原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会(第28回) 議事録

1.日時

令和8年3月17日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

対面及びオンライン会議にて開催

3.議題

  1. ポストANECに向けた検討の方向性について
  2. 今後の原子力科学技術に関する政策の方向性について
  3. その他

4.出席者

委員

黒﨑主査
村上委員
秋山委員
上田委員
岡田委員
小澤委員
高木委員
中島委員
松浦委員
 

文部科学省

有林 原子力課課長
水野 研究開発戦略官
前田 原子力連絡対策官
滝沢 原子力課課長補佐
多田 原子力課課長補佐
狩場 原子力課係長
青山 原子力課係長
萩原 原子力課係員
井原 原子力課係員
野山 原子力課係員
上原 原子力課行政調査員
小竹 原子力課調査員
長谷川 原子力課調査員

5.議事録

原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会(第28回)
令和8年3月17日(火曜日)10時00分~12時00分 

滝沢補佐:定刻になりましたので、第28回原子力研究開発・基盤・人材作業部会を開催いたします。本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。
 今回の作業部会は、対面とオンラインを併用したハイブリッド形式にて開催します。確認・留意事項などもございますので、議事に入る前まで事務局にて進めさせていただきます。
 次に、開催にあたりまして御出席者、傍聴者の方々への留意事項を御説明いたします。オンライン参加の委員におかれましては、通信状況が悪化する場合等を除き、基本的にビデオをオン、マイクはオフでお願いいたします。御発言を予定される場合は「挙手」ボタンを押していただき、主査より御指名をいただいたら、マイクをオンにしたうえで、御発言ください。御発言をいただいた後は、マイクをオフにし、また「挙手」マークが消えるようにしてください。接続の不具合等が生じた際は、随時、事務局あてにお知らせください。現地参加の委員におかれましては、ご発言を予定する場合は、挙手をいただき、主査から指名をいただきましたら、ご発言をお願いいたします。なお、お配りしている資料や機材に不備がございましたら、審議中でも随時事務局にお申し付けください。傍聴される方におかれましては、ビデオ映像及び音声はオフとなるよう事務局にて設定しておりますが、議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、御退席いただきますので、ご承知おきください。議事録作成の都合上、御発言の際は、対面・オンラインを問わず、お名前を述べた上で発言をお願いいたします。以上が本日の進行にあたっての留意事項となります。
 続いて、本日の議題と配付資料の確認をさせていただきます。委員の皆様及び傍聴の登録をされた方あてに、メールにて配付資料を事前にお送りさせていただいております。お手元に議事次第を配付しておりますが、本日は議題が2点ございます。1点目が「ポストANECに向けた検討の方向性について」、2点目が「今後の原子力科学技術に関する政策の方向性について」、最後が、「その他」です。
 また、配付資料は、資料1~2、参考資料1~5でございます。お手元の資料をご確認いただき、不備等ございましたら事務局までお知らせください。
 委員の皆様のご出席状況については、本日は委員10名のうち9名の委員の皆さまにご出席をいただいており、運営規則第3条に記載されている定足数の過半数を満たしておりますので、ご報告いたします。
 続きまして、事務局からの参加者についてご連絡をいたします。
 文部科学省からは、原子力課長の有林、研究開発戦略官の水野、原子力連絡対策官の前田、私、滝沢などが出席しております。また、議題2の「今後の原子力科学技術に関する政策の方向性について」で説明を行う担当者も控えておりますので、ご承知おきください。
 事務局からは以上です。ここからは黒﨑主査に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
黒﨑主査:はい、承知いたしました。
 それでは、本日最初の議題に移ります。議題1は「ポストANECに向けた検討の方向性について」です。内容をご説明いただいた後、質疑をいただく段取りといたします。それでは、原子力課、有林課長より資料1に基づきましてご説明をお願いいたします。
有林課長:原子力課長の有林です。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1に基づきまして、ポストANECに向けた検討の方向性ということで説明をさせていただきたいと思います。今、ポストANECにつきましては、現行のANECが令和8年度、あと1年間ということでございまして、この1年間をポストANECの骨組みをどのように作っていくかという検討期間にしたいと思っております。これまでこの1年間さまざまな場で、ポストANECをどうすべきか、というようなことで、さまざまな方からご意見をいただきましたけども、それをベースに、事務局のほうで現段階の方向性として、こういったことが考えられるだろうということで、まずは素案のたたき台を今回提示をさせていただきます。これからさまざまな場で、この内容についてご説明をさせていただきまして、ご意見を踏まえつつ予算要求につなげていければと思っておりますので、本日、先生方からの忌憚(きたん)ないご意見いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
 では、ページめくっていただきまして、まず2ページ目のほうでございますけれども、ポストANEC自体、今、経済産業省のほうで産学官が集まって、これまで各省庁や各企業が別々にやっていた人材育成事業を、一つの方向性をもって、ベクトルをそろえようというような取組が行われておりまして、協議会が開催されております。最終的にはこの協議会において、司令塔機能として、何かしらの国家戦略みたいな、ロードマップを策定していこうというようなことが検討されております。われわれのポストANECにつきましても、まさにそのロードマップの中において、どのように位置付けていくかというようなところを考えておりますけれども、今後1年ほどかけてロードマップを作っていくわけですが、われわれのほうとしましても、この審議会の中で先生方からさまざまご意見を頂きながら、それをこのロードマップを作る過程の中に適宜インプットしてまいりたいと考えております。現状ポストANECの検討の論点としましては、左に(1)から(6)まで掲げておりますけれども、それぞれにつきまして、次のスライドから用いて説明をさせていただきたいと思います。
 まず1つ目の柱が、3ページ目のほうでございますけれども、これまでやってきておりますANECを、ポストANECになったからといって1回ゼロにするのではなく、現行のANECの中でも特に中核的活動については、継続性をしっかり担保すべきではないかと考えております。その上で、やはりこのANEC事業自体が持続可能な状態になるための条件としまして、一つは、長期の事業期間の確保ということで、現行のANECについては令和2年から令和8年までの7年間の事業として、これ、国の事業は一般的に5年間がベースとなっておりますけれども、その中で7年間は、かなり長いほうでございます。やはりさまざまなご意見を聞いていますと、人材育成というのは数年でできるものではなくて、10年20年かけてやるものだというようなご意見もございますので、ポストANECにつきましては、令和9年度以降はさらなる長い事業期間の確保ということで、例えば10年間だとか、そういった長期間の安定した事業運営ができるような期間の確保というところを目指したいと思います。
 また、現状ANECに参加していただいている大学からのご意見としまして、現在、補助金で行っているのですが、補助金には実は間接経費がございませんので、参加していただいている大学の先生がボランタリーにサポートいただいている点が結構多いです。所属している大学から見ると、やはり先生がボランタリーに貢献をしていて、大学に対してのメリットがないというようなところがございます。人材育成を持続的に続けていくためには、大学からのサポートというのがやはり大変重要だと思っておりますので、まさに大学にとってのインセンティブを確保するというような観点からも、ポストANECにおいては、通常の競争的資金って大体3割ぐらい付くのですが、何割かというのは要検討ではありますが、一定の間接経費というものを導入できるように目指したいと考えております。
 また、人材の教育基盤の維持・発展ということで、大きくは2つございますけども、一つは北海道大学のほうにおいて、各大学の講義というものを公開していただいております。この講義自体は、特に単位獲得というものを目指すというよりかは、さまざまな場面で使っていただくということを目的としておりますので、そういった基盤のものにつきましては、まさに今後の需要に応じて、裾野を広げたり、またはリカレントとかリスキリングに対応したようなコンテンツだとか、そういったものは需要に応じてしっかりと体系化を構築していきたいと思っております。またANECとは別に、原子力機構を中心に、7つの大学が単位互換を前提とします大学間連携として、JNENという取組が行われております。このJNENともうまく連携する形で、まさに単位互換、大学間の連携ということをANECで行っていますけれども、その中でも特に単位互換を目指していくところについては、このJNENの取組を7大学からもう少し広げていくような取組も、このANECと連携をしながら進めていきたいと思います。また、より気軽にいろんな講義を引用したいというところについては、今、北大のほうで行っていただいているデータベースを拡充していくというような方向もあり得るのかなというふうに思っております。
 また、右のほうが大型施設の実験・実習機会の持続性確保ということで、今、近大を中心にご支援をいただいておりますけれども、やはりこれも近大の方々にお伺いすると、かなりボランタリーにご支援いただいている点が大きいということで、今後の持続的な維持、発展を考えますと、やはりこの施設に対して、実験環境を提供している大学側、先生側のほうに過度な負担がかからないような運営体制を構築すべきかと思っております。まず施設利用については、かなり今ディスカウント価格で行っていただいていますが、それをちゃんと規定の施設利用料を設定していただいて、それをわれわれANECのほうの資金でしっかりとお支払いできるような体制を整えるべきだと思っております。また人的な貢献についても、今、先生のほうがエフォートの何割かを割いてやっていただいているのですが、そこもこれからANECをどんどん展開をしていくということを考えますと、やはりそれ専用のスタッフというものを置いて、先生に過度な負担がかからないような体制というものも構築すべきではないかということで、このようなことを現状検討しているところでございます。
 次、4ページ目ご覧ください。
 こちらのほうにつきましては、現在行っています人材育成対象の拡大ということで、大きく2つ挙げております。一つは専門人材自体を育成していくということでございますけれども、今後やはり原子力の業界をしょって立っていただく方を育成するということで、特にプロジェクトマネジメント能力であったり、またはグローバルな感覚であったり、そういったところをしっかりと養うようなプログラムというものを、しっかり継続していくべきだと思います。また今まで対象が学生というような形で対応しておりましたけれども、一方で、教える教員側のほうも人の数が減っているという状況ございます。現場から伺った話としまして、現行のANECにおいて、ある程度、7年間実施していたおかげで、それによって今後、将来的に教授になるであろう、准教授であったり助教であったり、そういった若い方のポストを、ある程度7年間という長期にわたって、このANECを活用して維持できる。それが逆に言うと、その大学において将来的に原子力の分野を担っていただく方を、ある程度長期間にわたって維持できているというような声も伺いますので、そういった対象としましては、学生だけではなくて、やはり指導できる者をしっかりと育てていくというような仕組みも、このANECの中に取り込むべきではないかということで入れさせていただいております。
 また、2つ目が裾野拡大ということで、これまで現行のANECにおいては、特に原子力を学ぶ原子力学科、原子力専攻の学生を対象としてまいりましたけれども、やはり産業界のニーズなど踏まえますと、それ以外の電気電子や機械、建築、情報などの、他分野の学生の参加というところも望ましいと思っております。またそれ以外に、高校生であったり中学生であったり、そういった若年層への働きかけとして広げていくことも大切だろうというようなことが、重要と言われております。そういった裾野の拡大に対しましては、まず一つは、他分野の学生を対象にしたイベントの機動的な実施への支援ということで、これ、なかなか他分野の学生に対して、計画的に何かをやっていくことは難しいかと思っておりますので、それよりかは、通年公募的に、年度の初めに公募して、それでもうそれ以上機会ありませんというのではなくて、1年を通じて、例えば四半期に1回簡易的な公募をやって、それによって短い審査期間で、少額なんですけれども、数十万とか数百万ですけども、他の学生に原子力を学ぶような機会を提供できるような、良いアイデアをすぐに採用して実施できるような、柔軟な運用も必要ではないかなというような形で提案はさせていただいております。
 ただ、この点につきましては、留意事項を※で付けさせていただいておりますけども、近年、電力やメーカーにおいて、原子力以外の新入社員が少し増えてきているというような傾向が、単年度ですけども、傾向として出ております。ですので、この点、逆に言うとどうして他分野の学生が増えたのかっていうところを分析する必要もあるかと思っていまして、それを踏まえた上で、やはり国の事業として支援する必要があるのであれば、しっかりと支援していくということで、他分野のところとわれわれの取組の因果関係をどこまで結びつけるかって、なかなか難しいところではあるのですけれども、そういった最新の動向なども踏まえた上で、この取組についてどのようなアプローチがいいかというところを、今後検討してまいりたいと思っております。
 また、裾野を広げるに当たっては、産業界との連携も大変重要かと思っております。これについては次のページで説明をさせていただきます。
 それ以外に、より若い世代への働きかけというところでございますけれども、実は文部科学省のほうでは、自治体に対しまして、各都道府県において、小中学校、高校などで実施をして、学校の授業の中でさまざまな原子力とかエネルギーに関係する講義であったり、活動をする場合に、それを支援するような取組というものを、実際これは現在進行形として行っております。その対象としまして、これは原発があるかどうか関係なく、47都道府県の全てを対象にしておりまして、どのような取組が支援されるかというのが左の下になります。例えば教材で、エネルギーや原子力というものを取り上げたい時に、副教材としてそれを入手するものであったり、またはどこかの施設を見学する場合に移動費であったり、または講演会をする時の講演会のイベントであったり、または教職員を対象にしたセミナーであったり、またはどこかから専門家を講師として呼んでくる時にその講師の謝金であったり、そのようなエネルギー関連の事業を行うための支援というものを、自治体を通じて行っております。右側のほうがその実績でございますけれども、交付している都道府県数というのは、大体26から7ぐらいということで、47都道府県の半分以上を既に支援させていただいているというところがございます。ですので、今、例えば出前授業など、各社において取り組んでらっしゃいますけれども、そういったところとうまく連携をしていくことによって、より戦略的に、また効果的にこういった事業をできるのではないかということで、情報提供させていただいているところでございます。
 では、次のページが3つ目、産業界との連携強化というところでございます。こちらのほうにつきましては、現行のANEC事業において、産業界との連携という意味では、MHI(三菱重工業)と関電のほうに、彼らが保有する訓練施設を大学生に提供いただいて、より実践的な研修に触れる機会というものを提供していただいております。この結果としまして、括弧書きでありますけども、参加者の満足度は100%ということ、また参加者の9割が原子力を志望してみようかなということで、強い意識を持たれたというような、大変良い結果を出していると考えております。
 次期ANECとしましては、現行の好事例というものをやはり水平展開していくべきだろうというふうに考えております。ただ、現行のMHIと関電については、今、国が試行的にフルサポートをしている状態なんですけども、これを水平展開した時に、全てを国が負担してしまうということは現実的に、持続可能性的にはあり得ないかというふうに思っております。今後の水平展開した時の事業の展開の方法の一つとしまして、例えばMHI以外に他社、これは大手のメーカーであったり電力であったり、またはそれ以外の中小のサプライチェーンであったり、そういった方々が、恐らく各社独自に訓練施設持っていたり、または新入社員用の研修プログラムなどを多分お持ちだと思うんですけども、そういったものの中で、もし大学生に対して、要は学生に対して提供できるというようなものがあるのであれば、それを各社のご負担で外部に提供できるようなイベントというものを、場というものを整えていただいて、それに対してわれわれのほうがANECで日本全国の大学にネットワークを今張り巡らせておりますので、全国の大学から学生が集まってそこの場所に行くまでの移動に係る経費というものをわれわれのほうで負担をさせていただくと。このようにすることによって、各社の取組と大学をうまく橋渡しするようなことができるのではないかと思っております。現状、民間においては、インターンが大体新入社員を獲得するための重要なツールになっておりますけれども、われわれとしましては、この方法を使って、大学生側のほうに、大学で学びながら、将来原子力に進んでいただくために、自分の知識がどのように社会に役に立つのかというところを、実際にそういった企業が所有する訓練施設であったり、訓練プログラムに触れることによって、より強い意識を持っていただきたいと思っております。また企業側にとっても、逆に全国のどこに自分の会社に興味を持っている方がいらっしゃるのかという、まさにインターンにつながるような活動にもなるかなと思っておりますので、そのような形で、お互いWin-Winな関係を構築できないかなと思っております。
 また、それ以外に、さらに企業と大学との関係を深めていただくために、左下にありますけれども、例えば企業側のほうに、企業職員を大学教育のほうに参画していただいたり、または共同研究講座のような、まさにより深い企業側の関与というような連携もあり得るかと思います。また企業のリカレント・リスキリングというところも、これからどんどん必要性が出てくると思いますので、そういったところと、大学との連携というようなものもしっかりと対応していければと考えております。
 最後、(4)、(5)、(6)を1枚でまとめさせていただきました。まず一つが、人材育成プログラムの選定プロセスについてなんですけども、これまでどちらかといいますと、国の事業というのは1件いくらですよというような金額を決めて、それに対してプロポーザルを出してもらって、点数を付けて、いいものから採択をしていくというような形で実施をしておりましたけれども、ただ、その結果としまして、採択されたプログラム同士の横の連携がなかなか取りづらいというようなことと、やはり採択されたもの同士で重複があって、全体を見た時に本当に効果的・効率的に行えているのかというような問題もあるかと考えております。
 その観点で、今後ポストANECを実施するに当たっては、従来のような単純に提案を公募するというのではなくて、あらかじめやるべきメニューというものを、例えば学会など専門家の方々のご意見を、ステークホルダーのご意見なども聞きながら、ある程度公募を実施する前にそろえた上で、そのメニューを実施していただくプレーヤーの方に手を挙げて参画していただくというような仕組みもあるのかなと思っております。これによって、提案の重複なども排除できると思いますし、また参加するプレーヤー間の横の連携というものも、単に公募して参画するよりも、取れるかなと思いますので、かなりチャレンジングな構想ではありますけれども、こういったことも念頭に検討してみてはどうかと思っております。
 また、次の事務局機能の強化というところでございますが、今の現行のANECにおいては、さまざまな機能によって事務局というものがございますけれども、やはりポストANECにおいては、事務局機能を一元化してはどうかと考えております。また、将来的には、国の唯一の総合研究機関である原子力機構が事務局機能を担うということも一つの可能性としてあるのではないかなと文科省としては考えております。ただこちらについては、さまざまなステークホルダーの方々との意見交換をしながら進めていきたいと思っております。
 また、事務局の機能強化のもう一つの柱としましては、シニアの人材プールを構築してはどうかと思っております。これは、今人材育成の現場において、第一線級の方々がここ数年で退職をしてしまうというようなことが想定されます。そういった方々に対して、雇用ではないですけれども、登録制として、もし第二の人生の中で、例えば少しの時間、夏休みの時間だけ限定というような形で、現行の人材育成プログラムにご協力いただけるのであれば、その時だけ謝金など手当をお支払いする形で、さまざまな活動に協力をいただくというような形も取り得るのかなと思っております。こちらについては、今後、出前授業とかを例えば産業界のほうで検討しようとした時に、やはり教える側の教員が少ないというような課題もいろいろ提起されておりますので、そういったところにうまく連携をして、ANECだけのサポートというところもありますし、またそれ以外にさまざまな社会の需要にも応えていくというようなこともできるのではないかということで、提案をさせていただいております。
 最後、既存のネットワークとの連携というところでは、これは先ほど申し上げましたけれども、経産省のほうで協議会というものを作っておりまして、そこで司令塔というものの下でさまざまな国としてのロードマップというものを作っていく予定でありますけれども、その中にポストANEC事業というものをしっかりと位置付けていきたいと考えているところでございます。
 以上簡単でございますけれども、現状、事務局で検討しているものです。ぜひ先生方の賛否、ご意見伺えればと思いますので、よろしくお願いいたします。
黒﨑主査:ありがとうございました。それでは意見交換に移ります。本件について委員の皆さまからご意見、ご質問等をお願いいたします。お一人2分程度でご発言をいただければと思います。では、順不同で、どなたからでも結構でございますのでよろしくお願いいたします。
 では、中島委員お願いいたします。
中島委員:非常によくまとまった資料だと思います。現在、北大では、公開コンテンツに関してまとめさせていただいていますが、大学の講義を中心に、一般の方にも使っていただけるように、基礎的なところに特化しています。ですので、さらに高度な大学の講義も使えるようにするため、内容の高度化を図ろうとしており。その階層を構成しようとしています。一方で、大学においては、単位化が非常に難しく、オープンバッジの発行によって、受講認証を行い、補うという試みを行っています。
 これら体系化、高度化及び受講認証という体形を含めて、マイクロクレデンシャルの構築を行おうとしています。
 JNENの事業に関しては、単位化していますが、単位化するにあたり、協定を結んでいます。そのため、一つ大学が加わる度に全大学と協定を結び直さなければならないという、非常に大変なことをしておられるので、これを継続するのは非常に労力のかかることであると思います。
 裾野拡大に関しては、原子力という分野が総合科学技術であることから、様々な分野の研究者・技術者がかかわっています。研究機関、企業などにおいて、機械・電気などを学んできた学生の方が遥かに多い状況です。実際、原子力工学を純粋に専門にしている学生は1割か、2割程度しかいません。ですので、その点について、再度、分析された方が良いと思います。
 裾野拡大に関しましては、社会における原子力、それからエネルギー環境問題に関する容認、若しくは理解を進めるという観点もあります。ですので、その観点に関して何らかの工夫がさらにできればと思います。例えば北大でも行っているサイエンス・カフェのようなものは、まさにその活動です。また、静岡大学の大矢先生が行っているような小中学校の教員養成があります。教育学部の学生に、エネルギー環境問題について理解度を高めてもらい、各小中学校で指導してもらうという活動というのは、非常に重要になってくると思います。さらに発展させるならば、現職の小中学校の先生方にも、同様の教育を行う機会がさらに増えていければと思います。
 産業界との連携に関しては。良好事例としてMHI・関電の例を挙げていただいています。この他にも中部電力、東京電力、北海道電力などには、既に、ご負担を含めて、ご協力いただいているところです。また、日本原燃、電源開発などにも、まさにここで提示されている、学生募集、現場への案内まではこの補助金で行っていますけれども、現場では全て先方のご負担で教えていただいているという現状がありますので、その点もさらに拡大できればと思います。
 最後に、現在、事務局機能について、北大が一部を行わせていただいていますが。ご指摘のとおり、一元化を行うことは非常に重要なことだと思います。実際、予算の動向などについて、北大では把握していませんでしたので、北大が一元化を図るには困難なところがありました。ぜひ、進めていただければと思います。
 以上です。
黒﨑主査:ありがとうございます。回答はまとめてということにしたいと思いますので、委員の先生方から引き続きご意見、ご質問等いただければと思います。次にどなたか。
 松浦委員ですか。では、松浦委員よろしくお願いいたします。
松浦委員:丁寧なご説明ありがとうございました。まず、3ページ目のANECにおける中核的活動の継続性確保で、次期ANEC事業が、10年間という長期にわたって続けていただくという方向性は非常によろしいかと思います。ただ、ご説明の中でもあったように、人材育成が10年20年かかるというものですので、できればプロジェクトを進める上で、次期ANECの事業が終わった段階で、これらの工夫が、仕組みとしてちゃんと据え付けられて、プロジェクトが終わっても,その後続くようであればよろしいかと思います。
 4ページ目の人材育成対象の拡大ということで、プロジェクトマネジメント能力を有するグローバル人材の育成において、学生のみならず、指導的立場の育成ということで、教員も対象に考えられておられるということは、非常にこれよろしいかと思います。ただ、私の個人的感覚なんですけれど、グローバルな仕事をしてプロジェクトマネジメントの能力もさらに付けるということは、結構大変なことかなと思っております。
 大きな国際的なプロジェクト、例えばITERとかOECD関連の仕事だと,集中して取り組む必要があるところが悩ましいところかと思います。日本にはないんだろうと思うんですけれど、サバティカルみたいな制度があれば、1年間それに張り付いていただいて、最後のほうに書いてあったシニア人材プールという制度で、1年行っておられる間に,そちらのプールから抜けた分をサポートしていただくというようなことも考えられないかなと思いました。
 4ページ目に戻るんですけれど、自治体との積極的な連携ということで、私の大学が立地しています福井県は、非常にサポートしていただいているようです.調べましたら、3,000万ぐらいサポートを受けているようです。ただ、正直なところ、小中学生対象に具体的にどういう活動をされているのか、また小中学校の教員の先生が,一から何をすればいいかを考えるのは結構大変じゃないかなと思います。われわれがもっとサポートしないといけないかなと思っていますが,なかなかそういうところを認識できてないので、これは大学の教員として今後考えていかないといけないかなと思っております。
 次、5ページ目のほうで、産業界との連携強化ですが、インターンにつながる活動についてです.最近われわれの大学でも、3年生の夏休み、企業のインターン行って、就職先決めるという流れになっているんですけれど、学生にとってはいろいろな機会をもっと経験してもらいたいと思っております.3年の夏に限らず、2年とかでも参加できるようなインターンもやっていただければいいのかなというふうに思っております。
 あと、ちょっとこれは特殊かもしれないんですけれど、海外のインターン事情というのは日本と異なり,かなり長期間入っておられて、1年休学してインターンするというようなこともあると聞いております。しっかりと実力を付けていただくのであれば、4年で卒業しなくても良いのではと個人的には思っております.制度的にはいろいろ難しいところもあるかと思いますが、このインターンについては、いろいろ可能性についてご検討いただければなと思っております。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。では、ほか、委員の先生方。
 では、小澤委員、お願いいたします。
小澤委員:ありがとうございます。小澤でございます。4つほどありまして、手短に。3ページ目の、10年間という期間ですけども、大変ありがたいと思うんですけども、10年つと世界で言うとものすごいスピードでがらっと変わってしまうので、それぞれの3年でこうありたい、5年でこうありたいみたいな、何か目標が明確になっていたほうがいいかなと思いました。
 2つ目は、北大さんでまとめているコンテンツなんですけど、私も結構見ているんですけど、あれって90分の講義スタイルですよね、大体。それで、社会人が見ると、その90分の使い方っていうのがなかなかよく分かんなくて、私もようやく見たいところを見られるようになってきたんですけど、そういうソフト的なところのサポートがあるともっと身に付くのではないかと思います。これが2つ目です。
 3つ目は、4ページ目のグローバル専門人材という話ですけど、そもそも国際原子力人材育成イニシアティブと、国際が頭に付いている割にグローバルがここにしか出てこないので、これもいかがなものかと思っています。“グローバル専門”人材ですよね。世界に向かっていく専門の人という意味ではまずくて、やっぱり世界の中に日本が含まれているということで、世界に通用する日本の力を磨かなきゃいけないので、そういう視点も必要かなと思っています。ここは1年で深掘りしたらいいかなと思います。
 最後は、シニアの人材プールで、私も両足突っ込んでいるような年代ですけれども、シニアも教えるといっても、だいぶ知識が古かったり、現役離れると情報が入ってこなかったりするので、そこは最初のページの北大さんの知識も入れるとか、学生さんのほうがかなり地力のある、学力が付いているので、そこについていけるだけのシニアの人材も欲しいなというか、知識を維持する仕組みも欲しいなと思います。
 以上です。
黒﨑主査:ほか、何かございますでしょうか。
 では、上田委員、お願いいたします。
上田委員:原産協会の上田です。ご説明ありがとうございました。まず、ANECについてなんですが、原子力産業の理解促進や人材確保の観点から有効な取組で、産官学がそれぞれWin-Winの関係を構築できる活動と主に期待しております。一方で、現状ではその取組ですとか参画の意義が、原子力産業界にまだ十分知られてないのではないかと感じております。当協会としても、関係機関への周知など、必要なプロモーションに積極的に協力してもらえたらと思っております。
 その上で、産業界と連携強化について2件申し上げます。1点目、企業の施設・設備を活用した実験・実習は、学生が原子力産業の取組や魅力を直接知る貴重な機会で、産業界としては人材確保に役立つものと、充実を期待しております。現在、ANECは三菱重工グループと関西電力の共同で、現場で実践的に学ぶ研修プログラムを提供しています。このように、複数の企業・機関が連携した形で、研修プログラムを提供していくことで、学生がより広範な産業界の取組を理解する機会が生まれると思います。また、対象につきまして、大学だけでなくて、高専や高校へと広げ、人材育成のレイヤーを縦方向にも拡張していくシステムも重要かと思います。原子力産業を支えていくためには、多くの学生に専門領域の広い産業界への関心を持っていただく取組が重要と考えます。
 2点目は、企業のリカレント・リスキリングについてですが、人材の流動性が高まる中で、他産業からの人材の参入も増えていくと思います。こうした方々が円滑に原子力分野の業務に参画できるよう、基礎的な知識から原子力を学ぶことができる教育プログラムの整備が重要です。個々の企業では対応が難しい部分については、ANECを活用した基盤があると、産業界も参加しやすいと思います。教育プログラムを産官学で共同開発・提供していくことも一つの方向ではないかと考えております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
黒﨑主査:ありがとうございました。ここで、いったん有林課長のほうから回答をいただければと思います。
有林課長:大変貴重なご意見をありがとうございます。では、まず個別に。
 中島先生から頂きました、北大のほうについて、まさに現状、単位化が難しいということで、マイクロクレデンシャルという方向は一つ、今後産業界との接続の意味で、産業界側のほうがどういった人材が必要かっていうところを示していただければ、それに応えるような形で、こういった講義通じてマイクロクレデンシャルでやっていくっていう方向は、将来的には十分にあり得るかなと思っています。
 また、JNENとの連携で、協定でかなり縛られているというところございましたけれども、私のほうでもJNENの会合に出させていただきまして、将来的なANECとの連携について説明をさせていただいて、彼らも今すごくウエルカムな形で受け入れていただいております。ですので、そこを増やしていく時に、増やしていく条件だとか手続き面でのところというところは、今後まだ検討はすべきだとは思いますけれども、うまく制度化、連携の形で作っていければと思っております。
 また、裾野拡大で、機械とか電気電子、おっしゃるとおりで、原子力出身の人との比較で言うと、他分野の人が当然多いっていうのは事実でございまして、われわれのほうもそこを産業界のほうにさまざま問い合わせをして、どういうふうに国としての支援すべき領域があるのかっていうところは、われわれのほうからも尋ねたいと思っておりますけれども、もし中島先生のほうでも、逆に原子力の教えから人を呼ぶのと、それ以外から呼ぶ場合に、やはりそれ以外のところに対して特に留意すべきものなど特段ございましたら、いろいろ教えていただければと思います。
 また、今後、対象としまして、先生について、小中高の先生を対象に広げていったり、または中電・東電・北陸電力などやっているというところも、まさにそれを今回水平展開していくことで、今まさに活動をやっているところをうまくANECの枠組みの中で連携を深めていく、それによって大学と企業との取組っていうものを、一つの地域だけではなくて、全国規模で展開していくことができればなと思っておりますので、しっかりと対応していきたいと思います。
 松浦先生からご指摘いただきました中で、しっかりとプロジェクト終了時に、やはり基盤として残るというところは、やはり大学と産業界との連携が持続可能な形で続けられるような基盤を残していくことが大変重要かと思っておりますので、そこはわれわれのほうでもやっていきたいと思います。また、自治体との連携のほうについて、現場の先生が大変だというようなご指摘ございましたけども、それはまさにおっしゃるとおりですので、われわれとしては、今、企業が既に取り組んでいる例えば出前授業といったものと、学校の先生でエネルギーや原子力を授業で取り入れたいんだけどっていうところを、うまくマッチングすることによって、先生の負担軽減をしつつ、実のある授業を若い方々に提供できるような仕組みが構築できないかなと思っております。
 また、インターンの産業界との連携の対象ですけれども、必ずしも3年生ということは考えておらず、まずは2年生とかインターンにつながるような対象というふうに考えておりますけれども、ただ、そこについては、上田委員のほうからもありましたけれども、できるだけ若い方向に落としていくということもあり得るかと思っています。ただ、一方で、企業といろいろと意見交換させていただいた時に、まさにやはり訓練施設のプログラム自体が、今どちらかというと新卒対象でやっているので、どうしても内容的に大学4年生とか3年生ぐらいのレベルになっているので、もし仮に学年を落とすのであれば、もう一回プログラム自体を作り直さないといけないというようなところはありますので、そこについてはわれわれのほうも産業界と連携する時に、各社がそれぞれプログラムを考えることなく、どちらかというと共通プログラムみたいなものを作って、それをみんなで共有して、負担を減らした形で実施できるような仕組みも必要かなと思っておりますので、そのようなことも検討していきたいと思います。
 あと、小澤委員のほうからございました、北大のコンテンツについてはご指摘ごもっともだと思っていますので、われわれも今後体系的にとなった時に、やはり見る側のほうのニーズというものを踏まえながら、それに合ったような形で体系化というものをより進めていきたいと思っております。
 また、グローバル専門人材のほうですけれども、こちらのほうも実はわれわれかなり事務局としては頭を悩ませているというか、グローバルな取り扱いはなかなか難しいかと思っていまして、現行のANECのほうでは、国際研鑽というのは4本柱のうちの一つの活動としてなっているのですが、国際研鑽の場に送ることができる学生はどうしても限定されている。要は、費用対効果的に、かなり高額なコストをかけて派遣するのですが、当然送られた学生はすごくいい機会を体験するんですけど、その学生が将来的にどう産業界のほうに影響を与えるのかというところを、どのように捕捉していくのか。やはりそういったところを、逆に言うと国際との関係というものを、どのように人材育成の中で位置付けていくのかというところが、われわれの中でも引き続き議論が必要かと思っておりますので、今後の1年の議論の中で、もう少し内容を詰めていきたいかなと思っております。
 また、上田委員からのご指摘ありました企業との連携強化の中で、複数の企業が連携したほうがよろしいというところ、まさにそのとおりかと思っております。ですので、今の図では一対一で考えているんですけれども、場合によっては、年明けに、年度の初めに、1年間を通じて、例えば各企業に年間通じて、いつ頃どんなイベントがありますかっていうところを例えばアンケートを取って、それをうまく事務局のほうでまとめて、例えば8月の第1週については関東エリアでA社さんB社さんC社さんっていうところを巡っていくようなツアーみたいなものを作ったりだとか、そういったさまざまな方法もあり得るかなと思っていますので、これはこういったことができないでしょうかっていうような提案なんですけども、ここからが発展形として、まさに1社だけではなくて、各社が連携をして取り組んでいくというような姿もできるのかなと思いますので、そこはわれわれしっかりと検討していきたいと思います。
 また、最後リカレント教育につきましても、今後のANECにとって大変重要なポイントだと思っておりますし、また大学側にとっても、これまで学生対象だったところを、これからやはり社会人にというようなところは、どの大学に聞いても強い意識を持っておりますので、そこはうまくつなげられるような形をこのANECの枠組みの中で構築できればと思います。
 すいません、よろしくお願いします。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。まだご発言いただいていない委員の方がおられるのですけれども、次の議題に移りたいと思います。次の議題も盛りだくさんですので。
 次の議題は議題2で、今後の原子力科学技術に関する政策の方向性ということになります。こちらは資料2のうち、本作業部会に関連する事項に係る検討状況等について、事務局から順番にご説明をいただきます。その後、委員の皆さんにご議論をいただければと思っております。それでは、事務局よりご説明よろしくお願いいたします。
狩場係長:原子力課総括係の狩場です。私から冒頭説明させていただきます。大部になりますので、資料2に沿いながら、ポイントを絞った形でご説明させていただきます。資料全体、新規追加と、中間まとめから更新したスライドが分かるように、左上にキャプションを入れておりまして、更新したスライドは更新点を下線引いております。キャプションがないスライドは中間まとめから更新がないスライドになっております。
 まず、基本的考え方及び施策の方向性についてです。
 3ページ、原子力に関する科学技術の重要性ですが、カーボンニュートラルの実現、経済・技術安全保障、国際競争力の保持・強化の観点から引き続き重要であるということをまとめております。更新点としては、国内外の情勢の変化として、昨年に閣議決定されましたエネルギー基本計画で、原子力を最大限活用する方針が示されたほか、AIやDXで電力の消費量が拡大する流れとともに、国際情勢を受けた原子力エネルギーの重要性の再認識について記載させていただいております。
 次に4ページです。我が国の原子力科学技術の現状についてですが、海外のシンクタンクが重要技術分野において各国がどのようなアクティビティー、研究シェアがあるかという観点から順位付けしている分析で、2000年代初頭と直近5年ほどの時期を比較して順位がどう変わっているかを整理されたものです。日本が軒並み重要技術分野の順位を下げている中、赤枠でかかっているところが原子力エネルギー分野ですが、そこにおいては3位という上位を確保している状況になっております。
 一方で、5ページ、国内に目を向けますと、大型実験施設・原子力施設の減少、原子力関連学科・専攻の減少、原子力教育を行うことができる教員の減少、研究室在籍学生の減少といった状況に直面しており、引き続き原子力科学技術に関する施策を力強く進めていく必要があると考えているところです。
 次に6ページです。先ほど少し触れましたが、新しいエネルギー基本計画のポイントになっております。原子力を最大限活用するほか、可能な限り原発依存度を低減するとの文言を削除され、リプレースで次世代革新炉の新設を認められるようになりました。それに伴い、研究開発を進めるとともに、人材の維持・強化に取り組むこととしております。
 次に続く7ページ・8ページは、夏頃の取りまとめに向けたスケジュールや、中間まとめ以降の審議状況について取りまとめておりますので、ご参考になっております。
 次に9ページです。今後の原子力科学技術に関する政策の方向性についてですが、上に記載されている基本姿勢や、下にまとめている5本柱自体は変更しておりません。一方で、基本的考え方に、下線で書いておりますが、フロントエンドからバックエンドまで原子力機構を中心に施策を推進・展開して、なおかつバックエンドの取組によって基礎基盤研究を含むフロントエンドの取組が過度に制限されないように、両者のバランスが重要であるということを記載させていただいております。この次のページ以降で、原子力バックエンド作業部会で議論されている柱3「廃止措置を含むバックエンド対策の抜本的強化」以外の各論について、各担当よりご説明させていただきます。
上原行政調査員:原子力課総括係の上原と申します。新試験研究炉の開発・整備の推進について説明いたします。
 11ページ目ですが、もんじゅサイトを活用した新試験研究炉の開発・整備についてです。平成28年、「もんじゅ」の廃止措置を行い、同サイトに新たな試験研究炉を設置することが決定されております。今後また国内の試験研究炉の多くは廃止の方針が取られておりまして、我が国の研究開発・人材育成基盤が脆弱(ぜいじゃく)化している状況がございます。そういった背景の下で、文科省としましては、新試験研究炉の設置に向けた取組を行っているというところになります。
 経緯と実績、進捗ですけれども、これまでJAEAを中心に設計・調査などが行われてきたところでございます。令和6年に国土地理院が公表した活断層図において、推定活断層がもんじゅサイトに示されたというものです。その後、昨年1月、11月に当部会で推定活断層の記載に対する対応についてご報告させていただくとともに、JAEAを中心に原子炉の設置に向けた調査・設計に取り組んできたところでございます。
 次のスライドをお願いします。
 こちらのスライドは基本的な仕様になっておりまして、特に変更はございません。詳細については割愛いたしますが、この新試験研究炉では熱出力10MW未満ということで、JRR-3を少し小型にしたような原子炉を想定しておりますが、こちら現在の技術・知見などを基に高い中性子束を得られるようにJAEAを中心に設計を行っているところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらについても、基本的には変更はございませんで、大まかな計画となっております。現在におきましては、詳細設計を進めているところでございます。今後の具体的なスケジュールについては、まださまざまな調査を行っているところですので、現時点でお伝えすることはできませんが、できるだけ早く運転が開始できるように設計・調査を進めているところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。こちらのスライドは、推定活断層の公表を受けた調査の状況に関するものです。推定活断層に関しましては、根拠として示された地形を中心に現在調査を行っておりまして、令和8年度も同様に調査する予定となっております。また、地質調査全体に関しましては、推定活断層の影響がまだ完全に判明されてない段階ではございますが、令和8年度からこの推定活断層も考慮した場合に、比較的リスクの少ないA′を優先的に地盤のデータの取得を進める予定となっております。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらは新試験研究炉に設置を検討している装置群のスライドになります。こちらについても大きな変更はございませんが、現在、京都大学を中心に、各装置のタスクフォースを設置しておりまして、汎用(はんよう)性やニーズの高い優先5装置、それ以外の装置についても設置検討しているというところにございます。
 新試験研究炉の説明は以上です。
 続けて、JRR-3の安定的運用・利活用の促進についてご説明いたします。次のスライドをお願いします。
 JRR-3、我が国初の国産研究炉でございまして、JAEAが開発・運用している世界トップレベルの研究炉となってございます。運転再開後、継続的・安定的な運用を実施しておりまして、現在大学等のアカデミア利用によらず、産業利用なども行われているところとなっております。また、こちら、大部分を輸入に頼っております医療用RIの原料製造についても記載されているところでございます。JRR-3につきましては、現在、東大物性研協力の下、利用者のニーズの多い小角散乱装置の新設に取り組んでおります。また、物性研、中性子学会など、いろいろな機関の協力を得まして、設置されている装置群の高度化を推進するための将来計画をまさに今、検討しているところでございます。また、医療用RIの製造についても引き続き取り組んでいるところです。
 次のスライドをお願いします。
 こちらはJRR-3及び「常陽」を活用した医療用RI製造の検討状況、取組状況のスライドになります。JRR-3では、モリブデンの放射化法による製造検証、それから溶媒抽出法による分離精製の研究開発に取り組んでいるところでございます。「常陽」につきましては、アクチニウムの製造実証に向けて、原子炉の運転再開に向け取り組んでいるところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらはRI製造に関する課題や議論についてのスライドでございます。まず課題としましては、原子炉は定期検査で必ず停止しますので、継続した供給にあっては、加速器も含めた全体での議論が必要ということです。また、特殊法人改革の経緯から、JAEAではRIの製造・頒布というのが業務から取り除かれておりますので、実際に製造に取り組むにあっては、この右側のスキームでの対応が必要と考えているところです。
 したがってRIの製造全体を進めるにあっては、それぞれのステークホルダーにおけるプロセスなどの具体化が必要という状況でして、これらは内閣府を中心に検討しているところでございます。
 また、下のほう、原子力委員会における議論としましては、アクションプラン設定後約3年が経過しておりまして、さまざまな進捗変化があることから、現在、原子力委員会においてヒアリング及び現状の取りまとめを行っているというような状況にございます。
 こちらで新試験研究炉の開発・整備の推進については以上になります。
野山係員:続きまして、19ページ目をご覧ください。2つ目の柱でございますけども、次世代革新炉の開発及び安全性向上に資する技術基盤の整備・強化ということで、こちらにつきましては、大きくは高速実験炉「常陽」、高温ガス炉、安全研究の話で構成されております。
 次のページをご覧ください。
 高速実験炉「常陽」は、我が国初の高速炉であり、さまざまな成果を創出してまいりました。中間まとめからの更新点として、概要の2つ目のお示しのとおり、令和6年9月に茨城県及び大洗町から運転再開に向けた地元了解を取得し、現在、新規制基準に適合するための工事等を推進しているところでございます。
 続きまして、21ページ目をご覧ください。
 こちらは中間まとめから大きな更新等はございませんが、運転再開後は高速炉実証炉開発への貢献、がん治療のための医療用RIであるアクチニウム-225の製造実証をはじめ、国内外での多様なニーズに応えていきたいと考えております。
 続きまして22ページ目において、「常陽」のスケジュール案をお示ししています。高速炉実証炉のスケジュールにつきましては、現在検討中の次世代革新炉開発ロードマップ案を基に作成しており、「常陽」と高速炉実証炉のスケジュールは線表にお示しのとおりとなっております。
 続きまして、23ページ目では新規制基準に適合するための工事の概要をお示ししており、令和5年7月に取得した原子炉設置変更許可申請の内容に応じた機器・設備の改造工事等が実施されているところでございます。
萩原係員:続きまして、24ページ目、HTTR(高温工学試験研究炉)についてでございます。高温ガス炉については、事故時においても炉心溶融を起こさない設計が可能な優れた固有の安全性を有し、また高熱供給も可能な次世代革新炉となっております。概要の3つ目の丸ですが、令和2年6月には新規制基準適合に係る設置許可を取得し、令和3年に約10年ぶりに運転を再開しております。左下、経緯と実績の欄でございますが、直近の実績としましては、令和6年度に出力100%からの炉心流量喪失試験に成功するといった実績を残しており、前回の中間まとめからの更新点として、令和7年に熱利用試験に係る設置変更許可を申請しております。右側、今後の基本方針としまして、3つ丸を書いてございますが、HTTRと熱利用施設との接続に向けた取組、実証炉開発へ向けた貢献、海外との協力の推進を今後行っていこうと考えております。
 ページめくりまして、25ページ目は高温ガス炉の意義についてですが、先ほど申し上げたとおり、優れた安全性と熱利用ができるということで、こちら中間まとめと同じスライド、更新ございません。
 1枚めくりまして、26ページ目になります。こちらはHTTRに係る今後のスケジュールとなってございますが、先ほどありました「常陽」と同じで、経産省において現在検討中の次世代革新炉開発ロードマップの案を反映したものとなってございます。HTTRに関しましては、引き続き2028年度に水素製造試験を実施することを目指していくとともに、下のほうございます、高温ガス炉実証炉の開発に向けては、経産省において2029年度マイルストーンにおいてガス炉開発の是非について検討していくこととしているところでございます。
 続いて、27ページ目、(3)安全研究等の推進でございますが、こちら「常陽」、HTTRといった革新炉の研究進めていくに当たって、安全研究も重要ですといったことを述べさせていただいているスライドでございます。
 以上、次世代革新炉の説明でございました。
小竹調査員:ありがとうございます。3項につきましては省略とさせていただきまして、4項、ページでございますと、36ページ目から説明させていただきます。
 それでは、原子力課基盤研究・人材担当の小竹が、基盤研究における進捗状況についてご説明させていただきます。
 次のページをお願いします。
 前段で、研究開発・人材基盤が脆弱化しているというところについて触れましたが、こうした基盤の維持・強化のために、原子力科学技術・イノベーション創出に向けた取組として、文部科学省で行っております公募事業である原子力システム研究開発事業では、中核的機能の強化として、令和7年度の公募から一般課題型の創設、研究期間の見直し、2階建ての申請方法の見直し、人材育成機能の強化、PD/PO体制の強化等を検討・推進しております。また、JAEAにおいて実施しております基礎基盤研究では、世界初のウラン蓄電池開発等、成果を着実に積み上げておりますが、その一方、JAEAにおきまして、国内の英知を結集する仕組みの強化や、容易なアクセス環境の構築や、JAEAの研究システムの戦略的な整備高度化・供用、あとはJ-PARCの共用・高度化等、新たな研究開発の取組を検討・推進しております。
 次のページをお願いします。
 先に説明しました原子力システム研究開発事業につきまして、令和8年の公募においては、先ほど説明した令和7年度からの取組に加えまして、令和7年度の公募若手枠によって、科研費の基盤研究Cまたは若手の研究代表者からの応募が増えたというような事情を受けまして、科研費の次のステップとして、若手研究者により効果的な支援を行うために研究経費を年間基礎額1,000万と、追加で最大1,500万円以下としていたものを、年間基礎額700万円以下で、追加で1,400万以下として、採択数を増やせるような取組といたしました。
 以上でございます。
狩場係長:続いて、原子力機構における研究開発のこれまでの取組例です。小口理事長のリーダーシップの下で、「ニュークリア×リニューアブル」を掲げて、イノベーションに向けた先端原子力研究を重点的に進めています。特に、左下に記載させていただいているウラン蓄電池については、令和6年度に原子力機構が世界で初めて開発に成功したもので、本研究が実用化されれば、太陽光発電や風力発電との変動調整に活用できるため、社会実装に向けた取組を進められております。右下についても、J-PARCに関する最新の研究成果として、金属を脆化させる要因の水素が、一部のステンレス鋼では強度向上などの性能向上させる仕組みを解明しました。文科省としても、原子力科学技術に関する新しい研究開発を積極的に推進していく方針です。
 次のページ、原子力機構の機能強化についてです。現在、政府全体では日本に強みがある技術の社会実装を進めるとともに、勝ち筋となる産業分野について国際競争力の強化と人材育成に資する戦略的支援を進めていく新技術立国を実現すべく、各分野の国研の機能強化が検討されています。原子力分野については、次世代革新炉の社会実装に向けて、最先端の研究開発環境や人材の確保、社会実装に向けた合理的な規制などが不可欠であり、我が国唯一の原子力研究開発機関で、ファシリティ、専門家、セキュリティを併せ持つ原子力機構の機能を強化して、原子力分野の技術基盤を担い、産業競争力等を強化する方針です。方向性としては、左下の人材育成の拠点として、原子力機構の施設設備を活用した実習機会の拡大等による人材育成機能、次世代革新炉の社会実装などに向け、原子力機構の施設・設備の戦略的な整備・高度化・供用などによるイノベーション機能、それらを支える原子力機構自らの技術基盤・人的資源の強化を考えており、引き続き夏に向けて検討を進めていく方針です。
長谷川調査員:続いて41ページのほうをお願いいたします。ここからは、原子力に関する人材育成機能の強化についてご説明します。こちらでは大きく2つになっておりまして、先の議題でもご説明したとおり、ANECについて、これまで令和2年度以降にコンソーシアムという体をなして活動を進めてきておりますが、令和8年度にこのANECが一区切りを迎えるということを踏まえて、令和9年度以降のポストANECの在り方を現在検討中でございます。もう一つが、JAEAの原子力人材・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター、通称ISCNが、新しい体制の改組のタイミングで設立されました。
 ここの機能を今後さらに強化していく方向で検討を進めている状況でございます。
 次のページをお願いいたします。ここでは、ANECの活動実績ということで、短期アウトカム、中期アウトカムという形で整理しております。ANECのほうで大きく4つの柱で活動をこれまで進めてきておりまして、一つが教材・カリキュラムの整備、もう一つが実験・実習機会の提供、3つ目が国際研鑽の場の創造、4つ目が産学協創の場の創造ということで、4つの柱で活動を進めてきております。それぞれの4つの柱ごとで、この令和3年度から令和6年度の期間の進学者数と就職者数をまとめた表が右側にございますが、進学者数のほうでは、原子力関連の分野への進学者数が5割から10割、就職者数のほうが4割から8割という、特に高い成果を残すことができております。今後このような成果も踏まえまして、ポストANECの検討を進めていきたいと考えております。
 43ページのほうは議題1のほうで扱いましたので、ここでは割愛させていただきます。
多田補佐:それでは、44ページから、東京電力福島第一原子力発電所事故への対応についてご発表します。
 次のページの45ページに、福島第一原子力発電所の廃止措置等研究開発の推進に関する取組について記載しております。概要といたしましては、国内外の英知を結集し、1Fの廃止措置に向けた研究開発と人材育成を推進する拠点として、CLADSを設立いたしまして、この開発を中核に、これまで研究開発・人材育成を一体的に推進してまいりました。また、JAEAにおいては、福島県、国立環境研究所及びF-REIと連携して、これまでも環境の回復のための調査及び研究開発を実施してきたところであります。
 経緯と実績といたしましては、英知事業を推進することにより、国内外のさまざまな分野の知見を融合させて、1Fの廃炉に向けた研究開発・人材育成を推進してまいりましたとともに、福島の環境回復に係る研究開発につきましては、JAEAにおいて、環境創造センター中長期取組方針に基づき、放射線計測に係る研究を実施してまいりました。また、CLADSの一部の機能を、令和7年度よりF-REIに移管・統合しております。
 今後の方針といたしましては、英知事業により引き続きCLADSを中核に、産学が連携した基礎基盤研究・人材育成を推進するとともに、またより参画者の裾野を広げる方法につきましても、夏に向けて検討してまいりたいと考えております。また、第2期復興・創生期間以降における、東日本大震災からの復興の基本方針を踏まえた、環境回復に係る研究も推進してまいりたいと考えております。
 英知事業につきましては、次のページにこれまでの概要と成果を記載しております。東京電力福島第一原子力発電所の廃止に係る研究開発のために、JAEA/CLADSを中核として国内外の英知を結集し、研究や人材育成の取組を推進してまいりました。こちらの英知事業の中では、研究開発の取組として3つのプログラムを設けておりまして、課題解決型廃炉研究プログラム、国際協力型廃炉研究プログラム、研究人材育成型廃炉研究プログラムを推進しております。また、こちらの英知事業の中では、廃炉創造ロボコンというものも実施しておりまして、1Fの建屋での作業を想定した環境で競技を行うことにより、ロボット製作等を通じて学生に廃炉に関心を持っていただくとともに、高専生の創造性の涵養を目指すものです。こちら、昨年の12月に第10回目が開催されました。
 英知事業においては、平成27年度から進めてまいりまして、これまで成果も生まれております。こちらは例として2つ記載させていただいておりまして、α・β汚染可視化検出器の開発でありましたりとか、超小型・高発光量の赤色シンチレータを用いた線量計の開発を行ってまいりました。こちらはどちらも1F内での現場実証として、東電自主事業でも参画しているものになります。今後もこういった適用していただけるような取組成果を発信していくために、参画者の裾野を広げる方法についても検討してまいりたいと考えております。
 以上になります。
井原係員:続いて、私からは原子力損害賠償の円滑な実施に係る取組について、中間まとめ図の資料からの差分を中心にご説明させていただきます。
 まず、資料は47ページ目をご覧ください。
 東京電力福島原発事故について、原子力損害賠償紛争審査会を設置・開催し、賠償に関する指針の策定や、ADRセンターにおける和解の仲介を実施しております。ADRセンターについては、令和7年12月時点で累計約3万1,000件の手続きが終了しており、うち約8割で和解が成立しています。また、直近で力を入れている取組といたしまして、損害賠償に関する広報活動がございます。これは令和3年に損害賠償請求権の時効について、これ以上の延長は行わず、国と関係機関で連携して賠償請求を促す広報活動に取り組むことによって、早期の賠償実現を図る方針としたことを受けたものになっております。ここ2年ほどは、賠償について被害者の方からお問い合わせいただける政府の窓口を紹介するCM動画の放映や、チラシの配布等の取組を行っております。今後とも審査会による損害状況の把握とともに、和解仲介の円滑な実施や、広報周知活動を通して迅速・公平かつ適正な賠償の実現に努めてまいります。
 続いて、資料おめくりいただいて48ページ目をご覧ください。原子力損害の賠償に関する法律、原賠法について、令和11年末までに改正が必要になっていることから、今回資料に追加させていただきました。原賠法は、直近では平成30年に改正しており、改正内容としては、原子力事業者の損害賠償実施方針の作成・公表や、仮払資金の政府による貸付についてとなっております。また、改正時の検討においては、実際に改正された、先ほど述べた項目だけでなく、原子力事業者の責任の内容や範囲、賠償措置額についても議論があったところです。今後、福島事故の賠償の実情や、我が国の原子力政策の動向等を踏まえ、次期の改正に向けて今後の損害賠償措置の在り方についての事前検討を進めてまいります。
 また、同ページに記載しておりますCSC条約につきましては、直近の動きとして、本年1月14日の締約国会議において、原子炉を保有しない国の拠出金負担義務を廃止する改正を行いました。これによって、原子炉を保有しない国を中心に、CSC条約の参加国が増加することが期待されており、今後とも積極的にCSCのアウトリーチ活動などに取り組んでまいります。
青山係長:最後になりますが、50ページのところで、文科省における核不拡散・核セキュリティに関する取組について、概要説明資料を載せております。この核不拡散・核セキュリティ関連業務に関しましては、大きく2つの事業が走っていまして、一つが原子力人材育成、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の人材育成と技術開発に関する取組、そしてもう一つが高濃縮ウランの返還に関する取組となっております。こちら、黄色で示されているのが人材育成の取組で、緑が技術開発の取組ですが、こちら人材育成に関しては、先ほどの4項目のほうにあった人材基盤の強化ですとか、緑の技術開発のところは、2ポツのところにあった安全性向上に関する整備とかのところにこの取組を載せていて、こちらは具体的な取組の内容を載せておりますので、説明は割愛させていただきます。
 そして、下のほうの青い四角い枠のところに、高濃縮ウランの返還に関する取組についてを記載しております。こちらの取組は、核不拡散・核セキュリティ作業部会のほうからも、輸送の取組をアピールするようにというようなご指摘踏まえまして、今回この資料に載せさせていただきました。
 文科省としては、核テロの防止、そして核不拡散を強化するという観点で重要な研究炉における高濃縮ウラン燃料を、低濃縮ウラン燃料に変換するという取組を進めてまいりました。現在、高濃縮ウラン燃料を保有する国内最後の研究炉である近畿大学の原子炉に関して、高濃縮ウラン返還の取組を文科省から支援しているところでございます。これまでJAEAの研究炉、そして京都大学のKUCA等の低濃縮化も実施してきております。これらの取組は、非常に海外との調整等は膨大な労力がかかるところですけれども、関係者の方々の協力を得ながら、文科省としても支援をし続けているといったところでございます。もちろん、低濃縮化の取組は大事ですけれども、文科省としてはこの低濃縮化を行った研究炉を、今後人材育成や研究開発に積極的に活用されるということも期待して、今後は着実に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 こちらでこの資料の説明は以上になりまして、残り参考資料ですが、文部科学省の原子力科学技術関係の予算の概要、そして原子力機構の人員・予算の推移に関して資料を掲載させていただいております。
 説明は以上になります。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。それでは、意見交換に移ります。本件についてご意見のある委員の方は挙手をお願いいたします。
 では、高木委員と、その後は岡田委員ですね。では、まず高木委員お願いいたします。
高木委員:エネルギー広報企画舎の高木です。先ほどの議題にも通用するところで、人材のところについて一つコメントさせていただきます。人材を獲得していくということで、今、若年層からアプローチしていくというのが一つのキーワードとして皆さん共有している認識だと思いますが、先ほどの北大さんの公開コンテンツも、実際、高校生の原子力オリンピックでの成果を支えたという実績があります。若年層の中にさらなる人材発掘の余地があるというのが女性だと思っていまして、女子学生をいかに取り込んでいくかというのも一つ、数を増やしていくという有効な手段だと思っています。それで、ANECなどといった信頼性の高いプラットフォームからのアプローチというのは非常に効果があると思いますので、女子学生へのアプローチもいろいろなところからやっていかなければならず、その一つとして、こういったところも受け皿になっていただくというか、活躍していただくということに期待しております。
 以上です。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。次は岡田委員の話を聞いた後に回答ということにさせていただきます。では、岡田委員お願いいたします。
岡田委員:ご説明どうもありがとうございました。この政策の方向性に関しては、基本的に全般このとおりかと思っておりますので大きな意見はないです。やはり一番気になったのがスライドの最後53ページになりますが、原子力機構の要員も今、最低限をキープいただいているところかと思っていまして、これだけ多岐にわたる政策を進めていく中、これからまた原子力を盛り上げていかなければいかないところで、研究人材をどのように増やしていくかも大事なことかというのは、あらためて自分も認識した次第です。やはり研究人材を増やしていこうと思うと、単純にいうと大学を卒業してという話になっていくと思っていまして、そうするとやはり原子力学科などに入ってくれる、そういう若者を増やしていかなければいけないという話になると思いますので、そういうところの作戦ではないですけれども、原子力の若手の母体を増やして、その先で研究機関に行くとか、そのまま大学の先生として残るという道もあるでしょうし、はたまた推進とかの規制というところで、官庁の人材の方も今いらっしゃると思いますし、設計をやりたいと思えばメーカーに行く方もいるでしょうし、今後のキャリアみたいなところを学生に見せつつ、関心を持ってもらいながら人を増やしていく活動をしないといけないと思いました。まさにこの間の経産省の協議会でも、どのように原子力に対して魅力を持ってもらうのかということが論点になっていたと思うのですけれども、そこのところはあらためて、しっかり見える化をして引き込んでいく活動というのを協力してやっていくことが大事と思った次第です。感想みたいな話になりましたけれども、以上でございます。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。では、何かしらのご回答をいただければと思います。よろしくお願いします。
有林課長:原子力課長の有林です。高木委員、岡田委員、ご指摘ありがとうございます。高木委員からご指摘ございました女子学生のほうでございますけれども、われわれも問題意識は同じでございます。特にわれわれ、高校生を対象にした、まさに日本国内の企業とか大学で、どのような原子力の活動が行われているかという説明会のようなものを、オープンキャンパスという名前で毎年1回行わせていただいておりまして、去年は万博の時期だったということで、大阪大学で。その前は科学大で行っておりますけれども、大体150人から200人近い学生が来るんですけど、大体3分の1ぐらいは女子学生が占めているということで、これ、われわれとしても大変ありがたいことだというふうに思っております。やはり学生と直接話をしても、すごく今の学生の方々、われわれの時と違ってすごいインターネットを使って、さまざまな情報を自分で直接ダイレクトに取ってくるので、われわれですとなかなかテレビだとか新聞だとか学校でしか知識得られないところを、やはり独自にいろいろと調べて、それをもってすごい関心を持っているということで、かなり会話をしていても強い問題意識というか、持っているなというところは感じるところがございますので、われわれとしても、そういう学生に対してちゃんと進むべき道として、こういった道がありますよというようなところをしっかり示していくことが必要かというふうに思っております。岡田委員のご指摘にも重なりますけど、やはりその意味で、なかなか原子力学科というところが、大学における学科や専攻の大くくり化みたいなところで、実際に原子力っていう看板自体が見えにくくなっている中で、やはりそうであっても、逆にこういったANECの活動などを通じて、全国いろんなところに行ったとしても、この全国のネットワークを使ってさまざま原子力に触れる機会があるんですよというようなことをしっかりアピールしていければと思っておりますし、今後、事務局機能の一元化というふうなところも進めたいと思っているんですけど、その一つのところとして、やはり発信能力というものを、個別ではなくて、やっぱりしっかりと一つの司令塔の指揮の下で、みんなで同じ情報を、学生が必要としている情報をしっかりと発信していくというようなところも必要かと思っていますので、そのようなところでご指摘いただいた点についてしっかりと対応させていただきたいと思います。
 また、岡田委員のご指摘ございました53ページの機構のほうの現状につきましては、われわれとしても機構のほうにおいて、今回スライドの中でも、機構の機能強化というようなところを述べさせていただきましたけども、これまで特に廃止措置であったり、そういったところを中心に、「もんじゅ」だとか「ふげん」であったり、東海再処理などございましたけども、一方で高温ガス炉や高速炉の実証であったり、またはこれからどんどん革新軽水炉になれば、リプレースとして出てくるのであれば、そういったものを支えていくようなより安全研究の強化であったり、機構の役割がますます重要になってくるかと思っておりますので、そういったことに応えられるようにしっかりと対応していきたいと思いますし、また若い人たちに対してのキャリアという意味でも、特に研究人材として、原子力機構がキャリアの一つに当然なっていくものかというふうにも思いますので、国として魅力的な研究拠点であったり、大学であったり、そういったところを整備していく方向に努め、魅力あるというふうにご指摘ございましたけれども、そういったところでの魅力の発信に努めていきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。では、引き続きまして意見交換していきたいと思います。どなたかご意見あれば。
 では、まず最初に秋山委員、その後小澤委員で、村上委員の順番でお願いいたします。では、秋山委員お願いします。
秋山委員:ご説明ありがとうございました。先ほどの議題とも関わるところですけれども、42ページ目のANECの活動実績を見ますと、思った以上に進学率とか就職率が原子力人材として育っているということを見て、思った以上に効果があるということが分かったんですけれども、一つ進学率という関係で、博士人材というのも高度な知識あるいは技術を持った人材として重要かと思うんですけれども、その博士人材に対する、なかなか上に上がってくれないというのが大学としてもあるんですが、できればそういうふうにドクターを取った人が現場で活躍してほしいというのもありますので、その原子力人材育成においての博士人材をどう捉えていらっしゃるかというのと、それからどういうふうな支援というか、それから博士人材の活用ということも考えられると思いますので、例えばリサーチアシスタントとかいう形でANECでも活用できるかなと思いました。
 あと、これ前の議題に関わるとは思うんですけれども、原子力業界との関わりということで、インターンシップどうするかというところで何度か議論させていただいたんですけれども、もっと多様な選択肢というか、大きな企業さんいらっしゃるんですけれども、中小で関わっている企業さんとか、それからJAEAの話、最後にありましたけれども、そういう公的な機関もあるということで、結構そういう意味でも裾野が広がっているということを、就職先としての裾野も広いということも理解してほしいので、そういうことに関しても考えていただけるといいかなと思いました。
 ありがとうございます。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。では、引き続き小澤委員、お願いいたします。
小澤委員:小澤でございます。ご説明ありがとうございます。先ほどの答弁の中で、原子力機構の機能強化というところがちょっと気になって、幾つか質問といいますか、指摘しておこうと思います。ご説明では、これまで機能の縮小をしてきた経緯をご説明されたような感じがあったんですけども、やっぱり強化するにあっては視点があると思います。例えば「もんじゅ」の跡地の研究炉ですけれども、推定活断層の対応は、そもそもこの推定活断層という概念が私はよく理解できてなくて、明確に特定できない、位置も不明確というのを、ごりごり延々とやっても、あまり原子力全体としてはゴールが見えないって言うんでしょうか。なので、こんな地震が起きた時、研究炉ではこの程度の被害ですよとか、こういう対応で地域を守れますよとか、そういう安全研究と併せてやっていって、規制側と真正面からぶつかっていくということが必要ではないかというところが一つ。
 もう一つは「常陽」のところですけど、次年度、26年度までにアクチニウム-225を製造するというフェーズに入っている割に、製造・頒布が除かれた経緯があって、ちょっと縮こまった感じがあるんですけど、全体としてこのサプライチェーンを見て、指導する部分とかアドバイスする部分いっぱいあるんじゃないかと思うので、やっぱり民間だけでできないところをサポートする機能っていうのは必要なのかなと思います。
 一方で、逆向きの矢印かなと思ったのがあって、安全研究の40ページです。40ページのリンゴの絵から、社会実装と、こう書いてあって、このSMRがもう着工しているので、JAEAさんから社会実装というよりは、海外でよい事例があるので、ここはこの逆向きに、いろんなよい事例を国内に持ち込むとか、高速炉のところも、世界でいい技術が多分あると思うんです。もちろん、日本ではよい技術があって、2040年代には高速炉の電力出なきゃいけないというフェーズにあるので、がんがんと実践的な話が必要になってくるのではないかと思います。
 というところで以上です。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。では、村上委員お願いいたします。
村上主査代理:ご説明いただきまして、皆さまありがとうございました。ご説明の内容自体は非常によく分かりましたし、大きなグランドビジョンに沿って進んでいるということは理解をいたしております。その上で、一つ、少しブロードな観点でコメント差し上げたいなと思っていたのが、原子力開発技術の研究開発は、トップダウンといいますか、ツートラックでやることが大事だと思っておりまして、トップダウンできちんと政策目標に向かって進めていく、着実に進めていくというようなタイプの研究開発と、それからよりボトムアップでいろんな知見を自由に考えて、その中からイノベーションが生み出されることを期待するという、この2つのタイプのものがあると思っております。今回ANECについてトップダウンで進められるというふうに改定されたのは非常によいことだと思っていまして、そこがあれば、その後のその下にぶら下がっているいろんなメニューがきちんと働くと思いますので、ぜひトップダウンで進めていただきたいと思いますし、他にも、英知事業はもう既に比較的トップダウン型になってきたということもございますので、トップダウンでしっかり進めるべきものについて、下手に委ねずにちゃんとリーダーシップを取って、文科省さんやられようとしておられるということについては、非常に素晴らしいと思います。
 ただ、その一方で、ではボトムアップ型でいろんなものを支えていくというようなことについて、機能が少し副作用として落ちてしまうのではないかというような懸念も少し持つところもございます。
 じゃあどこがボトムアップ型で進められる余地があるのかといって見ていきますと、新試験研究炉はその経緯からして、ややこれまでと比べて少しトップダウン型で進めざるを得ないものにはなっておりますが、いろいろな配慮をしながらやっておられるということもよく承知をしているところでありますけれど、JRR-3はどうかというと、これはもうどちらかというとボトムアップ型でやってきたものではあるんですけれど、これについてサポートが落ちているというふうには思わないんですけれど、一方で、年度単位にかかるランニングコストが非常に高くなっているということがございますので、別に支援を落としているわけではないんだけれど、やれることが減ってきているというような実情がございます。この資料全体として見た時に、やはりどちらかというと計画を着実に進めるというような観点で書かざるを得ないということは承知をしておりますけれど、ぜひボトムアップで、自由な発想でイノベーションを高めていくというようなことに対してどういうアプローチを取られるのか、イノベーションがウラン電池だけだとさすがに悲しいので、いろんなものが、特に新しいタイプのリアクターみたいなものの提案が、パワーポイントリアクターでよいので、出てくるような環境あるいは新しいタイプの核燃料のコンセプトが構想段階でよいので出てきて、一発試験ができるような環境というのをどういうふうに整備ができるのかというのが、先ほど小澤さんのおっしゃった機構の環境整備と合わせて非常に重要かと思いますので、ぜひその点についてお考えをお聞かせいただきたいなというのが一つございました。
 あともう1点だけございまして、先ほどから規制の話も出ておりますけれど、いろんな断面で難しい問題があるというのは承知をしております。例えば電力事業ですと、ATENAという枠組みがあって、CNOあるいはそれに類するような方と規制委員との間が、特定の話題に対して定期的にディスカッションを持つという、フォーマルな枠組みがございます。むしろグレーデッドアプローチをどういうふうにこれからIRRSのミッションを受けてより研究炉あるいは放射線設備に入れていこうかということを考えますと、研究のサイドでもこのフォーマルに複数の施設のオーナーあるいはユーザーが意見、オピニオンを規制に対して発するというようなことが必要なのではないかというふうに感じるところもありまして。JAEAさんは理事長と、それから規制委員との間の懇談というのは定期的に持たれていると承知をしておりますけれど、他の事業者に対しては、現場レベルでの面談の機会、あるいは少し広い枠組みの中で、検査制度の中での意見聴取の機会というものしか存在をしないということがございますので、ぜひ何かそういうフォーマルなディスカッションの機会がJAEAさん以外の事業所も含めてコーディネートされると、ボトムアップを支援するという意味でも非常にありがたいかなと思っておりますが、何かいい手だてはないでしょうかというのが質問でございまして、この2点についてお聞かせいただければありがたく存じます。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。では、3名の委員からコメントいただきましたけれども、何かしらのご回答をお願いいたします。
有林課長:原子力課長の有林です。ご意見ありがとうございました。まず、秋山委員のほうからご指摘をいただきました、博士人材の取り扱いについては、われわれも各大学の、特に博士コースの現状というのは重々理解しておりまして、特に外国人に依存しているなどの状況ございます。そういったところを実際にどのように改善していくのかというところについては、先ほどもRI等ございましたけれども、われわれANECの中の仕組みでも、やはりそういう人を育てていくようなキャリアステップのものとしてANECを活用していくというような利用の方法を進めたいと思っておりますので、そこは各大学からの今後のご意見を伺いながら、具体策に落とし込んでいきたいと思っています。
 また、産業界との連携のところで、必ずしも大企業ではなくて、中小企業や、または研究機関等ございましたけれども、こちらのほうにつきましては、必ずしも大企業だけではなく、常に中小企業など、例えば経産省のほうでサプライチェーンネットワークの人材育成事業を行っておりますけども、そういった企業の方々とも密に連携を取りながら、逆に言うとどうあるべきかというところをしっかりと制度として反映させていくというところも、今現在進行形で行っておりますので、より幅広い方々からご意見いただければと思います。
 また、公的機関につきましても、JAEAもそうですし、またそれ以外に規制人材もなかなか今、不足しているというようなところもございますので、まさにそういったわれわれが直面する全てのものというのを、こういった枠組みの中でカバーできるようなこと、その中での、まさに公的資金の中でできることってあると思うんですけれども、うまく各省庁とも連携をしながら、一体的にできるような制度を、ちょうど司令塔の下でというような枠組みも整いましたので、今後1年かけてそこはしっかりと詰めていくということを行いたいと思います。
 また、小澤委員からのご指摘ございました機能強化のほうにつきましては、おっしゃるところ、ごもっともだと思っております。これまで、どちらかというと縮小的なところがありはしたんですけれども、一方で高速炉であったり、ガス炉であったりというところに対して、実証炉に対しまして、原子力機構が今、中核的な役割を担っているというところございますし、また今後のところとしましては、まさに安全研究のところございましたけれども、これはわれわれも大変重要かと思っておりまして。これまで原子力機構のほうはあまり軽水炉のほうについては、どちらかというと産業界で実用化が進んでいるということで、あまりそういう研究の対象としてこなかったんですけれども、この4月に軽水炉用のセンターというものを新たに原子力科学研究所の下に設けまして、これがまさに今行っています、さまざまな企業の活動、具体的に申しますと先ほど小型軽水炉の、日立GEのSMRとかございましたけれども、まさにこういったものを例えば国内導入をする時にどういった課題があるのかというようなことであったり、まさに安全規制との関係で、抱えているさまざまな問題に対して、原子力機構は当然事業者であるとともに、安全研究センターという、まさに規制庁に対して、安全研究に対してのさまざまな提言を行うような機能も持っておりますので、ですのでそことも連携しながら、国全体としての役割の中で支援できるような環境仕組みというものを整えていきたいと思っております。ご指摘にありました、「常陽」のほうのRIのほうにつきましてもそうですし、また国内の海外の事例を取り込むというようなところにつきましても、頂いた問題点などを踏まえながら、しっかりとして原子力機構が各ステークホルダーから必要となるような働きぶりというところを、しっかりと進めていきたいというふうに思っております。
 また、村上委員からご指摘ございました、ツートラック、トップダウンとボトムアップのほうにつきましては、おっしゃるとおりで、これまでどちらかというとボトムアップ的なところが多かったところを、できるだけトップダウンで、特に国がリードする形で産業界やそれ以外のステークホルダーと連携できるような仕組みというのを整えたいということで、今、ポストANECであったり英知事業などというふうな形で取り上げさせていただきましたけども、一方でボトムアップも大変重要なことでございまして。なので、原シスのほうであれば、できるだけボトムアップに対応するような改革で、できるだけ現場の声を聞くような形で、プログラム自体、内容を適宜反映させていただいておりますし、また、JRR-3や新試験研究炉につきましても、できるだけ実際のアカデミアの意見を踏まえながら、どういった研究があるべきかというようなところを、さまざまなコミュニティーと、例えばJRR-3の場合ですと中性子関連の学会の方々と通じて、どういったニーズがそもそも現場にあるのかというところをしっかりと踏まえた上で、今後のJRR-3の将来計画に生かしていくというようなところにも、今、取り組んでおりますので。ご指摘ありましたように、今後のイノベーションの柱として、炉であったりサイクルであったり、そういったところはまさに将来的な目標として、われわれとしても意識しているところでございまして、ただ、その中ではやはり産業界と連携をして、どういったものをやっていくべきかっていうようなところと併せて議論していく必要があるかと思っております。
 また、ATENAと規制庁との関わりということで、まさにアカデミアのほうでもそういった議論が必要ではないかというところはごもっともだと思っていまして、先ほど申しました、JAEAが持っている安全研究センターというような関係での規制庁との関係、またはそれ以外にも学会のほうでもさまざま原子力規制に対して、先ほどのグレーデッドアプローチではないですけれども、さまざまな検討を行っているというふうに承知していますので、今後はやはりアカデミアとしての原子力規制庁との関係というところは、学会であったり、原子力機構であったり、そういったところがうまく連携をしながら、まさにATENAのように、さまざまな層で対話をできるように、仕組みというところはわれわれとしても今後検討していきたいとは思います。
 ありがとうございます。
黒﨑主査:ほか、何かございますでしょうか。まだしばらく時間ございます。
 では、上田委員お願いいたします。
上田委員:ご説明ありがとうございました。先ほど高木委員のほうから、女性の方にもっと原子力に振り向いてもらう、来てもらうことが重要っていう意見があったと思います。以前、大学の先生から聞いた話なんですけども、中学生とか高校生を対象にした原子力のイベントをやると、むしろ女性のほうが多いっていうことらしいんですね。それが大学、大学院、実際に就職となると、もう女性の数ががっと減るということで、その一つの要因として、親御さんですとか、教員の方の影響というか、偏見みたいなのがあるんじゃないかというような、聞いたことございまして。そういう意味で言うと、例えば42ページにある、高校生向けイベントとありますけども、親の方にも参加していただくような、そういう設えがあっても増えるかなというような気がしました。
黒﨑主査:どうもありがとうございました。何か答えますか。
有林課長:原子力課長の有林です。ご指摘ありがとうございます。われわれもそこについては、まさにお子さんがイベントに参加されることで、逆に親御さんが一緒にイベントに参加していただくことで、逆に言うと原子力と触れ合う機会ができると思いますので、これは大変重要かと思っています。実際、先ほど高校生対象のイベントを行っていると言いましたけれども、実は科学大でやった時は、これ学生だけの参加ということだったんですが、去年、大阪大学で行った時には、これ親御さんも大丈夫ですっていうことで開放させていただきました。その結果として、150人の学生に対して50人ぐらいの保護者の方が来られて、私自身も結構会場で保護者の方がどのような反応をされるのかっていうのは、結構自分自身も興味があったので、いろいろと意見交換もさせていただいたんですけども、結構自分の予想とは違って、親御さんのほうが積極的に、今どうなっているんですかというようなことを、いろいろ逆に言うと、要はお子さんがそういうような分野に興味を持つことに対して、親としてご判断するのに、さまざまな材料を欲しいというようなことを言われる方、結構多くてですね。これは大変重要なことかと思っていまして、なかなか保護者の方ってコンタクトする機会っていうのがない中で、そういったイベントを通じて保護者の方と接する機会があるのであれば、それを最大限に使いながら、今、国としてどのように動いています、また企業としてどういったアクションを行っています、活動を行っていますというような説明を直接することで、さまざまな疑念にお答えすることもできるかなとは思っておりますので、今後もさまざまこういったイベントを通じて、学生だけではなくて、その保護者の方々にもしっかりと丁寧にご説明していくということに努めていきたいと思います。よろしくお願いします。
黒﨑主査:ありがとうございます。
 私のほうから少し情報提供というか、良好事例の紹介させていただきますと、土木業界の方々がおられて、それ元々は土木業界の女性を増やしていくってことで、ドボジョっていうキーワードがあるんですけれども、このドボジョの方と意見交換した時に、女性というよりはむしろ業界全体に人に入ってきてもらうためにどうすればいいかということを、そのドボジョの方々がいろんな活動をされているんですが、その中の一つに、小学生を対象とした土木の見学であったりとか、あるいは勉強会みたいなのをしていると。われわれ原子力は、さっきのオープンキャンパスありましたが、高校生はやっているんですが、その下というのは特に見てなかったんですが、土木の方は小学生を。それは何でかっていうと、さっき上田委員がおっしゃった、親が絶対に小学生だと必ずついてくるんですよね。高校生だと勝手に高校生は行くんですが、親が来る高校生もいますが、小学生を対象にすると100%親御さんが来るので、実は小学生を対象にしつつも、親御さんへのアプローチっていうところが裏の目的なんだというようなことを土木の方にお聞きしました。なので、われわれもすごく参考になるところはあるのかなと思って、今の議論を聞いていました。情報提供でございます。
 ほか、何か。
 村上委員、お願いします。
村上主査代理:先ほどの更問というわけではないんですが、HTTR、「常陽」、それから1Fの廃炉の支援に関する、こういうビッグプロジェクト型の研究について一つだけお伺いをしたいなと思ったことがあって手を挙げました。現状、資料の中ではこの先数年のプランというのが出ているかと思いますけれど、一方で、物自体はもう少し長い期間残っていくわけなので、その次の弾というのをそろそろ考え出さないといけないということなのかなと思いますけれど、それぞれ例えば「常陽」であれば再稼働して、取りあえず現状、予定をされている照射試験は終わった後の次のステップにあれをどういうふうに使えるのかという議論も、今から始めないと間に合わないかなと思っているところです。核融合材料の開発とかでも使えるわけですので、そういった観点で、そういうものを次のステップで使うためのプラットフォームということを議論をする場みたいなところは、何かお考えはございますでしょうか。
黒﨑主査:では、有林課長お願いいたします。
有林課長:ご指摘ありがとうございました。ご指摘いただいた点はまさにおっしゃるとおりで、今われわれどちらかというと止まっている炉であったりするものに、例えばまずは動かすというようなことで、例えばガス炉については水素製造を2028年に行っていきます。また、「常陽」についてはしっかりと動かし、そして高速炉の実証炉に役立てていきますというような形で、ある程度ガス炉も高速炉のほうも、今、経産省さんと連携をして、実証炉というようなプロジェクトが今現実的に動き出しているところでありますので、まさにそことの接続点っていうようなところを、どちらかというと重要視しております。なので、今の現行の計画はそれをまさにしっかりと計画どおりに進めていきますよというようなものになっておりますけれども、逆にこれが本当に軌道に乗った時に、その次をどうするんだというようなところについては、それはご指摘のとおりかと思っていまして。ですから、その時に機構における、例えば研究施設としてどういったものが必要なのかというようなところ自体を、どのように考えていくのかということについては、われわれまさに今後、原子力機構の機能強化をしていきますというところを申し上げましたけれども、まずは入口として、今求められているところ、それに加えて少し挑戦的な安全研究の強化であったりだとか、そういったところは取り組んでいきたいと思っています。その先をどのようにしていくかというところについては、われわれとしてもまだ現在宿題と思っておりますけれども、それほど遠くない将来にしっかりとこのような場で議論していかなければいけないかなと思っています。
 ただ、それを行う上では、どちらかというと原子力機構だけではなくて、やはりアカデミアであったり、また産業界であったり、そういったところとさまざま意見交換をしていって、国として、例えばどういった施設を整備し、どういった領域をカバーしていかなければいけないかというところが、結局、例えば企業側のほうとしても、国内にあるか、海外で使うかというようなところ自体も、必ずしも国内にというふうになっている現状ではありませんので、国としての最適な形として、国の中でやるべきこと、その中で原子力機構が持つべき役割というようなところについては、われわれとしてもしっかりと議論していくべきとは思っておりますけれども、まずは現状、今回のこの更新の時点では、そこまでは検討し切れていないというところでございます。
水野戦略官:研究開発戦略官の水野です。先生、ご指摘ありがとうございます。私は先ほど挙げていただいた中でも、「常陽」の話に触れさせていただこうと思います。「常陽」は、まさに先ほどちょっと説明させていただいたとおり、まずは運転再開に向けて、今いろいろな安全工事はじめ取組を進めているというところで、運転再開しましたら、医療用RIの話なんかもありますけれども、やはり今後の高速炉開発、高速炉の実証炉のいろいろ設計・建設に向けて、照射試験等々やっていかなきゃいけないというところなので、まずは今、課長が申し上げたとおり、今やるべきことっていうのをやるということがまず優先事項なのかなと思います。まさに先生ご指摘のとおり、そうは言っても次のこと、やはり設計それから建設って最低10年とかそれ以上かかると踏まえると、今から考えなければならないねというのは、確かにそういう論点はあろうかと思いますし、この親委員会だったのかもしれませんけれども、やはりそういうご指摘が例えば国会のほうでもされたこともあって。そこでは高速炉開発もそうですけれども、やっぱり医療用RIもありますし、そのほかのいろいろ中性子を使った照射試験っていう用途もありますので、じゃあ一体どんなニーズがあって、そのニーズっていうのはもちろん機構だけではないし、アカデミアもそうなんですけどやっぱりなんといっても産業界、社会からどういうニーズがあるのかっていうのを十分踏まえた上で、国としてやっぱりこれ必要で、多額なリソースといいますか、お金もそうですし、あと人の問題ですね。
 本日もご議論いただいていますけど、どういうリソースを充てていくのかというのをいろいろ踏まえながら、設計なり議論をしていかなきゃいけないというのは非常に重要になってきますので、そういった議論の場、プラットフォームみたいなところも今後必要になってくるのかなというふうには考えておりますので、こういう審議会のような場もその一つになるのかなと思いますので、今後いろいろご相談を先生方としていきながら、議論を深めていければなというふうには思いますけれども、まずはやはり「常陽」の運転再開をしっかりやりたいなというふうに考えてございます。
村上主査代理:いずれも貴重な研究インフラなので、長くいい感じで、いろんな方向で使えるものが適切かなと思っているんですけど、一方で使う時の使いやすさ、使いにくさみたいなので、海外でもうまくいっているところとそうでないところとございますので、いい形が早く見つかるといいなと思います。
黒﨑主査:では、上田委員お願いします。
上田委員:48ページの原賠制度について記載がございますけども、原子力産業界は今、原子力プラントの建て替えということで、事業環境整備を含めた検討を進めております。今後の原賠制度の在り方についても強い関心を持っておりますので、よろしくお願いします。
黒﨑主査:コメントいただきました。どうもありがとうございます。
 ほか、何か。よろしいでしょうか、委員の先生方。では、どうもありがとうございました。
 それでは、本日予定していた議事は以上で終了しました。最後に事務局から連絡事項等をお願いいたします。
滝沢補佐:皆さまありがとうございました。本日の議事録につきましては、整理でき次第、メールにて委員の皆さまにご確認いただいた後、文科省のホームページにて掲載させていただきます。
 次回作業部会については、別途調整をさせていただきます。
 事務局からは以上です。
黒﨑主査:ありがとうございました。それでは、これにて第28回原子力研究開発・基盤・人材作業部会を終了します。ありがとうございました。
 
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