核融合科学技術委員会(第17回) 議事録

1.日時

令和元年5月15日(水曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省 3F2特別会議室

3.議題

  1. 第10期核融合科学技術委員会の運営について(非公開)
  2. 原型炉開発総合戦略タスクフォースの設置について
  3. 核融合分野における国内の研究機関の取組について
  4. 第24回BA運営委員会の開催結果について
  5. 令和元年度核融合科学技術委員会における評価計画について
  6. 「ITER計画(建設段階)等の推進のうち幅広いアプローチ(BA)活動(フェーズ2)」の事前評価について(非公開)

4.出席者

委員

小川主査、大野主査代理、渥美委員、五十嵐委員、牛草委員、岡野委員、尾崎委員、岸本委員、小磯委員、兒玉委員、高本委員、竹入委員、松尾委員

文部科学省

佐伯研究開発局長、千原大臣官房審議官、新井研究開発戦略官、阿南室長補佐、吉澤核融合科学専門官

5.議事録

【吉澤専門官】  本日は御多用中のところ、お集まりいただきましてありがとうございます。第17回核融合科学技術委員会を開催させていただきます。
 本委員会の主査につきましては、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会運営規則第5条第3項に基づきまして、分科会長が指名することとなっております。分科会長より小川委員が主査に指名をされておりますので、議事の進行につきましては小川主査にお願いしたく存じます。
【小川主査】  ありがとうございます。研究計画・評価分科会長の指名により主査を務めさせていただきます小川でございます。よろしくお願いいたします。

(議題1 非公開)

【小川主査】  ここで文部科学省の佐伯研究開発局長より御挨拶をお願いしたいと思います。
【佐伯局長】  改めまして、佐伯でございます。第10期最初の会議の開催に当たりまして、一言御挨拶をさせていただきます。
 このたびは、皆様大変お忙しい中、核融合科学技術委員会の委員に御就任いただきまして誠にありがとうございます。また、本日も御足労賜りまして、本当に感謝申し上げます。
 核融合エネルギーは、豊富な燃料があり、また固有の安全性を持ち、さらには環境への低負荷といった観点からも非常にすぐれた特徴を有しておりまして、エネルギー問題と環境問題を同時に解決し得る将来のエネルギー源として期待されているところでございます。他方、技術的には非常に難しい課題も多数ございまして、文部科学省では長期的視点に立って、研究開発を着実に推進してきております。
 今世紀中葉に核融合エネルギーの実用化に目処を付けることが目標とされておりますが、現在は、その科学的・技術的実現性を検証する段階にあると考えております。その中心でもございますITER計画につきましては、2025年、初プラズマに向け、建設が60%程度まで進捗しております。BA活動につきましても、先週JT-60SAの心臓部とも言われる中心ソレノイド磁場コイルの設置作業が実施されるなど、順調に、かつ着実に進展しているところでございます。また、本年30周年を迎えられます核融合科学研究所や、レーザー核融合を含め幅広い分野の研究開発を進めていらっしゃる大阪大学レーザー科学研究所など、国内の学術研究におきましても、核融合に関連した分野において大きな成果が上げられていると認識しております。
 このような中、前期の委員会では、原型炉の実現に向けまして「核融合原型炉研究開発の推進に向けて」といった報告や、「原型炉研究開発ロードマップ」を取りまとめていただきました。今期は、次のフェーズに進むBA活動の評価や、原型炉設計に向けました進捗状況の確認を行う第1回中間チェックアンドレビュー、さらには広く社会に向けて理解を広めていただくためのアウトリーチ活動や人材育成の推進など、引き続き重要なテーマを御審議いただきたいと考えております。
 文部科学省といたしましては、皆様の御議論を踏まえまして、引き続き核融合の研究開発に取り組んでまいります。委員の皆様の活発な御議論をお願い申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【小川主査】  佐伯局長、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、議題2「原型炉開発総合戦略タスクフォースの設置について」に入ります。タスクフォースにつきましては、当委員会の下に設置することになっており、アクションプランの進捗管理や合同特別チームの活動や大学等が行う原型炉開発に向けた共同研究等についての助言等、技術的な検討や助言を行っていただきたいと考えています。事務局から説明をお願いいたします。
【吉澤専門官】  資料4を御覧ください。本委員会運営規則第2条に基づきまして、原型炉開発総合戦略タスクフォースの設置をさせていただきたいと思います。
 今期のタスクフォースの調査内容は、ここに記載しておりますとおり、原型炉開発に向けたアクションプランの進捗管理及び原型炉開発に向けた国内機関における取組に関する検討、及びアウトリーチ活動に関する検討などを予定してございます。
 設置期間は、タスクフォースの設置が決定した日、もしお認めいただきましたら、本日から令和3年2月14日まででございます。
【小川主査】  ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に対して御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。
【岡野委員】  小川先生、一つ、よろしいですか。私から聞いていいのかどうか分からないんですけど、皆さんの共通認識を確認するという意味でお聞きするんですが、タスクフォースは令和3年までなので、あと2年間ですよね。そういう意味から考えると、今年1年だったらアクションプランの進捗管理という書き方で十分だと思うんですが、その次の年になってくるとチェックアンドレビューが相当近付いてきますので、アクションプランの進捗管理というのはチェックアンドレビューをにらみつつ、それに向けて進捗しているなという管理だと思ってよろしいですね。
【小川主査】  御指摘ありがとうございます。私自身はそのとおりだと思っております。
【岡野委員】  チェックアンドレビューの言葉が一言もないので、確認のために聞かせていただきました。
【小川主査】  チェックアンドレビュー自身は本委員会の方のマターだと認識しておりますので、それに対しての、チェックアンドレビューするためのリソースというか、資料というものをタスクフォースの方できちんとまとめていただきたいと、それがアクションプランの進捗状況の管理という言葉で含まれていると思っていますが、事務局としてはよろしいですか。
【新井戦略官】  はい、そのとおりです。
【小川主査】  是非その辺はよろしくお願いいたします。それでは、第10期も、前期に引き続き原型炉開発総合戦略タスクフォースを設置することといたします。
 なお、タスクフォースの委員につきましては、先ほど資料2のタスクフォース設置の規則にありますように、本委員会の委員長、私の方の指名になっておりますので、後日、私から指名させていただきます。
 それでは、議題3「核融合分野における国内の研究機関の取組について」に入ります。本日は第10期の最初の会合であり、また新規に加わっていただいた委員もいらっしゃいますので、国内の主要機関における研究の進捗状況を説明いただくことといたしました。
 最初に牛草委員から、量子科学技術研究開発機構についての御説明をお願いできればと思います。牛草委員、よろしくお願いします。15分ですので、時間厳守でお願いします。
【牛草委員】  はい。資料5に基づきまして御説明させていただきます。
 1ページめくっていただきまして、QST核融合エネルギー部門の組織が書いてございます。部門の下に2つの研究所、那珂核融合研究所と六ヶ所核融合研究所があります。那珂核融合研究所ではITERプロジェクト部、それからJT-60SAに関わるトカマクシステム技術開発部、先進プラズマ研究部がございます。六ヶ所核融合研究所では、核融合炉システム研究開発部、核融合炉材料研究開発部、ブランケット研究開発部のそれぞれの部隊が駐在しております。
 次のページに行きまして、2ページ目ですけれども、その業務を簡単に、ポンチ絵で御紹介いたします。左の方が那珂核融合研究所です。右が六ヶ所核融合研究所で、上の方にはBA活動に関連する事項が書いてございまして、那珂核融合研究所ではサテライト・トカマクプロジェクトを実施しております。六ヶ所核融合研究所では材料照射施設の設計・実証活動、IFMIF/EVEDA活動と、国際核融合エネルギーセンター活動、IFERC活動を実施しております。下の方はITERに関連する業務でございまして、那珂核融合研究所ではITER機器の調達、そこに書いてございますように超伝導コイル、加熱装置、計測装置、遠隔保守機器、ダイバータなどの機器調達を行うとともに、今後ITERサイトの現地据え付けの作業も入ってくると予想されます。一方、六ヶ所核融合研究所では、ITER機器の調達に関してはトリチウム除去系の調達を行っております。さらに、ITERに装着して試験をするテストブランケットモジュールの開発と据え付け、試験を行う予定であります。
 次のページめくっていただきまして、ITERの概要が書いてございます。写真は今年3月のITERサイトで、真ん中の丸い部分にトカマク設置、トカマク設置位置が丸い部分のところです。その中が右側に写真で添付してございます。本体の建屋の壁がだんだんと高くなってきている様子が表れています。ITERは核融合出力50万キロワットを長時間生成し、日、欧、米、露、中、韓、印の7極が参加し、ITER機構が運営しているものであります。7極の国内機関、日本はQSTが担当しております。国内機関が協力して実施をしています。運転は2025年、実燃料試験開始が2035年ということになってございます。右側にビゴ機構長、及び副機構長2名の写真があります。
 次のページめくっていただきまして、ITER機構の組織・職員。機構長はベルナール・ビゴさん、左下の方には歴代の機構長の写真がございます。現在の邦人幹部職員、副機構長に多田栄介さん、理事会事務局長に石坂さん、それから官房副部門長・戦略主席に大前さん、建設部門の部門長に岡山さんという、キーの部署に邦人がきっちりと勤めてございます。下の方に、職員890名、これは今年3月の時点で890名。うち日本人が29名でございます。
 次のページに行きまして、量研機構の役割でございます。ITERへの貢献はドメスティックエージェンシーを窓口として実施することになっておりまして、国から原子力機構及び、移管統合に伴って量研機構が実施機関に指定されてございます。仕事の内容は、まず黄色い部分でございますけれども、右の方から、物納機器の調達業務、これは国内の10のメーカーと契約して機器を納入してもらい、ITERに納入するという業務と、それから国内の意見集約業務及びITER機構職員と滞在研究者の参加窓口業務という業務を行ってございます。
 次のページに行きまして、我が国が分担する物納機器です。左上から、中心ソレノイドコイル、これはコイル導体全てを調達します。右の方へ行きまして、トロイダル磁場コイル、一部です。トロイダルコイル導体は全体の25%の33導体を納入します。トロイダル磁場コイルの構造物19機、全数を調達します。それからトロイダル磁場コイル巻線と一体化9機分、47%を納入することになってございます。右下の方へ行きまして、プラズマの計測機器は、電子温度、密度、中性子計測など、5つの計測装置、全体の15%を納入することになってございます。高周波加熱装置、これも一部で、ジャイロトロン8基、全体の3分の1を納入することになっています。中性粒子入射加熱装置の一部、これは1メガボルト電源高電圧部3機、全数と、高圧ブッシング3機、全数です。それから加速器1機、33%を納入することになっています。トリチウムプラント一部、日本分担はトリチウム除去系です。ダイバータ外側ターゲットの調達も行います。それから、ブランケット遠隔保守機器の調達を行います。
 次のページめくっていただきまして、主要機器の製作と試験が進展している様子が記載されておりまして、左上、トロイダル磁場コイル構造物の進捗です。現在、1機目のトロイダル磁場コイル構造物に導体を入れて、ふたを溶接している段階です。今年の夏頃に含浸という作業を行いまして、計画どおりいけば今年の12月ぐらいに1機目、最初の初号機をITER機構に搬入することになってございます。それから、高周波加熱ジャイロトロンですが、1機目の完成試験に合格して、性能を確認してございます。ITER機構に納入済みであります。NBIの試験設備、NBTF電源、これも全て調達して、試験施設が置かれているパドヴァに納入済みで、一部、高圧試験に合格してございます。
 次のページに行きまして、幅広いアプローチ活動です。フェーズ1と呼ばれる期間が2007年から2020年3月までです。そろそろこれが終わりに入っています。現在、その次の、2020年4月から2025年3月までのフェーズ2に関して日欧で協議中であり、この委員会でも御審議いただくことになってございます。BA活動は3つのプロジェクトから成りまして、左側、青森県六ヶ所村ではIFERC事業、核融合エネルギー研究センター事業、原型炉の設計・研究開発、ITERの遠隔実験、計算機シミュレーションなどを行います。真ん中のIFMIF/EVEDA、国際核融合材料照射施設の工学実証、工学設計活動であります。工学設計と要素技術の実証活動を行います。茨城県那珂市の那珂核融合研究所では、サテライト・トカマク(JT-60SA)計画を進めており、ITERの支援研究や原型炉のための挑戦的研究を行います。
 次のページめくっていただきまして、実施機関の役割ですけれども、まず基本的なBA活動の枠組みですが、運営委員会という国際法人格、これは青森県六ヶ所村にございますが、運営委員会がございまして、そこで計画全体の運営、指揮、監督を行います。日本政府、EURATOMから委員を出しまして、その下で3つの事業委員会、その下にプロジェクトチーム、事業チームがございます。IFMIF/EVEDAはフィリップ・カーラ氏、国際核融合エネルギー研究センターは中島先生、サテライト・トカマクは鎌田が事業長となって事業を進めております。両実施機関は、実施機関同士の調達取り決め、派遣取り決めを結び、事業チームを支えるというような構造になってございます。
 次のページに行きまして、それぞれの事業の進捗ですけれども、IFERCにつきましては平成30年6月に4.2ペタフロップスの新スパコンの運用を開始しております。これを使って日欧共同のシミュレーション事業をしようということで議論を進めています。欧州のトカマク装置WESTを用いた遠隔実験の実証に成功しており、また原型炉の基本構造を日欧共同で検討しているところであります。IFMIF/EVEDAにつきましては原型加速器の開発を継続しておりまして、現在、高周波四重極線形加速器(RFQ)の8系統RF入射による重陽子ビーム加速に成功してございます。また、この後ろに付く高エネルギービーム輸送系及び大電力ビームダンプを据え付け、さらに現在、超伝導線形加速器の組み立てをやっているところであります。その右、サテライト・トカマクでございますけれども、先ほど局長からも御紹介ありましたが、今年、本体のおおむねの組み立て作業を終えまして、センターソレノイドコイルも装置の真ん中に挿入されたところであります。
 次のページ行きまして、これは科学技術委員会でまとめた原型炉研究開発ロードマップでございます。ITER計画につきましては2025年頃にプラズマの点火があり、2035年にDT燃焼を行う予定になっています。JT-60SAは2020年からプラズマの点火をはじめ、2025年に統合研究段階、それから2030年頃に拡大研究段階を迎えます。核融合中性子源は設計を行い、2025年頃に建設を開始し、材料照射を2030年頃から開始するという計画になってございます。原型炉設計につきましては、概念設計を2020年から2025年まで行い、その後、工学設計、実規模技術開発を行う予定になっております。ブランケット開発はITERのテストブランケットモジュール開発を進めることになっており、第4段階、原型炉段階のチェックアンドレビュー、移行判断というのを2035年頃に実施する予定になってございます。それに関連してQSTの主な役割を次のページにざっとまとめてあります。
 以上です。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御発表に対して御質問、コメント等ありましたら、お願いいたします。
 最後のページに、その前のロードマップとの整合性、具体的にQSTがどう分担するかというのを分かりやすく書いていただいております。その最後のところの一番下に核融合中性子を用いたイノベーションというのがあるんですけれども、これはIFMIFを利用するものでしょうか。
【牛草委員】  これはおまけでございまして、もし核融合中性子源ができれば、これは、もちろん核融合材料の照射のデータをとるわけですけれども、並行して様々な応用が期待できるというふうに考えられます。核融合の技術が他の分野に貢献できるものであるというのを併せて少し書いたので、これは核融合研究開発には余り、直接的に関係がございません。
【小川主査】  具体的にその辺のコミュニティーとのディスカッションも始めていらっしゃるんですか。
【牛草委員】  始めています。
【小川主査】  そうですか。基本的にいいことだと思います。
 ほかに何かあるでしょうか。
【岸本委員】  最後から2ページ目のロードマップについて確認したいのですが、JT-60SA実験に関して、最初に統合研究段階、2035年の少し前に拡大研究段階、その後、2035年からITERの燃焼が始まってから定常運転領域と書かれています。この統合研究段階と拡大研究段階は、どういう意味か、またどういう内容か、簡単に説明いただければと思います。
【牛草委員】  それも含めまして、まずITERの運転が始まる2025年までにつきましては、ITERの立ち上げがスムーズにいくように最大限の研究開発を行って、ITERをサポートするものです。それから、元々JT-60SAの目的は高ベータ、要するにコンパクトで大出力が期待できるプラズマの生成を長時間定常的に保持するというものでありまして、基本的にはそれに基づいた研究開発をやります。けれども、この統合研究段階と申しますのは、並行してITERの重要な実験を進めるフェーズでもありますので、それと高ベータ定常を併せてやるイメージだと思っていただければいいと思います。拡大研究段階は、もう明らかに原型炉に向けて高ベータの定常が確実にできるように、ITERではできないような、例えば高ベータ領域の不安定性を能動的に制御するだとか、そういった新たなツールだとか計測器だとかも含めて、最終的なゴールを本格的に目指すフェーズだと御理解いただければと思います。
【岡野委員】  非常に形式的なことなんですが、3ページ目のスライドのタイトルが国際熱核融合実験炉(ITER)計画となっています。私の認識だとITER計画というのが正式名で、単にInternational Thermonuclear Fusion Experimental Reactorを直訳すると国際熱核融合実験炉だという理解で正しいですか。
【牛草委員】  そうだと思います。ITER計画が正式な名前だというふうに理解していますが、それで間違いないですよね。
【新井戦略官】  プロジェクトが立ち上がったときには、International Thermonuclear Fusion Experimental Reactor を短縮してITERとしていましたが、今は単にITERというプロジェクト名で説明しています。
【岡野委員】  私がお聞きした意図を何となく分かっていただけているとは思いますが、パブリックアクセスタンスに苦労している私の気持ちとしては、ITERの意味を書くのであれば英語で書くと良いと思います。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは引き続きまして、竹入委員より、核融合科学研究所についての御発表をお願いいたします。15分でお願いします。
【竹入委員】  資料6を御覧ください。核融合科学研究所の現状について御説明させていただきたいと思います。
 2ページ目に、概要がございます。核融合科学研究所は平成元年5月に、核融合プラズマの学理とその応用の研究推進のため、全国の大学の共同利用機関として設置されました。この目的の達成のために、我が国独自のアイデアに基づく世界最大の超伝導大型ヘリカル装置(LHD)を中核として、核融合・プラズマ物理学に関する実験研究、理論・シミュレーション研究及び核融合工学研究等を推進しています。沿革がありますけれども、冒頭、局長からも紹介していただきましたように、今年5月で創立30周年を迎えます。現在の規模としましては、職員数として230名ぐらい、研究教育職員としましては120~130名という規模で、年間の予算としましては84億円の規模の研究活動をさせていただいています。
 3ページ目に目標・計画があります。核融合発電の早期実現を目指した学術研究を推進するということで、定常ヘリカル型核融合炉に必要な理学・工学に係る学理を探究し、その体系化を図るということで、下にありますように3つのプロジェクトで研究を進めています。一つは大型ヘリカル装置計画、LHD計画プロジェクト、2つ目が数値実験炉研究プロジェクト、3つ目が核融合工学研究プロジェクトですけれども、大学共同利用機関として、また核融合コミュニティーの中核的研究機関、拠点として、大学等との共同研究を中心に進めているところです。同時にコミュニティーに向けた人材育成・教育を牽引しているという形になっています。
 めくっていただきまして4ページ目です。大学共同利用機関ですので、この共同利用・共同研究がいわば活動の中心になっています。ここには4つのタイプが記載されていますけれども、基本的には、核融合コミュニティーの大学から、高度な研究設備を有する、あるいは先端の研究設備を有する核融合研に対して共同研究を行うという基本的な構図になっています。もう一つ、右上にあります双方向型といいますのは、全国の中規模の研究設備に対しても、核融合研との共同研究の中で核融合コミュニティーが参加できるような、そういう仕組みを整えています。右下にあります原型炉研究開発というのは今年からスタートさせたもので、冒頭に少し御紹介ありました「原型炉開発に向けたアクションプラン」に沿った原型炉開発に向けた開発研究を大学側として、学術の視点あるいは人材育成の視点から取り組んでいこうという形で始められた第4の共同研究のシステムになっています。左下にありますように、共同研究者数という意味では、もう1,500名を超える規模、研究機関としましても200を超える機関が参加しています。
 5ページ目に、国際的なコミュニティーの中核ということがございます。複数の2国間協定、あるいは多国間協定により国際的な共同研究も進めていますけれども、基本は核融合研をハブとして、大学等のコミュニティーから多数の研究者がこの国際的共同研究事業にも参画しています。
 めくっていただきまして、6ページ目です。コミュニティーに対する教育、人材育成、若手研究者育成への貢献です。真ん中にあります総合研究大学院大学、これは大学共同利用機関、全国で17ありますけれども、そこが共同で設立している大学院大学です。核融合科学研究所には、核融合科学専攻を設置しています。現在の在籍者は14名で、外国からの留学生もかなり多い比率になっています。平成6年から現在まで150名を超える博士号取得者を輩出しています。また、その下にありますように、この総合研究大学院大学以外の大学院教育としましても、連携大学院等、全国の大学と共同研究をベースにした人材育成に取り組んでいます。
 7ページ目は広報活動等を中心として、開かれた研究所として情報の徹底的な公開、積極的な広報活動、アウトリーチ活動を行っています。地元に対する市民説明会あるいは学術講演会、オープンキャンパス等々、随時の見学受け付けも行っていまして、オープンキャンパスも含めますと年間6,000名から7,000名の方に研究所を訪問していただいています。
 めくっていただきまして、ここから各プロジェクト、特に中心となりますLHDプロジェクトについて御説明いたします。
 まず8ページ目、これは装置の全体の写真で、左の真ん中辺にピンクのヘルメットをかぶった人が立っていますけれども、これが中心となります大型ヘリカル装置、LHDになっています。我が国独自のアイデアに基づくヘリカル方式というもので、世界最高の定常プラズマ運転性能を有しています。
 9ページ目にありますように、世界的に見て最高の定常運転性能ということで、2,300万度のプラズマを48分間、定常的に維持したという記録を持っていまして、そのときの加熱入力3.4ギガジュールというのは世界最高記録になっています。左の図にありますように、縦軸にプラズマの維持時間、横軸に加熱電力を示した図ですけれども、トカマクの定常運転性能をはるかに凌駕していることがお分かりいただけるかと思います。
 めくっていただきまして、10ページ目です。現在かなり研究は進んできましたけれども、磁場閉じ込め核融合発電を実現する2大課題としましては、実際の燃料を核融合燃焼させる課題と、発電所を目指すための定常運転の課題があります。現在、磁場閉じ込め核融合には、ひねった磁石を使うことで閉じ込め磁場を作る我々のヘリカル方式があります。もう一つにはトカマク方式、プラズマ中に大電流を流すことによって閉じ込め磁場を形成するという方式があります。トカマク方式は、短時間ながら高性能プラズマを生成し、既に核融合燃焼条件をクリアしているということから、核融合燃焼を行うITERで採用されている方式になっています。一方、ヘリカル方式は、コイルに定常的に電流を流せることから定常運転が可能でありますが、課題としましては核融合燃焼を見込めるプラズマの高性能化にあります。この高性能化につきまして、最近、LHDで重水素実験というものを行って、イオン温度1億2,000万度という核融合条件に必要な条件を達成し、高性能化の見通しを立てたということが大きく取り上げられています。
 11ページにありますように、この重水素実験は、普通の水素ガスよりも重たい重水素ガスを使うとプラズマの性能の向上が期待されるということで、一昨年の3月に開始いたしました。そして、開始して、これまで軽水素プラズマのときには9,400万度であったイオン温度が、実験4か月で1億2,000万度という、一つの重要なポイントを達成しています。12ページには、そのときの1億2,000万度の実験結果が示されていますけれども、もう一つ、なぜ軽水素より重水素を使った方がプラズマの性能が上がるのかという同位体効果についても観測しています。
 そうした研究成果が、13ページ目にありますように、2年に一度、IAEAが主催する核融合エネルギー会議というものがありますけれども、世界最大規模、世界最高の核融合に関する会議ですが、その最終日のサマリーの冒頭で、LHDの重水素実験、それからドイツにあります大型のヘリカル装置の実験開始といったものが1番目のトピックスとして紹介され、その中でLHDにおける1億2,000万度のイオン温度達成のグラフが引用されています。また、ITERの成功を考えると、三重水素まで使用するということから、その同位体効果の解明が非常に重要な課題ですが、それを世界最大のトカマク型装置であるJET、それとヘリカル型のLHDが同位体効果に関する研究を進めているということで、現在LHDの研究が世界的にも注目されています。
 14ページ目にありますように、今後の研究展開ですけれども、非常にビジーなグラフになっていますが、基本的には、イオン温度、電子温度が同時に1億度を超える核融合炉級のプラズマを実現して、その学理を調べ、核融合炉の設計につながるデータベースの蓄積を行うというのがあります。その研究を進めまして、昨年は1億2,000万度のイオン温度プラズマの電子温度を6,400万度まで高めるという形で、目標に向かって研究は着実に進展しています。同時に、イオン温度と電子温度を同時に上げるというのはかなり困難を伴うことでありますけれども、そうした中で同位体効果という学術研究をしっかりと進める形で研究を推進していきます。これはとりもなおさず、先ほど申しましたように、ITERへも貢献していく内容になっています。
 こうしたことで、LHDの計画は今現在、大規模学術フロンティア促進事業による支援を受けて、2022年度までの計画になっています。この2022年度までに1億度を超える炉心プラズマ課題の解決に向けた研究を進めているところで、その見通しが立ってきました。それ以降としましては、定常プラズマ研究、今現在、世界的に見てLHDのみが取り組むことができる定常プラズマ研究にしっかりと取り組むというのがあります。
 15ページに、LHDの後継計画、2023年度からの後継計画を記載させていただいています。トカマクを含めた環状プラズマによる核融合炉の実現に向けて、定常プラズマの熱・粒子制御の課題解決を、今は世界的に見てLHDでなければできないという形で取り組むということで、学術会議のマスタープランへ現在応募しているところです。「定常高温核融合プラズマを実現する粒子・エネルギー循環の学理」という形で、LHDの改造を伴う計画で今検討を進めているところになっています。こうした事柄は、トカマクの課題である定常化、トカマク炉心プラズマの定常化研究に対して、JT-60SA計画が解決に向けて取り組むのと歩調を合わせて、しっかりとした粒子・エネルギー循環の定常研究を進めていくという形になっています。
 めくっていただきまして16ページです。ITER計画そのものは、定常研究といいましても、例えば400秒から1,000秒のレベルになっています。またJT-60SAはトカマクの定常研究を進めますけれども、100秒から200秒の範囲になっています。LHD自身の今回の後継計画では1万秒をターゲットに置いて、そのための改造として、17ページ目にありますように、現行機器の真空容器の壁をオール金属化、全金属化して、しっかりと定常研究ができるように改造して取り組むという形で計画しています。
 めくっていただきまして、18ページです。現在ヘリカル研究は非常に世界的にも注目されているということで、3年ほど前に、LHDとほぼ同規模のヘリカル型装置ヴェンデルシュタイン7-X(W7-X)という装置がドイツで実験を開始しましたけれども、メルケル首相による点火式の写真を載せさせていただいています。ドイツを含めたヨーロッパをはじめ、世界でヘリカル研究が非常に注目されているということです。
 19ページ目に、2つ目のプロジェクトとして工学研究プロジェクトの紹介をさせていただいています。工学研究プロジェクトでは、LHD計画と並行して、また相互に連携しながら、核融合炉の設計を進めるとともに、その工学基盤の構築に向けた研究を進めています。ここにあります低放射化材料研究、大型高磁場超伝導マグネット研究、高熱流プラズマ対向壁研究、長寿命液体ブランケット研究、微量トリチウム管理技術研究といったものを進めさせていただいています。
 20ページ目にありますように、既にこうした課題に対して、ここに挙げられています実験装置等々を共同研究に供しまして、全国の大学とのネットワークにより、工学研究を推進しています。
 次の21ページ目に、最近の研究としまして、将来の核融合装置では非常に重要とされている高温超伝導の開発研究にも着手しています。
 めくっていただきまして22ページ目が、数値実験炉研究プロジェクトの説明です。これは仮想現実空間にヘリカル炉を創造し、物理・工学性能、経済性の最適化を図るということで、研究所にあります2.6ペタフロップスのスーパーコンピューターシステムを用いて、個別の物理現象に対する大規模シミュレーションを行います。そして空間的・時間的にも、マルチスケールのもの、多階層モデルの構築を通じ、予測性を向上させることで一つの数値実験炉を構築して核融合炉の設計に生かしていこうという、ある意味壮大な計画になっています。
 23ページ目にありますが、その中核となるスーパーコンピューターシステム、来年度、10ペタフロップスまで性能をアップした機器に更新する形で準備を進めています。
 以上です。どうもありがとうございました。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御発表に対して御質問、コメントありましたら、よろしくお願いします。
 私から1点だけ、5ページ目ですが、2017年に観測された2つの中性子星合体に伴う重力波、これはニュースで非常に取り上げられました。中性子星だから、合体時に電磁波が放出され、それを検出できるということで、金ができるプロセスを観測できるのではないかという話で出ているんですけれども、これに核融合研も何か非常に関与されたんですか。
【竹入委員】  原子分子データベースのセンターとしての活動をやっていますので、そのデータは全世界で使われています。天文台との共同研究の中でもこの原子分子データが使われていまして、中性子星合体に伴う重力波検出と並行して、合体に伴う爆発現象が発光する光のスペクトルを、この原子分子データを用いて解析して、鉄以上の、いわゆる金の合成についての観測をしたという形になっています。
【小川主査】  そのとき核融合研のデータがコントリビューションしているんですか。
【竹入委員】  データ処理の方法も含めてですね。原子過程データとともにデータ処理手法も含めた研究ですから、分野間融合みたいな形になっていますが、今後もそうした研究を進めていく予定にしています。
【小川主査】  このニュースのときに核融合研の話は出てこなかったですが。
【竹入委員】  別途プレス発表したんですけれども、天文台だと大きく取り上げられますが、核融合研の発表だとどうしても、なかなか取り上げられないというのはあります。
【岸本委員】  LHDの重水素実験について、同位体効果の物理機構はトカマクを含めた磁場核融合プラズマ研究の長年の重要課題であり、それが明らかになりつつあることは重要な成果だと思います。
 イオン温度が1億2,000万度に達するとともに、電子温度も6,400万度に達したわけですが、さらに、イオン温度と電子温度が同時に加熱できるかが、今後の重要な課題ではないかと思います。このあたりの見通しをお聞かせいただければと思います。
【竹入委員】  高いイオン温度に電子加熱を強力に行うと、以前はイオン温度が低下するという現象が観測されていました。軽水素実験のときは特にそうでした。重水素実験では高いイオン温度のときに電子加熱を十分に行って、いろいろ加熱の方法の最適化も含めて行った結果、イオン温度を低下させることなく電子温度を上げる糸口、方策が見付かってきました。これも一つの同位体効果であろうと思っています。特に電子温度勾配が誘起する不安定性を抑制する機構の研究が、同位体効果の観点からも進んでいくだろうということを期待しています。
【大野主査代理】  6ページ目ですけれども、核融合研の人材育成に対する貢献は非常に大きいと思いますが、特別共同利用研究員のところに中国科学技術大学という名前があります。この制度は海外の大学にもオープンになっている制度でしょうか。
【竹入委員】  はい。特別共同利用研究員制度をオープンにしているというより、むしろ最近、ヨーロッパ、中国から長期のインターンシップを求められています。大学院生を半年から1年以上にわたって核融合研にインターンシップで派遣するというケースが出てきまして、その受け入れの状況をどういう形でするのか。インターンシップという意味では半年程度を想定していたものですから、それでは大学との共同研究をベースに、特別共同利用研究員制度を使えば外国からも受け入れられるだろうという形で入れ込んでいます。
 非常に今、ヨーロッパ、中国からも含めて大学院生、半年、1年、場合によっては2年という形の引き合いといいますか、要求が出されていますので、国際共同研究に発展することも含めて積極的に取り組んでいるところです。
【岡野委員】  一つ、非常に言いにくいというか、言ってはいけないことかもしれないんですけれども、9ページです。LHDがすばらしい成果を挙げていることはもう十分知っている上で申し上げるんですが、この図をもって、下に書いてある「トカマクにおける定常研究を大きく凌駕する成果」というのは言い過ぎではないですか。ここは核融合科学技術委員会なので、そういう意味から言うと、やはり1億度に近い温度をどのぐらい維持できたかとか、そういうことが入ってきて初めて、この下の1行が言えると思います。
【竹入委員】  済みません、ちょっと誤解を招く表現をしたかと思います。そういう意味では、ここで言いたいことは、岡野先生もよく御承知だと思いますけれども、定常運転性能に原理的にすぐれているということを実質的に示し、デモンストレーションしたということで記載させていただきました。ちょっと筆が滑ったということで御勘弁いただければと思います。
【岡野委員】  一応ここは科学技術委員会なので、正確に書いてほしかったという意味で申し上げました。
【竹入委員】  ただ、この定常性能が今世界一であるということは、もう紛れもない事実なので、ITERからも、あるいはユーロフュージョンからも、この定常運転性能に関わる実験研究は非常に期待されています。そういう意味では、この後継計画も含めて、定常研究をしっかりと行うことが、LHDのみならず、ヘリカルのみならず、世界の核融合研究にしっかりと貢献していく形というふうに考えています。
【岡野委員】  是非お願いしたいと思います。
【小川主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 主査からも、まず核融合コミュニティーの人はもう十分知っているんですけれども、核融合コミュニティー以外の方もかなりいらっしゃるのでコメントさせていただきます。核融合の歴史を見ますと、数十年にわたりいろいろな閉じ込め方式を模索してきました。そして今は、トカマクとヘリカルとレーザーに絞られてきましたけれども、ここに至るまで10以上の、たくさんの方式で研究をやり、淘汰がありました。平成15年ぐらいの段階において、選択と集中という観点から、トカマク方式がメーンで、併せてヘリカル方式とレーザー方式が重点化されることになりました。それ以外の方式に関してはイノベーティブなものを探るとして、重点化はしないけれども大学等のコミュニティーで頑張っていただくという方針できております。
 そのときに重点化されたものに対しては、互いに競うと同時に、それぞれの相補性という観点も重要であります。そういった観点で言いますと、ヘリカル方式がトカマク方式とどういう相補性があって、どう競って頑張っているのかを、例えば10ページでまとめていただいています。ヘリカル方式は定常性に特徴があるので、その特徴をもって核融合炉を目指すという相補性でやっているわけです。
 アカデミックな部分と同時に、レーザー及びヘリカル方式の研究における位置付けをコミュニティー外の方にはそれなりに理解していただきながら、この委員会で議論していただければと思っています。主査として、今までの核融合の歴史も含めまして概観させていただきました。
 続きまして、レーザー方式に関して、兒玉委員より大阪大学のレーザー科学研究所についての御発表をお願いいたします。
【兒玉委員】  それでは、レーザー核融合研究開発について報告させていただきたいと思います。資料7を御覧ください。
 最初に少し大阪大学のレーザー研の概要を報告させていただいて、その後、レーザー核融合研究開発に関するプロジェクト、最後に関係する国際連携、産学連携について報告させていただきたいと思います。
 2ページ目を開いていただきますとレーザー研は今から約50年前に大学の工学部附属施設として、レーザー工学に関する学内施設としてスタートいたしましたその後、1976年にレーザー核融合研究のためのセンターとして、2004年には全国共同施設として位置付けられました。2017年には学内のいろいろな関係する組織を統合いたしまして、附置研究所として組織されました。現在、構成員は250名で、研究者80名、そのうち30名が正式な職で、あと50名ぐらいが競争的資金等による研究者でございます。それから特徴といたしまして、学生が110名、工学研究科、理学研究科、他大学・私学等から来て、一緒に研究をしているというところが特徴的なところかなと思います。
 研究部門といたしましては、いわゆるレーザー関係の技術を開発するところと、物理学、新しい学術を開拓する高エネルギー密度科学、それからレーザー核融合を推進する部門、あとは理論・計算部門です。それから最近、この2年間で、新しく企業の出資による部門ができてきておりまして、現在3部門が企業出資による部門でございます。
 3ページ目に移らせていただきます。研究所の強みといたしまして、施設としては、一番上の四角にありますように、ピーク強度としては世界第3位のレーザーがあり、それからエネルギーとしては日本一の高出力レーザーがあります。あとは、播磨の方にエックス線自由電子レーザー、理研のエックス線自由電子レーザーと同期した高出力レーザーを設置して、関係する研究を進めております。それから、3つ目の四角にありますように、共同利用共同研究拠点でございまして、年間100件程度の共同研究を受け入れておりまして、大体3分の1が海外がPIになっている共同研究となっております。
 次の4ページ目を開いていただきますと、レーザーのエネルギーとして世界の順番を示しています。エネルギーだけでいきますと世界で6番目ぐらいに位置付けられますが、実はその中で100%アカデミックに、フルオープンにできているのは大阪大学のレーザーが一番エネルギーが高いというところでございまして、世界のユーザーから、ここは是非、拠点としてこのままなくさないでくれという意見があります。そういうものを使いまして、5ページ目、6ページ目に書いてあるようないろいろな分野の研究をしています。
 7ページ目からがレーザー核融合研究開発になります。8ページ目を開いていただければ、レーザー核融合の原理というのは、トカマク、ヘリカルとかなり違いまして、レーザーを小さなターゲットという燃料ペレットに照射いたしまして、その燃料ペレットが圧縮して高密度の燃料を作って、瞬間的に温度が上がって核燃焼を起こすという方式でございます。密度といたしましては、固体密度の1000倍あるいは数百倍の密度のプラズマができております。燃焼時間といたしまして、これは数十ピコ秒、10のマイナス11乗秒という極めて短い時間で起こる現象でございまして、これは定常運転という運転ではなくて、パルス運転になります。エンジンのように圧縮して温度を上げて燃焼してということを繰り返していくと、それが大体10のマイナス11乗秒で起こる燃焼を繰り返して、1秒間に10回ぐらい、あるいは数回ぐらい繰り返しながらエネルギーを取り出していきます。サイズといたしましても、圧縮した燃料のサイズは数十ミクロンから100ミクロン程度で、極めて小さな核融合のプラズマでございます。ですから炉心プラズマというものと、炉工というかドライバーというのは、全く切り離して開発ができるというところがメリットです。
 点火の方法に関しましても2つあります。一つは圧縮して温度を上げるという方法を、自然に上げる方法である中心点火方式というものと、それから、外部から点火するためにエネルギーを注入する、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンみたいなもので、スパークプラグがあるかないかというようなイメージでございます。もう一つは照射方式といいまして、圧縮する方法といたしまして、レーザーで直接圧縮する方法と、レーザーからエックス線なりに変換して均一に圧縮する、そういう方法がございます。基本的にはこれらの組み合わせで行われておりまして、右側に各方式の代表的な機関を挙げさせていただいておりますが、大阪大学は高速点火方式で、直接照射方式ということでございます。これは中心点火方式よりも、成功すれば10倍高い効率で点火燃焼ができ、つまり10分の1のエネルギーでできるということで、我々はこの路線をとっています。
 次の9ページ目は、世界の点火燃焼を目指した大きなプロジェクトがフランス、中国、アメリカで動いておりまして、その中でも特にアメリカが、点火燃焼するために5,000億円以上のプロジェクトが進んでいると。それは、フランスでもやはり同規模のプロジェクトが動いておりまして、中国でもやはりそれなりのプロジェクトが動いておりまして、そのアップグレードもある程度認められています。もう一つ、中国の場合は、これとは別にアカデミックな大型レーザー核融合計画が認められました。1,000億のプロジェクトのうち、200億が正式には認められて、チェックアンドレビューによってフルで動くだろうということで、この辺に関しまして詳細な情報を取り入れているところでございます。
 次の10ページ目は世界の大型レーザー施設を挙げさせていただいているんですけれども、赤い枠が核融合関係の施設でございまして、赤が付いていないのは必ずしも核融合だけではないというところで示させていただいております。 それで、我々が進めております核融合の計画というのは12ページ目からでございます。独自の高効率の点火方式である高速点火を実現するためのプロジェクトを進めておりまして、それをFIREX計画と呼んでおります。FIREX1、2というふうに分けております。1というのは、圧縮した燃料を加熱して、加熱物理を明らかにしつつ、点火燃焼するためのスケーリングを明らかにします。FIREX2では実際に点火燃焼するという形で進められております。FIREX1というのは既存のレーザー装置、現在大阪大学にあります激光レーザーというものとLFEXというレーザーを使いまして加熱実験を行っております。
 いろいろなイノベーションも起こりまして、発明もあります。いかに高効率に加熱するかということもうまくいっておりまして、次の13ページに最近の結果がございます。現在、圧縮したプラズマを2億度、2キロエレクトロンボルト程度まで加熱することができております。これはどれぐらいの成果かといいますと、圧力にいたしますと2から3ペタパスカルという圧力でございまして、13ページ右側にある縦軸というのは核融合パラメーターみたいなもので、どれだけ核融合が実現できているかというようなものです。NIFというのは先ほどのアメリカのデータで、ITERというのは薄いグレーで書かせていただいておりますが、点火燃焼というのがそこのグレーのラインであります。FIREX1というのは現在、青いスター印でございまして、その上に青い丸いものがあります。これはアメリカのOMEGAレーザーといいまして、我々より10倍ぐらい高い、大きなエネルギーで実験をやっている成果でございます。現時点では10分の1のエネルギーでほぼ近い、2分の1ぐらいの成果でございますが、そういう形で進めさせていただいております。最終的には100ペタパスカルというものの点火を目指すわけでございます。
 その次の14ページは細かい話ですが、加熱物理がかなり見えてきました。これを基に最終的なFIREX1の仕上げを今始めようとしているところでございます。恐らく年度内にはそれなりの結論が出るのではないかということで、15ページにありますように、我々は現在、2つの委員会を設置しております。一つは、下側の四角にあるFIREX国際アドバイザリーボードという、これはまさに炉心プラズマ、FIREX計画の中身を評価していただく、あるいはアドバイスを頂くということで、国際的な委員会を設置させていただいております。これは所長の諮問委員会とさせていただいておりまして、FIREXに対するものです。それからもう一つ、オールジャパン体制で核融合、やはり炉を目指した委員会を設置いたしました。これはIFEフォーラムという企業の支援によるフォーラムが主催している委員会でございますが、32名、13機関が参加しています。当然20年、30年のスパンの計画を立てますので、20年、30年でも現役の人が座長をしていただきます。
 16ページ目に、これはまだ必ずしも全てがまとまってはいませんが、核融合戦略会議の方で検討中のロードマップを示させていただいております。炉心プラズマというのがFIREXです。実はここでパワーレーザーの技術が急速に今進歩しておりまして、以前はFIREXが終わって次の、その次に炉工学ということだったんですけれども、繰り返しレーザーの技術が進歩しております。メガワットクラスの100ヘルツぐらい、1秒間に100回ぐらいのレーザーが現実的になろうとしているということで、いわゆる繰り返し試験、あるいは発電システムということができるようになりますので、そういうものを取り込んだ形になっております。その新しいレーザーというのが次の17ページにあるような形で、基本的にはメガワット・100ヘルツでございます。
 いろいろなことができるんですけれども、その要素技術というのは、ほぼ二、三年以内には確立するというのを18ページに書かせていただいております。二、三年以内に要素技術ができて、あとは数を増やしていくだけの形でうまくいっているということです。それができれば、20ページに書かせていただいているように、2029年の10年後には世界最大の高平均出力、世界で唯一のメガワット・100ヘルツレーザーが実現して、新しい形でのレーザー核融合研究がスタートできるということで、22ページにその詳細を書かせていただいております。いわゆる統計的なアプローチができるということでございます。つい先日、アメリカのロチェスター大学が『ネイチャー』に出した論文がございます。それは、いわゆるビッグデータというか、統計的なアプローチで最適化することによって3倍効率が上がったという成果でした。そのデータをとるのに5年間掛かったということです。そういうものが本当に1か月も掛からずにできる、数日でできるということになりますので、期待しております。
 そのほか国際連携といたしまして24ページにありますように、大阪大学レーザー研の方では海外に連携オフィスを設置しております。5つの連携オフィスを設置して、海外と密接な連携をしております。アメリカに関しましては今年1月に、日米科学技術協定における新たなフレームワークとして高エネルギー密度科学というものが設定されました。
 最後に産学ですけれども、我々は大型レーザーを開発するのですが、どこかから買うわけではなくて、自分たちで材料開発からシステム、デバイス開発、全部やっております。そういうものを全部分割して、いろいろなところにアピールしていくと、いろいろな企業が入ってくるというか、一緒に共同研究をしたいというところがあります。赤く示したところが先ほど言いました共同研究部門で、企業による共同研究部門が設置されたところでございます。Hondaというのは本田技研です。あるいはSRJというのはサムスンです。そういうものを支援するための企業との連携、産官学、そういう協奏の場として3つのフォーラムを我々は設定しているというのを、26ページ目、最後に書かせていただいております。これは核融合、IFEフォーラムというのは核融合、パワーレーザーはパワーレーザー、光エレクトロニクスはパワーレーザーを作るための半導体レーザー関係のフォーラムでございます。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御発表に対して御質問等ありましたら、お願いします。
【尾崎委員】  5ページにレーザーの応用分野の、いろいろなアプリケーションがあるということを書いていらっしゃいますけれども、いろいろな企業が参加しているということは、いろいろな目標があると思うんですね。ここで、例えばライフサイエンスやものづくりですと、当然ながら核融合と比べてリードタイムがすごく短いですよね。このライフサイエンスやものづくりでできた成果というのは核融合に応用できるのか、それとももう両者全く別物と考えた方がいいのか、その点はどうなんでしょうか。
【兒玉委員】  例えば、先ほど言った高繰り返しのレーザー技術というのは、現在、予算の面ではレーザー加速器、これは医療応用とか、そういうもののためのプロジェクトでございます。そのプロジェクトに参加させていただいて、高繰り返しのレーザーの開発が加速されたということでございますので、そういう意味ではバックしております。
【兒玉委員】  ちなみに現在、運営費交付金は6億でございます。6億ぐらいが外部資金で、そういういろいろなことをやるということをせざるを得ないという状況でございます。
【小川主査】  そうですか。それだけの外部資金獲得は、すばらしいことだと思います。
 ほかに何かあるでしょうか。
【岡野委員】  16ページの表で、FIREXの後ろに、2020年の終わり頃にチェックアンドレビューが入っていますが、これはこの委員会でやるチェックアンドレビューのことだと思うんですが。
【兒玉委員】  はい。できれば来年の夏までに、先ほど申しましたように今年度中に加熱物理のところについて、現在理解はできていますので、それを検証させていただいて、あとアドバイザリーボード、それから戦略会議の委員会等々の結果を頂いて、それでチェックアンドレビューをしていただければと思っております。
【岡野委員】  この期の科学技術委員会ということになりますよね。それは意識しないといけないのかなと思ったのと、それからもう一つ、非常にレーザーの技術の進展が早いというのは私もよく聞いているんですが、それでJ‐EPoCHが出てきていて、そうすると、前の計画だとFIREX1のチェックアンドレビューをしてFIREX2に行くというシナリオでしたが、それも変わることがあり得るんでしょうか。
【兒玉委員】  繰り返しレーザーというか、FIREX2というのはやはりエネルギーが要るんですね。エネルギーが要る方向へ行くというのは、目的がものすごくシャープに絞られてはいくんですけれども、汎用性が少なくなります。むしろ繰り返しを上げて、いろいろな展開をしつつ核融合を進めると、上の、ロードマップのピンクのところが、今までは実は後ろの方にあったんです。それが前倒しでできるということになってきます。結果的に、真ん中にあるLIFT実験炉、それを短縮できています。それはピンクのところを早められるということでございます。この辺に関しましては、まだ核融合戦略会議の方で詳細を今詰めていっているところなので、細かい年数のずれとかいうのは少しお待ちいただければと思います。
【小川主査】  その辺のチェックアンドレビューをいつの時期にどこでやるかというのは一義的にまだ決まっていないと思いますので、ボトムアップでいろいろ聞かせていただきながら議論させていただければと思っています。
 よろしいでしょうか。ほかに何かあるでしょうか。
【岸本委員】  エネルギーは10キロジュール程度に留めて、高繰り返しの方に日本のレーザー核融合の戦略を展開し、そこでノウハウを蓄え、エネルギーが必要な爆縮や点火の実験は、いろいろな国際共同研究で進め、それらの結果を横目で見ながらやっていこうという戦略と思ってよろしいでしょうか。
【兒玉委員】  はい、そうです。
【小川主査】  私からは9ページ目の国際的に動いているレーザーの話なんですけれども、2点ありまして、1点が、NIFが、彼らから言わせると、私の記憶だとこれは2.2メガジュールを3とか4メガジュールにすれば点火まで行くんだというので、上げたいという希望を持っているみたいですけれども、その見通しがどうなっているのか。もう1点が、中国が今このように非常に頑張っているんですけれども、ペタワットの記録が3位だと言っていますが、1位がELIの10ペタであるというわけですね。2位も中国なんですか。
【兒玉委員】  現在、韓国です。もうすぐ中国が抜きます。
【小川主査】  また、中国とアメリカのアクティビティーを教えていただきたいと思います。
【兒玉委員】  まずアメリカに関しましては、2メガワットではなくて、3から4ぐらいまで上げれば点火するんじゃないかというふうに言われています。それを現実的にできるかというところに関しましても、コーティングを高耐力にすれば現有の装置でそれほどお金を掛けずにできるだろうと言われていますが、そのコーティング技術が100%の確約はできない状態です。ただ可能性はあります。我々もそれに近いようなコーティング技術を持っていて、そういうことを念頭に開発しておりますが、恐らくそのうち現実的にはできると思います。
 中国に関しましては、10ペタワットではなくて100ペタワットの計画が今進んでおります。世の中はジェラール・ムールー、いわゆるノーベル賞を取った方の影響もあって、ペタワット、10ペタワット、100ペタワットあるんですけれども、それで何が開かれるかというのは必ずしも明確でないというところもございまして、むしろ中国は、やはりそれとは別に1,000億のプロジェクト、核融合は、要するにチャイニーズアカデミーをサイエンスの方で、その上の方はチャイナ・アカデミー・オブ・エンジニアリング・フィジックスなんですね。違うところで行われて、方式も多分違うと思うし、開かれ方も違うはずです。そういうところもございまして、かなり中国は、もうあらゆるところ全てカバーしようとしています。
【小川主査】  そうですか。ありがとうございます。
 QST、それからNIFS、レーザー研の最先端の研究を紹介していただきまして、ありがとうございました。それでは、以上でこの議題を終わりにさせていただきたいと思います。
 続きまして、議題4「第24回BA運営委員会の開催結果について」に入ります。委員会に出席されました新井戦略官より、御説明をお願いいたします。
【新井戦略官】  4月11日に定例のBA運営委員会、これは年に2回やっているんですが、春の部といいますか、第24回が行われました。場所はQSTの六ヶ所研で、日欧の委員会ということで、日本からは千原審議官がヘッド、欧州からはガリバ欧州委員会エネルギー総局の担当局長が出席ということになっております。
 議題といたしましては進捗状況の報告ということで3事業、IFMIF/EVEDA、IFERC、サテライト・トカマク、こちらについての去年1年の進捗状況の報告と、また、今事前評価をしていただいているBAフェーズ2の事業計画案の確認と議論が行われました。あとはITERとBAの協力の枠組みというような議論もされております。
 BA活動の現状についてですが、これは1年間のフォローアップということで、六ヶ所村とフランスCEAのカダラッシュ研究所のトカマク装置WESTを結ぶ遠隔実験に昨年冬に成功したことや、IFMIF/EVEDAの原型加速器において、今年3月に8系統高周波源を用いた重陽子ビーム加速実験に初めて成功したこと、サテライト・トカマク関係では、組み立て、据え付けが進んでおりますけれども、真空容器とトロイダル磁場コイルの据え付け完了や、中心ソレノイドコイルの据え付け準備が完了したことなどが報告されております。
 また、IFMIF/EVEDAの関係では、重陽子実験の加速成功に加えて、システムの組み立てが続いています。欧州が担当している超伝導高周波線形加速器(SRF)の機器が六ヶ所サイトへ納入されたという報告がありました。
 それから、IFERCの事業の関係では、JETとのタイル、ダストの分析をして、トリチウム挙動に関する重要な知見を得たという報告、あるいは六ヶ所村と欧州にあるスパコンの共同したシミュレーションプロジェクトが開始されたという報告がなされています。
 ITER機構とBA活動の協力については、ITERとBAの両実施機関であるQSTと欧州のフュージョン・フォー・エナジーの間で、まずはサテライト・トカマク事業に関する協力協定の提案というのがなされましたので、それを歓迎して、これについてどういった協力を具体的にしていくかという枠組みを、数か月間掛けて関係者で検討していくといった報告がありました。
 BAフェーズ2に向けた検討については、去年12月のBA運営委員会でも各事業長から事業計画が報告されて、これを踏まえて、今後の日欧政府間の検討作業に資するために暫定承認がなされました。今回についても若干の時点更新がなされて、それを踏まえて引き続き政府間での議論をする、暫定承認というステータスが続いているというところであります。
 最後に、BA事業の拠点の一つが六ヶ所村でありますので、受け入れ先である青森県からは佐々木副知事、六ヶ所村の戸田村長に出席いただいて、欧州からの研究者等の受け入れの状況についても御報告いただきました。次回は12月に開催する予定です。その際に報道発表した資料については添付のとおりです。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、今の御発表に対して何か質問、コメント等ありましたら、よろしくお願いします。
 よろしいでしょうか。BAに関してはフェーズ2でまた議論がありますので、そのときにも、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題5「令和元年度の核融合科学技術委員会における評価計画について」に入ります。内容につきまして事務局より御説明をお願いいたします。
【阿南補佐】  本委員会での研究開発の評価計画案について、説明させていただきたいと思います。前年度からの引き続きで同じテーマについて評価していただくことになりますので、前年度の評価計画からの修正点に下線を引いております。
 評価の目的ですが、文部科学省や研究開発・評価分科会において評価の実施のガイドラインを作っておりまして、それに基づいて本委員会でも評価をするということになっております。
 評価の対象ですが、先ほど小川先生からも御指摘があったように、BAフェーズ2の推進の事前評価をしていただきたいと思っております。
 評価の方法ですけれども、3.(1)で、委員会において文科省やQSTからBA活動のこれまでの取組や今後の展望を説明して、それについて質疑、討議を行っていただいてから、別紙のページに付けております評価の観点、項目、基準に基づいて評価をしていただきたいと思います。核融合科学技術委員会で取りまとめていただいた評価書案は、研究計画・評価分科会において決定することになります。
 実施の日程ですが、前回の委員会において、BAフェーズ2について第9期の委員に御説明して、意見等を頂いておりますので、それを御紹介する形で質疑応答をさせていただいて、その後、6月か7月に評価書、評価結果の案の質疑をしていただくスケジュールで進めさせていただきたいと思っております。ちなみに、第9期においては、昨年10月にQSTから検討状況を説明していただいて、2月に文科省からフェーズ2の計画について御説明したという流れになっております。
 4.の利害関係者として、具体的には牛草部門長になろうかと思いますけれども、評価には加わらないということになります。
 また、なるべく簡便な方策で進めるべく、メール等の手段によって御意見をいただきたいと思っております。
 別紙ですが、これも第9期からの引き続きで、これまでITER等を含めて評価を行ってきましたが、そのときに用いた評価の観点等の項目と同様でございます。1点、変わったこととしては、3ページ目の2.(2)で、科学技術基本計画への貢献の見込みを盛り込むということになっておりますので、追加しております。具体的に、科学技術基本計画等にどのような位置付けがあるかについては、7ページ目に科学技術基本計画と、同じく重要な計画としてエネルギー基本計画を付けております。
 以上でございます。
【小川主査】  ありがとうございました。まず早速、BAフェーズ2の評価の進め方に関して御説明いただきました。よろしいでしょうか。
 前期から継続の方は大体要領が分かっていらっしゃると思うのですけれども、新しく今期から加わった方は必ずしも御理解いただけないかと思いますが、実は1ページの(2)の実施日程にありますように、今までの流れとしましては、昨年10月31日に第1回の説明、質疑応答をやりまして、QSTさんから報告がありました。その次に、今年2月に文科省からBAフェーズ2について説明がありました。そこまでは実は前期だったんですけれども、それを受けて、一部の委員の方は交代しましたが、本日5月15日にさらにその説明及び質疑をするということです。そして6月か7月の次回委員会で評価案の決定をする、そしてそれを8月頃の本委員会の親委員会である計画・評価分科会の方に御報告するというスケジュールで進めるものでございます。
 今期から加わった委員の方には申し訳ないんですけれども、そのようなスケジュールで進むことを御了解いただければと思います。よろしいでしょうか。
 以上が今後の進め方でございます。この後、BAフェーズ2の評価の審議に入らせていただきますので、この後は非公開になります。傍聴者の方々には御退席をお願いいたしたいと思います。

(議題6 非公開)

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研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付

(研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付)