原子力科学技術委員会 原子力人材育成作業部会(第2回) 議事録

1.日時

平成27年9月14日 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎2階 第2会議室

3.議題

  1. 原子力人材育成ネットワークにおける人材育成の取組について
  2. 経済産業省における人材育成の取組について
  3. 第1回原子力人材育成作業部会での議論を踏まえた主な論点(案)について
  4. 原子力人材育成作業部会の今後の進め方(案)について
  5. その他

4.出席者

委員

山口主査、五十嵐委員、可児委員、木藤委員、来馬委員、沢井委員、長谷川委員、浜崎委員、宮浦委員、森口委員、和佐委員

文部科学省

田中研究開発局長、岡村原子力課長、髙谷研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)、上田原子力課課長補佐

オブザーバー

中富経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課課長補佐

5.議事録

(山口主査) それでは定刻となりましたので、ただいまから第2回原子力人材育成作業部会を開催させていただきます。本日は、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠ににありがとうございます。
 まず文部科学省内の人事異動がございましたので、紹介させていただきます。本日は御欠席ということでございますけれども、8月4日付けで板倉研究開発局審議官が着任していらっしゃいます。また、少し遅れていらっしゃると思いますけれども、同じく岡村原子力課長が同日付で着任していらっしゃいます。以上、御紹介させていただきました。
 本日の議題はお手元の議事次第にございますとおり、「原子力人材育成ネットワークにおける人材育成の取組について」、「経済産業省における人材育成の取組について」、「第1回原子力人材育成作業部会での議論を踏まえた主な論点(案)について」、「原子力人材育成作業部会の今後の進め方(案)について」及びその他ということになっています。
 では、最初に、事務局より出欠状況の報告、配付資料の確認を行っていただきたいと思います。
(上田課長補佐) 本日は、中島委員と上坂委員が欠席でございますが、13名中11名の委員出席となり、定足数の過半数を満たしております。続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。まず資料1として「原子力人材育成ネットワークにおける活動について」、資料2-1として「軽水炉安全技術・人材ロードマップ」、資料2-2として「原子力の自主的安全性向上の取組の改善に向けた提言」、資料3として「第1回原子力人材育成作業部会での議論を踏まえた主な論点(案)」、資料4として「原子力人材育成作業部会の今後の進め方(案)」でございます。それから参考資料1として本作業部会の委員名簿、参考資料2として「原子力人材育成ネットワーク 原子力人材育成の今後の進め方について」、参考資料3として「原子力人材育成の課題と今後の対応-原子力人材育成ロードマップの提案-」、参考資料4として「原子力人材育成ネットワーク戦略ロードマップ」、参考資料5として「文部科学省における原子力人材育成の取組」、参考資料6として「経済産業省における原子力人材育成の取組」、参考資料7として「原子力規制庁における原子力人材育成の取組」でございます。資料の不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。それから、灰色ファイルに第1回の作業部会の資料をお配りさせていただいています。申し訳ございませんが、こちらのファイルにつきましてはお持ち帰りいただきませんようにお願いします。以上でございます。
(山口主査) ありがとうございます。資料の不備等がございましたら事務局までお願いします。それでは議題に入らせていただきます。
 第1回の作業部会におきまして、原子力人材を取り巻く現状や課題について、委員の皆様から様々な御意見を頂いたところでございます。その中で、原子力人材を取り巻く現状の把握に努めるべきであるといった御意見もございました。また、議論の中で各委員から御発言がありました原子力人材育成ネットワークは、産官学の相互協力に基づく組織としてこれまで様々な取り組みが進められたところでございます。そこで議題1として、この原子力人材育成ネットワークにおける人材育成の取り組みについて、まず御紹介を頂きたいと思います。こちらは、同ネットワークで事務局長を務めていらっしゃいます沢井委員に御紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。
(沢井委員) 日本原子力研究開発機構の原子力人材育成センターのセンター長として、原子力人材育成ネットワークの事務局長を務めています、沢井でございます。本日は、資料1を用いて、私どもの活動のうち、具体的な教育活動や見学会等については割愛をしますが、皆で人材育成に関してどのような問題点を検討し、結論として導き出されてきているかということを中心にお話させていただきたいと思います。本日配布されています参考資料2、3、4が関連する参考資料でございます。では資料1に基づいて説明をさせていただきます。
2ページ目に、原子力人材育成ネットワークというのはどのようなものかという説明を載せています。先ほど御紹介いただきましたように、産官学が一堂に会しながら、原子力人材育成に関する情報共有や相互協力を行い、我が国全体が一体となって原子力人材育成体制の構築に向けた提言をするといった活動を行ってます。原子力人材育成ネットワークの目標は、今後の我が国の原子力界を支える人材の確保や、国際的視野を持ち、世界で活躍できる高い資質を有する人材の育成、海外の新規原子力導入国における人材育成支援の推進、学生等の原子力志向の促進、原子力に係る社会的基盤の整備及び拡大を掲げています。次のページに、発足時の会合の様子を載せています。原子力人材育成ネットワークは、震災が起きる半年ほど前の平成22年11月19日に発足いたしました。その前に、前身となる原子力人材育成関係者協議会の中で、こういうことをやるべきだという御意見がありまして活動を開始したところでございます。現在は、全部で71もの産官学の機関から御参加を頂いております。発足してすぐに、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故が起きまして、当然これらの問題や原子力を志望する学生の減少、プラントの長期停止に伴う技術者の訓練機会の減少といった課題について知恵を出し合うということをやっております。次のスライドを見ていただきますと、現在の参加機関の概要図を示しています。もちろん、文部科学省や各大学も参加いただいております。次のスライドに組織体制を示しています。一番上に運営委員会という会議があり、その下により開催頻度の高い企画ワーキンググループ、更にその下に発足当時から重要だと言われていた5つの分野についての分科会を設けて活動をしております。その5つの分野の内、年代順に3つに分けたものが初等中等教育、高等教育、実務段階の分科会です。その年代別分科会とは別に、外国との連携を通した国内人材の国際化分科会、海外人材育成分科会の2つに分かれています。後者の海外人材育成分科会については、本日御欠席になっておられます上坂先生に主査をしていただいています。このような5つの分科会や企画ワーキンググループで具体的な活動の情報交換を行うとともに、事務局で国際会議の開催等の情報共有を越えた活動を行い、皆の活動をサポートしています。次のスライドが、去年インドネシア行われた国際会議の説明であります。産官学が協力して原子力人材育成の取組を進めていくことは、IAEAからもすばらしいことであるとの評価を受けています。この良い流れをアジア各国に広めていくために、これまで4回、国際会議を開いてきました。第1回を東京で開催しようとしたところ、震災により中止になってしまいましたが、第2回はタイ、第3回はマレーシア、第4回はベトナム、第5回はインドネシアにて開催しました。これで東南アジアを大方一当たりしましたので、次回の第6回は、原子力人材育成ネットワークの報告会を兼ねて、東京で開催しようと計画しています。原子力人材育成ネットワークの具体的な活動の紹介は以上ですけれども、このような国際会議のほかに、Japan-IAEA Joint原子力エネルギーマネジメントスクールの開催や、日本人の国際的な活躍を目指した原子力国際人材養成コースの開催を企画しています。続きまして、原子力人材育成に関する最近の検討として、平成26年8月に取りまとめた「原子力人材育成の今後の進め方について」と平成27年4月に取りまとめた「原子力人材育成の課題と今後の対応-原子力人材育成ロードマップの提案-」について概要を御説明させていただきます。「原子力人材育成の今後の進め方について」は参考資料2、「原子力人材育成の課題と今後の対応-原子力人材育成ロードマップの提案-」については参考資料3、4を併せて御参照ください。
 まず、「原子力人材育成の今後の進め方について」は、平成24年11月に原子力委員会が発表した「原子力人材の確保・育成に関する取組の推進について(見解)」を受けた、原子力人材育成ネットワークの具体的な活動への提案について、重要項目として10項目を挙げています。次のスライドに、本日の議論になじみそうな5項目について記載しています。(1)「原子力人材の需要と供給」では、原子力人材の確保・育成を検討するための基本データとして、学生の動向や各企業の採用動向等の継続的な調査・公表を実施することとしています。これは現在も続けています。次は、(2)「原子力を専攻する学生に対する教育」でございますが、大学等では、原子力安全・防災等の教育とともに判断力や安全文化に対する姿勢等の育成の強化、原子炉物理等の原子力特有分野の教員の確保等を実施することとしています。大学の学部や専攻等が大くくり化されますと、どうしても教員の把握が難しくなってきますので、教育体制のネットワーク化や大学同士の連携強化といった取り組みが必要となります。また、外国の教育もにらんだことでございますが、原子力を勉強するためには一体どれぐらいのことを教えなくちゃいけないのかという標準カリキュラムの検討も行っています。さらに、国や関係者への要望でございますが、教育研究施設の適切な補修、改造、更新等の計画的な実施について提言しています。(2)は主に原子力工学科といった原子力工学関係者への提言ですが、(3)は、「原子力関係以外の学科・専攻の学生への原子力に関する志向性確保」ということを提言しています。大学等では、総合教育の一部/専門コースの一環として、原子力の持つ技術面、社会面、安全面、防災面等様々な側面についての知見を提供し、原子力に対する興味を喚起するよう、見学会等を実施することとしています。原子力に対する志向性を原子力工学科以外の方にも高めてもらうため、ネットワークでは見学会等を一部実施しています。(4)「原子力分野の業務に従事するための動機付け」でございますが、産業界は、未来に向かって挑戦する魅力的な姿を示していただき、それによって原子力の業務に従事するための動機付けを行うこととしています。最後の(5)「原子力に携わる人材の確保・育成」についてですが、「生きた仕事の場」が経験できるよう連携、協力し、原子力人材に必要な知識、技量等の要件の標準化、標準化された要件の公開等による透明性の向上を図り、人材の確保・育成を計画的、効率的に進めることとしています。次のスライドに、「原子力人材育成の今後の進め方について」における重要事項を取りまとめています。これは、要望という部分が大きいのですが、原子力というのは放射性物質を扱う関係上、研究炉や加速器といった固有の大規模実験施設が必要となります。あるいは普通の実験室において、管理区域とするための特別な設備が必要となります。多くの施設は、厳しい財政状況の中での維持が必要とされており、このような施設の維持管理や更新に理解を頂きたいということがあります。2番目は、「次代を担う原子力人材の確保」ですが、国の方針、原子力人材の需要に沿って戦略的にかつシステマティックに運用できる学生の支援プログラム等があれば良いなと考えています。アメリカ等では、民間と共同の原子力奨学金等というのがあるので、そのような形で学生を応援することができないかなと思っています。また、学生が原子力に進む際、親御さんの影響を強く受けるという話をよく聞きます。このような裏には、学生だけでなく親御さんといった社会人の御理解を得ることが必要であります。3番目は、「原子力国際人材の育成の強化」であります。現在、多くの外国の方が様々なシチュエーションで日本に来られますし、日本人も外国にたくさん仕事に行きますので、原子力に携わる人はそういう国際化に耐え得る人材であってほしいとともに、福島の状況を正しく発信してほしいといったような要望が出てきます。4番目は、初等中等教育段階の問題であります。小中学校あるいは高等学校での教育に携わる先生自身も、実際は放射線に関する教育を余り受けてきていないという状況ですので、先生方と一緒にお仕事ができるような人材を育成する必要があるという要望が出ています。今まで御説明した関係資料が、参考資料2でございます。この「原子力人材育成の今後の進め方について」の中に、ロードマップというものをつくるべきとの記載があり、それを受けてロードマップの作成作業を進めてきました。
次はロードマップとそれに関わる提言について説明をいたします。11ページ目にございますように、ロードマップをつくる際に、10年後のあるべき姿を想定する上での4つの到達目標を示しました。1番は「福島の復興・再生」、2番は「安全運転・安全確保」、3番は「核燃料サイクル・放射線廃棄物処分」、そして4番目は「国際貢献・国際展開」です。これらを達成するにはどうすればいいかを考える際には、教育段階、若手、中堅、あるいは海外人材という分類に分けるとともに、役割分担も国、大学等、産業界あるいは産官学協同といった4つに分けて、取り組むべき内容を記載したロードマップを作りました。そのうちの教育段階について、12ページに示しています。教育段階では、このような内容について、段階に分けて示しています。この他の詳細については、参考資料4にあります。このロードマップの作成とあわせて、「特に、国を挙げて戦略的に取り組むべき重要事項」を次のスライドにまとめています。1番目は、「研究炉等大型教育・研究施設の維持」です。原子力を専攻する若い世代の基礎基盤となる実験・実習の機会の確保のために、我が国が保有する研究炉等の大型教育・研究施設の今後の有り方の検討、維持管理の方法の見直し及び更新等について、国としての支援策の検討が必要であります。これは、原子力学会でも検討されており、最近プレス発表も行われたところでございます。次は、「海外原子力人材育成の戦略的推進」です。経済産業省、文部科学省がそれぞれのプログラムを行っていますけれども、外国からは違いが見えにくく、ちょっとばらばらに行われているかなという指摘がございます。また、一般教育の招聘研修等、海外向け人材育成活動に一元的に戦略をもって取り組む必要があり、国の協力が必要であります。3番目は、「戦略的原子力人材育成のための司令塔の設立検討」です。実はこの原子力人材育成ネットワークそのものの問題点でございますが、原子力人材育成ネットワークというのは、産官学が一堂に会して様々な問題に取り組む、基本的にはボランティアのような組織になっています。皆が、各機関のリソースを持ち寄り、取り組んでいるということでございますので、司令塔となる中核組織の設立の検討が必要であります。
以上の3つが、最近の原子力人材育成ネットワークの取組でございます。私からは以上でございます。
(山口主査) どうもありがとうございました。ロードマップというものをつくっているという活動紹介もあったかと思いますし、いろいろな論点の御指摘も頂きました。それでは、沢井委員から御説明がありました取り組みにつきまして、御質問や御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。長谷川委員、どうぞ。
(長谷川委員) 以前も申し上げましたが、大型研究施設については昭和30年代に各国立大学で整備され、現在も使用されているものもあれば、閉鎖したところもあります。これらを全て何とか生き返らせようというわけじゃないですよね。
(沢井委員) もちろんよく考えていく必要があると思います。
(長谷川委員) 恐らくスクラップ・アンド・ビルド等の絞り込みが必要と思うのですが、そういう議論は原子力人材育成ネットワークの中で進められているのでしょうか。
(沢井委員) 今おっしゃったことは、原子力人材育成ネットワークの大きな欠点の1つだと思います。おっしゃるとおり、スクラップ・アンド・ビルドをしなくてはいけません。ただ、原子力人材育成ネットワークは、そこまで踏み込んだ議論はしていません。例えば、研究炉やシミュレーターが実習に必要だというような議論はこれまでにもございます。どういう人材の育成には、シミュレーターで足りるのか、どういう人材の育成には臨界実験装置での実習が必要なのかという議論を、これから精密化させる必要があるところでございます。ですから、施設の絞り込みについては、各機関の協力を得ながら、原子力人材育成ネットワークが早く指令を出せる段階に達したいというふうに思います。
(長谷川委員) せっかく残してきたものが全部なくなってしまうというのは困るというところもあるでしょうし、この機会だから(使用しなくなった核燃料などの処分に困っているので)持って行ってくれというところもあるわけですね。原子力人材育成ネットワークは、結局は寄り合い所帯ですけれども、スクラップ・アンド・ビルドの絞り込みのときにどのように耐えていけるかというところは、自分のところも現実を見て、なかなかシリアスな問題だなというふうに思いまして質問させていただきました。
 それと、大学の原子力関係の部門はたくさんあるように見えますが、現実は工学部全体の中から見るとマイナーです。今後現在の教員が定年などで退職するなどした際に生ずる後継の教員を大学の中でどのように確保するかということは、結局はその講座が生き残られるかどうかにかかってきます。その講座なり研究室が生き残るかどうかというのは、その学科や研究科等でその分野の重要性を認識し、生き残らせようとする意思が働くかどうかにかかってくると思います。それを働かせるためには、例えば、業績評価の際に他分野と同じように原子力という分野でサイテーションインデックスが高い研究論文を出して、業績を示していく必要があります。研究中心大学等の議論がされていますが、仮に研究中心大学でいくと考えたとしても、原子力を含めて全ての分野において、研究者がサイテーションインデックスが高い学術誌に研究論文をたくさん出せるような状態であるかという問題があるわけですね。大学で教員を採用する際は、論文一覧リストによる業績での評価が行われます。そうすると残念ながら、原子力に通暁した人が落ちていく場合があります。研究中心大学だとネイチャーやフィジカルレビューに掲載された論文が何報あるか、という物差しで比較されるところもあります。ですから社会的な要求としてそういう原子力に特化した分野を積極的に生かしていこうとした場合は、どこかでバイアスを働かせてやらないと難しい場合があるのではないでしょうか。一方、大学には自治があり、個性があるわけですから、大学の外側から何か言っても、人事についてはその通りに行かない場合もあります。外部の機関がああすればいい、こうすればいいと提言していく中で、本当に実効的にその大学の中で指導者たる教員を長期的に確保していこうとすると、現在行われている通常の大学の教員評価の中に載らない何かをつくる必要があると私は思っています。それについては何か議論がありましたか。
(山口主査) なかなか質問というよりも御意見かと思いますが、もし今の点に関係するような議論があったら御紹介いただけますか。
(沢井委員) まさに問題点は、9ページの(2)に「原子力特有分野の教員等の確保」として書いています。今、長谷川先生からお伺いして、学部・学科の大くくり化ということの問題点が何か少しよく分かった気がします。基礎研究は基礎研究なりの難しさがあるものの、彼らの良いところは、勝てそうなところへ行ってまずは勝つことができる一方、やらなくちゃいけないことをやっている人たちは、業績で平に比べられるというところについては、原子力人材育成ネットワークで議論に至っていません。
(山口主査) 今のような問題を議論しようとする場合、最後に司令塔が必要だというお話をされていていましたが、この司令塔の設立検討というのは、当初から言われて…
(森口委員) 今の議論に関連していいですか。
(山口主査) どうぞ。
(森口委員) 今、先生が言われたとおりだと思うのですが、やはり、原子力関係以外を専攻する学生が原子力分野に興味を持つことも重要ですが、それは、学生が自分で興味を持つというよりは、指導教員の影響の部分が大きいので、教員が原子力分野に興味を持ってもらうことが必要だと思います。例えば材料分野であれば、教員は材料の研究も行うし、その他の分野も行うでしょうから、そういう教員をいかに確保していくかということが重要になると思います。予算の制約はあるでしょうけれども、どの大学も研究費に困っていますので、原子力に関する様々な国からの支援があると、その教員は手を挙げて、他の分野の研究も行っていただける、そうして指導を受けている学生もその分野興味を持つという方向になると期待されるので、やはり教員側をどうするかについてしっかりと議論することが必要と思います。また、電気、機械など、原子力だけをやっていない先生方がいらっしゃるでしょうけれども、そういった人のネットワークというものが重要だと思います。
(山口主査) ありがとうございます。ただ今、長谷川委員や森口委員からの指摘が実現していくためには、どこかがコントロールタワーになって転がしていかないといけないのですけれども、それは議論はされているのでしょうか。
(沢井委員) 司令塔について、訴えかけてはいるのですけれども、なかなか進んでいない状況です。文部科学省や経済産業省にお願いをしているのですが、なかなか難しく、司令塔の設立にはつながっていない状況です。
(山口主査) 先ほど長谷川委員が、施設やインフラの絞り込みや優先度づけも必要だという意見がございましたが、それも司令塔の役割だという御認識でしょうか。
(沢井委員) 本当はそこまで議論をできればいいのですが、今は問題点について比較的優先順位を考慮せずに全部やってきたところがあります。
(山口主査) はい、わかりました。いかがでしょうか。五十嵐委員。
(五十嵐委員) 御説明いただいて、あらゆる問題点についてピックアップされて議論が進んでいるようにお見受けします。ただ私から見ますと、どうしてもこのネットワークが、原子力の専門の方ばかりのグループという印象があり、そこから出てきた問題に関しての外への発信について、少し気になっています。ネットワークに高専の方等が加わっているようですけれども、一般の若い方に興味を持っていただくために、例えば中学校や高校の先生との交流等を今後行っていくというような検討はされているのでしょうか。こちらがやりたいというだけではなく、なぜ中学校や高校生がそういう分野に行きたくないと言ってしまうと言い過ぎかもしれませんが、そのような本当の声を拾い上げるような働きかけの必要性の議論は出ていますでしょうか。
(沢井委員) 今、おっしゃったような初等中等教育や一般の方へアプローチし、教えていくというのは、相手の意見を聞くという姿勢がないと難しいなとネットワークとしては認識しています。初等中等教育分科会において成功事例の紹介がありましたが、現在は、その方向のグッドプラクティスを勉強していくことがネットワークに必要だと思っています。
(山口主査) 今の御質問は、初等中等教育だけではなくて、専門外の一般の人はどこまでカバーするのか、あるいはこういう教えをという計画はあるのかとかという部分も含めた質問かと思うのですが。
(沢井委員) パブリックアクセプタンスの人材育成ですと、我々のスコープの内と考えています。
(五十嵐委員) 今後、そういった他の業界の方や専門の方を巻き込んでいくというお考えはあるのでしょうか。
(沢井委員) そうですね。他の業界の方という視点は、発想していませんでした。ただありがちなケースですが、海外のパブリックアクセプタンスのオピニオンリーダーを呼んできて話をしていただくということを去年行いました。
(五十嵐委員) ひとまず結構です。
(山口主査) では、ほかにはいかがでしょうか。長谷川委員。
(長谷川委員) 8ページの「原子力人材育成の今後の進め方について」ですが、原子力というものの所掌範囲はどこまでをお考えなのでしょうか。いわゆるエネルギーとしての原子力をお考えなのでしょうか。それから、東京電力福島第一原子力発電所事故を経て顕在化しているのは、「原子力」イコール「放射能」イコール「放射線危険」というところかと思うのですが、8ページの(7)~(9)は、これは完全に放射線とかですよね。
(沢井委員) はい。
(長谷川委員) 放射能とか医療とか。場合によっては化学、物理化学とかですか。
(沢井委員) はい。
(長谷川委員) そもそも遡ればノーベル物理学賞では、放射線に関する研究が数多く受賞されていますよね。それを元に、放射線ってこういうふうにやるとこんなふうに面白いことが分かるだとか、こんなふうにやると危ない、こんな分野にこういう使い方がある、とかを伝えていくと、原子力という意味が大きく広がって面白みが湧くのですね。「原子力」といって原発、放射能だけやっていると、そこから先に普通の人がなかなか入ってこないと思います。私たちは、大学の全学部の1年生を対象とした講義の中で原子力関係を教えていますが、医療関係の分野を志望する学生が結構聞きに来ます。医師や放射線技師、医療技術者の方はどこかで放射線や放射性物質を使いますから、医療関係の分野に行く学生が放射線とか放射能の話を聞いて、こういうふうにやればいいんだ等の面白みを持ってくることもあると思うのですね。資料を見ると、医療という言葉も出てくるのですけれども、原子力の人材というのは、そもそも何を知っていることが原子力の人材なのかという基本的な定義というのはされたのでしょうか。
(沢井委員) 定義の広がりについては、意見を聞いてみたことがあります。そうすると、エネルギーだけじゃないという意見がありました。特に、エネルギー以外の放射線応用も、数え方によっては経済規模ではエネルギーと同等以上だという話もございますので、前広に考えるべきだという議論はありました。そうは言うものの、4ページにあるとおり、参加機関において、電気事業者やメーカーの大きなくくりがありますので、どうしてもネットワークに所属する実務者というと原発に携われている方となっており、若干乖離があるというのも事実でございます。これは私見ですけれども、先生がおっしゃった人材確保という意味では原子力を前広に考えた中で来ていただけるようにするというような考え方がいいと思います。ただ、ネットワーク自体は、参加機関の特性上、かなりエネルギーに偏った議論になっています。
(長谷川委員) 放射線の影響で廃炉作業中のロボットが動かなくなるといった問題がある一方、同じような環境は、実は宇宙空間にもあるわけですよね。また、計測器というのも素粒子物理分野などの最先端研究にもどんどん使われていますよね。そういう放射線の計測器になってくると、エネルギーなのか原子力なのかわからなくなってくるのですが、そこをうまく使って原子力という分野を総合工学として幅広く捉えながら学生の興味を引き出していかないと大変だなというのが我々の実感です。エネルギーだけでは学生の教育はもたないと思いますね。
(山口主査) 原子力人材育成ネットワークでこういう論点を洗い出ししているときには、割と狭義の定義で議論しているという認識でよろしいですか。
(沢井委員) はい。
(山口主査) 今回は、人材育成のことを考えていくときには(2)原子力を専攻とする学生と(3)原子力関係以外の学科・専攻の学生で、どう区別して、どう違う戦略をとるのかという重要な提言についての御紹介を頂いたと思います。機会があればネットワークの中でも、各委員から頂きました御意見・御指摘につきまして議論していただければと思います。
(沢井委員) 是非、議論をさせていただきたいと思います。
(山口主査) ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。どうぞ、森口委員。
(森口委員) 今、原子力人材の横の広がりのような議論がされましたが、原子力人材のトップ人材から現場に近いレベルまでの人材がいるので、その縦の広がりも議論しないと実態的な議論はできないと思います。
(沢井委員) それもまさにおっしゃるとおりだと思います。参考資料2には、専門性の高い人材や全体の俯瞰できる人材も育成しなくちゃいけないと書いてあります。ですので両方の人材が必要だという戦略性やどういう方からそういう人材をそろえていくかという戦略性についての議論を、プライオリティーをつけてこれから行う必要があると考えています。また、標準カリキュラムを作ることや、知識は自分で身につけつつ大学では議論をするのが重要なのだということが参考資料2に書いてあります。その辺のいいとこどりを越えた段階には、これからプライオリティーを持ちながら取り組んでいきたいというふうに、この間運営委員長と話をしていました。
(山口主査) ほかにはいかがでしょうか。宮浦委員。
(宮浦委員) 文言にすぎないという考え方もあろうかと思うのですが、原子力人材の育成という大きなテーマ設定をされていますと、狭義の方をどうしてもイメージしてしまうという傾向がありますので、「原子力分野で活躍する人材をいかに確保するか」という視点というか文言にしていただくだけで、かなり広がりが出るかと思います。当然、原子力分野の人材が活躍するには、機械、電気、材料分野を専攻した人材が当然必要だと思いますし、原子力学科以外から参入する若手人材は恐らく機械、電気、情報、材料を専攻していた学生が原子力分野に意欲を持って入ってくるということだと思いますので、そのあたりの狭義・広義の議論がありましたけれども、そのあたりの文言を少し変えていただくだけでも、イメージが相当変わるような気がいたします。
(山口主査) ありがとうございます。表現の仕方については、沢井委員だけでなく我々も、気をつけていくべき点かと思います。他にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
本日、沢井委員に御紹介いただいた内容は、関係機関と密に連携しながら長い間にわたってまとめていただいたものですので、今後の議論の参考とさせていただきたいと思います。先ほどの議論を見ると、こういう問題点を洗い出すというところまでは大分やられたけれども、じゃどうするんだというあたりが、ここでは沢井委員は司令塔と書かれましたが、なかなかなり手がいないという課題もあるようです。沢井委員から御紹介いただきました資料は、非常に貴重だと思いますので、適宜活用させていただくとともに、原子力人材育成ネットワークとも協力していろいろな形で進めさせていただければと思います。それでは、1番目の議題は以上にさせていただきます。ありがとうございました。
 議題の途中なのですが、研究開発局長の田中様がお見えになりましたので、ここで御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
(田中研究開発局長) ありがとうございます。文部科学省研究開発局長の田中でございます。本日は御多忙のところ、本作業部会に御出席いただきましてありがとうございます。第1回は公務で出席できませんでしたが、その後、事務方からは原子力人材を取り巻く状況について活発な議論が交わされたと聞いております。誠にありがとうございます。
 原子力人材育成につきましては、もともと昨年の4月に閣議決定されましたエネルギー基本計画の中で、原子力の安全確保や国際協力への対応、東京電力福島第一原子力発電所や今後増えていく古い原子力発電所の廃炉等の課題に当たるためには高いレベルの原子力技術・人材を維持・発展することが必要とされているということが書かれています。その後も国会等での議論でもよく取り上げられるとともに、マスコミ等でも、研究炉が現在1基も動いていないというような状況に対して警鐘を鳴らした記事も出ています。そのように、各方面から本当に日本の原子力人材育成は大丈夫だろうかということについての危機感を表明していただいている状況であり、非常に社会的な関心が高まっている課題だと認識しておりますので、教育等を所管する文部科学省として、この原子力人材の課題にきちっと取り組んでいくというのが責務であると考えてございます。
 山口主査をはじめとする委員の皆様方におかれましては、活発な御議論を頂きたいと思います。我々の方はそれをきちっと受けとめて、今後の施策に反映していきたいと思っております。ありがとうございました。
(山口主査) 田中局長、ありがとうございました。大変重いお言葉で、是非ともここでの審議が活用され、人材育成が進んでいければと思います。それでは、次の議題に入らせていただきます。
 原子力人材育成につきましては、これまで経済産業省資源エネルギー庁での総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会のもとに自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループを設置し、議論が行われてきたところでございます。私もそこの座長で、自主的安全性向上の取組の改善に向けた提言や軽水炉安全技術・人材ロードマップの取りまとめに携わってきたところでございます。政府として、当然、政策の整合性を図るという観点からは、経済産業省における原子力人材育成の議論を踏まえて、文部科学省における原子力人材育成の議論を進めていく必要があるかと思います。
 そこで本日は2番目の議題として、経済産業省資源エネルギー庁の電力ガス事業部原子力政策課の中原原子力戦略企画調査官の代理として、中富課長補佐より紹介していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(中富課長補佐) 中原が本日所用のため欠席させていただいておりますので、代理で御説明させていただきたいと思います。では、お手元の資料2-1と2-2を御確認ください。
 ただ今、山口主査から御紹介を頂きましたとおり、弊省の総合資源エネルギー調査会のもとに自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループを昨年の8月に設置いたしまして、翌月の9月から会合を開催してきました。山口座長のもとでおまとめいただいたものがお手元にございます資料2-1の「軽水炉安全技術・人材ロードマップ」と、資料2-2の「原子力の自主的安全性向上の取組の改善に向けた提言」でございます。ちなみに、資料2-1は、日本原子力学会にも御協力を頂きまして、連名でセットをさせていただいたものでございます。なるべく簡潔に御説明申し上げたいと思います。
 人材のロードマップという意味では、資料2-1がそれに当たりますけれども、全体像を時系列を踏まえて御説明申し上げようとすると、資料2-2から御説明差し上げた方がわかりやすいと思いますので、恐れ入りますが、資料2-2を先に御覧いただければと思います。東京電力福島第一原子力発電所事故の後、平成26年4月にエネルギー基本計画が閣議決定されました。その中で、原子力事業者を含む産業界による自主的かつ不断に安全を追求する事業体制の確立、安全文化の醸成というものが必要であるとされました。このもとで、エネルギー基本計画の閣議決定の前段階から、問題意識として我が国としては規制水準さえ満たせば原発のリスクがないとする安全神話と決別し、産業界の自主的かつ継続的な安全性向上によって世界最高水準の安全性を不断に追求していくという新たな高みを目指すことが重要であり、このような問題意識のもとで、総合資源エネルギー調査会のもとに、原子力の自主的安全性向上に関するワーキンググループを設置し、12回の議論を行い、平成26年5月に「原子力の自主的・継続的な安全性向上に向けた提言」をおまとめいただきました。このワーキンググループでおまとめいただいた提言をわかりやすくまとめたものが、この中の別紙1でございます。これはどういうものを表したものかと言いますと、自主的に原子力にかかわる各主体が安全性を高めていくために、それを皆さんでどういうふうにして効率的に高めていくかということを御議論、御審議いただきまして、各主体がどういうものに、どのようなスピード感を持って取り組んでいくべきかということをまとめたものでございます。それぞれ見出しを分けまして、産業界共通の取り組みやメーカー、電気事業者、学会、政府も含めてどういうことに取り組んでいくべきかというものをおまとめいただきました。この一番下のところを御覧いただきますと、2.4というところに、「軽水炉の安全性向上研究の再構築とコーディネーション機能強化」というところで、そのすぐ右にございますとおり、「軽水炉安全研究ロードマップの策定」というものを、原子力分野の全体の取り組みとして進めていくべきではないかということが提言されました。これに基づいて、軽水炉安全技術・人材ロードマップを作成したという背景でございます。資料2-2は、この上の部分に書かれております各取り組みの方針のもとで、原子力産業界がどういった形でこれらについてこの1年間取り組んでこられたかを総点検するとともに、それについてどれだけできたか、できなかったかということを確認し、今後どういうふうにしていくべきかというものを提言いただいたということでございます。資料2-2の4ページから総点検ということで、「これまでの自主的安全性向上の取組の総点検」をまとめております。これも、簡単に人材にかかわる重要なところだけを抜粋して御説明、御紹介をさせていただこうと思います。10ページに飛んでいただければと思います。例えば、電気事業者に求められることに関しては、上から5行目、「PRA活用の体制整備(リスク情報を扱う部署・人材の拡充)」ということで、電気事業者各社においては、リスク情報を専門に扱うリスク管理部門の設置、外部機関の教育プログラムを活用したPRA技術者の育成等、PRA活用の体制整備に向けた取組が進められているということを確認しています。続いて19ページまで飛んでいただければと思います。こちらの方には、「プラントのリスク特性や設計、緊急時対策を熟知し、事故時に緊急時対応をマネージできる人材の育成」というものを電気事業者に求めるというような内容でございますけれども、これについては現状で言いますと、電気事業者各社において緊急時対応をマネージできる人材の育成に向けて、原子力安全推進協会等の外部機関の緊急時対応訓練を活用した人材育成が行われている、ということを確認しております。例えば、そのすぐ下にあるところを御紹介しますと、関西電力におかれましては、安全対策を事故時と平時の両方において上層部に進言できるような安全俯瞰人材なるものの計画的な育成に取り組むというようなことも確認いたしました。続いて24ページでございます。こちらは、後ほど御紹介する「軽水炉安全研究ロードマップの策定」ということで、原子力分野全体に期待されることということでございますが、この取りまとめをした当時は、ちょうどロードマップの取りまとめ作業を並行して進めていましたので、その状況を書いてございます。一番下にございますとおり、「真に我が国の軽水炉安全に資する技術開発と人材育成が効率的に進められることが期待される。」ということです。それから、27ページ目に飛んで、人材に関する話ということでは、「国内研究機関や海外との連携を通じたPRA高度化に向けた基礎研究の実施」の中で、「研究開発への積極的な参画を通じて、ヒューマンファクター分野におけるPRA人材育成を進めていくことが必要である」と、このようにまとめられています。このような取り組みを着実に進めて根づかせていくという上でどんなことが重要かということを、このワーキンググループの中では多々指摘を頂いておりますのが、28ページ以降の部分でございます。特にまた人材にかかわる部分ですけれども、29ページ目に4.として、「産業界大での人的・知的基盤の充実」ということが挙げられています。ここでのポイントを申し上げますと、産業界における人的・知的基盤の充実が必要であるということが、30ページの4行目に書かれています。そのもとで、「電気事業者各社において、発電所にどの設備を設置すべきか」というwhat、「対策をどう改善すべきか」というhow、「なぜその取組が必要なのか、なぜその設計になっているのか、なぜそのような変更がなされたかと」いうwhyの視点から物事を考えられる人材の育成が求められる、ということを指摘いただきました。それから、その下の矢羽根の一番下の部分を御覧いただきますと、「ヒューマンファクターに関する人材育成は、大学等における教育の段階から不足して」いるということで、今後充実化が求められるんじゃないかというような指摘も頂いております。続いてまたページをおめくりいただきまして、31ページ目でございます。ここから先は、今回の総点検や御指摘を頂いたことを踏まえて、提言としておまとめいただいたところです。その要点をまた御説明させていただきますけれども、31ページ目の上から2行目以下の柱書のところでございますが、「概ね各主体の取組に自主的に安全性を高める取組の進展が見られる。しかしながら、指摘事項を踏まえると、具体的な行動が求められる。」ということで、以下の内容について対応が求められています。32ページ目に移っていただきますと、例えば、これは少し人材育成という観点からは離れるかもしれませんが、1.(5)のところを御覧いただきますと、「大規模災害も念頭に置いた緊急時対応体制の強化に向けて」という段落のところで、「事故時のプラントの状況変化を熟知し、緊急時の意思決定を独立した立場から監視することのできる人材の各発電所への配置等についても、更なる研究が期待される。」ということが述べられています。続いておめくりいただきまして33ページ目に人材育成の継続という項目がございます。ここもポイントだけかいつまんで御説明いたしますけれども、(4)の下から2行目を御覧いただきますと、「技術以外の知識も活用して発電所が安全管理を行い、国際安全基準の策定等においても活躍できる人材を育成・確保していくことが望まれる。このためには、特に社会人教育機能の一層の整備が求められる。」ということがございます。それから、(5)ですが、「リスク分析やリスク管理及び外部ステークホルダーとのシビアアクシデントを想定したリスクコミュニケーションを実施する能力を備えた人材の育成が望まれる。」というふうにも提言をされています。それから(6)では「国際的な安全基準の策定活動や新規導入国での原子力安全確保に貢献できる人材の育成に向けた取組の進捗状況を確認していく必要がある。」、(7)では「資格制度や社会人の継続的な教育システムを検討していくことが望まれる。」、(8)では「今後国内の原子力発電所の廃炉が増加していく中で、廃炉や除染という多くの人材が必要ではない分野にも意欲ある人材を呼び込むため、海外や他の産業分野における良好事例等を参考に方策を検討することが求められる。」という提言がされております。34ページ目の4.のところにも人材について触れられておりますけれども、利用と規制の連携強化ということは、技術、人材の両面において重要であろうということも提言を頂いております。また、5.のところに「軽水炉安全技術・人材ロードマップの策定」ということで、これについても、「国内外の専門家によるピアレビューを主体的に受けながら、得られたコメントをローリングの過程で本ロードマップに積極的に反映していくことが期待される」というようなことをまとめていただいているところでございます。まず資料2-2については以上でございます。
 続いて、資料2-1を御確認いただければと思います。ただ今説明差し上げました原子力の自主的安全性向上の取組の改善に向けた提言の中で、やはり必要だと言われました軽水炉安全技術・人材ロードマップということでございます。こちらの方は、技術と人材を表裏一体と捉え、技術のロードマップとそれに必要な人材のロードマップというようなことでまとめております。1ページ目の「はじめに」を御覧ください。やはり、きっかけは東京電力福島第一原子力発電所事故でございますけれども、それを踏まえて平成26年4月にエネルギー基本計画が閣議決定されまして、その方針を書いています。この方針を踏まえまして、原子力小委員会より、東京電力福島第一原子力発電所以外の廃炉を含めた軽水炉の安全技術・人材の維持・発展に重点を置き、国、事業者、メーカー、研究機関、学会等関係者間の役割が明確化された原子力安全技術・人材に関するロードマップを策定するよう要請を受け、軽水炉安全技術・人材ロードマップの策定に向けた検討を実施したことでございます。1枚おめくりいただきまして、2ページ目でございます。こちらに「検討の前提」を載せていますけれども、「エネルギー基本計画で示された方針に沿った原子力利用のあり方を前提に、我が国の軽水炉の安全性向上を効率的に実現する技術開発及び人材育成の将来に向けた道筋を示すものである」ということと、「原子力利用のあり方に関わる政策方針の決定・変更等があった場合には、それを踏まえて適時見直しが行われていく」ということは、最初に確認をしたところでございます。おめくりいただきまして、3ページ目に背景の続きがございますが、軽水炉が我が国に導入されてから今日に至るまで、学会、国、電気事業者、メーカー、研究機関等において、安全性向上に向けた研究開発や人材育成が絶え間なく続けられてきたというのは、事実であるものの、真に安全性向上に資する形で進められているのか、特に国費を用いて行われる取組が真に必要なものという点について、国民や立地自治体等のステークホルダーによる適切なガバナンスのもとにあったとは言い難いということを反省としまして、今後とも、再稼働や廃炉を含めて原子力と向き合っていくことが必要であり、原子力安全に対する国民の信頼回復が急務であり、これをしっかり頭に入れてこのロードマップ策定に取り組もうということでございました。4ページ目に移っていただきますと、まだ少し背景が続きますが、東京電力福島第一原子力発電所事故が起こる前の状況を反省し、その状況を改善するということを心がけるべきことであろうということで、学会、国、電気事業者、メーカー、研究機関等関係者間の役割分担を明確化し、我が国全体として、重畳を廃して真に軽水炉の安全性向上につながる取組を実現するための共通の枠組みとなるロードマップを策定する必要があるということで、下にございますとおり、まずロードマップ策定に携わる専門家同士のなれ合いを排し、明確な優先順位付けがなされる形で策定が行われるとともに、その結果を広く国内外の専門家に提示し、批判を踏まえて常に見直しが行われていく「ローリング」のプロセスが必要であるというように、厳しく問いかけながらつくられたということであります。次の5ページ目でございます。以上のような少しかいつまんだ御説明になりましたけれども、こういうような問題意識に基づきまして、総合資源エネルギー調査会のもとの自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループにおいて、国民視点からの課題提示を行うとともに、日本原子力学会の英知を結集した課題解決策とロードマップの素案の提示というキャッチボールをお互いに往復をして行いながら、軽水炉安全技術・人材ロードマップの策定が行われる、ということになりました。出発点は、この5ページ目の下にございます8個の課題別の区分をなるべく国民視点に立って自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループが設定し、これに基づき原子力学会に御検討していただいて、素案の提示をしたということでございます。次の6ページでは、この文脈の中で技術と人材はどうかかわっていくかということでございますが、概念図というところにございますとおり、先ほど御紹介した1から8の8個の項目がこのような全体像の中で配置されますと、1から7の話というのは技術に関する話ということで一見するとございますが、しかしながら、8の「軽水炉の安全な持続的利用のために必要な人材の維持・発展」というものは、この全てを支える要素であり、密接にリンクするものであるというような全体像を描きながらつくっていったということでございます。7ページ目でございます。何度か申し上げていることでございますが、技術と人材というのが表裏一体ということでいきますと、一番上の段落のところにございますけれども、日本原子力学会において、まずは軽水炉安全に係る課題の全体像を把握するという意味で、ロードマップの俯瞰図というものを作成いただきました。この中で技術開発や人材育成の各取組を適切なまとまりごとに分類した要素課題の客観的な評価を通じて、各要素課題に対して明確な優先順位付けがなされたロードマップの素案の策定をしていただきまして、その上で自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループというところで、昨年9月から今年の5月にかけて議論をしていただきました。その際には、海外有識者や原子力規制庁からもプレゼンターとしてをお迎えするとともに、多様なステークホルダーの参加のもとで御議論を頂いたということでございます。9ページ目を御覧いただきますと、今、申し上げたようなことを模式図にて見える化してお示ししてございます。もともとは原子力小委員会からエネルギー基本計画において示されたシナリオのもとでロードマップ策定の要請を受けまして、ワーキンググループと日本原子力学会の間でキャッチボールをする、その過程を国民にお示ししながら、しっかり広く御確認いただくという形を確保しているということでございます。続いて、12ページ目でございます。優先順位づけですとか、それから時間軸というものが非常に重要であるということで、エネルギー基本計画のもとでどういうふうに将来像を描いていくかというのがこのページでございます。2020年と30年と50年というタームを設定いたしまして、まず、原子力学会の方に右側の「目指す姿」というものを御検討いただき、これではなかなか国民に伝えにくいであろうということで、ワーキンググループの方で左側の「標語」という、もう少し短くした文章をつくって、実際にそれぞれのタイミングでどのような姿を描けるのかということを御議論いただいたということでございます。続いて13ページに移っていただきますと、そのタームのそれぞれの時点での姿というものを設定した中で、どういうふうに優先順位をつけるかということでございますけれども、それぞれのタイミングに移っていくに当たって、各技術的な課題あるいは人材育成上の課題について◎、○、△という評価をドラスティックにつけていただき、非常に見やすい形でお示ししていただくということを御検討いただいたということでございます。これをつけるに当たっては、上の四角囲みに括弧書きで書かれていますけれども、「評価軸」というものをつくり、それに基づいて評価をしていただいたということであります。17ページ目に今しがた申し上げた「評価軸」というものを設定してございます。比較的、経済産業省のもとで御議論いただきますと、少し事業に寄った短期的な課題ということに頭が寄ってしまいますけれども、短期的、中期的、長期的にしっかり技術・人材を育成していく必要があろうということでもって、17ページの「評価軸」というものを設定しています。この青と緑のAとBに示されているところについて、Aの方はなるべくその実効性がすぐ得られるようにという短期的な視点での評価軸、それからBの方はより中長期的に見て技術や人材の基盤を維持していこうという視点での評価軸であり、この両方の視点を持って評価をしていただいたということであります。この評価は、一時的には原子力学会の方でしていただいて、それをワーキンググループが実際に見たという形でございます。少し時間もかかっておりますので、要点のみ御説明させていただきますけれども、結果としてでき上がったものが、25ページ目以降にございます。25ページ目は、まずは原子力学会さんでレイアウトしておつくりいただいた全体を俯瞰するマップでございます。この段階ではまだ優先順位がつけられておりません。26ページ目以降が、今し方御紹介した評価軸に基づいて優先順位をつけるとこうなるという姿でございます。一番上のところに「短期」、「中期」、「長期」というのが2020、30、50というタームでございまして、それぞれの中にある技術課題の要素を評価として「◎」、「○」、「△」がついています。一番下の人材育成については、その技術との表裏一体ということで、優先順位はつけずにこういうことが必要になるであろうということを置かせていただいているということでございます。26ページ以降、同じように分野を分けて31ページまで記載がございますけれども、時間の関係もございますので、御紹介は割愛させていただきますが、32ページにその採点をした結果を載せています。今回は、関係者間のなれ合いを排して、思い切った評価をしていただき、我々もこれを見ながら、例えば軽水炉の安全についてや人材育成の取り組みを進めていこう、あるいは、産業界の方でもこれを見ながら進めていかれるであろうということを期待しています。また今後は、政策決定ないしは変更があった際には、ローリングを行っていこうということでございます。大変長くなりましたが、以上でございます。
(山口主査) ありがとうございました。それでは、今の軽水炉安全技術・人材ロードマップや人材育成がどういうことで求められてきたかという背景についても御説明いただきましたので、質問や御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。では、森口委員、お願いいたします。
(森口委員) 非常に精緻に議論されており、立派な報告書だと思うのですが、このロードマップについて、具体的に電力サイドがやるような話というのは、比較的トップダウンででき、またJAEA等の国の機関も比較的取り組めると期待でる一方、大学側から見ると、この次元についてどう実行していくかというところが、話が見えないと思いますが、そこはいかがでしょうか。
(中富課長補佐) 説明が不足していて申し訳ございません。このロードマップ自体にはどうしても強制力がございませんので、この実効性を担保するためには、ひとえにここに多くのステークホルダーに策定のプロセスにかかわっていただくとともに、ローリングという作業を行っていきながら、この国全体として最適化を図ることが必要であると思います。それとともに、やはり国内外にこういったものをつくっていくんだと表明していく中で、例えば海外から、こういうものに対する評価や批判を頂くということがあれば、それを真摯に受けとめてまた改善をしていくことが、各自が自主的に安全性を高めていくことであり、産業界、メーカー、学協会に求められていることかなというふうに考えてございます。
(山口主査) よろしいでしょうか。私が言う話でもないのですが、先ほどロードマップを具体的に検討して点数までつけたというお話がありましたけれども、それをやっていただいた方は、まさに研究開発に携わる現場の方であります。ですから、ロードマップをつくる段階からそういう方たちに入っていただくとともに、学会の方も今までいろいろロードマップを検討してこられたのですけれども、今までのロードマップとは違うものをやるんだという意識を持ってやっていただいたのかなというふうに思いますので、確かに拘束力はないものですが、是非これがしっかり活用されるように期待したいなと思っています。これからローリングというのを進めてまいりますので、是非お気づきの点とか示唆を頂けると大変有り難いと思います。では、長谷川委員、お願いいたします。
(長谷川委員) 何かお金を投じてプロジェクトを始めたら、じゃその成果は何だったんですかというのはよく問われるのですけれども、「安全」に対して成果として求められるのは事故が起きないことですよね。それが最良の成果だと思うのですけれども、何もしなくて起きなかったときと、安全について一生懸命に議論し、対策をして何も起きなかったということに対する成果はどのように評価されるのでしょうか。安全にできたよというのを、ここまでやれたというようにアピールしないと、何もないのだからといってどんどん予算を削られてしまう可能性もありますよね。何も起きてないけれどさらなる安全のためにどんどん予算を増額するかという話に仮になると、成果がないのに人とお金だけ増えていくのもおかしいじゃないかという議論もやはり出てくると思います。その辺、人材を育てて対策もとって何も起きなかったということに対して、どこまでやれば十分かとか、どのように評価していくのかお考えはありますでしょうか。
(山口主査) 中富さん、どうぞ。お願いいたします。
(中富課長補佐) ロードマップの方で考えてみますと、必ずしも問題のあったところだけに優先度がついているわけでは恐らくないんだろうと思います。これは、まさしく、こういった場での御説明等を踏まえて、専門家の方々に御議論いただくことが重要なプロセスだと思っております。つまり、皆さんに見ていただいて、ただ今御指摘いただいたような、何もやっていないように見えるけれども、実はここをやっているからこそ何も起きていないように見えるんだとか、なのにそれが優先度が○や△になっているというのは適切じゃないんじゃないか、そのようなことを具体的に御議論を頂くことが極めて重要ではないかと思います。また、このロードマップというものを今後のローリングの過程で良くしていくということが求められますし、関係する方々が、それを自分のこととして認識することが非常に重要ではないかと思います。関係する方々という言い方を申し上げましたけれども、やはり枠を閉じて関係者だけで議論をしていくと、なかなかそういう厳しい御指摘を頂けない場面もあろうかと思いますので、なるべく外に発信し、それに対してフィードバックを行い、改正・改善していくというプロセスが非常に重要ではないかと思います。今回のロードマップづくりにおいては、そのプロセスというものも重要であるという御議論がワーキンググループの中でございました。そこが期待されるところかなと思います。
(長谷川委員) かつての電力会社の発電所の中では、小さな事故や装置の些細なトラブルがあってそれをいちいち公表すると、こんなにいっぱいいろいろなトラブルがあるじゃないかと思われるので報告を出さなかったという雰囲気があったような気がするのですね。逆に言うと、日々これだけのトラブル等があり、これが大きなシステムでは当たり前ですが、それを全部解決していっていますというようなことをきちんととアピールしていかないと、起こったことだけにクローズアップされて、全然不完全じゃないかというふうに言われたり問われたりすると思うのですよね。私は、ビッグプラントという機械システムというのは、部品がそれこそ数万、数十万とありますから、確率的にある程度のトラブルが起きるのは当たり前で、そのトラブルをどうやって解決していったかというプロセスが大事なので、それを情報として出していかないと、本当に安全対策への評価というか成果につながっていかないだろうと思っています。情報の公開というのは、セキュリティーの問題もあるのでどこまで公開するかにもよるのですけれども、恐らく東電福島第一発電所の事故の後、そういう雰囲気はもうなくなっていると思います。
(中富課長補佐) 御説明では割愛させていただきましたが、資料2-2の13ページ目を御覧いただきますと、「経営トップのリスク情報の把握、適切なリソース配分が可能となる仕組み構築」というところがございます。社内でしっかりとリスク要因がどこにあるのか、仮に低頻度でもそれをしっかり踏まえる、認識するというところからがスタートであろうということと、もう少し後ろの方にございますが、やはり地元や国民との間のリスクに関するコミュニケーションをもっと意識的にやっていくべきだということであろうかと思います。それは、いたずらに国民の不安感をあおってもいけないと思いますけれども、どういうリスクなんだということを隠さずに適切に伝えていくことが重要であるという御議論がこのワーキンググループでございました。
(山口主査) ありがとうございます。資料が相当ページもあるものなのですけれども、是非また御覧いただいて御意見を頂ければと思います。他にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、どうもありがとうございました。こちらの活動もウォッチしていただいて、いろいろな面で御指摘を頂ければと思います。それでは中富様、ありがとうございました。
 続きまして、次の議題に移りたいと思います。第1回の作業部会におきまして、原子力人材を取り巻く現状や課題につきまして、委員の皆様からいろいろな御指摘、御意見を頂いたところでございます。皆様から頂きました意見については、事務局にて論点と今後の進め方を整理していただきました。そこで、残りの時間を使いまして、これらの資料について議論をしたいと思います。まず事務局から説明を頂いて、それから審議に入りたいと思います。では、事務局より説明をお願いいたします。
(上田課長補佐) それでは、資料3と資料4につきまして、説明させていただきます。本日も多くの御議論を頂きましたが、第1回の作業部会での御議論の内容について、資料3にて整理しました。まず、「原子力人材の定義と今後必要とされる人材の規模について」でございます。本日も長谷川委員、森口委員、それから宮浦委員からも御発言があったと思いますけれども、まず本作業部会で対象とする人材の範囲や専門の分野についてや、今後、学界及び産業界で必要とされる原子力人材の規模につきまして、しっかりと議論していく必要があると思います。それから、「大学や研究機関における研究教育施設や人材育成の環境について」でございます。原子力人材育成に必要となる研究教育施設につきましては、本日も施設の老朽化や新規制基準対応に伴う研究炉の停止の議論がございましたが、研究施設の現状やその課題、そして講じるべき今後の施策については、議論していく必要があると思います。それから、原子力分野の人材育成の方法・環境についてということでございまして、若手教員・研究者の確保や雇用について、また、学界-産業界間の人的交流の拡大が必要なのではないかという議論がございました。それから、「原子力分野に対する学生の関心を高める方策について」でございます。まさに原子力工学等の原子力分野をどうしていくかという議論とあわせて、原子力以外の分野を専攻する学生に対して、関心を持たせるためにはどういった施策を行うべきかや初等中等教育段階における児童・生徒に関心を持たせるための施策について議論していく必要があると思います。それから、「原子力人材育成に関する国の役割、施策のあり方」ということで、この人材育成に関する国、学界、産業界それぞれがどのような役割を担うべきか、そして、その役割分担に基づいて国としてはどのような施策をとっていくのかという議論の必要があると思います。最後に「その他」として、リスクマネジメントや科学リテラシー等の社会科学的な観点を踏まえた人材育成の議論や原子力分野における女性の活躍・参画の拡大の議論が必要であると思います。以上の論点が、第1回の作業部会で出されたと認識してございます。今後、これらの論点について議論を深めていくということで、資料4の今後の進め方(案)をつけさせていただいています。資料ミスがございまして、この場で訂正させていただきます。第1回から第7回までの記載について、25年は27年、26年は28年ということで年の記載を間違ってございます。公表資料は改めて訂正させていただきます。本日は第2回ということですが、まず全体の論点を把握するという意味でも、原子力人材育成ネットワーク及び経済産業省様から、これまでの取り組み紹介をしていただいたところでございます。
 文部科学省の作業部会でございますので、やはり高等教育段階の人材育成というところをまずはしっかり議論していく必要があるかなというふうに思いますので、今のところ、第3回、第4回で教育研究機関、具体的には第3回では、京都大学と近畿大学から人材育成の取り組みの状況等について御紹介、議論を頂くことができないかなということで調整をしているところでございます。それから、第4回では、教育研究機関のヒアリングとともに、国際原子力人材育成イニシアティブ事業の中間評価をさせていただければと思います。これは、また次回に説明させていただければとは思いますが、弊省で行っております人材育成事業の中間評価のタイミングでございます。是非、国の施策の議論・評価ということで、この作業部会の場でも御議論いただければなということで今、考えています。また、資料にはございませんけれども、国全体でいろいろな人材育成の取り組みを行ってございますが、この辺も横断的に議論する場をいろいろなタイミングで持たせていただきたいなと思っています。日程はまた調整させていただきますが、年が明けてまたヒアリングということで、産業界での取組や産業界が求める人材というところについても、お話を聞かせていただきながら、来年5月頃に向けて、中間まとめを行っていければなというのが、事務局が現在考えている日程の大枠でございます。これらにつきましても、もし御指摘、御意見がございましたら、頂戴いただければと思ってございます。説明は以上でございます。
(山口主査) ありがとうございました。資料3で人材育成に関する論点、その論点を受けて資料4で今後順番にどの論点をどこで議論するかというようなものをあらあら御紹介いただいたところです。この2つの資料が、今後の作業部会の意見の取りまとめについての1つのガイドのような形になりますので、追加すべき論点や文言の修正等も含めて、御意見等がありましたら伺いたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、五十嵐委員。
(五十嵐委員) 先ほど御説明いただいた論点については、どれぐらいの時間を見て考えるのかということを一度確認させていただきたいと思います。先ほど御説明いただいた軽水炉安全技術・人材ロードマップですと、2020年までを短期として2030年、2050年までという時期が示されているのですけれども、この作業部会で議論するのは、どのスパンのものを議論するのかというところをなるべく早い段階で確認しておく方がいいかなという気がいたしました。あともう1つは、どういう範囲の人材を考えるのかということで、これは今日、最初から御意見も出ておりますけれども、原子力人材をどう呼ぶかも含めて、本当に専門の方だけを議論するのか、どこまでを含めるのかということは、もちろん1回では決まらないと思いますが、常に意識したいかなと思いますが、いかがでしょうか。
(山口主査) 2つ目におっしゃった点は、その範囲かと思いますが、それは今の論点の1番目ということですよね。今後、議題に上がるということでよろしいでしょうか。
(上田課長補佐) はい。第1回でも御議論を頂いていますけれども、何かしら早い段階で事務局で整理して、議論したいと考えています。それから、どういったスパンで見るかという御指摘についても、次回以降整理して議論できるようにしていきたいと思います。
(山口主査) どういった時間のタイムフレームで見るかという話については、先ほど中富様の説明では、マイルストーンのような標語というのをある時点時点で定めて、それに基づいて安全技術・人材はどうあるべきかという考え方で議論していました。こちらの方は、どちらかというともう少し息の長い話を見ながら何をやるかという話になるとは思うのですが、論点の4番目にあるような施策のあり方として考えた場合、もう少し時間の間隔は短くなるかと思われます。そういった時間のイメージというのは、今の時点でどう捉えていらっしゃるか、少しお考えを頂けますか。
(高谷研究開発戦略官) 本日の経済産業省からの御提言のように、具体的に何年、何十年をターゲットに据えたイメージということは、これまで中でしっかりと議論していたわけではございませんが、やはり文部科学省の施策であり、しっかりと教育というものが根づいて人材を輩出していくという高等教育や初等中等教育というものを考えていますので、長いスパンが必要になるとイメージしています。一方で施策というのは、それに向けてどう取り組んでいくかという具体論になり、翌年の施策をどのようにするかという議論も必要となりますので、そこでも議論を頂きつつ、長いスパンでの御議論をしていただければ有り難いと思います。
(山口主査) ありがとうございます。イメージをつかんでいただけましたでしょうか。他に御意見、御質問はございますか。森口委員。
(森口委員) 繰り返しになるのですけれども、やはりこの原子力人材育成の方法・環境というところの若手教員の確保が重要と思います。やはり電力にしろメーカーにしろ、原子力ど真ん中でやっている人というのはそうは多くなくて、機械、電気、情報等を専門とする人を常に頭に置いていく必要があるのかなと思います。前回の作業部会でも申し上げましたが、私も指導教員の先生が研究の一部で原子力をやっていたということで、原子力に興味を持ったというところであります。多分、そういう人がかなり多いと思われます。そしてまた、東京理科大学もそうですが、原子力学科のない他の大学を大きく巻き込んでいかないと、人材育成ができないと思うので、そこをどうするかということをしっかり議論する必要があると思います。あと、論点3で、学生に関心を持たせるということも大事なのですが、先生に関心を持ってもらうことが非常に大事だと思うので、その辺をどうするかというのを議論して、かつ、そういう先生方がネットワークみたいなのを形成していくことが必要かと思います。ちょっと中身に入っていますけれども、それを常に念頭に置いて議論をした方がいいと思います。
(山口主査) ありがとうございました。論点3の学生の関心を高める方策の論点については、その学生の周りの状況というものを入れていただく必要があるのかなと思います。例えばエネ庁の御説明では、産業界からのニーズを受けて人材育成をどうするかという枠組みで議論を頂いたと思うのですが、森口委員の御指摘のように、先生にどう見てもらうかとか、沢井委員からの説明で、産学連携みたいな視野を持って学生にどう興味を持ってもらえるかという御発言がありましたので、論点3は、幅広に見ていただいたらという御意見だったと思いますので、是非参考にさせていただきたいなと思います。他にはいかがでしょうか。浜崎委員。
(浜崎委員) 私は今、メーカーの原子力事業部というところに所属しており、その中でも原子力特有の技術を持った人材ばかりが集まっていると言って過言ではない部門に所属していると言えると思います。ところが、そういう人ばかりでは原子力発電所もできないし、プラント設備をつくることもできません。一つのプロジェクトに取り組んでいる人々の比率から言えば、明らかに機械工学科等の出身の方の方が多いわけですね。事業全体で見ても、明らかにそういう比率になっています。そういうことですので、原子力人材の範囲という場合には、少なくとも原子力特有の技術を持った人材に限るという限定は適切ではないと思います。ではどこまで広げるかというところが難しいのですけれども、今、申し上げたような機械工学とか材料関係といったところまでは、恐らく皆さん、余り異論はないと思うのですが、放射線利用にまで更に広がってきたときに、話が拡散していかないかという懸念が少しございます。確かにそういった分野でまず関心を持っていただいて、原子力の方にも関心を持っていただくことはあっていいと思います。ここで目標をどこに置くのかということについては、育成しようとする人材が先々で活躍する分野のことを言っているのか、あるいは実際に対象となる人材を教育する活動がカバーすべき分野のことを言っているのかというところも少し整理して考えないと、議論がまとまっていかないのではないかという気がします。
(山口主査) ありがとうございました。既に御意見を頂いたところと関係すると思いますが、論点のその他の中にリスクマネジメントや科学リテラシー、社会科学的な観点というキーワードが入っており、先ほど五十嵐委員から、原子力人材育成ネットワークに関して御質問があったかと思います。ここの部分については、原子力人材の範囲をどこまでにするのかという部分とも関係しているかと思います。それから浜崎委員から御指摘がありましたのは、必要とされる人材の規模といった場合、関係する人たちの範囲とはまたちょっと違う範囲になるのかもしれないということかと思います。その辺は次回の論点のところで、また議論させていただきたいと思います。他にはいかがでしょうか。長谷川委員。
(長谷川委員) 専門家としての人材というと、いわゆるエネルギーとか放射線、福島の問題というのに端的にあらわれていると思うのですけれども、この分野に興味を持ってもらうには、それを正確に多くの人に知ってもらえるような、正しく情報発信していける人の育成も大事だと思います。要するに、すごく専門で深い尖がった人と、それを周りで支えるという言い方が適当なのかはよくわからないですけれども、もっと身の回りの例えば、汚染水といったものの放射能レベルが高いか低いかや、自分たちに深刻な問題があるかどうかとかという情報を正確に伝えることができる人、あるいはそれに興味を持ってちゃんと見てくれる人というのも必要な人材ではないかなと思います。ですから、最初に書いてある定義というのは、十把一絡げにしていくとこれらも全部入ってしまい、絞りにくい話になってしまいます。要は、そういう本当の安全や施設をきちんとつくり上げていくような専門家と、もっと幅広い教育のための人材とかにはっきりとカテゴライズした方がいいんじゃないかと思います。十把一絡げに原子力人材というふうにしてしまうと、どっちも含めるのはなかなか大変だし、虻蜂取らずになってしまう恐れがあります。専門家にはそんなところまで要らないという言い方もあるのかもしれませんが、専門家であればあるほど、それを細かく、逆にうまくなくてもいいんだけれども、非常に誠意を持って伝えるというような姿勢が必要だと思います。だから、そういうもので言えば、原子力人材というものの定義をどういうふうに捉えるかということは、私はすごく大事な論点ではないかなと思います。
もう1つ、タイムスパンということからすると、大学のカリキュラムを変えて何かやろうとすると、1年2年では絶対に成果は出てきません。私どもは今、所属する工学部のカリキュラムの改正を行っているのですけれども、学部で入ってきた学生が、大学院を出るまでに6年かかります。その6年で成果が出るかというと、そうではなくて、6年間のプログラムをつくるためにいろいろな科目間の調整などのために事前に2、3年かかります。ですから、最近の工学部では技術者教育として大学・大学院(修士)の6年間の一貫教育システムが当たり前の状況を考えると、作業を始めてから本当に第1回の卒業生が出るまで、7、8年から10年はかかります。ですから大学の教育内容の検討もやっていこうとすると、2、3年というタイムスパンではなく、10年ぐらいのタイムスパンを考えていく必要があると思います。ただ、1期生が出てそれで終わってしまうと困るわけで、その1期生が出た後で、例えば10回ぐらいはそういう教育を受けた人が出続けて初めてそこでその教育体制の評価ができるのではないかなと思います。このタイムスパンの認識は、専門家のショートタームの教育についての認識とともに必要ではないかなと思います。
(山口主査) ありがとうございます。最初にお話になった部分は、宮浦委員が原子力分野で活躍できるという言葉にするという話と関連して、活躍できる人といっても、ワンパターンじゃなくて数通りあるよということなので、これは、1つ目の論点に何らかの形で入れていただければと思います。それから、2つ目のカリキュラムの話は、専門分野についてというところかと思います。要するに、いろいろな分野があるのだけれども、それを実際の大学のカリキュラムでどこまで教えるのかということと、原子力以外の分野を大学で勉強している人にどこまで知ってもらえばいいのかという議論かと思います。これについては恐らく1.か2.の論点に関係すると思いますのでちょっと追記していただければと思います。他にはいかがでしょうか。どうぞ、宮浦委員。
(宮浦委員) ただいま御意見がありました、何年かかるかという問題は、非常に重要だと思っております。学部が4年、修士が2年、博士後期は3年でありまして、足しますと9年かかりますので、9年間待つのか、どこから早めるのかというのは、恐らくどういう人材が必要なのかということの目的に尽きると思います。例えば、原子力関係の学科・専攻として既に教員がいらっしゃり、カリキュラムを持っている大学院であれば、例えば機械工学や材料の学科の学生がそこに入っても、恐らく問題ないかと思います。全く違う学科から行くと難しいと思うのですけれども、機械工学から行って2年間で集中的に学べば、もしかしたら大丈夫なのかなとは思うのですけれども、そうではなく、学部1年生からPh.D.を取るまでとなると、9年かかります。ですので、材料とか機械工学を学んでいる学部学生が、大学院の原子力関係の研究科に入れば、恐らく欲しい人材を2年である程度増やすこともできると思います。また、原子力以外の分野の学生が興味を持つには、原子力以外の分野の教員が興味を持たなくてはいけないと思います。若手教員ということになりますと、当然、機械や情報、材料等の博士号を持っていて、原子力に興味はあるのだけれども今やっていないとか、又は教員公募のときに、若干ずれていてもこういう分野を是非やってくれる人が欲しいというような公募をしていただいて、目的に応じたアプローチが必要かなという気がいたします。ですので、前回申し上げたかもしれないのですが、原子力人材をどうするんだという議論の中で、例えば工学部などの学部学生が欲しいのか、原子力の専門教育を少なくとも修士の人材が欲しいのか、あるいはPh.D.まで取った人材が欲しいのかということをある程度明確化して、それに向かってどういうアプローチをするのが効率的かということを考える必要もあるかと思います。
(山口主査) ありがとうございます。目的に応じた人材育成プログラムというんですかね。大分、議論の方に入り込みつつあるところになっていますけれども、あと他に追加のポイントとか、御提案等ございますか。どうぞ、来馬委員。
(来馬委員) その他というところに、女性の活躍・参画という話が出ています。つい最近、原子力関係のメンテナンス関連会社の社長とお話しする機会があり伺ったところ、女性はほぼゼロの現場であり、これから大変なことになりそうだとのことでした。世の中全体の流れが、女性の活躍等が考えられる時代になってきて、それこそ今のように5年、10年かかるかもしれないという話の中で、女性が果たして原子力の分野に入ってきてくれるんだろうかということが話題になりました。今、ここで原子力以外の分野を専攻する学生へ、どのようにして原子力の魅力を伝えていくかということが論点として挙がっていますけれども、やはり女性が原子力に必ずしも前向きじゃないという話は逆に言うと、今までの原子力は、男の職場みたいな風潮があり、女性を遠ざけてきたという印象があるかと思います。そうすると、これから性別に関係なく、学生に原子力の分野に興味を持ってもらうという話は、現実的に厳しい話がいっぱいありそうですけれども、大切な論点として議論してほしいなと思います。うちの大学でも何人か今、女性の学生が入ってきており、積極的に現場へ行きたいという子もいますので、女性が原子力を嫌っているんじゃなくて、やはり原子力が女性を嫌っているんじゃないかというふうに思えてしまう現状を変えていかないといけないのかなと思いました。いずれにせよ、いろいろな議論がありますので、その中での大きなテーマとしてあると私は思います。
 それから今後の進め方の話で質問させていただきたいのですけれども、7回目で中間取りまとめがあると、その後の着地点についてどのような考えを持っているのか教えていただけないでしょうか。
(山口主査) 女性の話は、いろいろなところで関係する話なので、その他に整理されたと思うので、適宜一緒に触れていただければと思います。もう1点の方については、事務局から答えはございますか。
(上田課長補佐) 本作業部会の出口についてですが、本作業部会の親会である原子力科学技術委員会の設置期限は設置から2年ということになっていますので、1年で中間まとめ、2年で報告をまとめるのが1つの区切りかなと考えています。
(山口主査) ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。どうぞ。長谷川委員。
(長谷川委員) 女性の話についてですが、原子力以前に工学部にどのくらいの女性がいるかということの方がまず大事かと思います。私どもの所属は工学部のいわゆる機械系で、全学で女性の割合が一番低いと言われており、あちこちから一定程度の女子学生を呼んできなさいというふうに言われています。そもそも原子力云々以前の問題で、如何にしたら日本の女子学生が機械工学等の分野に興味を持って、自分たちがそういう仕事をやるというような雰囲気になるかという話なのだろうと思うのですね。そういう分野を選べば、原子力は電気や土木、機械等と同じ選択肢の一つに十分なり得ると思います。そこは先ほど山口先生がおっしゃったようにいろいろなファクターがあると思います。私どもでは学部1年の入学時は機械系で、3年次から研究室配属で、そこで原子力系かどうかが決まります。そのため、とにかく原子力にと呼ぶより前に、工学部の機械系にくる母集団を多くしなければいけないと考えています。それをするためにはどうしたらいいかというと、日本の教育だとか女性の考え、社会進出の考え方等から影響してくるので、そこまでいくと議論が相当拡散しそうな気がします。
(山口主査) そうなのですよね。私が前に所属していた大阪大学では、女性のトイレがなかったなんていうこともありました。女性の方に関心を持ってもらうのも大切ですけれども、環境がやっぱり重要ですよね。
(長谷川委員) 工学部はそもそも昔は、女性の専攻を余り前提にしていなかったというのがあったのではないかなと思います。
(山口主査) 来馬委員がおっしゃっているのは、やっぱり非常に優秀な女性がたくさんいらっしゃるので、人材をという意味では、是非そこは入っていかないといけないということだと思います。それはどこかの回でできるのかわからないですが、また御意見いただければと思います。本作業部会は、たくさんの女性委員に参画いただいていますので。
(可児委員) その点についてよろしいですか。この春に廃棄物の国際会議がアメリカでありまして、その中で女性の活躍についてのワークショップがあり、参加してきたのですけれども、全く同じ悩みをアメリカやヨーロッパ等の国の方もおっしゃっていました。最初は原子力に入ってくる女性が少ないという話だったのですが、皆さんの意見を聞いていくと、そもそもの工学分野の女性が少ないということになり、そのワークショップの中では、まず大学に入る前の初等中等教育から見直していかないと難しいのではないかという結論でまとまったと思います。これは日本だけの問題ではありませんので、もし女性の工学分野への進出という議論をするのであれば、国際的なところの話を聞いてくると参考になるかなと思いました。
(宮浦委員) 私は人材委員会も担当しており、人材委員会では女性研究者や若手研究者の問題について議論をしています。工学部に女子学生が少ないのは歴史的背景もあるのですけれども、その予備軍である中高生向けの取り組みも行っています。また、化学や機械、情報を専攻する女子学生は各大学で少しずつ増えてきており、いわゆる工学部の女子が少ないという状況は、近年変わってきています。参考ですが、本学では工学部の女子学生がかなり増えまして、20%になっています。なぜそんなに増えたかと分析はしているのですが、1つの要因は、女性教員を増やしたことです。機械とか情報に准教授相当の女性教員を複数、意識的に採りますと、自然に女子学生が増えてくるという傾向があります。恐らく高校生向けに広報をしてもらったりとか、そういう影響もあるのではないかと思っています。直ちに何十%に増えることはないのですけれども、男子トイレを女子トイレに変えるという環境整備をしながら、教員に数%の女性教員を入れることによって状況は結構変わりますので、そのあたりの人材養成のダイバーシティーの考え方についても、この原子力分野でも応用していただけると有り難いなと思います。
(山口主査) ありがとうございます。いろいろと御意見があろうかと思いますが、時間が大分超過してしまいまして、大変申し訳ありません。この作業部会でうまくこれからまとめていただけるように、今日御発言の機会がなかった、あるいは言い足りなかった所については、また事務局の方でお受けさせていただきますので、メールなりで御連絡ください。本日、事務局よりスケジュールを出していただきましたけれども、これも次回以降、適宜見直しながら進めていきたいと思います。それでは、どうも活発な御討議、ありがとうございました。
 では、最後になりますが、事務局より、その他の件で御説明ありましたらお願いします。
(上田課長補佐) 本日も活発な御議論を頂きましてありがとうございました。事務連絡になりますが、次回の第3回の作業部会は、来月10月20日の10時から12時、本日と同じく旧文部省庁舎2階第2会議室で行う予定でございますのでよろしくお願いいたします。また、山口主査からもございましたが、追加意見等がございましたら、メール等で御意見を頂ければと考えてございます。あと参考資料で、文部科学省、経済産業省、原子力規制庁における人材育成事業の概算要求資料を入れさせていただきました。時間超過しておりますので説明は割愛させていただきますが、またこれらのことにつきましても、この作業部会で議論できると思っていますので、参考にこちらをお持ちいただければと思います。以上でございます。
(山口主査) ありがとうございました。次回は、先ほどお話にありましたように、京都大学、近畿大学からヒアリングを行いつつ、論点について議論させていただきたいと思います。
 それでは、以上を持ちまして、第2回原子力人材作業部会を終了いたします。長時間にわたりまして、ありがとうございました。

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研究開発局研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付

(研究開発局研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付)