令和2年2月18日(火曜日) 11時00分~12時00分
文部科学省 3階2特別会議室
主査(専門委員) 藤崎 一郎
第一主査代理(専門委員) 牧島 一夫
第二主査代理(委員) 角南 篤
専門委員 金山 秀樹
専門委員 木村 真一
専門委員 古城 佳子
臨時委員 知野 恵子
専門委員 続橋 聡
専門委員 中村 昭子
専門委員 向井 千秋
臨時委員 米本 浩一
大臣官房審議官(研究開発局担当) 岡村 直子
研究開発局宇宙開発利用課長 藤吉 尚之
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 倉田 佳奈江
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室室長補佐 髙木 朋美
(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事 若田 光一
ISSプロジェクトマネージャ 筒井 史哉
【藤崎主査】 定刻になりましたので,ただいまより国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会第35回会合を開催します。
事務局よりお願いいたします。
【事務局】 検討会資料の確認をさせていただきます。
お手元の議事次第のとおり配付しておりますので,過不足などございましたら事務局までお申しつけください。なお,本日の会議資料と議事録につきましては,後日,文部科学省のホームページに掲載させていただきますので,よろしくお願いいたします。
【藤崎主査】 議事に入ります。
議題1は,「国際宇宙探査やISSを含む地球低軌道をめぐる最近の動向について」です。
まずは2月6日の小委員会以降の動向を事務局からご説明いただきます。
<文部科学省倉田室長より資料35-1に基づき説明>
【藤崎主査】 今の,NASAの動向につきまして,ご質問はございますか。
米本委員,お願いします。
【米本委員】 資料1ページ目の最後のISS関連の予算が,アルテミス計画の実証を考えた計画であると伺いました。具体的な実証計画の内容が分かりましたら,教えていただけないでしょうか。
【倉田室長】 一例ですが,今後の月周回や月面での有人活動を想定した有人滞在技術の実証がございます。具体的なところは,今手元に資料がありませんので,また後日,先生方には資料をお配りしたいと思います。やはり,ゲートウェイの完成が2024年以降と5年ほど先ですので,それまで,現在利用できる宇宙実証の場としてISSを位置づけていくといった試みはNASAでも進められているようです。
【藤崎主査】 他に,いかがでございますか。角南代理。
【角南第二主査代理】 今回,予算要求の概要が出されていますけれど,今後はその中身について検証していくと思いますけれど,その検証した結果というのは,ここで提示されるのでしょうか。
【倉田室長】 そのつもりでございます。
【角南第二主査代理】 とりわけ,商業LEO開発について予算要求しているということは,民間参入支援のためのどういうところが議論になっているのか。それから,これまでのトレンドで,支援額が伸びているのか減っているのかとか,本小委員会でも政策の議論をするときに非常に重要になるデータだと思います。ですから,一般的な情報共有ではなくて,アメリカのやり方をうまく活用できるような分析をもとにわかりやすい資料にしていただくと,政策を議論する際に役に立つと思います。
【倉田室長】 分析しまして,皆様に別途ご提示できるようにしたいと思います。
【藤崎主査】 金山委員。
【金山委員】 有人月着陸システムとありますけれども,これはNASAが独自にシステムを開発するということでしょうか。それとも月着陸システム(ランダー)を開発している会社が何社かありますけれども,民間と共同で開発して後々はサービス調達につなげていくという,どちらでしょうか。
【倉田室長】 ご指摘のとおり,現在複数社が名乗りをあげている状況と承知しております。様々な報道もございますが,競争入札となるのかサービス調達となるのか,NASAがどのぐらい主となるのか,そのあたりを引き続き注視していく必要があるという状況でございます。
【金山委員】 わかりました。ありがとうございます。
【藤崎主査】 他にございますか。
他にご意見がなければ,議題2の「地球低軌道活動の在り方について」に進みます。
こちらは,事務局でこれまでの議論を整理いただいて,メールを含めた各委員とのいろいろなやり取りや意見交換を踏まえまして,整理いただいた案です。ご紹介をお願いします。
<事務局より資料35-2を読み上げ>
【藤崎主査】 ありがとうございました。
本件につきましては,今まで皆様方とご議論をしてきたことを踏まえまして,事務局が整理したものでございます。
大きな流れとしては,宇宙開発戦略本部が昨年末に決定した宇宙基本計画工程表に基づき,「低軌道における2025年以降の我が国の有人宇宙活動の在り方について,各国の検討状況も注視しつつオプションを整理する」ということで,議論してきたものです。
本小委員会のこれまでの整理をかいつまんで申しますと,1ポツで,長期的には,これから地球低軌道の活動は重要であると。そして,民間の役割がだんだん増大していくであろうと。ということを述べ,2の留意事項におきまして,にもかかわらず,ISSについては長期的存続が明確でなく,他国の意向にも左右されるので,民間ができることにはインフラ面では限りがあると。
さらに,アメリカでは,よく民間が中心であると言っているけれども,実はその民間というのは,NASAでないという意味で,NIH(アメリカ国立衛生研究所)等の他の政府機関であったり,あるいはISSを利用する料金設定が日本の10分の1程度に低く設定されているので,アメリカであっても民が独自に次々と入っていけるというシステムではなく,かなり官が下支えしているという実態は把握する必要があると。
そして,産業界から,まずは官の側から大きな展望を示してほしい,との要請がありましたので,それについて書いています。
そして最後の3ポツのオプションの考え方では,「オプションを整理する」ということになっておりますので,それに答えるということにはしておりますが,ポイントとしては,これまでやってきたような技術実証や人材育成の場として,地球低軌道は極めて重要であるということ。そして,そのために官が主体的な役割を果たしていくことが引き続き必要であろうと。民間事業者の参画拡大については,可能な限り官が情報を民と共有しながら,そして官によるサービスの調達や運営委託など,支援もしながら,民間の拡大ということを図っていく必要があろうということ。
そして,ISS終了後については,米国等の動向も踏まえ,国際協力という形で,どういう形が望ましいか引き続き検討していくと。こういう趣旨を取りまとめたわけでございます。
これにつきましては,皆様方と意見交換を重ねてまいりましたので,この報告,議論の成果ということでございますが,これ自体は私どもの意見の集約として,委員会等に報告するということでよろしゅうございますか。
どうぞ。牧島先生。
【牧島第一主査代理】 細かいですが,3ページ目の3ポツ(2)の3行目で,「継続的な人材育成が,我が国のISS・低軌道活動の質や費用対効果の向上にも寄与する」というところは,「ISSを支援することが,ISS・低軌道活動の質の向上に寄与する」と,循環論法になっている気がします。そこでここを,「継続的な人材育成が,我が国の今後の宇宙活動の質や費用対効果の向上にも」とすれば,より良いと思いますが,いかがでしょうか。
【藤崎主査】 そうすると,「それらの利用を通じた大学等による継続的な人材育成が,我が国の今後の…」
【牧島第一主査代理】 宇宙活動。
【藤崎主査】 宇宙活動でございますか。「…我が国の今後の宇宙活動の質や費用対…」で,よろしゅうございますか。
【牧島第一主査代理】 要するに,低軌道だけはなくて,月・月以遠まで含めるというニュアンスです。
【藤崎主査】 では,今の修正を入れまして,皆様,以上で,採択でよろしゅうございますか。
では,採択とさせていただきます。
最後に,本小委員会におきましては,これまで皆様方のご協力によりまして,様々な形のご意見を賜ってきたところでございます。今後の進め方,具体的にどういうことを取り上げるべきかとか,こういうことについては,こういう議論があったほうがいい,というようなご意見がございましたら,今後の参考までに,一言ずつ皆様から伺いたいと思います。もちろん,ご意見がない方は「なし」ということで結構でございます。
それでは,米本委員からお願いいたします。
【米本委員】 オプションの考え方は漸く整理できました。これに至るまで相当いろいろな議論を尽くして,ここまでたどり着いたと理解しております。
このオプションの考え方の整理に基づいて,今後は具体的な提案活動に進んでいきたいと思います。一委員として,今後とも微力ながら貢献する所存です。
【藤崎主査】 ありがとうございました。向井委員,お願いします。
【向井委員】 3点あります。
米本委員がおっしゃったように,オプションの具体的な考え方は素晴らしいと思います。ただし,今後,やはりビジョンを出していくような議論が必要です。
今は,諸外国の影響によって日本がどうなるかわからないといった,風見鶏的な方向性のまとめ方ですが,そうではなくて,「日本は何がやりたいか,JAXAは何がやりたいか」をビジョンにして,その方針に影響するものとしてNASAの予算,ヨーロッパ,中国,あるいは新興国の動向を考えるべきで,日本を主軸にしたマイルストーンで考えた表が必要と思います。
今は,アメリカの計画ありきですが,日本はもともと探査として月面を目指していたので,それを全面的に出していく議論です。専門集団であるJAXAが国のimplementation organization(実行機関)としての方針案を文科省に上げて,内閣府の宇宙政策委員会で議論していただくことかと。国民が理解できるビジョンをぜひ一緒に議論をできたらと思います。
2つ目は,具体的な施策の情報が必要です。施策は別の委員会で話しているのであれば,具体的な内容を教えていただければと。これまで官が主導してきた計画を民間移管するために,どうすればいいのかを議論するためです。産業界や研究機関の育成を議論していければと思います。
3点目は,ISSは永遠ではないので,ポストISSについて,低軌道に新たなシステムを構築する必要性や,構築するのであれば産学官連携の仕組み等を議論ができればと思います。
以上,3点です。
【藤崎主査】 よくわかりました。ありがとうございました。
では,中村委員,お願いします。
【中村委員】 今回のオプションの考え方の2番の「大学等による新たな知の創出を目指した利用に対しては,様々な公的支援制度のより効果的な活用を促進するなど,その仕組みを整えていく」あたりのところを,今後,本当に整理していただければ,人材育成という観点からも非常にありがたいと思います。
【藤崎主査】 ありがとうございました。続橋委員お願いします。
【続橋委員】 では3点ほど。
1点目は,今,Society5.0と言っていますけれども,様々なグローバルな課題があり,そうしたものをどう取り上げるか。それに対して宇宙,特に低軌道の活動というのはどう貢献できるかというのをまとめることかと思います。
その中で,宇宙インフラをどう整備していくかというビジョンをつくるということ。具体的な話として,今回のペーパーの整理ですけれども,この中にある需要喚起,ニーズ把握の調査結果を踏まえて,そうしたものを実現するためにはどんな支援策が必要かを詰めていくということです。
2点目は,私が以前から言っているPPP,PFIのところで,オプションの(3)です。ここは,民間は今のところ資金は出せないけれども,運営のところに民間がどう絡むのか。有人施設の安全に関わることですので,民間が全部これをやることは不可能だと思いますけれども,どういう形で絡んでいくのかということかと思います。
以上です。
【藤崎主査】 ありがとうございました。知野委員,お願いします。
【知野委員】 国民の側からすると,このオプションというのは「早期かつタイムリーに」ということで,様々なことを検討するとありますけれども,いつまでに何をやるかというビジョンが必要なのではないかと思います。
つまり,タイムスケジュールみたいなものを明確にしながら,今後について検討していく必要があると思います。その際には,民間需要が本当にあるのかどうか,運用を延長して行った場合に,本当に需要があるのかどうかを,やはりきちんと調査するということ。
これからISSの先,ISS終了後に新しい地球低軌道利用プラットフォームをつくるかどうかの見通しやシナリオ,こういうものも含めて検討していくことが必要になると思います。
以上です。
【藤崎主査】 ありがとうございました。 牧島代理,お願いします。
【牧島第一主査代理】 今回の作業は,ある意味で総論ですけれども,今後,やはりもう少し各論的なところが求められるかと思います。
例えば,今後の地球近傍の宇宙活動として,日本の得意な技術,得意な知恵,日本に特有の社会構造や経済構造を組み合わせ,このような取り組みであれば,日本として有利に進められるという案を考えたいものです。
すなわち,日本が世界に対し,我が国だからこれができると標榜できるような,何かシンボルになる計画が,漠然としていても構わないので,考えられると良いと考えております。それが新しいISSなのか,新しいロケットなのか,小型衛星なのか,様々な可能性があると思いますが,それらを俯瞰して,これが日本の得意な取り組みだというものが出せると良いと思います。
【藤崎主査】 牧島先生のおっしゃったのは,今まで,4つの分野,滞在とか小惑星着陸とか,様々なところを少しずつ識別してまいりましたが,総合的にもう1回整理し直すと,こういう形でございますね。
【牧島第一主査代理】 そうです。
【藤崎主査】 わかりました。角南委員,お願いいたします。
【角南第二主査代理】 皆さんがおっしゃったことは全て重要な点だと思います。
もう1つ,具体的な議論も面白いかと思っているのは,残りのISSの利用期間に限定して,「きぼう」を日本のナショナル・ラボにすることです。
これは,NASAが言っていることと同じ考えで,日本の場合は,研発法人(国立研究開発法人)なのか,大学共同利用機関の制度を使うかして,「きぼう」をオールジャパンで利用するような制度設計をしてみるということです。
我々はいつも利用のことを議論しますが,研究に科研費やそれ以外の研究費をどう活用するのか,組織はどうやってその予算を組むのか,具体的なイメージがなかなかできません。この際,日本の「きぼう」をナショナル・ラボとして,既存の制度である大学共同利用機関あるいは研発法人を使うことで,なにができるのかを考えるのもよいと思います。ポストISSで,地球低軌道がまた新たな研究の場になるわけで,そういう新しい取り組みが良いモデルケースになるかもしれません。
【藤崎主査】 具体的な提案をありがとうございました。
古城委員,お願いいたします。
【古城委員】 国際競争が非常に激しくなってきているのが宇宙開発だと思います。
おそらく資金ではなかなか日本が太刀打ちできないということが,ある程度わかっています。
このオプションの考え方にも書いてありますけれども,日本の強みが一体何なのかということが,やはり重要ではないかと思います。ですので,現場の方たちの意見も取り入れて,その意見を生かした形での国際協力を考えるということが必要ではないかと思います。
先ほど牧島先生がおっしゃっていましたけれども,日本にどういう課題があって,それを日本の強みの技術で取り組み,その点でどういう形で国際的な協力ができるのか,そういった視点から考えていくと。アメリカの動向は非常に大きくあると思いますが,今は,アメリカの動向も非常に右往左往している状況ですので,やはり日本を主体にしてどういう強みがあるのかという点から,国際協力の在り方も考えていくというのが,将来的にも継続的な国際協力につなげられるのではないかと思います。
【藤崎主査】 ありがとうございました。木村委員,お願いします。
【木村委員】 特に東京理科大学では宇宙居住の研究であるとか,あるいは小型衛星コミュニティのメンバーとして,宇宙ステーション「きぼう」の存在は非常に大きいと思っています。そういう意味で,これからも継続されていくのは,非常に大きいところがあります。
その一方で,おそらくこうやってずっと運用されていく中で,これまで蓄積されたヘリテージによって,安定して運用していくことができるのと同時に,どこか運営の仕方に「ありき」というか,固定的な考え方がないだろうかと考える必要があると思います。もっといろいろ自由な発想で,先ほどの意見にもありましたけれども,思い切ってやり方を変えてみる,あるいは新しいユニークなアイデアでいろいろなやり方を考えてみるという案は必要なのではないかと考えます。
大学人が考えると,おそらくもっと思い切った様々な先端的な利用の形態があり得て,今はまだ接点がなくて,そういうところで実験ができる,あるいはそういうところのユニークさを気づいていない研究者は山ほどいると思います。そうした研究者・技術者あるいは利用者が参画してくると,利用の仕方も大きく広がってくると思われます。小型衛星の放出は,そういう意味ではエポック・メイキングだったと思います。こうした発想が,これから先,必要となると思います。
【藤崎主査】 ありがとうございました。金山委員,お願いします。
【金山委員】 産業界に身を置く者としては,このペーパーを見て,民間事業者とか産業界というのが至るところに出てくるというのは,それだけ産業界に対する期待が大きいのだろうと思っております。
その中で,個人的な意見ですけれども,やはりゼロベースでニーズを出せと言われてもなかなか難しいところがあると思います。特にこのような長期に渡るもの,あるいは利用するインフラの将来がどうなるかわからないものについて,何か出してくださいというのは,答えるのが難しいと。
先ほど向井先生のご発言にありましたように,やはり国として長期的なビジョンを出していただいて,かつそれがサステナブルであるというのが民間として必要です。政権が変わったから,いきなり方針が真逆に振れてしまうような形だと,なかなか長続きしません。サステナブルをある程度担保していただき,その中で,この部分は民間だったら商売になるかもしれない,あるいは政府がやらないところ,例えば無人のプラットフォーム,が事業になるかもしれないとか,様々な考えが出てくると思います。
まずは国としての大きなものを示していただいて,その中でどういった仕事が見つけられるか,産業界に投げかけていただくのが一番いいかと思います。
【藤崎主査】 ありがとうございました。
以上,各委員が言われた点の中で,特にキーワードを申しますと,「日本の強み」ということ。第2点「主体性を持つ」ということ。第3点「具体的な計画」。4番目「タイム・スパン,時間のエレメント」。
こういうことを組み合わせますと,一定のビジョンを持って,工程表は内閣でつくりますけれども,どういった方向で我々が今後の絵図を描いていくか,その一種の絵を描いてみることが必要であろうというご指摘だったと思います。
そこで,いわば工程表の下敷きみたいなものを,今,どういう形で私どもとしてできるかが求められているのではないかというのが,皆様方のご指摘だったので,これを踏まえて次回以降どういう議論するかを,少し事務局,文科省でご整理いただきたいと。
最後に,岡村審議官あるいは倉田室長,藤吉課長から,何かご発言はございますか。
【岡村審議官】 この度は短い時間の中で,特に終盤は何度も会議を開催させていただき,そういった中でご意見をたくさんいただきましてありがとうございます。
また,本日,現時点での考え方を整理いただきまして,重ねて御礼申し上げます。
私どもから内閣府の宇宙政策委員会にもインプットして,文部科学省としてどのような地球低軌道の活動が必要であるかということを議論してまいりたいと思います。
そして,先ほど主査がご指摘くださいましたように,私もISSですとか,アルテミス計画に関して米国側との交渉の最前線に立った際にいつも考えることでずが,日本はゲートウェイの計画に日本の協力を要請される前から,日本としての考えを持って,月・月以遠の探査に取り組んできたということでございます。このことをいつも認識しながら,古城委員がご指摘くださいました,アメリカの提案や要請を受けた協力いうことよりも先に,日本が何をしたいのか,何をすべきなのか学術の方々,研究の方々,産業界の方々がどういうことをお求めになっているか,そのために基礎的,基盤的な研究として,文部科学省が,何をしていかなければいけないのかということを考えてまいりたいと思います。
今回のこのオプションの考え方も留意事項も全て,次の検討に対しての宿題と受け止めさせていただいております。どの順番でどうやっていくか,具体的にはご相談させていただきますが,引き続き辛口のご意見も,そして応援も,多岐にわたるご意見をいただければと思います。どうもありがとうございます。
【藤崎主査】 おっしゃったように,今まで日本ができるところ,そして日本が考えてきたところに,やっとアメリカが寄ってきてくれたという,今,千載一遇のチャンスであると,これを捕まえなくてはいけないという認識だろうと思います。
文科省,他になければ,JAXAで何かご意見ございますか。若田さん。
【若田理事(JAXA)】 皆様,貴重なご意見をいただきまして,ありがとうございました。
国際宇宙ステーションを通して,有人宇宙活動で日本は先進国になったと思いますので,やはりこれを継続して,さらに月に向けても,その日本の強みを高めていく必要があると思います。
藤崎主査からまとめていただきました日本の強み,それから主体性,それから具体的な取り組み。当然,ISSがいつか終わるということは,向井委員からもありましたけれども,我々もポストISSでどういった形で地球低軌道の運用を進めていくかというのをきちんと考えております。角南先生からもナショナル・ラボといったアイデアを出していただきましたけれども,総合的に日本の強みを生かして地球低軌道,そしてまた月とその先へと,技術で我々が国の政策を支えていけるように努力してまいりたいと思います。
【藤崎主査】 ありがとうございます。最後に,ございますか。
【倉田室長】 本日はたくさんの貴重なご意見をいただきまして,ありがとうございます。
今回,これまでの議論の整理という位置づけで,一旦まとめさせていただいたところでございますが,これから更に検討を具体化していくことが重要と,私どもも認識しております。引き続きご相談させていただければと存じます。
なお,早速ですが,今回いただきましたご意見を踏まえまして,ニーズの把握に速やかに着手してまいりたいと思います。また,状況につきましては適宜ご報告させていただきます。以上でございます。
【藤崎主査】 どうもありがとうございました。
以上で会議を終了いたします。
(了)
研究開発局宇宙開発利用課