ここからサイトの主なメニューです

第10期 環境エネルギー科学技術委員会(第3回) 議事録

1.日時

令和元年6月24日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 5F3会議室

3.議題

  1. 最近の環境エネルギー科学技術分野の動向について
  2. 今後の環境エネルギー科学技術分野における研究開発の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

高村主査、江守主査代理、石川委員、沖委員、加藤委員、堅達委員、佐々木委員、嶋田委員、清水委員、竹ケ原委員、中山委員、波多野委員、本郷委員、本藤委員、山地委員

文部科学省

千原大臣官房審議官、横地環境エネルギー課長、佐藤環境科学技術推進官、三木課長補佐、加藤係長

オブザーバー

科学技術振興機構低炭素社会戦略センター 越副センター長、科学技術振興機構低炭素社会戦略センター 森研究統括、科学技術振興機構低炭素社会戦略センター 山田研究顧問、科学技術・学術政策研究所 赤池上席フェロー、科学技術・学術政策研究所 科学技術予測センター 横尾センター長

5.議事録

【高村主査】 本日の環境エネルギー科学技術委員会を開催します。第10期の環境エネルギー科学技術委員会の第3回の会合になります。本日,あいにくのお天気ですけれども,お忙しい中お集まりいただきまして,どうもありがとうございます。
まず,事務局から本日の出席者と資料の確認をお願いしたいと思います。
【加藤係長】 本日御出席の委員数は,現時点で過半数に達しておりますので,委員会は成立となります。沖委員は遅れての御参加となります。
続いて,資料の確認ですが,議事次第,それから資料1-1,1-2,2-1,2-2,2-3がお手元にあることを御確認ください。また,机上には参考資料ということでファイルを御用意しておりますので,御活用いただければと思います。加えて一枚紙ですけれども,机上配付ということで,佐々木委員からの資料がありますので,お配りさせていただいております。なお,本日はタブレット端末が御用意できなかったため,紙での資料とさせていただいております。御了承ください。それから,LCSの参考資料を今,御用意しておりますので,後ほど配らせていただきます。
事務局からは以上です。
【高村主査】 ありがとうございました。資料の方,よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは,本日は議事次第にありますように二つの議題を予定しております。委員の皆様から忌憚(きたん)ない御意見を頂ければと思います。本日の会議終了時刻は12時を予定しております。
それでは,議事に入ってまいります。議題の1ですけれども,最近の環境エネルギー科学技術分野の動向についてです。本日は,科学技術・学術政策研究所(NISTEP)より,赤池上席フェローと,横尾科学技術予測センターセンター長にいらしていただいております。加えて,JSTの低炭素社会戦略センター(LCS)から,山田研究顧問にお越しいただいております。
本日は,この二つの御報告を頂いて,意見交換を行いたいと思います。それではまず,赤池様から,NISTEPの科学技術予測調査について御紹介を頂ければと思います。ではよろしくお願いいたします。
【赤池上席フェロー】 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の科学技術予測を担当しています,上席フェローの赤池でございます。本日は発表の機会を頂きましてどうもありがとうございます。
本日,私どもは最新の第11回科学技術予測調査について説明を申し上げたいと思います。15分ぐらいお時間を頂きまして,その後,質疑と聞いております。
まず,2ページでございますけれども,第11回科学技術予測調査,速報版ということで,間もなく一応公表される予定のものの先取りになりますけれども,こういうまとめたものを用意させていただいております。
科学技術予測調査は,1971年から5年おきに実施されており,今回が第11回目となります。科学技術基本計画が策定されるようになってからは,大体そのタイミングに合わせて,5年に一度ぐらいのタイミングでやらせていただいております。ターゲットイヤーとしては2040年として,ただ調査の対象としては前後もう少し幅を持たせてやらせていただいております。
もともと70年代,80年代は,キャッチアップということで科学技術の予測をするというのが非常に大きな課題だったのですけれども,2000年代に入ってからは,科学技術ばかりではなくて経済社会のニーズや課題解決などの社会の視点と科学技術の未来像と,組み合わせてシナリオを描くというスタイルに変わってきております。今回もそういう意味ではそういう構造になっております。
本日の速報版は近日中に発表する予定ですけれども,現時点の検討状況を取りまとめた資料でして,内容について一部変更の可能性がございます。また,秋に本報告書が出る予定でございます。本調査の実施に当たっては,環境エネルギー分科会委員として,本委員会の高村主査,それから江守主査代理に御協力いただいておりますので,御礼を申し上げます。
それから,3ページですけれど,いきなり科学技術調査の話ではなくて恐縮なのですけれども,私どもの研究所で論文の分析をしていまして,論文の数と引用度です。少し小さくて見にくいのですけれども,青いALLというのが全ての論文の数でね。それで,オレンジが引用度がトップの10%のもの。それから緑がトップ1%のものということで,右に行くほどいわゆるクオリティーの高い論文ということになります。
それで,これは全体から,非常に大くくりですけれども分野を区切って,その順位を示しておりまして,これ自身NISTEPの非常に厚い報告書になっているのですけれども,その中でも今回非常に興味深いと思ったので持ってきました。
他の分野で残念なことながら,軒並み順位を下げているところなのですけれども,環境・地球科学分野につきましては,非常にクオリティーの高いトップ1%の論文について唯一,順位をキープしている分野です。
これはブレークダウンした調査ではなく,マクロの調査なので,この原因まで分からないのですけれども,ほかの分野に比べると相対的に非常に頑張っておられる分野であると考えています。
では,本題の科学技術予測の方に入らせていただきます。4ページです。その科学技術の未来ということでお話をさせていただきます。もう一度2ページに戻っていただきますと,私どもの科学技術予測調査というのは,先ほど申し上げましたとおり,社会の未来像を描いて,それに対して科学技術の未来像と組み合わせて,科学技術の発展による社会の未来像,左下の青いものを作っていくということをやっています。成果物としては,この左の下にあります,いわゆる基本シナリオと呼ばれるシナリオと,右の方にあります,未来につなぐクローズアップ領域といいまして,その分野横断的にどんな科学技術分野が大事になってくるのかというのを,いわゆるAIとエキスパート・ジャッジを組み合わせて提示をしておりまして,そういうものが大きな成果物となっています。
今回は主に科学技術に関する説明と聞いておりますので,右側の部分を中心に説明をいたします。私の説明の前半につきましては,私どもの環境エネルギー担当の者が,今回の発表のために少しオーダーメードの分析をいたしまして,そういうものをお持ちしております。後半につきましては,このクローズアップ領域として環境エネルギー分野だけではなくて,少し広めの調査結果について御説明させていただくということで考えております。
また4ページに戻っていただきまして,科学技術の未来像,デルファイ調査ということで,環境エネルギー科学技術委員会における検討に向けてということで,今回若干絞ったところで発表をさせていただきます。
科学技術の未来像については,実現が期待される科学技術の発展見通しについて多数の専門家の意見を聞いて,デルファイ調査という形で行っております。調査対象分野は7分野で,前回の2014年調査を基にNISTEPが設定をしております。調査対象としては,702の科学技術トピックスがございまして,これを基にいろいろな情報,先生方の御意見を集約してやっています。702のトピックスのうち4分の1程度が前回からの継続で,4分の3ぐらいは見直しております。
デルファイ調査は,何でデルファイかといいますと,1回目の調査結果をそのアンケート対象者にお見せして,もう一回フィードバックを掛けて精度を上げるという仕組み,これをデルファイという言い方をしています。実は,これは第1回の調査結果でして,第2回の調査結果はちょうど終わったところでございます。
ということで,6ページで,重要度,国際競争力というように,このそれぞれの702のトピックスについて,こういった御説明をさせていただいております。専門家の方々には702の中からそれぞれの専門性に応じて,回答可能なトピックスを選んでいただくという形になっておりまして,平均すると1人当たり15程度のトピックに御回答を頂いております。今回,約7,000名の方にお答えを頂いております。
7ページでございます。今回,今申し上げました7分野が,こういう形になっていまして,それぞれの細目ごとに約10で,単純に言うと700というような形になっております。
環境エネルギー分野につきましては,環境・資源・エネルギーというところが106ございますけれども,今回,環境は,分科会で扱ったことだけではなくて,環境エネルギーは非常に広いところに関係いたします。もちろん,例えばマテリアルとか情報というのは,いわゆる科学技術の基盤として関係いたしますし,農水だとか都市インフラも,横の関係で非常に関係しますので,今回私どもの研究員が243のトピックスを抽出して分析をさせていただいております。243のトピックスが含まれる細目を網掛けしてお見せしていますけれども,非常に多くの分野が関係しているということが言えると思います。
ページをめくっていただきまして,環境・エネルギー関連科学技術の結果で重要度の高い20トピックスを挙げたのがこの表でございます。重要度につきましては,非常に高いが2,高いが1,どちらでもないが0,低いがマイナス1,非常に低いがマイナス2という形になっておりまして,絶対評価なのです。ただ,絶対評価というか,もう少し丁寧に言いますと,それぞれの回答者の先生方が,自分の専門の分野について答えていますので,例えば,横に並べてみて,その方にとってというのが,やはり他の分野と比較ができないということで,ある分野はすごく全般的に高く出たりとか低く出たりということがありますので,飽くまでもそのそれぞれの御専門の方が御自身の専門分野の絶対評価の中で選んできたということで,御了解いただければと思います。
ここで挙げていただいているのは,単純に並べますと1.49というのが一番高くて,243のトピックスの中で,詳細な都市計画を可能とする精度の高いハザードマップというものから,上から20個下の,自然災害に対する電力システムのレジリエンスを高めるということで,それで20個ということです。
20件中ほぼ半数の9件が気象だとか気候変動,あとモニタリングに関するトピックスでして,それに続いてエネルギーだとか発電だとか電池関連のトピックスが5件,環境保全,生態系関連が3件という形で挙がっております。この分離につきましても私どもの研究員が非常に大まかに付けたものですので,御参考としていただければと思います。
次にめくっていただきまして,重要度の高いトピックスのうち10個につきまして国際競争力ということで,クロスで表を作っております。右上にございますのが重要度と国際競争力の分布図ですけれども,重要度の高いトピックスは国際競争力も高い傾向にあるので,内容を見ますと気象観測だとか電池関係がほとんど占めるということです。ただ,この絶対評価として,スコア1以上が競争力が高いということを考えとなると,全てが1以上を超えているものは若干限られているのかという印象を持っております。
次に,重要度の高い20トピックスの実現時期としてお示ししているのが次の10ページでございます。この重要度の高い20トピックスについて,科学技術的に実現する時期を並べたのがこの表でして,科学技術的実現とは,科学技術的な環境が整う時期で,例えば,そのトピックスによって違いますけれども,研究・開発段階で技術開発の見通しが付く時期などを示しております。社会的実現時期は,日本において製品やサービス等が利用可能な状況となる時期ということです。今後10年程度,20件全てのトピックスが科学技術的に実現し,その後3年程度で社会的に実現すると予測されているものが非常に多いということです。特に前半に気象観測関連のトピックス,後半に電池関連のトピックスが並んでおります。ただ,ここでお示ししているのは回答の中央値ですので,大体回答した方の半数がこの年まで実現すると考えたという意味でございます。
ページをめくっていただきまして,次が重要度の高いトピックスに向けた政策手段として,10トピックスを上から並べております。2ページにわたっておりまして,最初の11ページが1位から6位,12ページが7位から10位までということとなっております。環境エネルギー分野の場合は大きな違いは出てこなかったのですけれども,全般的に人材育成の確保や研究や事業資金の充実や研究や事業環境の整備というのが重要な手段となっております。
各トピックスで最も選択された手段を見ますと,科学的実現では研究開発資金の拡充が最も多く選択されておりまして,社会的実現では全てのトピックスで事業環境整備,例えば,ベンチャーや創業支援のための税制措置だとか,実証実験環境の整備などの事業化のための間接支援施策等が非常に高く出ております。なお,環境・エネルギー分野はそれほどではなかったのですけれども,ライフサイエンスですと倫理的問題,ELSI,それからIT関係では規制などが非常に政策手段として求められていると強く出ております。
次でございます。ここからは,未来につなぐクローズアップ領域として,科学技術予測調査の速報版から持ってきたものでございます。
14ページに,どのように作ったかというのが入っているのですけれども,非常に細かくて大変なのですけれども,私どもにデータ・サイエンティストがおりまして,自然に言語処理をして702のトピックスを一定のまとまりを得る。そこからさらに,先生方のエキスパート・ジャッジを掛けまして,8領域ということで特集をしています。これの特徴としては,分野横断性を指標としてくくっております。先生方のエキスパート・ジャッジを掛けているので,そういう横断性の高いものを選んでいるというところになっております。
これで出てきたものが15ページの8領域になります。社会・経済の成長の変化に対応する社会課題解決技術が領域1となっていますけれども,自然災害に対応する先進的観測・予測技術まで8ということに選んでおります。これは,1が重要で8が重要でないという意味ではなくて,横断性でくくったものが8個あるというふうに御理解いただければと思います。環境エネルギー科学技術委員会での議論に非常に関係の深いものとして,例えば6番の宇宙利用による地球環境と資源のモニタリング・評価・予測技術だとか,7番のサーキュラーエコノミー推進に向けた科学技術が挙げられるかと思います。
それにつきましては17ページ以下で示しておりまして,18ページに宇宙利用による地球環境と資源のモニタリング・評価技術としてどんなものが挙げられているかということでトピックスを列挙しております。これにつきましては例えば環境・資源・エネルギー分科会だけでなくて,宇宙・海洋分科会だとか,農水分科会までもわたるトピックスとして出てきているものでございます。
また,19ページ,7番のサーキュラーエコノミー推進に向けた科学技術として,こんなものが挙がってきております。
さらに,20ページにお示ししましたように,少し特定分野に軸足を置く8領域として,例えば環境・エネルギー分野に近いものですと,Gの持続可能な社会の推進に向けたエネルギー技術というものも抽出をしているところでございます。
21ページはそれにつきまして少し詳細な情報を載せております。
非常に駆け足でございますけれども,私どもの今の進捗状況というのはこんなところでございまして,非常に印象深かったのは,今回243のトピックスをちょっと広めに取ってみたのですけれども,そのいわゆる誰もが分かりやすい地球観測技術だとか,あとはエネルギーの効率化技術だとかそういうものだけではなくて,材料,IT,農業から,非常に幅広い分野が関係して,この分野は成立しているのだというふうに印象深く思った次第でございます。
非常に簡単ですけれども,以上でございます。
【高村主査】 赤池様,どうもありがとうございました。
今御紹介いただきました御説明について,御質問,御意見等頂きたいと思っておりますけれども,議題の2のところで,今後の環境エネルギー科学技術分野における研究開発の在り方全般について,改めて意見交換をする予定でございますので,主に報告への御質問を中心に御意見を頂ければと思っております。
20分程度を考えておりますが,委員の皆様から御質問,御意見ございましたら札を立ててお知らせください。いかがでしょうか。では,山地委員お願いいたします。
【山地委員】 分野横断性の高い8領域というのが15枚目のスライドからありますが,20ページに,特定分野に軸足を置く8領域というのが出てくるのですけれど,この20ページの位置付けがもう一つよく分からなかったのと,分野横断的との関係がどうなっているのかも理解できなかったのですが,御説明いただけますでしょうか。
【赤池上席フェロー】 まず,この自然言語処理で上から32個まで選び,そのうち,上から8個のものを,分野横断性を指標にして選んでおります。また,そこまで横断性が高いわけではないけれども,エキスパート・ジャッジの先生方の中で,やはりこれは分野特定的だけど非常に大事だとお考えになったものをプラス8で選んだという仕組みでございます。
ですので,何で32かというと,これは機械的な理由で,2,4,8,16,32というくくりになってきます。32の上は64ですので,そういう理由でして,まず32を選んでそれからという作業になっておりまして,8プラス8ということになっております。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは江守委員,お願いいたします。
【江守主査代理】 ありがとうございます。僕はこのトピックを決める委員会の議論に一部参加させていただいて,非常に勉強になった部分もあるのですが,感想を少し申し上げると,トピックが非常にたくさんあるように見えても,一つの分野の中ではかなり限られた数を選ばなくければいけないということで,比較的オーソドックスな技術が多くなり,何かすごくニッチで余り多くの人が注目しないようなものというのは,なかなか選びにくいようなところがあった気がしています。
それから,デルファイをもう11回も行っていらして,継続してそのトレンドを見るということは非常に重要な意義だと思いますけれども,ある意味では,以前からやっているやり方で,古いやり方を繰り返しているというか,いろいろと社会のビジョンとつなげたり,変えている部分は変えているのだと思いますけれども,よくも悪くも継続的な手法なのだと思います。
技術に余り詳しくないので勝手な印象ですけれども,このホライズン・スキャニングとかをすると,もしかしたら出てくるような非常にニッチなものがあって,多くの人は余り注目していないけれども,実はそういうのをスタートアップが取り組んでいるうちにどんどん大きくなって,気が付いたら非常に重要な技術になってくるみたいなものが,こういうやり方,デルファイだと多くの人が見て重要度が認識されないと上がってこないみたいところがあると思うので,抜けてくるかもしれない。そういうことを考えると,当然ながらいろいろな限界があるのだと思うのですけれども,1つお伺いしたいのは,そういうことを考えると,この調査をどういうことに気を付けて参考にしていけばいいのかというところを少し教えていただければと思います。
【赤池上席フェロー】 ありがとうございます。正に江守主査代理御指摘のとおりでして,まず,よく言われるのは,これは未来像のごく一部でしょう,といって,正にそのとおりですというものなのですけれども,まず,社会の方から見たときには,当然科学技術によらない未来像というのも当然ありまして,そういうものは例えば外の民間のシンクタンクだとかいろいろたくさん社会ビジョンというのが行われておられます。当然,そういう科学技術によらないものもたくさんございますけれども,少なくともその科学技術に関係あるものを抽出しているというところで,非常に限定的であります。
あともう一つは,手法に由来するところですけれども,まず,大体分野ごとに100ぐらいのトピックにして,かつ合議制で非常に有識者の高名な先生方に選んでいただいた上に,更にデルファイで2回掛けて選んでいますので,そういう意味では真ん中に寄るという傾向がございます。
という意味では,いい意味でも悪い意味でも王道の部分を示しているということで,そういう調査だと御理解いただければと思います。私どもの研究所でも,これを補完するものとして,研究員が見付け出した興味深いものを,「KIDSASHI」といってウェブ上に載せるような取組もしていまして,そちらの方だとたまたま学会で聞いてきましたよ,だとか,これは今,はやっているみたいですよ,みたいなものも載せてきておりますけれども,当然それはトレードオフで,角度といいますか,本当にそうなのかというものもございます。
あとは,私どものところではないですけれども,理研ですと,100年後にあえて王道を外したものを考えるというふうなことで一生懸命やっておられるような取組もございますので,CRDSは比較的王道かもしれないということで,それぞれ特徴がありますので,そういう特性があって,他のものを補完的に見ていただこうかと思っています。
もう一つは,まだこれは分析し切ってないのですけれども,自由回答でも非常に興味深いものが出てきていますので,テキスト解析の技術を持っていますので,そういうところからも見付けてくるだとか,いろいろなことができるのかと思っています。
これも余談になりますけれども,私どもの研究所で定点調査といって研究者に研究制度について主にお聞きしているのもありますけれども,最近では,そのアンケートの項目よりも自由記述の分析の方が非常に興味深いということで,そちらのニーズも多くなってきていまして,せっかく6,000名を超える先生方にコメントを頂いたことですので,大事に使っていきたいと思っております。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは本郷委員,その後,加藤委員お願いいたします。
【本郷委員】 私も8ページの20のトピックスなのですけれども,江守主査代理の御説明に加えてもう一つあるのが,今よく言われている重要な技術として,特にエネルギーにおいては水素の話があるし,またいろいろな議論はありますけれど原子力,また再エネが増える中での電力のシステムの話だとか,そういう典型的に出てくる技術はどのように考えるべきなのか,ということがあるかと思います。世の中で言われている重要技術が正しいかどうかというのは別の問題なのですけれども,そうした技術とここの20のトピックスを比較してみると,大分大きな違いがあるように見えます。
それで,逆に言うと,その違いに非常に意味があるのではないかと思いまして,それをどうして,こういう違いが出たのか,それをどういうふうに評価しているのか,もう既にその辺分析されていれば簡単に紹介していただければと思いました。
【赤池上席フェロー】 率直に申し上げて,まだ数字が集まってきた段階ですので,そこまではやっておりません。ちなみに,参考資料も含めて46ページにあるところで,環境・資源・エネルギー分科会のメンバーの先生方に選んでいただいていますので,一つはどうしてもこの先生方が目をお付けになるところにトピックスの選択がよるところはあるかもしれませんし,あるいは別の理由があるのかもしれませんけれど,いずれにせよ,これを分科会の先生にフィードバックしまして,ここでこういう御意見いただいたのでどんな形で考えたらいいのかということも含めて,これから検討させていただければと思います。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは加藤委員お願いいたします。その後,佐々木委員お願いいたします。
【加藤委員】 9ページの国際競争力との比較というので教えていただきたいと思って質問させていただいたのですけれども,この国際競争力に関しても,専門家とか,アンケートに答えた人が感じているところということなのでしょうか。いわゆるデータに基づくものではないということでしょうか。そこが気になったところで,何か皆控えめに答えているのかどうか,余り自信のないようなところが表れたのかと思って,お聞きしたいと思いました。
【赤池上席フェロー】 これは飽くまでも主観によるものです。客観を何に持っていくかの観点は難しいところですけれど,例えば論文なんかですと,最初にお見せしたようなものが多分その代表的な評価になってくるのかと思いますし,あと,CRDSでベンチマーキングというような形で,比較を目的とした調査もやっておりますけれども,これは飽くまでもたくさんあるアンケートの中で御回答者の方が主観として選んでもらったということです。
率直に言いまして,例えば分野の特性というかカルチャーというのがございまして,例えばインフラですとなぜか非常に高く数字か出るみたいな,ICT関係の方は割と低く出るだとか,マテリアルとか,シーズ・オリエンテッドな分野の方は割と控えめという感じです。ニーズ・オリエンテッドの分野はどちらかというと高めに出るという,なぜかそういう傾向があるというのが先生方の感想としてあります。
【加藤委員】 興味深いと思いますけれども,データとともに見てみると,もっと面白いかと思います。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは佐々木委員お願いいたします。
【佐々木委員】 江守主査代理と似ているところなのですけれども,この調査をどういうような方々がやっているかによって,かなり結果が変わるのかという印象を持ちます。私自身は10年ぐらい前に,たしかこの関係でお世話になったことがあるのですけれども,ちょうど大学でマネジメントなんかやっていると,例えば論文の引用数を評価すると,やはり研究者人口が多いようなところ,そういうところが当然インパクトも大きいし,そういう方々が当然自分の分野に思い入れがあるので,自分の関係の分野に丸を付けたりすると,結局,今多くの研究者がいるところがずっと大事みたいな形になって,そうすると日本全体で言われているのは,実は新しいチャレンジがなかなかできなくて,クラシカルな分野にずっと研究者が引き継いでいる,そういう批判もあります。
なので,是非いろいろ,幅広にやられていると思うので,評価する方の分野をダイバースにしていただくということと,あとは新しいトピックスを積極的に入れていって,選択肢の幅を広げていくということが大事かと思います。そのあたり御対応されていると考えてよろしいのですか。
【赤池上席フェロー】 そうですね。今後の課題として考えておきます。5ページにアンケートの回答者がありますけれど,専門家ネットワーク2,000名をコアの回答者としていまして,その下に回答者がございますけれども,30代が20%,40代が35%,50代が27%ということで,比較的若い方の回答を得ているところですけれども,やはりトピックスの選んだ段階でかなりシニアな方の,割と真ん中の意見を選ぶというところがございますので,どういう形でというのはほかの手法も含めて,考えていきたいと思います。
【高村主査】 ありがとうございます。堅達委員お願いいたします。
【堅達委員】 最初に出た論文数のランキングが,軒並み全て下がっているということが,かなり衝撃的でございまして,10年でこれだけきれいに,環境分野もぎりぎり踏みとどまってはいるとはいっても上がってもいないという状況で,これだけの大規模な調査をなさって,分析というか,なぜこうなっているのかとか,その専門家ネットワークの人の先ほどの自由記述も含めまして,どうしてこれだけ下がり,それをどうやったら次の10年に少しでも上げていけるのか。そのあたりは,この生データといいますかビッグデータ的にいろいろ回答が集まっているものを,どうこれからやっていこうとされているのか,もしプランがあるようでしたら教えていただきたいと思います。
【赤池上席フェロー】 これは科学技術政策上の最大の課題でございまして,飽くまでも相対的な地位でして,上がってきているのはもうはっきりしていて,中国です。今,アメリカの次に科学大国で,昔は質の高い論文は余りなかったのですけれども,ここ数年は質の高い論文でも中国がトップで,うちの同僚のやっているものですと,ほとんどの分野で,中国がほとんどの領域でトップを占めているというようなこともありますので,そういう意味では,端的にいうと中国です。
それで,中国は仕方ないといえば仕方ないのですけれども,ドイツとかイギリスとか,そういうところと比べても,やっぱり相対的に下がっているというところがより問題だと思っていまして,これは特に研究振興局や科政局が中心となって,今,研究力の分析とその対策ということをやっていますけれども,一つはやはり若手の研究者の方が落ちついて研究をできる環境が厳しいのではないかとか,相対的に,いろいろな御意見あるところですけれども,やはり基盤的な経費が非常に厳しくなってきて,そういう意味で任期付きのポストだとか,全体として教員の構成が高齢化しているのではないかとか,様々な,あとはもう一つ,私どもは研究時間の調査というのを科政局でやっていますけれども,研究そのものよりも様々な事務に,その若い研究者の方が取られているだとか,結構生々しい意見がたくさん出てきておりまして,今それに対するアクションプランというのを,CSTIもそうですし,文科省も,一生懸命やっておりますけれども,まだこれという効果が出てきていないというところでございます。
【高村主査】 ありがとうございました。今の点に関わって私も1つ,お尋ねしたいと思っていましたのが,環境・地球科学分野は,一定の研究力といいましょうか論文のランキングを維持しているということかと思います。この調査の中でも随分議論がありましたけれども,環境分野といいますといろいろな分野にまたがっているところもありまして,この環境・地球科学分野というのは具体的にはどういう分野で,特に論文のランキングの上で特徴的な貢献をしている分野があるのかどうかという点をお尋ねしてもよろしいでしょうか。
【赤池上席フェロー】 今,資料が手元にございませんが,データベースとしては,クラリベイト・アナリティクス社のWeb of Scienceというデータベースを使っておりまして,その中で環境・地球科学と分類されている雑誌群から取ってきております。その元まで当然たどれば,どういう雑誌とかいうのも分かるのですけれど,きょうは手元にございませんで,マクロとしてこういう結果になっているということでございます。
【高村主査】 ありがとうございます。ほかに御質問,御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
私も江守委員と御一緒に一部調査に関わらせていただいたのですけれども,大変興味深い研究といいましょうか,調査を蓄積してくださっていると思っております。特に今回御紹介いただきましたように,社会の未来像というものを最初に議論をして,それをベースにしながら調査を組み立てていらっしゃるところですとか,先ほど御紹介もありましたけれども,領域を超えた研究あるいは科学技術の必要性が議論をされる中で,その点を非常に意識して分析をしていただいていると思っております。大変楽しみにしておりますし,科学技術基本計画への重要な一歩となることも期待をしております。きょうはどうもありがとうございました。
それでは続きまして,JSTのLCSから山田先生に御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【山田研究顧問】 LCSの山田でございます。よろしくお願いします。
この資料の順に話をしたいと思います。題目が「ゼロカーボン社会構築に必要な課題」ということで,電源,水素,CCSとありますが,最後に,どうやってそれらが産業につながって,どの程度CO2が減るかというのを途中までやっておりますので,そんなことを話したいと思います。
内容は,2ページにありますようなことですけれども,重要なのは2番のLCSのビジョン,あとは排出量ゼロの電源の実現に向けてということ。次に,炭素循環社会の実現に向けてCCSのコストがどうなっていくのか。それから,ゼロカーボン水素の活用に向けたコスト低減の課題が何か。最後にゼロカーボン社会に向けた産業構造の変化というようなことで話したいと思います。
3ページには,LCSの説明が書いてありますけれども,我々は前から言っておりますが,技術シナリオ,社会シナリオそれから今度は社会のシステムがどうなるかということですけれど,大事なのは技術を定量的に検討し,将来社会がどんなふうに変わっていって,そのためにどういう技術があるのかということだと思います。2050年というターゲットを掲げたときに,そこで成り立つ社会に使われているというのは2030年の技術ですから,そう時間はない。先ほどのNISTEPの話でも,技術的実現見通しが2030年から50年のトピックが紹介されていましたけれど,それらが本当に使えるものになるかは割と先が見えるという前提で,取り組んでいます。
その次の4ページ目ですけれども,LCSが目指す「明るく豊かな低炭素社会」というのはここに2100年で上昇温度努力目標というのを1.5度と書いてありますけれど,これはもちろん1.5度か2度かでやることは非常に違ってまいりますけれども,例えば1.5度が本当に可能なのかどうかについては,どんな考えでそれを見るとそこに向かえるかを考えると,イノベーションや何かが起こるかもしれないということで,一応難しい目標を掲げてそこから逆にバックキャストするというようにやっております。
温室効果ガスの排出を,2050年以降の早い時期にゼロエミッションの達成が可能かどうか。そのときに明るい豊かさとして,一定の経済成長の実現ということも必要だろうというところです。
それで,取り組むべき課題としましては,CO2排出量ゼロ電源の早期実現,これから電力がずっと増えてくるでしょうから,このところが非常に重要だというので,ここを中心にやっておりまして,これから増えていく電源がどの程度日本でCO2排出量ゼロでできるのかをある程度明確にしないといけない。それを踏まえて,ゼロカーボン社会ではどういう産業構造になって,それに追従するとCO2はどんなふうになっていくかということが見通せないといけない,こんなことを考えながら「明るく豊かな低炭素社会」の実現に向けて取り組んでいます。
次のページに,そこと関係しているので,やはりまずは世界全体の経済成長がどんなふうになっていくか,グローバル化がどんどん進んでいますから大切だということで,一つは世界の経済成長率,それから世界の総生産GWPに対してCO2の排出量が今までどうなっていて今後どうなるかということ。あともう一つは,今まで排出されていたCO2の累積の量と,気温上昇の関係というのはかなりリニアだというのは10年ほど前から発表されていますので,その式を使いますと,このような上昇温度になります。
使った式は後の参考資料の14ページに出ていますけれども,まずは5ページの表を見ていただきますと,初めの丸1のところ,過去100年のGWP当たりのCO2の低下率というのはほぼ一定で,大体0.0049ぐらいになるのですけれども,これはビリオンダラー当たりの100万トン-CO2,つまり1,000ドル当たりのトン-CO2ですね。経済成長率が2%,3%,4%と見ますと,2100年の上昇温度は右にありますように2度から3.4度ぐらいで,これだと1.5度は少し難しいということで,丸3番,かなりCO2削減のスピードを上げて,2067年にCO2排出量ゼロということでありますと,経済成長率が3%でも1.5度になるということですけれども,大体不可能でないということが分かって,ある程度の経済成長率との関係も分かると思います。
その次の6ページ,3番に書いてありますけれど,これにつきましては,次の7ページを見ていただいたらいいと思いますけれど,これは縦軸に発電コスト,今後の2030年で考えられる発電コストで,横軸が電力需要量です。今,日本の電力需要量は大体1,000TWhで,初めは,減らしてやっていったら楽だと思ったのですけれども,結局EVが出たり,それからビッグデータをずっと扱っていきますと,非常に増えていくだろうということで,本当に増やしていったらどうなるかということで,いろいろな条件を変えて計算したのが,ここにあるデータです。
一つ,大きくは,慣性力の制約という,実際に回転機器で発電するというのが,50%ないといけないというのが,今の慣性力の制約にありますけれど,そのほかここに書いてありますような新しい揚水発電を付けたり,新しい高温岩体みたいな安定的な発電システムを付けるとどうなる,ないときはどうなるというので条件変えています。
まず,慣性力の制約が50%のままですと,発電コストが現在よりも最高で10円/kWhぐらい高くなります。慣性力の制約を25%に緩和できると,グラフの下の方になってくるわけで,発電コストは13円から17円/kWhぐらいで,しかもうまくやると1,800TWhぐらい,今の1.8倍ぐらいまで発電しても,CO2排出量をゼロにできるという計算結果が得られまして,これらの前提につきましては,例えば太陽光発電のコスト低下とか,それから新しい揚水発電がどんなものかが参考資料の15ページ以降に書かれています。あと例えば16ページに,太陽光発電の技術でどんなふうにコストが下がって,今後どうなるかというのがありますけれども,これを踏まえてこれからの10年間ぐらいを見てみますと,17ページのように,今やっているような新しいもので効率を非常に上げるというのではなくて,シリコンの生産技術でどんどん下がっていくという話と,その技術の元のところは,中国がこの10年間やっている,正に昔日本がやっていたような生産技術,大きいシリコンをどれだけ早く引き上げられるかとか,そういう地道なものが効いて下がってきていますし,今後も実際の現場でやるような仕事が割と大きい。言い換えますと,薄くするために新しい,鉄鋼のワイヤーの強度というのは限界がありますけれど,強くて細い物ができればいいのですけど,なかなか難しいので,ここのところは少し難しいと思います。いずれにせよ生産技術が大切だというのがこういうことから分かってくると思います。
その次の18ページには,新揚水発電という多目的ダムの上に付けたら安くできるものがありまして,先ほどの7ページのような結果が出ています。
次に進みますけれども,8ページには,やはり,CO2をゼロにしようとしますと,実際は空気中から直接取るというようなこととか,それから火力発電所でも非常に高い効率でCO2を取らないといけないので,例えば今言われているダイレクトエアキャプチャー(DAC)で我々が実際計算してみますと,空気中の400から100ppmぐらいまでを取ろうとしますと非常に薄いので,強いアルカリを使うということで,カナダでずっとやられていますけれど,これを計算すると,一番下にあるように40円とか30円が,1キロ当たり掛かって,これは普通のCCSの約10倍ぐらいです。
例えば,石炭火力発電所で現在のCO2の回収法のアミン法にこのDACを組み合わせると,7円ぐらいの現在の2倍もいかないような値段でできる。こういうものを,あとどれだけCO2を減らすというのに掛けると,実際に掛かる費用が分かる。例えば日本でCO2を100%削減できなくて,どうしても20%ぐらいはCO2除去ができないとした時に,代わりにDACを海外でやってもらうと,10兆円とか20兆円のオーダーになる。ですから,将来そんなにお金が掛かったときに,ほかの輸出でそれぐらいのオーダーのものを出さないと合わないとかいうようなことが分かってきます。
次の9ページは,水素がいろいろ言われていますけれども,日本国内で新しいゼロカーボンで水素を作ろうとしますと,この表の一番左側の太陽光発電と蓄電池でやると,メガジュール水素あたり5.6円ですね。それでバイオマスから作ればもちろん安いので2円ぐらいでできますけれど,これを石炭で海外で作って水素輸送すると6円ぐらいということで,今,日本で作るのとそうは変わらない。ただ,日本で水素がどれだけできるのかというのが課題になってきて,外に頼んでもこの程度で入るというところです。
その次は,海外で生産された水素又はアンモニアによる発電の比較について,これは越副センター長が非常に緻密な計算をされまして,水素ですと左に書いてあるように非常にNOxが出ます。アンモニアですと,燃料の割合等を最適化すれば出力は水素と同等で,しかもNOxがほとんど出ないので,脱硝が要らないとなるとアンモニアの方がいいのではないかというような計算結果が出ております。
次の11ページですけれど,ゼロカーボン社会に向けた産業構造の変革と書いてあって,ケース3の意味は,これは高炉を現在の生産量の半分にして,電炉は1.5倍にしたときに,CO2排出98%削減の電源を使うと,CO2の削減率は40%から44%に増加します。
その次のケース4では,例えば訪日旅行者によりGDPが10兆円増えて医療費も30兆円増とすると,輸出入がこんなふうに変わって,でも使うCO2が出てきますので,ほかにも波及して36%にしか削減できません。その次のケース5では,例えば今の車を全部EVにしてしまって,ライドシェアで50%ぐらいの台数で動かそうとすると,51%のCO2の削減率になります。あと,ケース3~5の変革を全部統合化してやってしまって,あとそれに,都市ガスは100%できないのですけれど,例えば全部100%電化してしまうと,全部でGDPの方は554兆円ぐらいになって,CO2は56%削減できるということです。
社会全体でCO2を100%削減するというのは非常に難しいのですけれども,産業構造がどういうふうになるかということと,その産業の中身が何だということがかなり影響してきますので,産業連関表でそういうところを未来の産業と,あと今やっております電源の構成では新しい材料を使って作りますから,そういうものを入れて,鉄はどれだけ,アルミはどれだけ使うとか,そういうことを入れた計算ができるような仕掛けを作って,だんだん進化しておりますので,そういうことで実際の社会像をこんなふうにしたいというのを,いろいろな計算ができるようにして,ゼロカーボンになるときにどんな制約があるのか,それからそのときに,外国でやるものが何で,日本でやるものは何だというのがはっきりしないといけなくて,それがゼロというところを見ていくと非常に見えやすくなるし,実際それを目指してやってみると,電源だけで言えばゼロに近いものができるようになることが分かってきております。
というようなことで,まとめは次の12ページにありますけれど,2067年までにゼロエミッションを達成できると,経済成長率3%でも1.5度ぐらいには抑制ができるということです。これは,簡単ではないのですけれども,一応はできるだろうということです。あと,新技術で慣性力緩和とか新揚水,高温岩体地熱の発電を導入できると,電力需要が1.8倍まで伸びた場合でも,ほぼ同水準の発電コストで現在と同水準でできます。一方で日本全体のCO2排出量を明らかにする必要があって,例としては,CO2は2分の1程度に削減する場合だったらこれになるというのは分かりますけれども,少しいろいろなケースを計算しながら,これから更に明らかにしていきたいことがあります。
最後に,19ページの参考資料で,例えば太陽光発電は,システムコストが現在の90円/Wから2030年には40円/Wになると予測しています。20年前に,その20年先の技術を予想したカーブを作ったことがあり,大体合っていたので,今回の予想もある程度自信があるのですけれども,それが進むと電源のコストの低下というのが,1年に3兆円から8兆円程度です。これは,電力需要が1,800TWhになったときの計算にしています。蓄電池ですと,10円/Whから6円/Wh程度になりますので,このぐらいになると数兆円の電源コスト低下,それから高温岩体発電を開発すると,数兆円とか,いろいろな技術をこうやるとどの程度だというのが分かってきますが,非常に新しい技術というのはそうはないのです。今の技術を確実にやっていくのが非常に大事です。それを更に伸ばそうと思うと,全く新しいことをやっていく必要がありますが,先ほど日本の技術開発力の低下,研究力の低下とありましたけれど,テーマはよく考えてやらないといけません。現行以上に効くようなものをどうやって見付けるかが大切だというのは,こういう定量的な計算から分かっていただけたところで,私の発表を終わります。
【高村主査】 山田先生,どうもありがとうございました。
それでは同じような形でございますけれども,御報告への質問,御意見を中心に頂ければと思っております。先ほど言いました科学技術の分野における研究開発の在り方については,次の議題の2で改めて議論をしてまいります。いかがでしょうか。では中山委員お願いいたします。
【中山委員】 11ページ,少し細かいところを質問させてください。
産業連関分析でEV普及100%,ライドシェア50%というところを計算されておりますが, EVの蓄電池は製造に掛かるエネルギーもかなりあると認識しておりますので,製造や電池寿命の前提をどのように置かれているのかということをお聞かせください。
【山田研究顧問】 寿命の方は5年程度と考えてやっておりまして,それからその製造コストも中に入れて計算しています。これもEV普及率が100%などと簡単な仮定で計算してしまっているので,途中いろいろやらないといけないと思います。
【中山委員】 例えば,EVの製造に掛かるエネルギーも再エネ由来にしているという前提ですか。
【山田研究顧問】 全部これは,CO2排出削減率98%の電力で計算しています。表のケース3の鉄鋼も,電炉利用割合の増加によりCO2排出が減っています。
【中山委員】 そもそものエネルギー源を再エネにして,このような結果になったと承知いたしました。
【山田研究顧問】 発電のところは,2%CO2が出る前提で計算しています。この2%分の削減というとさっきのDACをどこかでやってもらわないと,日本でできるかどうかという問題,先ほど言わなかったのですけれど,まだはっきり分かってないので,結局CCSで外でやってもらうとかなり高くなるというふうに思っています。
【高村主査】 よろしいですか。ありがとうございます。では本郷委員,その後,江守委員お願いいたします。
【本郷委員】 私も11ページなのですけれども,計算結果,先ほど成長率3%と御説明があったような気がするのですが,ここで見るGDPというのは,2050年のGDPでしょうか。だとすると,3%成長になってないような気がしますが如何でしょうか。また,輸出については,3%成長のためにはこれだけコストが掛かるのだから、それを賄うためにこれだけ輸出しなければいけないというような御説明ありましたが,そこのあたりの経済モデルのロジックを確認のために教えていただければと思います。
【山田研究顧問】 まず3%というのは世界全体の成長率が今,2.何%だから2%にしてもいいのかもしれないですけれど,それで日本はもちろん1%にも減っていく状況を見たら,日本で3%というふうにはしていません。1%以下の成長でも,どういう社会になるのかという話です。3%というのは,今までの感じですと日本では非常に難しいし,どうやったらいいかというのは思い付かないのですけれど,1%でもできたらすごいと思っています。
【本郷委員】 まず2050年の産業構造が前提としてあって,必要な輸入が計算され,輸入を賄うために輸出でこれだけ稼がなければいけないというロジックを説明をされたのですけれど,(新しい産業構造に基づく)産業連関表で出されたのか,それとも通常の産業連関表で出されたのか。
【山田研究顧問】 今はまだそこまでは入れて計算していないので,これからそれは出します。今は単に例として出していて,これからだんだん増やしていって,ケーススタディーは幾らでもできるのですけれど,どういう社会で,そこでどういう材料を使うか,というような,そういう計算をしています。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは江守委員,その後,山地委員お願いいたします。
【江守主査代理】 ありがとうございます。幾つかあるのですけれども,まず1つ目はコメントですが,気温上昇の計算式がありましたけれども,恐らくこれは大ざっぱな計算で目安としてだろうということで,一応申し上げておくと,気温上昇の予測の科学的な不確実性があり,かつまた,CO2以外の温室効果ガスにも依存するということで変わってくる。そこに気を付けて見ればいいということだろうと思いましたけれども,ちなみにIPCCの1.5度の特別報告書では,1.5度を目指すにはCO2排出ネットゼロが2050年前後と言われているので,それに比べると少し楽観的な見通しになるということですので,ほかのことを考慮すると更に厳しくなるおそれがあるということがちょっと気になりました。
それが一つで,二つ目はちょっと単純な質問なのですが,慣性力制約ということが出てきましたけれども,回転発電機の割合がある程度ないと系統が不安定になるという,何となく理解しましたが,少し難しい。なかなかふだん触れない考え方だと思ったので,ここをもう少し御説明いただければ,特にどういった技術開発があるとその制約が緩和されるのかということを簡単に教えていただければと思いました。
【山田研究顧問】 初めのコメントありがとうございます。もちろんかなりいろいろな誤差を含んでいるので,気温上昇というのは変わるかもしれませんけれども,どの程度の成長率があると,というので,そのときに見て,それとあとは下がるカーブを見ながらいけば,大体合わせてきているし,そう当たらずとも遠からずというふうに思っております。
それから,質問の慣性力制約は,多分山地委員の方が知っているかもしれませんけれど,停電になったときはすぐ回復した方がいいとかいろいろあるので,それについては物すごい技術開発がいるのかどうか,もちろん,例えばたくさん電気をためられるようなものとか,新しい超電導のためるもので安いものができれば,今と同じようなのができるかもしれませんけれども,少しシステムを変えたり,一部のところをどうしても必要なところは違うものをやるとかすれば下がるので,この技術開発をやったらすごくよくなるということは,多分必要ないのではないかと思います。
ただ,先ほど言いましたように,新しい揚水発電とか,それから地熱発電みたいに定常的に動いてハイテク機器になるようなものは大切なことは大切ですし,そういうものは精いっぱい入れるようにして,開発してほしいというふうに,その中の開発では,例えば高温岩体発電なんかですと地中でいろいろな測定をして,ここで本当に使えるというようなことをやっていかないといけない。それはCCS等の開発とも関係してくると思うのですけれども,そういう研究というのはなかなかされていないので,海外は,かなりやっていて,でもお金が掛かる開発なのです。でも,そういうものが必要だと思っています。
そのほかのところでは,考えてもいいですけれど,それを入れてしまって,これでできますというふうにはならないので,一応今考えられる範囲での技術を入れてやっているということです。
【江守主査代理】 済みません,そういうものが進むと,慣性力制約は下がる,と理解していいですか。それはまた別の問題ですか。
【山田研究顧問】 制約をそれにしましょうといったら,多分合うようになってくるのではないかと,乱暴なことを言えば何でも下がると思います。ただ,それでもそうならなくてもいいようなものも,電力というのはたくさん要りますので,発電としても必要なので,新しい揚水発電等の技術を入れています。
【江守主査代理】 あともう一個だけ聞かせてください。この間,日本のパリ協定長期戦略が決まって,そこでいろいろなことが書かれているのですけれども,水素とCCS,CCUが特に目立つ,推しているという感じがするというのが多くの方の印象だと思うのですけれど,特にダボス会議の首相の演説で,水素とCCUということを言って,かなりそれが政策的にも大きな影響力を持っているように見えるのですけれども,今回その水素とCCSの話はあったのですが,CCUということは出てこなかった。僕の個人的な印象としては,どれも大事な技術だと思いますけれども,今はちょっとよくも悪くも政治的な推進力が強いという感じがしまして,その辺も含めまして,水素,CCS,CCUあたり,特にここに書いていないCCUをどのようにこれから見ていったらよいのかということを教えていただければと思います。
【山田研究顧問】 CCUも一部であるもので,それを全部にしようとすると必ずCO2は分離しないといけないですから大変で,ですから,これからは,バイオマスや何かとの取り合い,カーボン源としてのバイオマスの取り合いになっていって,それを電力に使った方がいいのか,プラスチックを作るときに使った方がいいのかとか,いろいろありますから,それにどう使うと一番効果があるかとかいうようなところも出したいというふうには思っています。CCUについても一部は,いろいろな計算はして,プラスチックを作るときはこんなに掛かるとかいうことはやっております。カーボン源は必要になってくると思うのです。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは山地委員,お願いいたします。
【山地委員】 山田先生の話は今月初めに報告をまとめた,経産省と文科省が合同でやりましたポテンシャル・実用化検討会で伺っていたので,きょうは1つだけ,11枚目のスライドはそのときになかったような気がして,さっきも本郷委員から質問があったのですけれど,私は別の角度で,こういうCO2削減,一番下の行ですけれど,基準は2013年の13億トンとしているということですが,一番上の産業連関分析の隣のところに,電源構成で98%削減というのが入っているわけです。そうするとそこで大幅に下がっているわけだから,その上でこの産業対応をするというなら,もっと下がると思うのですけれど,何で半分ぐらいに収まっているのか。もっと,電気が98%も削減すれば,明らかにその部分だけで相当下がると思うのですが,そうでもないのですか。
【山田研究顧問】 電源だけだと,ケース2のように40%ぐらい下がります。
【山地委員】 だから,この1の基準というところが,そもそも電源のことを考えただけで40%下がるのではないですか。
【山田研究顧問】 いえ,基準はゼロにしておいて,そこからどれだけ下がるかという意味の基準です。
【山地委員】 パーセントですから,どこが基準かで,パーセントだって,変わってくるので,一番下に,2013年の13億トンが基準と書いているから,私は質問しています。
【山田研究顧問】 2013年における日本全体のCO2排出量13億トンを基準にしたCO2の削減率を表しています。2050年においてCO2排出量98%減の電源を用いると,表のケース2のように,日本全体で40%のCO2削減となります。その上で,鉄鋼の生産方法の変化やEV車の普及等,産業構造の変革があると,CO2の削減率が上下することが,産業連関表を使った計算で分かります。
【高村主査】 ほかに御質問はございますでしょうか。私の方から申し訳ございません。実は先月,東京大学の当方のセンターで,森先生にも参加をしていただいて,エネルギー社会経済モデルを比較するという,シンポジウムをさせていただき,モデルあるいはシナリオ分析に携わっていらっしゃる方といろいろ議論をさせていただいて大変興味深かったのですが,実はそこでも同じような議論をさせていただいたと思います。
一つは,明るく豊かな低炭素社会,このことは,長期戦略も単に炭素を減らしていくだけでなく,今ある社会課題に応えて,むしろ幸せ度を増していく,そういう社会像を描こうとしておりますし,あるいは環境と経済の好循環ということも強調していると思います。今回御報告でお示しいただいたところでは,例えば電源コストの低下は一つのこうした明るく豊かな脱炭素社会に結び付いていくと思いますが,例えば経済規模,GDPの拡大だけでなく,サービスや生活の水準が落ちない,落とさない,あるいは新しい雇用ですとか生活の快適さとか,こうしたものがうまく示せるようなモデルの在り方について,今後課題として示唆されるものがあるかどうかという点が1つです。これは先ほど申し上げましたシンポジウムでも議論をさせていただいた点です。
それからもう一つは,今回も産業連関分析等を使っていただいて,社会・経済・産業の構造そのものが大きく変わることを示していただいていると思います。今のSociety5.0もそういった発想に立っていると思うのですが,例えばEUが今作っている2050年あたりのシナリオでも8つシナリオを作っていると思うのですけれども,社会とか都市の在り方,資源の使い方,働き方,生活の在り方,それからビヘイビアも変化していくような,そういう変化の想定をおりこんで8つの社会経済のシナリオを作っていると思っていまして,こうした社会経済の将来の変化をうまく今後の研究の中に取り入れていただくような方向性というのがあるのかどうかという点,この二つをお尋ねできればと思っております。
【山田研究顧問】 一番難しいのは,どういう社会でそれを支える産業構造がどうなるかというのが一つと,もう一つは日本は,人口はずっと変わっていくわけで,どの程度の年齢の人がどのぐらい残るというのは分かりますけれども,それが今言った産業にどういうふうに振り分けていったらいいかというので,人口の分布とか変化をいろいろと見ているところで,それは大分時間が掛かると思いますけれど,そういうものを入れようとして少し力を入れてやっていますけれど,まだ全く外には出していません。時間は掛かりますけれど,やっていっています。
2050年の産業構造が決まって,それらを支える技術がどういうものかが決まるといろいろなことが分かりますけれど,それらが何か予測するのには,随分とシナリオ分析を行う必要があります。ドイツ等の人と話しても彼らは,定性的に,こうなれば,こうなるとかいうふうに言うのにとどまっています。具体的なことと本当に結び付いているのかいないのか,そういうデータは彼らと議論してもなかなか出てきませんが,議論はいつも続けています。我々は少しそちらの方に,今回も経済のいろいろなモデルを作りながらやっていて,ようやくできそうになってはまた改良してやっていますので,時間は掛かりながらですから,これからも出していきますけれども,少しずつ変化していきますので,それは少し理解していただきたい。
【高村主査】 ありがとうございます。森先生,何かございますか,よろしゅうございますか。
【森研究統括】 ちょっと一言だけ申し上げます。やはり,環境の在り方を語ると同時に,社会経済,特に生活のサステイナビリティーをベースにしたシナリオを書いていきませんと,非常に偏ったものになるのではないかというところで共通しているかと思います。豊かさというのは,線香花火ではなくてずっと続かなければなりませんから,その中では,貿易で結局日本は何で食べていくのだろうかという話が,今1つの重大なテーマになっているかと思います。いろいろな文献や調査を進めているところです。
【高村主査】 ありがとうございました。堅達委員,お願いいたします。
【堅達委員】 この前提となる数字の出し方で,今,1,000テラのものが将来1,800になっても1.5度に抑えられる道筋を探すということで計算はされていると思うのですが,先ほど江守委員もおっしゃったように,IPCCでCO2ゼロを,今イギリスにしても2050年にゼロにするということをもう世界中が目標にしている中で,2067年というのは正直言って,これでは足りないというスピード感になってくるときに,どうしてわざわざ1,800に電力が増えるということを見通しにして,計算を立てていかなければいけないのか,逆に言うと一緒に省エネルギーも含めて,電力需要が増えないやり方というか,そういう社会の在り方とか,そこは明るく豊かには保ちつつなのですけれど,電力需要を増やさない,あるいは減らしていく中で,このゼロエミッションを達成するというような計算はされておられないのでしょうか。
【山田研究顧問】 まずは,電力は確実に増えると思っています。というのは,自動車が今,ものすごくガソリンを使っているのを電気にしたら非常に増えます。それからデータ通信量も,アメリカのネットワーク機器メーカーの統計では年率20%ぐらい増えていて,それに伴って情報機器の電力が今後2050年まで年5%ぐらい増えたとしても,全体で随分電力需要が増えてしまいます。
それからあと,ほかのものもみんな電力を使うようになるわけで,その全体をゼロにどう持っていくのが本当にできるか。電力も減らしながらCO2をゼロにできるなんていう,そんな世の中,ではどんなものですかと逆に言ってほしいようなもので,設備が新しくなっていくと,電力需要は確実に増えると思います。自動車でも何でも今はそんなにまだ使ってないですから。トータルでゼロにどうやってやるかという話の中にはもちろん省エネも入っています。例えば今の自動車なんかも電気自動車にしたらかなりエネルギー効率が上がるというのを入れていますが,それでも随分電気は要るようになります。
ですから,省エネはもちろん入れているのですけれど,それは理論的な数字って省エネではありますから,限度があるわけです。そこに,もちろん考えてやっていますけれども,電力に集中しているのは先ほど言いましたように40%もこれだけで減るもので,みんなこれから更に増えて使っていくから,そっちから見るとほかのところはではどうやって減らしましょうというときに,CCSをやった方がいいのか何をやった方がいいか,そういうときに経済がどう変わるか,そういうことでやっているので,決して省エネなんかを私どもは考えていないことはなくて,中にはずっと我々は研究ではやっていますけど,ここには出てこないのです。
【高村主査】 ありがとうございます。
もし,ほかに御質問がございませんでしたら,議題2に移ってまいりたいと思います。きょうはNISTEPとJST,LCSから御報告を頂きどうもありがとうございました。もしよろしければ引き続き議題の2にも御出席いただければと思います。
議題の2に関してでございますけれども,先ほど申し上げましたように,先ほど頂いたこの2つの報告も踏まえた上で,今後の環境エネルギー科学技術分野における研究開発の在り方について議論をしてまいります。前回御説明いただきましたように,引き続き,次期科学技術基本計画の策定に向けた,特に環境エネルギー科学技術分野の研究開発についてのインプットという位置付けがあると理解しております。
ではまず,事務局から資料の説明をお願いできますでしょうか。
【三木課長補佐】 それでは,資料の説明をさせていただきます。資料としては,資料2-1,2-2,2-3に関してでございます。今お話がありましたように,ここまで3回の会議で第6期の科学技術基本計画の中に打ち込んでいく中で,環エネ委員会でも御議論いただいているというような状況でございますが,実際に6期計画の議論の中心は,総合政策特別委員会で議論がなされるという形になってございます。
資料2-1については,その総合政策特別委員会の中で示されている論点のペーパーでございまして,並行して進んでいる議論になってございますので,そちらの御紹介という形で提示をさせていただいております。
資料2-1,検討論点(システム関連)と書いてございますけれども,本当は別資料の御提示をした方がよかったかもしれませんが,1月31日に開かれている総合政策特別委員会がございまして,この中で論点の取りまとめというものがなされております。
その論点の中では,今後の検討項目ということで研究力向上に向けたシステム改革と,あと未来社会デザインとシナリオへの取組,こちらは,具体的な分野も提示をしながらのシナリオというところが示されておりまして,更にデザインを実現する先端基盤研究技術開発ということで個別具体の技術のところということが,今後検討すべきものということで提示をされています。その中のシステム改革の部分について,まず先に議論が進められているというような状況でございます。
システムといったときに何を示すかということですが,下を見るといろいろと書いてあるわけですけれども,主に研究人材の部分,更に研究資金の部分,加えて研究環境,そのプレーヤーとして大学の大学改革,この4点が1月の資料では示されていたところ,そこを再構成して,下側にある目指すべき方向性,黄色部分の1から5,右側の青色で書かれているように1から5,更に下部に大学改革と書かれていますけれども,そういったものとして再構成されたのがこちらです。
簡単に読み上げますと,分野融合的な研究の奨励というのが丸1に書かれておりまして,あと若手研究者の話,世界最高水準の研究環境の実現ということ。更に国際連携の話,頭脳循環とも書かれていますがそういったもの。更にその戦略的な研究というところで書かれているのが左側になってございます。こちらは基礎研究力の戦略的な維持・強化という観点でまとめられているものです。
更に右側ですけれども,青色のところの冒頭部分に新たな科学技術イノベーションシステムの構築が必要と書かれていますが,大学・研究開発法人システムというところで,知識集約型の価値創造システムを作っていけないかという話,更にデジタル革命の話,インクルーシブ・イノベーションを先導するシステムというような話,更にこのイノベーションの担い手のキャリアシステム,研究者のキャリアの話も含めてですけれども,そういったところが書かれています。更に政策イノベーションということで,そもそもその政策,これは行政主体が基本的にはやっている話ですけれども,そこにイノベーションを持ち込んでいく必要もあるのではないかというような話,こういったものでまとめられているものが,今回,5月23日の総合政策特別委員会で提示がされてございます。
5月23日の資料をここに出していて,具体的対策(1),(2)というので赤の枠囲みに書かれていますけれども,具体のものとしての方向性が事務局から提示されたのが2枚目,3枚目に書かれているものになってございます。こちらは詳細に説明し始めると時間が掛かってしまいますので省略させていただきますが,そういった形での提示がされています。なので,システムの話というのはどの分野で見ても横断的に考えていかないといけない話ですけれども,当環境エネルギー科学技術委員会の中でも,当然その分野融合的な研究というのはまさしくという話でございますし,それ以外の部分についても並行して横目で見ていかないといけない,ある意味,我々が環エネ委員会として提案していく中身というのも,こういったところの縦と横の接点をうまく見付けながらやっていかないといけないというような話になってございますので,御紹介をさせていただきました。
資料2-2に進ませていただきますけれども,こちらは前回までに頂いた主な意見ということで,第2回の会議の際は第1回会議の意見をまとめさせていただきましたけれども,そこに第2回で頂いた御意見もまとめたものになってございます。こちらも御提示させていただくだけという形にさせていただければと存じます。
続きまして資料2-3でございますが,この後,御議論いただきたいという形で我々事務局から御提案させていただいている話でございます。ポツ3つしかございませんけれども,1ポツ目,環境エネルギー科学技術分野の方向性の議論をする際に,気候変動を軸としていることで漏れてしまっている論点がないかと書かせていただいてございます。
といいますのも,我々としては9期の委員の先生方にまとめていただきまして,更に10期でも先日の会議で御説明をさせていただきました今後の方向性において,気候変動をまずはその喫緊の課題として取り上げながら,そこに向かってやっていくべきではないかという形で御提案を頂いております。
ただ,その文章の中にも書かれておりますけれども,環境エネルギー科学技術といった場合に,気候変動を軸にして捉えただけでは実は漏れてしまうような論点があるのではないか。そういったものについて,6期の科学技術基本計画となったときには当然広く全体を俯瞰(ふかん)したようなものになってきますので,そういった漏れている論点というものについては,我々としてしっかりと認識をした上で議論をしていかないといけない,あるいはその提案の中に入れていかないといけないということもあるのではないかということで,こういった論点を示させていただいております。
更に2ポツ目,文部科学省としてどこにより注力していくべきかということでございますけれども,そういった漏れてしまっている論点のようなものが,仮に先生方から御提示していただけた場合に,そういったものを並べてみたときに,今は気候変動に注力していきましょうというような話の中で,一応方向性が見えてきているわけですけれども,ではどういうふうにそれを進めて,文科省としてはどこに注力していくべきか。あるいはその気候変動というところに軸足を置きながらでもいいのですけれども,それ以外のところ,こういったところはやはり取り残してはいけないというような話があるのであれば,是非ともそういったところについて御議論いただきたいと思ってございます。
更に我々事務局側が落としてしまっているような,これまでの議論を踏まえてほかに必要な視点,こういったものがございましたら,是非ともこの場でお話を頂ければというふうに考えてございます。
事務局からは以上です。
【高村主査】 ありがとうございました。それでは,この議題の2について議論を進めてまいりたいと思います。
事務局から論点を提示いただいております。また,きょうのNISTEPの御報告,LCSの御報告,そして前回CRDSの俯瞰(ふかん)報告について中山委員からも御紹介いただきましたし,ポテ検と呼んでおります,ポテンシャル検討会の御報告も頂いていると思います。これらも踏まえて改めて先ほど事務局から御提示を頂いた論点をできるだけ包括していただきながら御発言お願いできればと思います。いかがでしょうか。では本郷委員,その後,佐々木委員お願いいたします。
【本郷委員】 漏れているというか,論点としてですけれども,3点ほどお話しさせていただければと思います。
第1点目は,技術イノベーションの展望は,特に長期であるとなかなか不確実性の問題が大きく難しいだろうと思っております。いろいろな研究機関でこういう技術があると,こういうイノベーションの可能性が高いのではないかということを研究しても,やはり完全なものというのは作れないという可能性が高いのではないかというように私は思っています。そうした中で一つ必要なのは,Aという技術があったらその隣にある競合技術というか代替技術,これとどういう関係にあるのか比較するということが非常に重要になってくるのではないのかと思っています。
それからもう一つ,企業あるいは産業側からすると,先ほど赤池様が説明された資料,付録の下の方にあった200のトピックス全体を書いていただいたのがあると思うのですが,実はああいうものが非常に参考になると考えています。何かこれから伸びていくもの,今はメインストリームではないけれど伸びる可能性があるものを探すという,それを専らの仕事にしている人というのもおりますので,是非,まだ注目されていないメインストリームになっていないというものを拾い集めて,それを情報開示していただくと大変参考になるし,イノベーションを後押しするために非常に重要になってくるのではないかと思います。
2つ目は,山田先生もおっしゃっていましたけれど,経済構造,社会構造が変化するということです。構造変化を前提に考えなければいけないのではないかと思います。先ほどのGDPの話でいくと,今と2050年のGDPが同じだとしても,人口が2割減ったら1人当たりの所得は2割上がるわけですから,GDPが増えていないからと言って心配する必要はないので,産業構造,経済構造,人口動態そういったものは全て変化するということを前提に考えることが必要ではないでしょうか。読者像とすると,きっと今と同じGDPだと,えっ,というふうな受け止め方をする人もいると思うのですけれども,それは違うのだということを是非強調していただきたいと思います。
3点目,人材育成ですが,どこでも人材育成というものが書かれています。また,会議前に波多野委員と話をしながら気が付いたのですが,共通なのは「若手」と書かれていることです。若手育成は重要ですが,もう一つ大事な視点として企業の現場の話を申し上げますと,ベテランといいますか,過去いろいろなことをやってきた人の知見というのは非常に大事で,特に最近は金融や投資をやっている人間が,エネルギーや環境の問題を勉強しなければいけない,キャッチアップしなければいけないという状況になってきており,教えてくれる人が必要になってきています。基本的な技術の知識というものは,残念ながら,私も金融にいましたけれど,なかなか情報としてはないし,勉強しなければいけない。そういったときにこのベテランの方,この人たちの経験というのは活用できるだろうと思います。特に先ほど申し上げました代替手段との比較,こういったところにおいては,相当有用なのではないかと思っています。
商社などではたくさんの技術者OBが,非常勤を含めて,働いておられまして,そういった方々の情報というのが全体のレベルアップに役立っています。長期のイノベーションを展望するためには基礎研究の情報が必要であり,ベテランの活用も含めて考えていただいてはどうかと思います。
【高村主査】 ありがとうございます。かなり多くの委員から発言を御希望いただいていますので,恐縮ですけれどできるだけ簡潔に発言をお願いできればと思います。それでは次に,佐々木委員,その後,竹ケ原委員,本藤委員お願いいたします。
【佐々木委員】 佐々木です。私も言いたいことがあって,手短に言わないと駄目なのでということで,きのうのお昼にペーパーを作らせていただいて,こちらに書かせていただきました。
背景というか,境界条件からお話しさせていただきますと,ちょうど山地委員と一緒にポテ検に出まして,文科省の脱炭素分野の貢献への期待って非常に大きいというのを感じました。
他方この会議に出ますと,環境関係はきっちりいろいろな事業が走っているのですけれども,エネルギーということになると,NEDOがあって経産省はエネ庁があるということで,なかなかエネルギーで文科省の事業というのがないという状況ですし,我々エネルギーの研究をしていると,科研費でいろいろな成果は出せるのですけれど,その後いきなりNEDOの方で企業が代表になって,大学はその再委託みたいな感じになって,なかなかエネルギーの研究を本格的にするのが難しいというのはございます。
他方,私は水素でよく引っ張り出されるのですけれど,いつも懐疑的な部分も持っていまして,大きな予算が付いてもそれをどうやっていくかといつも考えるのですけれども,やはり予算がついて,例えばポスドクがついても,なかなかその人にその先がないというところがありますので,むしろその下の大学院生を支援するというのは先ほどの資料にもありましたけれども,こっちが王道なのかと思っています。
あと,先ほど話がありましたけれども,正にエネルギー環境分野の基礎研究って不確実性が非常に高いので,多様性をいかに担保するかというのが一番大事だと思いますし,そこは文科省の事業の中で位置付ける必要があるかと思っております。
そういう境界条件を考えて,やはり科学技術分野で文部科学省ができることということになりますと,資料の一番上に書いておりますように,いかに多様なシーズを育てて,それを対応できる人材をこの国の中できっちり育てていくというのが本質ですし,そのためには多様な革新的な技術シーズを新たに創出することが大事で,なおかつ若手の人材の育成,そこに投資するというのがあるべき姿だと思います。
他方,前回もお話しさせていただいたのですけれども,若手の研究者層が非常に薄くなって,博士進学も非常に減少しているということなので,文部科学省におかれましては,脱炭素エネルギー分野の科学技術と基礎基盤のところと人材育成をセットでやるというのが一番の王道だと思っております。
私は,大学改革のところもいろいろなところで関係しているのですけれども,やはり若手人材,これは本当に大学院生そして修士まで入れて支援しないと,もうどんどん就職もよくなって,大学に若手がいなくなるという状況が今起こりつつありますし,他方,脱炭素エネルギーというのは根幹のところのサイエンスからきっちりやっていくと,これは経済産業省ではできないのかと思っております。
領域例ということで,一応ポテ検の4つの分野を書いたのですけれども,水素も個人的に言いますと,推進側と,LCAとかそういうところを含めた,客観的にクリティカルに見るところが当然入ってあるべきだと思いますし,これはCCUSも含めてだと思っております。
個別のこの分野を支援した方がいいのではないかというのは,かなり難しい。実質的には不可能に近いのかと思っていまして,むしろ日本でいろいろな多様性がある拠点があって,そこがいろいろなシーズを出していく。その中でハブになるようなところもあって,サテライト的なところもあって,そこで大学院生が中心となって支援される。そうすると例えば毎年100人の大学院生がこういうところで新しいものにチャレンジするのでしたら,そこに指導教員がついていって,当然そこの若手研究者もいると,合わせて300人の日本の脱炭素エネルギーを牽引(けんいん)する人が,環境エネルギー課の関係のところで一致団結できるというのはありますので,そういうものは経済産業省とか内閣府にはできないと思いますので,是非その根幹のいろいろなシーズを育てて,併せて2050年に活躍できる人を育てるというところを是非,科学技術の政策の根幹に入れていただければと思っています。
領域は本当に環境分野もあると思いますし,例えば原子力も含めていろいろな分野があると思いますので,そこは文部科学省の方でいろいろ考えていただく案件かなと思っております。ちょっと駆け足になりますけれど,以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは竹ケ原委員,その後,本藤委員,波多野委員,お願いいたします。
【竹ケ原委員】 まず,議題1で御説明いただきまして,本当にありがとうございました。特に山田先生のシナリオのお話は,TCFDに対応した情報開示という課題を抱える金融界にとって非常に示唆に富んでいました。各産業がどうなるかによって,金融機関のバランスシートの資産構成に関わってまいります。IPCCやIEAのシナリオをベースに議論しようという話になっているのですが,日本の金融界にとっては,日本の産業構造を踏まえたシナリオを提示していただくと,大変有効です。
関連して,事務局から出た論点1ですけれども,先ほどライドシェアを50%という設定が置かれていました。よく議論するのですが,今,自家用車の稼働率は週末にしか使わないので4%程度と低く,このため寿命も10年以上あるといわれます。しかし,ライドシェアが定着し,どんどん稼働率を上げていきますと,恐らく寿命は一気に縮まり,結局2~3年で乗り潰して,すぐリサイクルする形になると予想されます。結果的に,自動車の生産台数自体そんなに変わらないのだけれども,製品としてのライフサイクルが大きく変化する時代を迎えるということです。
シェアリングで効率が上がることは,気候変動対策としてプラスとなりますが,先ほどの赤池先生の御説明にあったサーキュラーエコノミーの対策が付いていかないと,結局Well to Wheelで見たとき,高頻度のリサイクルに伴う負荷が乗っかってきて,どうなのだという話も出てくると思うのです。ですから,気候変動の話と,恐らくライドシェアが広がってくるところによるリサイクルの拡大,循環経済型というかサーキュラーエコノミーの効率性,この辺をうまく同期するかどうかという点が重要ではないかと思いました。
これに関連して,仮に自動運転が完全導入されるような世界を想定すると,恐らく安全面からボディの強度を考える必要性がなくなり,ハイテンのような鉄鋼素材から樹脂製のボディに変わるように思うのですが,この辺も素材産業をどう考えるかなど,金融機関にとって非常に悩ましい問題です。このあたりについても御知恵を頂ければなと思います。以上でございます。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは本藤委員,その後,波多野委員お願いいたします。
【本藤委員】 赤池様に1点教えていただきたいことがあるのですけれど,よろしいですか。御説明ありがとうございました。資料のスライド2ページ目,きょうお話しいただいたのは科学技術の未来像,デルファイ調査の方だったかと思います。私,非常に興味があるのが,左側の緑色の社会の未来像,ビジョニングと,右側の科学技術の未来像,デルファイ調査,これらを統合して,この下の青い科学技術の発展による社会の未来像をどのように作るかというところでして,これらの統合は大変なのではないかと思っています。実際にやってみられて,いや結構簡単だと,素直にできたよと,それか,いやかなり無理があったよ,といったところを,もし何かあれば教えていただきたいと思うのですが。
【赤池上席フェロー】 手短に答えますと,はい,大変です。どうやっているかといいますと,このためのワークショップをやりました。社会の未来像を作ったグループの先生方と,あとはそれからデルファイの方の先生方何人か来ていただいてワークショップをやったのですけれども,ワークショップの設計がとても大切で,どうやってやろうかといって,一つは社会の方からの矢印のものと,科学技術の方からの矢印のものをそれぞれ考えてみましょうといって,それぞれの方向性でブレークダウンをしましょうということでやりました。
特に科学技術の方からは,700のカードを作ってこれを組み合わせてやるとか,それをやって,50の未来像の中から4つの王国にしたのですけれど,その中のどこにはまっていくかみたいなことを,半日ワークショップをやって,それをまとめるみたいな形でやってみました。かなり手間は掛かります。
【本藤委員】 お答えから少し飛躍するのかもしれないのですけれども,科学技術の未来像というのはどちらかというと開発する側の視点であって,社会の未来像というのはその技術を受け取る側の視点なのかと思っています。そうすると,NISTEPで実施なさったワークショップもかなり大変なのですが,現実の社会の中で技術開発する側と受け取る側のすり合わせというのでしょうか,これは更に大変かと思います。しかし,これがないと,その科学技術の受け取り側と開発側の断絶が起き得る。この断絶が起きることで,社会問題がより複雑になって,もしかしたら悪い方に行ってしまうかもしれない。となると考えるべきは,開発側も重要なのですけれども,受け取る側の在り方とか関与,これをどうするかというのが一つ重要なポイントかと思います。
人材育成について,開発する側に関しては,既に非常に大きな論点になっていますし,委員の方から多くの御意見もあるのですけれども,受け取る側の,人材育成と言っていいのか,何と言ったらいいか分かりませんが,ある種の教育,学習,そういったものがかなり実は重要になってくるのではないかと思っています。
技術イノベーションだけであれば開発する側の人材育成に焦点を当てておけばいいのですが,社会イノベーションとなったときには,この受け取る側の在り方,これがすごく重要になってくると思います。この点に関しては,もしかしたら,文科省の取り組みとしてある程度できることなのかと思ったので,多様なステークホルダーをいかに現在の高度技術社会の一員として迎え入れることができるかどうか,そのあたり少し検討していただくとよろしいのかと感じました。以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは波多野委員,その後,沖委員,江守委員,お願いいたします。
【波多野委員】 今の御意見と全く一緒でして,この間をつなぐ新しい研究分野や人材育成が正に重要で,そこには若手も必要でしょうし,本郷委員がおっしゃったようにシニアの人が大分活躍できる余地があるのではないかと思っています。
すなわちここのギャップが大きいために,なかなか開発した技術が社会イノベーションにつながらない,という問題も過去あると思っております。論文では計れないと思いますけれども,イノベーションがなかなか生まれないというところが問題だと思います。それは経産省ではできなく,文科省ならでは視点だと考えています。
すなわち,環境エネルギーに対しては特にそこが求められると思いますので,社会科学,あと技術分野の人が融合できるような,そういうことが前提とした研究ファンドを出すべきだと思っています。
きょう,NISTEPの御説明で,これだけのデータが集め,分析が進んでいることに感心いたしました。ただ少しだけ残念に思ったのは,実現時期が2030年,分布の真ん中のテーマが取り上げられていることです。特に文科省に関する環境エネルギーは長期的なプランも重要であるので,少し先に実現目標があり,それに対する研究テーマをターゲットとされており,分布の真ん中ではなくて端っこの方のトピックスをもう少し拾い上げてくださるとよろしいか思います。それにより,次世代を担う若手の研究者のテーマや融合的な分野を切り開く機会となるところを抽出していただくことを期待します。当初からの問題意識は経産省や各省庁のエネルギーとどう差別化していくかというところが問題だと思っていまして,そういう意味では山田センター長から示していただいたシナリオもロードマップも,各省庁融合したような形のロードマップを作っていただいた上に,文科省のもっと先の技術への投資,先の社会への貢献,そこに結び付けられる人材育成をしていただければと思いました。皆さんから貴重な御意見が既にございましたので,これぐらいにします。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは沖委員お願いいたします。その後,江守委員,山地委員お願いいたします。
【沖委員】 ありがとうございます。まず若者ですが,これやはり定年を延長して,若者のポストが減ったというのが効いています。私は30年の研究人生の経験からすると,学生の博士論文の結果というのが,やはりインパクトあって,サイテーションも多く,斬新ないい研究が多いと思います。今,文科省もいろいろ努力されていると思いますが博士に行く優秀な人材をいかに確保するかが非常に大事だと思います。
あとは,ベテランも大事ではないかという本郷委員のお話ありましたが,ベテランが御自身の過去の研究にこだわらないで,必要とされる研究にしっかりと挑戦していくような,しかも物すごくやる気と関心を持って取り組むといった風潮を,大学と社会が一丸となって備えないと,自分が業績を上げたところでやる方が楽なので,つい惰性で研究を継続してしまいがちなのです。ところがそれが社会から求められているとは限りません。あるいはもう本当のブレークスルーは一旦片が付いてしまったとすると,本当は分野を新たに模索しなければいけない,それを促進していくような仕組みが必要なのではないかと思います。
また,国際的にというのは大事だと思うのですが,国際的に比較しますと,我が国の大学の研究者のトップクラスの方々は,大変待遇がよくない。逆に言うと言葉でも私たちは今,守られていて,もっと優秀な人が東大に来てもよさそうなのに,日本語ができないから来てないというような状況がございます。
逆に言うと英語ができる方で優秀な方はどんどん今,アメリカに引き抜かれようとしているということをよく考え,また,若者が大学に残ろう,あるいは研究者になろうと思うような待遇,多分これは別に予算を増やさなくても,若干差を付けるだけで本当はできるはずなのですけれども,そういう文化の導入が必要だと思います。
議論いただきたい事項なのですが,2-3にある気候変動は,単に将来の気候を予測するだけではなくて,影響評価そしてその対策をいかに社会に実装するかということを視野に入れますと,環境エネルギー分野のかなりの部分をカバーできるので,それを軸に展開されるのは非常にいいと思うのですが,やはり生物多様性だとか,あるいは大気汚染,水の汚染,土壌の汚染といったところは,抜けやすいので,是非気候変動の影響評価と適応という観点,あるいは今後の気候変動対策と持続可能な開発とのシナジー,そしてトレードオフをいかに減らすかということが大事になりますので,そこのところを踏まえていただくと大体カバーできて良いと思うのです。もう一つは,なぜ気候変動対策をしなければいけないかというと,人類の生存を懸けている,あるいはその快適な明るい,先ほどのお話でいうと,明るく生き生きとした未来ですけれども,そのためだとすると,社会変動がどうなるかというところに関するきれいなビジョンといいますか予測が必要で,それは先ほどの未来ビジョンになるのですが,人口経済動態に関しては,是非そういう分野に詳しい社会学系の方にも加わっていただくのは大事かと思います。
また,前回御紹介したかもしれませんが,土木学会で「22世紀の国づくり」という提言を出しました。この3つの提言は,22世紀の国づくりを考えるとは,私たちの幸せとは何かを考えるということである。そして,国家100年の計が人材育成であれば,国家1000年の計は文化である。もう一つが,21世紀の世界史に日本がどういう名を残して22世紀を迎えたいかについて野心的に考えるべきである。この3つがコアなのです。幸福と文化と野心。そうしてNISTEPの報告書を拝見させていただきますと,非常に多様性とか文化的価値あるいは個性などが書かれていて,細かく見ると実はかなりよく対応しているなと思いました。「22世紀の国づくり」は,土木学会のウェブページから見られますので,是非「22世紀の国づくり 土木学会」で検索して御覧いただければと思います。以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは,江守委員,山地委員,お願いいたします。
【江守主査代理】 ありがとうございます。短く言いますけれども,本藤委員がおっしゃったことにかなり近いのですけれども,エネルギーとか環境の分野で,その社会全体でオープンなディスカッションができるということは大事だと思っています。環境にしてもエネルギー,僕はエネルギー専門ではないので特にそう思うのですけれども,いろいろ言いたいことあるのだけれど,非常に専門的な内容なので難しい。多分その社会のいろいろな立場の人の中でそういうふうに思っている方も多いのではないかと思います。
これは高村主査と先日ある機会でお話ししたのですけれども,そういうことを考えたときに,2012年のエネルギー基本計画のときに国民的議論というのがあって,意見聴取会とか討論型世論調査というのがなされて,最近そういうことが公にはないので,そういうことをもっと深掘りしていく必要があるのかと思います。でもそれは内閣府がやるべきなのか文科省がやるべきなのか知りませんけれども,文科省の中でもJSTとかにはかなりそれに親和性のあるような活動も行っていらっしゃるのではないかというふうに思うので,そういう観点を是非大事にしていただきたいと思いました。以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは山地委員お願いいたします。その後,嶋田委員,石川委員お願いいたします。
【山地委員】 まず,気候変動を軸としていることで漏れてしまっている論点というところから始めたいと思います。確かにこの環境エネルギー科学技術というのがどうしてもすごく気候変動の方に行っていると思うのですけれど,私,もともとエネルギーですからそっちの方でいうと,エネルギーは,エネルギー政策の基本でよく3つのEあるいはプラスSというのが基本です。その中のEconomic Efficiencyというのは社会経済の中にドライバーがあります。Environmentはこの温暖化があるので,やっぱりEnergy securityのところが課題です。安定供給とかエネルギー安全保障が,これは政府はすごく意識しているのですけれど,科学技術という視点からなかなかドライバーがないと思っているのです。
だからその部分を少し出していった方がいいと思うのですけれど,もちろん科学技術のテーマより政策テーマなので,そっちの社会科学の方も扱うかというと,私はそこまではこの委員会では求めない。むしろ,エネルギー安全保障のために必要なのは,例えば原子力とか石炭とか,そういうのが思い浮かぶのですけれど,原子力はともかく,石炭は温暖化と物すごくぶつかっています。だからそういう安定供給を担う電源のこと,そういう面ということの配慮というのも必要だと思う。原子力の場合は,安全というか安心の問題です。高レベル放射性廃棄物とかあるいは低線量被ばくのリスクの問題とか,そのあたりというのはやれることがいっぱいある。研究もあるけれども,初等中等教育を含めての教育の部分もありますから,そういうことに意識してほしいと思います。やはり,そこが大分抜けているかという気がしました。
それから,人材の方は今までも言ってきていますが,基本的には私は文科省としては,安定的に基礎研究を支援するというのが大事だと思っていまして,きょう,論文ランキングを見ると寂しいです。ますます悪化する可能性すらあると思いますから,ドクターには狭い視野にならないようにするということを前提として,やっぱり社会で活用される仕組みというのを考える必要があります。ポジティブなのとかいろいろやっておられるのを具体的に書いていますけれど,何というかかなり強烈なやつがあってもいいかと思います。論文博士という制度がありますけれど,あれをやめるという手もある。割とシニアの人が社会人として大学院に入学することはあっても,社会人ドクターの人はほとんど大学に来ません。だからもう少し本当に大学に戻ってきて学生として本当に研究に参加する,そういうような仕組みでも考えた方がいいかもしれないと思いました。以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは嶋田委員,その後,石川委員,加藤委員お願いいたします。
【嶋田委員】 ありがとうございます。漏れてしまっている論点なのかどうかは分からないのですが,高村主査,ほかの委員の方々からも,都市の在り方とか生活の在り方のシナリオとか,社会の未来像みたいなところの議論というかそういう研究も必要だというお話がありましたが,正にそこは大事だと思っておりまして,埼玉県だけではございませんが,自治体はどこも人口が減少していて,昔は村おこしとかまちおこしという言葉がよく使われましたが,最近はまち畳みとか村畳みみたいな議論が県庁の中でも行われていて,どれだけいわゆるスマートに縮めていくのかみたいなこと,それの情報というのがすごく大事だと思っています。なかなか自治体の長期計画って立てられていないのですが,そういう長期の総合計画を立てるための基本的な情報というのが,恐らくエネルギーとか環境という意味でも必要になってくるのかと思っています。
あともう一つなのですが,システム関連で申し上げますと,自治体,いろいろな研究機関があるのですけれども,少なくとも環境に関する研究所はありますが,エネルギーの専門家あるいは研究はほとんど行われていません。環境といっても,いわゆる昔の公害,水質の汚濁,大気汚染みたいなところが中心で,なかなかいわゆる気候変動に関する専門家がいないというところでは,そこをプッシュするような,そういう研究というか対策というのが必要なのではないか思います。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは,石川委員お願いいたします。その後,加藤委員,堅達委員お願いいたします。
【石川委員】 まず,この気候変動を軸としてということで,特に漏れてしまっているということはないかと思うのですけれども,逆に言うと気候変動は非常に広いところをカバーしていて,これを全部網羅するのは多分簡単ではないし,この中でどういうところに注力していくかという方の議論は非常に重要になってくると思っております。
特に今,環境エネルギー課でやっておられる中では気候変動の基盤データを作っているのは大事なところで,これは先ほどの最初のところの話にもあった,いろいろな分野にも非常に影響があるのですけれども,これが本当にしっかりと伝わっているのかというのは,もう少し考えてもよいのではないかと思っています。
特に不確実性みたいな話というのは必ず議論には乗ってきて,非常に難しい問題ではあるのですけれども,これをどうやって評価し,どう伝えてどう使っていくかというところというのは,これからもより注力していかないと,特にいろいろな分野の未来像を描く上でどのくらいの将来のばらつきを考えなければいけないかというのが非常に大きなポイントになってくるのではないかと思います。
その中で,やはり何度も出てきますけれども,社会科学系の最後の出口のところにどう伝えていくかという問題,それからその一番上流側のところで大量に出てきたデータをどう使っていくかみたいなデータサイエンスとの連携みたいなところで,これからもこれまでも少しずつはやられていますけれども,こういうところの加速というのは重要なポイントではないかと思います。
その中で,やはり個別の問題に対応していくときには,いかに成功例をたくさん作っていくか,その蓄積というのが求められているところであり,上流から出口まで一気通貫でやるというのはやはり文科省ならではだと思い,いろいろな分野を学際的にというのはやはり文科省ならではの特徴なのではないかと考えております。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは加藤委員お願いいたします。その後,堅達委員お願いいたします。
【加藤委員】 ありがとうございます。手短にお話しさせていただきますが,環境エネルギーのこの委員会ということで最後の課題の内容に関してですけれども,やはり環境エネルギー委員会としては,環境エネルギーというのを別々に考えてはいけない,融合していかなければいけないというのがずっと思っていることでありまして,それに関連するとその前の資料2-1で出てきたようなところの観点,これは既にもう全部方向性としては出ているような気がします。分野融合をします,若手育成,人材育成します,しましょうと。それから世界的に高水準の環境も作ってほしいと,それから国際連携と,この4つは全て重要なポイントというか,もう既に今我々はプロジェクトを出すにも既にこれを入れないともう通らないというような状況になっているわけで,これを進めていくということは当然のことと思います。
なので,言いたいことは,この委員会の軸としてもこれは必ず入っているのが当然であって,そのためにも,どなたかも言われていましたけれど,基盤的な研究という,これをおろそかにはしてはいけないというところを,是非行動いただきたいと思います。材料,科学,AIとか,全てそういうのが環境エネルギーのこの場においても連携して融合していったものを入れたので,プロジェクトが作られていくべきであると思っております。
それから人材育成,これは大学院生,ここの資料2-1には入っているのでとても私はうれしいと思ったのですが,博士の課程の学生たちへの支援,これはもう世界的な標準から見ても必須です。新しい人材が欲しかったらここを支援しなければいけないと思っております。以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは堅達委員お願いいたします。
【堅達委員】 1つは先ほど佐々木委員が提出された,こういう具体的にすぐやって効果がありそうな,こういうのがどんどん出てくるような,そういうスピード感というのが私は一番大事だと思っているのが1点。
もう一つやはりきょう,論文数の順位が下がっていることもそうですし,人材育成ということがこれだけ大きな課題になっているときに,大学という高等教育の部分だけを考えていても,そこに至る小学校・中学校・高校でどう,こういった真のイノベーションを起こしたり,トータルソリューションを考えられる柔らかい頭を持って自分の意見をちゃんと言える,そういう学際的な部分にも対応できる人材を育てられるのかというところの視点がないと,急に大学に入ってからだけそういう思考をして,ものを考えられるようになるとは思えなくて,そういうことでいうと,正直言ってこの平成の30年間という間に世界がどんどんデジタルネイティブの子供たちも含めて柔らかい発想でダイバーシティーを取り入れたクリエイティビティーというか「考える力」を持った子供をどんどん育てているときに,率直に言って日本はそこがやや弱いというか,少子化で子供の数も減っているのに,更にそういう発想ができる子供も減っていくというふうになってしまうと,本当に次の10年20年,日本が力を持って世界と戦っていけないのではないかという気がします。
ですので,もう本当に今,前々から言っているとおりこの10年が勝負のクリティカルな気候変動については,人類の文明の分かれ目になるような大事な10年なのだけれど,今,中学校で勉強している子がすぐこの五,六年で大学とかに入ってきて,戦力になっていくと思うのです。将棋の藤井七段ではないですけれど,若い子の中には天才的なすばらしい発想を持っている子もいっぱいいて,そういう子がアメリカに行った方が自分は生き生き勉強できると思って行ってしまう国ではなくて,本当にこの分野に参入してくれるような,そういう仕組みを考えられるのは,小さいときからの教育も担当しておられる文部科学省ならではだと思うのです。環境省とか経産省にはできない,文科省ならではの役割だと思いますし,地域のことを考えて都市計画とかまち創りとか,そういうことも環境のことと分けずに考えられる,そういう発想の教育に初等中等教育もしていくことも忘れずにやっていただかないと,急には何かこの長期低落傾向は変わらないのではないかと危惧しているという意見です。
【高村主査】 ありがとうございます。それでは清水委員,お願いいたします。
【清水委員】 文部科学省として,どこにより注力していくべきかという点について申し上げます。
先ほどの加藤委員の意見ですが,環境エネルギーと科学技術分野の研究を考える上で,材料や科学の視点が重要であるということに私も賛成です。特に,きょう頂いた第11回科学技術予測調査の中で,分野横断性の高い8領域の概要がありますが,そこで,6番と7番が赤で示されているのは,これらが環境エネルギーの研究開発に特に深く関連するという意味だと思います。一方で,先ほど申しました科学や材料という視点からいうと,実は4番あるいは3番のところも非常に重要であると思います。例えば,生分解性プラスチックや植物由来のプラスチックが世の中に存在しているにもかかわらず,なぜ余り使われていないかというと,一言で言うならば,価格が高く,物性が既存のプラスチックに劣るという点が最大の問題だからです。G20で目標が示されたように,実際に,生分解性プラスチックや植物由来のプラスチックを,ある目標の数値をもって社会に実装してくためには,コストと物性の問題の解決が欠かせません。そうした観点から特に,4番の新しい構造機能の材料と,低コスト化を可能にするような新しい製造システムも視野に入れた研究開発を,文部科学省としては策定していくべきではないかと考えます。以上です。
【高村主査】 ありがとうございます。ほかに委員の方から追加で御発言の御希望はないでしょうか,よろしいでしょうか。ありがとうございます。大変活発な,非常に有意義な御意見を頂いたというふうに思っております。
あえて全体をまとめることはいたしませんけれども,私も,何人かの委員がおっしゃいました,今の足元を見るとこの後どういうふうに社会が変化するのか,技術が変わっていくのかを見通すのは非常に難しい不確実な状況はあるとは思いますが,きょうNISTEPから示していただいたように,だからこそ,こういう社会でありたいという社会像を描いて,そこからバックキャストの方法を使いながら,その社会像の実現に向けて,どういうイノベーションを,我々が,社会が望むのかというアプローチをされているのだというふうに理解しております。そのときに,これは佐々木委員もおっしゃったことかと思いますけれども,恐らく,「この技術」という決め打ちでない幅広の入り口を持ったイノベーション政策というのが多分必要ではないかと感じました。
2つ目は,これも何人かの先生方がおっしゃったことかと思いますけれども,竹ケ原委員からは循環経済(サーキュラーエコノミー)との関係について,清水委員からマテリアルの関係について御発言がございましたけれども,文科省としていろいろな科学技術の開発をそれぞれ委員会でセクターごとに所管して進めているかと思うのですが,今起きている現象を見ていますと,この委員会を超えた,あるいは他の委員会の所管とリンクしたイノベーションが非常に期待されているように思われまして,ここは文科省としてどういうふうに考えていくかという点が,もう一つ考えたところでございます。
最後に,きょうの御議論の中で,科学技術を開発する側の観点からだけでなく,社会の側の観点という御指摘が繰り返しあったかと思います。きょうの資料2-1に示していただいていると思うのですけれど,これはいずれもあらゆる分野にまたがった考え方を示していただいているのですが,社会の側から見たときに,環境エネルギー分野で何を次の科学技術基本計画の中で重点として文科省は打ち出していくのかという点を深めることが必要だと思っていまして,きょうはその議論の一環だというふうに理解いたしました。
先日の観測部会で少し議論になったのですが,例えば気候変動の影響予測についても,今出しているリスク情報は非常に重要なのだけれども,例えば竹ケ原委員がおっしゃったように,企業がそれぞれの企業のリスクを評価するときには,実は,もう少しタイプの違う情報が求められているのではないかというような議論がされております。そういう意味では,社会へのインプットを念頭に置いて,どういうふうに発展させていけるかということを考えていく必要があるかと思っております。
以上で本日予定している議題は全てでございますけれども,ほかに委員の皆様から何か御質問,御意見はございますでしょうか,よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは,事務局にマイクをお戻しいたします。よろしくお願いいたします。
【加藤係長】 本日は活発な御議論いただきありがとうございました。
今回の議事録ですけれども,後日事務局よりメールで送付させていただきますので,御確認いただければと思います。最終的に文部科学省ホームページに掲載させていただきます。
また,お手元に旅費手当に関する資料をお配りしておりますので,御確認いただき、お帰りの際に事務局に御提出ください。
次回の会合については8月5日午前10時からを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上になります。
【高村主査】 ありがとうございます。
それでは,これをもちまして,本日第3回の環境エネルギー科学技術委員会の会合を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――
 

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)