原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会(第19回) 議事要旨

1.日時

令和3年7月19日(月曜日) 15時00分~16時40分

2.場所

新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

   1.核不拡散・核セキュリティ作業部会の設置について
   2.核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について
   3.その他

4.議事要旨

(船曳補佐)それでは、定刻となりましたので、ただいまより第19回核不拡散・核セキュリティ作業部会を開催いたします。
本日は御多忙にもかかわらず、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
今回の作業部会おきましても、前回同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からオンラインにて開催いたします。これに関連した確認事項などもありますので、議事に入る前まで事務局にて進めさせていただきます。
まず、オンライン開催に際しての留意事項を御説明いたします。委員の皆様におかれましては、現在、遠隔会議システム上で、映像及び音声が送受信できる状態となっております。御発言される場合は「挙手」ボタンを押していただくと、「挙手」マークが表示されますので、順番に事務局より指名いたします。もう一度ボタンを押すと「挙手」マークが消えますので、御発言をいただいた後は、「挙手」ボタンを押して、手を降ろしてください。会議中に、ビデオ映像及び音声が途切れている場合、その時間帯は御退席されているものとみなします。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時、事務局あてにお電話にてお知らせください。不具合が生じた場合につきましては、随時事務局宛てに電話にてお知らせいただくようお願いいたします。
続きまして、傍聴される方におかれましては、ビデオ映像及び音声をオフとしてください。お願いいたします。議事進行の妨げになるような行為を確認した場合は、遠隔会議システムから御退席いただきます。
議事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。事務局以外の会議の録画及び録音はお控えいただくようお願いいたします。
以上が本日の進行に当たっての留意事項になってございます。ここまでで御質問等ございますでしょうか。それでは、次に参ります。
令和3年2月より、当作業部会の上位の委員会に当たります科学技術・学術審議会におきまして、第10期から第11期へと期が変わりました。第11期におきましても、当作業部会の親委員会に当たります原子力科学技術委員会の主査から指名を受け、出町委員に主査を務めていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして本作業部会の委員として御就任いただきました皆様について御紹介させていただきます。
 東京大学大学院工学系研究科准教授 出町和之委員
 フリージャーナリスト 五十嵐道子委員
 同志社大学大学院ビジネス研究科教授 井上福子委員
 一般社団法人日本電機工業会原子力部長 小澤隆委員
 一般社団法人日本原子力産業協会人材育成部長 喜多智彦委員
 セコム株式会社元顧問 小松崎常夫委員
 電気事業連合会原子力部長 中熊哲弘委員
 京都大学複合原子力科学研究所教授 中島健委員
 公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター企画部調査役 布目礼子委員
委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議題に移りたいと思います。本日の議題は、お手元の議事次第に書かれているとおり、
 1. 核不拡散・核セキュリティ作業部会の設置について
 2. 核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について、となっております。
最後に事務局より、本日の出欠と配付資料の確認をいたします。
まず、本日の会合ですけれども、本日は全9名の委員のうち8名に御出席をいただいておりますので、定足数である過半数を満たしております。
続いて、本日の配付資料ですが、今回は委員の皆様及び傍聴の登録をされた方宛てに事前にメールにて配付資料をお送りさせていただいております。会議中、遠隔会議システム上ではシステムに表示いたしませんので、各自のお手元にて御確認いただきますようお願いいたします。
では、配付資料の確認に移らせていただきたいと思います。
 資料1-1 第11期科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会委員名簿
 資料1-2 原子力科学技術委員会核不拡散・核セキュリティ作業部会の概要
 資料1-3 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 原子力科学技術委員会運営規則
 資料1-4   科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 原子力科学技術委員会における作業部会について
 資料2-1 第18回核不拡散・核セキュリティ作業部会における主なコメント
 資料2-2 核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成についての議題提案
 資料2-3 人材育成ヒアリング候補(案)
 参考資料1 核不拡散・核セキュリティ分野の専門性について(イメージ図)
以上が配付資料になっております。資料の欠落等がございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。また、議事の途中でもお気づきの点等がございましたらお申しつけいただきますようお願いいたします。
事務局からは以上でございます。ここからの進行は出町主査にお願いしたいと思います。それでは、出町主査、よろしくお願いいたします。
(出町主査)東京大学、出町でございます。第11期も引き続き主査を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、この猛暑と、また、コロナ禍もなかなか収まらない中、御多忙の皆様にお集まりいただきまして、誠に感謝申し上げます。第11期の本日最初の作業部会となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
早速議題に入らせていただきます。まず、議題1が核不拡散・核セキュリティ作業部会設置についてです。事務局さんから説明をお願いいたします。
(萩原企画官)事務局の萩原です。資料1-1から1-4について御説明を申し上げます。
資料1-1は委員名簿ですので、御覧いただければと思います。
資料1-2は本作業部会の概要で、本部会の主な検討事項として「2主な検討事項」(1)から(3)に核不拡散・核セキュリティ分野の研究開発課題、人材育成、その他課題と定めております。今期につきましては前期からの継続ということで、主に人材育成について御議論をいただく予定でございます。
資料1-3が原子力科学技術委員会の運営規則となっておりまして、こちらの第2条に基づいて本作業部会が設置され、その次の第3条が定足数を定めておりまして、委員の先生方の過半数に御出席いただいた場合に会議を開くことができると。次の第4条は書面によって審議を代えることができると。それから、第5条にて原則公開、第6条にて委員の先生方に御確認いただいた後に議事録を公開する旨が定められており、さらにその後ろに、オンライン会議を開く場合の留意事項を定めております。
それから、資料1-4ですが、原子力科学技術委員会には三つの作業部会が置かれておりまして、一つが研究開発・基盤・人材作業部会、それからもう一つがバックエンド作業部会、そしてこの核不拡散・核セキュリティ作業部会という形で、三つそれぞれ特定の事項について詳しく御議論いただくために作業部会が設置されているというものです。
(出町主査)ありがとうございます。ただいま資料1-1から1-4まで御説明いただきましたが、まず御質問とか御不明な点はございませんでしょうか。
資料1-2の主な検討事項に書かれている、核不拡散・核セキュリティ体制強化に必要な人材育成手法が、前回から議論していることだと思います。特に若い方々、若くなくても良いのですが、これから核不拡散・核セキュリティを目指そうという方々に、キャリアパスをどう見せるかが一つの大きな議題だったと記憶しております。
私の希望ですが、最終的にはこの11期中にセキュリティを目指そうという方々、目指してもいいかなと思う方々に、キャリアパスはこういうものがあるとことを見せられる、そういう形のものが出力できればいいなと思っております。議題1について、他御意見はよろしいでしょうか。
(小松崎委員)小松崎でございます。前回出席できなかったため確認ですが、前回はキャリアパスにフォーカスをすることになったということですが、キャリアパスに着目をした背景とか基本的な考え方について、少し補足をいただけますでしょうか。
(出町主査)現在、核セキュリティを目指す人たちは大学でも実際多くありません。事業者さんにおかれては、入社してから中で教育されていることが多いと思います。
それは、核セキュリティを目指したときに自分がどういう職に就けるかという、そもそもの情報やイメージがないためではと思っております。かつ私の場合には大学ですけれども、我々から見ても、核セキュリティの人材を育成するとき・実際育成したときに、どこでどう就職できるとのどういうルートがあるのかが分からず、学生に示すことがなかなかできない。そのため民間企業等のいろんなところから、今どれぐらい核セキュリティの人材が欲しいのかと情報を仕入れ、ニーズがまずどれだけあるかが分からないと、教育もなかなか簡単ではないと考えております。
その一方で、これは前回事務局からの話に出ましたが、核セキュリティにはいわゆる核セキュリティそのもの以外の多様な専門性を持って、核セキュリティ担当者や省庁、あと国際的に活躍されている方が居ると。民間企業等の核セキュリティ人材のニーズ、そのニーズに沿った以外のキャリアパスと全体像をまずこの場で確認して、見せられるようにするのが、最初の一歩じゃないかと考えたのが前回でございます。
(小松崎委員)大体ニュアンスはつかめました。ありがとうございました。
(出町主査)また質問等出るかもしれませんが、議論の中でもしも御不明な点がございましたらおっしゃっていただければと存じます。
よろしければ、一応議題1は以上としまして、議題2に移らせていただきます。
議題は、核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成についてです。先ほど申し上げたとおり、人材育成に焦点を当てることが前期の結論で、11期はさらに深めるための足がかりを行っていきたいと考えています。
それでは、事務局より資料2以降の御説明をお願いしします。
(萩原企画官)資料について御説明申し上げます。まず資料2-1ですが、こちらは前回の作業部会における主なコメントをまとめたものです。
一つ目、まず核不拡散・核セキュリティに精通した人材というのはどういうものかを考えた時、いわゆる原子力人材と同じものではなく、国際法に関する理解とか手続等にも熟知して実行できる人材が当たるのではとの御意見がございました。
実は、親会の原子力科学技術委員会の本委員会でも、五十嵐先生はお聞きになられていたと思いますが、「原子力一般の人材」と「核セキュリティの人材」は何か違うのかと御意見がございました。共通する部分ももちろんありますが、「核セキュリティ人材」には原子力一般とは少し違う広がりがあるのではないかと、そこをより専門的に本作業部会で御議論いただいてはどうかとのお話がそちらにてございました。
二つ目、学生にとって魅力的な分野とは、学んだ知識を幅広く活用・応用できる分野であると御意見がありました。これは今、出町先生のお話もありましたが、核セキュリティだけと言うとかなり限定的になってしまい、核セキュリティしかできないとなるとなかなか学科を選ぶときにも判断するのが難しくなりますが、さらなる広がりがあるのであれば、多くの方に入ってきていただけるのではないかという御議論です。
三つ目、核不拡散・核セキュリティ人材として、将来的にどのような活躍の方向性があるかをイメージしやすいものがあるとよいのではないか。それから、国際機関や電力会社、企業内での教育とキャリアとの関連性やその他の分野に活用できるものかを見せることも重要ではないか。具体的なキャリアパスを整理することが必要であると。こちらは先ほど出町先生から御説明いただいた背景のとおりです。
四つ目、実態としては、電力会社等では核不拡散・核セキュリティをOJTとして学んでいることが多く、核不拡散・核セキュリティだけに絞ってキャリアパスを固定して育成していくことは稀であると。
それから、国際機関での勤務を志望する学生も増える中、国際機関の法人就職率がなかなか上がっていない状況があります。海外大学との連携で意識を芽生えさせ、何年後かのキャリアパスを見える形に持っていくことが必要であると御意見がございました。
こういった御意見を踏まえまして、資料2-2に入ります。
核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成の議題提案として、今期ではこういった御議論はどうかと事務局としてまとめたものになります。
まず、核不拡散・核セキュリティ分野は、学んだ知識を幅広く活用・応用できる分野である一方、その重要性や魅力が学生に十分に伝わっていないことから、学生が将来のキャリアパスをイメージできるような工夫が必要ではないか。そのため、核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成の取組の整理、精緻化を実施してはどうかと考えております。具体的には以下の二つの段階を検討しております。
一つ目として、核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成の実態の把握。核不拡散・核セキュリティ分野における人材を階層別に分類して、それぞれの階層において必要となる知識・技術やキャリアパスの具体例についてヒアリングを実施するのはいかがでしょうか。二つ目ですが、そのヒアリングを通じて、人材の供給元と供給先について整理を行って、キャリアパスの見える化を実施してはどうかと書いてございます。
参考資料1が前回の作業部会に事務局からお出しした資料で、どこから人材を持ってきて、その人たちに対してどうスキルアップをしていただき、最終的にどこに行ったらいいのかをマップのような形で整理できれば、キャリアパスがかなり具体化、視覚化されるのではないかと、こちらをもう少し精緻化していくことを考えてございます。
資料2-2に戻って2ページ目が、核不拡散・核セキュリティ分野における人材の階層の案として、三つの階層ぐらいに分けて考えてはいかがでしょうかとまとめたものです。
一番上に書いてあるのが実務者、現場で手を動かす方ということで、具体的には原子力関連施設の運転員、作業員、それから原子力関連サービスの従事者等を想定しております。これらの方に求められる知識・技術は、現場での作業の手順を理解して的確に行うことができる、各作業の意味・背景をおおむね理解していることではないか。これに対しては、基本的にはOJTでスキルを習得していただきますが、座学による現場作業に必要な知識の習得もある程度必要になるでしょう。
こういった人材育成は今、一義的には所属している機関・組織で行われているのであろうと思いますが、技術・知識のさらなる向上を目的とした研修を業界団体や専門機関が取りまとめて実施している場合もあるようです。これらの実態をお聞きしたく、ヒアリング先候補として、電力会社、JNFL、JAEA、それから原燃輸送、原防などを考えています。
それから2段目、管理責任者です。これは現場で手を動かす方というより、もう少しマネジメント色の強い方を想定しており、原子力関連施設の管理責任者や原子力サービスの責任者、それから行政機関の専門職員などを想定しています。これらの方については、現場で必要となる技術・知識について原理や理論的背景も含めての理解が必要ではないか、関連の条約や法令理解の必要もあるのではないかと。これらの方に対しては、OJTによる現場で必要とされる基本的なスキルの習得、一定以上の実務経験が必要であるとともに、座学による物理・化学・工学・技術・法令・行政手続等の専門知識の習得が必要ではないかということです。
これらの人材育成については、一義的にはその所属されている機関・組織で行われていますが、やはり知識・技術の向上のためには、業界団体や専門機関で取りまとめての実施が考えられます。ヒアリング先候補として、例えば原子力規制庁、地方自治体の原子力安全を担当されている方などが想定できます。
最後、一番下段に書いているのが専門家です。こちらは大学等の教官、原子力関連機関の研究者・技術者、それから国際機関の専門職を想定しています。これらの方については、先端の技術動向を把握するとともに、現場で求められるニーズを理解していることが必要ではないか、国際的な政策動向を把握していることが必要ではないかと考えています。そのためには、大学院等高等教育機関における高度専門教育が必要であるが、国際学会等に出席して国際コミュニティの中で情報交換等が必要であるかと。
これらの人材育成の担い手は、大学院等高等教育機関、それから専門機関・国際機関等高度の専門知識や技術を提供できる主体がやはり中心となってくるだろうと考えております。ヒアリング先候補としては、大学の関係者、JAEA、核管センター、IAEAの職員の方などが想定できるかと。
これらを踏まえまして、具体的にヒアリング先の候補として事務局でまとめたものが資料2-3です。こちらはヒアリングの方法も含めて案を提示させていただいております。
まずヒアリングの進め方については、今回御議論いただいて実施方針を決めたいと思っています。案としては、次回と次々回にヒアリングをし、各人20分お話を聞いて10分質疑応答との1人当たり30分を考えており、これらを1回当たり3名から4名の方からお話を聞き、計6名から8名ぐらいの方からヒアリングをする提案です。ヒアリング後の作業部会においては、そのヒアリング結果を踏まえて取りまとめいただくことを考えております。
より多くの方からヒアリングを御希望であれば、回数を増やしますし、取りまとめもどのような結果が出るかまだ分かりませんので、結果をまとめるに当たってより御議論いただいたほうがよろしければ、1回と言わずもう少し回数を増やすこともあり得べしと考えております。
ヒアリング先の候補としては、今、事務局としては5名の方を考えています。
まずお一人が、委員のお一人でもある井上先生です。井上先生はIAEAの中で人事担当として務められていた御経験がおありですので、IAEAでのキャリアパスについて御紹介をいただければと考えております。
それから2番目、東京大学の齊藤名誉教授です。現在、核管理学会の会長をされており、特に東工大は恐らく我が国で唯一核セキュリティを専門にした講座を持っておられ齊藤先生は長い間この分野の人材育成に携わられてきたので、いろいろ御意見があるかと。その御実績に基づく紹介と、やはり実際にやってこられた中での課題など感じておられることを御紹介いただいてはどうかと考えております。
3番目、核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの直井センター長、我が国の拠点として整備されているISCNの中での取組を御紹介いただくとともに、JAEA内で核セキュリティの人材をどう育成されているのかも御紹介いただければと考えております。
4番目がメーカーの関連の方で、こちらは原産協会から御紹介を考えておりますが、メーカーの中で核セキュリティや核物質防護などを担当される方はどのように人材育成されていか、OJTとしてどのようなことをやられているかを御紹介いただければと思います。
最後、同じような話ですが、電力事業者関係者の方を電事連から御紹介いただければと思いますが、原子力発電プラント等でどういった人材育成をされているかお話をお聞きできればと考えております。事務局からの説明は以上です。
(出町主査)ただいまの資料2-1から2-3の資料について、御質問、御不明な点があればお聞きし、その後議論に入りたいと思います。いかがでしょうか。
資料2-1は、核不拡散・核セキュリティ関係の人材は、一応原子力人材とは同一ではないということですね。あと、結構IAEAは原子力そのものよりもセキュリティ分野が局として大きい程であり、国際法を理解し、手続等が実行できる人材が必要となります。ISCNからも、常時数名出向していらっしゃるかと。
学生にとって魅力的な分野として、どういうことをアピールすれば広く核セキュリティ・核不拡散を目指すようになるか、どのような潜在的な要素を持っているかをまとめられています。さらに3ポツ目ですけども、それを潜在的にしておくのでなく具体的に学生がホームページやウェブサイトなどで見て、核セキュリティって夢があり素晴らしいことだと分かって貰えるものを最終的に出力したいと考えています。そのため、具体的な国際機関や電力会社の企業内の実態をできるだけ把握し、それを見せることがキャリアパスとして大事なポイントかと思っております。
民間会社におかれましては、大学での教育などは特段不要でOJT教育で事足りているという御意見も考えられますので、そうであればその実態をちゃんと調べた上で正直に示すと。国際機関や・電力会社などの全体的な実態をしっかり含めてキャリアパスを見える化したいと思っております。
資料2-2の資料の議題の提案について、先ほど事務局からポイントを二つまとめていただきましたが、まずは実態の把握と。次のページにありますように、階層別に人材というものを実務者、管理責任者、専門家の三つに分けて、それぞれキャリアパス、実態、典型例と、あとは、一つのエリートコースと言いますか、大成功例を調べられればと思います。
網羅的に調べ、いかに最終的に分かりやすい形にまとめて見せるか、見える化をするかがポイントだと思います。
以上が、資料について私から議論していただきたいポイントです。
また資料2-3について、事務局提案に私も事前にコメントした結果、5名のインタビュー候補者が書かれておりますが、全員から御承諾をいただいていますか。
(萩原企画官)候補者のうち具体的なお名前を書いているお三方は、お話を始めています。2人の方はこれから御紹介いただきますので、本日御承認いただければ、原産協と電事連とに個別に御相談させていただければと思います。
(出町主査)そうしますと、お忙しい方々に長時間取っていただき質問をするので、効率的に聞かなきゃいけないと思います。曖昧なコメントで申し訳ないですけども、後で整理するためには、漠然と喋っていただくのでなく共通の聞くべきポイントを押さえたほうが良く、聞くべき大事な項目をリストアップした方が良いかと思います。
他には、聞くポイントを絞るにはいろんな議論が出、また各人核不拡散と核セキュリティの両面・ないし各面お得意な方がいらっしゃると思いますが、バランスよく聞く必要があると思います。私の希望としては、齊藤先生とか直井センター長は広い知識をお持ちですので、典型的な核セキュリティ人材のパスをお聞きできればと考えています。典型的なパスと、またエリート的というか何か夢のある、井上先生とか、直井センター長のような夢のある大出世コースと言うのでしょうか、典型例とエリートコースをひとつずつ可能であればお聞きできれば。
あともう1点、これは電事連がお詳しいかと思いますが、特に階層案に書かれている実務者、管理・責任者については、人数込みで定量的なニーズ、可能であればいつまでにという時間的な定量性も含めて聞けると良いなと考えています。
また今回は海外は対象外で、日本の典型例、日本のキャリアパスで良いでしょうか。
(萩原企画官)活躍される先としての海外も当然想定できますが、まずは我が国の中でどう人材育成をして活躍をいただくかに焦点を絞っていただければと思います。ただ、その比較の中で、海外ではどういう経路があるかを対照として見たほうが分かりやすければ、出していただくことは全く問題ございません。
例えば海外だと専門職として成立している人がいて、その人が多様な施設とか行政機関とかを渡り歩いてそれだけで食べている人もいますが、日本の場合だとそこまでの人材流動性がないかと。恐らく専門家になりそこで出世され管理職的なところに登られて、一つの仕事としては携われるけど、それが全てでない形になるなど文化的背景とかも異なってきますので、あまりそこを突き詰めてもしようがないかなとは思います。ただ、比較としては重要なので、井上先生、直井センター長からお聞きできれば。
(出町主査)海外事例を参考にして日本はどうかと比較するのは非常に参考になると思いますので、井上先生や直井センター長から情報いただければと思います。
あと、学生、相互作用で私が考えるポイントですが、どの分野でも「専門家になるためには何を勉強すれば良いのか」がよく聞かれますので、可能であれば聞くポイントの一つに入れていただければ。
駆け足のコメントで申し訳ありませんが、私が思うのは以上のポイントです。喜多様、お願いいたします。
(喜多委員)資料2-1の階層案について。この段階で各論に入ってしまうのはあまりよろしくないと思いますが、原子力安全において「安全文化」というのは間違いなく最も重要な基礎をなすものであり、やはり核不拡散や核セキュリティにおいても、核不拡散文化や核セキュリティ文化が全ての行動の基礎になるものだと思っております。実務者、管理責任者、専門家に習得が必要・求められる知識に核不拡散・核セキュリティ文化も入れていただければと思います。
(出町主査)これからインタビューして実態とか知見を伺う中で、核不拡散文化・核セキュリティ文化をどう教育しているか、インタビュー項目入れることでよろしいでしょうか。
(喜多委員)そうですね。
(出町主査)続きまして小松崎様、お願いいたします。
(小松崎委員)前回欠席していたので、既に済んでいる議論があるかもしれませんが、率直に申し上げて、人材育成を考える方向感として少し疑問を感じながら伺っていました。
人材育成のタイムスパンを考えた時に、今議論されていることは既に今必要だと分かっていることに対して、それができる人をどう育成していこうかの話に聞こえますが、核セキュリティという概念は本来非常に広く、長期的にやらなければいけないもの。将来のビジョンを描きながら技術の方向性や人材を育成するのは非常に難しいものでありますので、非常に短いタイムスパンで物事が考えられていると感じました。「人材育成」という言葉を使っているので、今の子供たちやこれから生まれてくる子供たちにこの分野に興味を持って貰う、短く見てもそれぐらいのタイムスパンで考えなきゃいけない気がします。事務局が整理された資料だと、現在見えている問題点や現在典型的に行われている業務にフォーカスして議論されているところが大いに気になりました。
これから次々に生まれるだろう新しい分野、新しい技術をこの核セキュリティに適用させるのであれば、既存の概念ではなく学際的な吸収力をどう高めていくのか等も少なくとも検討をする必要があると思います。具体的な例を申し上げると、核セキュリティ問題とは原子力発電だけでなく大げさに言えば地球セキュリティの問題であると考えますので、宇宙や、また今革新的な研究が行われている素粒子などのアウトカムを使って、今できないことができるようになる、そのような研究開発ができる人材をどう養成するかとか、我々世代の知識の中で道を与えて歩かせるのではなく夢を与えるには、長期的なスパン、しかも人類に大きな貢献をする大事な分野だと大きなビジョンを持って、まずこの「人材育成」を見る必要があるかと思います。
少しくどくなりますが、もうヒアリング先のお名前や項目が決まっているとすれば、既定路線をどう実現するにしか見えないような気がします。そもそも論に戻ってしまうことを申し上げているかもしれませんが、どうしたらこの分野がもっと拡張し、将来的に見たときにこの勉強がどう人々の役に立つか、そのようなシナリオが描けるかを意識しながら、将来に向かってできること、あるいは今はできないが、そのような人材が必要であることは考えるべきかと思いました。
また最後になりますが、一番具体的な問題点を感じるのが資料内の「階層化」という言葉です。今やることは階層化ではなく「構造化」と思います。これからやらなきゃいけないことに対してどのような構造をつくるか、今何ができており、できていないことは何か、それが有機的に結合して学際的に展開するために何をするべきかであり、むしろ「階層化」を否定する視点で考える必要があるという気がしています。
(出町主査)まず、短期的な目的に縮こまっているという御意見をいただきました。長期的なスパンも視野に入れ、特に若い学生を対象とした場合、自分自身が将来核セキュリティの世界を開拓していけるのだという視点も入れたキャリアパスを見せることが必要だと理解いたしました。
あと、資料2-2の2ページ目の階層表は古くさいので、分断するような形の階層構造ではなく有機的につながるような構造化という、お互いどういうふうに関係するのかを含めて、また、タイムスパンも含めて、時間と階層、かつその関係性の3点を入れた整理の仕方が必要、との御意見と捉えました。五十嵐先生お願いいたします。
(五十嵐委員)今の小松崎委員とほぼ同じことを感じまして、この分野の可能性や魅力を伝えていきたいということがこれまでの議論だったと思いますので、どういう仕事があるか現状を調べていくことがまず非常に大事で、現状を把握する上で、それぞれの先生方から今ある問題点、これからの可能性を示していただくインタビューができればいいかと思います。
今は融合的なことが重要視される時代になってきており、まさにこの分野は先ほど喜多委員もおっしゃったような文化などとの文理融合的な部分、新しい視点を取り込んでいくことが非常に重要なところと思います。この階層の構造も含めて、より魅力的なものが示せると良いのかなと。
(出町主査)「この分野の魅力」の言葉は非常に響きました。学生たちから見て、本当にこの表で良いのかは確かに議論が必要かと思います。ただ現状を調べるときには少し整理して聞く必要があるので最初のうちはこの整理とし、実態が見えてきたら、関係性を整理する…小松崎さん、有機的な繋がりとは関係性でよろしいでしょうか。
(小松崎委員)ええ。自分も長年、新しい産業での人材育成に携わってきたもので、人材育成には非常に関心が高いのですが、一言で言うと、子供たちは人類のヒーローを求めます。アニメの世界を子供が好きなのは、皆の役に立って地球が救える等、皆の役に立ちたいという本能があるからだと思っています。そうすると、キャリアパスによる出世できてエリートだという魅せ方は、大人はすごく大事な話だとしても子供にはあまり響かない。人々が安全に生きていくために欠かせない大事な仕事、みんなのヒーローになると伝えられたら、小さいときにこの仕事に魅力を感じて、将来的に専門にする優秀な学生も出てくるのではないかと考えています。
そのため人材育成を考えるには、キャリアパスやお金に関わることからではなく自分が人間としてどう人々の役に立てるのか、さっき喜多さんがおっしゃった文化や、このようなビジョンが土台にないと、面白くならないと思います。
ただ、それだけでは具体的な策がつくれないので、そのようなビジョンを押さえながら、目の前にある現実の問題、現在エッセンシャルなヒーローがどれだけ居り何をしているのかのインタビューも非常に有効ですので、両サイドからまとめていくことができたら、多様なアプローチになるのではと思っております。
(出町主査)中熊さん、お願いいたします。
(中熊委員)小松崎先生の御意見は、非常に重要なポイントかと思います。我々は発電所を運営する立場ですけれども、そもそも核不拡散・核セキュリティがいかに重要な分野かをしっかり学生に伝えることがまず一番に必要なところかと。
柏崎刈羽原子力発電所はまさにこの分野で問題が起こっておりますが、喜多先生がおっしゃった安全文化とセキュリティ文化、これは発電所の中で情報管理等の観点で非常にバウンダリーがしっかりしていて、核セキュリティ情報はセーフティ側の人間にはなかなか行かない、そんな話があります。逆を申し上げますと、安全文化は非常に我々電力が重視しその文化醸成活動は非常に一生懸命行っておりますが、セキュリティはどうしてもそれとは独自の文化醸成活動になっており、インターフェースがうまくいってなかった。今回のような事象が生じてしまった一つの一因であったと私は受け止めています。
そのため、この分野が非常に重要だと今後発電所の職員にももう一度しっかり伝え直す、教育し直す必要があると思いますが、これから業界に入ってくる学生たちにもしっかりお伝えするのは、まず一丁目一番地としては重要な部分と思います。
その上で少し質問ですが、資料2-1の四つ目のポツ、これは私が前回発言させていただいたものですが、赤字で書いてあるように発電所運営の観点では、セキュリティだけに絞ってキャリアパスを固定して育成していくことは稀です。特に学卒は、まず起こらない。高卒は長い間その分野で定着することはあり得ますが、今、恐らくこの作業部会の対象は大学や修士卒と考えると、あまり固定的なことは申し上げ辛く、先ほど申し上げたセーフティとセキュリティの深い溝を今後是正していくためには、より今後人材的な交流が必要で、人事ローテーションの重視が検討されるのではないかと感じております。
そういう観点での質問ですが、資料2-3(e)のところで発電プラントの運転や管理に係る人材育成を目的とした電気事業者ヒアリングがありますが、運転や管理となるとセーフティもセキュリティも全部ひっくるめるように受け止められ、各社原子力部門の人材育成計画や戦略、全てのことをお聞きになりたいか、あるいはセキュリティだけに特化してお聞きになられたいか、その場合には具体的な内容をもう少し明らかにして貰えますでしょうか。今申し上げたような背景があるので、全体の人材育成を網羅的に統括されている方なのか、もしくはセキュリティ部門の方に出ていただくのか、お願いする対象も変わってきますので、五十嵐先生もおっしゃったように、ここは何を聞きたいのかをもう少し明らかにしていただかないと、なかなか対応に苦慮すると思っております。
(出町主査)資料2-3の人材育成ヒアリング候補の(e)電気事業者ですが、私は人材育成の全体像を分かっている方がいいかと思います。セキュリティだけの狭い範囲でなく、特に電気事業者の中でセキュリティだけいう方はいないとのことでしたので、前後も含めて核セキュリティの担当者は何が求められているか御説明いただくためには、広く人事担当かなと思いますがいかがでしょうか。
(中熊委員)そういたしますと、あまりセキュリティに特化しない説明ぶりになるだろうと思います。あるサイトの核物質管理部長は燃料出身、ある違うサイトは運転出身だったりするし、その上の全体責任者も、やはり燃料出身、技術出身ともろもろの人間がマネージする立場に行っています。そこのポストに座るまでには千差万別ある様々な分野のキャリアを踏み、最終的にはその人の資質なども含めて選ばれていくことになると思います。もう少しセキュリティという観点で何をお聞きになりたいか、繰り返しになりますが、もう少ししっかり質問を立てていただかないと、なかなか対応する人間も困るかと思いますので、重ねてお願いいたします。
(小松崎委員)今、非常に重要なお話を中熊さんがされていて少し思ったのですが、今回、人材育成がタイトルですが、もしこれを英語で言うとしたら、エデュケーションのことか、トレーニングのことか、カルティベーションのことかが非常に曖昧だなと。実際に今、現場で誰が何をしているかはトレーニングみたいな話で、エデュケーションにもならないかもしれないと。それから将来の人材というのであれば、喜多さんがおっしゃったような、カルティベートまで考えなきゃいけないかと。
今現在は、人材育成という言葉を狭く使ったり広く使ったりして話がなかなかはっきりしていない気がします。そのため、さっき時間軸も申し上げましたが、現在必要な人をどうトレーニングすればいいのかが今回の主題になるのか、それともそれも含め将来を見込んでどういう新たな人材を育て上げていくかを押さえた上で、出町先生まとめられたほうがよろしいかと。
(出町主査)小松崎さんがおっしゃったように、今の方針は、現状の枠組みの中でいかに人を送り込むかが目的であります。それは現状が逼迫しているためでありますがも、確かにそれだけでは駄目で、将来、特に若い学生たちを巻き込む・引き込むためには、夢があることも必要だと。そういう意味ではまず現状を把握した上で、月並みな言葉ですが日本の核セキュリティがどうあるべき姿かも見せられる形にならなければ、本当に優秀な方は来ない気もします。今の核セキュリティの現状・全体を踏まえた上で、専門の目から見てここが足りないと分析する。頂と裾野が両方あるから山であるという言葉があるように、夢を見せるためには、裾野と言うと怒られるかもしれませんが頂も必要な要素かもしれません。
さっき小松崎さんがおっしゃった、将来の核セキュリティを本当に真剣に考えてリーダーになっていくような人たちが何を必要と考えているか。最近、IAEAもAIを取り込もうと頑張っていますが、そういうことを先見の明でもって語ってくれる方、そういう頂となる人材像の育成も一つ大事なカテゴリーとしてやる必要があると思っております。夢を見させることについては。井上先生、手が挙がっていらっしゃいますがいかがでしょうか。
(井上委員)前の議論に戻り、魅力をどうつくっていくかという話になりますが、私がIAEAにいたときに、原子力機関の人は本当に良いものをやっていると感じておりました。自分たちが世界を守っていると凄く高い使命感で仕事をしていて、自分たちがジェームズ・ボンドだと言っている方もおられました。業務というと、人里離れた施設のあるところで何日も滞在し大変な思いをされて活動されていますが、そこには使命や任務があり、世界にも繋がっていることをしているのだと、大変だけど本当にやりがいもあるとおっしゃっていました。
国際機関で働く経験ができる方が多くなることを望んでおりますが、一方で昨今状況がとても変わっている現状もあります。査察官の育成は時間もかかるため、以前は査察官に対するパーマネントのポジション提示が多くありましたが、昨今はIAEAだと5年・7年がポジションの任期ルールとなっております。そういう時代が来ていることを考えると、1点の仕事・業務だけの魅力だけではよろしくなく、皆さんの議論と同様になりますが、そのエリア自体がすごく魅力的なものであり、例えばあるところから別のところに自由に行き来できるプラットフォームのようなものがあれば、さらに魅力的かと思いました。
また論点が変わりますが、先ほどタイムスパンの話がありました。私の知るところによると、IAEAでリードを取る日本人のシニアメンバーが少なくなってきているのは確かであるので、10年以内に3人リーダーを送り込むなどあれば割と議論しやすいかと。今はその話なのか、それとももっと分野全体を魅力的にしていく話なのかが少し不明瞭ですので、どの観点でお話をしたらいいのかが少し悩ましいところです。
それと、もう一つ。今、技術分野とか専門性の話が前回から出ておりますが、結局そのマネジメントのポジションを取るには、マネジメント力がすごく大事でありますので、技術の話だけでは、ゆくゆくは問題につながるのではないかと危惧しております。
IAEAにおいてもP5とか、課長や部長などになる方、更にその上の方々は、本当に大きな組織をマネジメントしたなどの経験がないとなかなか俎上に乗れない現実がありますので、議論の中でどう取り込んでいけるかも少し考えないといけないことかと思います。
(出町主査)小澤先生、お願いいたします。
(小澤委員)もう少し整理をしたほうが良いと思っています。学生さんに魅力あるいは夢を見せたいということはそのとおりだと思いつつ、核セキュリティ分野で夢を見せてくださいとヒアリングの先生にお願いするのは非常に難しいかと思った次第です。
世界での活躍できる一つの分野がたまたま核セキュリティの分野だった、核セキュリティを目指したら自動的に世界があってそこでずっと活躍できるものでもないようなイメージを持っていまして、そこをもう少し紐解いてみたらどうかと思います。
それから、文化という話ももちろん重要な話ですが、「原子力文化」の中の安全文化だったり、核セキュリティ文化だったりをどう見せられるのかは少しぴんとこないところがありましたので、先生たちにお願いするとしたら、そこを整理する必要があるかと思います。
そういう意味では、ヒアリングの先生候補について、資料2-3(a)(b)(c)の先生方はもちろんお聞きしたい分野ではありますが、国際機関ではどうでしょうか・どうだったでしょうかという聞き方や、東工大の齊藤先生には、核セキュリティとは、やその先にある文化・夢などの話を語っていただくなど、依頼の仕方を工夫してはっきりさせて話を聞いたほうがいいのではと思った次第です。
(出町主査)布目先生、お願いいたします。
(布目委員)話が変わりまして、資料2―2の階層表になりますが、この階層の表というのは逆に夢がなくなってしまうのではと思いました。この分野も、原子力だけではなく、電気、社会、心理学など多様な分野の方々が集まって仕事をしていく分野だと思います。
最初はどこかに入って学びながら対応できるようになり、ある意味核不拡散・核セキュリティにおけるゼネラリスト的な方になられると。またその方々はだんだんとマネジメント能力もつけられ管理者というような形になっていく、ゼネラリストとして大きくなっていくような気がします。
逆に、この核不拡散・核セキュリティ分野の中で自分の専門分野をずっと生かしていきたいという方もいると思います。そうすると、一旦ここに入ると、みんなこのキャリアパスでゼネラリストを目指すと見せるのではなくて、専門性を生かし、そういう専門性からまた別のところにも行ける可能性がある、そういうルートもあり必要なものだと人材の多様性が分かるくくりにしたほうが入りやすく、理解も深まるのでは少し思った次第でございます。
(出町主査)この階層構造はあまり評判がよくありませんが、この階層構造が実態と合っているかどうかもポイントだと思います。合ってなければよくない。ただ、合っていれば、整理としてとりあえずこれで行くのもよいかと思いますがいかがでしょうか。
有機的な構造、関係性が大事だと小松崎先生が冒頭仰っておりましたが、そうなるとインタビュー前に、まず我々がこの整理をもう1回か2回ぐらい議論して、聞き方を決めてからインタビューしたほうが良いのかと。小松崎さん、いかが思われますか。
(小松崎委員)階層構造で見るという見方が、もうオールドファッションだという気がします。階層構造だと分析は楽になりますよね。実態は階層構造じゃなくても、理解するには物事が非常に分かりやすくなるので、ついやりたくなりますが、新しいことをクリエーションするときには避けるべきかと考えています。
階層化をするとそこで考え方が固定してしまうので、特に人の育成を考える時にはできる限り階層という言葉を使わないで考えることが重要です。グループなりアフィリエーションにして、その中の構成員として選択肢があって自分の能力を発揮できる場が広く、なおかつ他の人にも役に立つ見え方ができるものが、感覚ですが良いかと。ただそういう意味でいくと、階層ではなくて構造をしっかり描けてく必要があって、結構ややこしいチャートになる気がしています。
(出町主査)構造について、喜多委員は人材育成にお詳しいと思いますので、もし階層構造以外の見せ方などございましたらお願いできますでしょうか。
(喜多委員)実は国際原子力イニシアチブ事業でも、階層的な分け方はよろしくないと言ってはみましたが、やはり実務的には必要な面もあるかと思います。そのため、これは階層ではなく、人材育成に必要な育成目標、つまりどういう人をどれくらい、どれぐらいの期間、どの程度に育成するかという育成目標を表すものとして表現すれば良いかと思います。
例えば実務で活躍できる人を入社から10年間で育てる、そのためには何をやっていけばいいのかを表す。必ずしもどれが上・下ということではなくて、果たすべき役割、育成すべき目標が違うと考えれば良いではと思います。
(出町主査)階層というと何かヒエラルキー的な悪いイメージがあって、当然この言葉はよくないと思うのが1点だと。また実態として、求められる人材をグルーピングすると、大体この三つのグループでしょうか。イニシアチブ事業のときはいかがでしたか。
(喜多委員)国際原子力イニシアチブ事業では、実務者、実務者を補佐する現場の人材、それから研究者・大学の先生という三つの階層に分けておりました。それは必ずしも階層あるべきものではなく、果たす役割が違うだけであり、恐らくここでも同じことかと思います。現場の実務者から管理責任者へ移行するのは普通の話です。専門家はややキャリアパスが違うような気がしますが、期待されている果たすべき役割と考えると良いかと思います。
(出町主査)階層という言葉はやめ、人材育成目標という言葉の分け方がいいかと。少なくても上中下はつけないほうが絶対いいですね。
さてさて、司会としてどうまとめていくかですが、夢を見させることもとても大事であり、その一方、現実も見せることも大事であると。まずは一回その現実を、この三つの分類、ないし実務教育目標・育成目標を持って整理をしていくと。この三つはマストかと思いますが、小松崎さん、いかがでしょうか。
(小松崎委員)夢は見させるものではなく、相手がそう思うかになりますので、今後エネルギーを持った自発的な人材の育成には難しいかと思います。
自分が人生をかけてやることに大きな誇りや喜びを感じられる、相手からの尊敬や評価ですとか人間として尊敬されることは非常に大きな喜びになります。私はこの核セキュリティは地球防衛軍だと思っていますが、自分たちが地球防衛軍の隊員だと周りに思われたら、自動的に夢と感じる人たちも増えてくるだろうなと。
夢を見させるとなると出発点が違ってきてしまうので、相手が夢と感じてくれるには何が重要かと、相手の側の視点で考えたほうがいいアイデアが出るかと思います。
(出町主査)夢を見させるという言い方はよくなかったかもしれません。使命ですかね、この分野で求める人材はこういう使命を持って働くことが期待されていますと。さっき井上先生も使命という言葉を仰ってましたが、あえてキャリアパスを示す資料を最終的に出すとき、こちらの方がよろしいですかね。もしくは夢を持てるとするか。
(萩原企画官)事務局から少しよろしいでしょうか。
(出町主査)はい。
(萩原企画官)階層という言葉は確かにあんまりよろしくありませんでしたが、我々も士農工商や上意下達を考えているわけでも、専門家が偉くて実務者が偉くないと考えてはおりません。まさにいろんな先生方からおっしゃっていただいたように、職務上分担があり、プラントで計量管理をされる専門家の方は多分、計量管理だけをされます。次の業務として、PPに移るなどはあると思いますが、さらにその上に行くことはなかなかない。ただ、一方で、炉主任などの資格をお取りになった方は、最初は現場で作業されつつ、行く行くは管理責任者にプロモーションされる方もいらっしゃると思います。
行政機関に入った方だと、最初は原子力規制庁、昔で言うと科学技術庁でSGの業務を担当されてその後にIAEAに移籍されたような方もいるなど、そういう意味では、管理責任者から専門家に行く道もありますので、関係性というところでうまくお示しできると構造化をするという考え方において、見せ方としてはひょっとしたらうまく見せられるかもしれないと思います。ただ重要なのは、以前も中間取りまとめで人材育成の話をしていますが、そのときの我々の苦い経験として、誰を対象としているのかよく分からないまま議論すると、大きな風呂敷だけ広げて曖昧な結論だけ出てしまうことに陥りがちになります。喜多先生などにおっしゃっていただいた、ある程度どういう人を育てたいか、が重要だと思っていまして、現段階で我々は全ての対象の方を、トップ層だけではなく例えば高専を卒業され運転員としてその技術を非常に高いレベルまで習得されるような方や、そこまでいかない手作業だけやっている方も含まれています。
実際の数的な話でいうと、トップ層というのはごく僅かなところで、ボリュームゾーンは恐らく現場で作業される方だと思います。そこのゾーンが足りているのかどうかは我々現状でよく分かっていないのが現状と、小松崎先生からお話しいただいたとおり、新しい技術が出てきたときに、それに対応する人が本当にこの先要るのか要らないのかという議論もできませんので、そこは現場の方からヒアリングするときに打合せをよくさせていただいて、将来的な課題としてタイムフレームを踏まえた人材の需要予測のような話もしていただけると参考になるかもしれません。
具体的に言うと、サイバーセキュリティの専門家はこれまであまり重要視されておりませんでしたが、今はもう置かねばならない世界になっています。AIも恐らくこれからどんどん入れていれなければならないというところです。それから、IAEAの保障措置も変わっていまして、かつてはローグネイションが核兵器開発をするのを止めればよかったのが、今では、テロリストに核物質を盗まれたら簡単に小型の核兵器はつくれてしまうので、どうやって盗まれないようにするかにむしろ重きを置くようになっているなど、トレンドや技術の進展によってやるべきことや必要な人材は確かに変わってくるだろうと。
そこは小松崎先生のおっしゃるとおりですが、ただ、未来像をどう描くかというのは、やはり今の立ち位置を分かっていないとそこの未来予測ができないので、まずは出町先生から御提案いただいているとおり、現状をしっかり把握し、その中で今現場の方が考えておられる課題や需要予測のような話も含めてお話しを一度聞いた上で、さらにこういう視点もあるのではないかとこの作業部会で足していただいて、必要に応じて追加ヒアリング等々もしていくとしたほうが、議論としては進めやすいのかと思っています。
人材育成の対象としてトップ層だけ相手にするということであれば、まさにIAEAでDDGになられる人をどうやって育てるかという議論もあり得るかもしれませんし、我が国で核セキュリティの専門家と言えるような人をどれだけ育てていくかという数値目標も含めて議論することもできますが、現段階では、核セキュリティに携わる方全てを対象にしてしまっておりますので、そこはもうこの作業部会の御議論次第で、上位層だけを対象にしてトップ層を育てるためにどういう仕組みをつくるのか、例えるならばJリーグ選手を養成するために子供のジュニアリーグからどうつくっていくかというような議論の仕方もありますし、核セキュリティを確かに確保されるような国づくりをするためで、全体としてどういう人材を配置して、どういう役割分担・割合で考えていくかというやり方もあるかと思います。そこはまさにこの作業部会で方向性を決めていただく話で、今ここで決めるのはなかなか難しいことでありますので、1回ヒアリングで実態を把握されてから、どこを集中して議論すべきかとお決めいただいたほうが話しやすいかと感じています。
(出町主査)五十嵐先生から御意見お願いいたしましょうか。
(五十嵐委員)事務局の内容と重複しますが、これまでの議論を資料にまとめようとすると、二次元の形だとどうしてもべたっとしているように見えますが、これまでの議論は資料に反映されているかと思います。前回は参考資料1の図をもっと魅力的なものにしようという議論で終わった記憶もありますので、まずはここを足がかりに、出町先生がおっしゃったように現状を把握していくことが必要かと。
紙の上で私たちだけで議論していても、どういう仕事があり、どういう人が働いていて、どうキャリアパスがあるのか、例えば学生だったら何を勉強すべきで、それはどこで勉強できるのかということも分からない状態だと思いますので、それをまず整理して可能性を広げていくというようなことができたらいいかと思います。
かといって先ほど中熊委員がおっしゃったように、目的を持ったインタビューにならないと、またピントがずれてしまうのかなという懸念もあるので、そこは事務局と出町先生になるのでしょうか、その質問項目については整理をしていただき、まずは現場のお話を一、二回聞いてからでないと議論を進められないかと私も思いました。
(出町主査)私も、大学という世界のみの経験になりますので、やはりどんな研究をするときもそうですがデータが最初重要ですとなりますので、まずは聞くことでどういう情報なのか・データなのかを見ると。データを見る前に、ある程度以上型を決てしまうのはよくないですね。
そうなってくると、インタビューは2回くらいと事務局からありましたが、足りない気もいたしました。必要であれば何回でも同じ方に来ていただくこともあるかと思いますが、事務局としてはそれもできますでしょうか。
(萩原企画官)プレゼンしていただくのは各人1回にまとめたほうがいいと思いますが、その後も御出席いただけるのであれば、来ていただいて議論に交ざっていただく、追加でデータ提供をいただくなどは必要に応じてさせていただければと思います。
今回ヒアリングの対象となる方でも、お話しされたいことが多くあって、限られたプレゼンの時間の中では全部の疑問点に答えられない可能性もあると思います。あと、お話を聞いていく中で、一つの業界だけではなく関連した業界で、もう少し違う観点からお聞きしたいなどあれば、必要に応じて途中から足していただくのも可能であると考えています。
(出町主査)インタビューする先生方には、将来的に若い学生さんにセキュリティというものをこんなふうに魅力的に思っていただきたいか、かつ、現状を知りたいと。また現状だけでなくこれからどう核不拡散・核セキュリティがあるべきか、例えば今こういう課題があるためこういう人材を育成しなきゃいけないと危機感を感じているということをお話しくださいと言うと、多分どんどん語っていただけるのではないかと思います。単に通り一遍のプレゼンテーションではなく、語っていただくことで何か見えてくるものがあると期待できますが、事務局さんいかがでしょうか。
(萩原企画官)やり方はいろいろあると思いますが、今の案はヒアリングのときはヒアリングだけで3人とか4人まとめて行い部会1回が終わりの形にしていますが、例えばヒアリングする方を2人にして、後半その方々に交ざっていただき議論するやり方もあると思います。
そこはやり方次第ですが、東工大の齊藤先生や、今日も御出席いただいている直井センター長はお話しいただけることが多々あると思いますので、そういった方に交ざっていただき、まさに現場から見た視点と皆さまの御意見を交換する場を用意することは可能です。
(出町主査)そうなってくるとまず大事なのは聞くことだと思いますが、先生方が何と何と何について語れば良いのか、中熊委員もおっしゃっておりましたが最低限のポイントを押さえておいたほうが良いと思いつつ、あまり細かく分けると逆に「語る」ことができない場合があると思いますので、大枠で一つ、まず先生が御存じの核セキュリティの現状、人材の現状を、階層や枠にとらわれず語っていただくことでいかがでしょうか。中熊委員、お願いします。
(中熊委員)核セキュリティ部門に必要な人数とその人たちの力量の管理をしつつ、必要な要求に対して応えられる人間と言いますか、全体のスキルを組織としてまとめ上げていくというのが発電所運営のどの組織でも行っていることとなりますので、そういう観点で何かしらのことはおっしゃることは出来るかと思います。
重ねて申し上げますが、やはりまだ少しどういう人間を呼べばいいのかイメージできていないので、事務局さん、連携のほどよろしくお願いいたします。
(萩原企画官)原産協さんと電事連さんとは個別によく相談をさせていただきたいと思いますが、先ほど中熊委員からも御発言ありましたように、企業においては核セキュリティの専門人材を育てておられるというより、関連する分野から人を連れてきて、その人にポストにいる間に習熟していただくパターンが多い気がしますので、じゃあ、例えば人を連れてくるときにどういうところから連れてこられるか、核セキュリティの仕事が終わった時にどういうところに行けるのか、出町先生からおっしゃっていただいたような人材育成全体の観点で、核セキュリティがどういう位置づけにあるのかなどの話がお聞きできると、キャリアパスという点では良いかと考えております。詳細についてはまた別途御相談をさせていただきたいと思います。
(中熊委員)1点だけ。核セキュリティを学生時代に学んできて電力会社に入ったからといって、核セキュリティ部門に配属されるわけではないというところだけは御承知おきいただければと思います。
(出町主査)そうですね。
(萩原企画官)行政機関も全く同じですので、よく理解しているつもりです。
(出町主査)あともう1点、ヒアリング内容についてプラスで可能であれば、これからあるべき姿についてどうお考えかという部分も語っていただけたらと思います。将来を見越した時に、これからどんな部分が必要になるか。小松崎先生の御意見であったかと。小松崎さん、お願いいたします。
(小松崎委員)原子力発電所のセキュリティ、フィジカルなセキュリティシステムを直接担当してきた経験から、言葉の遊びではなくて、人材育成もありますが人材を確保することに対しての危機感が非常にあります。人材をどう確保するかが急務かと。これは1年や2年で終わる話ではございませんので、ですから、とりあえず今やらなくてはいけないこととして、人材の確保、どういう人材が必要かは徹底的にやる必要があると。ところが、何十年単位で続ける必要のある仕事で、途中でやる人がいなくなってはどうしようもないので、人材育成という少し広げた形で、夢を感じられるような仕事のデザインをしながらサステインしていくことが非常に重要だと思い、特に後者を中心で申し上げました。
文科省さんは、やはり優先度合いから行けば、私の表現で言えば人材確保ですよね。この10年どうしていくか、もう1個は、50年後どうするかと。この二つを同時に考えなければいけないというのが、実はこのテーマの非常に重大で難しいところかと思いますが、少し考える密度とか粒子の粗さを変えることによって、今現在必要なこと、ちょっと先に必要なこと、さらにその先で必要なことを一応触れた上で、今はっきりさせなきゃいけないことを鮮明にすることが最低限必要なこの委員会の役割だと整理でされたらいかがかと思っています。
(出町主査)最終目標は長期にわたる人材の確保、どういう育成ルートがあるか、核セキュリティに関わる方の人生はどういうものかと見せることになるかと。大事なポイントとして承っております。
いろんな意見が出ましたが事務局さん、次回までに私と事務局で整理しておきますか。
(萩原企画官)また出町先生に御相談させていただければと思いますが、本日御意見いただいた先生方にも必要に応じて個別に御相談をさせていただければと思います。
(出町主査)喜多委員、何か御意見ございますか。
(喜多委員)仕事で人材確保もやっておるものですから、思わず手を挙げました。人材育成のためには人材の確保が必要、これは言うまでもないかと思います。では人材確保のためには何が必要かというと、例えば若い人を引きつけるような原子力の将来ビジョンや、若い人たちにおける原子力への支持が必要です。そのためにはさらに何が必要かというと、例えば初等・中等教育での理科教育の充実が必要、などの一連の繋がりがございます。ただ、この作業部会で全部行うのはなかなか大変なところがありますので、人材確保も視野に入れつつ人材育成を主に議論するということでよろしいのではないかと思っている次第です。
(出町主査)おっしゃるとおり大学生とかをまずは対象にした人材育成、核セキュリティに関わる人生という姿を、まず知っていくと。そうすれば、どう魅力的なのかアピールすることが可能になるのかなと。将来ビジョンも含めて知らずにできないかと思います。
大変貴重な御意見をたくさんいただき、最初の縮こまっていたビジョンを非常に広げていただけたと思います。次回の議論にこれを生かせるよう、事務局と本日の意見、コメントをまとめて整理させていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(出町主査) ありがとうございます。事務局さん、それでよろしいでしょうか。
(萩原企画官)今日の御議論も踏まえて、いま一度ヒアリングされる方のリストとヒアリングしたい内容を相談させていただいて、また御議論いただいた後ヒアリングに移らせていただきたいと思います。
(出町主査)皆さん真剣に考えられており、非常に良い最終成果ができそうな気がいたします。事務局さん、最後に何かアナウンスがございましたらお願いいたします。
(船曳補佐)それでは、事務局から連絡いたします。本日の作業部会の議事要旨案につきましては、出来次第メールにて確認依頼をさせていただきたいと思っております。また、先ほどの意見も踏まえまして、次回の当作業部会の開催については、再度我々のほうでも主査を含めて議論させていただいて、また展開させていただければと思ってございます。
(出町主査)そのほか皆さん最後に御意見、コメント等ございますでしょうか。それでは、以上をもちまして、第19回の核不拡散・核セキュリティ作業部会を閉会させていただきます。誠にありがとうございました。
 

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(研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付)