令和6年6月5日(水曜日) 10時00分~12時00分
オンライン
臨時委員 中須賀 真一【主査】
専門委員 高橋 忠幸【主査代理】
専門委員 石井 由梨佳
専門委員 植木 千可子
専門委員 金山 秀樹
専門委員 倉本 圭
専門委員 佐藤 智典
臨時委員 高鳥 登志郎
専門委員 竹森 祐樹
臨時委員 永山 悦子
研究開発局長 千原 由幸
大臣官房審議官(研究開発局担当) 永井 雅規
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 鈴木 優香
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長補佐 橋本 郁也
(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事 松浦 真弓
宇宙科学研究所 副所長 藤本 正樹
宇宙科学研究所科学推進部 計画マネージャ 加持 勇介
有人宇宙技術部門事業推進部 部長 小川 志保
有人宇宙技術部門事業推進部 計画マネージャ 宮崎 和宏
国際宇宙探査センター事業推進室 室長 永井 直樹
【事務局】 事務局の文部科学省宇宙利用推進室の橋本でございます。
定刻となりましたので、ただいまより国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の第62回を開催いたします。本日は委員の皆様お集まりいただきましてありがとうございます。本日の会議は12時まで予定しております。
まず最初に資料の確認をさせていただきます。議事次第を御参照の上、必要な書類に不備等ございましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。よろしいでしょうか。
本日ですけれども、お手元にマイク兼スピーカーを用意してございます。マイクの手前側にあるスイッチを押していただくとボタンが赤く光り、御発言が可能となりますが、お一人ずつしかスイッチが入りませんので、御発言後にはマイクのスイッチを切っていただきますようお願いいたします。
なお、本日は全議題公開での実施となっております。またYouTubeの配信をしております。事務局からは以上でございます。
【中須賀主査】 それでは、始めたいと思います。
本日も当面の月面探査の進め方についての議論を進めてまいりたいと思います。今日は皆さん参加していただいて、お二方がオンラインということで、どうぞよろしくお願いいたします。最後まで活発な御意見いただければというふうに思います。
まず、議題1として、「火星の科学探査について」JAXAさんより御説明いただければと思います。
<JAXAより資料62-1-1に基づいて説明>
【中須賀主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問・御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。高橋先生、お願いします。
【高橋主査代理】 今の説明はとても良かったと思っております。
特に日本は火星探査において、技術に遅れをとってきたということを前提にして、いかにうまくやっていくかというのが力強く書かれている資料だったと思います。
質問は2つあるのですが、一つは、初期からの民間企業と大学との連携と書いてある10頁の最後の文章がありますけれども、これは実は昔から宇宙科学研究所などでは言われていた言葉だと思うのですね。何か新しい仕組み、今までを変える、あるいは発展させる、新しい仕組みというのは何かアイディアがあるのかどうか、お聞きしたかったです。
それから、もう一つの質問は、アルテミス計画への貢献及び連携ということですけれども、月への往復というお話と、それから火星との往復という話を、どのように連続的につなげるのかということをちょっとお聞きしたかったです。
【JAXA 藤本副所長】 どうもありがとうございます。
まず、新しい仕組みということですけれども、今までの宇宙探査をやってきた人間というのは、宇宙空間を飛びながら探査をするということの専門家が多くて、ある天体の表面に降りて、どうのこうの、というところは、実はそんなに経験があるわけではないのですね。
そういったことをやろうと思って、実はそれはロボット分野の方がものすごく地上においてはすごく活躍されてきたので、今後はそういったロボット分野の方々とどんどん協力をしていかなければいけないということがキーワードになると思います。
ですので、例えばですけれども、オーストラリアにおいては、資源探査をする上ではロボットがすごく活躍しているので、そういった方をどんどん巻き込んでいくとか、そういったことは強く意識しています。
それと、もちろんこちらがコントロールすることではないのですけれども、民間をどんどん巻き込んでいこうということで、今宇宙戦略基金という話がありますので、そこに民間の方から面白いアイディアが提供されて、それを活用していくということについて、我々はアンテナを張っていなければいけないと考えています。
後者です。月輸送と火星輸送の関係ですけれども、これも、できたらシスルナスペース以遠の空間への輸送ということについては、どんどん共通化していけないか、というようなことは、全然概念レベルではありますけれども考えています。
その行き先だとか、あるいは行き先によって規模が違うだとか、いろいろなことがある中で共通化していくということは、そんなに簡単ではないですけれども、そういうことができれば、探査する現場に行くこと自身はそんなに心配することなく、現場に着いたあと、探査でいかに面白いことをするか、ということに集中して、探査機を開発していきますので、非常に物事をやりやすくなるな、というようなことは、全然概念レベルではありますけれども、考えているというような段階で、その辺りも民間の方のアイディアなどを活用して進めていきたいというふうに考えています。以上です。
【高橋主査代理】 ありがとうございます。
もうちょっと詳しいことはあとで出てくると思うのですけれども、一方で、宇宙科学のある種の課題というものは、いかに早く物事を行うかというのをどうやって担保するか、ということだと思うのですけれども、例えば、政策的な支援も含めて、迅速に物事を進めるには、どうしたらいいのでしょうか。やはりキャッチアップするには早くやっていかないといけないということもおっしゃっていたと思うのですけれども、そこは何か考えがありますか。
【JAXA 藤本副所長】 スピードですよね。スピードは、こちらで必ずしもコントロールできることではないですけれども、一つスピードと関連して考えていることは、やはり規模のコントロールだと思うのですよね。 面白いことをやろうと思うと、どうしても大規模になりがちですけれども、今おっしゃったように、ゆっくりすごく大規模ですごいことをやるのか、あるいはさっさと小規模で面白いことをやるのか、というと、特に火星探査においては、日本にとっての許された領域というのですかね、日本が活躍できる領域というものは後者だと思います。
ですので、スピード感とある種の裏表として、規模は抑えながらも、そういった小規模な範囲の中で面白いことをやっていくということは、原則として持ち続けることがすごく大事だと思っています。
同時に、規模が小さいと海外などでいろいろな方と喋っていると、火星探査はやはり皆さん誰もがやりたいと思うことですけれども、欧米のような大規模なミッションですと、みんながみんな参加できるわけではないのですね。
ですけれども、今は宇宙新興国で結構いろいろな技術を持っている方がいて、そういった方が火星探査に参加しようと思うと、例えば、日本が小規模なものを、大規模なものよりはスピーディーな形で、かつ前広に、どういう形で日本の火星ミッションをやっていきますよ、ということを明示しながら進めていけば、本当にスピードが上がるかどうか分かりませんけれども、ある種のドライブ感は出てくるのかな、ということを考えています。
ですから、そういった、今までやりたかったけれども、なかなかチャンスが持てなかった人を巻き込んでいくということも、ドライブ感を作る上では非常に大事かなと思っています。
【中須賀主査】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょう。佐藤委員どうぞ。
【佐藤委員】 佐藤でございます。二点ほどお伺いいたします。
今回、火星探査に向けた非常に積極的な構想を御説明いただきましたが、産業界としても一体となって取り組んでいけるよう、努力してまいりたいと存じます。
その際、日本の独自性を出すために、3ステップで、スピーディーに火星探査に取り組んでいくということでチャレンジングなことを行うために非常に理にかなっていると思料しています。特にステップ1は2030年頃と現在から近いので、実験的に我々の独創的な技術を試すことができれば良いかと存じます。
この観点から、ステップ1では、確実に成功させるという考え方をとるのではなく、思い切って、例えば複数の可能性を実験する火星に着陸する小型の探査機を複数機作り、土の機体がどこまで実際に通用するのかを、まず見極めるというように、フェイルファーストするための位置付けになると、さらに独自性のある取組が挑戦できるのではないかと思います。これが一点目でございます。
二点目は、火星探査は未知の領域が非常に多く、リスクがあるものと産業界としては認識しております。
こうした中、ステップを踏みながらやっていくことで、リスクを減らせるということかと思いますが、同時に、例えば、各種予算措置や宇宙戦略基金の使い方について改善していただきたい点がございます。例えば。宇宙戦略基金など、企業に対する補助率のようなことも柔軟に位置付けられていると理解しておりますが、こういったリスクの高い案件の特に初期の取組に対しては、リスクを踏まえながらの、柔軟な運用が肝要だと存じます。この点、産業界として期待しているところであります。以上でございます。
【JAXA 藤本副所長】 ありがとうございます。
ちょっと音声が途切れ途切れだったのですけれども、最初の御質問はステップ1の位置付けだと思います。
おっしゃるように、ステップ1では、まさに日本ならではのやり方、これは本当にそれができるかどうかは民間企業の方のご協力が必要かなと。そのキー技術を持っておられるのは実は民間企業の方ですので、そういった方に本当に火星探査を面白がっていただいて、あるいはそこに何らかのビジネス上のシナジーなどを見出していただいて、参加していただくということがすごく大事ですけれども、ステップ1で本当に日本は全然違うやり方で面白いことをやってくるよね、ということを見せることを狙っています。
ですので、ここは本当に思い切ってやろうということを考えておりますので、今のコメントは多分応援していただいているのだと思うのですけれども、本当にありがとうございます。
2番目のリスクですけれども、火星探査は簡単ではないということは本当によく分かっていて、簡単でないものを思い切ってやろうと思うと、やはりすごく原始的な言い方ですけれども、仲間が多い方がいいというのですかね、本当に一緒にやろうと思ってくれている人を巻き込んでいくことが大事だと思っています。
今おっしゃっていただいたように、宇宙戦略基金というようなフレームワークがある中で、かつ、火星探査は本当に多くの方に興味を持っていただけている領域ですので、ここで、いろいろな民間企業の方にご協力いただいて、火星探査のためだけでない火星探査というのですかね、この火星探査に参加していったことで、何らかのスピンオフが出るような形で、この3ステップを進めていきたいというふうに思っています。以上です。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか?どうぞ倉本先生。
【倉本委員】 倉本です。御説明どうもありがとうございました。
ステップ1、2、3というふうに進んでいって、3のところで目指すところに向けて段階で進めていくという考え方は非常に分かりやすいと思いました。
それで、今予定されている、あるいは検討途上のミッション等々、ステップ1、2、3の関係について少し確認したいのですけれども、MMXはいいとして、火星本星の探査計画として、MIMがあります。これはおそらくペイロードとして着陸機も今検討中だったかと思うのですが、これは3ステップのステップ1の一部に入っていくというイメージでよろしいのでしょうか。
それと、あと多分ステップ1に書かれていることは、MIMだけでは達成できないことだと思っていますので、その先にどうステップアップしていくのか。例えば、国際協力の枠組みでこれを進めていくというイメージか、あるいは日本独自である程度完結できるような形で進めていくイメージなのか、その辺りについて、いただければと思います。よろしくお願いします。
【JAXA 藤本副所長】 ちょっとスライドを動かしていただきます。
Mars Ice Mapperのステップ1、2、3の中における位置付けということが最初の御質問だったと思います。
これは先ほど高橋先生もおっしゃったように、できるだけどんどん進めていきたいと思っていますので、打上げ機会をいかに獲得するかということも一つのキーワードになります。
Mars Ice Mapperをここの資料で敢えてお見せしたのは、ステップ2の打上げ機会として、Mars Ice Mapperがちょうど良いタイミングでありそうなので、そういったことも考えてきましたよと、そういった経緯も含めてここでお見せしました。
そういった議論がそもそもできるためには、日本が火星探査クラブのメンバーになってなければいけないのですけれども、MMXでそういったメンバーシップを手に入れたので、Mars Ice Mapperをステップ2の打上げ機会とするというようなことも、ある程度は現実的に考えられるようになったということがスライドと今の御質問に対する回答になるかと思います。
その一方で、のMars Sample Returnの状況は結構流動的でして、Mars Ice Mapperは今後どうなっていくのかというのは、本当のことを言うとよく分かりません。
ですから、その辺をステップ1、2、3と定義して、かつスピーディーに進めていく中で、打上げ機会をどうやって確保していくか、ということは大きな課題、本当に本気で考えていかなければいけない問題だと思います。今日のスライドでお見せしたのはそういった意図でした。
2番目、よく聞こえなかったのですけれども、ステップ3以降の進め方ということだったと思います。
これは本当いろいろな考え方があるのですけれども、何度も繰り返しになりますが、火星探査は本当にみんながやりたいと思っていて、ステップ3で日本がこういった規模で行きたいところに行けば、結構面白いことができるのだよ、そういったある種のやり方と言うのですかね、火星探査のやり方ということを提示すれば、いろいろな国が日本と一緒にやりたいというふうに思うようになると思うのですよね。
今例えば、アメリカのやり方はまさに一つのやり方を示しているわけですよね。アメリカが火星探査するとしたら、あの規模で、10年に一度、あの規模のものをドーンとやるということを示していて、例えば、そこに日本は参加できていないわけで、なかなかあそこに参加することは難しい。だけど、火星はすごく面白いところなので、自分で探査してみたい。
そんな中で、日本がステップ3で、こんな規模でも行きたいところに行けば面白いことできるんだよ、ということを示せば、そういったミッション全体を作ることはできない、あるいは、アメリカもミッションには参加できないような人が、日本のミッションに参加して、共に火星探査を進めていく。そういった新しい、アルテミスが切り開く、そういった新しい協調、世界協調の形、そんなことができたらいいなというふうに考えています。以上です。
【中須賀主査】 ありがとうございます。それでは、オンラインから植木先生お願いします。
【植木委員】 植木です。どうもありがとうございます。聞こえていますでしょうか。
【中須賀主査】 はい、聞こえています。
【植木委員】 御説明どうもありがとうございました。
伺っていて、全部ワクワクいたしますし、全て面白そうだなと思って伺っていました。
ただ、面白そうなことができるというフレーズが何度も出てきて、面白そうなことというのが具体的にどういうことなのか、あまりよく理解できていないと思うものですから、そこをお尋ねしたいと思います。
小さい規模でも面白いことができるとか、あるいは7頁のところでも日本の位置は面白いところにいるという御説明だったのですけれども、面白いというものを具体的にどういうことを指しているのか、人が考えつかなかったようなことをするということなのか、ほかもしようと思っていたけれども、小さい規模にしたことによってそれが実現するということなのか。そこら辺を教えてください。
それと、クラブに入ることが一つ、それぞれの研究技術の実証、それ自体に意義があることだとはもちろん思うのですけれども、メンバーシップを獲得するという目的も別の次元であるように伺いました。
そのためには、何か定性的でもいいのですけれども、どういったことを実現していけば、メンバーシップに入れるのか、ということを教えていただけますか。
考えてもいなかった面白いことをやっているじゃない、という世界なのか、それとも、ある程度ヨーイドンで走っていて、クリアしなければいけないようなところがあるのかどうか、そういったようなことを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【JAXA 藤本副所長】 御質問ありがとうございます。
多分そちらに倉本さんがいて、多分部屋の中で議論されると一番盛り上がるのかなと思いますけれども、私の方から御説明しますと、1番目の御質問は火星の魅力ということになるのだと思います。
例えば、火星サンプルリターンといって、欧米はおそらく1兆円を超える規模のミッションで、火星の表面からサンプルを持って帰ってきて、それを調べれば、過去に火星に生命がいたかどうかが分かるというような、それこそワクワクするような大きな計画を考えているわけですね。
ですけれども、その計画よくよく見ていると、それこそ火星儀を手に持って、そのミッションが何をするのか、ということを考えていただくと、火星の中のある場所からサンプルを持って帰ってくるという話なのですね。
その場所というのは、ジェゼロクレーターというところで、非常に魅力的な、大昔に洪水が起きて、そこで押し流された土砂が溜まっている三角州があって、地球で言えば、いかにもハマグリとかが棲んでいそうな、そんなところからサンプルを持ち帰ってくるような話ですので、非常に魅力的ではあるのですけれども、火星儀を手に持って、その計画は何をするかということを考えていただくと、火星のある場所からサンプルを持ち帰るという話なわけです。
それはもちろん魅力的ですけれども、火星全体を見渡した時に、あるいは火星の面白さというものの全体を見渡した時に、その1か所からサンプルを持ち帰って全てが分かるというわけではないだろうというのはお気づきになると思います。
ですので、まさに地球はなぜこうなったのかということを考えながら火星探査を進めていこうと思うと、やはりいろいろなところに行って、いろいろと調べてみたいと思うわけですよね。
かつ、欧米がこういう大規模な計画をやってくれているおかげで、そういった話のフレームワークがある中で、でもここも面白いのではないか、という話はいくらでも出てくるので、いろいろと行ってみたいところに、ちょうどいい規模のミッションで、何回か行くということは、火星探査を進めていく上で非常に大事なのだというふうに思います。特に、地球と火星を比較しながら、物事を理解し進めていく上では、非常に大事だと思います。
ですので、日本が面白いことができるといったことは、正確に言えば、火星の面白さを本当に理解するためには、いろいろと気になる場所があって、そこに行かなければいけない。そのためには、ちょうどいい規模のミッションで、ちょうどいい規模のミッションということは、あの観測機もこの観測機も持っていくことはできませんから、ある課題を持って、ある問題意識を持って、その問題意識を解決するために、この観測機器を持っていくのだ、というように、非常にフォーカスした問題意識を持たなければいけないのですけれども、でもそれは、欧米が大きなフレームワークをセットしてくれているおかげで可能なわけですよね。
なので、大きなフレームワークの中で、面白そうなところにフォーカスした問題意識でもって探査を進めることができる。これは科学をやっている人間からすると、非常に面白そうなことができるという状況だと思います。だからよかったら、倉本さんあとで補足してください。
2番目の火星探査クラブ入会ということですけれども、そのためには何をしなければいけないかということですけれども、やはりまずやってみせるということは大事だと思います。
その意味では、MMXが非常に良い入口になりました。MMXは、はやぶさ2で小惑星からのサンプルリターン、小天体からのサンプルリターンをやった日本がやるには当然自然な展開だったのですけれども、でも同時に、火星探査への入口でもあるわけです。
なので、自然に始めながらも、実は次のステップになっていて、次のステップのために一番大きなことは、実は惑星保護をちゃんとやれるのかと。日本として、MMXにおいても、惑星保護ということをちゃんとやれるのかと。
フォボスからのサンプルリターンですから、もちろん火星本体に着陸するほど難しいことではないのですけれども、それでも、かなり真面目にやらない限り突破できないような審査があったわけですけれども、MMXでその審査を突破したので、日本は火星探査について真面目に取り組んでいるよねと。そういった印象は与えられていると思います。
そういった、信頼できるパートナーであること。火星は貴重な研究対象ですから、それを汚したり、それをめちゃくちゃにするようなことは多分許されないのですけれども、そうではなくて、真面目に火星探査に取り組むメンバーだというふうに認知されることは、ウェットな話ですけれども、すごく大事なことだと思っていて、MMXでは良い入口で入っていますし、さらにこの先、例えば、NASAと同じやり方で小さい規模で探査するという言い方をするのではなくて、日本ならではの技術で、相補的に面白い探査のやり方を進めていくんだ、というような主張をしていくことも大事かなと思っています。以上です。
【中須賀主査】 ありがとうございます。 倉本先生に聞きたいのですけれども、またあとで、時間がないのでお願いします。それでは、オンラインからもう一方、石井先生よろしくお願いいたします。
【石井委員】 ありがとうございます。惑星保護方針について、お伺いできればと思いまして、質問させていただきます。
まず、COSPARの方で基準の方が設定されているということですけれども、これがどういうインプリケーションを持つのか、ということです。
特にこの基準においては、要するに汚染をしてはいけないということですけれども、具体的に、この基準を維持しなくてはいけないということが記載されているわけですけれども、どのような技術を使うのかということについて、国際的なコンセンサスはあるのでしょうか、というのが質問です。
日本がそれを獲得していくということですけれども、どういった技術的な課題があって、どういった見通しで獲得されていくのか、ということについても、素人ではよく分かっていませんので教えていただければと思いました。
また、それに関連してですけれども、このCOSPARで示された惑星保護基準を遵守しているのか、ということについて、検証はどのように行うのでしょうか、ということもお伺いできればと思います。
また、アメリカとか中国はどのようにベリフィケーションをしているのか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【JAXA 藤本副所長】 ありがとうございます。
まず、Planetary Protectionということですけれども、基本的には、ある一定以上の微生物を持ち込んではいけないということが大原則になりますので、例えば、探査機を作る時には、ちゃんとクリーンルームの中で作りなさいとか、あるいは打ち上げる前に、探査機の表明を少しサンプルして、そこにいる微生物量はいくらだと、探査機全体に対し微生物量はこれだけなので基準を満たしているとか、そういったことをやります。
基本的には、探査機を綺麗に作るということと、打ち上げる前に探査機が綺麗であるということを探査機の表面とかを拭って、微生物を培養して、そんなに微生物はいませんよ、ということをしなければいけません。
ですので、ぜひ難しいとか、そういうことというよりも、ちゃんとルールを理解した上で、ルールに定められているやり方をやらなければいけないということで、やっぱりコストがかかるのですね、どうしても。コストがかかるのだけれども、基本的にはできないという話ではありません。ですので、意識の持ち方というのですかね、そういったことの方が大事になる話だと思います。
あと検証ですけれども、本当に手順を守ったのか、という検証は、COSPARの委員会というところがありまして、そこにレポートを提出するという形で行われます。ですので、基本的には自己申告の世界です。査察ということもしませんし、なので、例えば、中国のミッションにおいても中国の方がいらして、ちゃんとルールを守っていますよ、というプレゼンテーションをして、皆さん、委員会でそうですか、というような形で検証すると、そういったやり方になっています。
あと、Planetary Protectionの世界で一番問題なのは、この辺のルールは実はバイキングの時代、70年代の火星探査の時代に作られたルールです。今、このバイオの世界はものすごく技術発展があって、そういった昔のやり方ではなくて、もっとスマートなやり方があるのではないのかというようなことが今考えられていて、新しいPlanetary Protectionのやり方ということを、特にアルテミスで月・火星探査が盛り上がっていく中で、そういったより効率的で、かつ、より合理的なPlanetary Protectionのやり方があるだろうというような議論が今巻き上がっています。
これは実はチャンスだと思っていて、日本はとりあえずは、バイキング時代に作られた、ある種、あまりスマートでないやり方に従いますよ、というような形で今参加はしているのですけれども、latecomerですから、既にあるルールには従わなくてはいけないという形で参加しているのですけれども、このルールはあまりよくないよね、という雰囲気がある中で、新しいルール作りということが始まってきて、かつ、そこはバイオの最先端の研究結果を反映させようというような話になっていますから、そこのルール作りに、研究としても面白い要素がそこにあると思うので、そこに参加していくというチャンスが実は見えてきて、そこに参加することこそ、ルール作りにおける存在感発揮の仕方、そういうことをやれば、Planetary Protectionに限らず、火星探査、あるいはアルテミスの世界で、日本の存在感を示していくことができるのではないのかな、というようなことは今考えています。以上です。
【中須賀主査】 よろしいでしょうか。ほかはどうでしょうか。なければ、私の方から何点かあります。
まず、先ほどおっしゃっていた、ある種、デカいのではなくて小型とか、そういったものを使って面白いところを探していくというのはすごく大事で、これは本当にこれからやっていかなければいけない分野だと思うのですけれども、小型というもののメリットが出てくるのは、やっぱり回数が多いということが一つあわせていないといけないだろうなと。小型だけど回数が少なくなると、やっぱりそこにいろいろなことを一気に詰め込もうというふうに思ってしまって、なかなかできない。これは我々も衛星をいっぱい作ってきましたので、よく分かることですけれども、小型であるからこそ、それぞれの実証の中では得られることを限って、ただ次、またチャンスがあるよという、この繰り返しの回数をいかに稼いでいくか、ということがすごく大事だと思うのですね。だから、それに向けてのプランというものがあるのか、ということをお伺いしたいのが一点。
それから、ステップ1は、いきなり火星に着陸をするので、これは相当ステップアップが大きいので、それに至るまでの地球周回とか、いろいろなところで、どんどん、先ほど言った回数を稼ぐために実証をしていくことが必要だと思うのですね。
そういったプランも入れて、例えば、昔からIKAROSを打上げましたけれども、IKAROSは金星に向かう前に、例えば、気球実験とかいろいろとやっていますよね。
ああいう、プロジェクトではなくて、プログラムとして、だんだん仕上げていくような、こういうステップというものが、元々宇宙研は得意だったと思うので、そういったことをもう一回考えられたらどうかと。考えられていると思いますけれども、その辺のプランをお伺いしたいということが二つ目。
それから、もう1個は、やはりこういった非常に難しいプロジェクトになって、かつ、やりながらいろいろと変えていかなければいけないこともあるようなものにおいて、企業と宇宙研の間の関係をどうしていくか、ということは、もう一回考えていく必要があるだろうと。
これまでのように、あるところまでいったら企業さんに渡して、そこから先は企業さんが責任を持ってやってくださいと、そういう責任分界点を極めて明確に作るとか、宇宙研の先生方がそのあとなかなか入りにくい、企業さん側のロジックで進めていくということになると、企業側としては責任も多いし、いろいろな不確定な事象も多いので、なかなか参加するというモチベーションが湧かなくなってくるということが起こっているのではないかという危惧を持っています。
ということで、こういう、まさに新しい宇宙研を作っていくぐらいの感じで、企業さんと宇宙研の関係ですね、これを新たにしていって、それも含めて、新しい取組をされたらどうか、というふうに思うところでございます。以上、いかがでしょうか。
【JAXA 藤本副所長】 多分、今のは御説明というよりは、中須賀先生がおっしゃりたいことをおっしゃっていただいたのだと思うのですけれども、私の方から回答としては、火星着陸探査をするのだから、宇宙研の形を変えるぐらいのインパクトを持つべきだというふうに思っています。ごめんなさい、これは私の個人的な印象、個人的なコメントかもしれませんけれども、それも含めて宇宙研の人間が何を考えているか、ということを少し御説明したいと思います。
回数をやる、回数を稼ぐとか、あるいは火星に行く前に準備をするという話ですけれども、今まで宇宙科学のミッションは、割と、このミッションでこれやります、と。その結果、この答えが出ます、というような説明の仕方をしていたと思うのですけれども、火星においてはそうではなくて、やはり複数のステップで進めていきたいと思っています。
そこで、その時点でだいぶ宇宙研のやり方とは変わってくるし、メーカーの方との関係性も変わってくるとは思うのですけれども、ここで多分大事なのは、インフラ整備に対するリスペクトというのですかね、探査して、そこで成果が出た、科学に対する称賛というものはもちろんあるのですけれども、それを可能にしたインフラという言い方はあれかもしれませんけれども、それを可能にした技術、工学技術に対するリスペクトというものが明示化されていけば、本当にいろいろな人を巻き込んで面白いことができるという仕組みができるのではないのかなと思っています。
今おっしゃっていただいたように、火星に行くのに毎回探査機を設計し直すということは、あまり効率的ではないですから、もちろん最適化はできるのだろうけれども、効率的ではないような気がしますので、基本的には共通化していくと。
共通化する輸送機を作るというのは、それはインフラで、今までの宇宙研の発想だと、あまり面白くない分野だと思われているかもしれませんけれども、でもそれを作れば素晴らしい世界が広がるのだ、というようなリスペクトというのですかね、アプリシエーションというのですか、そういったものを作っていきたいと思いますし、火星に降りる上では、日本がやるのは欧米に比べて小さいから面白くないというのが、ナイーブに考えるとそうなってしまうのでしょうけれども、そうではなくて、いろいろな人がいろいろな工夫を入れることで、ならではのやり方で、しかもそれは回数を稼ぐという意味においては、もし回数を稼ぐことができれば、世界の人からどんどん参加したいと言ってくれるステージを作れると思うのですけれども、そこも、そういった、ある種のインフラを作ることに対するリスペクトですよね。何かそういったものが、そういった形で宇宙研の形を変えていくぐらいのインパクトを持たせればいいな、というふうに思っています。
多分、中須賀先生は御質問というよりは、おっしゃりたいことを言っていただいたのでしょうから、私も言いたいこと言いました。すみません。
【中須賀主査】 多分、同じ方向の思いだとよく分かりました。ありがとうございます。ぜひ頑張ってください。では、竹森先生どうぞ。
【竹森委員】 竹森と申します。金融機関ですので、残念ながら一番遠いポジションかなと思っているのですけれども、2つほどあって、まず私が一番遠いということ、この活動から遠いというところで、シンプルに一つですけれども。まず、月探査と火星探査の根本的な違いは何なのか、素人ながら遠いのではないか、ということは分かるのですけれども、根本的に月探査と火星探査の違いというものがどこにあるのか、難しさがどこにあるのか、ということが、何となく文系的に理解できれば、というものがあるのですけれども、その真意が2つ目でして、例えば、植木先生とか、今の中須賀先生とのやり取りがすごくあるのですけれども、複数の分散協調とか、いろいろお言葉があったと思うのですけれども、その難しさを日本がこれだけのお金をかけてでもやる、その意義というところが、やっぱり企業の研究者とかエンジニア、自分の仕事は今そういう仕事なので、確かにワクワクして、やりたいという思いは非常にあるのですけれども、それが企業の経営とか、経済界を動かすというところまで全然行っていないということが実態だと思います。
私は金融で、こういう会合に出ていて、幹部から何で出ているの?という話をされるような世界観で、そのワクワク感というものを、もっと大きくムーブメントにしていくことが必要で、そのためにこれをやる、そのために限られた資源、人や資金を投入する意義があるのだ、というところ、ここをやはり前面に押し出していかないと、今後、先ほど一発では終わらせないというところをいくと、継続的にやるということ、継続的にやる意義があるのだ、ということをもう少し強く強調した方がいいのではないかなと。そのための意義の部分ですけれども、欧米のクラブに入るということは、当然一つの目的でしょうけれども、これもやっぱり一つ手段であって、これを手段にして、この手段を得ることによって何をするのか、そこのなぜ火星にこだわるのか、というところの意義を、もう少しシンプルに大きく表現をして、そこからこういうことをやっていこう、というふうにしないと、火星探査で得た技術を燃料電池でどう、ではなく、むしろ逆転の発想ではないかな、というふうに思います。
その中で、例えば地球を知るとか、それからインフラ整備へのリスペクトとか、アプリシエーションという言葉出たのですけれども、私は多分こちらがメインではないかなと。こういうことをやる、こういうことを日本国としてやる、日本ができるんだ、だからこそ、この手段として、まさに月とか、それから火星探査というものをやっていくんだ、こういうようなロジックを展開していかないと、この意義のところをしっかり言わないと、欧米のクラブに入るんだとか、サンプルリターンで世界初でやるんだ、これを目的化すると、やっぱりどこかで一発で終わってしまう、ということをすごく懸念しているので、そういう意義の部分をもう一度立ち返って、それを大きく表現していくという重要性を感じたということです。
【JAXA 藤本副所長】 ありがとうございます。
ありがとうございます、という以上のことはなかなか難しいのですけれども、本当にありがとうございます。
ちゃんとした答えにはならないのですけれども、まず月と火星の難しさの違いとか、多分あまり具体的なお話をするよりも、火星探査に参加するということのインパクトを宇宙オタクの言葉ではない言い方でお伝えすることがすごく大事だと思いました。
私の感覚で言うと、火星探査というものは、今言っていただきましたけれども、地球と何を比べると地球のことを…物事を分かろうと思うと、何かと何かを比較するということが一番分かりやすいわけですよね。地球のことを分かろうと思うと、多分、火星のことをちゃんと分かることが大事で、本当に分かりたいのならば、自分でやってみせることが大事で、火星ぐらいいろいろな場所を調べたいようなところがあると、やはり自分ならではのやり方で、自分ならでは、かつ、意味のあるやり方でやるのがとても大事だというふうに感じています。
ですけれども、やはり火星探査は難しくて、欧米がすごいことやっている中で、日本は、私が生きているうちは火星探査なんか手を出さないのかな、というのは、ほんの10年ぐらい前までは思っていたのですけれども、ちょっと面白い技術があって、そこから日本ならではのやり方ができるし、日本ならではのやり方は、別に日本のためだけではなくて、世界で、欧米以外の世界の人が、世界で火星探査をやってみたいと思っている人にも利用できるような形の探査のやり方になりそうな気がするというところで、まとめて言いますと、火星探査をできるということは、スレッショルドを超えるような話で、それができれば、日本の宇宙開発のやり方とかも変えていけるような気がするし、世界の中における日本の立ち位置も変わるような気がするというところですね。ごめんなさい、すぐにはスッキリした回答はできませんけれども、火星探査に参加する、しない、というのは、本当に一つのスレッショルドを超えることだというふうに思っているので、それが広い人に分かるような表現を考えていきたいと思います。本当にどうもありがとうございます。
【中須賀主査】 大体よろしいでしょうか。
大変積極的に御意見いただきまして、ありがとうございました。良い議論ができたかと思います。それでは、以上をもちまして最初の議題を終わりにしたいと思います。藤本先生、どうもありがとうございました。
【JAXA 藤本副所長】 本当にありがとうございました。
【中須賀主査】 それでは、続きまして、議題2にまいりたいと思います。
「当面の月探査の進め方について」になります。前回第61回小委員会の議論も踏まえた素案を資料として配付しております。まずは概要について、事務局より御説明いただいて、そのあと、意見交換を実施したいと思います。それでは、事務局よりよろしくお願いいたします。
<鈴木室長より資料62-2-1/資料62-2-2に基づいて説明>
【中須賀主査】 ありがとうございました。 それでは、皆さんの方から御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いします。
【高橋主査代理】 やり方はどうやったらいいのですか。順番にやっていかないと、たくさんいろいろなところに質問があるので。
【中須賀主査】 そうですね、順番にやっていきましょうか。自由にやろうかと思っていたのですけれども、順番にやりますか。 では、全体の話からいきますか。では、髙橋先生どうぞ。
【高橋主査代理】 全体の話ですけれども、これは1、2はともかくとして、3番というものの最初の前書きが全体をカバーするものだと思うのですけれども、その中で、5頁に出ていた、スタンダードとか、ポリシー、ルール作りというものが、一番下の月面の輸送能力のところに入り込んでいます。これは実は国際調整とか、ポリシーメイキングとか、非常に大事なことがあるので、もっと上の方に持ってきた議論が必要だと思っていて、そういう意味では、3の当面の取組の下の段落というのは、もう少し大きなものを考えた書きぶりにした方がいいようなことを考えました。
【中須賀主査】 お願いします。
【鈴木室長】 ありがとうございます。月面輸送にかかるところだけではないという御意見かなと思います。民間活動の活発化がどこでまずできるかというと、月面輸送のところかと思いまして、ここ記載はっしましたが、御指摘のとおり、考え方は月面輸送だけにかかることではないので、大きな考え方として、1ポツ等に移動させた上で、民間活動と月面輸送のところについて、再度もう一度書くという形にしたいと思います。
【高橋主査代理】 本当にいろいろなところにかかると思いますし、今おっしゃられた民間を活性化するということも、非常に大きなポリシーだと思っていて、それは輸送ばかりではないと思うのですね。なので、そこをうまくまとめた大きな理念を最初に書かれた方がメッセージが伝わるのではないかなと思いました。
【中須賀主査】 なるべく前の方に、ということですよね。早い段階で。御検討ください。よろしくお願いします。あとはいかがでしょう、全体のフレームワークといいますか。では、永山委員お願いします。
【永山委員】 御説明ありがとうございました。高橋先生の御指摘のことは私も思いましたので、やはりルール作りについては、一つ項目立てていただいた方がいいのかなと思いました。
あと、いわゆる月面有人探査で、日本人宇宙飛行士が月面に着陸するというところは、3頁の与圧ローバのところに書かれているのですけれども、与圧ローバというのは、もちろんアルテミス計画で重要な要素だと思うのですけれども、まず日本人の宇宙飛行士が有人探査をすることの意義ですとか、2回行くということはあるのですけれども、それを今後どのような形で月面での有人に対して日本が進めていくのか、有人の意義、そういった項目が単独のものとして見当たらなかったので、そういったことを書き込まなくていいのかな、ということを感じました。その点はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
【鈴木室長】 アルテミス計画に参画する段階で、有人の意義をまとめてございます。
また、有人だから特別なサンプルが取れるとか、技術的にこうだ、というところだけで意義を説明するというよりは、国際的に実施するといった点も含めての意義なのかなと考えてございます。これまでかなり時間をかけて議論してきたということを、最初の国際宇宙探査の基本的な考え方に簡単に記載したところでございますが、参考資料にすることも含めて、もう少し分かりやすくするようにしたいと思います。有人の意義をしっかり書くと、それだけで一つの報告書になる分量かとも思いますので、工夫してみたいと思います。
【中須賀主査】 よろしいですか。今のところは大事かと思うので、当面の取組の最初のあたりに、なぜやるのか、という大きな意義を、そんなに長くなくてもいいから書いておくべきではないかなと。そういった中に、今、永山委員がおっしゃったような話とか、それから科学の話、それから将来の深宇宙に向けての拠点としての次の利用の仕方、いくつか柱があると思うのですよね。それがこの3の頭辺りにしっかりと書かれていると、あとはそこから紐づきされた形で出てくるという、こういう流れが、書き方としてはいいのではないかなと私も思いますが、どうでしょうか。御検討いただければと思います。では、倉本委員どうぞ。
【倉本委員】 私が気になったのは、まず第1節、基本的な考え方のところですけれども、ここが指摘しているとか、まとめているとか、そういった書きぶりになっていて、これはこの文章の全体像を示している文章があるべきかな、というふうに受け取っていたのですが、この書きぶりだと少し違ったニュアンスなので、これまではこういう議論をしていましたよ、というような内容になってしまっているので、そこは書きぶりの問題だと思うのですが、工夫していただければというふうに思いました。
それから、当面の取組のところで不思議に思ったのが、ゲートウェイの構築のところで、我が国として環境制御とか、生命維持システムとか、補給機とか、この辺りの取組をまず進めていくとしていたと思うのですが、これが月探査の動向のところに書かれていて、当面の取組のところは一切出てこないというのが違和感があって、ここがまさに、実際に日本人宇宙飛行士が行くというところとも密接に関わっていると思いますし、人が行くということで、科学的な調査をどういったことをやるのか、これから検討していくというところも多分あるでしょうし、そういったところで、当面の取組の方にうまくそれを入れていくという書きぶりにすると、良いのではないかというふうに思いました。以上です。
【鈴木室長】 ありがとうございます。
タイトルに月探査と記載していますが、各国の月面における探査活動が始まった中で、月面でどういったことをやっていくのか、を記載した初めての報告書を作ったという位置付けです。
ゲートウェイについても、今後ゲートウェイで日本が何をしていくのか、日本人宇宙飛行士がゲートウェイに1名行くということも含めて、既に一度議論をしています。今回は議論しなかったことを踏まえ、最近の動向に記載しましたが、書き方を工夫して、御相談させていただければと思います。
【倉本委員】 (3)の月面への輸送能力であるとか、持続的な活動のための基盤整備、この辺りにうまくはまるのではないかなという印象を持っています。以上です。
【中須賀主査】 大丈夫ですか。では、御検討ください。オンラインから、植木委員よろしくお願いいたします。
【植木委員】 どうもありがとうございます。
会場の音がなかなか聞こえないので、ひょっとすると発言があったことを繰り返すかもしれませんけれども、お許しください。
そもそもの質問で恐縮ですが、この月探査における当面の取組の進め方について、というものは、誰に読ませる文章で、それで、どの程度バインディングなものなのか、ということを、まず教えていただきたいと思うのですけれども。
そのお答えを待ってからの方がいいのかもしれないのですけれども、とても割と分かりづらい文章になっているかなと思っているので、最初の基本的な考え方のところも大変列挙が多いので、何が基本的なのかがちょっと分かりづらい、何でもかんでも詰め込んである感じなので、先ほどの御説明の中でも、ほかの委員からも出ていたと思うのですけれども、大きな目的、大きな絵を描くことがあるといいのかなというふうに感じています。
その中で、少し読んでいて気になるのは、日本の強みとか、発言力の確保とか、他国に先駆けてやることが重要だという表現が結構目立つのですけれども、ただもう一歩すると、なぜ日本がそれをやることが重要なのか、というところが、もし一般の人にも読ませる文章であるとすると、なぜだろう、というところまで落ちていない、理由がはっきりしていないような気がするので、もう少しそれを当たり前だと思う人ではない人にも理解させるような書きぶりがいいのかなというふうに思います。
その中で、大きな目的を書けば、日本が得意とすることで、それを実現していくことが全体の大きな、日本にとってのプラスではなくて、そもそもこの月探査というものに対して、それを全人類的に進めるために、日本が持っている技術を使うことによって、それが実現するんだ、というふうな書き方にしないと、とても小さいところで目的が設定されているようなふうに読めるので、全体としての気になったところはそういったところです。
前提としてあるのは、誰に読ませる文章で、どれぐらいバインディングなものなのか、という、この文章の位置付けについて、すみません、よく理解していないので、御説明いただければと思います。個別のことについては、また各項目のところで発言させていただければと思います。ありがとうございます。
【鈴木室長】 文部科学省の審議会ですので、文部科学省に対して、有識者の先生方が提言をしている文書でございます。
どの程度バインディングか、という点については、提言ですので、法的な拘束力があるということではありません。一方で、有識者の先生方から提言いただいたことをやらないということについては文科省として何らかの説明が必要になると思います。
また、誰が読むのか、という点について、国民の皆さんが、これを全部読む機会はないかもしれませんが、一般の人が読んで、分かりやすい文章であるということは重要と思っています。
これまでの議論の過程等については、かなり簡単にまとめてしまったために分かりにくくなってしまったところもあるかと思っていますので、工夫してみたいと思います。
【中須賀主査】 植木先生、よろしいでしょうか。
【植木委員】 はい、分かりました。優先順位がもう少しついていると、大きなところから小さなところに落ちているような感じですと分かりやすいかなと思った次第です。ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。
今の御意見にあった、いわゆる大きな目的みたいなものも明確に書くというのは、先ほどの3の章の頭の辺りに意義という形で、もう少し明確化するという意見と同じような意見だと認識しました。この辺はぜひ御検討いただければと思います。ありがとうございます。ほかにいかがでしょう、全体の構成等に関して。よろしいですかね。また戻っていただいても結構ですけれども、順番にいきたいと思います。
まず、1章、2章ぐらいまでまとめてですけれども、国際宇宙探査の基本的な考え方、月探査に関する動向、この辺りはいかがでしょうか。
今回の資料は、つまり今回の議論の中で決まったことというか、ある程度出てきたことを入れるのか、あるいは最初からいろいろとこれまで議論してきたことも踏まえて全部入れるのか、その辺はこの文書のスタンスとしてはどんな感じですか。
【鈴木室長】 今回、この取りまとめに向けて議論してきたことについて、当面の取組の中に入れる形で報告書を作成しました。既に報告書をまとめた考え方、なぜ有人宇宙探査をやるのか、というところも含めた考え方については、最初の国際宇宙探査の基本的な考え方に、これまで検討しましたよ、という形での記載にどとめましたが、ご指摘のとおり分かりにくいかと思います。
【中須賀主査】 ということで、どうぞ。
【高橋主査代理】 すみません、質問ですけれども、2の最後の方に、具体的なインフラとして、与圧ローバと曝露ローバと書いてあるのですけれども、ごめんなさい、他には何があって、それで日本は他のものにはどう関係しているのか、というのがここに書かれていた方が、文章としては閉じると思うのですけれども、ちょっと教えていただけないでしょうか。
【鈴木室長】 Moon to Mars Architectureについては、一度簡単に説明したかと思います。
ほかのArchitectureとしては、例えばゲートウェイ、ロケット、宇宙船、宇宙服、測位インフラなどが定義されています。日本が提供する具体的貢献としては、与圧ローバとゲートウェイへの参加になります。
月面に行く宇宙船、ロケットについては、去年、既に定義されていましたが今年、具体的に定義されたものが、月面の宇宙服、曝露ローバ、与圧ローバといったものになります。アルテミス計画でも、具体的な月面活動としてはこれぐらいまでしか決まっていないということでございます。参考資料をつけることも含めて、もう少し分かるようにしたいと思います。
【高橋主査代理】 後ろの方で測位システムが出てくるので、測位システムもそこに、定義されているのだとすると、そことの関連が分かるのでよいと思いました。
【中須賀主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。1と2ですが。よろしいでしょうか。1は先ほど植木委員からも出てきて、もう少し分かりやすくというような御意見もございました。よろしいでしょうか。
それでは、3の今度は月探査等に関する当面の取組ということで、これは先ほどから何回も議論が出ていますけれども、最初のところにもう少し意義であるとか、目的を分かりやすく明確化しておくということが必要であるという御意見ございました。
あと個別にいきたいと思います、まず(1)の月面における調査活動、これは水と、それから科学的知見の2点ございますけれども、この節に関しまして、何かございますでしょうか。永山委員。
【永山委員】 (1)の前のところになるのですが、よろしいですか。
【中須賀主査】 はい、結構です。
【永山委員】 それぞれの項目では、やはり他国に比べて先駆けてですとか、より早くというような表現が入っているのですけれども、やはり今回の中国の月の裏側からのサンプルリターンなどを見ていても、やはり他国がかなりのスピード感を持って月探査を進めているということが社会的にも話題になっているところです。
なので、ぜひ、3の最初の前文にあたるところで、推進していくという表現はあるのですけれども、できるだけ早く、そういったスピード感を持って、というようなことが分かるような言葉が、この前文のところにあった方がいいのではないかなと思いました。
単に推進していくというと、いつまでにできる範囲でやればいいのね、というようなことで受け取られかねませんので、やはりここは、かなり慌てる必要はないと思いますけれども、スピード感を持った推進が必要だということを誰が読んでも分かるような表現で盛り込んでいただければと思いました。以上です。
【鈴木室長】 意義・目的を明確化するということとあわせて、しっかり記載したいと思います。
【中須賀主査】 そうですね。まず多分、要するに早くやらないと意義すらなくなるものもあるという、こういうこともあるので、そこは本当に大事かなと思います。ありがとうございます。ほかにいかがでしょう、(1)のところですが。
【植木委員】 植木ですけれども、よろしいでしょうか。
【中須賀主査】 植木委員どうぞ。
【植木委員】 ありがとうございます。同じ点ではあるのですけれども、関連した点ではあるのですけれども、ここの32行ぐらいに、米国欧州、中国、インドなどにおいても開発が進んでいるというふうに書いてあるのですけれども、だから何なの、というところまで書いた方がいいと、状況としてはそうなのは分かっているのですけれども、だからどうするか、というところを書き込んだ方がいいかなと感じたというのが一つと、それと、ほかに先駆けてやることがなぜ大事なのか、というところは、例えば44とか45のところら辺ですけれども、そこの理由がないと、少し大きな目的のところと関係すると思うのですけれども、日本として、同じような感じで、これらの国と肩を並べるぐらいでついていこうとしているところを目的にするのか、本当に先駆けて競争に勝とうとしているのか、月は戦略的な競争の場だというふうな認識でそれをするのか、そこのところが分からないので、どのくらいのところを目指してこれを進めていくのか、遅れないようにするのか、本当に競争していくのかで、競争するのであれば、なぜなのか、というところがここでは分からないので、これだとどこら辺を目指すか、早く進めるということはそうでしょうけれども、他国とのことがずいぶん出てくるので、どこら辺を目指すのか、これだと私もよく分からないなと感じているところですが、そこは書けますでしょうか。それとも、そこは書かないというか、すみません。
【鈴木室長】 なぜ先駆けてやらなければいけないのか、ということについては、今後、水資源探査を国際的にやっていくという時に、リーダーシップを発揮していくために必要と考えています。また、どこに水がありそうだ、ということが先に分かれば、そこに先に行くということも可能になるかと思います。具体的な水探査の戦略はできていませんが、どこでリーダーシップを発揮していくのか、何をやっていくのか、ということを検討するにあたっても、他の国より先に水資源がどれぐらいありそうか、を知っておくことは重要と思っています。
【植木委員】 ただ、他の国よりも先に知るということが重要だ、ということがあっても、他の国がものすごい資源を持って、競争的にやってきたとしても、それよりも先にあるんだ、というものだと、ものすごく目標としては、資源を投入していかなければいけない事業だ、という認識でないといけないと思うのですけれども、そういう位置付けでいいのかどうかですね。
あともう一つ、国際的なリーダーシップを他の国とも一緒にやっていくから、発言力を確保するためにやってくということと、本当に資源の奪い合いを先駆けてやるんだ、ということだと、ずいぶんニュアンスが違うと思いますので、この委員会として、どこら辺を目指しているのか、曖昧にしたままで書くのか、それとも先駆けるということがどういう意味なのかが分かるといいかなと。私自身はまだ分かっていない感じがあります。
【鈴木室長】 LUPEXについては、既に2020年代中盤に実証を実施することを目標としてプロジェクトを開始していまして、他国より早く成果が出ると思っていますので、そこは予定通りしっかりやるということです。
それ以降については、日本だけで水探査を実施するということにはならないと思いますので、国際的な水探査のやり方も含めて、日本から提案ができるような形にしていくことが重要と思っております。
【中須賀主査】 植木委員どうでしょう。聞こえますか。
【植木委員】 はい、分かりました。すみません、ありがとうございます。
あと丸2のところですけれども、科学コミュニティというものが誰のことなのかがよく分からなかったのと、あと「月面3科学」の丸1、丸2、丸3と、その次の15からの段落の順番が違うのですけれども、とても細かいところですけれども、揃っていた方が読みやすいかなというのがあります。
あと他国より早く月面における実証を行うことというものは、これは3科学について書いているのでしょうか。
【鈴木室長】 科学コミュニティは、ISASを中心に、宇宙科学の研究者が作っているコミュニティのことを指していますが、ここも分かりやすく変更したいと思います。「月面の3科学」については、宇宙科学コミュニティ全体として、こういったところが重要だと言っています。また順番については御指摘のとおり、揃えたいと思います。
技術実証については、「月面の3科学」のことです。先に実施するということを通じて、今後の国際協力の枠組みをどうやって作っていくのか、について発言力が得られると思っていますが、主語を付け足すなど、必要な修正をしたいと思います。
【植木委員】 すみません、細かいところまでありがとうございました。
【中須賀主査】 石井委員どうでしょう。
【石井委員】 私も植木先生と若干意見が被るところがあるのですけれども、細かいところも含めていくつかコメントをしたいと思います。
1つ目は、リーダーシップの意味というところですけれども、まず一つは、まさに科学コミュニティにおいてリーダーシップをとっていくということがもう少し強調されるといいのかなというふうに思いました。
水資源のマッピングのところに関しましては、単にデータを取るというのにとどまらず、そのデータを積極的に出すなどして、開示するなどして、日本の活動を世界的に、日本のそのデータを世界的にリファレンスポイントとして使ってもらうというところまで書き込んでもよいのではないかというふうに考えました。
また、リーダーシップの中には、おそらく国際規範を作っていくということも含まれると思いますので、例えば、実際に書くかどうかは別としましても、特に宇宙利用に関しても、米中も含めて、地政学的要素が重視されている中で、日本が良き仲介者として、規範形成をリードしていくというところも、実際に書くかどうかは別としまして、そういったものが読み取れるといいのではないかというふうに思いました。
丸2の科学的知見の創出のところですけれども、まず非常に細かいのですが、タイトルが丸1の内容もカバーしているように見えて、両方ともおそらく科学的知見の創出に関わってくると思いますので、若干読んでいて引っかかりました。
「月面3科学」のところですけれども、これは要するに、こういったものを他の国に先駆けて行うことによって、基準を作っていくということなのかなというふうに思いましたので、特に3頁目の26行目以降の文章で、その辺をしっかり書くとよいのではないかと。26行目からが読みにくいですので、その点検討していただけると幸いです。以上です。
【鈴木室長】 リーダーシップの点、26以降のところをしっかり書くというところについて、そのように検討したいと思います。
米中の良き仲介者として国際規範を作っていくという点については、米中の仲介者とは書きづらいですが、国際規範を作っていく重要性については触れられるかと思っています。
データの開示方法については、まだ調整等していないでうし、他省庁のデータには具体的なところは言いづらいですが、国際的にレファレンスポイントとして使ってもらえるようなあり方、しっかり検討していく重要性については記載したいと思っています。
【中須賀主査】 ありがとうございます。高橋委員どうぞ。
【高橋主査代理】 2つあるのですが、最初に26行目の今の話ですけれども、これは「国際協力に向けた~」と書いてありますが、おそらく国際調整というものも入ると思うのですね。
特に月面の裏の場合は、私はこの前質問しましたけれども、非常に厳しくて、あれは変にみんなが入ってしまうと台無しになるのですね。あまりそれが議論されていないような気がするのですけれども、例えば、LuSEE Nightなどは、本当にそれを議論して、どうやって国際調整をして、コーディネートして、人類に残された唯一のフロンティアをどう確保するか、という議論が進んでいて、それは必ずしも国際協力ではなくて、国際調整だと思います。その国際調整を日本がリードすることは十分できるので、ぜひ書いていただけたらと思います。
次に、国際スタンダードと書いてあるのですけれども、これは観測機器としか書いていなくて、私は観測機器をたくさん作っていますけれども、観測機器の国際スタンダード獲得とだけ書かれても、何をさしているか分からないです。
これは、例えば観測機器やデータの書式等の標準化と書いた方が多分よいと思います。国際スタンダードというと、例えばIEEEの何番ですか、というような話に飛んでしまうので分かりにくいと思いますし、例えば、デファクトスタンダードというもので確保していくということも非常によいやり方です。その辺を書いていただいた方がいいかなと思いました。標準化への貢献ですよね、日本がやるのは。
【鈴木室長】 修正文について、また御相談させていただければと思います。
【中須賀主査】 お願いします。
【高橋主査代理】 もう一つ。
【中須賀主査】 はい、どうぞ。
【高橋主査代理】 もう一つ、科学コミュニティは宇宙科学コミュニティだ、というようなことをおっしゃって、それはそのとおりだと思うので、レンジを絞った方がいいと思います。
なぜならば、月面での科学というものは、ひょっとするともっと大きなところにつながる可能性があって、例えば、基礎物理学とか、医学とか、ライフサイエンスにつながる可能性があるのですね。
それはまだちゃんと議論されていないのですけれども、将来そういうものが出てくることを促すようなことは非常に大切だと思うのですね。今見ていないことがある可能性があるし、行ってみなければ分からない。だから、それがどこかに最後の方でいいので、書かれていた方が、より多くの、それこそ科学のコミュニティの人たちを呼び込めるメッセージだと思います。
【中須賀主査】 よろしいですか。ありがとうございます。だいぶここに集中していますけれども、よろしいですか。
この水探査に関して、私も一言のコメントをさせていただきたいのですけれども、要するに、LUPEXとかいろいろと個別の技術はあるけれども、これをつなげて、シナリオとして、日本がどうするのか、ということはもう少ししっかり書いた方がいいのではないかと。
ちょっと気になるのは、LUPEXで採取探査に行って、探査しました、水が見つかりませんでした、とした時にどう判断するかですよね。これは水がないところに行ったから出来なかったのか、本当に水がないのか、ここの判断ができないので、本来はまずはどこに水がたくさんありそうだ、という確率の高いところを見つけて、そこに向かってピンポイントで着陸した技術を使い、さらにローバなどでそこに行って探索するということで、いろいろな総務省のやっているやつとか、それからSLIMの成果とか、こういったものを寄せ集めて、最後、穴を掘ってみてどうだ、ということが分かるという、この流れが本来はいいのかな、というふうに思うのですよね。
だから、そういう意味で言うと、もうLUPEXは動いているからいいとは思いますけれども、今後のことを考えると、水探査をどういうシナリオでやっていくのか、そのシナリオをしっかり作って、それに従ってやっていくということも必要かなというふうに思うので、その辺も一言、どこかにあるといいかなというふうに思います。
【鈴木室長】 了解しました。
LUPEXで水が見つからなかった場合についても、月に水が%ないと結論づけられるということではないと思っていますが、極域に水がありそうだということで、極域に降りて、ローバで当たりをつけて掘るという計画ではございます。
また、テラヘルツ波で見る場合も、どれぐらいの深さまで見ればいいのかなどについて、まず掘ってみたほうが分かるところもあると思っていますので、同時並行で実施し、相乗効果を目指す。また、他の国から出てきたデータについても、うまく使っていくということかと思っておりますので、そういったところをもう少し記載したいと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。どうぞ。
【倉本委員】 すみません、科学的知見の創出のところですけれども、地震計のところですけれども、この地震計は、月の内部構造を測ることにもちろん使うのですが、一方で、その周辺地盤の物理特性の調査にも利用できるのですよね。
これは、3の前書きのところで、将来の月面開発にも資する調査研究や技術実証というキーワードがあるので、こういうところに関連があるということを一言述べておくとよいかなと思いました。以上です。
【鈴木室長】 ありがとうございます。
修文後に、また見ていただければと思います。
【中須賀主査】 ということで、あと4分になりましたけれども、ちょっと延ばしていいですか。
【中須賀主査】 先生方、もし御用がありましたら、先に出られてですけれども、これは非常に大事なテーマなので、少しここで切らないで、10分か15分ぐらい、ちょっとお時間いただいて、議論を続けたいと思います。
【永山委員】 すみません、12時に出なければいけないので、後ろの方で気になったところが、(5)のところの表題ですけれども、持続的な活動のための基盤整備はまさにそうではあるのですが、やはりこれから民間との協調連携というものがやはり非常に重要でして、今回の議論でも民間の力というものに期待するところが非常に多いプレゼンだったと思います。
そういった、産官学ですとか、大学ですとか、プレイヤーはいろいろだとは思うのですけれども、やはり民間との協調ということが分かるような表題にした方がよいのではないか、というのが個人的な感想です。
あと、先ほど御説明の中では、宇宙戦略基金について言及される部分が何か所かあったと思うのですけれども、せっかくできた基金を、よりこのあとも発展的に活用し、そして、当面は10年ということになっていますけれども、その10年で宇宙開発は終わるものでもありませんので、その基金を上手に活用していくというところが、一言どこかに言及があってもいいのかな。それがもしかしたら、この民間との連携というところに入ってくるかもしれませんので、その点御検討いただければと思いました。
すみません、後ろの話ですが、以上です。
【中須賀主査】 すみません、ありがとうございます。今のは(5)のところですかね。ありがとうございます。
【鈴木室長】 御指摘のとおり、追加します。
【中須賀主査】 それでは、ほかの先生方、2つ目の(2)ですね。いかがでしょうか。有人与圧ローバと月測位に関してですけれども。いかがでしょうか。
皆さんが出る前に、月測位システムに関して、この2軌道面に計8機の衛星コンステレーションを構築することが提案されているということですけれども、これはどういう形になっていくのか、あるいは、どういう形になるようにしたらいいのか、ということは、日本側から提案していけるのかどうか。
例えば、衛星をそれぞれ同じ方式で出す電波を、それぞれの国が別々に作っていくということ形なのか、それぞれの国ごとに持っている特別な技術を入れて、同じ衛星をみんなで作るのか、その辺のプランというのか、あるいは、そこに対して日本がどういうふうに主張していくのか、ということに関してはいかがでしょうか。
【鈴木室長】 JAXAの担当者と相談してお返ししたいと思います。もし、修文等が必要であれば、いただければと思います。
【中須賀主査】 ここにこれぐらい書いておけばよいのか、あるいは、何かここにもう少し意図的なものを書くのか、そういう意図的なものがなければこれでよいと思うのですけれども、少しそういうものも書いた方がいいのではないかという、こういう趣旨でございます。
ほかにいかがでしょうか。
もう一つ、この有人与圧ローバに関してですけれども、すごく大事なところは何かというと、おそらく、これが日本で初めてシステム全体として、人が乗るシステムというものを検討することになると思うのですね。そうすると、安全基準、この前ちょっと議論しましたけれども、one fail safe、one fail operativeとかtwo fail safeとかこういった概念を入れて、初めて人をどう守っていくのか、ということまで、真剣に最後まで自分たちで考えなければいけない、ということはすごくよいことだと思うのですよね。
だからそういった、これを活かして、そういう技術を日本としてもしっかりと醸成していくと。それが将来的には、有人ロケットとか、そういったものにつながる可能性もあるので、そういったことも少し書かれてはどうかというところでございます。
【鈴木室長】 御指摘を踏まえ、書きたいと思います。
【中須賀主査】 植木委員どうぞ。
【植木委員】 どうもありがとうございます。
有人与圧ローバのところですけれども、先ほどの火星のお話とか、火星のことがあとの方には出てきますけれども、有人ローバなども将来は、もっとほかのところ、例えば火星などでも使えるようなものとして発展させていくということがあるのであれば、ここのところにも、何か今回だけではなく、というところも書き込んでもよいのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
【鈴木室長】 例えば、月面にもう1台持っていくのか、火星にも持っていくのか、火星に持っていく時に、このままの大きさのものを持っていけるのか等も含めて、まだ何も決まっていないのですが、今後の発展性については、記載できる範囲で記載してみたいと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。では、大体よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、(3)の輸送の機会の確保に関していかがでしょうか。どうぞ。
【金山委員】 この3の部分ですけれども、最後の方ですね、5頁目のライン19以降ですが、これを見ているとSLIMで得られた技術的な知見を民間企業に移転すると、自動的に競争力強化になって、あとは民間企業が頑張りなさい、みたいな感じに受け取れるような気がしています。
だから、そこで追加で書いてくれるとすれば、国としてのミッションをもっと創出するですとか、あとは、そういった輸送サービス調達していくといったようなところの姿勢を入れていただくと、よりよいのではないかなというふうに思いました。
今日、プラスで配られている、月探査をめぐる各国の動向というA4、1枚の資料がありますけれども、CLPSすさまじい勢いで民間が上げるというような形になっています。
だから、こういうことを基本的にやっていかないと、これまでの議論について、7番目に書いてあるサスティナブルのビジネスという方向には絶対にならないと思うので、そういったところでの下支えということも含めて、国としてもミッションをどんどん創出していただいて、民間の活力を使ってほしいというところが私の意見でございます。ありがとうございます。
【鈴木室長】 御指摘のとおりと思います。
サービス調達のあり方は、今後月面で何をしていくのか、というところも含めて、文科省だけでなく、関係省庁で大きな月面アーキテクチャを書いていくところかと思います。要性等を記載したいと思います。また、月面の科学等のペイロードについては、こういった機会をうまく使えるような形で進めたいと思っています。
【中須賀主査】 高橋委員。
【高橋主査代理】 ちょっと重なるかもしれないのですけれども、これは輸送能力・機会の確保のところでSLIMと書いてあって、ランダーですけれども、日本が入っていくのは、例えば、光学望遠鏡であるとか、カメラであるとか、放射線センサーであるとか、ラディエーションモニターというようなものも」ありえます。そういう、いわゆる要素技術というものに日本は相当強くて、素材も相当強いはずで、むしろそちらが目立っているぐらい強い、そういうものも各国にちゃんと採用してもらうような試みがあるといいのではないかと思うのですけれども、そういうこともここで読めるといいなと思いました。
【鈴木室長】 ありがとうございます。
しっかり議論ができていないため、具体的な点の記載は難しいと思いますが、重要性については書きたいと思います。
【高橋主査代理】 個別のことは書かなくてよいと思うので、そういうもの、たとえば要素技術の重要性を書いていていただければよいと思います。
【中須賀主査】 どうぞ。
【佐藤委員】 佐藤です。
(3)月面への輸送能力・機会の確保において、全般的に民間による事業化、あるいは民間からのサービス調達という点が非常に強調されていると存じます。
その際、意志のある民間企業が、健全にこうした事業化に向けて取り組むためには、事業環境が非常に重要であると思っております。
宇宙産業に関して、少なくともかつては、単発のものが多いため、事業規模のスケールが望めないことがあり、民間投資が集まりにくかった側面があります。
こうした観点から、ある程度のスケールを確保するには、それぞれの事業を個別に見るのではなく、シリーズで見ていく必要があると存じます。
今回、月への輸送という観点から文章が書かれておりますが、月だけではなく、例えば、これまで日本が培ってきた強みであるISSへの輸送、さらに月への輸送や火星への輸送について、うまくつながりを持たせて、日本国としての強みを活かした形で、あるいは実績を活かした形で、シリーズとして捉えていくことが、結果的に効率のよい輸送手段の実現にもつながることが期待されますし、ひいては産業育成にも資するものかと存じます。
以上でございます。
【鈴木室長】 シリーズ化の重要性と、ISS、月、火星への連携の必要性については、記載したいと思います。これも具体的な方策は、まだ見えないところかなとは思っております。
【中須賀主査】 先ほどの藤本先生の話などでもありましたように、いわゆる共通化することによって、そこは毎回同じものを使うから楽になっていくと。
やっぱり数を増やすということはすごく大事だと思うのですね。それによって技術が枯れていくので、そういったことをできる限りしっかりと、シナリオの中にうまく入れていくと、入れ込んでいくということが大事で、今の御指摘は大事かと思いました。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
よろしければ、あと4番ですけれども、4と5をまとめてやりたいと思います。火星と、それから持続的な活動の基盤整備ですけれども、いかがでしょうか。
火星に関しては、先ほどだいぶ議論は出てきたので、皆さん御意見はいろいろと出尽くしたかと思いますが、追加でもしありましたら、よろしくお願いいたします。どうぞ。
【倉本委員】 私、そろそろ出なくてはいけないので。
【中須賀主査】 お願いします。
【倉本委員】 ここに関してですけれども、ちょっとこの項目が、(3)などに比べて浮いているような印象があって、この中のどこかというと、将来の有人探査への活用にも資するキー技術の開発だけではなくて、火星表層や火星圏、周囲を含む火星圏の環境の調査研究を進めていくという形にすると、もうちょっとつながりが出てくるかなというふうに思いました。
ちょっと周りのものとつながりが切れてしまっている印象があるので、でも本来つながっていると思うのですよね。なので、そこを強調した方がよいかなというふうに思いました。
それと、すみません、最初の方に立ち戻ってしまうのですけれども、この資料が、基本的には、月面探査の当面の取組についてまとめているということでしたので、タイトルが月探査というふうになっているのですが、これは工夫された方がいいかな、というふうに思いました。
月探査は、やはり周回探査全部含むと思いますので、月面探査というふうにしておくと、座りがいいのかなというふうに思ったところです。以上です。
【中須賀主査】 ありがとうございます。鈴木さん、クイックにコメント。
【鈴木室長】 タイトルについては、月面探査にさせていただければと思います。火星圏の環境の調査、書き込みたいと思います。
具体的な文章については、また帰ってから倉本先生の方に見ていただければと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。高橋さんどうぞ。
【高橋主査代理】 5番の方ですけれども、最後の22から27行目についてですけれども、まず一つ、「大学等」と書いてある、この「等」とは何でしょう、ということがあります。
次に、これは多分大学等のアカデミアということだと思うのですけれども、それは宇宙活動を支えると書いてあるのですけれども、一方で、彼らは自律的に迅速に科学をやることが目的で、それを進めることで、う中活動を支えるので、どこかで自律的な研究を、今後、月面探査を通じてできるというようなことが書いてあればいいなと思いました。
後半ですけれども、拠点形成とそのネットワークを進めることが重要であると書いてあります。それはもう本当にそのとおりですけれども、これをどうやって持続的に行うか、というのは極めて難しいと思っていて、そこに対して何らかの指針が出るといいなと思いました。
例えば、米国だと、UCバークレイのSSLとか、コロラド大学のLASPとか、それからブルックヘブン国立研究所のSpace Radiation Laboratoryとか、そういうものがきちんとあって、そこがちゃんと支えているわけですね。そういうようなものを日本に建てることができるのかどうか、持続的に継続できるかどうかということは極めて大きな問題で、それが今後を決めるのだと私は思っています。なので、そういうことが読めるような文章がいいなと思いました。
それから最後ですが、戦略的に必要な施設整備のところで、突然「留学生を受入れるという」文章がでてきます。留学生受入れそのものは大切ですが、この大きな文章の中で、その意図がよく分からなかったのですけれども、意図を教えていただければと思いました。
むしろ、国際共同研究への支援とか、国際貢献というところの体制整備であれば、つながるかなと思いました。以上です。
【鈴木室長】 大学等については、一般的に大学等とつけた場合、大学共同利用機関を含めます。ISASなど大学以外のところも含めて「大学等」と言っています。
自律的な研究が重要であることについては記載したいと思っています。
拠点化については、基金の中で、SX拠点がございますので、そこが一つの可能性としてあるのではないか、と思っています。一方で、基金の性格として、産業化を進めることが必要なので、民間と共同で実施するところが強調される形にはなってしまうと思いますので、ご指摘に100%応えるものではないと思います。また、月面探査において、こういった拠点化、ネットワーク化を進めるために、どうすることが必要なのかということかと思いますけれども、具体的な案が現状あるということではないため、重要となる、とだけ書いてあります。今後、御指摘の点も踏まえ、考えていく必要があると思っています。
留学生については、前回の委員会でのご指摘を踏まえ、国際化…施設を記載しましたが、施設にあわせて、体制の整備についても必要性を記載しました。留学生については、例示として入れただけでございますので、国際共同研究のための体制整備等としたいと思います。
【中須賀主査】 それでは、植木委員どうぞ。
【植木委員】 ありがとうございます。
今、委員のおっしゃったこととほとんど重複しているのですが、同じところで、ネットワーク化はとても大事だと思いますし、産業化の話が割と多く出ていますけれども、大学等の連携強化というものは、文科省がまさにできるところなどで、もう少し書き込めればいいかなというふうに私も思いました。
それで、前回のところの月の、先ほどの「月面3科学」ですね、それについての御説明のところで、それぞれある程度、拠点となる大学とグルーピングができているというようなお話も伺いましたので、大学側の意向もあるでしょうけれども、何かそういったような拠点形成を文科省としても後押しできるような形に進められるといいのかなというふうに感じています。
例えば、医学の分野では、だいぶ拠点形成が進んでいて、ゲノム解析とか、そういったようなものは相当拠点化しているので、何か文科省が後押しできるようなものがあるとよいのかなと思いました。
留学生受入れも、私も唐突だなと思った次第ですけれども、優秀な学生の人が、わりと早い段階、あるいはポスドクのような形で海外に出ていって、早い段階から国際的な共同研究を進められるような支援も何かしていただけるといいのかなと思うのですけれども、うまいように書けますでしょうか、というものが意見です。
【中須賀主査】 御検討ください。
【鈴木室長】 検討します。月面だけの課題ではないのかな、とも思っています。
【中須賀主査】 ありがとうございます。これを最後にしましょうか、石井委員いかがでしょう。
【石井委員】 ありがとうございます。やや細かい点ですけれども、2つばかりコメントいたします。
1つ目は(5)の持続的な活動のための基盤整備というところですけれども、これまでも月面経済圏を作っていって、そこで継続的に月面活動を行うことの必要性というものは議論されてきたと思います。
月面経済圏という言葉は1頁に出てくるのですけれども、おそらく(5)でも言及が必要ではないかと思いました。
あともう一つは、1頁の35行目で月面経済圏という言葉はできますけれども、これは、こういったものはまだ明らかではないといった、やや消極的な書きぶりになっていますので、こういった経済圏を作っていくんだという、もう少し積極的な表現にしてもよいのではないかというふうに考えました。
2つ目は、4のその他というところですけれども、まず、その他という、タイトルがもう少し工夫できるのではないか、というのが一つコメントです。
あとはもう一つは、例えば、子供たちに夢と希望という表現があったりしますけれども、より具体的に、夢と希望という表現がいいのか、ちょっと分かりませんけれども、具体的に例えば、教育の充実であるとか、宇宙関連の教育とか、訓練を充実させていくであるとか、そういう表現にしてもよいのではないかというふうに考えました。
あと、留学生の受入れのところ、(5)に戻ってしまいますけれども、留学生の受入れに関しては、学生としてだけではなくて、技術者、専門家が日本に来て、日本を仕事の上で選んでいただくということも書いてもよいのではないか、というふうに考えた次第です。以上です。
【鈴木室長】 工夫してみたいと思います。
月面経済圏については、宇宙基本計画の中にも言葉としては出てきているものにはなります。
【中須賀主査】 ありがとうございます。たくさん出ましたね、ありがとうございます。皆さん関心高くて、しっかりやらなければいけないという意識の表れだと思います。
ということで、今後は1回を返していただいて、それに対してまたコメントを出して、それを踏まえて次回を迎えるということでよろしいですか。
【鈴木室長】 事務局の方でご意見を反映し、また、委員の先生の皆様に見てもらうという形でお願いできればと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。
もし、まだ言い足りないことがあったら、早めに事務局の方に送っていただければ、その次の番に反映していただけるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、以上で、議題に大変長く時間がかかって申し訳ございません。
【植木委員】 すみません、植木ですけれども、一言よろしいですか。
【中須賀主査】 どうぞ。
【植木委員】 申し訳ありません。
全体の話になってしまうのですけれども、この国際的な協力とか、発言力を高めるために、というものが、割といろいろなところにまたがって出てきたと思うのですけれども、ちょっと御検討いただきたい点は、一つ項目を立てて、国際協力、あるいは調整とか、あるいはルール作りですね、月探査、あるいはその開発についての、そこの項目を1個立てて、そのために文科省が所掌しているところで、こういったような事業などを実現していくんだ、というふうに、ちょっと強調するために別で1個項目も作れないかなというふうに考えています。また御検討いただければと思いますけれども、皆さんの前で言っておいた方がいいかなと思ったので、すみません、お時間いただきました。
【鈴木室長】 ありがとうございます。
国際協力、ルール作りは、内閣府等が中心に進めるのかなと思ってございます。
ただ、まとまって書いておらず、バラバラなのが分かりにくいため、どこかにまとめて書くなど、分かりやすくしつつ、本件については、内閣府等にもしっかりインプットしていくようにしたいと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。
それでは、最後に事務局の方、締めてください。
【事務局】 事務局でございます。 本日の議事録については、文科省のホームページに公開させていただきます。 また、資料については既にホームページに掲載しております。
次回の小委員会におきましても、引き続き当面の月探査の進め方について御議論いただく予定ですが、具体的な日程調整の上で改めてお知らせいたします。
事務局からは以上でございます。
【中須賀主査】 大変長く時間をかけてしまいまして、申し訳ございません。
皆さんから大変良い意見が出て、有意義な会議になったと思います。
それでは、以上をもちまして本日の会議を閉会といたします。ありがとうございました。
(了)
研究開発局宇宙開発利用課