核融合科学技術委員会 原型炉開発総合戦略タスクフォース(第13回) 議事録

1.日時

平成29年7月26日(水曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省13F2会議室

3.議題

  1. 第20回ITER理事会の開催結果について
  2. 「核融合原型炉研究開発の推進に向けて」の策定について
  3. ロードマップの策定について
  4. アクションプランのフォローアップ方策について
  5. その他

4.出席者

委員

岡野主査、笠田主査代理、池辺委員、石井委員、柏木委員、坂本委員、澤委員、竹永委員、西村委員、福家委員

文部科学省

松浦研究開発戦略官、遠藤補佐、野田核融合科学専門官、上田科学官、秋山学術調査官

オブザーバー

五十嵐委員(核融合科学技術委員会委員)

5.議事録

【岡野主査】  それでは、時間ですので、始めたいと思います。
 本日は、御多忙のところ、また雨の中、お集まりいただき、ありがとうございます。
 定刻になりましたので、まず事務局の方から定足数の確認をお願いします。
【野田専門官】  きょうは、大場委員が、御出席予定ですけれども、ちょっと遅れていらっしゃるようですけれども、いらっしゃった場合は11名全員が御出席ですので、定足数は満たしております。
 以上です。
【岡野主査】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまから第13回原型炉開発総合戦略タスクフォースを開催いたします。
 なお、委員会の運営規則に基づき、本タスクフォースは原則として議事を公開いたします。御発言は議事録に掲載され、ホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
 また、本日は核融合科学技術委員会の五十嵐がオブザーバーとして出席いただける予定で、まだいらしていないですね。いらしていただけると聞いております。
 それでは、次に、事務局の方から配付資料の確認をお願いいたします。
【野田専門官】  配付資料は、議事次第の方に資料1から4まで、それから参考資料1から参考資料4まで、個別の御説明は省略させていただきますけれども、もし不足等がございましたら、事務局の方におっしゃっていただければと。
 以上でございます。
【岡野主査】  ありがとうございました。
 今、五十嵐委員がいらっしゃいましたね。今、きょう、オブザーバーで来ていただくというのを御紹介したところです。
【五十嵐オブザーバー】  よろしくお願いします。
【岡野主査】  それでは、議題(1)に入りたいと思います。第20回ITER理事会の開催結果について。
 本年6月に開催されましたITER理事会の結果について、出席された松浦戦略官より御報告をお願いいたします。
【松浦戦略官】  資料1を御覧ください。
 第20回ITER理事会は、今年の6月にITER機構で開かれました。日本からは、戸谷次官が1月に異動し、後任が空席だったということもあって、今回は研究開発局担当の審議官の増子が出席しました。7月11日付けで、戸谷の後任として、伊藤洋一が文部科学審議官として着任してHODになっております。
 めくっていただいて、2ページ目を御覧ください。昨年の11月の19回理事会で、スケジュール見直しに伴うコスト増について暫定合意をしておりますが、その暫定合意は維持するということが確認されました。各極において最終合意に向けた了解を取り付ける国内調整が続いておりますが、一部極においては、ほぼそれが終了したと。また、ホスト極である欧州については、最終合意に加入するマンデートを欧州理事会と欧州議会に要求する文書を発出したと。これは、欧州委員会としては最終合意についてコミットしたということを意味するということで、大きな前進があったということです。
 2025年のファーストプラズマに向けた主要工程は、引き続き着実に達成していると。一部、小規模な遅延が発生しているという報告はありましたが、スケジュール維持に向けた適切な措置が実行されているということも併せて確認しております。
 また、協定に基づいて2年に1回運営評価を実施しておりますが、今回は日本のチームが実施するということを決定しております。この評価チームのヘッドである樋口さんは前のJAXAの副理事長で、長谷川さんも含めて、国際宇宙ステーションに長く携わったという経験から、今回選ばれています。また、加藤さんと尾崎さんについては、昨年4月に取りまとめた独立評価、ICRGのメンバーでもありました。
 また、米国提案で実施を開始した個別課題の深掘りレビューについても、引き続きIO、ITER機構の過度の負担とならない範囲で継続していくということも併せて決定されました。
 3ページ目には、現在の建設状況がありますが、トカマクの建設現場の組立棟の横に加熱装置建屋、あるいは右の奥にある銀色のクライオプラント等も着実に建設が進捗し、またトカマクの設置場所も生体遮蔽が3階部分まで建設が進むだろうなど、非常に進捗していることが目に見えて分かると思います。
 以上です。
【岡野主査】  ありがとうございました。ただいまの御報告に対しまして、御質問等がありましたら、お願いいたします。よろしいですか。
 それでは、次に進みたいと思います。それでは、議題(2)の「核融合原型炉研究開発の推進に向けて」の策定についてに入ります。
 本件については、前回のタスクフォース、また今月14日の核融合科学技術委員会でも御意見を頂き、本日、修正版を配付しておりますが、かなりブラッシュアップされたものになっています。今後の最終取りまとめまでの道行きとしては、本日のタスクフォースにおいて御確認を頂いた後、9月から10月頃にかけてパブリックコメントを実施いたします。また、並行して、様々な機会に核融合コミュニティの説明と意見交換を行う予定でございます。その後、秋のITER理事会の結果も踏まえて、11月頃開催予定の核融合科学技術委員会において最終取りまとめがなされる予定です。
 それでは、この修正版について、秋山学術調査官から御説明をお願いいたします。
【秋山学術調査官】  それでは、資料2-1、2-2を御覧ください。
 まず、資料2-1ですが、こちらは、これまで頂きましたコメントを反映させた原案でございます。いつもどおり修正部分を赤字で書いております。本日は、修正部分を中心に御説明させていただきます。
 まず、以前のタスクフォース及び委員会で、本報告書が何のためのもので、何が書いてあるかということを明記した方がよいというコメントを頂きましたので、冒頭に「はじめに」という段落を加えました。こちらの段落で、本報告書は、今後の我が国の核融合原型炉に向けた研究開発の基本方針を示すことが目的であるということを明記しております。そして、研究開発の推進のために本報告書で核融合原型炉の開発に必要な戦略、原型炉に求められる基本概念と技術課題解決のための開発の進め方、そして3つ目として、原型炉段階への移行に向けた考え方を取りまとめたものであると明記しております。
 そして、先ほど主査の方からありましたとおり、本報告書、秋にパブリックコメントを行うということですので、そのためには、この報告書の要旨があった方が分かりやすいだろうということで、本報告書のまとめ、要点を示したものが資料2-2でございます。本日、要旨の方の詳細は割愛させていただきますが、このような要旨を加えました。
 また、パブリックコメントするに当たって、専門用語がネックになるとまずいですので、報告書には、専門用語について、用語集を加えました。報告書の10ページ以降が、その用語集になります。
 それでは、資料2-1、修正点について説明させていただきます。
 2ページを御覧ください。2章、「エネルギー情勢と社会的要請の変化」の章ですが、まず中段のところ、ここは化石燃料の増加について記述しているところであります。以前は輸入量で記載しておりましたが、文章の流れから、発電量の方が直接的であろうということで、発電電力量がどの程度増加しているかという文章に変えてございます。
 そして、下の赤字のところですが、「一方で、福島第一原子力発電所事故以降、原子力に対する国民の信頼は揺らぎつつある。」とありますが、以前は、国民の信頼は失われているという記述でありました。前回のタスクフォースで、表現が強過ぎるのではないかという指摘がございましたので、「揺らぎつつある。」という表現にいたしました。
 また、その下にございます「国民の信頼を得られなければ、」という記述がありますが、これは、以前は、安心を感じられなければという記載でした。これも、前回のタスクフォースで、安心という言葉は主観的なところがあって、リスクコミュニケーションでは余り使われないという御指摘でしたので、我々がすべきことは、非常に高い安全性を確立していって信頼を得ることだろうということで、「国民の信頼を得られなければ、」という表現に直してございます。
 続きまして、3ページにも赤字の部分が2か所ございますが、これは修辞上の修正を行ったものであります。
 そして、4ページ目は、特に修正はございません。
 5ページ目につきましても、5.1.「開発計画立案の考え方」のところの赤字は、冗長であった表現をすっきりさせたものであります。
 5.2.の「産学官の研究開発体制」のところは、量子科学技術研究開発機構が赤字になっておりますが、これは以前、那珂サイトという書き方になっていたものを修正したものであります。
 その後の量研機構、核融合研、それから産業界というところにも赤字がなっていますが、これは読みやすさを考えて、記述する順番を変えたということでございます。
 続きまして、6ページ目にいきますと、5.3.章の「人材育成・確保」のところで、放射線利用分野や原子力分野のところが赤字になってございます。これは、関連が非常に強くて、そこから獲得した人材というのは即戦力が期待されるということで、連携先が強く期待されるところとして、放射線、原子力分野を明記しております。
 次に、5.4.章「国際協力」のところの赤字、修正点でありますが、ここでは国際協力の重要性を述べつつ、何を国際協力で開発するか、それを決める観点を明記いたしました。「我が国単独で進める課題と、国際協力で進める課題の区分は、保有すべき技術の戦略や課題の優先度、国内研究開発との相補性や、他国の開発状況を分析して決定する。そして、それらをアクションプランやロードマップに反映させる。」という文章を付け加えました。
 続きまして、5.6.章、「開発ロードマップの作成」のところでは、ロードマップがどんなものかということを明確に記載しております。赤字のところを読み上げますと、「核融合炉開発のビジョンを明確に示すものとして、アクションプランに基づき、開発の優先度やマイルストーン、国際協力項目なども含めて総合的に開発工程をまとめ上げた原型炉開発ロードマップを策定する。」として、ロードマップがどんなものかということをここに明記しております。
 そして、第6章ですが、これも以前の委員会で御指摘があった箇所であります。この6章で、原型炉段階へ移行する際に重要な項目として、チェックアンドレビュー、そして移行判断、アウトリーチについて記載しております。委員会での指摘は、このチェックアンドレビューやアウトリーチに関して、それらの関係が分かりにくいというコメントがございましたので、冒頭に1段落加えまして、6章で何を議論しているかということを書いてございます。原型炉段階に移行するためには、2つの観点が非常に重要でして、1つは技術的な成熟性、もう一つは核融合エネルギー開発への国民の信頼の醸成、この2つが重要であります。そして、この前者、技術的成熟性のためには、チェックアンドレビューを行うこと、そして2つ目の信頼性の醸成には、アウトリーチ活動を行って醸成を深めるということが大事だということをこの冒頭に説明しております。
 そして、最後に6.3.章、「アウトリーチ活動」の章でありますが、ここでは、タスクフォース及び委員会で御指摘がありました、長期的な観点がアウトリーチ活動や、それを通じた人材育成に必要だということを明記いたしました。赤字のところを読み上げますと、「核融合エネルギー開発は長期に亘(わた)るため、信頼の醸成や人材育成には長期的な観点が必要である。」という一文を加えました。
 また、同じ観点で、下から2行目にございます、子供も含む幅広い世代で双方向の理解を深め、信頼性を醸成するというふうに記載しておりますが、これも長期的な観点が必要ということからの記載であります。
 それから、段落中ほどには、国民の信頼を得るためにはとありますが、以前はここは、安心を感じてもらうにはというような文章でありましたが、さきに説明したように、ここは「安心」という言葉から「信頼」という言葉に換えてございます。
 1点だけ要旨についてお話しさせていただきますと、実は、前回の委員会で、今御説明した国民の「信頼」という言葉が、報告書の中には幾つか出ていたんですけれども、要旨の方では書かれていないということで、この観点が要旨の方で抜け落ちておりましたので、要旨の最後の行、アウトリーチ活動に対応する箇所でありますが、「核融合エネルギーの社会的価値の最大化と、国民の信頼獲得を目指した連携活動を計画・推進する。」ということで、国民の信頼獲得が重要であるということを要旨の中でも明記しております。
 以上です。
【岡野主査】  ありがとうございました。
 また、本報告書の附属資料として、ここにも付いておりますが、チェックアンドレビュー項目(案)につきましては、前回お示ししたものから変更ございません。
 全体について御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。非常に適切に直していただいて、バランスがよくなったと私は感じていますけれども。どうぞ。
【柏木委員】  確認させていただいていいですか。4ページ目の下の方に、「また、原型炉の運転開発期には、」という出だしがありまして、幾つか書いてあるうちの、次のページの3つ目のところで「原型炉で得られた知見を反映させた」とあるんですが、出だしの「原型炉の運転開発期には」、「原型炉で得られた知見を反映させたブランケットとダイバータ」はちょっと変かなと。ここはいいんですかね。
【秋山学術調査官】  これは、まず4ページ目の設計要件を書き上げた箇条書の3つ目を見ていただきたいんですけれども、運転初期のダイバータ及びブランケットというのは、ITER等で得られた知見を反映した設計になっているわけなんですが、最終的ダイバータとブランケットというのは、多分それではなかなか難しいところがあるだろうと。
【柏木委員】  では、これは原型炉の運転開始後に得られた知見をということですか。
【秋山学術調査官】  はい、そうです。運転開始をして、そこで得た知見をもってダイバータ、ブランケットを改造すると。
【柏木委員】  ITERではなくて、原型炉の運転初期で得られたということですか。
【秋山学術調査官】  はい、そうです。
【石井委員】  運転期が初期と開発期の2段階になっているというイメージですね。
【秋山学術調査官】  はい、段階的な開発を行うということです。ですので、初期に得られた知見をもって、ダイバータ等の機器を改造などもできるような設計にしておくべきだということです。
【柏木委員】  では、これは誤解がないように、初期のと入れていただくと、つながりがよろしいのではないかなと思います。
【秋山学術調査官】  分かりました。ありがとうございます。
【岡野主査】  おっしゃるとおりですね。
 ダイバータについては、御存じのとおり入れ替えられる構造なので、冷却系とかを全部違うものにするのは無理ですけれども、当然、2個目を入れるときに1個目と同じものを入れなければいけない理由は何もないので、改良されるだろう。普通考えれば、そうですね。
 それから、ブランケットについては、交換のときに換えることももちろんあり得ると思うんですけれども、それはそんなに容易ではないので、わずかな改良になると思いますが、原型炉用TBMというものを考えているんです。これはアクションプランにも書いてございます。そこには冷却方式さえ違うような先進的なものも入ると考えていて、そういったものも含めての高性能化を実現することが求められるという記述だと私は思います。
【柏木委員】  開発期はこういうふうにされていて、こちらは初期だという、段階が違うんですということですよね。ただの文章の問題だから、どうでも。
【岡野主査】  ありがとうございます。でも、初期のとか、入れた方が誤解はないでしょうね。
【秋山学術調査官】  はい。
【岡野主査】  ここの部分は、ブランケットを総入替えするのかのように思われる誤解がないようにできるといいと思います。
 TBMという言葉は出てくるんでしたかね。中にはないですかね。これは一般向けだから、あると、かえって分かりにくいですね。
【秋山学術調査官】  TBMという言葉は使ってはいないです。テストブランケットモジュールという言い方です。
【岡野主査】  ないですけれども、アクションプランの方には入っています。この中では、少なくともそういう理解ができている方がいいと思いますので。
【西村委員】  1つ確認です。3ページの上の方の赤字のところに、「電力需要の変化にも対応できる」、要するに負荷追従性を持つという趣旨のことが書いてあるんですけれども、私の理解では、核融合は、出力をコントロールするのはそんなに容易ではないと思っていて、この文章だと、負荷追従性のある電源を目指すと。
【岡野主査】  御指摘の点が難しいというのは分かってはいるんですが、その前提を1つ言うと、負荷追従あるいは負荷変動が多少でもできない電源というものは、現在実用化されているものでないということも認識した方がいいんです。原子力は、許認可などの問題があってガバナフリーのスイッチを入れられていないだけで、機能としては負荷追従はできるのです。それから、石炭火力はベースロードですけれども、石炭火力の出力は変えられないことはないのです。だから、核融合は技術的にできませんと言うのは大変まずいだろうというのが1つ。
 それから、できないんですかと言われたときに、幾つかアイデアはあって、できると思うんです。それで、そういう電源を目指しますという心意気をここに書いておかないといけないと思っている。確かに、前の報告書はベースロードを目指すと書いてあって、それは暗に一定出力で運転するということだったのでしょうが、それも通用しない世界になっていく可能性があって、選ばれないかもしれないというリスクを減らしたいということで、こう書いてあるんです。
【西村委員】  ここでは火力ができるような、火力は確かに負荷追従をどんどんやっていますよね。
【岡野主査】  石炭以外ですけれども。
【西村委員】  石炭以外に、例えばLNG。ここには、火力発電が担う負荷追従性を備えていると。だから、それぐらいのスピードで負荷追従ができる……。
【岡野主査】  が望ましい、といいという意味です。ここで技術の説明をしませんが、不可能だと決める必要はないと考えています。
【西村委員】  それはおっしゃるとおりですけれども、その前に定常ができるかどうかという話があるので。
【岡野主査】  定常にならない可能性だってありますよ。そういうときだって、何らかの技術対応をして、実用化したいわけですよね。出力が100万キロワットですといったって、ふらふらするかもしれないですよね。
【西村委員】  いや、だから、制御がうまくできなくてふらふらすることと、ある出力に上げ、ある出力に下げる、いわゆるちゃんと制御をするというのとは意味が違いますよね。
【岡野主査】  分かりました。技術論はしない方がいいと思うけれども、それは基本的には同じことだと思います。出力を故意に動かせるのと、意に反して動いてしまうのを制御するのとは同じ技術だと思います。核融合は出力制御ができないのが普通ですと言わない方がいいと思います。それでは誰も核融合を選ばないので、こういった記述をしてあるのは、核融合の目指すべきところを書きたかった。
【西村委員】  きょうは、そのコメントをするということだけにしておきます。
【岡野主査】  ここは核融合をやっている方の多くが引っ掛かるところで、よく分かっているので。ただし、技術的にできないんですと言って済む問題ではない。
【西村委員】  いや、できないとは言わないですけれども。
【岡野主査】  おっしゃらないですよね。だから、頑張る必要はないと今まで言っていたのを、頑張る必要があるという言い方に変えたということです。
【西村委員】  おっしゃるように、多分コミュニティの中でも結構いろいろな意見が出そうですね。
【岡野主査】  でも、それは飽くまでもコミュニティの希望であって、希望だけでは駄目なので、できれば定常負荷で、ベースロードで一定出力で動かしたいと言っているだけですから。
【澤委員】  7ページの6項の赤字で書いていただいたところの真ん中に、「なお」という文章があるんですけれども、これが、その後の中間チェックアンドレビューを2回に分けることとつながっているんでしょうか。
【秋山学術調査官】  これは、見直しを行うということを指しております。
【澤委員】  どこになりますか。
【秋山学術調査官】  6.2.のところに、様々な状況を踏まえて、必要に応じて、議論の上でチェックアンドレビューの時期や項目を見直すということを書いているんですが、それを示したものであります。
【澤委員】  分かりました。【石井委員】  質問ですけれども、6ページ目の赤字のところで、「そして、それらをアクションプランやロードマップに反映させる。」のそれらというのは、他国の開発状況等々だと思うんですけれども、ということは、アクションプランやロードマップも、ある程度の間隔で見直して、修正したりしていくというような意味でしょうか。
【秋山学術調査官】  アクションプランは随時見直しをするということでよろしいです。
【岡野主査】  ロードマップも、必要に応じては見直されると思います。それは10年に1回とか、そういうものだと思いますが、アクションプランは随時フォローアップしていくと。
【石井委員】  はい、そうですね。
【上田科学官】  1つ前の御意見ですが、7ページの6.の4行目のところの「チェックアンドレビューには柔軟性を持たせ、」のここに、チェックアンドレビューの時期や項目と書いていく方が分かりやすいのではないかと思います。
【岡野主査】  項目まで柔軟性を持たせてしまいますか。
【上田科学官】  後ろに「項目と時期は」と書いてあるので。
【岡野主査】  そうか、時期も含めてですね。
【竹永委員】  1つ確認です。8ページ目のアウトリーチ活動のところで、「信頼の醸成」という言葉と「信頼の獲得」という言葉が使われているのですけれども、この違いはどういうふうに使い分けられているのでしょう。
【秋山学術調査官】  信頼を獲得してから、更にその醸成を深めるというようなニュアンスで、ここの段落では使っています。ですので、最初に、中段のところで核融合エネルギー開発に対する国民の信頼を得るために説明などをして、更に不断の努力で会話を行い、信頼性を醸成するという書き方になっております。
【竹永委員】  獲得していった結果として、信頼の醸成があるという考え方ですか。
【秋山学術調査官】  はい。更に深めるというような。
【岡野主査】  ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。それでは、本日頂きました御意見を基に、報告書を一部修正しまして、9月から10月頃にパブリックコメントを実施することにいたします。
 なお、パブリックコメントに出します最終的な文案は、科学技術委員会の小川主査に一任されていますので、そこは御了解いただければと思います。多分意見は反映してくれるだろうと思います。
 それでは、次の課題は、予定では原型炉開発ロードマップの策定なんですが、私、1つ忘れていた項目があって、急に入れて申し訳ない。大して時間は掛からないと思うんですが、1つ、ここで入れるのが多分いいと思うんですが、今見ていただいた報告書の9ページから用語集がついているんです。大変よく書いていただいている用語集ですが、実は、きょう、同じく皆さんのところに配付されているアクションプラン構成表、これはもうだいたい完成したものと思っているんですが、その後ろにアクションプラン項目別解説が付いています。これは、皆さん覚えていらっしゃると思うんですが、1年前にこれを作ったんです。アクションプランを改訂するのを優先したので、私、忘れていたわけではないんですが、こちらをまだ改訂していません。その結果、項目の名前が明らかに矛盾しているものがあります。
 ただ、今、こうして見て思ったのは、このやり方はアクションプランの年号とかに合わせて書いていったので、ちょっと変更すると、ここも全部変わるということになっているのがまずかったなと、今になって思っているので、飽くまでも前のバージョンはできる限り生かす形で用語集みたいな形に、それぞれの御担当のところで、この中から必要なものを選んでいっていただけないかなという提案です。それだったら、それほど手間なく用語集が作れるかなと思っているんです。つまり、せっかく作ったんだから、これをなくしてしまうのはもったいない気がするんです。ただ、このまま付けると変なので、そこを何とかしたいんです。今の形式を見ていただくと、何年から何年とか、数字まで入っていますよね。このままだと、多分訂正が大変だし、また見直すたびに変わってしまうので、年号とか、それから責任を期待される機関なども載っていたのかな。これもなくしてしまって、単純に用語集として、アクションプランを見たときに、書いてある言葉で、これは何なんだろうなと。例えば、燃料サイクル戦略というのは何だっけというときに、見れば分かるようなものにするというのはいかがでしょう。
 一つの案としては、これをもうやめてしまうという手もあるかもしれないですけれども、その辺、御意見を頂ければと思います。このまま付けているのは絶対おかしいと思うんです。
【石井委員】  私が担当したところは、項目の名前とか年表の引き方とかもかなり変わってしまっているので、対比してみたら、全然対比できていないと思います。
【岡野主査】  そうですよね。この項目を全部残さなくてもいいと思うので、多分これは残した方がいいなというものを用語集として残していただくなら、そんなにお手間を掛けないのかなと思うんです。
【柏木委員】  このアクションプランを見たときに、これは何をやるんだろう、これは何を言っているのかといったときに、ここを見れば、何をやるか書いてあるということで残すということでいいですか。
【岡野主査】  ええ、そういう意味です。だから、項目の名前は一致した方がいいし、あるいは、こちらと一致しているものがあれば、キーワードでもいいと思うんです。ただ、年号は書かないことにしませんか。
 あと、機器設計のところとか、プラズマ設計のところとか、安全確保指針とか、細かな区分がしてあるじゃないですか。これも区分が変わってしまっているので、こういったものも一切なくして、例えばダイバータの章だったら、3章、ダイバータといって、ちょうど用語集みたいな形で、2章、トリチウムから始まっていますね。こういう形でずらっと並んでいる形式にするのが、これを生かす方法としては一番早いかなと。お手間を掛けることになってしまうので、そこは恐縮ですけれども。
 事務局として、そういう訂正は、時間的に間に合いますか。これはパブリックコメントに掛けるわけではないので。
【秋山学術調査官】  掛けるわけではないです。
【岡野主査】  問題ないですかね。大丈夫そうでしょうか。このまま付けるのは、やはり格好悪いと思うんですよね。
 もう一案としては、皆さんの御意見を聞きたいんですけれども、これをやめるという選択肢もなくはないと思います。
【石井委員】  あった方が、中身が分かりやすいと思います。
【岡野主査】  そうですよね。しかも、これだけのものを書いていただいた御尽力をなしにするというのは、私もしのびないので、手間は掛かりますけれども、皆さんに、それぞれの御担当のところを見直していただくのはよろしいですか。形は、また私からお送りしますけれども、この用語集を参照していただくのがいいかもしれないです。2章の炉設計とか、スーパーコンダクターとか、そうやって。
 2-1とかいうのも要らないかな。これを付けると修正が大変かもしれないので、単純に項目別にずっと書いていただいて、探せば見つかると。その章の中だから探せると思うので、探してみれば説明があるという形にしていただければと思います。
【上田科学官】  そういう意味では、用語集というよりは詳細な説明。
【岡野主査】  項目別解説ではありますね。
【上田科学官】  間接的な、単に言葉だけを出して説明するというのではなくて、例えば原子炉による80dpa照射データの検証というのは何なのかというのを説明する。
【岡野主査】  そうなると、用語集ではないですね。
【上田科学官】  用語集というよりは、やはり詳細説明かなという気はします。
【岡野主査】  御担当のところを見ていて、これは要らないなというところは消していただいていいので、残していただいて、キーワードが関わっているところは書いていただいて、これをできる限り生かす形の用語集に変更していただければと思います。時間としては、一月とか。
【福家委員】  どこかの章を代表例として、見本みたいなものがあると非常に助かります。
【岡野主査】  そうですね。やりましょうか。では、私が炉設計のところをやりますので、お送りします。当然、それがいいと思います。来週はいないので、再来週になってしまうかもしれませんが、できるだけ早くお送りします。それでは、そこは1つ作業が増えてしまいましたけれども、皆さん、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題(3)に移りたいと思います。原型炉開発ロードマップの策定についてです。
 先ほどの議題の報告書(案)にもありましたとおり、原型炉開発のビジョンを明確に示すためのロードマップを策定するということが必要です。本日は、改めてどのようなロードマップを作成することが適切か、いつまでに、またどのように作成していくのかなどについて御審議をお願いしたいと思います。
 最初に、事務局の方から資料の説明をお願いいたします。
【野田専門官】  資料3でございます。1.のところは、推進に向けて、報告書(案)の記述を改めて引用しておりますけれども、本文の4行目の「そして」以降のところ、「核融合炉開発のビジョンを明確に示すものとして、アクションプランに基づき、開発の優先度やマイルストーン、国際協力項目なども含めて総合的に開発工程をまとめ上げた原型炉開発ロードマップを策定する。」というのが記述でございます。
 2.のところに、そのロードマップの作成方針案として、上記の記述に従いまして、1から5までの5項目を挙げております。1、関連項目の時系列化、2、開発の優先度やマイルストーンの明示、3、項目間の関係の明示、4、国際協力項目の明示、5、責任を持つと期待される機関の明示などを行って作成するということでございます。
 なお、参考資料2に、2008年に核融合エネルギーフォーラムの方でまとめられましたロードマップに類するものを参考として付けさせていただいております。
 資料3の3.はスケジュール案でございますが、8月中、フォーマットの検討、9月から10月に項目ごとのロードマップを作成し、その後、その相互関係を確認する。10月から12月は技術相互連関までを示した全体ロードマップを作成。1月、これは来年、2018年でございますが、来年1月に核融合科学技術委員会に報告をするというものでございます。
 資料の説明は以上でございます。
【岡野主査】  ありがとうございました。こういうふうに文章だけ読んでも、何をするのか漠然として分からないかなと思ったので、こういうふうにしたいというつもりは全くないんですが、皆さんの議論で考えていただいていいんですが、2008年に作られたロードマップ、その当時のロードマップといわれるものの例をここに示しています。核融合関係の方がロードマップというと、イメージするのは、多分こういうものか、さもなくば1枚ものの、2006年ぐらいでしたか、あそこにあった、本当に年号も書いていないみたいな、ITERがあって、原型炉があってみたいなものですけれども、あれはロードマップというには粗過ぎて、ロードマップの表紙ではないかなと私は思っているんです。あれが1枚目にあってもいいと思いますが、やはりロードマップといったら、ある程度アクションプランをベースに、こういった時系列で並んだ形になるものかなと思っていて、その例として、これをお見せしています。
 私もこれを見ながら考えたんですが、イメージとしては、今あるアクションプランには、既に棒が上にありますよね。この棒が大項目の棒だと思っていただくと、今お配りした昔のロードマップでいうと、両丸棒のところあたりが大項目なんですね。こういった感じで時系列が並んでいて、その下に小課題の、それぞれの小課題名の中では関連があるはずですから、時系列が並んでいるという、こんな感じのものができていくかなと思っています。
 それから、文章の中で「技術相互連関までを示した」というのは、そんな難しい話ではなくて、時間的な関係もそうですし、これができないと次ができないという矢印が、今は上下にしかないですけれども、斜めでもいいのかもしれませんが、上下の矢印があって、順番にこのままロードマップを進めていくと、最後は原型炉の建設段階に入れますねというロードマップを目指すのがタスクフォースの使命かなと思っています。
 何か御意見があれば、お願いいたします。
 この案は、たしかエクセルで作られているはずですね。初めは、マイクロソフトプロジェクトで作ったんです。プロはそれで作るんですけれども、持っていないと、そもそも開けないとか、余り便利ではない点もありました。連関がついたりして、すごくいい点もあるのですが、余りに汎用性がないなと思って、結局は全部エクセルに移したという経緯がございます。何万項目もあるような計画ではないので、今回はエクセルで、こんな感じでいいかなと今は思っています。
【澤委員】  開発ロードマップのイメージとして、資料3の元々の文章を見ると、アクションプランの方は詳細な進捗状況が確認できるものと書かれていて、逆に、ロードマップの方は開発のビジョンを明確に示すものという書かれ方をしているということは、どちらかというと、ロードマップの方が一目で見えるものというように見えるんですけれども。
【岡野主査】  その辺を議論していただきたいんですけれども、少なくとも1ページ目はそうあるべきですよね。2ページ目以降を作る努力をしたものかどうかという御相談なんです。
 1ページ目というか、全体が見えるだけというのであれば、実は、既にもうほとんどできていて、これを縦に並べて、少なくとも上下の矢印、これとこれが関係ある、あと時間軸が少しずれたりするのをちゃんと調整すれば、ロードマップにはなると思うんです。まず、それも選択肢だと思います。きょうは、飽くまでも御相談なので。それでも、全体としては2枚ぐらいにはなりますよね。ただ、期待されているものがそれかというと、もう少し詳しいものになるかなという期待もあったみたいなので、そこは御相談なんですけれども、いかがなものでしょう。まずは、見直しながらですけれども、今ある、ここの棒になっているものを縦に全部束ねてみるところから始めますか。
【澤委員】  私の意見としては、チェックアンドレビュー項目が最終のマイルストーンというか、プロジェクト的に言うと、各プロセスのアウトプットがこれであるということになると思うので、最終的にこの表に出ている全てのものに集約されるというロードマップというか、ブレイクダウンシートになるのかなと思っています。それの第1段階として、今のアクションプランの各線がこのチェックアンドレビュー項目のどこにつながっていくのかという相関を示すのかなと思います。
【岡野主査】  そういう目標を持つと、やりやすいですね。余り複雑にしてしまうと、結局、分からなくなってしまう可能性もあるので、どうですかね。そうしたら、今既に各ページの上半分にあるような感じのものを、もちろん少し書き直すにしても、そのターゲットはこのチェックアンドレビュー項目に収束していくような、今言っていただいたようなものを作るという御提案がありましたけれども、いかがでしょう。御意見があれば、聞きたいと思います。
 2008年のロードマップをやったころ、期待されていたのは1ページものだったのが、こんなになってしまったので、いかんとは言われなかったけれども、やったかいはあったんです。項目を拾ったのは多分初めてなので、よかったんですけれども、確かに、実を言うと、この前に1ページものが付いています。ただ、説得力としては、1ページものだけでではなくて、バックにこれがあるよというふうに見られたのは、すごくよかったんです。そういう意味では、今、アクションプランが既にあるので、こういった細かい線はなくても、1枚ものでも十分なバックデータがあるというのは示せるような気はしている。
【笠田主査代理】  アクションプランの上位概念というか、概要としてというよりは、やはりロードマップというものの位置付けというのは、具体的なプランからドゥーが見えるものになるんだと思うんです。その際、アクションプランでは責任を持って実施が期待される機関という書き方をしていたのが、ロードマップでは、実際にリソースの配分とか、ドゥーをするところがないと、ロードマップとしての位置付けがちょっと弱くなってしまう。優先順位を付けるということは、ドゥーを行う機関が明確でないと、優先順位という概念も多分……。優先順位だけだったら、アクションプランでいいと思うんですよ。ただ、PDCAのドゥーに持っていく、チェックアンドレビューの前の実際のドゥーを明確に書く様式がロードマップだという私の理解です。国の施策で使われているロードマップというのは、そういう使い方をしていると思うんです。そういうことではないんですか。私の理解が正しくないのであれば、そのように考え直しますけれども。
【岡野主査】  つまり、国の方で使われているものは結構細かいですよね。そうではないですか。
【笠田主査代理】  いや、そうではないと思います。誰が何をいつまでにするかというのがロードマップだと思うので。アクションプランはプランであって、ロードマップは多分、まさしく進む道ですよね。そこがちょっと、要するに違いというか。
【岡野主査】  やる組織は書いてあるというイメージですか。ここは誰が実施すると。
【笠田主査代理】  実際、技術戦略とロードマップ、これは多分経産省さんの方の考え方なんだと思いますけれども、原子力とかの方でやられているものを見ると、そういう書き方になっている。もちろん、ここでは原型炉開発ロードマップですから、違うものでも別にかまわないと私は思うんですけれども、アクションプランをまとめたものより、ドゥーをより見やすくするものをロードマップといえば、多分それでもいいと思いますし、そういう意味では、プランではなくて、やはりドゥーを明確にするところなのかなと私は思います。
【岡野主査】  具体的に言うと、どんなイメージか、まだ私はよく分からないんですけれども、アクションプランの上に付いている棒とは違うものになるというイメージですか。
【笠田主査代理】  結局、それを整理すれば、優先順位をもって、それを必ずやるんですよね。そういうことが明確に見えれば。今のプランは、取りあえず全部これをやらなくてはいけませんよというプラン、やりたいですとか、やらなくてはいけないというプランなので、それに対して、この項目は最優先事項でやっていくというドゥーに対する意思表示なり……。
【岡野主査】  私の認識は、時間的に後ろに下げてもいいというものはあり得たかもしれないし、それは実際下がっていると思うんですけれども、やらないで済むものはないという気がするんですよ。だから、選ぶというわけにもいかないかなという気がしている。
 つまり、優先順位というのは、やり始める順番は付けられるかもしれないけれども、予算を付ける順みたいな付け方はできないような気がしていて、強いて優先順位というか、位置付けの違いを出せるとしたら、これは必ず国内で開発する必要があるという言い方とか、あるいはこれは国際協力でやるべき、あるいは国際協力でしかできない、ITERなんかはそうですよね。できないものとか、めったにないと思いますけれども、これは買えばいいやというものとか、そういう分類ならできるかなというイメージを持っているんです。優先順位というのは、ロードマップの「推進に向けて」にそのように書いてあるので、何らかの優先度は付けないといけないと思いますが、開発優先度ではなくて、今言ったような分類にしておいた方がいいのではないかなという気がしている。そういうものであれば、できますかね。
【柏木委員】  私も、ロードマップはどっちでいくのかなと思っていて、どっちでいくのかなというのは、1つは全体の戦略が見えるものにするのか、今おっしゃったような、我々はよく実施計画書みたいなことを言うんですけれども、本当にプライオリティーを明確にして、具体的にやりますよというロードマップにするのか、どちらなのかなと思っていたんです。プライオリティー付けは絶対どこかでかなり必要になるんだろうと思っていまして、それが何で決まるのかなと思うと、私が思っているのは、2030年までに仕上げなくてはいけないけれども、本当に時間が掛かるものはすぐにでも始めなくてはいけなくて、そういうものはすごくプライオリティーが高いと思うんです。でも、逆に、今からやらなくてはいけないとアクションプランには書いてあるけれども、例えば、ある時期にそこに人がたくさんいて、試験がパラで進められますとか、そういうものはプライオリティーとしては下げてもどうにかなるかもしれないと思うので、結局、人との兼ね合いもあったりするんですけれども、2030年までに絶対これを仕上げなくてはいけないときに、今、絶対何をすぐスタートさせなくてはいけないかということを少しどこかで議論して、ロードマップにどう具体的に入れ込むかということが必要かなと感じたりしています。
【岡野主査】  特に重要な項目として、例えばダイバータみたいなものが挙げられていますよね。あの辺を見直せばいいのかなと思いますが。
【柏木委員】  それを明確にするというのが、ロードマップに反映されてくるのか。本当に具体的にこうする、理想的にやるものと、実際にもうこれでいきますというものを分けて書くのか、そこはよく分からないんですけれども、1つは理想的に全てのアクションプランをまとめたようなものがあってもいい気はするんです。理想的にはこれでいきたいというのが1つあったらいいと思うんですけれども、実際にはお金と人とでそうはいかないときに、絶対我々としてはここをスタートさせなくてはいけないというものの優先順位付けは必要なのではないかなと思うので、それをどこにどう載せていくのかなという疑問があります。
【岡野主査】  アクションプランに沿ったロードマップを作るのは、比較的スムーズだろうと。
【柏木委員】  それは大事なことだと思うんです。これが理想像だというのは大事だと思います。
【岡野主査】  優先順位を付けて、これは遅らせていいんだというものを、アクションプランからずれて作るとなると……。
【柏木委員】  遅らせていいのではなくて、優先順位は、結局、絶対どれを始めなくてはいけませんかということをよく考えなくてはいけない。だって、これは我々の各分野の希望が全部入っていますから。実際には、決してそうはいかないわけで、今言ったように、どこかで詰めてやればできる項目だってあるかもしれないときに、絶対近々からこれはやらないと2030年には間に合わないものは、やはり早めにやらなくてはいけないと思うんです。
【岡野主査】  皆さんはそれを考えて書いていただいていると私は思っていたんですけれども……。
【柏木委員】  考えているんですけれども、その中では全てにお金が付くわけではないし、人もいないので、そこのところでどうやりくりしますかという議論は、まだ全体としては余り深まっていないのかなと思うんです。
【岡野主査】  それはないですね。
【笠田主査代理】  今の柏木委員の御意見が私の言いたかったことで、アクションプランというのは、ロードマップの骨格が全部入っていて、足りない議論はシナリオ分析的な、こういう場合にこう進むべきとか、正にここに書いてある核融合開発のビジョンですよね。これは、我々が今ベストな形で進む場合のビジョンしか共有できていなくて、でも、いろいろなリスク要因はプロジェクトの中にあって、それに対応するようなものを、多分企業さんとかではそういうプロジェクトマネジメントをやられていると思うんです。そこの感覚が、今、それぞれの項目別の本当に理想像を書いているだけなので、これが実際ロードマップとして一般に認められるには、こういうリスク回避の方策があるんだねとか、ビジョンとシナリオというか、シナリオと言うと誤解があるかもしれないですけれども、そういうところがビジョンなのではないですかね。では、具体的に何を示すべきなのというと、結構大変な作業になるような気がしてくるんですけれども。
【岡野主査】  クリティカルパスは何ですかという質問はよく受けるんです。
【笠田主査代理】  私もよく受けます。
【岡野主査】  そうなんですよね。正直言えば、今はそれが全部うまくいくことになっている。例えば、最大のクリティカルパスはITERが成功することになっていますよね。SAだって成功することになっているし、成功すると思うんですけれども、難しさは、要はこのタスクフォースみたいなところで、それぞれが失敗した場合を描けるのかと。
【柏木委員】  失敗ではないです。
【岡野主査】  遅れた場合とか。
【柏木委員】  私が言いたかったのは失敗ではなくて、今、皆さんは、多分人の配分とかお金のこととかを考えずに、一番の理想像でこうしたらいいというものをそれぞれ出されている。けれども、実際はそうではないので、ロードマップというか知りませんけれども、まずアクションプランに基づいて、これが理想形ですというものはまとめた方がいいと思うんですが、その上で、全てに人もお金も付くわけではないので、どこが優先順位ですかというものは明確にしておくのが大事かなという気がする。
 ロードマップに対して、これは先にスタートしましょう、これは遅れますけれども、それはどこで詰めますかというのは、多分毎年とか、どこかで議論しながら、中間レビューとかにどう間に合わせていきますかという議論はできていくと思うんです。正に、さっきおっしゃったスタートをいつにするかというのを優先付けするというようなイメージが必要かなと思うんです。
【岡野主査】  今、人は付かないからとおっしゃったけれども、まず、どれぐらい人がいるかが算定されていないんですよね。
【柏木委員】  そうですね。
【岡野主査】  これから人材を数えていただいて、どれぐらい必要で、いつ、どれぐらい雇い入れていただかなければいけないかとか、どこかから連れてこないといけないかというのは、これから始まる作業です。まず、それを算定しなければいけないし、その人材を算定したからといって、その人が必ず採れるとは限らないんですが、逆に言うと、付けられないと、どんどん遅れてしまいますよね。その対策を立てるのか、あるいはその人材は得られるものとして、ロードマップをまずは描いてみるのかという選択肢だと思います。
【柏木委員】  そうだと思います。人をここで何人採りますかみたいな細かい話はできないと思うので、ここの場では、優先順位とかが分かりやすくなっていれば、いろいろ考えやすいのかなと思います。
 そういう意味では、もう一つの軸になっているアウトリーチ活動との連携、シナリオの連携も非常に重要ですよね。いつまでに人を何人、どのぐらいの規模で増やさなくてはいけないかというと、かなり宣伝活動をしなくてはいけないと思います。
【岡野主査】  そのアウトリーチというのは、学術内でのアウトリーチですよね。
【柏木委員】  1つ、理想的なマップはあった方がいいと思うんです。
【岡野主査】  まず、理想的なマップが今ないというところからスタートしているので、先に、まずアクションプランに沿ったロードマップが1つあった方がいいのではないでしょうか。
【澤委員】  それをロードマップと呼ぶかどうかは置いといて、これをまとめて、そこに、今言われたリソースの山谷が可視化できることで、どういう開発ビジョンを立てなければいけないかというのが見えてくる。今、多分これだけでは見えてこないですね。
【岡野主査】  どう進めていけばいいのか、私は見えていないんですけれども。
【柏木委員】  まず、理想像は絶対必要です。そこを目指すという姿勢はすごく大事ですけれども、そこから後は現実的にどういうふうにするかをもう一つ何か。
【石井委員】  基本的には、ロードマップはそんなに動かさないわけですね。
【岡野主査】  動かしたくはないです。
【石井委員】  ロードマップを実現していくために、私は、アクションプランというものを適宜修正していくものだと思っていたんですけれども、それはそういう理解で……。
【岡野主査】  そういうロードマップであれば、そんなに細かくない、大きなロードマップで、昔、1ページにあったようなロードマップになりますね。
【石井委員】  それで、2020年、あと幾つか中間チェックアンドレビューの項目があって、あれを全部クリアしていかないといけないわけですよね。そのための具体的な活動の方針は、アクションプランで毎年か何年かで具体化されていくんだろうかなというイメージを私は持っていたんですけれども、今の議論はそういう議論ですか。
【柏木委員】  はい。
【岡野主査】  優先順位はどうしますか。つまり、後で集中すればできるかどうかというのは、難しい判断ですよね。お金を掛ければできるのかな。
【石井委員】  そんな短時間には無理かもと思いますけれども。
【岡野主査】  例えば、石井委員がいらっしゃるから言うんだけれども、シミュレーションだったら、100倍の人を雇ったら100倍の速度で進むんですかというと、そうではないような気もするんですよ。
【石井委員】  全然違いますね。
【柏木委員】  あるものとないものがあるということを……。
【岡野主査】  でも、集中してできれば、やれるのではないかと言われそうなものがシミュレーションのような気がするので、何か違うのではないかなというイメージを持っている。でも、実験は確かに、例えば材料なんかは、照射なんかは間違いなくやらなければいけない。これは非常にクリアなものですよね。そういうものは確かにあるんだけれども、主にそれはアクションプランに既に反映されていないですか。例えば、2030年にA-FNSを動かしてくださいねというのが書いてありますけれども、それはそれよりも前に越したことはないけれども、後だったら間に合わないということですよね。そういうものは反映されているような気はしているんですが。
【柏木委員】  そうですね。
【笠田主査代理】  例えば、物が必要、ハードが必要になるものを特出しして時系列で並べていくと、実際にリソースがどういう配分になるかが見えてくると思うんです。大体の各項目において、トピックス的なハードウエアがかなり入っていますよね。そういうものを基準に書いてみるロードマップというものも……。
【岡野主査】  それは多分、建設開始とか運用開始とかいうマイルストーンがここに入るんですよね。
【笠田主査代理】  どういうものを作ろうとしているのかというのが、研究者にとっても、社会にとっても、企業、産業界にとっても一番見えやすいロードマップだと思うんですよね。核融合原型炉にとって必要だから、そのものを作るわけですから。前の推進方策のときの1枚のロードマップは、何となくそういうイメージだった気がしているんです。そのときよりは、物に関しても、もうちょっと細かく書けるとは思うんですけれども。
【岡野主査】  あれは、物は確かに、ITERと60ぐらいしか書いていないですね。
【笠田主査代理】  あとIFMIFとか。
【岡野主査】  IFMIFか。あの3つしかないですね。
【笠田主査代理】  いや、ほかにもLHDとか、ちゃんと書いてありました。
【岡野主査】  なるほど。今回、そういったものがかなり細かくは押さえられますね。
【笠田主査代理】  今回、ハードウエアが全項目に分散してしまって、どういうタイミングで何を導入してほしいのか、我々が見ても、今のところ、ぱっと分からないので、産業界さんなどは、特にそういう計画が多分非常に重要な見え方かなとは思うんです。例えば、10枚あるうちの1枚はそういうまとめ方があった方がいいという程度の意見かもしれないですけれども。
【岡野主査】  ものを作るマイルストーンは絶対に要るでしょうね。それは入っているべきですね。
【笠田主査代理】  はい。
【竹永委員】  マイルストーンもそうですけれども、ロードマップというのは、やはり戦略が見えないといけないと思うんです。アクションプランは、どちらかというと、こういうことをやらないといけないというものを、結構広めにというか、オーバーオールに書き下しているものだと思うのですけれども、これを戦略としてどう策定するのかというところは見えていないので、そこを明確にするのだと思うんです。そうすると、マイルストーンをきちんと定めないといけないし、それに向けて、何をやらないといけないのか。そういうものを考えていくと、やはり選択ということは出てくるのではないかと思うんです。今は、割といろいろなことが書いてある中で、本当にマイルストーンを達成するのにはどれとどれを選択してやっていかないといけないのかというところは、もう少し明確に出てこないといけないと思うんです。もちろん、時系列もあって、ここの項目をやって、次にこっちの項目に移るとか、そういう戦略が見えてくる形でまとめていくのかなと思います。
 優先度を明示するというのもなかなか難しいと思うのですけれども、優先度の高いものだけが並んでくるようなイメージになるのかなと思います。必ずしも、今のアクションプランを全てロードマップに組み込まないといけないというわけではないと思います。
【岡野主査】  見えてなくても、入ってはいることになりますよね。消えてしまうと、まずいような気がするんです。
【竹永委員】  でも、中には消えるものもあると思います。精査していって、こういう戦略でやっていったときに、それがどうしても必要なのかと考えて、必要でないものも中には出てくるのではないかと思います。
 あとは、責任を持つと期待される機関をどこまで限定というか、実際にやってほしいという指示を出せるかというところに結局関わってくると思うのですけれども、そこはなかなか難しいところだと思います。実際に、誰がどう指示を出せるのかというところがあるので、本来は、ロードマップの中では、ここがやりますというのを、ある程度やる方も認めた上で書ければ一番いいのでしょうけれども、そこはなかなか難しいところかなと。責任を持つと期待されるというところは、実際に責任を持つ機関とどこまで限定できるのかというのは、難しいところかなと思います。
【岡野主査】  コアチーム報告のときには、ロードマップの定義の中に、ロードマップを作ったら、それはそのように国として実施するんだという決定を伴うという定義でしたよね。今の段階で、それはちょっと難しいかなという気がしているんです。
【竹永委員】  国として、どう考えるかというところにもよってくると思います。
【岡野主査】  このロードマップを作ったら、そのとおりやりましょうとは、多分言ってもらえないので、現状では、飽くまでもこういうふうにという希望としてのロードマップにしかできない気はするんです。ただ、確実にやらなければいけないのは、20年、25年のチェックアンドレビューはちゃんとクリアしていくということが大事で、それは言い訳はできなくて、少なくとも必ずクリアできるようなロードマップは示していく必要があるんです。
【笠田主査代理】  希望感はあるにしても、現状、このアクションプランの中で、例えば特別チームは確実にやることが決まっているわけじゃないですか。あとはQSTさんがITERに関わるミッションとしてとか、そういうところでやるところは、例えば色付けすれば、やることは決まっている。要するに、赤、黄色、青とかやれば、青はもうやっているとか、色付けしていくと……。
【岡野主査】  それはフォローアップの話ですね。今やっている、既にやっているとかね。
【笠田主査代理】  ええ。ロードマップで確実に書けるものはやっているものであって、各機関なり組織がやると期待しているところも、責任を持ってやる気があるということを明示しているわけですから、ロードマップに書けますよね。一番問題なのは、今のところ誰も、やる気がないということはないと思うんですけれども……。
【岡野主査】  ないということはない。やる気はあると思います。
【笠田主査代理】  やる気はあるんだけれども、リソースがない部分をロードマップに書いたからって……。
【岡野主査】  リソースの保証がないということですね。
【笠田主査代理】  保証がない。そうです。それを求めていくためにロードマップに書くというと、それはアクションプランと何が違うのという感じになってきてしまうので、結局は、そこは見せ方を変えるということですかね。
【石井委員】  主体的に手を上げる組織がなかったとしても、必要なことは書いておかないと、本当にこれで核融合炉ができるのかということになりますよね。
【岡野主査】  ないところが一番重要なんですよ。項目で、今やっていないというところは特に強調して書く必要はありますね。
 ほかに御意見はありますか。この議論を続けていっても7時までに終わると思えないので、今の御議論を聞いて、私、考えが甘かったなと思っているのは、8月に「ロードマップのフォーマットを検討」と書いたんですけれども、フォーマットを検討する前にやることが随分とありますね。ここでフォーマットを決めて、はい、じゃ、みんなでやりましょうというような感じではないことが今認識されたので、8月中というところは8月から10月の間に入れて、項目ごとかどうか分からないですけれども、ロードマップ案を少しみんなで練るという回をやっていきたいと思います。
 タスクフォースは、次回は11月ぐらいしか開けないはずですね。ですので、申し訳ないですけれども、また非公式にやったり、あるいはメールベースでやったりする作業をしていただかなければいけないですけれども、まずは10月に第1案の形は整えるぐらいのつもりで、フォーマットの検討というのは一度棚上げします。フォーマットは自然に決まってくるものだと思うので、皆さんと議論させていただく中で決めていきたい。今だと、8月中だと集まるのは難しいかもしれないので、9月ぐらいから大急ぎで始めるぐらいのつもりでやりたいと思います。また御連絡いたしますので、御協力をよろしくお願いします。
 場合によっては、項目ごとにやっていかなければいけないところもあるだろうし、でも、最初から項目別ではうまくいかないと思うので、アクションプランを見ながら、ここは拾わなければいけないねというものをチェックするところからやっていってはどうでしょうかね。
【池辺委員】  最終的には何のためのロードマップができればいいのかというところのコンセンサスが得られればいいんだと思うんです。
【岡野主査】  そうですね。
【池辺委員】  参考資料2を見ていて、これはどういう目的でこのようになって、これを策定した後にどのように使われたのかなというのが気になったんですが。
【岡野主査】  この前のロードマップですか。
【池辺委員】  そうです。
【岡野主査】  これは、核融合エネルギーフォーラムがボランタリーベースで作ったもので非公式なんです。ただ、ITER・BA技術推進委員会から依頼を受けて作ったのは事実なんですけれども、フォーラムの中で作ったもので、これは作りましたけれども、例えば文科省さんとかにアプルーブはされていない。ITER・BA技術推進委員会でも、受け取りましたと言われただけという位置付けなので、今見れば、余りこれに沿って計画が進んだ感じではないのは事実ですね。だから、こうならないように、きちんとアプルーブしてもらえる方向にできるだけ持っていけるものにしたいと今思っているわけです。
【池辺委員】  そうすると、活用実績とかは余りないと。
【岡野主査】  それを言えば、活用してもらった例は結構あります。予算申請をするときに、このロードマップに書いてあるので、ここを申請したいといった申請をしていただいて、QSTさんもそうだし、NIFSさんなどもやっていただいて、うまく使っていただいていると思います。
【池辺委員】  分かりました。
【岡野主査】  本当は、そういうふうにアクションプランを使ってもらいたいですよね。
【笠田主査代理】  例えば、この原型炉設計、0番のところのアクションプランを基にロードマップを作ったら、どういうイメージになるのか。要するに、ほかのR&Dの部分はリソースのこととか出てくるんですけれども、ここだけは間違いなく炉設計は進めていくわけじゃないですか。だから、ここだけでロードマップを作ると、岡野先生の中ではどういうものになることが想定されるのかというのをお見せいただけると、ほかの部分の肉付けとかもしやすいのかなと。
【岡野主査】  そうでしょうね。炉設計から始まらないと、しようがないでしょうね。だから、0番なんですもんね。私の考えというよりは、皆さんでやっていかなければいけないけれども。
【笠田主査代理】  もちろんそうなんですけれども、ここは多分合意が取れると思いますし、すぐでもないかもしれないですけれども、作れるような気はするんです。
【岡野主査】  特別チームとも調整していますから、ここはできると思いますので、ここを書いて、それに下から肉付けしたり、矢印が上がったり下がったりというものを作っていくと、できるかもしれないですね。それは、ちょっと光が見えますね。どうしようかと思ったんですけれども、分かりました。では、最初はそこからスタートして、炉設計の形をまず作ってみて、そこから肉付けしていくというやり方で、どれぐらいのスケールになるかも、その議論の中でしながら。
【笠田主査代理】  取っ掛かりがないと、やはり難しい。
【岡野主査】  そうですね。ただ、方向としては、やはりアクションプランよりはシンプルで見やすい、恐らく内容は凝縮されたもの。実は、ほかのところの議論で、もっと詳しいものになるんじゃないのと期待されていたのもちょっと聞いたので、その期待には反するんだけれども、アクションプランは最も詳しい計画であって、これを実現するためのロードマップを見やすい形で作るという方向にしたいと思います。
 それでは、今、いい出発点を与えていただいたので、まずは何人かで集まって炉設計のところを作って、第1回にはそれを、全く案ですけれども、お見せして、皆さんで肉付けするみたいな感じにしていくというのでいかがでしょうか。
【西村委員】  自分に対する確認も込めて、ごめんなさい。今の議論をずっとお伺いして、私流の理解はアクションプランの上にロードマップというイメージを何となく捨て切れないんですよ。
【岡野主査】  アクションプランの上ということは。
【西村委員】  上という言い方がよくないのかも分からない。シンプルなものという言い方になるか。
【岡野主査】  シンプルというか、つまりアクションプランの上に表紙として載っているぐらいの感じなんですか。表紙というか。
【西村委員】  それよりは2枚か3枚かあるかも分かりませんけれども、少なくともアクションプランというのは、正にある種の細分化されたもので、ロードマップというのは、やはりそこにストラテジーや、竹永さんがおっしゃった、そこに戦略なり、方向性なりというものが集約されているというか、そういう意味で、アクションプランの上位とかいう、上か下かという言葉はよくないかも分からないけれども。
【岡野主査】  それは、おっしゃるとおりだと思います。私もそう思っています。
【西村委員】  だから、何となく私はそういうふうに思う。皆さんのお話を聞いて、柏木さんのおっしゃるのも分かるんだけれども、やはりストラテジーという以上はオーバーオールに一応はカバーされていないと、ロードマップなのに、抜けていましたというような言い方になったときには困るじゃないですか。
【柏木委員】  そうですね。だから、全体像の理想形と、その戦略をどうするかというのは1つになるのかなと。そこはちょっと難しいかなという気がするんです。
【西村委員】  私が申し上げたかったのは、余りにも細かくならないような配慮は必要。同時に、余りプライオリティーとか、今あるとかないとかを気にし始めると、オーバーオールに見えなくなっていくのではないのかな。
【柏木委員】  ロードマップというと、そうですよね。
【西村委員】  ごめんなさい。持っているイメージが多少ずれているかもしれないですね。
【柏木委員】  そうですね。私が言っているのは、正に計画書みたいな、実施するための具体的な計画書にもっと近いものを言っているのかもしれないです。
【西村委員】  私は、計画書の前に、方針……。
【柏木委員】  そうそう、方針ということですよね。
【岡野主査】  柏木委員がおっしゃっていたロードマップは、多分メーカーさんなどが本当にプロジェクトを進めるときには、ここができなかったら、どっちへ行くのというのまで全部あるものでなければならなくて、正しいと思うんですよ。
 ただ、問題なのは、全部がうまくいったときのロードマップはまだないので、それを先に作って、それを作って見てみると、ネックというか、クリティカルパスなのはみんな分かっているけれども、実を言うと、ほかにもクリティカルパスは多分幾つもある。それを見付けてきてから、クリティカルパスは何ですかと聞かれたときに、まず答えられるようになるものを作ってから、そのクリティカルパスは何かのときに、困ったことが起きたときには、ほかの解があるのかないのか、それは次に考えたらいかがでしょうか。実を言うと、余り逃げ道はないようには思うのですけれども、その場合は、原型炉が遅れるという選択肢でしょうね。そうなってしまうのか。多分何かが起こっているのに、うまく逃げて原型炉を早く造るという方法はないような気がするんです。それは私の先入観かもしれませんが、まずは、それがうまくいったときのロードマップを描いてから考えませんか。それがステップとしてはいいような気がするんです。
【柏木委員】  そうですね。最初はそれが大事かと思います。
【岡野主査】  そうすると、アクションプランをベースに、1つ上に載っているというものもあると思って。
【西村委員】  上か下かという……。
【岡野主査】  ベースに作って。いや、私がここをうまく整理できなかったのは、アクションプランにあるものも優先順位でなくなるかもしれんとか、道のりが下がるかもしれんと言われたので、それは一気に作れないなというので、迷っていたんです。まずは、アクションプランをベースに、理想のロードマップなんだけれども、それを作って、それによってクリティカルパスをしっかり見て、それから次のステップで、それを回避するロードマップも描くんだったら描くという順番を経ないと無理じゃないですかね。
【柏木委員】  そうですね。
【岡野主査】  それで大体整理されたでしょうか。
【西村委員】  私、自分の整理のために、ちょっとお話ししたので。
【岡野主査】  いや、皆さんの頭にあるものが合意できれば、きょうの議論は、ちょっと時間が掛かりましたけれども、多分非常に有意義だったと思います。目指すものが何となく見えてきた。
【竹永委員】  人それぞれによって、思っていることは多分まだいろいろあると思うんです。さっき、まず炉設計のところを例として作ってみたらという話がありましたけれども、私の炉設計のところのイメージは、一番上の概念設計と工学設計しかないんです。でも、皆さんは多分もっと詳しいことを書こうと思われていると思うんです。
【岡野主査】  概念設計と工学設計が出ているんですか。
【竹永委員】  上の方の。
【笠田主査代理】  ロードマップに出てくるところ。
【岡野主査】  概念設計をして、工学設計をするというところですか。いや、それは一番上ね。でも、その中には、例えばここに書いてあるみたいに幾つかあるじゃないですか。
【笠田主査代理】  だから、そこにマイルストーンとして、概念設計が終わったところで多分ビジョンが出てくるわけじゃないですか。そういうことを書く……。
【西村委員】  だし、これもそうですよね。マイルストーンと言っていいかどうか。
【笠田主査代理】  正に、それがマイルストーン。
【西村委員】  このチェックアンドレビューの項目というのは、やはり意識しておかないと、先ほど澤さんの……。
【岡野主査】  おっしゃるとおり、それは示されるべきでしょうね。ここまでにこれを実現すると。
【西村委員】  関連しているということを認識しておかないと。
【笠田主査代理】  そうですね、そこを明確に。そこが軸になって、各要素技術課題に矢印がいくというイメージに何となくなるのかなとは思っているんです。
【竹永委員】  そういう意味で、大きなくくりから作った方が見通しはいいような気がするんですよね。
【岡野主査】  そうですね。みんなの頭の中が整理されるという意味でも、そこから、それから広げていく方がいいんだと思うんです。
【笠田主査代理】  多分、アクションプランではなくて、社会の人とかコミュニティの人がロードマップを見たときに、結局、アクションプランだと細か過ぎて何が言いたいのか、まず入っていかない人がほとんどなので、いまだにこのコミュニティからアクションプランは何を書いているんだと、散々見せているのに、言われることもありますから、そういう大きなくくりを。やはり1枚を最初に作るのは、我々はみんな見ているから分かるからいいんですけれども、ほかの人にとっては非常に……。
【岡野主査】  できるだけ数枚くらいにしたいですね。
【笠田主査代理】  ええ。
【岡野主査】  アクションプランは、少なくとも1項目1枚にすることができたので、次は更に見やすくという方法がいいのかもしれないですね。
 ありがとうございました。きょうは随分有意義な意見を頂きましたので、それも含めて今後のロードマップの策定作業を進めていきたいと思いますので、どうか御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、実は、まだ議題がありまして、アクションプランのフォローアップ方策についてという議題が(4)番にございます。
 最初に、委員各位の御協力により見直しを行ってきましたアクションプランは、今月14日の核融合科学技術委員会において、現時点のものとして承認されましたことを御報告します。今後重要になってきますのは、チェックアンドレビューに向けて、着実にアクションプランを実施していくということになります。そのため、アクションプランの実施方策について責任を有している本タスクフォースとしては、関連機関によるアクションプランの実施状況について把握し、必要な助言を与える必要がある。そういう立場がタスクフォースですね。
 本日は、そのようなアクションプランのフォローアップ方策について御審議をお願いしたいと思っておりまして、案を作ってまいりましたので、最初に事務局の方から資料の御説明をお願いします。
【野田専門官】  資料4です。1.は、先ほど主査から御説明があったとおり承認されたということで、2.のフォローアップの必要性のところも既に議論が進んでおりますとおり、チェックアンドレビューに備える必要があって、このタスクフォースでそれをフォローアップしていく必要が、原型炉開発の司令塔として、オールジャパンの立場から把握していく必要があるということでございます。
 3.のフォローアップ方策は、(1)でアクションプランの項目、0.炉設計から14.のレーザー方式の15項目までを単位として行うと。
 (2)具体的な方法は、タスクフォース委員のうち、アクションプランの各項目に最も知見のある委員等が中心となり、関係機関の活動状況を、機関からの情報提供やヒアリングを通して取りまとめ、報告を行う。
 (3)スケジュールの方は、第9期タスクフォースの設置期間、2019年2月14日までですが、の間に各項目一通りについてフォローアップを終了し、必要に応じて関係機関への助言を行うということでございます。それによって、2020年頃に予定されるチェックアンドレビューに備えるということです。
 資料の説明は以上でございます。
【岡野主査】  ありがとうございました。このような方向でやっていきたいと考えているんですが、御意見がありましたら、お願いします。
 ここに書いてある最も知見のある委員等と書いておりますのは、御想像のとおり、それぞれの担当していただいた方が今回も中心に、ただ、その人に全部ということでなくて、その人が集めるのではなくて、担当者になった方がきちんと各機関に、フォローアップ用の資料を出してくださいね、そして、それを出してもらいましたね、早く出してくださいねという、そのフォローをする役です。その人が全部書くという意味ではなくて、機関が出してくれる。もちろん、一つに束ねないといけないと思いますが、そういった役目をしてもらえないかなということでございます。
【坂本委員】  アクションプランの責任を持つことを期待される機関というのは、確かに潜在能力としてできるところもありますが、NIFSや大学に関しては、恐らく当事者である認識はないと思います。実際、NIFSに関しても、ここにNと書いてあっても、この項目はNIFSが責任を持ってやるべきことだという認識は全くないと思いますし、大学でも状況は同じだと思います。
【岡野主査】  全くは言い過ぎじゃないですか。
【坂本委員】  しかしながら、それは強制力があるものとは思っていないでしょうし、チェックアンドレビューの項目を見ても、やはり大学やNIFSが必ずしも何らかの形で関われるような形には多分なっていないようにも思います。そこはどういうふうに考えれば良いでしょうか。まず、本当に責任を持つところをちゃんと定義しないといけないように思います。
【岡野主査】  でも、責任を持つのは、今、予算の保証もなく定義するのは非常に難しいので、飽くまでも期待されている機関と言うことしかできないと思うんです。私も、おっしゃるとおりの懸念は持っています。
 特別チームに関しては、実は、きちんともう既にフォローアップ用の資料が出てきていたりするんです。彼らはそれをメーンにやっているので当たり前なんですけれども、ここまでできていますという表になっていますから、例としてお見せするのは非常にいいものがもう既に出てきています。
 ほかの機関に関しては、必ずしもそんなものはもちろん作っていないと思うし、おっしゃったとおり、そもそも自分のところの責任だとさえ思っていないかもしれないですけれども、実は、フォローアップの一歩目の役割というのは、フォローアップに来ました、やっていますかと聞かれるところにかなり意義があるという気がするんですよ。アクションプランは文部科学省で認められたものですから、これに沿ってフォローアップしたいんですけれども、どう進んでいますかと聞かれたときに、ひょっとしたら、いや、うちは一切やっていませんと答えるかもしれない。そんなことはないと私は信じたいんだけれども、答えれば、それはそれで、何もやっていないですねというフォローアップになるわけです。それをやるのが第一歩かなと。きっと、さすがに何もやっていないですねと言われたくはないので、きちんと……。絶対何か、関連するものをやっているはずなんです。それをきちんと整理して、出してきてもらえないかなと考えているということです。それぞれのところで、ここに書いてあることを何一つやっていないということはないような気がするんですよね。やれていないものもあるとは思うんですけれども、ゼロ回答というところはないような気がするので、やっているものとやっていないものを分けて書いていただけないかなと。それを書いていただくことによって、こういうことを聞かれるということは、つまり責任を持つことが期待されている機関なんだなという認識を持っていただけるチャンスになるのかなと思っています。
【坂本委員】  大学の場合は、不特定多数になるのではないでしょうか。
【岡野主査】  そうですね。それは非常に難しいと思います。
【坂本委員】  その場合は、どういうふうに考えればよろしいですか。
【岡野主査】  大学の場合は、ここはそれぞれ御担当が一番苦労されなきゃいけないところだと思うんですけれども、キーパーソンとなる先生に打診していただくというところではないでしょうかね。
【松浦戦略官】  今のアクションプランのフォローアップは、むしろ現状を把握して、本来は大学が自主的にやれればいいとは思うんですけれども、多分研究費がないと恐らく難しいと思うんです。それはロードマップの議論に多分発展していって、逆に、大学がうまくアクションプランに書いてあることを実際に研究しようと思うと、それに対してファンディングをどうやってするかとか、そういう議論に発展して、それをロードマップに恐らく反映するというか、書かないと、多分大学でそういう研究をするように持っていけないはずなので、ロードマップは、優先度なり戦略というのは、大学なりNIFSなりに、こういう研究をむしろして、成果を出して研究費につなげていくという、そこの意図なり、やり方がロードマップに入ってこないといけないと思う。
 現状、大学と書いてあるから、やっていないでしょうと責めるのではなくて、むしろ、今も既にある程度研究費がBAなりから出てはいると思うんですけれども、現状の状態でここまでできているけれども、更にアクションプランを達成しようとすると、更に追加のファンディングなりが必要なのでというのを、ある程度あぶり出すための作業だと思っていただいて、実際、それをどうやってやるのかというのは、ロードマップのときに、むしろそこをしっかり明記していくということなのかなと。そういうものがないと、最終的な予算要求をして予算を取っていくにしろ、なかなか足りないということになるので。
【岡野主査】  ありがとうございます。そのとおりですね。
 逆に、今はできていないのであれば、できていない理由を分析して、必要であれば予算を申請するという一つのきっかけにできるようなものであればいいかなと思います。
【西村委員】  今の中で言葉の問題ですけれども、アクションプランのフォローアップであって、ロードマップのフォローアップとはちょっと違うと思っているんです。今の戦略官の話も、要はアクションプランに対するフォローアップ。
【岡野主査】  もちろん、そうです。
【西村委員】  だから、いわゆる各論の部分。でも、大きな方針を言っているロードマップに関してのフォローアップというのは、ちょっと視点が違う。
【岡野主査】  これは、アクションプランのフォローアップであって……。
【西村委員】  そうですね。アクションプランのフォローアップを……。
【岡野主査】  ロードマップは、アクションプランを着実に実施していくことでロードマップを実現していかなければいけない。それをフォローアップするのは、タスクフォースではなくて、今はまだ決まっていないですけれども、科学技術委員会とか、そういったところが議論していくべきものなのではないかと思います。
【西村委員】  そのとおりです。
【松浦戦略官】  まだロードマップはない状態です。2.にも書いてあるように、チェックアンドレビューに向けて、進捗状況を確認していくと。さっき、最後のロードマップの議論のときに出ましたけれども、チェックアンドレビュー項目の表を達成するために、どうやってめり張りを付けるかとか、やり方をどうするかみたいなものが、ある種ロードマップのイメージに、さっき、ややコンセンサスとしてあったのかなと思いますので、そういうふうに、このフォローアップ自身がロードマップの策定に非常に役に立つという作業ではないかなと思います。
【澤委員】  ある時期に、電話して、何々先生、これはどうなっていますかと言うのではなくて……。
【岡野主査】  いや、それは無理だと思いますけれども。
【澤委員】  こういうフォローアップをこういう時期にするのでという予告をする期間がまずあって、その間に先生方がやらなければという使命を受けて動いて、それをフォローアップするということなんですね。
【岡野主査】  そういうことですね。
【竹永委員】  立場がよく分からないのですけれども、大学の先生だけではないかもしれないですが、別にアクションプランと関係なく研究をやっているという認識の人たちが多分ほとんどだと思うんです。そんな人たちに、いきなり、アクションプランのことをどこまでやっていますかと言うのも変ですよね。あくまで、どういう研究をやっていますかというのを聞いて、それが、我々が考えているアクションプランの中で、どれだけ、どこにはまっていて、結果的にアクションプランとしてどこまで進んでいますかというのを我々が判断するという意味合いでいいんですかね。
【岡野主査】  はい、そうだと思います。そういう聞き方がいいと思います。私、さっき言い方がよくなかったかもしれません。
 大学に対しては、大学など、どこの研究機関でもそうですけれども、アクションプランはこうなっていますけれども、やっている内容で適合するところがあったら進捗を教えてくださいという言い方でしょうかね。あとは、本来やるべきだと考えていて、アクションプランにも書かれているけれども、ここは手が付いていないんだと。でも、我々はやりたいと思っているというものがあったら教えてくださいという言い方だと思います。やるべきだと言う権威は、残念ながら、ないので、現状では、どこまでアクションプランに沿ったことが現実にできているか教えてもらうという立場だと思うんです。
【池辺委員】  やるべきだという人がいないと、アクションプランと現実のギャップは埋まらないですよね。そこは、ここのタスクフォースのそもそも論かもしれないですけれども、どういうふうにこのアクションプランが……。
【岡野主査】  難しいんですけれども、お金もないのに、やるべきだと言われたら、誰もできないんですが、特別チームは義務感を持ってやっていますね。そこから、例えば幾らかの研究費をもらってやってくださっている先生方もいっぱいいらして、そういったところからはきちんとしたアウトプットが出てくるし、義務感を持ってやっていただいていると思います。それを超える部分については、現状では、やるべきだと言える人はいないんですが、私の理解では、核融合研究をしていて、核融合炉を目指していないですという人はいないので、アクションプランに沿ってやってほしいと言えば、ある程度合わせてくれる人たちも多いのではないかなと思います。
【竹永委員】  ここに助言と書いてあるので、強制はできないけれども、こういうことをやったらいいんじゃないですかという話も含めてフォローアップするということですよね。
【岡野主査】  そういうことです。
【竹永委員】  そういう議論の中で、どんどん相手の、大学の先生とかがやる気を出して、うまく我々の要求とマッチするような研究の方向を作っていければということですよね。
【岡野主査】  大学は自由であることも重要だし、そこは守っていかないといけない部分もあるので、本当に絶対実現しなければいけないようなキーは、やはりQSTとかNIFSとか、そういうところが、特別チームが責任を持つとかいうふうにやっていかないと難しいと思うんです。
【石井委員】  我々でできないところは、やってくれそうな大学の先生を我々が見付けて、お願いしに行くんですかね。
【笠田主査代理】  そこの予算というか、リソースの配分の仕組みというのは、こういうものから課題をあぶり出す。濃淡が絶対出てくると思うので、フォローアップしたときの薄い部分をどのように埋めるかという共同研究なり、制度設計につながっていくものと、大学の人間としては期待するところもあります。
【石井委員】  それは、今、特別チームが有償の共同研究でやっているものが、もっと拡大していくんだと思います。
【笠田主査代理】  BAのときに、我々材料の分野では、元々核融合材料に興味もなかった先生たちがどんどん入ってきて、幅広く設計に寄与するような材料技術の開発が一気に進んだところがあります。金額としてはそんなに大きなものではないですけれども、そういったものがどんどん広がっていけば、決して大学のミッション、自由な研究とも齟齬(そご)しないものができるのではないですかね。
【竹永委員】  フォローアップするのに、実際に先生に会いに行ったりとか、話をしたりとか、多分しないといけないと思うのですけれども。
【笠田主査代理】  うまくフォーラムとか、そういう会合で……。
【竹永委員】  ちょっと大変な話ですね。
【岡野主査】  確かに、おっしゃるように、実現するのは、実施は難しいですね。余裕があるのかという話になってきてしまう。
【竹永委員】  どこから出るのかなと。
【笠田主査代理】  私も、どこで会えるかなと考えながら、話を考えていたんですけれども。
【岡野主査】  それは何かお考えはありますか。例えば、フォーラムでフォローアップのための会とかいうものをやるとか、何かそんなのですかね。
【松浦戦略官】  既に幾つか会合をセットしていますけれども。
【笠田主査代理】  ダイバータは、既に正にフォローアップ……。
【岡野主査】  ダイバータは、その部分で余り心配はないですね。
【松浦戦略官】  何かの会合のマージンを使って会う以外に、又はメール、電話ぐらいかな。
【岡野主査】  そういうことですかね。特別チームとの契約があるところは大丈夫だと思うんですけれども、全く契約もなく独立してやっていらっしゃる大学の先生方も、フォローアップの対象に入れるのかどうかを決心しておいた方がいいかもしれませんね。どこまで入るかというところですかね。
【柏木委員】  確認なんですが、これを御担当の方が作ったときは、この分野はこの大学がすばらしいからとか、ここのお力をかりなくてはいけないからとかいうので入れているんですよね。
【岡野主査】  そういうことですよね。
【柏木委員】  そうですよね。だから、その範囲の中で、頭に来ている機関が、それも含めて段取りするということでよろしいんですかね。連絡を取って、強制力はないけれども、今やっている範囲のものをお願いしますとか。
【岡野主査】  QSTとかNIFSとかが入っていれば、そこが動いてくれるのが理想的です。それも強制はできないけれども、きっと協力してくれるのではないかなと思っています。
【柏木委員】  逆に、ここにこう書かせていただいているので、そちらでもうまく使ってくださいとか言いながら、協力を得ていくということですかね。
【石井委員】  このアクションプランを作ったときは、割と理想論的なところがあったと思うので、必ずしも全項目、活発に活動がされているというわけでもないと思うんですけれども。
【岡野主査】  それはそれでいいんです、そういうものが見えれば。見えることが大事だと思います。
【石井委員】  担当としても、期待される機関ということなので、働き掛けていくということなんだと思いますけれども。
【岡野主査】  そうしましたら、念のために、皆さん、どこに当たっているかは何となく想像されていると思うんですが、たしか表がありますか。念のために表を、一応皆さんが合意いただけるならば、作ってはいるんですよ。
【西村委員】  担当者制度。
【岡野主査】  いや、その人が全責任を負ってくださいというのではなくて、みんなでやりますけれども、一応連絡の中心となっていただく方という形で、多分意外なところに載っている方はいらっしゃらないような気はするんですが、こんな感じかなと思っています。
【澤委員】  これもあわせて、どんなフォローアップをするかというのを各分担で考えて、次回の9月の回とかで……。
【岡野主査】  最初なので、ともかくフォローアップしてみて、非常に不足なところとか、フォローアップすることが難しい機関とか、いろいろ出てくると思うので、それをまずやってみるということでよいと思いますが、次も……。
 これは、いつまででしたっけ。スケジュール的には、今年いっぱいぐらいですよね。このスケジュールはいつでしたっけ。いつまでにフォローアップを終了すればいいんでしたかね。やはり今年ですか。
【澤委員】  再来年の2月。
【岡野主査】  それでいいのかな。19年2月まででいい……。
【西村委員】  19年だから……。
【岡野主査】  再来年ですね。
【西村委員】  再来年の2月。
【五十嵐オブザーバー】  でも、さっき戦略官は、それをロードマップに反映してという言葉があったので、もうちょっと説明していただいた方がいいかと。口を出してしまって、すみません。
【岡野主査】  さすがに、2年後は遅いような気が私もします。
【西村委員】  終わってしまいますよ。
【松浦戦略官】  元々はチェックアンドレビューに向けてという趣旨で書いていたと思うんですけれども、ロードマップの議論に発展させるためには、現状、アップだけでも早めに作り替えた方が、恐らくいいかと思います。
【岡野主査】  そうですよね。やはり11月のタスクフォースを目指すぐらいのつもりかなという気はしますけれどもね。
【澤委員】  現状把握。
【岡野主査】  現状把握と、少なくとも、そこまでにある程度のフォローアップはしていて、科学技術委員会に報告しないといけないんですよね。
【松浦戦略官】  ロードマップの策定自身もかなりアグレッシブなスケジュールかなと思いますので、スケジュールありきよりは、まず先生方のロードマップ……。
【笠田主査代理】  要するに、フォローアップのまとめ方なんですけれども、きちんとできている項目は、数値目標というか、目標と達成度が見えないとフォローアップになっていない気がするんです。ここでやるべき項目は書いてあるんですけれども、具体的な数値目標とかは、このアクションプランには大体の項目においてないので、せっかくフォローアップするんだったら、だんだんそうやって詳細化していくと、技術マップというか、そういうものとしては非常にいいものになると思います。できているものとできていないものの濃淡が激しくなっていくとは思うんですけれども、そういうあぶり出しをすることは大事だと思うんですよね。
 いつも、ずっと核融合の計画を見ていて、数値目標がどこにあって、達成度がどのくらいか、私は昔、TRL評価をやりましたけれども、ああいうものが余り見えてこないので、そういうまとめ方をしようとした方がいいなと私は思うんですが、それをしようと思うと、11月では厳しいなという感覚もあります。チェックアンドレビューに備えるのであれば、そういうフォローアップをしないと駄目なような気がするんですけれども、いかがでしょう。
【岡野主査】  それは11月は難しい。
【松浦戦略官】  多分、一発で終わらないと思うんです。
【岡野主査】  そうだと思う。
【松浦戦略官】  多分、数値目標というのはマイルストーンに近くて、むしろロードマップに書かれる内容に近くなるかもしれないので、まずは現状を一回把握して、非常にそれはラフでもいいと思いますし、目標が余り定まっていないので、項目によって、恐らくいろいろ書き方が変わると思うんですけれども、一回把握して、ロードマップの議論もしながら、実際のチェックアンドレビューは2020年過ぎのJT-60SAのファーストプラズマの後となっていますので、それまでに何回もブラッシュアップする機会はあるかと思います。
【岡野主査】  数値目標が簡単に出せるものはいいですけれども、最初は、数値目標まではいけなくても、実施中とか……。
【笠田主査代理】  着手しているとか。
【岡野主査】  着手とか、そういったところでも仕方がないですよね。
【澤委員】  実施している人たちが目標を持ってやっているかということのリストアップになるかと思います。
【岡野主査】  目標を書いてもらうというのは……。
【澤委員】  その目標が、この結果のレビュー項目に一致しているかを見れば。
【笠田主査代理】  せっかく聞くんであれば、そうですよね。インタビューするのであれば、その方が。
【岡野主査】  時間が迫ってきていますが。
【笠田主査代理】  すみません。担当委員の12番の社会連携に是非、池辺委員の名前を入れていただくと私は有り難いです。
【岡野主査】  そうですね。池辺先生、よろしいですか。
【池辺委員】  はい、結構です。
【岡野主査】  とってもお忙しそうだったので、あれですけれども。
【上田科学官】  あとは、一回この担当分野全体を見ていただいて、御自身でアクセスできるところ、あるいは誰かの御協力を得た上でアクセスするとか、情報を集めるとか、そういうふうにそれぞれの委員の方に見ていただいて、どう対処したらいいかを考えていただいて、それを持ち寄って、全員でどういうふうにお互いに助け合って進めるかという相談をされたらどうでしょう。
【岡野主査】  それはやらないといけないですね。
 レーザーは、上田先生に、大阪大学だというだけの共通項で無理やりお願いしてしまいましたけれども。
【西村委員】  いいんですか。
【上田科学官】  いや、私でいいんですけれども、ただ、事情だけ。これはここで聞かなくていいかもしれないけれども、藤岡さんが海外に長期でおられる。私が懸念しているのは、結局、藤岡さんに聞かないと分からない。
【松浦戦略官】  藤岡先生とか、兒玉先生に御相談いただいて。
【上田科学官】  いいです。私は近くにいて、レーザー研の人はよく知っています。
【岡野主査】  少なくとも旅費が掛からないという……。
【上田科学官】  はい、対応させていただきます。
【岡野主査】  すみません。本当に申し訳ないと思います。ほかに思いつかなかったので。
【秋山学術調査官】  すみません。今度、チェックアンドレビューの説明に、岡野主査の方から行かれると思うんですけれども、そのときにこのプロセスのことも一緒に説明していただけると、コンタクトを取ったときに、いや、あなたは何ということにならないので、そこも併せて説明していただければ、コンタクトしやすいかと。
【岡野主査】  フォローアップをしますということですね。説明会というのは、例えば特別チームだったら特別チームだけですけれども、東京でやるときに、相手はいろいろいるので、一般論としてしか言えないと思いますよね。ですから、NIFSに行けばNIFSに対応するものが言えますけれども、東京とか、そういった多くの一般、ほかの方々が来るところでは、フォローアップをすることになりました、そのバックとなる考えはこういうものですという説明はしたいと思います。
【澤委員】  レーザー方式に関して、自ら手を上げるのもなんですけれども、レーザー核融合技術振興会の幹事を私はやっているので、ここに入れていただいて、というか、上田さんの代わりでも構わないかなと思います。
【上田科学官】  それはいいですね、よろしくお願いします。
【岡野主査】  是非、それはお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 そのほかで、ここは、そうでない方がいいとかいうのがあれば、あれですけれども、よろしいでしょうか。1つずつステップを追ってやっていきたいと思いますので、また9月になると思いますが、一回非公式にでも集まって少しずつ進めたいと思っています。
 いろいろ御意見を頂いたので、それを含めて、今後フォローアップをやっていきたいと思います。どうか御協力をよろしくお願いいたします。
 ほかに、特にはないでしょうか。ほかに何か議題があれば。その他に入っていますけれども、よろしいですか。
 それでは、きょうはこれで閉会したいと思います。次回のタスクフォースの日程は11月以降を予定しておりますが、具体的な日程については、事務局で調整の上、後日連絡させていただきます。
 本日は、御多忙の中、御出席いただき、ありがとうございました。

―― 了 ――

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