宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第43回) 議事録

1.日時

令和3年9月15日(水曜日) 10時00分~12時30分

2.場所

オンライン

3.議題

  1. 国際宇宙探査及びISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向について
  2. Gateway利用に係る検討状況について
  3. 地球低軌道に関する産業界の活動について(非公開)

4.出席者

委員

主査(専門委員)           藤崎一郎
主査代理(専門委員)        向井 千秋
臨時委員                稲谷 芳文
専門委員                金山 秀樹
臨時委員                木村 真一
専門委員                倉本 圭
専門委員                古城 佳子
臨時委員                高鳥 登志郎
専門委員                高橋 忠幸
専門委員                竹森 祐樹
専門委員                中村 昭子
臨時委員                永山 悦子
専門委員                原 芳久

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局担当)               原 克彦
研究開発局宇宙開発利用課長                   福井 俊英
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長       国分 政秀
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室室長補佐  溝田 岳

(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事                                  佐々木 宏
国際宇宙探査センター センター長                筒井 史哉
火星衛星探査機プロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ                       川勝 康弘
有人宇宙技術部門
 きぼう利用センター センター長                 小川 志保
 事業推進部 部長                          川崎 一義
 有人宇宙技術部門 ISSプログラムマネージャ        酒井 純一

5.議事録

<事務局よりオンライン会議の注意事項等説明>

【藤崎主査】 それでは、議事に入ります。
まず議題1は、国際宇宙探査及びISSを含む地球低軌道をめぐる最近の動向ということで、文科省とJAXAのほうから御説明をいただいた上で議論したいと思います。国分さんよろしくお願いします。

<文部科学省国分室長より資料43-1-1に基づき説明>

【国分室長】 続きまして、先ほど概算要求の中で御紹介しましたように、火星の衛星探査計画(MMX)について、アルテミス計画の関連予算として入れていますので、こちらにつきまして国際宇宙探査から見たMMXの位置づけですとか国内外の期待を中心に、JAXAの川勝プロジェクトマネージャーから御紹介いただきたいと思います。川勝プロジェクトマネージャー、よろしくお願いします。

<JAXA川勝プロジェクトマネージャーより資料43-1-2に基づき説明>

【藤崎主査】 ありがとうございました。
では、ここで委員の方々からの質疑を受けたいと思いますが、私のほうから初めに、これは国分さんでも川勝さんでも結構ですけれども、今、MMX全体では予算として大体どの程度を想定しておられるのか。先ほど火星有人探査への一歩と言われたのですが、その間に火星無人探査というものが論理的には入るのかをお聞きしたい。日本が、これまで火星の衛星のほうに重点をずっと置いてきているのは、火星のような大きいもの(を探査すること)について技術の問題があるのか、予算とかそういう観点があるのか、そこら辺のところを教えていただきたい。あるいは、各国との独自性を持つためにあえて、本体ではなく衛星、水やなにかの可能性があるということで、小衛星のほうに重点を置いているということなのか。その点が1点目でございます。
2点目、これはお願いなのですが、資料で令和何年度とありますが、これは今後、全部西暦に統一していただけないだろうかと。別のところで見ると西暦になっているということで、少なくともこの宇宙関係は全部西暦に統一したほうが分かりやすいだろうと。まあ、会計の年度に引っ張られるのかもしれませんけれども。
それから3番目に、科学と、今おっしゃった探査のところの、これはいろいろ組織も違って区分も違って難しいんでしょうけど、統一みたいな、ある程度調整しておかないと、それぞれ別々ということではないんじゃないかと思うので、これは1点感想だけ申し上げておきます。
では、ほかの委員の方々何かございますでしょうか。あれば、まとめて伺った上で御回答いただいたほうがいいと思いますので、挙手をお願いいたしたいと思います。

【高橋委員】 東京大学の高橋です。川勝さん、大変お疲れさまです。
非常にいいミッションだと思うのですけれど、質問があります。サイエンスの創出にはサンプルが戻ってきてからの分析が非常に大切だと思います。日本にはSPring-8やJ-PARCなど、非常にユニークで国際的にも非常に優れた分析ができる加速器があるので、はやぶさ2においても日本が主体的にやっているという意義につながっていると思うのです。MMXでは、戻ってきてからのことをさらに発展させるのだと思いますが、例えばキュレーションセンターみたいなところは、それに向けて十分な手当てがされていると思ってよろしいでしょうか。その辺、もし、どういうふうに発展させることが必要かというコメントがあったらお願いいたします。

【藤崎主査】 では、ありがとうございました。木村委員お願いします。

【木村委員】 大変興味深いお話ありがとうございます。2点質問させてください。
1点は、先ほどMMXで、火星衛星を火星での有人活動の拠点にするというアイデアを提案されたと思います。具体的にそれはどのような形でそこが意義を持つのかというか、そこに拠点を形成するメリットとか 、それらを少し技術的な部分を詳しく教えていただけるとありがたいかなというのが1点です。
2点目は、はやぶさとはやぶさ2でサンプルリターン技術はかなり成熟していて、世界的にも非常にアピールしているところだと思うのですけど、今回のMMXでの技術的なチャレンジは、これまでの小惑星天体からのサンプルリターンに対して、どういったところにジャンプがあるかという点、この2点を教えていただければと思います。

【藤崎主査】 ありがとうございます。では、中村委員お願いいたします。

【中村委員】 中村です。国際有人宇宙探査の観点からの、MMXの紹介というのを初めて伺って興味深かったんですけれども、途中で御紹介がありました放射線環境の測定のほかに、将来の、先ほど木村先生もありましたようなステーションの可能性を探るという意味で、何か予定されている解析なり観測なりというのはあるんでしょうか。今後、あるいは検討される予定はありますでしょうか。以上です。

【藤崎主査】 ありがとうございました。では、以上、御質問が出ましたので、これに対しまして国分さん、川勝さんのほうからお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【国分室長】 まず文部科学省からお答えします。
MMXの総額につきましては、現在464億円を想定して、2020年から2024年までの開発期間を予定しているところでございます。
それから、先ほど主査から御指摘ありました科学と探査という関係につきましては、3年前のISEF2という国際宇宙探査の関係機関による国際会議のときに、「科学は探査を可能とし、探査は科学を可能とする」、そういった相補性があるということについて共同宣言の中で発信しております。まさに、そういう関係の中で両面的に行われていくものがこのMMXですとか先ほどのSLIMとか、そういったプロジェクトに表れているのかなというふうに理解しています。私からは以上です。

【藤崎主査】 分かりました。川勝さんいかがですか。

【川勝プロジェクトマネージャー】 たくさん質問いただきありがとうございます。
一つ一つ答えていきたいと思いますが、まず、藤崎先生のほうからいただいた火星探査にどう科学として取り組んでいくかということですが、従来、御存じかもしれませんが、宇宙科学のミッションというのは、コンペティション、競争で選んでいく、その時々のいろいろな制約の範囲内で一番成果が上げられそうなものを選んでいくということをやってきました。火星探査は、もう1990年代に打ち上げましたが、「のぞみ」というものがそういった過程で選ばれた後、サイエンス成果と、それから投入できるリソースとのバランスという中で、いいミッションが御提案できてこなかったということで、火星への取組が従前遅れてきていたというところがあります。実際に提案は色々ありました。そういうようなサイエンティストはいたのですが、できなかったと。
ただ、近年、探査というのは技術の蓄積という観点もある、あるいは成果の蓄積という観点もある中で、毎回毎回その場で一番いいものを選んでいくのでは駄目なんではないか、もう少し計画的、プログラム的にやっていくべきではないかという話が宇宙科学の中でも出てきています。そういう中で、国際宇宙探査の取組が始まり、月あるいは火星に行くという機会、あるいはモチベーションが科学以外にも増えてきたと。そこをどう協力していくかという中で、今、MMXが火星の計画の一番手に、そういうところに位置づけられて、今、JAXAの中の話ですが組織上も国際宇宙探査センターの中でやらせていただいています。
このMMXに続く火星の計画も、米国、カナダ等から、オービタの計画があって火星の地下の氷を探査するけれども日本も乗らないかというような話が来たり、こういうことで宇宙科学について国際協力ミッションが日本に入ってくるというチャネルができてきたので、それに基づいて火星に日本が取り組んでいく、それはサイエンス、探査両方、両輪だと思いますけれども、そういうような道筋ができてきているのかなというふうに思っています。
科学と探査の調整の話は、今、国分室長のほうからもありましたが、こういう組織でどこでミッションを実施するかという話に加えて、探査の中で月あるいは火星の科学をどうやっていくかという話を、宇宙科学のほうでも動きをつくり出したものを探査と協力してやっていく、あるいは、宇宙科学の委員会に探査の方が来て、いろいろと現状を毎回定例的に報告していただく、そういった交流は確実に進んでいるとは実感しています。
次に、高橋先生からいただいたサンプル分析、キュレーションの件ですが、まず、基本としては今宇宙科学研究所にある施設の中で、これまでにあったところを拡張してとか、あるいは終わったミッションのものを移して対応するとかがベースラインになっていますが、今はやぶさ2のミッションが帰ってきて拡張ミッションができてきている、あとオサイリス・レックス等々ほかの国が持って帰っているサンプルを分析するというような、日本がサンプル分析に携わる機会が増えてきているので、このサンプルを分析する施設あるいはキュレーションするというような技術についての研究費の投資が増えてきています。そういう中でMMXが持って帰ってくるサンプルについて、日本が取り組む体制も強化されているということが1つ。
それからもう1つ申し上げておきたいのは、御存じで質問いただいたのかと思いますが、キュレーションという、取ってきたサンプルを保管するということですね。これは、すぐに分析するだけではなくて、将来の技術発展も見越して長期間にわたって保管するというのは、これはそれなりのロードなんですけれども、米国もそこの部分を負担する協力をすると既に言ってくれていまして、一部のサンプルについては、人類共通の資産として日本だけではなく海外の、これは地理的なリスクを防ぐという意味も若干ありますけれども、そういうことも準備しております。
次に、木村先生からのフォボスを拠点とするメリットの話がありました。
これは、こういう天体を探査するときに途中に軌道上の中間点を置くかという話が1つと、その中間点を置く場合、人工のステーションを置くか天体を利用するかという2段階があると思います。前者については、月ぐらい近ければ、アポロのように表面に行って戻ってくるだけということもあるのかもしれませんが、火星は往復で3年ぐらいのミッションになりますので、それ相応のものがあり、ロジを考えなければいけない。
火星の軌道というのは、火星に近いところにあるんだろうと、幾何的には思われるかもしれませんが、エネルギー的に言うと中間点なんですね。なので、そこに多くの物資を保管して、火星の表面には一時的に降りるというようなミッションの在り方がかなり真剣に考えられているというところで、軌道上のステーションの話、拠点の話があり、そういう観点で火星を見たときにフォボスというのは、表面から6,000キロしかなく――地球の月は38万キロですけれども、かなり近いところなんですね。地球でいうと静止衛星の軌道よりもずっと低いところという位置にあります。そして、直径は20キロぐらいの大きさもありますので地盤もあると。これを使えるか使えないかというのは、プロジェクトの最初に必ず乗せなければいけない。
そういう中で、どれぐらい例えば表面がふかふかか、あるいは環境という意味では放射線あるいはダストの環境がどうなっているか、そういうところが今フォボスについては全然分かっていない。そういうものの情報を初めて今回得られるということが、大きな有人宇宙探査に向けた貢献と考えています。
技術的チャレンジの話は、今回、将来フォボスを使うということになっても、フォボスの表面にどう到達するかというところは大きなポイントになってきます。はやぶさはサンプルを取ったわけですが、はやぶさは、木村先生はよく御存じのようにワンタッチ、降りた瞬間に弾丸発射して飛び散ったサンプルを取るということになっていますが、MMXの場合、取ってくるサンプルの量の目標が高いこともあって、きちんと表面に着陸して、3時間程度ですけれども滞在して、離陸するというプロセスを踏みます。
こういう微小天体に安定して、要するにひっくり返らないように降りるというのは、実はやられたことがなくて、難しいんですね。今も、例えば表面でのバウンドをどう抑えるか、あるいは、帰る燃料を積んでおりますので、暴れている中でも降りられるか、とかいうものについて、かなりの技術開発をやっています。それは物を作るという以上に無重力実験とかですね、そういうものを組み合わせてやっている中で、日本独自の技術が獲得できると。これは将来フォボスで使うのか、あるいは小天体の資源活用なのか分かりませんが、そういうところで重要な技術になってくると考えています。
それから中村先生の、フォボスで何を調べるのか、について。放射線環境以外の話をしますと、まず、今、利用可能性という意味では、表面の地質、地盤、あるいはそこでどういうものがあるか。もともとはフォボスの起源がどうかという観点でということで搭載している機器ですが、中に水の氷があるかどうかということを検知できる、水素イオン測ってですね、そういうような機器も積んでいます。リソースがどういうものがあるかという観点が1つ。それから、表面の温度環境云々というのは表面に何か拠点を造る場合にはありますが、あと、周りのメテオロイド、ダストの環境、どれぐらいの密度飛んでいるかということを考えるようなダスト分析器というものを積んでいるというのが、答えになります。
ざっと回答させていただきましたが、以上で回答になっているでしょうか。よろしくお願いします。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
国分さん、川勝さんに大変明快にお話しいただいたと思いますが、以上でよろしゅうございますでしょうか。よろしければ、次の議題、議題2のゲートウェイ利用に関わる検討状況に移りたいと思います。 では、このゲートウェイ利用について、御説明をお願いいたします。

<JAXA佐々木理事より資料43-2に基づき説明>

【藤崎主査】 佐々木理事、どうもありがとうございました。いろいろ詳しく御説明いただきました。委員の方々、もし御質問があれば挙手願いたいと思います。
それでは、まず私から。ISSと違って利用配分はしない、全てデータを共有するという新しい形、これはいいんだろうと思いますし、8つのワーキンググループをつくっていくことも、こういうことなんだなと思いましたけど、ゲートウェイの全体設計ですね、機材の設計だけでなく、どういう目的にして、今おっしゃったようなデータについての考え方等は、NASA、JAXA、ESA等の会合で決めていくのか、率直に言ってNASAが大体こういうふうに今回はするんだということを言って、それにほかの機関が大体問題なければ承認していくという形なのか、そこら辺の全体設計の考えの基本は今どうなっているのかということを後で教えていただければと思います。

【稲谷委員】 稲谷です。ありがとうございます。佐々木さん、どうも説明ありがとうございました。私、いろいろな関係で月をめぐるいろんな方とお話しする機会があって、御質問ですが、先ほどのような機会の提供とか公募とかいう中に、特に、例えば民間の方々がいろいろな動機で参加されたいということがあると思うのですが、そういうことに対する配慮といいますかケアについてはどういうふうにお考えなのか、御質問させていただきたいと思いました。 以上です。

【藤崎主査】 ありがとうございました。民間利用ですね。高橋さんお願いいたします。

【高橋委員】 説明どうもありがとうございました。質問なのですけれども、3ページに、JAXAの役割として「公募による科学利用ミッション提案の取りまとめを行う」と書いてあります。このプログラム非常に魅力的で、サイエンスの成果の創出につながるんだと思うのですけれども、そのときに、例えば成果の評価とか、あるいは国際的にトップレベルの科学成果を出していくという過程で、どのように研究者をサポートしていくのかというようなところは、どこがやることになるのでしょうか。 以上です。

【藤崎主査】 ありがとうございました。ほかの委員の方々よろしゅうございますか。
もしよろしければ、それでは、佐々木さんのほうにお答えいただきたいと思います。もし国分さんが補足されるようであれば、お願いいたします。では、佐々木理事お願いいたします。

【佐々木理事】 承知しました。まず、藤崎先生のほうから御質問ありました、全体の目的、考え方ですけれども、これは基本的には、方針を取りまとめるというのは枠組みとしてはISSと同じということで、NASAが中心にはなるものの、ヨーロッパや日本、それとカナダがコンセンサスを取って進めるということになってございます。その中で、目的を合意し、データの扱いについても合意した上で進めるということになっています。これは政府レベルの部分から我々の実務の部分まで全てそういう形で進めると考えています。合意されて進めていくといったところになります。
もし、国分さん補足があればお願いします。

【国分室長】 では、その点について。ゲートウェイの了解覚書、MOUというものが国際約束に基づいて昨年の12月31日にできたのですが、その中で資料の2ページ目にあるGUCPというGateway Utilization Coordination Panel、これが正式に国際約束の中で設置された形になっていますので、そのフレームワークの中で今佐々木理事がおっしゃったような各国での調整が行われていると、そういう立てつけになっています。
以上です。

【藤崎主査】 分かりました。ありがとうございました。

【佐々木理事】 それから、稲谷先生のほうからの御質問で民間利用といったところになります。民間利用については、進めたいというところもありますが、一方で、現在のリソースは非常に限られている段階におきまして、幅広く声をかけて自由に民間利用していただくという状況には、ゲートウェイについてはないという認識はあります。ただ、当然我々が、先ほど述べましたような利用に向けた目的があって、それに沿った形での御提案というのは受け付けていますし、それを期待しているところです。今後、リソースが増えて自由度が増してくる段階では、当然民間利用というのが進むだろうというふうに思っております。
それから、高橋先生のほうからの科学的な評価といったところになりますが、これは月面での評価もそうなんですけれども、現在JAXAで十分評価できる部分がないということもありますが、現在は、まずは宇宙科学研究所におきまして国際宇宙探査の専門委員会をつくっていただいて、そこと連携しながら、日本内のコミュニティーの方に幅広くお声がけをさせていただいて、評価体制を構築していくというふうな考えを持っております。
これも国分さんのほうでの補足があればお願いします。

【国分室長】 成果の評価につきましては、ISSでも利用の状況や成果については、予算的なプロセスや政策立案のプロセスの中で色々なチェックが入りますので、そういった中でゲートウェイ利用の成果につきましても、対内的、対外的に確認されていくことになっていくと思っております。 以上です。

【高橋委員】 すみません、高橋です。評価するのはもちろん大事で、例えば専門家によるピアレビューみたいなものは非常に成果の創出につながると思います。一方で、これだけ魅力的なプログラムから良い成果を出していくために、サイエンティストをサポートするような仕組みというのもあると、成果がどんどんと出ていくんじゃないかなと思うんです。その辺は宇宙科学研究所の方々がやれる部分もあると思いますが、より大きな枠組みの中で、文科省さんにはいろんなそういう仕組みがあると思いますので、何か考えておられるでしょうかというのが、実は私にとって大事な質問でした。

【佐々木理事】 私のほうからまずお答えしますが、そういう観点では、今日資料には書いていなくて口頭でしか述べていませんが、今後、フィージビリティースタディーといった形で、ある程度テーマを深めていただくような、深めた上で国際的に打って出られるような、そんなことをサポートしたいと考えていまして、そういう仕組みについては今準備を進めております。月面については既に始めていますが、これからゲートウェイ利用についてもそういう形でやっていきたいというふうに考えています。

【高橋委員】 高橋です。大変ありがとうございます。そうすると、JAXAの役割というのはそういうところまでもちゃんと含むということだと思っていてよろしいですね。1、2、3、の中には必ずしもそれが書いていなかったので、お聞きしました。

【佐々木理事】 ミッション提案を取りまとめるというのは、いい提案を取りまとめるというふうに理解をしていますので、そういう意味でしっかりと国際競争力を持った提案にすると。取りまとめの文章を丁寧に今見ていますが、単に取りまとめじゃなくて国際競争力を持ったミッション提案を取りまとめるといった形で書いていただいていますので、それに沿った形でやらせていただいているというふうに思っています。

【高橋委員】 提案をとりまとめるだけではなくて、その後のケアが、サイエンスの成果創出に大きく役立つと思います。息の長い話になるので、参加する研究者をサポートいただきたいということ、このプログラムは日本が国際的に活躍するいい機会だと思いますから、そういう観点から質問しました。

【佐々木理事】 承知しました。そのつもりで進めたいと思います。

【藤崎主査】 大事な面だと思いますので、よろしくお願いいたします。
もしほかにございませんでしたら、ここでゲートウェイについての議論は終了します。佐々木理事、ありがとうございました。
ここまでで本日の公開の部分の議事は終了でございます。傍聴いただいた方々、どうもありがとうございました。

【事務局】 事務局からですけれども、本日の議題1、2についての議事録は後日、文科省のホームページに掲載いたします。また、次回の委員会の予定につきましては、日程調整の上改めてお知らせいたします。

<議題3は非公開>

(了)

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