原子力科学技術委員会 原子力バックエンド作業部会(第7回) 議事録

1.日時

令和6年2月6日(火曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 今後の課題等について
  2. 原子力機構の廃止措置について
  3. 研究施設等廃棄物埋設事業について
  4. 大学等の廃止措置の推進について
  5. その他

4.出席者

委員

出光主査、井口主査代理、赤井委員、足立委員、飯本委員、大越委員、織委員、児玉委員、佐々木委員、中熊委員、吉田委員

文部科学省

奥原子力課長、鈴木放射性廃棄物企画室長、原原子力連絡対策官、菊地放射性廃棄物企画室長補佐

オブザーバー

板倉日本原子力研究開発機構副理事長、塩月日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部長代理、坂本日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター長、目黒日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部長、坂井日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター副センター長、小野瀬日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター副センター長、前川日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター事業計画室長、佐々木日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部次長、北川日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部主席、藤平日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進室技術主幹

5.議事録

【菊地補佐(事務局)】  それでは定刻になりましたので第7回原子力バックエンド作業部会を開催いたします。今回の作業部会は、オンラインにて開催いたします。これに関連した確認事項などもありますので、議事に入る前まで事務局にて進めさせていただきます。
 なお本日は葛西委員よりご欠席とのご連絡をいただいており、委員12名中11名にご出席をいただいております。運営規則の第3条に規定されている定足数の過半数を満たしておりますので、ご報告いたします。また本日は資料の説明および質疑応答のため、日本原子力研究開発機構から板倉副理事長他9名にご参加いただいております。
 まず、オンライン開催に対しての留意事項をご説明いたします。委員の皆様におかれましては、現在遠隔会議システム上で映像および音声が送受信できる状態となっております。ご発言を予定される場合は挙手ボタンを押していただくと、画面の左上に挙手マークが表示されますので順番に主査よりご指名をいただきます。ご発言をいただいた後は挙手ボタンを押して、もう一度ボタンを押して挙手マークを消すようにしてください。会議中、マイクは発言時のみオン、ビデオにつきましては常時オンにしていただければと存じます。通信状況が悪化するような場合につきましては、主査の出光先生を除きましてオフにしていただいても構いません。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は随時事務局宛にお電話にてお知らせください。傍聴される方におかれましては、ビデオ映像および音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、遠隔会議システムからご退席いただきます。議事録につきましては事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。そのためご発言の際は、お名前から発言いただければと存じます。事務局以外の方の会議の録画および録音はお控えください。以上が本日の進行に当たっての留意事項となります。
 続きまして、事務局で人事異動がありましたのでご報告いたします。まず、原子力課長の奥が昨年7月より着任しております。着任挨拶とともに、本日の第7回原子力バックエンド作業部会開催に当たりまして、一言申し上げます。お願いします。
 【奥課長(事務局)】  文部科学省の原子力課長の奥です。先生方におかれてはバックエンド作業部会にご協力いただきまして誠にありがとうございます。これまでもJAEAの施設の廃止措置や、低レベル放射性廃棄物の処分場の関係等、先生方にご議論いただきました。今般、原子力科学技術委員会、親委員会で、今後の原子力開発に関する政策の方向性を検討する運びになりました。その中で後ほどご説明をさせていただきますが、廃止措置を含むバックエンド対策を大きな柱の一つとして掲げたいと思っており、バックエンド作業部会ではその具体策について今後ご検討いただければと思っております。これから約半年間から1年にかけて集中的にご議論いただければと思っておりますので、ぜひ先生方のご協力をいただけると大変幸いに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 【菊地補佐(事務局)】  次に原子力課放射性廃棄物企画室長の鈴木でございます。
 【鈴木室長(事務局)】  阿部の後任で昨年の9月に着任いたしました、鈴木と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 【菊地補佐(事務局)】  続きまして本日の配付資料の確認をさせていただきます。今回は議事次第にございます11点の資料を委員の皆様および傍聴の登録をされた方宛に、事前にメールにてお送りさせていただいております。また、配布資料はそれぞれ議事次第に記載の通りです。お手元に資料がない場合は事務局までお知らせください。また何かございましたら随時お申し付けください。
それでは、これから議題に入らせていただきますが、運営規則第5条に基づき、本会議は公開とさせていただきます。また、第6条に基づき、本日の議事録につきましても後ほど文部科学省のホームページにて掲載させていただきます。事務局からは以上です。これからは、出光主査に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 【出光主査】  それではこれから私の方で進行させていただきます。本日の議題ですがお手元の議事次第にございますように、1から5までございます。時間は15時までを予定しております。よろしくお願いいたします。
それではまず議題1の今後の課題等に入りますので、まず事務局より資料1の説明の方よろしくお願いいたします。
 【奥課長(事務局)】  原子力課の奥です。先ほどご挨拶の中で触れさせていただきました、親委員会で、今後の原子力科学技術のあり方についての検討を予定しております。資料1に基づきまして簡単に、今後の課題等についてご説明をさせていただきたいと思います。2ページ目をご覧いただければと思います。政府の方でGXの基本方針や、今後の原子力政策の方向性と関係閣僚会議の方で原子力の重要性を改めて示されているところです。こうした中で特に文部科学省における原子力科学技術の今後の方向性について議論を始めたいと思っており、親委員会である原子力科学技術委員会で昨年の12月以降検討を始めさせていただいたところです。原子力科学技術委員会の下、原子力研究開発・基盤・人材作業部会、原子力バックエンド作業部会、核不拡散・核セキュリティ作業部会とありますが、それぞれの部会で、テーマを分け議論を進めさせていただきたいと思っております。スケジュールについて右下に記載がございますが、昨年の12月からの検討を始めており、今年の夏頃に中間的な取りまとめをしたいと思っております。
 当面の課題については3ページ目をご覧いただければと思います。事務局としての1つのたたき台として掲げさせていただいているものです。基本姿勢等を3つ挙げておりますが、特に柱として5つ掲げています。1つ目が新試験研究炉の開発整備で、ご承知の通りもんじゅが廃炉になり、跡地を活用して新しい試験研究炉を作るという方向で今議論が進んでおります。このもんじゅサイトを活用した新試験研究炉を、我が国の教育研究の基盤として非常に重要な役割を担うと思っており、具体策について検討したいと思っています。2つ目が次世代革新炉の開発整備で文部科学省の役割というのは幅広い原子力に関して基盤をきちんと整備をするということだと思っております。そうした観点から高速炉常陽であるとかガス炉のHTTR、関連する安全研究等について幅広に進めていきたいと思っています。
 3つ目はこの作業部会の主なミッションになりますが、これまで主要施設であるもんじゅ、ふげん、東海再処理施設について優先的に予算を配分して廃止措置を進めてきましたが、主要3施設以外にも廃止措置施設をJAEAで多く所有しており、この主要3施設以外の施設の廃止措置を促進するための具体的な仕組みについてご検討いただきたいと考えております。あとJAEAはJAEA法改正により研究施設等廃棄物の処分事業の実施主体になりましたが、処分場の対策の推進、ここについても課題の1つとして挙げさせていただいております。
 4つ目は文部科学省らしいところですけれども、今後の原子力に関して新しい研究領域を発掘していくようなイノベーション推進を挙げています。研究の芽を育てるような取り組み、それと、うらはらになりますが人材育成の基盤強化ここを車の両輪として進めていきたいと考えています。そして5つ目が福島第一原発への対応ということになります。
このうち特に廃止措置を含むバックエンド対策の抜本的強化柱の3つ目として、主に2つ、ここではご議論いただきたいと思っています。先ほど申し上げたようにもんじゅ、ふげん、東海再処理施設を優先的にこれまで進めてきましたが、それ以外にもJAEAでは36施設が既に廃止措置に移行しています。これを全て廃止措置しようとすると総額として1,400億円かかるとされていますが、今のところ毎年の予算規模というのは大体5億円から7億円ぐらいの規模になっています。このままのペースだと200年かかってしまうということで、いかに効率的かつ早期に廃止措置に持っていくかということが大きい課題だと思っています。特に維持費というのは継続的にかかってきます。一つの試算ですが、この36施設含めて200年かけて廃止措置をすると維持管理費だけで2,600億円程かかります。一方でこの20年30年に、ある程度縮めた形で廃止措置を進めると、600億円程になります。結果として2,000億円経費が浮くという試算もありますので、こうしたことも念頭に、廃止措置をいち早く進めていくための効率的な資金計画、あるいはその資金確保の方策というのをご議論いただきたいと思っています。
 6ページ目はJAEAの廃止措置計画ですのでこちらご参考までに、後ほどご覧いただければと思います。もう1つの課題が7ページ目の、埋設処分とバックエンド対策になります。申し上げたようにJAEA法の改正によってJAEAが研究施設等廃棄物の処分事業の実施主体になっています。そのためJAEAの方での埋設処分の勘定を設けて毎年必要な額というのを積み立てています。これを基にして今後その処分場を整備するということが大きなミッションで、今後の立地活動の推進や技術的な検討、加えて現在の各大学あるいは企業等を対象に物量調査を実施しております。これは後ほどご説明をさせていただきますが、このようなことを念頭に今後の処分施設の検討を進めていく必要があると思っています。この辺り、原子力バックエンド作業部会の方々でご議論いただきたいと思っております。、先生方のご協力を是非よろしくお願いいたします。簡単ですが、以上です。
 【出光主査】  ご説明ありがとうございました。それではただいまのご説明に対しまして何か委員の方々から質問、あるいはコメント等ございますでしょうか。挙手ボタンの方でお知らせください。特にございませんかね。特に方針についてはもう以前にも聞かれていると思いますので、次の議題の方に移りたいと思います。
 それでは議題2ですが原子力機構の廃止措置についてということで、原子力機構バックエンド推進部の藤平技術主幹より資料2についてご説明の方お願いいたします。
 【藤平技術主幹(JAEA)】  原子力機構の藤平です。議題2ということで原子力機構の廃止措置について私の方からご説明させていただきます。ここでいう廃止措置というのは、先ほど奥課長からもお話がありましたように、中小施設ということで、東海再処理施設、もんじゅ、ふげん以外の施設、比較的規模の小さい施設の廃止措置についてお話しさせていただきます。
 本日の資料のアジェンダになりますが、まず括弧1、廃止措置の一般論ということで、機構の中小施設の廃止措置を進める場合の特性についてお話ししようと思っております。委員の皆様は廃止措置についてはご存知だと思いますが、あまりなじみのない方もいらっしゃると思いますので、一度、一般論をお話ししたいと思います。それから次に、そういった廃止措置の特性を踏まえて、原子力機構は中小施設の廃止措置にどのように取り組んでいるか、取り組みの実態ということをお話ししたいと考えています。そして最後に中小施設の廃止措置を効果的に効率的に進めるためにはどうしたらいいか、そのまとめと、先ほど資金の話が出ましたけれども、そういった論点を、お話しできればいいかなと考えております。
 早速ですが、廃止措置の一般論ということで中小施設はどのように廃止措置をしているかと、どのように進めるかということを説明させていただきます。まず廃止措置の必要性ですが、なぜ廃止措置をやるかという部分になります。こちらについては、リスクの低減、コストの削減、それから新しい事業開始への備えという3つの軸で書いていますが、まず1番目のリスクの低減という観点では、古い施設の中に放射性物質がそのまま残されているというよりも、解体撤去して廃棄物として管理した方が、より安全性が高まるという側面があります。廃止措置の必要性としては大きな理由かなと考えています。それから、当然その古い施設、使っていない施設であっても原子力施設ですので、お金と人をかけて毎年度、維持管理をしています。こういった古い施設は研究に使われていない施設もありますので、施設の維持管理にリソースを割くのはあまり成果創出には繋がりません。こういう部分を削減していきたいと考えています。それから新しい事業の備えとしては、資産の有効活用という意味合いになります。例えば原子力施設があって、その中身を綺麗にした後の建物というのも(資産として)有効活用の対象になります。あとはその建物を壊した後の土地、更地にした後の土地も、事業用地として使うことができます。そういった意味で新しい事業を始める準備として、廃止措置が必要と考えています。また人については重複で書いていますが、古い施設の管理をしている人を新しい事業に再配置できるということも一つ、資産の観点としては重要な点と考えています。
 次に廃止措置では何をやればいいのかということを整理しています。まず到達点としては原子力施設としての許可を外すこと、最終的には管理区域を解除することと考えています。ではどうやってその到達点まで届くのか、というやり方についてですが、放射性物質で汚染した設備、部位、そういったものを物理的に解体撤去して、建物の外に搬出するというところまでが廃止措置の作業になります。また、出てきた解体物というのはそのまま産業廃棄物にできるわけではありません。レベル区分に応じた扱いをしなければならないという特徴があります。特に放射性廃棄物は、許可を受けた保管廃棄施設で保管しなければならないので、(発生した解体物を保管する)保管廃棄施設の容量を確保するということも廃止措置を進める上での重要な要因になってきます。
 そして、廃止措置に必要なこととして、廃止措置を進めるために何を考えなければならないかという点でいうと、いつまでに何をどうやるのか、それを実現するためにはリソースとして何が必要か、何を整備しておかなければ進められないのかを明らかにすることで、普通の仕事の進め方と一緒ですが、そういった点が必要になります。それを具体的に言うと、到達点の明確化、エンドステートを明確にすること、それから資金、人材といったリソースを確保すること、それから今の技術で足らなければ必要な技術開発をするということ、そして、原子力施設の特徴的なところとして廃棄物の置き場所を確保するというこの4点になります。
 では原子力機構では今どういう状況かというと、この右側の枠で囲っている部分ですけれども、資金の確保という意味では現状、先ほど奥課長からも説明ありましたけれども、総額に対しては不十分であるという状態になっています。また放射性廃棄物の保管廃棄施設の容量ですけれども、全部の施設を解体して、その解体物を保管するにはさすがに足らないのでこちらも不十分ということになります。こういった条件が重なって、今、機構の廃止措置はできる範囲で進めましょうということになっています。
 このボトルネックは何かというところになるのですが、下の矢印のところに必要資金の確保と書いています。逆に言うと、十分な資金の確保ができれば、人材とか技術開発、それから保管廃棄施設の整備が可能となりますので、廃止措置を進めることができると考えています。
 ここで雰囲気を変えて原子力施設の現場における廃止措置作業ということでお話ししたいと思います。なかなかその廃止措置を実際にやっている現場をあまり見たことないと思いますので、どういうものかというのを説明させていただきます。まず一番目のポツのところで、作業は汚染拡大防止の観点から手作業と書いていますが、汚染拡大、その放射性物質が飛散すること、そういったことを防ぐために、手作業で慎重に解体しているというのが実際の作業になります。それから作業員も、汚染防護の装備をしつつ、手回り工具で解体するということで、左下の写真になりますが、こちらの汚染拡大防止のビニール越しで写真を撮っているので、あまり鮮明な写真じゃないですが、真ん中に作業員の方がいてグローブボックスの解体をしている写真になります。こちらでは、白いタイベックスーツという身体に放射性物質が付着しないようにする放射線防護衣を着ています。こういった装備をつけて手回り工具で解体する。こちら顔は見えないのですが、顔も全面マスクというものをつけて放射性物質を吸い込まないような状態にして作業しています。手回り工具は何かというと、真ん中にあるセイバーソー、チップソーとか、いわゆる電動工具ですとか、その他にもドライバー、スクレーパーそういったものを使って、一つひとつ解体していくという形になります。真ん中の矢印のところに行きますと、廃止措置はこういった人手による作業になりますので、非常に手間と時間、労力がかかる作業であるいうこと。あとは費用の大部分は、現場作業の人件費に当てはまるもの、タイプとしてはいわゆる労働集約型のお仕事ということになります。何が言いたいかというと、原価を圧縮することができない、お金をかけないと作業が進まないという特性があるというのが廃止措置の特徴として挙げられます。
 次にイメージがつきやすいように写真を用意したのですが、写真よりもわかりやすい動画を用意しましたのでそれをご覧いただきたいと思います。今、動画が映っていると思うのですけれども、こちらは原子力科学研究所の再処理特別研究棟というところでの解体作業になります。容量を圧縮しているので画像がガビガビで見づらいかもしれませんが、ご容赦ください。
 まず、解体物の汚染検査をやっています。スミヤ法という方法、ろ紙を使って、解体物の全面を拭き取って、汚染がないことを確認する作業になります。こちらは外側だけじゃなくて、内側もどれぐらい汚染あるかという確認をします。その次に汚染が拡大すると大変ですので、まずは塗料で放射性物質を固着させています。左下のように、透明なパネルが白く塗られていますが、これが塗料の部分になります。それから放射線防護用の着装になります。こちらは、エアラインスーツという比較的線量が高いところの作業に用いるものになりますが、2人がかりで1人の作業員に装着させるということで、この作業を大体1人当たり30分ぐらいかかりますので、準備に時間のかかる装備になります。
 そして、今度は実際の解体作業になります。このグローブボックスを解体していくという作業になるのですが、このように人が汚染拡大防止用のグリーンハウスの中に入って細かく一つずつ部材を外していくという流れになります。そして外側がなくなった後に初めて内側のものに手をつけるという形で進めていきます。このタンクには鉛のシートが貼ってありますので、それも手作業で一つひとつ剥がしていきます。
 最後に場の汚染がないことを確認して、ここでの作業が終わりという流れになります。次に、解体という点では蛇足になりますが、実際出てきた解体物は埋設処分することになりますので、発生の段階から、埋設不適物を除去する作業を、今回、合わせてやっています。具体的には先ほど言った鉛などの重金属、あとはビニール類可燃物、そういった処分できないものは取り除いています。普通でしたら容器への詰め込みのときにビニールでぐるぐる巻きにして放射性物質が拡散しないようにした状態で、ドラム缶に収納しますが、今回はむき出しにした状態でドラム缶に詰めています。
 そして、後々でも中身がわかるように、最終的には記録として写真を撮って、この中には、埋設不適物が入ってないということを確認した記録を残しています。動画は以上になります。
 次に、こういった特性を踏まえて原子力機構はどのように廃止措置に取り組んでいるかというお話になります。まずこれは前回の作業部会でもお話ししたところですが、原子力機構では中小施設の廃止措置を進めるにあたって、リスクの低減、コストの削減、この2軸で進めているということをお話ししたかと思います。まずリスクの低減の点では、リスクが高いものから優先して廃止をしていきますという話、それからコストの削減の点では、その施設の維持管理費が高いものなどの、廃止措置をすれば費用対効果の大きい施設をはじめにやりますというお話をした他、複数年契約、技術開発といった工夫によって、よりコストを低減させるというお話をしたかと思います。
またそれを効果的に実施するためには、資源の集中投入をすることで、効果的成果を出そうとしているというお話をしております。
 そして、集中投資した事例の取り組みにどういう成果があったかというところですが、前回の作業部会でもモデル事業という名前でご紹介させていただいたものになります。モデル事業は原子力科学研究所の2施設に資源を集中して廃止措置を進めましょうというもので、2ポツ目のところに、プロジェクトマネジメントという言葉を出していますが、こちらは英国の原子力機関のNDAの廃止措置の教訓として、プロジェクトマネジメント手法を使うと効果的、効率的に廃止措置ができるとの知見が示されていますので、それに則って廃止措置をしたらどうなるかを試行的にやっている取り組みになります。プロジェクトマネジメント手法というと何か難しそうに聞こえますが、言っていることは最終的な到達点を明確にして必要なリソースを集めて一気にやりましょうというそれだけのことになります。
 そして、どういう成果が創出されたかという点でいきますと、期間の短縮、それから総費用の圧縮ということ2軸で示しています。期間短縮という点では、こちら、一昨年の11月から現場作業していますが、今までは単年度契約で作業をぶつ切りにしていましたが、単年度契約で実施した場合の十数年分の作業をこの16ヶ月間に達成することができていますので、期間短縮としては非常に大きな成果が出ていると考えています。また費用の圧縮というところでも、単年度契約よりも一気にやった方が2割ほど金額としては安くなったという効果が表れています。
 では、こういった工夫を踏まえて今後の機構の廃止措置をどのように進めていくかという点になります。まず押さえておく点として、まず総額として資金需要がどれぐらいあるかを押さえる必要があります。ざっとしたシミュレーションとしていますが、その前提条件として、必要資金の確保、放射性廃棄物の保管廃棄施設も整備して、廃棄物もきちんと保管できるという状態になった上で、作業上の制約がない場合に廃止措置を進めたらどうなるかというものを出したものになります。
 こちらはほんの一例になりますが、資金的な制約がない場合に、すぐに廃止措置を一気に進めたらどうなるかを書いています。こちらで言いますと、作業期間が、約30年、資金としては約2,240億円必要になるだろうという結果になっており、来年からすぐにその放射性廃棄物の保管設備を作って、それができたと同時に一気に解体を進めるというある意味前のめりの計画にはなっていて、そういった1ケースでいくとこういった作業に期間30年、必要金額2,240億円という数字が出てくるというものになります。
 次にまとめ、論点になります。まとめとして、まず廃止措置の必要性については、リスクの低減、コストの削減、そういったところがあるかなというお話をしたと思います。この他にも、廃止措置をしないという選択肢はなくて、絶対やらなければいけないと思っています。そして、ボトルネックという点ではやはり必要資金の確保というのが必要だということ、繰り返しになりますが、十分な資金の確保ができれば、人材確保、技術開発、保管廃棄施設の整備そういったことができますので、廃止措置を進めることができるというふうに考えています。
 ここで課題となるのが、資金をどういう手段で集めるかということになります。主な資金調達の例ということで、運営費交付金を増やすとか、市中銀行から借入をするとか、あとはPFIの手法を適用すると、いろいろ書いていますが、こういったことに掛かる資金調達コストがどれぐらいか。あとは資金の使用先として制約条件があるかとか、あとは現実的にそれがやれるかどうかという点も踏まえて、資金調達の手段についてはご議論いただきたいと考えています。
 説明は以上になります。
 【出光主査】  ありがとうございました。それではただいまのご説明に対しましてご意見、質問等ございましたらお願いいたします。大越委員からお願いいたします。
 【大越委員】  大越です。どうもご説明ありがとうございました。私からは4点ほどのコメントをさせていただければと思います。
 まず1点目なのですけれども人材の確保、これは言わずもがな重要なことだと思います。JAEAの職員の人員を確保していただくとともに、先ほどあったように、廃止措置は本当に人手のかかる作業でございますから、どうしてもJAEAの職員だけでは足らなくて、協力会社の社員さんに協力をしていただかざるを得ないと思います。そういう業界を見たときに、やはり人材が不足しているということがあって、なかなか仕事の引き受け手がいないというようなこともございますので、JAEAの職員の確保と併せて、協力会社にどういう形で人員を確保していっていただけるかといったようなことに関して、JAEAが主体となって、例えば関連業界で協議会を作って自分たちの計画を進めるためには、こんな形で人が必要になるというようなことを前向きにやはり情報提供していかないと、なかなか人を集めるというのは難しいのではないかと思います。
 2点目として、保管廃棄が必要だということは理解しますけれども、保管廃棄は処分処理を行うまでのバッファーの位置づけでございます。こちらは処理処分計画とリンクをさせる形で、保管廃棄の整備をしていただければと思います。
 3点目として、複数年契約。非常にいいことだと思うのですけれども、今回説明していただいた中小の施設の廃止措置を考えたときに、小規模の施設だったら複数年契約でいいかと思いますけれども、中程度になるとそれでは短いといったようなこともあるのではないかというふうに思っています。プロジェクト単位で契約ができるといったようなところまで拡張していっていただけるといいかなというふうに思いました。
 最後ですけれども、資金調達、非常に難しい問題なのですけれども、せっかく原子力機構さんは、いろんな技術を持っているあるいはノウハウを持っているので、なかなか多額の金額を集められないかもしれませんし、無償でそういう技術を提供していただく方がありがたいのですけれども、そういった技術開発成果あるいはノウハウを提供することで、少ないかお金かもしれませんけれども、資金を稼ぐといったようなこともご検討されてはいかがかということでコメントさせていただきました。以上です。
 【出光主査】  コメントありがとうございました。文部科学省の方から何かコメントに対して回答したいということございますでしょうか。
 【鈴木室長(事務局)】  放射性廃棄物企画室の鈴木でございます。コメントありがとうございます。1点目、人材育成の観点等々につきましておっしゃる通りかと思います。JAEAや、現場で実際に作業していただく事業者の皆様のような人材をどう確保していくのか、本当に必要なところだと思っています。人材確保・育成をどう進めていくのかというところについて、大事な観点だと考えております。
 2点目、保管廃棄の部分につきましても最終的に処分をしていくところに繋げるため、技術の開発も重要だと思っています。
 3点目、複数年契約の中規模施設に対して今ご説明いただいたところではございますが、複数年契約をすることで基本的には施設の費用の節減になるということでございます。規模を大きくするというところにつきましても必要だと思うとともに複数年契約をどこまでやれるかにつきましては検討が必要になってくるかと考えております。
 最後に、資金確保の部分につきまして、まさにJAEAの技術がどこまで資金確保方策として有効かというところはあるかとは思いますけれども、今JAEAの方から示しいただいたような形の市中銀行の借り入れであるとか、PFIであるとかそういった選択肢を含めて、資金確保方策について、引き続き検討していきたいと考えているところでございます。取り急ぎ、以上になります。
 【出光主査】  ありがとうございました。それでは井口委員お願いいたします。
 【井口主査代理】  井口です。私の方から大越委員の質問にも絡むのですけれども、最初のほうの人材確保について確認させていただきたいと思います。今日のご説明で大体現場作業についてよくわかったのですけれども、その資金の確保の中でお金が集まればもう人を集められるというそういうようなストーリーになっているわけですけれども、何か資金の全体の枠とか、それから資金計画を考えるときに、本来人件費が非常にかかるのであればその人材の役割とか、配置というようなものが最初にありきではないかなというふうに思うのです。当然前々から言われたように廃止措置のプロジェクトマネジメントをやるような人材が少ないので、そういう人材育成が必要ということで、実際人材育成が進んでいるわけですけれども、今日の話だと現場作業をやられている方についても、今回36の中小施設をやる場合に、それぞれが共通の作業もあるのだけれども、固有の作業もあるはずなので、そういうことに対してどういう人材を割り当てるとか、そういう話がもう出来上がっているというふうに考えていいのか。あるいはそれがないと資金を積み上げできないと思うのですけれども、その辺りはどのような状況になっているのでしょうか?
 【藤平技術主幹(JAEA)】  原子力機構の藤平です。ありがとうございます。まず人材確保という点では今の2つのお話があったかなと思っています。1つは機構の職員、その施設を知る者をきちんと確保してその現場を指揮ができるかという点。それからもう1つが、現場の作業員ということで受託業者さんとか、そういった作業員のことかなというふうに理解をしています。
 まず1点目の機構の職員として廃止措置をするという点でいきますと、正直まだプロジェクトの形で機構はそんなに廃止措置をプロジェクトとして回しているという経験が少ないということがありますので、育成段階ということは一つあります。そして、実際現場に廃止措置というのは、確かに固有性もあるのですけれども、施設を最終的に管理区域の解除まで持っていくという意味では共通しています。ある意味その他の施設で経験を積んだ人間が、次の施設ということもある程度は可能かなというふうに考えています。本来であればその施設を熟知した人が廃止措置を進められればいいですけれども、やはりその機構の職員の高年齢化というのもありますので、施設の情報を知らない人間もやはり増えてきてしまっているというのがあります。そういった状態でも、廃止措置をやらなきゃいけないということがありますので、正直そこは課題認識があるのですけれども、廃止措置の経験を積んで他の施設に流れていくということで、何とか措置を進めていければいいかなというふうには考えているところです。
 【井口主査代理】  わかりました、ありがとうございます。言いたいことは今回の課題として資金確保というのは非常に重要だという意図を理解したのだけれども、それに対して非常に変動が大きい人材確保の中の、その中味、それもあわせて示していただけるのがいいのではないかと。それをもとにして金額を積み立てられているというふうに見えると納得しやすいと思うので、今後そういう内容を詰めたような資料を見せていただけるとありがたいと思います。私からは以上です。
 【出光主査】  ありがとうございました。そうしましたら次、織委員お願いいたします。
 【織委員】  ありがとうございます。ご説明大変よくわかりました。リスク低減、技術開発、人材育成のところについては最もだと思っています。やはり問題なのは資金確保ということなのですけども、銀行からの借り入れですとかPFI法の適用の案などもいくつか出ているようですけど、まず銀行が貸してくれるにしても、自助努力で自分たちのとこである程度お金をしっかりと積み立てているとか、効率性をこれだけやっているということがなければ銀行でも貸しようがないと思うのです。手法は出されているのですけれども、具体的にどれぐらい自分たちで用意できた、あるいはどれぐらい自分たちで削減できるのかというような方策が見える化してこないと民間からの借り入れ、あるいはPFIにしても、法的な規制もあって、実際その後どう活用するのかという道筋が見えないと、民間資金投入はなかなか難しいというのが率直な感想です。逆に技術や人材というところについてはとても明確に見えている一方、資金確保のところの道筋が全然見えないという感じを今のご説明では印象を受けています。
 これが大きなところなのですけど、もう一点コメントで、プロジェクトマネージャーを置くというようなお話もあったと思うので、再利用ということであれば世界で初めてこういった形でやっていくというのですごく、取り組みは海外のコンサルティングとか何か手法をしっかりとノウハウを溜めておきながら、それを今後のアジアの国々で廃炉していくところに適用できるようなそういう新しいビジネスも考えてみてもいいのかなと思っています。
一方で、どこが共通項でどこが炉によって違うのか、そのあたりももう少し整理していただけるとありがたいなと思います。つまりどの炉でも同じような共通して考えなくてはいけないことをやることと、炉の形態によって違うことが、費用によってもどれくらい違ってくるのか見積もりも変わってくると思うので、それぞれの特性に合った費用計算のようなものが見えてくると、議論もしやすいのかなと思っています。
 ただ、直感的ですけれども、事故炉とは違っていて、こういった適正な手続きを行っている廃炉の場合は、通常の工事の解体設備とどこまで違うのかも議論しておいてもいいかもしれないなと思っています。もちろん原子炉なので除染ですとか、そういった配慮しなければいけないことは多くはなっているのですけれども、基本的な構造はそれほど変わらないのではないか、だとしたら、リスクを考えなくてはいけないけれども、一方で既存の工事現場というか工場のところの効率性のところからなども学べるものがあるのではないかという気がするので。そういったところからより効率的にするためにはどういうノウハウがあるのかというとこは広く聞けるという点もあるのではないかという気がしております。以上です。
 【出光主査】  ありがとうございました。廃炉というか中小の施設等が対象となっておりますので、それぞれの対象に応じた形というコメントということで理解いたしました。ありがとうございます。
そうしましたら次、吉田委員お願いいたします。
 【吉田委員】  ありがとうございます。日立の吉田でございます。いくつか気になるところがありましてコメントと質問させていただきます。
 まず一つ動画見せていただきまして最後ドラム缶の中に入っているものを、そのときの管理責任者が白板に内容物を書いて写真を撮って記録に起こすといったことを写して見せていただきました。後日、本当にドラム缶の中のものを確かだよねといういわゆるオーソライズといいますか、規制庁等に説明性を求められるということが多分必要になるかと思います。そのような場合、今はわかりませんが入れた人の資格等について今後そういったものもしっかりしていく必要があるなというふうに感じました。これが一つ目。
 それからもう一つプロジェクトマネジメントの手法の導入ということでJAEAさんの藤平さんからもいくつかのプロマネの資格を、準備中、というご説明あったのですが、いわゆる世界的にといいますか国内でもいくつかございますけどもプロジェクトマネジメントの資格PMRですとかPMSですとかPMPとか。そういったもののJAEAさんでの導入といったものも非常に効果的かと思いますので、ご検討いただければと思います。企業として、廃棄物廃止措置担当している者としての印象でした。以上です。ありがとうございます。
 【出光主査】  貴重なご意見ありがとうございました。続きまして中熊委員お願いいたします。
 【中熊委員】  電事連の中熊でございます。ご説明ありがとうございました。私どもも、発電所のデコミッショニングを背負っているものとしてかなり共感のできる内容だったと思います。複数年契約のようなものは国立研究開発法人ならではの悩みなのかとも思いました。基本的にお金をつけて早く終わらせるのが一番手っ取り早い、、ベストではあるのですけど、我々発電所も少し悩んでいるのは、処分場がないという現状の中で解体を進めると、保管廃棄量の規模が相応に大きくなってしまうのではないかと思います。処分場の問題を早く片付けて、運転段階になってから一気に解体をして廃棄体化して処分場に持っていけば保管廃棄量の規模も小さくなるということもありえると思います。何がベストかは、まさにプロジェクトマネージングで考えるべき話だと思いますけれども、いくつかシナリオもあるだろうと思いますので、そういったところもパラメータに含め、今後ご検討いただければと思います。
 それからお金の面で言えば議題1で奥課長がご説明いただいたように、今GXの風が吹く中で、我々事業者もですが、国立研究開発法人であるJAEAさんに期待されるべき分野だとか、JAEAさんの価値を具現化していただかなければいけない分野が非常に多くあると思っています。従って、限りある予算、運営費交付金をどうバランスをとって研究分野や、デコミッショニング分野に配分するか、今まで以上に問われるところだと思います。お金だけじゃなくて人的リソースも含めてだと思いますけれども。従って廃止措置単体で見た場合は今ご説明いただいたものは十分腹落ちするものですけれども、全体を見回してバランスの良い配分をするかという、リソースの最適化というところをぜひご検討いただきたいなと思います。このバックエンド作業部会のテーマではないかもしれませんが、私としては非常に重要だと思います。以上です。
 【出光主査】  貴重な意見はどうもありがとうございます。この件何かご回答などありますでしょうか。JAEAの方。
 【藤平技術主幹(JAEA)】  原子力機構の藤平です。貴重なご意見ありがとうございます。まずJAEAのリソースの話があったと思うのですけれども、まさに保管廃棄施設ばかり作ってその後を貯めてもしょうがないというのがありますので、その先の処分というのも進める必要があると思います。それについて委員の皆様にご意見や知識をいただいてというところかなと思っております。そういったJAEAとしてのリソースの再配分を含めたシナリオの構築については考えたいと思います。ありがとうございます。
 また吉田委員からお話があった件を補足させていただきますと、廃棄物の記録につきましては、一応品質保証の体系とまでは言わないのですけれども、そういった手続きに則って埋設不適物にはこういうものがあります、こういうのは入れないでくださいという、教育をした人間がドラム缶に物を収納するという手続きを踏んでおります。また記録もそういった手続きに基づいて残すように様式を決めておりますので、そういった意味では最終的な処分のときも記録として使えるものが残せるというふうに考えています。
 またプロジェクトマネジメントの資格の話があったかと思います。まさにこのモデル事業を始めたときから資格取得の推奨ということを行っておりまして、この原科研の事例ですと、約10人程度のプロジェクトマネジメントの資格、先ほど出ましたPMSという資格を取った人間というのを育てております。また、原子力機構の人事制度の中で資格、こういう資格を取ると有用ですというそういった一覧があるのですけれども、そういった中にもプロジェクトマネジメントの資格を位置づけるということで、職員がモチベーション、インセンティブのある資格取得が進められるというような状態にはしているというところです。以上になります。
 【出光主査】  ありがとうございました。そうしましたら佐々木委員お願いいたします。
 【佐々木委員】  ありがとうございます。佐々木です。お示しいただいたリスク低減とコスト削減のバランスが、中小の施設の廃止措置これを円滑に進める根本であるというふうに理解しました。先ほど技術開発による費用削減がありましたけれども、今見せていただいた動画のようなどうしても避けられない大変な手作業があって、これをどう効率化していくかの技術開発が大変重要だと思います。引き続き優先して研究を進めていただければなというふうに思いました。
 質問なのですけれどもご説明の方で機構さんの原則的なお考えは何となく見えたのですけれども、民間企業や大学、研究組織とかそういうところが持っている知見ですとか技術をどのように取り込んで、コスト削減に向けて整理していくのか。そういったところを機構さんがもっと率先して、廃止措置をリードする具体的な戦略を示す必要があると思ったのですけれども、何かお考えがあれば教えてください。
 【藤平技術主幹(JAEA)】  ありがとうございます。原子力機構の藤平です。今のご質問いただいた、今、世の中にある技術の取り込みという理解をさせていただきました。この取り組みはいわゆるオープンイノベーションの考え方かと思っているのですけれども、機構の中では、こういった事業にこういった技術が欲しいですというシーズを募集するという取り組みも行っています。その中でこういった廃止措置に関連する技術とか、それに使えるような技術というのを集める仕組みというのはありかと考えています。その中でうまくマッチングするかどうかはあるのですけれども、そういったところでシーズを集めて実際その現場で使ってみるという取り組みを進めていきたいというふうに考えています。
 【佐々木委員】  今のシーズ、ニーズに関しては、機構の外に向けてもそういうことをこれから目指していかれるという理解でよろしいでしょうか。
 【藤平(原子力機構)】  はい。藤平です。その通りです。機構の外に向けて、まずシーズを撒くというところから始めています。
 【佐々木委員】  はい、わかりました。ありがとうございます。
 【出光主査】  ありがとうございました。そうしましたら赤井委員お願いいたします。
 【赤井委員】  赤井です。ご説明ありがとうございました。廃炉を円滑に進めるためにお金が必要ということを理解いたしました。私が気になっているのは私の周りもそうなのですけれども、年を取った方がたくさん増えていて、解体作業をやる方なども歳を召した方が多いかなと感じております。お金の問題だけではなくて、10年後本当に廃止措置をやれる技術を持ったベテランの人たちが関わってくれるのかが重要かと思います。お金以外の面での廃止措置を進めていくリスクについて、お考えがありましたら教えていただきたいと思います。
 【目黒部長(JAEA)】  原子力機構の目黒と言います。貴重なご意見ありがとうございます。我々もそういったところは大変認識しております。そういう意味で、若手の作業員をどのように確保していくかということで、どうしても今の風潮等を踏まえながら考えていかなければいけなくて。本日もビデオでお示ししましたように、エアラインスーツという宇宙服みたいなものを着て作業するのは、なかなか最近若い人に受け入れていただけないところもあって。そういった作業をどれだけ減らせるかっていうところに我々今技術開発の費用もかなり投入して、そこのところをどうやって、過度というか作業効率が悪いようなところをいかに人手をかけないで効率化できるかっていうところに、かなりR&Dも注力して進めているところです。それだけが全てではないとは思っておりますけれども、そういったところで、まずは若手が入りやすいような環境を作っていくということが一つだと思っています。
 それ以外にも、やはりその廃止措置が今までどうしても単発で継続性がないところもあったので、これから今後、以降の作業部会の議題にもなるかもしれませんけれども、やはり資金確保をして進めて、一定の資金で必ず廃止措置がちゃんと進むところも、いわゆる産業として成り立つということを示すことによっても人は集まると思っていますので、そういったことにも力を入れていきたいというふうに考えております。以上です。
 【赤井委員】  ありがとうございます。若手の人がどれだけやる気を出してやってくれるかが重要で、私も自身も悩んでいるところがありますので、ぜひご検討よろしくお願いいたします。
 【出光主査】  ありがとうございました。そうしましたら児玉委員お願いいたします。
 【児玉委員】  ありがとうございます。私は民間企業の経営コンサルティング普段従事しておりますけれども、多くの民間企業で戦略を実行できない会社がございまして、そういった会社さんは大体組織を戦略に合わせて変えられていない、組織の構造を変えずに戦略を実行しようとしているケースも結構あると思います。今原子力機構さんが直面されている課題に照らして言えば、廃止措置プロジェクト一つ一つが事業と考えれば、大規模施設の廃止措置はコンサルティングの用語でいうと規模型事業で、中小施設の場合はやることは同じであっても分散型事業ということで、事業の経済性が変わってきます。こういった場合に原子力機構さんはおそらく機能別的な組織になっているとは思うのですけども、今後の増えてくるであろうプロジェクトマネジメント型の手法に適した組織のあり方、あるいは組織運営のあり方っていうのがどうなのかということは、そのあたりどういうふうに検討されてらっしゃるのか。特に一方で中長期的に人がどんどん入れ替わっていく中で組織の中でノウハウを蓄積する仕組みをどういうふうに確保していくのか。以前にもナレッジマネジメントの仕組みなどもご紹介いただいたことがあったかと思いますけど、そのあたりについて伺えればというふうに思います。
 【目黒部長(原子力機構)】  原子力機構の目黒です。ご指摘どうもありがとうございました。我々の今やっているバックエンド対策に対して、組織が適切かどうかっていうところは大きな課題だと思っております。廃止措置、それから廃棄物処理も含めて、ここ5年大きく方針であるとか状況が変わってきていますけれども、それに対してなかなか組織がついてこれていない。同じバックエンドをやっていたとしても、やっぱり廃止措置の施設が増えるであるとか、廃棄物も単なる保管から将来の処分に向けた状況の変化になかなか組織が対応していけてないというのはもう課題だと認識しております。
 それに対して、最近ではありますけれども、各拠点においては、拠点全体でバックエンド対策を見てもらうプロジェクトチームを、トップにはそれなりの方を当てて設置した上で、我々と頻繁に議論を行ってどういうふうな形で進めるべきか議論し課題を出して対策に対して検討しています。すぐに変わりませんけれども、それに向けて少しずつ意識改革とともに組織も変えていければなと思っているところです。すぐにできないところもありますけれども、そこに向けてはしっかりと進んでいきたい、進めていきたいと考えております。
 【板倉副理事長(JAEA)】  副理事長の板倉ですけれども、もう少しご説明しますと、ご指摘の通り、今まで我々のこの中小施設が動いているときを前提とした組織編成になっております。そうしますと、いざ廃止措置をやろうと思っても、隣の課には要員がいてもなかなか、いやこの施設はあなたの課の仕事でしょというようなところがありまして。そこは人材が有効に活かせてこなかったというところもあります。それで、今、目黒が申し上げました通り、とりあえず、まずは地理的な研究所ごと、大洗は大洗、原子力科学研究所は原子力科学研究所で、廃止措置時の人材の、まずは緩やかなプロジェクトチームまで今作ったところであります。それで確かにご指摘の通り、もう少し機能別な組織編成をした方がいいと思っております。それも今、内部ではディスカッションをしている最中というところでございます。
 【出光主査】  ありがとうございました。他にどなたかございますでしょうか。なければ私の方からも質問ございますが、動画見せていただきまして手作業で解体するというところよくわかりましたが、これは各全部核燃系の廃棄物という理解でよろしいでしょうか。
 【藤平技術主幹(JAEA)】  原子力機構の藤平です。今見ていただいたものは、核燃料物質の使用施設の解体になります。
 【出光主査】  わかりました。核燃系の廃止措置は結構大変だというのは理解しております。それで、先ほどあのドラム缶の中に入れてあるものを見たところ、金属系の廃棄物が主で、基本的には本来は表面汚染でしかも人が解体できるということで来ますと、L2よりもレベルの低いものがほとんどだという気がいたしますが、そういう場合ドラム缶に詰めてあるものこれをこのまま廃棄体化していくつもりなのか。あるいは分類して本来廃棄物に行くものと、あとNRに分けるようなそういう作業を今後、技術開発の中で考えていくのかというあたりいかがですか。
 【藤平技術主幹(原子力機構)】  原子力機構の藤平です。その点でいきますと、ドラム缶に収納されているのは、ご指摘のように比較的線量の低いものになります。それでNRという話がありましたけれども、実際解体するときに、ここは今まで汚染履歴がないのでNRにできるというところは、解体の段階からNRとして扱っております。汚染履歴のある放射性物質のものは放射性廃棄物を限定して作業しているという流れになります。
 【出光主査】  ありがとうございます。そのあたりの考え方は一応わかるのですが、浸透性のあるような材料であればともかく、金属の場合内側の方に入っていくということはあんまり考えにくいので、いろんな金属の汚染物について除染法とかこれまでもいろいろ検討されていたと思いますが、そういったことを適用して廃棄物量を減らしていくとかそういうことは、今は考えられていないということでしょうか。
 【目黒部長(原子力機構)】  原子力機構の目黒です。なかなか境界領域にあるような廃棄物が多いわけではありませんので、明らかにL2のものは、もう最初から今L2としてドラム缶に収納していますので、さらにもう1回分けて廃棄体化することは、多分ないと思っています。クリアランスに近いところのものは、基本的には可能な限り除染してクリアランスに持っていけるような工夫はしております。今日お示ししたのがちょうどプルトニウム系を使うグローブボックスを使っている施設ですので、そういったところ、そういったものがほぼ出ませんから、やっていません。原子炉系を解体するときには、クリアランスの可能性があるものは、ちゃんとまずはドラム缶に入れないできっちり管理して、その後、測定、除染等をして、できるものはクリアランスにするという形をしています。一旦混ぜてしまうと後で分けるのは難しいので、解体した段階から、NRに行くものをクリアランスになる可能性があるもの、それから、L2、L3で処分するものというふうに分けて管理していますので、後でもう1回見直し、分けることはできるだけやらないようにしております。
 【出光主査】  わかりました。ありがとうございました。どうぞ。
 【塩月本部長代理(JAEA)】  出光先生の方から、金属系の廃棄物の除染について具体的に指摘をいただいたと思っています。原子力機構 塩月ですけれども、表面汚染について今、例を少し目黒の方から言いましたけれども、具体的に不具合のある廃棄物の場合は、サンドブラストをして、表面汚染全体をしっかり見た上で、今のクリアランスの法制度に従って、表裏の表面を、例えば管材のものでしたらそれを平坦化、平坦化といいましょうか、潰して平たい形にして全てデータを取って、クリアできるものはしっかり記録も取ってクリアランスにすると。具体的にそういうふうに金属の表面汚染の場合には事例もありますので、積極的に我々もそういうものが適用できるところはやっていきたい。サンドブラスト以外の除染の設定が可能なものについても、今後そういうものは十分取り入れる可能性は高いと思っています。以上です。
 【出光主査】  ありがとうございました。九大の方でもサンドブラスト使って結構廃棄物量を減らせましたので、そういった取り組みもどこか可能な限り使っていけば、廃棄物流を減らせるのかなと思った次第です。ありがとうございました。他にございますでしょうか。特になければ議題2につきましては以上といたしまして、次の議題に移りたいと思います。
 それでは議題3、研究施設等廃棄物の埋設事業に入ります。原子力機構の埋設事業センター坂本センター長から、説明の方お願いいたします。
 【坂本センター長(JAEA)】  原子力機構埋設事業センターの坂本と申します。お手元の資料3、研究施設等廃棄物埋設事業の状況について説明させていただきます。
 全体目次でございます。埋設事業の概要、立地に向けた取り組み状況、技術検討状況、廃棄物量の調査結果、埋設処分費用について、今後の取り組みという形で説明させていただきます。まず埋設事業の概要でございます。
 埋設事業の概要につきましては、前回の作業部会の際に説明させていただいております。簡単に説明させていただきます。埋設事業におきましては、原子力機構と、あとその他のRI使用施設とか研究炉とか核燃料使用施設等ございますので、こういったところから発生いたします低レベル放射性廃棄物を対象としております。対象の廃棄体量は、これ平成30年度調査でございますが、その結果に基づきまして、200 Lドラム缶で約67万本としております。これを受けまして、埋設施設の規模といたしましては、大体1割程度見越しまして、ドラム缶換算で約75万本に相当いたします施設規模を設定しております。また事業期間に関しましては、初期建設期間で約8年間、その後の50年間の操業期間を経まして、300年間の管理期間という形の事業としております。
 それでは立地に向けた取り組み状況でございます。これらの立地推進活動の取り組み状況でございます。これにつきましては前回の作業部会でもご紹介させていただきました通り、立地基準に対する評価方法の検討や地域共生策の検討を引き続き継続しておるところでございます。また広報活動も継続しておりまして、これにつきましては次のページで紹介させていただきます。
 まず埋設事業に関する広報・情報発信ということで情報発信でございます。今年度も積極的に原子力関係者とか、医療関係といったところの学会等で、いろいろと埋設事業に関する講演等また説明等させていただいているところでございます。また一般の方々に関しましても、原子力機構の報告会とかSNSでの情報発信とかを行っているところでございます。
 広報理解活動の取り組みでございます。こちらでは、まずコミュニケーションスキルの向上の取り組みといたしまして、機構内での研修ということもございますが、外部の専門家の方との意見交換も実施しております。ここに記載しておりますのは、筑波大学の科学コミュニケーション専門家でございます山科先生をお呼びいたしましてご講演をいただきまして、また当方の関係者と意見交換を行った例でございます。また一般の方のご理解をいただくために、下にございます動画とかパンフレットとか、あと右の写真にございますような埋設施設模型を順に用いまして、事業の概要から安全確保の仕組みまでを段階的に短時間で理解できるようなツールについて検討しているところでございます。またちょうど右下にございますように、ピット施設の例でございますが、このように埋設施設の構造を理解しやすいような3DのCG画像も作成しております。これにつきましてはウェブサイトにアップするとともに、SNSでの発信等もしているところでございます。
 技術検討の状況でございます。まず技術検討といたしましては大きく分けまして、埋設施設の設計に向けた検討と廃棄体の受け入れ基準の検討に分かれてございます。埋設施設の設計では最新の規制制度、規制委員会で実際の埋設事業の審査状況の反映を進めておりまして、具体的に立地場所の確定後、速やかに基本設計を進めるための対応を行っているところでございます。また廃棄体の受け入れ基準の検討といたしましては、廃棄体仕様とか廃棄体中の化学物質への対応、こういった検討がまだ残っております。また放射能濃度の基準の策定も進めておりますとともに、それを評価するための放射能濃度の評価方法の検討を進めているところでございます。本日は、これらのうちのいくつかのトピックにつきまして次に説明させていただきます。
 埋設施設の安全評価に係る検討事例でございます。令和3年に第二種埋設事業規則とか、規制基準が改正されたところでございます。これを受けまして、ピットとトレンチの埋設の安全評価を進めているところでございます。この事例では、新しい規制基準では1,000年後の環境条件下の安全評価ということを求められております。その評価を行うための文献の調査とか収集、評価パラメータの検討とか埋設地の状態変化のモデル計算等を実施しているところでございます。右図、小さいところでございますが、例えばトレンチ埋設施設ですと、上部に設置しております覆土層を通過しまして、雨水の一部が浸透水として埋設施設に入ります。このため、この水量が長期的には覆土層の劣化という現象も生じます。これによって浸透する水量が増加することを評価いたしまして、安全性の影響について検討しているところでございます。
 ここで紹介しているのは、埋設事業の申請書に記載すべき放射性核種の選定手法についての検討状況でございます。埋設事業の申請書におきましては、全ての核種を書くわけではなくて、代表的かつ安全評価が重要となります放射性核種の種類を記載することになっております。この申請書に記載いたしました放射性核種は、廃棄体ごとに核種濃度を評価した結果を規制側が確認するということが、実際に処分するためになされることになります。そのため、廃棄物の発生者、また実際処理を行うときにおきましては、廃棄物中にこういった核種の放射能濃度を評価していただくことになりますので、埋設側からどういった核種を評価すべきかという核種の選定結果について各社に提示することになっております。細かいところは割愛させていただきますが、その左の図にありますように、核種の選定①、②という形で、規制上記載をすべき核種で求められている以外にも、核種の選定③とございますように、実際、安全評価に基づき選定を行う核種もございますので、そういった手法について取りまとめを進めているところでございます。
 廃棄体の受け入れ基準の検討状況でございます。1つ目はこの事例といたしまして、埋設施設の安全性に影響を与える物質の検討といたしまして、可燃物の含有量の基準の検討事例でございます。原子力機構におきましては、昭和40年代とか、かなり古い時代の廃棄物におきましても、可燃物と不燃物がちょうど混在して廃棄されるという状態もございました。このため、これらの分別を合理的に行うため、埋設施設内での可燃物の可能量の基準を検討しております。具体的には、可燃物を埋設いたしますと分解に伴いまして可燃性のメタンガスが発生いたします。したがいまして、このメタンガスの発生量と、こういった有機、いわゆる可燃物の分解量を定量的に把握するための基礎試験を進めているところでございます。また右側の方でございますが、これに関しまして従来から報告させていただいておりますように、試験研究炉の放射化計算の高度化を進めているところでございます。特に試験研究炉の場合、商業用と異なりまして中性子を取り出すための実験孔というのがございます。したがいまして、その場所の影響を評価できる手法を整備しているところでございます。ちょうどこの右の下の方の青いバーのような図がございますけれども、ここでございますように実験孔が存在いたしますと、もう少し中性子の影響範囲が広くなるということで、解体時におけます廃棄物量も少し増えるような評価ができるというところでございます。
 次は放射性廃棄物量の調査結果でございます。まず原子力機構の中の物量の調査結果の取りまとめでございます。表は機構の拠点ごとにまとめております。表中に大きく数字が記載がございますが、これは実際の調査結果でございます。括弧内の数字は、前回、平成30年度の取りまとめ結果との増減を示したものでございます。全体を見ますと、トレンチですと約6,000、ピットで9,000本の減少という結果になっております。拠点名別に見ますと、原子力科学研究所ではトレンチとピットが若干増えるような結果になっておりますけれども、これ実際のFCAという施設の中の廃止措置の計画の中で、実際廃棄物量の放射能の分布等の見直しを行った結果を反映したとか、あと大型の加速器の操業計画の具体化等の見直しを行ったということで、若干増加となっております。また、もんじゅで物量は減っておりますけども、これは廃止措置の進展に伴いまして、解体廃棄物の埋設処分やクリアランス対象の区分に関しまして、放射能に応じまして再評価を進めた結果、クリアランスしていく部分とか、ピットに近いところをある程度トレンチに持っていけるとか、そういったところで見直しを行ったものでございます。また人形峠におきましては、核原料物質の使用施設がございますので、その物量の考慮を行った結果、若干の増加となったところでございます。
 機構外の発生者の結果でございます。機構外の発生者につきましては、前回の作業部会に報告させていただきましたように、アンケート形式で各社に実施したものでございます。調査に際しましては、文部科学省殿からも依頼をいただきまして、機構からの依頼とともに依頼文を同封いたしまして、調査依頼としたものでございます。またオンラインにおきまして、調査目的とか調査票への記入方法などに関して説明会を計4回実施させていただきました。また、核燃の主要施設の発生者の連絡につきまして、規制庁のご協力を得ております。下の方に調査票とか薄い緑の表がついておりますが、実際に送付させていただいた調査票でございます。エクセルのシートに廃棄物の種類とか処理方法を選択しまして、入力すると、廃棄体量が計算できるという形で調査結果をまとめていただいたものでございます。
 次に、まず調査結果の概要でございます。機構外で調査数は142機関行ったものでございます。また、前ページでございましたように、説明会など53機関がご参加いただきまして、人数でいきますと約100名の方がご参加いただきました。また回答数は1月末時点で115機関からいただいたところでございます。また処分の委託の有無につきましてもアンケートで聞いたところでございますが、予定がないとしている機関が17機関ございました。委託を予定しない事業者のおもな理由といたしましては、実質的な廃棄物ではなくて、核燃料の物質だけを保管しているというところが主な理由でございました。
 原子力機構と機構外の発生者の物量を合わせてまとめた表にしたものでございます。機構は先ほどの表をまとめて記載しております。原子力機構以外の方の調査結果につきましては、トレンチ埋設対象で1.3万本増加の17.6万本、ピットの埋設対象が2,000本増加、約9,000本となって、トータルで1.5万本増加となっております。緑のハッチの下に、RI協会さんとそれ以外のところを分けた表にしております。大学・民間としておりますのは、大学とか独法とか民間と、核燃料物質の使用施設とか研究炉の廃棄体をまとめたものでございます。これは、トレンチで約1万本の増加、ピットで2,000本の増加となっております。いろいろ理由をお聞きいたしますと、一部のところで新規制基準の対応に係る工事などで、ある程度廃棄量が増えたといったような回答をいただいているところでございます。またRI協会さんも若干の増加がございましたけれども、これは医療RI関係ではクリアランス制度の確立がなかなか未定である点を考慮したということ、あと研究RIでは加速器の廃止も今後見込まれるといったことを考慮したということで聞いております。したがいまして、合計と書いたところでございますが、67.2万本で、前回調査から0.001本で、実際は14本が減少したという形になっております。
 では調査結果のまとめでございます。先ほどまでの結果をまとめますと、トレンチ埋設対象の廃棄体合計で約47.9万本、合計で約7,000本の増加となっております。ピット埋設で19.3万本、約7,000本の減少ということで、合計で67.2万本という結果になっております。これ前回の調査結果が約67万本でございまして、ほぼ同程度の廃棄体量であったというところでございます。したがいまして、平成30年度値と同様に、埋設の規模といたしましては、物量といたしまして約1割程度を見まして、埋設施設の能力は約75万本の施設という形で、ここに関しては見直しを行わないこととしております。
 また、この結果につきましては埋設事業実施計画、こちらに実際に具体的な数字を反映しようと考えております。またこの際に、現在想定しております埋設事業費につきましても、併せて見直していきたいと考えております。総事業費に関しまして、平成23年度に実施計画に記載をいたしましたが、昨今もご存知のように、いろいろな労務費とか材料費等大幅な増加が見込まれておりますので、併せまして事業費の見直しを行い、実施計画に反映することを考えているところでございます。
 最後でございますが、先ほどございました埋設事業費についてでございます。総事業費は、下の方の青い括弧の中に記載しております総額で2,243億円としています。この事業費の年度展開を描きましたグラフでございます。グラフの下向きに描いているものが毎年度の支出を表しております。また上向きにしておりますのが収入としております。ここの上向きのうち、赤色とピンクのところは原子力機構の収入の合計となっております。原子力機構におきましては、毎年の一般会計と特別会計両方から一定額を繰り入れるということで、直近では約21億円の繰り入れを行っているという形で確保しております。また赤色のところは令和6年度も含めて一応確定額という形のグラフにしております。ピンクに関しましては令和7年度以降の予定額としたものでございます。また現在の繰入残高に関しましては387億円となっております。また、この中で右の方で黄色い枠でかかっておりますが、機構外の発生者からの処分受託の収入といたしまして、今のところは総額で513億円を見込んでいるところでございます。今後、これらの事業費の支出とか、必要な収入額の見直しを行いまして資金計画の見直しを行う予定と考えているところでございます。
では今後の取り組みでございますが、立地につきましては立地方策、立地の評価方法や地域共生策の検討、あと広報活動の一層の促進を図りまして、早期の実現に向けた対応を進めていきたいと考えております。技術検討につきましては引き続き原子力規制委員会での埋設事業に関する審査会合の最新の議論を踏まえまして、埋設施設の基本設計に反映すべく施設の設計見直しとか廃棄体受入基準の整備を進めておりまして、立地後速やかに埋設事業申請に向けた対応を図るよう準備を行う予定でございます。また埋設事業資金につきましては、今回の廃棄物量の見直し結果を踏まえた事業費および資金計画の見直し後、これを反映いたしました実施計画の変更を行うことを考えております。説明は以上でございます。あと説明割愛させていただきます参考資料といたしまして、物量調査結果の詳しい内容をこの後につけております。以上でございます。
 【出光主査】  ご説明ありがとうございました。それではただいまのご説明に対しまして質問あるいはコメント等をお願いいたします。どなたかございますでしょうか。大越委員どうぞ。
 【大越委員】  大越です。ご説明ありがとうございました。私からは何点かコメントとしても使っていただければと思います。まず事業費用の見直しということで、埋設処分の規模は結果的には変わらないものの昨今の物価上昇等を考えて費用の見直しをされるということ。それは必要なことだと思います。まだ今回見直しをしたとしても、処分開始まではまだまだ時間があるということで、最終的に処分に行こうが、本当に処分が始まるまでわからないわけなのですけれども、処分を委託する側のサイドから考えますと、やはり処分費用の見通しを得ておくっていうことが非常に資金を積み立てていくためには重要ということになります。今後処分の費用については、あまり、処分開始直前になって急激に上げられると、費用の積み立ての期間が短くなって対応が難しくなるというようなこともございます。機構さんにおかれましては定期的にそういうある一定の間隔を持って事業の検討というようなこともやっていただけるとありがたいなというところでございます。
 それと関連して3ページのところでスケジュールがお示しされていますけれども、その建設の期間、8年程度を見込まれているのですけれど、日本原子力発電さんが申請されている埋設事業の審査期間を見ると、平成27年ですか、検査申請されてまだ許可が下りていないことを考えますと、原子力機構は、事業というのは原電さんの計画されているものよりも複雑ということもありますので、そこはスケジュールについても、昨今の事情を出て見直しするといったようなことも必要ではないかというふうに思ってございます。
 細かな話になって恐縮なのですけれども、10ページのところで技術的な検討状況ということで、こういったことを申請前に行うことは重要だと思うのですけれども、1,000年後の環境条件における安全評価ということで、1,000年後の状態変化を考慮した評価ということで、なかなか1,000年後の状態変化を想定するというのは難しいということは理解しますので今までは決定論的な安全評価線量評価が主流だったわけでございますけれども、確率論的評価をするといったようなことも含めて方法論のご検討も必要ではないかというふうに思いました。
 あと11ページのところで、重要核種について矢羽根の2番目で、発生者に対し、放射能濃度評価の対象核種、提示というふうに記載されているのですけれども、発生者ということで考えますと、もう本当にいろんな種類の廃棄物があって、その全ての発生に対して、重要核種を提示するというのはなかなかJAEAさんとしても困難ではないかというふうに思ったのですけれども、ここら辺、何か考えがあったらお聞かせ願えればと思います。以上になります。
 【坂本センター長(JAEA)】  原子力機構の坂本でございます。いろいろありがとうございました。最初の費用の見直しの点に関しまして、ご指摘の通りでございまして、毎年というのはなかなか難しいことでございますけれども、ある程度の期間を見ながら、急激な利上げにならないように、しっかり、必要かつ合理的な額に関しまして見直しを進めていきたいと思っております。
 あと、先ほど3ページのスケジュールで、原電さんとかの事例で確かに審査がかなり長期化しているところがございます。当方は、そういった原燃さんの審査会合の状況とか、まさに今進めております原電さんの審査の状況を踏まえまして、なるべく今の規制にきっちり沿ったような形で、審査がなるべく早く進むように、しっかり注視して作って対応していきたいと思っております。
 もう一点坂井の方から回答させていただきます。
 【坂井副センター長(JAEA)】  原子力機構の坂井です。まず10ページの安全評価に関しましては、規制庁の審査ガイドが作成されまして、埋設施設の1,000年間の状態を評価して、それでその評価に基づいた安全評価を行いなさいというようなガイドになってございまして、それに基づいた評価の試行を行っているというところでございます。おっしゃる通り、埋設施設の状態変化は今いろいろ不確実なところがあって難しい部分があります。それで、日本原燃さんや日本原電さんも、評価に今取り組まれている状況でして、その評価の手法を見ながら、我々としても、現在はケーススタディ、確率論的評価とまではいかなくても、ケーススタディ的に、こっちの状態、こっちの方向になったときにはどういう条件、違う条件になったときにはどういう条件といったような安全評価を行っていくということを考えてございます。その段階で、確率論的評価も必要ということであれば取り入れることも検討していきたいというふうに考えます。
 11ページでございますけれども、重要核種というのは、各発生者さんが埋設するときに、この核種について放射能を示してくださいというものを、発生施設ごとに放射性核種が異なっている部分がありますので、その施設ごとに重要核種をどう選ぶかということで検討しているというものでございます。発生者に対しては、放射能濃度の評価の対象核種というのは、まず埋設施設で放射能評価の前提、最初の出だしとなる対象核種をどのくらい考えるかというところで、現在のところ、半減期30日以上の核種で、原子力施設で発生するもので170核種、RI施設で発生するもので220核種という最初の段階でございまして。そこからどうやって絞り込んでいくかという問題もあるのですけれども、まずはそのところから、発生者さんに自分たちの廃棄物の放射性物質がどういうものが入っているかというのを調べていただいて、我々と協議しながら重要核種を決めていくという手法をとっております。
 やっぱり埋設施設に依存するものですので、事業者さんにおまかせしてというよりは、やはり原子力機構も評価に加わって、原子力機構が主導的にやる必要があるというふうに考えているというものでございます。以上です。
 【出光主査】  ありがとうございました。井口先生よろしいでしょうか。
 【井口委員】  井口です。ご説明ありがとうございました。私の方からは2点、簡単な答えで結構です。最初は6ページの今回の広報と情報発信の中で、今回の4月からSNSでの情報発信を始められたということで、これは非常にいい取り組みと思うのですけれど、ある意味ではもろ刃の剣というか、このSNSのメリットは双方向のコミュニケーションができますよね。そのときに、これまでに7回ぐらいも発信されて、これまでも質問していたのですけれど、こういう広報をした結果がどのくらい影響を与えるかというような調査、SNSを活用した効果みたいなものがわかると思うのですけれども、その辺りはどのような扱いにしようとされているかというのをお伺いしたい。もう1点は重要核種の中で2番目のウラン核種について、これを100Bq/gの条件のうち、以下のものについてはこれは第二種埋設で対応しますよということで、さっき人形峠の方で増えたのはそういうことだというふうに理解しが、冒頭の予算の枠を取るときに、そのウランの処理処分については予算枠に入っていないっていうのがどこかコメントがあったように思います。
 そこで、確認したいのは、基本的にはその100Bq/g以下濃度のウラン含有廃棄物については全てこういうL3、L2埋設処分で扱って、それ以外についてはまた後ほど考えるという考え方になっているのでしょうか。その点について簡単にお答えできる範囲で結構ですので、よろしくお願いいたします。
 【坂本センター長(原子力機構)】  原子力機構の坂本でございます。SNSとかの効果ということですけども、ダイレクトになかなか難しい面もございますけれども、例えば当方のホームページとかのアクセス数を見ますと、今年の1月末と昨年の1月末と比べますと3割ほどは増加しております。いろんな方から興味を持って見ていただけるという状況は確認できております。さらに、ウラン廃棄物のご質問ですけれども、おっしゃる通り、当方としては毎月平均1Bq/gということでございますので、受け入れる廃棄体の事業者ごとの平均濃度としては10Bq/gを一応目指してお願いをしているところでございます。ただ濃度分布がございますので、最大としては100Bq/gを設定させていただいているというところでございます。よろしいでしょうか。
 【井口委員】  後者の方について100Bq/g以上のウラン廃棄物はどうされるのでしたか。これはずっと保管廃棄ですか。
 【坂井副センター長(原子力機構)】  100Bq/gを超えるものについては今のところは埋設事業の対象に入っていないのですけれども、今後検討させていただきたいということでございます。
 【井口委員】  わかりました。中深度処分で、今のところ予算については検討外だという位置づけなのですね。
 【坂井副センター長(原子力機構)】  中深度処分などのオプションをこれから考えていきたいということです。
 【井口委員】  了解しました。ありがとうございます。SNSについては若手の方については非常に効果が大きいので、今までの年配の方からだんだん若手の方に情報が伝わっていたのを逆に若手の方から中堅や年配の方にも繋がる。非常に良い形の情報発信をしていただく戦略を練ってもらえるとよいかと思いました。以上です。ありがとうございました。
 【出光主査】  ありがとうございました。では足立委員よろしくお願いします。
 【足立委員】  足立です。今のSNSの件とも関連しているのですけれども、今アクセス数が同月比で3割アップということでしたけれども、申し訳ないのですけれども、原子力機構さんのホームページを見たり、SNSに接しようっていう方がごく一般の方だっていうのは、私は考えにくいと思います。多分アップしたからといってそんなに喜んでいる場合じゃないのではないかと。関係者がSNS始めたと思って見ているだけだと思っております。SNSを使うということは非常に結構だと思うのですけれども、本当にSNSを普段から活用しているような世代の方、若い世代の方自身に発信してもらえるようなコンテンツにしないといけないので、その辺り、人材を確保して、あるいはインフルエンサーの方とかにお願いするとか、そういった方法を考えた方が良くて、単にSNSをやればいいということではないと思います。
 それからやはり先ほどの資料の6ページ辺り広報の件ですけれどもやはり一般の人へ向けた広報で、立地に向けて世論を醸成していくということは非常に大事だと思います。ホームページに何かを載せたとか、わかりやすい動画を作って載せたと言っても、そのホームページに行くまでのところが一般の人はしないと思います。例えば政府広報のACジャパンで集中的にCMを流すとか、今すぐにということではないかもしれませんが、立地の方がある程度目処がついてきた時点で集中的にその世論の醸成をするようなSNSであったりそういうふうな政府広報法の活用であったりそういうものが必要でないかなと思います。そろそろできそうだと思ったときになったら、発表したら総スカンをかうということは大変残念なことなので、スムーズに進めるためにもその一般人への広報、周知ということをぜひ考えていっていただきたいと思います。お願いします。
 【出光主査】  ありがとうございました。
 【坂本センター長(JAEA)】  ご指摘ありがとうございます。ご指摘のように、載せただけでは確かに広報になっているとは言えないと思いますので、具体的な広報の方法につきましても、今後検討させていただきたいと思っております。また時期につきましては確かに難しいところもございますので、あわせて検討を進めていきたいと思っております。
 【出光主査】  ありがとうございます。では吉田委員お願いします。
 【吉田委員】  吉田です。ありがとうございました。私から2点お願いです。民間企業でもやはり研究所等廃棄物保管管理、やはり結構な本数ありまして。維持管理に関わるその人件費それから施設維持費とかさんでおりますので、できるだけ早く立地の方を目処立てていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それからもう1つお願いがあります。12ページで数十年前に発生した廃棄物の分別処理の合理化という記載がございますがやはり私どもの持っている廃棄物につきましても原子力の黎明期からのものでして、かなりいろいろなものが混入した状態で入っているというのが実態です。JAEAさんのいわゆる含有廃棄物中の含有可能な可燃物量の基準の策定ですとか。あるいは分別の判断基準、そういったものをマニュアル化等していただきまして私どもを使えるように運営していただけると非常にありがたいと思います。それからマニュアル化につきましても1回作ったから終わりというのではなくて、今後おそらくいろいろな廃棄物ドラム缶を開けていくたびに新しいものが多分出てきてこれは困ったということが出てきますので、何年かに一度かマニュアルの改訂でこういったものがこういうふうにする。あるいはこういうふうに処理して分別するとか、こういうふうにすれば埋設可能といったようなマニュアルというか、知見を共有させていただければ非常に民間としても助かりますのでよろしくお願いいたします。以上です。
 【出光主査】  ありがとうございます。2つのお願いというところですが、何か回答ありますか。
 【坂本センター長(原子力機構)】  原子力機構の坂本でございます。どうもありがとうございました。後半のところに関しまして、当然ながら、先ほどから有機物の話を書きましたけれども、9ページでございますね。化学物質そのものの対応とかそういったことを含めて検討しているところでございます。また保管した中身に関しまして、例えば高エネルギーX線で中を確認する技術も今開発を進めておりますので、こういったものでなるべく分別できる数を少なくするとか、そういった対応、研究開発を進めております。またそういった形が適用できるかと考えております。
【吉田委員】      よろしくお願いいたします。
 【出光主査】  ありがとうございました。では佐々木委員お願いします。
 【佐々木委員】  佐々木です。理解が及ばなかったので1件確認させてください。スライドの18枚目なのですけども、埋設規模の現状に関する判断根拠について確認なのですが、具体的に廃止措置を検討していないところでも調査が行われているわけですけども、そういったその廃止措置を将来行うと、その廃止措置で発生する廃棄物の発生も見込んだ回答でない場合には、後々上振れする可能性があると思ったところです。今回の調査の物量というのは、どういうふうに捉えて、その規模の維持をすると、現状維持でよいというご判断なのか教えていただけますでしょうか。
 【坂本センター長(原子力機構)】  原子力機構の坂本でございます。ご質問ありがとうございます。まさに当然ながら、各社にアンケート調査用紙を送りまして、各社のご判断を踏まえて、今後の操業廃棄物とか解体廃棄物の発生量を入力してもらったものでございます。ただ廃止措置が未定であるとか、そういったところもございますので、そういった意味では、施設の規模の容量といたしまして、アンケート結果をまとめた67万本に対しまして約8万本程度の余力を見まして、全体の施設規模を決めているところでございます。
 実際の発生量に関しましては、これも実際の施設の解体の状況とかの処理でどれだけ減容をできるかとか、そういったことも踏まえながら、そういった点も、処理処分を実際される方とか発生される方とも協議しながら、具体的な処分の計画としていく形なのかと考えております。
 【佐々木委員】  わかりました。ありがとうございます。
 【出光主査】  はい、では飯本委員お願いします。
 【飯本委員】  ありがとうございます。既に皆さんの議論があったSNSについてですが、新しい試みについては期待感が高いところです。どのような配信規模であるとか、情報が届いている対象がどのような方であるかとか、あるいはどのような内容が配信されているか、その辺りが気になります。それらの情報をこれからうまく分析をして、次の手を考えていくんだろうと思っています。
 それで質問です。一般の方々の理解を得るための強化というのは非常に重要だという共通認識だと思いますが、何か追加的なお考えはあるか、です。つまり機構さん単独での立地広報とか、あるいは学会業界を対象とした理解促進活動の継続ももちろん大事なのですが、例えばで、文部科学省さんと協力して、学校関係者とか教育機関などとの連携教育も含めて、もう少し一般のところの強化の方法は他に何かなさそうか、その辺りをお聞きしたいと思います。
 【坂本センター長(原子力機構)】  原子力機構の坂本でございます。ご質問ありがとうございます。なかなか当方もどういう形で進めていこうかと非常に悩んでいるところでございますけれども、例えば、RIを使っている方とか、RI協会さんとか、またRIを使っている方とか医療関係の方々とか、こういったところの方ともいろいろ協議をさせていただきながら、いろんなところにこういったお話をさせていただければと思っております。またRIだけではなくて大学の、まさに原子力を研究されているような方とも連携しながら、いろんなところでお話ができればというふうに考えております。
 【出光主査】  飯本委員よろしいでしょうか。それでは先に足立委員、お願いします。
 【足立委員】  足立です。他のところとの連携という点では、ちょうど私どもNPO法人元気ネットで今参加しているところですけど。環境省さんの「ググるプロジェクト」っていうのがありまして、一般の方へのその放射線の理解とか災害時に差別の問題とか放射線に関わる様々な課題についてセミナー形式でやっているのですよね。そういうものとの連携とかも考えたらいいと思いました。以上です。
 【出光主査】  ご意見ありがとうございました。では織委員お願いします。
 【織委員】  ありがとうございます。コミュニケーションの方の話ですけれども、いろいろな形で広報をするということは素晴らしいことだと思っています。ただ、何人かの先生がおっしゃっていたように、誰を対象にどのような情報を出していくのかというところの方針がどのようになっているのかがすごく重要だと思っています。リスク低減についてしっかりと理解していただく。今回の埋設事業の意義づけですとか、そういったものがただひたすら不安だと思わずにしっかりとリスク管理という観点から、社会一般に理解していただくということがすごく重要だと思います。ただSNSをやるというより、どの対象に何を理解してもらうか、戦略的に考えた広報戦略をする必要があると思います。その点に関して筑波大学の先生から科学コミュニケーションについてヒアリングをなさったというようなことを先ほどパワーポイントでお話ありました。実際そういったご意見を聞きながら、それがどのように反映されて、今回のSNSやホームページの構成になっているのか教えていただければと思います。
 【坂本センター長(原子力機構)】  原子力機構の坂本でございます。ありがとうございます。最初のご質問点でございます。資料6ページにもございますように、いろんな原子力関係者とか、こういったRIを使っている方々とか、こういったところの方にまず当方の事業をしっかり知っていただいて、そういった方々からいろいろ発信していただくようにという形で進めているところでございます。埋設処分が何となく必要だなという思いはあるのですが、具体的にどういうものかっていうのは、やっぱりなかなか、若干専門的なところもございますので、そういったことのいろいろご理解を得ながら、お話ができるようにという形で今進めているところでございます。
 あと後者に関しまして、筑波大の山科先生からの各コミュニケーションの方法に関しましていろいろお話をいただいたところでございます。まさにご指摘の通りで、当方からこういった形で、一方的に発信して理解していただけるということとは思っちゃいけないといったところがございまして、やっぱり、受け手がどう思うかというところをしっかり考えた上でやっていかなきゃいけないというようなお話をして、こちらも意見交換させていただいたところでございます。今後は、今すぐ具体的にこういった形で、情報発信、うまくぱっとすぐ活かせていけるかっていうところまではなかなかいっていないところでございますけれども、例えば7ページにございますいろいろな、例えば模型を作ったりとか、例えばこういったCG、なるべく少しでも見てわかりやすいようなものになるような形で、少しずつそういった取り組みを進めるとしているところでございます。お答えになっているかわかりませんが、以上でございます。
 【織委員】  ありがとうございます。
 【出光主査】  ありがとうございました。だいぶ時間を押してまいりましたが他にございませんでしょうか。私の方から一点JAEAさんではなくて文部科学省さんにお願いです。この件だけではないのですけれども一般の方々にはなかなか情報を自ら聞いていただけないということもございます。あと一般常識的なところが足りないところがありますので、ぜひ文部科学省さん内部で高等教育だけではなくて初等中等教育の方にも何とか働きかけて、この分野が義務教育とかにも少し入っていくように少し力添えいただければと思います。
 では、時間を押しておりますが、議題4大学等の廃止措置の推進についてということで事務局の方から説明をお願いいたします。
 【鈴木室長(事務局)】  放射性廃棄物企画室の鈴木でございます。議題4の大学等廃止措置の推進についてご説明を差し上げたいと思います。前回の作業部会で少しご紹介させていただきましたが、問題意識等々も踏まえまして文部科学省といたしましては、1ページ目にございます、国際原子力人材育成イニシアチブ事業の一部といたしまして、原子力関係大学の研究基盤・人材育成の強化というような形の取組を行いたいと考えております。
 はじめに、背景・課題です。まず様々な大学の皆様方にヒアリングを行いました。研究基盤等の衰退に伴って、専門人材技術者等の育成が大きな課題となっています。大学内に許可施設等が複数存在しており、その施設で核燃料物質の使用予定がなくなった後も施設が廃止や統廃合もできず、研究教育のための有効活用ができないというような話もあります。それに伴う管理のコスト、人件費管理費が長期にわたり定常的に発生するであるとか、管理者の高齢化というような話もあるところでございます。このような現状を踏まえまして、今般の原子力国際人材育成イニシアチブの事業の1部の中で、核燃料物質等に係る大学の諸課題に対して、専門人材の育成や施設の少量核燃料物質を扱う施設の集約化のような形で基盤強化体制構築、全国展開に向けた先導事例事業として目指していきたいと考えてございます。共通基盤的な教育研究機能を保有する資源を幅広く利活用するための相乗効果を生み出していただきたいと思い、大学の研究基盤人材育成の強化という形で補助していきたいと考えています。具体的な補助内容としましては、核燃料の専門人材技術者の育成、核燃料施設の基盤強化体制の構築というところで、少量の核燃料物質を扱う施設の集約での基盤強化、管理施設の有効活用を進めることに対しての支援をしていきたいというものでございます。
 続きまして2ページ目でございます。こちらは核燃料物質の化学的安定化処理技術等の開発研究という形で原子力システム研究開発事業の一部として公募する予定でございます。こちらの事業概要・背景でございますけれども、これまで、大学・研究機関・企業の皆様での研究活動で生じた多種多様な化学物質が多数保管されていると。これらの核燃料物質について安定化処理技術等の基盤研究がニーズとしてある、というところでございますので、こういったニーズのある研究について、公募をしていきたいと考えています。安定化処理技術の学術的には体系化されておらず、専門家もいないというようなところで、知の体系化と人材育成を進めることが必要ということで、事業といたしましては、科学的処理技術の開発であったり、分析技術の研究等を中核機関通じ、各実施機関において、チームで実施していただきたいと考えているところでございます。成果につきましてはアーカイブス化して公開したり、協動的実作業を通じて人材育成の実施に貢献してもらいたいと考えており、令和6年度の予算から公募をして進めていきたいと考えているところでございます。簡単ですが以上でございます。
 【出光主査】  ご説明ありがとうございました。ではただいまのご説明に対しましてご質問コメント等ございますでしょうか。このような形で進めていくということでございますので、どうかよろしくお願いいたします。それでは最後にその他ということですが、何か皆様の方からございますでしょうか。特になければ、時間超過いたしましたが事務局の方にお返しいたします。
 【菊地補佐(事務局)】  事務局でございます。ありがとうございました。本日の議事録につきましては、出来次第メールしてご確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきます。また次回の作業部会については、日程調整の上改めてご連絡をさせていただきたいと思います。以上でございます。
 【出光主査】  ありがとうございました。ではこれにて第7回の原子力バックエンド作業部会を閉会いたします。皆様どうもありがとうございました。
 【各位】  ありがとうございました。失礼します。

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