令和7年12月26日(金曜日) 13時00分~15時00分
文部科学省 3F1 特別会議室 または オンライン
臨時委員 中須賀 真一【主査】
臨時委員 高橋 忠幸【主査代理】
専門委員 石井 由梨佳
専門委員 金子 新
専門委員 佐藤 智典
専門委員 関 華奈子
専門委員 竹森 祐樹
専門委員 永井 雄一郎
臨時委員 永山 悦子
専門委員 御手洗 容子
専門委員 若田 光一
研究開発局長 坂本 修一
研究開発局審議官 古田 裕志
宇宙開発利用課長 梅原 弘史
研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当) 迫田 健吉
研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 課長補佐 川端 正憲
研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 室長補佐 佐孝 大地
宇宙開発利用課 専門官 今野 良彦
(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事補佐 川崎 一義
有人宇宙技術部門事業推進部 部長 小川 志保
有人宇宙技術部門事業推進部 主任 赤城 弘樹
国際宇宙探査センター センター長 山中 浩二
国際宇宙探査センター 宇宙探査システム技術ユニット ユニット長 田邊 宏太
国際宇宙探査センター 事業推進室 室長 伊達木 香子
国際宇宙探査センター 宇宙探査システム技術ユニット 技術領域主幹 成田 伸一郎
調査国際部 課長 菊池 耕一
調査国際部 主任 大橋 正芳
宇宙戦略基金事業部 参与 佐々木 宏
宇宙戦略基金事業部 主任研究開発員 藤平 耕一
経営企画部企画課 主任 梶川 隆史
経営企画部企画課 主任 嶋田 修平
(PwC コンサルティング合同会社)
TMT/宇宙・空間産業推進室 シニアマネージャー 榎本 陽介
TMT/宇宙・空間産業推進室 マネージャー 石田 俊輔
TMT/宇宙・空間産業推進室 マネージャー 井田 広之
【川端補佐】 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。事務局の文部科学省研究開発局研究開発戦略官宇宙利用・国際宇宙担当付の川端でございます。それでは、時間になりましたので、ただ今より国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の第73回会合を開催します。
まず定足数13名のうち、会場のご出席は6名、オンラインでのご出席は5名で、計11名のご出席があり、過半数の定足数は満たしておりますことを報告いたします。また、本日はJAXAより、国際宇宙探査センターや有人技術部門、調査国際部、経営企画部、宇宙戦略基金部よりオンラインを含め参加いただいております。
また、本日は、坂本局長は所用のため中座させていただく旨、ご了承いただければと思います。
また、本日の会議は15時までの2時間を予定しています。よろしくお願いいたします。
次に、資料の確認をさせていただきます。議事次第を参照の上、必要資料に不足などございましたら、事務局までお申し付けください。また、本日、文部省会議室でご出席の委員の皆さまには、iPadを手元にご用意しております。会場前方のスクリーンにも資料は投影いたしますが、必要に応じてご活用ください。また、本日はお手元にマイク兼スピーカーがございます。マイク手前側にあるスイッチを押していただくと、ボタンが赤く光りご発言が可能になります。一方で、お1人ずつしかスイッチが入りませんので、ご発言後はマイクのスイッチを切っていただきますようお願いいたします。また、オンラインでご出席の委員の皆さま方におかれましては、挙手ボタンを押していただき、ご発言いただければと思います。
なお、本日は、全議題公開での実施でYouTube配信をしております。以上でございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。それでは、早速ですけれども議題1に入りたいと思います。議題1では、昨年7月に宇宙開発利用部会にて取りまとめた報告書「月面探査における当面の取組と進め方について」について、フォローアップとしてJAXAやアカデミア、産業界よりヒアリングを行っております。本日はJAXAより、「日本の国際宇宙探査シナリオ案2025」を、PwCコンサルティング合同会社より、月面経済圏に関する最新の検討状況を、それぞれご紹介いただきます。
まず初めに、先月、11月にJAXA国際宇宙探査センターより公開された、「日本の国際宇宙探査シナリオ案2025」をJAXA理事補佐 川崎様よりご説明いただきます。それではよろしくお願いいたします。
【JAXA川崎理事補佐】 ご紹介ありがとうございます。その前に、先日のH3、8号機につきましては、このような事態になりまして大変ご面倒をおかけしています。この場を借りて改めておわび申し上げたいと思います。現在、理事長以下、対策本部含めまして原因究明を進めておりますので、この場を借りて陳謝いたします。
では、資料のほうに移ります。
<JAXA川崎理事補佐より、資料73-1-1に基づき説明>
【中須賀主査】 説明ありがとうございました。それでは、ただ今のご説明に対しましてご質問、ご意見ございましたらよろしくお願いいたします。オンラインの皆さんもよろしくお願いします。
【佐藤委員】 佐藤でございます。2点ございます。
1点目が、14ページ、もしくは15ページの辺りにも少し言及いただきましたけど、特に14ページにおけます(3)に書いてある、月面での諸活動におきますインフラの部分、非常に重要だと思いますが、このタイトル、見出しのところには、実証と整備と両方とも書いてございます。一方で、その下に箇条書きで4点書いてあるところは、1つ目の通信・測位のところは、かなり国際協力を踏まえましてインフラを確立するというふうにかなり強く打ち出されておりますが、それ以降のところは、「実証する」のような表現にとどまっていて、整備をするというところまで明確には今回記載されてないようにも思います。
それは、それ以降のページに書かれている、その後の民間主体でむしろこれは整備すべきという考えの下で、JAXAあるいは国としては、実証までを担っていくのが役割と整理の下でそのように表現されているのか、もしくはそこはまだ論点として残っていて、或いは技術的に未確立のため、そこは今後の論点であるという理解で良いのかをお伺いしたいです。まずこれが1つ目です。お願いいたします。
【JAXA川崎理事補佐】 はい、お答えします。通信系がかなり具体的に書かれているのは、既に国際協力でそれを2028年代にはネットワークをつくり始めようという動きがありますので、少し強めに書いてございます。その後の技術については、まだ実証ミッションもありませんし、ようやくそれを、NASAも含めて始めようという段階にありますので、少しそのトーンを変えてございます。だから今後やるべき話なのですが、民間とJAXAの役割についてはまだ決まっていないというところで。ただ、これはトータルで追うシステムが必要だというのを示した上で、この中で民間が手を挙げてもらえれば、例えば戦略基金等がありますし、そういったところでの活動を一緒にやるというところで、まずは全体シナリオを示したというところでございます。
【佐藤委員】 ありがとうございます。大変位置付けがよく理解できました。
もう一点お伺いさせていただきます。最後のページに、今後の予定の中にも産学官との意見交換を進めていかれるというふうに記載されておりました。産業界としてもぜひお願いしたいというふうに思います。私も今日、経団連からの委員という立場で出ておりますけども、経団連をはじめとする産業界としても、こういったところに向けて、あるいは民間がどういう役割を担っていくかということも含めて、ぜひ意見交換させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
【中須賀主査】 ありがとうございました。高橋先生、どうぞ。
【高橋主査代理】 ありがとうございます。同じところに関連したコメントです。科学が前面に出ているのは、科学者の立場としてはありがたいのですが、その科学目的を実現するための月着陸機であるとか、構造体であるとか、あるいはその構造体を建てるための土壌調査であるというような、先立つ技術が非常に大切です。それの具体的な実現方法がないまま、目的が登場しているような気がします。
そうすると、科学者のほうからも、何を前提としていいかも分からないまま提案が出てきていて、あまりよくない状況ではないかと思います。例えば、工学の土壌の専門家とか、建築の専門家とかがきちんと入った上で、科学計画がいち早く動くように、宇宙戦略基金等でしっかりと手当てをしていただけたらいいなと思います。
その中には、例えばどのようなコンピュータを使えるかであるとか、どの部分にどのような部品を使うべきかをしっかり考える必要があります。調べてみると、例えばJAXAの月面での環境基準書等、出ていないような気がします。そのような整備が先ずは必要だと思いますが、いかがなものでしょうか。
【JAXA川崎理事補佐】 はい、おっしゃるとおりだと思います。データをどう取るのかということも含めて、われわれ科学に限らず広くデータ取る必要があると思います。その時に限られた着陸機会を活用しながら、同じ計測装置でちょっと違うものを取るとか、ことも考えながらやっていきたいと思うのですけど、おっしゃるとおり、まだ整備できてないので、そこは今後考えていきたいと思います。
【高橋主査代理】 一方で、海外のさまざまな論文であるとか、いろいろな資料が既に出ています。一方で、NASAの資料なんか見てみても、月面での活動の環境は、月面着陸機を用意することになっている民の会社に任されることになっています。そのような会社がどのようなインタフェース条件や環境条件をだしているかというような情報が全くない中で、例えば宇宙戦略基金とかで公募を出したとしても、皆さんほんとに分からないままなので、不確定の分だけ、多分提案の予算が積み上がるだけだと思います。
ここはJAXAの方が、これからやるではなくて、現状でも情報はありますし、たくさんの資料もあるのに、日本では資料がどこを探したら手に入るのかっていうのがなかなか分からないのが現状なのではないかと思うので、その辺をぜひよろしくお願いしたいです。将来やっていく、2040年代に約40人規模の宇宙飛行士が常時滞在する月面拠点を想定すると、それは、もうあっという間にやってくるのですね。今からやらない限りできないし、宇宙戦略基金でやったとしても、5年、7年後にいろんな資料が取り揃えられましたという状況だとすると、どんどん物事は遅れるのではないかと思うので、ぜひそこはいろんな人たちの協力を得てやっていただけるといいなと思います。
【JAXA川崎理事補佐】 分かりました。一応、LUPEXはある程度、できる範囲でそういうミッションを載せるというところ、決めていますけど、まだ足りない部分がありますので、関係者の皆様と意見交換しながら進めたいと思います。
【中須賀主査】 よろしくお願いいたします。他いかがでしょうか。
【川端補佐】 その点少し補足よろしいでしょうか。文部科学省でございます。宇宙戦略基金の第2期ございまして、2期に月面インフラ構築に関する要素技術というのがございます。既にもう採択されているものにはなるのですけれども、その中で月面に立つのを前提となる月面環境データ取得および重要技術の早期実証につながる月面インフラ構築に関する要素技術を開発するとございまして、宇宙戦略基金でもやりつつあるというものでございます。
【高橋主査代理】 すみません、公開されている情報ですので、ご存じかと思いますが、私、月面インフラ構築テーマのPOです。たくさんの応募があって、非常に良かったのですけれども、いろんな審査があって、その過程で得た懸念を今質問させていただきました。非常に具体的な経験に基づいての質問ですので、よろしくお願いいたします。
【川端補佐】 大変失礼いたしました。
【高橋主査代理】 もう一つは、応募されて採用されなかった中にもたくさんのいい提案があります。すでに3つのテーマが選択されていますけれども、もし、今おっしゃっているような月面の活動が大切ならば、月に行って活動、或いは実験をする、科学というよりはむしろ工学的実験や調査をするものをきちんとやらないと、今回提案されているような将来にはつながらないのではないかというのが私の素直な感想です。
【川端補佐】 ご指摘いただきましてありがとうございます。
【中須賀主査】 よろしくお願いします。はい、どうぞ。
【若田委員】 若田でございます。2点ございます。12ページのところに、全体シナリオ・ロードマップの4のところに有人滞在技術、そしてECLSS、医学とありますが、この医学の部分は、具体的にはこれまでの地球低軌道の医学の経験を踏まえて考えますと、例えば耐放射線被ばく等が中心になるのか、それとも、月に特化した形で、具体的に医学でここは深めていきたいところがあるのかというのが一つでございます。
もう一つは、14ページですが、(3)に基盤インフラ技術の実証・整備があり、その中でエネルギーについて3ポツ目にありますが、例えば米国では月面での原子力発電が重要とされ、データセンター等に関しては地上でも同じですが電力の確保が必要になってくると思います。14ページで、原子力の部分は小型原子炉等含め、例えば米国から日本を含む各国へ協力要請のようなものがあるかということと、小型原子炉に関しては、要素技術として検討をする予定があるのかということ、その2点を教えていただきたい。以上です。
【JAXA川崎理事補佐】 ありがとうございます。月面における医学につきましては、当然、今やっている宇宙医学に加えまして、放射線も含めますけども、やはりレゴリスだとかそういったもののインヘイル(inhale)のところですね、それはかなり危険じゃないかという、まずデータがないのですね。それは、できることならマウス等を使う実験も含めて、つなげていくとか、そういった準備を進めたいと思いますし、具体的な計測もやりたいと思っております。これは、与圧ローバーの中で非常に大きな課題になっております。まずそこが一つの大きなところかなと思っているところです。
そういう意味で、月面に特有の医学のデータは、まだやるべきことがあるので、そちらをやっていきたいと思っています。それもシナリオの方である程度触れています。
それから、原子力につきましては、先日アメリカのほうも、似たようなアーキテクチャドキュメントが出されております。その中で、一丁目一番地が月面における原子力発電ということでした。ただ、このシナリオの中では、まだ日本、我々は原子力発電を前提としないのですが、それはなぜかというと、原子力発電は重量的にかなり重いです。今、月面に持っていくにもまだシステムが無いので、2030年代はおそらく太陽光発電が主になるだろうと考えますが、今後アメリカが、アイザックマンNASA長官により、これを加速する可能性があるので、もしそれが出てきそうな場合には、このシナリオも少し前に進むような方向で変える必要があるかと思いますが、今のところは入っていないという状況になります。
【若田委員】 分かりました。ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。あと1つか2つ。この2人で終わりにしたいと思います。先どうぞ。
【永井委員】 ありがとうございます。8ページについて、2040年代の滞在する段階のシナリオなのですが、これは現在のアルテミス計画の延長線上でアメリカを中心とする国際協調の中で進めていくと想定してよいでしょうか。その場合は、国際協調の中で日本が何をやるのかですとか、その中で民間と国・JAXAとの分担をどうしていくのかですとか、そういったことが今後の検討課題になってくるように考えているところです。そのような理解で正しいのかということが1点と。
もうひとつ、2040年代の滞在する段階になると、月面での建設みたいなものが進んでくるので、そうなってくると、今国交省の方でも宇宙建設のプロジェクト等が進んでいると思いますが、そのあたりの調整や連携というのはどういった形になっているのか、お伺いできればと思います。
【JAXA川崎理事補佐】 最初の質問は、これはあくまで国際協力でやる前提で書いてございます。それから、建設系の話ですが、この今、スターダストでやっている人たちとも意見交換して、この中に取り込んでおりますので、それがかなりページを割いて書かれております。
【永井委員】 ありがとうございます。
【中須賀主査】 いいですか。次、では関先生、どうぞ。
【関委員】 説明ありがとうございました。高橋委員のご質問に少し関連するのですけれど、先ほどもご説明のあった宇宙戦略基金等で民間がたくさん参入されようとしている中で、どう民間の参画をさらにエンカレッジするかが重要だと思います。その際に、JAXAだけじゃなくて、ESAのミッションにしろ、NASAのミッションにしろ、従来の宇宙機関の品質保証基準を適用してしまうと、民間企業が尻込みしてしまう側面があると思っています。
私の知っている範囲ですと、例えばESAの深宇宙探査において、地球周回軌道上で実証することで民生部品を許容するとか、結構柔軟な対応を始めています。そのあたりの品質保証とかインタフェースの切り方とか、どの辺まで民間の参画を想定して検討されているか、教えてください。以上です。
【JAXA川崎理事補佐】 基本的には、今、民間の民生部品を使うという流れでは、大きな流れであると思います。どうしても人命に関わる部分については厳しいところはあるのですけども、いわゆる無人ミッションであるとか、月着陸ミッションであるところについては、いろんな民生品を使う。例えば、先般のSLIMにおいて、SORA-Qとかありましたけど、かなり緩い設計基準でやっていますので、そういったやり方もやっていますので、いわゆるアジャイル的なやり方っていうのは今後やるべきだと思っております。まだ、なかなか大きくなっていませんが、それは許容すべきだと思います。
【関委員】 ありがとうございます。これから民間とのコミュニケーションの機会に、そういう事例を具体的に示していただけると有用かと思いました。以上です。
【JAXA川崎理事補佐】 ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。私から最後に1つコメントです。アンカーテナンシーとして何を政府が支援するかというのは、すごく大事かなと。宇宙3科学は恐らく非常に大事で、その3科学に向けての、今、高橋先生おっしゃったような基盤整備のために整備を進めるというのはこれアンカーテナンシーになり得るかなと思うのですよね。
もう一つ工学的にすごく大事だと思うのは、これも前に申し上げたかもしれませんけれども、月をベースにどこかに飛んでいくための道具をそこで作るということ、これがすごく大事です。例えば、これまでの宇宙開発だとアポロ計画では、地球から出ていく時に全て帰ってくるビークルも含めて全部持っていくと。そうするとロケットのサイズによって行ける範囲とかやれることが限られてしまう。でも、行った先々でそこから先に行くための道具がもし作れたら、これまさに飛び石のようにそこからまた次に飛んでいけるのですよね。
だから、そういったことを徹底的に検討する場というのが月ではないかと思います。これは工学的な意味はすごく大きいと思っています。そういう観点で言うと、水を使った燃料であるとか、それからレゴリスを使った構造物であるとか、あるいは機能ボディーとか、こういったものをどんどん月の材料を使って、ある種月を実験台としてやっていくっていうことが、これが将来に向けての技術を作るという意味で、ある種の政府のアンカーテナンシーになるのではないかという気はしております。そういったこともぜひご検討いただければいいと思います。
ありがとうございます。それでは、この件これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、月面経済圏の観点から月面におけるインフラ開発と市場機会と題して、PwCコンサルティング合同会社、榎本様よりご説明よろしくお願いいたします。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 初めまして。PwCコンサルティングの榎本と申します。よろしくお願いいたします。それでは、弊社のほうから発表させていただければと思います。
まず、このような機会をいただきありがとうございます。本日ですが、月面経済圏に関する話というところで、来月、弊社のほうから月面に関するインフラ開発と市場機会に関する市場調査のレポートを出させていただきますので、その内容をまず簡単にご紹介させていたければと思っております。
<PwCコンサルティング合同会社 榎本様より、資料73-1-2に基づき説明>
【中須賀主査】 ご説明ありがとうございました。それではご質疑、それからご意見ありましたらよろしくお願いいたします。
【佐藤委員】 佐藤でございます。ご説明大変ありがとうございます。非常に意欲的にスタディされているということで、大変興味深く拝聴させていただきました。2点ほどお伺いしたく思います。
今回のシナリオは、段階的に有人活動が発展していくという過程というか、その中で、こういうふうに、いろいろ投資ですとか、市場機会が増えていくっていうシナリオかというふうに拝見したのですけども、月面の活動は、一つは有人の活動の発展もありますが、一方で、無人で行う、例えば月面データセンターみたいな有人である必要がないものや、あるいは資源の発掘・収集のような無人で遠隔で、みたいな、 あるいは、サイエンスで観測みたいなものも遠隔でもよろしいのではないかと、無人でよろしい、つまり有人での発展とは別に、無人、遠隔だけども月面の利用が広がってくというようなシナリオも一方ではあるのではないかというふうに感じるわけですけども。それらはどのように、今回は、そこは考えて含めなかったということなのか、それとも、いろんな経済活動が広まってくのは有人なるものがあると波及効果も大きいのでそっちを主にしたのかとか、今回、有人を中心にされた理由をお伺いしたいです。これまず1点目です。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ではず1点目について。今おっしゃっていただいた両方の観点を踏まえて検討はさせていただいております。無人の活動といったところが進むというのは我々としても想定する一方、今の探査の状況を踏まえたら完全に無人だけで全てが進むとは考えてはおりません。今回対象としたインフラは、複数のインフラにわたっており、そのインフラを構築する上では、人の数も必要だと考えており、いわゆるミッションとしての人といったところ、必要だろうという想定で、今回は人の数をそれなりに当てはめているということです。
その人が行くに当たり、この設備が必要なんじゃないかという考慮を一定程度、ミッションに紐付く形で必要だろうというところで。例えばエネルギーとかも、通信でどれぐらい使うとかいろいろありますが、そこに完全に無人のものだけではなくて、人が行くことで生じる需要みたいなところも考慮には入れているという形になります。無人で進むところもあるのですが、我々の考えとしては、一定程度やはり人が行って、何かしらやっていかないとインフラの構築そのものを完全に無人でやるのは難しいのではないか、と想定に立っているというところであります。
【佐藤委員】 ありがとうございます。取りあえずお考えについては理解いたしました。
2つ目の質問ですけれども、今回いろいろ投資規模ですとか、あるいは構築されたインフラによる経済活動の収入の規模とか書かれておりますけども、これはいわゆるグローバルでの数字なのか、あるいは国内主体の事業に限定した数字なのかお伺いしたいです。なぜそれが気になったかというと、今回挙げている数字も25年で数百億ドルぐらい、1年間で言うと30とか40億ドルぐらいですかね、グローバルで数千億円となると、それほど大きくない規模にとどまっているようにもちょっと感じたというのが、経済的な視点で言うと正直そういうふうな感じがして。
一方で、1つ目の指摘に戻るのですが、データセンターみたいな話、本格的に利用するとできたりすると、実はもっと経済活動としてはかなり広がるのではないかと。あるいは資源探査みたいな、有人やロボットもいるとは思いますけれども、何かほんとにもうちょっと広がりを見せる可能性もあるのではないかと思って1つ目の質問をしたわけですけども、その観点で2つ目の質問ですけど、まずこれはグローバルな数字でしょうか。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 そうですね。まずグローバルの前提になっております。また収益のところに関しては、先ほどご説明したとおり、ある仮定を置いた一部のものになっているので、おっしゃるとおり、ある変革点が起きた時に、いろいろなサービス、アプリケーションとしてビジネスが発展していく可能性はあるとは思っています。今お示ししたレベニューといったところが全てではなくて、どっちかというとそれがベースとして考えられるものとしてあって、さらにいろいろな積み上げがあるのではないかというような考え方で整理させていただいております。
【佐藤委員】 ありがとうございます。考えは理解いたしましたので。今後、そういう分野を可能性がある分野として意欲的に取り組むという、その意欲の下に取り組んでいくとなると、いろんな可能性を、もちろんこれは実現できるどうかは別として、可能性があるものをいろいろ示していく、もしこれがほんとに実現できたら、これ非常に大きな効果につながっていくこと示していくこともとても大事じゃないかと感じますので。宇宙の利用を、より活発化させていくっていう観点で、引き続きいろいろスタディいただければ幸いと思います。
【中須賀主査】 ありがとうございました。他いかがでしょうか。永井委員お願いします。
【永井委員】 ご説明ありがとうございます。今の佐藤委員のご質問とも関連するところなのですが私も国内なのかグローバルなのかすごく気になっていまして、先ほどグローバルだということでお答えいただいたところですけども、今回の市場調査というか、市場予測に中国の計画がどの程度影響を与えているのか、お伺いできればと思います。
資料の中でも、先ほど若田委員からもお話が出ましたが、小型の原子炉や3Dプリンティングの建設技術、このあたりは中国の嫦娥(じょうが)計画ですとか、月科学研究ステーションの中で盛り込まれているところなので、かなり大きな影響を与えているのではないかと思っていまして、そのあたりはいかがでしょう。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ありがとうございます。中国の観点も含めて考えております。ただ、全ての情報が取れるわけではないので、取得できる情報と、その中でも一定確度があるのではないかというところをわれわれの中で仮説を置きながら、検討させていただきました。
【中須賀主査】 オンラインから竹森委員、お願いいたします。
【竹森委員】 ありがとうございます。オンライン竹森でございます。非常に興味深いレポートで、月面に関していろいろな情報がある中で、非常に具体性があって、数字もあって、期待したいなと思っています。人が月面に行くということのインパクトは、人が行かない無人でやることよりも、すごく産業拡大の可能性とか深度のインパクト、全然違うと思うのですよね。
その視点でいくと、11ページ、その前のページもですが、今2025年で、この5年で14人が月に行く、同時滞在で4人、多分ここでは相当見えている数字をカウントされていると思うのですが、この14人はアルテミス計画等の関係でカウントされていると思いますが、どのような方が何をしに月面に行くのか。それが相当のインパクトで、そこからいろいろな産業インパクトや拡大インパクトがあるのですが、この14人や4人の内訳を教えていただいてもよろしいでしょうか。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ありがとうございます。詳細が、今ここで何が何人と言うのは難しいのですが、ベースはここのフェーズのところに書かせていただいているように、探査のところが中心になってくるかなと思っています。まず月に降りて、探査をして情報を持ってくるといった、そういったところが中心になってくるかなと思っています。
フェーズが進んでいくと、インフラ構築の作業が必要となるので、役割がより多様化してくることを想定しています。
【竹森委員】 この14人というのは、例えばこのプログラムで宇宙飛行士が例えば3名このプログラムに乗ってというのをカウントしているわけではないということなのですか。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ベースはそのような考え方になっているので、各国の探査でどれぐらいの人数が想定されているのかを積み上げたものになります。中国も、そういったところで幾つかこの形で推計しているものになります。
【竹森委員】 ざっくりでいいのですけど、この5年で14人、例えばアメリカ、中国、それぞれ何人ずつというのは、何かもし記録があればなのですが、いかがですか。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 申し訳ないですが、今私の中で頭の中に、出てこないので、確認してまたお伝えするようにします。一応それなりに数値やデータを整理しながら検討は進めております。
【竹森委員】 そうですよね。足元の話をそういうふうに明確化することで、さらにこういう順序で日本としてもやっていこうではないかとその産業の拡大するインパクト、優先順位のつけ方というのは何かイメージ湧くかなと思うので、そのあたり、足元のところを明確化して、それを表現して、産業インパクトを表現するような、そういうものも欲しいなと思った次第です。以上です。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 そうですね、はい。ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございました。関委員、どうぞ。
【関委員】 ありがとうございます。14ページ以降のグラフだと、ほとんどの投資額がノミナルシナリオの方が高くなっていますが、楽観シナリオの方の投資額が大きくなるかと思ったのですが、ご説明いただけますか。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 グラフの凡例の色が反対でした。大変失礼いたしました。フェーズによってはおっしゃる通り、標準シナリオと楽観シナリオが入れ替わっているところがありますが、これは楽観シナリオの方がフェーズとして1段階早まったというところになりますので、そうすると需要とニーズのギャップによって若干、当初予測していた標準シナリオよりも楽観シナリオの方が、前倒しされたことで標準シナリオの方が大きく見えているようなフェーズが一時的に出現するケースが起きています。
【関委員】 分かりました。
【中須賀主査】 若田委員、どうぞ。
【若田委員】 1点コメントと、1点質問です。質問は11ページに楽観シナリオと9ページに標準シナリオとありますが、全てのシナリオにおいて、最長の有人滞在期間が3カ月になっていて、年間を通じた連続滞在はないというシナリオに、2050年でもなっているのですけど、それはどうしてかというのが質問です。
もう一つはコメントですが、先ほど佐藤委員、永井委員からもございましたが、最後の19ページの収入に関する次のフェーズのスタディでは、キラーコンテンツをきちんと入れていただくことは重要なのかなと。水も含めた資源の採掘、データセンター等いろいろなものがあり、ここに書いてある25年間で940億ドルはかなり少ないかなと思います。このあたりの分析が重要になってくるかと思います。これはコメントです。
質問は長期滞在がないかということです。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ありがとうございます。質問に関して、おっしゃるとおり、いろいろ考えようによって長期滞在する人もいると思うのですけど、いったん平均的にならした形での滞在という形で書かせていただいております。
【若田委員】 3ケ月の滞在が可能になるという表現がありました。連続滞在は前提、ただ平均するとこのぐらいになると理解しました。ありがとうございます。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 あと、コメントいただいたところですが、まさにそこがすごく大事だと思っています。4ページのところにあるのですが、今このレポートを出したことによって、インフラの話がある程度ベースとして使えるようになってくるかと思っておりますので、今後で書かせていただいている、この右側の生活・アプリケーションとか、その上に何ができるかっていうところは、今後われわれとしても出していきたいと思っています。ありがとうございます。
【中須賀主査】 大体よろしいでしょうか。オンラインもよろしいですかね。石井委員お願いします。
【石井委員】 はい、よろしいでしょうか。石井です。質問させていただきます。非常に興味深いご報告をいただきまして、ありがとうございました。私の質問は、スライド20と関係すると思うのですが、産業の具体的な担い手についてもお伺いできればと思いました。
2021年の9月に出されたレポートも拝読したのですけれども、そこでは工業セクターの他に、自動車であるとか、工場であるとか、建設であるとか、さまざまな宇宙セクター以外の企業が、もう既に具体的に探索活動をしているということが詳述されていたわけです。今回のレポートで、必ずしもそこはカバーされないのかもしれませんが、この5年間でどういった変化があったのか、お伺いできればと思います。スタートアップ企業のインパクトがどのくらい出ているのかも教えていただければと思います。
また、今日はグローバルな観点からというお話ではありましたが、必ずしも地政学的な対立については触れられていなかったように思います。特に前回のレポート以降、ロシアのウクライナ侵略があり、また米中の対立の激化もしているわけですけれども、そういった国家間の対立は今回のレポートにどういった影響があるのか、お伺いできればと思います。以上です。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ありがとうございます。1点目に関してはおっしゃるとおりです。いわゆる宇宙セクター以外の非宇宙系の企業といったところも踏まえた現状になっておりますので、宇宙の企業に閉じた検討ではなくて、さまざまな企業、今回は通信とか水とかいろいろ建設も含めて書いておりますけれども、入ってくる前提での推計になっています。
ただ、レポートの中で、民間セクターがどれぐらいなのかとか、具体的にどんな企業かは、今回は第1弾に比べると触れるところはあまりない状況にはなっているというのが答えになります。
2点目は、こちらはなかなか難しいのですけど、安全保障とか地政学観点というのは、今回のレポートの中であまり触れてはいないです。ただ、検討する上において、そこは当然リスクや、促進要因になるのは当然なので、考慮はしています。但し、そこをレポートに記載すると、ハレーションが起こる可能性もあったので、今回のレポートの中では含まない形にしています。
【石井委員】 了解しました。ありがとうございます。
【中須賀主査】 それでは、そろそろよろしいでしょうか。
【金子委員】 すみません、金子です、もう一つだけ質問させてください。今の石井委員のおっしゃられたこととお答えでもよく分かったのですけども、安全保障の観点と近しいかもしれませんが、医療と治安というのはかなりしっかり守られていないと、どの活動もしにくいのかなと感じております。
しかもそういったものが、自分たちでできるだけ賄えるようなものというものが最初のうちから考えといたほうがいいのかなというのは感じておりますが、そのあたりはいかがでしょうか。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 そうですね。おっしゃるとおり、有人活動というのを前提にすると、そのあたりは考慮が必要かなとは思っています。おっしゃるとおり、そういったところ見たいなと思っていたのですが、今回広げ過ぎるとなかなか収拾がつかなくなってしまうので、今回インフラのところにフォーカスはしております。次回以降、実際に人が行く上での話や、どのようなアプリケーション、インフラを使って行われるかというところを、もう少し幅広に捉えていきたいなと。このインフラだけでも結構なチャレンジが必要でしたが、そのあたりはわれわれとしてもチャレンジしたいなと思っております。
【金子委員】 ありがとうございます。
【中須賀主査】 それでは、いいですかね。以上で議題を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 ありがとうございました。
【中須賀主査】 それでは、PwCコンサルティング合同会社の皆さま、こちらでご退室いただければと思います。ありがとうございました。
【PwCコンサルティング合同会社 榎本様】 どうもありがとうございました。
(PwCコンサルティング合同会社 榎本様、石田様、井田様 ご退室)
【中須賀主査】 続きまして、昨年7月に取りまとめた報告書「月面探査における当面の取組と進め方について」のフォローアップ状況として、本年度、本小委員会等で進めてきた議論の状況について事務局から説明よろしくお願いいたします。
【迫田戦略官】 文部科学省からご説明させていただきます。資料73-1-3です。報告書「月面探査における当面の取組と進め方について」のフォローアップに基づきましてご説明させていただきます。
<迫田戦略官より、資料73-1-3に基づき説明>
【中須賀主査】 ありがとうございました。今後この報告書「月面探査における当面の取組と進め方について」の改訂を進めてまいりたいと思いますけれども、それに向けて今回、あるいは次回以降のヒアリングを行っていきたいというふうに考えております。
ということで、今のご説明に関しましてご質問、ご意見よろしくお願いいたします。高橋先生お願いします。
【高橋主査代理】 きちんといろいろな意見を取り込んでいただいてありがとうございます。特に最後におっしゃった、「いつも科学だけではなくて」というところ結構大事で、科学を先行してしまうと、最終的なゴールとしてはいいのですが、手前とか、あるいは民間の人たちが入ってこないとできないところが、おろそかになってしまうと良くないと思っていたので、非常にありがたく思っています。
ただし、せっかく前の進め方についての文章には、「将来の月面経済圏の創出のためには」という文言がどこかにきちんと書かれていたのに、あんまりそれが重視されない書きぶりに、今はなっているので、そこはもっと入れて欲しいと思いました。
そういった意味では、今、宇宙開発の宇宙戦略基金で非常に多くの応募があって、たくさんの議論が既になされているので、どこかで採用された人ばかりではなくて、審査の過程で得られたさまざまな提案や提言をきちんとこういう中に取り込めるような仕組みになっていると、せっかくあれだけ多くの人たちが提案時から参画しているものが、少しもったいないかなと素直に思います。そこはどうしていいか分からないですが、変えていただけたらいいなと思います。
例えば一つあって、今宇宙戦略基金は割と宇宙村の中でやられています。民間で宇宙村の外の人たちをあえて呼ぶということになっていますが、大学等の研究でも出口が宇宙になっていないけれども、ひょっとしたら宇宙にいろんな役に立つような先端研究をやっておられる方はたくさんおられるのですね。そうすると今まで研究の出口が宇宙でなかった人たちをどうやって宇宙につなげてくかっていうようなアプローチ、例えば異分野連携という言い方してもいいのかと思います。まずは何かみんなが目線を合わせて議論する場があればよくて、そういうこともぜひ取り込んでいただけるといいかなと思いました。
【迫田戦略官】 ありがとうございます。他分野の巻き込みは、月面開発では特に重要だと思っております。今まで衛星とかロケットを中心に宇宙空間というところで進めてまいりましたが、月面開発というと結構いろんな科学分野の方々も、多分インターディシプリナリー(interdisciplinary)の入った研究も必要になってくると思います。
また、おっしゃっていただいたとおり、宇宙戦略基金の今までの審査過程で、絞らなければならないので落選された方というか、不採択の方々もいらっしゃると思うのですけれども、そういった方々もいろいろまた違う取組もされていると思いますので、今後、考えていきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
【中須賀委員】 ありがとうございます。今のご発言の中で言うと、異分野ですよね。異分野の人に月に入ってきてもらうということで、それをやっていくための目利きが要るのですよね。だからこちらから出向いていって、あなたのこの技術はすごく役に立ちますよっていうようなことを言える人、あるいは言える機会、これをつくっていくことがとても大事で、これはほんとに宇宙の全ての分野に言えることですけれども、やっていかなきゃいけないというように強く感じております。よろしくお願いいたします。
【迫田戦略官】 ありがとうございます。
【中須賀主査】 それでは、オンラインから竹森委員、お願いします。
【竹森委員】 竹森です。ありがとうございます。私も高橋先生と全く同じ意見で、高橋先生のご指導で私も月面で宇宙戦略基金をやっていて一番思ったのが、こんなにいっぱいアイデアあるのだと。こんなにいろんな人がいるのだと。この中から選ぶというのが非常に、あの時何週間かけたか分からないですけど、非常に苦しい思いをして選んだ、選ぶという作業があったと思うのです。
思うのですけど、大学とかスタートアップとか個別企業とか、宇宙村でなくてもいろんなプランがあり、技術があり、そこから選ぶということをやっているのですが、さらに前に進んで、組み合わせるとか、いろんな組み合わせの中で1足す1を4にしていく、5にしていく、そういう考え方で大きなシンボル的なプロジェクト、活動、いわゆるパッケージにした活動というものを何かやりたいなと。
例えば月面の最適な場所を見つける。そこで例えばレゴリス等を使って構造物を作っていく。そこでエネルギープラントを作っていく。それによって植物を作るとか。全体のパッケージ、これをシンボル的に大きくして、いろんな人を組み合わせていきながら、それを丸ごと国がアンカーテナンシーで買い取るとか。さらに、せっかくいろんな支援のツールがある中で、個別の企業を選んでいくっていうことではなくて、組み合わせでどうやって足し算で相乗効果を得ていくか、そのためのシンボルプロジェクトをいかに立ち上げるか、そういう観点も非常に重要だと思います。そうすると、私たちみたいな宇宙村じゃない人もいろんな知恵を出して、これに入っていこうではないか、そういうような仕掛けも欲しいなというふうに思っています。
すみません。意見ですけれども、以上です。
【迫田戦略官】 ありがとうございます。われわれ、非宇宙の取組とか、そういったところを結構強調しているのですけど、多分それに向けてのプラクティス、シンボルになるような実践を通じて統合していくといったところはこれからなのかなと思いますので。ご意見いただいたものを踏まえて、反映していきたいというふうに思います。ありがとうございました。
【中須賀主査】 今のご発言の中で、いわゆるシンボルプロジェクトみたいなものが一つあるといいですよね。それをどう実現するかに関して、自分の今持っているテクノロジーとかをどう使えばいいかっていうことをいろんな人が考えるというような機会があるとすごくいいなと私も思いますが、その辺いかがですか。
【迫田戦略官】 他分野の方が自分事としてこの月開発を考えてくださるような、何かそういうシンボルプロジェクトや、また情報提供とかしていくような仕組みといったところも重要なのかなと思いますので、少し事務局で検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【中須賀主査】 他いかがでしょうか。永井委員、どうぞ。
【永井委員】 ご説明ありがとうございます。国際動向のところで、先日トランプ政権が宇宙政策に関する大統領令を発表されて、確か月面着陸が2028年で、2030年までに拠点の確立に向けた活動を始めるといったかたちで、具体的な数字も見えてきたところかと思います。
今回のトランプ政権の大統領令ですとか、NASAの予算編成なんかを見ると、かなり中国との競争が強く意識されてきているのかなといった印象を受けています。日本として、今後の当面の取り組みを進めていく中で、そういった米中関係の影響については、少なくとも注視していかなくてはいけないかなと思っているところです。そのあたりのご感触については、いかがでしょうか。
【迫田戦略官】 ありがとうございます。アイザックマン氏がNASA長官になられました。公聴会のプロセスや大統領令も含めて、アルテミス計画を強力に推進されているなと思いますので、ここはしっかりと日米で協調しながらしていくべきかと思っております。
ただ一方で、日米関係のみならず、われわれとして何をすべきなのか、先ほどの水を独自に活用していくような技術などにより、アルテミス計画以外のところでもしっかりシェアを獲っていくとか、そういった視点も必要なのかなと思います。
米中の関係の中で、我々がどのような位置付けや、立ち位置で活躍していくのかはこれから検討なのかと思っております。
【中須賀主査】 よろしいでしょうか。他オンラインは特にないですかね。ありがとうございます。
次回以降も検討するので、ぜひ皆さん考えていただきたいのは、今、月の3科学というのは、唯一ではないのだけど結構これがメインの月の開発目的、これはこれですごく大事だと思うのですけれども、これだけだと、例えばアンカーテナンシーで大きな予算を付けるっていうのにはテーマとしては、もしかしたら少し弱いかもしれない。そうすると、それに加えて、月面開発の意義として何があるのか、これは政府としてちゃんと訴えて、財務省と戦ってお金を取っていくために必要な意義というのをもっと強く打ち出していくためにはどういうことがあるだろうかということ、これをしっかりと考えていかなければいけない、それはわれわれの委員会の一つの目的ではないかと思いますので、次回以降そういった議論をさせていただきたいと思いますので、ぜひ皆さん、その辺も考えておいていただければというふうに思うところでございます。
ということで、この議題これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
【迫田戦略官】 ありがとうございました。
【中須賀主査】 続きまして、議題2に入りたいと思います。国際宇宙探査及びISSを含む地球低軌道を巡る最近の動向についてということで、事務局より説明お願いいたします。
【川端補佐】 事務局でございます。資料73-2-1をご覧ください。
<川端補佐、佐孝補佐より、資料73-2-1に基づき説明>
【中須賀主査】 ありがとうございました。それでは、事務局説明について質問、ご意見ございましたらよろしくお願いいたします。どうぞ、高橋先生。
【高橋主査代理】 ご説明ありがとうございます。9項のアルテミスのところで、日本の地震観測の機器が採用されたと書いてあります。これは、まさに私がさっき質問したような、日本の得意とする技術ですよね。あと、文書全体に“はやぶさの技術”は出てきていますが、そもそも日本といのは色々な技術をやっていて、それはもしかすると月面とか火星の表面で、キラーアプリを作るようなセンサ群である可能性があるものです。だから、そういうものをもっと目利きの方たちをお使いになって、ちゃんと認識されたらいいかと思います。
この指針ってその後ご説明されましたけど、これは日本にとって非常に日本の技術が認められたいい案だと思います。そういういいところをどんどん例を出していくことが多分これから大事なのではと思いますので、よろしくお願いします。
【川端補佐】 ありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。他いかがでしょう。若田委員、どうぞ。
【若田委員】 いま高橋委員からご質問あった件と似ているところなのですけど、アルテミスⅢの搭載機器に関して日本関連のアップデートがあるのかというのが、1つ目の質問でございます。
もう一つは、ご説明は省略されていましたが8ページの米国の財政調整法(OBBB)のページで、ISSの予算が12.5億ドルとありますが、ISSの2030年退役に向けてISSを使い尽くす事が、重要な命題ではございますが、今回、予算規模が、このNASAの利用を、きちんと使い尽くすという観点から、十分に確保できるようになっているのか、懸念があるのか、そしてこの予算が、日本の運用に関して影響が出てくる可能性があるのか、またその対策等があるのかというところ、もし何かありましたらお聞きできればと思います。 以上です。
【川端補佐】 ご質問ありがとうございます。アルテミスⅢのところにつきましては、既に2024年3月に東京大学、宮本教授の誘電率の測定の機器が選定されているっていうところまでは存じ上げております。
【JAXA国際宇宙探査センター 山中センター長】 探査センターからご回答いたします。基本的に今おっしゃっていただいたとおりで、選定されて、基本的にそのステータスは変わりなくて、順調に宮本教授のところを中心に進めていただいて、JAXAとしても、有人ミッションに当たって、可能な限りの支援をさせていただいて進めており、ミッションとしては順調です。
【若田委員】 ありがとうございます。
【川端補佐】 ありがとうございます。もう一つの米国財政調整法(OBBB)の話のところですけども、こちら、通常の予算とは別の補正みたいな形で別途付いているというようなもので7月にトランプ大統領が署名して成立しているものです。ISSについては2029年度までの5年間で12.5億ドルとはなっているのですけども、それに加え、毎年の予算がそれぞれ審議はされていきますので、米国財政調整法(OBBB)で全部全てとかいう話ではないという認識でおります。
【若田委員】 結局利用に関しては、ISSの残りの5年間に対して、最後まで使い尽くせるような規模だという認識理解で正しいでしょうか。
【JAXA有人宇宙技術部門事業推進部 小川部長】 事業推進部の小川です。今のところは予算状況を見ながら利用計画を最適化していくということで、基本的には使えるだけしっかりと使っていくということだと考えています。ただ、実際のところでは、この領域は少し延ばすとか、この領域は少し止めるとか、そういったことはあるとは思うものの、全体ではNASAもしっかり使っていこうという理解ですし、われわれもNASAと一緒に協力できるところは協力していきたいと考えております。
【若田委員】 分かりました。ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございます。他いかがでしょう。関先生、どうぞ。
【関委員】 ご説明ありがとうございます。アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)に関してお伺いしたいのですけれど、そちらでは主には地球観測に関する議論が多かったように拝見したのですけれど、月・火星探査とか、特にアルテミス計画にかかわる項目の議論はあったのでしょうか。またその時の中国の動向など、何か情報があれば教えてください。
【川端補佐】 ご質問ありがとうございます。APRSAFにつきましては、これとは別なのですが、昨年本委員会で策定した月の報告書、先ほど議論ありましたけども、その月の報告書の中で、APRSAFも活用していきましょうというのがございまして、今回のAPRSAF‐31では、少し月面探査関係の内容の話も入ってきているというところになっております。
特に宇宙法のワーキンググループでは、アルテミス合意関係も含めたような話や、アルテミス合意の中で議論をしている月に関するデブリ低減関係の話とかも、日本から情報提供するような形で議論が行われたというところでございます。
対中国関係はあまりなかったと思います。
【関委員】 ありがとうございます。特にアジア諸国からの日本への期待とかが何かあれば教えていただきたいと思いました。
【JAXA 調査国際部 菊地課長】 ありがとうございます。最初に中国の関係ですけれども、今回中国からの参加はありませんでした。ただし各国の中で、従来APRSAFで探査っていうのはちょっと先端的過ぎるかなというような意見もあったのですけれども、今回闊達な議論が行われたということでございます。
【川端補佐】 ありがとうございます。APRSAFといいますと、結構衛星データ利用が多いのですが、そういう国もありながら、タイみたいに月関連に取り組む話もあります。また、フィリピンや、マレーシアは、この10月にアルテミス合意に署名をしたりしており、月に関心を持っている国も増えてきていると思います。そういった中で、アルテミスで日本がアジアをリードすることを期待されるものは、大きいと思っております。
【関委員】 ありがとうございました。
【中須賀主査】 それでは、これ最後にしましょう。オンラインから石井先生、お願いいたします。
【石井委員】 私の質問は今日のスコープから少し外れてしまうのですけれども、EUが出しているEU宇宙法案についてです。こちらご案内のとおり、基本的にはEUの宇宙事業者に対して、宇宙の環境保全なども含めてその規定に従うことを義務付ける規制ではあるのですけれども、非常に広範な域外適用の規定が入っておりまして、当然日本がEUの宇宙事業者と協力する場合には、日本の事業者に対して適用がある内容になっています。
また、その中には、EUと同等の法制を持つ国については、その事業者について手続きを一部免除するというような規定も入っていますので、これがもしそのまま通るとすると、EUと協力する事業者を持つ国は、法制を変えてEUと足並みをそろえることが求められていくのかなというふうに思います。ちょうど個人情報保護がそのような流れをたどったように、各国の宇宙法制もEUに影響されて変わっていくのかなと思うのです。
従いまして、宇宙探査に関わる日本の民間事業者についても関係してくるのかなと思うのですが、そういった中で、これに対してどう対応していくのかという議論はされているのでしょうかというのが質問です。以上です。
【川端補佐】 今回、EU宇宙法の話は特にご紹介してなかったところでございますけども、日本全体として経産省とかも含めながら、このEUの宇宙法の話については、すごく関心を持って見ているというところが現状でございます。
【JAXA 調査国際部 菊地課長】 JAXAからも補足させていただきます。EU宇宙法につきましては、われわれも関心を持って見ておりまして、欧州もEUなので単一市場創出という命題がありますので、それに向けた一つの法制だというふうに捉えておりますけれども、先生ご指摘のように、域外適用という形で他国にもその遵守が求められる部分があるということで、その影響を経産省等と議論して、対応を検討しているという状況です。
というところで、他方で、いろんな影響という意味では、欧州域内の企業にも当然これコストとしてかかってくるということで、その影響を評価したようなレポートが米国から出されたりもしていますので、そういったものも見ながら、今後まだまだ変わっていく可能性があるというふうに伺っていますので、その動向を注視していこうというふうに考えているところです。以上です。
【石井委員】 どうもありがとうございます。今日の報告から外れた質問をして申し訳ありません。また経産省が見ているということも承知していますが、ただやはり事業者に対して影響があるということで、本委員会においてもフォローしていく必要があるかなと思いました。ありがとうございます。
【中須賀主査】 ありがとうございました。それでは、以上で終わりにしたいと思います。ご質問、ご意見ありがとうございました。
以上で本日予定していた議題は全て終了でございます。事務局より連絡事項があればお願いいたします。
【川端補佐】 事務局でございます。本日の議事録や資料は、文部科学省ホームページに公開いたします。次回開催の具体的な日時については、日程調整の上、あらためてお知らせいたします。
【中須賀主査】 ありがとうございました。それでは以上を持ちまして本日は閉会といたします。みなさまありがとうございました。
(了)
研究開発局宇宙開発利用課