資料2-6 寿楽委員プレゼンテーション資料

今後求められるリスクコミュニケーションの取組について

2014年1月31日
作業部会委員 寿楽浩太(東京電機大学)

1.「リスクコミュニケーション」という言葉であらわされるものの整理
・委員会ならびに作業部会での審議において、「リスク(コミュニケーション)」という言葉の多義性が繰り返し指摘された。
・特に、「リスクコミュニケーション」を「起こりうる災厄やそれに対する対処についての既知の実践的情報の伝達や流通」と捉える立場と、「起こりうる災厄に対する対処のあり方や原則についてのメタな意思決定に関わる対話や合意形成」と捉える立場の間にはズレがある。
・上記で大別した2つの「リスクコミュニケーション」のモードはどちらも社会的に重要で正当なものであり、また具体的に扱うテーマとも深く関わる。どちらかが重要でもう一方はそうではないといった関係には決してない。しかし、両者を無自覚に渾然一体に扱うのは好ましくない。整理が必要だ。

2.メタなリスクコミュニケーションに関して求められる取組
・事務局たたき台はおそらく、上記の前者を想定した内容であり、また、この審議体にも前者に専門性や関心を有する委員が多数参加しておられる。
・そこで、小職は後者(「メタなリスクコミュニケーション」とでも言えよう)に関して、次のような「取組」を提案する。
・「大学や研究機関の部局等、学協会、行政の関連部署等が「何をどのように社会とコミュニケーションすべきか」そのものを社会の他のステークホルダーも交えて議論し、社会における自らの役割や責任を改めて認識しつつ、発信すべき情報や関与すべきステークホルダー、コミュニケーションにおける実践的留意点などを整理する活動への支援(資金、知見、支援人材、等)に取組む必要がある。」
・また、上記のような活動を支援するためには、当然、「メタなリスクコミュニケーション」に関して、具体的な課題や展望、実践的に有益と思われる手法等についての学術的知見をいっそう蓄積する必要がある。このため、こうした知見を生産しうる研究・実践活動に対して資金やロジスティクスを提供する取組も併せて必要と考えられる。

以上

 

 

 


 

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課 社会技術係

(科学技術・学術政策局人材政策課 社会技術係)