宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第69回) 議事録

1.日時

令和7年6月13日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室またはオンライン

3.議題

  1. 主査の選任及び主査代理の指名について(非公開) / 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の今後の進め方について
  2. 国際宇宙探査及びISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向
  3. 国際宇宙ステーション・地球低軌道活動充実強化ワークショップ結果報告
  4. 我が国の地球低軌道活動の充実・強化に向けた取組について
  5. 月面探査における科学・実証等の検討状況
  6. 「日本の国際宇宙探査シナリオ(案)」改訂の実施状況

4.出席者

委員

 臨時委員  中須賀 真一【主査】
 専門委員  石井 由梨佳
 専門委員  榎本 麗美
 専門委員  金子 新
 専門委員  佐藤 智典
 専門委員  関 華奈子
 専門委員  永井 雄一郎
 臨時委員  永山 悦子
 専門委員  御手洗 容子
 専門委員  若田 光一

文部科学省

 研究開発局審議官  古田 裕志
 研究開発戦略官  原田 大地
 研究開発戦略官付 課長補佐  川端 正憲

(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
 理事  松浦 真弓
 理事補佐  川崎 一義
 国際宇宙探査センター センター長  山中 浩二
 有人与圧ローバーエンジニアリングセンター センター長  筒井 史哉
 有人宇宙技術部門事業推進部 部長  小川 志保
 調査国際部 部長  小野田 勝美
 国際宇宙探査センター事業推進室 室長  伊達木 香子
 国際宇宙探査センター宇宙探査システム技術ユニット ユニット長  田邊 宏太
 有人宇宙技術部門事業推進部 参与  松本 邦裕
 有人宇宙技術部門事業推進部 計画マネージャ  落合 美佳
 調査国際部国際課 課長  菊地 耕一
 有人宇宙技術部門宇宙環境利用推進センター センター長  白川 正輝
 有人宇宙技術部門有人宇宙技術センター センター長  永井 直樹

(一般社団法人クロスユー)
 事務局長  米津 雅史
 事務2課長  平岡 愛子

5.議事録

【川端補佐】        これより第13期初回の第69回国際宇宙ステーション国際宇宙探査小委員会を開催いたします。オンラインの傍聴の方にはお待たせいたしました。
 改めまして、本日は、お集まりいただきましてありがとうございます。事務局の文部科学省研究開発戦略官宇宙利用国際宇宙探査付の川端でございます。第13回は初回の開催となりますところ、研究開発局審議官の古田より一言ごあいさつさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
【古田審議官】    おはようございます。研究開発局担当の審議官の古田と申します。4月よりこちらのポストを務めさせていただいております。
 本日は、第13期として初となる国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会にご出席をいただきまして誠にありがとうございます。局長の堀内が今日、出張で不在でございまして、私のほうから代理として開催に当たりまして一言ごあいさつを申し上げたいと思っております。
 文部科学省は、これまでISS計画や国際宇宙探査におけるわが国の対応方針について、本小委員会においてさまざまな検討を行ってまいりました。特にISSについては、2030年頃に退役し、民間宇宙ステーションに移行するポストISSの時代に入ることを見据え、昨年夏以降は国の地球低軌道活動の充実強化に向けた取り組みについて議論を行ってまいりました。
 また、国際宇宙探査については、近年、アルテミス計画をはじめ、中国やインドなど各国の月面探査活動が活発化しております。わが国では、昨年のSLIMによる月面へのピンポイント着陸成功や日米間で署名の与圧ローバーによる月面探査の実施取り組みに基づき、月面与圧ローバーの開発と日本人宇宙飛行士の2回の月面着陸機会の確保など進展が見られております。
 昨年7月には、本小委員会の議論を得て、月面探査における当面の取り組みと進め方についての報告書の取りまとめも行われたところでございます。
 また、アメリカにおいては、NASAの予算などにおいてさまざまな動きが見られております。5月30日に日本政府としては宇宙開発戦略本部を開催したところでございますが、その際にも、石破総理から日米宇宙協力に資するアルテミス計画について有人与圧ローバーの開発を進めるというご発言もございました。文部科学省としては、アルテミス計画を含む日米宇宙協力を着実に進めてまいりたいと思っております。
 こういった最近の取り組み状況などを踏まえ、第13期においても地球低軌道活動や国際宇宙探査に関する政策的議論をお願いしたいと考えております。委員の皆さまからは、忌憚のないご意見をいただけますと幸いでございます。
 簡単ではございますが、私からのごあいさつとさせていただきます。何とぞよろしくお願いいたします。
 
【川端補佐】        古田審議官どうもありがとうございました。
 さて、本小委員会は、資料69-1-2委員リストにありますとおり13名の委員で構成されております。本日は、13名の委員のうちオンラインを含め10名にご出席いただいております。また、主査は中須賀委員、主査代理は高橋委員に務めていただきます。
 それでは、これより中須賀主査に進行をお願いしたいと思います。中須賀主査、よろしくお願いいたします。
 
【中須賀主査】    はい、主査を務めます中須賀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず第13期の初回でございますけれども、それに当たりまして議題1として、国際宇宙ステーション国際宇宙探査小委員会の今後の進め方について事務局より説明よろしくお願いします。
 
【原田戦略官】    よろしくお願いします。事務局の原田です。第13期もよろしくお願いいたします。
 
<原田戦略官より資料69-1-1/69-1-2/69-1-3に基づき説明>
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。何かもしクイックに質問等ございましたらご発言いただければと思いますけど、よろしいですかね。また後で議論する時間あると思いますので、それでは、この件はこれで終わりにして議題2に入りたいと思います。
 国際宇宙探査およびISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向について事務局より説明よろしくお願いします。
 
<原田戦略官より資料69-2-1に基づき説明>
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。それでは、皆さんのほうから何かご質問、ご意見ございましたらよろしくお願いいたします。じゃあ、榎本委員、お願いします。
 
【榎本委員】        ご説明ありがとうございます。資料の4ページ目に書いてありますNASAの予算教書についてです。
 このニュース、出てから、日本の投資家の方や経営者の方からは、宇宙のマーケットが縮小するんじゃないかと不安視する声をよく聞くんですけれども、実際によく見てみるとポジティブな要素もあって、例えばなんですが、有人の月・火星探査は、日本円で900億円規模で増額しているですとか、低軌道に関しては商業化を後押しすることなど、こういったポジティブな面があると思いますので、まだ決まってないにしても、JAXAや日本政府として今後このようなポジティブな面を打ち出していく、伝えていくということも一案かなと思いました。ありがとうございます。
 
【原田戦略官】    ありがとうございます。そうですね、ご指摘のとおりポジティブな面もあるという形で受け止めたいと思います。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。他はいかがでしょうか。関委員、お願いします。
 
【関委員】             ご説明ありがとうございました。私からは、ヨーロッパの動きについてご質問させていただきたいのですけれど、科学コミュニティーでは今回の米国の予算教書はかなり衝撃を持って受け止められています。低軌道という観点では、かなりゲートウェイへのコミットメントが大きいヨーロッパ各国がどのような対応を考えているのか、何か政府としては非公式にでも情報交換はされているのでしょうか。差し支えのない範囲で教えてください。
 
【原田戦略官】    ありがとうございます。こういった場ですので、あまり詳細は申し上げられないところもありますが、当然、欧州宇宙機関ESAや、カナダの宇宙機関CSAと、今日この会議に参加いただいているJAXAの関係者は、平素からNASAも含めてさまざまなコミュニケーションがございますので、そういった形で意見交換などさせていただいているところです。
 先生ご承知のとおり、昨日ぐらいにESAで代表者理事会をされたと聞いており、本件のことに関しても意見交換がされているだろうと認識しております。
 ヨーロッパでは、公式的な話では、いろんなオプションを備えると考えていくとなっているようですし、また、アッシュバッカーESA長官も本件のNASA予算はまだファイナライズされていないとい認識を示されたと聞いております。
 
【関委員】             常日頃からされてることだとは思いますけれど、結構、日本の政策は米国を向いてることが多いように存じますので、こういう局面ではぜひヨーロッパも含めて多極で対応するのが大事だと思いました。ありがとうございます。
 
【原田戦略官】    承知しました。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。じゃ、若田委員、どうぞ。
 
【若田委員】        1つコメントと1つご質問させていただきたいと思います。
 まず、ヨーロッパのところなんですけど、9ページのところには、ヨーロッパの想定する利用要求の中にクルータイムというところがありますけれども、国内でも利用要求に関しては、軌道上の実験に必要なクルータイムですとか電力要求と、そういったものがあると思いますけども、米国もヨーロッパもこのようにクルーが何人飛ぶかっていうような数値を目標として掲げてるっていうことは、シームレスな地球低軌道の滞在能力を維持するっていうことの目標の実現に向けても、それから、当然、クルーがどれだけ行くかっていうことで運用体制ですとか、医学の運用とか、そういったものも含めた全体的なエコシステムの持続的な成立につながるのかなと思いますので、こういったヨーロッパの動きを見てもクルーの飛行機会みたいなものを定義するほうがいいのかなっていうのが1つのコメントです。
 もう一つは、4ページのNASAの予算の削減のところですけれども、こういった形でISSに関連した予算が削減されていくようなことになっていった場合に、当然これ10月以降、本予算が決まるまでは分かりませんけれども、ISS全体が縮小するっていうことである場合には、例えば共通運用経費みたいな形でヨーロッパ、カナダ、日本、そういったものも含めた運用全体はNASAの予算と連動して減ったり増えたりするというそういう理解で正しいんでしょうか。それとも、これは現状が維持されることになるんでしょうか。
 以上です。
 
【原田戦略官】    前者のコメントは、ありがとうございます。そこは、JAXAともまた検討させていただければと思います。
 後者のCSOC、いわゆる共通運用経費のボリューム感だとは思いますけれども、連動するかどうかはJAXAからご説明いただければと思いますが、他方で、原則論として申しますと、宇宙ステーションは2030年まで運用しますので、それで何かアメリカの予算が減ったからといって、基本的な滞在人数が変われば生命維持に関するような物資などは多少変わるとは思われますが、2030年までの基本的なハードウェア運用に必要なコストというのは、それほど大きなインパクトはないのではないか、その意味では、日本のCSOCの支払いっていうのはしっかりやり続ける必要があると考えているところでございます。JAXAのほうからも補足いただければと思います。
 
【JAXA松浦理事】              松浦ですけれども、今言っていただいたことがほとんどなのですが、連動するかという意味では連動すると思っています。ただ、どう削減するかといった話はまだこれからですので、具体的にどうかというのは今日時点ではまだお答えはないです。ただ、アメリカがやろうとしている輸送機の数が減る分、相対的にHTV-Xの価値が上がるというところもありますので、そこの点は留意して今後調整していくと思っています。
 
【若田委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。他いかがでしょうか。はい、お願いします。
 
【金子委員】        中国の宇宙ステーションのところについてちょっと質問させてください。10ページ目の一番最後のところの宇宙実験、中国宇宙ステーションにおいて行われる科学実験が9件ほど選定されたっていうふうに記載されておりますけども、これは選定された実験の種類といいますか特徴といいますか、中国ならではの戦略みたいなものが入っているようなものでしょうか。
 
【原田戦略官】    研究の内容でございますけれども、天文学とか流体力学、また、燃料科学、地球科学、応用物理とか、あと、もちろん生命科学といったような内容というふうになっており、いずれにしても、恐らく正式なものは公表されていると承知しています。すいません、JAXAのほうから補足がもしあれば補足いただければと思いますが、恐らく、国際公募がされていたと思いますので、その具体的な結果も恐らく、今申し上げた物理とか生命科学といったところで具体的にどういったものがあるかが公開されているかと思います。一応、中国は中国政府としての透明性を持ってなされているように承知しているところです。
 
【金子委員】        ありがとうございます。
 
【JAXA松浦理事】              すいません、今、原田戦略官がおっしゃったこと以上にはないんですが、幅広く国連と一緒に、国連宇宙部と協力した募集になっておりまして、全世界に出したということでございます。分野は本当に多岐にわたっておりまして、日本の一部も研究に入っているところもありますけれども、広くやられてると。ただ、実験装置なんかの開発にもいろいろと苦労してるところもあるので、2023年から少しずつ進められているのではないかと。ただ、成果とかがなかなか見えてきてないので、われわれも詳しい情報は把握できておりません。
 
【中須賀主査】    他いかがでしょうか。はい、お願いします。
 
【永井委員】        ご説明いただきありがとうございます。私もすごく気になっているのは、NASAの予算の縮小ということで、ゲートウェイの中断ですとか非常に大きな変更が提案として出てるのかなといったところを受け止めております。これを注視していくというのは、もちろんのこと、必要なところだろうなというふうに感じているところですが、ちょっとどうなるのか分からないということではあるんですが、これがそのとおりになると、やはり日米間ではやっぱりゲートウェイに関する実施取り決めですとか、既に日米間の合意があるところで、もしこのゲートウェイ中断というのがそのまま提案が進むとなると、日本としてはどのような影響を受ける可能性があるのか、それに対してどう対応していくのか。もちろん、まだ検討、始まったところでしょうけれども、影響について考えられること、想定されることなどありましたら教えていただければと思います。
 
【原田戦略官】    ありがとうございます。公式的なわれわれの言い方としては、冒頭審議官が申し上げたとおりで、アルテミス計画はわれわれの現行のベースラインに沿ってやるということになります。その背景としては、ゲートウェイは、MOU、IA(実施取決め)がございますが、この国際的な取決めに基づいて、米国側からその取組におけるキャンセレーション、つまり何らかの中断とか終了をする場合には国際的な手続きが発生しますが、そういった手続き、交渉っていうものは現時点で発生しておらず、従って、われわれも公式にそういったアクションは取りようがないことになります。そもそも米国からそういうわけでやめたいという意思表示が示されているわけではありません。これはあくまで米国の国内事情であって、現在、国際的にはオフィシャルなものではなく、従って、われわれとしては、ベースラインに沿って、引き続き関連事業をやっていくこととなります。これは、多分、ゲートウェイに限らず、関連するその他の事業も同様と認識しています。
 これは、公式的な言い方をすれば、先ほど関委員からもご指摘いただいたとおり、われわれは平素からNASA、ESA、あるいは、CSAなどといろんなコミュニケーションをしておりますので、さまざまなオプションというものは、それは実務的には考えなければならず、また、単に様子を見ているだけでは当然、何か急激な動きがある時に対応できないので、さまざまなオプションというものを、少なくともJAXAとかNASAとかESAとかの現場において、いろいろ考えていただいているところでございます。
 さらに付け加えるならば、もちろんゲートウェイに関しては、日本はECLSSといったような生命維持装置とかの開発もしておりますし、そういったものに関してNASAの当初示された発表での、リバーパスと言われる目的変更も言われておりますので、そういったものが、どういったことが想定されるか、そのオプションに関しては、そこは技術的な検討が当然内々にはあってしかるべきなのだろうと一般論としては申し上げられるかと思います。
 
【永井委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    じゃ、石井委員、お願いします。
 
【石井委員】        ありがとうございました。非常に初歩的な質問になってしまうと思うんですけれども、先ほど来、お話のありましたアメリカの大幅な予算カットによって、科学コミュニティーが必然的に影響を受けてしまうと。その結果、先ほど出た多極化というお話とも関わるんですけれども、中国と研究を進めていくと考える専門家がいるんだろうなと思うんですけれども、その時にどういった課題であるとかチャレンジが考えられるのかということを教えていただければと思いました。
 先ほど一部ご回答もあったところですけれども、それも含めまして、日本、それから、日本に限らず海外の研究者が中国と、この中国協力プログラム等にのっとって協力する場合にどういった問題点があるのか教えていただければと思います。
 以上です。
 
【原田戦略官】    すいません、ちょっと具体的な事象がわれわれも把握できてないところがあり、今回の(米国予算の)件を受けて、中国のステーションとか、あるいは、その他コミュニティーとの研究協力をどうするかという動きは具体的には把握できていないのが現状ではございます。けれども、一般論で申し上げれば、それはいろいろ各種、少なくとも日本国に関しましては日本国内のさまざまな法令にのっとってやっていただく必要があると思っています。ご存じだと思いますが、貿易管理令であるとか、外為法の世界もありますし、昨今であれば経済安全保障に関するいろんな懸念とか、研究インテグリティーとか研究セキュリティーと言われるようなガイダンスなどもございますので、そういったものに関して各種法令、手続きにのっとった国際協力というのが、これは中国に限らず必要だと考えているところでございます。
 
【中須賀主査】 他いかがでしょうか。じゃあ、佐藤委員、お願いいたします。
 
【佐藤委員】        佐藤でございます。今般、米国のアルテミス計画の話、変更の影響が非常に大きい状況下なので、今すぐにということではまだまだ必要ないのかもしれませんけれども、元々国際宇宙ステーション、あるいは、国際宇宙探査っていう活動をわが国としてはそれを国際協力の下でそういう活動を進めていき、わが国のプレゼンスも上げていく、あるいは、低軌道だったり宇宙探査のところをわが国としてもしっかり進めていくっていう大きな目的からすると、元々アルテミス計画が従来どおりに存続するという形で計画してた予算をアルテミス計画が変わったからといってそこを減らすのか、それとも、さまざまな欧州だったりインドだったり、インドなんかも非常に活発に活動されてるっていうのもご報告いただきましたけども、また別のこういった活路を求めてしっかりと予算を活用していく、全体としてこの活動を縮小せずに、しっかりとわが国としては進めていくっていう考え方なのか、もしくは、ちょっとやっぱりアルテミス計画が、一番のよりどころであるその計画が減ると、やっぱりどうしてもそこはわが国としても現実的に縮小せざるを得ないのか、ちょっとそのあたりの考え方をお伺いできればと思います。
 
【原田戦略官】    また一般論になってしまうんですけれども、そして、繰り返しになりますけど、米国の予算がまだ確定していないという、建前の話とさせていただいた上での仮定の回答になってしまいます。最終的にどういった予算の仕上がりになるかに応じての対応になると思っていますが、現時点ではわれわれはオフィシャルにこの計画をやめたいという話はいただいていませんので、現行は引き続き計画にのっとってやることになります。日本政府におけるアルテミス関連事項としては、例えばゲートウェイに関する要素の開発であるとか、与圧ローバ開発がございますが、これらのものは基本的に減速することなく引き続き進めるということが大前提となっています。
 もちろん、計画の大幅な変更というものがあった場合には、それに応じた何らかの対応が必要となる可能性がありますが、そこについてもいろんな国際パートナー、ヨーロッパとかカナダとか、もちろんアメリカもそうですし、例えばヨーロッパですと昨日のESAの理事会のほうでもインドなどとの連携をもっと強化すべき、それはフランスなどもそういった声が出ているように聞いていますけれども、いろんなやり方が恐らく今後あり得ると思われますし、そこは実務的にもいろんな検討が今後あり得ると思っています。けれども、大原則として、われわれとして今この段階でわれわれの予算を減らさなければならないという問題意識は今のところ持ちあわせていない状況になっています。
 
【中須賀主査】    よろしいでしょうか、大体。これは、とても大事なテーマで、ちょっと私も1つ、中国の月面探査のILRSですよね。これは例えば国連のCOPUOSの会議なんかで中国が散々宣伝をして、そういうミーティングなんかも裏でどんどん開いて、要するに、国際的に自分たちが拠点になるような形で仲間づくりを進めていると。こういう動きは、これは中国は基地を、中国は本当に月に造るということで大きな動きで動いているとは思いますけど、日本としても規模は小さくても日本が今やろうとしているポストISSの世界も含めたネットワークの中で、こういうのをつくっていくっていうこともやったらいいんじゃないかなっていう気はするんですね。それをやることで小さい規模だけれども、日本を核としたある種の軌道上での実験システム、月もあってもいいかもしれませんけれども、まずはISS、ポストISSの世界においてこういうネットワークをつくっていくと、国際コミュニティーをつくっていくっていうことで、一つの参考事例として日本としてもやっていく必要があるんじゃないかと個人的には思うんですけど、この辺はいかがですかね。
 
【原田戦略官】    はい、中須賀先生のおっしゃることを踏まえてしっかりやっていきたいというふうに思います。ネットワークづくりと言いますか、新しいプレーヤーをしっかり作りつつ、また、日本だけのマーケットだけでなく、世界のマーケットを取っていく、マーケットのみならずいろんな参加者を、日本の低軌道活動あるいは月面探査に含めてやることによって、佐藤委員との質疑とかぶるかもしれませんが、われわれのやっていることがある意味効率的に、いろんなところで使っていただけるような形で進めたいと思います。また次の議題でも地球低軌道の今後の取組に関してご説明をさせていただきますが、国際的な協力活動の推進っていうことも、今後、よりわれわれとしても拡大、強化していきたいというふうに考えており、中須賀主査のご指摘も踏まえて今後検討していきたいと思います。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    非常にたくさんご意見いただきましてありがとうございました。ぜひ今後の活動にご反映いただきたいというふうに思うところです。それでは、この議題はこれで終わりにして議題3に入りたいと思います。
 地球低軌道活動に関しましては、第12期の最後、2月12日でしたかね、当小委員会における検討の経過として参考資料2-1、2-2にまとめさせていただきました。わが国の地球低軌道活動の充実強化に向けた取り組みの方向性という形で整理しております。この第13期でも引き続きこの議論をやろうということで予定しております。今回、議題3、議題4という形でこれについての議論を進めていきたいと思います。
 まず、議題3で国際宇宙ステーション・地球低軌道活動充実強化ワークショップ結果報告につきまして、一般社団法人クロスユーの米津事務局長からご説明よろしくお願いいたします。
 
【クロスユー米津事務局長】             ご説明させていただきます。初めに、中須賀主査はじめ委員の皆さま、貴重な機会をいただきましてありがとうございます。クロスユーは、先ほどの議論とも関わりますけれども、特に新しく宇宙に参入したいというような、企業の皆さまも含めた宇宙ビジネスを盛り上げていこうということで、立ち上げられているコミュニティーの集まりだというふうなご認識でいただければというふうに思います。
 
<クロスユーより資料69-3-1に基づき説明>
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。ちょっとこれは原田戦略官ともご相談させていただいて、とにかくいろいろISS、ポストISS等の利用を考える母数を増やさなきゃいけないというところで、とにかく広くまずリーチをする活動をやりましょうというようなことでスタートしました。まだまだ出てきている人数っていうのは少なくて、元々宇宙に興味があられる方々が中心です。でも本当はそうではなくて、元々宇宙と自分の仕事は関係してると思ってない人たちにもリーチしていかなければいけないということで、今後はそういったところも含めてどんどんリーチして、宇宙ってこんなことができるんだ、だとしたら自分の仕事とこうつなげていけるよねというようなことを気付かせるような、こんな活動をして母数を広げていくっていうことがとても大事で、その第一巻として、こういう3回にわたったワークショップを開かせていただいたというところでございます。それを前提に皆さんのほうからいろいろご意見いただければと思います。いかがでしょうか。ご質問、ご意見ありましたらよろしくお願いいたします。はい、よろしくどうぞ。
 
【榎本委員】        ご説明ありがとうございます。私、3回目のエンタメの回に参加させていただいたんですけれども、やっぱりあのような場があるということは非常にいいなというふうに思いました。一方で、今、中須賀主査がおっしゃったように広くリーチしていくことがすごく大事なんじゃないかなと思うんですが、私、慶應大学院のシステムデザインマネジメント研究科というところでワークショップの研究を今していますので、ワークショップのデザイン自体もすごく重要だなというふうに感じているんですけれども、今回、そもそもISSで何ができるか分からないといった声もある中で、これから続けていくというふうにお話もありましたけれども、宇宙になじみのない方がこのワークショップに参加した時に、やっぱりアイデアが盛んに出るように宇宙の用語をいつも中須賀主査おっしゃっているように簡単にしていくですとか、あと、アイデアが出るための、理解をするための段階を細かく踏んでいくことなどが大事なのかなっていうことで、ワークショップの設計の工夫も今後大事になってくるかなと思いました。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    米津さん何かございますか。
 
【クロスユー米津事務局長】             はい、榎本委員、ありがとうございます。ご指摘のとおりでして、私どもも今回その3回を通じてまさに宇宙に関する知識の濃度といいましょうか、濃淡というのがやっぱりお持ちの多様な皆さまがいらっしゃる場で、おっしゃるとおり議論を建設的にどう進めていくのかっていうところは、ご指摘の設計とかやり方とか細かい運用も含めて大事だなというふうに思っておりますので、また委員のご指導もいただきながら進められればなというふうに思います。
 
【榎本委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。他いかがでしょうか。金子委員、お願いいたします。
 
【金子委員】        非常に素晴らしい取り組みだと思います。ありがとうございます。2枚目のスライドにセッションのサマリーで2次元といいますか、軸2つ分けて一覧にしていただいてるんですけど、これは非常に分かりやすいし、参入する方にとっても参考になるなと思うんですけど、1つ提案させていただきたいのは、実現にあまり時間がかからない見込み、比較的時間がかかる見込み、これをちょっと無理やりにでも具体的な時間軸を入れるとグッと皆さんリアリティーが出るんじゃないかなと思います。
 私どもも再生医療とライフサイエンス専門にしているんですけれども、再生医療も、これどうやって決めたかよく分かんないなっていうのは思いながらも、何年後には何が実現して、その時は患者さんがどのぐらいいてみたいな表が出たりするんですけれども、ちょっとそういう形である程度時間軸が見えるともっとリアリティー出るかなと感じました。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。おっしゃるとおりですね。何かございますか。
 
【クロスユー米津事務局長】             ご指摘ありがとうございます。そこはまさに主査の話にもございましたけれども、特に今後トピックを、もちろんバイオ、医療といったところも取り上げながらもちろん進めていくと考えておりますけれども、先生にもご指導いただきながら、見える形でどういう、まさに社会的インパクトを与えるまでにポストISSまでは時間があまりないわけでございますけれども、参入にとっての参考になるような取り組みっていうのを精緻化していければなというふうに思った次第でございます。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。他いかがでしょうか。石井委員、お願いいます。
 
【石井委員】        ご説明いただきありがとうございました。お伺いしたいのは、まず、こういった取り組みは非常に大事なことで、また、必要なことだと思うんですけれども、他方でこういった場にいらっしゃるのは、宇宙に元々関心がある方が圧倒的に多いということも事実なのかなと思います。
 それとの関連で、こういうことを考えられていらっしゃいますかっていうことなんですけれども、教育業界と連携はどのようにされているのかということです。恐らく、学校の場で、大学のほうが専門性はあると思うんですけれども、もっとさかのぼって、それこそ小学生からこういった試みがあるということを出していくことは効果的なのかと思うんですけれども、その点、教えていただければと思います。
 
【クロスユー米津事務局長】             ご指摘ありがとうございます。私どもも昨年来、ポストISSに関するお話も含めて、小中学生向けですとか、また、高校や、もうちょっと高専生のような方も含めて少し深掘りした方々に対するこうしたトピックの提供の機会の充実みたいなことをさせていただいておりまして、そういう意味では、まだまだ宇宙全般ということを知っていただくということの一部ということにはなっておりますけれども、まさに先ほどからご指摘をいただいておりますそうした取り組みを一過性のものとせず、何かしら仕組みの中にもわれわれとしてもインプットしながら、体系的にできればいいなというふうに思っておりまして、そうした点もまさにこのワークショップでもご指摘いただいた重要な点だと思っておりますので留意して進めていければというふうに思います。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。大体よろしいでしょうか。じゃあ、関委員、お願いします。
 
【関委員】             こういう取り組み、とても大事だと思います。一方で、実際に企業の方に参入していただくという観点では、私は、地上のセンサー技術とかを宇宙に持っていきたくて話をしたりすることもあるのですが、現場の人は開発とかをやりたくても執行部をどう説得して利益が出るかとかというところまで持っていくのは非常に厳しいというのが1つのハードルだと感じています。あと、ISSとかに搭載するのにJAXA基準が高過ぎてなかなか満たせる気がしないっていう反応があるような気がしているのです。民間の参入について、分野をきれいに表にしていただきましたけれど、米国とか海外でより進んでいる国もあるので、各分野でこんな成功事例がありますとか、企業として成功しているロールモデル的なものを何か紹介したりすると具体的イメージが湧くのかなと思いました。こういうワークショップでそういうことはされているのでしょうか。
 
【クロスユー米津事務局長】             はい、その点も私どもも重要なご指摘だと思っております。そういう意味では、これまでも特に分野を絞って、まだ事例紹介というところまでは至っておりませんけれども、一般的な分野ごとに留意するべき事項でございますとか、また、そうしたご経験を持つ方々からのストーリーをお話しいただくとか、そうしたことをこれまでもやってきたとこでございますけれども、おっしゃるとおり、もう少し企業の意思決定に資するような情報提供の在り方みたいなところも、ワークショップでもご指摘いただいたところですので、まさに多くの事業者さんも私どものコミュニティーの中に入っていただいてますので、そうした方々とも一緒に進めていければなと思った次第でございます。
 
【関委員】             ありがとうございました。
 
【中須賀主査】    はい、今のところすごく大事で、やっぱり企業さんと話をしていると、やっぱり成功事例を見たいって言うんですよね。だからこれをとにかく何でもいいから早く1個みんなでそこにもう集中投下して、いろんな資本を集中投下してそこでとにかく成功事例をつくる、それを1つ見せることで第2、第3って出てきますので、これは本当にそういうこともしっかり検討していきたいというふうに思います。ありがとうございました。じゃ、これ、最後にしましょう。若田委員、お願いします。
 
【若田委員】        すいません、ありがとうございます。3回に分けてこういったワークショップをされて、例えば3回目のところはこれからISSを利用する企業というようなことになりますけども、その参加された企業さんの例えばどういう業種の方であるとか、通信であったり、本当に医業であったり、ライフサイエンス、農業であったり、いろいろあると思うんですけど、そういった何かパイチャートみたいなものがあると、今後どこにリーチできてないかとか、そういったことの指標になるのかなと思うので、今後のワークショップの時にはそういったデータもまとめられるといいんじゃないかなというふうに思います。コメントだけです。
 
【中須賀主査】    はい、ぜひよろしくお願いいたします。まだまだ議論、尽きませんけれども、そろそろ時間ですのでこの議題はこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして議題4に入ります。わが国の今後の地球低軌道活動の充実・拡大に向けた取り組みについて、まず事務局より説明をお願いいたします。
 
【原田戦略官】    ありがとうございます。お手元の資料69-4-1をご覧いただければと思います。
 
<原田戦略官より資料69-4-1に基づき説明>
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。それでは、皆さんのほうからご質問、ご意見ございましたらよろしくお願いいたします。はい、お願いします。
 
【永井委員】        ご説明いただきありがとうございます。ちょっと私からお伺いしたいのは、ポストISS時代の国際連携はどのように想定されているのかという点についてちょっとお伺いしたいと思います。
 今ご説明いただいた資料を読んでいると、至るところに多様な主体の参画っていうのが出てきて、そういった多様な主体の参画を拡大していくっていうのが1つ大きなポイントになっているんだろうなというふうに想定しているところですが、その中で海外の例えば宇宙機関ですとか海外の企業の参画というのはどのように想定されているのかということ。
 現行のISSですと、日本がきぼうを持っていて、日本が中心となって、例えばAPRSAFの枠組みなんかでアジアの国々に宇宙環境利用の機会を提供したりですとか、国際連携が行われてきたところかなというふうに思いますし、そういった日本の取り組みというのが日本の宇宙外交ですとか、国際協力の成果として一定程度の成果、評価を受けてきたのかなというふうに感じているところです。ポストISS時代にもこういった日本の取り組みっていうのは引き継いでいけるといいのかなというふうに感じているとこなんですが、そのようなポストISS、民間がステーションを中心となって運用をしていくような時代の国際連携の在り方についてはどのように想定されているのかちょっと教えていただければ。
 
【原田戦略官】    ありがとうございます。今、まさにAPRSAFの例もいただきましたが、「きぼう」をこれまでJAXAが管理運営してきており、その枠内で、ある意味JAXAがオーガナイズできた部分があります。将来、ポストISSでは民間がオーガナイズする部分になっていきますので、その部分についてのご指摘と思いますけれども、まず1つ、民間が運営するという前提に立ち、民間事業者、恐らく日本の企業だとわれわれは想定していますが、日本の企業が独自に、また、海外のパートナーを探す、これは彼らの営業活動という形であり得るのだと思います。他方で、多分、永井委員のおっしゃるところは、政策的な意図としての恐らく日本政府としてとか、あるいは、公共的な意義、価値としての国際連携みたいなところは、ここは今お示しさせていただいたような、例えば7ページ目のスライドをご覧いただければと思いますけれども、JAXA全体がプレーヤーとなるような部分や、JAXAまとめといったところの白抜きのところがあり、ここでは科学研究などが主となりますけれど、こういった枠の中で、恐らく国際共同を行いたい海外の宇宙機関、特に新興国が多いとは思いますけども、国際連携といったものはこういったところでできるのではないか、そこではある意味政策的誘導ができるんじゃないかという余地があります。また、ここでは明示的には書いていないのですが、イノベーションハブ機能といったところでは、これは事業活動の創出の側面支援、共同研究という形を想定していますが、この共同研究の形で、例えば海外の事業者といったところも恐らくこういったところで何かの取組をできるのではないかと現時点では考えられるところです。
 
【中須賀主査】    他いかがでしょうか。はい、榎本委員、どうぞ。
 
【榎本委員】        ご説明ありがとうございます。資料の4~5ページ目にあるイノベーションハブ機能について質問させていただきたいです。中須賀先生がこの小委員会でいつもおっしゃるムーブメントを起こすというような言葉があると思うんですが、このムーブメントにつなげていくためには、イノベーションを再現性のある形で創出していくことが重要なんじゃないかなと思うんですけれども、そのためにイノベーション創出の専門的な機能とか、仕組みを持っているところに事務局を担ってもらうということも考えられるんじゃないかなと思うんですが、先ほど立て付けはまだというふうにおっしゃられていましたけれども、現時点で何か構想などありましたら教えてください。
 
【原田戦略官】    ありがとうございます。現状は、今、参照できる他の例におきましては、JAXAが既に持っているJ-SPARCと言われる宇宙イノベーションパートナーシップ事業とか、宇宙探査イノベーションハブといった事業があり、これらの事務局機能は基本的にはJAXAが担っているところでございます。可能であれば、4ページの図だと制度基盤、体制づくりのところでそういった役割をJAXAが担うことも想定したいと思っていますが、他方で、なかなかビジネス活動のようなものや、あるいは、さまざまなバリューチェーンづくりのようなことは、JAXAは国立研究開発法人、研究機関でございますので、そういった営業活動的なものはなかなか難しい部分があると思います。そのため、そういったものは民間との連携といいますか、言葉は悪いかもしれませんが、アウトソースという形で、プレーヤーを増やす活動やイノベーションづくりといったところを、まさにそれを得意とする事業者さんと連携してやっていくことが想定されるのではないかと現時点で考えているところでございます。
 
【榎本委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ここも大事ですよね。やっぱり適材適所、いろんな得意の技を寄せ集めて大きな世代をつくっていくということですので、ぜひご検討いただければと思います。
 オンラインから御手洗先生、よろしくお願いいたします。
 
【御手洗委員】    ありがとうございます。御手洗です。7ページ目のポストISSで想定される利用スキームのところで質問があるんですけれども、JAXAさんが今まで以上に研究のほうにも積極的に関われるっていうのは非常に素晴らしいことだとは思うんですけれども、日本の提供企業がそういう研究も取りまとめるというところで、エンタメみたいなビジネスにつながるところは非常にそこはうまく行きそうな気がするんですけれども、科学に対して例えばどうやってテーマ選定するのか、そういうところが民間企業でどこまでできるのか、ちょっと若干不安になるのと、多少今までよりは科学実験に対してはちょっと複雑な構成になるのかなと思いましたので、その辺の運用をどのように考えていらっしゃるか教えていただければと思います。
 
【原田戦略官】    科学テーマの設定をどのようにするっていう質問でよろしいでしょうか。
 
【御手洗委員】    そうです。民間企業が科学技術のテーマを選定したり評価したりするところにどこまでコミットメントできるのかっていうところです。
 
【原田戦略官】    民間利用サービス提供企業、ここの7ページの下の図にある企業さんの設定するテーマは、その企業さんの恐らく自助努力といいますか、彼らのネットワークの中で、彼らのビジネスとなるものが設定されるのだろうと想定されるところです。このうち、科学ユーザーのJAXA取りまとめ分や、JAXAが自ら担うことを想定される研究テーマに関しては、既存の「きぼう」利用プラットフォームの知見や経験であるとか、もし可能であれば日本として世界最先端の研究成果を取るというところを目指したいので、そういったところをどう絞り込むかは、実はこの小委員会であるとか、あるいは、JAXAの中でもしっかり検討を進めていきたいと思っております。すいません、お答えになっていればとは思いますけど。
 
【御手洗委員】    はい、分かりました、ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    他いかがでしょうか。じゃ、関先生。
 
【関委員】             ご説明ありがとうございました。私、今期から委員になったので、かなりフレッシュな目線でご説明を聞かせていただいたのですけれど、率直に申し上げてすごく地球に閉じてるなっていう印象がありました。一方で、国際宇宙探査で今、人類の活動域が有人も含めて月から火星へ拡大しようとしている時に、貴重な有人プラットフォームだと思うのです。先ほど裾野を広げるという視点も出てきましたけれども、宇宙は低軌道でさえ、非宇宙の方からすればハードルが高いのに、月とか火星はもっとハードルが高いと思われます。したがいまして、うまく何かポストISSを技術実証のプラットフォームとして使って、TRL、技術レベルを上げることはできないでしょうか。ISSで宇宙実証をしてるから、例えばアルテミスの公募とかそういうのにもっと日本が手を挙げていけるような、国際宇宙探査との何かシナジーが考えられるといいのかなと感じました。ISSについてそんなによく知っているわけではないので、実際にどういう方法があるかすぐに思いついてるわけではないのですけれど、少なくともスコープとして、もう少し国際宇宙探査時代にどう使えるかという視点が入るのが大事と思いました。その点では、10ページに書かれている試験的な利用を重ねられる仕組みというのが、1つそういう形で使える可能性があるのではと思いましたので、ぜひスコープとして加えていただければと存じます。
 以上です。
 
【原田戦略官】    ご指摘ありがとうございます。私の説明が不足していた部分なのですが、国際宇宙ステーションは現行もそうですけど、ポストISSに向けても、基本的には将来の月探査、あるいは、火星探査に向けた長期間にわたる人の滞在に向けた技術実証のプラットフォームとしても、引き続き使っていきたいというふうに思っております。低軌道は、引き続き、そのための技術実証の場としても、比較的地球から近い領域でございますので、そういったものとしても活用していきたいと思います。
 また、6ページ目のほうは、これはまだアイデア段階であるのですが、1つの事業活動とか、研究領域として、人が例えば長期間の閉鎖環境の中で、火星に行くとなると1年間ぐらいかかるという時に、例えばどういった知見が必要になるか、どういった人間のメンタルとか、そういうことも含めた健康維持とか、衛生環境みたいなもの、閉鎖空間の中で人が持続的に生きて活動するためにどういったものが必要となるかといったことも、実際に月に行く、あるいは、火星に行く前に、低軌道でやるような研究開発もポストISSに向けた取組の中で多少なりともできればと思っております。
 さらには、先生ご指摘いただいた10枚目のスライドのトライアルの部分は、ここは先の課題のところもあるのですが、こういったものもイノベーションハブみたいな取組の中で少し取り上げられていければと、現時点では考えているところでございます。
 
【関委員】             はい、ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    よろしいですかね。じゃ、これで最後で。佐藤さんと若田さんどうぞ。
 
【佐藤委員】        よろしいですか。佐藤でございます。私も10ページの辺りと、考え方、非常に重要だというふうにちょっと考えております。ちょうど1つ前の議題でもクロスユーさんからありましたように、宇宙の利用の裾野を拡大していくためには、もちろんインフラとか、あるいは、敷居を下げるということも重要ですけども、宇宙を利用するとこういううれしいことがある、あるいは、こういった知見が地上ではなく宇宙だからこそ得られる知見があるような分野があるとか、あるいは、柔らかい分野でもやっぱりこういう利用と、あと、それに関わるいろいろなユーザーからのやっぱり関心とか、価値が高まるような分野があるということを、利用の成功事例をつくるためにもこういった基金、基金じゃないのかもしれませんけども、例えば基金なり、あるいは、別の予算の枠組みでいいのかもしれませんが、いずれにしても宇宙の利用の成功事例をつくるためにしっかりと予算を充てていくことが結果的にそれが一番の利用推進の推進力、駆動力になるんではないかというふうに思います。
 インフラももちろん重要で、それはそれで進めていただきつつ、利用の成功事例をつくるためにもしっかりと予算を充てていただくことがやっぱ肝要かと思います。
 以上でございます。
 
【中須賀主査】    はい、私、全く同感でございます。ありがとうございました。じゃ、若田委員、どうぞよろしく。
 
【若田委員】        ありがとうございます。7ページの右下の図についてちょっと確認させていただきたいんですけども、やはり地球低軌道における科学研究に関する日本国政府としてのアンカーテナンシーという観点から、例えば米国でこれまでスキームとして成立してきたISSナショナルラボみたいなものは、この右下のページの図の中ですと、JAXAまとめの部分がそれにある意味では規模は違っても相当するという、そういう理解でよろしいでしょうか、アンカーテナンシーという観点から。それとも全く別になるんでしょうか。
 
【原田戦略官】    ここは、JAXA有人部門のほうから補足あると思いますけど、ご指摘のとおりJAXAとりまとめの部分は、これは、従前から既にJAXAが「きぼう」の利用プラットフォームを通じて科学研究のものをやっていますので、アメリカがやっているようなISSナショナルラボに近いような取組、比較的定期的に科学研究ユーザーの要望を捉えて研究をやるような形のものがここのJAXAとりまとめの部分というように考えております。補足があるかもしれません。
 
【JAXA松浦理事】              アンカーテナントという意味では、今回、新しくというか今日の資料でご説明した図7で言うと、一番下の真ん中っていうんですかね、JAXA(地球低軌道利用促進システム(仮称))これが新しい今回提案している部分になるので、これがアンカーテナントというところになるのかなっていうふうに理解しています。
 
【若田委員】        分かりました。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。じゃ、そろそろこの議題終わりにしたいと思います。最後に1点だけ、JAXAラボの話がちょっとあんまり議論にならなかったんですけれども、これすごく大事かなと思っていて、いろいろ支援をするにおいても、やっぱり自分たちもある程度の能力を持っとかなきゃいけないということで、研究者の人たちが自分たちを鍛えるとともに、その鍛えた力を持っていろいろ外部も支援していくと、こういったことがすごく大事だなっていうことで、これってどっかにモデルないのかなと思ったら、実は宇宙科学の世界で宇宙研を中心とした、いわゆる宇宙理学工学コミュニティーの運用に非常に近いのかというふうに思っています。宇宙研の中に何人かいわゆる専門の先生がいらっしゃって、理学、工学、宇宙科学に必要な工学なんかも含めた研究をやられていると同時に、いわゆる利用拠点といいますかね、日本全国に散らばった理学の先生たちのある種拠点として宇宙研があって、その人たちへの支援をしながら宇宙研の中で衛星の計画を立てて打ち上げて宇宙科学探査をやってると、はやぶさとかあかりといろいろありますけれどもやってきたというようなのが1つモデルになるんじゃないかなというふうな気をしておりますので、そういったこともちょっと参考にしながらご検討いただければというふうに思います。ありがとうございました。
 それでは、以上で議題4は終わりにしたいと思います。
 次に、議題5です。今度は、月ですね。月面探査におきましては、これも昨年度の第12期の当小委員会の議論、行いました。7月に宇宙開発利用部会にて報告書「月面探査における当面の取り組みと進め方について」というのを取りまとめました。今回、それ以降の進捗と今後の展開を含めまして、JAXAさんより議題5、議題6で最新状況等をご報告していただきたいと思います。まずは、月面探査における科学・実証等の検討状況について、JAXA川崎理事補佐よりご説明よろしくお願いいたします。
 
【JAXA川崎理事補佐】     ありがとうございます。資料69-5-1になります。
 
<JAXAより資料69-5-1に基づき説明>
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。それでは、皆さんのほうからご質疑よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。はい、お願いします。
 
【榎本委員】        ご説明ありがとうございます。ご説明を伺いまして、ローバーに関してハードウェアの開発、実証のメンバー、状況がよく理解できたんですけれども、一方で、ソフトの面が気になっておりまして、今後の月面探査を長期目線で考えていきますと、月面のデータを活用していくという中でAIなどソフトウェアの実証も併せて行うべきなのかなと、重要だなと思うんですけれども、そのあたりの検討状況はいかがでしょうか、教えてください。
 
【JAXA川崎理事補佐】     はい、2つあると思うんですが、ローバー自身が月面上での自動運転とかそういったものに使うという観点と、今後取られていくだろう観測データをどう使っていくかという2つの話があると思うんですが、前者のほうはいろいろローバーのほうで進めております。後者のほうも実はアメリカ等でいろいろデータベースができておりますけど、まだまだそこについては日本国内の民間事業者という視点からは全然広がってないので、ここはこれからかなと思っています。
 
【榎本委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。今のこの与圧ローバーに関して言うと、さっきILRSっていう中国中心の月の話ありましたけど、こういうのが例えば1つ日本が持っている大きな拠点になるんじゃないかと、こういうのを拠点として、いろんな国と連携して何かいろんな実験とかサイエンスやっていきましょうという1つの道があるんじゃないかなと思うんですけど、その辺いかがでしょうか。
 
【JAXA川崎理事補佐】     おっしゃるとおりで、実はこの説明で省いてしまったんですが、資料の一番最後にLSSW、これはLunar Surface Science WorkshopというNASAの月惑星研究所が中心になってやっているワークショップがあるんですが、これ、恐らく世界で最大の月科学のコミュニティーなんですが、ローバーをわれわれが提供することによってここに参加してこの議論ができるようになってるというところで、既にそういうある意味日本が世界の中でこういう科学を議論する1つの手段を得たということで、そこをコアにしてやっていきたいと思っています。
 
【中須賀主査】    とてもいいと思いますね。ぜひやっていただければと思います。じゃ、金子先生、どうぞ。
 
【金子委員】        ご説明ありがとうございました。やはり自立的な機会を得るために、ちゃんと運送手段を確保していくというのは、非常に大事だなというふうに感じております。今、私が把握できてる範囲では、民間月輸送サービスというのは、米国の企業の公募といいますか選定といいますか、そういうのが進んでいるみたいな感じですけども、ここはある程度日本の要求がしっかり通るような業者、あるいは、日本の企業という言い方をしてもいいのかもしれませんけど、そういうのがあってもいいのかなとは感じるところです。
 て申しますのも、今、JAXAさんと一緒にきぼうの実験の準備をしてるんですけども、やっぱり何か乗せたい時に割り当てられる空間であったり、量であったり、温度管理だったりっていうのが非常に大変だなっていうのがありまして、やはり自立性を持つためには輸送手段もある程度自前で確保っていうのは非常に大事かなと感じました。
 
【JAXA川崎理事補佐】     おっしゃるとおりかと思います。やはりある程度のスペースなり量なりを確保しないと、なかなか日本が思うようにできないと思いますので、ある意味、多分、日本であればispaceさんがやっているランダーであるとか、そういったものを借り切るとか、そういったことも必要かなと思います。ただ、それはやっぱり予算とも関係ありますので、それはどういうふうにするか、今後の考え方だと思います。
 
【中須賀主査】    はい、どうぞ。
 
【若田委員】        今の件に通じるところなんですけど、11ページにやはり自立的っていうのがキーワードでたくさん出てきます。当然、やはり月の活動で鍵となるのがやっぱり輸送コストだと思いますので、そういう観点から1ポツ目とか一番最初のとこも含めて自立的な運用とか、それから、民間月輸送サービスを活用した搭乗機会を先行して整備すると、確実な輸送手段を確保しておく必要っていった言葉が述べられておりますけども、これは具体的には、例えばNASAのCLPSの日本版みたいなものを整備するというそういう方向なのか、これも米国のCLPSとの共同で確保していくと、これ、いや、独自にやっていくっていう、そういう方向になっていくんでしょうか。
 
【JAXA川崎理事補佐】     なかなか答えづらいんですけど、いいですか。
 
【JAXA 山中センター長】                  ありがとうございます。そこは非常に重要な点だとわれわれも考えていて、例えば日本版CLPSを、それがJAXAとしては重要なことだと思っているんですけど、例えばそれを持っていればペイロードをお互い一番いいタイミングのものを載せ合うというような、米国のCLPSとの協力関係も構築することができます。やはりそういうものを何か持ってないと交換することもできませんし、若田委員がよくご存じのようにISSでこれまでやってきたような、いろんな船にいろんなペイロードを載せ合って全体でやっていくというようなこと、それが重要ですので、そのためにはわれわれとしても手段を持っていないといけないというふうに思っています。
 
【若田委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    いかがでしょう、あと1つぐらい、もしあれば。はい、じゃあ、これで最後で。
 
【永井委員】        すいません、ちょっと私、早く出なければいけないのでちょっと発言させていただきます。ありがとうございます。
 今、与圧ローバーですね、先ほど中須賀先生もおっしゃられたように、これがこれからの日本の月面での活動拠点になるということで、日本の存在感にもなっていくのかということで、私も早く月の上でこれが走るところを見てみたいなと思っているところです。これをベースに国際連携に展開していくっていう形も中須賀先生と私も同じ考えで思っています。
 ちょっと私、科学の分野については専門外なので、教えていただきたいんですけれども、このローバーの仕様というのを拝見すると、有人ミッション期間というのが1カ月程度になっているということで、それ以外は無人の自動走行みたいな形で探査が行われるのかなということなのかなというふうに思いますが、有人の期間、人がいるからこそできるような科学ミッションとかそういった優先度の高いようなもの、もしあったら教えていただきたいと思います。
 
【JAXA筒井センター長】 ローバーセンターの筒井と申します。まず、NASA側がやはり考えているのは月の石のサンプリングであったりというのが最初だと思います。当然、その中に何が含まれるかというのは、地上に持ち帰ってというのもありますし、その場で観測するというのもあると思います。もう一つは、船外でのそういう活動と同じくして、有人ならではの、その1カ月間ぐらいそこにクローズドになる環境がありますので、この宇宙における人の滞在に関する研究、生理医科学的なことというのは、1つ大事なポイントになるんじゃないかなというふうに思っています。
 
【永井委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。じゃ、まだ議論尽きませんけれどもお時間ですので、これで議題5は終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、最後、議題6に入りたいと思います。日本の国際宇宙探査シナリオ(案)改訂の実施状況について、これも川崎理事補佐よりよろしくお願いします。
 
【JAXA川崎理事補佐】     では、資料69-6-1になります。
 
<JAXAより資料69-6-1に基づき説明>
 
【中須賀主査】    ありがとうございました。それでは、皆さんのほうからご質疑よろしくお願いいたします。石井委員、どうぞ。
 
【石井委員】        ご説明いただきありがとうございました。シナリオの中身について教えていただきたいんですけれども、10ページの変曲点を受けた検討というところです。水資源の有無が鍵になるというご説明でした。まず、1つお伺いしたいのは、見つからない、もしくは、見つかったとしても、それが効率的に利用できないということも考えられると思うんですけれども、そういった場合であっても何らかの形でゴールである2040年代の40人が常時滞在する月面拠点の構築と、ここにたどり着けるという、そういう理解でよろしいんでしょうかということです。
 
【JAXA川崎理事補佐】     そのように努力したいと思います。ただ、ちょっと状況が分からないので、恐らくそれなりの技術開発とかは追加する必要があると思いますが、まず、40年代にこういうことを目指したいということが1つのゴールとして置きました。
 
【石井委員】        ありがとうございます。もう一点、国際協力というところが書いてあるんですけれども、この協力の道筋をどのように考えていらっしゃるのかということもお伺いできればと思いました。現時点では、例えば資源を先に採った場合は、日本も含めて一部の国が資源を採った者の所有に属するというふうに理解しているわけですけれども、それに対しては反対論もあると思いますし、実際問題、同じ場所を利用するに当たって、例えば中国側と衝突するということも考えられると思うんですけれども、そういったシナリオは考えていらっしゃるのかということです。
 
【JAXA川崎理事補佐】     1つ前の資料の15ページをご覧いただきたいんですけども、今、水があるだろうと考えられている地点は26カ所ぐらいですかね、数多くありまして、これを全て1国だけでやるのは、これは無理だと思うので、そこは恐らく国際協力で分担してやっていくことになると思います。
 今のところ中国との関係においては、まだ具体的な衝突までは想定しておりませんけども、やはりこれはみんなでこれを探さないと本当に水資源があるのかは結論は出ないと思いますので、ここはうまくすみ分けながらやっていくことになると思います。
 
【中須賀主査】    他いかがでしょうか。榎本委員。
 
【榎本委員】        ご説明ありがとうございます。資料の6ページ目の目標ビジョンの設定のところなんですけれども、2040年代に月に40人常時滞在という具体的な目標を明示することは、私、メディアの人間としても伝える立場として分かりやすくてありがたくて、とてもいいなというふうに思いました。
 一方でなんですが、今だからこそだと思うんですけれども、日本として何のために月面に行くのかという大きなビジョンの言語化が、また推進力を生み出していくんじゃないか、大切なのではないかというふうに思います。
 アメリカは、中国より前に月に戻るというふうに明言していますけれども、例えば日本ならではの教育ですとか文化を押し出すとか、日本だからこそのアプローチというものもあるのではないかと思いました。
 以上です。
 
【JAXA川崎理事補佐】     ありがとうございます。考えたいと思います。ある意味、日本ならではというのは、国際協力とか平和であるとか、まずそういうところの価値観があると思いますが、こういうのを月面に実現したいっていうのが1つ大きなところかなと思います。ちょっとこの辺はいろんな意見があるのでまた議論したいと思います。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。
 
【榎本委員】        ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    はい、どうぞ。
 
【金子委員】        今の榎本委員のご発言に関係するんですけども、40人から1,000人に行く中で100人、500人って増えていくと思うんですけど、当初の40人の方、それから、次の100人の方、多分その方がどういう属性を持っているかで日本がそこで何をやりたいのかっていうのが打ち出されると思うんで、そういう関連があるんだと思います。そういった意味では、40名の方っていうのは、多分、インフラ、それから、科学・探索っていうところくらいかなと思うんですけど、その次あたりに何を持ってくるみたいなのは、すいません、同じような質問かもしれませんが、具体的な検討みたいなのはされているんでしょうか。
 
【JAXA川崎理事補佐】     はい、今のシナリオの中に入っていないものとして、サービスですね、エンタメとかそういったものがこれ入ってないんです、シナリオの中で。やはりニーズとしてはそういったところはあるっていうのが、この間、経団連さんと話をした時もあったというふうに聞いていますので、そういったものも当然想定すべきではないかと思いますが、それはまずこういうものを示して、いろんなニーズが出てくると思いますので、その反応を待ちたいと思います。
 
【金子委員】        すいません、もう一点、ちょっと素人的な発言で申し訳ないんですけど、例えば医療の位置付け、医療サービスの位置付け、それは別に介護とかそういうところではなくて、本当に現地にいる40名の方が病気になった時の位置付けって、そういうところは何かご検討されていることはありますか。
 
【JAXA川崎理事補佐】     そういう意見は当然出てると思いますので、むしろ取り込むべきかなと思います。ちょっとまた確認して回答させてもらいたいと思います。
 
【中須賀主査】    他いかがでしょうか。
 その変曲点、水があるか、ないかっていうことで、大きな変革っていいますかね、分岐が起こるだろうと思うんですけど、水をもっともっと早い段階で徹底的にあるか、ないか、あるいは、使えるかどうかっていう調査をすべきではないかなと個人的には思うんですけど、この辺は国際的にも、アメリカを見ててもそんなにそこに向かって動いてないように見えるんですけど、これはどこかが見つけるからいいやというような感じなんですかね、世界的に言うと。
 
【JAXA 山中センター長】                  まず、日本にはLUPEXがあるというのが非常にその点においては大きいと思うんですね。アメリカにも、ご存じのとおり類似のVIPERという計画はあったんですけど、いろいろな背景状況でキャンセルされてしまいましたので、今、日本のLUPEXも本当に水を専門的に探す専用機と言ってもいいんですけど、それが日本の計画としてあって、しかも、インドとの国際協力という形でありますので、最近非常にいろんなところでここに対する期待感をわれわれ語られることが多いです。そういう意味でも世界から期待されているミッションだというふうに思っています。
 
【中須賀主査】    これは、だから日本が最初に見つけた時に、日本が最初に見つけたっていうメリットみたいなものを維持するやり方と、メリットがあるのかどうか、それは、あるとしたら、それを維持するやり方ってどういう戦略がよろしいんでしょうか。
 
【JAXA 山中センター長】                  意外と広いんですね、月というエリアというのは。何かすごいピンポイントのところをみんなで取り合うみたいなイメージで語られますけど、そういうことはなくて、先ほど川崎が申し上げたとおり、ここに書かれているエリアだけでも相当広いものがあります。ただ、水がどこにどういう形で、深さ方向にどうだとか、どういう粒度であるかとか、そういうものをわれわれは知ることができますので、そういうデータはわれわれとして維持していって、先に知ったら、じゃあ、次それを知っているからどういうふうに、例えば具体的には掘っていったらいいかとか、どこで集めたらいいかとか、もしくは、それをエネルギーなり水なりに取り出していくにはどうしたらいいかっていうところ、それは先行して先行して我々できると思っていますので、そういうところで我々としてのメリットとか強みを維持していくのかな、そういうふうに思っています。
 
【中須賀主査】    ありがとうございます。他いかがでしょう。大体よろしいでしょうかね。関先生、どうぞ。
 
【関委員】             ご説明ありがとうございます。私、このシナリオに学術界のほうからかかわらせていただいているので中身の質問というよりは、先ほどの米国の方針転換に関して質問いたします。例えばこの中でゲートウェイとかは重要な位置付けがあると思うのですけれど、それがキャンセルされた時には、このシナリオの改訂については、何かスケジュールが変わるのか、それとも定期的にやるものなので、あまり気にせず粛々と公開をする予定なのかその点を教えてください。
 
【JAXA川崎理事補佐】     はい、もしキャンセルされれば当然改訂が必要になると思っています。まだそれが決まってないので、それが決まった後には当然フィードバックはかけて、定期的に直していきたいと思っています。
 
【中須賀主査】    はい、どうぞ。
 
【若田委員】        すいません、この取り組み、シナリオって、過去3版ありますけども、本当に膨大な労力を使われて、世界からも注目される成果になっていると思います。やっぱりこれが例えばISECGとか協働チームの中でシナリオとして、それはやっぱり世界の宇宙機関庁に報告するような、そういった形での日本のプレゼンスというところにつながっていると思いますので、このシナリオをやはり国際カンファレンスみたいなところできちんとアピールして、やっぱり日本の存在感を高めて、技術的な根拠も含めてアピールしていくっていうのは重要なのかなというふうに思いますので、そういった形で展開いただければと思います。頑張ってください。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】    最後、まとめのような発言いただきありがとうございます。大変ありがとうございました。
 それでは、以上でこの議題終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
 以上で本日予定していた議事は全て終了です。最後、事務局からよろしくお願いします。
 
【川端補佐】        はい、事務局です。本日の議事録や資料は、非公開部分を除いて文科省のホームページに公開いたします。
 次回の開催の具体的な日時につきましては、日程調整の上、改めてお知らせいたします。
 以上です。
 
【中須賀主査】    皆さん、ありがとうございました。これをもちまして本日は閉会といたします。ありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課