核融合科学技術委員会 原型炉開発総合戦略タスクフォース(第32回) 議事録

1.日時

令和6年1月30日(火曜日)14時00分~16時00分

2.開催方法

オンライン開催

3.議題

(1) フュージョンエネルギー・イノベーション戦略を踏まえた最近の取組について
(2) 令和6年度原型炉実現に向けた基盤整備の在り方について

4.出席者

原型炉開発総合戦略タスクフォース

坂本瑞樹主査、武田秀太郎主査代理、伊神弘恵委員、大山直幸委員、奥本素子委員、木戸修一委員、古賀麻由子委員、近藤正聡委員、坂本隆一委員、鈴木隆博委員、馬場貴志委員、福家賢委員、藤岡慎介委員、横山須美委員、吉橋幸子委員

有識者

市口勝治核融合科学研究所教授、笠田竜太東北大学金属材料研究所教授

文部科学省

林孝浩大臣官房審議官(研究開発局担当)、馬場大輔研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)、髙橋佑也課長補佐、吉原誉夫核融合科学専門官、長壁正樹科学官、梶田信学術調査官

5.議事録

【坂本瑞樹主査】本日は、御多用のところ御参加いただき、ありがとうございます。定刻になりましたので、第32回核融合科学技術委員会原型炉開発総合戦略タスクフォース(以下、TF)を開催します。司会進行については、本TF主査である私、坂本が担当します。それでは、議事に入る前に、事務局より定足数及び配付資料の確認をお願いします。
 
【吉原専門官】文部科学省核融合科学専門官の吉原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは本日の委員の御出欠でございますが、本日は、奥本委員より業務の都合上、開始時刻に遅れる旨の連絡がございました。15名中14名の委員に御出席をいただいております。過半数を超えておりますので、定足数を満たしていることを御報告いたします。
 続きまして、本日の配付資料でございます。配付資料は、議事次第の配付資料一覧に示しております資料1及び資料2となります。会議中は、Zoomの画面共有システムを使って事務局より資料を表示させていただきます。各委員におかれましては、発言いただく際には、ミュートを解除の上、画面の下にあります「手を挙げる」ボタンを押して発言いただきますようお願いいたします。
 また、本日は、文部科学省研究開発局の林審議官も参加しておりますので、御紹介申し上げます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。本日は議題2において御説明いただくために、核融合科学研究所(以下、NIFS)の市口勝治教授、東北大学の笠田竜太教授に御出席いただきますので、御承知おきください。
 本TFは、核融合科学技術委員会(以下、委員会)運営規則に基づき、議事を公開します。御発言は、議事録に掲載され、ホームページ等で公開されます。
 それでは、本日の議事に入ります。まず、議題1「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略を踏まえた最近の取組について」です。それでは、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
 
【馬場戦略官】資料1「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略を踏まえた最近の取組について」に基づきまして、特に前回、TFが開催された10月以降の主な状況について御説明させていただきます。
 まず1ページ目、改めて昨年4月に策定した戦略の概要です。「フュージョンエネルギーを新たな産業として捉え、構築されつつある世界のサプライチェーン競争に我が国も時機を逸せずに参入」すること。「ITER計画/BA活動、原型炉開発と続くアプローチに加え、産業化等の多面的なアプローチによりフュージョンエネルギーの実用化を加速」すること。さらに、「産業協議会(以下、協議会)の設立、スタートアップ等の研究開発、安全規制に関する議論、新興技術の支援強化、教育プログラム等を展開」などが掲げられているところでございます。
 このビジョンを達成するための基本的な考え方として、3つ、左側にございます「フュージョンインダストリーの育成戦略」、右側にある「フュージョンテクノロジーの開発戦略」、3番目として、一番下にある「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略の推進体制等」に一体的に取り組むこととしております。
 本日のTFでは、後半、議題2の中で、右側の箱の中にある上から3番目、「将来の原型炉開発を見据えた研究開発の加速」について、また、下の推進体制の箱にある人材育成について議論いただくことを予定しております。
 次の2ページ目には、フュージョンエネルギーの研究開発の全体像を示しております。こちらにつきましては、TFの議論の中心であるJA-DEMO、原型炉に向けた最新の状況としてJT-60SA、また、ITERに関わる取組をこの後、御説明します。
 まず3ページ目、JT-60SAの初プラズマ生成についてです。こちらについては、前回、TFが開催された前日の10月23日に、日欧が共同建設した、現時点では世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置、JT-60SAが初めてプラズマを生成いたしました。12月1日には、運転開始を記念する式典を茨城県の量子科学技術研究開発機構(以下、QST)那珂研究所において日欧共同で開催いたしました。また、ITER機構長が記念式典にタイミングを合わせて来日するということがございましたので、岸田総理に表敬するという機会も創ることができました。バラバスキ機構長、また、もともとQST那珂研究所の副所長であった鎌田副機構長、共にJT-60SAに日欧それぞれの立場で携わったということもあったことから、岸田総理からも初プラズマ達成についての祝意を述べられた後、フュージョンエネルギー・イノベーション戦略に基づいて早期実現していくべきだというような発言もございました。
 また、本日総理の施政方針演説が国会でも行われましたが、その中でもフュージョンエネルギーなどの技術についても中長期的視点を持って取り組み、投資促進、規制改革を進めていくというところが、先ほど30分前にも国会の場でも述べられたところでございます。また、この場で総理が述べているITERの関係では、私も11月の理事会に参画してまいりました。この中でも、例えば、日本から最後のトロイダル磁場コイルが搬入することができたという話や今行われているベースラインの更新等の議論について、最新の状況について御報告があったところです。
 また、5ページ目の一番下の行にも記載しておりますが、JT-60SAの初プラズマについては、このITERの理事会の中でも皆様から自然と称賛する声が上がったということで、今回、ITER理事会のプレス発表でもこのJT-60SAの初プラズマ達成に対する祝意が述べられたというところは象徴的だったかと思っております。
 この初プラズマ、総理の発言も踏まえまして、翌日の式典当日には、盛山文部科学大臣からも、国際連携も活用し、原型炉に必要な基盤整備を加速するという発言がございました。まさに本日のTFの議論も踏まえ、取組を具体化し、加速していきたいと考えております。
 JT-60SAは日欧で共同建設していたこともあり、ヨーロッパ側から大臣級になるエネルギー担当の欧州委員が来日した機会もありました。この機会も利用し、盛山文部科学大臣との共同プレス声明に署名する機会も設けることができました。その際には、JT-60SAをさらに活用するという部分に加えまして、このJT-60SAを使った人材育成、JT-60SA国際核融合スクール(以下、JIFS)といったものをこの夏に初めて開催したところ、2回目以降、さらにより充実したものにしていこうということについても共同声明には盛り込まれたところでございます。
 BA運営委員会においても、共同プレス声明に署名したことにも言及し、BA活動を推進することを両政府で再確認、コミットしているところでございます。また、12月1日の式典には、高市科学技術政策担当大臣も参画しておりました。同日には、協議会の設立や安全規制に関する検討についてもこれから具体化していきたいという発言が記者会見で述べられております。
 この協議会につきましては、9ページ目に、令和5年度中の設立を目指す協議会の概要を記載しております。既に報道等でも大きく出ておりましたので御案内のことと思いますが、フュージョン産業の創出を目指し、国内外の動向調査や技術の標準化、安全規制も含めた国への政策提言、大学等と連携した人材育成、また、海外の業界団体、既に海外にはアメリカ、イギリスをはじめ、そういった業界団体があるところ、そういったところの連携などにも取り組むということがうたわれております。
 1月11日まで、発起人会参加を希望する企業を募集したところ、現時点で約20社から登録がありました。現在、会員として御参画を希望していただいているところ、12月末時点で50社以上ありましたが、さらに、それを大きく超える会社の方々から登録、関心が今、寄せられているところでございます。御覧になっていただいて分かるとおり、いわゆるITERのサプライヤーや、フュージョン関係のスタートアップだけでなく、エネルギー関連や商社、通信会社など、フュージョンの可能性に期待する多様な発起人を確保することができたかと思っております。引き続き協議会の設立に向けては、企業の方はもちろん、大学などもアカデミア会員として参画可能なので、関心がある方はお問合せいただければと思います。国としても協議会と連携して、原型炉に向けた基盤整備を含め、各種取組を推進していきたいと考えているところでございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。今、御説明いただきまして、フュージョンエネルギー・イノベーション戦略を踏まえた最近の取組は大変力強く進んでいるということで、文科省をはじめ、御努力なされた方々に大変感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、ただいまの御説明に対して御意見、質問等がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。私から、よろしいですか。大変いい機会を捉えていただいて、バラバスキ機構長と岸田総理が面会されたということで、非常によい流れができていると思いますし、私もJT-60SAの初プラズマの式典に参加させていただきました。大変盛大で、ヨーロッパからも、アメリカからも参加者がいて、非常に世界中が注目しているということは肌で感じることができました。今後もこの流れで進んでいくということを期待しております。よろしくお願いいたします。
 御質問等よろしいでしょうか。横山先生、よろしくお願いします。
 
【横山委員】前回のTFからかなり進展があったというのを非常に感じております。いろいろな企業の方々からの協力についても最後に御説明がありましたけれども、今までITERに関わってきている企業の方以外にも様々な分野から御協力いただけるということですので、今までのシステムだけではなくて、教育に関することなど、新たなことができるのではないかと感じております。ありがとうございます。
 
【坂本瑞樹主査】大変ありがとうございます。他によろしければ次の議題に移りたいと思います。
 続いて、議題2「令和6年度原型炉実現に向けた基盤整備の在り方について」に移ります。本日の進め方でございますが、研究開発、人材育成、アウトリーチ活動の3つございますので、それぞれ御説明いただいた後、意見交換を行ってまいりたいと思います。
 まずは研究開発について検討を行います。それでは、研究開発の概要について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
【馬場戦略官】資料2「原型炉に向けた基盤整備」について御説明させていただきます。
 まず事務局から、戦略を踏まえた政府予算案について説明した後、主査から御説明あったとおり、具体的な取組については、研究開発はQSTの大山委員、2番目の人材育成についてはNIFSの市口先生、3番目のアウトリーチ活動についてはアウトリーチヘッドクォーター(以下、HQ)を代表して、東北大学の笠田先生からお話しいただいた上で、質疑の時間を設けたいと思っております。横山委員御指摘のとおり、フュージョンエネルギーに対する風は吹いていると思いますが、これを具体的な実際のものに、実効的なものにしていくことが本当に重要かと思っておりますので、本日御説明する内容について、ぜひTFの先生方から忌憚のない御意見をいただければと思っております。
 説明に関連するフュージョンエネルギー・イノベーション戦略の記載については、4ページ目以降に抜粋しております。例えば、この後お話しする研究開発につきましては、1つ目、「将来の原型炉に向けた設計を加速するため、民間企業の更なる参画を促すための仕組みを導入するとともに原型炉の研究開発を推進する」ことが明記されているところでございます。
 また、5ページ目、「原型炉開発に向けてQSTを中心に、アカデミアや民間企業を結集して技術開発を実施する体制、民間企業を育成する体制を構築すること」がこの戦略の中でも記載されております。まずはQSTを中心としつつ、民間企業も参加する実施体制を構築するとともに、進展に応じて適切な体制とすることとしております。
 人材育成とアウトリーチについては、6ページ目に記載があります。「産業界やアカデミアからの若手人材を、ITER計画やJT-60SA等の国内外の大型計画に対して派遣する取組を推進する」ことや、「複数大学からの学生や若手研究者、海外からの人材等が参加し、フュージョンエネルギーに関して俯瞰的に学習できる教育プログラムの提供に向けた検討を進める」ということが戦略に記載されております。
 一番下、アウトリーチ活動については、「社会的受容性を高めながらフュージョンエネルギーの実用化を進めていくため、HQの体制を強化し、フュージョンエネルギーへの国民理解を深める活動を推進する」こととしております。こういった戦略に記載された内容を具体的な取組にしていくことがこれから重要になるかと思います。
 7ページ目を御覧ください。こちらはフュージョンエネルギーに関する来年度の政府予算案です。右下にございますが、原型炉実現に向けた基盤整備として、現在、BA活動、BA補助金の内数として、令和6年度予算として、初めて約5億円が計上されています。今後、国会等の審議を経て予算が成立した暁には、4月以降、具体的な事業を実施していくことになります。まだ1月ではございますので、本日の審議、また、必要に応じて指摘を踏まえた改善案を次回、3月のTFで御確認いただいた上で、来年度4月以降、具体的な取組を進めていきたいと考えております。その意味ではまだ対応可能な状態でありますので、この後ぜひ建設的な御議論をお願いできればと思っております。
 なお、その下にあるムーンショット型研究開発制度につきましては、未来社会からのバックキャスト的なアプローチによる挑戦的な研究の支援を強化することとしており、このTFからも、武田主査代理と奥本委員に参画いただいた文部科学省の核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会の最終取りまとめに加え、また、1月31日に開催されるフュージョンエネルギー国際ワークショップでの議論も踏まえ、12月に総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)で決定したムーンショット目標に基づいて、2月の委員会で研究開発構想について説明、審議いただくということを予定しております。
 いずれにせよ、横山委員からも御指摘いただいたとおり、こういった原型炉基盤整備、ムーンショット型研究開発制度、また、JT-60SAの初プラズマ、そういった流れがある中で、国として着実な歩みを前に進めていくということが今求められているタイミングかと思っております。
 それでは、まず研究開発に向けた取組について御紹介したいと思います。9ページ目に、前回のTFでの議論も踏まえた新しい体制図を検討しております。先ほど申し上げたとおり、総理からの指示も踏まえ、フュージョンエネルギーの早期実現に向け、戦略も踏まえ、現在、QSTを中心に、アカデミアや民間企業を結集して技術開発を実施する体制を構築し、将来の原型炉開発を見据えた研究開発を加速したいと考えております。前回、坂本主査から御説明がありましたが、当初はプログラムディレクター(以下、PD)やプログラムオフィサー(以下、PO)を指定し、競争的資金のように公募を実施することも検討しておりましたが、前回のTFでも実際の審査や利害関係、利益相反の関係の懸念、また実際、こういった原型炉開発に向けたアクションプラン(以下、AP)に基づく取組について、QSTが実際、一番よく分かっているのではないかといった御意見がございました。また、今後、公募要領を作成し、実際、先生方に申請書を書いていただき、審査するということになると、どんなに早くても、令和6年度下半期からの事業実施ということから考えると、早期実現という観点からするといろいろな課題があるのではないかといった御意見も踏まえながら、今回、右の体制図のように、QSTを中心としつつ、大学や企業等も参画できる実施体制を構築していってはどうかと考えております。
 なお、当然ながらQSTだけで閉じて研究開発を行うことを政府としても、また、QST自身も望んではいない中、このAPに基づいて、例えば項目別に公募を実施するなど、大学や企業の方々がさらなる参画を促すための仕組みを導入したいと思います。図にもありますとおり、原型炉設計合同特別チーム(以下、特別チーム)、これまではどちらかというとボランタリーに、資金もない中、御協力いただいていた部分があったと伺っています。今後は、例えば共同研究契約や委託などの取組を利用することによって、実施体制を構築していくことを行ってはどうかと考えております。さらに、研究開発の進捗や取組状況については、本TF等においても、随時確認し、問題や課題、改善が必要なことがあるようであれば、それについて指摘していくというような形で、随時チェックするという取組も設けたいと考えております。
 この後、12ページ目以降を用いて、大山委員から、現在、QSTで考えていただいている原型炉研究開発の進め方について御説明した後、坂本主査から御案内いただいたとおり、質疑に入りたいと考えているところでございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。続いて、令和6年度原型炉研究開発の進め方(案)について、大山委員から御説明をお願いいたします。
 
【大山委員】QSTの大山でございます。第2回中間チェック・アンド・レビュー(以下、CR2)に向けては、APに沿って、オールジャパン体制で原型炉実現に向けた研究開発に取り組む必要があると認識しております。令和6年度概算要求において、新たに原型炉実現に向けた基盤整備の予算が計上されたことは大変うれしく思っております。今回、文部科学省より具体的な研究開発項目を検討するように依頼がありましたので、前回開催されたTFで特別チームから報告がありました、「特別チームにおける活動状況と第1回中間チェック・アンド・レビューでの課題に対する取組状況」を踏まえまして、令和6年度に優先的に実施すべき研究開発項目を選定いたしました。
 13ページ目に具体的な研究開発項目の優先順位を決める際の検討の一例といたしまして、APの項目0番の「炉設計」を示しております。左側に示す細目としまして、「炉概念と建設計画」、「機器設計」、「安全確保指針」、「物理・工学・材料データベース(DB)」とございますけれども、令和6年度は令和8年までが実施期間となっている項目のうち、CR2以降に実施する工学設計活動の開発計画策定に資するという観点から、赤線で囲んだ「概念設計及び小規模技術開発」、周辺設備を意味するバランス・オブ・プラント(以下、BOP)、「BOP概念設計」を優先的に実施したいと考えてございます。また、これまでに実施した「原型炉プラントの安全上の特徴整理」に基づきまして、「安全規制法令予備検討」を実施することで、その検討結果を原型炉概念やBOP概念へ反映するとともに、「安全規制法令」にも資することといたしております。
 なお、点線になっている「安全規制法令予備検討」につきましては、APの項目9番の「安全性」にも記載されており、14ページ目の表では、「9.安全性」として掲載してございます。こちらの表では、令和6年度に優先的に実施すべき研究開発項目について、QSTが直接実施するもの、大学・産業界等への公募により実施するもの、を分けて記載しております。12ページ目に記載しましたように、表に丸が記載されていないAP項目の研究開発を実施しないという意味ではなく、QST若しくは特別チームのリソースの範囲内で、各項目の研究開発を継続する予定となってございます。
 上から順に説明いたします。「0.炉設計」の部分では、QSTにおいて、「機器・設備の製作性検討と開発項目の抽出」を実施するとともに、「概念設計及び小規模技術開発」に関わる公募を実施する計画でございます。
 「1.超伝導コイル」におきましては、QSTにおいて、「矩形導体機械試験」を実施するとともに、「高強度構造材料試作・試験」に関わる公募を実施する計画でございます。
 「2.ブランケット」では、「ブランケット・リミターシステムの概念設計」に関わる公募を実施する計画でございます。
 「3.ダイバータ」では、「定常高密度プラズマ実験装置に関する検討」に関わる公募を実施する計画でございます。
 「7.燃料システム」では、QSTにおいて「大量トリチウム取扱施設に関する技術・設計検討」を実施する計画でございます。
 「8.核融合炉材料と規格・基準」では、QSTにおいて、「A-FNSの加速器・照射モジュール・試験施設等に関する工学設計、核融合炉構造材料の標準化活動、構造規格に関する予備検討」を実施する計画でございます。
 「9.安全性」では、「安全規制法令に関する予備検討」に関わる公募を実施する計画でございます。
 「10.稼働率と保守」では、QSTにおいて、「保守・保全計画の検討」を実施する計画でございます。
 「11.計測・制御」では、「原型炉に向けた計測器の検討・開発」に関わる公募を実施する計画でございます。
 なお、12ページ目に記載しましたように、公募事業としての研究開発項目の実施に当たりましては、QSTのウェブサイトで公告する「競争入札」、若しくは「参加者確認公募」により委託者を決定する予定でございます。公募事業への応募を検討されている皆様におかれましては、QST公式ウェブサイトの調達情報を定期的に御確認いただければ幸いでございます。QSTからの説明は以上でございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。ただいまの御説明に対して御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。武田主査代理、お願いします。
 
【武田主査代理】議論に入る前に、前回の体制からの変更部分につきまして、事務局の方にいま一度お尋ねします。今回、原型炉実現に向けた研究開発につきましてはBA補助金で実施ということでございますが、まず1つ御確認を申し上げたいのは、このBA補助金であることに関する制約というものが何か生じ得るのかということが1点です。もう1つは、令和6年度以降の予算といたしまして、こうした予算が継続的であるのか、すなわち、今後もBA補助金での推進ということは計画されているのかということ、以上をお答えいただければと考えております。よろしくお願いいたします。
 
【馬場戦略官】御質問ありがとうございます。武田委員からの御指摘について、まず予算の立てつけでございますが、当初はBA補助金とは別の形の補助金も検討してきたということは事実でございます。ただ、今回、結果的にBA補助金の枠内で予算が措置される見込みになったということはメリットも大きいと思っています。というのも、BA補助金自体は日欧で行っている取組もございますが、それも含めて、原型炉に向けた様々な取組を一体的に見ることができることは大きなメリットかと思います。
 一方、デメリットになり得るとすると、今、このBA補助金の受け手となれるのは、QST等に付すということに限定があるというところもあり、そういったところが1つ大きな縛りかと思っています。
 また、もう1つ、令和6年度以降の見通しについても、国としては年度予算ということにはなりますが、通常であれば、こういった予算というのは恒常的に措置することができるということを見越しているところでございますので、人材育成、研究開発についても、公募でやるとどうしても3年、5年の短期間の計画で申請して、評価して、その後予算措置が終了してしまうということが起こりがちですが、より中長期的な視点で、着実に事業を実施できるというところは、1つ、メリットにはなるのかと思っています。
 いずれにせよ、今回、あくまでも令和6年度に向けて、新しく措置することができたというところの芽出しにはなるかと思っていますが、今後このやり方についてまた、金額や取組について、先ほど大山委員からもありましたけど、正直、できることは限られているのが実態であります。その中で今後さらに、問題がないようであれば、この枠の中で拡大、拡充するかどうかについても、ぜひTFの中でも先生方から御議論いただきながら充実に努めていきたいと考えております。
 
【武田主査代理】大変力強く前向きな御回答ありがとうございました。その上で、最後に御質問というよりは次回以降の論点の提起ではございますが、今回、新たな体制が示された中でQSTの役割が大変重くなっていると感じております。特に自身で公募、審査される、予算を配分される一方で、どの予算のどの部分をQST御自身で執行されるかを判断される立場にあるということですので、審査の透明性とガバナンスの担保の観点から、このTFが果たす役割というものがより大きくなったと理解しております。そこの関係や枠組みについては次回以降も議論ができればと考えております。私からは以上でございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。坂本隆一委員、お願いします。
 
【坂本隆一委員】原型炉開発の実施体制に関して、コメントさせていただきます。9ページ目において、QSTを中心とした実施体制、研究開発を実施するような図になっており、第29回TFからの抜粋、11ページ目の体制に比べると、実施主体が明確になっていて、よくなっていると思います。そして、大学や企業の参画を促すための手段として公募は必須だとは思いますが、目的が明確な開発研究なので、研究の公募を行うにしても、その研究に対して実施責任者のリーダーシップを反映できるような体制で臨まないと、研究開発の加速は難しくなると感じています。その辺り、ぜひきちんと行っていただけるとありがたいと思っております。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。公募研究のリーダーシップ、非常に重要な視点だと思います。近藤委員、お願いします。
 
【近藤委員】大山委員にお聞きしたい点が1つございます。これまで原型炉に関する研究開発につきましては、原型炉共同研究というものがあったかと思います。今回お話になられているものは、それと大きく内容が異なるものだと理解しておりますが、多分、私以外の委員も興味があると思います。御説明の中で、公募事業としての研究開発項目の実施に当たっては、QSTのウェブサイトで公告する競争入札若しくは参加者確認公募により委託者を決定すると伺いましたが、我々大学側の者にとってはかなりなじみがない表現になっているなと感じております。これまではQSTが公募した共同研究に、QSTの特別チームをはじめとする方々と調整しながら、応募プロセスを経てきたというような感じがするのですが、今回、この競争入札若しくは参加者確認公募というものが分かりづらいので、どういった形での研究開発になるのか、これから決定していく部分もあると思うのですが、御説明いただけないでしょうか。
 
【大山委員】まず、BA活動による研究は引き続き実施する形になりますので、今までやっていたような共同研究という枠組みは一部継続されるところでございます。その上で、今回の新しい予算に基づく事業としましては、かなり目的がしっかりしていて、こういった研究成果を、限られた期間の中で、決められた予算の中で、実施していただきたいという形になります。より結果にコミットしていただく必要がございますので、そういう観点から仕様書や成果についてかなり明確になったものになるかと思っております。
 委託先の選定につきましては、例えば大学等に限らず、一般企業で研究開発を実施していただくものもございますので、そういったものにつきましては、通常の役務契約の形態での仕様書がございまして、その仕様書に従っていくらで応札していただけるという形で企業、大学から提案していただいて、基準に見合った業者と契約を締結するというものが競争入札でございます。
 もう1つの参加者確認公募につきましては、幅広く産業界の皆様方に応募していただくことが難しい、例えば、特定の装置を使った研究開発など、ある程度相手が限られるような研究開発につきましては、その仕様書作成の段階も含めて、まずは想定される方といろいろな細かい条件などを詰めた上で、この会社、若しくはこの研究機関と随意契約を結びますけれども、それ以外の業者、若しくは研究機関から、うちでも同じことができるという提案があるかどうかを公募いたします。そういった公募に応募がない場合には、我々が確認できる範囲の中で、想定した相手以外のところがないということが確認できますので、QSTのプロセスに従いまして、随意契約を行って、研究開発に着手していただくという形になります。一方、うちの会社でもできますよという提案があった場合には、前者でありますが、一般競争入札の形にしまして、金額がベースになるかと思うのですけれども、委託者を別途、入札という形で決定することになります。こういった2段階のプロセスになることを想定しているところでございます。
 
【近藤委員】ありがとうございます。もう1点お聞きしたかった部分は、金額に関してです。例えばこれまでの共同研究ですと、おおよそこの金額の範囲でということだったものもあったと思うのですけども、そうでなくて、その内容に沿う金額を応募者側が検討して提案し、その上でQST側が選定するといったような流れでよろしいでしょうか。
 
【大山委員】そのとおりでございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。今、大山委員にお答えいただいた内容が、先ほどの坂本隆一委員がコメントされたリーダーシップや開発研究というところの一部答えになっているというふうにも思いました。そういう進め方によって開発研究を力強く進めていこうということが大山委員の回答だったのだろうと思います。大山委員、そういう考え方で進められるということでよろしいですか。
 
【大山委員】はい。そうでございます。QSTとしましては、しっかりと成果が出るような仕様書を作成して、応募者につきましては、責任を持ってその研究開発を実施していただきたいと考えております。お互いが契約に対して合意ができるということによって、今までよりも力強く結果にコミットされるような研究開発が進められるのではないかと思っているところでございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。伊神委員、お願いします。
 
【伊神委員】資料の12ページ目で、二重丸がついていない項目については、QST若しくは特別チームのリソースの範囲内で進めるという文言がございます。具体的には、この「4.加熱・電流駆動システム」、「5.理論・シミュレーション」、「6.炉心プラズマ」のところが二重丸が外れております。おそらく14ページ目の表というのは、第28回TF配付資料のAP改定案に基づいているのだと思いますけれども、加熱・電流駆動に関しては、例えばNBIの高効率化の概念設計であるとか、メンテナンスレスであるという項目が重大課題として挙がっていると思います。そちらは、原型炉の実現に向けては加速していかなければいけないものだと思っておりますけれども、それが今まで続いてきたボランタリーベースの活動と現行のQSTのリソースで十分、さらなる加速が見込めるというものがあるから今回外れているのでしょうか。それとも、もう少し機を熟した後で、二重丸がついて募集するということもあり得るのでしょうか。その辺りの見通しというものを伺いたくて質問させていただきます。
 
【大山委員】まず、今回、令和6年度に実施するに当たりましては、予算の制約もございますので、限られた予算の中で、どこの部分について優先的に進めるのかというところにつきましては、0番から13番まで横並びで見た時に優先順位をつけて、その上で優先的に実施すべき検討項目を選定したというところでございます。14ページ目に丸がついていない項目につきましては、引き続きボランタリーベースで研究を進めていくものもございますし、また、場合によっては、QSTで持っているBA活動による研究の一環として実施することもあり得るかもしれません。この辺り、実際どの部分について行うのかにつきましては、予算が成立した後に、QSTの中でも改めて議論した上で実際に実施する研究開発項目を決定していくことになろうかと思っております。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。木戸委員、お願いします。
 
【木戸委員】9ページ目の体制の中で、QSTを中心とした実施体制の横に、特別チームと書いてあります。現状の特別チームだと、QSTの実働メンバー及び各企業のチームになっていると思うのですけど、ここの特別チームにいる企業の位置づけを教えていただけますでしょうか。また、QSTが大学、企業等に対して公募を行い、研究開発の一部を委託する研究開発と一部QSTが直接実施する研究開発との位置づけの違いをどういうふうに定義しているのかを教えていただきたいのでお願いします。
 
【馬場戦略官】木戸委員御指摘のとおりでして、この特別チームと新しく作り上げた実施体制について、もう少し整理して、分かりやすくする必要があると思っています。この資料上でも、「実施体制とともに、研究開発の進捗や取組状況等を報告」と書いてあるのはそういった意味合いも含めて記載しているつもりではありました。
 先ほど皆様から御議論あったとおり、この実施体制はもちろんどういうふうな形で取組を進めていくのか、どう巻き込んでいくのかというところは、本日いただいた意見も踏まえて、次回、3月に予定されたTFでもう少し具体的な説明を、QSTとも相談しながらできるといいかなとは思っているところです。御指摘のとおり、今、特別チームに入っていただいている方が、おそらくはQSTの実施体制の中でも手を挙げて、協力していただけると思っています。他の委員からもありましたけど、今までは特別チームについては、どちらかというとボランティアのようなところもあった中で、どう推進力を持たせていけるかについては、場合によっては再整理、設計が必要になってくるのではないかなと思っています。次回以降の宿題として、事務局より回答させていただければと思います。
 
【木戸委員】ありがとうございました。
 
【坂本瑞樹主査】藤岡委員、お願いします。
 
【藤岡委員】先ほどの近藤委員の質問とも少し関係するのですけど、今回、入札という手法を取られるということで、私の場合ですと、入札となると自分たちが欲しいものに加えて、それを確実に納品されるものというふうにして仕様書を決めていくわけですけど、研究開発においてはそういう仕様書の決め方というのはあまりなじまないのではないかと思います。私の質問は、研究開発というものをある程度チャレンジングなものにしながら、かつ、確実に契約が履行できるようにという、その辺りの工夫というのは何か具体的に考えておられるのでしょうか。可能な範囲で教えていただければと思います。
 
【大山委員】正直なところ、そこの点につきましては、ある程度試行錯誤の部分がどうしても生じてしまうのではないかなと思ってございます。一方で、QSTでの研究開発を進める上では、メーカーと一緒に研究開発を進める上で、メーカーに対して具体的な仕様書をベースにこういった試験をやってくださいとか、こういった試験装置を作って、こういったデータを取ってくださいというような形での請負契約に基づいてデータを蓄積するといった実績は多々ございますので、そういったメーカーにこれまで主にやってきていただいたようなものについて、その門戸を大学等にも広げた上でやるということに関してはある程度実績があるものかなと思ってございます。
 一方では、これまで主に大学や研究機関と一緒に共同研究という形で進めてきたものについては、なかなかそのような契約は、何をどこまでやるのかというところを明確に定めることは難しいというのはあるかと思いますけれども、とはいえ、何も成果が出ないというのは補助事業としてよろしくないということになりますので、そこは想定される研究機関、大学、産業界の方と仕様書を作成する段階で、お互いにここまでだったらできるというところをしっかり見極めた上で仕様書を調整していくことで、お互いに納得して、研究開発が進められるようにできたらいいなと考えているところでございます。
 
【藤岡委員】分かりました。ありがとうございます。
 
【坂本瑞樹主査】長壁科学官、お願いします。
 
【長壁科学官】14ページ目のことについて、懸念を申させていただきます。二重丸がついているのは、これから実施しないと、もう本当に原型炉を実現する上では、間に合わないという判断で、予算が限られる中、実施されるというのは非常に良い考え方と思います。
 一方で、二重丸のついていないところについて、伊神委員のお話もありましたが、日本が逆に得意としていて、原型炉を造った時に、これが今の日本の地位だったら売り物になる、日本の原型炉の特徴になるという部分に対して、それがすごい能力を持っているのだけど、予算化がされないことにより、ブレーキがかかってしまうという可能性があると思います。将来、原型炉を造った時に商品としての価値が陳腐なものになってしまうのではないかなということを懸念いたします。そういう点で、日本の強みを生かした原型炉というものを考えた上で少し予算的な措置を今後考えていただきたいなと思います。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。では、その辺りも留意してお進めください。前回のTFでの主査私案の中から、その趣旨をしっかり酌んでいただいて、QST、日本の大学、産業界を巻き込んで、原型炉を力強く進めるという案を作っていただけたと思います。次回の3月のTFで再度、意見交換を行いますので、本日の意見を踏まえて御検討をお願いいたします。
 続いて、人材育成に移ります。それでは、人材育成の概要について事務局から御説明をお願いいたします。
 
【馬場戦略官】人材育成について御説明させていただきます。フュージョンエネルギーの実現には長期にわたる研究開発が必要であり、そのためには長期的な人材育成・確保が必要であるということは論をまたないと思っております。そのため、今回、原型炉開発などに携わる人材を戦略的に育成するとともに、関連人材の母数を増加させるために、研究開発同様、BA補助金に基盤整備を新たに措置したところでございます。
 本TFでも過去に議論してまいりましたが、原型炉研究開発に必要な人材確保に向けては、委員会でも提言をまとめていただいているところでございます。こういった提言を踏まえ、今回、大学共同利用機関でもあるNIFSを中核機関として、共同研究ネットワークや各国との協力事業の枠組みなども活用し、大学間連携による総合的な教育システムを構築してはどうかと考えております。併せて、大学院教育と国内外の大型研究装置との連携を促進するため、QSTとも連携し、JT-60SA/ITER等を活用した人材育成を実施していきたいと考えております。また、研究開発と同様、人材育成の進捗や取組状況については、TF等においても随時確認していただくということが必要だと思っております。
 17ページ目には、平成30年に委員会で取りまとめていただいた人材の育成確保についての提言書の概要になっております。この中でも例えば、左下、「具体的取組み」として、「大学間連携による総合的な核融合教育システムの構築」といった記載やその隣、人材流動性の「具体的取組み」の最初には、「ITER機構への、院生、若手、シニア等の階層ごとの人材派遣制度の設計」などが当時から提言されており、今回、それを具体的な取組に落とし込んでいくということが重要だと考えております。その際には、本日も御参加いただいている笠田先生が、昨年5月にTFで御説明していただいている、18ページ目、19ページ目の内容を踏まえて検討していくということが必要だと考えております。
 20ページ目、具体的な取組の方向性として、先ほど申し上げた「大学間連携による総合的な教育システムの構築」についてのイメージです。「核融合は複数分野にまたがる学際的な分野であり、人材を継続的・安定的に育成・輩出するためには、フュージョンエネルギーに関して、俯瞰的に学習できる教育プログラムを提供することが重要」であること。「また、大学院教育と国内外の大型装置との連携を促進し、国内外の大規模研究施設での研究・実験に参画する機会を拡大することにより、専門性の向上や普遍的な技術力の獲得、人脈の形成なども期待される」ということが過去の提言書にも書かれております。
 そのため、今回、大学共同利用機関であるNIFSを中核機関として、双方向型の共同研究ネットワーク、こちらについては筑波大学、九州大学、大阪大学なども御参加いただいていると思いますし、また、日米、日韓など、各国との協力事業、派遣する枠組みなども最大限活用し、国内外の大型装置研究や関連学会、プラズマ・核融合学会に限らず、様々な学会や、今後設立される協議会などとも協調し、総合的な教育システムを構築していってはどうかと考えています。
 その際、学部生、院生、いろいろな段階があるかと思いますが、大学の先生方からも送り込みやすい、大学生、学生としても参画しやすいよう、履修制度だったり、参加者の関心であったり、技術の動向等にも配慮し、教育プログラムの設計段階から大学等とも密に連携、調整を行うということが必須だと考えております。こちらに基づいた提案、具体的な取組については、この後、市口先生から御報告いただくということを考えております。
 いずれにせよ、前回のTFの中では、こういった教育プログラムについてもPD、PO制の下、提案いただいて採択するということを考えておりましたが、実際こういったものを公募しても、例えば、5件募集しても、結果として2件しか採択できないということも生じ得ます。このように、時間もかかりますし、限られたコミュニティーを最大限生かすという意味では、これまでの提言書でも書かれているように、大学共同利用機関が全国の大学とも連携した取組を進めていただくということは大事だと思っているところでございます。
 続いて、JT-60SA、JIFSの関係になります。こちらは前半の最近の取組でも御説明させていただきましたが、2023年9月に将来の核融合研究開発を担う人材の育成、また、国際ネットワークの構築を目的として、日本と欧州の学生や若手研究者を対象としたJIFSの第1回を開催いたしました。参加者については、欧州側からも本当に倍率が高かったと聞いておりますが、欧州側から10名、日本側からも10名参画していただき、坂本主査含め、第一線の研究者24名の講師で構成し、プラズマ物理・核融合工学、そういったものに関する講義や実習等を実施いただきました。こちらについては、昨年12月1日の記念式典、また、共同プレス声明の中にも明記されているとおり、実習内容を日欧共に強化していきたいと考えているところでございます。
 続いて、22ページ目、ITER機構との連携による人材育成・流動性向上になります。こちらについても過去の提言にも記載されていますが、このITER計画については、日本としても準ホスト国として大きな貢献をしてきているところです。ただ、ITER計画の参加人数を増加させるというところは従前から課題になっておりますが、将来の原型炉建設に向けた知見を手に入れるためにも、ITER機構を整備している人材派遣制度のさらなる活用を含め、学生、若手研究者・技術者をより多く派遣するための仕組みを設計し、学生、若手研究者・技術者等々に活躍していただく機会というものを増やしていきたいと考えております。こちらについては、例えば韓国などでは韓国ポスドクといった形でITERに派遣するような予算を別途措置していたりするところ、今後そういったものも必要に応じて検討していきたいと思ってはいるところでございます。現在でも、実は記載のとおり、インターンシップやポスドクの公募を含め、様々なメニューがあるところでございます。今もモナコがスポンサーになっているITERポスドクの公募が行われており、また、現在、来年度にかかるインターシップの応募が2月1日から実施されていますので、並行してこういった各種取組について認知度の向上にも努めていきたいと思っております。本日も多くの方々にも傍聴していただいておりますが、大学の先生方、関係者の方、ぜひ支援の方にも御宣伝いただければと思っているところでございます。
 下半分、ITER国際スクール(以下、IIS)です。こちらについては、2007年以降、各極の学生、若手研究者を対象に、南フランス、または各極において計12回開催してまいりました。過去には、委員の中で、もしかすると御参画いただいていた方もいらっしゃるかもしれませんが、2008年に2回目のIISとして日本がホストとして九州大学で開催しております。学会とも連携し、100名以上の学生の参画を得て盛会に終わったと聞いており、今年においては、このIISのホストを日本が務めることになっております。こちらについては、実はもともと属人的にいろいろと日本でもやっていただきたいという声がITER機構からもございましたが、こういった取組については、日本全体として取り組む必要があると、組織的に恒常的に実施していかないといろいろな知見が積み重ならないだろうということもございましたので、今回、NIFSに、大学や学会とも連携していただいた上で、このIISを今年、開催していただきたいと考えております。
 このITER参加7極の学生や若手研究者が日本に集結し、合宿形式で専門分野について学ぶということについては、海外の方はもちろん、日本の学生にとっても国際的な人脈を形成する大切な機会になるかと思いますので、ぜひ、傍聴されている関係者の方も含めて、御参画いただければ大変ありがたく思っております。
 本日は、この後、最初に申し上げた、大学間連携による総合的な教育システムの構築について、23ページ目以降、NIFSの市口先生から御説明いただくことを予定しております。冒頭申し上げたとおり、本日いただいた意見も踏まえて、今後、大学とも密に連携、調整して、具体的なプログラム、システムに仕上げていきたいと思っております。3月にも再度御報告いただくことを予定しておりますので、ぜひ活発な御議論、御指摘、建設的な御意見をいただければありがたく思っております。事務局からは以上になります。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。それでは、NIFSの市口教授から御説明をお願いいたします。
 
【市口教授】NIFSから人材育成の提案をさせていただきたいと思います。今の御説明にも少しありましたけれども、少子化により人材が不足しているという問題点に鑑みまして、ここでの基本方針としましては、原型炉開発に必要な研究開発体制を構築するためには、学際化を進めて、核融合研究にコミットする人材を格段に増加させる必要があるのではないかと考えております。そのために、他分野の若手専門家や企業従事者を対象に核融合に関する学び直しの機会を提供し、広い科学技術分野の人材の新規参入を促していきたいと考えています。これは内閣府のフュージョンエネルギー・イノベーション戦略に、「幅広い分野の知的創造活動である学術研究を推進する」ということでありますとか、「フュージョンエネルギー人材の母数を増加させるために、学際化を進めて幅広い頭脳循環を実現することで、他分野や海外から人材を獲得する」ということ、こういう戦略を踏まえた形で考えたものでございます。
 ここで実際の実施に関しましては、Fusion Science School(以下、FSS)、これは仮称でございますが、こういうスクールを実施しようと考えております。概要としましては、現在進められている原型炉・核融合研究の種々のテーマにおきまして、関連する他分野の若手研究者に対して講義等を行いまして、その核融合をテーマに関連する研究への参入を検討してもらって、核融合コミュニティーに取り込むことで人材の拡張を図っていきたいということでございます。そのために、ポンチ絵に示しておりますように、このような他分野の研究者に分かるように分節化したテーマを用意いたしまして、それに基づいてスクールを進めていくことを考えています。
 もちろん原型炉人材育成はオールジャパンでの取組が必要となりますので、この案が承認されましたら、NIFSと大学の先生方で運営委員会を設置しまして、この企画・運営等について議論を広く行っていきたいと考えています。大学の先生からは、各スクールの企画・運営、講師派遣、受講者募集等を通じて御参画いただければ非常にありがたいと考えております。NIFSは全体の取りまとめを行いまして、実施を支援します。場合によっては、個々のスクールの企画運営も担っていくと考えております。
 実施内容の具体的な案でございますが、大体1~2週間を年2~3回程度、合宿形式で実施したいと考えているところでございます。真ん中辺りに書いております表が1つの実施日程例で、大体、1つのスクールで、ここではテーマを3つぐらい想定しておりまして、それぞれにおいて講義等を行うことを考えております。最初に原型炉に関する全体の概念に関する講義とテーマごとの全体にわたってのスクールの全体像に関する講義をここでやっていただくこととしています。その後、それぞれのテーマにおきまして、そのテーマの中で核融合研究の講義とそれと関連する他分野の講義をペアで講義していただくことで、両者のマッチングを図り、その後、受講者による研究発表であるとか、お互いの研究課題や問題点に関するパネルディスカッションをやっていくということで進めていけばいいのではないかというのが、1つの考え方でございます。もちろん実施場所によりましては、実習等も追加していければ、非常に充実したものになるかもしれません。
 受講対象としましては、大体20名程度を考えておりまして、国内外の若手研究者、企業従事者をメインに考えて、ポスドク、大学院生も参加していただいても結構かと思っております。ただ、こういう若手研究者、企業従事者の方々として現職をお持ちの方に核融合研究に参入していただくということが非常に有用ではないかと考えておりまして、その先生方の今持っておられるスキルを核融合に持ち込んでいただくということを期待しております。学術交流を図るということも必要でございますので、受講者の全体の4分の1か3分の1程度には、核融合研究側からの受講者も入っていただくことが必要かなと考えております。
 ここで想定されるアウトカムでございますが、他分野研究者の方々に、今申しましたように、専門知識や技能の核融合関連テーマへの適用を誘起していただきまして、核融合分野へ新規参入されることを期待しております。それから、新たな人脈を形成することによって異分野間での拡張と融合を行いまして、研究者間での新しい共同研究のシーズを創生できる、何がしかのブレークスルーがここで生まれるということがあれば非常にいいのではないかと考えております。また、御説明にありました次年度以降のJIFSでありますとかIIS等への参加の動機づけとか入り口というものになり得るのではないかと思いまして、他分野研究者からもそちらへの積極的な参加を期待しております。また、他分野のポスドク、博士課程の学生にとって核融合関連分野のキャリアパスを検討するきっかけとなってもらえれば非常にいいのではないかと考えているところでございます。私からは以上です。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。ただいまの御説明に対して御意見、御質問等お願いいたします。近藤委員、お願いします。
 
【近藤委員】私自身は大学院生の時に、当時、21世紀COEプログラムというのがありまして、そこで原子力を取り巻くいろいろなことを勉強して、それがかなり強い動機づけになって、現在も原子力の研究を続けているということにつながっていまして、今回のようなプログラムが走るのはすごくいいと思っています。一方で、最近の人材育成においてキャリアパスを眺めてみますと、アカデミアのみならず、ITER、産業界、国内、国外、スタートアップも含めて、様々になってきていますので、特にそういった意味で、私が今日ここで申し上げたいのは、できたら国際的なリーダーシップを図れるような人材の育成につながるといいのではないかなと感じております。ですので、馬場戦略官から、いろいろ現在、既に走っているプログラムについて御紹介いただきましたけども、そういった既存のプログラムも集約して、連結していけるようなものになるといいのではないかなと思っています。
 ITERのインターンシップというのが1つ目玉にあると思うのですが、これはなかなかハードルが高かったりするものですので、例えばこういったプログラムの中で、すぐにでなくてもいいと思うのですけど、インターンシップの前段階のプレインターンシップみたいな、短期間滞在して、向こうでネットワークを作ってきてしまうような、そんなこともいいのではないかなと思っています。
 原子力の分野を眺めますと、いろいろな人材育成プログラムがあるのですが、いろいろなところに派遣されているようです。ですから、合宿形式ということで、NIFSを想定されているのかもしれないのですが、日本は北海道から九州まで、いろいろな研究機関がございますので、いろいろなところに派遣できるといいのではないかなと思っております。私自身はいろいろな勉強をしてもらえるといいなと思っていて、放射線防護から超伝導なども本当にすばらしいと思うのですけども、核融合の方式、先ほど申し上げたように、昨今ですと、スタートアップを中心に様々な状況になってきておりますので、レーザー核融合とかそういったものに関しても知識が得られるような幅広いものになるといいのではないかなと思っています。
 最後に、できれば学部4年生辺りから受けられるものも考えていただければいいのではないかなと思います。市口先生がおっしゃったように、入口という意味では、動機づけが早いほうがいいと思っていまして、学部4年生の頃にこういったものに触れ合えると、大学院進学、並びに、その後の博士進学につながっていくのではないかなと思いますので、どうか学部4年生辺りも、短期のものでいいと思うんですが、お考えいただければと思いました。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。吉橋委員、お願いします。
 
【吉橋委員】現在、1つの大学で核融合に関わるいろいろな教育を全て受けられるわけではありませんので、こういった総合的教育システムの構築というのは非常に重要で、日本全国、それから、世界も見据えていろいろなところから講義を受けられるシステムを作るというのは非常に重要だと思っております。ただ、原子力の分野では、例えば原子力科学技術委員会等で人材育成のプログラムがいくつか実施されております。例えば、今回のこういった総合教育システムを受ける日本の学生というと、原子力ですとかエネルギー、それから、機械等をやっていた、ある特定の学生たちが多いかと思いますので、非常にこういったプログラムがたくさん行われている中で、何か核融合というところに特徴をきちんとつけていかないと、そういった原子力の他のプログラムに埋もれてしまう可能性が出てくると思いました。また、こういったプログラムですけれども、今の学生を見ていますと、講義だけというのは、なかなか積極的になれないところがありますので、NIFSやQSTが中心になってこのようなプログラムを行うということであるならば、実習や実際に手を動かすという経験ができるようなプログラムも組んでいくと、より一層、核融合に対して興味が湧いてくるのではないかなということを思いました。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。武田委員、お願いします。
 
【武田主査代理】他分野に窓口を開くということ、大変賛成でございますし、それを大学のネットワークを通じて実証していくということも賛成でございます。一方で、近藤委員、吉橋委員から御指摘もあったとおり、人材育成に関しては産業界も大変重要だと考えております。最近、イギリスの政府から発表がありましたFusion Skills Programme、これは皆様も御承知おきと思いますが、100億円の予算をかけた上で、座学だけでなく、既に就労しているエンジニアに対する教育ですとか、リカレント教育、インターンシップなどを含めまして、5年で2,200名の育成をするということを英国政府としては既に打ち出しているわけでございます。我が国でも試算によれば、原型炉に向けて3,000名程度の核融合人材が必要となるといったような発表もございますので、そういった意味から申し上げますと、いわゆる職業訓練としての数千名規模でのフュージョン人材育成を我が国が諸外国に遅れることなく実証していくべき分野であるというのが私の意見です。
 今回お示しをいただきましたFSSですと、合宿で20名を年数回ということでございますので、これのみですと、諸外国の人材育成目標には桁で届かないということになってしまうというのが私の懸念でございます。FSSにつきましても、今後こうした諸外国同等の職業訓練的な側面を有した数千名の育成ですとか、NIFS内部だけでなく、産業界の委託ですとか、大学ネットワークをより積極的に用いたような人材育成ですとか、こういったものをできれば次回以降、御検討いただければと思っております。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。藤岡委員、お願いします。
 
【藤岡委員】このようなサマースクールが行われるということは非常にいいことだと思うのですけども、他分野の学生を含めて呼び込むとなると学生にから見ると、これだけ拘束されるわけですから、単位認定というのは重要だと考えています。単位認定を進めるためには、現場レベルでこういうプログラムがあるので、うちの学科で単位認定しましょうよという働きかけはあるのですが、同時に、この核融合の重要性を大学執行部に伝えるというのも重要だと思っています。
 以前、一度、NIFSの執行部が各大学の上層部と会合を計画的に行っていたという記憶があります。ですので、ぜひこういうスクールを始めるに当たりまして、もう一度、そのような活動を再開して、単位というのは学生にとってもモチベーションになると思いますので、単位認定ができるような形にまで進めて、単位認定というのは本当に大学間をまたいで、こういう講義をやっているという1つの証拠ですので、ぜひ進めていただきたいなと思います。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。大山委員、お願いします。
 
【大山委員】今回、企業従事者も対象としてという御提案と認識してございますけれども、企業に勤めている方が2週間拘束されるようなプログラムに参加するというのはなかなか現実的には厳しいのではないかなという印象を持ちました。ですので、例えば学生の夏季休暇期間等に実施するプログラムと、若しくは、産業界の人向けの、例えば週末に限定するような短期間のプログラムといったような形で、対象を分けて最適化したようなことも御検討いただいたほうがいいのではないかなと思ったのが1点でございます。
 もう1点は、既に様々な先生方からもコメントが出ておりましたけれども、座学というよりは、いろいろな実習も、大学だけではなくて、核融合産業に携わっているメーカーのところでの核融合に向けた機器の製作や工場の見学などもかなり刺激的になるのではないかなと思いますので、そういったことも御検討いただけたらいいのではないかと思います。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。鈴木委員、お願いします。
 
【鈴木委員】他の分野の企業の方を取り込むということで非常によい御提案だと思います。提案していただいたプログラムや具体的な内容についてはきっとよいものができると思います。そのためには、学会誌などに募集を出せばいいというわけではなくて、企業の方が見ているような媒体などに出し、企業の方がこれに参加してみようと思ってもらうために目に留まることが重要だと思います。そういうところを工夫していただけると良い人材が即戦力として入ってきていただけるかなと思いましたので、御検討よろしくお願いします。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。横山委員、お願いします。
 
【横山委員】人材育成ということで、企業の方も参画していただけると大変いいなという御意見ありましたけれども、私もそれに賛成です。先ほど単位認定という話がございましたが、出口側として、将来的にこういうところに行けるんだということが明確になると、これをやりたいという気持ちも出てくると思いますので、ぜひその辺りも考えて、将来就けるような職業につながるようなことを考えていただければと思います。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。梶田学術調査官、お願いします。
 
【梶田学術調査官】本提案、スクーリングということで大変すばらしいかと思いますが、人材育成という観点から、大学院生や現在携わっている方がより研究者として魅力を感じる、また、大学院生に核融合の研究をしたいなと思えるようなパスをより広げていただけるようなプログラムが実施されるとより良いのではないかなと感じました。そういう意味では、例えば先ほどポスドクという話がありましたが、ITERだけではなくて、核融合全般のポスドクや博士課程の人数を確保したり、また、学生が博士課程に進学できたりするような経済的な援助も含めて、人材育成プログラムとして持つことができないかを御検討いただきたいなと思いました。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。人材育成に関しては昨年5月に御意見いただきましたので、東北大学の笠田先生、もし何か御意見ありましたらお願いいたします。
 
【笠田教授】アウトリーチ活動は幅広い相手との今後の展開が必要ですので、人材育成と車の両輪になってやっていくことも大事な観点かと思います。特に立派なメニューを用意しても、実際に食べに来てくれるかどうかというところが非常に大事な観点ということは、各委員の先生方からも御指摘があったと思います。今、若手人材は本当に奪い合いですので、魅力的なメニューを用意したとしても、気づいてもらえない、あるいはこちらが魅力的と思っていても、あちらにとって本当に魅力的かどうかはきちんと制度設計をしていかないとなかなか思うようにはいかない気もしております。その辺りはきちんと今後TFで、あるいはHQと連携する部分は連携して、実施の在り方というのを改善していくということを期待しております。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。国際的なリーダーシップを取れるような観点、学部の4年生から参加してはどうかということ、講義だけではなくて、実習も必要であろうということ、産業界からの参加、参加人数の重要性、単位認定、産業界を対象とした短期間のプログラムの件など多くの御意見をいただきました。近藤委員、何か御質問、意見ありましたでしょうか。
 
【近藤委員】1点だけ追加で市口先生にお聞きしたいと思います。今回の場合、原型炉開発における人材育成という切り口ではあるのですけども、先ほど笠田先生からありましたように、いろいろな人を相手に核融合というものが浸透していくというプロセスになってきます。今日、私のほうで言った学部生とか大学院生、並びにポスドク、これはサイエンティストとかエンジニアを目指していくようなイメージだと思い、そのプログラムとして実習とかが魅力的に映るということはそのとおりだと思います。一方で、幅広い人材を育成していくという意味で、それとは別に、社会的受容性などのテーマのような非サイエンスの部分の方たちも核融合に入ってきていただけるような、何かそういったプログラムに関しても設計してもらえるといいのではないかなと感じました。今の状況だと、本当に物理が得意な人しか対象にならないというものになっていますけども、ITERのインターンシップを見ても、決してそうではなくて、PRとか、いろいろなアウトリーチだとか、そういった部分の人材というのも非常に重要だと思いますので、その辺りの設計をよろしくお願いしたいと思っています。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。今ありました核融合に携わる人材の育成、将来の職業に就けるようにという様々な意見がありました。もう1つ重要な観点だったのは梶田学術調査官の言われた意見かなとも思います。今、市口先生の案ですと、他分野の若手や企業を対象にするということで、他分野から人材を獲得することは非常に重要な観点です。もちろん今、少子化で、フュージョンエネルギーに参入する人材を増やそうということで、今の市口先生の案は、他分野からフュージョンエネルギーへの人材の流入を考えていらっしゃると思います。ただ、現場で、大学で教育していると、非常に流出は多いと感じております。せっかく核融合を目指してやってきた学生が他分野、企業等、他のところに行ってしまうような状況です。この流出を止めることも人数を増やす意味では大事な観点だと思います。バランスの問題ですから、流入があっても流出のほうが多ければ、実質、数は増えません。ですから、流入を増やすという今の大切な取組に加えて、流出を防ぐという意味が非常に重要になってくるのかなと思います。そういう意味で、梶田学術調査官が言われたものはそういうことになっているのだろうと思います。先ほど馬場戦略官が説明していただいた20ページ目に、「大学院教育と国内外の大型装置との連携を促進し、国内外の大規模研究施設での研究・実験に参画する機会を拡大する」と記載されております。多分この大規模というのは、大学の中規模の装置も含まれていると思いますので、そういうところでの研究ができるとかそういうことを全日本的に取り組んでいくことで、今回のこういうものが機能するのではないかなと思います。今の案は既に核融合に携わっているような若手研究者から他分野の企業従事者まで全部集めてきて、大学の人と一緒にこの人材育成の教育プログラムをみんなでやりましょうということですけど、外にも目を向けていただいて、大学からの流出を止めるようなことにも資するものも併せて御検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。市口先生、何かありましたらお願いいたします。
 
【市口教授】いろいろ積極的な御提案いただきまして、ありがとうございました。私の説明が足りなかった部分があるのかなとも思いますが、今、坂本主査から御説明がありましたように、主眼としておりますのは、他分野からの流入というところを主眼としております。これは笠田先生からも御指摘ありましたように、どんどん少子化になっていって、学生の奪い合いになっているという現状がありますので、そこのところももちろん大事ということではございますけれども、今検討すべき新しい観点としましては、他分野からも入ってきてほしいというところを今回御提案させていただいたところでございます。
 その後、学生の教育ということになりますと、今、坂本主査がおっしゃった流出というのは非常に懸念な点であるとは思いますが、これは私の個人的な考え方ではあるのですけれども、どうしてもキャリアパスが見えていないと、学生としてはなかなかその分野に入り難いところがあるのかなというのは考えるところではございます。そういうところも一緒に含めて考えないといけないというのは感じているところでありまして、今回、その辺りまで手が回りませんでしたので、原型炉開発を行う上での人材を確保するという観点から考えて、こういうふうな御提案をさせていただきました。また持ち帰りまして、少し検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。多分、人材育成の評価軸は、このプログラムによって原型炉開発等に進む人材がどれぐらいの数になるかということで、数年後に確認されることになると思います。ですので、キャリアパスは非常に重要で、ぜひ原型炉開発をする人材が増えるというところも出口として考えていただいて、このプログラムで他分野に行ってしまうということよりは、核融合分野に残って、原型炉開発をしてくれる人材がこれから数千人規模で必要というところにどれぐらい貢献するのかということは試されるところだと思います。人材育成は本当に30年、40年の先を見据える一番大事なところだと思いますので、ぜひ御検討をよろしくお願いします。それでは、これは3月のTFで再度、意見交換を行います。
 続いて、アウトリーチ活動に移ります。それでは、アウトリーチ活動の概要について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
【馬場戦略官】アウトリーチ活動について御説明いたします。26ページ目を御覧ください。このアウトリーチ活動が重要だというところは、TFの先生方、御理解いただいているところかと思います。フュージョンエネルギーの実現には、社会との情報の共有と不断の対話が必須です。そのため、過去の委員会の報告書ですが、「核融合原型炉研究開発の推進に向けて」に基づき設置されたHQについて、国家戦略も踏まえ、体制を強化するとともに、アウトリーチ活動の充実を図りたいと考えております。以前のTFでも御報告いただいたとおり、社会的合意を形成するまでの活動内容を右下にあるようなターゲット層とともに段階的に整理し、戦略的に推進するということが過去のTFでも御提案があったところです。
 なお、アウトリーチ活動の進捗や取組状況については、研究開発、人材育成と同様、TFにおいても随時確認し、改善、取組の拡大ということをしていきたいと考えております。
 HQについては、2019年2月に設立され、目的については、大学、研究機関が個別に実施している取組を一体的にやるということで、過去、先生方にも御協力いただきながら推進してきたというところかと思います。
 右下の年度別のターゲット層と重点度については、以前のTFでも御説明あった内容と理解しています。このHQの議論を踏まえて、今後やるべき内容については、昨年5月のTFで笠田先生から御提示いただいた課題、また、改善の方向性、提案に基づいて、本日、TFの前主査でもある笠田先生からHQの検討も踏まえた活動内容の案について御説明いただければと思います。より効果的な取組になるよう、活発な御議論、こちらについてもお願いいたします。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。笠田先生、HQを代表して御説明をお願いいたします。
 
【笠田教授】HQでの検討事項に関して、令和6年度におけるアウトリーチ活動の活動内容の案をお示ししたいと思います。30ページ目にありますように、まず5つの項目を活動していくということを提案しております。
 1つ目はまず、サイエンスコミュニケーターによる専門的な支援でございます。こちらは、まずは原型炉実現に向けて、リスクコミュニケーションというのが今後、重要になってきますので、国民と適切に意思疎通を図るための手段の検討、あるいは各機関の求めに応じてアウトリーチ活動に関する助言を行うため、サイエンスコミュニケーターを活用していくことを検討しております。これはもちろん実施機関の雇用ということもありますけども、それに加えて、委託事業やクロスアポイントメント等により、外部のサイエンスコミュニケーターとの連携活動を行っていくことによって、より効果的な活動ができると御提案申し上げております。これは次から御説明いたします(2)から(5)においてもこのような組織的かつ効率的にサイエンスコミュニケーターを活用して実施していくべきと御提案申し上げます。
 (2)番は、HQ主催のアウトリーチイベントを年数回程度開催するということです。原型炉実現に向けて、国民に周知を図るため、アウトリーチイベントの開催が重要になります。これがHQの主催という形になりまして、実施機関として、NIFS、QSTが開催し、その開催経費の一部を支援するという形がよいのではないかと考えております。
 (3)番目が公募による新規アウトリーチ企画です。これも数回程度の予算を確保しまして、原型炉実現に向けた各機関におけるアウトリーチ活動を支援するとともに、国全体のアウトリーチ活動の活性化を図るため、大学、研究機関、学会、産業界等における、各機関のアウトリーチ活動に関する企画を公募しまして、開催費用の一部を支援するという形になります。
 (4)番です。こちらは効果測定にもつながっていきますけれども、実態把握調査というものが重要になってくると考えております。エビデンスに基づいたアウトリーチ活動を戦略的に推進するため、国民のフュージョンエネルギーに対する認識やアウトリーチ活動の目標の達成度を把握するための調査を数年に1回程度実施する。調査結果を踏まえ、必要に応じて、アウトリーチ活動の目標や活動内容の軌道修正を行い、アウトリーチ活動の向上を図っていくことが肝要かと考えております。
 そして、(5)番です。こちらはホームページの改訂等による対外的発信の強化ということになります。実際にフュージョンエネルギーのアウトリーチ活動を行う時に、教育者やいろいろな発信者が自由に使える教材が不足していることがこれまでも指摘されております。こういったことから活動の遅れにつながることがないよう、フュージョンエネルギーに関するコンテンツを整理し、ホームページの改訂や新たなコンテンツを作成する。これにより、例えば、教員が学校で使用するなど、ホームページ上で自由にコンテンツを使用することが可能になると考えております。もちろん上記に加えて、これまで核融合エネルギーフォーラムが実施しているITER/BA成果報告会を、アウトリーチ活動の一環と明確に位置づけ、一体的にアウトリーチ活動を推進していくことも肝要かと思います。
 以上の活動により、国民との多様な対話の場の形成を進め、原型炉実現に向けた基盤を整備することが目標でございます。
 
【坂本瑞樹主査】どうもありがとうございました。ただいまの御説明に対して、御意見、御質問等お願いいたします。奥本委員、お願いします。
 
【奥本委員】お伺いしたいのですが、令和6年度のアウトリーチ活動というのは、最終的には何年続くアウトリーチ活動を想定されているのかというのが私は読み取れなかったので、それを伺いたいなと思います。というのも、アウトリーチ活動、どれだけの長期の戦略を立てていくのか、もしくは中長期で、マイルストーンのような形の目標があるのかをサイエンスコミュニケーターと共有しないと、なかなか適切な初年度の初動というのができないかなと思いますので、その部分というのはHQが設定するのか、TFが設定するのかということも確認したいです。
 
【笠田教授】まずアウトリーチ活動に関しましては、TFでチェック・アンド・レビューを行っていくと原型炉研究開発ロードマップ(以下、ロードマップ)で明確に規定されておりますので、少なくともロードマップにのっとって行うものと私はHQとして理解しております。HQはTFの諮問を受けて活動するところでもありますので、そういったところを報告していくのだろうと思っております。一方で、予算的な措置に関しましては、私は答えられる立場にありませんので、事務局にお答えいただくのがいいのかなと思います。
 
【馬場戦略官】事務局から回答させていただきます。今、御質問あった件ですけど、一番大きなポイントとしては、これまでHQの活動自体は手弁当で先生方に御参加いただいて、議論して、取組を進めてきたところが、今回、予算措置ができているところが大きな変化かと思っています。それをどう具体的に推進していくかというところが、まさに本日のTFの指摘も踏まえながら来年度、具体化していきたいと思っております。予算措置については、研究開発の御質問でもあったと思いますけど、今後、BA補助金の枠内で、恒常的にとまでは言いませんが、継続して事業を実施するというところを我々としては考えているところがございますので、中長期的に手を打っていくという形で取り組むことができるかなと思っています。
 先ほど私の資料の中でも、前回TF等でも御提示しているとおり、数年先を見越したような計画というところをHQからも御提示いただいて、それを実行できるように予算措置が、まずは初年度できたと御理解いただければと思います。
 
【奥本委員】それを踏まえて、そういう意味で、まだどれぐらいの年度があるか分からないような、未定という計画に対して、初年度でサイエンスコミュニケーターを1人雇うというのは難しいのかなというのが私の意見です。それなので、既にサイエンスコミュニケーターとして活動している方々をプロジェクト雇用していく方法や提案されていたように外部委託みたいな部分というのも適切に利用しながらやっていかないと、採用までにすごく時間がかかってしまって、なおかつ、どれぐらいのキャリアかが見えない雇用というのに手が挙がる人が少ないという事態に陥らないようにということだけは私からコメントさせていただきます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。武田委員、お願いします。
 
【武田主査代理】HQの体制の強化については、長年議論があったと認識していますので、大変望ましい方向性だと思いますし、さらに言えば予算の措置も大変必要で望ましい方向だと思っております。TFとして見ましても、このAPの中で、例えば社会連携だけでなく、こういったアウトリーチというのは、サイト設定、サイト整備にも当然関わってくる部分でございますので、直ちに実行することが望ましいのではないかと考えております。一方で、原型炉の研究開発の公募に関わる項目として、今回、社会連携ですとか、サイト選定の部分は、APとしては入らないというような計画とお聞きしておりますので、こういった項目に関連するものが、HQとしての公募に入るというのは望ましいと考えております。例えば実態把握調査1つ取りましても、私はこれまでこういった予算、外部の予算若しくはNIFSの共同研究予算等で実行してまいりましたが、一定程度の予算が必要になりますので、こういった部分での措置というものも大変望ましいと思っておりますし、TFとHQ、若しくはNIFSとQST等が連携することで、業界全体としてこういったアウトリーチ活動というものをHQとしてぜひリードしていただきたいと思っております。
 そういった中で、1点だけ、今回の御説明では完全にまだ明らかになっていないと感じたものは、HQの立ち位置でございまして、前回特別チームについては、QST内に位置づけるということで本日でも御説明があったわけですが、HQの予算の審査ですとか、配分への関わり方ですとか、こういった点が次回以降、明らかにしていただけるとよいなと感じました。
 今回、HQはまだ参画できるような機関が限られているようなそういった書きぶりでございますが、市民の方あってのアウトリーチ活動だと思いますので、よりここを広げていただいて、例えば、市民の構成員ですとか、協議会との連携ですとか、さらに言えば、こういった議事録の透明性を持った公開ですとか、こういった部分も今後御検討いただければと考えた次第でございます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。古賀委員、お願いします。
 
【古賀委員】非常にいろいろ多岐にわたって、すばらしい計画が立っていていいなと思ったのですけども、先ほどの人材育成のところでも、人材を増やすためには学部4年生への広報であるとか、スクールであるというものが大事ということで、これはアウトリーチにも結構関わってくる話ではないかなと思うわけです。人材を増やすという意味では、本当に対象者を限定しないで広く皆さんに周知する必要があって、そこが人材にもつながっていくと思います。特に大学生向けということになってくると、(2)で示されたようにNIFSとかQSTが主体となるイベントというのも絡んでくると思うのですが、その点で、先ほどの人材育成の点と、すみ分け、もしくは協力していくようなところはどういうふうに考えられていますでしょうか。
 
【笠田教授】人材育成の対象は先ほど市口先生から、非常に明確に定義されていたと思います。HQの対象というのも、資料の26ページ目に示したように、段階的にターゲッティングというのを広げていく、あるいは深掘りしていくということが計画にはなってございます。最初からいきなり全力で全方位戦をするのは人員的にも厳しいところは間違いないので、まずは国民との対話の手法を確立していくというところで比較的経験のあるところをターゲット層としてアウトリーチ活動を進めていくことを検討しております。一方、まだ対話のチャネルが開けていないところに関して、例えば公募事業を活用して、我々研究者がやるようなアウトリーチではなくて、例えば社会学に関係しているような先生方に、逆にこういうところに入っていただいてアウトリーチ活動を行うなど、そういったようなやり方も予算措置があればお誘いしやすいと思います。ですから、そういった形で対話のチャネルを広げていくというような段階的な活動をしていくということが必要かと思います。それが結果的には、サイト選定とか社会的合意形成というところに向かっていくのかなと考えております。
 
【古賀委員】そういう意味では、26ページ目に最初のターゲット層として、大学・院生のところに二重丸がついていますが、こちらに注力するというよりはもう少し広い範囲で考えていただきたいと思います。
 
【笠田教授】人材育成という部分もここには含まれていますので、いわゆる既存の、既に専門として核融合に関わっている大学生、院生に関しては、アウトリーチというよりは人材育成プロジェクトでカバーすることになるかと思います。一方で、NIFSで検討している他分野、他領域の若手をこちらに導いてくるという時には多分アウトリーチ的な発想がないと、人をまず連れてこられないので、ここは切り離せないところかなというふうに思います。もちろんターゲッティングとしては明確に分かれるのですけども、人のやり取りというのは協力してやっていくということが大事かなと考えております。
 
【古賀委員】せっかくすばらしい内容なので、うまく連携して、それぞれの人材育成とアウトリーチと噛み合うようにできるとすばらしいなと思います。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。非常に重要な御意見だったと思います。人材育成とアウトリーチは表裏一体ということだと思います。近藤委員、お願いします。
 
【近藤委員】アウトリーチ活動に関わる予算がついて、踏み込んだことができていくようになるのではないかなと非常に期待するところではあるのですが、まず、本質的ではないかもしれないのですけど、HQ自体のビジビリティがないというように思っております。これは笠田先生が先ほどお示しくださった公募事業等にも関わるのですけども、きっとHQのウェブサイトというものが立ち上がって、そこでアナウンスがされるものと思っております。これまでもHQの実態そのものに関する問合せというものが少なからずあったように思います。学会誌等では、小川雄一先生などがHQの設立について書かれるなどしていたため、当然、関係者はある一定の理解が進んでいるものと思うのですけども、そういった部分、今映っている資料スライドの中の項目の(5)は、文部科学省が御用意くださったフュージョンエナジーのすばらしいホームページを改訂していくというような、そんなふうに取れるのですが、ぜひHQ自体が、そこにリンクを張るかどうにかして、ウェブサイト等の発信機関としても機能してもらえると、我々研究者並びに関係者ではない人たちからも、アウトリーチに関するよりどころになっていくのではないかなと思いますので、そこにもぜひ力を入れていただきたいなと思いました。
 
【笠田教授】その点は御指摘のとおりだと思いますので、十分検討して、うまくリンクするようにしていきたいと考えています。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございました。このアウトリーチ活動について、その他、御意見、御質問などよろしいでしょうか。
 そうしましたら、笠田先生、市口先生、本日は大変貴重な御意見、案をお持ちいただきまして、ありがとうございました。3月に向けて、今回の意見を踏まえた内容を検討いただいて、3月でまた意見交換をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日用意しております議題は以上ですが、この他、特に報告、審議すべき案件はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次回のTFの日程について事務局からお願いいたします。
 
【吉原専門官】次回は、今年度最後のTFとなりますが、3月14日木曜日14時からオンラインで開催させていただく予定としております。議題等は追って御連絡をさせていただきます。
 
【坂本瑞樹主査】ありがとうございます。
 それでは、本日のTFはこれで閉会いたします。御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございました。
 
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お問合せ先

研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付

   髙木、樋口
   電話番号:03-6734-4163