原子力科学技術委員会 原子力バックエンド作業部会(第6回) 議事録

1.日時

令和5年6月30日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 第12期原子力バックエンド作業部会について
  2. 原子力政策の動向等について
  3. 原子力機構の廃止措置について
  4. 研究施設等廃棄物埋設事業について
  5. その他

4.出席者

委員

出光主査、井口主査代理、赤井委員、足立委員、飯本委員、大越委員、織委員、葛西委員、児玉委員、佐々木委員、中熊委員、吉田委員

文部科学省

林審議官(研究開発局担当)、新井原子力課長、阿部放射性廃棄物企画室長、原原子力連絡対策官、菊地共同研究・人材ネットワーク構築班長

オブザーバー

板倉日本原子力研究開発機構副理事長、塩月日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部長代理、坂本日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター長、目黒日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部長、坂井日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター副センター長、小野瀬日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター副センター長、前川日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター事業計画室長、中澤日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部次長、佐々木日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部次長、北川日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部主席

5.議事録

【菊地班長(事務局)】  それでは、定刻となりましたので、ただいまより第6回原子力バックエンド作業部会を開催いたします。
 本日はお忙しいところお集まりいただき誠にありがとうございます。
 今回は、第12期の初回であり、またオンライン開催に関連して確認事項などもございますので、議事に入る前まで、事務局にて進行させていただきます。
 まず、オンライン開催に際しての留意事項を御説明いたします。
 委員の皆様におかれましては、現在、遠隔会議システム上で映像及び音声が送受信できる状態となっております。御発言を予定される場合は、挙手ボタンを押していただくと、画面の左上に挙手マークが表示されますので、順番に主査より御指名いただきます。もう一度ボタンを押すと挙手マークが消えますので、御発言をいただいた後、もしくは取り消す場合は、挙手ボタンを押して、手を下ろしてください。
 会議中、マイクは発言時のみオン、ビデオにつきましては常時オンにしていただければと存じます。通信状況が悪化するような場合につきましては、主査の出光先生を除きまして、オフにしていただいても構いません。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時、事務局宛にお電話にてお知らせください。
 傍聴される方におかれましては、ビデオ映像及び音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、遠隔会議システムから御退席いただきます。
 議事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。事務局以外の方の会議の録画及び録音はお控えください。
 以上が、本日の進行に当たっての留意事項となります。
 続いて、本日の配付資料の確認をさせていただきます。今回は委員の皆様及び傍聴の登録をされた方宛に、事前にメールでお送りさせていただいております。会議中、遠隔会議システム上においても資料を表示いたします。
 お手元の議事次第を御覧ください。本日は議題その他を入れて5件ございますので、御確認ください。また、配付資料は、それぞれ議事次第に記載の通りです。お手元に資料がない場合は、事務局までお知らせください。また、何かございましたら随時お申しつけください。
 委員の皆様方の御出席状況については、開始前に事務局にて確認させていただいております。本日は、委員12名全員に御出席いただいております。運営規則の第3条に規定されております定足数の過半数を満たしておりますので、御報告をいたします。
 また、本日は資料の説明及び質疑応答のため、日本原子力研究開発機構より、板倉副理事長他9名に御参加いただいております。
 続きまして、事務局参加者について御連絡いたします。文部科学省からは、林研究開発局審議官、新井原子力課長、阿部放射性廃棄物企画室長、原原子力連絡対策官、私、菊地が出席しております。
 会議に先立ちまして、本日は第12期最初の作業部会の開催となりますので、文部科学省を代表しまして、研究開発局審議官の林より一言御挨拶をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【林審議官(事務局)】  皆さんおはようございます。ただいま紹介いただきました、文部科学省研究開発局担当審議官をしています、林でございます。
 第12期最初となります第6回原子力バックエンド作業部会の開催に先立ち、一言御挨拶申し上げます。
 主査の出光先生をはじめ、第12期の原子力バックエンド作業部会の委員をお引き受けいただきました皆様に、まず厚く御礼申し上げます。
 昨今のエネルギー価格の高騰や国際情勢の不安定化など、我が国を取り巻く状況が一層複雑化する中、原子力については、エネルギー問題をはじめ、多様な社会課題の解決に向けた様々な貢献が期待されている状況です。
 また、昨今の国内外の大きな状況変化を踏まえ、政府においては、本年2月に「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、4月には「今後の原子力政策の方向性と行動指針」を原子力関係閣僚会議で決定するなど、原子力政策に係る議論も大きく進められているところです。
 こうした中、本作業部会は、廃止措置に移行する原子力施設が増加する中で、研究機関等が保有する原子力施設の廃止措置等について、安全を確保しつつ、廃止措置や放射性廃棄物の処理・処分等を着実に行うための方策について調査検討を行うこととしており、研究施設等廃棄物の課題や、原子力研究開発機構や大学等のバックエンドの諸課題について、御議論いただくこととしております。
 文部科学省としても、安全を確保しつつ、原子力施設の廃止措置や放射性廃棄物の処理・処分等を着実に進めていくことは、極めて重要な課題であると認識しており、第12期の作業部会においても、先生方の御指導、御助言をしっかりいただきながら、バックエンド対策の着実な推進に向けた検討を進めていきます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  続きまして、第12期の委員として御就任いただいた皆様を御紹介いたします。資料1-1、原子力バックエンド作業部会委員名簿を御覧ください。
 まず、主査に関しましては、運営規則第2条第3項に基づき、当作業部会の親委員会にあたります、原子力科学技術委員会主査が指名することとなっており、原子力科学技術委員会主査である出光主査から御自身を指名することで、当作業部会においても主査を務めていただくことになっておりますので御報告いたします。
 それでは、主査の出光先生より一言御挨拶をお願いいたします。
【出光主査】  皆さん、おはようございます。第12期も引き続き主査を仰せつかりました出光でございます。親委員会に報告もございますので、私自分を主査とさせていただきました。
 私ですが、3月まで九州大学におりましたが、無事に定年退職することができまして、現在4月から東北大学金属材料研究所で特任教授をやっております。一応任期は1年間でございますが、よろしくお願いいたします。以上でございます。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 また、主査代理に関しましては、運営規則第2条第7項に基づき、主査があらかじめ指名することとなっており、出光主査より井口委員を主査代理に指名されておりますので御報告いたします。
 それでは主査代理の井口先生、一言御挨拶をお願いいたします。
【井口主査代理】  元名古屋大学の井口と申します。バックエンド作業部会は、前期の11期に引き続きまして委員を拝命しております。
 今期は、出光先生の補佐をして、若干、従前から歩みが遅い感じのある研究所等廃棄物の処理・処分とか、それから大学等の非常に老朽化した放射性物質の取り扱い施設の廃止措置について、できるだけ加速できるように、この部会での皆様の有益な議論で方向性が打ち出せればと思いますのでよろしくお願いいたします。以上です。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 次に、委員の皆様を表の上から順に御紹介させていただきます。今期より委員に御就任いただきました。赤井委員、飯本委員、佐々木委員、吉田委員におかれては、御紹介に続けて一言ずつ御挨拶をいただければと存じます。
 まず、東芝エネルギーシステムズ株式会社エネルギーシステム技術開発センターシニアフェローの赤井委員でございます。赤井先生、一言御挨拶をお願いします。
【赤井委員】  赤井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私、放射性廃棄物の研究開発をやっておりましたけれども、2017年から、当社の原子炉・核燃料施設の廃止措置を担当しております。有用な意見が言えるように、頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 次に、NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット副事務局長の足立委員でございます。
次に、東京大学環境安全本部教授の飯本委員でございます。飯本先生、一言御挨拶をお願いいたします。
【飯本委員】  ありがとうございます。東京大学の環境安全本部に所属しております飯本と申します。
 私は東京大学全体の原子力施設、あるいは放射線施設に関する放射線安全推進活動の取りまとめ役を拝命しているものです。放射線防護分野を専門としています。どうぞよろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 次に、公益社団法人日本アイソトープ協会常務理事の大越委員でございます。
次に、上智大学大学院地球環境学研究科教授の織委員でございます。
【織委員】  織です。よろしくお願いいたします。
 私、原子力の方の技術的なことは専門外ですけれども、環境的な視点ですとか、地域、消費者といったような観点から、コメントさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 次に、フリージャーナリスト・キャスターの葛西委員でございます。
次に、株式会社経営共創基盤共同経営者(パートナー)・マネージングディレクターの児玉委員でございます。
次に、京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻教授の佐々木委員でございます。佐々木先生、一言御挨拶をお願いいたします。
【佐々木委員】  京都大学の佐々木でございます。初参加ということで、よろしくお願いいたします。
 専門はバックエンド工学です。放射性廃棄物処分に関わる化学の教育研究をしておりまして、特に高レベル放射性廃棄物や1Fデブリとの関わりの深いウランTRU核種を長らく扱ってきました。その関係で、学内の核燃料やRIを取り扱う施設の維持管理や運営にも携わっております。埋設事業や廃止措置等の近況や課題を勉強させていただきながら、広く議論に加わりたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
次に、電気事業連合会原子力部長の中熊委員でございます。
最後に、株式会社日立製作所原子力技術センタ王禅寺センタプロジェクトマネージャの吉田委員でございます。吉田先生、一言御挨拶をお願いします。
【吉田委員】  おはようございます。日立製作所原子力王禅寺センタの吉田と申します。よろしくお願いいたします。
 私、日立GEの方にも、相変わらず兼務をしておりまして、日立GEの方では、長らくの間、バックエンド、放射性廃棄物の処理・処分関係を担当しておりましたので、この分野、ぜひ多少なりとも力になれればと思っております。
 また、RANDECの前任者の澁谷フェローからの引き継ぎということで、一応いくつかの民間企業の代表という立場で、各社さんの御意見もこの場に提供できればと思いますので、今後よろしくお願いします。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 今期は計12名の方々に委員を務めていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これから議事に入らせていただきますが、運営規則第5条に基づき、本会議は公開とさせていただきます。また、第6条に基づき、本日の議事録につきましても、後日文部科学省ホームページに掲載させていただきます。
事務局からは以上です。ここからは出光主査に議事の進行をお願いしたいと思います。
【出光主査】  では、議事の進行を務めさせていただきます。
 本日ですが、お手元の議事次第にございますように、議題が5つございます。時間は12時までを予定しております。よろしくお願いいたします。
 それでは、最初の議題でございますが、「第12期原子力バックエンド作業部会について」に入ります。事務局の方から資料の説明をお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  ありがとうございます。
 それでは、資料1-1から1-4について、簡単に御説明をさせていただきます。資料1-1の委員名簿については、今、御紹介をさせていただきましたので、こちらは省略させていただきます。
 資料1-2についてでございます。こちら、令和5年5月11日に開催された、原子力科学技術委員会において決定されております、原子力科学技術委員会の運営規則でございます。こちらに則り、本作業部会につきましても運営をしていきたいという風に考えております。
 さらに4ページ目でございます。こちら第3条第2項に基づき主査が定める指針ということで、オンライン会議の規定を定めております。
 さらに、資料1-3でございます。こちらも令和5年5月11日に原子力科学技術委員会において、本作業部会の設置について決定されております。上から二つ目に、「廃止措置に移行する原子力施設が増加する中で、研究機関等が保有する原子力施設の廃止措置等について、安全を確保しつつ、廃止措置や放射性廃棄物の処理・処分等を着実に行うための方策について調査検討を行う。」こういった形で原子力バックエンド作業部会の調査検討事項として定められた上で設置されてございます。
 資料1-4についてでございます。こちら、前期の一番最後の原子力バックエンド作業部会において、次期作業部会への申し送り事項として、今後の課題等についてということで決定していただきました。主に四つの項目を挙げさせていただいております。一つ目が研究施設等廃棄物埋設事業の推進、二つ目が原子力機構のバックエンド対策の着実な推進、三つ目が大学等の廃止措置の推進、四つ目がIAEAピアレビューのフォローということで、四つほど挙げさせていただいており、こちら申し送り事項として、今期についても取り上げて、議論を進めていきたいという風に考えております。
 こちら、議題1については以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対して、委員の皆様から何かコメント、あるいは質問等ございましたらお願いいたします。挙手ボタンの方で、挙げていただければと思います。
 特によろしいでしょうか。内容について、もし何か御質問ありましたら、追々聞いていただければと思います。
 では、続きまして、二つ目の議題に進みたいと思います。「原子力政策の動向について」ということで、これも事務局の方から説明の方をお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  事務局から御説明させていただきます。放射性廃棄物企画室長の阿部です。
 まず「原子力利用に関する基本的考え方」が、5年を目処に改定するということで、今回改定されましたので、御紹介です。
 政府として長期的方向性の羅針盤となるものであり、原子力利用の基本目標と各目標に関する重点的取組を定めるというものでございます。
 2ポツにありますが、基本的考え方の理念として、原子力のプラス面、マイナス面を正しく認識した上で、安全面での最大限の注意を払いつつ、原子力を賢く利用することが重要という考え方の下でまとめられており、4ポツ目に今後の重点的取組について挙げられています。この中で、バックエンドに関しましては、⑥国の関与の下での廃止措置及び放射性廃棄物の対応ということで、処分方法等が決まっていない放射性廃棄物の対応などについて記載されているところです。
 次のページは、今後の原子力政策の主要な課題、対応の方向性などについてまとめられた、行動指針というものでございます。
 この中で、バックエンドについては、プロセスの加速化ということでまとめられておりまして、廃炉の円滑化であったり、最終処分の実現という項目が記載されているところでございます。
 この最終処分のことにつきましては、次のページです。高レベル放射性廃棄物のことになりますけれども、基本方針について、今般改定されたところでして、国を挙げた体制の構築、有望地点の拡大に向けた活動の強化、国の主体的・段階的な対応による自治体の負担軽減、判断の促進、国による地域の将来の持続的発展に向けた対応の強化というところがまとめられているものでございます。
 最近、原子力政策のこういった取りまとめが色々なされている中で、バックエンドに関してもいくつか挙げられているという状況でございます。以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの方針といいますか、この状況につきまして御説明いただきましたが、委員の方々から質問、あるいはコメントございますでしょうか。大越委員どうぞ。
【大越委員】  大越でございます。
 質問というよりは、要望みたいなことになってしまうのですけれども、今の説明資料の2ページ目のところで、クリアランスの促進ということが書かれていて、廃止措置を進めていく上で、クリアランスの促進というのは、非常に重要だということは、もう周知のことだと思います。今回、クリアランスビジネスとの連携、あるいはその理解活動の強化ということで、非常に重要なことが定められていると思って、ぜひ進めていく必要があるなと思うのですけれども、もう一つクリアランス制度を有効に活用するという観点からは、どうしても再利用できない、廃棄物として処分せざるを得ないものが出てくると、こちらについては、やはり廃棄物を受け取っていただく業者さん、産廃業者さん、あるいはそれを規制している環境省との調整というのが必要になってくると思いますので、ここはあくまでも、明示的に裁量の部分が特記されていると思うのですけれども、そちらの処分に向けた、クリアランス物の処分に向けた活動というのも重要になってくると思いますので、要望も含めてコメントさせていただきました。以上です。
【出光主査】  ありがとうございます。
 研究所廃棄物につきましても、大元のリサイクルという概念からは、少し研究所の方は外れているところはあるかと思いますが、できるだけ最終処分される量を減らすという観点からのリサイクルをやっていくというのは、非常に重要だと思っております。ありがとうございました。
 他ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 では、よろしければ、次の議題に移りたいと思います。議題3ですが、「原子力機構の廃止措置について」ということで、こちら、原子力機構の方からの説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
【目黒(JAEA)】  原子力機構バックエンド統括本部バックエンド推進部の目黒と申します。
 原子力機構の廃止措置に係る技術開発と廃止措置の状況について御説明させていただきます。今回、新任の委員の先生もいらっしゃいますので、まず最初に、簡単に原子力機構におけるバックエンド対策についてお話させていただいた後に、本日の話題である3件について御説明させていただきます。次のページをお願いいたします。
 原子力機構においては、ここにも書いてあるように、持続可能な原子力を目指しておりますけれども、そのためには、原子力機構において使命を終えた原子力施設の廃止措置が増加しているという状況や、多数の放射性廃棄物を保管しているといったような課題を解決するために、バックエンド対策の推進が重要であるという位置づけでおります。次のページをお願いいたします。
 ここにバックエンド対策全体を簡単に示しておりますけれども、左上にありますように、使用目的が終了した施設、原子力施設は廃止措置をします。そこから、放射性の解体廃棄物が大量に発生すると。あとは、左下にあるような普通の作業からも研究廃棄物等が発生します。
 こういった液体、可燃物、難燃物、不燃物等の廃棄物を、現状は性状に応じて容器などに保管しておりますけれども、それらを、減容安定化処理を行った後に、セメントなどで容器等に安定に固形化して、その放射能濃度、核種等に応じて、トレンチ処分、ピット処分等の廃棄物処分に移行していくことになります。
 あとは、先程大越委員からもお話がありましたように、クリアランス物、やはり解体から大量のクリアランス物が出ますから、これをやはり放射性廃棄物としないという取組が重要となってまいります。次のページをよろしくお願いします。
 それで、原子力機構としましては、東日本地震の後に、2017年に施設の全体見直しを行いまして、保有している施設の約半数を継続利用、残り半数を廃止措置ということにしております。こういった施設の安全確保を図りながら、しっかりと廃止措置を進めていく、バックエンド対策を進めていくということにしております。
 このバックエンド対策に関しては、その次の年に、70年間にわたるバックエンドの方針というものをロードマップとしてまとめて、今はその第1期にあるところです。
 後で詳細を説明しますけれども、このバックエンド対策、廃止措置の施設の45施設だけではなくて、継続利用施設も含めた全てのバックエンドを終了するために、約1.9兆円かかるという評価をしております。
 このバックエンドロードマップも、先程文科省殿から説明があったように、IAEAの国際レビューを受けておりまして、このバックエンドロードマップがしっかりと作られているということを評価いただきましたけれども、今後、より合理的に進めるための多くの提言等をいただいておりまして、それに関しては、今、昨年度から始まりました、第4期中長期計画の中にも盛り込んで進めているところであります。次のページをお願いいたします。
 詳細は説明しませんけれども、今言ったような、左側が継続事業の45施設、右側が廃止措置を決めた45施設で、施設中長期計画でこの仕分けをして以降、緑色で示した5つの施設の廃止措置は既に終了しているという状況であります。次のページをお願いいたします。
 これが、先程お話しました、1.9兆円の内訳です。施設の解体、廃棄物処理処分、各拠点ごとにやりますけれども、まだ立地場所も決まっていないので不確かさ等もありますけれども、かなり大きな予算が必要になります。こういったことを、よりバックエンド対策を合理的に進めていくことで、これを低減するということも重要な課題だと思っております。次、お願いいたします。
 これが、第4期の中長期計画です。時間もありませんので説明を省略いたしますけれども、項目6にバックエンド対策というものがありまして、その(1)で技術開発、それから廃棄物の処理・処分、原子力施設の廃止措置というところを計画しております。次のページをお願いいたします。
 ここには、当面のバックエンド対策の方針をまとめておりますが、バックエンドというのは、施設を壊すだけではなくて、放射性廃棄物の処理、あと保有している核燃料物質の集約化、それからコスト低減、安全性向上のための技術開発、それから人材育成等、こういった四つの項目を上手く組み合わせて、バックエンドの対策の全体最適化を図りながらやっていかなければいけないということになっています。
 本日は、廃止措置のところと技術開発について、この後で説明させていただきます。次のページをお願いいたします。
 今の実施体制ですけれども、ここ数年、バックエンド統括本部を2019年に設置して以降、色々検討している中で、やはり色んな課題があって、各拠点においてバックエンド全体を見てくれるようなプロジェクトチームが必要だということになりまして、この4月に、原科研、核サ研、あと大洗研において、副所長をトップとするバックエンド対策のプロジェクトチームというものを設置してもらいまして、綿密に連携をとりながら、バックエンド対策を開始しているところになります。次のページをお願いいたします。
 これから、技術開発について簡単に御説明いたしますけれども、第4期中長期計画において、共通的な課題等を解決するため、あとは最先端の技術を取り入れる等考慮した戦略ロードマップを作成して技術開発に取り組むということにしております。次のページをお願いいたします。
 昨年度、バックエンド関連部署だけではなくて、様々なシーズを集めるということも含めて、機構全体、福島部門も含めて、シーズとニーズの調査を行って、多くの回答をいただいております。
 その中から重要課題を、我々が重要課題と思っている、「※1」に書いてありますけれども、そこに合致するテーマで、さらにシーズとニーズがマッチするもの、それから、早期実現とかコスト削減が大きく期待できるものというものを選びまして、今、短期的なテーマ5件、それから中長期テーマ4件に絞って、技術開発を進めております。次のページをお願いいたします。
 この9件のテーマですけれども、1つ目は、保管廃棄物、どうしても長期ドラム缶を保管しておきますと錆等ができますけれども、これを、レーザー等を使って錆を除きながら、技術は特許に関わるのでお話できませんけれども、防錆等も含めた処理を行うということで、廃棄物管理の安全性向上、低コスト化を図る技術開発であるとか。
 2番目が、昔から保管している廃棄物の中には、処分に不適合なものが入っているものがありますけれども、それは全体の10%くらいしかないですね。それを全部開けながら調べるのは大変なので、非破壊で内容物を検査するための技術というものを開発して、分別処理の低コスト化を図っております。次のページをお願いします。
 それから、高線量のグローブボックスを解体するためには、エアラインスーツ等大変な作業があって、作業者の確保も難しいところもあるので、そういったところを遠隔でできるような技術開発を進めて、施設解体の安全性向上、経済性の向上を目指していると。
 それから4番目は、保管廃棄物も、今まで目視でやっていたものをできるだけ自動化することで、低コスト化を図ろうとしております。次のページをお願いいたします。
 それから、分析技術に関しても、前処理をできるだけ合理化して、廃棄物は複雑なものですから、ある程度前処理を行わないと分析装置にかけられないのですけれども、そういったところを合理化していくことで、作業時間の短縮であるとか、二次廃棄物の発生量の低減等を目指していると。
 それから6番目は、廃棄物の中には、特に廃液系ですけれども、有害金属が入っているものがありますから、そういうものを上手く固定化するための固形化剤の開発等も進めております。次、お願いいたします。
 あとは、除染作業にレーザー技術を使うであるとか、大型設備の解体において、AI等を使ってその後収納が合理化できるような方法を検討する、それから、ロボット技術に関しては、検討中のところも多いですけれども、できるだけ作業の安全性向上のために繋がるようなロボット技術の開発を進めようとしているところです。次、お願いいたします。
 今言ったような、期待される効果をまとめているのがこの表です。ここの説明は省略いたします。次、お願いいたします。
 今、お話しした技術の開発スケジュールです。特に最初の5つは、第4期中長期目標期間中に実用できるようなスケジュール感で今進めているところになります。次のページをお願いいたします。
 技術開発の進め方ですけれども、やはり連携して進めることが重要で、シーズ部署と、あとニーズ部署は複数あるのですけれども、こういったところをやはり組織横断的にグループ化して技術開発を進めていると。こういった、我々が選定したテーマに関しては、バックエンド統括本部の方からしっかりと資金を確保して進めてもらうと。
 あとは、これだけじゃなくて、長期にわたって技術開発が必要ですので、各拠点においては、こういった最初の技術開発を基盤に、人材育成も進めていくと。
 あとは、機構内の実証のみならず、成果を普及するために、昨年度ちょっと実施できませんでしたけれども、今年は研究開発課題評価委員会等も実施して、そういったところも含めていこうと。
 あとは、コロナで今まで止まっていた海外との協力等も進めていく予定でおります。次のページをお願いいたします。
 次からが、廃止措置の状況ですけれども、最初のページは先程説明したように、こういった施設の廃止措置を進めているということです。次のページをお願いいたします。
 廃止処置を進めるために、今までは、色んな施設に広く薄く予算を配布していて、将来の予算展開が不透明なために、廃止措置の具体的な計画はなかなか長期にわたって定まっていない課題であるとか、やはりどうしても予算が不安定なために、単年度契約になっていて、実作業が短かったりとか、色んな課題がありました。そういったところを見直すために、我々は優先施設を決めて、そこに重点的に資源を投入して、その施設の廃止措置の完了までをしっかりと見据えてやる方針に今変えております。
 今、選定している施設が、プルトニウム等で汚染されたグローブボックスを有しているリスクの高い施設ですね。その中からさらに、今着手できる4施設、原科研の再処理特研、それからプルトニウム研究1棟、核サ研のプルトニウム燃料第2開発室、大洗研の燃料研究棟等を選択してやっております。そのうち、原科研の2施設、上の2施設はモデル事業として、かなり色んなことを試しながらやっております。それが次のページにあります。
 モデル事業というのは、まずはこの施設の廃止措置にしっかりと資金、資源ですね、人も含めて充当するということ。それから、しっかりプロジェクト体制を組んで、物を壊すだけではなくて、そこから発生する廃棄物の管理であるとかも連携して見ていくと。それから、予算が確保できているので、廃止措置の完遂までの詳細計画を立ててやるということで、その下の複数年契約もそうですけれども、プルトニウム研究1棟に関しては、今年から4年計画で、一括契約で廃止措置の終了までやるというスタイルをとっておりますし、これを進めるにあたって、現場のプロジェクトチーム等と統括本部が、毎週のように意見交換等をやりながら、情報を共有しながら進めているというところです。次のページをお願いいたします。
 モデル事業の成果ですけれども、今までどうしても予算を色んなところに広く薄く回していたので、その当時の計画が下の表の上の方にあるのですけれども、かなり長い時間をかけて、1年のうち5か月ずつくらいしか線が入っていないのですけれども、そういった施設解体、グローブボックスの解体計画が、今回資金を集中投資して、複数年でやれるということで計画を見直すとかなり短期間でできると。これによって、コスト削減もかなり大きくできています。こういった、モデル事業の成果を、まだ始めて1年しか経っていませんけれども、今後の施設の廃止措置にも展開していきたいと考えているところです。
 次、最後ですけれども、先日、5月に原子力規制委員会の方からバックエンド対策監視チーム会合というところで、我々の現状を報告しております。前回が令和3年8月ですので、約2年空いた状態ですので、ここに記載しているような全体の進捗状況を説明しております。
 我々として、この監視チーム会合で進めていきたいのは、4つ目の丸で、我々として今後廃棄体を作成していく上で、受入基準等、色々規制庁と調整していかなければいけない課題がありますので、そういった中身をこういった監視チームの中でも、しっかりと話していくようなことを考えているところです。
 一つ、核原料物質で汚染された廃棄物の埋設に関してもここで話題提起をして、今、具体的な検討等も規制庁と進めることができております。近々、これらについて多少細かなところを監視チーム会合で意見交換する予定でおります。以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、質問、葛西委員どうぞ。
【葛西委員】  御説明いただきありがとうございます。葛西でございます。
 教えていただきたいのですけれども、20ページにございます、モデル事業再処理特別研究棟とプルトニウム研究1棟、この2つをモデル事業に選んだ理由みたいなものを教えていただければと思います。
【目黒(JAEA)】  優先的に実施する4施設がある中で、この2つを指定したというところは、まずはこの2つを両方一緒のプロジェクトチームで対応する、これが1つの原科研という拠点にありますので、この2つを一緒にプロジェクトチームで見れるという、1つのモデルケースとして捉えているということ。
 それから、この中でプルトニウム研究1棟が1つの契約で廃止措置が終了できるような丁度小ぶりな施設であるということで、これもモデルとして選びやすいということですね。
 あとはすぐに取りかかれるような準備ができていたということもありまして、こういった点から総合的に判断して、この2つをモデル事業として選んでおります。
【葛西委員】  ありがとうございます。
 拝見して、今伺って、10数年かかるものが一気に16か月に短縮するというのは、金額的にもそうですし、それから、ここで得られた技術的な知見というのは、今後のものに使って加速化をさらにできるという風に考えてよろしいのでしょうか。
【目黒(JAEA)】  はい。我々としてはできると思っています。
【葛西委員】  ありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございます。
 そうしましたら、順番でいきます。次は井口委員、お願いします。
【井口主査代理】  元名古屋大学の井口です。私の方から2つ質問をさせてください。
 まず、前にも御説明いただいたかもしれませんけれど、5ページで、従前から今回の原子力機構における継続利用の施設と廃止措置の施設の仕分けについては御説明をいただいているのですけれども、お伺いしたいのは、廃止施設の中で要素技術等については、左側の継続施設の方にいわば集約化するという風にも理解するわけですけれども、廃止措置、廃止施設のところで持っていた技術ノウハウのようなものについて、これはどのような管理になっているのですか。つまり、技術ノウハウというと人が絡むので、単純に要素技術を移転するというだけじゃ済まないような気がするのですけれども、いわば廃止施設の従前から蓄積されている技術ノウハウの管理状況というか、その継承の仕方について教えていただきたいというのが1点目です。
 2点目が、今葛西委員からも質問がありましたけれども、22ページの今回のモデル事業の結果は非常に素晴らしいと思うのですけれど、このモデル事業の場合は、複数年契約で概ね10分の1にできたということですよね。尚且つ費用削減というのが20%ということなので、これはぜひ、水平展開していただきたいと思うのですけれども、よくよく考えると、ある特定の場所に人材とお金を集中投資したということで、これをこれから別の施設に順繰りに適用していくわけですので、全体の廃止措置の工程を考えた時に、工期の短縮後のその割合10分の1と予算のコストの削減2割だと、何か整合性が取れない。つまり、工期は早く済んでも予算が足りないので、次が続かないんじゃないかという、そんな風に思ったのですけれども、今回のモデル事業の成果を水平展開していく時に、全体の廃止措置に対する効果がどのようになるのかというのを教えてください。以上2点、よろしくお願いいたします。
【目黒(JAEA)】  どうもありがとうございました。原子力機構の目黒です。
 施設の集約化に係る現在の要素のノウハウ等の移転に関しては、すみません、バックエンドではないというところもあるのですけれども、当然、廃止措置対象施設から継続運用する施設に装置等も移転しますけれども、当然それを使っていた人も、組織の再配置等で当然継続して試験ができるように移動しているという風に思っております。
 あとはモデル事業の方ですけれども、確かに期間の短縮と費用の割合が単純には一致していないところもありますし、まだ始めたばかりで、ようやく昨年度の成果がまとめられたところもありまして、これは機構全体でこれからどれだけの効果になるかというのはこれから検証させていただいて、また別な機会で御説明させていただければとは思いますけれども。
【板倉副理事長(JAEA)】  すみません、副理事長の板倉ですけれど。
 技術伝承問題ですね、これは非常に悩ましい問題でありまして、これは施設とまた別の問題になります。技術伝承についても、まず例えば、人形の濃縮施設なんかも廃止措置に入っておりますけれど、この濃縮技術は日本原燃さんですね、青森の原燃さんの方に技術移転をして、原燃さんの方で継承していただくと、こういう民間に移転したというパターンもございますし、また青森の原子力船「むつ」ですね、これも御承知のように、原子力船の解体をもう20年くらい前ですかね、しておりまして、技術ドキュメントでございますとか、まだ「むつ」に関わった人材というのは若干残っておりますけれど、これは日本でまた原子力船の開発をやろうというプロジェクトが動き出さない限り、そう遠くないうちに技術は失われてしまうことになるのではないかということを私も危惧しているところでございます。
 また、我々が本当に長らく取り組んできた高速炉も、これも本当に技術伝承の問題がございまして、このままプロジェクトが動かないと、本当に今まで培ってきた技術も、これは原子力機構だけではなくて、民間の三菱重工さんですとか、東芝さんとか、色々民間の蓄積も絶えるのではないかという危機感もありまして。幸いなことに高速炉については、一応エネ庁さんが実証炉のプロジェクトをスタートさせるということもありまして、そういう新しいプロジェクトがスタートすると、技術は何とか繋げていけるのではないか、ギリギリのタイミングではないかなという風に考えてございまして、したがいまして、これは全ての技術を伝承するというのはちょっと誤りになりまして、伝承すべきもの、技術移転するもの、それから再立ち上げするというものを、我々見極めながら進めているというのが現状となっております。すみません、以上でございます。
【井口主査代理】  分かりました。ありがとうございます。
 前者の方については、GXの基本方針で高速炉等については、次世代革新炉の中に入っているので、1980年代のそういう技術報告書を見ていると、アイディア自体は今でも見劣りしないようなものがあって、そこに新しい技術を入れるとより安全が増すとかそういうものがあるので、ぜひ、今仰った、昔の技術でも使えそうなものについてはぜひ残していただいて、活用していただくような方向で検討いただきたいと思っております。私からは以上です。
【板倉副理事長(JAEA)】  ありがとうございます。
【井口主査代理】  ありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございました。
 では、続きまして大越委員、お願いします。
【大越委員】  大越です。よろしくお願いします。
 今回、他の委員からも出ていますように、モデル事業ということで非常に成果が得られていると思いますけれども、この点でお聞きしたいのですけれども、解体をしたからといってお終いではなくて、そこから出てくる放射性廃棄物を、その後の処理・処分に繋げていく必要があるということは言うまでもないことで、その処理・処分を考えた時に、やはり放射能のインベントリ、評価が重要になってくると思って、一旦解体したものを容器に入れて、また処理・処分時に取り出して放射能評価をするというのは二度手間ですので、やはり解体時に取れるデータを取っていくということが重要かと思うのですけれども、その辺り、放射能評価、今回のモデル事業でどのように行われているか教えていただければと思います。1点目がそうです。
 2点目が、非常に解体が加速されると、それに伴って短期間に廃棄物が発生してくると。ここにも書かれているように、廃棄物引き取りの確約ということが大前提ということですけれども、今後廃止措置を加速していくと、当然のことながら廃棄物が発生してきて、処分場への払い出しとの時間関係にもよるのですけれども、所蔵量に関してはどんな感じなのかなという辺りが気になりました。その点について教えていただければと思います。
 3点目は、技術的に細かい話ですけれども、今回レーザー除染技術ということで検討されていますけれども、私ども日本アイソトープ協会もレーザー除染が使えないかということで試験を行ったりしておりますけれども、やはりレーザーの性質上、エネルギーを集中させる必要があるということで、単位時間辺りの除染面積が少ないというようなことがあって、そこら辺をどう効率化するかという辺りが、除染技術を成立させる上で重要になるのかなということ。あとは、人間がつきっきりでやっているわけにはいかないので、やはりロボットあるいはティーチング技術といったようなことも重要になるかと思いますので、そこら辺に注力したような技術開発をしていっていただければと思います。以上になります。
【目黒(JAEA)】  ありがとうございました。目黒です。
 まず、解体の廃棄物に関してですけれども、当然二度手間にならないように、しっかりその場で分別であるとか、あとはちゃんと品質保証をしながらデータを集めていくようなマニュアルをちゃんと作っておりまして、それに基づいてそれを今回モデル事業で初めて適用するようなことにもなっていますけれども、そういった形でしっかりと解体廃棄物が処分できるような体制は取れております。
 それから、保管に関しては、確かに各拠点、かなり保管量が逼迫しつつある状況ではありますけれども、当然、運転から発生する廃棄物、それから解体から発生する廃棄物を予測しながら、現状まだこのプロジェクトを進める上では、満杯になる前、ならないで進められるということは確認しつつやっておりますし、そういった意味で、今日もお話しましたような3拠点でのバックエンドプロジェクトチームですね、そういったところは副所長がトップですので、全体的なバランスを見ながら、そういったところで課題を提供して、解体廃棄物等が確実に保管できるような形をとりながら進めていきたいと思っております。
 あとレーザー除染に関しては、御指摘本当にありがとうございました。そういった点も、我々もしっかり頭に入れながら、技術開発、どこをちゃんと進めていかなければいけないかというところは、現場とよく話をしまして進めていければと思っております。どうもありがとうございました。
【出光主査】  大越委員、よろしいでしょうか。
【大越委員】  はい。どうも御回答いただきありがとうございました。引き続き廃止措置の方、円滑・安全に進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  続きまして、飯本委員、お願いします。
【飯本委員】  飯本です。ありがとうございます。私からは1点です。
 大変幅広くて、簡単ではないチャレンジが、今後長く続くことがよく理解できました。それらを進める上では、若くて優秀な人材の確保と育成、それから確保育成した人材を維持することがとても重要になると思っていまして、18ページには人材育成のキーワードがありました。まさにその通りだと感じたのですが、バックエンド問題を扱っている機構さんのチームに、モチベーションの高い優秀で若い職員が集まって、各々の研究開発であるとか、それから廃止措置に関する現場業務的なプロセスもたくさんあると思うのですが、そういうことをやっている若い彼らが、機構の内外に見える形で活躍できて、また、その本人たちの元気が出るような仕組みとか仕掛けがあると、人材確保も、それからそれを維持する流れも、きっと強化されていくんだろうと想像しています。質問は、機構さんの中で何らかの関連の工夫があるかということと、あるいは何らかの困難、懸念はありますでしょうか、というのがお聞きしたいことになります。よろしくお願いします。
【目黒(JAEA)】  御指摘どうもありがとうございました。
 やはり、人材育成はなかなか難しくて、今も廃止措置に関しても、優先施設を決めてやってはいますけれども、当然優先施設から漏れているところはなかなか廃止措置が進まない。でも、そこにも人がいるわけです。人はやはり、なかなかまだ組織横断的な異動は難しいところはありますけれども、そういったところを意識しながら、やはり今後、自分のところで廃止措置を将来やらなきゃいけないところの人を、今、廃止措置を進めているモデル事業のところにもちゃんと顔を出して参加してもらって、知見を増やしながら、モチベーションも維持していくと。
 あとは、そういった、まだ案の段階ではありますけれども、今のモデル事業をやっていくプロジェクトチームのメンバーを増やしながら、その人たちが色んなところの廃止措置を進めていくような形をとるとか、色んなことを考えながら進めております。
 あとは、やはりそういった人が外へ見えるような形もすごく重要だと思っていて、そういった意味で、技術開発をやりながらそれをプレゼンするであるとか、これからようやく再開していく海外との情報交換会議のところでプレゼンしてもらうとか、そういったところにできるだけ若い人にも参加してもらって、モチベーションアップも図っていきたいという風に考えております。以上です。
【飯本委員】  ありがとうございます。
 本当に彼らが輝く仕組みが大事だなと思っています。人材育成のテーマは、バックエンド問題だけではなくて、原子力科学技術全体に関わることかもしれませんが、こと廃棄物というキーワードは、若干前向きに見えないイメージがあることは事実なので、更なる工夫とか関係者の努力が要るんだなと。
 先程、文科省さんの御説明に、原子力科学技術委員会に人材育成を扱っている部会があるといただいたと思います。この辺りの部分、相互に連携協力して議論できれば、重点的に対応できるのではないかなと思ったところです。ありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございました。続きまして、佐々木委員お願いします。
【佐々木委員】  京大の佐々木です。
 スライドの8枚目で、1点教えていただきたいのですが、対策の方針で、どれも重要な4つの観点で対策を進めるということは凡そ理解できたのですけれども、この真ん中にある、全体最適化というワードが何を意味するのかがよく分かりませんでした。
 バックエンドの統括本部ですか、本部がこの4つの観点で、あるいは、それ以外の検討課題への対応も含めてマネージするという役割を担うということだとは思ったのですけれども、もう少し具体的に分かるような補足の説明があればいただきたいのですがいかがでしょうか。
【目黒(JAEA)】  目黒です。御指摘ありがとうございました。
 1つは、なかなか各現場で4つを最適化するということは難しいところがありまして、当然バックエンド統括本部が全体調整をしながら最適化を図っていくということにはなりますけれども、当然、個々の廃止措置であるとか、廃棄物処理だけを単独で進めると、やはりどこかに人とか資金のひずみが、集中が生じてしまって、最終的に全体で見ると割高になってしまうようなことはよくある話で、例えば、先程大越委員からもあったように、廃止措置を進める上での解体廃棄物をただ単に出して処理施設に持っていってしまうと、二度手間、三度手間になってしまうことがあって、それを廃棄物処理でどんな情報が必要であるかというところが、ちゃんと廃止措置の方に伝わることが重要であって、そういったマニュアルも我々で準備して、現場でそれを実践してもらって、解体で出てきたものをちゃんと分別、データを持って、廃棄物処理に持っていくであるとか、いざ、廃止措置を進めたい、お金はありました、でも施設に核燃料物質が残っていて、それをどこかに持っていくことができませんと言ったら、やっぱり廃止措置が進まないとか、そういったところ。
 あとは、技術開発に関しても、あまりすごい大きなボトルネックというのはないのですけれども、廃止措置を進める上で、やはり先程も紹介させていただいたような高線量のところをいかに遠隔で解体するかということで、廃止措置の計画の見直しができて、低コスト化であるとか、時間の削減ができるとか、それに必要な人材育成をバランスよくやっていかないと、やはりそれが回らないというところがあって、そういうのを今試行錯誤しながらやっているところはありますけれども、そういった全体調整を我々で見ながらやっていくことで、最終的に安全に且つ短時間で、低コストでバックエンド対策を進めることができるだろうと考えております。そういったところになります。
【佐々木委員】  ありがとうございます。
 各論としてはよく分かりますし、今仰ったような、資源とそれから人的なところを選択と集中という考えも良いと思うのですけれども、今申し上げたいのは、もう少し大きな広いところで、機構内でのバランス取りという役割は、例えば、分析法とか処理方法の開発がどんどん順調に進んでいく中で、一方で、その廃棄体の基準の策定が進まないと、せっかくの先端技術的な成果というのが、廃止措置の作業に十分活かせるかどうかが分からなくなってしまうんじゃないかと。長期的にそういう懸念がないかなということを感じたところです。個々にはそれは理解しているのですが、その辺りのバランスというのは、もうちょっと広い意味でアピールがあれば良いのかなという風に思ったところです。これはコメントとして発言します。以上です。
【目黒(JAEA)】  目黒です。どうもありがとうございました。
 ここには、少し書ききれなかったところもありますけれども、当然、処分の方とも強く連携を取りながら、廃棄物処理のところは見ておりますので、廃棄体基準等も、なかなか立地が決まっていないところがあって難しいところはあるのですけれども、当然、ある程度許容できる範囲での条件というものも定まってくるところもありますので、そういったところも見ながら、処理に関しては、将来の廃棄体作製の施設の整備に向けた準備であるとか、そういったところも含めて、全体的にもうちょっと広い視点で見ながら進めていければと思います。どうもありがとうございました。
【佐々木委員】  ありがとうございます。
【出光主査】  ありがとうございました。続きまして、中熊委員お願いします。
【中熊委員】  電事連の中熊でございます。御説明ありがとうございました。
 技術開発のところで1点お願いですけれども、非常に有用そうなテーマを選定されて取り組んでおられるなという風に、個々のものを見て感じました。御存知の通り、商用炉の廃止措置は、来年の4月からNuROの方で経済的責任を担っていただき、同時に合理的、合理化に向けた施策ですとか、あるいはR&Dについても彼らが任を負うことになるわけですけれども、ぜひ連携をお願いしたいなという風に思います。
 今のところ、ニーズやシーズの調査というのは、JAEAさんの中で調査をされて、それでテーマを選定されているように伺いましたけれども、ぜひ我々事業者側のニーズというところの調査も入れて、パラメーターとしていただきたいという風に思います。
 そういう観点から申し上げますと、実は来週から、電事連の中にこのNuROの廃止措置の準備室というものが立ち上がる予定になってございまして、いきなり全員ではないのですけれど、技術屋も含めて何名かで組成して、今後の、当面はルールメイクですとか、あるいは実施中期計画案の策定ですとか、非常に実務的なところで忙殺されると思いますけれども、助走を始めるということになっています。
 したがって、すぐには無理だと思いますけれども、適切なタイミングで、前広にコミュニケーションいただければという風に思いますし、私からも準備室の方にはそういう旨伝えたいと思っていますので、ぜひともよろしくお願いいたします。以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。続きまして、織委員お願いします。
【織委員】  ありがとうございます。
 今の大変バックエンド対策について、色々技術を伝承したりという取組、大変心強く思わせていただきました。それでモデル事業についてですけれども、最初の質問・コメントにもありましたように、非常に資金を集中することによって、あるいは複数年度計画、長期計画をすることによって、大幅な年数ですとか、予算の削減ができるというのは、素晴らしい成果だと思うのですけれど、一方で、この単年度計画、3年くらいの計画から長期計画にすることによるリスクというものは、御検討なさったのでしょうか、ということと、もしこれを水平展開していくと、確かに予算を集中して、単年度ではなくて長期計画にしていくということのメリットが今回出てきたとしても、それは他の水平展開をしていく上で障害となるような法律ですとか、制度みたいな問題があるのですか、というその質問。
 それから3点目は、コミュニケーションについて、中の関係者ですとか内部コミュニケーションについては非常に考慮されているのですけれど、今回のモデル事業を含めて、地域とのコミュニケーションというのはこのバックエンド対策の方針の中にどういう風に組み込まれているのでしょうか。以上、お伺いしたいと思います。
【目黒(JAEA)】  目黒です。どうもありがとうございました。
 リスクに関しては、やはり当然考えております。1つは、やはり予算的な問題ですね。やはり複数年契約にして、2年目、3年目に予算がつかなかったというのは、大変大きな問題になりますので、そういう意味でまだ優先施設もあまり拡大できていないというところがあって。予算がもうちょっとしっかりと長期にわたって、もうちょっと大きな額が安定してできるのであれば、もう少し広げたいと思っていますけれども、今はある程度目処がつく範囲の中で設定しているというところ。
 あともう1つは、やはり、先程もお話しましたけれど、優先した施設に資金投入して進めるのはいいのですけれど、じゃあ優先されなかった施設は基本的には維持管理を継続するということになるんですね。そうすると、そこで廃止措置に携わってきた人が、なかなか今廃止措置ができないという状況になるので、そういった人のところもリスクになるかなと思っています。そこはちょっと課題とも被るところになるので、そこを対策するためには、今プロジェクトチームを作ってそれで人を回すであるとか、組織横断的にそこに人を入れていくとかいうところも、当然そのリスク回避するための対策というのも併せて進めながらやっているところです。
 それから、地域とのコミュニケーションはすごく重要だと思っていて、やはりこういった廃止措置は、我々職員だけではできないところがあって、周りのメーカーさんにやっていただかなければいけない、所謂サプライチェーンをしっかりとキープしていく必要があります。そのためには、やはり企業も人を準備するのに、廃止措置がちゃんと続くという、業務が続くということが重要ですので、そういったところをこれから、まだできていないのですけれども、発信していく必要があると思っていまして、そういった準備も今進めているところになります。以上です。
【織委員】  ありがとうございました。大変よく分かりました。
 地域とのコミュニケーションも重要だという認識を持っていただいて、これから発信していこうということで、また情報共有していただければなと思います。ありがとうございます。
【目黒(JAEA)】  すみません、目黒ですけれど、先程の中熊委員からのコメントに関してですけれども、我々NuROとはしっかりと協力していかなければいけないということは認識していますし、我々の技術が社会実装できるというのも、我々の使命だと思っていますので、今後ともしっかり協力させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。続きまして、児玉委員お願いします。
【児玉委員】  ありがとうございます。
 資料ページ11以降に関して、技術開発に関連して、効率的な廃止措置の推進ですとかに向けて、技術開発が重要であるところの内部で開発するものと、あと外部から導入するものというのをどういう風に識別されて、特に外部から導入されている技術というものがどういう風に識別されているのかといったところで、これら廃止措置には時間がかかるところですね。この辺り、外部で技術を持っていらっしゃる会社さんなりと、中長期的なアライアンスというものをどういう風に考えられておられるのか、ということですね。
 最終的に、もし技術開発を内部でできているということであれば、それらの技術供与とか知財保護について、どういう風に取り組まれているのか、その辺りについて教えていただけますでしょうか。
【目黒(JAEA)】  目黒です。どうもありがとうございました。
 今回はできるだけ短期に手をつけたいというところがあって、このマッチングに関して、技術選定に関しては機構内にシーズがあるものを中心にマッチングをまずしております。当然、今回採用しきれなかったけれども、ニーズがあるものは、まだいっぱいありまして、そのニーズに対して機構内にシーズがないものというものもあります。そういったものに関しても、この検討が今止まっているわけではなくて、引き続き外部の技術導入も含めて、どういった形で進められるかというのは検討しているところでありまして、外部のシーズをどうやったら提案してもらえるかというやり方も含めて、ちょっと我々はまだあまりノウハウがないところもありますので、そういったところを考えながら、次にどんな技術開発をやるかというところは、しっかりと考えていきたいと思っているところです。
 それで、あと、当然機構が持っているシーズをどうしていくかということですけれども、今やっている中でも、今特許申請を考えているものもありますし、そういったために、我々はイノベーションハブという技術開発に関して色々検討していく部署がありますので、バックエンドだけではなくて、機構全体に、そういったところとも連携を取りながら、こういった技術を、機構が持っている技術を、どう社会に提示していくかということは、しっかりと考えて進めていきたいと思っております。以上です。
【児玉委員】  ありがとうございます。
【出光主査】  ありがとうございました。織委員、児玉委員、手が挙がったままですが、よろしいですか。あと、赤井委員、さっき手が挙がっておりましたが、下げられたようですがよろしいですか。
【赤井委員】  はい、今児玉委員が聞いていただきましたので、大丈夫です。ありがとうございます。
【出光主査】  分かりました。ありがとうございました。たくさんの御意見ありがとうございました。JAEAの方で、ロードマップに則って着実に進めていただければと思います。
 それでは、ちょっと時間が押しておりますが、同じ議題の中で、続きまして、1F絡みのものがございますので、事務局の方から説明をお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  原子力機構のバックエンドではなく、福島第1原子力発電所の廃炉に向けた取組について、文部科学省の取組状況を少し簡単に御紹介したいと思います。
 震災以降、福島の中に原子力機構がいくつか拠点を設けていただいております。赤枠で囲っております廃炉環境国際共同研究センター、CLADSと呼んでいますが、こちら文科省の所管になっておりまして、福島の環境回復に係る研究開発を行っているオフサイトの研究の2つの拠点、それから、研究開発や人材育成に取り組んでいる拠点、オンサイトの研究で1つ、CLADSの拠点を設けております。
 これ以外に、右下にありますけれども、大熊分析・研究センター、楢葉遠隔技術開発センターというところが経産省所管にはなりますが、こういった拠点の中で様々な活動をしているところです。
 次のページに、廃炉措置等研究開発加速プランという形で、文部科学省の取組をまとめた全体の資料になります。(1)は先程御説明しました、CLADSの拠点の運営になります。(2)として、廃炉研究の強化と、中長期的な人材育成について取組を進めております。この中で、右下にある部分、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業ということにつきまして、次のページで御紹介したいと思います。
 こちらは、1F廃炉の現場のニーズを踏まえまして、CLADSを中核に国内外の英知を結集して、知見や経験を融合・連携させることで、産学連携した基礎・基盤的研究から人材育成の取組を推進するというものでございます。
 この推進にあたりましては、左にありますような廃炉現場のニーズを俯瞰・可視化した基礎・基盤研究の全体マップというものを作りながら進めているところです。具体的なプログラムは右にございますが、国内で行っております課題解決型廃炉研究プログラムと、国際共同研究を行っているプログラム、それから人材育成のプログラムというものがございます。
 この中で、国際協力型廃炉研究プログラムにつきましては、昨年来から少し検討しておりまして、米国エネルギー省と連携した日米共同研究を再開できないかという検討を現在しているところでございます。まだ検討中の段階ではございますけれども、高放射線影響下における放射線シミュレーションや計測・分析技術の開発といったようなテーマができるのではないかというところで検討しております。詳細につきましては、秋頃にはもう少し提供できるのではないかということで進めておりますが、今回この場で御紹介、検討状況の御紹介ということでさせていただきます。以上になります。
【出光主査】  御説明ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対しまして、御質問・コメント等ございますでしょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。はい、ありがとうございます。そうしましたら、ちょっと時間が押しておりますが、次の議題に移りたいと思います。
 続きまして、「研究施設等廃棄物埋設事業について」ということで、まずは事務局から全体の概要の説明をお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  引き続きで恐縮ですが、研究施設等廃棄物の事業について、全体の概要について御紹介いたします。
 次のページに、法令で区分されたものでございますが、今回の議題は低レベル放射性廃棄物の中で、研究施設等から出てくる廃棄物のところについて扱っておりまして、平成20年の法改正で原子力機構が実施主体となっているものでございます。
 次のページに現状、国内がどうなっているかというところでございます。約2400の事業所が存在しておりまして、様々、研究開発活動であったり、がん等の検査や治療など、そういったものでも放射線等々使われているところでございまして、大体、研究所で500事業者、大学で400事業所、医療機関で1400事業所、民間企業が200事業所あるというところです。埋設場所が決まっていないこともありまして、各事業所において右下のような形で保管している、廃棄物を保管している状況です。
 これらにつきまして、事業全体としましては、令和30年度までに見込まれる廃棄物として、200Lドラム缶換算で約75万本、これをどこかに土地を確保して埋設していこうという事業でございまして、総費用として約2200億円と試算されております。この費用につきましては、法律に基づきまして現在、積み立てを進めているという状況でございます。
 これまでの経緯の簡単な振り返りでございますが、2008年法改正後、国の方で基本方針を定めまして、事業者の方で実施計画を作成し、埋設施設の概念設計や立地基準、立地手順の公表等を進めてきておりまして、現在、技術的検討や受入基準の検討を継続しているという状況でございます。
 現状と課題についてですけれども、現状まだ立地には至っていないというところでございますので、全国のできるだけ多くの地域で関心を持っていただくことが重要ではないかと。その中で、課題として3つ挙げております。理解増進活動を強化していく必要性、また選定プロセスの透明性・公平性の更なる向上、また自治体の決断に対する地元のそういった負担等々があるというところでございます。
 これにつきまして、更なる取組の方向性ということで、前回のバックエンド作業部会で提示させていただいているものでございます。国・JAEA等関係機関が連携協力した理解活動を強化していこうということ。それから、実施主体の機能や活動を充実させていこうということ。そして、実施計画に記載されておりますけれども、協力要請方式と併せて募集方式といった方式も含めて、やり方についてもう少し検討できないかといったところを委員の御指摘も踏まえながら、こういった形でまとめております。
 最後7ページ目になりますが、今後の主な検討事項ということで、今回まとめさせていただいております。埋設処分に向けましては、集荷・処理・処分、この全ての工程におきまして、具体的な課題をより詳細に検討する必要があるだろうということで、保有者を含めた関係者が連携協力して対応していくことが必要ではないかということで、5つ挙げております。
 少しざっくりとまとめているところでありますけれども、まず対象物をより詳細に最新の状況を把握していくことが必要ではないかということ。
 2つ目に、集荷方法の具体化。集荷保管する場所の検討であったり、具体的な計画の検討がまだまだ必要だということです。
 3つ目として、処理方法の検討ということで、処理処分の具体的なフローを考えて、その中での課題がどういったものがあるのかといった整理であったり、また中長期的な課題の整理、技術的な技術開発等の必要がないのかといった、そういった確認、推進等が必要ではないかということ。
 それから、処分のところにつきましては、立地に向けた取組と併せて、地域共生の在り方であったり、また先程御紹介ありましたけれども、受入基準の策定や公表ということが、大変、今重要なポイントかと思っております。
 最後に、規制など制度上の課題についても、見解を明らかにしなければならない点などがあるということですので、そういったところも、規制当局に確認するなど、そういった作業も進める必要があるかと考えております。以上になります。
【出光主査】  ありがとうございます。
 この議題につきましては、報告といいますか、説明をまず全部行ってから質疑をしたいと思います。続きまして、JAEAの埋設事業につきまして、坂本センター長の方から説明をお願いいたします。
【坂本センター長(JAEA)】  それでは、続きまして、お手元の資料4-2により、研究施設等廃棄物埋設の状況につきまして、原子力機構の坂本から報告させていただきます。
 ただいまの埋設事業全体概要につきましては、文科省殿から御説明いただきましたので、ここでは、機構での現状の取組について御報告いたします。次、お願いいたします。
 では、まず目次でですね。まず全体といたしまして、まず立地に向けた取組状況、技術検討状況と今後の取組ということで報告させていただきます。次、お願いいたします。
 では、まず1.1といたしまして、立地推進活動等の概要でございます。立地方策につきましては、前回の作業部会におきまして、募集方式も含めた検討を行うとしておりまして、引き続き、まだ検討を進めているというところでございます。
 また、広報活動の更なる強化を図ることにより、廃棄物発生者の方などの御理解と御協力を得ながら、一般の方々への分かりやすい情報発信を進めるということで、こういった方針のもと、前回御報告させていただきましたパンフレットの更新と配布を進めております。現状、パンフレットにつきましては、1800枚の配布となっているところでございます。また、新たに埋設事業を紹介する動画を作成いたしまして、今年の3月に機構のWebサイトで公開したところでございます。こういった活動や埋設事業への取組状況は、ツイッターで発信するとともに、学会などで事業紹介を行っているというところでございます。
 また今後の地元説明におきまして、職員のコミュニケーションスキルの向上も必要となります。このため、機構内外の廃棄物の発生状況、そういったところへ職員が訪問して、どのようなものかということの知識を得るということを進めるとともに、科学コミュニケーション分野の専門家の方との意見交換、また機構内で色々な講演とか研修もございますので、そういったところへ参加という取組を進めているところでございます。
 また最後に書いておりますが、埋設事業計画の検討を継続中ということで、研究施設等廃棄物の種類と量の見込みを最新のものにするための物量調査を実施いたしております。これは後程、資料4-6でまた説明させていただきます。次、お願いいたします。
 このページでは、情報発信の取組といたしまして、前回の作業部会以降の実績を示しております。原子力関係の方々に対しまして、右下ちょっと写真に示しておりますが、原子力学会での埋設施設の模型やパネル展示、講演会等での積極的な事業の説明を行っておるところでございます。また医療関係者の方々におきましては、関係学会での事業の紹介等を進めているところでございます。また一般の方々におきましては、機構の広報誌への掲載や事業紹介の動画などの配信を行っているところでございます。次のページをお願いいたします。
 この5ページは、先程紹介させていただきました、機構の広報誌や動画の事例について説明したものでございます。機構では、「未来へげんき」という広報誌を毎月発行しておりますが、今年の3月号におきまして、埋設事業について取り上げているところでございます。ここでは、若手職員の活躍の様子を伝えるということと、事業の必要性や埋設処分の安全確保、どういった考え方で行っているかということを、なるべく分かりやすく紹介したものでございます。これ自体は、8,500部の配布ということで、その中身はWebサイトでも公開しているものでございます。
 また埋設事業の紹介の動画も作成いたしております。これはパンフレットと同様な中身につきまして、アニメーションを用いた説明とか、実際仕事に従事しております職員のインタビューを入れた内容としております。これも機構のWebサイトにございます、「JAEAチャンネル」で掲載しているものでございます。概ね6分30秒と少し長いのですけれども、お時間がある時に御視聴いただければ幸いでございます。次、お願いいたします。
 次は、技術検討状況でございます。7ページでございます。先程お話がありました、廃棄体受入基準の整備状況でございます。前回の作業部会で、ある程度個別の検討状況につきまして御説明させていただきましたが、今回、整備状況の概要をまとめたものでございます。
 表のうち、左側の青色の背景の表が、廃棄体受入基準、現在の整備状況でございます。概ね色々と検討を進めているところでございまして、現状では角型容器に係る廃棄体の仕様について検討中でございます。
 また、埋設施設の安全性に影響を与える物質への影響についても検討しているところでございまして、例えば、可燃物と書いてございますが、どうしても分別で取り切れない可燃物とか、養生したビニールとか、こういったものがどうしても入ってまいりますので、そういったものの分解速度とか、いずれメタンガスとして発生いたします、その発生量等の測定に着手したところでございます。また受入基準は、埋設施設に安全に廃棄物を埋設するための基準となりますが、この基準を満たすための廃棄体製作方法も確立する必要がございます。したがいまして、原子力機構におきましては、バックエンド統括本部の中で埋設センターとか廃棄体化を実際推進する部署もございますので、そこと一体になりまして、標準的な廃棄体の製作方法についても検討を進めているところでございます。
 この右の方の、緑の背景にあります表が、埋設センターでの検討概要を示したものでございまして、例えば、分別とか充填方法、こういったところで充填固化体とか、こういったところはある程度進んでいるところでございますが、なかなか処理方法が確立していないようなイオン交換樹脂とか、こういったものに関しまして現在検討を進めているところでございます。
 また放射能評価手法に関しまして、原子炉施設はある程度確立してきておりますが、研廃ということは色々な施設を対象にいたしますので、それらの施設から発生する廃棄物に関しても、評価手法について検討を進めているところでございます。では、次のページをお願いいたします。
 このページは、廃棄物の発生者と廃棄物処理事業者と当方の埋設事業者が、それぞれ何を行って、それぞれがどの役割を果たしていくのかというのを一連の流れにしたものでございます。
 左側の青い枠で囲っているのは、埋設事業者、当方のところでございますが、埋設事業といたしましては、埋設施設の全体の概念設計に続きまして、具体的な埋設の設置場所が決定いたしますと、施設の基本設計とか、事業許可申請を行うことになってまいります。この基本設計、事業許可申請では、廃棄体の種類とか物量、性状や重要核種毎の放射能、最大放射能濃度といったものが必要となってまいります。
 そのため、右の方の赤い枠で、破線の枠で書いてありますのが、処理事業者、発生者のところの内容でございますが、こういった方々から、実際埋めるものに関しまして、廃棄体の種類、同じように物量、重量とか、核種毎の放射能とか、その性状とか、こういったそれぞれのデータにつきまして御提供いただくこと。特にきっちり根拠を持って御提供いただくということが重要になってまいります。したがいまして、この両者の赤い枠と青い枠が、丁度両方被るようなところで、情報交換の実施と書いたところがございますが、こういったところで、先程示しましたような廃棄体の受入基準とか、標準的な廃棄体製作ということに関しまして、十分な情報交換をしながら、お互いに情報を確認しながら、最終的には埋設処分に向かっていくということが重要と考えているところでございます。
 次の9ページでございます。これは、基本的に言っている内容は、先程の8ページと同じでございますが、こういった項目を具体的な時間軸に落とし込みまして整理したものでございます。
 左の方から、埋設事業センターと書いてあるところでございまして、実際に場所が決まってまいりますと、基本設計・安全評価と進んでまいります。これに対しまして、ちょっと下の方の発生者、廃棄物処理事業者とあるところに、先程ございましたように、廃棄体物量とか仕様とか放射能インベントリの評価とか、こういった情報をお互いに発生者や埋設センターで確認し合いながら、基本設計・安全評価に生かしてもらって、具体的に事業申請を申請書に落とし込みまして、規制庁さんでの規制の手続きに入ると、こういった流れになってまいります。
 したがいまして、埋設の実際の場、施設の立地の確定後は、こういった処理発生者の方々と密接な情報提供が必要になってくると、情報共有が必要となっていくというところでございます。次のページをお願いいたします。
 今後の取組でございます。まず、立地に関しましては、立地方策・立地基準の評価方法の検討を進めているところでございます。なるべく早期の実現を図ってまいりたいといったところでございます。立地活動の一環といたしまして、昨年度以上に積極的な広報活動の推進、専門家による研修などを通じました職員のコミュニケーションスキルの向上ということも図っているところでございます。
 また技術検討につきましては、引き続き、原子力規制委員会での埋設事業に関する審査会合等の最新の議論を踏まえまして、埋設施設の基本設計に反映すべく、埋設施設の設計見直しを進めているところでございます。こういった活動を通じまして、立地後速やかに埋設の事業申請に向けた対応を行えるよう準備を進めているところでございます。次、お願いいたします。
 先程ございました廃棄体の受入基準に関しましては、整備を引き続き検討しているところでございまして、廃棄体化処理から処分まで円滑に進められるよう、発生者の方と廃棄物処理を担う方と情報交換を進めて、情報共有を進めているというところでございます。具体的な記載事項は細かくなりますので読み上げませんけれど、下の括弧に書いているようなことが非常に重要だと考えているところでございます。
 あと2つ目の矢羽根がございますが、概ね安全規制制度は整備されてきたところでございますが、一部の、例えば、核原料物質使用施設から出てきますような廃棄物に関しましては、まだ規制制度が未整備でございますので、こういったことに関しましては、規制庁さんへ要望を行っておりまして、実際面談等も進めているところでございます。それに際しましては、当方からも、どういった廃棄物があるかと、性状に関して情報提供を進めているというところでございます。
 3つ目の矢羽根でございますが、医療法等の廃棄物の埋設処分の規制制度もまだ未整備でございますので、丁度昨年度にまとめられました原子力委員会の報告書におきましても、規制の方で規定整備を進めるということをされておりまして、こういった制度整備への協力を進めていきたいと考えているところでございます。説明は以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございます。
 質疑は、後でまとめてにさせていただきますので、続きまして、企業の廃棄物についての説明をお願いいたします。吉田委員からお願いします。
【吉田委員】  聞こえておりますでしょうか。日立の吉田です。
 資料4-3に従いまして、主な民間企業の研究施設等におけます放射性廃棄物の保管状況及び処理・処分に関します課題と要望という形で数枚にまとめさせていただきました。
 まず状況の方ですが、まず4社の放射性廃棄物の保管状況等について、簡単に御紹介させていただきます。
 まず、いずれも今年の3月31日時点での保管数量ですとか、保管状況となってございます。まず、1社目、A社としてございますが、保管廃棄、保管対象廃棄物としましては2種類ございます。左側が施設解体で発生しました雑固体廃棄物、所謂、解体廃棄物。それから右側、試験等で発生した固体、液体廃棄物ということで、これまでの施設での研究等で発生したものという理解でお願いいたします。それぞれ保管数量でございますが、所謂、施設解体で発生した雑固体廃棄物につきましては、200Lドラム缶の換算で約1,100本ございます。尚、こちらの施設解体が今後進捗していくに伴いまして増加するというような計画がございます。保管状況ですが、ドラム缶は平積み角型容器、2段積み等で然るべき保管庫に保管中というような状況でございます。A社の試験等で発生した固体廃棄物は1,850本、同様に200Lドラム缶の換算数ですが、この本数でございまして、こちらにつきましては、ドラム缶をパレットで3段積みしてございまして、ロープ等で固縛して安定化しているというような状況でございます。
 2つ目、B社でございます。こちらにつきましては、主にウランを用いた原子力関係の研究開発及び試験研究施設の解体撤去というところまで右左同じでございまして、実は2つ事業所がございまして、それぞれ廃棄物を保管されているという状況です。左側につきましては、今までの解体撤去及び、所内全域調査に基づいて回収された放射性廃棄物も併せて保管されておりまして、保管数量でございますけれども、おそらくクリアランス対象物、数量は不確定でございますけれども、それらも含めた本数といたしましては、200Lドラム缶の換算で約3万1,000本ございます。こちらにつきましては、地下保管庫内で角型容器にて保管しているという形でございます。一方、もう1つの事業所につきましては、所謂、所内全域調査というものがなくて、所謂施設の解体まででございますけれども、こちらにつきましては同様に200Lドラム缶換算で、4,200本の保管数量がございます。こちらにつきましては、今後解体の進捗に伴って増加するという計画があります。保管状況でございますが、同様に角型容器と200Lドラム缶を併用いたしまして、ドラム缶につきましては専用パレットで4段積みでロープ固縛となってございます。次のページをお願いします。
 C社でございます。こちらにつきましては、ウランを用いた研究開発、燃料加工、設備撤去・管理区域解除工事等で発生したウラン廃棄物が保管対象物となっておりまして、200Lドラム缶換算で約1万本ございます。こちらにつきましても、解体工事が進んでございますので、今後進捗に伴って増加する計画とのことです。保管状況につきましては、先行と同様、ドラム缶をパレット積み4段で、ドラム缶とパレットをロープ等で固縛して安定化しているというような状況になっております。
 最後、D社ですけれども、こちらは3種類ございます、こちら左側2つが1つの事業所、右側が別の事業所という風に伺ってございますが、まず左側、主にホットセル内で発生した廃棄物が約30本ございまして、こちらにつきましては、遮蔽容器、それから20Lのステンレス缶の方に保管されてございます。それぞれ記載の通りの保管状況となってございます。また、ホットセル以外で発生した廃棄物といいますものが約2,700本ございまして、こちらにつきましては、パレット4段積みという形になってございます。あともう1つ別の事業所でございますが、こちらの方は研究施設解体時の廃棄物ということで、9,200本ございます。こちらにつきましては、施設の解体等に伴って今後増加するという計画がございます。保管状況につきましては、記載の通り角型容器です。
 以上の各社から、色々課題と要望というものを集めまして、整理した結果がこちらの1枚になってございます。まず課題でございますけれども、廃棄物が大量に発生します廃止措置の完了には、廃棄物の全量搬出が必要となってございます。一方、搬出先がまだ決まっておりませんので、今後廃止措置を円滑に進めていくことが難しい状況になっているという問題がございます。
 また廃止措置が完了するまでの間、計量管理上、保管廃棄されている廃棄物、あるいは有害物なども含めまして、対象となる施設を安全に維持管理していくという必要がございまして、そのための人材確保、それから費用負担、こういったものが今後も未来継続していくということで、民間企業として、かなり大きな負担となっているというような問題がございます。
 これらの課題に対して要望でございます。下に一応1から4まで廃棄物発生からそれぞれの段階ごとに整理してみました。
 まず1番目、廃棄物の発生から個別保管時におきましては、1番目ですが、今後発生する廃棄物も含めまして、全ての廃棄物に関する、所謂処分までの道筋を明らかにしていただければという風に考えております。2番目でございます。既存の保管庫容量ですが、逼迫してきておりますので、保管庫の増設計画を策定する上でも、廃棄物の払出しが可能となる処分スケジュールの早期の透明化というのをお願いしていただきたいと思っております。
 2番目、保管から、集荷、集中保管・処理という形の段階におきましては、民間研究施設等から発生します廃棄物を対象としました、埋設事業の開始時期が相当期間遅れてしまうような場合、例えば、それらを一括して保管管理するような体制への構築が望ましいという風に考えております。また鉛などの有害物も含む廃棄物、あるいは処分に向けて安定化処理が必要な廃棄物といいますものも存在しておりますので、これらの廃棄物も将来的に確実に処理・処分できるような方策を構築していただければという風に考えてございます。
 3番目、埋設時に関しての要望が2点ございます。まず1点目、ウラン等、計量管理上の扱いを取り決める検討の推進をお願いいたしますという内容。それから2つ目が、可燃・不燃の分別が困難な廃棄物がある程度多く存在してございますので、業者を包含した埋設基準の整備というものを期待するといった状況です。
 あと4番目、先程もございましたが、クリアランス制度につきまして、1点要望がございます。現状、クリアランス払出し後にも追跡が必要となるため、所謂クリアランスの対応が合理性を欠いた状況となっているという状況ですので、所謂クリアランス認可を受けた後、フリーリリースができるような制度の検討を期待させていただきますといったこと。以上が、民間企業の課題要望をまとめたこととなってございます。以上となります。ありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございます。
 続きまして、大学の現状等につきまして、事務局の方からお願いします。
【阿部室長(事務局)】  原子力関係の大学の状況、また今後の課題等を把握するために、文部科学省で関係者にアンケートや意見交換等を実施させていただきました。それを簡単に主な御意見等をまとめさせていただいたものがこちらになります。
 大学におきましては、施設設備の老朽化、管理者・専門人材の高齢化または退職、厳しい予算状況であったり、規制強化への対応など、そういった状況から、管理・対応が大きな課題となっているということかと思います。
 核燃料物質、放射性廃棄物等について、今後の処理・処分の見通しがなかなか不透明だということで、施設等の廃止が進められない状況だと。またそのために、施設のリプレースもなかなか難しいということを伺っております。
 維持管理については、人材や予算の確保が大きな課題であり、また負担となっているということであり、また世代交代の時期と相まって、今後の不安が大きくなってきていると聞いております。
 また各大学におきましては、大学内にある核燃料物質について、可能な限りまとめていこうと、そういった管理の動きが見られるところであります。
 一方で、利用予定のない核燃料物質について、廃棄物として処分できるのかどうか不明であり、法令上の扱いを含めた考え方の整理が必要ではないかという御指摘があります。
 また過去の研究活動に伴い発生した難処理廃棄物等を保有されているというところで、今後長期的に安定的に保管するための処理方法や、最終的な処理・処分の方法の検討が必要だというところです。
また法令上の管理下にない、所謂湧き出しと呼ばれているものについて、学外から依頼されることがあるということですけれど、もはや大学に受け入れる余力はないということ。また大学のガバナンスの観点からも、責任関係の明確化であったり、予算措置を含めた規制当局における制度設計が必要だという御指摘をいただいております。
 最後に、今後の廃止措置にあたっては、クリアランスをどう活用していけるかということ。また先行事例のノウハウの伝授であったり、JAEA等の技術協力というものが必要だということについて、多くの声をいただいているところでございます。
 次のページは、その他諸々の御意見を議論のためにまとめさせていただいたものでございますが、ここでは御紹介は分量も多いですので割愛させていただきます。以上です。
【出光主査】  ありがとうございます。
 続きまして、私の方から、九州大学が廃止措置を行いましたので、その概要を説明させていただきます。内容的には、既に原子力学会等で発表したものでございます。
 こちらのスライドですが、廃止措置を行いました箱崎キャンパスです。現在、ここは全部更地になっております。RI、核燃を使っていた施設がございまして、そのうちの赤丸で区切ってありますが、ここで核燃とRIを両方使っていたところがありまして、そこの廃止措置の話をさせていただきます。次、お願いします。
 こちら、どういう施設があったかということで、6つの施設がありましたが、これは全て廃止措置されております。このうちの左下にあります、エネルギー量子棟と呼ばれます、こちらの廃止措置の話をさせていただきます。次、お願いします。
 こちら、今は無くなりましたが、建物の外観になっております。左上ですね。この建物の1階側の非密封の線源を使用できるところ、2階は密封線源が使用できる部屋ということで、平面図で色分けされていますが、核燃も使っていた部屋というものがございます。次のスライドをお願いします。
 こちら、廃止措置の方法ということで、要は汚染しているかしていないか、というのをチェックするわけですが、RIと核燃でちょっと順番が違っております。一般的な考え方としては、RIの方が主だと思いますが、まず持っていたRI等の引き渡しを行いました。一部、今後使用予定があるものについては、新しいキャンパスの方の施設の方に移しております。廃棄物につきましては、アイソトープ協会の方に引き取っていただきました。その後ですが、建物それから装置等につきまして、汚染検査をやりまして、汚染がなければ一般廃棄物、汚染があれば除染して、そのあと汚染しているものについては、RI廃棄物ということになります。核燃の方はちょっと違っておりまして、使用予定のあるもの、ないものを含めまして、学内施設の方に移しております。それから、汚染検査の方法も順番がちょっと違いまして、まず除染すると。そのあとに汚染検査をして、検査で汚染が出なければ一般廃棄物。汚染があれば削る、あるいは、また検査をすると。そういう繰り返しを行いまして、核燃廃棄物にするという風になっております。順番がRIと異なっております。次、お願いします。
 検査の方法ですが、直接サーベイを行うと。α線それからβ、γ線等も使います。それから、間接測定でスミア法ということで、一般的な方法ですが、面積は色々異なりますが、小さいところですと30センチ角から、大きなところだと1m角という範囲を決めまして、スミアを行いまして、それをα、β、γそれぞれで測定をしております。次、お願いします。
 こちら、例の1つですが、ある部屋ですが、核燃を使っていた部屋ですが、ここの床、壁、天井、これを区画分けしまして、そこを先程の直接サーベイと間接スミア法ということでチェックしております。あと中にドラフト等がございまして、これにつきましてドラフト内部を細かく分けまして、この例ですと、ドラフト1個につきまして、103箇所に分けております。それから、廃棄ボックスとか、流しとか、こういった項目がありまして、この部屋だけで合計で370箇所の測定になります。次、お願いします。
 こちらは、排気ダクトになりまして、排気ダクトにつきましても、それぞれ区分けを行いまして、この赤く書いてあるところが、各部屋からくる排気ダクトで、屋上部分の方に行きまして、フィルターが通った後に排風機がありまして、煙突で放出されるということで、真ん中辺の上にちょっと写真がありますが、この白いものが高さ2mくらいですが、これが煙突になります。こういったものにつきましても、先程と同様に除染を行っていくという風になっております。次、お願いします。
 こちらは廃液側ですが、廃液も中間槽等が各部屋から来ます。配管等ですね。そういったものを含めて全て検査対象になっております。次、お願いします。
 これは全体のスケジュールですが、足かけ3年くらい、足かけ4年ですね、くらいになっておりますが、実質的には計画から含めまして7,8年かかっております。実質作業している部分というのは、丸2年ちょっと、ということになります。次、お願いします。
 これが全ての測定結果をまとめたものですが、全部で1万3000箇所くらいありまして、それぞれ直接測定と、間接のα、β、γを調べているというところです。このうち、直接測定したものについて、汚染が検出されたのは2箇所だけでした。どちらもトリチウムが出ているというのが分かりました。それ以外につきましては、2段目にありますが、継手等がございまして、要は、凸凹のあるところですね。こういったところはスミアがちゃんとできないということで、これはもう測定せずに、全て廃棄物に直接しております。その他のところにつきましては、特に汚染等はございませんでした。結果としまして、継ぎ手等で汚染の検査ができないものという1426件と、それから汚染が出ました2箇所ですね、こちらを核燃廃棄物にいたしました。次をお願いします。
 こちら、廃棄物低減についても色々試しておりましたが、主に上手くいった例ということで、こちらサンドブラストの例です。これは排水配管の内側をサンドブラストいたしまして、左側のブラストする前ですね、切断しているところですが、色々スケールとか錆とかが付いておりますが、サンドブラストしますと、これ塩ビ管ですけれども綺麗になります。これを縦半分に切りまして、それをプレスして平滑にして、この後サーベイとスミアをする、ということをしております。サンドブラストについては、核燃と接触していた可能性があるということで、核燃廃棄物になっております。これで、だいぶゴミの量を減らすことができました。次、お願いします。
 こちらは図面だけで恐縮ですが、可燃廃棄物で、結構紙とかウエスが、その類というのは嵩張りますので、これをできるだけ減容したいということで、所謂布団の真空パックみたいな、そういう装置を作りまして、ビニール袋の、ちょっと厚手のビニールに入れまして、空気を抜いて体積を小さくしてドラム缶に入れると、そういう作業をしております。こういったことで、廃棄物をかなり減らすことができました。次、お願いします。
 これはRI協会に払出した廃棄物の総量になりますが、50L缶が759本。200L缶が58本で、可燃・不燃の内訳はここに書いてある通りです。それから、液体廃棄物が出まして25Lでの容器で31本出ております。これはほとんどシンチレーションカウンターの廃液になります。それから、フィルター類が出ておりまして、通常型と、あと焼却が可能なものということで、これが2000数百ヶ所出ております。これは全てRI協会さんに引き取っていただきました。次、お願いします。
 次が核燃ですけれども、核燃は今、引き取りができませんので、全て九大の新しい施設に保管庫を建てまして、そちらに移しております。149本発生しまして、内訳的には不燃・可燃、難燃ということです。約1%粉体となりますが、2本ほどになりますが、先程のサンドブラストで削りましたもの、これを詰めたものが発生しております。次、お願いします。
 全体のまとめになりますが、どういった廃棄物が出たかということと、それから減容法としてサンドブラストと真空脱気がかなり有効でしたということです。あとちょっと問題点になりますが、先程お見せしました排気ダクトのうちの、煙突の内側も一応廃棄物、核燃廃棄物になっております。規制庁の考え方として、核燃と接触した可能性のあるものは、全て核燃廃棄物という考えでして、高性能フィルターの後ろであっても、汚染の可能性が否定できないということで、一応議論した結果、煙突の内側までを核燃廃棄物にするという風になっております。ちなみに、新しい施設で保管しているドラム缶の中には、技術的には放射性物質が検出できないような核燃廃棄物も存在しております。以上です。
 では、続きまして、埋設センターの方からまた説明をお願いいたします。
【坂本センター長(JAEA)】  それでは資料4-6でございます。研究施設等廃棄物の調査につきまして、坂本の方で説明させていただきます。次、お願いいたします。
 研究施設等廃棄物の埋設事業におきまして、埋設処分業務の実施に関する計画というところにおきまして、廃棄物の種類とか、その量の見込みを定期的に見直すとされております。前回、平成30年に調査をさせていただいておりますが、既に5年が経過しているという状況でございます。丁度この間に、原子力規制委員会さんの方で、ウラン廃棄物の埋設処分に係る規制基準も整備されまして、基準の方は明確になってきたといったところもございます。
 また先程、最初に目黒の方からちょっとお話もございました、バックエンドロードマップのIAEAでのレビューにおきましても、廃棄物中の放射能インベントリの頻繁な見直しが必要だということを御指摘いただいておりまして、こういった状況を踏まえまして、調査への回答の回収強化を図りながら見直しを行うとしたものでございます。
 対象といたしましては、機構の中と機構以外の色々な各発生者の方々の廃棄物の調査を行っているところでございます。機構外の廃棄物発生者の方に関しましては、埋設センターの方から各者にアンケートを送付いたしまして、アンケート形式で実施しているものでございます。
 またこの調査に際しましては、文科省殿から調査協力の依頼文書を出していただいておりますとともに、原子力規制庁殿からも、各事業者の御担当者の方へ一斉のメールによりまして、調査協力ということを依頼していただいているところでございます。次、お願いいたします。
 調査の流れでございますが、上2つ、緑で囲んだところが当方の準備でございまして、調査票の作成とか、記入ガイドラインの作成と、あと対象者の確認、こういったことを行ったものでございます。このあと、実際に各者へ調査協力依頼を郵送いたしまして、また実際の調査の対象の方々に関しましては、当方のWebサイトから調査票をダウンロードして書類を入手していただくという形になっております。また、ちょっと調査内容も複雑なところもございますので、オンラインの説明会を予定しております。そういった経緯を踏まえまして、各社から当方へ電子メールで調査内容を提出いただくという形で、その結果につきましては、当方から、例えば記載の漏れの有無とか、中身の不明な点を確認させていただいたあと、結果を取りまとめて集計するという流れでございます。次、お願いいたします。
 主な調査項目でございます。廃棄物の種類とか、想定されるような廃棄体化処理方法とか、処分区分とか、こういったことに基づきまして、実際に処分区分されました量とか重量を記載していただくという形になっております。また有害物等の有無とか、その種類と量についても記載をしていただくという形をとっております。ちょっと細かいので説明いたしませんけれども、右の方は実際の廃棄物種類の区分を書いたものでございます。次、お願いいたします。
 最後ですが、今後のスケジュール的なところでございます。調査自体は6月16日に調査協力の依頼を既に送付しております。来月7月に一応4回程度、オンラインの説明会を予定しております。9月いっぱいで調査を締め切りまして、今年の12月くらいまでに結果の整理と集計を行う予定でございます。調査結果に関しましては、今後原子力バックエンド作業部会で報告させていただきたいと考えております。また、廃棄物量が変更になった場合は、実施計画へ反映とか、場合におきましては、埋設施設の色々な能力的に、例えばトレンチの数とか、こういったものが変更になった場合は、施設設計も必要でございますので、そういった施設設計への反映と、場合におきましては事業費の変更もございますので、そういった総費用の変更についても検討を行いまして、必要に応じまして、実施計画へ反映していくという流れを考えているところでございます。駆け足でございますが、説明は以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 すみません、私の不手際で時間が残り少なくなっておりますが、全体をまとめて、質問あるいはコメント等いただきたいと思います。12時ちょっと超えるかもしれませんが、もし12時までしか出れない方は、随時御退席いただければと思います。それでは、井口委員お願いいたします。
【井口主査代理】  井口です。すみません、時間が限られております。
 まず、2つだけ簡単に回答をいただきたいのですけれど、一番最初の資料で、埋設事業に関する広報情報発信、これについては、前からの説明で非常に努力されているというのは分かっているのですけれども、その中に、所謂社会的な受容性の改善みたいなね、そういう結果が反映されないのはなぜかというのは、いつも不思議に思っていて。これだけ努力されたので、それなりに理解度は上がっているという風に思うのですけれども。この問題は典型的なNIMBY問題なので、こういう努力をすることによって、総論で賛成というものは多分増えると思うのですけれども、やっぱり自分の周辺のところにそういう施設ができるのは嫌だという、その各論反対があると思うのですよ。そういう各論反対に対する壁の丁寧な対応が必要と思うのですけれども、そういうことに対して、一般の方がどう思っていらっしゃるかという、いわばフィードバックがどんな風に反映されているかというものの報告が欲しいなといつも思っていて。それがないので、そこを確認したいということと、もう1点は、今回クリアランスという用語がたくさん出てきて、これ電事連さんは原子炉施設に対して一生懸命やっていらっしゃるのですけれど、この研究施設等廃棄物の場合は、クリアランスの法令はあるけれども、実例は全くないという、そういう状況です。今回、吉田委員から企業の御要望が出てきて、そこでのクリアランスに関する内容というのは、非常にごもっともだと思うのですけれど、所謂クリアランスというと、どうしても再利用というイメージがあるのですけれども、こういう大学とか、あるいは小さな規模の研究所等だと、物量的に足りないと思うので、基本的にはクリアランス=一般廃棄物へ持っていくという、そういうストーリーをまずは念頭に置かないといけないということと、それから物量が少ないので、研究施設等廃棄物用のクリアランスシステムというものを、ちょっと考え直さないといけないのではないか。つまり、集約するような場所を作って、そこに色んなところから集めて、それをできれば検認してほしいのですけれど、検認プラス、それから次の、埋設するのであれば、所謂トレーサビリティのための記録確認、そういうような集約型のちょっと違ったシステムを考えないと、回っていかないのではないかと思うのですけれども、その辺りについては、どのようにお考えでしょうかという、その2点について、簡単に回答いただけるとありがたいと思います。
【坂本センター長(JAEA)】  ではまず、最初の方の御質問に関しまして、埋設センター坂本でございます。
 確かに一般の方々の御反応を直接当方から把握するというのは、なかなか難しいところはございますけれども、なるべく色々な、今後地元の方とか、そういったところでの御説明の機会に、実際の反応とかそういったことを把握しながら説明していこうということを考えております。当方からの説明の中には、ちょっと入れさせていただきましたけれども、地元の方にどういう説明をすればいいかとか、そういったこともこちらの方でも色々勉強しながら、具体的に対応していこうと考えているところでございます。
【目黒(JAEA)】  原子力機構の目黒です。
 クリアランスに関して御回答させていただきます。なかなか、満足のいく回答にはならないかもしれないのですけれども、やはり少量のクリアランス物というものは、なかなか難しいところがあって、クリアランス物を申請するにあたっては、重要核種選定というのが事業者側でしっかりやらなければいけないところになります。その時に、やはりどこから発生したものであるかとか、どんなものを使っていたものであるかという履歴がなかなかはっきりしないと、全量個別に分析しないといけなくなって、そうするとコスト的にペイしなくなってしまう可能性もあるので、そこのところをバランス良くやっていかなければいけないと思っています。そうすると、なかなかその集約するというところで、なかなか大きな課題になってくるのかなというのがありますけれど、すみません、我々のところでも、多分色々な研究施設等から出るものに関しては、複雑なものもあると思いますので、まだそういったところに手がついていなくて、今のところクリアランスを進めているのが、やっぱり原子炉系の金属であるとか、そういった大量で且つ重要核種選定が比較的容易であるものを対象に進めていますので、今後我々も色々なクリアランス物を出していきたいと思っていますし、今は昔と違って金属コンクリート以外でも何でもクリアランスできることにはなっていますので、そういったところは、今後一緒に御検討させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
【井口主査代理】  ありがとうございました。ぜひ回答を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。では、織委員お願いします。
【織委員】  ありがとうございます。
 今の話と広報情報とも繋がるところですけれども、廃炉に関わるコミュニケーションということで、アメリカですと、廃炉市民パネルというアドバイザリーコミュニティをいくつも作っているんですね。そうした形で情報を出したり、あるいは市民の意見を聴取したりという制度を、最初の廃炉のプロセスの中から組み入れているのですね。やはり、そういった形で市民パネルみたいなものを作っていかないと、高レベル放射性廃棄物のように、やはりなかなか情報が届かないという話があるのではないかなという気がしていますので、そういった制度的な、プロセスの中の制度的な設計みたいなものは、ぜひ検討していただきたいなというのが1点です。
 それから、もう1点は、九大の話は非常にモデル事業というか、御成功した事例として参考になると思うのですが、移動の安全性というのは、どのような形で確保されてきたのかなということを、ちょっと移動の問題が気になったので少し教えていただければなと思います。以上です。
【出光主査】  まずJAEAさんの方から、よろしいですか。
【目黒(JAEA)】  原子力機構の目黒です。
 当然、廃棄物を発生する事業である、廃止措置の段階から住民の皆様とコミュニケーションをとっていくことは重要だとは思っております。ただ、なかなか現実的にできていないというところはあります。当然、地元自治体とは、廃止措置計画を出す段階から、しっかりコミュニケーションをとっておりますけれども、なかなか一般市民の方まで声が届いていないという現実もあります。最終的には、そこから出てきた廃棄物を処理・処分していくところまでが廃止措置ですので、そういった、全体のコミュニケーションをどのように取っていくかについては、今後しっかりと検討させていただければと思っております。以上です。
【出光主査】  ありがとうございます。
 では、私の方の質問に対してですが、移動ということで、いくつかありますけれども、一般的なものにもなりますが、例えば、九大の方の廃止措置で一番大きな線源というのは、コバルト60の線源がございまして、これはだいぶ減衰しておりましたが、それでも2テラ、数テラベクレルございました。これにつきましては、アイソトープ協会の方に引き取っていただきまして、その時の輸送につきましては、通常のRI等の輸送ですね。RI、核燃の輸送の、法律に則って、遮蔽容器に入れて移動させるということをやっております。あと学内で行いました移動につきまして、一番線量といいますか、容量が大きかったのは、ウランの未臨界設備というものがございまして、そちらの試験用のウランが約2トンございまして、こちらを旧キャンパスから新しいキャンパスに移動しておりますが、これも核燃の移動ということで、これはA型容器という、法律上決められている容器がありますが、こういったもので輸送しております。ちなみに、どちらの輸送につきましても、RI、核燃の輸送につきましては、通過する都道府県に届けると、そういったものがございまして、九大の分につきましても、消防署、警察に、いつ、どのように運ぶということを出しております。あと核燃の九大の分ですけれども、コンボイ形式をとりまして、トラックの前後にガイド車をつけてと、そういった形で輸送しております。以上でございますが、織委員の質問の回答になっておりますでしょうか。
【織委員】  ありがとうございます。結構距離があるので、どういう風になさったのかなと気になったので、ありがとうございます。
【出光主査】  他、ございますでしょうか。葛西委員どうぞ。
【葛西委員】  ありがとうございます。
 皆さんから御説明いただきまして、結局排出先が決まっていないので、廃止措置が難しいとか、廃棄物の維持が結構大きな負担になっているという風に、吉田委員からも御説明いただいたのですけれども、そうなるとやっぱり気になるのは、埋設の立地活動に大きな重責がかかってくると思うのですが、今、前段階で、高レベル放射性廃棄物の方は、経産省さんを含めて、皆さんすごく力を入れて、今後、皆さんに手を挙げていただこうという風になるということだったので、このJAEAさんが作ろうとなさっているものが、低レベル放射性廃棄物のものであるというのは、多分市民の皆さんは分からないんじゃないのかなという風な不安があります。そこで、広報活動をこれからもすごく熱心に今年度はやっていかれるという風に色々説明いただきましたけれども、低レベル放射性廃棄物であるということを念頭に置いてやっていくようなマニュアルみたいなものを作るということは考えていますでしょうか。
【坂本センター長(JAEA)】  原子力機構の坂本でございます。
 マニュアルといいますか、3ページに書かせていただきましたが、全体にどういった形で安全性を説明していくかとか、どういったものがあるかと、そういったことに関しまして、なるべく分かりやすい形で、例えば、こういったパンフレットのような形でまずは作りまして、こういったことの記載事項を中心に色々な一般の方々への説明ということを、まずは中心と考えております。一方で、専門の方には、より詳しい内容ともできるように資料としてまとめております。そういった両方を組み合わせることで、なるべく多くの方に御理解いただくという形で進めているところでございます。
【葛西委員】  ありがとうございます。
 井口先生からもお話がありましたけれども、これは、Not In My Backyardというか、NIMBYの考え方で、やっぱり来て欲しくないというイメージのものが多いと廃棄物は思いますので、それが高レベルであるのか、低レベルであるのかというのは、やっぱり一般の方々が内容を分かればインパクトが違うと思いますので、その辺りをぜひ頭に置いて進めていただきたいと思います。
【坂本センター長(JAEA)】  ありがとうございます。
【出光主査】  佐々木委員どうぞ。
【佐々木委員】  京大、佐々木です。ありがとうございます。すみません、ちょっと時間もない中であれですが。
 受け入れ基準の検討のところで、インベントリが非常に重要な情報であるということですけれども、その一方で、分析の技術にもある程度限界が見えてくるんじゃないかと思うのですね。そこに至った時に、インベントリの不確実性というものを、例えば、安全評価のところで取り込んで、それを設計でカバーできるのかというところを、ちょっとお伺いしたいのですけれども。
【坂本センター長(JAEA)】  原子力機構の坂本でございます。
 まさに先生が御指摘の通りで、やっぱり放射能評価の結果によって、どうしてもかなり幅とか、不確実性が多いと、処分の方でかなり安全側を見なければいけなくなってくると、やっぱり埋められる量が少なくなるとか、そういったことがございますので、処分の方の設計、埋設施設の設計と、その設計に基づく安全評価の結果を、また実際の廃棄体の確認にどこまで求めるかということを、両方フィードバックしながら、両者で対応していくということになろうかと思います。答えとして明確に、具体的に数字でいくらとは、ちょっとなかなかまだ言えない状況でございますけれども、実際の設計段階に入ってきますと、そういったところまで含めまして、実際発生する方々とか、またはこれは処理の技術に依存しますので、そういったことも含めまして、両者で情報交換しながら対応していくものと考えております。
【佐々木委員】  分かりました。ありがとうございます。
【出光主査】  ありがとうございました。他、ございますでしょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。そうしましたら、すみません、座長の不手際で、10分程オーバーいたしましたが、残り事務局の方からよろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  事務局でございます。
 本日の議事録につきましては、議事録案が出来次第、皆様にメールで御確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきますので御了承ください。
 また、次回につきましては、原子力機構の物量調査の結果がまとまる頃、年明け頃を想定しております。以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、これで終了したいと思います。皆様、長時間ありがとうございました。
 

お問合せ先

研究開発局原子力課放射性廃棄物企画室

(研究開発局原子力課放射性廃棄物企画室)