宇宙開発利用部会 将来宇宙輸送システム調査検討小委員会(第3回) 議事録

1.日時

令和2年2月20日(木曜日) 14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省15階特別会議室

3.議題

  1. 宇宙輸送システムと宇宙産業について
  2. 防衛省の宇宙分野における取組
  3. 宇宙輸送系の取り巻く状況と将来に向けた今後の取り組み方策について
  4. 将来宇宙輸送システム調査検討小委員会の議論の方向性について
  5. その他

4.出席者

委員

主査 遠藤 守
主査代理 永田 晴紀
専門委員 有田 誠
専門委員 石井 由梨佳
専門委員 石田 真康
専門委員 稲川 貴大
専門委員 大貫 美鈴
専門委員 神武 直彦
専門委員 齊藤 靖博
専門委員 野口 裕一
専門委員 兵頭 翔洋
臨時委員 松尾 亜紀子
専門委員 山崎 直子

文部科学省

研究開発局長 生川 浩史
研究開発局宇宙開発利用課長 藤吉 尚之
研究開発局宇宙開発利用課企画官 原田 大地
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 渡邉 真人
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 岡屋 俊一

(説明者)

経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 宇宙産業室長 浅井 洋介
防衛省 防衛政策局 戦略企画課 宇宙開発政策室長 北岡 亮
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 研究開発部門 第四研究ユニット ユニット長 沖田 耕一

5.議事録

【遠藤主査】定刻になりましたので、ただいまから宇宙開発利用部会の将来宇宙輸送システム調査検討小委員会第3回の会合を開催させていただきます。御多忙のところお集まりいただき、ありがとうございます。
 それでは、最初に、事務局から確認事項等お願いいたします。
 
【原田企画官(事務局)】本日、将来宇宙輸送システム調査検討小委員会に御所属いただいております16名の委員のうち13名の先生方に御出席いただいております。運営規則に定めます定足数の要件を満たしておりますので、本日の会議は成立していることを御報告いたします。
 次に、本日の資料でございますけれども、お手元の議事次第四ポツのとおりでございます。現在、本小委員会はペーパーレス会議とさせていただいておりますので、お手元のタブレット端子へのアクセスをお願いいたします。もし不具合等がございましたら事務局までお申しつけください。
 事務連絡は以上でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。
 それでは早速、お手元の議事次第に従って議事を進めてまいりたいと思います。
 本日は、最初に、政府機関における宇宙への取組の御紹介いただくということで、議題1については経済産業省さんから、議題2につきましては、前回も話題になりましたが、安全保障の観点で防衛省さんからお願いしたいと思います。
 それでは、まず議題1の経済産業省宇宙産業室の浅井室長からお願いいたします。
 
【浅井室長(経済産業省)】経済産業省宇宙産業室の浅井と申します。どうぞよろしくお願いします。このような機会を頂きましてありがとうございます。
 私の方からは、「宇宙輸送システムと宇宙産業について」というタイトルになっていますけれども、主にロケット打ち上げ産業に関連した宇宙産業の動向について、国内外の主要な指標をおさらいというような形にもしかしたらなってしまうかもしれませんが、ちょっと見ていって、今後の宇宙産業の在り方について少し提言めいたことも申し上げさせていただければと思っております。10分弱お時間を頂いておりますので、ちょっと途中駆け足になるかもしれませんが、よろしくお願いします。
 それでは、お手元の資料3-1の1ページ目、世界の宇宙産業の動向ですけれども、左側のグラフを見ていただくと、2018年、宇宙産業規模としては2,700億ドルぐらいで推移しているということでございます。
 見ていただくとおわかりのとおり、伸びとしては非常に堅調ではあるのですが、内訳を見ていただくと、打ち上げサービス、衛星といったところはほぼ横ばいというような状況でありまして、地上設備、衛星サービス、このあたりが伸びてきていると。特に、地上設備と書いてありますが、衛星テレビ・ラジオ、あるいは放送設備、カーナビゲーションのような測位設備ですね、測位の信号の受信設備、こういったものが伸びてきているということで、宇宙に衛星を打ち上げる衛星・ロケットというよりは、それを利用したサービスというものが広がりつつあるというような状況でございます。特に地球観測分野が非常に大きく伸びていまして、今後10年間で2倍に成長が見込まれているというふうに書いていますけれども、2018年、314機の衛星が打ち上げられましたが、そのうちの4割がリモートセンシングとなってございます。
 2ページ目に行きまして、世界のロケット打ち上げ市場の動向ですけれども、最近の打ち上げ数が大体年間80から100機程度で推移しているというような状況でございます。10年間で1.5倍ぐらいに増えてはいるのですが、商業打ち上げに関して申し上げると、年間平均約20機前後ということでございます。この打ち上げシェアを見ていただくと、右側ですが、米欧が9割近くを占めておりまして、日本の商業打ち上げというところはまだまだこれからというような状況でございます。
 3ページ目に行っていただいて、世界の小型衛星市場が非常に伸びているというのはよく皆さん御承知のことと思いますが、直近の統計ですと、予測ですと、2020年から24年までに最大約2,400機の小型衛星が打ち上げられるという予想が出ています。実は、昨年、あるいは一昨年ぐらいの統計ですと、2,800機ぐらい打ち上げられるのではないかという見込みがあったのと比べると、やや下方修正という動きではあるのですが、引き続き非常に大きな数の小型衛星が打ち上げられるというような計画がございます。
 右側を見ていただくと、OneWeb、SpaceX、amazon、こういったところが数百機から1万機、SpaceXに至っては未承認分も合わせると約4万2,000機というような打ち上げ計画がありまして、実際に既に182機打ち上げて、10機程度もう故障したと聞いていますが、それでもなおSpaceXが既に世界で最も衛星を多く保有する企業となっているということが特筆に値するかと思っております。
 4ページ目、海外における宇宙産業をめぐる新たな動きということで、小型衛星、先ほど御紹介したものでありますとか、ロケット打ち上げ、資源探査、宇宙旅行、様々な分野で新しいベンチャー等が出てきているというような状況でございます。1,000社以上の宇宙ベンチャーがひしめいているというふうに書いていますが、人によっては1,500社ぐらいあるのではないかというようなことをおっしゃっている方もいらっしゃいます。
 5ページ目、翻って日本の宇宙機器産業の現状はどうかということなのですが、これは日本航空宇宙工業会SJACの資料ですけれども、直近、足元の2017年の数字を見ていただくと、約3,600億円の宇宙機器製造業の売上げということになっております。この赤いところがいわゆる打ち上げサービスというところでありまして、2007年に三菱重工が商業打ち上げを行うというふうに、打ち上げサービスを主体的に行うというふうになってから、順調に数字としては伸びてきているかなと思っております。
 ただ、日本の宇宙産業の売上げ構造というのを見ていただくと、JAXAさん、その他政府機関というところで既に6割強の売上げの全体を占めていますし、ロケットメーカー、衛星メーカーの売上げについても、もとは政府からの発注ということで、9割ぐらいは官需によるものということになりまして、民需の拡大というのは大きな課題かと思っております。
 6ページ目ですが、一方で、日本の宇宙ベンチャー企業も数多く今後の宇宙ビジネスの成長を期待して参入してきている状況でありまして、小型ロケットをはじめとして、様々なビジネス展開を考えておられるというような状況です。ですので、宇宙ビジネスとしては非常に活況を呈しつつあるというような状況でございます。
 7ページ目に行っていただいて、宇宙産業における研究開発投資の推移というものをグラフにしたものですが、日本の製造業の研究開発投資比率は売上げに対して3~5%ぐらいというのが平均的な形なのですが、宇宙産業を見ていただくと、約2%前後ということで、この折れ線グラフですけれども、決して高くないというようなことであります。ですので、非常に宇宙産業はハイテクというような印象が強いわけですけれども、まだまだその投資額としては低水準なのかなと思っております。
 8ページ目、海外の需要も取り込んでいきたいところではあるのですが、日本の宇宙機器の貿易動向というのを見ますと、世界としては、宇宙機器産業市場は増加傾向、拡大傾向にあるわけですが、日本の貿易動向を見ますと、この赤い折れ線グラフが輸入、青が輸出ということなのですけれども、この統計をとっている期間を通じて、輸入が輸出を上回っているので、輸入超過傾向というのが続いているということでありまして、宇宙機器の競争力強化が課題だと認識しております。いかにこの輸出を増やしていくかということが課題だと思っております。
 続いて、9ページ目ですけれども、日本における宇宙機器産業の人材構成の推移をグラフにしたものでございます。9,000人ぐらいというふうに掲げられております。これは、いわゆる機器及びそれに付随するソフトの従事者ということでありますが、いわゆる宇宙利用産業も含めますと、約1万2,000人の方が宇宙産業に従事しておられるということです。
 ただ、やはり絶対量としては非常に欧米と比べても少ないような状況がありますし、あとは、人材流動性が低いといったような課題も指摘されております。とりわけベンチャー企業では、非常に人材獲得に苦労しているという声をよく聞きますので、こういったところでいかに流動性を高めて、必要な人材を随時臨機応変に獲得できるかというところを政策面でもサポートしていきたいと思っております。
 10ページ目ですけれども、これは日本の宇宙産業拡大に向けた取組と書いてありますが、主に経済産業省の取組というふうに御理解いただければと思います。
 先ほど見ていただいたとおり、宇宙機器産業というのが多くは官需に依存しているという状況ですが、宇宙利用産業、その裾野ですね、実際に衛星とかを利用するビジネスというものについては8,000億円というぐらいで、全体として約1.2兆円の産業規模があるわけですが、ここの宇宙利用産業というものをまず拡大していくべきじゃないかと。すなわち、いろいろな形で衛星を使って、衛星データでありますとか、あるいは準天頂、みちびきなどがありますけれども、こういったものを使って、ドローンとか、自動走行とか、そういった様々なアプリケーションが期待されるので、そういったユースケースをつくっていくということによって、宇宙が生活に必要不可欠なインフラであるというような形で活用されることによって、それが結果的に宇宙機器の需要を創出するのではないかという問題意識のもと、政策を展開しております。
 あわせて、宇宙機器産業のところは、先ほども申し上げたとおり、競争力強化が課題だということですので、ロケット、衛星の研究開発支援をJAXAさんとも連携しながら行っております。軌道上実証機会の拡大というのがしばしば課題として指摘されていまして、民生品を活用した実証事業なども行っております。こういったことを通じて、小型ロケットの打ち上げ事業者というものが、今、事業開始に向けて研究開発を進めていますけれども、早ければ2021年あるいは2023年にビジネスを開始しようというような動きが出てきているという状況でございます。
 最後に、11ページ目、現状を踏まえて、こういった取組が重要ではないかというのを大きく四つ掲げております。今正に基本計画の見直しが政府全体で議論されていることもありまして、簡単に御紹介しますと、基幹ロケットの産業基盤維持、これは自立性確保の観点から、やはり産業基盤というものをしっかり維持していく必要があるだろうということです。
 民間輸送サービス事業者の支援ですけれども、ここについては、世界的に非常に需要増が見込まれる小型衛星打ち上げサービス市場、これをしっかり取り込んでいかなければいけないということで、民間輸送サービス事業者をしっかり支援していくということであります。
 三つ目が、官需による国内ロケットの優先使用、これは現行の基本計画にも盛り込まれてはいるのですが、実際本当に国内ロケットが100%使用されているかというと、決してそういうことではないので、これをしっかりまずは政府衛星の打ち上げには基本的に国内のロケットを使用してはどうかと思っております。加えまして、小型ロケットの宇宙機器の軌道上実証機会の継続・拡大というものを通じて、安定的な需要の確保を図っていくべきではないかと思っております。
 最後に、共通基盤技術・共同開発の拡充とありますが、ロケットは大きく見てH-Ⅱ、H3等の三菱重工がかかわるロケットがあり、イプシロンがあり、小型ロケットでも、スペースワンさん、インターステラさんが参入してきたということで、いろんなロケットが出てきているわけですけれども、それに共通し得るような基盤技術・共同開発というところを国として率先して支援をして、信頼性向上、コスト低減といったような共通の課題に対してアプローチができるといいのではないかということであります。官民共同開発の拡充というものを政府一丸で推進することによって、非常に限られた予算の中で最大の効果を出すということを取り組んでいければと思っております。
 引き続き経済産業省としても宇宙産業をしっかり支援してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。いろいろな課題があるというところで、御意見があろうかと思いますが、まず先に議題2の御説明をしていただいた後、併せて質疑をさせていただきたいと思いますので、議題の2をお願いいたします。防衛省の宇宙分野における取組ということで、防衛省防衛政策局宇宙・海洋政策室の北岡室長からお願いをいたします。
 
【北岡室長(防衛省)】失礼します。私、先ほど御紹介にあずかりました防衛省の宇宙・海洋政策室長の北岡でございます。今日はこのような機会を設けていただき、どうもありがとうございます。
 では、早速ですけれども、お手元の資料3-2の防衛省の宇宙分野における取組という、この資料について御説明させていただきます。
 先ほど浅井室長の方からもありましたけれども、我々防衛省につきましては、将来宇宙輸送システムのユーザー側として、ユーザーの一つとして何を我々が目指しているのか、ユーザー側としての立場として説明させていただいて、将来宇宙輸送の話についても若干補足させていただければなと思っております。
 おめくりいただきまして、まず背景事情的なところからですけれども、1ページ、これについては御案内のことが多いと思うのですが、基本的に宇宙については、海と似たような形で、主権というのが適用されずに、いろいろな国がパブリックドメインとしていろいろ使っていると。その中には、大きく分けて衛星機能としての四つの場所と、あと、高度、軌道についてもちょっと違うところがありますということでございます。
 次に、2ページ目に行っていただきまして、防衛省・自衛隊につきましては、いろいろ経緯がございまして、宇宙で軍事的活動をしないという話とかもございましたけれども、だんだん昭和50年代から利用を拡大してきまして、2008年の宇宙基本法の成立といった話も踏まえて、我々として安全保障に必要な活用として宇宙の方も利用させていただいているということでございます。
 めくっていただきまして、我々の国内の事情もあるのですけれども、国外の状況につきましても、これも御案内のことが多いと思うのですけれども、まず、宇宙システムに、これは自衛隊も含めてですけれども、非常に依存していると。実際に、細かい数字とかはあれですけれども、陸上自衛隊、海上自衛隊、そして航空自衛隊の艦船、飛行機、あと、各種陸上自衛隊が扱っているシステムにつきましても、やはりGPSでの誘導というのは必要不可欠になっていると。これらについて若干機能が損なわれてしまうと、そもそも我々としては宇宙・サイバー・電磁波というのを新領域ということで今回の大綱でも位置づけましたけれども、そういう新領域ではない従来領域、陸・海・空のところの戦いも非常に大きな支障を受けるという状況でございます。
 こうして依存が、それは他国でも当然なのですけれども、そうした中、米国、ロシア、それで中国が非常に衛星の数を増やしてきていると。我々の認識としましては、宇宙の利用については、宇宙利用のアセットの代表的なものというのは衛星でございます。衛星の数というのが利用度の深さをはかる指標だと認識しておりまして、ここにお示しさせていただいたと。中国につきましては、10年に比べて10倍近く増やしてきている状況でございまして、右下にアメリカの副大統領の発言を紹介させていただいていますけれども、先日の空軍とかの報告では、宇宙は今や戦闘領域だという言い方も米国等はしていると、そういう状況でございます。
 4ページ目に行っていただきまして、そういう諸外国がまず利用を深めているという上に、さらに、利用を深めているクラスですね、ここにスペースデブリ、これは先ほどのSpaceXといった話で、衛星の数が増えていて、宇宙ごみのそもそもの状況として、そういうごみが増えてきて危険な状況が増しているという状況に加えて、報道等をここで整理させていただいていますけれども、中国、ロシアにおきましては、各種低軌道における衛星同士の近接事件といった話、あと、左下の方につきましてはレーザー照射といった話、あと、右上の緑のところではジャミングといった話といった各種対衛星に対するアクションを起こすような行動をしているという動きも見られているという状況でございます。
 おめくりいただきまして、こうした宇宙の依存度を深めている、そして各種、諸外国においても動きが非常に見られているという状況を踏まえまして、じゃあ防衛省・自衛隊として何をするかということでございますけれども、これにつきましては、まず我々自身で、宇宙状況監視、SSAですけれども、そういう体制を整えていかなければいけないということでございまして、これが正に今回の大綱中期での一つの大きな事業の柱、宇宙に関するものでございます。
 これにつきましては、上にある四角の黄色のところにございますけれども、まずそのシステムをつくるための人が要りますねという話でございますので、これにつきましては、航空自衛隊に宇宙作戦隊、仮称でございますけれども、これを令和2年度に新編する予定でございます。約20名規模ですけれども、当然これだけでは足りませんので、人材育成の状況を見つつ、増員していくということでございます。
 そして、人を手当てするのですけれども、人を手当てするのに実際に使うシステムとして、この赤枠で書かせていただいていますSSAシステムというのを今進めておりまして、この左上の実際のレーダー、これにつきましては、ディープスペース、3万6,000キロ上空のところのスペースデブリと、ざくっとしたイメージで申し上げれば、このいわゆる静止軌道のところに我々の防衛省・自衛隊のアセットであるXバンド通信衛星がございますので、まずはそこの衛星に近づいてくるスペースデブリ等についてしっかり状況を監視するという能力を我々自身のレーダーでやることについての必要なレーダーについて、今、山口県の山陽小野田市に6基ですけれども、レーダーを建築するべく、昨年9月から工事を開始しているということでございます。これにつきましては、大綱中期で定められているように、令和5年度からの運用開始を目指しているということでございます。
 さらに、そのレーダーでとったデータを運用システム、実際のアルゴリズム等に入れて解析して実際に使っていくというためのシステムにつきまして、これを整備していくと。これにつきましては、今のところ、航空自衛隊の府中基地の方に置くということで、宇宙作戦隊もそこに配置するというイメージでございます。
 そして、今回ですけれども、SSA衛星、宇宙の状況を監視するのに、下の地上だけではなくて宇宙からも監視するということで、我々自身の衛星を、SSA衛星、宇宙望遠鏡と言っていますけれども、SSA衛星を打ち上げると。これにつきましては令和8年度までに打ち上げるということで、これは後に出てきますが、もちろん地上の方もやっているのですけれども、宇宙に打ち上げる衛星ということで今非常に検討を加速してやっているところでございます。
 おめくりいただきまして、6ページですけれども、そしてSSAのための多国間連携ということで、先ほどの5ページの図にも出ておりましたが、結局、SSA衛星は、状況を監視するためにはデータ量が多ければ多いほど、観測地点が多ければ多いほどいいというのは当然でございまして、国際連携の動きが進んでいると。我々としましては、実際に我々自身が整備するシステムにつきましては、JAXAさんとの連接、米軍との連接を進めようとしているところでございまして、こういう諸外国での取組についてもしっかりと見ていきたいと考えているということでございます。
 若干説明が重複しましたけれども、7ページ目につきましては、正にこれはSSA衛星でございますけれども、これは令和8年度までに少しでも早く整備するために、今検討を加速させていると。そして、これにつきましては、まずは令和2年度に33億円、いわゆる構成品の取得ですね。そもそも我々としてはSSA機能を持たせますので、そういったところで絶対要るような構成品につきましては、先に取得して、それで本格的に検討を進じていって、3年度以降本格的に概算要求等をさせていただこうと思っているということでございます。
 8ページ目でございますけれども、さらに、大綱につきましては、大綱のそもそもの目的は、我々自身の宇宙利用優位の確保と、それによって我が国の平和と安全を確保していくということですね。宇宙利用の優位を確保するための必要な能力の強化として、相手方の指揮統制・通信能力を妨げる能力というのもしっかり強化に取り組んでいこうということを大綱で明示しております。
 これに対して必要な経費として、我が国の人工衛星に対する電磁妨害状況把握装置の取得ための経費といったものと、必要な調査研究についても予算を要求させていただいているということでございます。
 さらに、若干細かくなりますけれども、そのほかの令和2年度予算の事業を御参考で紹介させていただきますと、先ほど若干ございましたとおり、低軌道におけるコンステレーションといった動きが進んでおりまして、そういった話も見つつ、我々として、防衛省自衛隊として必要な能力、そういったものに活用できるような要素研究的なものについてもしっかりとやっていこうということで、一番上の四角でいきますと、赤外線検知装置の研究といった話についても必要な予算を要求させていただいていると。引き続き画像衛星、衛星通信の利用についても、予算を手当てして把握していくということでございます。
 次の10ページ目でございますけれども、先ほど、SSAにつきましては米軍との連接という話がございましたけれども、これにつきましては、連接というシステムだけでは動きませんので、いわゆる政策的な話でいきますと、SCWGの枠組みで、内閣一体となって、向こうのカウンターパートとの枠組みも、これもまた近日中に行う予定ですけれども、やるという話。あとは、実際にシュリーバー演習ということで、米軍の方が大体10年から12年先の将来を想定した机上演習をやっておりまして、これにつきましても昨年度からどんどん参加をしているということでございます。今後正に宇宙作戦隊、仮称ですけれども、新編されますので、それにつきましてもその要員を当然派遣して、大綱中期には宇宙職種というのを航空自衛隊に新たに設けるということも定められておりますので、こういったところの知見を活用して、そういった教育というのもしっかりやっていきたいと思っているということでございます。
 最後に若干付言させていただきますと、参考資料のところの12ページでございますが、ここも大綱の抜粋でございます。ここで、先ほど妨げる能力といった話もあるのですけれども、それと同じように、機能保証のための能力というのが、読みにくくて申し訳ないですけれども、この上にある塊の真ん中の方にありまして、機能保証、要は我々としては宇宙利用の優位の確保、もっと端的に言いますと、衛星の機能の発揮をしっかり、そういう機能を保証、確保していくということが従来領域の戦いも含めた我が国の平和と独立の安全の確保に必要だと考えていると。そういったときに重要なこととしては、やはり抗堪性の話、粘り強く戦うというのが重要であると。
 そういったときに、例えばいろんな方式、いろんなことが考えられます。ホステッドペイロードの設定、アメリカ、関係国との連携、民間との連携をかけて、抑止的な話というのもあるのですけれども、それだけではなくて、例えば何か事が起きたとき、衛星が使えなくなったときに、かわりの衛星をすぐ上げられるようにするような、そういった検討というのもやはり抗堪性の強化の観点から必要だと考えておりまして、そういったところで、正にこの将来宇宙輸送システムに関する御議論についても、我々防衛省・自衛隊としても引き続き関心を持って拝見させていただきたいと思っている次第でございます。
 ざくっとでございますが、以上でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。
 それでは、議題の1、2の二つの御報告に対して質疑をさせていただきたいと思います。御意見のある方、お願いいたします。
 
【山崎委員】御説明ありがとうございました。質問は、防衛省さんですけれども、輸送系に関しまして、特に即応型小型衛星の打ち上げなどに関する方針は今のところどのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

【北岡室長】御質問ありがとうございます。御質問の即応小型衛星につきましては、宇宙基本計画等で開発が内閣府等で進められていると認識しておりますけれども、我々として一番具体的な方針といたしまして最初にあるのは、我々自身が実際に、今はXバンド衛星ということで3機持っていますけれども、我々自身が必要な衛星の能力、そして、そのために必要なスペックといったものをしっかり固めて、若干抽象的な言い方で申し訳ないですけれども、それをどのようにカバーしていくとか、それはいろんな考え方がありまして、例えばメガコンステレーションという話が盛んですけれども、数をたくさん打ち上げて、それによって何か事が起きたときに粘り強さを持たせるとか、すぐ打ち上げて、かわりのものをすぐ打ち上げられる体制をつくるのか、それは全体の損得ですね、そういったこともいろいろ見つつ考えていかなければいけないので、先ほど申し上げた話とかぶるのですけれども、その抗堪性を持たせるための施策の一つとして即応衛星の打ち上げは非常に重要なことであると。そういった観点から、それに決め打ちということはやはり我々としてはなかなか今の段階ではできないわけですけれども、ほかの施策、取り得る施策とのバランス等を見つつ、しっかりと検討を深めていきたいと。
 もっと端的に言いますと、我々自身のニーズを、例えば先ほど浅井様から御説明のあった民間の方とかいう、今正にロケット打ち上げの事業は民間でも進んでおられますので、そういった方々との意見交換等も深めつつ、我々自身のスペックという言い方はあれですけれども、必要性、必要というのもしっかり深め、そして打ち出していかなければいけないのかなと思っております。
 
【山崎委員】どうもありがとうございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。そのほかございますか。お願いします。
 
【石井委員】防衛大学校の石井由梨佳です。貴重な報告いただきましてありがとうございました。
 浅井室長と北岡室長それぞれ1点ずつ御質問なのですけれども、まず浅井室長にお伺いしたいのは、最後のところで、日本として輸送の自立性を確保していくことが大事だというふうにおっしゃっていたわけですけれども、この自立性というものをどのように考えていけばいいのかということです。
 具体的に申しますと、ここでの議論は主に日本におけるロケット開発を進めていって、自前で国内のロケットを買って打ち上げる、必要な衛星等を打ち上げるようにしていきたいという方針が一つあると思っていまして、それ自体はもちろん賛成なのですけれども、別のオプションといいますか、例えば外国からロケットを買って打ち上げることができるのか、まあ、もちろんできるのですけれども、それをどの範囲で認めたらいいのか。逆に絶対国内でなければいけない範囲というのはどこなのかということを考えていく必要があるのだろうというふうに思います。
 そうすると、必然的に日本の国内のロケットがどのくらい国際的な競争力を持っているのかということも考えていかなくてはいけないと思うのですけれども、そういった点も含めまして、自立性を確保するといったときに、外国からロケットを買って、それを日本から打ち上げるというオプションをどの範囲で供用できるとお考えなのかをもう少しお伺いできれば幸いです。
 同じく北岡室長についても、かぶるのですけれども、正に何かあった場合に自前で対応できるようにしておきたいということは当然必要だと思うのですけれども、その場合に、全部日本でやれるのかということ、やらなくてはいけないのかということを考えなくてはいけないと思うのですね。その点、100%日本でやる必要がどこまであるとお考えなのか、少し御教示していただければ幸いです。
 
【浅井室長】ありがとうございます。まず私の方から簡単に、個人的な見解も含むわけなのですけれども、申し上げると、やはり自立性という場合の恐らくイメージとしては、日本でロケットを打ち上げて衛星を軌道上に持っていきたいといったときに、それが日本みずからの意思でちゃんとできるということが大事かなと思っておりまして、正に防衛省さんが持っている衛星、あるいは情報収集衛星等、いろんな安全保障にも非常に重要な役割を果たしている衛星というのはあるので、これを海外のロケットに依存、絶対してはならないというふうにはあれですけれども、やはり日本が自前で打ち上げられるというのは非常に重要かなと思っております。
 そのためには、もちろん技術開発等、これまで文科省さん、JAXAさんが中心になって行ってきたので、非常に多くの予算が割かれているわけなのですけれども、実際に打ち上げるときに、安全保障上重要な衛星だけを打ち上げるというのは、これはこれでまた非常にもったいない話なので、せっかくそういう技術基盤が確立されたのであれば、それをできるだけ今後の、国費という言い方があるのかどうかわかりませんが、できれば民間の活力もうまく活用して、商業衛星の打ち上げもロケットを使って行うことによって、結果的に産業基盤的にも回っていくというような姿が理想的なのだろうと思っております。そういう意味では、今のアプローチが決しておかしいことではないのかなと思っておりまして、非常に限られた予算の中、よくやっていると個人的には思っております。
 ただ、じゃあ海外のロケット、海外の衛星を日本がちゃんと受注して打ち上げるというところまで来ているかというと、ここはもう一段努力が必要かなと思っておりまして、これは企業の努力だけではなくて、国としてもそういう海外事業展開をしっかりサポートしていきたいと思っておる次第です。
 なかなか明確な線引きというのは難しいわけなのですけれども、やはりビジネスとしてちゃんと回っていくということが、結果的に日本としても、いついかなるときでも打ち上げたい衛星を打ち上げられるという力をちゃんと維持強化することにつながるのだろうなと思っているので、そういった観点でも経産省としては海外受注を獲得するようなサポートというのをしていきたいと思っております。
 
【遠藤主査】お願いします。
 
【北岡室長】防衛省でございます。
 今御質問いただきました件につきまして、自立性というのが一つのキーワードなのかなと思っておりますけれども、そこにつきまして、要はどこまで日本でやるのかという言葉があったと思うのですけれども、まず、そもそもの方針としましては、防衛省・自衛隊としては、2+2とかでもお話がありましたけれども、同盟国である米国と宇宙分野に関する協力はしっかり深めていかなければならないと。2+2の文言にありますように、ホステッドペイロードをはじめとする施策にしっかり取り組んでいこうということでございますので、ここは宇宙分野に取組については日米同盟を基本としたというふうにはまずあるのかなと思っております。
 その上で、それが先ほどちょっと申し上げたとおり、一緒にやるということ、ホステッドペイロードということは、我が方の衛星に向こうが乗る、向こうの衛星に我が方が乗る、いろいろパターンはあるのですけれども、それにつきましても、一緒にやるということで、それが一つの抑止という話というのが出てきますので、いわゆる準安全保障政策的にも必要な方策であるのは間違いないと。一緒にやること自体は正に重要であるということは認識の上でなのですけれども、一方で、コアとなる部分というのは、自立性ということ、我が日本も主権国家でございますので、そのコアとなる部分というのは確保しなければいけないことなのですけれども、そこにつきましても、実際にコアとなる部分がどの範囲なのかということについては、すみません、抽象的な話なのですけれども、どの範囲まで一緒にやっていくのかということを見つつ、テーマを決めていかなければいけないのかなと思っていると。
 そういう意味では、例えば一つの例として、コンステレーションの低軌道コンステレーションという話がいろいろございますけれども、そういった話については今民間でも非常に取組が進んでおりますし、あと米国も先日、SDA、宇宙開発庁がいろいろ計画を打ち上げているということですので、そういったところについての我が国としての活用の仕方といった話については、諸外国との共同というのは必要だと。
 また、SSAにつきましても、これも今うちが正に一生懸命取り組んでいますけれども、これはやはり諸外国との協力なくしては絶対に無理な分野でございますので、しっかりやっていかなければいけないということですけれども、それ以外の、例えばいろんな分野があります。通信とかございますけれども、通信とかも全てが全て我が国だけでその分野だけ一本化でやるというよりかは、ある程度の分野は深めに、ある程度の分野は浅めにといったところについては、やはりいろいろ検討していくと見えてくると思いますので、そういったところについて防衛省・自衛隊の予算というのもきちんと選択と集中ということは必要なのかなと思っているという次第です。
 若干抽象的な話で申し訳ないのですけれども。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。それでは、永田先生。
 
【永田主査代理】正にこの自立性に関する話なのですけれども、自立性確保という言い方の持つ意味というのが、宇宙輸送に民間企業がどんどん入っていくに従って変わってきているのではないかという気がしています。昔は宇宙輸送というのは国がやることだったので、我が国としてもそれは持っていなくちゃおかしいという意味ですごく説得力があった言葉なのですが、昨今、SpaceXをはじめとして民間がどんどん打ち上げビジネスに入ってくるというときに、国として何で持ってなきゃいけないのかという、またそういう方向からの説明も必要になってくると思います。
 海外なんかは、国として持っていなきゃいけないというのは、これは安全保障のために持っていなければいけないという位置づけになっているので、それに伴って我が国の自立性確保という説明も、だんだん安全保障のために持ってなきゃいけないのだという意味にシフトしていかざるを得ないと思うので、その辺のところを見据えた説明の仕方というのを今から考えておく必要があるというのが一つ。
 あと、もう一つが、海外のロケットビジネスをやっているところというのは、基本的には安全保障の潤沢な予算の中でロケットを開発してきた、その豊富な人材がどんどん流れてきていて、それを基盤としてすごく強力な会社を立ち上げているという中で、ロケットの打ち上げというのは、主体は民間でやりますよという世界になってきたときに、日本の打ち上げビジネスの会社がそういう海外の会社と肩を並べて戦っていけるのかというのが非常に課題であります。そういうところを盛り立てていくためにも、国は先陣を切って新しいロケットをどんどん開発していかなければいけないという位置づけもあるので、我が国の宇宙輸送ビジネスに人材を供給するという役割もすごく大きいと思うのですよね。それが今丸1から丸4の中にメーンには書かれていないので、是非そういう役割も盛り込んでいただいて、我が国の宇宙輸送ビジネスが消えないような、その役割を国が果たす必要があるのではないかということも入れていただけると有り難いかなと思います。
 
【遠藤主査】御意見ありがとうございます。今の問題提起については、後ほど。もうちょっと先へ進めてからまたお願いいたします。
 よろしいでしょうか。次の議題に移らせていただきたいと思います。
 次は、議題の3です。宇宙輸送系の取り巻く状況と将来に向けた今後の取組方策についてということで、JAXAの考える将来に向けた宇宙輸送の今後の取組方針について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】JAXAの沖田と申します。1回目、2回目でこれまでの国内の状況、それから海外の状況等を御説明させていただきました。今回は、今後の取組方策といったところで御説明させていただきます。
 次のページをお願いします。
 まず、状況認識としまして、宇宙輸送基盤の保持に関する各国の動向ということで、我が国においては、宇宙開発利用の根幹である我が国の自立的持続可能な宇宙輸送システムを確保してございまして、様々な安全保障目的の衛星等を打ち上げてきていると。
 米国では、空軍を主体としたNational Security Space Launchプログラムという、旧EELVのプログラムですけれども、国主導の宇宙へのアクセス手段確保施策、それに加えて、NASAの商業宇宙施策のもと、ロケット開発事業化を推進していると。
 欧州、ロシア等においても、国主導の政策のもとで基幹ロケットの開発及びその維持を実施しているというのがこれまで御説明していたところだと思います。
 昨今、特に米国の新興企業は、政府衛星の獲得と併せてシェア獲得優先で進めているのが特徴でございまして、商業打ち上げ市場は過当競争領域になるおそれも考えられると。
 こうした状況下の中でも、各国とも将来の宇宙輸送システムに向けた中長期的な戦略的な研究開発に取り組んでおりまして、革新的イノベーションへの挑戦を推進しつつ、次世代を担う人材の育成にも貢献していると。
 二つ目としまして、民間事業者による宇宙輸送事業の立ち上がり、これは宇宙先進国各国と同様に、国内においても新興企業による複数の民間企業が宇宙輸送事業を立ち上げ推進してございまして、我が国の宇宙輸送産業拡大に貢献するために、JAXAもJ-SPARCの取組にて連携を模索しているところです。
 それから、三つ目の状況認識としまして、月探査を第1ステップとした宇宙探査活動の構想実現化の動きが活発化していると。米国では、2024年の有人月面着陸、2030年代の有人火星着陸を目指すアルテミス計画を発表していると。同時に、我が国でも国際宇宙探査計画への参画を決定し、宇宙輸送関係では、HTV-X/H3ロケットによる月周回有人拠点、Gatewayへの物資・燃料補給ミッションで貢献する計画と。また、将来的な月・火星探査構想検討においても、輸送需要の増加が見込まれる状況と考えてございます。
 四つ目です。宇宙利用活動の広がり、及び宇宙領域の戦略的重要性の高まりということで、まず一つ目は、先ほど経産省さんからも御説明ございましたけれども、他分野から独立していた時代から、国民生活にデータを介して不可欠なものになって、宇宙の果たす役割は飛躍的に増大しているものと。衛星コンステレーションによる民間事業など新たな価値、ビジネスを創造する動きが加速しているものと考えてございます。同時に、これは防衛大綱ですけれども、宇宙は我が国として優位性を獲得する上で死活的に重要な領域と識別されてございます。米国においても、国防総省による宇宙軍を新たに創設することを決定していると。一方、宇宙環境の観点からすると、スペースデブリの増加が宇宙空間の安定的な利用への脅威になるとの国際的な共通認識のもと、対策の取組や規範づくり等、検討・議論が加速しているという状況です。最後に、民間宇宙活動が活発化する中で、安全保障用途を含めたデュアルユースとして、宇宙空間の利用・技術、その価値が多様に変化していくとともに、国が主体となる活動が広がっていくということも想定されるものと考えてございます。
 五つ目です。将来輸送系の研究開発の取組としまして、米国の民間企業SpaceXによる1段ステージ再使用の実用化が進む中、米国、ヨーロッパ、中国で同様に1段再使用化の研究開発が活発に行われてございます。ただ、いまだに抜本的な輸送コストの低減につながる技術革新、研究開発成果が創出されているとは必ずしも言えない状況ではないかと考えてございます。というのも、現状の市場競争ではマーケットシェア拡大戦略に併せて行う大量生産、垂直統合等のコストダウンの取組が主で、SpaceXの1段再使用についてはその効果がいまだ我々はまだ不明と考えてございます。
 六つ目です。重要なポイントだと思っております。人的基盤の維持・拡大の必要性ということで、将来輸送系のような研究開発は既成概念にとらわれず、次世代を担う若手研究者、エンジニア、広く内外有識者などの多様な交流を実現する環境の醸成が重要と。これによって技術革新のポテンシャルを高め、長期にわたり様々な挑戦に取り組んでいくことが可能になると考えてございます。今後、我が国の産業科学技術基盤を支える人材の育成・確保の施策推進が急務というのが現状認識だと考えております。
 これを踏まえて、JAXAとして基本的な対応の考え方としまして、最初は、我が国宇宙政策の実現、宇宙輸送産業の確保としまして、まず各国は、宇宙への自立的な輸送手段として、直接的・間接的に主力となるロケットを政策的に維持・発展させてございます。我が国としても、宇宙空間への自立的なアクセス手段を確保し続けることは引き続き維持すべき重要な施策と。基幹ロケットの維持・発展を通じて、そのアクセス手段を継続的に保持していくとともに、我が国の宇宙輸送系全体の産業、科学技術基盤を支えることが重要だと考えてございます。
 上記を踏まえまして、一層激化する国際競争、多様化する需要、宇宙環境課題等、デブリ等に対応し、JAXAは基幹ロケットの国際競争力の強化などに必要な研究開発の取組を継続的に進めていく必要があると。また、国際宇宙探査をベースとした人類の活動領域の拡大活動に際しても、基幹ロケットとして将来的なニーズに技術で効果的に応じられるよう研究開発を進めていきたいと。
 同時に、地球周回軌道は、市場原理をベースによる民間による競争力強化、低コスト化、あるいは技術革新等の活動が活発に行われてございます。今後期待できる領域だと考えておりまして、意欲を持って挑戦しようとする民間活力を最大限発揮し、我が国宇宙輸送系全体の産業、科学技術基盤の発展に資していくために、ベンチャーを含む産業界のチャレンジを、JAXAは積極的に事業化を支援していきたいと。単純に技術を支援していくのではなくて、ベンチャーさん、産業界がどんどん自立していく方向にしていくために事業化を支援していきたいと考えてございます。
 二つ目になります。宇宙輸送システム、将来宇宙輸送システムの研究開発に対する考え方です。これまでのJAXAの活動は、宇宙輸送システム長期ビジョン等を踏まえ、将来の選択肢となる複数の有望技術について、実用化に向けた技術成熟度を着実に向上させてまいりました。特にエアブリージング技術は安全保障関連機関との連携、再使用技術についてはCALLISTOを通じて国際連携にて効率的かつ着実に進めていくと。LNGエンジン技術については既に世界最高レベルの技術に達していますけれども、今後実用化を見据えた具体的なアプリケーションの検討が可能な状況になっていると。
 他方、抜本的な輸送コストの低減を実現するためには、既存技術の延長線上にある技術の発展のみならず、やはりブレークスルーを起こし得る新たな要素技術の創出が必要と考えてございます。その際には、異業種、異分野連携によるイノベーション創出がキーと。
 今後の取組としましては、宇宙輸送システム長期ビジョンに提示されたマルチパスアプローチを基本として、以下の柱を推進していきたいと。一つ目は、将来の選択肢となる複数の有望技術の発展に資する研究開発、二つ目は抜本的な輸送コスト低減に資するイノベーション活動。これは異業種・異分野との連携がしやすい環境を醸成し、先端研究を推進すると。これらの取組によって先端技術の獲得、更なる高度化を進めるとともに、将来の需要動向、技術動向を踏まえて、時間軸を意識しながら次世代宇宙輸送システムの実現に向けた選択と集中を図ってまいりたいと考えてございます。三つ目です。これまで御説明したものをどのような体制で進めるべきかといったものを考えてございます。
 JAXA、民間の有機的な連携の中で共通的な技術戦略を共有しながら、各々が成果の最大化を図ることが重要と考えてございます。協調領域と共創領域の区別・推進、そういったものが基本と。こうした実施に当たっては、宇宙開発利用を技術で支える中核的実施機関であるJAXAが当該連携の中心となりまして、戦略的に研究開発をマネジメントする方策を提案したいと。革新的宇宙輸送技術の共創体制と。その際、人的基盤の拡大も目的として明確に位置づけを進めていくと。
 重要共通技術として以下の三つを横軸の取組として展開していきたいとしまして、まず一つ目は基幹ロケットの競争力強化、多機能化に関する研究開発、二つ目は民間事業者による宇宙輸送システム開発・その支援、三つ目は将来の革新的宇宙輸送システムの構築に向けた研究開発ということです。特に、国際市場動向として低価格競争が一段と厳しくなっていく中、基幹ロケットのコスト競争力強化は喫緊の課題と。上記取組を速やかに推進すべく、民間との共創環境の構築を図りたいと考えてございます。
 ちょっと次のページ、8ページに飛びます。これが革新的宇宙輸送技術の共創体制と。目的としましては、我が国の宇宙輸送システムの自立性確保・安全保障政策等を支える活動というのが一つの目的。二つ目としまして、産業界による宇宙利用の拡大・産業の発展と、こういう大きな二つの目的のもと、この革新的宇宙輸送技術の共創体制というのを産学官連携で構築していきたいと考えてございます。左側が国・JAXAの事業といったもので、戦略共有、連携強化していくと。右側が民間事業と。ここの戦略共有、意見照会等、ここの戦略共有については、技術の分野で言えば、各々共有できるもの、共創で実施できるものと、競争、いわゆる競ってよりよくしていくもの、2種類のものがあると承知してございまして、そういったものをうまく連携していきたいと考えてございます。
 次のページにどういう具体的な実施体制かというのを示してございます。基本は、技術ロードマップといったツールを用いて、上流から宇宙輸送技術戦略と、これは政策的、それからマーケット的な戦略からロードマップを設定して、民間事業者と、それから技術を解決したいという企業、大学、ここにはJAXAも加わって、研究計画の実施等をJAXAの技術マネジメントのもと推進していくということで、国による方針に基づくJAXAを中心とする技術マネジメントをベースとした参画企業、大学等の成果共有のためのグループを構築して、10年先を見据えた技術ロードマップを民間の意見も踏まえながら策定、共有しながら進めていくということを考えてございます。
 三つ目、次のページをお願いします。技術戦略の方向性、これはまだ案でございます。自立的アクセス手段を確保するための安全保障、月探査等の需要対応、及び継続的な国際競争力の強化に向けた現有技術の改善・高度化にかかわる研究開発、これが青いコラムになります。長期的な技術革新を視野に入れた抜本的なコスト低減に資する研究開発、これが右の緑のコラムになります。こういった両輪を回しながら、低コスト化技術、多機能化技術、デブリ化防止技術、共通基盤技術、こういう横の技術と連携して技術ロードマップを維持、それから立案していきたいと考えてございます。
 もう一度7ページに戻りますけど、こうしたイノベーションを目指した以下のプロセス、これはニーズ、それからアプローチ、それからベネフィット、それから競争ですね。優位性。そういったものを考えながら技術ロードマップをセキュリティ・知財管理のもと、参加企業と共有しながら推進してまいりたいということで、最後に11ページになります。
 こうしたいわゆる取組方策、それから方向性に対したものを1枚の図にまとめたものがこの技術戦略の方向性案ということで、まずH3、イプシロンのところからスタートしまして、各々の技術をいわゆるマルチパスアプローチで熟成させながら、1段再使用化、及び上段再使用技術、これは部分再使用化ですけれども、こういった技術の獲得を行いつつ、基幹ロケットの低コスト化、多機能化、デブリ対策に貢献していきたいと。
 最終的には、完全再使用化を目指したところで、選択と集中、いわゆる一本化ですね、SSTOの実現に向けた、いわゆる航空機以上の運用性の実現とか、将来の有人輸送にもつながり得る高頻度大量輸送、航空機の繰り返し運航等を目指して、競争力のある自立性の非常に高い持続的な輸送システムを構築していきたいと考えてございます。
 最後に、15ページ、16ページに再使用技術の取組の意義と今後というものを加えてございます。お読み取りください。
 説明は以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。本日のJAXAからの御説明は、今後の将来輸送系に対する進め方というか、研究開発体制に対する御提案というか、御説明だったというふうに理解をしました。
 とは言いながら、JAXAさんは我が国の中では宇宙の研究開発の中核機関と位置づけられていますので、ここでどこまで議論するかはともかくとして、JAXAさん自身の強み、日本として強みを発揮するにはこういう方向性だというような議論も、できれば次回あるいは次々回に是非やっていただければと思います。
 質疑をさせていただきますが、今日は、ということで、どちらかというとJAXAさんの御提案は研究開発を国全体としてどういう形で進めていくべきかというような御報告だったと思いますので、そういう点で御意見いただきたいと思います。

【神武委員】ありがとうございます。イノベーションという言葉が出ていて、非常に大事だと思うのですけれども、やはりコメントいただいたように、何もかもオープンにするというわけにもいかないでしょうから、オープン・アンド・クローズをちゃんと考えてイノベーションを適切なパートナーと一緒にやるということでいろいろなことが生まれると思っております。
 そう考えたときに、もう既にやられている部分はあると伺っておりますが、防衛省さんとJAXAさんの間での技術交流、人員交流というところは非常に重要だと思っております。防衛省さんの方も、例えばミサイル技術とロケット技術は非常に重なるところがあると思っていまして、ミサイルをつくるということではないとしても、敵国のミサイルを理解するためにはロケットの技術を理解することは大事だと思っております。私の質問としては、そういうところが、ここでどれくらいコメントできるかは可能な範囲でというところだと思うのですけれども、そのあたりのイノベーションといったところで、防衛省さんとJAXAさんにおける、ある意味技術という意味では同じわけですから、そこがうまく機能することによって、科学技術という意味でも日本が発展していくという意味では重要なことだと思うのですが、そのあたりで可能な範囲でコメントいただければと思います。若しくは、既にやっていますということであれば、それでもお願いできればと思います。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】今現在、1回目の御説明でもさせていただきましたが、エアブリージングエンジンについては、防衛省さんとの共同研究等を附属書、いわゆる協定のもと進めているところはございます。さらにSSA関係も共同で開発等をやらせていただいてございます。
 一方で、先ほどイノベーションというキーワードで御質問ございましたとおり、今、やはり宇宙のニーズと防衛のニーズがちゃんと合ったところでイノベーションを目指さないといいものにならない、そういった意見交換を進めている段階というところでよろしいでしょうか。
 
【神武委員】ありがとうございます。そういうことをやっていく中で、なかなか越えなければならないような規制ですとか、ルールですとか、そういうところがどれぐらいあるのかを、もしあれば教えていただければと思うのですけれども。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】飽くまで個人的な意見ですけれども、やはり感じるのは、大学ですね。技術を持った大学がなかなかそういったところに参画できないと。我々、長いつき合い、いわゆる大学のある領域が丸ごと手伝いたいといったところがあったとしても、安全保障が絡むというと、さっとみんないなくなるというところが非常に歯がゆいと。
 ただ、技術としては同じニーズで、デュアルユースと、大事な技術、技術自体は数学とか物理と同じように全く違いはないわけで、そういったところで、ただ使い道がちょっと違うだけでそういった状況が起こり得るというのはちょっと歯がゆい、非常に大きな課題かなと個人的には思っております。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。北岡さん、いかがでしょうか。何か御意見あれば。
 
【北岡室長(防衛省)】防衛省の北岡でございます。
 JAXAさんとの間では、正に今お話ありましたとおり、意見交換はかなりやっておりまして、私、この部署に来ましてからも非常な高頻度で打合せ等もさせていただいています。そこで、先ほども申し上げたのですけれども、我々自身のニーズをもっときちんと伝えるということの重要性というのをひしひしと感じているので、そこはやっていきたいと。
 そこで、先ほど御提示があった意見交換に関して、何か制度的という言葉はあれかもしれませんけど、あるかといいますと、そこはちょっと感じるのは、これは防衛省に限った話ではないのですけれども、安全保障という観点にはどうしても情報保全が大事でございまして、それに関しては、いわゆる各種法令、法律等が成立している。防衛省の中でもいろんな規則がございまして、そういったときに、要件的に、いわゆる機密とか、そういったところを話すときにはいろんな手続がございまして、そういったところをきちんと詰めておかないと、もっとフランクな議論ができないところがあるので、そこはJAXAさんに限らないのですけれども、いろんな方ときちんとそういう準備を進めた上で、資格という話ではないのですけれども、それなりの準備をした上でやりましょうということをやっていくことが大事だなと感じています。
 これは正に我々の方のニーズをしっかり伝えるというのをいろんなところとやっていけば、自然に、あ、こういうところが抜けていましたね、じゃあ準備しましょうかという話が見えてくるので、そこは時間が解決するところとは思いつつですけれども、その前提としてニーズをしっかりいろんなところに伝えていくということかなと思います。
 あと、ミサイルという話もございました。この場だからというわけではないですけれども、我々が非常に注目というか、大事に思っているのは、H-ⅡAさんとか、今度出されるH3さんとか、イプシロンさんとか、いろいろやっておられるのですけれども、輸送の機能というのが別途大事でして、宇宙に物体を上げるという輸送機能をどういうふうに我々として必要としていて確保していくのかという観点の関心が非常に高うございます。そのロケット技術という意味でもあるのですけれども、その前提として、昨今、これは私の個人的なことでございますが、いろいろな脅威がございますけれども、見ることがなかなか困難になってきているというのがあって、我々としていろんなところを見ているわけですけれども、そうすると、向こうも技術が進歩しているわけですから、なかなか見ることができないといったときに、それを見る一つの手段として非常に重要なのは宇宙から見るということでございまして、それは地上から宇宙を見るSSAみたいな話もあるのですけれども、それはちょっと置いといて、宇宙から見るためには宇宙に何かを上げなければいけない。何かを上げるときに宇宙輸送システムというのは不可欠ですから、そういったところで、我が国が持っている宇宙輸送システムがどれだけのキャパシティがあって、どれだけの頻度で対応できるのかといった話とかをもっと今後しっかり進めていかなければいけないなと。
 そういうのが、今まででしたら宇宙基本計画という非常に長い、長いスパンと言ったら失礼ですけれども、ある程度順繰りにということもあったのですが、今後その期間がどんどん狭まってくるということは当然予測されるので、狭まってきて、我々として余り時間的余裕がないのだという状況が来たときに、どこまでこの宇宙輸送システムの基盤がお応えいただけるのかということも見極めていかないといけないという感じでございますので、そういった意味での輸送技術としてのロケットというのに立ち戻って、我々はもっと議論を深めていかなければいけないというのを最近感じているところでございます。
 
【神武委員】ありがとうございます。私の研究室にいる一人の学生が、防衛省・航空自衛隊一等空佐の方で、SSAと人工衛星のデュアルユース、安全保障と民生利用というので博士論文をとりまして、スペースポリシーというところで、日本の状況におけるSSAのデュアルユースというジャーナルを書いているのですけれども、そこで思ったのは、安全保障分野の方と民生利用の方が共に議論しながら学術的な成果を出していくということの価値でありまして、それは両方にとって非常に意味のあることだなと思ったのですが、やはりそこでアンタッチャブルだったのはロケット技術というところを研究テーマにするというのは非常にまだまだ難しいというところはあったのですが、いずれにせよ、JAXA、宇宙分野の方と安全保障分野の方があるルールの中でつながっていくというのは非常に重要だと思っておりまして、それは意見なのですけれども、ありがとうございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。もう1問だけ誰か御意見あれば。
 
【有田委員】すみません、先ほどの件なのですけれども、浅井室長にちょっと御質問です。先ほどのプレゼン10ページのところで、民生品を活用したロケットによって競争力を強化する、民生品を活用することによっての競争力を強化するというくだりがありましたけれども、実は、H3ロケットでは正にここを進めておりまして、システムの部品に車載用の部品を使うということで、これは部品全体の8割から9割を車載部品にすることで、かなりなコスト低減ができました。一方、残った1割、2割のところのものは、部品は宇宙用を使わざるを得なくて、これがやはり高くて、まだ全体としてのコストダウンに苦労しているという状況があります。
 また、車載部品はとても安くて高品質で、多分、稲川さんが秋葉原で買われるものよりも安くて高品質だと思われるのですけれども、ただ、一つ課題があって、いわゆる寿命というか、サイクルが非常に短くて、すぐ枯渇してしまうということで、すぐ仕様が変わってしまうというのが悩みでありまして、そこのところが課題になります。
 といいますのも、宇宙空間に出ていくロケットや衛星については耐放射線性というのが非常に重要になりますので、耐放射線性のデータというのをとって、この部品が宇宙空間で使えるかどうかという見極めが非常に重要で、それを証明するために非常にお金がかかるということになっています。今のH3においては、三菱重工さんにそのデータベースの維持ということを運用ベースも含めてお願いするという形にはなっているのですけれども、やはり1社でこれを維持していくというのは非常に重荷であるというのが実態であるのと、それから、この耐放射線性を持った部品のデータについては、ほかのロケットですとか、ほかの衛星ですとか、そういったものも使いたいという声が実際に寄せられています。
 こういったものをJAXAが、いわゆる技術開発としてそのデータベースの維持というのにはなかなか取り組むことが難しいのですけれども、こういったところを経産省さんが昔から主導されてそういう活動をされてきたというふうに思うのですが、そういうところを今後拡充させて、是非H3でできたデータベースを活用していただいて、日本の宇宙産業全体がそれを活用できるような、そういうシステムづくりという形でサポートしていただけるような道があるかどうか、その辺ちょっとお伺いしたいのですが。

【浅井室長(経済産業省)】ありがとうございます。手短に。
 まず、データベース自身はもう既にある程度整備がされていまして、九工大のチョウ先生のところに御協力いただいて、データベース、こういう民生品が宇宙空間で使えましたというような実績をリスト化して提示はしております。
 ただ、正にこういうデータベースが必要だというのは我々も重々承知しているのですけれども、やはりこういう民生品が使えますとかいうのは、ある種、営業秘密というか、ノウハウみたいなところもありまして、じゃあこういうデータベースがあるので、日本の宇宙産業にとってもメリットがあるので是非載せてくださいといって載せてくださるのは、大抵大学の研究室とか、そういったところが載せてくれて、やはり企業からすると、これが正に自分たちのコスト競争力を維持するための方策だったりするので、他社がこういう民生品が使えるということがわかると、じゃあ、それを使ってもっと安いものをつくろうということになってしまうので、これはなかなか進まないというのが課題かなと思っております。
 ですので、民生品を宇宙用に活用するというときには、正におっしゃるとおり耐放射線というところがすごく重要かなと思っていまして、その部分は、例えば地上で当然検査をするわけですけれども、こういう検査とか、こういう負荷をかけても問題なく動けば、それはきっと宇宙空間でも問題なく動くでしょうと、そういう関係性というか、そこを明らかにするのがコアかなと思っています。これは多分今までもずっとやってこられたのだと思いますけれども、正にこれまでの宇宙でのいろいろなロケットや衛星を運用してきた経験というのが生きてくるかなと思っていますので、そこを本当は国として共通基盤的な技術として持っていくというのが個人的には重要かなと思っております。
 ですので、民生用部品がどんどん使われつつあるというのは非常に望ましいことですが、宇宙はどうしてもロットが少ないので、別に我々は宇宙のこの電子部品をつくっているわけじゃありませんみたいなメーカーも多いものですから、なかなか宇宙用という形では進んでいかないのですけれども、民生用であってもこういうプロセスを経れば宇宙でも使えますというのが技術、ノウハウとして確立されてくると、非常にコスト競争力も上がっていくのかなと個人的には思っています。
 
【有田委員】ありがとうございます。大体どのように使えばいいかというところまではできていると思っていまして、ただ、枯渇したときにまたその試験をやり直すというところに非常にお金がかかると。ここは是非、敵は世界であるということを考えると、オールジャパンでいかに取り組むかというところが企業さんも含めて大事なんじゃないかなと思いますので、できればそういう観点でサポートいただけると有り難いなと思います。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。
 今日は、事務局にお願いしまして、皆さんのディスカッションの時間をなるべくたくさんとろうということで、まだ御意見あると思うのですが、この後、まとめてディスカッションの時間をとりたいと思います。
 それで、そのディスカッションに入る前に、ディスカッションの材料として、今日までの間御議論いただいたところを踏まえて、将来宇宙輸送システム小委員会の議論の方向性についてということで事務局にまとめていただきました。現状認識あるいは課題、今後の議論の方向性というような点で、議論のスタートポイントとしてそれをお聞きいただいて、それを踏まえて皆さんで、30分程度時間をとらせていただきたいと思いますので、事務局の方から最初によろしくお願いいたします。
 
【原田企画官(事務局)】ありがとうございます。資料3-4を御覧いただければと思います。
 本日、これまでのJAXAの説明であるとか、あるいは委員の先生方、また、外部の民間企業の方、有識者の方から様々な御説明いただきまして、また、これまでの当委員会におけるコメントなども踏まえつつ、さらに、本日、経済産業省様と防衛省様からも御発表いただいたところなのですけれども、そういった内容を若干先取りするような形で、これまでの議論の内容を若干私どもとして整理をさせていただき、今後の議論の方向性ということでたたき台とさせていただければと思っております。
 また、皆様御承知のとおり、現在、宇宙基本計画の改定の議論が現在内閣府を中心として進められておるところでございます。こちらの方、基本施策部会というところで、本小委員会のメンバーでもいらっしゃる石田委員と山崎委員にも御参画いただいているというふうに承知しておりますけれども、本小委員会は、もともと宇宙基本計画の工程表におきまして、再使用型宇宙輸送システムを含む再使用という形での研究開発方策ということで宿題を頂いた上で設置をさせていただいておりますけれども、当然最初の方に本小委員会の議論の前提として申し上げたのは、再使用型だけではなく、将来の宇宙輸送システム全体を捉えながら考えていかなければいけないのではないかということで、これまで様々な情報提供であるとか意見交換をさせていただきました。
 基本計画の議論がございますので、それで、今正に骨子の議論というのが先日内閣府の方でも行われたところです。本小委員会のこの議論の状況を一旦内閣府の方に私どもから、3月上旬になるかというふうに予定を想定しておるのですけれども、一旦インプットさせていただきまして、次の宇宙基本計画の案がまとまるのは、およそ3月の末にパブリックコメントにかけるといったことと、そういったスケジュール感もございまして、本小委員会の最終的な取りまとめは年度明けを想定しております関係で、若干そのタイミングがずれることから、一旦ちょっと本日の方向性、大きな方向性を御議論いただいた上で、事務局から内閣府の方に基本計画の検討の方にインプットさせていただければと思っております。そのための資料としまして、資料3-4を御用意させていただきました。
 1ポツを御覧いただければと思いますけれども、これまでの小委員会の議論ということで、本日もいただきましたし、あるいは石田委員であるとかJAXAの方からも御紹介いただきましたけれども、世界的に宇宙関連産業が拡大している、また、戦略的な空間としての宇宙領域の重要性、これは正に防衛省さんからも御発表がありましたし、JAXAさんからも指摘があったような安全保障上の重要性であるとか、あるいはデブリの問題等もありますけれども、こういった中で、宇宙輸送システムといったものは、北岡室長からもありましたけれども、そもそも宇宙へ運ばないと何も始まらないということで、あらゆる宇宙開発の根幹であると。そのためには自立性の確保が継続的に重要だと考えております。
 このため、我が国では基幹ロケットの開発などを進めてきました。運用も進めております。さらには、CALLISTOに代表されるような国際的な実証も進めておるところでございますけれども、こういった取組によって我が国で宇宙輸送システム技術を担うような研究者や技術者なりが育成され、また、それらの経験・知見が蓄積されてきているところでございます。
 また、その一方ということで、これもメーカーさんなどからも御紹介いただきましたけれども、世界的なメガコンステレーションであるとか、あるいは国策、あるいはアメリカのGatewayに代表されるような深宇宙探査の動き、さらには様々なビジネス活動といったものが出現すると言われている中で、打ち上げの市場環境といったものの激変しているところでございます。
 そういった中で、国内においても、そういった市場の変化を捉えた民間事業者があらわれていて、様々な宇宙輸送サービスが民間ベースで進められているところでございます。
 また、各国でも基幹ロケットのシステムの維持、米国、ヨーロッパあるいはロシア、中国でもそうですけれども、そういったものの維持・発展が努められておりますし、SpaceXに代表されるような価格戦略も含めて、国際競争はかなり激化しているといった現状もございます。そういった中で、宇宙輸送システム技術の基盤をしっかり充実・強化をしていく必要性であるとか、あるいは将来市場の獲得に向けた、将来宇宙輸送システムの実現に向けた研究開発を様々な国が実施しているといった現状がございます。
 これまでいろいろ頂いた情報、こういったところの議論ということで、そのように宇宙輸送システム技術の自立性の確保といったところはどの国も国際的には行われていますけれども、当然のごとく官民の適切な役割分担があるのですが、国家の適切な関与が行われておりまして、そういったものが必要だという議論が行われてきたと承知をしています。
 さらには、様々な宇宙活動が想定される中で、拡大が期待されている市場の獲得を目指す、要は市場をとれるような革新的な将来宇宙輸送システムを目指していくことが必要なのではないかということで、小委員会でのこれまでの議論という形で簡単にまとめさせていただきました。
 おめくりいただいて、2枚目の紙となります。現状認識としましては、安全保障や、あるいは気象であるとかGPSなどと言われる、測位のような国民生活に現在密接となっているような、宇宙開発利用の根幹となるような宇宙輸送システムについては、現在、H3ロケットの開発、また、イプシロンシナジー開発などを行いまして、必要となる研究者、技術者などの人的基盤を強化・充実させてきているところでございます。それによって宇宙輸送システムの自立性の確保、併せて競争力も確保して、これまで開発・運用してきているところでございますけれども、こういった技術基盤、人的基盤も含む技術をしっかり維持・強化させて、将来の将来輸送の更なる発展としてどのようにつなげていくかといったところが課題としてあろうかというふうに考えております。
 また、宇宙空間の安全保障などに代表されるような重要性が高まっている。さらには、別の視点では、メガコンステレーションであるとか宇宙旅行などと言われるような新たなマーケットの動き、さらには国際宇宙探査のような宇宙開発利用の動向というものがある中で、これらを支える公共的なインフラとしての役割、さらにはマーケットの変化に対応したような共通基盤としての宇宙輸送システム技術をどのように構築して維持・発展させていくかといったところが大きな課題かというふうに考えています。
 また、将来の拡大が期待されるようなマーケットといったものはあるのですけれども、こちらの方、我が国としてもそういったものを目指しながら、一応本小委員会のミッションでもあります再使用型宇宙輸送システム技術もあるのですけれども、これに加えまして、これまでJAXAなどでも報告いただきましたLNG推進技術であるとか、あるいはエアブリージングなどのような技術も含めて、将来の革新的な宇宙輸送システムの獲得に向けてどのような推進体制、さらにはどういった目標設定だとか道筋、ロードマップの策定などを含む目標の設定であるとか、さらには、そういったものに関して実装化に向けた枠組みの方策といったものに関してどのようなアプローチをかけていくかといったところを、後ほど今後の方向性ということで御紹介をさせていただきますけれども、こういったような課題があろうかというふうに考えております。
 四つ目の丸、このほかということになりますけれども、公共インフラとして宇宙輸送システムを社会的に実装していくに向けては、どのようなルール設定、例えば制度とか、法律のような制度であるとか、あるいは民間の活力を生かしていく場合には、資金調達をしていかなければいけないといったような課題もございますし、それに向けての官民連携方策というのはどういったものが必要になるかといった観点であるとか、JAXAから先ほどございましたし、あるいは経済産業省様からも御指摘いただきましたが、関連産業及び人的基盤をどのように継承、発展、更に拡大させていくことによって、それを新しいユーザー、これは宇宙分野に限らず、非宇宙分野を含むようなユーザー、こういった技術が別の分野の技術に波及していくことであるとか、あるいはそういったところから新しいビジネスの活用が生まれていくように、どういった形でそういったものをつくり出していくべきかといったところが課題かと。
 これまでの宇宙開発は、どうしても宇宙輸送システムに限定された活動が主体ではあったのですけれども、日本の少ない資源の中でどういったものを幅広い分野に波及させていくか、飛躍させていくべきかといったような視点も一つの課題としてあろうかと思っております。
 3ポツ目のところで、今後の小委員会における議論の方向性ということで、次回の骨子の素案というようなイメージではあるのですけれども、こちらの方も本日いろいろ御議論いただきたいと思っています。この方向性としまして事務局から方向性を示させていただいたのが3ポツ以降でございますけれども、まず、H-ⅡA/B、イプシロンロケット、また、開発中のH3ロケットといった我が国が現に宇宙にアクセスできている基幹ロケットシステム技術の高度化を含めて、しっかり将来に向けて継承・強化させていくこと、さらにはその関連技術を将来の宇宙輸送システムへちゃんと進化させていくことをしっかりやるべきではないかといったところが一つ方向性としてあろうかと思っております。
 また、二つ目の丸でございますけれども、将来の政策ニーズ、さらには急変する宇宙市場を見据えながら、それぞれの領域というのは、例えば低領域とか、あるいは宇宙探査といった領域もあろうかと思いますけれども、各領域に対して必要となる将来の革新的な宇宙輸送システム技術の実現をしっかり目指すべきではないかと。そのときには、自立性の確保、また、将来の宇宙開発利用の飛躍的な拡大を行いたい場合には、現在、輸送コストが高いといった大きな課題があろうかと思いますので、将来の宇宙開発利用の飛躍的な拡大であるとか、さらには市場をしっかりとっていくといったときには、この輸送コストをしっかり下げていく抜本的な低コスト化というのが大きなキーワードではないかと考えております。
 めくっていただいて、3枚目でございます。ちょっと丸にはなっていないですけれども、基本的にはレイヤーとしては同じような考えでございますけれども、これらに必要な技術につきまして、平成26年に宇宙政策委員会が取りまとめました宇宙輸送システム長期ビジョンという報告がございますけれども、ここでは三つのパス、水平に飛ぶ飛行機型の輸送システムであるとか、垂直に上に飛ぶシステム、あるいはそのハイブリットといった複数の発展経路、パスが示されておりますけれども、そういったものも参考に、将来の革新的宇宙輸送システム技術の実現に向けました複数の研究開発課題を設定し、それぞれの評価の軸としまして、そのときにおける技術的な成立性であるとか、あるいは実現に向けたコスト、さらには我が国輸送の強み、優位性、さらには将来の拡張性、発展性といったものを踏まえながら、そういった評価軸をベースに進捗管理をしていくべきではないかと考えております。
 そのときには、最新の知見技術、様々な技術といったものが現在あらゆる分野で進んでおりますので、そういった最新の技術といったものも積極的にチャレンジしていくべきではないかと考えております。
 こういった様々な要素が複数絡み合う中で、必要な技術は恐らく一つに絞り込めないであろうといった前提に立ちますと、必要な技術に関して研究開発の発展に応じた段階的な計画なり、道筋、ロードマップといったものを国が中心となって検討して策定すべきではないかと考えております。ここにおける国といいますのは、後ほどまた改めて申し上げますけれども、研究開発、R&Dを担当させていただいております当省が関係省庁と当然連携させていただきながら、民間や大学などとも連携して、そういった道筋を策定していくべきではないかというふうに記載をさせていただいております。
 また、その挑戦すべき技術、工法といったものも幾つかしっかり明確化していかないと、そもそもどこに進めばいいかが不明確となりますので、そういったものも可能な限り明らかにしていくべきではないかといった形で幾つか例示をさせていただいております。
 下から三つ目の丸でございますけれども、このような必要な最新の知見であるとか技術をしっかり獲得をしていくといったこととともに、得られた最新の知見であるとか技術を関連する民間事業者、また、宇宙じゃない分野の関係者の方へ移転して、しっかりその成果を活用し、更にインパクトを与えていくといったことのためには、これまでの宇宙開発というのは、ややもするとJAXAなり、宇宙機器産業のみで進めてきた部分はあるのですけれども、そういったものだけではなく、幅広い産学官の主体の参画を促していくべきではないかと考えております。
 他方で、これまで宇宙輸送システム技術に関して深い知見と経験と有しておりますJAXAが中心として技術マネジメントを行いますけれども、その研究開発政策、R&D政策の策定推進につきましては、当省などの研究開発省庁、あるいは国関係省庁が協力をして、そういった政策であるとか大きな方向性については国の方で政策、予算、評価なりをしっかり進捗管理をしていくべきではないかと考えております。
 最後に、政策のニーズ、これは安全保障であるとか将来の探査といったものもあるような政策ニーズであるとか、将来の宇宙市場、大きく広がるであろうビジネスといったものを見据えた領域ごとに適切な官民の役割分担を行います。これは、当然マーケットが大きく広がるのであれば、民間の役割あるいは参画といったことが大きくなると想定されますし、国家的な関与が大きな部分に関しては国が相当程度の責任を持つといった趣旨の記載とさせていただいておりますけれども、こういったものを行いながら、また、将来の社会実装に向けましては、それに必要な制度の整備であるとか、資金調達の仕組み、さらには産業・人材基盤の充実といったものも打ちながら、これは日本国内に限らず、場合によっては海外との連携・協調、先ほども議論いただきましたように、共創領域、協調領域といったものを設定しながら、国内での連携・協調を図っていくべきではないかといったところで、今後、小委員会の議論のたたき台として提示をさせていただければと思っておりますので、委員の皆様から御議論いただければと考えております。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。
 御議論、御意見を伺いたいと思うのですが、お願いといいますか、基幹ロケットの維持・発展という観点については政策的にずっと継続的にやっていることでありますので、これに余り異論はなかろうかと思います。今日、30分と言いましたが、時間も限られていますので、やはり将来のイノベーションを起こすような革新的な宇宙輸送システムの取り組み方といいますか、そういうものをどういうふうにしていくのか。ここは具体的な技術を議論する場ではないと思いますので、どういう取り組み方をしていくのが新しいイノベーションを生むような推進ができるのかというような観点で御意見いただけるといいかなと、私が勝手にそう思っているだけで、そのほかの御意見があれば言っていただければいいのですが、是非忌たんのない御意見をお願いしたいと思います。
 じゃあ、御意見のある方。はい、お願いします。
 
【稲川委員】ありがとうございます。
 JAXAさんの資料を拝見して、ベンチャーを含む産業界の力を活用した事業化、支援というところと、マルチパスのアプローチという観点が出たというところは相当面白いですし、非常にいい方向性かなというふうに私個人的には思っているところです。
 その中で、JAXAさんの基幹ロケット以外の、その次の技術開発という面で、現在どのくらい予算規模だったり、人であったりをかけていて、今後、再使用を含む次世代の研究開発をやろうとなったときに、実際どれだけリソースが割ける状況にあるのかというところを教えていただきたいと思います。
 その背景として、実際に我々はJAXAさんと一緒に、角田宇宙センターと共同研究開発、共創関係、J-SPARCという形でやらせていただいています。実際に角田宇宙センターというのは、世界を非常に代表するような液体ロケットの研究場ではありますけれども、人材がどんどん減っているだとか、設備が老朽化しているだとか、結構課題があるかなとも考えていまして、実際に基幹ロケット以外の部分での研究開発という面で角田宇宙センターがあるわけですけれども、この部分に関してもっと増やさなきゃいけないかどうかみたいなところの御意見を、これはJAXAさんなのか文科省なのかわからないですけれども、お聞かせいただければと思います。
 
【遠藤主査】まずは現状という観点で、沖田さんからお願いできますか。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】正に私のところで研究開発を実施しておるところですけれども、今のところ、H3の開発、それからイプシロンシナジーの開発等、基幹ロケットの開発の支援等がちょこちょこと入ってきているということで、稲川社長のおっしゃるとおり、ちょっとうちの方も早くやってほしいのだけどというのは十分認識してございまして、今年度については、特に我々の方でもスケジュールは考えながら対処しているところでございます。
 そういう意味で、リソース、ヒューマンリソース、それから資金的なリソースについては、十分とは言えないというのが現状です。とは言いつつ、我々としては、やはり磨いていかなければいけない技術、それから伸ばしていかなければいけない技術といったものを取捨選択しながら実施しているのが現状です。プロジェクトの開発が大体終わってくると、我々としては、本格的な研究開発、革新的な研究開発にどんどん移行できるものと思っているところでございます。
 もう一つ、設備の老朽化については、これは本当に設備が古い、古いが故に人もたくさん充てなきゃいけない、時間もかかると。余りいい状況にはないというのは十分承知してございまして、そこについても何とか改善を進めていきたいということを関係各所と調整を進めておるところです。
 設備については、もう30年、40年選手とか、上段再突入とかそういった世界になってくると、ホープ以降、20年間細々と運用している設備とか、なかなか維持が難しくなってきているという現状もございます。一方で海外を見ると、我々が知っているプレーヤー、エーバーレルとか、クネスとか、ディーラールとか、彼らを見ると、そういったところをどんどん新しい設備を導入しているとか、そういったところは共同研究を通じてうまく活用できないかとか、工夫をしながら今現状進めておるところです。何とか改善していく上でも、体制も含めて、いいものを仕上げていきたいと考えてございます。
 お答えになったでしょうか。
 
【稲川委員】ありがとうございます。やはり次の世代のといったときに、いきなりできないような設備の状況だったり、人の状況というのがあるというのは、具体的な課題としてあると思いますので、早めにそこに関しても、次を見据えた人だったり設備もあって初めて次の計画がすぐスタートできると思いますので、そこも考えていただければと思っています。
 
【遠藤主査】はい、どうぞ。
 
【石田委員】取りまとめありがとうございます。先ほど原田さんがおっしゃった、最後3の議論の方向性で意見が二つあるのですけれども、これまでの議論で自分も申し上げたと思うし、結構大事なことかなと思っているのは、輸送をやっている方からするとむかつく発言かもしれないですけど、輸送システムというのは手段であるということに尽きると思うのですね。
 先ほど、永田さんもおっしゃったと思うのですけど、あと、防衛省さんのスライドにもあったと思うのですけど、安全保障で宇宙に積極的に衛星のセットを持っている国のリストがありました。あの中で、英国以外は全部基幹ロケットを持っているというのが現実で、やっぱりそういうふうにカードだけじゃなくて安全保障がドライビングポスとなって宇宙の利用が進んで、それの自立性のために手段としての輸送システムの自立性も重要であるというのも真実の一つだと思っています。そういう意味で日本の基幹ロケットという議論をしていくときに、これから宇宙政策の三本柱でもある安全保障コミュニティーとの関係性というのは当然重要になっていくかなと思うので、その観点からすると、今後の議論の方向性にある丸ポチ三つ目に、JAXAさんや宇宙輸送関連産業だけではなくて、幅広い産学官の主体の参画を促進すべきではないかと書いてあるのですけど、私は、どこまで明記するかは別として、ユーザーさんの参画が必要じゃないかなと思っています。それは、つくり手だけではなくて、それを使うユーザーコミュニティーがちゃんと入ることによって、基幹ロケットとしての意味というのも強くなっていくし、やっぱりそれが大事かなと思ったのが1点です。
 もう一つは、将来市場の輸送システムの方に関していくと、メガコンステレーションとか宇宙旅行というキーワードが書かれていますが、前回も言ったのですけど、メガコンステでやっている人とロケットをつくる人って同じ人なのですよね。メガコンステは誰かがやっていて、ロケットは別の人がつくっているわけではなくて、広い意味でグループという意味で結構近しいところでやっているというのがあるし、宇宙旅行をやっている人とそのための輸送システムをやっている人も同じ人じゃないですか。やる人が宇宙旅行サービスをやっているだけなので。要するにこういった新しい市場は、誰かが市場をつくってくれて、それに向けて輸送システムを誰かがつくるというよりは、一体となって新しい市場ができていくということだと思うので、その観点からしたときに、最後の丸ポチの政策ニーズというのは恐らく安全保障の話とかも含めて言葉を使われているのかなと思ったのですが、「将来の宇宙市場を見据えて輸送システム」というような表現が何か所かあったのですけど、宇宙旅行とかメガコンステというところはこうなるから、それができた後に輸送システムってこうなるからこうしようというよりは、世界的にはそれを同時につくるという考え方と思っていて、「市場を見据えた」というよりは、「市場形成を見据えた」ぐらいに攻めていかないと、でき上がったときには輸送システムも誰かが提供しているので、後からどうやって入るのだろうという気がするので、将来に関していくと、輸送とその輸送が生み出す価値そのものと併せて市場形成をしていくというような前傾姿勢がどこかにないと難しいかなと。要するに、うまく言えないですけど、輸送と実現される価値が切り分けられていないで同時に立ち上がっていくのが将来輸送システムのところだと思うので、そういう前傾姿勢があった方がいいかなと。
 以上、2点でございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございました。そのほか。はい、山崎さん。
 
【山崎委員】山崎です。ありがとうございます。
 3番目のこれからの方向性ですけれども、最後のポツで、将来の社会実装に向けた制度整備とあるのですが、制度整備、宇宙法でも現在有人はカバーできていないですとかいろいろありますので、将来やり始めるとやっぱり遅いわけで、制度整備は時間がかかるということを鑑みて、前もった制度整備というような、その前もって進めることが大事ということを是非入れていただければということが第1点。
 もう一つは技術移転なのですが、下から3ポツ目なのですけれども、幅広い方の参画が必要ということで、他国の例を見ても、やはり安全保障で培った技術を民間に移行しているという流れがある中で、先ほどもエアブリージングなど、防衛省さん、JAXAさんで共同研究されているという話もありました。そうしたJAXAさん単体だけではない、いろいろな方と共同研究したものをどう民間に、まあ、時間差があるかもしれないですが、貢献していくと、そのような技術の流れのスキームづくりというものが大切になると思います。
 あともう一つは細かい点ですが、宇宙旅行という言葉が出てくるのですが、市場としては、今後、多地点間、高速2地点輸送ですね。その方が大きいですので、むしろそちらを併記していただくか、入れていただければと思います。
 宇宙という領域が今も拡大していく中で、月も含め、また、サブオービタルも含め拡大していって、宇宙に物を運ぶだけではなくて、地上の2地点を結ぶときに宇宙を活用すると、そういった宇宙の活用のされ方ということも今後想定されるということも念頭に置いていただければと思います。
 以上です。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。はい、どうぞ。
 
【齊藤委員】同じく最後のページです。革新的宇宙輸送システム技術を進捗管理し、ステージゲート審査の話なのですけど、正に私たちは1段再使用化もここに入ってくるのかなと思って期待はしているところなのですけれども、ここの進捗管理していく、文言は変える必要は今ないかなと思っているのですけど、進捗管理、ステージゲート審査の塊、対象ですかね、対象というのはなかなか技術だけで語るのが難しいかなと。
 例えば下の例とか見ると、エアブリージングと言われると、これ、エンジンかなと。ロケットシステムみたいなものとしてどう評価するのかなとか、LNG推進系もしかり。一方、社会への発展性とか、いろんな産業への波及効果という観点では評価できるのかもわからないのですけど、そこの進捗管理、ステージゲート審査というのはなかなか一概に一つの技術単位で評価できるものとできないものがあるかなと思いますので、そこは要議論かなと思っています。
 以上です。
 
【遠藤主査】私からもちょっと一言。長期ビジョンの引用してあるのですが、このマルチパスというのは、この時点、5年前の時点では恐らく、いろいろな可能性を追求するという意味でマルチパスという表現が使われたのかなと思うのですが、これからH3以降の輸送系をどう考えるかというときに、前々回石田さんからも御発言ありましたけれども、何でもかんでもそんなに日本は手を広げられないだろうと。今日もありましたけれども、選択と集中というのが恐らく具体的な戦略を立てるときには必要になってくると思いますので、そういうどこに日本の強みを発揮するのかという意味では、次のステップはマルチパスではなくて、ある程度それを絞り込むようなプロセスが必要なんじゃないかと。
 それは、先ほど言われたようなユーザーを含むような。研究開発メーカー、製造メーカーとJAXA、これまではそういう議論が多かったのですが、ユーザーがどっと広がっていく世界を想定するならば、ちょっと取り組み方も変わってくるのかなと。と、御意見を聞いていて思いました。すみません、私が勝手にしゃべっちゃって。
 そのほか御意見があれば。はい、お願いします。
 
【兵頭委員】3番のところで二つあります。
 計画的な技術のロードマップの話がありましたけれども、最後はロケットの輸送の形にして役立つようなシステムですので、一つ一つの技術のロードマップというよりは、どちらかというとそこから発展、形として出てくる輸送系の形というか、規模みたいなものがちゃんとした明確なアウトプットでないと、その各要素のやつがすばらしかったとしても、ロケットに対して使えなければ、結果的に無駄になってしまったりとか、せっかくやったやつが生かされなかったりする可能性がありますので、ロードマップを設定するときには、是非最終的に見えてくるような輸送系の形を段階的に設定して、それに対して適切な技術になっているかという、そういった形の審査が必要かなと思っています。
 あと、もう一つは、これはいろんな意見があると思いますけれども、民間の需要をどれだけ引き出せるかというところがありますが、一番のこれの解決策としましては、一つは、国として大きな技術的なプロジェクトの道筋だとか、ターニングポイントをしっかり明言することが、ある意味、民間の投資を集めたりすることとかに一番つながる大きなアンカーテナンシーになるかなと考えています。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。はい、どうぞ。
 
【神武委員】少し議論がありましたけれども、宇宙輸送システムという話がありましたけれども、宇宙輸送をするためには必要なことは単にロケットをつくることだけではなくて、射場も必要ですし、追跡も必要ですし、いわゆる打ち上げるものを持ってきてから打ち上げて最後終わらせるという、その全体のシナリオを踏まえた上で今何が必要かというようなところを考えるという意味での、サービスとしての宇宙輸送というところを視野に入れた議論が必要ではないかなと思っています。一つのアウトプットとしては、いわゆるユーザーの目線でカスタマジャーニーマップという、新しいサービスをつくるのに使う手法ですけれども、ユーザーがロケットを打ち上げたいのですけどまず問合せをしてから打ち上げが終わるまでのいろんなシナリオを考えたときに、まだまだやらなきゃいけないところがあると思っていまして、そのシナリオを1個つくり上げられると、具体的に今何ができて、何ができていなくて、どうすればいいかという議論をもう少し具体的にできるかなというふうに思っています。
 コメントです。ありがとうございます。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。
 
【永田主査代理】よろしいですか。
 
【遠藤主査】はい、お願いします。
 
【永田主査代理】産学官の中の学の、特に大学とのつながり方なのですけれども、宇宙輸送系の研究をやっている大学の研究者とかが今JAXAとどうつながっているのかというのは、いろんなつながり方があると思うのですが、多分一番多いのは宇宙科学研究所が大学共同利用組織というふうに位置づけられていまして、その中の宇宙工学委員会を通じて大学とつながるという研究者が多分一番多いと思うのですね。宇宙系の中の輸送系の研究というのもずっとそういう体制の中で行われてきまして、ただ、最近、輸送系の開発はJAXAの中で一本化して、宇宙研のイプシロンも宇宙研の外に出てJAXAの輸送系の開発として行われているというふうに変わっていく中で、工学委員会の中では、工学委員会で扱ってきた輸送系の研究というのは、もう宇宙研の中では閉じないで、JAXA全体のプロジェクトとしてかかわっていくべきではないかという議論が行われたことがあります。
 JAXAとしても、是非大学とつながるときに、いろんなところでぽこぽこつながっているというような、その場その場での体制のつくり方ではなくて、全体が見渡しやすいように一本化してつながっていただくと大学としては有り難いと思っています。そのときの枠組みとしては宇宙研の宇宙工学委員会が一番使いやすいのかなと思いますので、是非そういう連携ができないのかなと常々思っておりました。
 
【遠藤主査】貴重な御意見ありがとうございます。JAXAから何かありますか。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】私も委員になってございまして、やはりリソースをどういうふうに集約して、どういう方向に向けるかといったところが重要かと思っております。ということで、今の御意見は非常に貴重な意見と考えています。一方で、安全保障とデュアルユースといったところを考えたときに、突然何かそことは会話ができなくなっていくというのが非常に難しい問題だと思っていますし、そこを今後うまく解決できないものかなというのを苦心しているところでございます。
 大学の関係者、多数私も存じてございまして、ISASの方もたくさん存じています。エアブリージングエンジンに興味のある人というのはたくさんいるのですけれども、今の我々研究開発部門のアプローチだとなかなか一緒になってできないねということで、何とかならないかなと思いますので、引き続き御意見、それから助言いただきまして、何とかしてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
 
【永田主査代理】ありがとうございます。
 
【遠藤主査】はい、お願いします。
 
【石井委員】二つありまして、一つはこの提言についてのコメントでして、もう一つはどなたかに教えていただきたいことです。
 一つは、提言の書き方なのですが、これは私の読み込み過ぎかもしれませんけれども、民意として基幹ロケットの維持強化というのがあって、波及的に民間の方にその技術をどう還元していくといったような書き方になっているように読めなくもないように思うのですね。まあ、私の読み込み過ぎかもしれませんけれども、申し上げたいのは、民間で事業が起きている、日本でもベンチャーができつつあるというところをもう少しハイライトしていただいて、そういった民間での共創を促進していくという視点も盛り込んだ方が、この委員会の議論の中身をより正確に反映したものになるのではないかというふうに思いますので、御検討いただければと思います。
 質問ですけれども、抜本的低コスト化という話が何回か出てきています。これを基幹ロケットについてどういうふうにやっていくのだろうかということをちょっと教えていただきたいのですね。教えていただきたいという話ですけれども、JAXAで開発していく場合には、特に技術検証などを正確に逐一やっていくと。それに従って、開発費にどうしてもコストがかかってしまうと。そういった構造的にコストを下げることがしにくいということがあるのであれば、民間の方にその開発を委ねるという選択肢も当然あると思うのですけれども、そういったことを考えていらっしゃるのか。特に今日御説明あった民間との協働ですか。その構図の中に技術の一部を民間の方に移管して委託するというオプションがあるのかどうかということをお伺いできればと思います。
 すみません、もう一つ石田さんにお教えいただきたいのは、安全保障の観点から、石田さんだけじゃなくて、ほかの先生方にもお伺いしたいのですけれども、確かに安全保障の観点から自前のロケットを持っておくのは必要だと、これは私も全く賛成なのですけれども、将来的にそれはどこまでサステナブルといいますか、維持できるのかなということをお伺いしたくて。これまでは国がロケット開発に積極的にコミットしてお金も出してきて技術も育ててきたわけですね。しかし、今、民間でロケットを開発できるようになってきていると。そうすると、民間で買った方が安いということになってしまえば、コストの面から外国のものであっても買った方が安いかと、そちらの方がいいかという議論になってもおかしくないと思うのですね。
 航空機の産業の流れを見ても、現に日本だって戦闘機を買っているわけですし、そういう流れになっても不思議ではないと思うのですけれども、そういった流れはあり得るのかということを、見通しをお聞かせいただければと思います。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。なかなか難しい御質問を頂きました。2番目はなかなか難しいので、どなたに答えていただくか今考えます。1問目を、沖田さん、よろしいですか。
 
【沖田ユニット長(JAXA)】1番目の御質問ですけれども、10年ぐらい前はよくNASDAが開発するから高いとか、失敗するとか、民間に任せれば安くなるのではないかという議論が多数ございました。今の時代、世界を見ても、この宇宙輸送の分野というのは、モデルベースシステムデザインとか、デベロップメントとか、自動車業界では昨今当たり前にやられてございますけど、宇宙においても、ロケットでは、H3では、エンジンでは10年近く前からそういったアプローチをやって、いかに効率的に、いかに信頼性を確保しながら開発を進めるかといったところで、開発費も格段に安くなってございます。
 世界を見ても、結局のところ、みんなそういうふうなアプローチをやって開発費を安くしているといったところで、必ずしも国がやっている、民間がやっているといったところで高い安いという世界ではないと思います。
 一方で、ベンチャーさんがやられているものを我々の視点から見てみると、確かにこの仕様であればこういう世界というのはあるのだろうなと思いつつも、やはり物をつくるところとか、まだまだ僕たちも学ばなきゃいけないところがあるかなと思いまして、そういったところは勉強しながら、より一層安く今後もできていくかなと考えてございまして、そういう意味で、民間・国ではなくて、やはりどういう開発をやっていくのかといったところが一番重要で、安くなる仕組みになっていくかなと思ってございます。
 
【遠藤主査】最初の質問はよろしいですか。
 2番目については、やはりこれは政策の問題ということで、事務局の方からちょっと答えられる範囲でお話しいただけますか。
 
【原田企画官(事務局)】自立性の確保ですか。どこまで、すみません、はい、そうですね、国のミッションとしまして、我々、自立性の確保というのは、これは国のミッションとしても設定をしなければならないと思っています。したがいまして、外から買ってくるとか、やり方であるとか、あるいは国内の民間企業に任せるとかいった様々なやり方はいろいろあるとは考えておりますけれども、他方で、我々正に研究開発行政を担っている立場とすれば、正に今現にある現実的な手段というのは、我が国が持っているツールとして、H-ⅡAロケットであり、また、イプシロンロケットがございますので、こういったものをしっかり開発、着実に運用、あるいは強化をしていくことによって、当然民間に任せられる部分というのはしっかり民間に任せていくと。これはH3ロケットも相当三菱重工さんの主体性を活用しながら効率的な開発を進めておりますし、また、イプシロンロケットも行く行くはIHIエアロスペースさんに運用も含めて移管していくといったモデルがございますので、当然民間の能力、活力が高まってくれば、それはある程度民間の活力を生かしながらやっていくといったシナリオを我々は描いております。
 他方で、これを国外にするかどうかというのは、それは大きな政策の問題だというふうに、主査もおっしゃったとおりだと思っておりまして、ここは正に我々国家ミッションとしてしっかり必要なときに必要なものを自立的に上げられるといったところは、これは一つの宇宙政策の基本として持っておく必要があろうかと思っております。
 これは、いろいろ過去の経緯もございます。例えば正にヨーロッパがアメリカで衛星を打ち上げたいときに打ち上げられなかったといったケースがあり、彼らは彼らなりの自立性というのを非常に重視している、あるいは、ロケットというものを非常に重視しているというケースもありますし、当然我々、正に御指摘がありましたとおり、技術がわかるからこそいろんなものも出てきたりします。何だかわからないものを使うというわけには多分いかない分野なのだろうという観点からも、しっかりそういった技術基盤を持っておく必要があるのだろうと考えているところでございます。
 
【遠藤主査】ありがとう。恐らく石井先生の御指摘、問題意識については、将来的には恐らく議論になるかなと私も思いますが、現時点、世界的に見てもそこまでは行っていないのかなと、この宇宙の世界ではですね。戦闘機なんかは世の中が変わってきているのは確かでございます。
 いろいろ活発な御議論いただいておりますけれども、時間になりましたので、また次回にお願いをするということにしたいと思います。
 本日の議論、先ほど事務局からもありましたように、この議論の整理を政策委員会で文科省から中間報告という、経過報告ということでやっていただきます。今日の議論を踏まえて、もう一度見直しをしていただきます。それぞれ御意見いただいた方とは事務局から調整をさせていただきますが、最終的には事務局と私の方で整理をして、皆様の御意見を踏まえて整理をして、宇宙政策委員会に報告をさせていただきますので、御了承いただきたいと思います。
 それでは、最後に、事務局から連絡事項をお願いします。
 
【原田企画官(事務局)】会議資料と議事録につきましてですけれども、本部会の宇宙開発利用部会の運営規則に基づきまして、会議資料は公開となっておりますので、既に当省のホームページに掲載させていただいております。議事録につきましても公開となりますので、委員、参加者の皆様に御確認いただいた後にホームページに掲載させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。
 長時間にわたりありがとうございました。今日はこれで終了とさせていただきます。

―― 了 ――

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