資料1-2 今後の核不拡散・核セキュリティ研究開発の進め方について(中間とりまとめ)(概要)(案)

1.ポイント
 近年、核不拡散や核セキュリティ体制の強化に向けた世界的な流れが加速している中で、今後、我が国として一層注意を払って対応していくことが重要。
 そこで、これらの分野において文部科学省が担うべき人材育成・研究開発等の今後の推進にあたっての基本的な考え方、課題、今後の施策の方向性を取りまとめた。


2.核不拡散・核セキュリティを取り巻く状況
(1)国際的な議論
2009年4月にオバマ米大統領が核セキュリティ・サミットを提唱、2016年の核セキュリティ・サミット終了後はIAEAが核セキュリティ強化の中心的な役割を果たすこと等について確認
2016年12月のIAEA核セキュリティ国際会議においても我が国は、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)を通じた人材育成等の継続等の取組をコミット
(2)国際的な研究・技術開発とそれを支えるものの現状と課題
1) 核不拡散(保障措置)研究・技術開発 : IAEA保障措置のニーズ・課題を踏まえた研究開発
2 )核セキュリティ研究・技術開発 :その国の核セキュリティ上の脅威に応じた研究開発
3 )核不拡散・核セキュリティ研究・技術を支えるもの : 核不拡散等を担保する人材育成等
(3)日本のこれまでの取組
2010年12月:日本原子力研究開発機構はISCNを設置し研究開発や人材育成を開始
2016年4月:日本原子力研究開発機構から高速炉臨界実験装置(FCA)の機微な核燃料の撤去を完了


3.核不拡散・核セキュリティ研究開発の今後の推進にあたっての基本的な考え方
(1)基本的な考え方
・国内外から、核セキュリティ強化に向けた人材育成、研究開発及びそれらの支援等の協力等の要請・期待
・文部科学省は、人材育成や研究開発の取組等を実施し、我が国の核不拡散・核セキュリティの確保に貢献していく責務がある
(2)文部科学省の役割
・核セキュリティのための人材育成・人的資源の開発、それらを通じた核セキュリティ文化の促進、
・研究開発の促進、・大学・研究機関等が連携した研究開発・人材育成の体制の構築、・ISCNの事業の推進


4.課題
○国内外の状況や将来も見据えた、研究開発分野及び研究分野の明確化、推進体制整備
○研究分野と社会実装への隘路の解消
○大学、研究機関等の役割分担を踏まえた人材育成スキームの構築及び核セキュリティ文化の醸成
○日本の研究拠点の特徴を踏まえた人材育成の取組及び国内外の人材を引き付けるための更なる取組


5.今後の施策の方向性
(1)核不拡散・核セキュリティ研究開発
研究開発分野及び推進すべき研究分野を明確化する必要がある。
1)研究・技術開発のニーズ
○研究・技術開発に関するニーズの把握、○国際シンポジウム
2)今後の方向性(俯瞰図の作成)
○日本の強み、国際協力の観点も踏まえて整理
○リスク、脅威を分析・評価・最適化した上で研究開発を実施
○サイバーセキュリティに関する課題について社会実装を踏まえて検討
○継続して俯瞰的な精査・分析を実施
(2)核不拡散・核セキュリティ研究・技術を支えるもの
1)人材育成
○大学等の役割:核不拡散・核セキュリティの人材育成を行う上で大学等の役割は大きい。課題を明確にしつつ、人材育成を行っていくことが重要。
○大学等が役割を果たす為の推進方策:核セキュリティに特化した人材育成プログラムの必要性、効率的・効果的な取組
○ISCNの役割・大学との連携:国際社会に実績を評価されているISCNの取組、ISCNと大学等との連携による拠点間ネットワーク
2)その他のソフト的な対応
-国内外の機関との連携、-サイバーセキュリティ等による防止策の展開、-ISCNやアジア原子力協力フォーラム(FNCA)の取組、-研究機関等における核セキュリティ文化の醸成
(3)国際戦略
-IAEA等の国際機関との協力・貢献、-国際的な活動との連携、
-日米核セキュリティ作業グループを活用した協力、-アジア地域との協力
(4)社会実装につなげるための取組
(5)関係省庁、関係機関間の連携

お問合せ先

研究開発局開発企画課核不拡散科学技術推進室、研究開発局研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

(研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当))