宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第28回) 議事録

1.日時

平成31年2月6日(水曜日) 15時00分~16時30分

2.場所

文部科学省 15階特別会議室

3.議題

  1. 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会 中間まとめについて
  2. 国際宇宙探査に関する意見聴取
  3. 国際宇宙ステーション計画への参画を通じて得られた知見等について
  4. その他

4.出席者

委員

主査(専門委員)          藤崎 一郎
第一主査代理(専門委員)    牧島 一夫
専門委員               古城 佳子
臨時委員               知野 恵子
専門委員               続橋 聡
臨時委員               西島 和三
専門委員               向井 千秋
臨時委員               米本 浩一

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局担当)               岡村 直子
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長        倉田 佳奈江
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐   原 真太郎

(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事                        若田 光一
理事補佐                     五味 淳
国際宇宙探査センター長           佐々木 宏
ISS プログラムマネージャ           筒井 史哉

(日本航空宇宙工業会)
常務理事                     山北 和之

(フロンティアビジネス研究会)
三菱総合研究所 主任研究員         内田 敦

(宇宙理学委員会・宇宙工学委員会 国際宇宙探査専門委員会 Gateway科学探査タスクフォース長)
JAXA 宇宙科学研究所 研究主幹       稲富 裕光

5.議事録

(1)国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会 中間まとめについて

【藤崎主査】 時間になりましたので,国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の28回会合を開催いたします。まず,前回こちらでまとめました,国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の中間取りまとめについて,倉田室長から御報告いただきたいと思います。

文部科学省倉田室長より資料28-1に基づき説明。

【藤崎主査】 ありがとうございます。
今日は,中心的議題として二つございまして,宇宙探査に関する意見の聴取と,宇宙ステーション計画への参画を通じて得られた知見等について,こちらは前回,知野委員や向井委員からも,まとめるようにという御意見があったものをまとめていただいたものです。

(2)国際宇宙探査に関する意見聴取

【藤崎主査】 まず最初は,宇宙探査に関する産業界・アカデミアの見解ということで,日本航空宇宙工業会,フロンティアビジネス研究会,そして宇宙理学委員会・宇宙工学委員会の方々にいらしていただいて,お話を頂きます。今申し上げた順にお話しいただき,最後に倉田室長から,その他の産業界・アカデミアの見解を御説明いただくという,この四つの御説明を順に伺った上で,皆様方の御質問あるいは御意見を頂きたいと思います。

日本航空宇宙工業会山北常務理事より資料28-2-1に基づき説明。
三菱総合研究所内田主任研究員より資料28-2-2に基づき説明。
JAXA宇宙科学研究所稲富研究主幹より,資料28-2-3に基づき説明。
文部科学省倉田室長より資料28-2-4に基づき説明。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
それではこれから,四つの御説明に対して,御質疑あるいは御意見を伺いたいと思います。御意見は,どなたへ,どの団体へ,あるいはどれが,というふうに明言いただいたほうが,恐らくお答えがしやすいと思いますので,お願いいたします。
では,西島委員,お願いします。

【西島委員】 なかなか活発に動いているのだなということを,今日知りました。
いくつかあるんですけれども,時間もありませんので,一つだけ。宇宙資源探査の部分で,それは企業ですから,いろいろな思惑があると思うのですが,先端技術の蓄積が必要とか,人材育成とか,そういうところは理解できるのですけれども,法制度の中で「採掘した宇宙資源に対して,所有権が成立するとの立場を国際的に表明」するということと,それからそれ以降の「国内法整備が国際ルール形成に貢献する」という,少し分けて考えないと誤解を生むかなと思ったのですが,その前半部分の,採掘したものに所有権が成立するとの立場を表明するということは,例えば,先行している中国とかアメリカの所有権が成立したときは,それを支援しましょうという立場ですか。

【藤崎主査】 それでは整理するために,山北様のほうに特に御質問がございましたら,それを先に受けて,順々にまいりましょうか。
牧島委員,どうぞ。

【牧島第一主査代理】 山北様と内田様の両方に質問です。実は私は今まで7機の人工衛星に関わり,自分の手で測器を作って搭載してきましたが,毎回やはり大きなトラブルに見舞われます。その多くの場合,非常に特殊な技術を持っている国内の非宇宙産業に出会えるかどうかが,解決の決め手になりました。例えば,アウトガスが少ない防振材,電気伝導率が非常に低いけれども電気伝導度が高いという,相反した性質をもつ素材,マグネシウム合金のダイキャスト技術などです。ということは,国内には,こうした優れた特殊な技術持っているメーカーがたくさんあるが,自分たちが宇宙に関係する可能性を,ほとんど念頭に置いていないということです。そういう技術をできるだけ掘り起こして,「御社の技術は,もしかしたら宇宙に使えるかもしれない」と技術者の皆さんに話すと,自分が作ったものが宇宙に飛ぶということで,現場の大きな励みになり,これはそのまま経済効果になります。そこで山北様のような大きな宇宙企業や,内田様のようなニュースペースビジネスに加え,第3のカテゴリーとして,宇宙にふだん関わりを持たないけれども,特殊なよい技術を持っているたくさんのメーカーのシーズを掘り起こし,こちらのニーズとマッチングさせるという観点が必要になります。これは恐らく官民共同で取り組むべき問題だと思いますが,この辺りはいかがでしょうか。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
牧島委員がおっしゃったように,山北様,内田様,あるいは場合によっては稲富様も含めて,御質問いただいて結構でございますから,そのように朝令暮改いたしますので,向井委員,どうぞよろしくお願いいたします。

【向井委員】 私も2点あります。1点目は,先ほどの法制度のページ5をもう少し説明していただければと思います。
また,今の資源開発は科学貢献目的で,世界中でその科学貢献の結果を共有する形になると思うのですが,このような法制度を考えているということは,いわゆる科学貢献のみでなく,経済効果を出す資源利用を意味していると思われます。どういう経済効果を狙って資源利用を,工業会が推進したいのかを教えていただければと思います。

【藤崎主査】 では,ここで一旦切りまして,倉田室長も含めまして,お答えいただけますか。では,どうぞ山北様から。

【日本航空宇宙工業会(山北常務理事)】 月などの天体からサンプルを持って帰ってくるというような科学的な目的のためには,宇宙条約でも認められていますし,月協定でも認められているところでございます。ただ,それを例えば,経済的な活動の意味での資源として採ってくるときはどうかというと,はっきりした規定はないわけでございます。その一方で,米国とルクセンブルグは国際的なルールをバイオレートしない限りにおいてはということですけれども,そういうのを認める,そういうのを取ってきていいよという態度,国内法を制定いたしました。それが国内産業,そういった資源開発を意図する国内ベンチャービジネスの後押しにもなっていますので,そういうことを念頭に置いている会社からの提言を記述したものです。

【向井委員】 「日本の法制のもとで」可能であるということは,日本の国内法でまず決めて,それを国際法で考えるということですか。

【日本航空宇宙工業会(山北常務理事)】 米国もルクセンブルグも,国内法でございますので,はい。ということでございます。

【向井委員】 1点目は,了解。2点目ですが,工業会が資源の探査でどのような経済効果を求めているのでしょうか。

【日本航空宇宙工業会(山北常務理事)】 例えば将来,まだ夢のような話かもしれませんけれども,月に基地を置いて,そこで例えばロケットの推進剤を水から作るといったようなときに,そういう採掘をしなければいけなくなるということを念頭に置いております。

【藤崎主査】 西島委員もよろしゅうございますか。

【西島委員】 それは,日本がというよりも先行している中国とか何かがそれをやったときは,それを正しいことだというふうに日本は主張するのですか。

【日本航空宇宙工業会(山北常務理事)】 というか,国内法の枠組みの中で企業の後押しをしていただけると有り難いということでございます。

【西島委員】 でも,中国のほうが先行する可能性が高いでしょう。

【日本航空宇宙工業会(山北常務理事)】 ええ,そうですけれども。

【西島委員】 それについては,中国の中でそれが決められれば,中国どんどんやってくれと。我が国もその後から行って,残ったところで頑張るよという,そういうニュアンスですか。
かけているお金とかいろんなことと,今の現況を冷静に判断して,それは立ち位置としていいかどうかというのも,少し見なければいけないということですね。

【藤崎主査】 内田様,何かございますか,今の御議論について。

【三菱総合研究所(内田主任研究員)】 今,正に御説明されたことに重なるのですけれども,今事業をはじめられたい企業さんとしては,早く日本にルールを作ってくれという立場なのだと理解しておりまして,既にアメリカ,ヨーロッパはルールがあるので,どんどん進んでいて,日本はルールがないので,行くに行けないので,早く作ってくれというお立場だと思います。ただ,一方で,先生のおっしゃるように,今は存在しないのだけれども,恐らく先行するであろう中国などとの対峙をどうするかという検討も,また別の観点で必要だと思います。民間事業者としては勝負をするための土俵を作ってくれという意見なのだと思っています。

【藤崎主査】 倉田室長に,さきほど牧島委員が言われた第3のカテゴリーというような話と,それからもう一つは今の法律の問題と,二つお答えいただけますか。

【倉田室長】 まず,牧島委員から御指摘いただきましたように,本日こちらにお越しいただきましたような大企業様,あるいはニュースペースの皆様に加えて,更に第3のカテゴリーということで,非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。これまでも,特に宇宙科学研究所で行っております衛星,あるいは探査機には,そういった中小企業様はじめ,いろいろな関係者が参画されているかと思います。そういった取組を広げていくようなやり方を,議論しながら模索していきたいと思います。何か今後の取りまとめにも利用していければと思っております。
また,先ほどの法制のところでございますが,ルクセンブルグや米国でも,そういった法整備をしてきたというところもあります。そういった国際動向を見ながら,昨年も,内閣府に設置されたタスクフォースで課題整理などをしております。西島委員がおっしゃるとおり,それでは今,日本として何をすべきかというところは,またいろいろな論点もございますので,引き続き内閣府を中心に課題整理が続けられるものと思います。我々としても,引き続きそういったところに参画してまいりたいと思います。また,ハーグを中心に,NPO的な検討も続いております。我々としては,引き続き,そういうところにも注視していきたいと思っております。

【藤崎主査】 ほかの委員の方々,いかがでございますか。
知野委員,どうぞ。

【知野委員】 工業会の方への質問なのですが,先ほどの向井委員のお話とも少し似てますけれども,実際に宇宙で資源を採りたいという,そういう希望や需要はどのぐらいあるのでしょうか。そういうことについて予測をされているのでしょうか。よその国がやっているからというのではなくて,国内での動向についてです。

【藤崎主査】 少しお待ちください。ほかの委員の方々,いかがでございますか。
どうぞ,米本委員。

【米本委員】 今日御発表いただいたSJACさんとフロンティアビジネス研究会さんに共通の質問があります。SJACさんのほうは基礎的インフラの構築,フロンティアビジネスさんのほうでは5つのワーキンググループを立ち上げられてビジネスの動きが検討されています。また,ISASの検討でも,宇宙工学で一言触れられているものの,全般的に宇宙輸送,特に人が行ってどのようなビジネスできるか,全く記載がありません。有人宇宙輸送,すなわち人が行って何かビジネスができるかとかいうような議論が全くなかったのでしょうか。

【藤崎主査】 ほかには,先生方,いかがでございますか。
もしなければ,では,今の二つの,知野委員の御質問と米本委員の御質問にお答えいただきたいと。

【日本航空宇宙工業会(山北常務理事)】 それでは,SJACからお答えいたします。
知野委員の御質問で,宇宙資源探査の具体的な何かプランなり,あるいは予測なりあるかということでございますけれども,例えば,あるベンチャー企業が現在そのようなプランを立てておられて,今回有識者として参加していただきました。そこが,確か2021年だったと思いますけれども,探査の計画がおありになるので,そういう法制の整備を望んでおられるということを御説明したものでございます。
また,先ほどの米本委員からの御質問でございますけれども,今回,SJACのスペースポリシー委員会の中では,有人の探査に関して突っ込んだ議論というのは,特にございませんでした。インフラ云々の話は,もっと一般的なことに関する要望だったと記憶しております。

【藤崎主査】 輸送については,内田様のほう,何かございますか。あるいは,稲富様のほうも。

【三菱総合研究所(内田主任研究員)】 まず,米本委員の御質問に答えるのと,先ほど牧島委員から頂いていた御質問にお答えできておりませんでしたので,その後お答えさせていただきます。
まず,人が行って何のビジネスができるか。正にワーキングで議論をしている中で,今日の資料には入れていないのですけれども,分かりやすいのは,やっぱり観光です。あと,例えば人が行くことによって,それに必要な食料のビジネスが起こってくるでしょう。そこで作るための電力が必要になって,更には住むための基地を造るであったり。あと,波及する,関連するものはいろいろ出てきますので,そこでどういう生態系ができてというような議論は行っています。
まだ,どちらかというと,みんなで共通の議論の段階でございまして,こういうのがあり得るよねというところから,より具体になっていくと,今度は企業さんが実際のビジネスとしてもっと検討していくことになります。恐らくこういうオープンな場で言うのではなく,個別のビジネスプランを立ててというフェーズに入っていく想定です。初期の検討は,もちろんしております。
牧島委員から頂いた御意見については,正に我々も非常に重要だなと思っていまして,要は人類がまだ行ったことないと言うとあれなのですけれども,すごいチャレンジングなことにトライをしようとしていますので,日本の総力を結集する必要があると思っています。我々にできることとしては,先ほどの資料の最後にもあったのですけれども,ムーブメントを起こすと。いろんな方にこういうことがあるのだよと知っていただいて,うちもできるのではないかとか,我々も何か盛り上がっているところに入ろうではないかと思ってもらうということをしていきたい。それは我々なりに努力をしていきたいと思っています。
一方で,自分のお金で研究開発してくださいというのだと,なかなかハードルが高いので,これも資料のところに書かせていただいたのですけれども,例えば,JAXAさんのプログラムで実績で評価するのではなくて,新しく参入した方が使いやすいようなプログラムなりプロジェクトなりを用意しておいていただいて,そこで知見を蓄えて,参入していただくというような形の動きができないかなということを思ってございます。

【藤崎主査】 稲富様,いかがですか。

【宇宙理学委員会・宇宙工学委員会 Gateway科学探査タスクフォース長(稲富研究主幹)】 少し視点が違う回答をさせていただきます。まず,惑星居住科学と申し上げましたように,人類の活動領域を広げる,すなわち地球表面から地球周回軌道,そして月,火星,以遠へ,我々がそこで活動し,究極的にはそこで社会を作るということを目指す動きが出ております。そういう中で考えますと,まずは我々はどうして遠くへ行くのか,そして,そこで生活するためにはどうしたらいいのかという点において,その場資源の活用等の文脈が出てくるわけです。そういう意味では,知野委員の御質問にありました資源探査というのは,惑星居住科学にとってマストと考えています。火星までだったらもしかしたら結果として地球から資材を持っていくほうがいいという計算もあるかもしれませんが,いずれにせよ,そこで社会を作るという方向性は明らかに大きな視点かと思います。また宇宙旅行,観光は分かりやすい考え方であり,それを含んで,天文学だけではない科学・技術の展開のためにより遠くへ行く,という意見が,国内の惑星居住科学のコミュニティからは出ました。
米本委員から御質問がありましたように,具体的に輸送に関して議論がどこまでできたのかにつきましては,実は宇宙工学・理学では,欧米の後追いで議論が始まったものですから,意見集約をまだ完全にし切れてないというところがございます。もちろろん今後も宇宙工学・理学委員会の中で,いろんな意見を集める必要があります。これまでの意見収集,特に輸送に関わることで何ができるのか,その具体的内容は何かということについては,次世代の推進系,またLIDAR等を使ったリモートセンシング技術,そういうことが真っ先に考えられたことです。従いまして,検討が先行していた惑星居住科学のコミュニティからは,具体的にどうやって展開していくかということを見据えて,宇宙工学・理学に対して今後の連携可能性について熱意を持ってメッセージを送っているという段階でございます。これくらいでよろしいでしょうか。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
先ほどの山北様と内田様の御説明,両方に共通しておりましたのは,この宇宙の事業について,インフラ部分については国,JAXA等にやってもらわなければならない。その上に乗って,どのようにビジネスを展開していくかということが各企業として考えているところであるという,そういう組合せの問題を両方で御指摘になっていたなという印象でございました。どうもありがとうございました。大変みんな参考になったと思います。
では,向井委員,どうぞ。

【向井委員】 1点だけ,内田様に投資マインドの質問をしたいのですが。いわゆる日本の投資家や企業は,投資マインドはどのくらいあると考えられるでしょうか?また,どのくらいの投資額とリターンに必要な期間を考えているのでしょうか?アメリカなどの先行投資額が,かなり大きな額なので。

【三菱総合研究所(内田主任研究員)】 私も投資会社ではないので,これまで聞いた話でお答えをさせていただきます。
まず,我々のメンバーの中に,実はリアルテックファンドというファンドの会社さんがいらっしゃいまして,その辺の方の話とかを聞いたりはしております。まず,宇宙に関する投資の額でいうと,やはりアメリカに比べると,まだまだ日本は少ないです。一方で,少し特徴的ですのは,大手企業さんが割とお金を出しているというところです。アメリカですと,エンジェルであったり,VCがお金を入れているのですけれども,そこのおそらく違いはあるのだろうなと。そうすると,リターンへの考え方も多分違うと思うのですね。エンジェルであったり,VCの場合は,アーリーステージで入れますので,ある意味10個に1個とか,100個に3個とか返ってくればいいやという感じで,ちょっと宇宙業界にいる私からすると信じられないような額が今入っていると思います。日本は欧米と違って,企業が広告効果みたいなのを狙って入れていらっしゃることもあるので,実際どれぐらいリターンを狙ってというのはちょっと見えないゾーンなので分からないのですけれども,少し入れ方が違うのかなと思っています。一方で,ispaceさんが100億調達されたりとか,アクセルさんもつい先日追加で調達されましたけれども,非常に宇宙業界にお金が入るムーブメントはできつつあるのだろうなとは思っています。

(3)国際宇宙ステーション計画への参画を通じて得られた知見等について

【藤崎主査】 では,ISSのこれまでのテーマから得られた知見について,質問を頂きたいと。そちらについては知野委員や向井委員から整理をしたほうがいいのではないかという提起があります。こちらについて,倉田室長から。

文部科学省倉田室長より資料28-3-1に基づき説明。
JAXA若田理事より資料28-3-2に基づき説明。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
時間になりましたが,まず,委員の方々からのコメントは,事務局にお送りいただきまして,そして,どの委員からこういうコメントがあったということは,事務局からシェアしていただきたいと思います。
第2点。しかし,ここの場で質問はしておいたほうがいいという,御質問事項及びこの問題を少し提起したほうがいいという,最初に御提案いただいた方々から何かもしございましたら,少し時間はあれでございますが,お願いしたいと思います。いかがでございますか。

【向井委員】 これは技術に関してはすごくよくまとまっていると思うのですが,科学技術のうちの科学の部分に関しては,あまり出尽くしていないので,もう少しまとめていただいたほうがいいと思います。この背景には,今の予算は装置や施設には使えるのですが,いわゆる研究者が研究する研究費とは別枠で出てきているので,そこの構図を文科省で直さない限り,ISSを研究施設として指定しても,技術要素成果しか出てこないのではないかと思います。
以上です。

【藤崎主査】 大事な指摘ですね。
どうぞ,知野委員。

【知野委員】 事務局から御説明いただいた6ページのところで,ISSが過去に2回延長になったことで,部品のまとめ調達とかコスト減,サービス調達という,その辺のご説明を頂いたのですけれども,これは特に,これからまた再度延長とか,そういう問題が出てきた場合にも関わってくると思いますので,コスト減だけではなくて,何かそのときの対応としての課題もあるのではないかと思います。その辺をもうちょっと深掘りできたらよいのではないかと思いました。

【藤崎主査】 ありがとうございました。
ほかに,もし,この場で意見をおっしゃったほうがいいということがあったら。米本委員,どうぞ。

【米本委員】 若田理事からの御説明の中で,有人宇宙開発基盤技術の成果について質問があります。今まで小委員会では,有人の滞在技術に関しての議論が殆どでした。しかし,本日初めて,有人宇宙輸送機の設計基準に触れられて,学びがあったということまで説明戴きました.なにか状況の変化があったのでしょうか。

【藤崎主査】 少し待ってください。牧島委員。

【牧島第一主査代理】 一言だけ。先ほど向井委員からお話がありましたが,技術だけではなくて,科学的成果もやはりベースになるものなので,是非それをクリアに項目として出していただきたいと。是非お願いいたします。

【藤崎主査】 ほかの委員の方々,よろしゅうございますか。もし,よろしければ,では,まず倉田さん,そして若田さんとお答えいただきたいと思います。この場でお答えできる範囲で。

【倉田室長】 まず,科学的なところを含めまして,JAXAとも是非項目を洗い出して整理したいと思います。
また,先ほどの,知野委員から御指摘いただいた点につきましては,もう少し深掘りをしていきたいと思います。長期的な視点からも,ISSの教訓をいかに次につなげていくかというふうに,深掘りしていきたいと思います。

【藤崎主査】 若田理事,どうぞ。

【JAXA(若田理事)】 米本委員から御指摘が出たところですけれども,当然,ここに書かせていただいたものは有人滞在技術を総合的に表現したものですので,特に宇宙機の設計基準を含めて,その滞在技術全部につながるというものと認識してここに書かせていただきましたので,特に表現に関しては特別な意味はございません。

【藤崎主査】 あと2分でございますが,何か皆様方,よろしゅうございますか。
今日は,山北様,内田様,稲富様にもいらしていただきまして,いろいろ御説明いただきまして,ありがとうございました。
先ほど申しましたように,ISSの問題につきましても,そのほかにつきましても,もし御意見があれば,あるいは御質問があれば,今日は少し時間がなくて大変申し訳なかったので,是非事務局にお寄せいただいて,それをみんなでシェアして,また次回につなげたいと思います。
では,どうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課