原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会(第24回) 議事要旨

1.日時

令和4年5月18日(水曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

   1.核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について
   2.核不拡散・核セキュリティ総合支援センター( ISCN )の技術開発実施状況について

4.議事要旨

【船曳補佐】定刻となりましたので、ただいまより第24回核不拡散・核セキュリティ作業部会を開催いたします。本日は御多忙にもかかわらず、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回の作業部会におきましても、前回同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンラインにて開催いたします。これに関連した確認事項などもございますので、議事に入る前までは事務局にて進めさせていただきます。
 まず、オンライン開催に際しての留意事項を御説明いたします。
 1、委員の皆様におかれましては、現在、遠隔会議システム、Webex上で映像及び音声が送受信できる状態となっております。御発言される場合は、挙手ボタンを押していただくと挙手マークが表示されますので、順番に事務局より指名いたします。もう一度ボタンを押すと挙手マークが消えますので、御発言をいただいた後は挙手ボタンを押して手を下ろしてください。
 2、会議中にビデオ映像及び音声が途切れている場合、その時間帯は御退席されているものとみなします。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時事務局宛てにお電話にてお知らせください。
 3、傍聴される方におきましては、ビデオ映像及び音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合には、遠隔会議システムから御退席いただきます。
 4、議事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。事務局以外の会議の録画及び録音はお控えください。
 以上が本日の進行に当たっての留意事項となります。
 本日の議題ですが、お手元の議事次第に書かれているとおり、
(1)核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について
(2)核不拡散・核セキュリティ総合支援センターISCNの技術開発実施状況について
となっております。
 本日は、9名全員の委員に御出席いただいており、定足数である過半数を満たしております。
 続いて、本日の配付資料ですが、委員の皆様及び傍聴の登録をされた方宛てに事前にメールにて配付資料をお送りさせていただいておりますので、各自お手元にて御確認いただきますようお願いいたします。
 配付資料ですが、
資料1 今後の核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について(案)
資料2 ISCNの技術開発実施状況について
参考資料 第11期原子力科学技術委員会核不拡散・核セキュリティ作業部会の委員名簿
をつけております。
 資料の欠落等がありましたら、事務局までお知らせください。また、議事の途中でもお気づきの点がございましたら、お申しつけください。
 事務局からは以上でございます。ここからの進行は、出町主査にお願いしたいと思います。出町主査、よろしくお願いいたします。
【出町主査】御出席の委員の皆様、本日は御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 お時間もございますので、早速ですが、本日の議題に入りたいと思います。
 まず、議題(1)でございますが、先ほど事務局から御説明のありましたとおり、核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について、でございます。
 昨年11月、今年1月と2回にわたり、核不拡散・核セキュリティ、またサイバーセキュリティに係る分野で実際に御活躍の皆様にお越しいただき、いろんなお話をいただきました。
 前回の第23回部会にて、本作業部会の報告書草案を委員皆様に協議いただいて、多岐にわたる御意見を頂戴したところでございます。
 本日は、前回いただいた御意見、また事前にメール等で問合せ、委員の皆様よりいただいた御意見を踏まえ、私主査と事務局で更新しました報告書を用意してございます。報告書を説明した上で、御意見を頂戴できればと思っております。よろしいでしょうか。
 では早速、議題(1)の報告書案について、事務局より御説明をお願いいたします。
【佐藤企画官】それでは、事務局より資料1について御説明させていただきます。前回の部会及び事前にいただいた委員コメントを反映したバージョンになっておりますので、主な変更点、コメントが多かった点をかいつまんで御説明させていただきたいと思います。
 1ポツ、「はじめに」についてです。一つ目の丸については、事実関係の誤認指摘や、平和利用を前提とした文の御提案を踏まえまして、「我が国は原子力の平和利用を前提として透明性を確保した上で、ウラン濃縮、再処理工場を含む核燃料サイクル関連施設を有し、国際的な核不拡散・核セキュリティ機能を遵守しながら原子力活動を実施していることから、核不拡散・核セキュリティ分野における貢献が国内外で強く期待されている。」と修正しております。
 二つ目の丸、三つ目、四つ目、5番目の丸は割愛いたします。1ページ目の一番下の丸を御覧ください。ここでも、前の文では、「昨今のロシアによるウクライナ振興を踏まえ」とあり一足飛びではないかとコメントがあり、「また、昨今のロシアによるウクライナ侵攻を契機に、核セキュリティ強化の重要性を主張する機運が高まっている。本作業部会としては、核不拡散・核セキュリティに関し平時の備えとしての人材育成を実施するのみならず、想定外の新たな脅威にも柔軟に対応できる人材の育成をも視野に入れた取組を推進することが重要と考える。」と修正をしております。
 2ページ、これまでの取組については事実関係を修正していますが、ここでは割愛します。
 3ポツ、課題でございます。
 (1)継続的な教育機会の確保、一つ目の丸にもたくさんのコメントをいただき「核不拡散・核セキュリティ分野は、国際法の理解や実際の核物質の計量管理や輸送、防護措置等の実務の実施を担うなど、個別の専門領域の壁を越え、総合的・学術的な知識が必要とされるが、学んだ知識を幅広く活用・応用できる分野である一方、原子力関連分野の中でも、どのような内容を扱うのか、どのようなキャリアパスで、どのような業務に携わることができるのか等のイメージが容易ではなく、学生や研究者をはじめ社会全体にその重要性や魅力が十分伝わっていない。」と課題を修正しております。
 二つ目の丸は割愛、(2)他分野との融合領域の発展の課題は、事実関係の修正のみ。
 (3)、3ページ目です。核不拡散・核セキュリティ文化の醸成。特に二つ目の丸についてコメントをいただき、「学生や若手研究者のみならず将来の子供たちに本分野の魅力を伝えていくためには、社会全体として本分野の重要性を共有し、共感を得ながら核不拡散・核セキュリティの継続的な理解増進に取り組むことが不可欠。」と修正しております。
 続きまして、4ポツ、今後の対応策です。
 (1)短期的な視点で可能な限り速やかに対応すべき事項ついて、課題と対応策を対応させたらどうかとコメントいただき、リード文を入れました。(継続的な教育機会の確保等について)と対応策をまとめています。
 一つ目の丸については、「核不拡散・核セキュリティ分野で得られる知識・経験は幅広い分野に応用可能である。人材不足に対応するためには、本分野で習得できる知識の汎用性の高さをアピールすることで、多様な学問領域から本分野への人材の参入を積極的に促すべき。」と修文しております。
 二つ目の丸については、「限られた教育資源で効率的かつ効果的に教育を行うためには、ISCNが大学との連携を推進する拠点となり、講義等を拡充・広く周知し、本分野の重要性や魅力に関する認識を促すことで、連携対象大学の学生が学部や専門分野を越えて自由に参加できる受講ニーズに応じた学習機会を充実させるべき。これにより、個別の大学が持つ教員不足という課題を解消するとともに、広く学生に本分野の重要性をアピールすることができる。」と修文しております。
 次の丸は説明を割愛、3ページ目の一番下の丸を説明します。
 「技術的な能力のみならず、多様な文化的背景を持つ人々、異なる意見を持つ人々の意見を調整しまとめることができる総合的なマネジメント力、また自身の専門性を軸にその他学問領域の知識を理解し統合して考える能力を養うべき。」と修文しております。
 続きまして、(他分野との融合領域の発展等について)、このうち一つ目の丸について 「今後も核不拡散・核セキュリティを確保していくためには、サイバーセキュリティやAI等の知識も重要な要素の一つである。当該知識について高度な専門性を持った人材を引き入れ、総合してディフェンス力の高い核不拡散・核セキュリティを構築するため、各分野の機密性も鑑み、さらに検討していくべき。」と修正しております。
 次の丸は説明を割愛いたします。
 (2)中・長期的な視点で継続的に取り組むべき事項、こちらについては、核不拡散・核セキュリティ文化の醸成等についての対応策を記載しております。二つ目の丸にコメントがあり「また、社会全体が取り組むべき課題として、一人ひとりが自分事として捉えられるような社会形成が求められる。そのためにも、本分野への重要性に関する広報活動の推進やリスクコミュニケーションの充実など、社会全体を対象として取組を継続して実施していくことが重要である。」とまとめております。
 最後、4ページ目、5ポツの「おわりに」について、こちらについてもたくさんの御意見がありましたので、先生方のコメントを踏まえ抜本的に修正しております。読み上げます。「本報告書では、核不拡散・核セキュリティ分野の人材育成に着目し、課題及び今後の対応策について取りまとめたところであるが、昨今の国際動向を踏まえれば、いつなんどき想定外の事態が発生するかは予測不可能である。例えば、今般のロシアによるウクライナ侵攻は、国際秩序の根幹を揺るがす未曽有の事態として国際社会に大きな脅威をもたらした。このことは、本分野においても、平時の備えのみならず、想定外の事態に備えることの必要性を改めて考える大きな契機となった。今後は国際社会としても、新たな脅威に対応するための核セキュリティの一層の強化が求められることが予想される。我が国としても、核拡散や核テロの脅威に対する安全・安心な社会の構築をミッションとするISCNにおいて、ドローンやAI検知技術を用いたトレーニングコースの新設、事案発生後の対応に備えた演習強化、核物質防護実習フィールドの拡充等、これらについて早急に検討する必要がある。」
 と、先生方のコメントを最大限反映する形でまとめました。説明は以上です。
【出町主査】今、御説明いただいたとおり、かなりの回数、修文を重ねて加えこの報告書を今回出させていただいております。改めまして、御意見、お気づきの点等ございましたらお願いいたします。井上先生、お願いいたします。
【井上委員】各項目のタイトル、全体を表していないのではと少し思うところがありました。具体的には、2ページ目の課題3の(1)継続的な教育機会の確保ですが、これは継続的な教育機会の確保より、継続的な人材の確保と育成のような内容かと思い、感想だけ述べさせていただきます。
【出町主査】継続的な人材確保と育成と。
【井上委員】人材確保も今難しくなっていて、本分野はあまり知られていない状況であると。ここには人材の確保は内容として含まれているかなと、そういう感想です。
【出町主査】ありがとうございます。単に教育の機会を与えるだけではなく、かつ人材を確保することも継続的に必要だと。
【井上委員】そのとおりです。これから変えるかどうかはお任せします。
【出町主査】事務局と主査で検討させていただきます。喜多先生、お願いします。
【喜多委員】同じく3の(1)ですが、一つ目の丸の文章が分かりづらく、かつ7行が一つの文章で長くなっておりますので、途中で切った文章にされるといいかと思います。これもお任せしますので、よろしくお願いします。
【出町主査】拝承いたしました。確かに長いですね。事務局と主査で、内容を生かしたまま、修文させていただきます。五十嵐先生、いかがでございましょう。
【五十嵐委員】多様な意見を反映していただき主査も事務局も大変だったかと思います。ありがとうございます。その上で、少し気になった点ですが、私も冒頭「はじめに」の最初の文章が長いように感じましたので、途中で1回切るといいかと思いました。「ことから」と続け、最後まで一つの文章になっておりますが、事務局で御検討いただければ。
 また、井上先生の御指摘はそのとおりだと思いますが、この文書全体が人材の確保、育成を扱っている中で、特にここは教育の機会についておまとめいただいた項目かと思いますので、その点が分かりやすい表現が残るといいかと思います。
 またさらに細かいことですが、3ページの文化の醸成の項目にて「将来の子供たち」とある部分、意味を取り違える方はいないと思いますが「将来を担う」ニュアンスの一言があるといいかと思いました。よろしくお願いいたします。
【出町主査】まず、最初の「はじめに」の一つ目の文章は4行ありますが、例えば3行の「実施している」で切って、「このことから」と始めたほうが見やすいということですね。
 先ほどの、3ポツ、課題の(1)のタイトルにつきましては、いただいた複数の御意見をまとめて、事務局さんと検討させていただきます。
 3の文化の醸成のところの二つ目の「将来の子供たち」、確かに「将来を担う子供たち」としたほうが明確だと思いますので、それは拝承でよろしいでしょうか。事務局さん。
【佐藤企画官】承知しました。
【出町主査】そのほか、いかがでございましょう。中島先生、お願いいたします。
【中島委員】前回欠席したのでメールでコメントしまして、おおむね盛り込んでいただけたかと思います。コメントとしては、報告書内、課題に対して対応策の対比といいますか、どの課題にどう対応するかあまり具体的につながりが見えなかったのでお願いし、対応策に括弧内で課題に対応したサブタイトルを入れていただいたのかと思います。
 また、今さらながらですが、「はじめに」の2番目のポチの中間取りまとめにて、核不拡散・核セキュリティの取組を持続的に取り組んでいく上で、「文部科学省、大学、研究機関等の役割を明確にし」とあります。この部分が後ろどのように反映されているかという観点で読んでいくと、大学、あるいは研究機関等の役割はありますが、文部科学省の役割が明示的には出ていないかと。それはなかなか、この中で書ける話か難しいところもあり、また解釈としては、例えば、大学等でいろいろ教育を行ったり、場合によっては単位付与をしたりするときは文科省のバックアップがないとできないような話でもありますし、当然この作業部会自体が文科省の下ということで、そういった意味でしっかり役割はあるとい思いますが、それを何らか、要するに中間取りまとめの提案に対応した書きぶりとして書く必要はないかとい引っかかりました。
【出町主査】たしかに文科省はここでしか出てこないですね。おっしゃるとおりだと思います。例えばですが、4の今後の対応策のところで、文科省と一緒に行う主旨を加えることで先生のコメントに反映できるかと思いますがいかがでしょう。
【中島委員】大きなことを書く必要もなく、今実際にもう実施していると思いますので、そこが読めるようになればいいかと。出町先生の御提案の感じでよろしいかと思います。
【出町主査】では4の今後の対応策の中で、事務局と検討させていただきたいと思います。
【佐藤企画官】検討させていただきます。
【出町主査】井上先生、お願いいたします。
【井上委員】質問ですが、4ページの「他分野との融合領域の発展等について」は、「今後も核不拡散・核セキュリティを確保していくため」と始まり、「更に検討していくべき」と終わりますが、主語は誰になりますでしょうか。
【出町主査】関わる人間全員だと。
【井上委員】更に検討するのは、この部会の人々ということですか。
【出町主査】いえ、例えば原子力発電所とか核セキュリティに関わる方々と。
【井上委員】全てのステークホルダーの人々ということですか。
【出町主査】おっしゃるとおりです。
【井上委員】各役割に中心になる人が元からいますと、自然に任せれば動いていくものでもなかなかないかと思いました。こういった世界では違うかもしれませんが、企業経営等だと普通、当課が責任を持つなどの話になるかと思いお聞きしました。
【出町主査】人材を引き入れる主体が全員ではなくて、主なステークホルダーが居るはずということですね。事務局さん、できるだけ分かりやすくなるよう相談させてください。
【事務局】承知しました。
【出町主査】中熊先生、お願いいたします。
【中熊委員】今の井上先生と似たような質問ですが、4ページ目の(2)の中・長期的な視点での二つ目の丸に「広報活動の推進やリスクコミュニケーションの充実など」書かれていますが、これも誰が主体でこれをやるのか抜けているような気がしています。特に広報活動という話になると、そういうセクションを持った組織が行わねばならない気もしますので、どうお考えか伺いできますか。
【出町主査】事務局さんで考えがありましたら、先にお願いできますか。私は特になかったかと考えています。
【事務局】こちらも前回の議論がありましたように、社会全体として取り組む観点で、特段の主語は設けずにいたところでありますけれども、主査と御相談させていただければ。
【出町主査】主語がない現時点版だと、本当に広報活動組織を持っている組織に迷惑がかかるということでしょうか、中熊さん。
【中熊委員】こういうことが大事だ、と我々の総意としてここに書いていると認識していますが、これはじゃあ誰が行うかを抜きにすると、そのまま捨て置かれることが往々にしてあり得るので、実態を伴って施行するのであれば、もう少し丁寧に書いたほうがいいかと思って申し上げました。
【出町主査】分かりました。関わる人に当事者として認識していただくためと。事務局さん、今すぐはアイデアが出ないのですが後ほど相談させてください。主査預かりでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。本日もたくさん御意見をいただき、さらにこの報告書をよいものにしたいと思います。大変ありがとうございました。
 続きまして、議題の2に移らせていただきます。議題の2は資料2でございます、核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの技術開発実施状況の報告を直井センター長よりいただく予定でございます。直井センター長、御準備よろしいでしょうか。
【直井センター長】本日はこの実施状況を説明させていただけることをありがたく感じております。それでは、この資料2に従って説明をさせていただきます。
 1ページ目、ISCNの核不拡散・核セキュリティ技術開発は、2010年のワシントンで開催されました核セキュリティサミットにて、核検知・核鑑識技術を行い、成果を世界に発信していくという日本のコミットメントを受けて開始をしております。このときも文科省さんの作業部会が設置され、事前評価をいただいてスタートしました。
 それから、核セキュリティサミットは2016年で終了しましたが、それ以後の技術開発課題は、IAEA等のニーズなど作業部会で御議論や中間取りまとめをいただき、この中間取りまとめや、それから技術シンポジウム、ワークショップなどで得られたニーズ等の情報に基づいて技術開発を実施してきてございます。
 それで、基本的な考え方でございますけれども、JAEAの持つ施設とか、核・放射性物質、知見・経験、基盤技術を活用していくということ、核不拡散・核セキュリティを取り巻く海外動向の調査・分析を踏まえた課題・ニーズを特定すること。それから、IAEAや国際協力のパートナーでありますDOE/NNSA、EC/JRC等の意向を踏まえ、基本的には国際共同研究で進めるということ。そして成果については、学会、ワークショップ等を通じて関係者と共有をして社会実装を目指した技術開発を展開する、こういった考え方に基づいて実施をしてございます。
 ページめくっていただきまして、2ページ目でございます。現在進めております技術開発の4件について説明を進めてまいります。
 次のページ1項目は核鑑識技術開発でございます。これは、核物質ですとか放射性物質を使用したテロ行為から国民の安全を確保し、それから警察等による捜査に貢献できる核鑑識技術の社会実装に向けて技術開発を進めております。現在は、分析結果解析へのAIの適用など革新的な核鑑識技術の開発、それから、放射性テロが実際に起きてしまったテロ事象後を対象とした核鑑識技術開発、また社会実装に向けた技術的な課題を解決するための基盤研究を進めております。
 非常に粗々ですが、2012年度から2024年度以降ということで、ロードマップ的にどんなことを行ってきたかを書いてございます。2018年頃までで基本的な核鑑識技術の整備と、高度化技術開発を終えまして、現在は、この黄色くハッチングしております革新的な核鑑識技術の基盤研究と、テロ事象後を対象とした核鑑識に関する技術開発の二つを大きく分けて進めているところでございます。
 次のページにめくっていただきますと、革新的な核鑑識技術の基盤研究としてどういうことをやっているかと、四つの研究開発項目を書いております。
 まず、1点目が、AIによるシグネチャ解析技術。押収された証拠物品の特徴をシグネチャと呼んでおり。多種多様なシグネチャが分析されますので、そのシグネチャに基づいて、それがどこから来たかAIを使って解析をする技術開発でございます。
 2件目は、ウラン鉱石・イエローケーキの産地別シグネチャの研究。ウラン鉱石の産地別のシグネチャを米国DOEと共同研究で進めております。
それから、左側の下のほうですが、核鑑識における証拠品汚染分布画像化解析。これはオートラジオグラフィという技術を使って放射性物質によって汚染された証拠品の取扱い際に、証拠品の汚染分布を画像化する技術の開発を進めております。
 最後、α線スペクトロメトリによるウラン年代測定技術開発。これは、比較的安価なα線スペクトロメトリという装置を使い、ウラン年代法の測定の技術開発を進めているものでございます。これは昨年度から、金沢大学との共同研究でスタートさせております。比較的安価なこの装置を使うことにより、途上国を中心とした分析能力の向上、それから国内の大学の分析能力の整備に貢献することを目的に進めておるところです。
 それから、次のページをめくっていただきますと、テロが発生してしまった後の核鑑識技術開発について説明してございます。
 1点目、上のほう、現場残留核物質・放射性物質の検出技術開発ですが、これは核テロが発生した際のまず初動として、警察の方だと思いますが、警察か消防の方が行って、そこでどういう放射性核種があるかを分析することがスタートになるわけですが、その核種分析に使うゲルマニウム半導体分析装置は非常に重く、持ち運びが容易ではないということで、比較的容易に運べ、経験のない初動対応をする方でも簡単に判定できる装置を開発しようと、ハイブリッド放射線検出器を開発いたしました。
 これは、非常に効率は高いけれども分解能力が悪い検出器と、一方で、効率は低いけど分解能が高い検出器の二つを組み合わせ、そこに核種判定には深層学習モデルによる核種判定技術を導入しまして、素人の方、経験のない方でも、どういう核種があるか分析できる措置を開発したものです。この装置につきましては、まだデモンストレーションの状態で製品化するまで至っていませんが、こういう装置を開発したとビッグサイト、青海展示場で昨年10月に開催されたテロ対策特殊装備展――SEECATにて展示して、社会実装を進める活動をいたしました。
 それから、その次、下のほうですがPost-dispersion試料の分析・シグネチャ解析技術ですが、実際にそのテロ事象が起こったとき環境試料から核種をどう分離して分析するかという研究開発とか、また、使用済み燃料、核物質の核分裂を伴うようなテロが発生した場合にどういったシグネチャを使えばいいのかというような研究を進めております。
 その次のページ、6ページ目でございますけれども、アクティブ中性子非破壊測定技術開発でございます。これは外部から中性子を試料に照射しまして、その試料で核反応が起き、その核反応で放出されます中性子ですとかガンマ線、それを測定する手法でありまして、別名、中性子を当てて問いかけるというようなことで中性子問いかけ法と呼ばれております。この方法を使いまして、従来の受動的、パッシブな手法と呼ばれるサンプルから出てくる放射線を測定することでは難しい試料、例えば、非常に高い放射線を出すような高放射線量率の試料などにも適用が可能な技術開発でございます。
 そして、四つの技術開発を進めておりますので、順次説明をさせていただきます。
 ページをめくっていただきますと、進めている四つの技術開発について、おおむねその上からDGA要素技術開発、これは先ほどの(1)に相当するところ。それから、これはちょうど中ほどから下のほうにあります統合技術開発と統合技術開発(2)。さらには、レーザー駆動中性子源を用いたNRTAシステム開発、これはページの一番下の真ん中です。このような技術開発をPhaseⅠ、PhaseⅡに分けて開発を進めてまいりました。
 PhaseⅠは、低線量の核物質の測定技術をまず開発いたしまして、その次、PhaseⅡにおきましては、高線量であっても中に入っている少量の核物質を測定できるというようなことを実現するための装置開発、技術開発を進めてまいりました。
 我々は、技術開発を節目ごとに、欧米やIAEAなどの専門家に集まってもらいワークショップを開催して、実証試験などを実施して、評価をいただいております。例えばPhaseⅠが終わった後にワークショップ、それからPhaseⅡが終わった後にワークショップという形で進めています。最新のワークショップとしては、今年の3月の初めに、この実装型のDGA非破壊測定システム、統合装置の技術開発、レーザー駆動中性子源を用いたNRTAの技術開発など一つの節目になるこういった技術開発について、IAEAやベルギー、フランスの研究機関、それからEURATOMセーフガードを実施しているEC-DG-Energyなど、それから京都大学、今日御出席されております中島先生にも評価者としてワークショップに御参加いただきました。
 具体的にどんなことをやっているかということは8ページ目以降でございます。まず、実装型遅発ガンマ線分析の非破壊測定システム開発ですが、これは再処理施設などで高線量の核物質の検認作業を効率化して、核物質を含む廃棄物を低減する新たな非破壊分析技術を確立することを開発しているものでございます。核物質に中性子を照射しますと、核分裂を引き起こし、それに伴い核分裂生成物が生成されます。その核分裂生成物が崩壊する際にガンマ線が放出されます。そのガンマ線を分光・分析をして、核物質中のウラン、プルトニウムの核分裂性核種比を求める、それが遅発ガンマ線分析非破壊測定技術でございます。核物質は種類によって、フィッションプロダクト、すなわち核分裂生成物の収率が異なりますので、そこをうまく使って、中に入っている核分裂性核種の比率を求める技術でございます。実施してきましたのは、実用可能な小型装置を開発することで、まず、中性子を効率的に照射できる中性子発生源や装置の材質を検討するため、シミュレーション研究を行い、さらにはEC-JRCの施設を使って、装置に最適な材質や構造を決定するための試験を行ってまいりました。
 それから実用化において、より扱いやすく小型な装置にするために今年度から中性子発生装置(DD中性子源)というものを導入して用いた装置開発を進めているところです。
 アクティブ中性子NDA技術開発ワークショップは、先ほど申し上げた今年の3月に開催したワークショップで、ここのPhaseⅡまで得られた成果を発表して、評価をいただきました。
 次ページめくっていただきまして、令和3年度までの技術開発成果を簡単に御説明いたします。
 まず、技術開発課題としまして、例えば既存の再処理工場に分析装置として入れられないということで、まずはこの装置の小型化を目指す必要と、またそれぞれの測定の要素技術を高度化していくことが必要になっております。実施内容としましては、装置を小型化するための様々なシミュレーション、それから、例えばカリホルニウム252といった線源を使えば装置の小型化ができますが、そういった技術開発を継続して進めております。また、データ解析を進め論文などで公開を進めております。
 成果については、まず、そのDD中性子源を想定した装置設計をシミュレーション、作業環境放射能の計算と遮蔽の最適化設計を進めまして、小型装置の提案準備ができております。今、これに従って装置の製作を進めているところでございます。
 それから、右側を見ていただきますと、ウラン235の重量に対するガンマ線と題した図があります。これは直線関係がその核分裂生成物の種類によって違うものです。赤い線、緑の線、青い線、それからピンク色の線はガンマ線を放出するフィッションプロダクトを示すのですが、そのフィッションプロダクトから出てきますガンマ線の強度と、ウラン235の重量に対する重量が1対1に対応するので、定量評価に使えると明らかになったものでございます。
 それで、中性子の照射と遅発ガンマ線の測定を、この右側の一番下の青い図、中性子発生源を中に入れそこで照射をいたしまして、出てくる遅発ガンマ線は違う場所試料を回転させてガンマ線検出器のところまで持っていき、そこで計測をする装置を作ろうと考えて、設計を進めてきております。
 それから次のページ、10ページ目でございます。
 次は統合装置の技術開発でございます。統合装置は、このページの一番下のDDA-PGA-NRTA試験装置という、薄いクリーム色でハッチングしました箇所にある装置を原子力科学研究所のNUCEFという施設に製作、設置をしております。これは一つのDT中性子源でもって、DDA、Differential Die-away Analysisという中性子問いかけ法の一つ、それから、Prompt gamma-ray analysisという手法、Neutron Resonance Transmission Analysis(NRTA)という分析技術で、一つのDT中性子源からこの装置を使い、より効率的にコンパクトに測定をするため開発した装置でございます。例えば、大規模イベントでダーティーボムのようなものが発見されたときここに持ってきて、中に何が入っているか分析することができます。また、将来的には福島のデブリの非破壊分析などでも使えるのではと考えてございます。
 その次のページをめくっていただきますと、この統合装置の技術開発で得られた成果を簡単にまとめてございます。
 まず、統合装置の技術開発課題では、分析精度を上げるための総合的な分析を行える装置を開発するということが課題でございました。それから、高線量試料の分析が可能な技術開発も一つの課題でございます。
 それに対して、実施内容としましてNUCEFという施設に統合装置を開発・設置し、各測定技術を試験で実施し、成果としましては、この統合装置の設置が完了いたしまして、この3月の技術ワークショップではその成果を発表、評価いただいたとところでございます。
 11ページの下に、ダイアウエイ時間差分析(DDA)の成果を示しております。左側の絵は、強い中性子線を放出する環境下でのプルトニウム239試料の模擬測定試験でして、この横軸は不純物からの中性子強度を示します。縦軸が、測定した中性子の量になります。横軸が右にいきますと、中性子の中性子束が高くなるのですが、高くなってもプルトニウム239から出てきますニュートロンが一定値を示しています。これは何を意味するかといいますと、中性子線量が高くなっても、例えば、使用済み燃料の溶解液などでは共存するキュリウムの244という核種が共存するのですが、そのキュリウムがたくさん入っていても、プルトニウム239を分析することができるということが、このダイアウエイ時間差分析で明らかになったところでございます。
 その次の右側の図では、これは中に入っている不純物により中性子の減衰が若干変わると。それを明らかにすることによって、混在物があっても核分裂性物質の定量ができることを明らかにしております。
 それから、その次のページでございますが、この総合装置では、即発ガンマ線分析法(PGA)という技術も同時に開発をいたしました。一番左側の絵で白い箱、この中に中性子を発生するDT中性子管が入っていて、ここで中性子を試料に問いかけ、真上についているこのPGAの検出装置にて検出する。実際にはゲルマニウム半導体検出器で検出するのですが、できるだけガンマ線のバックグラウンドを抑制するため、BGOつきのゲルマニウム検出器を使います。さらには、PGA、Prompt gamma-ray analysisをするため、ガンマ線の影響を少なくするためにその遮蔽を設計して中に配置し、このPGAのより高い分析精度での分析を実現させております。それにより、例えば、爆発物やリンが含まれることも分析でき、さらには、中性子のポイズンでありますボロンですとかガドリニウム、こういったものもこの装置を使って分析できることが明らかになりました。
 それから、もう一つ、その中性子共鳴透過分析法が下の図にございます。これは、中性子を問いかけて、問いかけた後の中性子をこの長い中性子管の中を通し、試料によってどういう中性子のエネルギーがこの試料に吸収されたかを見る装置でございます。
 右側がNRTA測定試験でございますけれども、これはNRTAのこの部分を使って測定した結果、プルトニウム240の吸収のディップが見えると思いますが、これが取れたことで、このような小型装置でNRTAに使えることとが実証されたことを示しております。
 その次のページでございます。次のページはレーザー駆動中性子源を用いたNRTAシステムの開発でございます。NRTAですので、試料に中性子を当て、その中性子のどのエネルギーが吸収されたかを明らかにするのが、そのNRTA――Neutron Resonance Transmission Analysisでございますが、これには、短パルスの中性子を用いることにより精度を上げることができるという特徴がございます。レーザー駆動中性子源は非常に短パルスの中性子を発生するので、このレーザー駆動中性子源でNRTAができないか試験、基盤的な技術開発を行いました。
 実際は阪大が開発したレーザーを使い、また、測定の部分では特にそのレーザー駆動中性子源を使うと、バックグラウンドでガンマ線が非常に高く出てまいりますので、そのガンマ線の影響なく中性子を測定できる検出器の開発を京都大学の施設を利用して進めてまいりました。
 その次のページが技術開発成果でございまして、技術開発課題は、レーザーショットに伴う電磁ノイズをどうなくすか。数少ないレーザーショットで有用な情報が得られるようになるか。それから、レーザーショットで大量に発生する中性子のパルス信号をどう扱うかが課題でございました。
 実施内容としましては、ゲートつきの検出器の開発、ガンマ線の感度低減技術の開発。それからショットごとに全波形をデジタライズして記録する開発を行いました。
 成果といたしましては、京都大学でパルス中性子源を用いた技術開発を行い、この検出器のガンマ線の感度を低減化することに成功いたしました。一番右側の上の写真でございます。少し分かりにくいのですが、リチウムのガラスシンチレータを積層型に重ね、それによりガンマ線の影響を低減する検出器を開発いたしました。ガンマ線の影響を大きく低減できる新しい中性子検出器、積層型の検出器の開発ということで、特許出願を済ませております。フランスとアメリカに対しても特許出願の手続を進めているところです。
 それから、阪大では実際にこのLaser-Driven Neutron Sourcesを使ったNRTA試験を行いまして、取得したスペクトルが14ページの一番下の図でございます。銀とインジウムによる模擬核物質を使ったディップ(中性子エネルギーの吸収)の試験ですが、恐らくそのレーザー駆動中性子源を使ってNRTAのこのディップを取ったというのは世界で初めてではないかと考えております。
 それから、その次のページは今年度からスタートさせた中性子共鳴非破壊分析技術の開発でございます。この技術開発は、中性子飛行時間測定法を用いる中性子共鳴非破壊分析技術の開発になります。
 この技術開発は、これまで培ってまいりました技術を基に、中性子共鳴核分裂中性子分析という技術を新たに提案するものです。試料中に少量含まれる核分裂性物質を分析する能力を向上させる可能性があり、共鳴透過分析(NRTA)法や中性子共鳴捕獲分析(NRCA)と同時に測定ができるため、総合的な測定を行うことで分析能力の向上が期待できます。また、取扱いが容易なさらに小型の装置の開発を目指し、中性子源としてカリホルニウムを使う卓上型の装置開発も行うことも予定してございます。
 それから、その次16ページ、核セキュリティ事象における魅力度評価に係る研究です。これは核セキュリティ事象に対する核物質の脆弱性評価法を向上させ、核物質防護の防護措置の最適化へ反映させることを目的にしております。これは日米政府の協力枠組みである日米核セキュリティ作業部会――Nuclear Security Working Groupの下で、核燃料サイクル施設に対する核セキュリティ上の3つの脅威、核起爆装置(NED)及び放射性物質飛散装置(RDD)の製造を目的とした核物質の盗取、原子力施設の妨害破壊行為(サボタージュ)に対して、包括的な核物質・放射性物質の魅力度評価手法を日米共同で開発しているところでございます。おおむねの手法の開発は済みまして、現在、この7月にフランスで開催されますGLOBAL 2022という国際会議で、一つのセッションを組んで我々が開発した成果について発表し、その後はIAEAに対しても報告を進めていくことを計画しております。
 その次のページにて、具体的な内容を簡単に御説明します。核燃料サイクル施設の核・放射性物質及びそのプロセスに関連します核セキュリティ上の核種の脅威を包括的・横断的に評価するため、脅威者がその行為を完遂する技術的な困難性と、その行為による影響をおのおの評価し、それらによる魅力度を評価する方法論を開発しております。技術的な困難性を評価するため、ハードルモデル、それからRasch Modelというモデルを用いて評価手法を開発いたしました。
 この手法を用いて、既存の核燃料サイクル施設の魅力度の評価を行っております。これまで、成果の発表としましては、2020年にIAEAで開催されました核セキュリティ国際会議、それから、IAEAの核セキュリティ・安全技術会合において、我々が開発した成果を報告しております。それから、この7月にはGLOBALという国際会議において、日米で一つのセッションを組んで5件の発表を行う予定です。
 その次のページで今後の計画を示しております。2022年度までに既存の核燃料サイクルを対象としました魅力度評価手法は開発し、今後、2023年-25年度までは、その成果を活用して、例えば、SMRを含む将来の燃料サイクル施設や、研究炉を対象とした魅力度評価の応用研究を考えてございます。また魅力度を評価する方法だけでなく、物質の魅力度を積極的に削減する概念・技術の開発を進めたいと考えてございます。
 それから、その次のページでは広域かつ迅速な核・放射性物質検知技術開発になります。これは大規模イベント等での核・放射性物質を使用したテロ等を防止する目的で、広範囲で核物質やRIを迅速に検知し線源の場所を特定するため、高度な広域サーベイシステムやガンマ線イメージング技術、核物質探知のための中性子検出器の開発を行っております。
 次のページにて、具体的な開発項目を示してございますが、例えば、広域サーベイ技術では、放射性物質の検知と核種特定を行うためのマッピング技術の高度化になります。屋外、屋内共に適用できるようにすること、それから、測定データを転送し、位置情報などと併せて処理するとか、AIを用いたスペクトル分析によってアラームを削減すること、実際に大規模イベントでは自然放射性物質ですとか医療用のRIを誤検知することがありますが、そういったアラームを削減するということです。あとは自走装置やドローンへの組み込みを考えてございます。
 また、ガンマ線のイメージング技術として、一次検知後の線源の位置の特定ですとか、放射性物質が飛散した場合の分布測定のためのガンマ線カメラの開発などを進めております。福島研究開発部門がセシウムの環境分布などを測定するため技術開発をしているのですが、我々の技術開発では対象の核種が違ったり、非常に広域な部分で、ある特定のところを迅速に測定したりと新たな課題がございますので、福島の経験をうまく生かして技術開発を進めております。
 それから、中性子を発生する核物質などが持ち込まれたときには、どこに中性子があるか、中性子の飛んでくる方向を明らかにしなくてはいけないため、そういうところを解析できるよう技術開発を進めているところです。時間が長くなりましたが、説明は以上です。
【出町主査】直井センター長より大変多岐にわたる研究成果について御報告をいただきまして、誠にありがとうございます。今年度は基盤技術開発の最後から2番目の年なのですね。来年度がこの基盤技術開発の最終年度になると思いますので、続々と成果が上がっている段階だと思います。今の直井センター長の御説明につきまして、委員の皆様から御質問等ございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。小澤委員、お願いいたします。
【小澤委員】初めて聞く話ばかりでしたので、趣味に近い質問になるかもしれませんが、教えていただきたいと思います。8ページ目の実装型遅発ガンマ線分析非破壊測定システム、これは下に書いてあるように二重水素同士を衝突させると、そのどちらかの重水素、あるいは両方の重水素が陽子と中性子に分かれて、その中性子を活用するということでよろしいでしょうか。
【直井センター長】そうですね、DD中性子源を使った核融合反応を起こすということです。
【小澤委員】重水素の原子核がその陽子と中性子に分かれるという反応か、融合して中性子が出るだとどちらでしょうか。
【小泉マネージャー】ISCNの小泉と申します。非常に小さい加速器と思っていただければ結構です。プラズマを立て、重水素を数百キロぐらいに加速して、重水素ターゲットに当て、融合反応を起こし、そこから出てくる中性子を用いる装置です。
【小澤委員】二つの重水素が陽子と陽子と、陽子を中性子の塊と中性子が出てくる。
【小泉マネージャー】トリチウムとプロトンが出てきます。
【小澤委員】トリチウムとプロトニウム。陽子は二つあり、中性子が二つありますよね。
【小泉マネージャー】ヘリウム3と中性子の誤りでした。
【小澤委員】ヘリウムと中性子になると。
【小泉マネージャー】はい。
【小澤委員】これは核融合を使っているということですか。
【小泉マネージャー】そうです、核融合と同じ反応です。
【小澤委員】なるほど、そういうことですね。それは、良い点としては何でしょうか。従来はカリホルニウムの線源を使っていたので、それは廃棄物であったからなどでしょうか。
【小泉マネージャー】線源にはDT中性子と言って、DD中性子源と同じようなメカニズムで中性子を発生させるものがあり、これは、DD中性子よりも強度が大体100倍強い中性子を得ることができます。
【小澤委員】今は、DTのほうのことをおっしゃっていますか。
【小泉マネージャー】DTのほうです。DTとDDを比較したときに、DTのほうが100倍強いのですが、発生する中性子のエネルギーは14MeVと非常に高いです。それに比べて、DD中性子の場合は、発生する中性子のエネルギーは2エレクトロンボルトに近く、比較的してエネルギーが小さい。小さいエネルギーを用いると何がいいかと言いますと、遮へいが少なくて済むため、より小型化を目指すためには有用です。カリホルニウム線源はDD中性子源と同じようなエネルギーで、さらに低いエネルギーの中性子を発生しますが、DD中性子源ほど強いものを使おうとすると、放射能が強くなり、取扱いに注意を要し、容易には取り扱えなません。そのため、DD中性子のほうが強度を強く得られ簡単に使える点でカリホルニウム線源より有利です。
【小澤委員】その1行目に核物質を含む廃棄物を低減すると書いてありますが、低減するのは、弱い中性子だから周りの放射化が少なくなると、そういうことですか。
【小泉マネージャー】これは文章の書き方が悪かったかもしれませんが、通常、再処理のこのような高線量核物質を分析するときは破壊分析をします。破壊分析は、化学処理をして溶液等が廃棄物になりますが、こういった破壊分析をせず、非破壊分析をすることによって廃棄物を低減することができることを意味しています。ただし、破壊分析のほうは非常に精度が高く、非破壊分析のほうは精度が低いところが弱点なのですが、いいベストミックスをすれば廃棄物を少なくすることができると提案していいます。
【小澤委員】つまり、これは非破壊分析だから減るということですね。
【小泉マネージャー】そうです。
【小澤委員】分かりました。ありがとうございます。もう一つだけ、16ページ目にSMRを含む将来の核燃料サイクル・研究炉等を対象としたと書いてありますが、これは対象を絞っている理由はなんでしょうか。
【直井センター長】堀副センター長、お願いできますか。
【堀副センター長】堀でございます。18ページを見ていただきますと、今、2022年度までやっています研究の対象施設を水色で示しております。ウランの転換、濃縮、あるいは再処理施設、それから一般的な軽水炉を対象として評価手法を開発して、実際にそういった施設で評価しています。次のステップとして、今は実用化されていない将来の炉である第4世代の原子炉、SMR、ADS(Accelerator-Driven System)を含め、また研究炉も今までの評価に入っていませんので、そういったものも全部含めて評価をすることが、来年度から次ステップとして考えているものです。
【小澤委員】ここでいう魅力度とは、悪意を持った人たちから見て魅力があるものだと理解していますが、例えば高濃縮ウランだとか、核分裂性のプルトニウムが多く含まれている物質は核兵器の転用の懸念があるので、そういった悪意を持った人たちからの魅力度が高そうなものが対象になる、ということでしょうか。
【堀副センター長】そのとおりです。17ページで見ていただきますと、先生がおっしゃられた、核兵器として使われることがNEDになります、上の図の一番左端の脅威でして、それ以外に、テロリストは、放射能の強いものを盗取してダーティーボムのような形でまき散らす、あるいはサボタージュ(妨害破壊行為)もテロの中には含まれますので、そういった多様なテロの使われ方を想定して、それぞれどれぐらい魅力度があるか、逆に言いますと、脅威度を評価する手法を開発するのが目的になります。
【小澤委員】ダーティーボムというと、放射性物質が取り出しやすいかどうかで魅力度が高くなったり低かったりする感じがしますが、そういうものが対象になると。
【堀副センター長】核兵器(核爆発装置)として使われるケースと、それから、単にその放射線によるものとあります。放射線によるものですと、より線量の強いもの、強度が強い核種が、魅力度が高いといいますか、脅威度が上がりますので、そういったものは相対的にどれぐらい脅威度が高いか評価を行います。
【小澤委員】理解が深まりました。初歩的な質問ですみません、ありがとうございました。
【出町主査】小松崎委員、お願いいたします。
【小松崎委員】直井さん、どうもありがとうございました。非常に私にとっては面白いテーマで勉強になりました。
 先ほどの人材育成との関わりで今日いただいたお話を捉えてみますと、例えばこういう非常に面白い話でも、普通の中学生はきっと興味を持たないだろうなと。ただ、その中に、何人かの中学生が目を輝かしてこの話を聞くかもしれないとか、高校生だともっと増えるかなとか、あるいはビジネスマンで必ずしも原子力の専門家ではない人間にとっては、知っておくといろんなイメージが広がる、重要なテーマであるなと感じます。私は今日ここでお話しいただいて知ることができましたけども、社会に理解を広めるとか、当事者意識を持ってもらうという1番目で考えたテーマをからすると、厳しく言うとうまく使えていないのではないのかという気もいたしました。
【直井センター長】ありがとうございます。今、ISCNで進めております外への発信というところでいきますと、まず、毎年1回、12月頃に国際フォーラムを多様なテーマを選んで開催しています。これは、現在はコロナの影響でオンラインにて行っていますが、オンラインでも200名ぐらいの方につながってもらえております。
 もう一つは技術開発シンポジウムを、技術開発の節目ごとに広く一般の人にも参加していただけるよう大学と連携してシンポジウムを開催しています。
 それから、あと、我々が進めているこの技術開発に、大学の夏休みの研修生を受け入れる、博士研究員を入れるとか、声をかけるなどの活動は行っております。
 それと、もう一つは、ISCNニューズレターというのを月末にメールマガジンで発信しておりまして、核不拡散・核セキュリティに関わる国際動向に対して分析をして記事にしたものプラス、我々の技術開発の成果、技術開発の案内などの記事をニュースにして配信しております。今、720件ぐらいに発信しています。あとはホームページでの活動ですね。
【小松崎委員】非常に熱心にしてらっしゃることが伝わってきますが、厳しい見方をすると、結局、分野に興味のある方、興味を持ちそうだなという非常に限られたところへの情報発信という見方もできなくはないと思います。つまり、無指向性に情報を発信して、意外なところから反応を得ようと考えたら、方法論は変わってくるかと。
 例えば、ロボコンなどは、ロボットというと狭く感じますが、ロボットというキーワードによって自動制御ですとか、いろんな非常に広い科学領域に対してお子さんが興味を持って、サイエンティストや、エンジニアを目指していくという意味では効果的なわけです。
 そういう意味ですと、いかにも配信しなければいけないようなところではなくて、むしろ何でこんなところに情報発信するのかと意外なところに投げかけることによって、裾野を広げて、他事業分野や他科学分野の人との連携を深めるとかも、広報的な見方もすると効果的かなと感じますが、いかがでしょうか。
【直井センター長】そうですね。そういう発信をするというのはなかなか難しいですが、最近は様々なイベントごとにツイッターで投稿するとか、先ほどハイブリッドの検出器開発でSEECATに出したとお話しましたが、SEECATは昨年度初めてでしたが多くの方と話をする機会があり非常によかったと思っております。特に将来的にその商品化に参加したいという企業さんも来ていただけたことは、非常によかったと思っております。あらゆる機会を使って、社会実装に向けた、もしくは人材育成で興味を持ってもらえるような活動はぜひともやっていきたいと考えております。
【小松崎委員】大変重要なテーマだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【出町主査】そのほかの委員の方々からいかがでございましょうか。私から一つよろしいでしょうか。
 今回、御説明いただいた内容ですが、ホームページで公開されている情報、もしくはこれから公開される予定の情報でしょうか。
【直井センター長】これは、この作業部会後に文科省さんのホームページに作業部会の資料としてアップされる予定で作成しております。また毎年1回、先ほど申し上げました国際フォーラムにて、ISCNの活動報告ということで技術開発だけでなく、人材育成支援、それからCTBTも含めた全ての分野の活動成果を報告し、ホームページにアップしております。昨年はオンラインで開催しましたので、事前録画したプレゼンテーションつきのパワーポイントを今でもホームページにアップしております。
【出町主査】そうしましたら、これぐらいの詳細な情報がホームページでも閲覧可能ということですね。
 もう1個、最後のページですけれども、ISCNさんのホームページの写真が載っており「核兵器と核テロのない世界を目指して」とあります。核テロは分かりますが、核兵器までなくすというのがミッションとしてありますが、核不拡散なら分かりますが核兵器は実は微妙に違うのではと思いましたがいかがでしょうか。
【直井センター長】日本の国是として、核廃絶、核兵器廃絶という、国連がいつも出している決議案に従って究極的には核兵器をもうなくすことが最終的な目指すところということで、我々のミッションとしても掲げております。
【出町主査】特に間違ってはいないわけですね。
【直井センター長】はい。
【出町主査】ありがとうございます。五十嵐先生、お願いいたします。
【五十嵐委員】技術開発が様々なところで進んでいることが分かりよかったです。これは事務局への質問になるかもしれませんが、以前、この作業部会でも一度評価をさせていただいたと思いますが、今日こういった御説明をいただいたというのは、また評価があるのか、この作業部会といいますか、審議会の今後の評価スケジュールがもし分かれば教えていただければ。それが1点目です。
 もう一つは、今日は技術開発のことを中心に御報告いただいたのですが、今日の前半の人材育成のほうでも、今後さらに注力していただいていくことになると思いますが、もう既に取りかかっていらっしゃることがあれば教えていただきたいと思いました。前回もお話しいただいたかと思いますが。
 あと、これも前半の議論ですけれども、今日まとめた報告書の中で、今回のウクライナ侵攻が様々な核セキュリティのことを考える契機となったという文章を入れていただいていますが、直井センター長が実際にその現場にいらして、海外の方と議論される場面などで具体的にそのセキュリティの分野でも変化があるかどうか。感じられることがあれば教えていただきたいと思いました。以上3点、よろしくお願いいたします。
【直井センター長】1点目は、事務局にお願いしてもよろしいでしょうか。
【佐藤企画官】本日の技術開発については、進捗状況の報告ということで報告させていただき、いただいたコメントをISCNとして生かしていくという位置づけでございます。
 審議会としての評価は、数年に1回の評価のタイミングになりますので、もう少し先になるかと思っております。
【直井センター長】2点目の人材育成は、例えばおととしぐらいからオンライントレーニングに移行、グレードアップしてきております。例えば広島の被爆地訪問をオンラインでのサイトツアーで実施や、ライブでの放映、あとその参加者同士での雑談ができるようなアプリケーションをZoomの中に入れて、そのグループで研修以外の話もできるような環境を整えております。
 また、IAEAのコンピューターセキュリティのトレーニング等も今後予定されていますので、そういったところを使って、人材育成の報告書案の中にもございましたけれども新たなテーマに今後も取り組んでいこうと考えています。
 それから、新しい原発を導入しようとしている国としてエストニアがございまして、エストニアの人材育成支援に対して、JICC、原子力協力センターさんが既に支援をスタートしているのですが、その中で、核セキュリティの部分をISCNが担うと、オンラインでの参加になりますけれども、新たな2国間がスタートしている状況でございます。
 それから、最後のウクライナに対するその世界の状況なのですけれども、NTI――Nuclear Threat InitiativeというNGOがアメリカにございます。そのNGOが、いつもそのNuclear Security Indexというものを発表しているのですが、そのインデックスを検討する国際パネルの会合に出席依頼があり、ゴールデンウイークに参加しました。そこでも、30分、40分ぐらいウクライナの話が出まして、やはり想定外に備えることは、恐らく動きとしては今後出てくるのではないかと思います。
 確かにフィジカルプロテクションに関しましては、戦争みたいな軍事攻撃は対象にはなっていません。原子力発電所を運転している人たちが、デザインベースドスレッド(設計基礎脅威:DBT)を規制当局から与えられて、それに対して防護措置を取っています。今回の侵攻のような脅威はDBTでは想定されておらず、設計基礎脅威を超えてしまっていると思いますが、実際にはそういうことが起きているわけです。また、デザインベースドスレッドとして与えられているテロリストが持ってくる武器ですとか、人数などがデザインベースドスレッドを超えて起こるということも当然出てくるわけで、そういった観点で、Beyond DBTに対処しなきゃいけないときの対応を、少なくとも、例えば規制当局、警備当局、それから運転者、さらには軍、自衛隊とかも含めて、訓練を行うべきでないかという話は協議の中では議論されました。
【五十嵐委員】ありがとうございます。大変よく分かりました。1点目の評価の点については、先ほどの私の質問はすごく内向きの印象だったかもしれませんが、言いたかった主旨は、先ほどの小松崎委員の御意見と同様で、こういったすばらしい成果はぜひ広く発表していただいて、また国際的評価を受けられたならばそれをつけて、国際的な中でどの位置に今の日本の研究があるかなど分かりやすく情報発信をしていただくといいかと思い伺いました。
 また教育の点は、先ほどの追加になってしまいますが、魅力度のお話の中でそういうテロを起こしてしまうような人たちも出てきてしまうなど教育や情報発信は非常に難しいと思いながら聞いておりました。情報が悪いほうに流れないようにすることもすごく大事だと。これは感想です。
 様々な議論が進んでいるかと思いますが、ぜひ今後とも期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 あと、若手については、確かにサイエンスキャンプのようなことをこういったテーマで行うと、興味を持つ人が集まってくるのではと思いました。
【直井センター長】御質問に対する回答ではありませんが、1点。昨年の国際フォーラムの前日に学生セッションを開催しまして、その学生セッションの中で、今みたいに高校生、中学生が興味を持つのでは、との話が学生の中から出ました。例えば、文科省が進めております、スーパーサイエンスハイスクールですか、そのような制度に対してアプローチをするなどのアイデアが出ていて、今後やっていきたいと感じました。
【小松崎委員】スーパーサイエンスハイスクールは私も実は実施していまして、いろんな高校、場合によっては中学にも行き本気に真正面から深い話をすると、何人かのお子さんは驚くほど深い知識を持っていて、こういう子が優秀な研究者になっていくのかなと感じるケースをたくさん経験しておりました。スーパーサイエンスハイスクールで行うことは非常にいいアイデアだなと感じます。
【出町主査】関連して、サイエンススクールもすばらしいですが、各大学で行っているオープンキャンパスなどでも、そこで何かブースを持っていただくことは可能ですかね。
【直井センター長】どうでしょう。
【出町主査】できそうではありますよね。余計なことを言って申し訳ありません。
【直井センター長】喜多さんも前におっしゃられていましたけども、原子力全体がなかなかリクルートの学生さんたちが集まらない中どう興味を持ってもらって、応募してきてもらえるようになるかという中では、学園祭のようなところで行った方がいいのではないか。何かのイベントは一つのアイデアだというのは、昨年度の学生セッションで学生から出てきたアイデアでありました。それも一つあり得るのかなと感じました。
【出町主査】却下でないということは承知しました。井上先生、お願いいたします。
【井上委員】私も、大学生からだと少し遅いのかなと思っていまして、もっと年代の若い人たちが割とオープンな気持ちで科学の技術など聞くと、すごく刺激を受けるのかなと。先ほど、スーパーサイエンススクールという話が出ましたけれども、高校などは大変たくさん学校数がありますので、ターゲットを絞るという意味で全く賛同いたします。
 あとは、こういう若い方の間のインフルエンサーという方などを通じて、何というと正しいか悩みますが、こういう分野は非常に面白いということを、面白いといいますか、大事な重要な分野であり、かつ非常に研究として深いなど、そんなことを発信していただける方が、日本人でも何人でもおられたらいいと思いました。感想みたいなことだけですが。
【出町主査】センター長、今後とも、特に若い方向けにもぜひ。さっき私が申し上げたそのオープンキャンパスも、高校生向けのオープンキャンパスもございまして、井上先生がおっしゃったような若い方向けの場所もございますので。御協力いただければ、いろんな機会は幾らでも転がっているかもしれません。
【直井センター長】ありがとうございます。
【出町主査】そのほか、いかがでございましょうか。御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 では、以上をもって、議題の2をこれにて終了させていただきたいと思います。大体、本日用意させていただきました議題については以上でございますけども、そのほか、委員の皆様から御意見とか連絡事項等ございましたらお願いしたいのですが、いかがでございましょうか。
 もしなければ、本日、御参加いただいている小松崎委員ですが、明日5月19日で任期満了になられますので、もしよろしければ、御挨拶をいただいてもよろしいでしょうか。
【小松崎委員】貴重な時間を頂戴して恐縮でございます。考えてみると、正確には年数記憶しておりませんが、不慣れな分野に入れていただき、大変視野が広がりました。もともとサイエンスが好きでしたので、より原子力のことを勉強してみようと動機にもなり、それから勉強すればするほど、こういう優秀な方々の集団がほかの事業分野やサイエンス科学分野とうまく交ざっていないのは何とももったいと毎回毎回感じておりまして、残念ながら私の力では実現できませんでしたが、各先生方、委員の方々の今後の一層の御活躍で、より人類が安全になって、明るい未来が開けるように、ぜひますますの御活躍をしていただけたら大変ありがたいなと。あと、もし私でお役に立つようなことがあれば、いつでもお声がけいただければ、微力ではございますけどもお役に立ちたいなという気持ちでいっぱいでございますので、引き続きよろしくお願いいたします。どうもいろいろとお世話になりまして、ありがとうございました。
【出町主査】小松崎委員、長きにわたりましての御協力を賜りまして、本当に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。Webexは拍手機能がちょっと分からなくて、手でいたしましたが。
【小松崎委員】こちらこそありがとうございました。
【出町主査】ありがとうございました。では最後に事務局から連絡事項等をお願いします。
【佐藤企画官】主査、すみません、議題1で御議論いただきました報告書の案件について、確認ですが、今後の取扱いは主査と事務局で修正案を作成させていただき、私から言うのもなんですが、後日メールでお送りいたしますけれど、最終的な取りまとめについては主査御一任ということで進めさせていただければ。
【出町主査】先ほど、議題1のほうでいろいろコメントをいただき一応その都度御了解いただいたと思いますが、事務局さんと主査で、コメントを反映させた内容として、後日、皆様にメールで修正版を送らせていただこうと思います。よろしいでしょうか。誠にありがとうございます。では、事務局さん、以上でよろしいですかね。
【船曳補佐】それでは、最後に事務連絡をさせていただきます。本日の作業部会の議事要旨案につきましては、出来次第、メールにて確認依頼をさせていただきます。また、次回の作業部会におきましては後日連絡させていただきますので、何とぞ御理解、御協力のほどお願いいたします。以上でございます。
【出町主査】まだ次回とか、特に予定はないと思うんですが、もし次回、議題がございましたら、また、引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、ちょうど時間ですね。以上で第24回の核不拡散・核セキュリティ作業部会を終了させていただきます。誠にありがとうございました。
【小松崎委員】皆様方、お世話になりまして、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

お問合せ先

研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付

電話番号:03-6734-4558
メールアドレス:kaisen@mext.go.jp

(研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付)