令和8年3月27日(金曜日) 13時30分~15時30分
文部科学省 3F2 特別会議室 または オンライン
臨時委員 中須賀 真一【主査】
臨時委員 高橋 忠幸【主査代理】
専門委員 石井 由梨佳
専門委員 榎本 麗美
専門委員 金子 新
専門委員 佐藤 智典
専門委員 関 華奈子
専門委員 竹森 祐樹
専門委員 永井 雄一郎
臨時委員 永山 悦子
専門委員 御手洗 容子
研究開発局審議官 古田 裕志
宇宙開発利用課長 梅原 弘史
研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当) 迫田 健吉
研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 課長補佐 川端 正憲
研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 室長補佐 佐孝 大地
宇宙開発利用課 専門官 今野 良彦
(内閣府)
宇宙開発戦略推進事務局 参事官 樋口 晋一
(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事 松浦 真弓
有人宇宙技術部門事業推進部 部長 小川 志保
国際宇宙探査センター センター長 山中 浩二
国際宇宙探査センター 事業推進室 室長 伊達木 香子
国際宇宙探査センター 宇宙探査システム技術ユニット 技術領域主幹 成田 伸一郎
宇宙戦略基金事業部 参与 佐々木 宏
宇宙戦略基金事業部 主任研究開発員 藤平 耕一
経営企画部企画課 主任 梶川 隆史
【川端補佐(事務局)】 本日はお忙しい中お集まりいただきましてどうもありがとうございます。事務局の文部科学省研究開発局研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付の川端です。定刻になりましたので、ただいまより国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の第74回会合を開催いたします。まず定足数13名のうち会場のご出席は9名、オンラインでのご出席は2名の計11名のご出席でございまして、過半数の定足数は満たしておりますことを報告いたします。またJAXAより国際宇宙探査センターや有人宇宙技術部門、経営企画部、宇宙戦略基金部よりご参加いただいております。また本日の会議は15時半までの2時間を予定しておりますところよろしくお願いいたします。
次に配布の資料を確認させていただきます。議事次第をご参考の上、必要資料に不足ございましたら事務局までお申し付けください。本日、最後の資料で机上配布資料を入れておりますので、最後にご覧いただければと思っております。また本日、文科省の会議室でご出席の委員の皆様には、iPadをお手元にご用意しております。会場前方のスクリーンにも資料は投影いたしますが、必要に応じてご活用ください。また本日はお手元の数箇所にマイクをご用意しております。ご発言は、このマイクを用いて、お名前をおっしゃってからご発言いただければと思います。またオンラインでご出席の委員の皆様は挙手ボタンを押していただき、ご発言いただければと思います。なお本日は全議題公開での実施で、YouTube配信をしております。以上でございます。
【中須賀主査】 それでは、早速議題1に入りたいと思います。今日も皆さん最後まで活発にご議論いただければと思います。議題1では、昨年7月に宇宙開発利用部会にて取りまとめた報告書「月面探査における当面の取り組みと進め方について」につきまして、フォローアップとして関係機関からのヒアリングを行っております。本日は内閣府宇宙開発戦略推進事務局より「月面活動に関するアーキテクチャ検討についての報告」を、その後JAXAより「月面活動に関する技術開発シナリオの検討状況」をそれぞれご紹介いただきます。それではまず内閣府から、樋口参事官よろしくお願いいたします。
【内閣府 樋口参事官】 ありがとうございます。ご紹介いただきました樋口と申します。資料74-1-1、こちらで「月面活動に関するアーキテクチャ検討についての報告」をご説明させていただきます。
<内閣府 樋口参事官より、資料74-1-1に基づき説明>
【中須賀主査】 ご説明ありがとうございました。それでは、ただいまの説明についてご質問、ご意見ありましたらよろしくお願いします。はい、榎本委員お願いします。
【榎本委員】 ご説明ありがとうございます。榎本です。資料の16ページ目の今後の課題の最後の方に、米国や欧州等との国際的な議論を通じて貢献分野を検討するという記載があるのですけれども、この「等」というところに含まれているかもしれないのですけれども、日本としてはこの欧米との議論だけではなく、もうすでにされているのかもしれないのですが、東南アジアですとか超小型衛星とかISS利用を通じて日本とご縁のある国々がたくさんあると思うので、そのような国々との関係を大切にして日本がリードするということも大事なのかなという風に感じました。従って、そういうようなプロジェクトを、月面を舞台に小さくても良いので考えていけるといいのかなと思いました。コメントです。
【内閣府 樋口参事官】 ありがとうございます。月面もこれから幅広くやって行く中で、様々な国と連携しながらということだと思いますので、検討させていただきます。
【川端補佐(事務局)】 事務局から補足いたしますと、APRSAFというアジア・太平洋地域宇宙機関会議において、昨年11月に年次会合が開催され、月面探査の話が少しフォーカスされ始めており、そこには東南アジアを含めた参加国が来ております。2026年はタイで開催されますが、会議の中で月面探査についてもしっかり示していければと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。追加すると、中国が月のラボラトリーを作って、相当の国が参画しています。国連のCOPUOS委員会でも皆を集めて議論を進めています。そのような中で、日本がどうするのか、やはり本格的に考えていく必要があるのではないかと。一国でやるのでなく、国際的な仲間作りや、共に成長するということにもつながるので、是非ご検討いただきたいと思います。関委員どうぞ。
【関委員】 関です。ご説明ありがとうございます。8ページの前提条件に関して、これ自体は他でも拝見しましたが、楽観的仮定を置いています。実際に民間が入ってくる場合に、法規制がどうなのか、今国際情勢は良い状態では無いため、それも踏まえ、これから日本国内で国際的な法規制をどのように反映していくか、何か計画があるのでしょうか。
【内閣府 樋口参事官】 ありがとうございます。法規制の関係ですが、日本は宇宙資源法を持つ数少ない国です。そういう意味で、日本の立場もあるし、アルテミス合意にも署名しており、そこにもどのような規範で進めるべきだという事が記載されていると思います。今、国連では宇宙資源の推奨原則等議論が進められていることから、宇宙資源法を保有しアルテミス合意も署名している立場から、しっかりと議論にも貢献していきたいと思います。
【関委員】 既に、日本の意見はある程度主張でき、議論に組み込むべく努力中であるとの理解で良いでしょうか。
【内閣府 樋口参事官】 はい。基本的な活動はできるよう法整備もできているので、国際的にも理解が得られるように努めていきたいと考えています。
【関委員】 ありがとうございます。是非、民間意見を反映して進めていただきたいと思います。
【中須賀主査】 はい、ありがとうございます。永井委員お願いします。
【永井委員】 ご説明ありがとうございます。永井と申します。8ページにつき、コメント2点と、質問を1点させていただきたいと思います。今後の月面活動に影響を与えるファクタとして、1つに国際協力による月探査計画の継続が入っていると思いますが、計画が変更されていく可能性もあって、これも影響を与えるファクタに成り得るのではないかと思います。また、関連して2点目ですが、今後の活動に影響を与えるファクタとして、米中の競争も非常に大きなファクタとなっていて、それに合わせて計画が変更されていく可能性もあり得るのではないかと考えます。アルテミス計画でも、NASAで変更が議論されていると思いますので、今後注視していく必要があるというのがコメントです。
1点質問したいのは、最後にインフラ等とありますが、今後月面活動に必要となる主要なインフラとして、アメリカでは、シス・ルナ・ドメイン・アウェアネス、安全確保のための領域把握の議論が出てきていますが、日本国内では領域把握について、どのような議論があるのか教えていただきたいと思います。
【内閣府 樋口参事官】 国際協力に関する計画では、最新の状況をしっかり考慮することが今後大事かと思っています。SDAに関しては、この時点でどのような議論があったかは承知していないのですが、もし最新情報をご存じの先生方、有識者がいれば教えていただきたいと思います。
【中須賀主査】 石井委員お願いします。
【石井委員】 私も8ページの法的な規制について、2点ほどコメントと質問をしたいと思います。国際的な法規制が無いということでは無く、国際的な一般原則が月においても適用される部分があるというのが1点目のコメントです。しかし、月活動の規則は、これから作られていくというのは、先ほどのご発言通りと思います。その際、まず合意してルールを作るのですが、その合意ができないというのが1つ問題になると思います。COPUOSで2025年に「宇宙資源活動に関する初期推奨原則」が採択され議論されていますが、そこでも色々な提案がされていて、合意できるかは、未だ分からないと理解しています。例えば、月開発後の原状回復義務について、これは推奨事項ではあるものの、実際に実現できるのかについては議論中と思い、商業活動をする上でハードルになると思っています。
それからアルテミス合意はあるものの、中国サイドとルールが折り合える見込みも立っていません。さらに、2040年代に月開発が進むと問題となるのは資源だけではないと思います。例えば、観光が入ってくると、人の移動の管理が問題になってくるはずと思います。これについて、国際強制的な管理は確立していないので、将来的に議論されるはずだと思います。未だ決まっていないところがありつつも、一般原則である協力義務や、妥当な考慮義務などは効いてくるのかと考えます。
次に、その合意ができなかった場合、各国の管轄で動くことになるはずです。つまり、それぞれの国がどのような規制を保有しているかによって、その国の事業者は何ができるのかが決まってきます。例えば、技術協力をする時は、輸出管理規制がかかってきます。従って、アメリカの規制下の事業者と、日本の規制下の事業者ができることは異なるので、それも問題になるかと思いました。
【中須賀主査】 ありがとうございます。それでは時間もないので、この後JAXAの方からこのまま継続的なお話をいただいた後、また議論したいと思います。それではJAXAの佐々木様、成田様から、「月面活動に関する技術開発シナリオの検討状況」について、ご説明よろしくお願いいたします。
【JAXA 佐々木参与】 まず、技術開発シナリオの検討状況を、宇宙戦略基金事業部で進めている経緯について補足させていただきます。宇宙戦略基金事業に関しては、政府としての基本方針が定められてきて、JAXAでも技術マネジメントを行うとなっています。その中身として、基金活動の評価に使う、技術開発要素の観測に使うといった観点で、基金の事務経費を使って調査研究をするということになっています。月面活動は宇宙戦略基金で数多くのテーマが設定されていますので、特に重要な観点として調査する必要があるということで進めて参りました。元々、政府の方で、月面アーキテクチャ検討がされていましたので、その成果を活用するというのは効率的なので、月面アーキテクチャ検討の成果を活用しつつ、有識者委員会を同じように白坂教授を座長として、有識者会議を設置し、そこで議論していただき技術開発シナリオをまとめる作業を進めています。未だ最終的には終わっていませんが、本日はその検討状況について、ご紹介させていただきます。
【JAXA 成田主幹】 JAXA国際宇宙探査センターの成田です。前議題の樋口参事官からご説明のありました、内閣府殿による月面活動に関するアーキテクチャ検討を前提としているところが大きいため、そちらの資料を源泉とする部分は割愛させていただき、議論の促進をお願い申し上げたいと思います。本検討は、まだ始まったばかりですので、特に目前の優先すべき技術について案として提示をさせていただきますが、これからの議論に向けたたたき台ということですので、その点ご承知いただきたく存じます。
<JAXA 成田主幹より、資料74-1-2に基づき説明>
【中須賀主査】 ご説明ありがとうございました。それでは今の説明についてご意見、ご質問ありましたらよろしくお願いいたします。榎本委員、お願いします。
【榎本委員】 ご説明ありがとうございます。榎本です。このシナリオを実現するにあたり、既存の宇宙産業の枠組み以上に多様な人材が必要になると想像します。つまり、人材基盤強化も、一つの課題として同時に考える必要があると考えます。2点質問ですが、人材という観点にて、他の産業からの流入や育成面で、どのような仕組みがあると産業のためになるという考えがあれば教えてください。もう一つ、基金に選定された企業も人材不足が喫緊の課題なるのはよく聞くが、そのような課題やニーズのヒアリングを検討しているか、また実施状況を教えてください。
【JAXA 佐々木参与】 人材育成では、多分基金だけでなく様々な局面で取組が進んでいると思います。基金としては、SX拠点というテーマが設定されており、大学を中心に人材育成強化の観点で1期・2期で進めています。更に3期では、人材育成を主に置いた強化を進めて、大学の人材育成に貢献してもらうことを進めています。他テーマにおいても、産業界としての人材育成としてJAXAとしても様々なディスカッションの中で協力させていただいているところです。テーマの進捗報告を3か月に1回実施しているので、その中で課題を識別して後押ししながら、場合によっては政策サイドにフィードバックもしています。
【中須賀主査】 竹森委員、お願いします。
【竹森委員】 竹森と申します。優先技術領域の特定という観点で感じていることをお伝えします。文部科学省としては、測定・評価・通信、インフラ構築、エネルギ、レゴリス活用、探査や水など、テーマ自体は整理されていると思います。一方で、1期・2期の基金で選定されている技術は、非常に良いシーズはあるものの、それらが細分化され互いに連携していない印象を受けます。選定の段階から、一つ一つの技術でなく、ストーリ・シナリオ或いは大きなテーマを提示し、それに対し複数の技術の組合せ提案を求め、採択後も1期で選定したテーマを、柔軟に技術同士の組合せ連携を促す仕組みがあっても良いと思います。例えば、拠点形成のような、何か大きなテーマの中で様々な技術の組合せを誘導するような動き、柔軟性を持たせることで、1期・2期で選定された技術が、今後より確実に出口へとつながっていくのではないかと考えます。
【JAXA 佐々木参与】 マネジメントの立場からすると、テーマは既に政府で決められたことですが、一方で実際にスタートすると色々あり、同じ領域の中で集まりがあるので、関係者が一堂に会して手を握り合う活動を進めたいと思っています。先ほどのワークショップの中でも、基金に採択された人たちに集まってもらって公開の場としても、非公開の場でも、そのような会合を設定し、いかに成果を繋いでいくのかが課題と認識したので、これからしっかりと取り進めたいと思います。
【中須賀主査】 髙橋先生、お願いします。
【高橋主査代理】 今の議論は、採択された後の話だと思います。しかし、提案をする過程でその前提となる知識や、想定されている月面でのトータルアーキテクチャの中での公募の位置付けを知らないまま、多大な時間を費やして資料を用意し、提案してくる場合がみられます。残念ながら、少し的が外れているようなものがあり、勿体ないと思うのです。将来、日本としての出口を一つにしようとした時、何らかの形でトータルアーキテクチャを共通のものとして、皆がそれを考えて良い提案を出してもらうという姿が良いと思うのですが、どうでしょうか。
【JAXA 佐々木参与】 現状、審査が終わった後にアドバイスすることは可能ですが、公募中は提案者と接触できないので、公募前のワークショップで実施方針や求めているものを丁寧に説明して理解していただくのが現状です。
【高橋主査代理】 審査を通じて、状況は分かったので、できるだけ宇宙戦略基金のあり方を皆さんに、私の範囲で大学の研究者を中心に色々伝えていますが、民の活力を上げていくことにすると、大学だけでは進められないので、どうしたら皆が宇宙を向き始める動きにつながるかを考えています。特に今、AI等が出てきて、モノづくりが弱くなっていますし、産業界も昔宇宙のために維持していた生産ラインを閉じ始めています。その意味では、産業界の流れと、宇宙戦略基金の流れが、少し方向性が違うという気がしています。そこを進めないと、紙上の議論になってしまうのではないかと思います。
【中須賀主査】 関連していいですか。今の宇宙戦略基金は研究開発基金があり、これが終わった時、誰がそれを継続して宇宙開発或いはビジネスを進めるのかを明確にしなければならないフェーズが、今もそうですが、基金が終わりに近づいたらますます来るわけです。その時、今やっている月回りの色々な研究開発の成果を、誰が使って継続活動するのか、これを明確にしなければならないことは、その前にどういう方向性で月開発に主眼を置いていくのか、フォーカスするポイントを作っていくのかを政府がある程度方向性を示し、その方向性に則って宇宙戦略基金テーマを出すように仕向ける。逆に、そのような目標があれば、そのような方向性の研究を皆さんやろうとするので、そのようなガイドも必要だと思います。今回の宇宙戦略基金では時間がありませんでしたが、これからででもこのようなことを見せることで、ある意味ベクトルの方向が揃って行くような研究が出てきて、実際に成果が出たら作っていけるような、こんな流れを使っていかなければならないと、特に月に関しては強く思います。
【JAXA 佐々木参与】 はい、まさに本日ご紹介した検討状況は、その将来の姿を決めて、そのシナリオを示し、それに基づいてテーマ設定されると非常に分かりやすいということですので、その将来に向けてどのように繋がっていくかを分かってもらえると思います。この活動をしっかり行い、一般にご紹介しご理解いただくことは大事だと思います。
【中須賀主査】 そういう意味ではこの活動すごく大事です。はい、高橋先生。
【高橋主査代理】 そういう意味では、私は科学出身ですが、月面活動の例が、探査が4つの内2つを占めていて、あとは観光と推薬供給。もっと違うテーマが無い限り、皆さん月には行かないだろうと思います。中須賀主査のお話にも繋がると思いますが、もう少し魅力的なビジョンで皆に示せるような出口戦略を示す必要があると思います。
【JAXA 佐々木参与】 1年前の科学的検討があり、定期的に見直していくことになっています。その中で、今回の検討でも2040年代のビジョンというのが大きな目標になりますので、見直しは継続的にしていきます。いろいろご意見をいただき取り込んでいきますので、アドバイスいただければと思います。
【高橋主査代理】 質問ですが、アメリカのアルテミス計画は、今どういうことを目標にしているのかということを教えていただければと思います。科学の面からも教えてください。
【JAXA 山中センター長】 従来から、科学と国力、あとインスピレーション。インスピレーションとは、次世代をワクワクさせるという、その3本柱を彼らは継続し言い続けてきたところです。ただ今週のNASAの発表で、月面基地は、さらにその中から具体的なものを強く打ち出していくと感じていて、先程先生がおっしゃったような1つの目標、ベクトルが揃い、皆がその方向に動くだろうと、これまで概念的だったものに加え、進めるものを意欲的に進める感じだと理解しています。
【中須賀主査】 関委員、お願いします。
【関委員】 今の話に少し関連しますが、私は科学が半分くらいを占めるのは良いことだと思っていて、むしろ軍事などが前面に出ていないことは我が国の長所だと考えます。科学というのは人類全体への貢献であり、それを実現するには色々な技術開発が必要なので、科学外交という意味でも、我が国は軍事ではなく人類全体に資する知や科学技術で尊敬されるような立場に立ちたいという世界へのメッセージになると思うからです。ですから科学が前面に出るのは、他の産業や技術を否定しているわけでもないですし、悪くないことと思います。
もう一つ、具体的な優先技術の星印についてご質問があります。12ページで黄色の星印はまんべんなく多岐にわたるところに付いていますが、一方でリソースは潤沢にあるわけではありません。この中で、日本産業界の世界における強みが反映されるとよいと思いました。もちろん、本業でうまくいっている会社が、宇宙に向いてくれるか分かりませんが、産業界の持っている強みをリサーチした上で、この星印の中で優先順位を検討されているか教えてください。
【JAXA 佐々木参与】 はい、まさにまずは、このあたりの分野が抜けているという整理で、これから議論して重み付けをしていきたいと思いますし、委員会の中でご議論いただきたいと思います。
【関委員】 分かりました。是非、大切なリソースが有効活用されるよう検討していただければと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。佐藤委員お願いします。
【佐藤委員】 佐藤でございます。先程もアルテミス計画、米国が目指すのがサイエンスと国力、インスピレーションという話で、私もサイエンスは我が国として重視すべきと思います。一方で、国力についても我が国を豊かにするために、どういうことが必要かという視点はしっかり理解したうえで、必要な施策はあるべきだと思います。
質問ですが、同じく12ページを、どう解釈し、どう理解し、或いは何が不足していて今後進めないといけないのか、若干読み取りづらいと思いまして、この中でも我が国が主体的に取り組んでいくところ、海外と国際協調するところ、現時点でもこの分野は一定の競争力があり追加予算の措置をしなければならない、或いは追加予算措置する必要が無い、或いはまだまだ技術的に不十分で宇宙戦略基金で手当てしなければならないもの。もう一つ、官がやるのか民間がやるのか、あの表の意味も民間は競争領域という意味もあるかもしれないし、国際協力の意味もあるかもしれないし、国際競争の意味もあるかもしれませんが、その上でこれを基金で当てていることを書いていただいていて、基金5テーマでどのようにカバーしていくかの一つの見方ではあるものの、私の理解では宇宙戦略基金は最終的には産業につながるという意味なら、民間主体で自主的にやっているのであれば、手当てしなくても良いのかもしれません。
一方、官主体でやることは、いわゆる基金で要素技術はあるかもしれないが、普通にJAXA予算でやるところもあって良いかと思います。その意味では、全体としてどこに手当ができていなくて、或いはここは手当する必要が無いとか、一見では分かりづらくて、うまく整理していただく方法、特に民間の立場から言うと、民間企業にはもう一歩踏み込んで取り組んで、そのために基金で後押しして欲しいという趣旨だとすると、それはどこなのか一見分かりづらいので、是非うまく表現していただきたいと思います。
【JAXA 佐々木参与】 ありがとうございます。まだ途中段階ですが、基金でやるべき、JAXAが主体的に開発すべきものを識別しながら、検討していきたいと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございます。またこれが、変わっていくと思います。その流れも含めて、分かりやすく整理していくことで良いかと思います。オンラインから金子先生お願いします。
【金子委員】 金子です。今回のこのような科学活動、産業界の活動、特に2040年代の40人から100人ぐらいの活動を念頭に置いた場合、2030年代前半に何をするかと思いますが、優先技術の中の生命維持とは生命維持環境を作るということだと理解します。いわゆる安心安全の一環で、初期4人ぐらいで、40人、100人になっていく中で、その人たちを支えるような医療システム開発とは、現段階では入らないかもしれないが、ゆくゆくはターゲットに入ってくるものと感じております。
今回、クルードラゴンの飛行士が、早期帰還された件も、医療システムの一環としてあのような対応を取ったと思うのですが、日本の技術が貢献できる部分、例えば遠隔医療が得意だったり、診断AIが得意だったり、その領域への取組について教えていただいても良いでしょうか。
【JAXA 成田主幹】 11ページの技術相関のところ、真ん中にある「居住」、「食料供給・生産」が該当します。今、金子委員ご指摘の点までは要素として明示していませんが、いわゆる生命維持に必要な技術と、例えば観光や一般の方が行くようになった時に快適に過ごすために必要な技術となると、当然変わってきます。ここではJAXAからの宇宙飛行士として行く場合を想定して、生命維持に必須な技術を識別しています。その後、ヘルスケアや医療の部分が、この先に繋がっていくことを認識しています。今後更新したらまたご説明させていただきます。
【金子委員】 ありがとうございます。日本の強みがある部分だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
【中須賀主査】 はい、ありがとうございました。議論は尽きませんが、もう一つ月面の話がありますので、それが終わってから、またそこでよろしくお願いします。
それでは続きまして、昨年7月に取りまとめた報告書「月面探査における当面の取組と進め方について」のフォローアップの状況として、本年度、本委員会で進めてきた議論の状況について、事務局より説明をお願いします。
【川端補佐(事務局)】 はい、事務局でございます。資料74-1-3をご覧ください。前回、前々回でお見せしている資料の更新版です。最後2枚(8ページ目、9ページ目)が「今後の月面開発活性化のあり方」として新たに追加しているスライドです。前回月面市場の予測などの報告もありましたが、今後の月面経済圏を見据えて、現状と課題、対応についてのたたき台を記載しております。本日ご議論いただければと思っております。
<川端補佐より、資料74-1-3に基づき説明>
【中須賀主査】 ありがとうございました。この報告書が、これから我々の議論のベースになると思いますが、これを改訂したり、肉付けしたりして行く形でこれから議論を進めていきたいと思います。それに向けて、次回以降もヒアリング等を行っていきたいと思います。それでは、この資料に関して、或いはこれまでに出てきた議論の中で月面開発の意義であるとか、やり方等についてコメントや質問がありましたら、よろしくお願いします。 永山委員お願いします。
【永山委員】 永山です。先程のアーキテクチャのシナリオでも質問したいと思っていましたが、今後課題になるのが、非宇宙産業の方に入っていただくにあたり、その動機付けをどのように考え、8ページ目にあるような月面利用実証の場の提供や、月面アクセスなどをどのように確保するかがあると思います。そのような非宇宙産業に対するアプローチを、今後どのように考えているのかというところをお伺いできればと思います。例えば、基金には色々な企業の方が既に入っていらっしゃって、関心が広がっていると感じてはいるものの、そういった方たちが何かうまくいかず、離れてしまうようなことになってはもったいないと思い質問させていただきました。
【川端補佐(事務局)】 ご質問ありがとうございます。非宇宙産業の方々に宇宙産業界へ参画してもらうよう3期テーマとして低軌道分野で利用促進のテーマを設定しています。また、月の方でも、2040年代に40人というところですが、前回の月面市場の報告ですと2040年に2.5兆円ぐらいの市場予測が出ています。従って、月面開発が進んでいけば、これだけ市場が広がるということをデータ面で示しながら、しっかり委員会等で出すことで、月も色々進んでいるということを実感していただく必要があると考えます。また、宇宙戦略基金で研究開発ペイロードに産業界として参入してもらうべく、4月13日のワークショップ等の仕掛けをJAXAと一緒にやっているところです。
【JAXA 佐々木参与】 ビジョンを示し、シナリオをきちんと説明しご理解いただいた中で、基金テーマとしてなるべく宇宙産業界以外も取り組みやすいようなテーマ設定もされていますし、そこを伴走するようにワークショップも含めて、引き続き進めていきたいと思います。
【永山委員】 ありがとうございます。例えばAI分野ですと、日本はあらゆる面で遅れていると言われていましたけれども、ここにきてフィジカルAIは日本の強みを活かせるのではないかと。そのような日本の強みを活かせる分野は多いと思いますので、是非そのような資源がより活かせるような形でアプローチしていただければと思います。
【JAXA 佐々木参与】 それが1番の狙いで、基金の前からワークショップ等で、JAXAに聞きに来ていただいて関心を持っていただけるよう進めたいと思います。
【中須賀主査】 よろしいでしょうか。榎本委員お願いします。
【榎本委員】 ご説明ありがとうございます。月面開発活性化でインフラ整備をやっていくには、資料の1ページの終わりにある国際宇宙探査を担う人材育成が非常に大事だと思いますのでコメントします。将来の宇宙探査、持続可能な宇宙探査を見据えると中学生以下を対象とした長期的な人材育成が重要と考えます。以前もコメントしましたが、既に学校や特定の教育団体において、個別に宇宙教育の場が提供されている状況を私自身も把握していますが、やはり草の根活動では限界があると思いますので、より大きなアプローチができればと思います。例えば、小学校の学習指導要領に「月面探査」や、「現在と未来の有人宇宙の姿」といった内容を盛り込む等、未来を見据えた日本ならではの施策かと思うので、打ち込んでみるのも良いのかと思いました。
【中須賀主査】 ありがとうございます。ここはぜひ文科省からコメントをお願いします。
【川端補佐(事務局)】 ご意見ありがとうございます。前回ご指摘いただき、ポイントのところにも中学生以下の月面探査を担う年齢層にしっかりアウトリーチしていくべきだというご意見がありましたので、次回ヒアリング等の準備も進めております。また、日本科学未来館での深宇宙展では、有人与圧ローバの大きな模型があり子供たちにも月面探査の様子が分かるイベントや、大阪・関西万博ではJAXAの方で展示がありましたが、目に見えるものを出していっていますので、是非連携しながら進められればと思います。
【榎本委員】 ありがとうございます。宇宙のイベントでは、宇宙好きの子供が集まる状況がありますので、非宇宙産業を取り込むという話もありましたが、宇宙好きというわけではない人たちを取り込む施策も重要だと思いますので、今後もよろしくお願いします。
【中須賀主査】 関先生お願いします。
【関委員】 ありがとうございます。私からは、最後のところに関するご質問です。月面利用実証の場の提供は重要だと思いますが、今アメリカでは民間が1キロいくらで持っていってくれるというお金で実証機会を買えるようになる動きを見せている中で、結構難しいと感じています。地上で使っているセンサをそのまま搭載できるのではなく、JAXAや宇宙機関の標準に示されるような多くの基準をクリアしなければならないと、企業側からはハードルが高いと思うのです。最後のページにSLIMのLEV-2の例が載っていますが、例えばLEV-2ではこのぐらいのハードルで実際に搭載できたのかとか、最低限はメインシステムに影響を与えなければ搭載させてくれるとか、具体例の情報提供があると有用と考えます。宇宙機関標準の多くは、安全上は必要なことなのですけども、現状はかなりの企業で尻込みされるケースが多いため、何か成功事例や、対応が難しいところ、対応しなければならないところも含めて、具体的な情報があると役に立つと思います。これらを踏まえて、月面利用実証の場の提供を、日本でどういう形で実施した方が良いのかについては、海外動向も含め深堀りすると良いと思いました。
【中須賀主査】 地上試験は結構大変だと思います。低軌道であれば、将来打上げコストが非常に安くなったら、打上げた方が早いということになるのですが、月は遠くて高いので、地上でどこまで技術実証していくかは、すごく大事なことです。例えば、月の砂レゴリス、地上では実現が難しいし、重力の問題もある、更に真空とか複合環境も考えると、ある程度地上でやって行くことで、行ったときに成功確率が増えるはずです。それからもう一つ重要なことは、デジタルツイン的なコンピュータによるシミュレーションです。地上の試験と、デジタルツイン的シミュレーションを使い、月に行く前からある程度実証ができ、フィードバックを1回かける。そして、ある程度完成したものを月に持っていく、これぐらいをやって行かないとスピードが出てこないと思います。この辺りの技術開発もやっていく必要があると、今聞いていて思いました。
【高橋主査代理】 私も関連ですが、例えばオープンアーキテクチャや標準化が、中須賀主査が言われたことに合致する考え方なのではないかと思います。アーキテクチャがオープンであり、標準的な衛星が1つあって、皆さんこれを前提(テンプレート)としてくださいと言えると良いはずなのですが、いかがでしょうか。やはり日本は色々なところがクローズな社会で、そこが敷居になっていると思います。そこを何とかクリアして、JAXAの今の仕組みでは、お互いを繋ぐという行為そのものは、競争相手がある中で宇宙戦略基金事務局として、それをできない立場ではあるのだと思います。ただし、オープンアーキテクチャ等の試みがあると更に進むと思います。参考となるようなドキュメントについても、米国やヨーロッパの方は様々なドキュメントが公開されていますが、日本は、同じようなレベルにないように思います。これについても、何らかの仕組みを入れていただけたら良いと思います。
【竹森委員】 日頃、銀行員をやっていますが、月面という言葉をまず銀行では聞きません。ここでは月面が産業化されているイメージを持ちますが、一般の産業界からではやはり月面は非常に遠い世界なので、いかに日常化するか、宇宙も含めてその工夫する必要があると思います。また、衛星やロケットのエンジニアリング力について、最後に日本のものづくり技術と書いていますが、やはりこのエンジニアリング力の低下、こちらの方が大きい要因と思います。そもそも工場がスクラップされていき、ものづくりをしようとも作れない。そして作れる人がリタイアしていく。この組み合わせで、宇宙が身近にならないのと、ものを作れる人がいなくなるという掛け算で、今厳しい状況に来ていると思います。従って、役割分担になりますが、JAXAと国でやること、民間でやること、それ自体は良いのですが、民でやったとしてもやりたい人がいない、それを買ってくれるか分からないというデフレスパイラルに落ちて行きそうな気がするので、補助金の方向性、助成の方向性をアンカーテナンシー側に、ワクワク感で何かを作ればそれを買うとか、多少無理してでも、何かここまで作れば国が買い取るような、アンカーテナンシー側に補助金をシフトし、産業を作るとか需要を醸成するようなことを是非組み入れていただきたいと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございました。永井委員どうぞ。
【永井委員】 ありがとうございます、永井です。8ページ目の最初のポイントの月面開発競争の激化、安全保障も含めて、最近アメリカのトランプ政権はこのあたりを強く意識するようになってきているということで、先程アルテミス計画の意義のところで、科学と国力とインスピレーションのお話がありましたが、その中でも国力というキーワードが再び大きな注目を集めるようになってきたと感じているところです。先般の大統領令や、NASAのアナウンスメントを見ると、キーワードとしてリーダーシップという言葉があり、それはアメリカの宇宙政策の伝統ともいえるキーワードですが、主導権をつかんでいくことは、科学を発展させるためにも、産業を発展させるためにも、自分たちにとって望ましい月面利用の秩序を形成するためにも大事なのだということで、改めて意識されるようになってきていることと思います。このような流れは、日本としても考慮する必要があるように感じます。科学はもちろんですが、例えば日本人の宇宙飛行士が月面に立つということの意義は、単に科学だけではなくて、国際的なプレゼンスや、それによって秩序形成を主導するとか、そのような側面もあるように思いますので、改めてそのような観点からも月面探査の意義を捉えなおしていくことも必要なのではないかと感じています。
【中須賀主査】 ありがとうございました。石井委員どうぞ。
【石井委員】 私の方から1つコメントと、1つ質問させてください。1つ目は、先程の永山委員の質問にも関連しますが、非宇宙産業をどのように動機付けて宇宙開発に向いてもらうかという話の流れで、政府として色々基金を作ったり、補助したりという中で、月面開発のために開発した技術を、その後別のシーンで使うという視点はあるのかどうかということ、そのような視点があるとしたらどのように考えているかという質問です。スライドの最後のところで、月面開発の活性化のやり方として、地上ビジネスと繋げていくというご指摘はありますが、地上でも使えるような技術も開発されています。ロボット技術や材料技術や半導体産業などは、その他のシーンでも地上における開発においても使えるわけです。その点はどのように考慮されているのでしょうか。
2つ目はコメントですが、国際協力の点です。先程の技術開発シナリオでは、主にはアメリカとの協力は意識されていますが、当然ながらほかの国とも協力しています。そういった国際協力において、宇宙開発を進めて産業を活性化させていく視点もあり得るかと思いました。特に、欧州宇宙機関ESAや、フランス、オーストラリア、またインドなど、そのような国々と協力していくことは、今日の地政学的な取組に対しても重要なことだと思いますので、その点も考慮いただけたらと思いました。
【川端補佐(事務局)】 月のみでやるように開発するのは、もちろん、地球低軌道の方もそうですが、地球も含めてデュアル・ユーティライゼーションという形で両方とも使えるようなものを研究開発するのはあると思います。特に、JAXA探査ハブでは、デュアル・ユーティライゼーションを意識しながら企業等との研究開発を行っています。例えば、月の極限環境でエネルギを使おうとすると、地上でも極限環境は色々活用できたりするので、そういうところを意識したものもやっています。もう一つ、国際的な協力に関しては、アメリカ、欧州等、得意不得意がありますが、得意なところでお互いうまく組んでいます。インドではLUPEX、ESAでは最近だとプラネタリーディフェンスのラムセスや、地球観測など、それぞれ組みながらやっているところです。
【中須賀主査】 私の方からも、最後一言コメントさせていただくと、月のインフラ構築に関しては、結局国際競争になって、どの技術を使うかで競争になると思います。日本が今、宇宙戦略基金で多くのお金がついて研究開発をした結果、宇宙戦略基金が終わった後、さっき言ったように誰がその技術を買い続けて、お金を出して維持するか、更に、それを発展させるという責任をもって投資してやっていくかを考えた時、民間での利用の産業化がすぐに起こらなければ、当面は国がその投資元なのです。だから、その国がお金を出し続けるロジックをどう考えるかが大事で、今月面産業、科学という3科学と言っていますけど、これも見直す必要があるかもしれません。この月面科学が最初にお金をつけるロジックなのだとしたら、その中でどこまでこの宇宙戦略基金で得られた技術を維持して発展させていけるか、これが大事なのです。これが1点。
もう一つは、日本国内でなく海外に売っていくというのもあると思います。海外が、ヨーロッパ、アメリカ、それ以外の国も含めて月などに乗り出していく時に、そこに日本が戦略的に得られた技術を売っていくと、それによって収益を得ながら継続して回していくということを考える可能性があって、その時にどういう戦略を持っていくかが大事です。先程お話がありましたが、日本はものづくり等、いわゆる工業力がなくなってきていると言われていますが、でも実はアメリカは更に深刻と思います。従って、アメリカの中に入り込み、日本の技術がアメリカのアセットの中に含まれていくような、「インテル・インサイド」のように開けてみたらインテルが入っているように、開けてみたら日本の技術が入っている、センサでも良いと思いますが、このような世界観があり得ると思います。いずれにしても、この宇宙戦略基金が終わった後も維持して発展させていくかという戦略を、日本として作っていかなければいけないというのは大きな課題として考えています。そういう議論をこの小委員会で今後やっていかないといけないと思います。
【JAXA 佐々木参与】 おっしゃる通り、技術開発がメインです。出口として、ロケットや衛星というのは、かなりのユーザがあるのですが、月面になるとユーザがいないというのが現実なので、これをどうするのかは課題です。
【中須賀主査】 もう少し先になれば、民間が月面資源を作るという話が出てくるが、そこに至るまでは時間がかかります。この間は国が支え、アメリカはCLPS等で支えていますが、日本にはそこまでの資金力がないとしたらどうするのか、これは大きな課題だと思います。是非そういうところを、技術だけでなく戦略も合わせてやっていかなくてはならないという指摘です。最後少し長くなりましたが、よろしくお願いします。
【中須賀主査】 それでは、この議題は終わりにして、議題2に入りたいと思います。「最近の我が国の宇宙政策動向(国際宇宙探査・地球低軌道関連)について」、事務局より説明よろしくお願いします。
【川端補佐(事務局)】 引き続き事務局から説明いたします。資料74-2-1をご覧ください。
<川端補佐より、資料74-2-1に基づき説明>
【中須賀主査】 ありがとうございます。それではご質問、コメントありましたらよろしくお願いいたします。榎本委員、お願いします。
【榎本委員】 ご説明ありがとうございます。榎本です。HTV-Xが成功を収めており大活躍ですが、一方で一般の方に認知があまり広まっていないのではないかと思います。最近、「こうのとり」は知っているが「HTV-X」は知らないという声を聞き、説明すると、名前が違うから別物だと思っていたという声を聞きました。「こうのとり」から「HTV-X」へ技術継承したことから、「こうのとり」からの「HTV-X」だということをうまく伝えられたら良いとメディアに関わる立場として思いました。「HTV-X」という名前はかっこいいのですが、「こうのとりX」とか、「こうのとりII」とか、或いは公募で新しい名称を「こうのとり」の時のように募ることも考えてみたらどうかというコメントです。
【JAXA 松浦理事】 ありがとうございます。この場で、そのような意見が出たということは持ち帰らせていただきたいと思います。
【中須賀主査】 他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、今の議題はこれで終わります。
次に、議題3に入ります。「国際宇宙探査及びISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向について」、事務局より報告お願いします。
【川端補佐(事務局)】 事務局でございます。資料74-3-1をご覧ください。
<川端補佐より、資料74-3-1に基づき説明>
【中須賀主査】 ありがとうございました。 質疑応答をよろしくお願いします。
【永山委員】 ご説明ありがとうございました。永山です。最後のイグニッションについて、3点伺えればと思います。日本にとって、ゲートウェイの停止というか凍結という状況になると非常に影響が大きいですし、商業宇宙ステーションについても経済性の見通しが暗いのでまず政府でやってみるといった、これまで議論してきたことの前提も変更になりますが、今回の計画変更についてNASAとのやり取りは既に始められているのか、説明を受けられているのか、それともこれから受けられる予定なのか。特にゲートウェイについて、政府とNASAのMOUがあると思いますので、政府に対する説明があったのかということを伺いたいのが1点目です。
2点目、ゲートウェイに関して、先程のご説明にもあったように予算も確保されているので、今後どのように対応するのか、HTV-Xが将来的にゲートウェイへの補給ミッションも考えられていましたが、そのあたりの変更があり得るのかというゲートウェイ関係の質問が2点目です。
3点目が月面活動についてですが、盛山大臣が、日本人宇宙飛行士が非米国人としてまず2名月面に行くということを米側と約束したという記憶がありますが、ゲートウェイがなくなることでその順番に影響が出てくる可能性があるのかについて、伺えればと思います。 以上3点お願いします。
【川端補佐(事務局)】 先程のご説明したNASAが3月に発表したイグニッションでは、まず月面基地の構築に注力することを打ち出しており、ゲートウェイについては現時点では一時停止(Pause)と言っています。今後の開発について、国際パートナと協議の上、再検討していくという発表との認識です。また、開発した機器は3つあります。1つ目は、国際居住棟I-HABへの環境制御・生命維持装置:ECLSSの開発、2つ目はHALOのバッテリ開発、3つ目はゲートウェイへの物資補給システムのドッキング技術のところをHTV-Xで進めているところで、HTV-XGはまだ開始していません。今回発表された方針を受け、ゲートウェイの今後については、関係国との協議によるので具体的影響は明らかではないですが、引き続きNASAをはじめとする関係国とも綿密に連携の上、検討していきたいと思います。
3点目で月面着陸の話ですが、日本人宇宙飛行士の月面着陸は日米間の有人与圧ローバの実施取決めに基づくものです。2回の日本人宇宙飛行士の月面着陸機会の提供が規定されています。先程も示しましたが、イグニッションの月面基地のフェーズ2の中で明確に有人与圧ローバは書かれており、日本が開発している有人与圧ローバもNASAより高く評価されていました。日米間の与圧ローバに関する合意に変更が無いとして、引き続き2020年代後半の日本人宇宙飛行士の月面着陸を目指していくということで変更はないということです。
【永山委員】 ありがとうございました。大きな変更ですが、国民にも分かりやすく説明していっていただきたいと思います。
【中須賀主査】 はい、ありがとうございました。最後に、永井委員 お願いします。
【永井委員】 ご説明ありがとうございます、永井です。私もゲートウェイについて確認の意味で質問させていただきます。今、ゲートウェイ計画は一時停止とご説明いただきましたが、ゲートウェイは月面着陸の中継地点になっていたかと思います。これを停止するということは、ランディング方式が変更になるということなのでしょうか。
【川端補佐(事務局)】 もともと旧アルテミスIIIの月面着陸では、ゲートウェイを使う話ではないので、直接降りるということになっています。今回、2028年の月面着陸であるアルテミスIVでは同じく、オライオンがゲートウェイに行ってHLSに乗り換えて、降りていくということだったと思います。HLSについては、スペースXやブルーオリジンで競争して開発していくことと思います。
【永井委員】 分かりました。変更はないということで理解しました。
【中須賀主査】 まだ議論尽きないかもしれませんが、時間が過ぎましたのでこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。以上で、本日予定していた議論は全て終了です。最後、事務局より連絡をお願いします。
【川端補佐(事務局)】 事務局でございます。本日の議事録や資料は文部科学省のホームページに公開いたします。次回開催の具体的な日時につきましては日程調整の上改めてお知らせいたします。
【中須賀主査】 それではこれを持ちまして本日は閉会といたします。どうもありがとうございました。
(了)
研究開発局宇宙開発利用課