第9期地球観測推進部会(第1回) 議事録

1.日時

令和3年6月10日(木曜日)15時30分~17時30分

2.場所

オンライン開催

3.出席者

委員

春日部会長,小縣部会長代理,赤松委員,岩崎委員,岩谷委員,上田委員,浦嶋委員,蟹江委員,河野委員,川辺委員,三枝委員,佐藤委員,嶋田委員,神成委員,平林委員,堀委員,村岡委員,六川委員,若松委員

文部科学省

生川研究開発局長,土居下環境エネルギー課長,石川環境科学技術推進官,葛谷課長補佐,堀川地球観測推進専門官

4.議事録

議題(1)部会長の選任及び部会長代理の指名(非公開)
科学技術・学術審議会令第6条第3項の規定に基づき、委員の互選により、春日委員が部会長に選任された。また同第6条第5項の規定に基づき、小縣委員が部会長代理に指名された。

議題(2)地球観測推進部会の議事運営について(非公開)
地球観測推進部会運営規則について事務局より説明。
以降、運営規則第5条の規定に基づき公開。

【堀川地球観測推進専門官】 事務局から傍聴者の方へのお願いとなります。
本日はオンラインでの開催となっております。万が一システムトラブル等で傍聴不可となった場合は、後日公開する議事録を御確認いただきますようお願いいたします。
それでは、傍聴者の方々の入室を確認できましたので、議事進行を春日部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】 皆様、第9期地球観測推進部会の部会長に就任いたしました春日文子と申します。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。本日の司会進行を務めさせていただきます。至らないところもありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、第9期の部会の開催に当たりまして、文部科学省から御挨拶をいただきます。生川局長、よろしくお願いいたします。
【生川研究開発局長】 春日部会長ありがとうございます。研究開発局長の生川でございます。本日は第9期地球観測推進部会の第1回目の会合となりますので、事務局を代表させていただきまして、一言挨拶をさせていただきます。
委員の先生方には、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、本部会の委員をお引受けいただき厚く御礼を申し上げます。
地球観測推進部会は地球観測の推進戦略を踏まえて、関係府省、機関の緊密な連携調整の下で、地球観測の推進に関する重要事項の調査・審議を行うものとして設置をされています。
昨今の気候変動問題や防災・減災、生物多様性保全等への対策を進めていく上で、客観的、科学的なエビデンスとなる地球観測の役割はますますその重要性を増しているところであります。
第6期科学技術・イノベーション基本計画や、統合イノベーション戦略においても、地球観測の体制強化や、長期的、安定的な観測、観測技術の高度化、地球環境ビッグデーターの利活用の促進が掲げられており、地球観測の重要性が強く打ち出されているところであります。
今期、第9期の部会におきましても、これまでの本部会で取りまとめていただいた報告書や基本計画等を踏まえつつ、地球観測をさらに強力に推進していくため、専門的観点から様々な御意見をいただければありがたいと考えております。
文部科学省といたしましても、この部会での議論を踏まえながら、我が国のみならず、世界が直面しております様々な地球規模課題の解決に貢献していくことを目指して、関係府省庁、大学、研究機関、産業界、自治体等と連携し、地球観測の実施と観測データの利活用をより一層推進していきたいと考えています。
委員の皆様におかれましては、活発で忌憚のない御議論をいただきますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
【春日部会長】 生川研究開発局長どうもありがとうございました。大変心強い御挨拶で、励ましをいただいたと思います。
続きまして、第9期地球観測推進部会、部会委員の皆様を事務局から御紹介いただきます。では、よろしくお願いいたします。
【堀川地球観測推進専門官】 それでは、事務局より第9期地球観測推進部会委員を御紹介いたします。
独立研究開発法人国立環境研究所 春日部会長、東日本旅客鉄道株式会社 小縣部会長代理、国際航業株式会社 赤松委員、独立行政法人国際協力機構 岩崎委員、オフィス気象キャスター株式会社 岩谷委員、京都大学大学院 上田委員、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 浦嶋委員、慶應義塾大学 蟹江委員、国立研究開発法人海洋研究開発機構 河野委員、東京海洋大学 川辺委員、国立研究開発法人国立環境研究所 三枝委員、東京大学大学院 佐藤委員、埼玉県環境科学国際センター 嶋田委員、慶応義塾大学 神成委員、京都大学防災研究所 中北委員、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平林委員、国立研究開発法人海洋研究開発機構 堀委員、岐阜大学 村岡委員、国立研究開発法人防災科学技術研究所 六川委員、一般財団法人リモート・センシング技術センター 若松委員、以上20名の方々に委員に御就任いただきました。
【春日部会長】 どうもありがとうございました。それでは皆様これからどうぞよろしくお願いいたします。
では引き続き、議題3に入ります。
議題3は、第9期地球観測推進部会の活動についてです。事務局から資料の説明をお願いいたします。
【堀川地球観測推進専門官】 第9期地球観測推進部会の活動について御説明いたします。
今期より新たに本部会の委員となられた方もいらっしゃいますので、まずは地球観測推進部会について簡単に御説明いたします。
資料3-1を御覧ください。
地球観測推進部会は、平成16年12月、総合科学技術会議で決定されました地球観測の推進戦略を踏まえまして、関係府省、機関の緊密な連携調整の下で、衛星や航空機、船舶や地上観測など多岐にわたる地球観測の推進に関する重要事項の調査・審議を行うこととされています。
本部会の主な活動としまして、1点目に「我が国における地球観測の実施計画」の取りまとめと2点目に提言等の作成がございます。1点目の「我が国における地球観測の実施計画」につきましては、「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」に基づきまして、各省・各研究機関が行っている衛星、航空機、船舶、地上観測等による観測活動等について取りまとめを行っております。今年度の取りまとめ結果につきましては、次回の部会にて御報告する予定です。
2点目の提言等の作成については、地球観測に関する重要事項の提言等の取りまとめを行いまして、資料2ページ目の科学技術・イノベーション基本計画や資料3ページ目にございます、統合イノベーション戦略等の政策文書への反映など、各省の方針等にも反映していただいているところでございます。
資料4ページ目でございますが、昨年度、「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」のフォローアップの報告書を取りまとめております。このフォローアップ報告書については、資料5ページ目にございます「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」の策定後、国内外の地球観測の動向や使用情勢の変化に対応しまして、おおむね3年から5年程度を目安に本部会が中心となって見直しを行うこととしており、それを受けて昨年取りまとめたものでございます。
さらに本部会の取組としまして、資料6ページ目、7ページ目にございます地球観測に関する政府間会合(GEO)への対応についても本部会の下に作業部会を設置しておりまして、GEO戦略計画の推進に関する取組方策やGEOタスクの進捗状況の把握、各種関連会合への対応などGEO戦略計画の推進に関する議論を行っております。
以上が地球観測推進部会に関する御説明です。
次に、今期の本部会の当面の進め方について御説明いたします。
資料3-2を御覧ください。
まず初めに、1の第9期における議論案としまして、「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」のフォローアップ報告書では、SDGsへの貢献としまして、SDGsの各評価指標やポストSDGsに向けた目標設定に関して、地球観測データに利活用の推進が示されていることや、科学技術・イノベーション基本計画では「STI for SDGs」活動の国際展開等の促進を通じた科学技術外交の戦略的な展開を図ることとされております。
現在のSDGsの評価指標については、我が国では、JAXAの衛星データに基づく解析情報が一部の評価指標に活用されつつある状況ではございますが、地球観測データに基づく評価指標の設定は限定的でございまして、今後のSDGsの検証等において、観測データの一層の活用が期待されているところでございます。
このような状況を踏まえまして、総務省等の関係省庁とも連携して、地球観測によるSDGsやポストSDGsへの貢献等について議論をして、まとめていきたいと考えております。
なお、今年度に予定されている気候変動枠組条約のCOP26と生物多様性条約COP15における成果や、仙台防災枠組への貢献も考慮していきたいと考えております。
2の議論の進め方としまして、SDGs達成に向けた動向や地球観測データによる貢献が期待される取組は何か、将来のポストSDGsへの貢献として期待されるものは何か、今後取り組むべきこと、さらに強化すべきことは何かという点について、議論を進めていきたいと考えております。
スケジュールとしまして、第1回目の本日の会合にてSDGsに関する現状について議論を行います。8月から9月頃ではございますが、第2回目の部会でSDGs等への貢献可能な取組につきまして、衛星や地上、海上観測の分野から御発表とヒアリングを実施しまして、実施機関等による取組状況や関連動向等について御報告、意見交換を行いたいと考えております。その後、秋以降となりますが、第3回目の部会にて、第2回に引き続いてではございますが、SDGs等への貢献可能な取組についてヒアリングを実施いたしまして、骨子案について議論をしたいと考えております。この骨子案の取りまとめ後、政策文書への打ち込みや次年度の予算要求時に各省庁にて活用していただけるように、年度末、来年度初め頃に第4回目の部会を開催しまして、取りまとめを行っていきたいと考えております。
以上が第9期部会の当面の進め方についての説明となります。
【春日部会長】 どうもありがとうございました。
今の御説明の中でありましたけれども、「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」、それから、この実施方針のフォローアップ報告書、これは参考資料1、参考資料2として、既に皆様のお手元に送っていただいているものです。また、9期の当面の進め方、方針についての案を御提示いただきましたけれども、これが前期第8期までの議論を踏まえたものだと理解しております。この中で、SDGs以外の国際的な枠組みについても触れていただきました。
ただいまの御説明について皆様から御意見、御質問をいただきたいと思います。どうぞ挙手ボタンを押していただければと思います。
三枝委員、お願いします。
【三枝委員】 御説明ありがとうございます。
私は前回も参加しておりまして、今日御説明をいただきました資料3-1に書いていただいたことについて一言補足させていただければと思います。
3-1の表紙にもありますけれども、前期の地球観測推進部会において幾つか提言等が作成され、統合イノベーション戦略などに反映されたというところですけれども、特に私どもも取り組んでおります温室効果ガスの地球観測という分野は、これまで環境省、文科省、気象庁はじめとする複数の関係府省庁や研究機関がそれぞれ行っておりました。こうした推進部会への説明や、それをまとめてイノベーション戦略に書き込んでいくといったことを通しまして、日本としての取組が前期において大分形になってまいりました。今期も温室効果ガスの削減の取組は非常に喫緊の課題ですし、それからSDGsの中で気候変動対策というのも非常に重要な取組ですので、日本における地球観測の結果がパリ協定あるいはそれの進捗確認であるグローバル・ストックテイクという国際枠組みのプロセスにしっかりと日本からのデータとしてオーソライズして、提供できるよう取り組んでまいりたいと思います。これはこの後、関係府省庁の方と相談をして、助言をいただきながら進めていきたいと思いますけれども、今期の間もぜひ、もし適切であれば推進部会で進捗の報告をさせていただければと希望しています。前期の取組の補足説明に加えて、現状を報告させていただきました。
以上です。
【春日部会長】 三枝委員、大変重要なことを御報告ありがとうございました。ぜひ今後、部会においても情報共有をお願いできればと思います。
他に御質問、御意見いかがでしょうか。
では、村岡委員お願いします。
【村岡委員】 ありがとうございます。村岡です。御説明いただきまして、ありがとうございました。
私は前期から参加させていただきましたフォローアップ報告書でも生態系・生物多様性分野のコミュニティーの意見を聞きながら、フォローアップ報告書にいろいろな考えや今後の必要重要性について文を入れさせていただきました。ただいま御説明いただいた第9期の議論案の中で、今年は気候変動枠組条約COP26が11月にあったり、10月には生物多様性条約のCOP15が中国で開催されまして、そこでは、POST愛知目標「Post2020 Global Biodiversity Framework」が議論されます。日本で既に環境省さんをはじめ、様々な関係の方々が次期生物多様性国家戦略に関する議論を既に始めているとのことで、非常に重要な課題としてこの部会でも取り上げていただければと存じます。特にSDGsに関連しましても、SDGsを経済、社会、生物圏と縦にマッピングする考え方もありますけども、生態系・生物多様性の問題、気候や水分野とも並んで、そのベースとなる生物圏を支える分野でもありますので、ぜひこの部会で生態系・生物多様性に関する問題、あるいは生態系サービスに関する問題等について御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】 村岡委員ありがとうございました。
SDGsのウエディングケーキですね。重要な御指摘ありがとうございます。
他にいかがでしょうか。観測データを使う側の方からも御意見いかがでしょうか。
赤松委員お願いします。
【赤松委員】 赤松です。大変貴重な御報告いただきまして、ありがとうございました。
私は産業界の人間ですので、その側からこのSDGsというテーマに関わっていきたいなと思っております。
私ごとで申し訳ないのですが、弊社は2030年ビジョンというのをつくっていまして、そこでこのSDGsを先導する企業になろうということで、今お見せしているのはちょっと小さくて見えないかもしれないけれども、自前のSDGsバッチを作りました。ちょっと小さめのものですけども、国連に許可を取って作って、社員みんなが使っているということで、このテーマが今年取り上げられるというのは非常にうれしいといいますか、喜ばしいことだなと考えております。
このSDGsで地球観測はどちらかというとグローバルな指標の話が中心になってくるかと思います。後ほど蟹江先生からのお話の中にも出てくるかと思いますが、ローカル指標での利用というのを何かできないものかということを、少し議論できればなと思っています。それによって国内の公共ユーザーや産業分野での利用につなげられるような一つの取りまとめができてくればと思います。私も実はまだこの地球観測に関して国内でのSDGsローカルの利用ということをあまり考えていなかったものですから、そういったところを少し議論できればなと思っております。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【春日部会長】 ありがとうございました。今度、バッジをよく見せていただきたいと思います。
それでは次に、川辺委員お願いできますか。
【川辺委員】 ありがとうございます。東京海洋大学の川辺でございます。今回初めて参加させていただいて、ちょっとよく分からなくて、でもすごいなと拝見しておりました。
お伺いしたいのは、資料3-1の4ページ目の下半分のほうに書いてある「実施方針を進める上での今後の方向」というところです。これからこういうことをいろいろやっていきましょうということなのかなと思いますけれども、特にこの一番左側上に書いてあります「地球観測情報を現場につなぐ取組を強化」について、「人材育成、体制やデータ基盤の整備、エンドユーザーの巻き込み、人文社会科学との融合等」と書いてあります。私自身は社会科学というか沿岸域管理を専らとしておりまして、非常にこの辺りに関心はあるんですけれども、ただ、地球観測情報と例えば人文社会科学との融合ということについて、具体的にどういうことを今まで話し合ってこられたのか、もしよろしければ教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【春日部会長】 御質問ありがとうございます。この部会には、自然科学の地球観測データを作る側の人とこれを使う側の人、そこには人文社会の、我が国の観点や企業の観点からも御意見をいただく委員に入っていただいていました。
事務局のほうで、まとめ的な感じで何かすぐに出せるものがありますか。
なければこれまでの経緯を取りまとめるという形で、次回以降に何かこの観点で簡単な資料を御用意いただくことも可能でしょうか。
【石川環境科学技術推進官】 文部科学省の石川でございます。
川辺先生、御指摘ありがとうございます。前期で取りまとめていただきましたフォローアップ報告書で、まさにそういった人文社会科学との融合というところも記載させていただいています。まさに科学技術基本法が科学技術・イノベーション基本法に変わる中で、人文社会も含めた科学技術を政府全体でも今進めているところでございます。そういった動きも踏まえて、この報告書の今後の方向でも、まさに観測コミュニティーサイドだけではなくて、エンドユーザーを巻き込んでいったり、人文社会の観点も合わせて、実際に様々な意思決定の場で使っていただけるようなデータの提供やエンドユーザーが使えるデータにしていくところが重要だということを報告書の中でもまとめていただいて、部会の報告書として取りまとめたもので、科学技術・イノベーション基本法の流れなども踏まえて、この観測という文脈でもしっかり人文社会科学と融合していこうということをまとめていただいたと理解しているところでございます。ちょっと回答になっているかどうかわかりませんけれども、前期にこの報告書をまとめるに当たっての議論といいますか、少しそういった部分の御紹介になればと思います。
【春日部会長】 石川推進官ありがとうございました。
こういったものという意味では、参考資料を御覧いただければと思いますけれども、今の御説明にありましたように人文社会科学との融合の重要性は何度も指摘されていたんですが、まさにどうやって融合したものをつくっていくかというのはこれからの課題で、まさに私たちの責任になってくると思います。そういう意味で、どうぞこれからご意見等お願いしたいと思います。
【川辺委員】 ありがとうございます。意思決定に使えるというところがすごく魅力的だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【春日部会長】 では、上田委員お願いします。
【上田委員】 ありがとうございます。私も前期に引き続き、公衆衛生の分野という立場から意見をさせていただきました。特に私は衛星や地球観測に関しては必ずしも専門家ではない、エンドユーザーという立場で、どのように使いやすい、使いやすさについての提案をさせてもらいましたけれども、特に今期も含めてそれを進めていただければと思います。特に赤松委員がおっしゃられたように、そのデータを持つ、特に医学分野ではデータはどちらかというとグローバルなデータというよりローカルなデータを持っている人が多いと。そのローカルな医療あるいは人のデータと、そしてローカルな地球観測のデータをつなげることによって、意思決定に向けての非常に大きな有用な情報になり得るので、そこを含めて積極的にローカルな活用に向けたその活用を進めるように今期進めていただけたらなと思います。
【春日部会長】 ありがとうございます。赤松委員のローカル指標の御質問にも通じるかもしれませんね。
では、小縣部会長代理お願いいたします。
【小縣部会長代理】 ありがとうございます。聞こえますか。
【春日部会長】 はい、聞こえます。
【小縣部会長代理】 部会長、ありがとうございます。それで、私の所属しますJR東日本は、観測データなどを使うほうの立場にはなりますが、今回初めて委員にさせていただき、また、副部会長を勤めさせていただきますが、この部会での有意義な、かつ今般の様々な気候変動や災害などに役立つような議論ができたらなと思っております。よろしくお願いします。
1点だけ御紹介ですけど、私どもは、データを使うほうの立場であり、私どもの地上設備、車両などのインフラは、まさに自然の中にありまして、そこを列車が走っていますので、地震、風、雨、雪など様々な気象条件と、非常に密接に絡んでおります。ただ私どもは、同時に、独自に観測している例もございます。羽越線で事故がございまして、最終的には、いわゆる突風が原因でしたが。私自身も、記者会見を継続的にやっておりました。その後、必要性を感じて、例えば、ドップラーレーダーを自ら研究を始めました。最初は、本当に大変でしたが、研究員もおりまして、また、私どもの中の防災研究所を中心に、AIなども導入しまして、どんどん進化させると共に、風における渦などの早期、的確な捕捉を図ってまいりました。また、場合によっては気象研とも連携させていただくなど、データを使わせていただく立場ですが、一方で我々自身もそのように測定、モニタリング技術、そしてその解析、予測するAIなどの技術、こういうのも持ち合わせておりますので、その意味でもご一緒に議論させていただきたいと思います。
ここで、今まで御議論があった中で、1点だけ教えていただきたいんですが、春日部会長から大変分かりやすい御説明が先ほどありましたけど、こうして観測した結果のデータを産業界でどのように使っていくかという、一つの課題があろうかと思います。例えば、先ほどのフォローアップのほうにも、そのデータの使い方、産業利用の促進という言葉もありましたが、これまでの議論で、あるいは、その使い方、観測されたデータの産業間利用についての方向性であるとか、条件や制約など、あれば教えていただくと幸いです。
【春日部会長】 JR東日本としても先進的な取組も含めて、大変貴重な情報をありがとうございました。また羽越線の件ですけれども、以前、民間からのデータを利活用の前に提供に至っても様々な制約などを本部会では議論されました。引き続き、議論を深めていきたいと考えております。
実は次の議題はかなり長い質疑を予定しておりまして、少し時間が押してきていますので、浦嶋委員、嶋田委員、少し短めに御発言いただけますでしょうか。まずは浦嶋委員からお願いいたします。
【浦嶋委員】 すいません、ちょっと関連しての情報です。昨年度のこちらの委員会でも時々話題になりましたTCFDです。いわゆる企業が投資家に対して、気候変動に関わるリスクやビジネスチャンスが非常に大きく変動することが予想されるため、適切に情報公開していきましょうということで、TCFDという枠組みについて、何回か話題になったと記憶しています。実は今度新たにTNFDという、春日先生もよく御存じかもしれませんけど、いわゆる気候変動だけではなくて、自然環境そのものに対してどれだけ企業が負荷を与えているか、または自然環境の様々な規制や、あとは毀損によって企業活動がどれだけ影響を受けるか。例えば水不足といったことによって、どれだけビジネス中断みたいなことがあり得るかみたいなことも積極的に投資家に開示をしなければいけないと、開示をしていくためにどういう枠組みで、企業は情報開示していくかというタスクフォースが今、立ち上がりました。これが早晩またTCFDと同じように企業の情報開示にこれから重要視されていくので、まさにその地球観測としてどういうデータが取れるのか。何を投資家にビジネスリスクとして定量的に評価開示できるかということが、これからますます注目されるので、そういったところにどういうふうにこの地球観測というデータが使えるのかというのは多分、各国でより熱が高まってくるということだと思います。情報提供でございました。
【春日部会長】 ありがとうございます。ぜひ、この事項も今後の議論の中で取り上げていければと思います。
では、もうお一人だけにさせてください。嶋田委員お願いいたします。
【嶋田委員】 今期から初めて参加をします。埼玉県環境科学国際センターの嶋田と申します。所属名からは何者か分からないもいらっしゃるのではないかと思いますが、県の環境部局の出先の研究機関でございまして、いわゆる公害センターや環境研究所と言われるものの一つで、全都道府県、政令指定都市が同じような組織を持っています。埼玉県がやや珍しいのは、公害センターなので、水や大気などといった試験研究が中心ですが、温暖化対策担当を持っていまして、温暖化に関する研究も行っております。当県の大野知事も公約にSDGsの実現ということ掲げています。多分、埼玉県だけではなくて、今ほとんどの自治体がこのSDGsを進めようということでは、みんな共通していると思います。ただそれを実際進めようとしたときに、要するにエビデンスがどうなのかということをいつも問われていて、具体的な何を根拠にSDGsをすすめるのかというのが大きな問題になっています。そういう意味で、こういう地球観測データというのは非常に重要だと思います。
あとは御存じの方もいらっしゃると思いますが、3年ほど前に、気候変動適応法という法律が成立をして、実はうちのセンターも地域気候変動適応センターというものになっていまして、適応策のための情報発信をどんどんやっていくことにはなっているんですが、そのためのデータが本当にあるのかというとなかなかないのが実情です。先ほど地球観測というと、グローバルのデータという話がありましたけれども、ローカルのデータを公開していただくことが大事かなと思っていまして、そういう意味で、この委員会では非常に重要だなと感じました。
以上でございます。
【春日部会長】 どうもありがとうございます。うちの国立環境研究所でも適応センターに大変お世話になっているところです。
さて、大変活発な御意見ありがとうございました。資料3-2を基本に、また本日いただきました御意見を踏まえながら部会を進めていきたいと思います。どうぞ引き続き、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、議題4に移りたいと思います。議題3での御説明でありましたように、SDGsの現状について、まず理解を深めたいということで、今日は最近の動向について、蟹江委員と総務省からも話題提供をいただきます。
まず蟹江委員から御発言をお願いし、蟹江委員が5時で退席されますので、蟹江委員に対する質疑応答をその後で行います。総務省、津村様にはその後で御発表をお願いしたいと思います。

蟹江委員は政府のSDGs推進円卓会議の委員でもありますし、国連の「Global Sustainable Development Report」の著者のお一人にもなられます。よろしくお願いいたします。
【蟹江委員】 最近の動向についてですけれども、あまりいろいろ話をしても、時間が短いですので、今日は特に観測のところに集中してお話をできるだけしたいと思っています。
その前にこのSDGsは皆さん御存じだと思いますけれども、17目標、169ターゲットがありますが、大きな特徴を最初にお話ししておくと、一つは2030アジェンダというSDGsが核になっているアジェンダのタイトルは「Transforming Our World」となっていて、変革が非常に大事だということです。その点はとかく忘れがちですけれども、一番大事な点だと思います。
それから、誰一人取り残さないというのがもう一つ大事点です。その二つの理念というか考えに基づいてできて、進めていっているということです。
それからもう一つは目標をつくる、目標が並んでいる、それだけがSDGsの内容になっているところが非常に大きな特徴です。私たちの研究グループでは目標ベースのガバナンスという「governance through goals」という言い方をしていますけれども、今までの、例えば京都議定書や先ほど生物多様性の話などもありましたけれども、そういった条約のアプローチは大体ルールを決めていくということになりますが、ルールが決まっていない、どうやっていくかは最終的には国が責任を持つべきだというのがSDGsの大きな特徴です。国が責任を持つべきなのだけれども、かといって、国がどうしろということも言ってない。非常に自由だけど、この目標を達成するということだけを縛りとして上げているというのが縛りなのですけれども、公的な拘束力もないということで非常にその辺りが特徴的になっています。
そういった中で、進捗の評価・レビューを行うということが唯一大事になっているということで、この辺りで地球観測の役割というのも出てくると思いますし、評価を行うということはその次のアクションにつなげていくということにもつながりますので、そこが非常に今日のお話にも関係するところかなと思います。
SDGsは全ての国連の加盟国93か国が合意しているところが一番大事な点だと思っておりまして、したがって、全ての国がここを目指していると。目指しているので、そのこと自体がメリットになるということです。先に目標を達成できれば、それをほかのところにも、打っていくことができまして、リーダーシップを発揮することができるということで、拘束力はないけれども、そこが非常に大事で、それを測るということをやるということです。
指標による測り方と先ほど春日先生にも触れていただきましたけれども、「グローバル持続可能な報告書(Global Sustainable Development Report)」という報告書が4年に一度出ることになっていて、次は2023年ですけれども、そこは既存の研究成果などを集めて、その次のステップに向けて声を発していくというものになっています。
それから、もう一つ大事な点は、この目標は総合的な目標だという点です。17目標は一体で不可分だということがいろんなところに、アジェンダの中には書かれていますけれども、とかくこの点が大事だけれども、また忘れられがちで、一つの目標だけを目指していて、その目標のあれを、このことに関連するからこの目標達成に貢献しているというところが見受けられますけれども、本質的には2030年までに全ての目標を達成するということなので、一体として考える必要があると。入口は一つでもいろんな目標の関連を考えなければいけないということです。例えば何か気候変動の対策をしていくときでも、その対策をするときのエネルギーはどうなのか、あるいは労働力はどうなのか、ジェンダーの平等の問題はどうなのか、こういった観点を入れていくのが大事だというのがSDGsの非常に重要な点だと思います。
最近の動向ということで、2019年にサミットがあって、「行動の10年」というのが次の10年だということになってきました。それまでは普及も大事だということで、普及がまずは目指すところだと言われていましたけれども、2019年からは、次はいよいよ行動していくというところにスポットライトが当てられているというのが一つ大事な点であります。
その上で進捗の評価が大きなテーマになります。それを少し深掘りしたいと思います。
あとはSDGsのローカル化というのが進んでいて、すみません、これはちょっとデータが古いんですけれども、今は124都市です。毎年10個ずつの40個のモデルが出てきています。そういった形でSDGsがローカル化していくことが非常に大事にもなってきています。
それから、最近は企業の方々、特に一部上場企業は、ほぼ100%の方がSDGsの認知がある状態になってきていまして、企業の活動が本格化してきています。
評価のところですけれども、グローバル指標で評価していくと。これはこの後のプレゼンテーションでもあると思いますので、グローバル指標の点は、私のほうではそんなに触れないでいきたいと思いますけれども、既に今年の評価も国連事務総長からドラフトが出てきている段階で、指標の数も統計の委員会があって、そこの中で議論を続けていて、最初は全ての指標を合わせると244ありましたけれども、今247に増えていると。ただ同じ指標で別の目標を測るというのもあるので、延べ数だと増えていますけれども、実質的な数だと指標は減っていると。そういった中でデジタルを使った測り方や議論も行われています。昨年の評価に関してはかなり修復が、このコロナの影響に費やされているというので、細かく触れませんけれども、ここにあるようにいろんなコロナの影響、コロナによってかなりSDGsの進捗に対しては後ろ向きの力が働いたということが書かれています。同時にコロナでいろんなシステムが壊れてしまった。1回こう、消費と生産のパターンであるとか、例えばサプライチェーンもうまくいかなくなったと。それは逆に言えばこのSDGsのより変革のいいチャンスだということも去年のレポートの中では書かれています。
国別の評価は国連の中ではやらないのですけれども、SDFMというグローバルな研究のネットワークがありまして、そこは毎年、この国別の独自の指標で評価をしています。今年もあと4日後ぐらいに今年版が出る予定ですけれども、日本については、昨年このような17番というので、弱いところが5、13、14、15、17で、その辺りは赤信号になっています。今年はそういった中で、7月のちょうどあと1か月後ぐらいに、国連の毎年SDGsのレビューをするハイレベル政治フォーラムというのがありまして、そこで日本のこれまでの評価を出すことになっています。それは政府がやる評価もあるんですけれども、2017年にやったときには、政府の評価も出しているんですが、今回はステークホルダーの評価をそれとは別に立てています。これは推進本部、円卓会議の中の構成委員を中心にレビューをして、そして先日パブリックコメントもいただいて、改定を今進めているというものです。政府の指標だけでは分からないようなことがいろいろ出てきているということです。例えばこの下のほうに自殺率(特に女性)の増加、開発援助額が削減されていると、マイノリティの課題も特にコロナで明らかになってきたということが書かれています。それから、コロナの影響でジェンダーギャップが深刻化している、例えば非正規労働者の70%が女性とか、生理の貧困問題が深刻になってきているといった政府の統計データだけでは分からない評価も今回はこういった形でしているというのが今回の評価の特徴かと思います。
それから、提言のところも入れてありまして、国連のSDGsの2030アジェンダの中には、国がターゲットを決めると書かれているんですけれども、日本は日本のターゲットというのが明確に出されていなというので、まず、そういったものを出して、PCDEサイクルをきちんと回すというのが大事だということが主に経済界の方々から発言がありまして、そういったこともこの提言の中には含まれています。
日本の体制ですけれども、実施指針があって推進本部があるということで、今進めていますけれども、法的基盤が非常に弱くて、法律ではないものの下にあると。それから推進本部がありますけれども、SDGsは本来は横断的な課題なので、横断的に課題解決しなければいけないところですが、それだけの権威がないので非常に今弱いものになっているので、この辺りは今後の課題ではないかなと思います。
例えばITももともと同じような感じでしたけれども、基本法ができて、その下で戦略本部が政府の中でできて、それによってかなり対応が進んでいったということがありますので、日本でも今後こういったことが必要になるかと思います。
それから、指標の検討ですけれども、指標に関してグローバルなターゲットがあって、それがローカルな日本国内の指標に落とし込まれるということですけれども、一方で、それだとその自治体や各主体の実態を表すことがなかなかできないということで、そういった自治体独自の指標もこの日本の進捗の中に入れるべきでないかといった議論もあります。これは内閣府の地方創生のところから持ってきたものですけれども、グローバルなSDGsから国レベルの取組へと落とし込んでいって、それを測る。そして、それが自治体レベルへの取組に落とし込まれていって、それが自治体レベルでの進捗管理につながっていくと。それをまた統合していってグローバルレベルで報告していくところが非常に大事な仕組みだと考えられていますけど、まだこの体制は十分整っているわけではないというのが今の現状かと思います。
それから一方で、評価するという意味では、企業の活動をSDGsの指標で評価することも進んでいっています。これは2年前に始まった日経のSDGs経営の評価ですけれども、経済、社会、環境と企業ですから企業ガバナンスの指標をつくって、これはアンケートベースで評価をしていますが、そういった評価を行うという取組が始まってきています。
それから、先ほども何回か触れられたりはしていましたけれども、金融部門です。この企業の評価というのは、そのインパクト投資や、そういうSDGs関係の投資といったところでも使われていますけれども、そういったことも絡みながら金融の原則にもつながっていっています。これは例えばですけれども、ポジティブ・インパクト金融原則という国連環境計画の原則の中でもSDGsの統合的な検討に基づいて評価するのが大事だと。特に原則の中で書かれているのは、経済、社会、環境のいずれかにおいて、潜在的なマイナスの影響が特定され、あるいは緩和され、なおかつ少なくともそれらの一つの面でプラスの貢献をもたらしていると。要はプラスとマイナスの両方を意識して、プラスを伸ばしていくのが大事だということが書かれています。これも総合的なアプローチの重要性を示しているものと言っていたと思います。
とはいえ、SDGsを目指しているというのはどういうことなのか、SDGsの言葉というのは、非常に抽象的ですし、グローバルなところがメインで書かれているので、例えば企業の文脈で何がSDGs的な行動なのか、あるいは自治体が企業を認めるときに何がSDGs的なのかというところで、なかなか翻訳しにくいという話をいろんなところで聞いています。我々がやっているラボの中では、どういうことをすればSDGs的な行動になっていくのかを特定してみました。ちょっと細かい点はここでは入れないですけれど、ターゲット4.2が就学前教育を受けられるようにするということで、一見その話と企業の行動は関係がないように思われるかもしれないですけれども、そういったことを保育や就学前学習を企業で支援していくことがSDGs的な行動につながっていくと。それから、テレワークや裁量労働制を実施していくこともこのターゲットを進めていくための企業の行動につながると、そのようなことを同定していきました。こういったことを見ながら、企業の部分に落とし込んでいく。これはローカル指標にも言えると思いますけれども、ローカルの行動に落とし込んでいくことが、今、必要ですし、今、行われつつあるところかなと思います。
それから、先進企業もいろいろ取組を進めていまして、中長期目標をつくるとか、新しいベンチャーを起こすとか、あるいは目標達成を実現すべく科学技術のイノベーションをするとか、あるいはサプライチェーン全体のマネジメントをしていくとか、いろいろ企業の取組があるところです。
それから、最近はコロナ禍で働き方が変わっていって、地方に仕事をする拠点を移すことによって、働きがいを増やしながら、まちづくりの在り方にも影響を及ぼす、そんなことも言われていっています。この辺の動きを見るのは多分、非常に地球観測にも貢献するのではないかなというのをもう少し後でお話ししたいと思います。
それから、定性的な評価も行われるというのは先ほど申し上げたとおりです。
2年前のGSDRでは、先ほどと同じく、コベネフィットを最大化してトレードオフを管理、あるいは特定するアプローチが大事だということが言われていました。今我々のグループでも話しているのは、三つワーキンググループをつくりまして、一つは、エビデンスベースを強化しようと。もう一つは、コロナからの教訓というのを導こうです。そして、改革をしていくためのレバレッジはどこにあるかを明らかにしようと検討を進めています。今回この部会の中でお話するようなことも、このスケジュール的にもこういったところへのインプットにもつながると思いますので、そういう形で議論していただくといいのではないかなと思っています。
一方でポストSDGsに向けた議論も進んでいまして、目標をベースにいろんな仕組みを変えていくことも、いろんなところで関心が高まっています。それに向けて科学的な検討も今進められています。そこでは、いわゆるプラネタリー・バウンダリーが言っているような安全な領域がどこかというのを特定するというのが一方で大事ですけども、一方で公正な在り方を同定するのも大事だということで、その二つをすり合わせるという考えで話を進めているところです。このEarth Commissionというところでその検討をしていますけれども、ここにあるようないろんな国際機関などと連携しながら検討を進めています。この辺の話が今後ポストSDGsの話にもつながっていくのではないかなと思います。
最後のところですけれども、そういった中で、進捗モニタリングの中で、GISを活用して、いろいろ測定することもできるのではないかということで、先ほどもお話に少しありましたが、国際航業さんやESRIジャパンと一緒に私のラボでも検討を進めています。こういった検討が進められていくと、地図情報を利用しながら、右のほうに幾つかありますけれども、高齢者数とシニアサポーターの登録がどういった地域の中の配分になっているか、救急病院からの時間別の到達圏がどこかということが分かってくるので、誰一人取り残さないということが、どこまで進んでいるかを把握できるメリットがあるように思います。
我々の共同研究の中で、可視化に向けてどういった指標があり得るのかというところを見ていって、ここにあるような18指標ぐらいは少なくとも可視化のメリットがあるということが分かってきました。ちょっと細かい点になるので時間の関係もあって、ここは触れないですけれども、例えば薬局の都市内におけるカバー率や、公共交通機関との関連を把握することによって、交通へのアクセス、薬局へのアクセス、健康へのアクセスですね、アクセスに関する目標も結構SDGsの中にあるので、そのアクセスがどの程度あるのかというところが分かってくることが明らかとなってきました。そのようなことを見ながら検討しています。この部会の中でもそういった検討もベースにしながら、何か地図情報をうまく利用した検討が進むといいなと思っています。
最後にコロナを踏まえて、SDGsがどうなるかという検討をしていったのですけれども、12の方策というのを我々のところで出してみました。その中ではグリーンというのが一つのキーワードとあとは多様性を力に変えていくことが非常に重要だという結論になりました。ここに順に書かれていますけれども、一つは、デジタルの技術を活用していくというのが非常に重要だと。デジタルの技術を活用するといろんな形で計測が可能になっていく。スマートシティが一つのいい例ですけれども、食料や医療でもそれは言えていくと。これをやると、どこにないかという次の手が考えられますし、SDGsの面からはどこまで進捗したかが分かるというところで非常に大きなメリットになるのではないかなと思っています。
ということで、ちょっと時間が最後は駆け足になりましたけれども、この辺りでSDGsの最近の状況という報告とさせていただければと思います。
【春日部会長】 蟹江委員ありがとうございました。グローバルから国レベル、そしてコミュニティーレベルでどういうことが起きているか。また各企業の貢献、それから関わり方についても例をお示しいただきました。それら全ての段階において、地球観測データがどう活用できるかについても御示唆いただきました。ありがとうございます。
蟹江委員はまだ6分ほどいらっしゃると思いますので、その間、部会員の方々から御質問等いただければお答えいただけると思います。いかがでしょうか。
赤松委員お願いします。
【赤松委員】 蟹江先生いつもお世話になっております。この場で御一緒できるとは思っていませんでした。ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
最初に私のほうからも御提案を差し上げたのですが、実は私もこのローカル指標の中で地球観測がどう使えるのかということは、まだあまり考えていなかったんですが、今の時点で何か先生のほうでこんなことに使えるのではないかという情報がもしございましたら御提供いただければと思うのですが。
【蟹江委員】 よろしいですか。
【春日部会長】 蟹江さん、どうぞお願いします。
【蟹江委員】 先ほどお示しした形で、18ぐらいはローカル指標の中で、この観測の部分が測定に貢献できるものがあるのではなかということが分かってきています。
例えば先ほどお話をした就学前教育の話で言うと、待機児童の数、待機児童の割合で計測しようとしているんですけれども、実はそれだけではなくて、保育園からの移動の距離ですね、保育園は自転車で行くような方が多いですけれども、そこでアクセスできるのかとか、お父さん、お母さんが仕事に行く前に寄るのにバスを待って送って、またバスを持って送って、駅に行ってということを考えるとそれだけ時間もかかるわけで、そういった交通事情との情報と絡めたような距離の測り方です。時間と距離を掛け合わせた測り方がローカル指標の中で地図情報を生かすことによって、さらに的確に実態が把握できるものが出てきています。そういったものが少なくとも今18個はあると考えられていまして、この掲げた資料の中にたしか18個を入れてあると思いますので、より詳細にはそちらを御覧いただくといいかなと思いますけども、今申し上げたものが入っているということです。
【赤松委員】 分かりました。ありがとうございます。一度、私もこれをよく見ながら考えてみたいと思います。ありがとうございました。
【蟹江委員】 よろしくお願いします。国際航業さんはいろいろデータを持っていると思いますので。
【赤松委員】 ありがとうございます。
【春日部会長】 お送りいただいた資料の中に、可視化指標一覧というところがありますね。
ほかに御質問はいかがでしょうか。
岩崎委員お願いします。
【岩崎委員】 JICAの岩崎です。今回初めて地球観測部会に参加させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
蟹江先生、大変参考になるプレゼンテーションをありがとうございました。大いにインスパイアされました。ご出席されている国連のSDGsの部会にて、途上国からSDGsの指標モニタリングに必要なデータの充実についてどのような要望が出ているかについて教えてください。質問の背景ですが、途上国では指標に関するデータが先進国に比較すると不足している状況になっていると認識しています。このためJICAの国際協力の中でもまずは科学的なデータ作りに関する協力を実施していることが多くございます。このような現状の中で、地上観測等の従来のやり方では不足しているデータを衛星技術やDXを活用することで補うことができないかとの期待をもっています。
【春日部会長】 蟹江さんお願いします。
【蟹江委員】 ありがとうございます。今おっしゃられたように、まず第一には途上国の方々がおっしゃっているのは、キャパビルの重要性です。統計能力に関するキャパシティビルディングが非常に足りないところがたくさんあるので、そこが必要だということです。一方で、グローバル指標で日本が取れないデータもあるということです。日本は一見統計データなら何でもあるのではないかと思いつつ、例えばその絶対的な貧困の指標などは日本では取れなかったり、それ以外にも幾つか日本でも取れない指標もあると。そういったところも共通の土台をつくる必要があるという議論は一方であると理解しています。
それから、もう一つは、今最後におっしゃられたように、DXや観測のデータを使って、リープフロッグといいますか、一足飛びに、統計データではないですけれども、取れるデータもあるだろうと。例えば、薬局や医療施設へのアクセスの状況であるとか、その中での労働の状況なども一部はそういったDXや衛星の情報を使って取れるものもありますので、そういったところに貢献できるところがたくさんあると思っていますし、小池先生なども当初からこの地球観測の貢献できるところはそういうところにあるのではないかという話をされていました。思った以上にその部分はまだ進んでいないと私も感じておりますので、ぜひ今回、そういった、いわゆるコンベンショナルなキャパビル以外のところで、新しい技術を使って測ることができるような要素を出していただくといいのではないかと思います。そういったところは、今度のGSBRの中でも取り上げたいと考えて、今議論しているところですので、ぜひそういった議論をしていただければと思います。ありがとうございます。
【岩崎委員】 どうもありがとうございました。
【春日部会長】 途上国からの要望だけではなくて、途上国への期待もあるということですね。蟹江委員は、日本国からのVNRに加えて、民間からのVNRとして、円卓会議の取りまとめをしたわけですけれども、そこでもリーダーシップを取って、御尽力くださいました。また、先ほど御紹介のあったEarth Commissionはフューチャー・アースが事務局をしているものですけれども、そこでも日本からの唯一の委員として御活躍いただいています。これからもこの部会において、SDGsに関していろいろと情報をお願いしたいと思います。
では、蟹江委員はこちらで御退席になりますけれども、どうもありがとうございました。
【蟹江委員】 ありがとうございました。非常に興味深い議論がこの後も続きそうなので、一応接続は続けますけれども、ほかのところと掛け持ちになると思いますので、すみません。ここで退席ということで、よろしくお願いします。
【春日部会長】 ありがとうございます。
それでは続きまして、総務省津村様より、資料4-2につきまして、御説明をお願いいたします。
【津村総務省国際統計管理官】 総務省で国際統計管理官をしております津村と申します。よろしくお願いいたします。
私は国際統計の総括ということでございまして、国連の統計委員会に対する窓口などを務めておりまして、その関係でIAEG-SDGsなどに専門家としての参加をしております。そういう立場でありますので、国内におけるSDG指標の取りまとめもやっています。
資料につきましては、文科省さんの事務局のほうでめくっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、めくっていただきますか。次のページをお願いします。
こちらですけれども、蟹江先生からもう既に御説明ありましたけど、若干その用語が紛らわしいものが幾つかございますので、御説明を簡単にさせていただければと思います。
一般的にあのカラフルな17のゴールをSDGsというと皆さんすぐに思いつくと思います。ゴールの下に169のターゲットというものが決まっておりまして、ゴールとターゲットがセットで国連総会で採択されて、決まっているという形になっております。
2015年に採択されたこのSDGsでございますけれども、その前身となるものがございまして、それが2000年につくられましたMDGsというものでございます。こちらは開発途上国を対象として設定したものでございまして、その後継の目標をどうするかという議論の中からSDGsが生まれた経緯がございます。SDGsは開発途上国だけのためのものではなく、全ての人のためのものと位置づけられたことから、ある意味、外交的ないろいろなやり取りがあって、ターゲットレベルであると開発途上国向けのターゲットというものがある程度あるという形になっております。そういった両方の側面があるということがあまり知られてないかもしれませんが、そういうものでございます。その上でターゲットの進捗度を測るためのものとして、指標、すなわちインディケーターズというものがあり、こちらは外交官が定めるのではなくて、国連統計委員会の下に置かれますこちらの国際機関と関係各国の代表からの集まりであるIAEG-SDGsで指標について定めてもらいたいということが、もともとの国連総会で採択されたものの中に書かれておりますので、そちらのほうで議論がされて定められたものが2020年と2025年に包括的見直しをすると定められています。我が国におけるこのグローバル指標の数値については、2019年8月から公表を始めています。
次のページお願いいたします。
それから、蟹江先生がターゲットという言葉を2回使われていたんですけれども、最初におっしゃっていたターゲットのほうはいわゆる一般的な目標というか、これも目標という言葉もあちらこちらで使っているので紛らわしいんですけども、各国で到達すべき点については、各国で考えるという形になっています。ゴールとターゲットについて、各国がどういったところまでやらなければならないかということについては、SDGsには、どこにも書いてないということでありまして、各国はそれを踏まえてどういうふうにするかということについてフォローアップとレビューをやる中で、考えてくださいとなっています。
それで、持続的な開発目標につきましては、地球観測データを含む幅広いデータの活用が求められておりまして、一般的に言えばこの地球観測データというものは統計なのかというなかなか難しい議論がございますが、国連の統計委員会で指標として取り扱うと現在はなっています。COVID-19の状況におきましては、特に統計調査がなかなか難しい中で、特に地球規模のデータへの期待ということであると、観測データを使った指標への期待は高まっていくことが考えられます。
また、こちらの指標につきましては、全ていわゆるメタデータ、つまりどういうふうに数値を求めるべきであるかということですが、IAEG-SDGsで取りまとめているグローバルメタデータというものがあって、それを参考にして国ごとの指標をつくるときにはそれぞれのメタデータを付して指標を公表しています。グローバルメタデータにおきましても、いわゆる地球観測データ、衛星情報を使って計算することが求められていますので、次のページ以降で御紹介させていただければと思います。
次のページお願いします。
具体的に申し上げますと、いわゆる観測データを使って、こういう指標に使うというもので、こちらの6.6.1を示しましたけども、こちらは衛星画像を用いたデータの検証が期待されているというものでございます。要するに水関連生態系範囲の経時変化ということで、マングローブ林がどの範囲なのかを衛星画像から見ることができるということです。実は我が国はまだ衛星画像を用いたデータは指標として公表したものがこれまでございませんので、後で申し上げますけれども、現在それに向けての取組をやっている最中でございますが、現時点においてはまだないということで、未発表となっております。
次のページをお願いいたします。
目標11のターゲットの幾つかについても衛星画像を用いた検証を予定されているものがございまして、こちらの11.3.1、人口増加率と土地利用率の比率ということで、人口増加についてはもちろん人口についての統計を用いるということでございますけど、土地利用率は衛星画像を用いることができるのではないかということがグローバルメタデータのほうに書かれています。
また、11.7.1は各都市部の建物密集区域における公共スペースの割合の平均で、こちらは具体的に言ってしまうと道路や広場についてどれぐらいあるのかということになりますので、これも衛星画像で地上のデータと突き合わせて測ることができるのではないかということで、こちらも衛星画像を使うことが期待されています。
次のページお願いいたします。
こちらのほうは、観測データという形でございまして、衛星画像ということで、現在のところはグローバルメタデータに書かれているものではないのですが、こちらのほうも使えないのかという話については、また別にあるかもしれないということであります。例えばプラスチックごみについても考えようによっては使えるのではないかと。ただ、こちらについては、環境省さんのほうで、現在算出について考えていらっしゃるかと思います。
次のページお願いいたします。
こちらの15.4.2、山地グリーンカバー指数につきまして、現在こちらのほうは次のページに書いていますけれども、現在JAXAさんのほうで算出していただいて、それについて総務省の研究会のほうで算出方法について検討させていただいて、月内にもこちらを公表予定であります。
次のページお願いいたします。
JAXAさんに衛星画像データを用いた指標の算出をお願いしておりまして、15.4.2につきまして、現在、横浜市立大学の佐藤先生と東京大学生産技術研の竹内先生に総務省のワーキンググループに入っていただいて、こちらのデータの算出方法が適切かどうかを見ていただいた上で、このほどようやくこういう形での算出になりますというレポートをつけた上で公表させていただくことを予定しています。
以上、簡単でございますが、発表させていただきました。ありがとうございました。
【春日部会長】 津村様、大変密度の濃い情報をありがとうございました。
部会員の方々から御質問等いただけますか。いかがでしょうか。
川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】 御説明いただきどうもありがとうございました。今こういうふうになっているんだなというのを非常に感心しながらお伺いしたんですけれども、地球観測データをもって、こういうふうにSDGsの指標に関連したものを眺めることができるというのはすごい技術だなと思います。ただ、それが評価とどういうふうにつながるのかいまいちよく分からなかったんですけれども、もしよろしければ御説明いただければと思います。
【春日部会長】 津村様、お願いできますか。
【津村総務省国際統計管理官】 評価と申しますと、要するにこちらのほうの数値を見て、目標に向かっているのか、向かっていないのかとか、数値を見て、それこそレビューの過程におきまして見ていただくということになるんだろうとは思います。申し訳ないのですけれども、まだ今回ようやく数値を初めて公表する状況でございますので、それについて何か評価をいただいたという状況にはまだなっていないのが現状でございます。
【川辺委員】 時系列的に眺めていて、その変化が持続可能な方向にいっているかどうかというのを判断するという評価を考えていらっしゃるということなのかなと今の御回答で思いました。
【津村総務省国際統計管理官】 ここは蟹江先生などからは、もっときちんと到達すべきところがどこなのかといったことについての、蟹江先生がおっしゃっていたターゲットというのはそういう意味だったと思いますけども、そういったところについてもやるべきではないかということは、かなり御指摘を受けているところでございまして、それについてどう対応していくのかは、今回の国別レビューにおきましても有識者の先生方から厳しい御指摘をいただいていると理解しております。
【川辺委員】 分かりました。どうもありがとうございます。
【春日部会長】 ありがとうございます。私どもの円卓会議で失礼しましたが、到達するところがはっきりしていないと、現状を観測しても、どのぐらいのギャップがあるかが分からないので、そういうPDCAサイクルが重要ということを蟹江さんのほうからも御指摘いただいたところだと思います。
若松委員お願いいたします。
【若松委員】 若松でございます。
今の川辺委員の最後の御発言とも関係するのですけれども、これを時系列で見ていこうという話になれば、多分、地球観測データを使った指標だけではなくて、どの指標もそうですけれども、どのぐらいの間隔で指標は更新されていくものなのでしょうか。
【津村総務省国際統計管理官】 基本的に物によるんですけれども、5年に一度しか統計を取ってないものについては、もちろん5年に一度しか更新できないことになるんですが、地球観測データなどであれば、それも実は公表されているデータセットというものが何年に一度あるかというものもございますので、そういったものがどれぐらい作られるかといったことを見ながら、今回公表させていただいたものについて、今後どういう期間でできるのか、まさにそういったことを見ながら、また変な話ですけども、ある程度、手間暇もかかりますし、それを検証もしなければならないので、データ検証も行いながら、どれぐらいの間隔でできるのかというのは、それぞれの指標ごとに異なるのかなと思います。もちろん可能であればできるだけ短い間隔で更新していきたいということです。こちらのほうも円卓会議で厳しい御指摘を受けていたんですけど、その時点ではホームページの掲載の仕組みがきちんと整っていなかったところもありまして、今後はできるだけ各府省さんの御協力も得ながら更新できるものについては、できるだけ短い間隔で更新していきたいと考えております。
【若松委員】 ありがとうございました。
【春日部会長】 ありがとうございました。総務省さんでも大変御苦労されているということがよく分かりました。活発な御議論ありがとうございました。津村様ありがとうございます。
それでは最後に、議題5、その他についてになります。3月に開催されましたAOGEOのシンポジウムの結果について、事務局から御報告をお願いしたいと思います。
石川推進官お願いいたします。
【石川環境科学技術推進官】 ありがとうございます。文部科学省の石川です。
1点、AOGEOシンポジウムの報告の前に、議題3で一度小縣委員のほうから過去の議論でもいいので産業利用の利用促進に関してこれまでの議論でどういった議論があったのかについて御質問をいただいていたと思います。先ほど回答できませんでしたので、これまでの議論を簡単に紹介させていただければと思います。
資料3-1の後ろに参考としてつけておりますが、前期にまとめていただきましたフォローアップの報告書の中でも、産業利用促進のさらなる取組強化という項目がございます。その中では、例えば観測実施主体の社会での出口の活用を意識した取組や、バックキャストの視点で社会ニーズを踏まえた上での観測システムの計画、整備などの重要性、また、データの公正性、透明性の確保、継続的なデータの蓄積、品質、管理提供が重要であるといったこと、また、適切なデータポリシーが重要であるということなど、そういったデータに関しての取扱いも含めて、産業利用促進の取組について、御意見をいただいています。
では、改めまして、資料5に基づいて、昨年度にはなりますが、今年の3月にアジア・オセアニアGEOのシンポジウムを開催させていただいておりますので、簡単ですけれども結果の概要を報告させていただければと思います。
AOGEOでは、GEOという地球観測の政府間会合、政府間枠組みの中での、アジア・オセアニア地域での活動について、年1回シンポジウムを開催いたしまして、共有したり、さらにどう進めていくかの議論をしたりということをやっております。
昨年度はCOVID-19の影響もございまして、初めてオンラインで、GEO事務局と我々文科省が主催ということで、テーマとしてもCOVID-19の影響下でどのように進めていくかというコンセプトで開催いたしました。オンラインということで、逆に瞬間風速的な参加としては、それなりにかえって多かったのかなという印象も持っておりまして、出席者としては20か国約200名の方に御参加いただきました。
内容としては、一つは、カントリーレポートを11か国から紹介をいただきました。これも物理的にどこかに集まってとなるとなかなか参加いただけないような国からも今回はビデオでのカントリーレポートということで今の取組の紹介をいただけて、オンラインのポジティブな面でありました。
また、三つの特別セッションを設けて、一つはまさに今回の部会のテーマでもございますSDGsに関してで、地球観測と統計コミュニティーとの連携というテーマ。JAXAの落合さんとUNESCAPの統計部長に共同議長をしていただいて、このときにも総務省の統計担当の統括官からも御発表をいただくということで、活発な御議論をいただきました。
特別セッション2はCOVID-19の状況下での能力開発などをどうしていくかと。遠隔での能力開発プログラムの好事例などを紹介いただくなど、議論いただきました。
特別セッション3では、太平洋島嶼国ということで、島嶼国のニーズなどを踏まえて、どういったことができるかといったことについて議論いただきました。
その他、AOGEOにつきましては、資料にございますようにタスクグループがございまして、各タスクグループの活動報告もいただきました。そして、6にありますようにこのコミュニティーとして次の1年間をどうやっていくかという、行動指針としてAOGEO宣言2020を採択しました。
次回はまだ日程等は調整中ですけれども、今の状況下でまた基本はオンラインになるかなとは思っておりますが、日本主催で開催したいと考えております。
簡単ですが、以上でございます。
【春日部会長】 石川様、ありがとうございました。
御質問等ございますでしょうか。
オンラインの参加が多かったということですけれども、最近の会議のときには大体何人ぐらいが参加されているのでしょうか。
【石川環境科学技術推進官】 前回はオーストラリアのキャンベラで開催しているんですけれども、会場の中に100人入っているかぐらいの規模でやっていたかと思います。その規模感にしますと各セッションによりますけれども、特定の時間帯に200名のアクセスがあって議論されているのは、オンラインでやったメリットだったなと思っております。
【春日部会長】 そうですね、特にアジアの会議ということで、時差はそれほど気にしなくてもよかったというところでもメリットがあったと思います。大変活発な会議だったようですけれども、委員の皆様、御質問ございますか。
佐藤委員お願いします。
【佐藤委員】 御紹介どうもありがとうございました。1つ質問させていただきます。資料の6.「AOGEO宣言2020」の採択というところに、気候変動への貢献というのがありますが、具体的にどのように貢献しようと考えているのか、議論の内容を教えていただけると幸いです。
【石川環境科学技術推進官】 ありがとうございます。基本的にはこの気候変動への貢献は、国連の気候変動枠組条約への貢献、パリ協定、温室効果ガスの削減に向けての地球観測の貢献をアジア・オセアニア地域でも進めていこうという方向性で議論されたと理解しております。
【佐藤委員】 そうすると、削減についてのモニタリング観測をどのように強化していくのかという議論なのでしょうか。
【石川環境科学技術推進官】 おっしゃるとおり、そういった観点での議論だと理解しております。
【佐藤委員】 どうもありがとうございました。
【春日部会長】 ありがとうございました。
三枝委員お願いします。
【三枝委員】 ただいまのところを一言補足させていただきます。気候変動と言いましても、極端気象や様々な影響があるところ、あと気候変動適応などもありますので、物すごく範囲が広いです。今回のアジア太平洋会議においては、分科会としまして、炭素及び温室効果ガス分科会のまとめが一段落入ったものですから、先ほど事務局から御説明がありましたとおり、温室効果ガス分野ということになったんですけれども、今回の分科会の一つのトピックは、地球観測データから温室効果ガスの排出量を推定すると。これはヨーロッパなどで相当進んでいるのですけれども、例えばヨーロッパの排出量を地球観測データから検証していくんだと。従来のインベントリデータと比較可能な新しいデータを地球観測から作るというものが世界中で進んでいるものですから、アジアでもそれに向けて動いていきましょうという話が一つのトピックでありました。
以上です。
【春日部会長】 大変重要な補足をありがとうございました。御説明ありがとうございます。
時間が近づいてまいりましたので、この議題はこちらで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
本日予定されている議題としては、以上ですけれども、委員の皆様から最後にこれはという御質問あるいは御発言ございますでしょうか。
先ほど議題3のところで、小縣部会長代理からいただいた御質問に対しても石川推進官から御説明ありがとうございました。
ほかにないようでしたら、事務局から次回に向けて連絡事項をお願いしたいと思います。
【堀川地球観測推進専門官】 本日の公開部分の議事録は、後日事務局よりメールで委員の皆様にお送りいたします。各委員に御確認いただいた後、文部科学省のホームページで公表いたします。
次回、第2回の部会の開催案内は改めて御連絡させていただきます。
事務局からの連絡事項は以上となります。
【春日部会長】 ありがとうございました。本日は第9期の第1回でしたけれども、皆様、大変活発に御発言、御議論いただきまして、ありがとうございました。
また、蟹江委員、そして総務省津村様、お忙しいところどうもありがとうございました。
以上をもちまして、第9期地球観測推進部会の第1回会合を閉会いたします。ありがとうございました。

―― 了 ――
 

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