核融合科学技術委員会(第39回)議事録

1.日時

令和6年9月25日(水曜日)15時00分~17時00分

2.開催方法

オンライン開催

3.議題

(1) フュージョンエネルギーの早期実現に向けて
(2) 中間評価の補完的議論について(非公開)
(3) その他

4.出席者

核融合科学技術委員会

上田良夫主査、大野哲靖主査代理、石田真一委員、植竹明人委員、大塚康介委員、尾崎弘之委員、葛西賀子委員、柏木美恵子委員、栗原美津枝委員、小磯晴代委員、花田和明委員、吉田善章委員

有識者

量子科学技術研究開発機構 白井浩室長、谷口正樹次長

文部科学省

清浦隆大臣官房審議官(研究開発局担当)、馬場大輔研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)、山﨑久路課長補佐、久島鉄平核融合科学専門官、栗原研一技術参与、安原亮科学官、梶田信学術調査官

5.議事録

【上田主査】  本日は、委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参加いただきまして、誠にありがとうございます。定刻となりましたので、第39回核融合技術科学技術委員会を開会いたします。
 今回はオンライン形式にて開催をいたします。
 司会進行につきましては、主査の私、上田のほうで務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、事務局より新たな事務方の紹介、定足数及び配付資料の確認をよろしくお願いいたします。
【久島専門官】  ありがとうございます。前任の日野の後任として参りました核融合専門官の久島と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の御出席でございます。事前に兒玉委員、中嶋委員、吉田朋子委員の御欠席は伺っておりまして、あと、栗原先生は今、少し遅れているようでございます。ただ、本委員会の定足数は過半数となってございまして、現時点で定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 また、本日はオンライン形式による開催となってございます。御発言いただく際には、画面の下にございます「リアクション」から「手を挙げる」ボタンを押していただいて、ミュートを解除の上、御発言いただきますようよろしくお願いいたします。
 最後にですけれども、本日の配付資料でございます。こちら議事次第に一覧で示しておりますとおり、資料1から資料2及び参考資料1から4となります。会議中はzoomの画面共有機能を使って、事務局よりこのように資料を表示させていただきます。
 以上でございます。
【上田主査】  御説明ありがとうございました。
 本委員会は、核融合科学技術委員会運営規則に基づき、非公開の議題を除いて議事を公開いたします。御発言は議事録に掲載され、ホームページ等で公開されますので、御承知おきください。
 議題2につきましては、昨年度実施した中間評価を踏まえ、前回の委員会で鎌田副機構長からITER計画の進捗状況を聴取したところでありますが、今回、ITER機構の提案の妥当性等を議論するに当たり、議事を公開することにより審議の円滑な実施に影響が生じるものと認められます。したがいまして、委員会規則に基づき非公開とさせていただきたいと思います。御了解ください。
 議題2になりましたら、傍聴者の方には御退席いただきます。よろしくお願いいたします。
 また、本日は、議題2の説明者として、量子科学技術研究開発機構(以下、QST)フュージョンエネルギー推進戦略室の白井浩室長、及び、同機構経営企画部第3研究企画室の谷口正樹次長、文部科学省の栗原研一技術参与に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。まず、議題1「フュージョンエネルギーの早期実現に向けて」です。まずは、事務局より資料の説明をよろしくお願いいたします。
【馬場戦略官】  事務局でございます。それでは、資料1に基づきまして、最近の動向などを御紹介したいと思います。
 本日は、目次にございます1として、フュージョンエネルギーをめぐる環境の変化として国内外の状況、2番目に、原型炉研究開発ロードマップの見直しに向けた検討として、現在、原型炉タスクフォースで検討している原型炉移行判断の見直しについて、また、発電実証の更なる前倒しの可能性について、正式には次回11月の会議で御報告いただくことを予定しておりますが、現時点の検討状況について報告したいと思います。
 最後に、原型炉実現に向けた基盤整備として、こちらも現在、原型炉タスクフォースで具体化に向けた検討をしている段階ではございますが、現在の検討状況で併せて報告させていただければと考えております。
 まず、こちらの諸外国の動向については、前回も御報告させていただいていますが、各国が国策としてフュージョンエネルギーを推進しています。米国においては、初となる国家戦略を本年6月に策定し、また、核融合に関する規制に関して、法律を超党派で規定成立するなど、様々な動きが各国で見られるところでございます。
 中国の状況についても、御存じの方も多いかと思いますが、先月もネイチャーとか、今月になっても、アメリカのCNNなどでも中国における核融合の国を挙げた取組について取り上げられるなど、注目を昨今集めているところでございます。
 そのような中、我が国においては、6月、統合イノベーション戦略2024を閣議決定しており、本委員会に関わる事項としても幾つか記載されているところございます。全てを申し上げませんが、幾つか御紹介したいと思います。5ページ目にてアンダーラインを引いておりますが、世界に先駆けた2030年代の発電実証の達成に向けて必要な国の取組を含めた工程表を作成するなど、フュージョンエネルギーの早期実現を目指すといったこと、また、ITER計画/BA活動の知見や新興技術を最大限活用し、バックキャストに基づくロードマップ、これは原型炉研究活動ロードマップになるかと思いますが、そういったものを策定するということも記載されております。
 さらには、この後御紹介しますが、原型炉実現に向けた基盤整備を加速するため、産学官の研究力を強化するとともに、QST等の体制を強化し、ほかの国研等と連携しつつ、アカデミアや民間企業を結集して技術開発を実施する体制や、スタートアップ等への供用も可能とする実規模技術開発のための試験施設・設備群を整備すること、J-Fusion等の産業界と連携し、国際標準化を戦略的に主導することや、小型動力源等の多様な社会実装に向けた用途実証、これはムーンショット型研究開発制度になるかと思いますが、実証するということ、サプライチェーンの発展や投資の促進を支援するなど、エコシステム構築に向けた取組を推進するということも記載されております。
 また、本日の議題2にも関わりますが、ITER計画のベースラインの改定も見据えつつ、ITER計画/BA活動を通じたコア技術を着実に獲得するとともに、本年7月に行った日米共同声明や昨年12月の日欧共同プレス声明を踏まえつつ、多国間・二国間の連携を強化するといったことも記載されております。
 あわせて、原型炉開発などフュージョンエネルギーに携わる人材を戦略的に育成するため、大学間連携・国際連携による体系的な人材育成システムを構築するとともに、リスクコミュニケーションによる国民理解の醸成等の環境整備を一体的に推進するといったことが国の方針として閣議決定の中でも明確に示されており、その具体化については、この審議会での議論も踏まえつつ、具体的な検討を更に深めていきたいと考えているところでございます。
 続いて、原型炉研究開発ロードマップの見直しの検討状況について御報告したいと思います。こちらについては、前回の会議でも今後の流れという形で御紹介した部分にも関わるところになります。今後の審議の流れとして、前回、7月10日にITER計画の進捗状況について鎌田副機構長から御報告があったところです。
 本委員会では、ITER計画の中間評価の補完的議論を実施するに当たり、参考資料1の右側、原型炉の研究開発計画への影響を議論するに当たり、青色で示した原型炉タスクフォースで議論を並行して実施しているところございます。
 本日は、8月に実施された原型炉タスクフォースの検討状況を御報告しますが、次回11月に行われる核融合科学技術委員会では、改めて原型炉タスクフォースとしての報告をさせていただくということを予定しているところございます。そのため、本日についてはあくまでも、現時点の原型炉タスクフォースの検討段階というような形で御理解いただければというふうに思っております。
 9ページ目については、前回も御説明している内容になります。フュージョンエネルギー早期の実現に向けては、原型炉を早期に建設することが肝要であるということ、また、ITER計画の進捗状況や諸外国で掲げられている野心的な目標も踏まえ、以下の観点に留意し、原型炉に向けた方針を見直してはどうかということを御説明していたところかと思います。
 具体的には、社会実装につながる科学的・技術的に意義のある発電実証を可能な限り早期に実現すること、丸1から丸3に掲げられた原型炉目標や原型炉段階への移行判断を見直すこと、ITER計画/BA活動の知見や新興技術を最大限活用すること、さらには、原型炉の実現に向けた基盤整備を含めたバックキャストに基づく原型炉研究開発ロードマップを策定すること、こういった観点に留意することが示されていたかと思います。
 8月の原型炉タスクフォースでは、QSTにおいて2030年代の発電実証を目指すとした閣議決定を踏まえた検討状況について、特に10ページ目の下半分に記載されている原型炉移行判断の見直しについてと発電実証の更なる前倒しの可能性について、QSTの検討状況について報告を受け、現在、原型炉タスクフォースに応じてその内容について議論を行っているところでございます。検討内容については、繰り返し述べておりますが、改めて次回の委員会で御報告したいというふうに考えております。
 8月の原型炉タスクフォースの中では、例えば、原型炉移行判断に関して、現在はITERにおいてQ=10以上の維持と燃焼制御の実証というところが求められているところでございますが、今回ITER機構から提案があった新たなベースラインではこちらが後ろ倒しになっていることから、移行判断の見直しが必須になってきているのではないかという部分があるかと思います。
 また、発電実証の早期実現に向けては、現在、審議会が示していただいている原型炉の目標、数十万キロワットの電気出力や実用に供し得る稼働率、燃料の自己充足性、これらを全て同時に満足するJA DEMOについては、今の検討ではITERの1.4倍のサイズになりかねないというところ、現在QSTにおいて、運転開始時からこの丸1から丸3の目標を同時に達成するのではなく、段階的に目標を達成することでITERサイズの原型炉が技術的に成立するかどうかといったことの検討を開始しているところでございます。
 いずれにせよ、こういった内容については、また11月の次回の委員会で御報告したいというふうに考えておりますが、現在の進捗状況として報告させていただきました。
 最後に、原型炉実現に向けた基盤整備の状況になります。こちらについては、来年度の概算要求の資料一枚紙を16ページ目に記載しておりますが、特に原型炉の実現に向けた基盤整備に関しては、右下、金額的には1,015百万円と書いてある部分になります。
 現在、研究開発につきましては、アクションプランに記載された14個の項目に基づき、項目ごとに公募を実施するなど、大学や企業等の更なる参画を促すための仕組みなどを導入し、推進することとしております。
 また、人材育成については、本年12月にITER国際スクールのホストを日本が務めるということを予定しており、核融合科学技術研究所(以下、NIFS)が大学と連携して実施予定となっております。ITER参加7極の学生や若手研究者が日本に集結するということで、先般、募集を締め切ったところでありますが、想定以上に多くの申込みがあったということで、若干抽せん等で絞らなくてはいけないというような状況になっております。
 我々としては、今回のこのITER国際スクールの経験、実績も踏まえながら、来年度以降も継続して実施していきたいというふうに考えているところでございます。
 あわせて、20ページ目の真ん中辺りに書いてありますが、NIFSを中核機関として、全国の大学との共同研究ネットワークや、アメリカや欧州、そういったところとの各国との協力事業などの枠組みなども活用し、国内外の大型装置研究や関連学会、J-Fusionなどの産業界との協調により、総合的な教育システム、そういったものも構築していきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、JT-60SA国際核融合スクール(以下、JIFS)につきましては、今回、この夏に第2回のスクールを開催し、無事に終了していることを御報告したいと思います。今回は、日欧共同プレス声明も踏まえ、盛山文部科学大臣、またシムソン欧州委員からのメッセージも寄せていただくなど、日欧それぞれ10名ずつの若手研究者の参画により実施することができました。
 今回、共同プレス声明も踏まえて、参加した研究者においては、国内はもちろん、海外の施設にも視察する機会を与えるなど、より充実した機会になっていただけたのではないかなというふうに考えております。我々としては、こういったJIFSのような取組を含めて戦略的に人材育成の取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 アウトリーチ活動につきましては、現在、ヘッドクォーターの再構築中ですが、来年度においては、ITER機構と連携して、QSTを中心とし、大阪万博における広報活動支援なども併せて実施するということを考えております。
 最後に、新たな取組として、イノベーション拠点化というものを構想しています。24ページ目に記載のとおり、現在、世界各国が大規模投資を実施し、国策として自国への技術・人材の囲い込みが更に加速する中、日本の技術・人材の海外流出を防ぎ、QSTやNIFS、大学との体制を強化し、アカデミア・民間企業を結集して技術開発を実施する体制や、スタートアップ等への供用も可能とする実規模技術開発のための設備群というものを整備していきたいというふうに考えております。
 当然、核融合研究においては、大型の実験設備、安全面の管理が必要であるため、QSTやNIFS等の研究機関が産業界に設備等を供用することで、スタートアップを含めた官民の研究開発の強化につながるというふうに考えております。また、今後の基盤整備に向けては、こういった大型施策に加えて、既にある大学等の基盤を活用するようなシステムを構築することで、既存の設備も含めて効率的に運用していきたいというふうに考えております。
 こういった内容については、現在、原型炉タスクフォースにおいても各機関からの提案なども含めて具体化に向けて検討を今進めているところでございます。
 事務局としての説明は以上になります。
【上田主査】  御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。大野委員、よろしくお願いいたします。
【大野主査代理】  御説明ありがとうございました。
 大学間連携による総合的な教育システム構築について質問させてください。こういう教育システムは非常に重要な課題だと思います。教育活動ですので、大学等のリソースを最大限に活用して、5年から10年にわたる恒常的な教育システムが必要だと思われますけれども、現在、具体的にどのような大学間連携によって総合的な教育システム構築が検討されているかについて、詳細を教えていただけますでしょうか。
【馬場戦略官】  よろしいでしょうか。
【上田主査】  事務局、お願いいたします。
【馬場戦略官】  御質問ありがとうございます。大野先生から御指摘があったとおりで、我々としては、閣議決定されているとおり、そういった取組を進めていくということが重要だというふうに認識しています。こういったことについては、核融合科学技術委員会、数年前になるかと思いますが、こういった取組について具体化を図るべきというところで、今現在、NIFSを核としながら、そういった取組を具体化していきたいと思っています。
 その際には、先ほど説明は省きましたが、大野主査代理が御指摘いただいたとおり、大学の履修制度や参加者の関心、技術の動向、また、最近であればJ-Fusionなどの新しい業種・業界の方々も関心を示している中で、どういったものをつくっていくべきなのかというところについては、まさに今検討しているところでございます。
 現在の検討状況につきましては、NIFSにおいて人材育成・アウトリーチ委員会というものを組織していただいて、例えば、J-Fusionの代表の方や全国の大学の方にも加わっていただきながら議論をしているというような状況になっています。
 我々としては、こういった議論も踏まえながら、またこの場でも御報告していきたいと思いますが、例えば、各国、先ほどJIFSの例ではないのですけれども、アメリカであったりとか韓国であったりとかほかの国々からも日本に行きたい、逆に日本からもそういった施設を利用したい、スタートアップでも研究したい、そういったところのニーズが多々寄せられておりますが、今のままだと、個々それぞれが調整しなくてはいけないようになっています。
 できれば、我々としては、大学間連携また国際連携もしながら、具体的な取組、例えば、サーティフィケーションのようなものを与えるだとか、ニーズに応じた取組、また、学生の方、研究者の方、企業の方が参画しやすいような仕組みというものをつくり上げていくことによって、こういったものを戦略的、総合的、体系的にやっていきたいというふうに思っています。
 いずれにせよ、今後10年間どういった取組をしていくかというところが重要なタイミングになっていくかと思いますので、その検討状況については、原型炉のタスクフォース並びに核融合科学技術委員会での御指導もいただきながら具体化を図っていきたいと思っています。また次回以降、御報告させていただければと思います。
【上田主査】  ありがとうございました。
【大野主査代理】  ありがとうございます。大学における核融合研究を下支えするという意味でも、ぜひ進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【上田主査】  よろしくお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。栗原委員、よろしくお願いします。
【栗原委員】  ありがとうございます。ITERのお話、それから技術開発のロードマップの見直しは、この次の議題で具体的にお話を深めるということでよろしいでしょうか。
 そうしましたら、ここでは、今御説明いただいた中で、最後の24ページにありますイノベーション拠点についてコメントします。形が見えてくるのは先のことかもしれませんけれども、これから、QSTやNIFSを中心に、人や、いろいろな産業、研究開発の機能が集積していく拠点になるためには、戦略的、かつ、自治体の方々も含めてビジョンや計画をつくっていかないと、なかなか進まないと思います。ぜひ、そういう視点で、地元の方々を含めてビジョナリーに進めていっていただきたいと思いますので、そこだけ少しコメントさせて頂きます。
【上田主査】  コメントありがとうございました。事務局から何かコメントをお願いします。
【馬場戦略官】  ありがとうございます。栗原委員の御指摘のとおりかと思います。
 私も、例えば、24ページ目の右上の中国のCRAFTというような施設を見てきましたが、本当に巨大な施設だというところに衝撃を受けてきたところではありますが、話を聞くと、やはり自治体、省、州、そういった自治体のサポートというのが強くいただけているというところを研究所の方々がアピール、説明していただいているのがすごく印象的だったなと思います。
 具体的には、土地だったり建物であったりとかそういったところを自治体が強力にサポートすることによって、研究所側との間で、エコシステムではないのですけれども、まさに産業集積を図っているというようなビジョンがうまくマッチしているのではないかなと思います。
 このCRAFTというところもサイエンスアイランドというようなところにもありまして、周りには大学なども集結をしていて、人材もすぐに集まってくるというような絵を描かれているというのは、やはりそういった自治体との関係というところは意識していかないといけないのかなと思っています。
 また、これも御参考ですけれども、イギリスのカラムセンターなどであったりとか、イギリスのサイトの場所であったりとかそういったところ、例えば、石炭火力をやっていたところを今後核融合に転換していくとか、そういったところで積極的に誘致した結果、こういった取組が進んでいたりだとか、あとは、自治体との協力もあったからだと思いますが、いろいろなこういった放射性物質を扱うところに当たっても理解を得られやすかったりとか、そういったところもあるというふうには聞いています。
 いずれにせよ、先ほど御説明した人材育成、アウトリーチ、拠点、サイト、そういったところを総合的に進めていくことが、今、大切なタイミングであるのではないかなと思います。御指摘を踏まえて検討を深めていきたいと思います。ありがとうございます。
【上田主査】  ありがとうございました。
 それでは、花田委員、よろしくお願いいたします。
【花田委員】  どうもありがとうございます。非常に多くの取組を総合的に進めていただいていて、核融合は今後進んでいくということを大変実感できるようなお話だったかと思います。
 私もこのイノベーション拠点化というところと、それから、先ほどありました人材育成のところで、両方絡めた形で少し御質問させていただきたいです。
 イノベーション拠点のほうは、先ほど栗原委員のほうからもありましたように、どうやってつくっていくかというのは、これから形ができていくということで、これは実は箱物というか、どちらかというとハードウエアに関する部分ですが、これをどうやって利用していくのかというのが、多分、人材育成に関わる部分かと思うのです。
 人材育成のところの19ページ目のスライドを示していただけますか。この下のイメージ図というのがあるのですけれども、このイメージ図というのは、かなり人の流れが縦横無尽に動き回るというようなことが描かれています。これは外国も含めて、NIFS、QST、大学、それから民間企業の人が動き回るような絵になっていて、こういうものをイメージするとした場合、やはりイノベーション拠点のほうの在り方というのも、こういうふうに人が入れ替わり立ち替わりどんどん出たり入ったりしていくようなイメージを持たないと、人材育成とそれからイノベーション拠点というのがうまく連携できないのではないかと思うのです。
 その辺り何か、ハードウエアとしてのイノベーション拠点というのはこれからできていくということと、人材育成をこういう形でイメージするとした場合、このイメージの中にどういう形で拠点が入ってくるのか、あるいは、それをやることによってどういう人材育成につながるのかというあたりの構想を、もしあるようであればお願いできませんでしょうか。
【上田主査】  それでは、事務局からお答えいただけませんでしょうか。
【馬場戦略官】  花田委員、御質問ありがとうございます。
 こちら検討するに当たっては、過去の委員会での報告書などを基に検討しておりますが、まさに花田委員の九州大学ではないのですけれども、我が国においては総合型共同研究システムのようなものがかなり有効に機能していた部分もあるかというふうに認識しています。
 今、こういった人材の交流などを行っていくに当たり、我々の危機感としては、今のままだと、この矢印というのが双方向ではなくて一方向的に海外含めて流れかねないではないのかというところの危惧があります。
 先ほど御説明したような中国も、私も行ったときには、本当に魅力的な施設だけではなくて、例えば、事務だったり図書館だったり食堂だったり、誰でも来てくださいというような形で構えられていたりだとか、イギリスの場合であれば、既に規制に関して法定化されて、核融合については核分裂とは違う規制で扱うというものを法定化されていることをもって、海外からの企業などを誘致に取り組んでいるというような実態があります。
 私も着任後、アメリカのスタートアップなども幾つか見に行きましたけれども、実はそこには多くの日本人の方も活躍されていて、うれしい反面、逆に言うと、日本に居場所がないとまで言わないですけれども、海外で活躍されてそのまま戻ってこないのではないかというような危惧もある中で、最後に申し上げたイノベーション拠点化みたいな取組をやることによって、日本人を呼び戻すというよりは、海外からもたくさん来ていただいて、もちろんずっととどめる必要は全くないと思うのですけれども、双方向に真の意味でしていくことを考えています。
 日本には九州大学を含めて幾つか拠点となり得るところが多々ありますので、そういったところの特徴を生かしながら、魅力を発揮していくような取組をしていきたいというふうに思っています。
 今、私もいろいろなところに行きますけれども、例えば、JT-60みたいなものをぜひ活用したいというような話もよく聞きますし、ITER国際スクールも、たしか初回、第2回のITER国際スクール、日本でホストしたとき、九州大学でホストいただいたというふうに記憶しているところです。
 そういったところをシステマチックに、したたかにやっていくということが今求められている段階かと思いますので、人材育成についても、きちんと日本の魅力を最大限生かしながら、国内外の人、技術、資金、そういったものを呼び込むような仕掛けをつくっていくことが今後重要になってくるのではないかなというふうに考えております。
 以上です。
【上田主査】  ありがとうございます。
【花田委員】  どうもありがとうございました。
【上田主査】  ほかには特にないようですので、それでは、議題1についてはこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、これからの議題2ですけれども、これは非公開の議題となります。傍聴者の方は、申し訳ございませんが、御退室いただけますよう、よろしくお願いいたします。
 
(非公開議事)
 本日の議事はこれにて終了となります。事務局から連絡事項等があればよろしくお願いいたします。
【久島専門官】  ありがとうございます。
 次回の委員会でございますけれども、オンライン形式にて11月12日火曜日の15時30分から17時30分での開催を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【上田主査】  ありがとうございました。
 それでは、本日の委員会はこれで閉会いたします。御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付

電話番号:03-6734-4163