核融合科学技術委員会(第16回) 議事録

1.日時

平成31年2月14日(木曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. 第23回ITER理事会の開催結果について
  2. 第23回BA運営委員会の開催結果について
  3. 原型炉研究開発体制の強化のための大学等の連携強化について
  4. 「ITER計画(建設段階)等の推進のうち幅広いアプローチ(BA)活動(フェーズ2)の推進」の事前評価について〈一部非公開〉

4.出席者

委員

小川主査、大野主査代理、五十嵐委員、植竹委員、牛草委員、岡野委員、兒玉委員、高本委員、竹入委員、村上委員

文部科学省

新井研究開発戦略官、阿南室長補佐、吉澤核融合科学専門官、徳澤学術調査官

5.議事録

【小川主査】  それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日は、御多忙のところをお集まりいただきありがとうございます。
 それでは、まず事務局に定足数の確認をお願いいたします。
【吉澤専門官】  本日は、10名の委員の方に御出席いただいております。本会議の定足数は過半数の7名でございますので、定足数を満たしております。
【小川主査】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまから、第16回核融合科学技術委員会を開催します。本委員会は、委員会運営規則に基づき非公開の部分を除き議事を公開いたします。御発言は議事録に掲載され、ホームページ等で公開されますので御承知おきください。
 本日、議題4の「「ITER計画(建設段階)等の推進のうち幅広いアプローチ(BA)活動(フェーズ2)」の事前評価について」の後半部分は、審議の円滑な実施に影響が生じるものと認められますので、委員会運営規則第4条第3号に従い非公開とさせていただきます。非公開の議事になりましたら、傍聴者の方々には御退席いただきますので御了承ください。
 それでは、次に、前回少し御紹介いたしましたが、11月1日付けで文部科学省の学術調査官に核融合研の徳澤先生が就任されましたので、一言御挨拶をお願いいたします。
【徳澤学術調査官】  御紹介いただきました核融合科学研究所の徳澤と申します。
 専門といたしましては、電磁波を用いたプラズマの計測を専門として研究をしておりましたが、このような機会を頂きましたので、もっと幅広い視野から、この核融合科学の研究に携わっていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【小川主査】  徳澤先生、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に、配付資料の確認をお願いいたします。
【吉澤専門官】  配付資料の一覧は、議事次第に記載しているとおりでございます。読み上げは省略をさせていただきますが、議事を進めていく中で、落丁等がありましたら、お知らせください。また、ドッチファイルの中に参考資料をとじてございますので、適宜御参照ください。
 本日は、参考資料の下に、今期の委員会でお取りまとめいただきましたロードマップの日本語版と英語版の冊子と、ITERの漫画2冊を配付させていただいております。
 また、議題4のメモ用として、机の上にコメントシートを置かせていただきます。
【小川主査】  ありがとうございます。
 この漫画は、実存の人の名前も出てきていますので、是非とも読んでいただければと思います。
 それから、ロードマップ等の英語版、これはありがとうございました。きれいにできまして、文科省のマークを正面に付けましたので、まさに国際的に配布できると思いますので、これを皆様、是非とも御活用いただければと思います。
 それでは、前回に引き続きまして、増子審議官に御出席いただいておりますので、議事に先立ちまして御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【増子審議官】  増子でございます。 本日は、大変お忙しい中、核融合科学技術委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 第9期の核融合科学技術委員会も、本日が最後となります。今期は、7回ほど委員会を開催させていただきました。中でも、原型炉の開発ロードマップの取りまとめなど、精力的に御議論いただきまして、先生方の御尽力に改めて感謝申し上げたいと思います。
 私の方から、最近の核融合の動きについて、簡単に御紹介させていただきますと、まずITER計画につきましては、建設も順調に進んでおりまして、進捗率が60%を超えております。このままいきますと、予定どおり、2025年のファーストプラズマが実現できると考えております。また、主要な機器も各国とも順調に製造が進んでおりまして、日本は、重要な機器でございます超伝導のトロイダルコイル、これも初号機が今年の末にはITERのサイトに搬入される予定で、着実に進んでいるものと考えております。
 また、欧州とのBA活動につきましても、3つの事業とも順調に進んでおりまして、来年の4月からいよいよフェーズ2に入るということで、事業計画も、運営委員会で、暫定的にではございますが、承認されているということでございます。本日は、そのBAのフェーズ2についての事前評価を引き続きお願いしたいと思っておりますので、忌憚のない御意見を賜ればと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
【小川主査】  増子審議官、ありがとうございます。ITER及びBA活動が順調に進んでおり、文科省としても、それを強くサポートしていただけるとのこと、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、議題に入りたいと思います。議題1「第23回ITER理事会の開催結果について」及び議題2「第23回BA運営委員会の開催結果について」について、出席された新井戦略官より併せて御説明をお願いいたします。
【新井戦略官】  資料の1と2を御覧いただければと思います。
 まず資料1ですが、去年の11月に、定例のITER理事会がフランスで行われ、日本からは、山脇文部科学審議官が首席代表で出席しました。定例の理事会における事業の進捗と管理ということで、進捗の報告がなされ、確認をしたところであります。

 2ページを御覧ください。ITER計画の進捗等についてですが、今、審議官から申し上げたとおり、60%近く建設が進捗し確認されました。厳しいスケジュール要求と挑戦的な技術要求の中で進めており、遅延リスクはあるというところをきちんと戦略的に緩和しながらやっていくということが確認されたところであります。
 ベースライン2016の最終合意に向けた状況は、暫定合意というところで、スケジュールについては合意済みでありますけれども、コストについては引き続きの状況でありまして、一部の国が引き続き調整中であるものの、合意に向けて前進ということが確認されました。アメリカにつきましては、3年間現金貢献がなかったのですけれども、今年の予算で現金貢献が認められ、一部支払が行われています。インドにおいても、国内の調整が着々と進んでいると聞いております。次回の日程は、今年の6月19、20ということになっております。
 現ビゴ機構長の任期が来意年3月までとなっており、理事会の後に理事会メンバー任期後の議論が行われ、ビゴ機構長の任期延長が理事会として決定しました。1月末にビゴ機構長より引き続き機構長を務めるという意思表明もされ、2025年3月まで任期が延長となっております。
 ITERサイトの建設状況ですが、3ページの左側の円で囲まれているトカマク建設場所ですが、遮蔽壁が全て上までせり上がってきており、トカマクの建設建屋の壁、外側の四角の部分も大分上がってきているというところであります。2025年の運転開始(初プラズマ)に向けて着実に建設作業が進んでいることが確認されました。
 日本の機器製作については、先ほど審議官が申し上げたようなTFコイルやイタリアの方で欧州と日本が連携して作業を進めている加熱関係の実験機器について、日本からの調達の送り込みは全て終わっていて、今、電圧の引火試験をしているというところであります。
 4ページも、引き続きこの写真で、適宜御覧いただければと思います。

 5ページは、来年度の予算案で、まさにこれから国会で審議されるところでありますが、145億円程度の予算がITERの予算案に計上されております。現金貢献と調達機器の物納というところですが、48億円程度というところで、満額、ITER機構との関係で必要な額を計上しております。調達機器についても、コイル等々の必要な取組をしていく経費が計上されているところであります。
 次のページ以降は、ITER理事会の後のプレス発表資料ですので、これは適宜御覧いただければと思います。
 次に、資料2、BA運営委員会の方でございます。
 これは去年の12月に、定例のBA運営委員会がフランスのグルノーブルで行われました。本来であれば増子審議官が日本の主席代表なんですが、国会との関係がございまして、私が代理で出席しております。進捗状況の報告が確認されるとともに、今後のBAフェーズ2、本日まさに御議論、評価を頂く計画について議論がされたというところであります。

 現状については、遠隔実験センターの整備が六ヶ所の方で進めており、去年の11月末に六ヶ所サイトとCEA(フランス原子力庁)のカダラッシュ研究所とをつなぐ実験が成功しております。あとは、原型炉に必要となる重要機器の設計活動ということで、欧州のトカマク装置のJETで使用されたタイルとダストの分析も順調に継続しているところであります。
 IFMIFについては材料照射実験に向けた原型加速器の整備が進んでおり、これについても順調に進展しているということで、去年の6月に、8系統高周波源を用いた高周波四重極加速器における陽子ビーム加速試験に世界で初めて成功したということが確認されております。
 スパコンの整備も進んでいるということと、JT-60SAの組立も順調に進んでいることが確認されております。ヨーロッパからの超伝導トロイダル磁場コイルも全て納入が終わり、据付が進んでいるというところで、2020年3月に組立完了、2020夏ごろに初プラズマを予定していることが確認されました。
 次にBAフェーズ2に向けた検討ですが、日欧政府において、これから検討作業を加速していくというところで、各事業の事業計画について報告を受けて、作業のための暫定承認をいたしました。次回は、この4月に六ヶ所村で開催される予定になっております。
 次にブロードアプローチの予算でありますけれども、73億円が来年度予算案として計上されています。特にJT-60SAの組立を完了させるところの最後の年度になりますので、それに伴う予算の計上等々を行っております。また青森・六ヶ所研究所の関係ですけれども、こちらの方では、中性子源の建設に向けた概念設計をしていく経費や、燃料の関係の経費で、リチウムを回収していく技術開発のための要素技術開発の経費なども、新しく予算案に計上しているところでございます。
 次のページ以降は、ITERと同じく、BA運営委員会が開催された後のプレス発表資料ですので、こちらも御参照いただければと思います。以上です。
【小川主査】  ありがとうございました。
 ビゴ機構長が再任され、まさにファーストプラズマに向けて更に加速されるものだと期待しておりますので、よろしくお願いします。 
 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題3「原型炉研究開発体制の強化のための大学等の連携強化について」に入ります。
 3月の第13回委員会において事務局から概要を説明していただきましたが、アクションプランの実現に向け、大学等には技術課題の解決や人材育成への貢献が期待されており、その方策となる、大学等による共同研究の実施について、関係者間による来年度の公募に向けた具体的な体制や公募テーマ案等の議論・調整が行われ、第16回原型炉開発総合戦略タスクフォースで了承されましたので、御報告をお願いいたします。
 それでは、新井戦略官からお願いします。
【新井戦略官】  資料3を御覧いただければと思います。タスクフォースで了承いただいた、今後の大学等を対象にした共同研究のとりまとめ体制についてということで、事務局から報告させていただきます。
 1ページはこれまでの議論でありますけれども、平成29年に取りまとめていただいた「原型炉研究開発の推進に向けて」において、原型炉の設計の検討の中で、きちんとオールジャパンで問題意識を共有して、一体となって取り組むための体制整備の必要性を御指摘いただいたところであります。学術基盤の構築、人材育成については核融合研究所と大学が主要な機能を果たす機関として期待されており、大学の自主・自律の下に、各皆様方の力を結集して進めていく必要性が御指摘されました。

去年の7月のロードマップにもその旨が記載されているところです。これらを踏まえて、具体的な制度設計について議論がなされました。
 3ページはスキームとなっています。原型炉に向けて必要な研究開発については以前より行っていたQSTの核融合部門を中心とした大学との連携による共同研究の仕組みに加え、新たに、NIFSを中心として、大学とNIFSの連携の下中長期的な視野に立った共同研究のラインが加わっております。真ん中に共同研究調整サブグループ、共同研究ワーキンググループというところがございますけれども、QSTを中心とした共同研究、NIFSを中心とした共同研究について、テーマ等の検討や実施内容や方法等についてご議論いただいてきたというところであります。
 次のページですが、共同研究ワーキンググループ、共同研究調整サブグループについては、リストのQST、NIFS、大学の先生に入っていただき、議論していただきました。
 このワーキンググループは、実際の研究が進み始めてからも、進捗状況の確認や助言をするなどのPD・PO的な機能も果たしていくところであります。
 共同研究調整サブグループにつきましては、左側の下の四角にありますが、六ヶ所研にあります原子炉設計合同特別チームの中に設置されているというところで、まさに原型炉設計の検討も目の当たりにしながら調整を進めていくというところであります。
 次のページへ行っていただきまして、今回新しく始まるNIFS共同研究の公募種目ですが、3つの種目で公募を行う予定で、1つ目の、課題指定型は、アクションプランに基づき中長期的な視点に立った概念で進めていくというもので、研究期間は3年間、金額で上限1,500万円の予算申請額となっています。次が、若手優先の種目で、特に応募年度4月1日時点で39歳以下の研究者が、一人で取り組むような研究を支援するものとなっており、これは期間3年以内、予算申請額は上限500万円以内となっています。最後は、課題提案型となっており、アクションプランの項目の中で、課題解決のために非常に斬新なアプローチや新興・融合分野との連携等も考えながらやっていくような課題について支援を行うというもので、研究期間は単年度のみ、申請額は上限100万円となっており、場合によっては、翌年度に課題指定型の枠で公募することを検討するということにしております。
 この制度に関して、来年度の予算案に3,000万円を計上しているところであります。実際公募して、どれくらいの課題が採択されるかというところにつきましては、大体5課題程度ということで考えており、予算枠に合わせ、採択後に公募時に提案された経費の査定もあり得るということで考えております。具体的には、公募要領をこれからNIFSの方で出していくということになっております。
 今回公募する課題を選定した理由については、QSTの共同研究、NIFSの共同研究について役割分担ということで整理しております。
 QSTの方は、原型炉設計合同特別チームを中心として取り組んできた課題について、短期に大学の知見も生かしながら進めていくという視点でやっていきますけれども、特に炉設計、理論・シミュレーション、核融合炉材料と規格・基準、こういった3項目を対象として来年度は公募するということになっております。
 NIFSの共同研究については、ブランケット、ダイバータ、燃料システム、こちらについては、近々に取り組まなければいけない取組とともに、中長期的に更にいろんな知見を深めていかなければいけない分野だというところで、特に、アクションプランの項目の中で、この分野を選んで公募するということになっております。ブランケットについては、液体ブランケットに関する問題を課題に設定しており、ダイバータに関しては、ダイバータプラズマの基礎物理過程に着目していくであるとか、シミュレーション研究については、より中長期的な観点での挑戦的な課題に取り組んでいくということで考えております。

 7ページ、8ページは、QSTからの公募課題、NIFSからの公募課題の具体を記載しております。アクションプランの項目に対応した公募課題をそれぞれ設定して公募していくことになります。
 スケジュールについては、9ページに整理しております。QSTの共同研究については、既に制度で進んでおりますので、応募の開始・締切等についても、NIFSの共同研究より少し先のタイミングで始まっていくというところでありますけれども、最後のところ、QST・NIFS合同研究成果報告会、研究成果報告書提出については、来年度の最後に、きちんと両者の研究成果が同じ場で報告されるような、そういったことで調整が進められております。
 いずれにしても、予算案をベースにした検討を先生方の間で進めていただきました。
 以上です。
【小川主査】  ありがとうございました。
 着実に進んでいるようですけれども、これはタスクフォースの方で先日御議論いただいて、了承いただいたということですので、もしよろしければ、タスクフォースの主査の岡野先生の方から、そのときの議論及び報告をお願いできればと思います。
【岡野委員】  そのときの議論は、割と多くいろいろコメントが付いて、直していただいたのが今日出ているということなんですが、その後、気が付いたことがあります。まず、体制表を見ていただくと、真ん中の共同研究調整サブグループで今回のようなテーマを選定していただいて、それが私もメンバーである共同研究ワーキンググループに上がっていって、それが適切な課題であるかどうかを議論していくことになります。タスクフォースに上がってきた時点で、当然ながら、このプロセスを経ているという前提で評価させていただくんですが、今回は1回目だったので、時間もなくやむを得なかったというところもあるんですが、下のサブグループの提案が、そのままタスクフォースに上がってしまいました。私には事前にメールで資料の確認が来ていましたが、ワーキンググループで議論が十分になされたとは言えません。
 これは1回目ですし、みんな一所懸命やっていただいたので仕方がないと思うんですが、来年はこういうことがないように、文科省にお願いなんですが、タスクフォースに資料が上がってきたときには、それがいつ共同研究ワーキングで議論されたかというのと、どんな議論かという議事録を一緒に付けてもらって、確かに議論をしたんだというプルーフを付けていただきたいと考えています。
 上がってきてしまうと承認しませんという選択肢はないので、承認したんですが、 やっぱりプロセスが変だと思いました。
【新井戦略官】  今年初めてというお話がありましたけれども、まさに来年度の概算要求で去年出して、その結果が明らかになったというのが去年の年末というところで、サブグループの方での課題の検討というのは、予算要求と並行するような形でされてきたかと思います。実際に予算の案が固まったというのから、1月のタスクフォースに向けての時間的な制約というのが、今年についてはあったのかなと思っています。
 その結果、メールベースでいろんな御議論があり、サブグループの上のワーキンググループとしての意思決定というところがきちんとした形でなされていなかったのではないかという御意見も出るところはあったのかなと思いますけれども。議事録を付けるとか、そういったプロセスについては文科省としても推進していきたいと思っております。

【小川主査】  ありがとうございます。
 ただ、この3ページの図を見ますと、共同研究ワーキンググループというのは、文科省の中の委員会ではないですよね。そうすると、4ページ目の6名の委員会での主査が誰なのか、それを決めて、招集とまとめを行い、上に提案するというプロセスなのかと思います。今回は難しかったとしても、共同研究ワーキンググループ自身は、QSTとNIFSの代表を含めて、このメンバーの中でどう運営するかを考えていただくのが正しい姿と思います。提案のタスクフォースへの上げ方も同様だと思います。岡野先生、それでよろしいでしょうか。

【岡野委員】  そのとおりだと思います。
【小川主査】  それでよろしいですね。ありがとうございます。
 ただし、申し訳ないですが、今年度は非常に時間もなかったので、御了解いただければと思います。ほかに何かあるでしょうか。
【竹入委員】  初めてということで、いろいろと手続上の不備もあったかもしれませんけれども、ちょうど昨年の議論の中で、NIFS、大学がどうこのアクションプランに取り組んでいくのかということを、この委員会で、中核機関として核融合研がということで指定もありましたので、核融合研としましては、この新しい共同研究体制として、原型炉研究開発共同研究委員会といったものを立ち上げて、大学の先生方と、そしてまた、QSTの方とも内容について調整して、半年以上かけて、かなり大学の先生方とも密に連絡を取りながら、システムを考えてきたわけです。
 特に、大学のボトムアップによる研究の遂行の仕方、それから、人材育成という観点、そうした中で、アクションプランという1つの表に指定された項目をどう大学として取り組んでいくのかということをかなり吟味した議論が行われた上で、こういうシステムができたということは、非常に大きな進展ではないかと私は思っています。 ですから、このシステムをしっかりと運用していって、更に発展できればと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
【小川主査】  ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。どうぞ。
【五十嵐委員】  大変すばらしい体制ができたと思うので、今後に期待したいと思います。ちょっと気になりましたのが、3年間ということで、また来年も新しい公募があるということですが、今後ずっと継続していくと期待できるのか、また、3年経ったときに、どのように評価するとか、そういうところは決まっているのでしょうか。その点をまず伺いたいと思います。
【新井戦略官】  まず評価のところでありますが、体制についての詳細はきちんと制度設計していかなければならないと思っていますけれども、基本的には、アクションプランに基づいて、どういった研究が進捗しているのかというところをタスクフォースで定期的に確認を頂いているところで、その中で、個別課題についての評価もきちんと見ていくということになると思っています。
 あとは、公募についてですが、今年新しく制度を作って、予算を計上したわけでありますけれども、毎年新しい課題でまた公募ができるかは、まさに予算規模に応じてくるところですので、そこは来年の概算要求の中でまた検討していきたいとは思っております。
【五十嵐委員】  分かりました。
【小川主査】  ありがとうございます。
【五十嵐委員】  あと、続けてよろしいでしょうか。大学・研究所等からのボトムアップ的な研究ということですが、核融合研究、特に材料分野などは、産業界との連携も多くあると思うんですが、これらの中に、そういった産業界からの御協力を得るという可能性はあるのでしょうか。全く学術的・基礎研究ということになるのでしょうか。
【新井戦略官】  この課題につきましては、まさに学術のコミュニティで中長期的課題を学術的な観点で解決していくというところを目指した制度になっているので、基本的には、NIFSと大学の先生方の共同研究というのが基本だと思っています。
【竹入委員】  補足しまして、必ずしも産業界との共同研究を、NIFSにしても大学にしても除外しているわけではありませんので、当然、課題について双方求めるものがあれば、産業界とも共同研究を進めるということになると思います。
 ただ、非常に限られたテーマという、直近のテーマという形では、今、QSTが行っている原型炉の六ヶ所で行っている共同研究には、直接的に産業界の方も絡んできて行われていますので、そこら辺の切り分けが少し出てくるとは思います。
【五十嵐委員】  分かりました。ご説明、ありがとうございます。これからこうした研究を進めるという時に、どれも必要だとは思いますが、その研究が核融合の今後の発展のためのどこに位置付けられるのかということを、コミュニティの内部だけでなくて、外にも分かるように説明していただきたいということを常に申し上げてきたかもしれませんが、その点を改めてお願いしたいと思います。それに関連しまして、これはアクションプランに基づいた基礎的、基盤的な研究だということは理解しているんですけれども、この体制とは別になるのかもしれませんが、アクションプランの中で私が気になっているのは、喫緊の課題として、広報というか、社会連携が必要と言われながら、まだあまり準備ができていないのではないかという点です。また、人材の育成が大事であり、そういった広い視野を持った人を育てないといけないということもずっと議論させていただいてきました。やはり私は大学の中でそういう人材育成はされていくものだと思うんですが、そういったことはどういうところに入っていくのかなという。ちょっと気になりましたので、コメントさせていただきます。

【新井戦略官】  個別の課題でどういった研究がなされていくのかというのは、当然、公募して採択された後の、こういう課題が走りますとか、2年、3年経った後の成果と、そういうものの発信はきちんとしていきたいと思っています。
 あとは、社会連携という意味で言いますと、この制度とはまた別なんですけれども、去年のロードマップ、あるいは、その前の原型炉研究開発に向けてという、まとめていた報告書で、アウトリーチヘッドクォーターの設置が望まれるということで御提言いただきましたけれども、こちらについて、準備を今着々と進めておって、近々に立ち上げることを考えております。

その中で具体的なアクションを考えて、専門家だけではなくて、一般の方、若い方、研究者、いろんなアウトリーチすべき層があると思いますので、それに合ったアウトリーチをどういった形でできるかというのを検討して、具体的なアクションにつなげていきたいと思っています。

【五十嵐委員】  ありがとうございます。
【小川主査】  五十嵐委員の心配されることは、私も十分よく分かりまして。
 私なりに簡単にまとめさせていただきますと、1つは、最初の産業界に関しましては、QSTも、これ以外にも直接産業界にいろいろ発注したりしているので、もちろん、これを通してもありますし、インプリシットには入っているという形だと思います。
 それから、チェックアンドレビューに関しましては、皆さんおっしゃったとおりですが、私のもう一つの認識は、タスクフォースの方でフォローアップをお願いしていますので、それがある意味では毎年のチェックアンドレビューの一環として入っていますので、タスクフォースのまとめたアクションプランに沿っているか、成果が上がっているかどうかというチェックアンドレビューはタスクフォースとの関係でうまく進むのかなと思っております。
 それから、外に分かるようにというものに関しましては、今、戦略官おっしゃいましたように、ヘッドクォーターの設置や具体的な活動に向けて、いろいろと水面下で動いておりまして、もうちょっとしたら水面に出てくるところだと思っております。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。
【小川主査】  最後に、先ほど竹入所長が指摘されましたように、3ページの図というのは、ちょっとビジーな図なんですけれども、大ざっぱに言いますならば、QSTとNIFSに非常に努力していただきまして、このような形で体制ができたことは、私としては非常に喜んでおります。
 もう一つの重要な点は、一番上にタスクフォースが乗っていまして、ここと常に連携を取っているというのが、非常に重要な点だと個人的に思っております。それで、QST、NIFSの御協力により、大学等を含めまして、この辺の実施機関が非常に有機的につながっているという構図であるというので、この体制ができたことは、非常に喜んでおります。是非とも、これで文科省のタスクフォースも含めまして、原型炉に向けて着実に評価をしながら進めていっていただければと思っております。

 もう一言言いますならば、このような考え方および体制で、私は個人的には、例えば、アウトリーチとか、人材育成についてもQST、NIFS、大学および文科省が一体になって、まさにこういう枠組的なイメージで進められればいいかなと思っておりますので、また今後そういうのが出てきたときには御審議いただければと思っている次第です。
【五十嵐委員】  よろしくお願いします。ありがとうございます。
【岡野委員】  おっしゃったとおりで、この体制はすごくいいと思います。これが来年はきちんと動くように、是非期待しています。
 【小川主査】 よろしいでしょうか。それでは、この議題は終わらせていただきます。
 続きまして、議題4「ITER計画(建設段階)等の推進のうち幅広いアプローチ(BA)活動(フェーズ2)」の事前評価について、に入ります。
 前回、BA活動について量子科学技術研究開発機構(QST)から、これまでの実績とフェーズ2の検討状況について御説明いただきましたが、今回は参加主体である文部科学省より、その後の検討を踏まえた計画について御説明いただきます。後半部分より非公開とさせていただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。
 はじめに、前回の委員会で決定しました評価の実施方法について、事務局より説明をお願いいたします。
【阿南補佐】  事務局から説明させていただきたいと思います。
 参考資料1でございます。前回の昨年10月に決定していただいた評価の計画ということで、案を取ったバージョンをお配りさせていただいております。
 対象としては、BA活動のフェーズ2であり、日程については、10月31日に現状をQSTの方から御説明いただきましたが、今回、文科省から説明する次第です。また、もう一回程度、評価のための会議開催が予定されています。
 また、評価の観点については、3ページ目の別紙に、評価の観点、項目、基準等がまとまっております。大きく分けて、必要性、有効性、効率性と3つの観点があります。必要性は、国がなぜこういう研究開発をやるのかというものです。有効性は、実際研究をやることで、どんなことが望まれるかということです。効率性については、目標に向かって適切な体制を整えてできているかということでございます。最後に総合的な評価をしていただくという要領で評価書をまとめていただきたいと思います。
 実際これから話を聞いていただくにあたって、机の方に、様式ということでコメントシートを置いております。話を聞いていただいたりしながら、もし気付いたこと等がありましたら、書いていただけたらと思います。会議終了後、そのまま置いていただいても結構ですし、後でメールにて気付いたこと等ありましたら、2週間程度の間にコメントを頂けたらと思っております。
 また、参考資料として、前回10月に牛草部門長から御説明いただいた資料や、評価の資料、前回、ITER計画とBA活動を一緒に評価いただいた、前回の中間評価の結果等々を付けておりますので、適宜御参照いただけたらと思います。
 以上でございます。
【小川主査】  ありがとうございました。
 ちょっと確認させていただきたいのですが、今配られたコメントを書くという項目は、サテライト・トカマク、IFMIF/EVEDAという形で、項目、プロジェクトごとになっていますけれども、もう一つの参考資料1の方で書くのは、別紙のところにあります必要性、有効性、効率性、これに関して書くと。
【阿南補佐】  はい。
【小川主査】  そうすると、例えば、サテライト・トカマク対して、必要性はこう、有効性はこう、効率性はこうという形で書くということなんですか。
【阿南補佐】  一応、最終的な報告書の形にするときには、必要性や有効性という柱立ての下で各事業に関する文章を事務局でまとめようと思っています。本日は、とりあえず、そうした構成にこだわっていただかなくても結構かなと思っており、気が付いたことをそれぞれの観点で書いていただいて、それを事務局に出していただければ、後ほど小川主査の指示を頂きながら下書きしていこうかなと思っております。
【小川主査】  分かりました。ということは、この各シートのところのコメント欄には、必要性とか有効性とか効率性というのは頭の隅に置いておいて、何でもいいから書いていただいて。
【新井戦略官】  評価自体は、まさにこの核融合委員会で決定いただくというところでありますけれども。観点として必要性、有効性、効率性、これは評価の指針に基づいて、こういう視点で評価をしていくということで、この前基準としてお決めいただいたというところで、確認いただいたというところでありますけれども。実際に評価のコメントを書いていただくときに、ここまで整理して書いていただくということが100%できればいいんですけれども、なかなか難しい場合もあるかもしれないので、いろいろなコメントを評価に入れていくというところから、余りフォーマットをぎちぎちしない形で書いていただく方がよりいいのではないかということで、こういったフォーマットで示させていただいているというところです。
【小川主査】  ありがとうございました。これはどういう形でもいいので、自由形式で自由な内容、コメントを寄せていただければいいということです。
 それでは、引き続きまして、文部科学省より、BAフェーズ2計画についての御説明をお願いいたします。
【新井戦略官】  今、阿南の方からも少し申し上げましたけれども、参考資料2で、前回の委員会で牛草部門長の方から発表された資料が付けてあります。資料というのは、当然長期的な事業ですので、事業をやっていただいている当事者の中で検討をずっと進めているところであり、去年の秋の時点での事業レベルでの御報告が、まさに参考資料2にしたためられております。
 今日は資料4ということで、私から、政策的意義、背景なども含めて、今の状況を御説明させていただいて、評価に移っていただくことを考えております。
 まず、我が国の核融合研究開発におけるBA活動の位置付けというところであります。これはもう何回も御覧いただいているポンチ絵かとは思いますけれども、我々、今、核融合の第三段階にあると。科学的・技術的実現性を見ていく段階であるというところで、この中での目標は、燃焼プラズマ達成とか、長時間燃焼の実現、あるいは、原型炉に必要な炉工学技術の基盤の形成というところでありますけれども、原型炉の移行判断をする前の段階で、こういった科学的・技術的実現性をきちんと見ていくというステージにあります。その中で、特にITER計画があり、それを支援する、また、原型炉に向けた国内の基盤形成や人材育成というところを担当する事業としての幅広いアプローチ(BA活動)があるというところであります。
 次のページ、政策文書におけるBAフェーズ2の位置付けですが、平成29年12月の「核融合原型炉研究開発の推進にむけて」において、ITER計画・BA活動は、原型炉に向けた大きな柱の事業であるというところをまとめていただいております。また去年の7月のロードマップにおいても、まさに長期的な事業ということで、今後のビジョンとか、どういったものを優先して、どういうマイルストーンで、国際協力でやるのか、国内でやるのか、そういったことを取りまとめていただきました。BA活動は2007年から始まっていて、これまでの成果を基に、研究環境の整備が完了した後に、更に幅広い研究成果を創出する段階となっているということで、原型炉に向けた設計・開発活動として大きな役割を果たす、この下線が引いてあるような部分について記載を頂いたというところであります。
 次のページが、ロードマップにおけるBAフェーズ2の位置付けでありますが、2035年の第4段階、原型炉への移行判断に向けて、2020年頃、あるいは、2025年頃から数年以内に中間チェックアンドレビューを行うため、原型炉に向けて活動するべきことがあり、2020~2025年のフェーズ2活動が重要な役割を果たすものと考えております。

 特に2020~2025年はJT-60SAについては、統合研究段階に向けた初期研究段階であり、核融合中性子源関係について言えば、技術実証・工学設計をしていくようなステージ、これに資するようなIFMIF/EVEDAの活動をしていくということとなっております。原型炉研究開発については、概念設計・要素技術開発をして、その後の工学設計・実規模技術開発につなげていく、それに関連する概念設計・要素技術開発に当たる活動をBAの活動の中でやっていくというところで、ブランケットについても、その中でやっていくということと考えております。
 次のページ、BA活動については、3事業があり、2007年から始まっているフェーズ1では、2020年3月までに必要な研究設備の整備を終えるという位置付けになっています。2020年4月以降、それを踏まえて研究を進めていくステージをフェーズ2と銘打って、現在検討を進めているというところであります。
 サテライト・トカマクについては、ITERへの支援研究ということで、ITERでのファーストプラズマ、あるいは、加熱に先立った、役立つ研究や、原型炉のための挑戦的な研究というところで、ITERでできないような高出力運転の信頼性の実証をしていくのが一つの塊であります。
 真ん中がIFMIF/EVEDA事業ですけれども、核融合材料照射施設の工学実証・工学設計ということで、要素技術をやっていくというところで、中性子照射施設に必要な原型加速器、LIPAc、トリチウムターゲットの工学実証をしていくというところと、IFMIFの工学設計をしていくというようなことを事業の柱としてやっていくということです。

 右側が国際核融合エネルギー研究センターで、原型炉の設計の検討や、必要な研究開発が一つの柱、もう一つが、冒頭も御報告したような遠隔実験、ITERとつなぐ遠隔実験の整備をしていくという柱になっています。また、計算機シミュレーションについて、核融合研究で非常に大量のデータの処理が必要になりますので、シミュレーションの基盤であるとかソフト開発をしていく、そういった事業の柱になっております。
 次のページが、2010年までのフェーズ1と、その後の目標やどういった形で変わっていくかを整理したものであります。全般としては、BAフェーズ1は、BA活動で研究環境の整備をしていくことが主な成果であり、BAフェーズ2は、それを生かして成果を上げていくというところであります。
 JT-60SAについて言えば、フェーズ2では、ファーストプラズマ時のコミッショニングやプラズマ制御性向上への貢献、原型炉移行判断に必要な実証について審査していくと。

 IFMIFについて言えば、原型加速器の信頼性実証のため、連続運転ができるように高度化を行うとか、ターゲット系のリチウムループにおける不純物除去システムの開発とともに、将来の中性子源に向けた必要な概念設計等々を行っていくというところであります。
 IFERCについては、これまでもいろいろ成果が出てきておりますけれども、さらに、予備的な原型炉設計活動を進めていくことや、シミュレーションコード、原型炉設計のために必要なものを進めていく、そういったフェーズに移っていくということで考えております。
 次のページ以降は、3事業の現状です。本日BAの推進委員会の報告もしましたので、サテライト・トカマクについては、組立が進んでおり、写真も付けてお示ししております。
 次のページ、IFMIF/EVEDAについても、先ほど8系統高周波源を用いた高周波四重極線形加速器によるビーム加速試験に世界で初めて成功ということを御報告しましたけれども、そのときのデータなども、写真で示しております。この0.3ミリ秒と書いたところが、ちょうどビームが加速されてピークが出ているというところで、2.5メガ電子ボルト、陽子ビーム電流25ミリアンペア、透過率93%など、成功をしています。
 次のページは、IFERC、核融合研究開発センターの事業でありますけれども、原型炉設計活動については、2020年3月までに設計報告書をまとめるということになっており、それを踏まえた更なる検討をフェーズ2で行うことになっています。
 遠隔実験についても、先ほどフランスの原子力庁の研究所とつないだという御報告をしましたけれども、ITERとつなぐことも、フェーズ2で行います。
 計算機シミュレーションについては、スパコンの導入が昨年されており、そういったものを更に運用していくということであります。
 次のページは、BAフェーズ2のスケジュールですが、(検討中)となっています。これまで各事業レベルでBAフェーズ2の検討を進めていて、その報告が去年の12月の直近のBA推進委員会に上がってきており、実際に予算とか、政府としての計画決定に向けた検討というのは、まさにこれから欧州と日本との間で政府間議論を行います。国内では、文科省の省内や財政当局等の関係省庁間でこれから議論を行うところで、まさに全体的に調整中であります。
 事業レベルでの議論を踏まえ、予算規模等をはじめとする見直しも含め、全体的な調整をしているところであります。
 3事業について、このような計画で進めていきたいというイメージについて、9ページにまとめておりますが、サテライト・トカマク(JT-60SA)事業については、2020年に装置が完成して初プラズマということで、これでITERの初プラズマ、2025年目標のコミッショニングに貢献するような運転の実績を残していきたいと思っております。 

次のステップが、2024年頃、もう最後の方ですけれども、加熱をきちんと進め、ITERのプラズマ制御性向上に貢献するため、それに必要な高度化・維持というのを行う事を考えております。
 IFMIF/EVEDAについては、加速器の方は、9メガ電子ボルト、125ミリアンペアの加速の実証試験を2020、2021年で行い、連続運転の信頼性確認に向けたメンテナンス、あるいは試験を2022~24に行う計画をしております。加速器に併せて、ターゲット系、リチウムループ、中性子源の設計についても、段階的に進めていくことを考えております。 IFERCについては、原型炉設計活動等の実施を着実に進め、原型炉概念設計の完了、原型炉に関わる材料開発の検証完了に貢献していくことを、2024年度のフェーズ2の最後の目標にしております。ちょうど第2回の中間チェックアンドレビューが2025年から数年以内というところにありますので、それも念頭に置きながら、欧州との連携の作業を進めていければと考えております。

 以上です。
【小川主査】  ありがとうございました。
 それでは、実施機関の量子科学技術研究開発機構(QST)からも何かあれば、追加の説明を牛草委員からお願いいたします。
【牛草委員】  前回、BAのフェーズ1の成果とフェーズ2の概要について御紹介させていただきました。今回の文科省の御説明で前回と違う点について、まず簡単に紹介させていただきたいと思います。 5年間で、例えば、JT-60SAについては、運転が3回入っておりましたが、今回、いろいろ予算の状況とか、そういった観点から、運転が2回になっているというのが大きな違いであります。
 フェーズ2については、その後、いろいろ進展といいますか、動きがありまして、特に科学技術委員会でお示しいただいたアクションプラン、あるいはロードマップにおいて2020~2025年の間というのは、非常に重要な原型炉の概念設計段階という位置付けになっております。したがって、この時期に行うBAフェーズ2というのは、それに非常にリンクしておく必要があるということで、前回紹介させていただきました。
 SAにつきましては、例えば、ITER機構長、ビゴさんの方から、ITERの運転に先立って、ITER機構の職員を2020年からの期間に派遣して訓練させたいというような申し出もあります。実際に、ITER機構とどう協定のようなものを結ぶかというような議論もしつつあるところであります。
 また、欧州の大学あるいは研究機関の方から、若手、特に学生をSAに長期滞在で送りたいというような要望もあります。日本のコミュニティの先生方からも、同様の御提案を頂いているところであります。
 ITERに関連しましては、特にELMの問題、それから、disruption mitigationについて、ITERの運転が始まる前に、是が非ともSAである程度研究開発をして、ITERの運転をスムーズに進めたいという議論が、世界中の研究者からも上がっておるところであります。
 また、最近、米国をもう少し積極的にJT-60SAに入っていただいてはどうかというような議論が起こっておりまして、DOEの方も非常に関心を示しているところであります。多分、研究所レベルの協力ということになると思いますけれども。そういった意味では、2020~25年のSAの運転というのは、非常に重要な意味合いを帯びてきていると思っております。
 一方で、LIPAc、IFMIF/EVEDAの方ですが、フェーズ1で何とか一式全部完成させて、フェーズ2で、いよいよロングパルスの安定な重水素ビーム、125ミリアンペアというとんでもないビームを発生させるチャレンジをするフェーズであります。これは、日本のA-FNS、それから、欧州のDONESにとっても非常に重要な意味を持ちますので、そういった意味では、IFMIF/EVEDAも非常に重要な局面に入っていっていると、前回、御紹介をさせていただきました。
 一方、IFERC活動ですけれども、特にR&Dで材料の中性子照射データ、特に機能材料の照射データを原子炉を使ってデータベースの構築をしたいというようなR&Dを御紹介させていただきました。
 また、ITER遠隔実験センターにおきましては、もちろん遠隔実験のデモンストレーションも行いますが、もっと大事なのは、実際にITERから大量のデータが来て、それを国内の先生方にどう使っていただくかの整備に力を入れてかないといけないと思っております。
 計算機につきましても、欧州と共同で調達ということも視野に入れて、継続してBAでやっていきたいという御紹介をさせていただきました。
 というわけで、色々な意味でこのフェーズ2というのが、ITERにとって、人材育成にとって、原型炉のアクションプランを遂行するにあたって、非常に重要な位置付けになると前回御紹介させていただきました。
 以上です。
【小川主査】  ありがとうございました。
(以下、議事非公開)

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研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付

(研究開発局研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付)