宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第68回) 議事録

1.日時

令和7年2月12日(水曜日) 14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室またはオンライン

3.議題

  1. 今後のISS及びポストISSの利用拡大に向けた我が国の地球低軌道活動について(議論の整理)

4.出席者

委員

 臨時委員  中須賀 真一【主査】
 専門委員  高橋 忠幸【主査代理】
 専門委員  石井 由梨佳
 専門委員  植木 千可子
 専門委員  金山 秀樹
 専門委員  倉本 圭
 臨時委員  高鳥 登志郎
 専門委員  竹森 祐樹 
 臨時委員  永山 悦子
 専門委員  若田 光一

文部科学省

 研究開発局審議官  橋爪 淳
 宇宙開発利用課長  嶋崎 政一
 研究開発戦略官  原田 大地
 研究開発戦略官付 課長補佐  川端 正憲

(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
 理事補佐  川崎 一義
 有人宇宙技術部門事業推進部 部長  小川 志保
 有人宇宙技術部門宇宙環境利用推進センター センター長  白川 正輝
 国際宇宙探査センター センター長  山中 浩二
 有人宇宙技術部門事業推進部 計画マネージャ  落合 美佳
 有人宇宙技術部門事業推進部 計画マネージャ  宮崎 和宏
 有人宇宙技術部門有人宇宙技術センター センター長  酒井 純一
 有人宇宙技術部門事業推進部 計画マネージャ  松村 祐介
 有人宇宙技術部門有人宇宙技術センター 技術領域上席  永井 直樹

5.議事録

【川端補佐】  本日はお集まりいただきましてありがとうございます。事務局の文部科学省研究開発局研究開発戦略課付の川端でございます。定刻になりましたので、ただ今より国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の第68回会合を開催いたします。まず定足数11名のうち、会場のご主席は4名。オンラインでのご出席は6名の予定ですが、今現在5名の計9名のご出席があり、過半数の定足数は満たしておりますところをご報告いたします。本日の会議は16時までの2時間を予定しております。よろしくお願いいたします。次に資料の確認をさせていただきます。議事次第をご参照の上、必要資料に不足等ございましたら事務局までお申し付けください。また本日もお手元にマイク兼スピーカーをご用意しております。マイク手前側にあるスイッチを押していただくとボタンが赤く光り、ご発言が可能となります。一方で、お1人ずつしかスイッチが入りませんので、ご発言後はマイクのスイッチを切っていただけますようお願いいたします。なお本日は全議題公開での実施でYouTube配信をしております。以上でございます。
 
【中須賀主査】  それではここから私のほうで引き取ります。皆様お集まりいただきましてありがとうございました。最近の話題で言うと、「きぼう」利用シンポジウムが非常に盛り上がりました。いろんな報告が聞かせていただいたと同時に、ライフとかいろんなところで皆さんからの期待が大きいということを非常に強く感じました。それからJAXA基金、宇宙戦略基金のほうもポストISSを目指していくつかのプロジェクトがスタートしているということで、ますますこの分野しっかりやっていかなければいけないという状況でございます。いつも申し上げるところですけれど、今のISSをとにかくしっかりと使って、どんな利用があるか。あるいは利用を拡大するにはなにをやらなければいけないかっていうことをいろいろ試行錯誤していくのが今のISSに課された一つの使命ではないかとも思いますので、ぜひ皆さんもいろんなご意見いただいて、今のISSをしっかり使って、その後ポストISSにつなげていく、この流れを作るのにご協力いただきたいと思うところです。ISS利用に関してはムーブメントを作っていくっていうことが非常に大事ですので、皆さんもぜひよろしくお願いいたします。さて、この委員会でも昨年来、ポストISSを目指した地球低軌道活動の確保のためにJAXAさん、それから産業界、アカデミアの皆さんからのヒアリングを行ってきました。それを元にこの小委員会において議論を行ってきましたけれども、本日はこの小委員会における議論の整理を1回行うということでございますので、委員のみなさん、この整理のご確認をいただければと思います。それから今日が今期12期の最後の会合にもなるということでございますので、本件の取り扱いについても併せて事務局より説明をよろしくお願いいたします。それでは取りまとめの整理、今言ったことを含めて事務局より説明よろしくお願いいたします。
 
<原田戦略官より資料68-1-1/68-1-2/68-1-3/68-1-4に基づき説明>
 
【中須賀主査】  しっかり細かくご報告いただきましてありがとうございました。それではこの後、皆さんからの質疑応答を受けて議論していきたいと思います。最初に申し上げた通り、第12期今日は最後でございますので、ぜひ皆さん思い残すことがないようにしっかりご発言いただければと思います。それではどうぞご自由に手を挙げられ、それからオンラインの方も挙手機能で挙げていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
【高鳥委員】  丁寧にご説明いただいてありがとうございました。かなりこれまでの議論が整理されていて、改めて見て理解がさらに深まったような感じがしたのでありがとうございました。重要な点はかなり盛り込まれているとは思うのですが、あえてコメントさせていただければ、当面の取組の方向性の最初の研究力・イノベーション創出力の強化のところで、JAXAラボ機能ということについて、イノベーションの源泉となる科学研究・技術研究を行うということや、挑戦的・萌芽研的研究開発をやっていくといったことが書かれてるんですが、そういったところのテーマというか方向性を考えるにあたって、その研究が応用研究に向かって進んだ時に、それを利用するユーザー、例えば医療系・製薬などの産業界、あるいは材料系の産業界など、そういったセクターの意見というかニーズを早めに取り込んだ形で方向性を検討いただくことが一つ重要なことかなと思いましたので、書かれていると思いますが、コメントさせていただきました。
 
【中須賀主査】  これはよろしいですか、原田さん、一言。
 
【原田戦略官】  今後そういった形を含めて進めさせていただきたいと考えております。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。それでは永山さん、オンラインからよろしくお願いします。
 
【永山委員】  永山です。ご説明ありがとうございました。多岐に渡る論点を整理していただいてありがとうございました。今回のこの報告書のポイントとしては、やはり今後民間の方たち、大学も含めてですけれども、いかに宇宙に関心を持っていただいて参加していただくかという取り組みの柱の丸2のところが重要になってくると思うんですが、その中で書かれていらっしゃいます取り組みとして、大きなものとしてまず1ポツ、オープンイノベーションハブというものが挙げられているんですが、これが従来もJAXAさんで宇宙探査イノベーションハブをやられていたり、J-SPARCをやられていたり、すでにそういった民間の方の挑戦をサポートする取り組みはやられてきているんですけれども、それとの違いがどういうところにあるんだろうかというのがこの文章を見ただけでわかっていただけるかが心配になったものですから、その辺少しわかりやすく、今までのこういったものを参考によりこういった形で民間の方にアプローチしていくんだというとこが書き込めるといいのではないかと思ったのが1点です。それからユーザーからの課題例として、使い勝手が悪いですとか何ができるのか、予見可能性が低いというところ、主にその2点になると思うんですけど、いわゆるユーザー視点の課題を解決していく上で、1点目の使い勝手の悪さという、民間の方が使いやすくするよっていうことについてどんな取り組みがあるのかがもう少し、それぞれのところが全部関係してくるとは思うんですけれども、どこかそういった民間の方がより使いやすくなるんだということがわかるような部分があるといいのではないかなと思いました。最後3点目ですが、当面の取り組みの丸1のところでJAXAラボという非常にユニークな取り組みを上げていただいているんですが、これが具体的にどういう形で運用されていく予定、どういうことを想定されているのか。つまりJAXAにはすでに研究者の方いらっしゃると思いますし、研究開発法人としていろいろな研究活動されていると思うんですけど、こういった地球低軌道利用というところの分野に絞った何か研究チームみたいなものを作って、そこでこういったシーズをいろいろ探していくといった萌芽的研究に取り組んでいくというイメージなのか。その場合、それに携わられる研究者というのはすでにJAXAの方にいらっしゃる、もしくは今後参加していただくような方に声かけをしていただくのかという、以上の3点を伺えればと思いました。よろしくお願いいたします。
 
【原田戦略官】  ありがとうございます。1点目、これまでの探査ハブやJ-SPARCとの違いですが、基本的には大きく変えるつもりはなく、基本的には同じ考え方です。J-SPARCと探査ハブは違う取組で、これまでの探査イノベーションハブは基本的には宇宙探査関係を中心に相模原に拠点があり、宇宙探査の技術を地上に生かすとか、あるいは地上の技術を国際宇宙探査に生かすといったものですが、今回のものは地球低軌道にフィーチャリングをしたいと思っています。既存の宇宙探査イノベーションハブの中でも低軌道関連のものを取り上げたことはありましたが、あくまでも宇宙探査にも関わるものという形の仕切りとなっております。ここを、できましたらLEO、地球低軌道利用に特化した形のハブ機能を考えているところでございます。あと、こちらも検討中なのですが、イノベーションハブの機能に関しては、国際共同研究などに関する支援が若干弱いと考えておりますので、地球低軌道利用に関しまして我が国のみならず各国を含めた事業共創活動みたいなのも使えるような形できないか、今後の少し新しいものとして、そういった面も考えていきたいところです。
2つ目の質問でございますけれども、使い勝手のところ、具体的にシャープにこうすれば使い勝手がよくなるというのはなかなか書きづらかった部分があるのですが、一部文章の中で、例えば、ある意味、低軌道の利用方策をよくわからない、あるいは自分で使うのはちょっと難しいといった方に対して、JAXAラボのような機能や、JAXAの技術的助言機能が間に介在する、また、人材育成に関して間に立つようなインターフェースとなるような人材も記載していますが、そういった方が間に入ることによって、使い勝手の難しいところのギャップを埋めるような仕組みにならないかと考えています。そのような形で随所に使い勝手の悪さの解消といったところに取り組めればと考えさせていただいた次第です。
3つ目でございますけれども、ご指摘の通り、JAXAラボのアイディア、今は構想段階でございますけれども、JAXAの中に「きぼう」を利用した研究者の方もおりますし、ISASのほうにも、宇宙環境利用科学研究という形ではあったのですが、今回、有望領域、特定領域に関してある意味フィーチャリングをさせていただいた上で、もう少し強力にそういった形でJAXAの中で研究者を抱えるような形ができればと考えているところですが、具体策は今後も検討していきたいと思っています。我々も様々なコミュニケーションをする段階で、JAXAはJAXAの中にいらっしゃる技術者の方、研究者の方でいろんな成果も生んできたところはありますが、まだ機能の弱い部分とか、研究活動に特化するような位置づけが弱い面もありますので、そういったところも含めて、研究をしやすい環境づくりを行い、あとは人的なリソースについては、委員ご指摘の通り、直ちに第一線級の研究者をJAXAに呼び寄せられるわけではなく、またすぐ生まれるわけではないので、当面の間、いろんな最先端の研究機関や大学の方との連携などを通じて、クロスアポイントとかそういった形の取組を通じて、外の知見をうまくJAXAの中に取り込めるような形で進めさせていただければと現段階では考えているところでございます。以上です。
 
【永山委員】  ありがとうございました。最後のところで、JAXAの人材の育成確保というところに言及いただいたのは大事だなと思っておりまして、やはり全体見てもJAXAさんのミッションというか、やらなきゃいけないこと非常に幅広くありますので、これが絵に描いた餅にならないように、ぜひきちんと体制整備を進めていただければと思います。以上です。
 
【中須賀主査】  ありがとうございました。それでは石井委員お願いいたします。
 
【石井委員】  本日は非常に包括的な説明をいただきましてありがとうございました。私からコメントが一つと質問が一つございます。まずコメントですけれども、国際的な協力というところが例えば5ページの14行目などにも書かれていて、私のコメントは、これをもう少し強調できるのではないかということです。といいますのは、今日お配りいただいている資料のうち、資料68-1-4の中にもこれまで日本がどのような国際的な貢献を行ってきたのかということが非常に具体的に書かれていると。その中にはタイ、マレーシアとか、その他アジア、ラテンアメリカなどの途上国、新興国が日本の「きぼう」を通じて衛星保有国になったり、あるいは宇宙活動への参入を果たしたということが書かれていたりします。こういったことは非常に意義があることだと思いますので、具体的にアピールしてもいいのではないでしょうかというのがコメントになります。具体的な事例は書いてないんですけれども、このスライドに挙げられているような事例というのはメンションがあってもいいんではないかと考えました。質問のほうはこれにつながるんですけれども、ポストISSでこれまで行ってきたこういった途中国であるとか新興国の支援というのはどういった形になっていくのかということです。せっかく日本がこういった宇宙活動を行うケイパビリティを持っているということですので、やはり日本の国際社会におけるプレゼンスを維持するという意味でも何らかの貢献があったほうがいいと思うんですけれども、この点について何か構想があったら教えていただきたいと思いました。以上です。
 
【原田戦略官】  ありがとうございます。1点目のご質問、コメントにつきましては検討させていただきます。2点目のご質問につきましては、新興国などの支援も含めたポストISS利用ですが、現行の「きぼう」で委員もご承知の通り、APRSAFなどで「きぼう」の利用促進の取組をさせていただいているところでございますので、そういった取組がポストISSにおいても引き続き、もちろん可能な範囲という形にはなりますが、継続できればと考えております。また、先ほどの話の繰り返しになってしまいますけれども、こういった民間事業者の拡大なども含めた協業活動におきましては、国際的な協業活動や国際的共同研究といったところも、今後機能を強化するという意味では、先進国に限らず、新興国の事業者や大学の方との共同研究なども通じ、ある意味日本とってメリットとなる付加価値につながっていくのではないかと、オープンイノベーションハブといった形、大学等における研究支援の中、また、国際的活動の推進といったところで記載していますが、そういった機能を継続できるのではないかと考えているところです。
 
【石井委員】  ありがとうございます。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。植木委員お願いいたします。
 
【植木委員】  どうもありがとうございます。ちょっとランダムになるかもしれませんけども、何点か聞かせていただければ思います。この文書の性質ということで、論点議論の整理の割とメモ的なものかなと最初思っていたんですけれども、最後のほうにこれを使って広くいろんな方々に読んでいただいてっていうところが出てきたので、それを踏まえてのいくつかコメントですけれども、広く読んでいただいて今それほど関心のない方の関心を呼び起こしたりとか、あるいはあんまり知らないことを知っていただくというところが目的にあるのであるとすると、広く一般ではないですけど、ある程度関心を持っている人が読むだけにしても少しわかりづらいかなというところがありますので、できればいろいろな要望があると思うんですけども、一言それについて枕詞のような形で書かれてたりするとわかりやすいかなというのが1点です。あと構成ですけども、これまでの成果がたくさん書かれていて、そしてその後、方向性のところにはたくさん書かれているんですけども、いろいろな実績とか歴史的なものとか書かれている後で、割といきなり成果の例っがポンと出てくるんですけども、自分で読む人がいるときのためには5ページ目の成果の例っていうところ、少し文章でつなげて、中身がわかりやすい形で提示してあげたらどうかなと思います。その後に課題がくるんですけども、課題のところは割と読みやすい形で口語的にあえてしましたっていうご説明でしたが、ユーザー視点の課題例がどのように出されたかって説明がなく結構書かれているので、ひょっとしたらこれが代表的な意見なのか、一体誰の意見なのかとかもよくわからないで、歴史的な成果でいきなり課題になるので、ここも一言どういうふうな場面で選ばれた、どういう参考としての声なのか、代表的な声なのか、その辺を書いたほうが良いのかなと思います。ですから、先ほどワークショップ、アンケートなどでもらった意見ということ、なんとなく抽出されたとおっしゃっていましたが、もう少し読んだ人がこれが一体どういう人たちの意見なのかっていうのがわかったほうが親切かなと思います。ここの過去の成果とユーザー視点の課題の間の後に、今後宇宙ステーションが民間主体になっていくわけですけども、それによって期待される成果みたいなところがあるといいのかなと思います。アメリカが決めたからこっちもこうなりますよというよりも、プラスの意味でこういうような成果が期待されますっていうのがつなぎにあると、割と将来の姿として、大きな絵としていいのかなと思いました。先ほど石井委員がおっしゃっていた国際協力のアピールというところにはわたくしも賛成です。これまで日本が取り組んでいる中で、先ほど石井委員がおっしゃったようなこととか、あるいはルールをきちっとまとめて守ってやってきていることとかについても書いていいのではないかなと思います。それに少し付随するような形で、15ページあたりにルール作りのお話があったと思うんですけれども、国際的なルールが民間主体になって、いろんな国の民間の人とかもいずれ参入していく中で、やはり国際的なルールっていうものがしっかりしていることがとても重要ですし、日本が主導的にそのルール作りを進めていくことも重要なのかなと思います。先ほどのご説明で、自然発生的にルールは決まってくるだろうというようなお話ありましたけど、私はルールは自然発生的にはおそらく決まらないと思いますので、ここで国際ルールをきちっとしていくことは研究のあり方、宇宙のあり方とかにも通じていくところにもなるのかなと思って、ここも重要なのではないかなと思っています。ものすごく詳しくまとめてくださって、いろいろな取り組みが書かれていて大変良いと思いますが、先ほどにもあったように、コメントのあった課題のところに答えるような形でどこかにまとめがあると文書として読みやすいのかなと思いました。例えばJAXAラボとか、あるいは過去のデータベースを作っている、関心を持った人がおそらくそこに行って自分の事業とかとの関連を見られたりするのではないかと思うんですけど、どこかでまとめて紹介するような箇所があって、それで詳しく入っていくといいのかなと思います。
質問ですけども、このイノベーション創出とかのところで、9ページですかね。これはいろんなところのニーズとかでイノベーションを促進したりとかってやっていくんだと思うんですけど、これはこういうものをオーガナイズしたりとか。
 
【中須賀主査】  先生、声が聞こえなくなりました。
 
【植木委員】  そうですか。失礼しました。たくさんいろんな取り組みを紹介していただいて、私たちの議論などを反映して大変良いと思ってありがたく思うんですけれども、先ほども話に出ていたように、課題に対する答えがいろんなところにあるので、少しどこかで1カ所でまとめてあると、特に一般的なまだ専門ではないけども関心を持っている層には届きやすいのかなと思いました。例えばこのJAXAラボの話とか、あるいは過去の例についてのデータベースなんかも利用できるものなのではないかと思うんですけども、その辺をどこかまとめて書いてあるといいのかなと思いました。またその後で詳しくしていくにしても。あと質問としてはこの10ページあたりにあるイノベーションの種となる新たな研究事業活動の特定っていうのは、これは主体はJAXAがオーガナイズしていくっていうことでしょうかっていうのが一個質問です。あとは、どこかでこれが議論の整理として、私たちのこれまでの議論の整理と、あと今後広く読んでいただく文章であっても、今後検討していく課題みたいなところもどこかにあってもいいかなと見ております。こういう取り組みなんだっていうところとはまた別に、議論の方向性として、今後残されて議論していくべき課題みたいなところがあると私たち自身にとってもいいのかなと思いました。あととても細かいところで恐縮なんですけども、2ページ目の「宇宙技術基盤や「きぼう」を通じたってなっているところ、「を」が抜けているかなと思います。注が1ばっかりになっていて、通しの注の番号になってないんで、ここはどっかできっと変わるのかなと思っていますけど、あと9ページ目の(2)は(3)なんじゃないかなと思います。以上です。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。いかがでしょう。原田さんから。
 
【原田戦略官】  ありがとうございます。いただいたご指摘、なかなか我々の事務的な、言葉が悪いですけど役所としての文章とするときにこれぐらいが限界なところは若干あるところです。最後のご指摘につきまして、修字的なところ、最後に案を取り、ホームページ掲載させていただくときに、「てにをは」のところや、あと注記も1から振り直したいと思っております。用例のわかりづらさという点は、用例集的なものを最後に付させていただくとともに、成果事例につきましてはなるべく簡潔にしたいという思いがありますので、文章は長くなってしまっているのですが、例えば5ページ目の(成果例)記載は別添の参考資料4~16に飛ばさせていただく形で内容を参照できればということで、代表的事例という形にしていますが、どういった形がよいか考えさせていただきたいと思います。あと課題感の抽出も、これまで昨10月以降、JAXA、民間事業者あるいはアカデミアの方から提示いただいたものを総合的に整理させていただいたものです。必ずしも1対1といったものではないですが、おおむねこういったところだろうという形で抽出、整理させていただいたということで、例示の意味で主なものということであり、細かいものでは受け止めが難しい課題もありますので、例示という形にさせていただいております。その意味で、課題に1対1で対応させるのは難しい面もありますが、今般、いったんの議論の経過という形で整理をさせていただいたところでございます。
 冒頭、委員からもいただきましたとおり、今後コミュニケーションツールとして我々が使っていきたい趣旨を申し上げましたが、もう少し理解しやすさというか、非宇宙分野の方にも受け入れられやすいような形のコミュニケーションとして、この文書、概要資料をベースにもう少しわかりやすい形で工夫させていただきつつ、本体版としてはこういった行政文書的な形で整理とさせていただきたく考えています。課題の整理についても別資料で、現在の課題を例示していますので、今後色々なプレイヤーの方たちとコミュニケーションさせていただく場においてはそのような例示などの形でポイント的に整理をさせていただこうかと思います。
 ご質問いただきましたイノベーション創出の主体のところで、主語がJAXAとなるかどうかは、今後の関係者とも協議をしたいと思っていますし、昨年には例えばクロスユーのような団体がポストISSの課題感についてさまざまなプレイヤーの方とコミュニケーションされていますので、そういった場なども活用させていただきながら、どのようなでどういった利用方策があるかという課題抽出に取り組んでいきたいと考えています。
 また、最後のご指摘ですが、ルール作りのところ、ルールが自然発生的にくることはない点について、いわゆる成文法的なものに関しては当然誰かが筆を動かさなければならない部分はありますが、いわゆる慣習法的なものも当然的に生じ得る中で、我々あるいは宇宙機関が何もしないわけではなく、成文法的な世界になっていく過程においては何らかの関与が必要だろうと思っております。他方、今のところ例えばNASAとかが自ら将来のCLD、ポストISSの世界におきまして、主体的にルールを作ろうっていう動きがまだ見えづらいところもございますので、そういった国際的な動向、特にCLD、あるいは将来ポストISSを見据えた国際ルールについては、我々が主導権を持ってやる意識も大事ですが、なかなか日本単独ではやりづらい部分もございますので、そういった国際的な動向なども見ながら、また、それを単に待つわけでなく、日本にとってより良いあり方も頭の中に描きつつ我々としても対応していきたいと思っており、そういった意味でルールという書き方とさせていただいているところでございます。私から以上です。
 
【中須賀主査】  ありがとうございました。
 
【植木委員】  どうもありがとうございました。
 
【中須賀主査】  よろしいですかね。オンラインから倉本委員お願いいたします。
 
【倉本委員】  私からは2点でして、先ほどの植木委員のコメントとちょっと似てるんですけれども、まずご説明ありがとうございました。これまで議論してきたことをある意味すべて盛り込んだような形になっていて、おそらく次期の委員の皆様にはこういった観点で議論を進めてきたんだと読み取れるものになってるんじゃないかと思いました。一方でこれを次期の委員だけではなくて、外のコミュニティ等々にもお見せするというお話聞きましたので、その意味で私もわかりにくいところがいくつかあるかなと思いました。その中でも特に私が大事かなと思うところ、2点コメントしたいと思います。1点目が、最初のほうなんですけれども、地球低軌道活動という言葉が使われているわけです。これが中身を読みますと基本的にはポストISSに向けた宇宙ステーションを使った活動っていうことではあると思うんですが、ただこの地球低軌道活動という言葉自体はもっと広い意味を持った言葉だと思うんです。特に今お見せいただいているページのとこには衛星を打ち上げたもろもろの活動も含めて地球低軌道活動と読み取れる形になってます。ですので、この文章も守備範囲っていうんですかね。それがもうちょっとわかるような出だしの工夫が必要かなと感じました。例えば低軌道の宇宙ステーション活動のことをこの先は指すとか。あるいは低軌道活動全体の中でこのステーションの活動が極めて重要な位置を占めているので、それについての見解をまとめたものであるとか、そういったタイプの導入があるといいかなと思いました。それから2点目が先ほどもコメントあったところですが、課題と解決に向けた取り組みの対応関係をやっぱりもうちょっとわかりやすく整理いただけるといいかなという気がいたしました。特に課題に関しては、民間のほうに役割の比重を高めていくというところ。これが1番根っこにある課題だと思うんです。そこが若干課題の整理のところでは薄まっているかなっていうところがあると、それから7ページ以降の今後どういうふうに取り組みを進めていくのかっていうことで、実はそこはいろいろ課題が整理されてるからこういったことをやるんだっていう形に基本的になってると思うんです。そういうその塊として課題のほうもうまく再整理いただけると第三者が読んだときにわかりやすくなるかなと思いました。以上です。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。原田さんどうでしょう。
 
【原田戦略官】  委員ご指摘の通りで、冒頭の地球低軌道度活動はまさに地球観測衛星が飛んでるとか、コンステレーションも飛んでますので、そことの峻別といったところがありますが、ただ、過去の小委員会では、だいたい地球低軌道活動という表題を打っており、ISSやポストISSの議論をこれまで継続してきた経緯との連続性を持って記載をさせていただいたところです。この文章においては意味の注記を言及させていただきたいと思います。
 植木委員にもご指摘いただいております課題との対応関係でございますが、必ずしも1対1というわけではなく、またその課題の例でございますので、受け止めが仕切れない部分もありますが、何らかの形で、表になるのかチャートになるのかということも含め、少し工夫をさせていただきたいと思います。
 
【中須賀主査】  倉本委員どうでしょう。
 
【倉本委員】  はい。よろしくお願いいたします。
 
【中須賀主査】  要するにまさにどう解決していくかっていうのは、おそらく次期の議論の深掘りの中の大事なテーマなので、今こういうアイディアが出てきてて、これはまだ課題で残っていると。これが明確に見えたら次の議論しやすくなりますよね。そういう形でうまく整理されているといいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。はい。若田委員どうぞ。
 
【若田委員】  ありがとうございます。意義のところとか、やはり拠点と輸送手段が両方あって初めて地球低軌道活動が推進されるということで、この辺、追加いただきましてありがとうございました。やはりアメリカとかソ連、ロシアとかと違って日本は有人宇宙活動は利用の部分から入ってますので、その辺の強み、これが世界最高水準になってるところはアピールしていくべきかなと思います。提案なんですけども、石井委員、植木委員からもあったところにつながる国際的なプレゼンスというところなんですけども、成果と同時に国際的なプレゼンス、特にアジアでの存在感のアピールといった形で何らかの表記があってもいいのかなとは思っております。具体的に今後の取り組みのところ、12ページの丸3のところに、ここで考えられる取り組み方策の中で、有人宇宙技術についていくつか列挙されてますけれども、やはり網羅性はあると思うんですけども、どういったところをなぜやっていくかといったことを言及があってもいいのかなと思います。これまで月探査に向けた国際宇宙探査の小委員会の中でも、やはり当時、数年前、四つの技術といって、優位性、波及性の高い技術。有人宇宙滞在技術とか重力天体着陸技術とか物資輸送技術とか明確な強みとなるものを進めていこうということがこういったところで書かれていたというところがあって、そこはやはり実際に我が国の月探査につながっているところがあるかなと思います。この辺は中須賀主査推されてる次の議論のとこかもしれませんけども、やはりそこにつながるということで、なぜアジアでなぜ日本がここをやるかっていったときに、やっぱり我が国がISS、「きぼう」を通して培ってきた技術。強みのある技術。それが波及性が高いか、優位性が高いか、別の表現もあるかもしれませんけども、そういったところに注力していくことが組み込まれてもいいのかなと思います。でやっぱりそういったことを伸ばしていくことによって、国際協力で進められる活動の中でのサプライチェーンとして日本の立ち位置が高くなっていくと思いますし、「こうのとり」のキャプチャーバースディングのようなものを日本がリードしてやったことで、やはりある意味ではそれがデファクト、安全スタンダードになって、ルールメイキングの中でやはり存在感があると思いますので、やはり我が国が培ってきたものと、それをさらに優位性を高めて波及性が高いものに注力して、地球低軌道でも技術を磨いていくっていう表現があるといいんじゃないかなと思いました。それがやっぱりアジアの中でリードできる分野といったところにつながっていくんじゃないかなと思います。以上です。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。原田さんいかがですか。
 
【原田戦略官】  ご指摘ありがとうございました。今ご指摘いただきました12ページのところで、過去の小委員会の議論との連続性の中で、ご指摘いただいたような波及性とか優位性といったところを含めて、こういった宇宙滞在拠点技術であるとか搭乗員に関する技術っていうところもご指摘いただいたところでございます。こういった取組は基本的には継続させていただくとして、この四つの技術を記載させていただいていますが、引き続き、どういった技術で日本が強みを発揮すべきかという点は将来の宇宙探査を見据えながらということもあり、今後のより深掘りの議論の課題として提示をさせていただきたいと思います。
 
【若田委員】  わかりました。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】  このアジア等での展開ってやっぱりすごく大事ですよね。ISSアジアの中で日本だけが今マネジメント参加しているということで、例えば昔に出た議論でいうと、アジア人宇宙飛行士を日本がアレンジして乗っけてあげるとか、こうやることによってアジアにおける低軌道活動、有人低軌道活動の日本がある種の拠点に今なっている。この価値をもっと本当は生かさなきゃいけないんじゃないかなっていう気がしています。これはポストISSになってもアジアでもやっぱり無重力実験とかをしたいっていう企業さん、いろんな人たちが出てくるだろうと思われることを考えれば、そこにおける今から先鞭をつけておくと。日本がそのときには受け皿になっていくという、こういう方向に必ずつながると思うので、そういう観点でも今アジアの中である種日本が唯一であるというこの立場をできる限り生かしていくことがやっぱりすごく必要かなって思います。この辺をもう少し強く書き込んだほうがいいっていうのは私も賛成です。ありがとうございました。はい。金山委員どうぞ。
 
【金山委員】  14ページの1番下のところのプログラム推進体制の構築というところなんですけれども、さらりと書いてあるんですが、私個人的にはものすごい重要な機能じゃないかなと思っています。長期にわたり全体を一貫してプログラムマネジメントできるような機能を作ろうということだと思うのですが、「対象:国/JAXAが委嘱」というのは具体的にどこに委嘱することを想定されているのでしょうか。
 
【原田戦略官】  ご質問ありがとうございます。国の政策になりますので、基本的には政策のプログラムの実施責任は国なり文科省なり政府として請け負うのですが、他方で、プラクティカルな話をすると、我々行政機関もどうしても人の入替りなどもある世界ですので、それを補完するような形のプログラム推進体制等が必要だろうということで、その意味で委嘱ということを書かせていただいています。ただ、具体的にJAXA内にそういった委嘱機能を置くのか、あるいはJAXAに委嘱した上でさらにそういったところをサポートしていただけるような機能となるのかは、あるべき姿を今後も検討していく必要があるかと思っています。あえて付言するならば、こういったプログラム、あるいはプロジェクトの推進体制とか評価、マネジメント体制というのは、プレイヤーが増えるとそれだけ中身の運営が硬くなってしまうというか、そういう意味での煩雑さや、管理や評価が多くなると大学や研究現場で評価疲れが起きてたりするところもございますので、そういったものをどうバランスさせるのが良いか、今後またいろんな方と意見交換をさせていただきたいと考えております。
 
【金山委員】  ありがとうございます。確かに政府は数年で人が変わって行くという状況の中で長期的なプログラムを維持するのは結構大変なことだと思うのですが、例えばアメリカではFFRDCみたいな組織があって、代表的なのがエアロスぺースコーポレーションですけれども、国に代わって長い間一つのプログラムを一貫して見るような仕事を請け負って、それも直接、民間とは競争しないような形で取り組まれています。もしかしたらこのような長期的な取り組みを政府以外の組織に任せてみるという考えに基づいた組織づくりというのも、これをきっかけに日本でもあってもいいのではないかと思い、コメントさせていただきました。ありがとうございました。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。私全く同感です。日本だとなかなかそういう組織が、予算、要するに財務システムの課題もあってなかなかできないというところあるんですけど、本当に必要なんです。さっきおっしゃったように政府の方々も2年でコロコロ変わるという。仕方がないんですけれども、それを超えてずっと継続してしっかりプログラムを回していく。それをどこかの拠点に置かなきゃいけない。毎年公募みたいな形で1番安いのを出したところ選んでいくというのは、こういう例えば調査分析にしても戦略立案にしても、それをやっているんじゃ全然知見がたまっていかないんです。そうではなくて日本、国の中のある組織がしっかりこの分野を保っていく。継続してやる中で知見がたまっていき、あるいは国際的な人的ネットワークもできていって、中にいる人もいろいろ失敗もしながら経験もたまっていく。そういう人がしっかりと、プロジェクトじゃなくて、プログラムですよね。さっきアメリカのエアロスペースコーポレーション、もともとはそういったモチベーションで起こったところが今はものすごく大きな組織にさらになっていった。こういうのやっぱ日本で作っていかなきゃいけないと、これはずっと私も政策委員会の中で言い続けて、なかなかやっぱり難しい。一部、できつつありますけれど、まだまだこれしっかりやっていかなければいけないので、これをどう作っていくか。一つ例としては宇宙科学探査の分野だと宇宙科研究所がまさに拠点になっていて、ある種、共同利用機関になって、いろんな大学が全部みんな宇宙科学やるには宇宙研を見る。その中で、宇宙研以外の先生なんかも入れた宇宙理学院会とか工学院会ができて、その中で全体のプランニングを行ったり、あるいはたくさん出てきたプロポーザルの中でどれを選ぶかっていう判断をしている。宇宙研における宇宙科学の回し方っていうのは一つの参考になるんじゃないかなという気もしていますので、そういったことも参考にしながら、どんな組織を今の財務システムの中で作っていけるかはぜひ考えていただきたいなと思うところでございます。それからもう一つは、実はアウトリーチ活動。これいろんな企業が、特にベンチャー会社なんかが今、宇宙環境利用で出てきていて、それらがアウトリーチのいろんな活動を今、始めているんです。これはものすごく元気に動いているんだけれども、それぞれ別々にやるっていうのも一つ必要かもしれませんけど、ある種の協調領域だと思うので、この利用開拓においては。日本で大きなイベントをやって、そういった人たちがみんな入ってくるようなみんなでのアウトリーチ活動もあってもいいんじゃないかなと。それもさっき言った全体をプロマネしていくような日本の組織の中で計画をしていくということも、さっきの組織の一つのファンクションとしては必要かなという気がしております。アウトリーチをして、どんどん広げて、ある種日本の中にムーブメントを作っていく。これはもちろん民間企業なんかの手伝いを借りながら。それからいろんな提案を集めていく機能。その中で、どれを最初のプライオリティを高くしてお金をつけていくかということを決めていく機能。それから最後はビジネスにつながるところは少し伴走していく機能。あるいはインキュベーションのためにファンド紹介するとかいろんなことをやっていく機能とかいくつかあると思いますけれども、いずれにしてもそれら全体を回していくようなボディ、ちゃんとした組織が日本に一つ必要かなと私も非常に強く思います。これどうするかは原田さん今悩んでるかと思いますけど、これぜひやっていかないと継続的にできないと思いますんで、この委員会も含めて、みんなで考えていければいいなと思うところでございます。どうぞ。
 
 
【嶋崎課長】  嶋崎でございます。ご意見ありがとうございます。全くその通りだと思います。その一方で、ポストISS時代に入っていく中で、国として、日本としてどう関与していくのか。まさにこの委員会、小委員会でもご議論をいただいているところでありますし、まずはJAXAを起点とした国プロの中でどういった活動を支えていけるのか。それに関するプログラムマネジメントをしっかりやっていく中で、他の事業者等も成熟をしてきて、国のプロジェクトだけではなくていろんな広がりができたところで、先ほど主査からもご指摘があったような体制への移行も睨みながら検討していくことがより現実的かなと。なかなか自分の足で立って低軌道利用をやっていこうというのは出てきてはいるところではありますけども、やはり起点になるのは「きぼう」であったり、JAXAを起点とした国プロが大きな役割を果たすということはしばらくは変わらないと思いますので、その中でしっかり形を作っていくところから検討していくのがいいんじゃないかなということ。全くのコメントでございます。
 
【中須賀主査】  ありがとうございます。そういう方向でぜひ次期議論を進めていきたいなと思いますのでよろしくお願いいたします。他いかがでしょう。一通り皆さんからのご意見いただきましたけれども、よろしいでしょうか。これまだもちろん最終というわけではなくて、ある種12期における議論の整理という形で、to be continued、今後につなげていくという類のものでございますので、まずはよろしければ今の段階で一度まずこれでクローズさせていただいて、13期につなげていくという形にさせていただいてよろしいでしょうか。よろしければ、今いただいた意見を元に事務局のほうで少し修正を加えられると思いますけれども、それに関して、最後は私にご一任いただければと思いますが、それも含めてよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、あと原田さんにお渡しいたします。
 
【原田戦略官】  ありがとうございます。本日取りまとめという形ではありませんが、第12期ということでの地球低軌道の在り方に関する議論として整理とさせていただきます。今後、ISS・ポストISSを含めた地球低軌道活動の在り方に関しては、オープンな議論テーマだと考えておりますので、今回の小委員会としてのテキストを、そういった議論において活用させていただきたいと考えています。改めまして、小委員会の委員の皆さまにおかれましては、昨年秋頃から本件にかかるご審議いただきましたことに改めて御礼を申し上げたいと思います。
 
【中須賀主査】  あともう一つか二つ事項があるということで、事務局からよろしくお願いいたします。
 
【原田戦略官】  すみません。机上配布資料ということで、傍聴の方には恐縮ですが、横紙の資料を何枚か配布させていただいております。ご覧をいただければと思います。こちらの資料、次の小委員会でいわゆる最近の地球低軌道とか国際宇宙探査の動向という形で盛り込ませていただく予定でございますが、速報版ということで情報共有させていただくものでございます。
 1つ目は国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」利用シンポジウムが2月3日にございましたので、そちらの概略のご報告となります。冒頭、中須賀先生からも少しご紹介がありましたけれども、先週月曜日ですが、東京ポートシティ竹芝において、「きぼう」利用シンポジウム2025が開催されました。当日は現地での参加者あるいはオンラインの参加者を含めて、全部で850名ぐらい。現地で速報で350名、接続数は500名。アーカイブ配信の方の再生数は延べ1万3千回あると聞いております。オープニングではJAXAの担当理事である松浦理事の主催者挨拶とともに、文科省から赤松文部科学大臣政務官にご挨拶をいただき、NASAのRobyn Gatensさん、JAXAの古川宇宙飛行士からもビデオメッセージなどをいただいております。中身としては、HTV-Xの開発状況や、今年打上げを目指しているHTV-Xや、「きぼう」のライフサイエンス利用、また商業利用ということに関しましては宇宙戦略基金の状況、あるいは将来事業構想を持っていらっしゃるような、今日も、これまでもヒアリングとかさせていただいたようなCLD事業者と連携を目指すような事業者の方などからもいろいろインプットをいただき、プログラムが進行されました。当小委員会を代表して中須賀主査から小委員会の検討状況をご紹介いただきまして、ポストISS、2030年以降の低軌道の利用の在り方に続く検討を行っているということで、ご紹介いただいたところでございます。これが1点目でございます。
 一枚めくっていただいて、タイムラインのところは飛ばしていただいて、3ページ目になりますが、机上範囲の2枚目ということで、日米首脳会談が先週末、アメリカ時間の2月7日、日本時間の2月8日未明、ワシントンDCにおいて石破総理とトランプ大統領による初の対面の会談で日米首脳の共同声明が出されております。その中でISSとアルテミス計画に関連する記述がございましたので、簡単でございますけれどもご紹介となります。引き続き両国が民生宇宙、航空科学及び両国の宇宙飛行士が参加するISS Crew-10ミッション、これは大西宇宙飛行士が搭乗するCrew-10ミッション、あるいはアルテミスにおける将来のミッションでの月面探査を含む有人探査にかかる強力な日米両国のパートナーシップを継続する意図を共有するといった形で記載がございます。こちらのほう、先般の日米首脳会談で共同声明3枚ほどのページになっておりますけれども、その中で本小委員会のカバレッジであるISSであるとか、アルテミス計画のところも取り上げられたということでのご紹介となります。私からは以上です。
 
【中須賀主査】  ありがとうございました。この件に関して何かご質問等がございますでしょうか。よろしいでしょうかね。それでは特にご質問等ないようですので、これで終わりにしたいと思います。以上で、本日予定していた議事は全て終了でございます。最後、事務局から連絡事項があればお願いいたします。
 
【川端補佐】  本日の議事録や資料は文部科学省のホームページに公開いたします。また資料についてはすでにホームページに掲載しております。今回先生方からいろいろご意見ございましたので、議論の整理に関する文書への意見の反映をしまして、小委員会のホームページに掲載させていただきます。また本日が今期、第12期の最後の小委員会となりますため、研究開発局、橋爪大臣官房審議官から一言挨拶をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 
【橋爪審議官】  本日は活発なご議論いただきましてありがとうございます。先ほどありましたように第12期の最終会ということでございますので、一言お礼を申し上げたいと思います。私自身は8月からの着任でありましたけれども、先生方には令和5年から2年間にわたりまして様々な課題をご議論いただいたとご理解をしております。ありがとうございます。この間もご案内の通りでございますけれども、宇宙開発非常に大きく発展、それから変化をしてまいったのではないかと思います。具体例挙げますと、まずSLIMの月面ピンポイント着陸の成功。これも大きな成果でありましたし、先日はSORA-Q(ソラキュー)がオープンイノベーション大賞で内閣総理大臣賞を受賞したという、そういううれしい追加の成果もございました。それからアルテミス計画につきましては、日米の非常に重要な協力の課題となっておりまして、日本がゲートウェイの機器の提供。それから有人油圧ローバーの開発。これらをしっかりと進めていくとともに、アメリカの側としても日本人宇宙飛行士の着陸機会をしっかりと確保していくということで、堅い協力関係ができてきているのではないかと思います。日本人の宇宙飛行士に関しましても、新たに採用されていた米田飛行士、諏訪飛行士がJAXAの宇宙飛行士に正式に認定されるという動きもございました。地球低軌道活動に関しましては、ISSの退役後のポストISSに向けた動きがアメリカでも非常に加速されてきているという状況でございます。またいろいろ議論もありましたけれども、宇宙の活動の対応に関しましても大きく変わってきておりまして、民間とか新しい主体の参入というのがどんどん進んで、すそ野の拡大というのが大きな課題になってございますし、それに合わせてJAXAの役割というものもどんどん変わっていかなければならない。新しく宇宙戦略基金が創設されまして、JAXAも新しい活動を始めている。こういった大きな変化が非常に早いスピードで進展しているという中で、第12期、非常に難しい時期だったのではないかと感じでございます。そんな中で、先生方には月面探査における当面の取り組みと進め方について報告書を取りまとめていただいたことに加えまして、本日も今後のISS、ポストISSの利用拡大に向けた我が国の地球低軌道活動についての議論というものをいったん整理いただいたという形でございます。いずれも、日本の宇宙開発の今後の方向性、それからムーブメントをつくっていくための道筋を示す大変重要なものであると我々認識しておりまして、そういった先導的な議論をいただいたことにつきまして、改めて御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。この本日の議論いったん整理でありますけれども、第13期にしっかり引き継がせていただいて、また発展をさせていきたいと考えております。先生方にはまた引き続きいろんな場面でご指導いただくことになるかと思いますけれども、私どももJAXA、それから新しい民間の主体、それからアカデミアの皆さま、いろんなアクターと、もちろん内閣府等々の関係省庁とも連携をして、しっかりと日本の宇宙開発進めていきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
 
【中須賀主査】  橋爪審議官、非常に力強いお言葉ありがとうございました。それでは以上をもちまして、本日は閉会といたします。ありがとうございました。

(了)
 

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