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量子科学技術委員会(第9期~)(第21回) 議事録

1.日時

令和元年9月12日(木曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 令和2年度文部科学省概算要求(量子科学技術関係)について
  2. 第6期科学技術基本計画に向けた検討について
  3. 量子ビーム利用推進小委員会の検討状況について
  4. その他

4.出席者

委員

雨宮主査、飯田委員、岩本委員、上田委員、大森委員、小杉委員、城石委員、美濃島委員、湯本委員

文部科学省

菱山科学技術・学術政策局長、梶原科学技術・学術政策審議官、角田科学技術・学術政策総括官、渡邉研究開発基盤課長、奥研究開発基盤課量子研究推進室長、岸田研究開発基盤課課長補佐、大野研究開発基盤課量子研究推進室室長補佐、對崎研究開発基盤課量子研究推進室室長補佐

5.議事録

【雨宮主査】 それでは、定刻になりましたので、第21回量子科学技術委員会を開催いたします。
本日は、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。本日は9名の委員の方に御出席いただいています。過半数の定数を満たしていますので、成立しています。今日御欠席の委員は、岩井委員、根本委員、早瀬委員、平野委員です。
本日の議題ですが、議事次第にありますように4つあります。令和2年度文部科学省概算要求(量子科学技術関係)について、2番目が、第6期科学技術基本計画に向けた検討について、3つ目が、量子ビーム利用推進小委員会の検討状況について、4番目が、その他です。よろしくお願いいたします。
まず、新しい委員の就任と事務局に異動があったということですので、事務局より御紹介お願いいたします。
事務局の大野補佐、よろしくお願いいたします。
【大野補佐】 失礼いたします。今回より新たに就任された委員について御紹介させていただきます。量子ビーム利用推進小委員会主査を務めていらっしゃる高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所所長の小杉委員でございます。
【小杉委員】 小委員会の主査ということで、このメンバーに新しく入りましたKEK物構研の所長の小杉です。以前より小委員会で放射光を中心に、私の分野はずっと放射光ですので、その関係でやっていましたけれども、昨年の4月から物構研の方に移りまして、中性子とかミュオンとか低速陽電子とか量子ビーム全般を研究者として扱うところに着任しましたので、非常に関係のあるこの委員会で何らかの、微力ながら貢献できればと思っております。よろしくお願いいたします。
【雨宮主査】 よろしくお願いします。引き続き、事務局からお願いします。
【大野補佐】 続いて、文部科学省の中で異動がありましたので、御紹介させていただきます。7月9日付で着任いたしました菱山科学技術・学術政策局長でございます。
【菱山局長】 菱山でございます。7月に松尾の後任で着任いたしました。量子科学技術、非常に重要だということで、特に今年の統合イノベーション戦略の中でも、AI、バイオと並んで量子技術、非常に重要分野と掲げられていますし、また、6月には量子技術イノベーション戦略の中間報告というのをまとめていただいていて、それに基づいて、後で事務局からも御説明をいたしますけれども、文科省の概算要求、ほかに比べると非常に予算的にも重点を置いているということでございますので、これはひとえに皆様、先生方のおかげだと思っております。ただ、要求している段階なので、まだ付いたというわけじゃないので、12月に向けて努力していきたいと思っております。
また、今日、御議論いただきます第6期科学技術基本計画に向けた検討でございますけれども、まさに、今、第5期の最中でありますが、第6期が再来年からスタートするわけでございます。CSTIの方でも議論が始まったということでありますが、文科省としてもどういうものにしていったらいいかというのを研究関係の局を挙げて検討を始めたところでございますので、この量子科学技術委員会でもどのような方向に持っていくかということについて是非御議論いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【大野補佐】 続きまして、9月1日付で着任いたしました梶原科学技術・学術政策局担当審議官でございます。
【梶原審議官】 9月1日付で科学技術・学術政策局の審議官に着任いたしました梶原と申します。前任の渡辺の後任になります。この量子技術というのは、科学技術の中でもかなり日本が強い部分だと思いますし、量子科学技術は、これからいろんな領域で発展していける部分だと思いますので、これらを日本の次なる技術としてしっかりと打ち出していきたいと考えておりますので、この委員会でさらなる発展を議論していただき、いろんなところの政策に反映させていきたいと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。
【雨宮主査】 どうもありがとうございました。それでは、事務局より配付資料の確認をお願いします。
【大野補佐】 事務局より資料の御確認をさせていただきます。議事次第にございますように、資料1から4と、参考資料1から3を配付してございます。ほかには、いつものように、過去の資料をとじたファイルを参考として置かせていただいております。資料の不備等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
以上でございます。
【雨宮主査】 それでは、議題の1に入っていきます。令和2年度文部科学省概算要求(量子科学技術関係)についてです。事務局より説明お願いいたします。
【大野補佐】 事務局より御説明いたします。まず、参考資料1、令和2年度文部科学省概算要求のポイントという資料をお手元に御用意いただけますでしょうか。こちらは文科省全体の概算要求のポイントとなってございまして、科学技術関係の予算としましては、前年度予算額から2169億円増の1兆1921億円ということで要求しております。この中で、量子関係の部分でございますけれども、左下にございますように、量子技術イノベーション戦略等の国家戦略の議論などを踏まえた量子技術等の重点分野の研究開発を戦略的に推進というところに光・量子飛躍フラッグシッププログラム、それから、世界最高水準の大型研究施設の整備・利活用を促進というところに最先端大型研究施設の整備・共用を入れてございます。
個別の内容につきましては、まず、参考資料1の7ページをごらんいただけますでしょうか。未来社会の実現に向けた先端研究の抜本的強化というところに4つ四角がございますが、右上に光・量子技術が入ってございまして、光・量子飛躍フラッグシッププログラム、Q-LEAPですけれども、前年度から24億円増加の約46億円という形で要求させていただいております。
御存じのとおり、量子情報処理、量子計測・センシング、次世代レーザーを柱としてこれまでやってきてございますけれども、さらに、6月6日の委員会でも御説明させていただきました政府の量子技術イノベーション戦略を踏まえまして、融合イノベーション領域に掲げられている量子AI、そして、量子生命の新たなフラッグシップの要求、あるいは人材育成等に関する共通的なプログラムの開発での増額要求ということで出させていただいております。
また、1枚おめくりいただきまして、8ページ目でございます。Society 5.0を支える世界最高水準の大型研究施設の整備・利活用の促進ということで、この中に幾つか四角がありますけれども、右側の上から2番目の四角でございます。こちらに官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進ということで約56億円、それから、下側の四角でございますが、特定先端大型研究施設ということでSpring-8、SACLA、J-PARCの整備・共用を着実に進めるための経費として、それぞれ99億円、72億円、112億円という形で要求してございます。
続きまして、資料1の方をお手元に御用意いただけますでしょうか。こちらが量子戦略に基づいて量子関係の予算を集計、分類したものでございまして、前年度予算額が約130億円でございましたところ、約233億円の要求となっております。
具体的な中身でございますけれども、5つの項目に分かれてございまして、こちらは量子戦略と対応する形になっております。
まず、丸1番、技術開発戦略のところでございますけれども、Q-LEAP、あるいは、既に量子関係のプロジェクトも走っていますが、JSTの未来社会や戦略、そして、法人の運営費交付金の中で理研やNIMSにおいても技術開発に取り組むということでございます。
右側の四角には産業・イノベーション戦略ということで、特に拠点の形成に関することが量子戦略でも言われていますので、それに対応した要求をしております。まず、オープンプラットフォーム型としてJST共創の場形成支援事業は、特に量子に限ったものではございませんが、今回政策重点枠として、国の方針や、社会動向等を踏まえて、政府として優先的に取り組むべき領域を重点的に推進するということでございますので、こういったものを活用してはどうかという検討を進めてございます。
また、機関内センター型ということで、QSTや理研において、それぞれ量子生命、あるいは量子物性・情報の拠点に掛かる費用を今回要求しております。
以降のページにつきましては、個別の事業のポンチ絵を参考までに付けていますので、説明は省略させていただきます。
以上でございます。
【雨宮主査】 以上でしょうか。非常に簡潔にまとめていただきましたが、参考資料1、それから、資料1と御説明いただきましたが、何か御質問ありますでしょうか。
【城石委員】 よろしいですか。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【城石委員】 今、ムーンショットというのが結構話題になっていると思うんですけれども、その中に量子というのがあったと思うんですが、それと、今回の御説明の違いというのを御説明いただけないでしょうか。
【大野補佐】 ムーンショットの事業もございますけれども、量子に限ったものではございません。今回、こちらの量子技術イノベーション戦略の推進には、特に量子との関係性が明らかな事業を集計してございます。
【雨宮主査】 今の御質問は、概算要求との関係でムーンショットの位置付け……。
【城石委員】 ムーンショットの中にも25テーマあったと思うんですけれども、その中にも量子ってたしかあったと思うんですが、それとのすみ分けみたいなものがどういうふうになっているのかなとちょっと理解したかったということなんです。
【渡邉課長】 すいません、私の方でムーンショットを担当しているので状況を御説明したいと思うんですけれども、たしかに25の課題の中に量子関係は立っておりまして、一応、量子ネットワークというものを中心には思っていて、今後絞り込みが行われる予定でございます。なお、ムーンショットに関しては昨年の補正予算でございますので、今回の概算要求には直接乗ってこないということで、ここには入っていないと認識しております。
【城石委員】 ありがとうございます。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。去年に比べて129が233と。これは要求額で、まだどうなるかというのはこれからの話ということですね。
【大野補佐】 おっしゃるとおりです。今後、財政当局との折衝を通じて変わってくる数字でございます。
【雨宮主査】 何か御質問ありますでしょうか。資料、細かい字でたくさん情報が盛られていますので、何か御質問とかコメントとかあれば。よろしいでしょうか。
はい、どうぞ。
【飯田委員】 すいません、参考資料1の7ページで、光・量子技術の右上の枠で、量子AIと量子生命が追加されるとおっしゃられておりましたけれども、前年度予算額に比べて24億円の増額ということで、その部分が量子AIと量子生命に配分されるというイメージでよろしいんでしょうか。
【大野補佐】 もちろん最終的な額というのは、先ほど申し上げたとおり、財政当局との調整によるんですけれども、量子AI、量子生命のほかでございますが、既存のフラッグシッププロジェクトの拡充、実用化に向けた加速化や、既存の基礎基盤のプロジェクトでも進んでいるものにつきましては、フラッグシップ化、あと、人材育成に関してプログラムの開発など、そういったところを含めて、今回24億円の増要求という形になってございます。
【飯田委員】 内訳はこれから議論するという理解でよろしいでしょうか。
【大野補佐】 そうですね。
【飯田委員】 分かりました。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の、2番目の議題に進みたいと思います。第6期科学技術基本計画に向けた検討について、まず、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
【奥室長】 すいません、遅れてきて恐縮ですが、国全体の量子戦略の動きについて、私の方から簡単に御説明させていただきたいと思います。
第6期の基本計画に向けた検討についてに先立って、参考資料2と3のところで、量子技術イノベーション戦略の中間報告というのを置かせていただいています。これについて簡単に概略だけ御説明をさせていただきます。
以前、パワーポイントの方の中間整理という形で一度御説明をさせていただきましたが、これをより背景と中身をかなり書き込んだ形で、中間報告という形で4月30日付で取りまとめをさせていただきました。
めくっていただいて、目次のところですけれども、量子技術をめぐる状況の変化等々を書いた上で、5つの戦略という5本の柱で構成をしています。技術戦略、国際戦略、産業・イノベーション戦略、知財戦略、人材戦略の5本の柱です。それぞれについて、簡単にポイントだけ申し上げたいと思います。
先に5ページ目のところです。今回、基本方針として、量子技術を単純に研究開発戦略として捉えるのではなくて、産業・イノベーションまで念頭に置いた広義の概念として設計をしようということで、量子技術イノベーションの戦略的展開というのを基本方針の柱の一つに掲げています。また、量子だけじゃなくて、量子古典の融合であるとか、量子戦略とAI、バイオ、この3つの戦略を融合的に進めていこうということを込めて、3つの基本方針を掲げています。
6ページ目のところでは、イノベーション戦略としてやる以上、将来的な社会像を明確にする必要があるということで、生産性革命、健康・長寿、安全・安心という3つの柱を将来の社会像として掲げさせていただいています。
7ページ目からが、先ほど申し上げた5つの戦略になります。今回、7ページ目にありますように、主要技術領域として4つ設定しています。量子コンピュータ・シミュレーション、計測・センシング、通信・暗号、それと、マテリアルです。これについて、具体的な方策、8ページのところで、個々の技術ごとにロードマップを引いていこうということを掲げさせていただいています。
さらに、この主要技術領域の中で、国プロの対象とする重点技術課題、すいません、7ページ目の真ん中あたりです、国として重点的に推進すべき重点技術課題というのと、中長期的な観点から進めるべき基礎基盤課題と、2つに重み付けを変えています。言ってみれば、前者が国プロ、Q-LEAPの事業で対象にするもの、後者が戦略創造であるとか科研費のようなものを対象とする基礎研究事業ということで、技術に応じて、2つの重点化の方針というのを示しています。
8ページ目のところ、量子コンピュータ・シミュレーションで、いろいろ背景情報等書かせていただいていますが、今、申し上げた重点技術課題と基礎基盤課題の振り分けは9ページ目のところに書かせていただいています。
例えば、量子コンピュータ関係では、超伝導のゲート、ソフトウエア、シミュレーション、それと、超伝導のアニーリングのコンピュータ、この4つを重点課題とした上で、基礎基盤の方に、シリコン、イオン、光量子のコンピュータ等々を書かせていただいています。4つに重点化の対象を限定したという形にしています。
同じように、量子計測・センシング、10ページ目のところから書いていますけれども、重点課題と基礎基盤については、11ページ目のところに書かせていただいています。センシング系では、固体センサと慣性センサ、もつれ光、この3つを重点課題として設定しています。
量子通信・暗号も同じで、12ページ目のところに、暗号技術、それぞれ通信技術の光ファイバー、衛星通信、単一光子通信は重点技術課題とする一方で、メモリ・中継は遠いものということで基礎基盤の方に落としています。マテリアルだけちょっと位置付けが違いまして、基礎基盤課題のみで、重点課題については特に設けていません。これは幅広い分野への応用が可能だというのと、まだ、基礎研究の分野として着実に進行する必要があるということでこういう整理にしています。
さらに、(2)のところで、今回融合領域というのを新しく設定しています。今までの4つの技術基盤をきちんと確立した上で、出口、イノベーションに向かって、スピード感と角度を上げていこうということで今回3つの融合領域を設定しました。量子AI、量子生命、量子セキュリティについて14ページ目のところで書いています。これについても、それぞれロードマップを引くということを考えています。
あとは、いろいろ書かせていただいていますが、基礎基盤研究等々も着実に進めるということを書いています。
16ページ目のところは、国際戦略、特に対中国というのもありますけれども、日米欧の3極を中心に研究開発の協力を進めていこうということで、ここには書いていませんが、今年の12月16日から日米欧3極による合同のシンポジウムというのを京都で開催することにしています。これをベースに、日米欧の3極での共同のファンディング等にもつなげていければなと思っているところです。
さらに18ページ目のところが、3つの柱の産業・イノベーション戦略です。これは基礎研究から実装、さらに人材育成まで一気通貫でやるような国際的な研究拠点というのを複数分野ごとに作っていってはどうかというものです。拠点の要件や拠点の形態、いろいろ書かせていただいていますが、19ページ目のところに、拠点の候補を幾つか示させていただいています。超伝導の量子コンピュータ、ソフトウエア、バイオ、マテリアル、センサ、ネットワーク、こういうのを念頭に、先ほど予算の説明があったと思いますが、来年度以降、こういう拠点形成を是非進めていきたいと思っています。
さらに、まだこの分野は民間企業が必ずしも本格的に参入をしていないというところもあって、民間企業とアカデミアとの対話の場ということで、量子技術イノベーション協議会というのを技術ごとに作ってはどうかということも提言をしています。これは(2)のところで書かせていただいているものです。
さらに創業・投資環境とありますが、これはベンチャー支援、スタートアップ支援を引き続きやっていこうというのと、特に量子暗号装置のようなものを技術導入するに当たって、政府の役割というのは極めて大事なので、政府の方で、政府調達のような形で先行導入、技術導入を図っていこうということも書かせていただいています。
21ページが知財標準化。
最後、22ページ目から人材です。この分野の人材の層の厚みを増していくという必要があると思っていますので、AI戦略とも連携をしながら、この量子の技術について、体系的に学べるような共通的なカリキュラム開発等を進めていくのと、あと、大学の方に、それを実際に授業等で活用してもらうという取組を進めていこうと思っています。
さらに、頭脳循環の推進と量子ネイティブとありますが、特に高専とか高等学校で、この分野に興味のある人に早期教育という形で入ってもらう、そうした取組を進めていければなと思っています。
これはあくまで中間報告ですので、これからロードマップ等検討した上で、最終的に11月、12月あたりに最終報告を取りまとめるという方向で検討を進めていこうと思っています。これは内閣府の方を中心にやらせていただいていますけれども、文科省の方も、全面的にサポートさせていただいているところです。
これを踏まえて、第6期の基本計画に向けた委員会としての考えというのをまとめていただきたいなと思っております。
【大野補佐】 続いて事務局から失礼いたします。資料2-1と2-2について御説明いたします。
まず、今、説明がありましたように、こういった量子戦略も踏まえて、基本計画を検討していくことになるわけでございますけれども、特に今日御議論いただく第6期基本計画に向けた検討についてというものがどういうふうに総合政策特別委員会の方に反映されていくのかということで、資料2-1の裏面、参考資料をごらんいただけますでしょうか。そちらに今後のスケジュールがございまして、10月までに個別分野について、関係部会等における検討結果をまとめるということになってございます。今日頂く御意見等を資料2-2に反映してこちらに打ち込んでいくという形になってございます。
続きまして、資料2-2の説明をさせていただきます。
まず、第1部の量子技術イノベーションの推進でございます。こちらが、今、説明のありました量子技術イノベーション戦略とも対応してくる範囲でございますけれども、まず、第5期基本計画でも、量子技術は新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術の一つということで強化を図るものとして位置付けられている。そして、量子技術イノベーション戦略の策定に向けた検討も行われている、こういった状況に鑑みて、政府全体の検討と協調しつつ、量子技術が社会に与えるインパクト、我が国の強み、そういったものを踏まえて引き続き推進方策の調査検討を行う観点から、第6期計画に向けた検討の視点や方向性をまとめるという形で最初書いてございます。
1ポツ、基本認識でございますけれども、こちらについては、国として、量子技術について取り組む必要性ということで、応用範囲が広く非連続に課題を解決できる知識集約度の高い量子技術について、国際的な関心も非常に上昇してございますので、きちんと我が国の量子技術をイノベーションに結び付け、目指すべき社会像に貢献するために府省横断で政策を検討・実施すべく、国としてその推進に取り組むことが必要と書いてございます。
続いて、2ポツのところが、第5期中の顕著な成果でございます。まず、(1)番といたしましては、平成28年3月には戦略的創造研究推進事業の戦略目標として、量子関係としては13年ぶりとなる目標が設定され、以降も定期的に量子関係の目標がございます。また、28年の4月にはQSTが発足し、31年には量子生命科学領域ができました。
おめくりいただきまして、29年の8月には、前期の本委員会におきまして、取りまとめていただいた提言を踏まえてQ-LEAPを開始するなど、こういった取組が進んでおります。その結果としましても、量子技術に関する我が国の基礎研究というのは、長年にわたる研究の蓄積として、国際的にも一定の存在感を示しており、基礎理論や材料等に強みがあると書いてございます。
(2)番が、期間中に顕在化した課題でございますけれども、現在、我が国には、国を挙げた戦略的な方向性というのが存在せず、関係府省、企業等が個別に研究開発を実施している。このままでは諸外国に遅れをとって、国の成長・発展が脅かされかねない。
一方で、諸外国におきましては、2番目の丸でございますが、量子技術を極めて重要な基盤技術として位置付けて、戦略を策定したり、あるいは、産業界から投資を拡充する、拠点形成や人材育成に注力したりしているという状況でございます。
我が国としましては、基礎理論の方には強みがあるものの、特に実用化、実証化のところに課題があること、また、大企業のこういった技術分野への積極的な参画には至っていないこと、量子技術に関する研究者の層がまだ薄いこと、それから、国際的にも認知されるような拠点が欠如している、人材獲得競争からも遅れをとるおそれがあることを書いてございます。
さらに、国際的な観点では、米国や欧州等は我が国との連携を基礎研究の分野等で模索しておりますけれども、こういったことを踏まえると、今後、国際協力と国際競争というのを使い分けた取組がますます不可欠になっていくということ、その一方で、安全保障貿易管理といったことも大事になってくること、また、下から2番目の丸でございますけれども、戦略的な知財のマネジメント、国際標準化に向けた取組を進めていくことも重要。そして、こういった課題に鑑みて、政府全体として目指すべき社会像を実現できるよう、技術開発からイノベーションまでを念頭に置いた新しい量子技術イノベーション戦略等を踏まえて、幅広い取組を充実していくことが必要としてございます。
3ポツが、具体的に、重点的に取り組む事項でございます。こちらの柱立て等につきましては、量子戦略と同じように掲げてございます。(1)番の技術開発の推進におきましては、量子コンピュータやセンシング、マテリアルといったところの技術領域の中でも、ゲート型量子コンピュータ、ソフトウエア、シミュレーション、あるいは、ダイヤモンドNVセンタ等の固体量子センサ、慣性センサ、もつれ光センサを重点技術課題として設定していること、また、量子融合イノベーション領域としましても、2つ目の丸でございますけれども、量子AI、量子生命、量子セキュリティを設定してございまして、こういったところに対して、企業からの投資を積極的に呼び込み、戦略的な取組の推進が必要としてございます。
2番目の国際競争の強化につきましては、先ほど申し上げたとおり、欧米を中心に価値観を共有できるところと協力していく一方で、安全保障貿易管理等を引き続き推進していくといったことを書かせていただいております。
おめくりいただきまして、5ページ目でございます。3番目の頭にございますのは、特に「顔の見える」拠点が必要ではないかということで、具体的な候補として量子コンピュータ、ソフトウエア、量子生命等々、こういった拠点を中心に、まさに企業から投資を呼び込んでいき、大学、企業間の連携、協力体制を構築していくといったことを書いてございます。
4番の知財管理・国際標準化につきましては、オープン・クローズド戦略に基づいて、知的財産管理にしっかりと取り組んでいくこと、それから、国際標準化に向けた戦略的な取組を進めていくことを書いてございます。
最後の5番目でございますけれども、特に量子技術関連分野の人材を質・量ともに飛躍的に充実させるため、高等教育段階におきまして、当該分野の教育・研究環境の充実・強化を行っていくこと、また、拠点と連携しながら、海外からもすぐれた研究者を招聘・確保するとともに、我が国の研究者が海外で研鑽する機会を確保していくこと、そして、もう少し早期の段階から将来を担う人材を育成・確保すべく、特に関心がある生徒等を対象にした関連の学問分野に触れる機会を増やしていくこと、こういったことを書いてまとめてございます。
以上でございます。
【雨宮主査】 ありがとうございました。今、参考資料2と、資料2-1、資料2-2の第1部、量子技術イノベーションの推進というところを御説明いただきました。参考資料3は特に説明され……。
【奥室長】 参考資料2で説明が尽きていますので。
【雨宮主査】 そうですか。今、事務局から説明のあったことに関して、何か御質問等ありますでしょうか。量子技術イノベーションの推進の第1部に関して、いかがでしょうか。
【城石委員】 よろしいでしょうか。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【城石委員】 全体像を捉えていただいて、非常に分かりやすい御説明でありがとうございました。経団連なんかですと、戦略と創発といっておられると思うんですけれども、両方とも、戦略的なところも書いてあるし、創発的なところも書いてあるということで、非常に見事にまとめられたと思うんですが、逆に、非常に複雑過ぎて、具体的にどういう優先順位で、向こうからやっていくのという、最初の戦略等もちょっと、イノベーションを進める上での戦略なのかもしれないですが、そこをどういう形でやっていったらいいのかなというのが、多分非常に悩まれていると思うんですけれども、そこら辺のお考えを教えていただければと思います。
【奥室長】 今回の量子戦略は、あくまでイノベーション戦略として作っていて、単なる技術戦略ではないというのが一番の特徴です。なので、言ってみれば、産業界、企業からの投資をいかにして呼び込むか、企業に対する予見可能性をいかにして高めるかというのが、1つの大きなミッションだと思っています。なので、今回技術領域、例えば、技術開発戦略のところでは、重点対象とする領域というのをさらに絞り込むような形で、重点技術課題という形で明確に設定をしています。全部で融合領域も含めて12個設定をしているんですが、言ってみれば、国プロの対象はこれに限定をすると。ただし、予算との兼ね合いもありますので、全てをいきなり始めるわけにはいかない。それはおっしゃるとおりなので、ここはさらに優先順位を付けた形で毎年度走らせるものを決めていく必要があるかなと。そこは戦略を受けて、我々が、まさに事業官庁がやるべきところですので、そこは精査をしていきたいと思っています。
1つは技術戦略、要は企業から見えやすい、ここに国が今後投資をするんだという技術の対象を明確にしたということ、イノベーションとしてやる以上は、単純に日本だけでやるわけじゃなくて、やっぱり国際的な連携の枠組みでやるというのは不可欠なので、国際協力の枠組みというのをきちんと設定をしましょうと。
さらに、これも企業に対するメッセージですけれども、我々は拠点化をするということは、言ってみれば、そこが企業に対する1つの窓口になる。顔の見える拠点ですね。技術と人と施設が集まるような場というのを作っていく、これも1つの大きなメッセージだと思っていますので、こういう拠点というのも、これもまた優先順位を付けた上で、全て、例示として6つ挙げていますが、これが全ていきなり走るわけではないので、ここも優先順位を付けた上で、各年度走らせていくということだと思います。知財管理もその中の一環としてやるものですけれども、さらに重要なのは人なんですよね。この分野は人が、層がそんなに厚いわけじゃないので、なので、人の層をまず厚くする、それは言ってみれば、企業に今後入っていく人たち、この分野の人たちが増えていくんだという1つのメッセージを発している形になっているので、そういう意味でも、将来的な産業とかイノベーションの方に発展していくための、土台作りというのを1つの方向性として示しているものなんじゃないかなと思います。なので、一応こういう形で大枠の方向性は示しているんですが、ただし、予算等の兼ね合いに応じて、政策の優先順位というのは必ず付けないといけないので、そこは毎年度の財政事情、財政折衝等を通じて形を作っていきたいと、それはまさに文科省と経産省と総務省と、各省の役割だと思っています。要求の中できちんとそういう形を作っていければなと思います。
【城石委員】 ありがとうございます。非常によく分かりました。1つ、ちょっとこれはお願いなんですけれども、先ほど知財という話がございました。知財を余り厳しく管理しようとし過ぎると、例えば、海外のトップ企業とか、トップ研究者を呼んだときに、知財の問題でなかなか呼べないとか、いろんな問題が今出てきておりまして、それは企業によって一番悩ましいところなんですけれども、その辺も多分これから御検討いただくんだと思うんですが、是非、そのバランスをとっていただいて、施策の方に反映いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【奥室長】 まさにおっしゃるとおりで、権利化を全てやってしまうというのは、ある意味がんじがらめな1つの方向性なので、この21ページ目の具体的な方策のところに、あえて権利化と柔軟な権利化と書かせていただきました。この柔軟なというメッセージが極めて大事で、ここを個々の事情に応じてきちんとしていくということを一言書き込んだつもりではいるんですけれども、これを実装していきたいなと。
【城石委員】 ありがとうございます。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。
はい、どうぞ。
【岩本委員】 今も話題になりました人材の件なんですけれども、第6期のコメントで見ると、これからの人材に対することは書かれたような気がするんですが、そういう人を増やすために、今、そこの分野で活躍している人たちが、バラ色に活躍をするということが、多分下から見たときにすごく重要だと思うんです。だから、今の分野で活躍している人たちの活躍の場をきちんと提供していくということも含めた施策があるといいのかなと感じました。コメントです。
【雨宮主査】 今のコメントに関して何かありますか。
【奥室長】 おっしゃるとおりで、研究費を充実させていくというのは、まさに今活躍している方々に、さらに活躍の場を与えてあげるための1つの方向性だと思います。
【岩本委員】 確かにそれも1つなんですけど、若い人たちがすぐにちゃんと活躍しようと思うと、やっぱりポジションの問題というのがかなり重要で、今、研究費はあると、パーマネントではないポジションで研究費を使って研究しているということなので、そのあたりも少し改善されていくといいのかなという気がしています。
【奥室長】 おっしゃるとおりで、やっぱり若手の研究者をきちんとこの分野で活躍してもらうためには、言ってみれば、パーマネントのポストというのをあげていくというのは……。
【岩本委員】 それは企業でももちろんいいと思うんですけどね、企業に行っても。
【奥室長】 ええ。不可欠だと思ってまして、言ってみれば、この拠点形成というのは、要は拠点に人を集めるための場なんで、人のポストをちゃんとこの拠点に付けてあげるというのが大きい意味だと思うんですよね。拠点化のところで、きちんとその人たちを処遇できるような環境をちゃんと整備してあげると、こういう方向性をちゃんと作っていきたいなと。
【岩本委員】 ありがとうございました。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。
はい、どうぞ。飯田委員。
【飯田委員】 すいません、今の話と関連してなんですけど、人材の確保ということで、私自身もテニュアトラックプログラムで、大阪府立大学は全項目でS評価を頂いたということで、高い評価を頂いたんですけれども、その後の継続的な支援がなかったということがあって、我々として1つのロールモデルを提供できたのかなと思っているんですが、全国になかなか普及しなかったというのがちょっと残念なところだったのかなと。
今、卓越研究員の制度もありますけれども、なかなかマッチングが難しいというところもあって、各方面からしんどいという話も聞いておりますので、場合によっては、それぞれの制度のよいところをピックアップして、テニュアトラックプログラムの発展版みたいなものができるといいのかなと思います。
あともう一つよろしいでしょうか。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【飯田委員】 こちら、量子生命の分野の観点でのコメントなんですけれども、資料2-2です。4ページの(1)の2つ目の丸のところで、量子AI技術、量子生命技術、量子セキュリティと3つ並んでいまして、この量子生命技術の注釈のところで、生命現象の細胞レベルでの機能解明や医療・健康分野への固体量子センサの活用とあるんですが、量子ということをうたうのであれば、細胞レベルよりもっと小さな、原子分子レベルから細胞レベルを、階層をつなぐような、そういったことも必要になってくるのかなと。ちょっとスペースが限られているので、なかなか全部書けないのかもしれません。
あと、センシングも非常に重要なんですけれども、制御といったことも今後、見ることができるようになったというのが、人類というのは操りたいわけですので、制御の観点での研究開発が重要になってくると思います。
ただ、昨年、ノーベル物理学賞のアシュキン先生、光トラップとられましたけれども、それに加えて、最近、応用物理学会などでは、例えば、フォトサーマルフルイディックス、光の熱流体力学的な作用を使って大規模に生体制御をやりましょうと、そういったことも始まっていますので、そういった観点での研究開発も支援いただけるといいのかなと思います。
【雨宮主査】 制御ということですね。
【飯田委員】 制御です、はい。
【雨宮主査】 ほかに何かコメント等ありますでしょうか。
はい、どうぞ。
【湯本委員】 知財の話に戻って恐縮ですが、先ほどの知財では、マネジメント、出した後の話って結構あるんですけれども、逆に出す、ポートフォリオとか、その辺をもう少し包括的に見える、管理というのは余り好きじゃないんですが、サジェスチョンを与えるような、そういう活動が必要なんじゃないかなと思っています。拠点が増える、あるいは、量子という言葉が付いているけどいっぱいグループができる。だけども、例えばあるものを、全体的に社会実装とか、ものにしておこうとするときは、やっぱりここが抜けているとか、そこが抜けていると、今度は最後までたどり着けないというのがあるので、技術俯瞰、それから、特許ポートフォリオ、その辺を総括的に見えるような取組がどこかに入っていると非常にアクティブになってくるんじゃないかなと、加速されるんじゃないかと思っていますので、御検討いただければと思います。
【雨宮主査】 何か今のコメントに関して。
【奥室長】 おっしゃるとおりです。基本的にトップマネジメント系は機関に任せているというのが今の原則だと思うんですけれども、そこをもうちょっと俯瞰的に見える……。
【湯本委員】 もう少し広げた方がいいんじゃないかなと。
【奥室長】 それは大きい課題だと思っています。
【雨宮主査】 ほかに何か御意見、御質問等ありますでしょうか。
はい、上田先生。
【上田委員】 これ、イノベーションが中心ということですので、例えば、この研究の過程で、若手研究者が、例えばベンチャーを起こすとかっていうのは、むしろ望ましいことだと思うんですけれども、そういうことを支援するようなスキームというのはこの中に入ってるんでしょうか。
【奥室長】 ここの中の第3章の創業イノベーションのところで投資環境整備というのがあります。この中で、スタートアップ、ベンチャー支援というのは書かせていただいていますし、この6期の中にも書いてあるのかな、資料2-2だと、5ページ目の(3)の一番下丸です。大学発・企業発ベンチャーの創設を促進するための環境を整備しましょうということは書かせていただいています。
先ほども参考資料2の方の戦略の中でも同じように、創業・投資環境の整備の中で、ベンチャー、スタートアップ支援を積極的に進めていくということは書かせていただいています。先ほど申し上げたように、ベンチャーはできたとしても、これを実際に大きくしていくとか、技術を実際に導入する際に、なかなか今の企業さんにいきなり買ってくださいよというのも難しいところがあるので、技術の先行導入として政府調達系の話というのは使えないかなというのも、これは戦略の方に書かせていただいております。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。
【湯本委員】 すいません、今の件で。
【雨宮主査】 先に湯本先生。
【湯本委員】 特許の件であれなんですけれども、実はここでやった特許というのは、大学に所属するか、それかJSTみたいなところに入るかだと思うんですが、それを使おうと思うと、今の制度的にはできるはずなんですけれども、今までの考え方は、基本的に掛かった費用を全部特許使用者に請求するような形になっております。これから、法律が変わったりして、個々の大学でも投資ができるようになっていますから、本当は費用が1,000万掛かったとしても、ベンチャーを作るときに、じゃあ、700万は投資とみなすから300万でいいよと、そういうことができるようになったんですけれども、なかなかそこが加速してないんじゃないかという気がしています。
実際、私もあるところに特許使用許諾を申請したら、将来に掛かるお金まで全部請求されました。それは分割払いでもいいんですが、せいぜい5年なんですよ。そうすると、本当に小さなベンチャーだと足かせになっちゃいます。アメリカの人に聞いたら、アメリカの3倍だと言われました。
【奥室長】 逆にボトルネックになったのはどこなんですか。
【湯本委員】 どこっておっしゃると?
【奥室長】 大学ですか。
【湯本委員】 それはJSTでした。それは多分大学も同じだと思います。
【奥室長】 勉強させていただきました。
【雨宮主査】 じゃ、大森委員。
【大森主査代理】 国際ネットワークに関して、今度12月に日米欧の合同シンポジウムが開催されるということで、非常によい試みだと思います。一方で、EUと米国は既に、そういった試みはもう始まっていて、つい先週か、先々週か何かも、EUと米国のフラッグシップ、正確に言うと、米国はフラッグシップはまだ走ってないんですが、フラッグシップレベルのオーガナイゼーションと、EUのフラッグシップの合同ミーティングみたいなものをDCで実際開催しちゃったりしているので、今後、米国とEUの、非常にタイトなつながりの中に日本が乗っかるというようにならないように、きちんと3極で対等にネットワークが組んでいけるような、積極的な働き掛けを、今以上にやっていってもいいんじゃないかなと感じております。
【奥室長】 大森先生には、日米欧の3極のシンポジウムに向けて、大変な御尽力を頂いているので、引き続きよろしくお願いいたします。
実はおととい、3日前からおとといに掛けて、日英の計測センシング分野でのワークショップを東京の駐日英国大使館でやったんですけれども、ここは本当にクローズドの、これぐらいのワークショップで、日英のトップの研究者が集まって、研究交流をすると、そこの場に私も内閣府の立場でプレゼンさせていただきましたけれども、本当に1国対1国、それとEUと日本、米国と日本という枠組みを、いろんなレベルで、階層でやっていくというのが必要かなと思っていますので、そういう働き掛けは随時させていただきたいと。
【大森主査代理】 必ずしも3つ一緒にやらなくてもいいと思います、おっしゃるように。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【美濃島委員】 御説明いただいて、今日の話は重点分野というか、主要技術のところを、特に企業に対する強いメッセージを出すために書かれたということで、それは期待したんですが、一方、これは第6期の科学技術基本計画ということですので、やはり、このどこか別のところでもいいんですけれども、先ほどの基礎基盤的な部分というのもあるんですと最初のお話にあったと思うんですが、そちらの部分というのはどこかで書かれているものなんでしょうか。
【奥室長】 例えば、この4ページ目の(1)技術開発の推進のところ、一番下の丸なんですが、長期的視野に立ったサイエンスベースでの研究開発の着実は推進が必要だというのはメッセージとして書かせていただいています。その技術の特定も大事で、ここに重点化を図るんだけれども、その基盤となるような研究開発というのは、この分野の発展にとって不可欠なので、そこはやっぱり長期的な視野に立って着実にやっていこうということを書かせていただいています。
さらに、重点と基礎に分けましたが、基礎基盤のところというのは、まさに中長期的な観点から進めるべき領域として例示をしたものでもあるので、こういう領域も対象に、戦略もそうですし、科研費もそうですし、そういうものの充実を図っていくというのが1つの方向性かなと思っています。
【美濃島委員】 全体では、本当にこの一文のみに書かれているということなんですか、第6期科学技術基本計画の中を見渡してもこの一文だけだということでしょうか。
【奥室長】 中長期的観点からと書いてあるのは、まさにそうですね。
【美濃島委員】 もちろんある程度の重点的なメッセージというのは必要なのかと思うんですけれども、この前提のところでも、研究者の層が必ずしも十分でないとか、様々な背景の中には、やはり基礎基盤的なところも、もちろん個々の立派な成果を挙げられている方というのはたくさんいらっしゃるわけですが、それが層としてつながってないという部分が何かあるんだということで、やはりもういいということではなくて、そこも重要だというメッセージがもう少し伝わるとよろしいかなと思います。お願いします。
【奥室長】 おっしゃるとおりです。承知いたしました。充実させたいと思います。
【雨宮主査】 じゃ、そこの文言をまたよろしくお願いいたします。
ほかにいかがでしょうか。
【城石委員】 1ついいですか。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【城石委員】 このSociety5.0という言葉を入れていただいて非常にうれしいと思うんですけれども、国際的に大分有名になったとはいえ、やはり世の中はまだSDGsという言葉で、いろんな意味で、ロードマップも含めて議論されてくるので、特に諸外国と何かやろうとしたときに、やっぱりSDGsとSociety5.0と、この量子というものの関係性、あるいは、ロードマップとしてそれがどう出てくるかというのも記載いただけると、グローバルにやりやすいのかなと思いました。これはコメントです。
【雨宮主査】 それはどうですか、盛り込めそうですか。
【奥室長】 Society5.0という考え方が、第5期の基本計画の議論の中で初めて出てきた考え方で、これがそのまま経団連、あるいは政府の方と一体なって打ち出していって、それなりに総理の口からもいろいろ言っていただいたりして、浸透してきていると思います。これのさらに次の概念というのが、まさに6期のところで打ち出していくんだろうと思いまして、それは創生特区であるとか、上の委員会ですね、あとは総合科学技術会議とかでこれから議論されるんだと思います。そうした中で、多分発想として、SDGs、STIのようなものも多分入ってくるんだろうと思いますので、そういうのとちゃんと整合するような形で、この概念設計はちゃんとしていきたいなと思います。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、2部の方の御説明お願いします。
【對崎補佐】 引き続き、資料2-2の6ページから、第2部、量子ビームの利用・推進についてでございます。こちらは、小杉委員に主査をお務めいただき、雨宮委員に主査代理をお務めいただいております量子ビーム利用推進小委員会において2回に渡って議論をしてまいりまして、集約した形でお示ししてございます。
構成は第1部と同じで、基本認識と5期基本計画中の顕著な成果と課題、そして、今後、特に重点的に取り組むべき事項という柱で整理をしてございます。
第2部の冒頭には、基本理念を書かせていただいておりますが、こちら、共用法施設を含めた量子ビーム施設について、今ある既存施設を最大限有効に活用して、最先端の科学的な知見を得つつも、諸外国の動向等も踏まえつつ、我が国全体として戦略的にどのように取り組んでいくかという観点が重要であるという認識の下で、量子ビーム利用推進小委員会で議論をしたという書き出しでございます。
基本認識のところ、1ポツは最先端の研究施設の整備・共用の推進という形で、共用法施設の運用もさることながら、本年度から、約10年ぶりとなる次世代放射光施設の整備を官民地域パートナーシップにより開始していることにも言及しております。
他方、諸外国でも、こうした放射光施設を含めた最先端の研究施設の利用や促進が進んでいる状況を踏まえて、我が国としても戦略的な整備・更新等が必要であると言及しております。
(2)番として、共用法施設だけではありませんが、こうした量子ビーム施設については、施設をハブとして、産学連携の取組やコミュニティの形成など、共同利用や共同研究の取組をこれまで拡大してきたことに言及しております。
次のページに行っていただきまして、放射光や中性子線など複数の量子ビーム施設を総合的に利用した取組も進展してきていることに言及しております。
そして、(3)番として、国際的な連携・協力の拡大でございますが、これら共用法の施設に関しては、海外の大学や研究機関等の研究者の利用も促進し、海外の関連機関と連携・協力が拡大してきているし、今後もこうした協力の拡大が必要という形で書いてございます。
2ポツの第5期科学技術基本計画中の顕著な成果と課題として、(1)期間中の顕著な成果としては、共用法3施設の運転時間、利用者数については、着実で確実な運転時間の確保と利用者を増やしてきているという現状、そして、これらの施設を利用して、例えば、物質科学、生命科学、産業利用、地球・惑星科学といった多方面の分野において、それぞれ最先端の顕著な成果が得られているという現状、それ以外に、当室の方で運営してきました内局事業における次世代加速器技術の開発の促進における成果といったものを書いてございます。
(2)の期間中に顕在化した課題としましては、共用法施設に関しまして、前期の量子ビーム小委員会でも中間評価等を行っておりますが、適切な維持管理や更新を行うことが必要でありまして、その中で、要素技術の開発や、さらに高度なビームラインの測定自動化等、効率的な運用や施設利用を実現するための研究開発が必要であることに言及しております。
さらに、各施設の連携・協力の構築や、それぞれの施設の位置付け・役割分担の明確化等にも課題があることに言及しております。
3つ目の丸でございますが、産業界のさらなる利用の促進に向けて、よりユーザーが使いやすいようなビームライン、ビームタイムの導入、利用料金制度の柔軟な見直し等々の取組が必要であることに言及しております。
そして、これらの施設の運営に関しては、それに携わる研究者・技術者の継続的な育成・確保、利用者に対する支援に関わる人材の育成・確保が必要であるといった点を書いてございます。
そして、それらの状況を踏まえつつ、3ポツに、今後、特に重点的に取り組むべき事項としては、まず、施設の安全かつ安定的な運用の確保ということで、ちょっとページがまたがってしまって恐縮でございますが、最後のページに行っていただきまして、これらの大型施設の安定的な運用を行うとともに、大学・研究機関、自治体等が有する施設についても、位置付けや役割分担を明確にした上で、さらなる運用や共用・共同利用を促進するための取組が必要であることに言及しております。
そして、古くなった施設に関しては、経年劣化対策も含めて、適切な維持・管理、設備の更新を行っていくとともに、さらなる高度化・高性能化に向けて、要素技術の開発や共通基盤技術の開発が必要であることに言及しております。
(2)番として、研究施設を利用した成果の最大化でございますが、1つ目の丸として、潜在的なユーザーをさらに開拓・拡大していくとともに、我が国の産業・イノベーションの発展に向けたハブとして位置付けた上での取組をしていくといった点、また、先ほど申し上げた、複数施設の総合利用といった点として、総合的、相乗的な利用や、アカデミア、産業界のユーザー拡大につなげるための、オープンデータ・オープンアクセスといった取組の必要性、さらに、最後の3つ目の丸でございますが、中長期的な人材育成・確保に向けた具体的な方策の検討・実施が重要であることに言及しております。
そして、(1)、(2)をまとめるような形で、量子ビーム利用推進小委員会で今後議論していくこととして、我が国全体の放射光施設、中性子線施設、さらにレーザー施設等を踏まえて、また、設置主体の異なる国、大学、研究機関、地方自治体といった施設を俯瞰的に捉えた上で、今後の総合的かつ戦略的な検討を開始しているところでありまして、その検討に当たっては、諸外国における動向や次世代放射光施設の整備等の利用者動向等を捉えた上での検討を行っていくといった形でまとめております。
以上でございます。
【雨宮主査】 ありがとうございます。2部の方、フィールドが大分ぱっと変わりましたけれども、同じような形式で資料2にまとめられていますが、何か御質問あればよろしくお願いします。
これは、この委員会の下にある量子ビーム利用推進小委員会でまとめたものを基に、今、報告があったわけです。いかがでしょうか。
【城石委員】 成果がたくさん出ていて、文書で書いてあるところは非常に分かりやすいと思うんですけれども、表が出ておりますが、ぱっと見ると、この表とここに書いてあることが余りうまくつながっていないように見えるので、これはコメントなんですけれども、この表の中で、ここに書いてあるような文書が見えるような形でまとめられるとよろしいのではないかと思いました。というのは、表だけぱっと見ると、本文との関係性がよく分からないのが、特に私は素人なので。これはコメントです。
【雨宮主査】 確かに言われてみればそのとおりで、本文の中でこの表はどういうふうにリファーされるかというところが明確になるということでお願いします。
【對崎補佐】 おっしゃるとおりでございますので、具体的な数字というよりは、文書化してその内容をまとめるという形で記載したいと思います。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。岩本委員。
【岩本委員】 今の表に関連して、専門外だから今のところ、令和元年度も順調に増えていくのかなと期待していたんですけれども、予定がちょっと下がっているのは何か理由があるんですか。
【對崎補佐】 前年度からの概算要求とか予算を査定する段階で、原因は別に1つではないとは思いますけれども、例えば、次世代放射光施設を今後国として造っていくという中での財政的なバランスであったり、もちろんその3施設に関しては、当然利用者も増えているわけですけれども、コストは抑えつつも、必要な運転時間をどう確保していくかといった議論を財政当局と行ってまいりまして、結果としては、少し運転時間は減るような形でございますが、必要な運転時間として引き続き確保していきたいと思います。
【岩本委員】 最低限の運転時間はちゃんとあって、十分な成果は期待できる時間になっているという位置付けだということですね。値としては下がっているけれども。
【對崎補佐】 それは、そのようにしていきたいと思っております。
【雨宮主査】 この予定は、減ることはあっても、増えることはない? どういう振れ幅のある予定なんでしょうか。推定でいいんですけれども。
【對崎補佐】 これはあくまで予算上で算出するとこのぐらい、前年度ベースのユーザー数だったり、課題数ということをベースにするとこのぐらいの時間になるということで、施設から算出いただいた数字になっておりますので、実際は例えば、ユーザー数の変動だったり、1人のユーザーの使う時間数等によって変動は起こり、多くもなりますし、少なくもなるということでありますので、そこは少し課題数の状況等を見ながらフィックスされていくものと思います。
【雨宮主査】 ほかに御質問、コメントあればお願いします。飯田委員。
【飯田委員】 この内容と直接関係あるか、現場レベルでいろいろと聞こえてくる話があるんですけれども、ここでいろいろな運転時間の数字が出ているんですが、非常に少人数のテクニシャンが、かなり不眠不休の状態で作業しているということを、よく近場の先生方から聞くんですが、そういった人たちのサポートというか、人件費の確保、若しくは労働環境の整備、そのあたりに関しては、この施策の中には盛り込まれているんでしょうか。
【對崎補佐】 ありがとうございます。施設のいわゆる技術者という観点では、例えば8ページの期間中に顕在化した課題の一番下の丸に記載している事項は、まさに施設の運用に関わる人も含めた継続的な確保という観点で書かせていただいておりまして、それを踏まえて、最後の9ページの(2)の一番下の丸、これも支援という形で、どのような支援という具体的な形ではございませんが、研究者、技術者の確保といった観点で取組を進めていくという形で書いてございます。これを量研室も含めて、具体的な施策等に落とし込んでいくということも考えていきたいと思います。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【小杉委員】 小委員会の方では、人材についてはすごく話が盛り上がるので、後で御説明あるかもしれないですけれども、いろいろアンケートとか調査をしながら、そういう問題をどうしていくかというのを小委員会で今後、議論する予定です。
【飯田委員】 是非現場のヒアリングとかをされると。
【小杉委員】 ええ、その予定だと。
【雨宮主査】 それと、日本全体の働き方改革ということを考えると、機械が動いているときには24時間いつも仕事しっぱなしというところで、どうしても齟齬が起こってきます。そこをうまく両立するのは、ロボット化とか自動測定とか、今までと違った形でオペレートすると、機械というよりも、その実験を。そういうことを積極的に導入していかなければいけないのだろうという議論に進むと思います。
ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【小杉委員】 印象として、1部と2部を比較すると随分観点が違っていて、2部の方は、施設は既にある前提で、いかにそれを長期的に維持していくかというところで議論しているんですけれども、だからそういうところには、知財とかそういう問題は余りなくて、実際共用施設なんかは、国内も国外も、民間を含めて関係なく同等に採択してやっているわけですよね。それがいいのかどうかという議論もないんですけれども、上の方のスタンスと知財とか、そういう国際的な、特に利用者は、海外の場合、アジアが中心で、中国や韓国が多いんですけれども、そういうところが上の一部の方では気になる点という感じなので、大分その辺のスタンスが違うかなという印象を持ちました。
あと人材については、共通の意識にはなっているかと思うんですけれども、技術の方も、放射光なんかでも中性子でも実は結構重要で、次々新しい施設を造っていくと、放射光については、世界の2割弱の施設が日本にあって、超大国なんですけれども、どちらかというと今ちょっと遅れ気味で、世界の動向を見ながら、どうしていくかという観点で、次世代の東北にできる予定の議論があったところは非常に残念で、本当は世界の動向を先導していかないといけないはずだったのに、いつの間にかちょっと遅れをとっているというところが、そういう議論を2部の方ではやっていないんですけれども、1部の方は割とそういう意識もあるのかなと思って、意識の違いのすり合わせが必要かなという印象を持ちました。感想だけです。
【雨宮主査】 量子科学技術が広いので、どこに重点を置いて議論されているかというのは分野で違っているというのは、この委員会でいつも感じることなんですが、すり合わせが必要なものはすり合わせをするし、無理してすり合わせしても意味のないものもあるような気もしますし、そこは個別で議論できればと思っています。
ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。
【美濃島委員】 単純な質問かもしれないんですが、期間中に顕在化した課題という項目で幾つか書かれていて、期間中というのは第5期ということだと思うんですが、内容を拝見すると、割と普遍的というか、施設が安全かつ安定的な運用でアップデートしていくとか、要素技術を開発していくとか、書かれていることが割とずっと続いている普遍的なことのように私には感じてしまったんですが、特に期間中に顕在化した課題という、何かポイントがあるのでしょうか。もしあれば、そこを少し強調されるようなことを書かれると、より期間中に課題があって、そこを次に解決するということが分かりやすいのではないかというふうに思ったんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。
【雨宮主査】 まず目次の作り方で、目次の章の名前が適切かどうかという問題等もあると思うんですよ。私もそう言われてみると、この目次を見たときに、期間中の顕著な成果はいいんですけれども、期間中に顕在化した課題というと、第5期で急に出てきた、現れた課題かなと思って、何かなと思って見るけど、結構普遍的なことが書かれているという、そこの不一致感があると。だから、ここは別に「期間中に」とかいう形容詞や副詞がなくても、これは大もとの目次で第5期と書いてあるんだから、そこがなければその違和感は少なくなるんじゃないかという気もしますけれども、ちょっとその辺、こういう目次立てにした意図について何かコメントがあれば。
【對崎補佐】 ありがとうございます。まさに美濃島先生おっしゃるとおりで、これは実は、第5期というか、前期の量子ビーム利用推進小委員会の方で、大型施設に関して5年に一度の中間評価を行っておりまして、そのときに5期よりさらに前も含めた期の中間的な評価を行ったプロセスで、こういう大局観のあるような指摘がいろいろ出てきていたので、このような書きぶりになっているところがございますので、そこは雨宮主査もおっしゃるとおり、その動きの中で、3施設に関してこういう中間評価を行って、こういう課題が出てきたという書き方に少し改めることで、5期期間の中で行った様々な評価によってこういう課題が出てきたという書き方に、読めるように修正をしてみたいと思います。
【小杉委員】 結果論としては、特に最近顕在化した問題というふうに読めないかもしれないんですけれども、実はいろいろな施設ができていて、安定運用になってきたところで、施設そのものは日本全体を俯瞰して造られてはいないので、それと俯瞰した側から見直すといろいろ問題点があるというところで、期間中というのはちょっとあれかもしれないですけれども、最近顕在化した課題ということでは間違いないと思うんですが。今後これを注意していかないと、このまま放っていると本当に大変なことになるという整理になると思います。
【美濃島委員】 そういう最近の危機感が、私もそう思って一生懸命見直したんですが、ちょっと読めなかったのでお聞きしたんですけれども。
【小杉委員】 そこで書いていることと、次の3ポツのところに書いていることは、仕分けが余りうまくいっていないのかもしれないですけれども、顕在化した課題を解決するために、3ポツのところで、今後これをしないと先が大変だという意識だというふうに私は認識しています。
【美濃島委員】 何か背景があって、大分整備されてきた背景があった中でとかって、何かそういうふうに少し読めると、より課題が、下手すると当たり前のことを書いているように見えてしまうので、一般の方が読むわけですよね、少し工夫をした感じになっているとよろしいかなというコメントです。
【雨宮主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【城石委員】 もう1点よろしいですか。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【城石委員】 先ほど雨宮主査が言われたとおりだと思っておりまして、やはり自動化とか、これは企業はそうなんですけれども、どちらかというと、腕力で仕事をやらせているというのが多くて、しかし一方で、働き方改革でそういうものはもう通用しなくなっていると。それで生産性を上げようとすると、企業の場合の生産性は、自動化とかそういうのを本当にやらなくちゃいけない。研究も多分同じだと思うんです。
そういう観点で見ると、この3のところに、自動化やそこに対する投資というものが余り見えてこないような気がするので、これはかなり本質的な問題だと思いますので、投資も含めて是非、自動化というのか何ていうのかよく分からないんですけれども、取り上げていただけるとよろしいのではないかと思いました。
【雨宮主査】 ありがとうございます。はい、どうぞ。
【奥室長】 一応、8ページ目のところの(2)の期間中に顕在化した課題、これの1つ目の丸の一番下の行に、ビームラインの測定自動化等の研究開発も大事だよというのは、課題として書いてあって、これを受ける形の3ポツの今後の方向性、これは安定的運用の中の一環なんですけれども、そこをもうちょっと膨らませて書きたいと思います。
【城石委員】 よろしくお願いします。
【雨宮主査】 そうですね。(2)は出ていますが、3ポツのところに対応するものを明示するということですね。
ほかにいかがでしょうか。時間的にはまだ余裕があるのですが、特になければ次の議題に移りますが、よろしいでしょうか。
それでは、(3)量子ビーム利用推進小委員会の検討状況についてです。これは、まず事務局からお願いします。
【對崎補佐】 それでは、資料3をお手元に御用意いただければと思います。何度も登場しております量子ビーム利用推進小委員会の検討状況について、御報告を申し上げます。
この量子科学技術委員会第1回が6月6日に開催されまして、その後、そちらで設置いただきました量子ビーム利用推進小委員会を、現在までで2回開催しております。1回目(通算第30回)は、量子ビーム利用推進小委員会でどういったことを審議、検討するかといった点の議論や、次世代放射光施設での整備検討状況についての報告を聴取しました。第2回(第31回)の8月の開催におきましては、今後我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設をどのように扱っていくかということに関して、様々な施設の調査を行っていこうということで、その調査事項の整理、また本日、先ほどまで御議論いただきました6期に盛り込むべき事項や、有識者からのヒアリングを行ってきております。
そして、その2回の議論を踏まえまして、各量子ビーム施設、後ろに別添で量子ビーム施設への調査事項のポイントと、今回調査を行おうと思っております施設の一覧を付けてございますが、こちらは国内の量子ビーム施設に関して、施設の基本的な特徴や成果といった現状だけではなく、財政的な問題、課題と考えていること、人員はどのような人員が必要かといった点も含めた課題や、今後の方向性といった点を含めて調査を行って、今既に、調査票を各施設に対して発出しているところでございます。
というのが、簡単ではございますが、これまでの審議状況でして、2ポツの今後のスケジュールでございますが、この調査結果を取りまとめ、その結果を踏まえつつ、2か月に1回程度、各施設の設置者やユーザーからのヒアリングを実施していく予定でございます。そのようなヒアリング等も踏まえつつ、今年度中には検討の方向性といった形で骨格を示しつつ、来年度末に向けて最終まとめを行っていくというスケジュールで、現在審議を行っていただいております。
以上でございます。
【雨宮主査】 ありがとうございます。いかがでしょうか。隣に主査がいらっしゃいますので、何か補足があれば。
【小杉委員】 リストを見ていただいたら分かるように、これは先ほど数えたら45施設あって、そこから是非いろいろな情報を得たいというのは、この一覧表の左側の文書で書かれた最後のところなんですけれども、運用上の課題、ここは自由形式になっていますので、ここにいろいろな意見を書いていただくことが重要かというふうに認識して調査する予定ではおります。
前回、有識者からのヒアリングということで、最初のケースとして、レーザー関係で2か所からヒアリングをしたんですけれども、我々の小委員会は、利用する側の観点が中心ですので、そこからヒアリングした関係で、やはりレーザーそのものを日本があまり調達できなくて、海外から調達するしかないというのは、非常に深刻な問題であるというようなことを両方とも言われていたんですが、そのあたりは、この上の委員会ともつながる話なんでしょうか。こっちが質問ですいません。
【雨宮主査】 そのことに関して、レーザー加工とか短パルスとか、そこはこの委員会で議論されてきましたけれども、湯本委員、今の小杉委員からのコメントに関して何か。
【湯本委員】 おっしゃるとおりで、自分たちがフェムト秒をやろうして、あるいは大出力のレーザーも全部、残念ながらほとんど、100%はちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、それは海外調達の状況です。
そういう反省もありまして、文科省じゃないほかの省庁の関係で、大型レーザーあるいは短パルスの開発を今進めています。できればそういうものも幾つかは、ほかの企業から販売することを想定して、今開発を進めています。それから、物によっては自分たちで作ろうと、会社で作ってやろうということもやっています。
ですから10年後、もしかしたら20年後になりますけれども、欧米のようなベンチャーが最近多いんですけれども、日本の我々が作った企業がそういう一角に入れることを目標に今進めております。とりあえず現状です。
【雨宮主査】 このことに関してのほかに関して、何か御質問、コメントありますでしょうか。はい、どうぞ。
【城石委員】 先ほどのお話と絡むんですけれども、第1部、第2部と見たときに、第2部というのは、Society5.0とかSDGsというものとの関係性が薄いように読めてしまうので、第1部、第2部ということで統一的にお話しされる場合には、何かもう少しその色を付けられた方が読みやすいかなと思いました。コメントです。
【雨宮主査】 どうもありがとうございます。確かにこの下の量子ビーム利用推進小委員会では、そういうキーワードとのひも付けは余り意識していなかったというところで、今そういう印象になっていると思いますね。
【城石委員】 はい。実態は物すごく関係あると思うんです。
【小杉委員】 ええ、関係はあります。それをあらわには議論していないです。
【雨宮主査】 そうですね。そこは少し工夫の余地ありということですね。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ、飯田委員。
【飯田委員】 この資料3の最後のページに施設一覧が表で載っているんですけれども、これは我が国の量子ビーム関連の施設をほぼ網羅していると思ってよろしいんですか。ちょっと気になったのが、レーザー施設のところで、阪大産研の量子ビーム科学研究施設の自由電子レーザーが、テラヘルツの領域で世界最高性能のパルス強度を誇っているという話を知り合いの研究者からちらっと聞いたんですけれども、それが抜けているのかなというふうに思ったんですが。
【雨宮主査】 阪大産研の。
【飯田委員】 共同利用じゃないからということなんですか。
【小杉委員】 いや。その他の下から2つ目がそれに相当しているんでしょうか。違う?
【對崎補佐】 ではないかと思います。その他の下から2番目の電子線のリニアックではないかと思うんですが。ちょっと詳細は、すぐに担当のところに確認できますので、今お話しあった恐らく2番目のこれではないかと思うんですが、確認はしておきます。
【飯田委員】 何か断トツで世界トップだというふうに聞きまして、パルスで50ミリジュール出るという話を聞いたんですけれども。それがこれまでクローズアップされていないのは非常にもったいない話で、どんどん成果も出ているという話でしたので、ちょっと気になりました。
【雨宮主査】 では、そこは確認お願いします。
【對﨑補佐】 はい。
【雨宮主査】 ほかにいかがでしょうか。割と予定の時間よりも早く終わって進んできていますが、特になければ、じゃ、今まで頂いた意見をいろいろ反映させるというような作業をまず事務局にお願いし、そしてまた私、主査として、事務局とそこをキャッチボールしたいと思っています。
では次、その他ですが、事務局の方からお願いします。
【大野補佐】 失礼します。それでは、資料4をお手元に御準備ください。科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会量子科学技術委員会運営規則(案)というものでございます。
2ページ目なんですけれども、これは前回、6月6日に一度決定していただいたものでございますが、本来、議事録の公表というのはございますけれども、ここが公開となってございました。本来は公表とすべきところでございますので、事務局として、申しわけございませんが、本文に合わせる、あるいはほかの審議会等の並びの観点から、事務的な修正でございますけれども、今回公表ということで修正して、改めて決定いただければと存じます。
以上でございます。
【雨宮主査】 どうもありがとうございます。以上です。資料4に関しては、修正というところで、特に問題ないかと思います。
本日用意した議題は以上なのですが、時間が30分ぐらい早く終わりそうなので、もうちょっと皆さんの意見が出るように、ウエートを掛けた方がよかったのかなと思って反省していますが、実は言いたかったんだと、言いそびれたんだというものがあれば、お受けしますけれども。
【大森主査代理】 さっき小杉先生から指摘のあったレーザーの自前調達の件なんですけれども、10年間続いて昨年度終了した光拠点事業というのがありまして、あのプロジェクトの最初の目的の1つが、そういった状況を改善するために、新しい光に特化したプロジェクトを文科省の事業として行うという趣旨だったんですが、実際に10年間で、いや、私はレーザー開発はしていないんですが、レーザー開発の人が結構たくさん主力として活躍されまして、非常にビジブルなラボレベルでのレーザー開発が幾つも成功していました。
なので、企業化のところにもうちょっと工夫が要るのかなという印象を、近くで見ていて感じていました。ハードウエア自体は、非常に性能のいいものがいろいろな分野でたくさんできつつあって、例えばフォトニッククリスタルレーザーであるとか、あるいは周波数安定化レーザーであるとか、基礎技術は非常にある。なので、今後はそれをどうプロダクトに結び付けていくかというところで、若干日本は、これまでのところ余りうまくいっていないのかなという印象を、素人目で見て感じていました。
【小杉委員】 そういう観点から、量子技術イノベーション戦略のところでは、それをフォローアップするようなことが書かれているんでしょうか。
【大森主査代理】 もちろん書かれていますよね。
【奥室長】 量子技術イノベーション戦略の1の技術開発のところの(4)ですが、参考資料2の15ページです、2つ目の丸のところで、さっきコンピュータとかシミュレーションとか申し上げましたけれども、あそこの技術を実際に実装するに当たって、その周辺技術というのは不可欠です。そういう基礎基盤的な研究開発、光制御技術であるとか、光デバイス技術とか、レーザーも含めてなんですけれども、こういう技術について広範にちゃんと研究開発を支援していこうということは、一応方向性としては打ち出しています。
【小杉委員】 それで十分ですか。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【美濃島委員】 私、レーザー開発をやっておりますので、まさに今、大森先生おっしゃったとおりで、光拠点に限らず、日本はレーザーの基礎研究は非常に強いです。先ほどハイパワーレーザーのことは湯本先生がおっしゃったんですが、それに限らず、精密なレーザーですとか、様々な波長帯ですとか、基礎技術はたくさんありますが、そこが産業化につながっていないというのはおっしゃるとおりで、海外から供給を受けざるを得ないのは、やはりそこがつながっていないからなんです。
それは、いろいろな形で様々な方、私たちも含めて、何とかつなげようということを努力はしているんですが、レーザーでとても高い技術のものというのは、そのまま社会実装しようと思っても、なかなか企業さん側で受け取っていただけないというのが実際なんです。なので、そこのところを別途育てるという技術開発のフェーズがどうしても必要で、そこがなかなかないというのが本当だと思うんです。
海外、例えばアメリカにしろ、ドイツにしろ、それを自分たちがベンチャーで持っていってしまうので、その中間フェーズが、いわゆる橋渡しフェーズが余り要らないということだと思うんです。非常に技術的に高いものを自分たちで作る、小さいレベルで実装ができるということだと思うんですが、日本の場合、なかなかそこのフェーズがなくて、経済的なというか、予算とかいろいろ考えても、実際にそこが抜けているんです。レーザーをやられている方だったら、実感があると思うんですけれども。
だから、本当の新しいアイデア的なところの科研費とか、その戦略とかがあるんですけれども、企業さんがやられている活動もあるし、それから本当に役に立つと分かったところのレーザー開発の大きなレベルというのはあるんですけれども、その間の部分というのがなかなかなくて、だからもし今、小杉先生がおっしゃられたような問題意識がいろいろなところから、ユーザーさんの側からもいっぱい出ているのであれば、それは私の実感もそのとおりで、そこの技術の敷居の高さを埋めるようなところにある程度支援を頂くということが、実は日本の中の基盤技術を固めていくということでも重要なんじゃないかと思うんです。
それを表現で言うと、ここで言うと、基礎基盤というようなことで入っているのかもしれないんですけれども、その中身というのは、フェーズが幾つかあるということを見ていただけるような形の政策があると、非常によろしいのではないかというのが実感です。
【雨宮主査】 それで質問なんですけれども、レーザーを作る側から見たときのマーケットの大きさ、金額とか、どのぐらいの件数が売れるかというところは、どのぐらいのものなんでしょうか、レーザーの業界は。日本は、科学計測で、例えば昔だったらNIMモジュールだとか、CAMACモジュールとか、あの辺を作れば、日本の技術ができることだけど、使っているような研究所の数が限られているので、日本の大手はやれば幾らでもできるんだけど、そんなもうけの少ないところには関心を持たないんですよね。
それで海外のものを買ってくると。そしてつくばのKEKにいたときには、小回りの利くちょっと小さな企業が作ってくれることがあって、それは随分助かったんですが、放射線の計測機器もそうなんだけど、マーケットとしては小さいので、やれば日本の技術でできるんだけど乗ってこないと。そういうことと関係がある、それと同じようなパターンなのかなと思うんですが。基礎の技術はあるけれども、それが産業化に結び付かないというところの一番は何だというふうにお考えなんでしょう。
【美濃島委員】 おっしゃるようなマーケットというのは、もちろんあると思っていまして、レーザーも、例えば波長ですとか精度ですとか、様々な要素がありまして、個別に考えていくと、いろんな科学技術に欲しいもの、研究者が使いたいものというのは、割と特化していくので、一つ一つを考えるとマーケットはどうしても小さくならざるを得ないですよね。
昔は、日本の企業さんも割とやられていた時代があったんですけれども、やはりマーケットがということが多分ネックになって、やめてしまわれたんです。大分やめてしまわれて、レーザーにはいろいろなフェーズがあって、材料のフェーズもあるし、レーザー技術というところもあるし、その制御だとか、様々なフェーズがあるんですが、それを1回失われてしまうとなかなか回復するのは難しくて、ある意味中断してしまったようなところなんです。
だけれども、じゃあ、今それを振り返ってみると、そこが出なかったために、日本の研究者のレベルというのは、どうしても海外から非常に技術の高い、研究には非常に重要な要素なんですけれども、それを海外から買ってくると。しかも、非常に高いというふうになりますので、せっかくの研究費がそういうところにどんどん流れて、効率も悪いですし、海外に払っているような感じになって。実はいろんな基礎があったんですが、それを失われたためにそうなっていると。今振り返ってみると、レーザーの技術の高い部分というのは、研究としてはちゃんと残っているんですが、それを産業化するという部分が、間が大分失われているんです。
そこをどうやって埋めるかということなんですが、いろいろな形の努力がいろいろところでされてはいると思いますし、私の例で言えば、ちょっと小さめの企業さんにお願いして、私たちの技術をいろいろ移転するというか、一緒にやっていただけるのは、余り大きな会社さんですとなかなか、確実なマーケットができてからしか一緒にやっていただけないので、ちょっと小回りの利くようなところにお願いして、育てるような感じで一緒にやるようにはしていますけれども、どうしてもそういうフェーズが必要で、そこに対してはいろいろな資金的な問題とかで苦戦しているところはあります。
ですので、何とか日本の何々という会社を目指してみたいな感じで今やってはいるんですけれども、どうしても技術の敷居は高いですから、リスクもありますし、マーケットもすぐに大きいのが見えるわけではないという部分で、なかなか大きな企業さんがすぐに手を出していただくわけにいかなくて、だけれども、私たちのところには、使いたい方は割といろいろなレベルでは来ているんです。だけど、そこをつなぐことができていないというのはあります。
【雨宮主査】 どうぞ。
【大森主査代理】 今の美濃島先生のお話を伺っていて感じたんですけれども、部品事業的には、結構ビジネスとしてやっていけるようなものができるのかもしれないですが、システムインテグレータの部分の企業ができてこないと、プロダクトとして流通しにくいのかなという気がしています。
私の実感ですが、それは量子もそうなんですけれども、システムインテグレータ的なところを引き受けてくれそうな大企業というのはほとんどなくて、部品事業はやってくれるんですが、そこは結局ベンチャーだとか、自前で起こしたりとか、今おっしゃったような小さい企業を、たきつけるというと言葉は悪いですが、エンカレッジして、それで引き受けてもらうしかないような状況になっちゃっているんじゃないでしょうか、多分日本は。だから、そこをどうやって打開したらいいのかというのは、具体案はないんですけれども、そこら辺は非常に痛感しているところです。
【美濃島委員】 おっしゃるとおりで、部品供給だけに頼っていると、非常に不安定なんです。例えば私が特に関係している例で言いますと、ファイバー技術ですとか、光通信の部品技術というのは、日本は非常に強く来ていたんですが、それをレーザーに使うとか、それによって小型で非常にいいレーザーができるとかしていたんですが、そちらの部品供給がどんどん止まっているんです。特殊ファイバーとかを部品メーカーさんはどんどんやめてしまって、それはなぜかというと、光通信の方がアナログではなく、デジタルに頼るような形になって、そうすると特殊ファイバーは単価が高くて、そんなにたくさんマーケットがないのでやめてしまうという事態が起きていまして、今いろいろ困っているところもあるんです。
だからおっしゃるとおりで、部品だけに頼っていると、やめちゃうともうそれでだめということがありまして、ですから、そこのところはどういうふうに解決したらいいのかというのが、まさに悩みながら、個別にいろいろお付き合いをしてやっている状況で、皆さんが多分そういう形で今やられていると思います。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【湯本委員】 今、レーザー云々というのは、実験室でこれはすごいというレーザーと、売り物になるレーザーって違うんです。実験室で生まれて、これはすごいというレーザーが売り物になるのは、大体10年は掛かる。その間をきちんと誰がサポートするのか。それが例えば、最近ドイツが割合その分野、リトアニアなんかもいいんですけれども、フラウンホーファーなんかの話を聞いていると、中でずっとそれをサポートしている。だけど、今、日本でそれができるのかなという印象がまずあります。
それから、実はこの状況というのは、固体レーザーとかだけじゃないんですよ。半導体レーザーもみんな一緒です。だから昔は、日本の大手の電機メーカーがみんな争って作ったのが、今は作れるところがないです。日本で作れなくて、例えば半導体でこういう新しい部品を作ろうと、光のレーザーで作ろうと思うと、日本で作ってもらえるところがなくなっちゃっている。それで台湾を探したり、オランダを探したり、そういう状況になっています。
ですから、ある意味では、大企業を責めるわけでも何でもなく、それはしようがないです、会社を維持する上で。日本というのは、やはり大企業が主導といいましょうか、みんな大企業、大企業って、何か社会実装すると大企業にお願いするというような、そういう構図もかなりあるんじゃないかなという。そこをもう少し中小といいますか、小回りの利く、そういうところをどうやって育てていくか。それはレーザーだけじゃなくて、ほかのやつもみんな同じだと、分析装置もだんだんそうなっていくはずです。
だからこの間、我々がやっているほかのプロジェクトのサイトビジットがあって、実験室を見てくださいと、この中に日本製は何もないですよと。レーザーだけじゃなくて、どんどんそうなっていっちゃうんです。ですから、それがない限りは、その上に進めなくなるはずなんです。だから、量子コンピュータだってみんな部品を買ってきて、コアのところ、原理原則だけは日本が何か発明するかもしれないけれども、それを物にしようと思った瞬間に全て輸入品になっちゃう。それが今の本当の現状になっちゃうんじゃないかなという気がして。
我々も考え方を変えなきゃいけないです。実験室でチャンピオンデータが出たからといって、すぐ売り物には絶対ならない。そのギャップがあって、そのギャップをどうやって埋めていくかを、やはり生み出した人がきちんと考えなきゃいけない。そういうカルチャーを定着させなきゃいけない。それに対して長期的なサポートを与えるシステムが必要。その何か1つ抜けたら、もう全部だめになる。そういう意味で、特許のところでポートフォリオと言いましたけれども、全体が見えるような形で、個々のやつはもう顕著になってみんな分かるんですけれども、それをどうやって横をつなげて、トータルで目的まで達するルートを作っていくか。そういうところが抜けちゃっているんじゃないか、弱くなってきているんじゃないかという気がしています。
【雨宮主査】 そういう危機感はもう10年以上、もう20年近く前からあって、それでJSTの先端計測ができたというのは、それが大きな理由だと思います。科研費を取って、計測装置に大きな予算が付いたと、それで全部海外のものを輸入して終わっちゃうと、それはだめだということで、日本オリジンの、日本発の先端計測をちゃんと確保しましょうと。確かに、既存のところで新たな芽は出すんだけど、製品化されないから、結局は外の買い物が大きくなるということ、そこは非常に大きな問題だと思います。
【菱山局長】 質問してもよろしいですか。今、湯本先生がおっしゃったいろいろな部品が輸入ものというのはありますけれども、そこはビジネスの方なのかもしれませんが、例えばこういうものは結構、中には日本のものだったり、中国がまたやって、製品としてシステム的に組み上げられれば、それでいいんじゃないかというのはあるかもしれないし、その辺はどこまで国産のものがいいのかとか、いろいろあると思うんですけれども。
【湯本委員】 例えば、今、iPhoneか分かりませんが、スマートフォンを出されましたが、かなりの素材は日本製なんです。それが個々の部品みんな材料で、韓国、中国、台湾に行ってそれで部品レベルになって、あるいは小さい部品だったら日本で結構作っています。それが中国の組み立て工場に行ってそこで作られて、それでもうけるのはアメリカの企業という。すると、素材のところで日本は一生懸命頑張っているんだけれども、利益を上げるところではなかなか踏ん張れないという。
【菱山局長】 ということは、今、部品が日本の中でとなっていますが、だから、製品を設計するとかシステムを組み上げるというところを、また量子技術のところでは持たないといけないんじゃないか、日本で持っていればある程度いいかもしれないし、あと、さっき先生が特許のポートフォリオの話もありましたけれども、知財をしっかり握っておくということが大事だということ。
【湯本委員】 要素技術の知財は、それが絶対必要なんですけれども、それを1つのものに組み上げるためには1つじゃだめなわけで、それを全体的に見えるようなものにしなきゃいけない。例えば、多分この拠点というのは、ハードの拠点とソフトの拠点が違ったりする可能性があるかもしれないですね。今の知財の活動というのは、下から上がってきたものをただ出すだけになっちゃうわけですよ。だけど、これを作るためにはここが抜けているよねという、それが本当の知財戦略だと思うんです。
【菱山局長】 ただ先生、そこも理解できるんですけれども、それをどこがやるかというときに、こういうものは会社がやっているわけで、ここでの戦略をどういうふうに掲げなきゃいけないかというときに、アカデミアとしては要素技術を生み出して、その知財を東大とか東工大、そういったところでバイ・ドールで握っていると。そこまでは言えると思うんですが、例えば製品になるというのは、企業がしっかり、それでさっきの話で、でかい企業ではなくて、日本でも中小企業というか、ベンチャーがしっかりそういうところをやらなきゃいけないんじゃないかということになるんでしょうか。
【湯本委員】 ベンチャーだけじゃないとは思いますけれども、それで多分、量子コンピュータも、今世界を見ていると、もともとD-Waveとか小さいところからスタートしたのが、今は超大企業がそれに加わるようになってきているわけです。ですから、最初のインキュベーションの時代は小さなところでやるんだけど、ある程度見えてくると、絶対どこかが入ってくるわけです。
だからその時点で、最初のときにある程度実現の形態を見据えた上で、この辺の要素技術を埋めなきゃいけないよねという、その全体の戦略をマネジメントする、マネジメントという言葉は余り好きじゃないんですけど、そういうのを立てる部門が必要だと思っているんです。ですから、拠点が6拠点でしたっけ、量子関係で作れるというならば、何かその連携をしたもので、ゴールイメージを持った上で戦略を作っていくという、そういう横串をさせるような施策が必要なんじゃないかなという気がしています。
【菱山局長】 ありがとうございました。
【雨宮主査】 上田委員、どうぞ。
【上田委員】 今のお話を聞きますと、レーザーの話ですね、なぜ欧米がうまくいって、日本が失敗したかというと、欧米は、美濃島委員がおっしゃったように、研究者が自分で移動したと、日本は企業に頼ったからと、そういうことだと思うんです。頼られた企業は、嫌々やると。それは成功するがわけないですよね。ということは、確かに自分でアイデアを持った研究者の方がモチベーションが高いのは明らかで、それを例えばマーケット化したいともし彼が思えば、そのための戦略を前向きに考えるわけです。
日本の場合に、なぜ研究者は移動しなかったんでしょうか。つまり、研究者自身が欧米と同じように、会社を作るような、そういうスキームがもしあれば、前向きに、積極的に動くようなスキームがあれば、同じビジネスモデルになるんじゃないかなと思います。
【湯本委員】 多分、研究者が自分でベンチャーを作る、スピンアウトを作る。ところが、それがすぐに市場になって利益が上がるというのにはならなくで、時間が掛かるはずなんです。ベンチャーキャピタルというのは、そんなに長い時間待ってくれない。それをきちんとサポートするというのは、やはり公的なサポートが必要になってくるんだと思います。
ですから、例えばフラウンホーファーなら、中で自分たちが投資して、ベンチャーを作って10年頑張らせると。さっきの法律が変わって、大学が投資できるようになったはずなんですよね。ですから、その仕組みをもっと使えばいいと思うんです。でも、せっかくできるようになったんだけども、なかなか普及してないなという。だから日本は、ここ数年でその制度なり器はかなりよくなっているんですよ。それがもう少し実際の、理想として作った法律なんだけど、その理想に近付くように作ったんだけど、ここの距離があるというのは、研究室と製品の距離みたいな、そこが日本だとどこでも共通しているんじゃないかなと思います。
【上田委員】 つまり、何か発明して、これは可能性があると思った研究者が、安心して長期にわたってそれを花開かせるようなサポート体制があればいいと、そういうことでしょうか。
【湯本委員】 そうですね、まずはそれが必要だと思っています。それから、あとは研究者のマインド。
【上田委員】 マインドですよね。それで、それを例えばマーケットレベルでサポートするような人材とのマッチングですよね。
【湯本委員】 そうですね、そこはまた必要だと思います。それでもう一つは、私が今描いている1つの構想とすれば、やはりそこはベンチャーを作っていかなければいけない。ポスドク1万人というか、ポスドクの雇用問題なんです。あれをアカデミアで吸収するのは、今は不可能です。といって、既存の企業でも採ってくれません。そうすると、彼らは本当に結婚も、子供を育てるのも、みんな困っています。そういうところに来るわけないんです。ですから、そういうところにもベンチャーなり、彼らの雇用を作るという意味でも、やっていかなきゃいけない。自分で発明なり、最初に取り掛かった仕事というのは愛着を持っているはずですから、それを彼らにサポートして最後までちゃんとやってみろと、そういうチャンスを与えるというのは非常に重要なんじゃないか。
失敗したら、成功したベンチャーでうまく吸収してやるとか、また大学に戻ってくる、特任研究員で構わないと思います。そういうセーフティーネットを張った上で、チャレンジしてみろという、その全体を、何かベンチャーを作ればいいよというんじゃなくて、特許の話も、特許に対するサポート、それから特任研究員の将来、それを全部まとめて考える必要があるんじゃないかという気がしています。
【雨宮主査】 どうぞ。
【城石委員】 これは私の経験なんですけれども、先ほどの量子技術イノベーション戦略でも申し上げましたが、今は非常に複雑になっていて、解くのが物すごく大変。だからこそコラボレーションしなくちゃいけないというのが、今の時代の流れ。特許にしても何にしても、もう1社では絶対にできないというような状況になっているので、どこもかしこもできもしないコラボとか、そういうことを言い始めている。そうせざるを得なくなっちゃっているわけですね。
そういった中で、じゃ、どういう仕組みがいいかというと、例えばこれは参考になるかもしれないんですけれども、例えば中国なんかは非常にうまくやっていて、先ほどのスマホを示されましたけれども、その部品はどこの会社が提供していて、どういう仕様で、どこと組み合わせれば何ができるという、そういう仕様書とセットで部品を売っているんです。だから誰でもベンチャーできる。それを例えば大学の先生が、今のお話のように、この部品はあるけど、これがなくなっちゃたね、1社購買できないからどうしようとかいう、それを助けてくれる仕組みが全くない。だから、多分仕組みの問題でもあると思うんです。
ですから、先生方が苦労されないようにそれをサポートするような、例えば2社購買でも何でもいいんですけれども、そういう仕組みとセットでやらない限り、多分個人わざではもうできない時代になっているので、この複雑化する中で、何か抜本的に欠けているものが我々にあるんだと思うんです。そこを何か考える、それは文科省さんでやっていただくのか、どこが、さっきの話では経産省さんの問題だと思うんですけれども、それが企業の中でも今、非常に問題になっていて、安全保障上どうやって物を買ったらいいかとか、でもそれは2社購買、3社購買って、根本のところがまたたどり着くと1社だったりすることが多いので、そういったことも含めて考えざるを得ない状態になっているんです。
ですから、そういうのがそれこそ先ほどの府省横断というか、そういうところから考えていかないといけなくて、でもそれができると、非常に優秀な技術があるというのは私も絶対それは間違いないと思っているので、何か支援する仕組み、それは腕力じゃなくて、しかも人にもよらずというところを何か考えていかなくちゃいけないのかなと思っております。コメントです。
【雨宮主査】 はい、どうぞ。
【小杉委員】 ちょっと話がずれるかもしれないんですけど、先ほどの関わっている人たちのマインドの問題というのは、結構人材のところで重要でして、たまたま昨日、学術機関課と大学共同利用機関が集まっていろいろ意見交換したんですけれども、こういう大学共同利用機関みたいな学術をしっかりやるところでも、評価軸というのがトップ1%だとか、10%はどれぐらいかとか、インパクトファクター、ああいう短期的な指標でやるんです。そうすると、若い人たちも、そっちの短期的な方向へ思考が行って、それでは本当は評価軸はおかしいんじゃないかと。
実際、我々大学共同利用機関には人文系もいるんですけれども、やはり10年以上引用され続けるような研究をやることが、学術だって重要であると。だから評価軸をそっちの方へ持っていかないと、若い人たちがこういう量子に絡んだ研究をやるにも、短期的な成果の方向へ行っちゃうと、こういう基盤のところが育っていかない、つながっていかない。長期的に支えるシステムが、そこが抜けると非常にいけなくて、法人化以降6年ごとに評価されるというのも、6年間の成果で評価されるよりも、もうちょっと昔の評価が今につながっているというところをちゃんと入れていただかないといけないとか、そんな議論を昨日にしましたので、人材のところはこの親の委員会でも小委員会でも共通の問題ですし、特に小委員会の方では、長期的に人材を育成して安定的にという観点だと思うんですけれども、育成していかないといけないので、マインドの問題は結構重要な問題かなという認識を持っています。
【雨宮主査】 量子技術イノベーションという枠を越えた、科学技術全般の在り方になってきましたが、ちょっと時間にもなってきましたので、以上、密な議論、ありがとうございました。今日ここで頂いた意見を一旦フィードバックして、先へ進めたいと思います。
最後、事務局から今後のことで何かあればお願いします。
【大野補佐】 次回の量子科学技術委員会の開催につきましては、改めて事務局より御連絡させていただきます。本日の資料について郵送を御希望の方は、封筒に入れた後、机上に置いたままにしていただければと思います。また、不要な資料やドッチファイルについては、机上に置いたままにしていただければと思います。
以上でございます。
【雨宮主査】 それでは、以上をもちまして、第21回量子科学技術委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

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