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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第39回) 議事録

1.日時

令和2年11月11日(水曜日) 14時00分~15時30分

2.場所

オンライン

3.議題

  1. 国際宇宙探査やISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向について
  2. ISSを含む地球低軌道活動の在り方について
  3. 月面利用に向けた検討状況について
  4. その他

4.出席者

委員

主査(専門委員)           藤崎 一郎
主査代理(専門委員)        牧島 一夫
専門委員                倉本 圭
臨時委員                知野 恵子
専門委員                中村 昭子
臨時委員                西島 和三
専門委員                向井 千秋
臨時委員                米本 浩一

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局担当)               長野 裕子
研究開発局宇宙開発利用課長                    藤吉 尚之
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長        国分 政秀
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室室長補佐      溝田 岳

(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事補佐                                五味 淳
国際宇宙探査センター センター長                筒井 史哉
 

5.議事録

【藤崎主査】 それでは定刻になりましたので、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会第39回会合を開催いたします。事務局より連絡事項をお願いします。

<事務局よりオンライン会議の注意事項等説明>

【藤崎主査】 ありがとうございました。今日は3つの大きな議題があります。
最初は国際宇宙探査やISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向についてです。最近ニュースでも宇宙の話が頻繁に出てくるようになりました。それでは資料39-1について国分室長からお願いいたします。

<国分室長より資料39-1に基づき説明>

【藤崎主査】 ありがとうございました。今、ご説明いただきました最近の状況について、私から最初に1点だけ。
資料39-1の2ページにあるアルテミス合意の内容の宇宙資源について、今、国内ではどんな動きがあるのかということ。それから、こちらはこういう方向で今、合意が進んでいるわけですが、そもそもISS(国際宇宙ステーション)、あるいはゲートウェイをはじめ、ある意味で科学的協力ということで、みんながやってきているわけですが、この宇宙資源の採取ということになりますと、国家の利益ということが前面に出てきて、なかなか国際協調が難しくなっていくのではないか。あるいは、大手企業を想定しているにせよ、だいぶ方向性が変わってくるのではないかという見方もできると思います。この宇宙資源の問題は、今後もあまり問題なく、国際的なルール作りをしないままに、こういう格好(法的拘束力のない合意)で確認して進んでいくのか、それとも、中でまたルール作りをしていくつもりで、それに日本も積極的に関わるという考え方もあるのか。これが文部科学省の所掌かどうかはありますけれども、今の状況を教えていただけますか。

【国分室長】 宇宙資源の採取について国内の状況としてまず真っ先に思いつくのは、「はやぶさ」の活動です。「はやぶさ」や「はやぶさ2」のような、科学的調査を目的とした宇宙探査による資源の採取といったものは、もともと宇宙条約に、「(月その他の天体を含む宇宙空間における)科学的調査は、自由であり…」とありますので、議論の対象となっていないというのがわれわれの理解です。
従いまして、資料39-1の2ページ目の(4)の対象となり得るのは、科学的調査に当たらないものになります。我が国において、現段階では、いくつか計画はあるかもしれませんが、対象となる具体的な活動をしたという事実はありません。そういった状況です。
2点目の、これまで科学的調査を国際協力でやってきたところから、今後国家間の資源獲得競争に変わっていくのではとのご指摘ですが、今回のアルテミス合意に法的拘束力はなく、基本的には宇宙条約をはじめとした、これまでの法的フレームワークに基づいてやることを再確認したという位置付けです。また、宇宙資源に関するルール作り、探査に関するルール作りも、引き続き国連等の場を活用して進めていくことをアルテミス合意の中に記載しています。アルテミス合意は、今、活動していることが宇宙条約の禁止事項に当たらないことを確認したというものです。お答えになっておりますでしょうか。

【藤崎主査】 おっしゃることはわかります。私は、一つの懸念として、今後、希少金属等の取り合いが、米中、その他実際に人を送ることができる国の間で起こることや、それらの国と(資源獲得手段のない)他の国との間で差が出てくるような形になっていくとするならば、ここ(アルテミス合意への署名)を機転として宇宙の扱い方が大きく変わってきてしまう、そういった認識を持っていないといけないのではないかと考えています。
他に何かご質問、ご提起があれば。知野委員、どうぞ。

【知野委員】 資料39-1の3ページの、NASAとESAのMOU(月周回有人拠点ゲートウェイ了解覚書)の話です。資料にはESAのゲートウェイ搭乗機会が3回とありますけれども、これはやはりMOUを結んだこと、あるいはESAの貢献が大きいことで、認められたということなのでしょうか。ESA以外に他の国とか、あるいは日本の宇宙飛行士のゲートウェイ搭乗機会というのは、どこまで決まっているのでしょうか。

【国分室長】 報道ベースの情報ですので確定したことは申し上げられませんが、基本的に両者の貢献事項をMOUに記載していきますので、資料39-1の3ページ目の2つ目の黒いポツ(ESA側の貢献)と3つ目の黒いポツ(NASA側からESAへの提供)は連動しているのではないかと思います。
MOUは、我が国ではまだ出来ていませんが、7月に文部科学大臣とNASA長官との間で締結したJEDI(月探査協力に関する文部科学省と米航空宇宙局の共同宣言)の中で、日本側からのゲートウェイと月面の貢献事項に対して、NASA側からは日本人宇宙飛行士のゲートウェイおよび月面での搭乗機会を今後協議することが確認されておりまして、それは今後も一体的に議論されていくものと考えております。

【知野委員】 その他の国で、どこかMOUを結びつつあるとか、そういう情報はありますか。

【国分室長】 アルテミス計画に対しては、カナダも参画を表明していますので、カナダも何か考えている可能性はありますが、まだ具体的には存じません。

【藤崎主査】 米本委員、お願いいたします。

【米本委員】 アルテミス計画とゲートウェイ計画との関係性を記した公式文書を教えていただきたいと思います。
別の機会に事務局から、アルテミス計画はゲートウェイ計画を含む総称との説明がありました。私の理解では、アルテミス計画は米国の有人月面着陸の計画であり、ゲートウェイ計画は、国際共同による火星までの探査を含む月周回ステーション建設の計画と認識していました。

【国分室長】 NASAからアルテミス計画の詳細についての文書が定期的に更新されておりますので、こちらのリンクを追ってご連絡します。
この中でもアルテミス計画は、火星を視野に入れた上での月面の持続的な探査活動を実現するゲートウェイを含めた計画として記載されています。ただ、火星の部分は、計画としてまだ具体化されていないので、火星を念頭に置いたものではありますが、現在進められているのは月面探査となっています。

【米本委員】 資料39-1の1ページ(アルテミス合意)では、ISS計画参加5極(米、日、欧、加、露)がそろって署名しているわけではありません。今後、有人宇宙探査に関しては、多くの国が参加する比較的オープンな状況になっていくと考えます。
すなわち、ゲートウェイ計画はISS計画参加の5極が中心ですが、アルテミス計画を含むアルテミス合意に関しては、(5極に限らず)参入する国が増えていくと想定されます。こうした想定で、日本としての立ち位置を考えるべきではないでしょうか。文部科学省としての認識や考えを質問したいと思います。

【国分室長】 アルテミス合意は、ご指摘のとおりアルテミス計画を含む形になっており、例えば彗星(すいせい)や小惑星も含まれています。
アルテミス合意に署名した8カ国は、米国が声掛けし、10月13日の国際宇宙会議(IAC)の場での発表に間に合った国であって、ページの中段にありますように、その他の国がアルテミス合意に入れないわけではなく、今後新しい国も受け入れていく方針です。
それから、ISSの5極との関係で言いますと、例えば欧州は、月探査等への興味関心の度合いに国によってばらつきがあり、今回の合意に参加したイタリアとルクセンブルクは今の段階で一番興味関心が強い国であって、他の国が後から入ってくる可能性もあると考えています。
いずれにしろ、アルテミス合意は宇宙条約をはじめとしたフレームワークの中で今後も活動していくことを確認した政治的な宣言であり、これを踏まえるとしても、我が国の有人宇宙探査という観点からは、先般、小委員会でまとめていただいた考え方に沿って進めていく点は、特段ぶれていないと考えています。

【藤崎主査】 牧島委員、どうぞ。

【牧島主査代理】 資料39-1の5ページ目に、米国民主党の宇宙に対する政策綱領があり、これを拝見する限り、今までと大差はないという気がします。その辺をどのように読んでおられるか、またNASAの長官の去就も取り沙汰されているようですので、その辺りも含めて、文部科学省としての見通しを教えていただきたい。

【国分室長】 米国の民主党の綱領――マニフェストのようなものですけれども――としては、ここに書かれているとおりでして、仮に政権交代した場合であっても、米国の宇宙政策が大きく変更される前提とはなっておりません。
ただ、予算の多寡については現在米国議会の中で議論されており、予算配分やスケジュールの変更はあり得ると考えます。それについては、引き続き注意深く見ていくつもりです。

【藤崎主査】 NASAの長官の退任の報道もあるようですが、そのあたりはいかがですか。

【国分室長】 報道は承知しておりますが、スケジュールなども含めて確かな情報は入手出来ておりません。

【藤崎主査】 わかりました。他に委員の皆さま、何かありますでしょうか。
もしなければ、第2議題に行きたいと思います。第2議題は、前回の会合でもご議論いただいた中間取りまとめについてです。
皆さまから懇切丁寧にご意見をいただいて、それを手直ししたものが、本日の資料となります。素案と書いてありますが、これについて、事務局でさっと読んでいただきたい。別添の各国の状況は読まなくて結構ですから。説明を加えないでただ読んでください。

<国分室長より資料39-2読み上げ>

【藤崎主査】 ありがとうございました。
こちらは前回議論した後で、皆さまからいろいろなコメントを頂いて、全部は活かし切れていない部分もあると思いますが、大半は取り込んだと思います。
もし、本日ここで、文章に関わる修文のようなことは、別途事務局に寄せていただくことにいたしまして、もう少し大きな方向性、これに触れておいたほうがよかったのではないかとか、この点は、こういう議論はやはり不適当ではなかっただろうか、というような大きな点があれば、この場でぜひおっしゃっていただいて、皆さまと議論したいと思います。
もしなければ、個別の点については事務局と委員の方々で詰めさせていただきたいと思いますが、何かこの場でご議論がある方は挙手いただけますでしょうか。

<挙手なし>

もしなければ、この資料39-2につきまして、一定の期間内にコメントを寄せていただくように事務局からお願いして、最終的な中間取りまとめとしての形を固めたいと思います。
では、皆さまがよろしければ第3議題に移らせていただきます。国分室長、お願いします。

【国分室長】 3つ目の議題は、月面利用に向けた検討状況について、JAXAの五味理事補佐から説明をお願いします。

<JAXA五味理事補佐より資料39-3に基づき説明>

【藤崎主査】 ありがとうございました。それでは今のご説明について、私から一つだけ。
第1議題のときに申し上げたことと重なりますが、資料39-3を見ておりますと、月面での活動はかなり幅広く展開されるように見えます。そして、これが民間主体であり、かつ、固定型の拠点を置くことになると。恐らく、ゴールドラッシュの経験者の米国とか中国とか、そういう国が、幅広い分野を囲い込んで、この場所はこれから開発するところだからと言って、他の人が入れない開発中の地域というようなものをつくり出していく可能性があるのではないだろうかと。
文部科学省なのか外務省なのか経済産業省なのか、難しいところですけれども、もしくは小委員会の上の宇宙開発利用部会や内閣府の宇宙政策委員会でお考えいただく点かもしれませんが、単に資源の採取は自由であるということだけでなくて、一定のルールを日本から言い出していかないと、非常に大事なところで遅れを取ってしまって、他の国が勝手な形でやっていくことになるのではないかと懸念します。そのあたり、広い地域を囲い込むことは、占有に当たるためできないという解釈になるのかわかりませんので、この点は少し議論していただいたほうがいいと思うので、あえて申し上げます。
委員の皆さま、何かございますか。西島委員、米本委員の順でお願いいたします。

【西島委員】 ここでの有人月面活動は、例えば月面の6分の1Gを想定しているのか、あるいは、地球と同じ1Gを想定しているのか、どちらでしょうか。
というのは、今、ISSで実施され、注目されている実験は、タンパク質の結晶やiPS、マウスの実験です。これらは医療や健康、認知症・老化の防止といったことでの地球上の人への貢献になっていて、国民からすれば、月面活動においてもこういった分野への貢献を多少は期待していると思います。
しかしここではどちらかというとプラントなどのインフラが中心で、医療とか医薬は入っていません。であるとすると、月面での活動において、人体に対するGや放射線の影響、人間の時間管理/睡眠管理といったものをどこまで予想しているのかが見えなかったのですが。

【藤崎主査】 いかがでしょうか。五味理事補佐、どうぞ。

【JAXA五味理事補佐】 基本的には、月は6分の1Gですので、6分の1G状態で人間が活動すると思っております。ただし、ISSでも重力を変えられるマウスの実験装置で今、実験しておりますけれども、そういうものを(月面に)設けて、可変のGで生体に与える影響をいろいろな角度から調べることは、可能だと考えます。
どういう実験をやるかというようなところまでは、まだ検討しておりません。

【西島委員】 わかりました。
6分の1Gの月面で人が長期間活動する際の人体に対する影響とか、そのあたりを見据えた実験を検討したほうがいいのではないかという印象を持ちました。

【藤崎主査】 米本委員、お願いします。

【米本委員】 資料39-3の8ページに有人月面基盤の構築に向けた段階的な取り組みについて網羅的なマップが描かれています。日本が有人輸送(手段)を持たない中で、有人移動や有人に関わるインフラの構築が、結局は米国頼みになることについて、どのように考えたらよいのかが最初の質問です。
2番目の質問は、同じ資料ページで、有人宇宙輸送は、国際協力ベースでやるとしながらも、自国能力確保とも書かれています。どのような取り組みをイメージしたらよいのか、JAXAが具体的な計画をお持ちだったら教えて下さい。
3番目は、資料10ページ目の取組丸2民間主体の研究の拡大の支援に関わるご説明について、民間が自身のビジネスのため行う研究の支援なのか、あるいは国のプロジェクト(実現のため行う研究)に幅広く(参加してもらうため、新規の)プレーヤーを開拓していくという意図なのか、分かり易い考え方をお聞きしたいと思います。

【藤崎主査】 まず五味理事補佐からお答えいただけますか。

【JAXA五味理事補佐】 有人輸送につきましては、国際協力ベースで考えております。今のところ、日本が有人輸送そのものを開発する計画はありません。その代わり有人輸送を持っているところとの間でバーター等をやっていくと想定しています。
有人輸送は国際協力であるけれども、自国能力確保も行うというところですが、例えば、日本人が有人輸送機に搭乗できるようにきちっと周辺環境を整えもらうのを条件に、与圧ローバを提供するといった枠組みを創出していきたいという意味です。
続いて、民間主体の研究のところ、自分のビジネスのためと、国と一体化した活動のため、(どちらを意図したものなのか)についてですが、ご自分でビジネスをやりたいという企業の方々の意見を十分に尊重した上で、その辺の切り分けは今後していくと思っております。

【藤崎主査】 国分室長、何か補足はありますか。

【国分室長】 この議題を設定させていただいた背景としましては、アルテミス計画が出てきて、月面の持続的な拠点化が具体性を帯びてきたことを踏まえ、将来、特に2020年代後半以降、宇宙の活動領域が拡大し、地球低軌道と月面との宇宙活動のバランス関係も大きく変わっていくのではないかと考えています。
そうした中で、月面については、今の段階から頭の体操を積極的に行っておくべきではないかと考えています。内閣府も来年度に向けて月面活動に関する予算要求をしていますし、我々(文部科学省/JAXA)も宇宙探査イノベーションハブ等で研究開発を行っています。これらの取組を進めていくに当たっては、将来像を共有したほうが良いのではないかとの観点から、今回、JAXAに、JAXAが国際動向等も踏まえて想定した将来の月面活動のイメージをご紹介いただきました。
米本委員のご指摘に関しまして、宇宙基本計画の中でも有人輸送をどこまでやっていくかは分からないところですが、先般、本小委員会でまとめていただいた「我が国の有人宇宙探査に関する考え方について」にもありますとおり、我が国としては、いかなる国際協力の中でも、引き続き有人宇宙技術を獲得・蓄積していくという考えです。有人宇宙探査は、我が国単独で行えるものではないという前提で、基本的には国際協力でいろいろなプロジェクトを進めていくと思っています。
それから、最後の米本委員のご指摘についてですが、国が実施していくべき部分と民間企業の自発的な活動が広がっていくと想定される部分を(今後)検討していくために、(一案として)JAXAに作ってもらったのが8ページ目の青と緑の色分けをしている図です。青い部分が「これまでに獲得した宇宙技術をもとに発展させていく技術要素」、緑色の部分が「民間企業(非宇宙分野を含む)の新技術導入を必要とする技術要素」となっていて、グラデーションになっているところは、一体となってやっていく必要があると想定されるところで、多くの部分で国と民間の連携が必要だと考えています。

【藤崎主査】 牧島委員、どうぞ。

【牧島主査代理】 2つコメントします。まず7ページ目は、かなり総花的になっています。国分室長からお話があったように、全体的にこういうインフラ整備には国際協力が基本というのは、そのとおりだと思いますが、他方でやはり、日本の技術的な優位性と日本の産業構造の特徴を踏まえ、日本が月面でも優位に展開できる課題をいくつか出しておきたいものです。将来的に他国が何かしようとしたときに、この部分は日本の技術に頼らないとできないと言わせるぐらいのものを作っていくべきと思います。
もう1つは、タックスペイヤーである国民の皆さんに理解してもらう必要があるので、国民一人一人にとって、月面が身近になるような目玉も考えるべきでしょう。
観光地に行くと、100円を入れて3分間、遠くを見ることができる双眼鏡が以前から各地にあります。それと同じように、例えば月面に多数カメラを置き、申し込んでおくと順番に時間が割り当てられ、たとえば5分間だけ、自分が好きなようにカメラを操作して、ズームをしたり地球を見たり、空(宇宙)を見たりできる。結果として国民にとって月面が身近になり、誰でも月の活動へ参加できると思ってもらえ、関心も高まると思います。すると予算を獲得する上でも、長い目で見てかなり優位になると思います。今、お答えいただく必要は必ずしもありませんが、以上の2点をお考えいただければと思います。

【藤崎主査】 今、委員がおっしゃった2番目の点というのは、実際に(月面に)行かなくても、ある時間に限って、双眼鏡で自分のうちのほうを見てもらえるとか、そういう類いのことですね。

【牧島主査代理】 そうです。

【藤崎主査】 面白いですね。

【牧島主査代理】 今は、道路や橋、スキー場など各所にライブカメラがあり、例えば自分が明日ドライブで行く場所の路面状況がどうか、確認できます。カメラ操作権を取得すると、1分間なり30秒間なり、自分でカメラの方向を変えたり、ズームしたりできる機能です。同様なことが月面でも可能になると、楽しく魅力的だと思いました。

【藤崎主査】 わかりました。知野委員、お願いします。

【知野委員】 7ページを見ると、壮大なことを考えていらっしゃるということがよく分かるのですが、この計画全体を見て、宇宙基本計画に書いてあるとか、あるいは拠点化することがこれから現実味を帯びてきたなどと出てきますが、その必然性が何なのだろうかというところが、国民の側から見ると、わかりにくいところだと思います。何のために月面でこんなに活動をするのか。宇宙基本計画に書いてあるということだけでは、難しいなと受け止めました。

【藤崎主査】 向井委員、お願いします。

【向井委員】 8ページで、特に2020年代に活動するときのリソース、特に人的リソースに関して伺います。
先ほどの国分室長の話では、予算は内閣府と文部科学省で考えていらっしゃるみたいなので、JAXAとしては人的なリソースの規模感と人の育成についてどういった考えでしょうか。
宇宙飛行士に関しては、来年度、若干名を募集となっていますが、それ以外のエンジニアなどの総数を考えると、今の宇宙ステーションに携わる人数をベースとすると、どのくらいの規模感で月探査運用をしようと考えているのでしょうか。

【国分室長】 よろしいでしょうか、事務局ですけれども。

【藤崎主査】 どうぞ。

【国分室長】 若干議論が先走っている気もするので一言申し上げます。
7ページは、ISECGの議論も参考に、月面では2030年代以降、こうなっているのではないかという総花的な絵をご紹介したものと理解しております。
その中で8ページは、民間と国/JAXAという形で考えたときに、技術要素についての役割分担の一案を書いたものです。これを全部やるための予算について議論するということではなく、こういった絵姿が2030年に向けて描かれている中で、国や民間はどういうふうに取組や連携を進めていくかという議論の起点としてご紹介したものです。
これを全部我が国でやろうと思っていると捉えられてしまうと、ミスリードかなと思いましたので、そこだけ補足させていただきます。

【向井委員】 私は7ページの2030年の総花的なところのことは言っていません。
8ページの2020年代のフェーズは、月面を理解するためのフェーズとなっていて、2020年代というと、今年が2020年ですから、この先5、6年、あるいは10年間ぐらいに向けての、月面探査に関する具体的な人材育成の話です。
例えば、先ほど(西島委員から)ご指摘のありました宇宙医学関係の話を含めて、民間が入ってくるにしてもJAXAが核になるので、JAXAの中で受け皿になるような人材も必要になると思います。宇宙飛行士を訓練するのと同じように、技術者やプロジェクトマネージャーのような役割をする人たちをそろそろ人材育成しないと間に合わないと思います。そのあたりはどのくらいの規模感でどのような人材を育成する計画を、飛行士以外でしているのかなという質問です。

【国分室長】 0番というのはSLIMやLUPEXを想定していて、3番というのは有人与圧ローバを想定しているものとの理解です。これに向けて、どういうふうに人的リソースを割いていくかというのは、これからの議論だと思います。
おそらく、JAXAや文部科学省、もしかしたら内閣府や経済産業省なども、組織として人的リソースを含めどう対応していくか、そういう大きな議論はこれから始まっていくものだと考えているところです。

【向井委員】 ぜひ、お願いします。おそらく、ESAにしてもNASAにしても、POC(point of contact:接点(他の宇宙機関との窓口))として日本側のチームの顔が見える形にしていかないといけないと思いますのでよろしくお願いいたします。

【藤崎主査】 では倉本委員、お待たせいたしました。お願いいたします。

【倉本委員】 私も、今の質問と関連していて、今後10年間くらいのマイルストーンの設定を、もう少し明確にするといいのではないかという気がしました。
特に8ページ目の図を見ると、左から右に向かって展開をしていくのですけれども、2020年代の終わりの丸3と書いてあるところと、2030年代以降の右に書いてあることの間に、結構大きなギャップがあるような印象を持ちました。ですので、20年代の終わりに、例えば月面ではこういう規模の活動が展開されていることを基本に据えているとか、その辺りを明確にすると、より将来が見えやすくなるのかなという印象を持ちました。

【藤崎主査】 ありがとうございました。他の委員の方々、何かご意見、ご質問はありますか。米本委員、お願いいたします。

【米本委員】 私が申し上げたかったのは、2020年代や30年代の有人宇宙活動を支えるのは有人の宇宙輸送手段だということです。それを国際協力するにしても、日本としての戦略が見えません。すなわち、今は米国に頼る、ロシアに頼るは仕方ないにしても、有人宇宙輸送手段の獲得戦略を考えて行かないと、有人宇宙活動は単に絵に描いた餅になってしまいます。
例えば有人のドラゴン宇宙船を使うにしても、SpaceXはビジネスベースの交渉になります。有人宇宙輸送手段を持たない日本の場合、利用を希望したときに、その値段は彼らの言い値になってしまう可能性もあるということです。そのような事態も想定して、日本としての有人宇宙輸送戦略をどのように考え、その上で有人宇宙活動を展開していくというビジョンを示すべきです。今はいろいろな活動や手段を幅広く見るときであるという主張は、一定の理解はできますが、やはり有人宇宙活動に欠かせない有人宇宙輸送手段も併せて戦略の中で提示していく必要があると思います。

【藤崎主査】 他にご意見がないようでしたら、第3議題はこれで終了したいと思います。よろしゅうございますか。それでは五味理事補佐、どうもありがとうございました。
以上で、本日の議題3つを終了しました。ただ、最初に申しましたように、もし何か第1議題で言い残されたとか、あるいは第2議題で言っておくということで今、ございましたら、どうぞ挙手をお願いいたします。

<挙手なし>

ないようでしたら、事務局から連絡事項があればお願いします。

【事務局】 本日の議事録につきましては、後日、文部科学省のホームページに掲載させていただきます。次回の小委員会の開催予定につきましては、日程調整の上、改めてお知らせします。

【藤崎主査】 事務局から資料39-2の中間とりまとめの素案について、もし委員の方々からご意見がある場合、いつまでに寄せていただきたいという期日を今、おっしゃっていただけますか。

【国分室長】 正確には追って事務局からメールでご連絡しますが、本日が11月11日(水曜日)ですので、来週前半ぐらいまでにはコメントを頂きたいと思っております。

【藤崎主査】 それでは以上で閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課