙げるボタンを押していただくようお願いいたします。ボタンが見つからないような場合には、画面をオンにして手を挙げていただくなどして、直接御発言いただければと思います。
 まずは、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第と、資料1と2のファイルをメール等でお送りしております。もし不備等がございましたら事務局までお申しつけください。
 続いて、出欠の確認ですけれども、本日は17名の委員に御出席いただいております。出席者が半数に達しておりますので、部会は成立となります。
 なお、本部会にはオブザーバーとして、科学技術・イノベーション推進事務局より、内閣府の辻原参事官の代理で、本多様が御参加いただいております。
 本部会は、部会運営規則により公開とさせていただきます。
 最後に傍聴者の方へのお願いとなります。本日はオンラインでの開催となっております。万が一システムトラブル等で傍聴不可となった場合には、後日公開する議事録を御確認いただきますようお願いいたします。
 事務局からの御説明は一旦以上となります。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  甲斐さん、ありがとうございました。
 それでは、早速議題1に移りたいと思います。
 GEO WEEK2022の開催結果等について、久芳推進官から御報告をお願いします。
【久芳環境科学技術推進官】  本日はありがとうございます。文部科学省環境科学技術推進官の久芳でございます。
 では私のほうからGEO WEEKについて簡潔に御説明をいたします。
 地球観測に関する政府間会合(GEO)では、左下にございますように、2年から4年に1回の閣僚級会合、そして全加盟国が集まる年に1回の本会合、そして各地域のGEOの代表が集まります執行委員会がございます。年に1回の本会合につきましては、執行委員会とサイドイベントも合わせて1週間程度続けて開催することから、GEO WEEKと呼ばれております。
 GEO WEEK全体でどのようなことがあったかということを詳細に御報告しますと時間が長くなりますので、本日はそのメインとなります本会合と執行委員会の結果について御説明いたします。議題はほぼ同じものとなっておりまして、執行委員会で議論された結果が本会合に諮られるという流れになっております。
 では、2ページ目をお願いいたします。
 今回の主な議題は表示しております二つになります。一つ目がGEOSS再評価専門家アドバイザリーグループ――EAGと呼んでおりますけれども、こちらの報告書の承認になりました。
 GEOの発足当時、地球観測のデータは今のように世界中で気軽に流通してはいなかったことから、GEOでは、GEOSS(GEO System of Systems)というコンセプトの下、各国のサーバーを連結しデータを共有できるようにするポータルサイトが整備されてきました。このGEOSSが一定の成果を達成したこと、そして例えばGoogle Earthといった民間の取組も盛んになっていることなどを踏まえまして、GEOSSの再評価が2年前に提言され、EAGにおいて作業が進められてきたところでございます。
 EAGが提出した報告書に記載されておりますオプションとしては、GEOSSを廃止する、GEOSSの機能を民間に移していく、GEOSSへの投資を継続し機能を強化していくという三つの方向性が提示されたところでございます。
 本会合、執行委員会ともに、EAGの報告書自体は承認するけれども、三つのオプションのいずれかを採用することは現時点で決められることではないと。なぜならばといいますと、これは我が国も含めた各国から出された意見でございますけれども、それぞれのオプションのメリット・デメリット、例えば詳細なコスト分析などがないと判断できないのではないかという意見が出されておりまして、引き続き検討を進めていくという形で落ち着いたところでございます。
 続きまして、右側の議題、ポスト2025(次期GEO戦略ミッション)に向けた検討状況の御報告でございます。
 GEOは10年ごとに時期を区切っておりまして戦略ミッションを策定しております。現在の第2期が2025年までとなっていることからポスト2025ワーキンググループが設置されておりまして、次期戦略ミッションの検討が行われております。
 こちらの報告につきましては、例えば低中所得国が地球観測情報にアクセスすることをこれまで以上に容易にしていくこと、また、地球観測に関して新規ドナーの開拓であったりとか民間セクターの投資促進などが提言されておりました。
 我が国からは、第2期の達成度合いの分析が若干抜けているのではないか、それから、個々の取組についてはこのワーキングのほうである程度議論されているという感触を受けたところではございますが、戦略レベルでの議論が若干手薄ではないかという旨の指摘をし、各国も我々と基本的には同じ考えだったと認識しております。
 こちらにつきましても引き続き、先ほどのポスト2025ワーキンググループで継続審議という形になっておりますので、その検討の推移を見守っていきたいと思います。
 3ページ目以降は参考となります。本会合のサイドイベントとして、記載しているようなテーマでシンポジウムが開催しておりました。詳細については割愛させていただきます。
 4ページ目でございます。
 こちらも詳細には触れませんけれども、本会合での承認事項になります。この中で三つ目のGEOワークプログラムにつきましては、我が国から引き続きDIASがイニシアチブの位置づけで登録がなされております。これにつきましては今回のGEO WEEKにおける成果の一つと認識しております。
 いずれにいたしましても、本推進部会で御議論いただいています内容を踏まえまして、来年3月、そして7月に予定されております執行委員会、また、11月に予定されております閣僚級会合に臨んで、今後のGEOの方向性について我が国としてしっかりと発信していくとともに、GEOや各国の動きを本推進部会にフィードバックするように努めてまいりたいと思います。
 説明は以上になります。
【春日部会長】  推進官、要点を大変分かりやすく御説明いただきありがとうございました。日本からの発言のポイントですとか、イニシアチブを含めた貢献の在り方も分かりました。
 それでは、簡単にこれは御質問等をいただけましたら、お願いしたいと思います。委員の皆様、御質問等ございませんでしょうか。
 村岡委員、お願いします。
【村岡委員】  こんにちは。村岡です。よろしくお願いいたします。久芳推進官、御説明いただきましてありがとうございました。また、本会合に対して、環境エネルギー課の皆様に対応いただきましてありがとうございました。お礼申し上げます。
 質問ではないのですけども、先ほど推進官から御説明もありましたように、来年から3年間の新しいワークプログラムが開始されますが、並行して、今第2期のGEOの10年計画ですけども、GEOの第3期で次の展開をどうするかという議論が既に始まっています。その中で、推進官もおっしゃいましたように、日本がGEOの立ち上げ当初から長らく関わっており、地球観測コミュニティーが関わり貢献しているということもあります。この地球観測推進部会でも議論されているような様々な喫緊の地球環境課題に対応していくにはどうするかという議論がさらに深められることと思いますので、GEOでの議論とこの地球観測推進部会での議論が連携する形で今後進めていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
【春日部会長】  村岡委員、大変重要なポイントを御指摘いただきまして、今後に関わることですので、しっかり受け止めたいと思います。ありがとうございました。
 ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 本日は、当部会の最終取りまとめの素案について審議したいと思います。
 事前にお送りした案に対しても多数の御意見をいただきましてありがとうございました。それも踏まえて、皆様のお手元に資料が届いていると思います。
 ではまず、事務局、甲斐さんのほうから、素案の全体構成についてなどについて御説明をいただきたいと思います。
【甲斐地球観測推進専門官】  では事務局のほうから、流れなどを御説明させていただきます。
 事務局を担当しております甲斐と申します。よろしくお願いいたします。
 では、まず御審議の流れに関してですけれども、まずは先ほど部会長のほうから御説明いただきましたように全体構成を御説明させていただきまして、章ごとに御審議をいただきたいと考えております。個々の箇所の説明についてはそれぞれの箇所の審議の際にさせていただきますので、まずは全体構成などの概要を御説明させていただきます。
 まずは簡単に全体構成についてです。
 全体としましては、第1章から第4章までの4章構成となっております。第1章は総論、第2章は課題と方向性、第3章はSDGsへの貢献に向けて求められる対応、第4章は終わりにという形となっております。
 ここで簡単にそれぞれの章を御説明しますと、第1章では、SDGsや検討の背景について記載しております。第2章では、課題と方向性で、前回の部会で御説明した全体像イメージを基にして五つの項目ごとに、課題と方向性を整理しております。第3章では、その第2章での五つの項目について今後求められる対応を示しております。最後、第4章では、全体のまとめと来期の部会の方向について言及をしているという形となっております。
 簡単ですけれども、全体構成の説明は以上とさせていただきます。
【春日部会長】  では、続いて第1章の説明から審議しようと思います。
【甲斐地球観測推進専門官】  では、第1章について、もう少し触れさせていただきます。
 第1章は1-1と1-2になっておりまして、1-1ではSDGsと地球観測として、SDGsの実施指針での記載などを引用するなどして、SDGsと地球観測の関係を示しております。
 また、この1-2のほうでは、国際社会での動向ですとか今後10年の我が国の地球観測の実施方針フォローアップ報告書でのSDGsに関しての提言、その後の新たな動きなどを提示いたしまして、今後の取りまとめにつながるということを示しているという形となっております。
 簡単ですけれども第1章の説明は、以上となります。御質問等、どうぞよろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございました。
 今のように、第1章から第4章の項目立て、そして、まずは少し中身を聞いていただかないと全体構成について御意見が出していただきにくいかなと思いましたので、早速第1章の概要について御紹介いただきました。全体構成の在り方については最後に御意見いただくことも可能ですので、お気づきの点メモしておいていただければと思います。
 まずは、そうしましたら第1章、総論について、お気づきの点等ございましたら御意見いただけるでしょうか。
【春日部会長】  川辺委員、お願いします。
【川辺委員】  川辺でございます。御説明ありがとうございます。
 ちょっと教えていただきたいのですけれども、第1章が総論ということなのですけれども、この総論というのは、初めにというか緒論というか、こういう背景でこういうことをやりますということを記載しているということでしょうか。
【甲斐地球観測推進専門官】  おっしゃるとおりでございます。
【川辺委員】  総論は概要的なものかなと最初思ってしまったものですから、そこがよく分からなかったので御趣旨を確認させていただいたのですが、「総論」という言葉でよろしいのでしょうか。
私はよく分からないので、皆様の御意見をお伺いして御検討いただければと思った次第です。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
 御指摘のように、「序論」ですとか「初めに」にという形のほうがなじみがよいのかなというふうにも今思っております。ほかの皆様、例えばこちら「総論」のところを「序論」というほうがよろしいということであれば、ここは「序論」という形に改めさせていただきたいと思います。
【春日部会長】  川辺委員、御指摘ありがとうございました。
 確かに、「総論」だと対応するのが「各論」ということが多いですよね。
 「終わりに」と対応させるためには「序論」というほうがふさわしいように私も感じます。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
【春日部会長】  内容的にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 嶋田委員、お願いします。
【嶋田委員】  すみません、内容というかすごく瑣末なところなのですけれども、1ページの一番下のほうに「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」というのは出ていますが、2ページのところには「生物多様性条約」というのがあって、そこが「国連」という言葉がなくていいのかということと、あと略称ですね、そこを統一したほうがいいのではないかなと思いました。
 以上です。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
 表記につきましては改めて確認をさせていただき、同じような表記の仕方にするようにさせていただきます。
【嶋田委員】  よろしくお願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
【春日部会長】  嶋田委員、ありがとうございました。
 ほかの皆様、よろしいでしょうか。
 ではまた、後から戻っていただいても結構ですので、続いて第2章の審議に移りたいと思います。
 では、甲斐さん、また第2章について御説明お願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  承知いたしました。では第2章のほうを簡単に御説明させていただきます。
 第2章につきましては、全体像イメージを基にした五つの項目、地球観測、気候予測データに関するリテラシー・提供体制、データバリューチェーン、気候変動の現状把握や緩和策・適応策、生物多様性・自然資本という五つの項目について、課題と方向性を整理するという形になっております。
 基本的には一つの項目に対して、課題と、それから課題に対する方向性という形になっておりますが、最後の生物多様性・自然資本分野に関しましては、新たに加わった論点であるということもありまして、課題としてはほかのものに基本的には共通するものの、その特性に基づく特有の課題を整理するということで、少し改めて同じような視点での整理をもう一度、各視点で課題とその方向性をまとめるというような構成となっております。
 ここが生物多様性・自然資本で、そこでそれぞれ、例えば観測対象・主体における課題と方向性で、それに対しての課題と方向性というようなまとめ方を改めてするという形になっております。
 内容に関しましては少し長くなるかと思いますので、事前にお送りしたものを御一読いただいているかと思いますので割愛をさせていただきます。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 この第2章の前半部分については中間取りまとめとかなり重なるということで、その後審議の中心に加わりました生物多様性について、この最終取りまとめでは加えているという構造になります。
 それでは、第2章の節に分けて御意見をいただいていきたいと思います。
 最初、2-1の地球観測、こちらについて、課題と課題に対する方向性が記載されていますけれども、この点についていかがでしょうか。
 三枝委員、お願いします。
【三枝委員】  文章取りまとめありがとうございます。内容がますます網羅的になって、必要なことが含まれていると思いました。
 あえて言うなら、もし委員の中に気象学会の佐藤先生がいらっしゃればコメントいただければと思いましたが、地球観測のこうした取組も以前は、継続的、長期的な様々な衛星はじめ地上、船舶、航空機等の観測の継続が重要というところが強調されており、今回も書いていただいていますし強調すべきだと思いますが、それに加えて、今大きく進んでいるのが、様々なデータを様々な空間スケールのモデルに融合していって新たな知見を創造していくというところかと思います。
 そこについては既に「データ統合」といったような表現でところどころに入れていただいていますけど、もしかすると、新しい取組ではありますけれども、「観測データとモデルの融合」というものをもう一歩前に押し出して表現してもいいのかなと思いました。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。大変適切な重要なポイントだと思います。
 具体的にどこにどういうふうに入れるかという点について、御提案をいただけるととてもありがたいです。
【三枝委員】  後で必要であれば送ります。
【春日部会長】  それから、今三枝委員から御指名がありましたが、佐藤委員、同様の点あるいは新たな点でお気づきの点はございますか。
【佐藤委員】  三枝委員がおっしゃったように、地球観測の長期的な継続の重要性についてはしっかり書いていただいておりますね。
 加えて、モデルと観測データを融合させる「データ同化」という手法を用いて、物理的整合性がある程度担保された、ユーザーにとって扱いやすいグリッドデータを作る取り組みがなされています。この「データ同化」という言葉もどこかに入れていただくといいかと思います。
 場所としてこの2-1がいいかどうかは分からないのですけども、三枝委員と同様、私もどこに入れたらいいか少し考えてみたいと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。そうですね、4ページの課題に対する方向性とか、あるいは、3章のSDGsへの貢献のほうに含めることもどうかなと思います。
【久芳環境科学技術推進官】  よろしいでしょうか。
【春日部会長】  はい。事務局から御意見を。
【久芳環境科学技術推進官】  事務局、久芳でございます。御指摘ありがとうございます。
 データ同化、そしてデータ統合の重要性については事務局としても重々承知しているところでございますが、書き足りていないという御指摘に関してはまさにそのとおりかと思っております。
 候補としては地球観測のところに入れるか、それとも、2-2のところに入れるか2-3のところに入れるかといろいろと候補ございますので、ここについては事務局のほうに一旦引き取らせていただいて検討したいと思います。もし先生方のほうでここの場所ではないかという案がございましたら、この場でも結構ですし後ほどメールでいただいても結構かと思います。そのような形で進めさせていただけたらと思います。
【春日部会長】  推進官、ありがとうございます。
 部会委員の皆様からの御提案も歓迎いたします。
 2-1に関して、ほかに御意見ございませんでしょうか。
 平林委員、お願いします。
【平林委員】  JAXAの平林でございます。
 課題として、地球観測の継続的な重要性について、非常に重要な課題であるということで識別していただいた上で対応策が書かれていますが、やはり地球観測を継続的に進めていく上では、国としての投資や民間の投資が継続的に回っていくことが必要ですし、それにつなげていくために地球観測がしっかりと価値を社会に提供していくことが大切と考えているところでございます。
 一方で、(2)の課題に対する方向性というところを拝見いたしますと、幾つかキーワードは書かれているのかなと思いながら拝見はしてはおったのですが、トーンとして、会議体の連携や評価においてとかという観点で書かれてはいるのですけれども、先ほど申し上げましたように国としての投資とか民間としての投資が持続的に回っていって、この地球観測が継続的、発展的につながっていくというような施策が必要なのではないのかと思っているところでございまして、この(2)のところで評価に限定しない観点で、この継続性について対応を言及いただくことが大切なのではないかなというように思います。
 以上です。
【春日部会長】  平林委員、大きな観点からの御指摘をありがとうございます。
 この点、事務局から御意見ありますか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。
 まさに、御指摘いただいた投資の継続性、そしてそのためには価値創出が必要であるというところにつきましては、事務局としてもいろいろなところに書いたつもりでいたのですけれども、特に今御指摘いただいたところで国の投資の継続性というところは正面切ってちゃんと書いていないなというところに今、自分自身、気づいたところでございます。
 そして「評価」という言葉に少し限定し過ぎではないかというお言葉もございましたので、その辺りにつきましては全面的に見直して、ちゃんと網羅した形になるようにしていきたいと思います。ありがとうございます。
【春日部会長】  ありがとうございます。
【平林委員】  ぜひお願いいたします。
【春日部会長】  そうですね。国や民間投資を求めるだけではなくて、地球観測がちゃんとそれに貢献できるような価値を創出していくというところも併せての御意見というふうに思います。その点とても重要だと感じました。
 では、岩崎委員、お願いします。
【岩崎委員】  今の平林委員と同じこの観測の一貫性、継続性のところでございます。地球観測技術をJICAの事業の中で途上国の課題ソリューションのために使わせていただく上で、ここが大変に重要だと思っております。
 途上国への国際協力において、日本の優れた技術を活用した結果「非常に役に立った」という声があっても、この一貫性、継続性がある程度担保されていませんと、我々としてもより多くの途上国の方々に「ぜひこれを一緒に使っていきましょう」となかなか自信を持って言えない部分がございます。ぜひ、「非常に有益」という声の上がっているようなものについては、一貫性、継続性が担保できるように何とぞよろしくお願いいたします。
 以上になります。
【春日部会長】  ありがとうございます。国内だけでの活用にとどまらない、そういうニーズがあるということですね。ありがとうございます。
 村岡委員、お願いします。
【村岡委員】  ありがとうございます。
 先ほどデータ統合やデータ同化といったお話がありましたので、それと少し関係することですけどこの2-1の部分についてもう一つ付け加えさせてください。
 今期の部会の議論では特に気候変動と生態系、生物多様性、自然資本に関する議論が進められていますが、この中でここの2-1で書かれている衛星観測と地上観測の連携については、これはこれまで以上に必要になってくると思います。
 その点に関してですが、データ統合の課題に加えて、これまで部会でも何度か御紹介する機会をいただきましたが、JaLTERとかJapanFluxあるいはJapanese Biodiversity Observation Network(日本生物多様性観測ネットワーク)などの観測ネットワークは、様々な観測主体やグループが連携して、炭素循環や生態系の変化、あるいは生物多様性の状態に関する現地観測と、衛星観測や予測モデルとの結合を踏まえた研究を展開してきていますし、さらにそれを展開しようとしています。
 そういった意味でも実はこの地上観測の設備、施設、あるいはそのネットワークを我が国の生態系観測のインフラストラクチャーとして拡充するということが、今後さらにその時空間的なギャップのない観測や評価を可能にすると思いますし、衛星観測との連携という意味でもますます重要になってくると思いますので、そういったこと、地上観測設備、施設の今後の継続、これらへの投資といったことが、この2-1あるいは2-1の(1)または2のところで一言触れられると、ありがたいと思います。
 言葉の入れ方についてはまた改めて御相談させていただきますが、よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
 いろいろと御指摘をいただきまして、修正する箇所、新しく改めてワードを検討して入れていくというところで、少しまた御意見をいただければと思いますので、そちらのほうはまた改めて御連絡いただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
【春日部会長】  あとまたお二人、手が挙がっています。小縣部会長代理と佐藤委員、続けてお願いできるでしょうか。
【小縣委員】  ここまでまとめられて本当に敬意を表するところであります。それで、これまで、私、鉄道事業者、すなわちオペレーターとしての、ニーズについて、意見も言わせていただいたのですが、この辺につきましても反映されていましてありがとうございます。
 ただ、瑣末になるかもしれないのですが、表現などで気になる点について、2点だけ教えていただきたけますでしょうか。
 一つは、第2章「課題と方向性」の2-1、すなわち地球観測の(1)の課題で、最初は読んでいてなじむ文章だと思うのですが、一つ目の段落の最後のところで、「データ提供を行うことで国際的に貢献してきており」までは素直に読めるのですが、「その点についても十分な配慮が必要である」というようなまとめになっていますが、急に何か「配慮」でまとめてしまうのが良くわかりません。
 これは観測側のことがらなので私もあまり詳しいことは言えないのですけども、「配慮」というよりは「長期的、継続的に地球観測を行ってデータ提供で国際的に貢献している」ので、まだ「継続」というか、あるいは「さらに力強く推進」とか、こうした取りまとめの表現のほうが分かりやすいのではないかと思いました。
 何か、「十分な配慮」という表現にとどめた背後の意味があるのであれば、そのお考えを教えていただきたいと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 では、まずこの点について事務局からお答えいただけますか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。
 こちらについて、部会長代理がおっしゃられたような「継続をちゃんとしていきましょう」という趣旨で記載をしていたのですけど、「十分な配慮」という言葉が表現として適切だったかというところは今感じているところでございます。イメージとしては、「日本国内の事情だけでなく国際的にも貢献している話であるので、国内の理屈だけで動いてはいけない」という趣旨で記載をさせていただいたところでございますので、もっとその点が素直に読めるような文章に修正したいと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。
【小縣委員】  ありがとうございます。よろしくお願いします。
【春日部会長】  では2点目。
【小縣委員】  2点目は、全体の構成についてです。
 取りまとめは大変だったと理解しておりますが、第2章は「課題と方向性」ということで続き、第3章がSDGsですから、その問題点がずっと並んでいるということなのだと思います。その中で第2章の各項目は「課題」と「課題に対する方向性」ということでずっと続いていきますよね。この第2章の2-4までは「課題に対する方向性」という言葉を使われているわけですけど、一般用語としても「課題に対する方向性」というのが何かよく分からないので、普通は「課題解決の方向性」とかだと思うのですが、それプラス、2-5では「課題」と「方向性」と変えているということは、何かかなりの意図があるのかなと思いまして、相当苦労されて、推敲されて作られていると思いますが、この辺も少し教えていただけますか。
【春日部会長】  部会長代理として高い観点から全体を見ていただいてありがとうございます。事務局から、いかがでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。
 こちらにつきましては、本当におっしゃるとおり苦労したところでございまして、これはまず、課題と、そしてその「課題に対する方向性」というその言葉の正につきましてはもう御指摘のとおりだと思いますので、この後、検討させていただきます。
 そして第2章と第3章を分けた理由でございますけれども、こちら、皆様御一読されたときに思われたかもしれませんが、それぞれの、例えば2-1、2-2、2-3とか3-1、3-2、3-3などといったところが完全に論点として分かれているものではなくて結構重複しているものもございます。そういう観点で、まず課題とそれに向けた方向性については一旦全部書き切ってしまった上で、その後にその施策的なことを3章で書いてしまうという形のほうが、頭の中で整理がしやすいかなという観点で作成しております。
 当初は第2章と第3章を合体させて、課題と方向性、そしてそれに向けた施策という形で記載していたのですけれども、そうするとなかなか整理がしづらい、読みにくいものになるということで、苦慮した結果ということでございます。
【小縣委員】  そうだと思います。
 それではいずれにしても、この何か2章の「課題に対する方向性」というのが、先ほど申し上げたような別の表現がもしあるのであれば、よろしくお願いいたします。ただ、いろいろ御苦労された結果とはよく分かりました。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。では、ワーディングに関しましては再考慮いたします。ありがとうございます。
【春日部会長】  では、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】  ありがとうございます。東京大学の佐藤です。
 私は、この2-1の地球観測の(2)の課題に対する方向性のところにコメントがあります。3行目に「国内においても、地球観測の実施・評価に関係する主体(会議体)等」と書かれています。継続するにしても、実施の前には計画の策定というプロセスが、必要ですのでそれを入れたほうがよいのではないかということが1点です。それから主体は会議だけではないと思いますので、「組織」という言葉も入れたほうがいいと思います。御検討いただければ幸いです。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 確かに計画の段階で却下されてしまうとその後の実施に至らないので、大変重要な御指摘と感じましたが、事務局の皆さんはよろしいですか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘のとおり、こちらのほうで修正させていただきます。ありがとうございます。
【春日部会長】  地球観測について、大変熱い御議論ありがとうございました。
 では、まず2-2のほうに進ませていただきたいと思います。
 気候予測データに関するリテラシー・提供体制、これの課題、また、課題解決かな、に対する方向性、これが記載されていますけれども、この案に関して御意見いかがでしょうか。
 川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】  ありがとうございます。
 2-2で気候予測データに関するリテラシー・提供体制というのがあって、その次にデータバリューチェーンというのがあって、さらに2-4で気候変動の現状把握や緩和策・適応策といってまた気候変動が出てくるのですね。
 拝見すると、最初の1が地球観測で、全体に共通するような基盤的な話をされているようなので、もしそうであれば、データバリューチェーンを地球観測の次に持ってこられて、地球予測データに関するリテラシー・提供体制に関しては、例えば2-4の気候変動の現状把握や緩和策・適応策の後とかに順序を変えられたほうが読みやすいのかなと拝見していて思ったのですが、いかがでしょうか。
【春日部会長】  全体の構成に関する御意見ですね。事務局からいかがでしょう。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。
 事務局としましても、構成をどうするかというところには大変苦慮しているところでございまして、今御指摘いただいたところ、一旦事務局で御指摘のとおりに並び替えてみて、読みやすい形になるかどうかなど、その点については部会長と御相談させていただけたらと思います。
【川辺委員】  ありがとうございます。
【春日部会長】  貴重な御意見をありがとうございます。
 同様に、中身の御説明を聞いていただくと、構成についてもまた新たに御意見が出てくるかと思います。それも含めて、本日の部会の後でもメールで御意見を受けたいと思いますので、引き続き御審議をお願いいたします。
 では、岩崎委員、お願いいたします。
【岩崎委員】  今のリテラシーのところですけども、今回のこの気候予測だけにかかるのではなくて、地球観測、予測データ全体についてやはりこの受け手側のニーズ側のリテラシーというところが重要だったというふうに自分としては理解しておりますので、もう少し全体にかかるような表現にしていただいたほうがいいかなと思っております。
 以上になります。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 今の御意見は、リテラシーを構成上別のところに持っていったり、少し1ランク上げるという、そういう御指摘でしょうか。それとも、言葉をもう少し変えるとか補足するという、そういう御意見でしょうか。
【岩崎委員】  現案だとリテラシーの課題が気候予測だけにかかっているかと思うのですけれども、このリテラシーの問題は前の地球観測、これについてもやはり当てはまる問題だと思っております。
 以上になります。
【春日部会長】  そうですね。承知しました。ありがとうございます。
 では事務局の皆さんと一緒に検討いたします。
 平林委員、お願いいたします。
【平林委員】  今の岩崎委員と私全く同感なのですけども、その上でリテラシーの向上においても、取組について「児童」「一般市民」という表記で括弧書きがあるがゆえに、このリテラシー向上のスコープがこの辺を対象にしたものというようにも読めてしまうが、リテラシー向上に当たっては、政策決定者や企業、まだ地球観測データを利用していない様々なステークホルダーに対してのリテラシーの向上が大切になってまいりますので、そういうようなところも配慮していただけるとよろしいかなと思いました。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。トピックスを限定しない、もっと幅広いリテラシーを扱うべきということと理解いたしました。
 では、2-2について、ひとまずここまでとさせていただき、2-3に移りたいと思います。
 データバリューチェーンについてです。この項目について、御意見、御指摘ございますでしょうか。
【春日部会長】  川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】  ありがとうございます。
 タイトルなのですけれども、「データバリューチェーンの構築」と入ったほうが分かりやすいかなと思った次第です。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 そうですね、そう感じますが、事務局の皆さんもこちらで深くうなずいていらっしゃいますので、そのように対応したいと思います。
【甲斐地球観測推進専門官】  はい。改めさせていただきたいと思います。
【春日部会長】  佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】  ありがとうございます。
 (1)の課題の「加えて」の後に、「各国は、自国の気候の予測精度を優先して気候モデルを構築する」とあるのですが、全ての国が気候モデルを構築できているわけではないので、ここの「各国は、自国の」というこの文章を変更したほうが良いと思います。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  6ページの上から5行目ですね。
【佐藤委員】  そうです。
【春日部会長】  承知しました。また後ほど、修文案を思いつかれましたら、御助言いただけると大変ありがたいと思います。
【佐藤委員】  はい。お送りいたします。どうもありがとうございます。
【春日部会長】  赤松委員、お願いいたします。
【赤松委員】  赤松でございます。
 このデータバリューチェーンに関しては、前回の中間取りまとめのときに、非常にクローズアップして書かれていました。
 中間とりまとめの全体概要の2枚目のところに、このデータバリューチェーンが、今後、地球観測データをいろいろな分野で使っていくために極めて重要であるという取上げ方をしていました。ところが、今回の記載を見るとあまりその重要性が浮かび上がってきていないので、中間取りまとめの内容をどういうふうにここに反映するのかということを、もう一度見直していただいたほうがいいかなと思っております。
 例えばベンチャーを大きく取り上げていますが、中間取りまとめではベンチャーではなくて、研究者も、民間企業も、それから公的機関も全部が関わる中でのバリューチェーンをつくっていくという話になっていましたので、大分趣旨が変わっているような気がするのですよね。
 先ほどの議論の中にもありますけれども、中間取りまとめから素案に行く間に大分落ちているものがあるのではないかという点が、今まで聞いてきて懸念されるので、一度全体的に見直していく必要があるのではないかと感じました。
 以上でございます。
【春日部会長】  重要な御指摘をありがとうございます。
 トーンが弱まっているのではないかというふうに懸念されているということですね。この後第3章等での御説明をお聞きいただくとデータバリューチェーンは何度も何度も出てくるのですけれども、今の点、受け止めたいと思います。事務局の皆さんも頭に入れておいていただいて、また後ほどの議論に生かしたいと思います。ありがとうございます。
【赤松委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ほかの皆様、いかがでしょうか。
 川辺委員、お願いします。
【川辺委員】  すみません、度々失礼します。
 今の赤松委員の御意見に関わるのですけれども、データバリューチェーンがなぜ必要なのかということに関して、2-1の地球観測の継続性の話があったかと思うのですけれども、その継続性を担保する上でもデータバリューチェーンの構築は必要であるとか、そういったつながりについては言及しないのが気になったところでありました。
 もう一つ加えさせていただきますと、(1)課題の2行目から3行目に関して、ユーザーが利活用できることに関して十分に認知できていないというような書き方がされているのですけれども、これは先ほど話題になったリテラシーに関わる話ではないかなと思うので、この辺りも、つなげることができたらいいのではないかと思います。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。章やその節を超えたトピックス間の連係について、もう少し工夫をということでしょうか。
【川辺委員】  そうですね。
【春日部会長】  事務局の皆さんと御相談させていただきたいと思います。
【川辺委員】  よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  いろいろ宿題をいただきまして、ありがとうございます。
 では、続きまして2-4に移りたいと思います。気候変動の現状把握や緩和策・適応策として整理しております。
 この点についてはいかがでしょうか。ございませんか。
 ではまた戻っていただいても結構ですので、ひとまず2-5の生物多様性・自然資本分野のほうに移りたいと思います。
 こちらは、先ほど全体構成のほうで甲斐さんにも触れていただきましたけれども、中間取りまとめ以降に審議した結果がこちらに反映されていますので、ボリュームとしても少し大きくなっています。7ページから、(1)(2)(3)(4)という構成で、9ページの前半まで続きます。こちらについて、この約2ページですね、全体を見ていただいて御意見をいただければと思います。
【春日部会長】  浦嶋委員、お願いいたします。
【浦嶋委員】  これは地球観測推進部会の取りまとめとして入れるべきなのかとか、あと中間取りまとめのところとの整合性みたいなところで、でもあまり確たる意見ではないのですが、少し思いましたのが、先ほどの気候変動でもリテラシーというところが出てきていますけれども、自然資本に関してはさらに、やはりリテラシーが不足しているというところを痛感しているところであります。
 いわゆる研究者の中でのリテラシーではなくて、私が言っているのは一般の企業にいるような人たちが、これからその自然資本に関するビジネスリスクを考えていかなければいけないのに、そういったところに関してなかなかリテラシーが十分ではないということと、例えばどういうデータがあってそれをどういうふうに活用できるのかということの、使い方ももちろんよく知られていないという意味で、不十分ではないかなと思っています。
 それをここに載せるべきなのかどうかというのが、自信はないのですけど、そんな気づきをコメントさせていただきました。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。
【久芳環境科学技術推進官】  よろしいですか。
【春日部会長】  はい。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。
 おっしゃるとおりリテラシーのところについては、どちらかいうとやはり気候変動に関するリテラシーに偏っていたところは否めないかなと思っておりますので、その辺の最低限の加筆は必要かと感じたところでございます。
 一方で、今委員が「どこまで書くのかというところに関して不安」とおっしゃられておりましたけれども、確かに、生態系保護が中心になるような文章に発展していくと今度は地球観測という主題から遠ざかってしまうところもございますので、事務局の中で検討しまして、次回に御提示させていただけたらと思っております。
【浦嶋委員】  ありがとうございます。一言あるだけで違うかなと思いますので、ありがとうございます。
【春日部会長】  浦嶋委員、久芳推進官、ありがとうございます。
 生物多様性・自然資本分野ならではの多様性を踏まえて、リテラシーの問題もやはり多様になっているのではないかというふうに思いますので、その点をどうここに反映できるかというところで検討いたしたいと思います。
 嶋田委員、お願いいたします。
【嶋田委員】  嶋田でございます。
 生物多様性分野の観測網については、今までも市民科学、市民の方々の情報はすごく大事で、そこは今後もさらに重要になるかと思うのですが、(1)の②の方向性のところに、「キャパシティ・ビルディングや継続的な観測活動支援に向けた関係者の連携が求められる」という書き方がされていますが、これを単純に見てしまうと、「観測活動支援に向けた関係者の連携」ということで、言わば連携のほうに視点があって、観測活動そのものの支援というところがダイレクトには書き込まれていないなというように思いまして、そういう意味では、「観測活動の支援と連携に向けた関係者の連携が求められる」とか、両方並列で並べたほうがいいのではないかなというふうに感じました。
 以上でございます。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 どちらも同等にというか並行して必要だということが分かるような修文ですね。御指摘ありがとうございます。
 では村岡委員、お願いいたします。
【村岡委員】  ありがとうございます。
 先ほど浦嶋委員がおっしゃいましたリテラシーに関連することとして、気候変動や予測の観測データ、モデル等のリテラシーと関連して、生態系、生物多様性、自然資本の問題についても、その生物多様性の現状やデータのリテラシーに加えて、今後重要なところとして、気候変動や人為活動、産業経済活動あるいは社会の変化が、生態系や生物多様性、自然資本にどのような影響をもたらすかということの理解あるいはそのデータの見方に関するリテラシーについても、併せて御検討いただけると幸いです。
 また、言葉の入れ方はこちらかも御提案できるようにいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
【春日部会長】  重要なポイントについて御指摘ありがとうございます。
 岩崎委員、お願いできるでしょうか。
【岩崎委員】  8ページの一番下の(4)で、「アジア太平洋地域」となっている点のクラシフィケーションです。ここで「アジア太平洋地域」に絞った理由ついて教えてください。
 一般的に生物多様性のホットスポットといったときに、中米、南米そしてアフリカ地域も重要になってきますので、一地域に絞っている理由について改めて教えてください。
 以上です。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 この点、事務局から御説明いただけますか。
【久芳環境科学技術推進官】  はい。御質問ありがとうございます。
 「アジア太平洋地域」という形で、絞ったというより例示したという趣旨で記載しておりました。そこにつきましては二つ理由がございます。一つは、日本との近接性というところ、そして日系企業はじめ様々な社会活動が連結しているというところを考えて「アジア太平洋地域」という形にいたしました。もう1点につきましては、例えば地球観測であれば、実際にアジア・オセアニアで地域GEOをつくっておりますし、こちらに関しては生物多様性のほうについても同じような組織があるということから、このような形で記載をしたところでございます。
 ただ、いずれにしましても、委員が御指摘のように「アジア太平洋地域」に限定しているというふうに読めるのは確かにまずいなというふうに感じましたので、表現ぶりを工夫したいと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 岩崎委員、よろしいでしょうか。
【岩崎委員】  了解しました。そうした意図でならば、一地域限定と受け止められない表現のほうがいいと思いました。
 このアジア太平洋地域の政策的な重要性は全く私もよく認識しているところです。政策的な観点だと最近はFOIP(自由で開かれたインド太平洋)という言い方が頻繁に日本政府により使用されています。もしそういう観点も含んでいるのであればFOIP対象地域との点も、一つの根拠として挿入してみたらどうかと思いました。
 以上です。
【春日部会長】  御提案をありがとうございます。
 そうですね、基本的にはこれまでの部会の中で審議してきたことや話題提供いただいたことが、この最終取りまとめのベースになっていると思うのですけれども、特にこういうことは重要という御指摘がありましたらまた詳しくメールでいただけると幸いです。
 では続いて、赤松委員、お願いいたします。
【赤松委員】  赤松でございます。
 先ほど久芳様のほうから御説明があったので、少し理解できたのですけれども、前段に地球観測やデータバリューチェーンに関する課題と方向性というのがあって、気候変動や生物多様性の節でまたそれが出てくるのが、ちょっと重なっていたり重複するという感じがしていたので、そこをどう整理するかなというのが気になっていたところです。先ほどの久芳様からの説明だと、重複もあるかもしれないけどあえて出していって、最後に3章でまとめていくと理解したのですけれども、だとしたら2章の頭のところに、そうした趣旨も書いておいたほうがよいのではないかと感じました。この2章の最初の5行のパラグラフの中に、そういう整理の仕方をしていますということを説明したほうがいいかなと思いましたので、意見として出させていただきます。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 2章の最初に説明を入れるというところは、実は私もそのようにお願いしたところなのですが、それでも足りなかったというところなのでもう少し修文について御相談したいと思います。
【赤松委員】  いろいろ追加で申し訳ないのですけど、ぜひ御検討いただければと思います。
【春日部会長】  大変有益な御助言をありがとうございます。
では、嶋田委員、お願いいたします。
【嶋田委員】  少し新しい意見なのでいろいろと御意見もいただきたいのですが、(2)の②の方向性のところですが、生物観測データの電子化、発掘だとかデータベース化というのは物すごく大事ですし、希少野生生物に関しては取扱いのルールを整備するというのはすごく重要だと思うのですが、例えば、国交省さんとか、あるいは環境アセスメントの際に、非常に多くの生物情報というのは取得されていますが、そういった情報というのは多くの場合、環境アセスメントの評価報告書とかそういったものに載せられるだけでなかなか活用されていないということがあります。
 それを例えば、この生物情報としてこれから使っていくというときに、データベース化するためには、義務的な制度をつくるという視点も大事かなというふうに思っていまして、そういったものの制度化みたいなものを盛り込むという方向性をここに書けないかなと思うのですけれども、皆様の御意見をいただきたいと思います。
【春日部会長】  嶋田委員、ありがとうございます。
 今の御指摘について、ほかの委員の皆様からの御意見いかがでしょうか。
 ないようでしたら事務局からお願いします。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。
 こちら、こちらの最終取りまとめ全体を通じて、やはり第10期に譲っていかなくてはいけない宿題的な事項があるかと思っております。今御指摘いただいた部分はまさにそういうところかなと思っておりました。
 そしてその宿題的事項のところについては、他省庁、今御指摘でありましたところでいったら国交省など、様々な省庁としっかりと事務局としても、連携というか話合いをしながら施策を考えていかなくてはいけないかなと思っておりましたので、今回どこまでここに記載するのかというところについては検討が必要かもしれませんけれども、いずれにしても第10期の際に、国交省とその点については御相談をしながら具体化を追求してみたいと思います。
【嶋田委員】  分かりました。ありがとうございます。
【春日部会長】  嶋田委員、推進官、ありがとうございます。
 生物多様性について、ほかに御意見ございますでしょうか。
【春日部会長】  川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】  (3)のデータバリューチェーンにおける課題と方向性というのがここにもまた出てくるのですけれども、これはデータバリューチェーン全体に関することかとは思うのですが、どういう主体が次々と立ち現れて、そこでどういうふうな付加価値が生じる可能性があるのかということが、この地球観測とか生物多様性のデータに関してはデータバリューチェーンという言葉だけではなかなか分からないような気がずっとしているのですね。もし何かそういうことを例示していただけるのであれば、分かりやすくなるかなというふうに思っております。
 前にお話しいただいた琉球大学の久保田先生のお話ではすごく分かりやすかったのですが、そのほかにどういうことができるのかというところがまだ分からないでおります。これはお願いです。
 失礼します。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 この点、事務局からお願いします。
【久芳環境科学技術推進官】  今の御指摘踏まえまして、例示を増やすなど修文を試みたいと思います。ありがとうございます。
【春日部会長】  委員の皆様からも少しアドバイスをいただけると大変ありがたいと思います。ではよろしくお願いいたします。
 赤松委員、お願いいたします。
【赤松委員】  何度も申し訳ございません。
 今の嶋田委員と、それから川辺委員の御意見にもちょっと関係するのですけれども、もともと中間取りまとめに産官学連携のネットワーク推進があり、この生物多様性の項目に関してはTNFDというネットワーク提示があって、その枠組みの中で、使われるためにはどのようにデータの標準化を図っていくべきかということも結構議論されておりました。やはりデータを使っていただくためには、解析結果も含めて、しっかりとした標準化が必要になってくるというのが、前回琉球大学の久保田先生に御発表いただいた中にも色濃く表れていて、そこをこれから進めていかなければならないというのは多分重要なポイントになってくると思うのですね。ただ、今の素案の中にはそれがまだあまり書き込まれていないので、よく書き込んでいったほうがいいかなというふうに思いました。
 私、測量分野が担当ですけれども、そちらのほうでは標準化というのを盛んにやっていて、それで世の中で使ってもらうところにつなげていくことをやっておりますので、それと同じように生物多様性のデータに関してもそういう取組が必要ではないかということは、提示しておいたほうがいいのではないかなと思います。
 以上でございます。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 TNFDは、序章ですね、2ページに少し詳しく触れているのですけれども、生物多様性のところでも触れたほうがいいという、そういう御指摘かというふうに理解いたしました。
【赤松委員】  TNFDに関しても一度御説明をいただいたことがあって、そのときにデータはちゃんと規格化、標準化されてないと使えませんねということをおっしゃられていたので、そこは重要なポイントだなと私自身は思っていたのですけども。
【春日部会長】  そうですね。そのとおりと思います。
【赤松委員】  そういったことをここにも書き込んでおいたほうがいいのではないかなと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 大変重要な御指摘をたくさんいただいていますが、続きまして、岩谷委員、お願いいたします。
【岩谷委員】  私が理解できないところがあるのですけれども、6ページの2-4の(1)の一番下の2行なのですけど「主に公助における利活用にとどまっており、民間企業や国民一人一人の防災行動といった自助・共助における利活用が順調に進み」と書いてあるのですが、とどまっているのに順調に進みと、これはどういうふうに理解していいのですしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  失礼いたしました。そこのところは文章として、私が書いた文章が悪文になっているのかもしれません。文意としましては、主に公助における利活用にとどまっていると、民間企業や国民一人一人の防災行動といった上での利活用が順調に進んでいない、すなわち個々の気候レジリエンスの向上につながっているとは言い難いというものでございますが、確かにこの「進み」で一旦切ってしまうと読みにくくなると認識しましたので、書き直したいと思います。ありがとうございます。
【岩谷委員】  そうですね。
 あともう1点は、4ページ目の上から7行目の2-1の地球観測のところの、(2)の課題に対する方向性の全体なのですけど、先ほど委員からも長期性とか継続性を確保するためということで、理解はしているのですけど、私の個人的な感想というか思いもあるのですが、この辺りは私としては、地球観測というのは、やはり国が割と責任を持ってしっかりやっていく部分なのかなと思っていて、民間ももちろん観測しているのですけども、長期的、継続性をみんな民間も含めてやってねというところではなくて、国が強く主体的にやってほしいなという思いがあって、そういう書き方は難しいのでしょうかね。その辺は皆さんの御意見等も伺いたいと思います。
【春日部会長】  いえ、同じように思われている委員がいらっしゃると思います。先ほど平林委員も、この点、国や民間の投資を推進する、ですとか国としての施策についてもっと強く書くべきというふうにおっしゃってくださったので、まさに同じ御趣旨だと思います。
【岩谷委員】  そうです、同じです。
 以上です。
【春日部会長】  その点も受け止めまして、事務局と御相談したいと思います。
【岩谷委員】  よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 そうですね、まだこの最終取りまとめの内容が続きますので、ひとまず第2章に関する審議をここまでとさせていただいて、続いて、第3章についての審議に移りたいと思います。
 では、9ページの真ん中からですね。甲斐さん、またこの章について御説明をお願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  御説明になりますけれども、既に久芳推進官のほうからも御説明があったというところになりますけれども、第3章は第2章で整理された内容を受けまして、それぞれ五つの項目について、今後の部会等での対応について施策的なところについて、まとめております。その辺りについて御意見を賜ればと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 施策に対する提言ということですが、特にこの最終取りまとめ、中間の取りまとめのときからそうですけれども、今期は、今期の地球観測推進部会はSDGsへの貢献に向けてということなので、この3章も「SDGsへの貢献に向けて求められる対応」としています。
 最初に4行ほど章の説明があった後で、3-1から3-5まで、これまでの2章を受ける形で章の項立てが進んでいますけれども、全体を通して、3章全体を通してで結構ですので、お気づきの点、御意見等いただけましたら幸いです。
 赤松委員、お願いします。
【赤松委員】  赤松でございます。何度も申し訳ございません。
 この3章の記載が結構あっさりしているのですけれども、これは何か理由がございますか。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。
 これは、課題と方向性のところをある程度書き込みましたので、逆に施策のところはシンプルに書いたほうがこれをする、何をするというところがより明確に読めるかなという観点で、簡潔に記載をしたというところでございます。
 ただ一方で、その内容が逆に分かりにくくなるリスクというのも若干感じながら書いてはおりますので、そこのところは御指摘を踏まえて適宜修正をしていきたいなというところは感じているところでございます。
【赤松委員】  ありがとうございます。
 実は中間取りまとめの段階では、例えばデータバリューチェーンに関しても、コンソーシアムをつくるとか結構具体的な方向感を書いています。それが落ちてしまうと結局何をするのかが見えなくなるのではないかなと思っておりまして、分量を多少削減するのはいいかと思うのですが、中間取りまとめで検討した主意が落ちないようにはしていただいたほうがいいかなと考えているのですが、いかがでしょうかね。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。
 その点につきましては改めて中間まとめと横に並べまして、ちゃんと網羅できているかということ、そしてあと、より具体的に書けるところは書いていくという精神で見直したいと思います。
【赤松委員】  そうですね。中間取りまとめはかなり議論をしてしっかり組み立てているところもありますので、その要素はやはりこの中に書き込まれていたほうがいいと思います。その上で気候変動ないしは生物多様性の分を追記していくという形にしたほうがいいと思います。中間取りまとめの内容はやはりしっかりとここに反映していただく必要があるかなと思うので、一度また対比をしていただければと思います。
【春日部会長】  赤松委員、御指摘ありがとうございます。
【赤松委員】  よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【春日部会長】  多分、内容としましては、パワーポイントで示しました中間取りまとめと比べて、ワードに落とし込んでいく段階で、補足的な内容も加えられていると思うのです、特に2章までですね。ただ第3章は、今度は箇条書のスタイルになっているので、若干あっさりしているような印象が否めないかなとも思います。ですので、その文体も含めて少し検討するとともに、御指摘の要点ですね、中間取りまとめとの対比はしっかりしていきたいというふうに思います。
 次は、三枝委員、お願いいたします。
【三枝委員】  3-4のところで補足したらいいかと思ったところがありまして、3-4は気候変動の現状把握や緩和策・適応策としていただいています。このうち、多分温室効果ガスの循環のような緩和策に関わるところとデータのところは書いていただいているのですが、適応策のところがちょっと抜けたかなと思いまして、具体的には、3-4に丸が三つありますが、二つ目の丸のところで「個々の民間主体における利活用促進に向けた研究開発」というところで高解像度のデータ創出というのがありますけど、その次に、もう既に関係府省庁あるいは地方公共団体でも適応策の策定を始めていると思いますので、書くとすれば例えば「気候データを使った地方公共団体における適応策策定の支援」くらい書いてしまってもいいのではないかなと思いました。これは多分幾つかの研究機関が既にやっていると思うので。そして、これからも明らかに必要と思いましたので。
【春日部会長】  承知しました。これは2番目の丸の中にポツを追加ということでよろしいでしょうか。
【三枝委員】  そのポツに並んで地方自治体への適応策策定ということに資する活動が必要かと思ったので、1個ポツを足すといいかなと思いました。
【春日部会長】  承知しました。
【甲斐地球観測推進専門官】  どうもありがとうございます。
 もともとこの「高解像度の」というところが、おっしゃるように適応策に資するところにつながるかなというのが考えでございましたので、追加の仕方については検討させていただきたいと思います。
【三枝委員】  分かりました。
【春日部会長】  続いて、平林委員、お願いいたします。
【平林委員】  3-1の地球観測のところのポツの一番最後に「多様化する利活用者のニーズを踏まえた地球観測の推進」とあり、これはおっしゃるとおりなのですが、「多様化する利活用者」というのは、国や地方自治体とかの官もあれば、民間の利活用者もあって、多様なニーズをどういうふうに実現していくのかということに関しては、ますますこれから官民が一緒になって地球観測を推進していく必要があるのではないのかなというように思っております。先ほどから出ている地球観測の一貫性とか継続性という観点において、官主導から官民が一緒になってそういうものを構築していくような取組も今後ますます重要になってくると考えており、ぜひ地球観測の一貫性、継続性における官民の連携、協力ということも、ここに入れていただくことが大切なのかなというふうに思います。
 それから全体通じて感じたところなのですけれども、御苦労あったのだと思うのですが、トーンが「求められる」とか「期待される」という表現が大半を占めておりまして、誰にその対応が求められるのだろうか、期待されるのだろうかというところがなかなか伝わらなかったのですけども、事務局のほうではこの求められる、あるいは期待される対応を受け止める人、者というのは、どういうイメージで書かれたのか教えていただければと思います。
 以上です。
【春日部会長】  事務局、いかがでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。
 おっしゃられるとおり、よく政府が文書をまとめる際に主語は誰なのだというところを常々御指摘受けるのですけど、今回もやってしまったなということで反省しております。
 個別の一つ一つを今この場で解説しますとお時間が足りなくなってくるかと思いますけれども、この後の修文の際にその辺りを追記いたしまして、委員の皆様方に確認いただくという形にさせていただけたら幸いでございます。
【春日部会長】  ありがとうございます。御対応お願いいたします。
 では続いて、若松委員、お願いいたします。
【若松委員】  若松でございます。
 先ほど赤松委員のほうから指摘されたことを私も何か似たようなことを感じていて、どうしたらいいのかなというふうに思っていたのですけれども、この3章は、2章でそれぞれ五つの分野に関して書いている、その2章にある課題に対する方向性を受けた話がこの3章に書いてあるのですよね。「SDGsへの」と書いてあるのですけれども、基本的にはそれを受けて書いていて、これ2章と3章まとめて、2章の課題に対する方向性の後ろに具体的な施策例みたいにすると、もう少し分かりやすくて、箇条書でもいいのかなと思ったのですけれども、そういうまとめ方は難しいでしょうか。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 確かにそういうバージョンを一度つくっていただいて、それから、これよりも提案のところを抜き出したほうがいいのではないかというのが今のバージョンなのですけれども。
【若松委員】  そうなのですね。議論がされているのであれば、こちらのほうがいいのかと思います。
【春日部会長】  いえ、でも、もう一度二つのバージョンを比較していただけますか。
【久芳環境科学技術推進官】  そうですね。先ほど、川辺先生だったかと思いますけれども、例えば第2章のところの組み方に関しても少し考えてみたらどうかという御提案があったと思います。それも含めて、今の点をもう一度検討してみたいと思います。 コピー・アンド・ペーストでいろいろと入れ替えてみてというところはもう一度見ていただければというふうに、部会長に御負担おかけしてしまうのですが、お願いできたら幸いでございます。
【春日部会長】  承知しました。
【若松委員】  御検討お願いいたします。
【春日部会長】  村岡委員、お願いいたします。
【村岡委員】  ありがとうございます。度々すみません。
 3-5、「生物多様性・自然資本分野関係」というタイトルのことです。3-4の気候変動のところ、これは課題という雰囲気で書かれていますので何かそれに合わせる形にしてはいかがでしょうか。「分野関係」と大括りにしたタイトルにせずに、「生物多様性の現状把握と保全及び自然資本の持続可能な利用」というように、その課題の具体性をこのタイトルに表してはどうかというふうに思いました。
 これについては2-5のタイトルとの整合性もありますけども、御検討いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【春日部会長】  御指摘ありがとうございます。
 川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】  度々恐れ入ります。
 先ほどからお話出ているとおり3章は、2章での方向性に対応して書かれているかと思うのですけれども、分野ごとに書かれているので重複する点もあるのにこれをここには書かないのかなというようなことが幾つか気になりまして。
 例えば10ページの3-5の生物多様性・自然資本分野関係にある、観測の一貫性・継続性の確保、人材の育成、データバリューチェーンの形成などは、生物多様性に限らない話だと思うのですね。
 なので、今後の方向性としては、共通することとしてはこういうものがあって、それから、気候変動ではこう、生物多様性ではこうというふうに、まず共通するものを整理して、これに対応してはこういうふうにすると、それから分野ごとのそれぞれの特性に関してはこういうふうに対応するというような整理の仕方もあるのかなと、拝見していて思いました。
 今さらで大変申し訳ないのですけれども、以上です。
【春日部会長】  いえいえ、今からこの全体構成についての御意見もいただけると大変ありがたいので、貴重な御意見、御助言をありがとうございます。
 全体を通して組み替えてみつつ、それが一番読みやすいか、伝わりやすいかという観点で、事務局の皆さんと御相談したいと思います。
【春日部会長】  佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】  ありがとうございます。
 この3章のところは、箇条書きですっきりしているのですが、全体として、なぜそれを推進するのかという目的も少し加えるほうが分かりやすいのではないかと思います。これは全体を通しての印象です。例えば、地球観測関係については、観測の長期性・継続性というキーワードが第2章までにはあったのが、ここにはないので、分かりにくくなっているかなと思います。これが1点です。
 それからもう1つは、2章で発言すべきだったのかもしれないのですが、3-2の気候予測データに関するリテラシー・提供関係についてです。衛星観測も同様ですが、気候予測データは非常に大きなデータセットになるため、アーカイブ費用も大きくなりますから、言葉としてここに入れていただくのがいいのではないかと思います。これは2章と3章と両方記載していただくと、よろしいのではないかと思います。
 以上です。
【春日部会長】  データのアーカイブを2章と3章に追加するということですね。
【佐藤委員】  そのとおりです。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 3章につきましても、非常に貴重な御意見を多数いただきましてありがとうございました。
 最後に全体を通してまた御意見をいただきますので、ひとまず4章に移りたいと思います。
 では、甲斐さん、お願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  それでは、4章につきまして要点を御説明させていただきます。
 4章に関しましては「終わりに」というところで全体のまとめと、それから、来期に向けてというところを少し言及しているという形です。
 来期に向けての部分、来期は今後10年の我が国の地球観測の実施方針の更新時期であるということに触れて、今後の議論の必要性というところをここで改めて記載をさせていただいております。
 概要としては以上になります。補足等で追加が必要な論点などありましたら御指摘をいただければと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 最終の章のところで、盛り込むべき点、修正すべき箇所がございましたら御指摘をお願いしたいと思います。
 平林委員、お願いします。
【平林委員】  第2段落辺りからですけれども、「地球観測・気候予測データ」となっていて、その後に「地球観測を実施し、気候予測データの創出に努めてきたが」と書かれているのですけれども、地球観測としては、気候予測データ以外にも様々なプロダクトを創出してSDGsにも多様に貢献しているわけでありますので、ここを「気候予測データ」という形で限定するのではなくてもう少し広めな表現にされたほうがいいのではないのかなと思いました。例えば、「地球観測を実施し、価値の創出に努めてきた」とか「気候予測をはじめとした価値の創出に努めてきた」とか、もう少し広めの表現を御検討いただければと思います。
 以上です。
【春日部会長】  おっしゃるとおりと思います。ありがとうございます。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
【春日部会長】  ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。
 赤松委員、お願いします。
【赤松委員】  度々申し訳ございません。
 すごくミクロな話なのですが、今の第2パラグラフの最後のところで「国際社会等に貢献していくことが大いに期待される」というのは、それはそのとおりだと思うのですけども、国内のユーザーですとか行政機関ですとかそういうところにしっかりと使われていくということが、これも中間取りまとめでは重要な視点だったと思っているので、「国際社会等」と書いてしまうとそこが薄まるのではないかなと思うのですがいかがでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  御指摘ありがとうございます。
 まさに「等」のところに今御指摘いただいた関係者を幅広く込めたつもりであったのですけど、逆に、狭まって読めてしまっているのではないかという御指摘はまさにそのとおりだと思いますので、こちらは「等」を開きまして、国際社会を先にするか国内を先にするかその辺りも含めて検討させていただきます。
【赤松委員】  よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【春日部会長】  この「終わりに」については特に補足等がないようでしたら、もう一度、第1章から全体を通して御意見をいただければと思います。
 村岡委員、お願いします。
【村岡委員】  ありがとうございます。全体を通じて御議論いただいたことも含めて、またこちらでも勉強しながら聞いておりました。
 この第4章の「終わりに」のところとも関係をしますが、かなり前向きな力強いメッセージも書いていただいていると思いまして、先ほど推進官が、この次期の地球観測推進部会での議論への宿題という、この議論の課題ということもおっしゃっていましたが、ぜひこれを具体化していただきたいと思います。
 特に具体的には、今までの議論にありましたように様々な観測の連係や融合あるいは観測組織や評価機関の連携、情報公開の在り方、データや情報基盤の相互接続性あるいはユーザーとのコミュニケーション、さらに人材育成――リテラシーも含むとは思いますけど、これをいかに具体的に進めるかが論点として重要かと思いますので、こうした検討と調整に向けて、関係省庁ですとか研究教育機関、観測ネットワーク、民間など様々な方が協調して推進計画を検討する機会と場がますます重要になると思います。そういったことを地球観測推進部会との連携によって進めて、さらに我が国が、日本が支え推進すべき地球観測の将来構想として議論されることをぜひお願いいたします。期待しています。
 こうしたことは恐らく、今日冒頭GEOのことを御報告いただきましたけども、GEOですとかアジア・オセアニアGEOにおける日本の地球観測コミュニティーの貢献にもつながると思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【春日部会長】  村岡委員、ありがとうございます。
 今おっしゃってくださったことは、次期に宿題としてしっかりと伝えてほしいという点だとは思うのですけれども、一部第3章の骨子とも重なるとは思いますけれども、改めて第4章の「終わりに」の中で、もう少し次期に向けた重点課題として具体的に記載したほうがよろしいという御意見でしょうか。
【村岡委員】  いえ、ありがとうございます。既に各所に言葉が入っておりますので、それで重複しなくても結構かと思います。ただ今後、今日の部会の議論を得て修文をされるかと思いますので、それをまた拝見する機会をいただければ、またもしかしたら提案させていただくかもしれません。特に今ここで言葉を入れていただきたいということではありません。ぜひこの議論を続けていただければということです。ありがとうございます。
【春日部会長】  確認させていただきました。どうもありがとうございます。
 全体を通してほかの委員の皆様、いかがでしょうか。赤松委員、お願いします。
【赤松委員】  何度も申し訳ございません。
 全体を通して、大変御苦労されてこの形をまとめ上げられてきたということはよく分かりましたし、その御苦労には敬意を表したいと思っております。最初に今後10年の実施方針のフォローアップ報告書があって、次に中間取りまとめがあって、それの後に幾つか、気候変動だとか、それから生物多様性というのが加わってきた中で、こういう構成を考えられて御苦労されてまとめられたということかと思っています。
 ところがやはり、そういう過程で、項目の組替え等を行っていることで、先ほどから申し上げているように中間取りまとめの内容が落ちている可能性がありますので、繰り返しになって申し訳ないのですが改めてそこの整合性は図っておいていただきたいなと思います。
 もう一つは、今日の議論を踏まえるとまた結構この素案の中身が変わってくるのかなというふうに思っております。今回時間がなくて私も個別の文言まで実は見られていないので、それをもう1回、先ほど村岡委員からもありましたけれども、見させていただいて、修正を加えさせていただく機会というのがいただけるかどうかをお教えいただきたいなと思います。
【春日部会長】  ありがとうございます。
 今後のスケジュールも含めて、推進官から御説明をお願いしたいと思います。
【久芳環境科学技術推進官】  ありがとうございます。
 おっしゃられるとおり、今日の場だけではなかなかお気づきの点が網羅できなかったというふうになるのではないかと認識しておりましたので、部会長とも御相談し、12月22日まで取りあえず、現段階の案についてメールで御意見をいただけたらというふうにアナウンスしようと思っておりました。それと並行しまして、事務局のほうで今日いただいた意見も踏まえて修正していきまして、年明けに最終案を皆様方に御送付できるように修文してまいりたいと思っております。
 いずれにしても1月20日が最終回という形で審議が予定されておりますけれども、その際には、今回以上に余裕を持って資料を見ていただけるように努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
【赤松委員】  ありがとうございました。
 2段階で進めるということで、今のこの素案に対して意見があればまず22日までに出して、それと今日の議論も踏まえてまとめていただいたものを年明けにいただいて、1月20日にそれの最終的な議論をするというようなスケジュールだというふうに考えてよろしいですかね。
【久芳環境科学技術推進官】  そのとおりでございます。
【赤松委員】  1月20日以降はどうなのでしょう。例えば1月20日で少しまたここを直したいみたいなところが出てきたときは、またその後に意見を出せるのでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  一般的な、いわゆるこの行政の会議の場合においては、最終回において部会長のほうに修正の一任をいただきまして、各委員の中で引き続きこれは修正を図ったほうがいいと箇所については、部会長と委員と事務局とで個別に連絡を取り合って修正をするという流れになります。
【赤松委員】  分かりました。それでは最終調整の機会というのは、1月20日以降も可能であるというふうに考えておいていいのですかね。
【久芳環境科学技術推進官】  さようでございます。
【赤松委員】  了解いたしました。どうもありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。
【春日部会長】  すみません、私のほうからもう一度確認させていただきたいのですが、年明けに次のバージョンを事務局から皆さんにお送りして、それを1月20日までに読んでくださいということになるのでしょうか。それとも、1月20日の前にもう一度皆様からの御意見をいただいて修文するというやり取りはあるのでしょうか。
【久芳環境科学技術推進官】  そこについては、我々も作業ベースの話になってきますので今現時点で断言できる自信がないのですけれど、できる限り年明けに御送付を差し上げて見ていただき、ただ、そこで並行して御意見いただけるところは修正をさらに図っていくという形で進めていけたらなとは思っております。一方でもしそれが押してしまった場合には、会議の場での御指摘をいただいてそこから修正の作業が続くという形になる。どちらかという形でございます。
【春日部会長】  すみません、少し細かいことをお聞きしました。ありがとうございます。
 小縣部会長代理、お願いいたします。
【小縣委員】  部会長、ご審議ご苦労さまでございます。
 赤松委員が何回かおっしゃっていたことに関連しますが、中間取りまとめで非常に期待したのは、データ提供者、観測者、研究者、省庁、国研などにおけるデータの取りまとめ、すなわち一つにデータを全部統合していくということと、ちょうど中間にサービス提供者がいてデータをインテリジェンス化して、民間などのエンドユーザーに使ってもらうというバリューチェーンの形成です。赤松委員のおっしゃったことに加えてというか似ているのですけど、その中間取りまとめのときのデータ提供者、サービス提供者、エンドユーザーというデータバリューチェーンを形成することをぜひ具体的に示していただくと、良いのではないかと思います。よろしくお願いします。
【春日部会長】  ありがとうございます。御指摘、しっかりと受け止めたいと思います。
 ほかの委員の方、いかがでしょうか。
 そうしましたら、今回非常にボリュームのある審議案件に関して、大変有益な、また貴重な御意見を多数ありがとうございました。
 先ほど久芳推進官からも御説明がありましたように、まずは12月22日までに、この今回のバージョンに関する御意見、御指摘、また修文の御提案等を、メールで事務局宛てに御連絡いただければというふうに思います。その後のスケジュールについては先ほどの御説明のとおりです。
 本日少し早めですけれども、予定されている議題は以上となります。
 二つの議題に関して、あるいはそのほかに、委員の皆様から何か御発言等ございますか。
 特にないようでしたら、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【甲斐地球観測推進専門官】  ありがとうございます。
 それでは最後に事務局から事務連絡をさせていただきます。
 本日の議事録に関しましては、後日事務局よりメールにて委員の皆様にお送りいたしますので、各委員の皆様にて御確認いただいた後、文部科学省のホームページのほうで公表させていただきます。
 既に日付出ておりますけれども、次回第9回の部会に関しましては、1月20日に開催いたします。詳細に関しましてはまた改めて事務局から御案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からの連絡事項としては以上となります。本日はどうもありがとうございました。
【春日部会長】  甲斐さん、ありがとうございました。
 それでは、年末年始を挟んで委員の皆様にはさらに案文への御指摘、御意見をいただくことになりますけれども、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、第9期地球観測推進部会の第8回会合を閉会いたします。
 本日はありがとうございました。
 
―― 了 ――

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