原子力科学技術委員会 原子力バックエンド作業部会(第5回) 議事録

1.日時

令和5年2月2日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点等からオンライン開催

3.議題

  1. 原子力政策の動向等について
  2. 研究施設等廃棄物埋設事業について
  3. 今後の課題等について
  4. その他

4.出席者

委員

出光主査、岡本主査代理、足立委員、井口委員、大越委員、織委員、葛西委員、児玉委員、澁谷委員

文部科学省

林審議官(研究開発局担当)、新井原子力課長、阿部放射性廃棄物企画室長、菊地共同研究・人材ネットワーク構築班長

オブザーバー

板倉日本原子力研究開発機構副理事長、塩月日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部長代理、橋本日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター長、目黒日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部バックエンド推進部長、坂本日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター長代理、坂井日本原子力研究開発機構バックエンド統括本部埋設事業センター埋設技術開発室長、泉田原子力バックエンド推進センター理事長

5.議事録

【菊地班長(事務局)】  定刻になりましたので、第5回原子力バックエンド作業部会を開催いたします。今回の作業部会は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止等の観点からオンラインにて開催しており、この関連事項などもありますので、議事に入る前まで事務局にて進めさせていただきます。
 なお、本日は、中熊委員より御欠席との御連絡をいただいており、委員10名中9名に御出席いただいております。運営規則の第3条に規定されている定足数の過半数を満たしておりますので、御報告いたします。
 また、本日は資料の説明及び質疑応答のため、日本原子力研究開発機構から、板倉副理事長ほか5名、原子力バックエンド推進センターから泉田理事長に御参加いただいております。
 まず、オンライン開催に際しての留意事項を御説明いたします。
 委員の皆様におかれましては、現在、遠隔会議システム上で映像及び音声が送受信できる状態となっております。御発言を予定される場合は、挙手ボタンを押していただくと画面の左上に挙手マークが表示されますので、順番に主査より御指名いただきます。御発言をいただいた後は、挙手ボタンを押して、もう一度ボタンを押して挙手マークが消えるようにしてください。
 会議中、マイクは発言時のみオン、ビデオにつきましては常時オンにしていただければと存じます。通信状況が悪化するような場合につきましては、主査の出光先生を除きましてオフにしていただいても構いません。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時、事務局宛てにお電話にてお知らせください。
 傍聴される方におかれましては、ビデオ映像及び音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、遠隔会議システムから御退席いただきます。
 議事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。そのため、御発言の際はお名前から発言いただければと存じます。事務局以外の方の会議の録画及び録音はお控えください。
 以上が本日の進行にあたっての留意事項となります。
 続きまして、事務局で人事異動がありましたので、御報告いたします。
 まず、研究開発局審議官の林でございます。
【林審議官(事務局)】  林です。どうもよろしくお願いします。
【菊地班長(事務局)】  次に、原子力課長の新井でございます。
【新井課長(事務局)】  新井と申します。よろしくお願いします。
【菊地班長(事務局)】  そして、私、共同研究・人材ネットワーク構築班長の菊地も昨年5月より着任してございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
 今回は議事次第にございます12点の配付資料を、委員の皆様及び傍聴の登録をされた方宛てに事前にメールにてお送りさせていただいております。
 それでは、これから議事に入らせていただきますが、運営規則第5条に基づき、本会は公開とさせていただきます。また、第6条に基づき、本日の議事録につきましても、後ほど文部科学省のホームページにて掲載させていただきます。
 事務局からは以上です。
 ここからは出光主査に議事の進行をお願いしたいと思います。
【出光主査】  出光でございます。久々の開催となりますが、よろしく御審議のほうをお願いいたします。
 それでは、本日の議題につきましては、議事次第にございますように、議題1から3までございます。時間は12時までを予定しております。
 それでは、議題1の「原子力政策の動向等について」に入ります。
 まず、事務局から資料1の説明をお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  事務局から資料1を説明させていただきます。
 原子力政策の動向等についてということで、最近、政府でもいろいろな動きがございますので、そのポイントについて御説明したいと思います。
 2ページ目、原子力利用に関する基本的な考え方ということで、先日パブリックコメントが終了したところでございますけれども、政府として長期的方向性を示す羅針盤として、原子力利用の基本目標と、各目標に関する重点的取組を定めているということで、平成29年に原子力委員会で決定し、政府として尊重する旨、閣議決定されているものでございます。これにつきまして、5年をめどに適宜見直しをするとされていることから、今般改定作業が進んでいる状況でございます。
 本基本的考え方の理念としましては、原子力のプラス面、マイナス面を正しく理解、認識した上で、安全面での最大限の注意を払いつつ原子力を賢く利用することが重要という理念が掲げられており、3つ目、原子力を取り巻く現状と環境変化ということで、エネルギーの安定供給の話やカーボンニュートラルの話、また昨今の世界的な動向、非エネルギー分野での放射線利用の拡大や、経済安全保障の話などが記載されているところでございます。
 その上で、4つ目、今後の重点的取組について、丸1 から丸9 まで掲げられていまして、その中で、特にバックエンドに関係するものとしては丸4 と丸6 がございます。この部分につきましては、次の3ページ目で少し抜粋しておりますので、御覧ください。
 まず、3.4のところで、国際協力の下で原子力の平和利用及び核不拡散・核セキュリティ等の確保を進めるという記載のところで、重点的取組の一つとして、利用実態がなく保管だけされている放射性物質があるということで、安全上及び核物質防護上のリスクの顕在化が懸念されるということから、放射性物質の集約管理を実現するための具体的な方策について、関係行政機関及びJAEA等が連携協力して必要な検討を進めるべきではないかという記載がございます。
 また、3.6、廃止措置及び放射性廃棄物の対応を着実に進めるという中において、幾つか記載がございますけれども、多くの原発や研究施設の廃止措置を決定し、廃止措置が今後本格的に始まることが想定され、放射性物質の処理・処分を含め、廃止措置を計画性をもって、着実かつ効率的に進めるという記載がございます。
 ここにつきましては、別添1、次の4ページ目を御覧ください。
 昨年12月に最終処分関係閣僚会議というものが開催されております。そこの資料を一部抜粋してございますが、最終処分の実現に向けたプロセスを加速化するため、これまで以上に国が前面に立った取組を進めるとともに、NUMO・事業者の機能・活動をより一層強化していくということで、下の赤枠のところですけれども、さらなる取組の方向性が二つ示されてございます。
 一つが、国主導での国民理解の促進、自治体等への主体的な働きかけを抜本的に強化。もう一つが、NUMO・事業者の長期的かつ着実に取組を進めるための機能・活動の充実ということが記載されており、現在、政府内で検討されているという状況かと思います。
 それから、3ページ目に戻りまして、基本的考え方の3.6の(2)原子力発電所及び研究開発機関及び大学等における原子力施設の廃止措置ということで、廃止措置を着実かつ効率的に進めていくために、廃止措置に関する知見・ノウハウの蓄積・共有を図るための連携の促進、また体制を整備することが必要という記載がございます。
 ここにつきましては、別添2、5ページ目を御覧ください。
 昨年11月に開催されております総合資源エネルギー調査会の下にあります、廃炉等円滑化ワーキンググループの中間報告の概要でございます。
 2020年半ば以降、原発の廃止措置が本格化することが見込まれるということで、着実かつ効率的な廃止措置を実現するために、知見・ノウハウの蓄積・共有、必要な資金の確保を行うための仕組みの構築が必要ということで、下の絵のようなことが検討されてきたところです。
 認可法人に、三つ、丸1 から丸3 がありますが、機能が書かれております。廃止措置の総合的なマネジメント、事業者共通の課題への対応、資金の確保・管理・支弁ということで、こういった枠組みが検討されている中で、右下に、そういった取組とJAEAが連携することも記載されてございます。
 また、3ページ目に戻っていただいて、基本的考え方の続きでございますが、(3)として現役世代の責任による放射性廃棄物の処理・処分の着実な実施ということで、こちらも幾つか記載内容はありますが、まず、一つ目は、クリアランス制度の社会定着に向けた取組を加速することが期待されるという点。
 また、原子力委員会が2021年に公表しております、低レベル放射性廃棄物に関する処理・処分に向けた考え方(見解)がございます。ここにつきましては、別添3、6ページ目を御覧ください。
 これもポイントだけ御紹介しますけれども、処理・処分にあたっての基本的な考え方として、まず、現世代の責任ということが明確に記載されているということ。
 それから、ページの右側ですけれども、(3)処理・処分にあたって前提とすべき四つの原則として、発生者責任の原則、廃棄物最小化の原則、合理的な処理・処分の原則、相互理解に基づく実施の原則というのが掲げられてございます。
 また、処理・処分に当たって留意すべき事項として、安全性評価の公表、汚染状況に応じた廃棄物の適切な処理・処分の実施が記載されている状況でございます。
 全体としては以上になります。細かいところは説明を省略させていただきましたけれども、お気づきの点等ありましたら御質問いただければと思います。
 以上になります。
【出光主査】  御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、意見、質問、あるいはコメント等ございましたら、挙手でお願いいたします。どなたかございますか。井口委員、よろしくお願いいたします。
【井口委員】  元名大の井口です。
 1点だけ確認させてください。事前説明のときに、5ページの認可法人のところで、既存の法人の活用を含めるということで、候補としては、NuROという組織が挙がっていると伺いました。NuROという組織は出光先生が理事をされているのでよく御存じかもしれませんけれども、内容を見ると、使用済み燃料の再処理関係の業務が主となっています。そこに今回廃止措置の言わば総合的なマネジメントを含むような拡充を図るという場合に、どんなふうに変わっていくか、分かっている範囲で結構なので、この認可法人の既存の法人をベースにした組織拡充について教えていただけませんでしょうか。
 以上です。
【出光主査】  事務局から、何かお答えできることはございますか。
【阿部室長(事務局)】  詳細な制度設計は資源エネルギー庁でされていると思いますので、こちらでどこまで詳細に把握しているかというのがあるのですが、今、先生から御指摘いただいたとおり、既存の事業をされているところに、プラスアルファで、今回こういった機能を持たせてはどうかという議論がなされていると聞いてございます。今後、法改正等が進んでいく中で、どういった形で実際の事業を進めていくのかということも検討が深くされていくのではないかと思いますが、今日の時点ではあまり詳細をこちらも把握していないところがございまして、お伝えできなくて恐縮ですけれども、この絵のような仕組みを検討されていると伺っております。
【井口委員】  ありがとうございます。プラスアルファでとおっしゃいましたが、そんなに甘いものではないのではないかと思いますので、この辺りの認可法人の在り方については、もっと健全な姿について積極的に意見を述べるべきだと思います。文科省としてもぜひ何か意見陳述をお願いできればと思います。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。コメントということで承ります。
 ほか、ございますか。それでは、岡本先生、よろしくお願いします。
【岡本主査代理】  ありがとうございます。東京大学の岡本でございます。
 まず、ここでバックエンドの議論をしているのですけれども、廃止措置ということになると、何かバックエンドの中の入り口になるのですけれども、個人的には、この廃止措置というのは、放射性廃棄物、運転停止した原子炉、運転停止した研究炉はもう廃棄物の塊ですので、その放射性廃棄物の塊をいかに適切にマネージして、分類して、処理して、処分していく、これが廃止措置ですので、廃止措置は、まさに廃棄物処理・処分と一対一だと認識しております。
 そのような意味では、今この認可法人の真ん中に出ています、日本全体の廃止措置の総合的なマネジメントが現状、必ずしも十分にできていないのではないかという議論の中から、認可法人が行う一番重要な仕事ということで、丸1 番、一丁目一番地で書かれているのだと理解いたしました。
 そうすると、これは資源エネルギー庁の委員会なので、基本的には電力炉中心だと思います。あとは六ヶ所ですね。今造っているところですけども、あそこも将来的に廃止措置になりますので、そういうところが中心になるとは思うのですけれども、先ほど申し上げた廃棄物という観点からすると、特殊なものは当然ありますけれども、JAEAが扱っている廃棄物と、電力で新しい認可法人が扱おうとしている廃棄物とは共通のものになってくると思います。もちろん違うものも当然ありますが、ほとんどが共通のものと思います。
 その中でもやはり一番重要なのは、非常にレベルの低い、低レベル放射性廃棄物、それからクリアランスのような話、これが極めて大量に出てきます。高レベル放射性廃棄物も出てきますし、それは、インベントリとしては大きいですけれども、質量としては非常に少ないので、やはり質量として大きな低レベル放射性廃棄物が重要になってくると思います。
 そのようなところを含めて考えると、日本全体の廃止措置には総合的なマネジメントが極めて重要になってくると思います。井口先生も同様の御指摘だと思うのですけども、そういうところで、JAEAは連携という形で今入っていると見えています。
 これは連携ですけれども、この連携の度合いをかなりしっかりやらないと、同じことしているのに二つの司令塔ができるといったイメージになってしまうことを非常に危惧しております。この辺りの連携の度合いをどの程度考えられているのか、もしくは、最終的には一緒になって総合的なマネジメントを考えていかなくてはいけないと思うのですけれども、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。
【出光主査】  事務局、よろしくお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  ありがとうございます。先生御指摘のとおり、廃棄物の問題、廃止措置の問題、しっかりと連携して取り組まなければならないところが多いかと思います。特に電力との関係で言えば、「もんじゅ」や「ふげん」といった電力に近い炉の廃止措置も、JAEA、文科省のほうでも取り組まなければならないものがございますので、しっかりと連携が必要だろうと思います。
 それから廃棄物の問題につきましても、今御指摘があったとおり、それぞれ別々にということではなかなか難しい面も多々ありますので、今回こういった枠組みができることを一つの契機としまして、さらに連携する取組を考えていかなければならないと思っております。
 具体的なことにつきましては、こういった仕組みを確立していくということですので、そういった議論の中で、文科省としてもしっかりと資源エネルギー庁と連携して、話し合いながら取組が進むように考えていきたいと思います。
【岡本主査代理】  ありがとうございます。まさに国民目線で考えたときに、二つ違うものがあるというのは、よろしくないと思いますし、リスクも増えると思います。連携というキーワードがいいのか、個人的には融合していったほうが本当はやりやすいのではないかと思いますが、最初は連携ということだと思いますので、ぜひ連携の度合いを高めていくようによろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。ほかはございますか。児玉委員、お願いいたします。
【児玉委員】  IGPIの児玉でございます。
 今、2名の委員の皆様からあった御発言に関連してですけれども、こういった、二つの機関をどう連携させるのか、あるいは国としてどのようにいろいろな組織の連携を図っていくのかということが議題になっておりました。こういったことは民間企業ベースでもシナジーをどう働かせるかということで、企業の統合とか、あるいはアライアンスとか、そういった文脈で議論されることであります。
 その際に重要なのが、三つのB、Build、Buy、Borrowという、すなわち、自らの組織能力として構築するBuild。Buyというのは、民間企業ベースですと、買収するなどによって自分の企業内に取り込むこと。最後のBorrowというのは、契約など対等の関係の下でその技術を活用するという、この三つをうまく組み合わせて、最もコストが低くなるようにやっていくということです。
 国がどこまでやるのかということに関しては、全てを国で丸抱えするということでもないでしょうし、全てを民間でやるということでもないと思います。今、国として持っている組織能力、この廃止措置を円滑ならしめるために必要な組織能力というのをきちっと言語化して、その差分を特定して、その差分をどうやってBuild、Buy、Borrowで最終的に最も低コストになるように仕上げていくのかということが非常に重要なのかなと思います。
 これは非常に簡潔にといいますか、抽象的に申し上げていますけども、実務的には非常に困難な作業が入ると思いますので、フレームワークをきちっと決めて、その作業の進捗を管理することが国に求められるのではないかなと思っております。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。事務局から、このコメントに対して何かございますか。
【阿部室長(事務局)】  ありがとうございます。コスト低減という点は、まさに国としても必要なことですので、しっかりと検討しなければならないことだと思いますし、御指摘のとおりフレームワークを決めた後にしっかりとその状況を見ていくことも必要だと認識しておりますので、引き続き、文科省としても、この制度を資源エネルギー庁と連携する取組ができるように考えていきたいと思います。
【出光主査】  ありがとうございました。織委員、どうぞ。
【織委員】  ありがとうございます。
 今、先生方がおっしゃっていたように認可法人の役割が大変重要になっていくと思います。私も幾つかの委員で議論させていただいていたのですけれども、廃止措置について、その事業者の責任でコストを考え、リスク低減しながらやっていく一方で、国の責任というものも前面に出すことが非常に重要という認識の下で、認可法人による、公平で、かつ客観的なものをしていこうという形で、このNuROは候補として上がってきたと思います。何よりもこのNuROがうまく機能していくためには、情報公開と、コスト削減、それとリスク低減をどのように調整していくのかということについて物すごく知見が要るのだと思います。それを広く皆さんで議論していくためには、議事録も含め、あるいは進捗も含め、情報公開が今までより重要になってくるということを重ねて追加のコメントとしていただきたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、澁谷委員、お願いいたします。
【澁谷委員】  RANDECの澁谷です。
 この廃炉等円滑化ワーキンググループは非常に期待していました。いろいろな議論をされていますけども、例えば、丸1 、丸2 、丸3 の中で、今回の中間報告については、資金の確保と管理と支弁というところに重点が置かれていて、具体的な施策は書かれていますけれども、丸1 、丸2 についてはあまり突っ込んだ議論がされていないのではないかなと感じています。
 廃止措置を実際にやっていくのは、資金がもちろん重要なのですが、さらに放射性廃棄物の処理・処分、あるいは使用済み燃料の処理・処分等々、非常に複雑な分野が絡み合っています。丸1 、丸2 、総合的なマネジメントという言葉でくくられていますけれども、丸1 、丸2 のところを具体的にどう施策をしていくのかというのが非常に重要だと思います。今回、中間報告となっていますので、最終報告のときには、この、丸1 、丸2 がしっかりと議論されて出てくるのではないかなと期待はしています。文科省にお聞きするのは少し筋が違うのかもしれませんが、その辺をコメントとして取り上げていただければと思います。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 NuROはもともと、再処理の資金管理とアドバイス等を与えるという役割でやっておりますが、今回のお話の中では、いろいろなところがこれから廃炉を始めていくということで、資金をしっかりと管理しておくということと、廃炉ですから、基本的に同じような工程、同じような作業が入っていくので、効率化を図っていくこと。予算管理をしながら、こういう技術でこのぐらいのコストでできるというのをはっきりさせていきながら、技術については個々の電力会社等がやっていくということになりますが、共通的にできることについては共通化をしていってコスト低減を図るとともに、やり方が決まっているものについてはそこがスムーズにできるのではないかと思います。そういった形で、今後はマネジメントと資金管理がされると理解をしております。
 まだ詳細はこれから詰めていくことになっていると思います。文科省としましては、JAEAがどのように関与していくかということですが、JAEAの中にも廃炉がございますので、共通のところを含めていきながら、スピンアウトできるものがあれば、研究所の廃棄物についても同様の技術が利用されていくのではないかと期待しております。
 私からは以上でございます。
 澁谷委員、何かございますか。
【澁谷委員】  一つ言い忘れましたけれども、この団体には、例えば、PWR、BWR、それぞれモデルプラントを1基選んでいただいて、それを外国のように5年、10年で畳んでしまうというような見本を見せるようなことをぜひやっていただきたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  コメントありがとうございます。5年、10年で早くしてしまうと、少しコストアップになります。全体としてできるだけ効率よくという考えは基本的に持っていると思いますので、今後、私も関与できるところについては見ていきたいと思います。ありがとうございました。
 岡本先生、お願いします。
【岡本主査代理】  すみません、5年、10年、コストアップになりません。5年、10年早く終わったほうがコストは下がります。これはアメリカで実証されていますので、先生、そこのところはよろしくお願いします。
【出光主査】  分かりました。先例の事項も見ながらやっていきたいと思います。
 では、少し時間も押しておりますので、次の議題に移りたいと思います。
 それでは、議題2で、「研究施設等廃棄物埋設事業について」に入ります。
 それでは、原子力機構の埋設事業センターの橋本センター長から資料2に基づいて説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【橋本センター長(原子力機構)】  原子力機構のバックエンド統括本部埋設事業センターの橋本でございます。
 資料を共有させていただきます。
 それでは、1ページ目をお願いいたします。
 本日の内容でございます。まず、埋設事業の概要、そして立地に向けた取組状況に続きまして、技術検討状況、そして最後に今後の取組を御紹介いたします。
 
 3ページは、埋設事業の全体概要でございます。一番上の青字に示しますとおり、本事業は、我が国の研究施設等廃棄物の処分を安全かつ早期に行い、原子力の研究開発を確実に推進するということを目指してございます。
 その下の左上の部分でございますが、既に200リットルドラム缶換算で約66万本分の廃棄物が全国2,400余りの事業所から発生してございます。
 その右でございますが、平成20年の原子力機構法の改正によりまして、私ども当機構が実施主体となってございます。そして全国の事業者から委託を受けまして、私ども機構自らの廃棄物と併せまして埋設処分を行う計画でございます。施設規模は、敷地面積約100ヘクタールを想定してございます。
 この下のスケジュールにお示ししますとおり、立地活動の後、約8年の初期建設期間、そして、約50年の埋設操業期間、そして約3年の最終覆土を経まして、約300年の閉鎖後管理へ移行することとしております。現在、総事業費は約2,243億円を想定してございます。
 続きまして、4ページをお願いいたします。
 ここでは、これまでの埋設事業の経緯を御紹介しております。
 まず、平成20年に機構法改正でございます。それ以降、国の基本方針を踏まえまして、事業の具体的な事項を定めました実施計画を策定しまして、国から認可を受けて事業を進めております。この表に示しますとおり、これまで、埋設施設の概念設計、そして立地基準、立地手順の検討、作成、そして公表を行ってございます。
 また、廃棄体の放射能濃度評価方法の構築や廃棄体の受入基準に関する検討に加えまして、廃棄物発生事業者などとの調整、安全規制制度整備への協力などに取り組んでまいりました。
 一番右の枠内でございますが、今年度から開始しました第4期中長期目標期間におきましては、社会情勢等を考慮した上で、適宜、工程などを見直しまして、引き続き、立地対策や廃棄体の受入基準の整備なども進めることとしておりまして、特に理解促進のための活動を関係機関との協力の下、進めることとしてございます。
 6ページでは、立地推進活動の概況について御説明いたします。
 一昨年12月の前回の作業部会におきましては、主な御指摘といたしまして、立地方策として募集方式を含めた検討を行うべきと。また、地元に協力してもらうには、インセンティブ、事業モデルをよく検討すべきと。また、分かりやすい広報を行うことが必要などといった御指摘をいただいてございます。
 こうした御指摘を踏まえまして、まず、立地方策としまして、ここの四つの矢羽根でお示ししますとおり、募集方式を含めました方策などを検討中でございます。
 また、この下の三つの矢羽根のとおり、広報活動の強化を図ることによりまして、廃棄物発生者の方などの御理解、御協力を得ながら、一般の方への分かりやすい情報発信とともに立地活動を進めていくこととしております。
 取組の具体的な内容を次のページから御紹介いたします。
 7ページでは、仮に募集方式を行う場合、この立地の選定手順につきましては、ここに示すようなステップを想定してございます。
 現在は募集要領や立地基準に対する評価方法の策定に向けまして検討を進めてございます。
 なお、下の※印、青字に記載していますとおり、評価方法の策定時や具体的な地点の評価時には、外部の有識者による委員会の場で確認をいただくことを想定してございます。
 8ページでは、類似施設の事例調査に基づいて、募集方式についての検討をしているところを御紹介してございます。
 左側に示しましたように、産業廃棄物の最終処分場の選定例を踏まえた検討を行ってございます。
 ここで1番目の基本的事項につきましては、処分対象物の状況など、処分場の規模などの算定に必要な基本的な事項につきましては、右に書いてございますとおり、既に埋設処分業務の実施計画や概念設計などにおいて整理済みでございます。
 また、左側の下、2番目の候補地の選定、そして3番目の候補地の評価につきましては、法令規制による除外要件や地理条件などを、右にお示ししますとおり実施計画での立地基準項目として整理してございます。
 さらに、これらの立地基準項目につきまして募集方式に対する評価方法を検討しますほか、募集条件の整理や募集内容などの検討を進めてございます。
 9ページをお願いいたします。
 次に、立地基準に対する評価方法の検討状況でございます。
 平成25年にまとめられました立地選定基準に関する技術的事項の具体化や更新などの検討といたしまして、このページの一覧表にまとめましたように、各立地基準項目について、最新の規則などの事例調査や、海外事例、類似事例の調査結果を参照いたしまして、評価基準や評価方法の検討、また、項目の追加などについての検討を行ってございます。
 10ページは、立地地域の共生策についてでございます。立地地域の共生策につきましては、国の基本方針や埋設処分業務の実施に関する計画におきまして、立地地域の持続的な活性化につながるような方策を講じることなどの考え方が示されてございます。このオレンジ部分の2点でございます。また、その際には、ほかの発生者の協力を得ながら、原子力機構の研究開発能力を生かした方策についても検討するとされてございます。
 下の青のタイトルの部分でございますが、昨年、文部科学省がお示ししました原子力委員会専門部会資料には、地域におけるインセンティブ、事業モデルの具体的な取組の事例としまして、ここに記載のとおり、原子力や放射線エネルギーなどの理解を深めていただく取組や、他分野への応用に関する研究開発活動や、放射線、RIを利活用した先端的な医療、農業などに関する研究開発などの取組が示されてございます。
 また、この下の3番目の矢羽根にお示ししていますとおり、埋設事業におきましては、建設工事や施設の操業が長期に継続するということを踏まえまして、事業の規模や雇用の規模も地域に提示するということが考えられます。
 原子力機構といたしましては、これら基本方針等に基づき、国、また、関係機関と協力しながら、地域の持続的な活性化につながる取組について、立地地域の要望も踏まえた検討を行ってまいりたいと思っています。
 続きまして、11ページ、前回の作業部会でも御指摘のございました、海外の低レベル放射性廃棄物処分などにおける地域共生策に関する調査結果でございます。
 まず、ここに記載のとおり、オーストラリアでは、誘致地域に政府が新しい産業やライフラインなどのインフラを提供いたしまして、開発資金を支給しましたほか、コミュニティーでの理解促進活動のサポートを行ってございます。
 韓国では、政府が誘致に当たり、一般支援事業として、約30年にわたり、総額約3,400億円の支援などを行ってございます。
 ベルギーでは、地域の持続可能な発展のための交付金などの用途につきまして、地域住民などのコミュニケーションの場で決定し、その企業誘致が計画されているということでございます。
 また、アメリカではプルトニウムの生産を行っておりましたハンフォードサイトでございますが、年間25億ドル、3,300億円余りの廃止措置、クリーンアップ事業を行ってございます。そして、研究機関、大学などの関係機関間の調整や地域発展のための活動が行われてございます。
 我々もこうした先行事例を参考にしながら、地域の御要望を踏まえて、地域共生策を考えてまいりたいと思います。
 続きまして、12ページから14ページは、埋設事業に関する、この1年の広報・情報発信について御紹介してございます。
 12ページでは、まず、比較的多くの方に御覧いただきます媒体でございますウェブサイト、埋設事業のホームページをより分かりやすいものにすることを目指しまして、昨年4月に全面リニューアルいたしました。同時に、一番右に記載のとおり、原子力機構のウェブサイトのトップページに、埋設事業のウェブサイトにアクセスしやすいようバナーを掲載いたしました。また、SNSを通じまして、学会などでの発表内容などを発信するなど、積極的な情報発信に努めております。また、まだ開始間もない状況でございますが、このサイトへのアクセス数は、前年度の同期間に比べて5割ほど増加してございます。
 続きまして、13ページをお願いいたします。
 また、パンフレットについても更新してございます。この更新に当たりましては、若手職員を中心にいろいろな視点を取り入れながら更新を行いまして、7月に全面更新いたしました。
 主な内容としましては、事業の必要性や、安全を守る基本方策を中心に掲載していまして、これまでに約900部以上を様々な場面で配布いたしております。
 また、パンフレットの内容を2分程度の動画にまとめまして、パソコンまたはスマートフォンなどでも手軽に閲覧できますよう、ウェブサイトや原子力機構の公式ツイッターを通じて公開するなど、情報発信の方法についても工夫してまいりました。
 14ページは様々な場面を介して情報発信を進めている事例でございます。具体的には、原子力や医療関係の学協会、また、一般の方々に対しまして事業紹介、また、安全確保に向けた技術開発成果や、学会発表の論文、報告書などの形で情報を発信してございます。
 このページでは、昨年11月に開催いたしました原子力機構報告会での例を記載してございますが、パンフレットをはじめといたしまして、ポスターや、埋設施設の模型、動画などを活用いたしました。来場いただいた方のアンケート結果では、分かりやすい展示であったとの評価もいただいております。
 今後もこうした様々な場面を通じて情報発信を展開してまいりたいと考えております。
 続きまして、
 16ページからは、技術検討状況について御紹介いたします。
 特に埋設事業において重要となる、施設に搬入する廃棄体の受入基準の検討について紹介してございます。
 まず、廃棄物発生者、また、廃棄物処理者が行う廃棄体化処理に寄与できますよう、受入れ基準の検討を進めてございます。
 ここの一覧表は、事業で想定しています対象廃棄物・廃棄体についてまとめたものでございます。これらの様々な形態、性状の廃棄物、廃棄体に対して受入基準を検討しているということでございます。
 続きまして、17ページをお願いいたします。
 この一覧表は、こういった廃棄体に対する受入基準の項目とその検討状況をまとめたものでございます。一部、検討中のものもございますが、大体の項目では検討が済んでおります。本日はこれらのうち、まだ取組の検討中でございます、黄色のマーカー部分でお示ししています砂充填の方法、そして耐落下衝撃、最大放射能濃度に関する検討状況を御紹介いたします。
 
 18ページ、左上1番でございますが、砂充填の方法の検討状況でございます。コンクリートなどの廃棄物のトレンチの埋設処分方法といたしまして、様々な形状の模擬廃棄物を収納いたしました角形容器の中へ砂充填を行いまして、受入れ基準で想定しています空隙率を満足することを確認しております。
 右の2番目の耐落下衝撃についてでございますが、これは規制の要求事項でございます、廃棄体の落下時に飛散する放射性物質の量が極めて少ないことを、数値解析により、飛散率が目安値でございます10のマイナス5乗以下となることを確認してございます。
 下の3番目でございますが、最大放射能濃度についてでございます。埋設処分後の重要核種につきまして、ピット埋設施設の深さの違い、具体的には、地下水面に対して上位、下位に設置するケースがございますが、これらに対する試算値を提示いたしました。
 続きまして、19ページ、左側4番目でございます。これは試験研究炉からの廃棄物の放射能濃度評価手法についてでございますが、これにつきましては、複雑な非対象構造物の評価が可能な解析コードにつきまして、従来用いられているものとの比較を行いまして、2次元モデルにおいて計算精度、また時間に問題がないことを確認いたしてございます。
 右側の5番目の照射後試験施設からの廃棄物の放射能濃度評価手法についてでございますが、放射化に起因する核種の分析結果と計算結果の違い、前回の作業部会での御指摘事項でございますが、炭素の14とニッケルにつきましては、既存の使用済燃料との比較検討結果から、腐食生成物の放射化の影響であると考えられることを確認いたしました。また、トリチウムにつきましては、核分裂と放射化による生成割合を考慮した評価方法の適用性を確認しているところでございます。
 20ページでは、原子力機構以外の廃棄物の発生者と協力して技術的課題の検討を実施している状況を御説明します。
 具体的には、事業許可申請や、廃棄体の確認に向けまして廃棄体の作成、また放射能濃度の評価につきまして協力が必要だと考えてございます。
 このうち試験研究炉に共通的な放射能濃度の評価方法の検討といたしまして、評価手順書について、試験研究炉を管理します各機関との間で意見交換を実施などしてございます。引き続き、こういった情報共有、意見交換を進めまして、より多様で幅広い廃棄物発生者の皆さんとの意見交換へと拡充してまいりたいと考えてございます。
 その次の21ページでは、前回のこの作業部会で御質問いただきました機構の技術的なイノベーションに関しまして、現場実装を目指して取り組んでいる幾つかの事例を紹介いたします。
 左上の1番でございますが、これは高エネルギーX線CTを用いた非破壊分析技術の開発でございますが、これは保管廃棄物の内容物確認の高速化、そして低コスト化を目指しているものでございます。
 右上の2番でございます。これはレーザーによる除錆・防錆技術でございますが、これは廃棄物管理の安全性の向上・低コスト化を目指してございます。
 左下3番目のアドバンストスマートデコミッショニングシステムの開発でございますが、これは実験に用いたグローブボックスを解体する際の安全性・経済性の向上を目指しているものでございます。
 右下の4番でございますが、これは廃棄物の分割・廃棄物収納の最適化手法の開発でございますが、これは解体作業時の安全性の向上・廃棄物発生量の低減を目指しているものでございます。
 こうした技術開発を通じまして、バックエンド対策を効率的に進めていきたいと考えてございます。
 23ページは、今後の取組でございます。
 今後、原子力委員会の原子力利用に関する基本的考え方にお示しされた考え方に基づいて事業を進めてまいります。
 具体的には、発生者責任の原則の下、一層主体的、かつ積極的に取り組み、廃棄物最小化の原則の下で合理的な処理・処分を進めてまいりたいと考えております。
 また、立地活動でございますが、これにつきましては、立地方策、立地基準の評価方法のさらなる検討を進めながら、広報活動の一層の強化を図りまして、事業の必要性などの理解増進に努めてまいります。
 これらの活動により準備が整った段階で、立地方策などを本作業部会にお諮りいたしまして、具体的な立地に向けた対応を行ってまいりたいと思っております。
 技術検討につきましては、先行する埋設施設の審査会合などの最新の議論を踏まえまして、埋設施設の設計の見直しを進めまして、事業申請に向けた準備を行います。また、埋設施設への廃棄体受入基準の整備を継続しながら、関係者との事業の円滑な推進に向けた関係強化も図ってまいりたいと思います。
 以上、雑駁ではございますが、私からの報告とさせていただきます。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの機構の御説明に対しまして、御質問、あるいはコメント等ございましたらお願いいたします。井口委員、お願いいたします。
【井口委員】  元名大の井口です。
 御説明ありがとうございました。JAEAとして、低レベル放射性廃棄物の処理・処分の施設建設に非常に尽力されていることをよく理解できました。
 2点コメントしたいのですけれども、まず、8ページ立地方策の募集方式のことです。今御説明いただいたように、高レベル放射性廃棄物の募集方式にのっとって、各自治体といいますか、どこか、ある場所が手を挙げるのを待つということになっているわけですけども、ここで扱っている廃棄物、いわゆるL3廃棄物というのは、研究施設等廃棄物で、例えば産業廃棄物や電気事業者のL3廃棄物と違って、その地域の住民の方に対して恩恵が何となく少ないのではないかという印象を持たれるのではないか、つまり、施設を造ることに対して、インセンティブという言葉になっていますけども、地域住民の方が積極的に受けるようなことにならないのではないかと思います。立地選定のときに、8ページや9ページにある技術的なものを示すのは当然ですけれども、次のインセンティブの中で示される、地域振興と抱き合わせにしないといけない。全く広報を任意に募集してもなかなか手が挙がらないので、例えば、高レベル放射性廃棄物の科学的特性マップを作っていらしたと思うのですけれども、それに似たような形で、候補地のリストアップをするぐらいの意気込みがないといけないのではないかと思います。
 そのときに、仮にある場所に施設を造ったときに、技術的に問題がないということを示すと同時に、地域振興策として、事業モデル等をこちらで考えて、ある程度こんなことができますよということを併せて提示していくと。幾つかの候補地に対して、そういった逆提案をしていくことがいいのではと思う次第です。その辺りをどのように考えているかというのを教えていただきたいです。
 それから、もう1点は、広報です。広報・情報発信について、ウェブサイトやパンフレットを作られて非常にしっかりやっていらっしゃると思うのですけれども、高レベル放射性廃棄物や、クリアランスも同様ですけれども、社会定着を図る場合に、対面、対話集会というのは非常に効果が大きい。要するに少人数で多数回の対話集会をやっていくという方向が必要だと思います。
 その場合に、やはり文科省、国が全面的にバックアップしているという姿勢を示すということと、広報・情報発信については片手間でできないので、JAEAの中でそういう担当部署があると思うのですけれども、事業を公募して、積極的に対話集会などの広報をしっかりとする事業展開をしてはどうかと思うのですけれども、その辺りについてお考えを聞かせていただけるとありがたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、JAEAから、今の2点、何か回答はございますか。
【塩月本部長代理(原子力機構)】  JAEAのバックエンド統括本部の本部長代理をやっております塩月でございます。
 2点のコメント、ありがとうございます。
 1点目、募集方式に関しまして、確かに地域の恩恵、それから受入れに関してのインセンティブ、この研究所と廃棄物に対して、地域がなぜこういう廃棄物が出ているのかということも含めて、やはり我々は理解促進をできる限り図りつつ、こういう廃棄物をしっかり処分まで持っていくことが、例えば医療を含めて身近なところで我々の活動の中から廃棄物が出ているという情報をできる限り発信したいと思います。
 しかしながら、今、先生からも御提案がありました地域振興策などは、こちらからもこんなことができるのではないかという提案をセットにして御説明することも、一つ案として我々もぜひ検討させていただければなと思います。
 もう1点、地域との対話は、確かに我々は今、学協会等々含めて、先ほど資料にもございましたように積極的に情報発信をこの1年行ってまいりました。これで十分ではないだろうから、当然ながら公募ということを考えますと、NUMOさんのこれまでの活動なども勉強させていただきながら、全国をブロックに分けたある程度集中的な対話や、個別の少人数でやっていることについては、昨今もNUMOさんの地域交流部の方とコミュニケーションを取らせていただきながら、それぞれ地域ごとに密着したコミュニケーションの取り方、具体的には公募と、要請方式で、既に神恵内村と寿都町には事務所を設けて、十数回、それぞれ対話の場をつくられて、その状況などについても勉強させていただきながら、我々としては、次のフェーズとしては、今おっしゃられたように、直接的な対話、それから、皆さんの周りの方の疑問や懸念に対してしっかりとお答えできるような、声が上げられやすいような場というのは当然ながら今後考えていく必要があるのかなと思っております。
 貴重なコメントをありがとうございました。以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、岡本委員、よろしくお願いします。
【岡本主査代理】  ありがとうございます。東大の岡本でございます。
 今の井口先生からのコメントにもあったのですけれども、やはりこれはインセンティブ、それから地域理解、この辺りが極めて重要になってきます。そういう意味では、資源エネルギー庁の資料の新認可法人の中に、地域理解の増進等を行うという役割を新認可法人に与えられているということもありますので、JAEAと新認可法人との連携をぜひ強めていただきたいというのが一つ大きなところだと思います。
 それから、インセンティブの中では、地方自治体、県や村といったところを中心とした、いろいろなインセンティブとして10ページにいろいろ書かれていましたけれども、やはり税金、ここに租税公課と書いてありますが、条例税のようなものを含めて、様々な地域のニーズを生み出す仕組みも重要かと思います。
 私は今、文科省の人材育成事業を受けていて、その中で、学生を連れてイギリスのドンレイステークホルダーグループの皆さんと議論する機会を得たのですけれども、そういう地域の成功している事例、これはまだ立地が決まっていないので、そういうところがつくれたらという話になるのかもしれないのですけれども、そういう成功している事例をしっかり考えつつ、インセンティブ、それから地域連携のようなものをプラクティスで見ていただきたいと思います。
 ちなみに、そのステークホルダーグループは、理解増進だけではなくて、ビジネスモデルを考えているところが大きな違いであります。つまり、地域の新しいビジネスの作成、そういう処分場を含めてということにつながるようなインセンティブの与え方、地域との交流の仕方、この辺りをぜひしっかり考えていただいて、JAEAだけでなくて、資源エネルギー庁の新認可法人との連携時もぜひよろしくお願いしたいということです。よろしくお願いします。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、足立委員、お願いいたします。
【足立委員】  NPO法人元気ネットの足立です。
 理解促進や、一般の方への働きかけにつきましては、元気ネットでは数年間にわたって、高レベル放射性廃棄物の処分における理解促進活動に関わってきた経験がございます。そのときはNUMOと組んでやるという形でしたけれども、専門家の方や、NUMOの方とか、そういう方たちとの感覚と、一般の方の感覚の間にはかなりの乖離があって、上手な情報の出し方や御説明の仕方が、なかなかうまくいかない点もあったと今振り返って思います。元気ネットにはそういう知見がありますので普及啓発や、理解促進、広報などについては、一度ヒアリングしていただけたらという気持ちがございます。何か私たちでお役に立てることがあればと思っております。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  お申出ありがとうございます。織委員、よろしくお願いいたします。
【織委員】  今のことと関連してですけれども、まさに私はずっとリスクコミュニケーションの現場に立たせていただいていて、最近、地域の方の意識が非常に変わってきていると実感しているところが一つあります。先ほど地域振興ですとか税金の話が出てきましたが、むしろ、いかに地域課題を解決していくか、こういったいわゆる迷惑施設と言われているものが入ってくるときに、どのくらい協同して地域で見つけていかれるかというワークショップをやりながら、地域課題の解決に向けての一つの手法としてやっていくということが大変多くなっています。
 逆に言うと、金銭的なものですとか、お金に関しては、日本人は基本的にとても反発があり、むしろ過疎化ですとか、いろいろな地域課題を事業者の方たちと一緒になって見ながら、これが地域課題、あるいは脱炭素に向けてどういう形になっていくのか、前向きな議論と結びつけていくということが、広報活動にしても対話にしても大変重要だということを最近感じている次第です。
 いろいろ広報活動なども大変頑張っていらっしゃるのはよく分かっています。先ほど、NUMOはヒアリングしながらやっていらっしゃるし、また、元気ネットさんもワークショップをやっていらっしゃるので、いかに対話型でワークショップをしながらよい関係を築いていくのか。ただ一方的に情報を出していくのではなくて、対話型の仕組みをどうやって導入していくかというのも、高レベル放射性廃棄物だけではなくて、こちらでも重要なのではないかなと思います。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは、岡本委員と足立委員、織委員と意見が出ましたので、JAEAからありますでしょうか。
【板倉副理事長(原子力機構)】  副理事長の板倉でございます。
 先生方、御意見ありがとうございます。このような処分場の立地というのはなかなか難しいところでございますが、JAEAでは全国に10か所の拠点がありまして、私どもも日々、地元の自治体の方、あるいは地元の住民の方々と意見交換をしております。その中でも、今、織委員がおっしゃったように、様々な地域の抱えている多様な課題がありまして、例えば、地域の財政が厳しいというようなニーズでありますとか、雇用を何とかしたい、あるいは若い人が少なくなっているので、若い人が集まってもらえないかとか、あるいは地域の誇りになるような何か施設がないのかとか、様々な声を日常的に受けているところでございます。
 やはり処分場の立地に当たりましても、我々はそういう自治体、あるいは住民の具体的なニーズをうまく酌み上げて、なかなかNUMOさんのようにお金がないので、限りはあるかと思いますけれど、できるだけ地元の方々の御要望にもお応えするような地域振興をインセンティブとして我々も行いながら、処分場の立地についても御理解をいただくというような取組を進めていければと思っておりますので、また、いろいろな御支援、御示唆をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、時間も押しておりますので、次の議題に移っていきたいと思います。
 続きまして、日本アイソトープ協会及び原子力バックエンド推進センターから、取組状況についてそれぞれ説明をお願いいたします。質疑応答は、二つのところからの発表を終わった後、まとめて行います。
 まず、RI協会の取組につきまして、大越委員から御説明をお願いいたします。
【大越委員】  RI協会の大越です。よろしくお願いいたします。
協会のRI廃棄物管理の現状と課題ということでお話しさせていただきたいと思います。
 まず、現状ということでございますけれども、RI協会は、全国の放射性同位元素の使用施設、あるいはその放射性発生装置の使用施設で発生しますRI廃棄物を、集荷、貯蔵及び処理するということを行ってございます。その事業を行うために、協会としては、放射性同位元素等規制法の許可廃棄業者としての許可、そして厚生労働省の指定する廃棄委託業者、その指定を受けて行ってございます。
 1ページ目、協会が集荷している廃棄物の発生事業所でございますけれども、放射性同位元素等の規制に関する法律の許可を受けてRIを使用しております教育機関等が約1,100事業所ございます。また、医療法の許可を受けてRIを使用している病院、診療所、これが約1,200か所。また、数は少なくなりますけれども、臨床検査技師等に関する法律、薬機法の許可を受けて放射性医薬品を製造している業者からおのおの10社程度から廃棄物を集荷してございます。
 複数の廃棄業者の許可を取得している事業所がございますけれども、全国の施設からRI廃棄物を集荷している事業者としては協会のみでございますし、厚生労働省から指定されている事業所はRI協会のみといった現状にございます。
 2ページ目、こちらの図では、RI廃棄物の発生から処分までの廃棄物管理の一連の活動のうち、RI協会がどの部分を担当させていただいているかということを示したものでございます。オレンジ色のラインが放射性同位元素等規制法の施設から発生してくるRI廃棄物、研究RI廃棄物と略称させていただきますけれども、そちらの流れを示しております。また、医療法等から発生しますRI廃棄物、今後、これ以降、医療RI廃棄物と呼ばせていただいていますけれども、緑のラインで示してございます。
 まず、研究RI廃棄物でございますけれども、発生場所から集荷の依頼を受けますと、協会の職員がそこまで赴きまして、所定の検査を行った上で貯蔵施設まで運搬してまいります。また、その後、処理については、かずさ環境技術センターにおいて行うといった流れになってございます。
 一方、医療系のRI廃棄物については、同様に発生事業所に赴きまして集荷をしてまいりまして、貯蔵施設に運搬した後に、岩手県にございます茅記念滝沢研究所のほうで処理を行うという流れになってございます。
 また、将来的な埋設処分については、日本原子力研究開発機構に全て委託するということで計画をしてございます。
 3ページ目、RI協会が集荷してございます廃棄物の種類別の内訳ということでお示ししてございます。2017年度から2021年度までの5年間の平均ということでお示ししてございますけれども、研究RI廃棄物は200L容器換算で約3,900本程の量が発生して集荷してございます。
 この内訳としましては、可燃物、難燃物、動物、焼却型フィルタを加えたような可燃性廃棄物が約6割を占めてございまして、それ以外の燃えないような廃棄物が35%、無機、有機液体が合わせて約4%といった状況になってございます。
 一方、医療RI廃棄物については、5年間平均で約2,800本発生してございまして、可燃性廃棄物が8割、不燃性廃棄物が2割ぐらいなっており、医療系では液体状のRI廃棄物は発生していないという状況になってございます。
 このように、可燃性廃棄物が過半数、80%ぐらいを占めてございますので、後ほど説明させていただきますように、焼却処理といった減容処理を行ってございます。
 4ページ目、こちらはRI廃棄物に含まれている主な核種をお示ししてございます。いわゆるRI廃棄物につきましては、放射能レベルは比較的低いですけれども、含まれている核種は多様でございまして、研究系のRI廃棄物でございますと、ベータ線を放出するようなトリチウム、炭素14といったような、比較的半減期が長い放射性核種が、放射能量的には多く含まれてございます。
 一方、医療RI廃棄物につきましては、病気の診断でありますとか治療等に用いられるという性格がございますので、ガンマ線を放出する核種が比較的多く、また、人体に投与するといった観点からも、半減期が短い放射性核種が主でございます。
 また、放射線発生装置の使用に伴って発生します放射化物につきましては、放射線発生装置を構成している金属、あるいはその放射線発生装置を設置してある室内のコンクリートが放射化するといったことで、それらの構成材に含まれている微量の天然放射性元素が中性子に当たって放射化することによって、比較的半減期が長い核種が発生していくといった現状でございます。
 5ページ目、こちらのグラフは、RI協会が集荷及び処理している廃棄物の量の推移を1991年から2021年までの30年間で示したものでございます。棒グラフにつきましては、集荷した量を示してございまして、折れ線グラフにつきましては、処理したRI廃棄物の量を示してございます。
 まず、集荷でございますけれども、緑色の棒グラフが医療RI廃棄物、黄色い棒グラフが研究RI廃棄物の集荷量の推移を示してございます。集荷量につきましては、2000年頃をピークにしまして、この当時は約2万本集荷をしてございましたけれども、RIを使用している事業所の減少、あるいはその廃棄物管理が発生事業所において徹底されているといったことで、集荷する量は年々減少傾向をたどってございまして、近年では医療、研究合わせて約7,000本程度といった状況になってございます。
 次に、処理でございますけれども、研究RI廃棄物につきましては、2003年までは、当時の日本原子力研究所東海研究所、今の日本原子力研究開発機構原子力科学研究所に処理を委託してございましたけれども、処理の委託が困難になったということがございましたので、研究系のRI廃棄物を処理するための設備を協会が自前で整備するということで、2009年に処理設備の運転を開始してございます。その後、処理能力の増強をしていったということがございまして、多少、初期は運転が不安定なときもございましたけれども、現状、年間9,000本程度の処理が可能といった状況になってございます。
 一方、医療のRI廃棄物につきましては、茅記念滝沢研究所のほうで1987年から処理を開始してございます。開始した当初は、処理ができずにたまっていた医療RI廃棄物が多数ございましたので、年間1万本ほど処理をしている時期もございましたけれども、こちらも医療RI廃棄物の発生量の低減に伴いまして処理量は減ってまいりまして、後ほど詳しく説明させていただきますけれども、2020年度からは、医療RI廃棄物の処理を休止しているというような状況にございます。
 6ページ目、RI廃棄物の処理の目的等を簡単にまとめてございます。処理の目的としては、まず、減容といった観点から、焼却・仮焼処理、圧縮処理といったものを行ってきました。圧縮処理については、過去、行ってきてございますけれども、現状は行ってございません。
 また、安定化ということで、処分時にガスが発生するほか、分解することで有機物が問題となりますので、その無害化するよう無機化する観点で、やはり同じく焼却・仮焼処理を行ってございます。
 仮焼処理につきましては、少し耳慣れないかもしれませんけれども、焼却処理よりは温度が低い、約500℃程度で加熱することによって、複合材料でございますような、例えば、ガラスバイアルに紙のレッテルが貼られている、そういったものを焼却炉内に投入することによって、低い温度で燃すことによって有機物を分解するといった手法でございます。
 将来計画として、将来、埋設処分を原子力機構にお願いしますけれども、それに適したような廃棄体化といったことも将来行いたいということで検討してございます。そちらについては、次の7ページ目で説明をもう少し加えたいと思います。
 6ページ目で御説明しましたように、可燃性、不燃性、液体廃棄物を併せて焼却・仮焼処理といったようなことを行ってございます。
 その結果、発生しました残渣については、将来計画という形になりますけれども、埋設処分に備えて、セメント固化、あるいはその溶融処理といったことを行っていきたいと思っております。
 また、減容処理に適さないようなコンクリート、金属、土砂等につきましては、よく福島の汚染事故で発生した除染土を黒色の袋に詰めているような映像を御覧になったことがあるかと思いますけれども、その際に使われているフレキシブルコンテナに封入するといった対応をした上で、放射能レベルに応じてピット処分、あるいはトレンチ処分を、原子力機構に委託したいと考えてございます。
 また、クリアランスについても、協会として検討はしてございますけれども、現状、実施には至ってございません。引き続きクリアランスを目指して検討を進めたいと考えてございます。
 8ページ目、こちらのグラフは、協会のRI廃棄物の貯蔵量の推移を示したものでございまして、2012年度から2021年度までの推移を示してございます。こちらのグラフを見ていただきますと、緑色の部分が医療RI廃棄物、黄色い部分が研究RI廃棄物でございますけれども、2013年度がピークになってございまして、少しずつでございますけれども、研究RI廃棄物の処理が進んでおり、右肩下がりになってございます。
 一方、先ほど申しましたけれども、医療RI廃棄物については2020年度から処理を休止してございますので、若干上昇していくような状況になってございます。
 現状、合わせて14万8,000本程度の廃棄物を貯蔵してございまして、協会の貯蔵能力の約60%を占めるといった状況になってございます。
 先ほどから何回か出てきてございます、茅記念滝沢研究所におけます医療RI廃棄物の処理を休止したという経緯について、9ページ目で簡単に御紹介したいと思います。
 先ほど来、お示ししたように、医療RI廃棄物の発生量が減少しておりまして、それに伴って処理量も減少してございます。先ほどのグラフで説明しましたように、貯蔵量については比較的余裕がありますので、医療RI廃棄物の搬入、焼却処理を休止したとしましても、協会の所有している貯蔵施設の貯蔵限度内で貯蔵を継続していくことは十分に可能であると判断しまして、2019年度から滝沢研究所へのRI廃棄物の搬入は停止して、その後、滝沢市に処理の休止について御説明をし、御了解をいただいた上で、2020年度から処理は休止するという状態に至ってございます。
 ただし、休止でございまして、今後廃棄物の発生量が増えてきたり、貯蔵量が逼迫したりする場合には再度処理をするということで、焼却処理設備についても、維持管理、点検は継続的に実施してございます。
 10ページ目、今後の課題ということで3点ほど書かせていただいてございます。新たな放射性医薬品の登場ということで、従来使われてきました放射性核種に比べて、アルファ線を使った放射性医薬品と、治療薬が新しく出てきておりまして、今後も増加すると予想されてございます。今後は、アクチニウム225や、アスタチンの221といった、これまで使用されてこなかったアルファ核種、放出核種が増えてきそうだということで、そういった新たな放射性核種を使った廃棄物の管理方策についても対応していく必要があるだろうということがございます。
 また、放射線発生装置等の廃止措置に伴いまして、金属やコンクリートといった、減容処理が困難で重いRI廃棄物が大量に発生してくると。保管能力が逼迫しないような対応が協会としても必要になってございます。PET製造用のサイクロトロンが日本国内に約150台あって、近年は、毎年1、2台が廃止措置されるといった状況がございますし、将来的にはより大型の放射線発生装置の廃止措置も予想されてございますので、そういった対応が必要になってくるだろうと思ってございます。
 また、処分に向けた廃棄物管理方策ということで、先ほどJAEAから、種々、埋設処分の技術基準の検討状況などを御説明していただいてございますけれども、そういった技術基準に対応するような形で協会も対応していく必要があります。
 また、廃棄体化したものを、JAEAに渡せるように、放射能濃度の確認等をしっかり行っていく必要があるということで、課題を書かせていただいてございます。
 課題に関連して、RI廃棄物の処理・処分に関わる法律の整備状況を、11ページ目で簡単に御紹介させていただければと思います。
 放射性同位元素等規制法、RI法と書かせていただいてございますけれども、RI法においては、許可廃棄業者が処理をすることもできますし、一部法令が未整備の部分はございますけれども、許可廃棄業者が埋設処分をすることもできるということで、RI法の下では処理・処分ができるという法整備がほとんどできている状況になってございます。
 また、平成29年にRI法の改正が行われまして、RI廃棄物については、一定の基準を満たすものについては原子炉等規制法で発生した廃棄物としてみなせるということで、原子炉等規制法の廃棄物管理事業者、あるいはその廃棄物埋設事業者に処理・処分を委託できる流れもできてございます。
 一方、医療法につきましては、処理については、指定委託業者でできますけれども、残念ながらまだ処分のための法令整備がなされていないということがございますので、協会としては、関係省庁にいろいろ情報提供しながら、医療法等の廃棄物につきましても、今後、埋設処分ができるための法令整備をしていただければということで進めていきたいと考えてございます。
 12ページはまとめということで、協会では、有用な放射性同位元素、あるいはその放射線発生装置が円滑に利用できるような形を維持していくために、RI廃棄物の管理を引き続き安全かつ効率的に実施していきたいと思っておりますし、将来の処分に向けて、原子力研究開発機構、RANDEC等と緊密に連携していきたいと考えてございます。
 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございました。続きまして、RANDECの説明に関しまして、泉田理事長からよろしくお願いいたします。
【泉田理事長(RANDEC)】  よろしくお願いいたします。
 大学・民間等廃棄物の集荷・処理事業について御説明を申し上げます。
 2ページをお願いいたします。
 RANDECのことを御存じない委員の方もいらっしゃるかもしれませんので、まず、最初に沿革を示しております。
 これは平成元年(1989年)に原子力施設デコミッショニング研究協会として発足をしております。当時の科学技術庁の所管の法人として、主に研究開発用の原子力施設のデコミッショニングに関する研究や人材の養成等を目的につくっております。
 当初はデコミッショニングに関していろいろと業務をしておりましたが、2008年から、研究施設等廃棄物のうち、大学・民間等が保管する廃棄物を集荷・処理する事業の検討の開始をしております。
 3ページお願いいたします。現在の公益財団法人原子力バックエンド推進センターの事業内容について示しております。RANDECでは、1番から4番の事業内容を主に実施しております。1番目が、大学・民間等の廃棄物の集荷・処理事業。2番目が、原子力のバックエンドに係る調査研究。それから3番目が、その成果普及。4番目が、技術コンサル等の実施をしております。最近はやはり1番、2番が中心です。特に1番を中心に業務を進めているところでございます。
 4ページお願いいたします。これは我が国の放射性廃棄物と書いてありますが、左側が電力さんを中心に行っております核燃料サイクルから出てくる廃棄物。電力さんは既に低レベル放射性廃棄物の処分を行っております。それから、NUMOで高レベル放射性廃棄物とTRU廃棄物の検討を進めています。
 民間企業は研究施設等廃棄物ということで、先ほどのRI協会さんが集めているRI廃棄物、それと真ん中の原子力機構さんが自らの施設で発生している廃棄物、それから右側は、それ以外の大学・民間等の研究炉や、ウランの取扱い施設から発生する廃棄物。これらの廃棄物につきましては、それぞれの事業所で、今、そのまま保管されている状況でございまして、これらを集荷、処理して、原子力機構さんが立地する埋設の施設に持っていけないかということの事業の検討をRANDECが進めているところでございます。
 5ページお願いいたします。
 大学・民間等の廃棄物処理事業の検討ということで、1番目で、2008年から、主要な廃棄物発生事業者、これは廃棄物の9割ぐらいを占めますが、その民間の発生事業者から、人的、資金的協力を得て、事業化の調査研究を開始しております。
 2番目が実施の内容です。この発生者は、RANDECの処理事業を資金、それから人員ともに支援をしますと。そして、RANDECは公益事業としてその事業を推進していくということを、お互いに約束を交わして検討を開始しました。
 どのような検討をしているかといいますと、廃棄物の調査、それから処理技術、事業のシミュレーション、それから事業資金の調達をどうするかということを中心に検討を進めております。
 6ページお願いします。これは、その大学・民間等の廃棄物としてどういうものがあるかということを示しております。
 左側が現状の廃棄物で、ピット処分相当とトレンチ処分相当、それぞれの割合でどれくらいあるのかということを示しております。大体98%から99%がトレンチ処分相当の廃棄物、極めてレベルの低い廃棄物がほとんどを占めるということでございます。
 右側は、将来発生分を赤で示しておりますが、将来発生分も含めてどのような廃棄物が出るのかということを示しており、ウラン廃棄物が大部分を占めるということになります。
 下にどのような核種があるかということを示しております。ウランの廃棄物が大体7割ほど、それから、βγ、これは試験研究炉から出てくるものです。それから、TRU、これは照射後試験施設から将来出てくるであろうということで、一部出ております。それから、RIとウランの混合の廃棄物も一部にはあるという状況でございます。
 これらの廃棄物に対しての処理事業の検討を進めております。
 7ページお願いします。実際の集荷・処理の状況をここで示しております。
 大学民間等の施設の稼働状況と書いてありますが、大部分は保管管理のみと。それから下に廃棄物発生事業者の意向ということで書いてありますが、全廃棄物発生者の意向調査の結果では、RANDECで集荷、処理することを希望しますというのが大部分です。8割の事業者が速やかに廃棄物を引き取ってほしいと。その理由が、保管容量が逼迫している、容器が腐食している、それから地元からの要請等があるということでございます。
 上のほうに行きまして、2番目で廃棄物処理の課題と書いてありますが、廃棄物の性状の把握と処理方法をきちんと検討しないといけない。それから、管理技術者等の人材を確保して事業を始めないといけないと。そしてRANDECとしては、集荷、そして処理施設を立地しないといけないという問題がございます。
 3番目、これは主要廃棄物発生事業者からの支援と書いてありますが、2008年から検討を始めた段階では、大きな支援をいただいて検討を進めてきておりましたが、埋設施設の操業の時期が不明確になっているということから、現状はその支援規模が大幅に縮小されているという状況で、半分スリーピングな状況という段階でございますので、速やかに脱却をしていきたいと思っております。
 8ページお願いします。これまでに検討をしてきた内容の御紹介を簡単にしてまいります。廃棄物処理工程のイメージは、開梱分別、減容、安定化、それから廃棄体化、それと廃棄体の確認をした後に埋設の施設に搬出をするというものでございます。
 RANDECとしては、現状は開梱分別して、切断や圧縮や焼却、その程度の処理にしようと考えており、大規模の溶融までは考えておりません。そして、これらを安定化処理、もしくはフレキシブルコンテナ、ドラム缶等に入れて廃棄体化して、その廃棄体の検査をした後に搬出をするということを考えております。
 9ページお願いします。これは事業のイメージです。全国的には100近い事業者がありまして、そこから廃棄物をRANDECの処理の施設まで運びまして、そこで貯蔵保管で、中身を分けて処理して廃棄体をつくり、原子力機構の埋設の施設に持っていくというものでございます。
 現状、年間2,000本程度の処理をしたいと考えております。トータルとしては、RANDECの対象となる廃棄物のドラム缶は、現状は7万本程度を想定しております。
 10ページお願いします。これは事業のシミュレーションの前提条件を示しております。7万本を約30年間で集荷して処理し、年間5,000本程度の集荷をしていきたいということで、大体人員が50名程度としており、施設の立地が確定した段階で、大体7、8年後に廃棄物の受入れができるような形で実施したいと思っております。
 では、11ページお願いします。実際にどのような設備が必要になるかということを簡単に示しております。建物としては、廃棄物の保管庫、分別建屋、廃棄体の製造建屋等です。このような設備を全部含めて、初期投資は大体30億円くらいかとこの段階では見ております。
 12ページお願いします。これらの条件を基に損益のシミュレーションの結果を示したものでございます。白丸が収入です。売上計上をしていくものでございます。ですから、事業開始から7年後ぐらいから白丸が立ち上がっていきますが、これが事業収益として売上計上をしていくということでございます。そのほかの実線は、全部コストを示しております。最初に立ち上がっている山は、初期の事業を立ち上げるための人件費等になります。その後に、それ以外の人件費ですとか、焼却炉といったいろいろなものが費用としてかかりますということでございます。そして、最後に、32、3年後に立ち上がっているのが、施設の廃止をしようというものです。原状回復の費用として立ち上がっております。
 ですから、これらの費用全部が、白丸の売上計上で全部相殺をするという事業のシミュレーションでございます。
 13ページお願いします。結果をまとめたものでございます。
 設備資金が30億円程度です。準備資金が10から15億。それから、廃棄物の処理の費用、詳細は精査中と書いてありますが、先ほどのグラフからの試算をした段階では、200リットルドラム缶当たり30万円から40万円くらいの費用になるという試算が出ております。これには集荷や処分の費用は含まれておりません。
 それでは、14ページお願いします。これからの検討課題です。1番目は事業実施に係る業務として、事業資金や契約、それからエンジニア及び施設管理等の人材確保、業務の安全確保、事業認可申請です。それから設備の計画。廃棄確認に係る技術検討。そして最後に個別廃棄物に係る課題の検討とあります。
 これらは当然これから実施していく業務でございますが、特に4番目の廃棄物の物量と性状調査及びデータベースの構築、これ最初に必要だろうと考えております。というのは、現状、物量や核種の調査は大体分かっているのですが、具体的なドラム缶の中身ですとか、廃棄物の性状等、事業者によって千差万別ということがあります。特に、古くからある大学はいろいろな廃棄物を持っていっているということで、全部まとめてデータベースにしないと適切な処理方策を計画できないと思っておりますので、この辺のところを中心にきちっとやっていかないといけないと思ってございます。ですから、現状はこれらの項目を全部、工程表に組んで、現在検討を進めているという状況でございます。
 RANDECからは以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、アイソトープ協会とRANDEC、両方の説明につきまして、何か御質問、コメントがございましたらお願いいたします。
 足立委員、よろしくお願いいたします。
【足立委員】  元気ネットの足立です。
 RANDECさんにちょっと質問いたしますが、放射性廃棄物の集荷・処理ということですけれども、私が心配なのは、運搬車両等や、実際の処理施設での環境や安全性の管理のシステムについてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。例えば、運搬であれば、PCBの工場などでは、運搬車両にGPSをつけて、異常がないかどうか常に確認できるようなシステムを取り入れていますよ。そういったことをお考えでしょうか。よろしくお願いします。
【泉田理事長(RANDEC)】  先ほど全国に約100事業所あると言いましたけれども、そのうち実際に廃棄物を1本以上持っているところは40、50程度あり、そこから運んでこないといけないということで、我々としては、輸送に関しても検討課題と考えております。
 ただ、廃棄物の中身の多くはウラン廃棄物ということで、線量が低いということと、従来パターンではそれほど厳重な輸送の方式を取らなくていいような形で運べるというのが現状の法制になっております。ただ、実際途中で事故があっては困りますので、基本的には輸送の専門業者を使ってきちんと対応したいと考えております。
 処理の施設の中での安全の対策等については、確かにドラム缶の中身を開けてそれぞれ仕分してということで、実際にはほとんど全部を人手でやることになると思います。それは電力さんが発電所で実際にやられていますし、原子力機構さんが東海の事業所で実際にやられております。
 ですから、それらを十分に参考にして、安全対策をきちっとして、実際の作業者被曝量は完璧にゼロになるように、それから外部被曝も最小になるように、実際の運用マニュアルを数年かけてきちっと検討していく必要があると考えております。
 以上でございます。
【足立委員】  よく分かりました。どうぞよろしくお願いします。
【出光主査】  ほかはございますか。岡本委員、どうぞ。
【岡本主査代理】  これは35年のモデルになっているのですけれども、これがもし35年で埋設処分が始まらなかった場合に自動的に延長になってしまうと、ビジネスモデルとしては成立しないのではないかという気がするのですけれども、そのリスクについてはどのようにお考えでしょうか。
【泉田理事長(RANDEC)】 現状は、埋設施設の立地の決定から始まるというシミュレーションをつくっております。ですから、例えば、来年や再来年、数年以内に原子力機構さんの埋設施設の立地が決定すれば、それから、7、8年後にRANDECが集荷を始めるというよことを想定しております。ですから、基本的には埋設の施設が集荷と同時にほぼ完成していることが確定しているという条件でつくっております。
 ただ、運用の途中で、埋設の施設で廃棄体の受入れが5年、10年止まるという状況になれば、それは大きなリスクになります。その間にどうするかというのは我々の最大のリスクとして見ています。
 一つの方策として、基本的に廃棄物を受け入れた段階で、公益事業だから、事業全体のリスクを皆さんで背負いましょうという契約にするのかといった検討もいろいろとしております。ただ発生者さんはなかなか了承されないかもしれません。ですから、運用が始まってからのリスクがやはり最大です。ですから、その辺のところは我々の解決策が現状持っていないというところで御理解ください。
【岡本主査代理】  例えば、35年を50年とか70年とかにあらかじめ延ばしておくと、その分、40万円が80万円になるかもしれませんということですね。分かりました。
【出光主査】  ありがとうございました。
 アイソトープ協会とRANDECには、今後とも適宜御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、続きまして、事務局から、資料5に基づいて説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  資料5を御覧ください。時間も押していますので、ごく簡単に説明させていただきます。
 2ページ目、埋設事業のこれまでの経緯を書いてございますが、既にJAEA等から御説明がありましたので、ここは省略させていただきます。
 3ページ目、現状と課題でございます。
 現状と課題のところでは、参考2として諸外国の例として、海外では公募というやり方も行われていますということを入れており、現在の課題として三つ記載しております。理解増進活動の強化や選定プロセスの透明性・公平性のさらなる向上、また自治体の決断や地元説明の負担という課題が現状としてあるのではないかというところで、上の囲いに書いていますが、全国のできるだけ多くの地域で関心を持っていただくということがまずは重要なのではないかと認識しております。
 その上で、最後、4ページ目でございます。
 今後のさらなる取組の方向性というところでございます。これまで以上に国が前面に立った取組を進めるということと、あわせて、原子力機構、日本アイソトープ協会、原子力バックエンド推進センターとがさらに連携協力して、それぞれの機能・活動をより一層強化していくことが必要ではないかということで、丸1 から丸3 を挙げています。
 丸1 としましては、それぞれの関係機関が連携協力した理解増進、理解活動を強化していくということ。
 丸2 としましては、それぞれの実施主体の機能・活動の充実ということで、体制の強化、広報等の活動の充実、また本日のようなこういった検討の場を定期的に行うことで検討状況を公表していくことも重要と思っております。
 最後に丸3 としまして、本日、JAEAから御説明がありましたけれども、実施計画に記載されておりますので、そういったことも踏まえまして、協力要請方式と併せて募集方式も含めた方策について、様々検討していくことが必要ではないかということでまとめさせていただいております。
 説明は以上になります。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局の説明に対しまして、何かコメント、あるいは質問はございますか。岡本先生。
【岡本主査代理】  東大の岡本です。
 やはり高レベル放射性廃棄物という非常に大きなプロジェクトが別途進んでいる中で、この低レベル放射性廃棄物に対しての話なのですけれども、恐らく一般の方々は高レベル放射性廃棄物も低レベル放射性廃棄物も、差がない、一緒だと、同じ放射性廃棄物という認識でいらっしゃる。逆に、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物は全然違うのだと。低レベル放射性廃棄物は先ほどありましたように300年、L3であれば本当は50年ですから、場合によっては名前を変えるといいますか、そこら辺の御理解をマスコミも含めてしっかりと理解していただくことが一番重要かと思います。
 そういう意味では、少し別なのですけれども、ALPS処理水については、今、国が前面に立って放出計画が進んでおります。低レベル放射性廃棄物については、ALPS処理水並みと言ったら変ですけれども、そのようなイメージ戦略も含めて、低レベル放射性廃棄物というキーワードも含めて、高レベル放射性廃棄物との違いを明確化できるような施策、方策をぜひ考えていただけたらと思う次第であります。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。なかなか難しいコメントだったと思いますが、何らかのいいアイデアが出ればと思います。ほか、ございますか。
 そうしましたら、議題3「今後の課題」につきまして、事務局からお願いいたします。
【阿部室長(事務局)】  資料6を御覧ください。
 原子力バックエンド作業部会につきましては、今期は、本日が最後ということでございますので、次期に引き継ぐ検討事項というものを整理しておきたいということで、事務局で作業させていただきました。
 中長期的な課題も含めてということになりますが、事務局で挙げさせていただいたのは4点でございます。
 まず、(1)としまして、本日御議論いただきました研究施設等廃棄物の埋設事業をしっかりと推進していくということで、これまで以上に関係機関等が協力して進めていくことが必要だということを記載しております。
 続いて、(2)原子力機構のバックエンド対策の着実な推進ということで、原子力機構におきましては、施設中長期計画やバックエンドロードマップを策定して進めているわけですけれども、しっかりと引き続き取組を進めていくことが重要ですので、その旨記載してございます。
 めくっていただきまして、(3)大学等の廃止措置の推進ということでございます。JAEAの廃止措置をしっかり進めることと併せて、大学等の廃止措置も今後進んでいく時代になってきていますので、そういった課題を捉えていく必要があるのではないかと認識しております。各大学においては状況が様々でありますので、原子力学会等を含めて、コミュニティーの考え方、また、原子力委員会からも本日御紹介しました低レベル放射性廃棄物の処理・処分に関する考え方という見解が出されていますので、そういったものを踏まえて、適切に対応がなされることが必要だろうと考えております。
 最後に(4)でございますが、令和3年4月にJAEAは、IAEAのARTEMISレビューを受けておりまして、第3回の本作業部会で確認、方針を出していただいてございますので、今後、適当な時期にしっかりとフォローしていく必要があると考えております。
 以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして、何かコメント、あるいは御質問等ございますか。今後の方針等も含めまして、皆様から御意見をいただければと思います。岡本委員。
【岡本主査代理】  東京大学の岡本です。
 方針については適切にまとめていただきまして、どうもありがとうございます。やはりその中でも一丁目一番地がこの(1)にあります埋設事業の推進ということでありますけれども、スペインやイギリスやアメリカといった、海外の事例を見ても、処分場がある国はこの廃止措置が進んでいます。
 先ほど、アメリカが3から5年の方が安上がりだという話を申し上げましたけれども、それも廃棄物処分場があるからで、3年とか5年で壊してすぐ埋設してしまいます。アメリカはクリアランスもありませんので全て埋設しますけれども、そうすると非常に安上がりに済むという話でありますし、国民のリスクも低減します。
 廃棄物埋設事業が進めば、廃止措置の8割くらいは終わると思っておりますので、廃棄物埋設事業の推進を、より積極的に、この一丁目一番地をしっかり進めていただく、そういうときに、低レベル放射性廃棄物というキーワードを含めて、ぜひ社会に受け入れられる形での施策の実行をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  コメントありがとうございます。私からも追加でいきますと、規制が日本とアメリカはかなり違っておりますので、事務局からも規制に意見等を言っていただければと思います。
 澁谷委員、よろしくお願いいたします。
【澁谷委員】  RANDECの澁谷です。
 ぜひ、JAEAさんの第4期中長期計画の期間の年度展開を我々は早く提示していただきたいと思います。次の作業部会に持ち越されるのかどうか分かりませんが、ぜひ、第4期中長期計画の期間の年度展開をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  ありがとうございます。この会議は今回が最後になりますので、次の委員会に引継ぎということになるかと思いますが、事務局から何か回答はございますか。
【阿部室長(事務局)】  今の御指摘のところ、埋設事業の展開の御指摘、もしくは原子力機構のバックエンド対策全体に対する御指摘かと思いますけれども、JAEAと相談して、次回以降、本会議でも取り上げられるかどうか検討したいと思います。
【出光主査】  ありがとうございます。ほか、ございますか。
 よろしければ、本日が第11期の最後の原子力バックエンド作業部会となります。いただきました意見ですけれども、今度、2月10日に親委員会が開催されますので、主査の私からこの原子力バックエンド作業部会の報告をさせていただきたいと思います。
 それでは、本日いただきました意見は、事務局と私でまとめさせていただいて、整理させていただきまして、最終的には私預かりとして御一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
【出光主査】  ありがとうございます。そうしましたら、取りまとめた結果につきましては、事務局を通じて皆様に御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日予定していた議事は以上で終了でございますが、そのほか、何か御意見はございますか。よろしゅうございますか。
 そうしましたら、本日の議事録につきましては、出来次第、メールにて御確認いただきます。その後、ホームページのほうに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
【菊地班長(事務局)】  事務局からでございます。本日が今期最後になりますので、閉会に当たりまして、研究開発局審議官の林より御挨拶をさせていただきます。
【林審議官(事務局)】  研究開発局担当審議官の林でございます。
 本日は活発な御議論をいただき、どうもありがとうございました。本部会第11期の最後の開催となりますので、閉会に当たり、文科省からも一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 昨今のエネルギーの価格高騰や国際情勢の不安定化など我が国を取り巻く状況が一層複雑化する中、政府としては、原子力はグリーントランスフォーメーションを進める上で不可欠な脱炭素エネルギーと位置づけており、次世代に向けて原子力イノベーションを促進する必要性が高まってきております。
 こうした中で、新規制基準や高経年化等に適切に対応しつつ、我が国全体の原子力分野の研究開発力を維持発展させていくということが重要になってきており、そのためにも、安全を確保しつつ、原子力施設の廃止措置や放射性廃棄物の処理・処分等を着実に進めていくことが従来にも増して喫緊の課題となってきております。
 今期、第11期の作業部会では、原子力機構のバックエンド対策、国際的なレビューの確認、第4期中長期目標の策定に向けた提言、また、本日もありましたけれども、埋設事業等についての様々な御意見、御議論をいただいてきました。御指摘をいただいた課題等につきましては、来期にしっかり引き継いで、文科省としても、また、この作業部会の御意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと思います。
 最後に、出光主査をはじめ、委員の皆様方に活発に御議論いただき、有意義な御意見をいただいたことに改めて感謝を申し上げます。今後とも原子力行政への御支援、御指導をお願い申し上げます。
 以上です。どうもありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございました。長らく委員会に御協力いただきましてありがとうございました。これで第5回の原子力バックエンド作業部会を閉会いたします。委員の皆様方、2年間にわたりまして活発な御意見をいただきましてありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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