安全・安心科学技術及び社会連携委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成25年3月25日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 13F1会議室

3.議題

  1. 主査代理の指名について(非公開)
  2. 議事運営について(非公開)
  3. 今後の調査検討事項について
  4. リスクコミュニケーションの推進について
  5. その他

4.出席者

委員

堀井 秀之 主査、小林 傳司 主査代理、片田 敏孝 委員、河本 志朗 委員、篠村知子 委員、田中 幹人 委員、奈良 由美子 委員、原田 豊 委員、藤垣 裕子 委員、山口 健太郎 委員

文部科学省

土屋 定之 科学技術・学術政策局長
田中 正朗 科学技術・学術政策局次長
斎藤 尚樹 科学技術・学術政策局基盤政策課長
阿蘇 隆之 科学技術・学術政策局計画官
木村 賢二 科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官
沼田 勉 科学技術・学術政策局政策課課長補佐
大塚 章 科学技術・学術政策局基盤政策課課長補佐

5.議事録

<開会>
【堀井主査】  開会
【沼田補佐】  委員の紹介、出席者の紹介。

<議題1.主査代理の指名について>(非公開)
 第7期科学技術・学術審議会として最初の委員会であり、人事案件である主査代理の指名は非公開で行った。小林委員が主査代理に指名された。

<議題2.議事運営について>(非公開)
 委員会運営規則、委員会の公開等の手続について、決定。

(会議公開)
<土屋科学技術・学術政策局長挨拶>
 各先生方におかれては、大変お忙しい中、委員をお引き受けいただき、大変感謝申し上げる。私ども事務局として、しっかり仕事をしてまいりたい。
 安全・安心科学技術については、科学技術・学術審議会においては、平成18年から委員会を設けて検討し、それに沿って地域の安全・安心に資する科学技術、あるいはテロ対策の技術等々をやってまいり、そういう流れの中で、2年前の東日本大震災が起きた。先ほど私が申し上げたような技術開発の重要性・必要性が失われた、あるいは、それが達成できたというわけではないが、安全・安心のうちの、特にリスクコミュニケーション、リスクについてどう社会と共有するかといった問題がより重要な政策課題になり、早急な対策が必要になってきていると思っており、この委員会も名前を変えて、「安全・安心科学技術」の後に、「及び社会連携委員会」と変更し、この問題に取り組んでまいりたいと思っている。
 この問題はなかなか微妙な部分やデリケートな部分も含むとは思うが、これまで私どもの反省として、国あるいは研究者が、社会との間でどういう情報をどのように共有するかといった、ややもすれば避けてきた嫌いもなくもない部分を明らかにしていきたいと考えている。しっかり取り組んでまいりたい。

<堀井主査挨拶>
安全・安心ということで、最初に文部科学省のもとに懇談会が設けられたときの委員として加わった当時はまだ安全・安心が四字熟語になっていないころで、安心とは何かというような非常に基本的な議論から始めたことを記憶している。活動を続けてきて、今回大きな役割を担うことになってきたということは、感慨深い。
 当初から社会科学系の研究者の方にご協力いただくべきだということをずっと続けて申し上げてきたが、今回、それが実現されて、より社会科学系の方々からの協力を得られる形になったのは、非常に喜ばしいことだと思う。
 私は、福島の原子力発電所事故の政府事故調の仕事を、片田委員と一緒にさせていただいた。それを通じて、専門分化・分業の弊害というのはかなり大きな弊害となっているということを強く感じ、分野横断的な活動というものが極めて重要であると認識した。本委員会は、そうした分野横断的な役割を果たす重要な委員会だと考えている。
 リスクコミュニケーションに特にフォーカスが当たっているが、狭い意味でのリスクコミュニケーションではなくて、全体を見据えた俯瞰(ふかん)的な観点に立って、リスクコミュニケーションの在り方というのを皆様と議論していきたいと考えている。

<小林主査代理挨拶>
 主査代理は、規定によると、主査に事故のあるときには代理を務めよということで、通常は、まあそんなことはないだろうと、堀井先生がこんなにお元気であるので気楽に構えるということを言えばよかったのだろうが、3.11以降は、何が起こるかわからないということが基本になってしまった社会に我々は生きていると思っている。
 先ほど局長が、リスク情報を社会とどのように共有するというのは大きな課題だとおっしゃったが、全くそのとおりで、ともすれば専門家の持っているリスク情報と社会との共有というところに問題を立てて、リスクコミュニケーションという議論になるが、おそらくその前にやらなければならないことは、専門家の中でのリスク情報の共有であろう。今、あまりに分野ごとに交流がなさ過ぎて、そこで情報が共有されていないということ自体に問題があり、それをすっ飛ばしてしまって、いきなり社会とのコミュニケーションをとろうというのは、おそらく分裂が増幅されるというような悪影響もあろうかと思う。
 したがって、この委員会で、まず、私も含めて、多様な分野の専門家の間での議論をきちんと共有できるかどうかが大事なのではないかと思っている。このあたりの点で、堀井主査のそばで少しでも助けになればと思う。

<議題3.今後の調査検討事項について>
【堀井主査】  安全・安心科学技術の取組の経緯と現状及び今後の検討課題についての説明を事務局に依頼する。
【木村戦略官】  資料3-1に基づき、安全・安心科学技術の取組の経緯・現状を説明。
【斎藤課長】  資料3-2に基づき、今後の検討課題について説明。
【阿蘇計画官】  資料3-3に基づき、科学技術・学術審議会基本計画推進委員会の議論の経緯について説明。
【堀井主査】  ただいまの説明について、御質問、御意見をおねがいしたい。
【藤垣委員】  資料3-1の一番右下のところで、平成25年も引き続きバイオセキュリティシンポジウムを行うというところの、本委員会との関係がよくわからなかった。
 バイオテロを心配しての、科学技術のデュアルユースの問題に関しては、オランダのフーシェ氏と日本の河岡さんが、要するに、遺伝子操作をやっているうちに、哺乳類間でも空気感染してしまうような強毒性のウイルスをつくってしまったことに関して、これをどう考えるか。米国のバイオセキュリティ委員会の方から、「サイエンス」や「ネイチャー」に対して、公表を避けてほしい、バイオテロに使われる可能性があるので気をつけてほしいということで止めたという事例。これも安全・安心に関わるので、デュアルユースの問題として日本学術会議でも議論しているけれども、この話は独立で、右下の矢印だけになって、この委員会とは関係ないと考えてよろしいか。
【斎藤課長】  この後リスクコミュニケーションに関して、どういったスコープなり具体的なトピックを想定して議論なり検討をいただくかが議題となるので、そこで御議論いただいてもいいかと思う。御指摘のトピックは、リスクに関するコミュニケーションというよりはマネジメントの問題、あるいはナショナルセキュリティとの関わりという面が強いと思うけれども、非常に重要なトピックの一つとして意識すべきであろうという認識は事務局でも持っている。特に、日米の間でも、やはりこの問題は非常に大きなアジェンダとして挙がっており、日米の科学技術協力を進める上での一つの重要なトピックという位置付けもあるようである。そのあたりを頭に置きながら、この図では、確かにこのシンポジウム単体で進めるというような意識かもしれないが、必要に応じて、作業部会なり、あるいは、この委員会の場でも御議論いただく価値のあるテーマであろうかと思っている。
【小林主査代理】  それと関連するけれども、安全・安心というのは、これは英語ではどういうふうに表記するか、大体決まっているのか。つまり、安心は少し難しいというのはわかるが、安全はsafetyなのか、securityなのか、両方を含んでいるのかというのはなかなかややこしい話である。今のお話では、ナショナルセキュリティとか、バイオセキュリティとかという話になっていると。それから、いわゆるsafetyの話と区別するのかしないのか、あるいは、どんな関係性を一応想定するのかというのは、どこかで考えておかないと、どこまでここで議論するのかが曖昧になる。今すぐに明快な回答がなければないで構わないけれども、どこかで一回議論しないといけないのかなという気がする。
【斎藤課長】  今まで安全・安心科学技術委員会でも、これは中ぽつが入っているけれども、やはり一体として捉えるべきではないかという御議論と、いや、そうは言っても、やはりまずは安全をきちんと押えた上で、安心というものをどう醸成していくかであるという御議論と、両方あったように私は承知している。実際は、やはり安心の方がより概念としては難しい。英語が当てにくい部分ではあるけれども、やはり一方では、安心の裏づけなり背景として、trustというものがあると。ただ、trustが安心の訳だというわけにはいかない。やはりそのtrustを形づくるために必要なことは何か。そのための専門家コミュニティと社会との関わり、共創、インターフェースの在り方、こういった意識を持って議論していくべきテーマであるが、英語でどう言うかという問題と、いわばそれを捉えるための概念的な枠組みというのは、非常に密接に関連してくると思う。定訳については、戦略官にお願いする。
【木村戦略官】  この日米バイオセキュリティシンポジウムを含めた施策を担当しているが、日米の間では、safe and secure societyという言葉を用いている。
 先ほど来、藤垣委員、小林主査代理の御指摘で、デュアルユースの問題を本委員会で扱うのかどうか、それから、もう一つは、安全というのをsafetyとsecurityとしたとき、safetyは我々も想定はしていたが、securityも含めて本委員会で扱うのかどうか、この2点の御指摘があった。これについては、本日の御議論も踏まえながら、考えさせていただきたい。
【堀井主査】  例えば、リスクコミュニケーションというのは、この委員会で検討するべき重要な事項だと思うが、一般論だけでなくて、具体的に、どういうときに、何を対象に、どんなことをするのかということを検討しなければいけない。そのときに、具体的取組として、ここでの検討の対象となる部分と、そうはならないけれども、やっぱり全体を俯瞰(ふかん)する上で知っておかなければいけない部分と、多分あると思う。押えるという意味で言うと、幅広く押えて、その中から文部科学省の取組としてどこをやるかという議論になっていくと。したがって、その過程で議論するうちに、おそらく、どういう言葉の定義がこの委員会に最もふさわしいかとか、この委員会ではどこまでを守備範囲とするのかというような議論がされると思うので、その過程で、今小林先生の言われたようなことが議論されるといいのかなと思う。現時点では、そのようなことでよろしいか。
 それでは、事務局から御説明あったとおり、当面、リスクコミュニケーション、社会連携・共創の在り方を中心に審議を進めてまいりたい。

<議題4.リスクコミュニケーションの推進について>
【堀井主査】  次に、議題4、リスクコミュニケーションの推進について、御議論をいただきたい。今後の議論を進めていくに当たり、我々委員の間で現状の課題を共有するために、田中委員に、リスクコミュニケーションにおける課題というテーマで、御説明をお願いしている。その後、本委員会での検討の進め方について、事務局から説明をいただき、今後検討すべき課題について、御意見をいただきたい。
【田中委員】  資料4-1に基づき説明。
【堀井主査】  ただいまの説明について、御質問等をお願いしたい。なお、この委員会としての活動や課題については、後でたっぷり時間をとっているので、ここでは今の御発表に対する内容についての御質疑をお願いしたい。
【河本委員】  今お話をいただいた一番下から二つ目の丸の「科学技術分野における社会とのコミュニケーションの「接点となる専門家」はどのような人材か」というところの一番下のシャープ「現代の民主的コストで割り切れるか?」の部分の説明をお願いしたい。
【田中委員】  単純に申して、媒介の専門性というものは、科学技術コミュニケーション分野で、非常に優秀な人材が生まれてきていて、実際、震災後も活躍した。ただ、まだ彼らはみんな、現代の全ての学術分野がそういった状況だが、非常に不安定な身分である。活躍するような媒介の専門家はみんな不安定な身分で、結局、何らかの専門性を持つ人材として、大学あるいは研究所で雇用されるわけではない状態が続いている。にもかかわらず、そういった人たちが震災後にまさにブリッジングの役割を果たした。といって、そういった育成・維持がコストとしては、実はまだ認識されていない。境界領域的な学問分野というものは、一つ、学術分野における代表的な例だと思う。
極端な話を言えば、クライシスコミュニケーションの専門家というものを、例えば、クライシスに備えて、100年に一度の災害に向けて置いておくのかという話に近い。そういったものをコストとして割り切るのか、あるいは、当該分野の、例えば地震学の専門家の一部に、常にそういったことも意識して活動してくださいとするのかといったことを、どう、どの程度割り切ってやるのかということが、一つ重要。
 というのは、媒介の専門性とは、書き忘れたが、単純に属人的なスキルである。教科書に書いたからといってわかる部分ではなく、ふだんからいろんな人とつながっていてという部分であるため。したがって、人材を確保し続けるということが、多分、ここではコストとして計算されるものだと思う。
【河本委員】  なるほど。
【篠村委員】  私のような専門に特化した一人として、初めて伺うような話ばかりで、大変参考になった。こういうリスクコミュニケーションを真剣に取り組んでおられる人材は大体どれぐらいいらっしゃって、それで、どういった活動の場というのがおありになるのか。学会みたいなものはあるのか。
【田中委員】  リスク研究学会や、科学技術社会論学会でリスクを見ている人たちもいるので学会は幾つかあると思うけれども、ただ、現実にリスクコミュニケーション的なことをふだんやっている方、これまで震災以前からやってきた方というのは、どちらかというと、プロパガンダの方に嫌でもなっていたのだと思う。私が知っている限りはそれ以外の人は見つけられていない。ほとんど純粋な研究者に近い方々で思い浮かぶのも、片手で足りてしまう人数ぐらいしかいらっしゃらないと思う。
 実際に行われていた方は、例えば、それこそやはり原発絡みが多いけれども、住民理解のためにはどういうふうに情報戦略を立てるべきかといったところで、広報官的な立場や、あるいは、実験施設をつくるというときに、住民との折衝を行う立場や、そういった形で自然とリスクのコミュニケーションというものを行った方ばかりである。そうすると、難しいのは、そういった方々が、例えば、いわゆるコンセンサスのためのコミュニケーションに出てきたときに、それもよくないことだと思うが、社会の側からその経歴をもって指弾されてしまうこと。「おまえという、プロパガンダに加担してきた人間が、今さら対話とか言ってきて何なんだ」と。それはこの分野の専門家を育てていく上で、すごく難しい問題だと思う。一回色がついたと見なされると、今度は媒介の専門性を与えてもらえなくなるというのが、一つ、日本では大きな問題だと思う。
【小林主査代理】  私の方からも少し補足をすると、おそらくリスクコミュニケーションという議論が若干日本で焦点化した時代というのがある。それは2000年前後だったという記憶がある。JCO事故もあったけれども、何よりも大きかったのはBSE。食品リスクという議論が出てきて、そして、食品安全委員会ができて、そこでリスクコミュニケーションが行われたという経緯がある。ほぼ同じ時期に、安心・安全という議論が立ち上がってきて、リスクという言葉がやや前景から退いていく。とりわけ原子力の部分は、リスクというものがゼロではありませんよという形で、人々にリスクを受け入れてもらうためのコミュニケーションという方向にいく。それがパブリックアクセプタンス、PA活動という言い方で、それは、立場を変えてみれば、プロパガンダに聞こえるわけである。 そういう構造の中でリスクを冷静に、どういうふうに社会的にハンドリングするかという議論をする場が、日本の中ではあまりうまく生まれなかった。そのかわりに、科学コミュニケーションというものが2003~5年ぐらいから立ち上がってくるので、リスクコミュニケーションというものは、その中の一部、あるいは、寝た子を起こすなという構造になって、あまり焦点化しなかったというのが、この10年、20年の経緯のような気がする。
 したがって、リスクコミュニケーションを専門にやっている方はと言われると、食品安全委員会のところには遺伝子組み換えやBSE問題で少しいらっしゃるけれども、それ以外のところで正面からやっている方は、実は非常に少ないように思う。
【田中委員】  すごく短く補足すると、震災後にインターネット上ですごく多かった批判は、そのリスクのコミュニケーションが求められている状況で、科学コミュニケーターは何をやっているんだという批判。それはまさに今小林先生が御説明なさったような流れで、科学コミュニケーターはそういったものも担うものだと、自然科学・工学系の先生方から思われていた。ところが、開発してきた技術というのは、先ほど説明したコンセンサスでもケアでもない、資料4-1の図の一番左の平時の方の科学コミュニケーションの部分のコミュニケーション技術を開発してきていたので、その方々の大半は、「ちょっと待って。僕らの守備範囲ではない」ということになっていたというのが現状だったのではないかと思う。
【斎藤課長】  量的なお話が議論になっているので補足させていただく。先ほど御指摘のあったリスク研究学会は約25年前に発足しており、発足当時は200人足らずだった会員が、今、600名余りになっている。2010年には一般社団法人になり、現在に至っている。ただ、甲斐倫明会長が学会誌に書かれていることであるが、リスク研究学会の会員は、多くが専門とする別の学会に所属していて、それを補完する形で本学会を活動の場としている。逆に言うと、すべからくリスク研究学会というのは、自然科学から社会科学まで非常に幅広い研究者による学際的な学会になっているので、先ほど来御指摘のある分野間の対話と情報共有という意味でも、非常に重要な学会だと思っている。もし必要があれば、この委員会の場、あるいは作業部会等でも、リスク研究学会からの御意見、データなどあれば、ぜひ御紹介していきたいと思っている。
【篠村委員】  大変よくわかった。
【堀井主査】  それでは、今後の検討の進め方について、事務局から御説明をお願いしたい。
【斎藤課長】  資料4-2~4-4に基づき、有識者ヒアリング結果の概要、検討作業部会の設置案、今後のスケジュールについて説明。
【堀井主査】  御質問、御意見等をお願いしたい。
【篠村委員】  有識者ヒアリングでは、大体何人ぐらいの方にお話を聞かれたのか。
【斎藤課長】  8名。
【堀井主査】  それでは、案のとおり、本委員会に作業部会を設置してよろしいか。
(「異議なし」の声)
【堀井主査】  設置を決定する。なお、作業部会の委員の分属については、本委員会運営規則第2条第2項により、主査が指名することとされているので、後ほど事務局を通してお知らせしたい。
 それでは、残りの時間は、これまでの説明を参考にしつつ、委員会や作業部会において今後検討すべき課題について、自由に御意見をいただきたい。
【藤垣委員】  先ほど主査が、小林主査代理のコメントに対しておまとめになったように、具体的にこの部会で対象となる事例と、それから、もう少しリスクコミュニケーションの大枠を議論するために参考とすべき事例とを分けていく必要がある。
【堀井主査】  はい。
【藤垣委員】  そうすると、作業部会は具体的にやってくれるとはいえ、具体的にどういう事例を対象にしていくか意識合わせぐらいはやったほうがよろしいかと。
【堀井主査】  おっしゃるとおり。
【藤垣委員】  おそらく、東日本大震災に関係する地震、津波、原子力の話は確実に入る。それ以外に、食品安全として、BSEやGMOの話は入るだろう。それから、地震関連では、ラクイラの地震に関して、科学者に対して有罪判決が出たけれども、あれと比較して、日本のリスクコミュニケーションの現状をどう考えるか。それから、大震災の影響はまだ終わっていなくて、福島では放射線の健康影響の話が出ているが、それは先ほど田中委員が指摘された、情報メディアによる分断化というのも起こって、リスクコミュニケーションとしてはあまりよろしくない状態も進みつつあるので、そういうことも入ってくる。今四つ挙げたけれども、ほかにも委員の先生方が持っていらっしゃる幾つかの具体例みたいなものを、作業部会に伝えていくということが大事かと思う。
【堀井主査】  大変重要な御指摘だと思うけれども、関連して、何か、こういうのもやるべきだとか、こういうのはあるけれども、それはここではやらなくてもよいのではないかとか、そういう意見はあるか。藤垣委員からはリスクコミュニケーションの対象として、どういう事象を取り上げるかというようなことで御指摘いただいた。
【小林主査代理】  これはどうすべきかと迷っているところだが、かつては、隕石というのは、まああり得ないものの例で、そこまで考えたらどうしようもないだろうという事例の象徴だったが、落ちてしまった。このぐらいの確率の低さをどう評価するかは、実は原発の事故や地震の性格と全部つながっていたので、そういうものをどうするかという問題が一つ。
 それから、もう一つは、今現実に非常に緊急の必要性があるというふうに一部の方々は思っているテーマというのがあり、それは放射性廃棄物の深地層処分。この問題は、日本社会としては解かなくてはいけない問題であるが、その処分地選定のところでのコミュニケーションというのは、単なる受け入れてくださいでは済まなくなっていることは、関係している方々は皆理解している。広い意味で、やはりこれはリスクコミュニケーションなのだという理解になってきているので、このテーマを扱うかどうか、あるいは、扱うとしたら、どういう扱い方で議論するかというのは、考える余地があると思う。
【片田委員】  個人のリスクに正しく向かい合うことがどういうことなのかというのは、難しいところ。個人の幸福感とか、生きることにおける幸福感みたいなものと、リスクに向かい合うという範疇に及んだ議論になるのかどうかは非常に大きいなと思う。
 例えば、単なる知識としては、三陸沿岸の方々は、津波が来ることは十分に知識としては持っていたし、逃げなきゃいけないということもわかっていた。でも、心理学的な問題で、100%確定的に訪れる人間の死という問題を、人間はまともに向かい合えず、だからこそ幸せに生きているという側面もある。その一方で、それを脅かす具体の災害という問題では、明示的に意識しながら生きていくことが幸福なことなのかという、すごく素朴な問いかけがある。そうであるならば、高齢者はみんな悲痛な面持ちで生きるはずだが、そうでもないところに人間としてのよさがあるところもあって、ごりごりと、このリスク認知を迫っていくことがリスクコミュニケーションなのだろうか。
 個人のレベルで言うとこのような問題がある一方で、社会的な最適ということを考えると、やはり合理的な向かい合い方という、社会合理性みたいなものもある。それとこの問題の関係をどのように捉えるのかは、本当に東日本大震災では、備えない人たちと向かい合うことを通じて、悩み続けたこと。間もなく来るという、それはもうわかっていた。それなのに、そこに家を建てようとしている人たちに向かって、間もなく来るのにどうして建てるんだと、こう思わず言いそうになるけれども、それは85歳の高齢の私の母親が、年金が余ったから貯金を積むというその一言に、「何でだ、そんなことしなくていい」と迫る、お袋の思いに対して現実を直視せよと言っているような、この冷たさと同じ。こういう生きるということの中で、リスクをどのように処理していけばいいのか悩み続けている。
 このあたりは、人間のリスク認知だとか、幸福感だとか、そういったものとの関わりの中で、それでもやっぱり最後は国民一人一人が正しい行動をとることによって、被害の軽減が達成できるので、人間のリスク認知や幸福感との関わりというものをどう捉えるのかは、大きな問題だなと思っている。難しい問題であるが、そこまで入るのか。
【堀井主査】  今の片田委員の御指摘に対して、何かお考えはあるか。
【片田委員】  どうにも、今の田中先生のお話を伺っていても、全体のこの資料のトーンを見ても、例えば、情報共有できればいい、専門家と住民がコミュニケーションできればいいとか、伝える側の論理ばかりが先行しているように思う。受け手だとか、そのリスクに向かい合っている国民の目線から見たときに見えるものが、必ずしも合理性だけを追求することが是ではないのではないかという思いもある。そこで、一体そうなってくると、アクセプタンスというのは何なのだろうかとか、それは我々のような立場の者が説く合理性の中だけで議論しているんじゃないのかとか、いろんな思いが交錯して、まとめきれていないけれども、そんな思いを持ちながら、話をずっと伺っていた。
【小林主査代理】  多分、その問題をやや乾燥した形で書いているのが、この「統治者視点」と「当事者視点」の違いという問題だと思う。私は大阪にいるが、南海トラフが動いたときの被害想定というのが、どんどんと今データとして出てくる。そうすると、四国や紀伊半島のところから相談に来られる。高齢化していて、何メートルの津波が来ると言われても、絶対逃げられない。後背地が切り立っている。どうしろというのだと相談されたときに、語るべき言葉が私にはない。でも、多分、そういう問題群が今どんどん増えて、データが出てくる。そして、その対応策というのは、防潮堤でどんどん防ぐというだけでは多分済まない話だが、そこをどう扱うかは、究極のリスクコミュニケーションだと私も思う。だから、この論点を外したら、リスクコミュニケーションの議論はあり得ないと私も思う。
【片田委員】  先だって尾鷲へ行っており、「これまでは孫に迎えに来てもらっていたけど、もう来なくていいと言った」というおじいちゃんに出くわしたときに、おじいちゃんは幾つだと聞いたら、80だと言うから、そのおじいちゃんに、「心配するな。じいちゃんは津波なんかで死なない。多分、普通のお迎えが先に来るから」と言ったら、そのおじいちゃんは幸せそうな顔をして、「まあ、それもそうやな」と帰っていった。
 そうすると、あえて1000年確率という、1000年確率で出た17メートルという想定に対して、正しくリスク認知を与えればと、杓子定規にリスクコミュニケーション的には言えるけれども、こういうコミュニケーションと、それを受けた相手方の心情を思いはかって、どのようにコミュニケーションデザインをやってやるのかという部分が出てくる。これが、このリスクコミュニケーションという分野の中の、国及び国民を幸福に、もしくは、向かい合うということ――何が適正というのはもちろん難しいけれども――に向かわせるために、すごく重要な社会技術としてのコミュニケーションデザイン論というのがあるやに思う。
 その辺までいかないと、枠組みだけの議論で、情報を出す側が伝える側の視線で見ているだけではなく、どうコミュニケーションするかというところからやっぱり議論をしていかないと、実効性のある議論ってできないのではないかなと思っている。
【小林主査代理】  私はコミュニケーションデザイン・センターというところにおるのでおっしゃることはよくわかる。それが課題だというセンターである。
【藤垣委員】  それは非常に難しいこと。片田先生がおっしゃることは非常によくわかるが、そのコミュニケーションデザインの方を優先すると、今度は逆に、ラクイラの地震のときも、おそらくは、先行する人たちが占いみたいなもので地震が来る来ると言っていた状態を、安心させてあげようと思って、彼らは地震は来ないだろうと言ったら、その6日後に地震が来ることによって、今度は逆に、専門家の責任が問われている。住んでいる方の幸福感を考えるということと、専門家の責任と、どこをどういうふうにバランスするかというのは、非常に難しい問題で、どちらかだけでもだめだと思う。
【片田委員】  尾鷲のおじいちゃんが津波で死んだら、私は、責任を問われるだろう。
【藤垣委員】  そうだろう。
【堀井主査】  最初、藤垣委員から、対象をどうするのかという話があって、対象で分類していくというのは一つのやり方だけれども、全てのリスクコミュニケーションに共通する、リスクコミュニケーションの理念、方針というか、大もとになるものというのが当然あって、そこには何らかのトレードオフがあって、どこでバランスをとっていくのかを決めていかなければいけない。多分、そのトレードオフの関係にあるものも、一つではなくて、複数あるのかもしれないし、それが対象、状況等によって、あるべき落としどころというのは違うのかもしれない。そういうところは、この検討の中できちんと洗い出して、全体に共通することはどういうことで、個々の状況に応じて変えていく部分はどういうところでと、そう言えるようになるというのが、多分、ここでの検討の目標だろう。したがって、片田委員が言われたことは、非常に重要な検討事項であると思う。
【小林主査代理】  先ほどコミュニケーターをどうやって育成するかという議論の中で、難しいと田中さんが言ったし、今、責任を問われるという議論になったけれども、私はおそらく片田先生は責任を問われないと思う。つまり、まともなお迎えが来るだろうと言っていたところに、津波が来たということが起きても、おそらく片田先生の場合であれば、責任は問われないだろうと思う。
 ラクイラの専門家が責任を問われたのは、やはり少し違うものがある。それは、まさしくコミュニケーションの場であり、誰がどのようにコミュニケーションしているかによって、専門家の責任の問われ方は変わるわけで、もし専門家にそこまでの責任を常に負わせるという形にすれば、専門家は萎縮して、一切何も語らないという選択をするはず。そういう社会にしてしまうと、おそらく専門家の能力を生かすことのできない社会になってしまうので、専門家が適切に責任を負うような仕組みをつくらないと、コミュニケーションはうまくいかないだろうと思う。
 全く無責任に好き放題言えばいいということではないが、さりとて、まだよくわからないのですということだけを言えば、専門家の責任を果たしたということにはならないような、そういう場面だろう。ここが科学の論理と違うところであり、これは水俣病のときにそういう議論になったわけで、科学的にまだわからないと言うのは、科学の立場ではオーケーである。でも、それは現実の社会の中では何もしないということを意味するので、それは全然中立ではなくなってしまう。そういう構図に常に専門家は巻き込まれるということを、どれだけ専門家が理解していくかが、おそらく専門家の社会リテラシーみたいな話になる。そういう問題群なのだろうと思っている。
【堀井主査】  関連して、あるいは、別の観点から、御指摘あるか。
【原田委員】  少し観点が変わってしまうかもしれないとも思い、もしかすると片田先生のおっしゃったこととは接点があるのではないかと思うことがある。これまでリスクコミュニケーションについての議論はかなり拝聴させていただいたが、今回の委員会の中のもう一つ新しいテーマとして挙げられている、市民・社会との双方向の情報共有の仕組み・方策というときの、双方向の情報共有、特に市民の側から、専門家なり、別の言葉で言えば、統治側というか、発信側というか、そちらの方向への情報の流れとして、具体的にどんなことが想定されているのかを教えていただけないか。
【堀井主査】  まず事務局の方からお願いしたい。
【斎藤課長】  ここでいう情報共有なり共創というのは、これまでの取組でも一部出てきたが、例えば、JSTの社会技術研究開発センターにおいて、双方向の情報共有に基づくいろいろなエビデンスというか、コミュニティベースの取組というプロジェクトが幾つも進んできた。それが一つは念頭にある。
 もう一つは、いわゆる「科学技術イノベーション政策のための科学」というプログラムがあり、ここでいうところの科学的なエビデンスというのも解釈は難しいが、データなり根拠に基づいた政策の議論と、その作成、あるいはオプションの提示というような取組も、今、複数の大学を拠点として進んでいるところなので、やはりそのあたりを念頭に置いた、まず情報共有、双方向でという前に、共有すべきデータなり、ベースなり、エビデンスは何かというところを含めて、議論をしていく必要があると思っている。
 当然、その際には、自然科学・工学に基づくデータあるいはエビデンスの提示、あるいはツールの提供とあわせて、それを社会との間でどのようにスムーズに共有したり、インターフェース等を開いたりしていくかという、いわゆる人文・社会科学的なアプローチ、両方が重要になってくる。そういう意味では、まさしく学際的、あるいは分野融合的な取組が重要になってくる。例えば、それをプロジェクト化して、予算的にある程度柱を立ててやっていくとすれば、どういうプログラムが適当か、そういったところを少し御議論いただければいいのかなと思っている。
 ただ、当面のテーマとしては、リスクコミュニケーションが念頭にあるので、単なるコミュニケーション、情報共有、それから、伝え方ということを超えて、やはりそのベースになる、例えばリテラシーの在り方等も含めて、社会との関わりを御議論いただければありがたいと思っている。
 それで、先ほど来、受け手の幸福度、人生観と言ってもいいと思うが、そういった御議論も出ていたが、今日御欠席の内田委員は、国民なり、国際的な幸福度とか、そういったテーマについて、心理学的な側面からもいろいろな取組を進められている。今日は残念ながら御欠席だが、必要があれば、事務局の方で、また内田委員からも御意見などを伺いながら、検討の場にいろいろな情報、資料をお出ししていきたい。
【片田委員】  原田委員のおっしゃったことの、市民・社会との双方向の情報共有には、もともとリスク情報に関する理解の非対称性の問題があって、得てして真っ当にリスクに向かい合わない人の心の特性、また、であるがゆえの幸福にもつながるけれども、そういう中で、うまく社会がリスクに向かい合っていないという、この社会のマネジメントをどうしていくのかというところを考える。まさにそのときに、市民・社会のリスク情報の理解のありようというものを、基本的に受け手の方は情報を持っていないので、こちらが発信するのであるならば、やはり受け手の論理、その構造を僕らがくみ取り、うまくデザインしていくということが、双方向、社会連携なのだろうと思う。
 そのときに、リスクの理解という、人間個人の理解の話ばかりがこの展開の中にあるけれども、少しダイナミズムを考える必要があると思っている。というのは、僕が子どもの防災教育をやりながら気づいたこと、言ってみれば当たり前のことだけれども、子どもは生まれ落ちた環境の中で、大人の社会、それから、親の背中、学校の先生、もう全ての環境の中でみずからの、事の善悪の基準から、行動規範から、リスクに向かい合う、何もかもそこで常識を身につけていくということ。それは当たり前のことだけれども。もし仮に子どもたちが生まれ落ちた社会が、例えば、津波で言うならば、揺れたら逃げるのは当たり前で、逃げない人がどうして逃げないのだと逆に言われるような社会の中に生まれ落ちていれば、子どもたちはしごく当然、逃げる子どもになっていく。こう理解をするときに、僕は10年子ども防災教育をやっているというのは、それは教室座学ではなくて、その場で教えている子どもとのリスクコミュニケーションではなくて、この10年という時間の中のダイナミズムを考えると、それは悉皆性をもって市民をつくるプロジェクトになっていると。もう10年続けていくと、子どもがお父さん、お母さんになって、それが環境をつくる側に回って、そのもとで生まれ育つ子どもが、それを常識とし始めるという、コミュニケーションのダイナミズムがうまれる。一個人、特定個人のリスク理解特性だけを僕らは見定めながら、そことどうコミュニケーションするのかという議論ではなく、静的な議論ではなくて、社会をつくる、文化をつくるというような時間ダイナミズムの中でこの議論をしていくと、やはり文化論が言えると思う。
 「広辞苑」で「風化」という言葉を調べていて、驚いたことがある。「広辞苑」で「風化」と調べると、一番初めに出てくる説明が、「徳によって教えとなすこと」とある。ほかの辞書だと3番目ぐらいだけど、どういうことかなと考えた。風化というと、忘却してしまうことのように思うけれども、忘却と風化は違うのだと考える。語らなくなることには二つあって、一つは忘却で、一つは、当たり前すぎて語るに及ばないほど常識化したとき。つまり、文化化することなのだろう。やはりその環境の中で次の世代が育つときに、もはやそれはこちらからの積極的なコミュニケーションが必要な、科学知を、我々がその科学知のインタープリターとなって与えていかなければいけない立場ではなくて、その時代のコントロールや、その社会の風潮の中で自然と育つようなメカニズムをつくってやるというところに及んだ議論をしたほうが、実効性があるのではないかと。大の大人をどう教育するかという真剣な議論をしたって、無駄なような気がする。そもそもコミュニケーションチャンネルが、例えば、講演会をやっても、関心のある人のみ反応してくるわけで、コミュニケーションチャンネルが根本的にないわけで、それをどう社会を構成する大人たちにダイレクトに迫っていくかと考えるよりも、「子どもたちが逃げないのは、お父さん、お母さん、あなた方が逃げないからですよ」と、それを訴求力にして、大人にも環境構成要因としての責任を感じさせる。特に自分の過去の対称である子どもであれば、逆方向に過敏に反応するから、積極的な協調をすることができる。その中で子どもたちをはぐくみ、この子を一緒にコミュニケーションしていく、リスクに向かい合える子どもにしていきましょう、平たく言うと、生き抜く力を与えましょうみたいなコミュニケーションをやっていく中で、釜石の取組はやってきた。それを考えるときに、ここでの議論をもう少し直接的なコミュニケーションデザインと考えるよりも、ダイナミズムの中での社会設計というのか、文化形成とか、そういう方向で考えていくときに、もう少し違った視座が見えてくるように思う。
【堀井主査】  リスクコミュニケーションのプロセスをデザインするという、時間軸が大切だというようなことかなと思う。
【片田委員】  そういうこと。
【河本委員】  今、片田先生がおっしゃったことは、交通安全もそうであった。今、交通死亡事故はどんどん減っている。もちろん、エアバッグなどハード面の進化等で事故で亡くなる方が減っているというのはあるけれども、警察はずっと前から啓発活動として、学校で交通安全運動というのをやってきたということがある。幼稚園であったり、小学校であったり。とにかくカリキュラムの中にはめ込んで、警察官が行って、そこで横断歩道をつくって、手を挙げて、右見て、左見て渡りましょうということを、ずっと何十年もやり続けている。子どもがやると、今度は、大人と街を歩いているときに、横断歩道を歩くときに、お母さんに、「手を挙げて渡らなきゃいけないよ」と言う。
 今、片田先生御指摘のように、子どもが学校で習ってきて、こういうふうにやるものだと言うと、親はやっぱりそれに逆らえない。そうすると、今おっしゃった文化にもできていくということなのかもしれない。もう一つは、例えば、先ほど御指摘のあった南海トラフの想定とか、新しいことがどんどん出てくる。先日、自治体の方とお話をした際、あんな想定はどんどん出るけれども、一般の人にはほとんど響いていない。だから、どうするか、本人が、これから防災についてものを考えるか、準備をするかということに全くつながっていない。自治体としては、自分たちがそこをつないでいかなければいけない。でも、この間をどうつないだらいいのかということに、実は非常に悩んでいるとおっしゃっていた。そこは、片田先生がおっしゃった、文化をつくるということももちろん大事だけれども、今すぐさま何とかしなければいけないという、そういった切実なニーズというのもある。だから、そこはもう、どちらかということはもちろんなくて、両方でやっぱりいかなければいけないなというような気持ちもある。自治体の方は本当に悩んでいた。
【堀井主査】  今の御指摘、非常に示唆に富んでいると思うが、交通安全ではどうなっているか、そういういろいろなグッドプラクティスもあるので、いろいろな事例も参考にする。それが必ずしもリスクコミュニケーションに限らず、コミュニケーションとしてうまくいっているものが、どうしてうまくいっているのかというようなことも見ながら、リスクコミュニケーションの在り方を考えていくことも大切かなと思う。
【奈良委員】  先ほど主査の方から、対象は何にするべきか、それを扱うときの視点・論点をどうするか、二つ議論があったというお話があったが、まず視点・論点の方から言うと、やっぱり専門家内のリスクコミュニケーションをどうするかというのは、作業部会できちんと扱っておかなければいけないと思った。専門家集団の中であっても、部署が違えば、レベルが違えば、おそらくリスクの考え方も違うし、どこまでリスクを小さくするかという考え方も違うと思うし、そういった方々がどうやってコンセンサスを持つのか。多分、動機づけとか、サンクションの在り方とか、仕組みづくりが重要だと思うが、そういうことはきちんと押えておく必要があると思った。
 それから、ハザード、対象について、新型インフルエンザとか、パンデミックの問題はやはり押えておく必要があるかなと思う。医療系のリスクである。それから、実は国レベルのものとして、テロという問題も、あまり国民の方は遠いことと思っているかもしれないが、正しく恐れていただくような情報の出し方を、それこそコンセンサス・コミュニケーションとして考えていく必要があるかなと思っている。それから、対象、ハザードについては、この安全・安心科学技術委員会が既につくっている、社会の安全・安心を脅かす要因という一覧表、大分類、中分類、小分類と分けたものがある。あれだけリスクがあるということは、それに対応したリスクコミュニケーションもあるということだから、本当はそういったものを考えなければいけないだろうとは思う。しかし、全てを行うことは無理なので、先ほど主査がおっしゃったように、マルチハザードに対応する論点や視点は何か、あるいは、そのような論点・視点では対応しきれないハザードは何かということを、表と照らし合わせながら整理をしていくという作業が、最終的には必要になってくるのではないか。それによって、この委員会の整合性を、国民の皆様にもお示しすることになるのかなということを考えている。
【堀井主査】  作業部会に対する具体的な作業の指示のようで、大変ありがたい。
【奈良委員】  いや、そういうつもりではなく提案。
【堀井主査】  いや、全くおっしゃるとおり。一覧表がない中で、一覧表をつくるところからやり始めたらとても大変だけれども、既にあるので活用しようと。
【奈良委員】  そういう趣旨。
【堀井主査】  多分、どこに重きを置いて深掘りするのかという話で、全部を全部深掘りはできないということだと思う。分類をするということは非常に大切で、やっぱり具体化しようと思うと、分類して、限定した話にしていかなければいけないんだろうと思う。そういう意味で、今日、田中委員に御発表いただいて、時間軸、平時と有事という一つの軸を示していただいたけれども、多分、一つの軸で整理するのではなくて、当然、複数の軸を考える必要があるだろう。対象というのは、時間軸と直交するような形で、例えば、全国民を相手にするのか、地域を対象にするのか、そういう軸も多分あるのではないかと思う。
 片田先生が釜石でやっておられたリスクコミュニケーションというのは、地域を対象にするリスクコミュニケーションだろうと。マスコミ相手に何らかのリスクコミュニケーションをするというのは、どちらかと言えば、全国民を対象にしたリスクコミュニケーションだろうと。したがって、そういう軸も多分大切なんだろうと思う。
 この委員会は、今期から新たに「及び社会連携」というのがついて、社会連携の部分をかなり強調した委員会になっているので、地域を対象としたリスクコミュニケーションというのを、何のために、誰が、どうやっていくのかということも、かなりフォーカスを当てるべき点なのではないかなと、主査としては思う。そのことに関連して、もし何か御意見があれば、お願いしたい。
【山口委員】  あと、方法に関する軸というのもあると思っていて、ここでは何となく、対話をする、話せばみんながわかり合えるという前提があるような気がしているけれども、果たしてそれだけかというのは、実務の中で疑問に思うことが多い。極端に言えば、静かに規制をしてしまうほうが、即効性があり費用対効果の面で効率的であるということもありうる。あと、片田先生がおっしゃられたような、じっくりと時間をかけた教育、文化化、社会化というやり方もあると思う。そういったいろんなコミュニケーションの方法の軸というのも、一つあるかなと思っている。
【堀井主査】  そのとおりだと思う。
【小林主査代理】  少し参考情報で、マッピングとか、リストとかという話で、机上配付資料の57ページを見ていただけるか。これはヨーロッパでシステミックリスクという言い方をして、マッピングとリスクマネジメントを、リスクの性質に応じて変えるということを議論した例。ここで、これは私が紹介したことだけれども、リスクの性質のところで、やはり非常に多様な観点でリスクというのを見なくてはいけないのだということをヨーロッパ人が考えていて、不確実性とか、被害の広がり方とか、それから、リスクが、原因と結果の間の時間がうんと離れている場合とか、いろいろなタイプがあるのだと。それを彼らは、ギリシャ神話を素材にして、こういうマッピングをする。こういうところがなかなか日本にはできないこと。そして、リスクのタイプのところに挙げてあるもの、この分類が正しいかどうかは別にして、これほど多様なタイプのものを、一応リスクを想定するときに考慮できるのだということで、例えば、いわゆる温暖化や気候変動もリスクの中で議論される。それから、電磁波問題もある。先ほどの医療系、医学系、パンデミックの話も当然出てくるだろうと思うので、そういうある種の分類と、それから、タイプの違いみたいなものは、一回押えたほうがいいのではないかということで、御紹介した。
【堀井主査】  重要な御指摘だと思う。ぜひ参考にさせていただきたい。
【篠村委員】  ごく個人的な経験から少し考えたことがあるのでお話ししたい。IAEAがチェルノブイリの原発に関して10年後、20年後の報告書を出している。原発のことがあって、では20年後どうなるかというのをみんなきっと知りたいだろう、英語で書いてあるとハードルが高いから、日本語訳をぜひしましょうと、その日本語訳をボランティアがやることになって、参加させていただいた。私は生物への影響という章を、下訳の分担者とともに担当した。その作業は、福島の原発のことがあった直後から始まっていて、その夏には報告書全体の粗訳ができていた。ところが、それを公開するときになって、IAEAにボランティア訳という形で公開することは許可できないと言われた。では、学術会議に協力を仰ごうということで、学術会議にお話を持っていって審議をしていただいて、学術会議でいいですよということになって、間もなくオーケーが出ますという連絡が、先日ボランティアグループから回ってきたという状況。もう2年たっている。活動拠点がスウェーデンにいらっしゃる方の提案でボランティアがいち早く立ち上がって、半年かからず中身はできていた。コミュニケーションツールを専門家同士の間で使い倒して、すごく早く対応できたのに、その後、公開までに時間がかかってしまった。
 コミュニケーションチャンネルというお話や、コミュニケーションのいろいろなことがあったが、どこに情報を集めるのか。オーガナイズの問題だったと思うが、こんなに時間がかかってしまったというのは、本当にもったいないことだと思っている。専門家の視点から、どういうところが問題だったのかというのを、ぜひ議論していただきたい。やはり迅速に、タイムリーに出していかないと、2年もたってからでももちろん価値のあるものではあるが、もっと早いときから信頼性の高い正確な情報を提供したかったという思いを持ちながら訳をしていた。情報をどこに集めるか、どうやってオーガナイズして、迅速に出すかというのは、古くて新しい課題だと感じている。
【田中委員】  それに関して、つけ加えると、私の肩書きのもう一つは、JSTの社会技術研究開発センターから資金をいただいて、サイエンス・メディア・センターをやっている。イギリスから始まった、こういった有事の際に、どのように情報を出すかということで、今の話に関連して、実は私たちの方で、あるカナダの研究者の書いた本の翻訳を出した。それは震災後2か月ぐらいのときに出した。それはもう完全に、今おっしゃったような戦略的なものを考えた。最初はIAEAなど複数の翻訳を出そうとしたが、交渉相手が多すぎると思った。そこで、それらを読んで、それらを踏まえて書いている一番いいナラティブなエッセイは何かと、世界のリスクコミュニケーションをやっている人間に投げた。そうしたら、デイビット・ウォルトナ=テーブスの書いたのがいいよ、あの6章がいいよということになり、すぐうちのスタッフが交渉して、その6章だけ日本語訳させろと、アマゾンへのリンク張るからと言ったら、もう今の有事の状況だったら大歓迎だというので、すぐに動いた。
 そういった部分も、我々はメディアとの対応の仕方というものを研究していて、そういった点はある意味では熟練しているので、そういった方策自体は思いつく。なので、何とか対応できたのだと思う。ただし、やはり属人的な部分はあるので、それを全般に広げられるかというと、そうでもなかったりする。なので、今篠村先生がおっしゃったように、すごく意義があると思うし、また、集合知をいかにうまく使っていくかを必ず念頭に置かなければならないが、それ自体も、どこが担保するのかというところだと思う。それは、幸い私たちの場合は、サイエンス・メディア・センターという組織が割合欧米では知られているので、その著者のカナダの人に照会するにも、カナダのサイエンス・メディア・センターに連絡して、おまえのところからメールを一本送ってくれと、いわゆる根回しをすることで話が早かった。そういったことも、多分、さっきの課題にあったけれども、NPOをどう利用するか。今回の話で言えば、グリーンピースをいかに利用し、利用されるかという話だったと思う。グリーンピースが4月に、文部科学省の測定している結果は間違っていない、ただし、それを利用した政府の政策の進め方には疑問が残るという発表をして、それを読んだ人たちはすごく安心したということがあったが、そういったものを、当然、利害関係は対立しているはずだけれども、どう利用していくかということを、多分、先ほどの先生方の話である、システム全体として考えていくということが、一つ求められているのだろうと思う。
【小林主査代理】  今の篠村先生の話を聞いていて、非常に不思議だなと思った。例えば、BSEに関して、イギリス政府がこんな報告書を出しているとなると、それに関しては、日本国内の政府系の獣医学、畜産、そういうところの研究機関が、部分訳であれ何であれ、実はネットにどんどん公開していっている。それで、IAEAだと、日本国内には原子力系の研究機関は幾つもあるわけで、そういうところを通せば簡単に翻訳が出せるはずだが、なぜそういうものが出ていなかったのかが、逆に不思議な感じがする。
【篠村委員】  そうである。ないからやった。
【小林主査代理】  なぜだろうか。やるべきことをやっていないという感じがする。
【堀井主査】  今少し御議論いただいたことは、どちらかというと、出口イメージというか、最終的にどんな取組をするべきかに関わることだと思う。それはこれから検討して、結果として出していくけれども、そうはいっても、もう一方で、概算要求の時間的制約みたいなものもあるわけで、検討の結果、大体どんなものが取組として求められるのかの出口イメージについても、少し御意見をいただけるとありがたい。リスクコミュニケーションということで、今、サイエンス・メディア・センターのお話もあったけれども、ここにおられる委員は、いろいろな形でこれまで取組に関わっておられると思うので、こういうものが問題であるとか、不足しているとか、こういうものを充実していかなければいけないとか、そういう出口イメージに関連するようなコメントいただければ幸い。
【藤垣委員】  先ほど片田委員の方から、時間をかけてつくる文化の話があったけれども、それに関連した出口イメージの話。幸福感の問題もあるとして、ただ、市民がある程度選択して判断する文化というのも育てていく必要があるというのが出てきたかと思うが、では、どうやってその市民が選択して判断する文化を育てていけばいいか。
一つは、メディアのこと。行動指針となるような一つの情報を出すべきなのか、それとも、多くの選択肢を出して選んでいただいたほうがいいのかという議論をしたときに、今までは行政がメディアにリスク情報を提供するとき、メディアは行政にイエスかノーか、つまり、白か黒かを迫ることをしてきた。そのことによって、答えが一義に定まることを行政とか専門家に迫ることによって、市民が自分で考えて行動する文化の進展を阻んできたのだというようなことを言うメディアの人がいる。では、その今まで白か黒かということを迫ってきたということ自体が、グレーの部分がある不確実性のリスクコミュニケーションにおいて、専門家と市民なり、あるいは行政と市民がコミュニケーションする文化の育成を阻んできたことになるので、不確実性が絡む問題の情報伝達をメディアはどうすべきかというようなことは、一方で考えないといけない。それは市民が選択して判断する文化を育てていく上で大事かと思う。
 もう一つが、科学教育の話。やはり答えは一つに定まらないこともある。もちろん、定まることもあって、9割方定まるけど、そうではないものもあって、それがかなりの部分、リスクコミュニケーションに関わってくる。そうだとしたら、専門家によって意見が違うこともあるのですよ、一つに定まらないときもあるのですよ、そのときに選択肢が出てきた場合、どれを選ぶかについて一人一人が判断しなければいけない時代が来るから、科学的な知識もつけておきましょうねというような、科学教育をどう変えていくかというのは、一つのアウトプットとして考えられるかと思う。
【堀井主査】  重要な御指摘だと思う。ほかにも、多分、類似のイシューというのがあると思うが、いかがか。
【山口委員】  文部科学省でまさしくやろうとされているCOCに近いけれども、科学者が地域の中にどんどん出張っていって、地域住民の行動・生活様式に即しながらいろいろな実践活動をするといったような取組を後押しする仕組みをアウトプットとすることもあるかなと思う。専門的な知識の振興は、大学なり研究室の方でやりつつ、それらの知識を地域コミュニティの中でどう生かしていくかを実践するイメージである。時間をかけてそのような実践を行っていく中で、地域コミュニティへの入り方やコミットの在り方、ひいては地域コミュニティから科学者が信頼を得るにはどうしたらいいかということを体得するいい機会となるだろう。そのために、大規模でなくてもいいので、小規模、中規模でも継続的に研究費をつけてあげるとか、そういったやり方も一つあるのかなと考える。
あと、もう一つ、私も民間の人間なので、民間企業をもう少しうまく使っていただければ。それは、民間企業が業務として受託できるようにということではなく、企業に属している限り、本業以外の活動に本腰を入れてコミットすることが難しいという趣旨である。今回の震災でもいろいろお手伝いしたいことはあっても、なかなか制度上、うまく力が発揮できない壁があった。そのあたりの自由度を、我々企業の方も考えていくけれども、民間の力をうまく使って、地域の安全なりコミュニケーションなりを高めていくような制度を、アウトプットと合わせて提示することもあるのではないかと思った。
【片田委員】  関連して、我々、それぞれリスクの様々な分野の専門家ということで、そこをどんどん研究を深めていくと、おのずと認識するようになるのは、社会とのギャップ。そのときに、どのようにそのギャップを埋めるような努力をするか、その必要性は感じつつも、実社会との関わりということになってくると、我々のような立場はもういいが、若い人が、その努力をしたところで、何ら評価を受けないことが問題。現場ばかり歩いている、それは学術なのか、論文はと、こうなってしまう。若い人たちに、本当に防災は実学なのだ、もちろん論文も研究も重要だけど、この取組がどう社会に対して実効性を持つのか、そこを真剣に議論しようじゃないか、やってみようじゃないかと声をかけると、一所懸命やってくれるが、そこで、「今年どれだけ、どんな論文書いたの」と問いかけると、そんなに出ていないとなる。「書きましたけど、落ちました」と。それは事例でしょうというコメントだったと。このように、評価が著しく低くて、論文にならないというようなことがある。アカデミックペーパーの場合は、それでいいのかもしれないけれども、そうであるならば、ほかの評価尺度を研究者にもう少し与えないと、若い人ができない。社会とのギャップを埋めることをやらなければいけないことに彼らは気づいている。でも、そんなことをやっている暇があるのだったら、今のうちに学者としてやっておかなきゃいけないことがあると言って、やっぱり参入できない。少しここは考えないと、いつまでたっても社会に対する理解を図るという取組には、若い人は入ってこれないように思う。
【小林主査代理】  それは全くそのとおりで、結局、どうしてもノーベル賞科学者を典型とするような科学イメージから離れていない。アカデミックペーパーを生産するという形によって評価するという軸になっている。でも、現実の科学はもっともっと多様な営みであって、私はそれはエンタープライズとしての科学と言っているけれども、科学を評価する軸というのはもっと多元的であって、それに応じた業績評価の仕方があるのだということを言わなくてはいけない。現実に大学などで見ていると、今片田先生がおっしゃったような課題が重要だという認識は広まりつつある。しかし、それは本体の予算ではなく、アドホックに特別のお金で取ってきたところで雇用するという、任期制の形でしか動かない。そうすると、キャリアにならないということで、若い人たちが入らないし、入ったら後が大変という、悪循環を起こしている。ここを何とかしないといけない。この委員会のレベルの話ではないけれども。ここを変えない限り、人材育成は絵に描いたもちに終わるということだと、私も思う。
【片田委員】  本当にそう思う。
【小林主査代理】  あまりに切実なので、これは。
【片田委員】  そう。あまりに切実。
【堀井主査】  だから、仕組みとして、どんな仕組みが必要なのかという。片田モデルを日本中に展開するには、やはり何らかそういう仕組みが必要だという意味かと思う。ほかにはいかがか。
【原田委員】  1点、地域に根差したものでうまくいった事例というお話が何回か出てきたと思うので、それに関連して、最近知り合いから聞いておもしろいと思ったことを紹介したい。2008年に日本学術会議の地域研究委員会から「『地域の知』の蓄積と活用に向けて」という提言書が出ている。その趣旨を集約すると、いろいろな地域で、断片的ではあるが、非常に生活に根差した実感のある、「地域の知」とでも呼ぶべきものが存在している。しかし、それらは、ともすれば断片的で、地域住民の中で語り伝えられるようなものなので、集約されずに時とともに散逸してしまうことも多い。その話を聞いたときに、自分は「津波てんでんこ」という言葉を思い出した。そういうものを何とか大きく取りまとめていくような仕組みをつくる必要があるのではないかという提言であった。つい最近読んで、非常に印象が強かった。
 例えば、先ほどの双方向の情報共有について考える際に、地域の側からという方向性の一つの着眼点として、こういった「地域の知」という観点があると思う。それを集約していくための仕組み等についても提言されているので、このあたりを一つ検討材料に加えていただけるといいと思う。
【堀井主査】  大変有益な御指摘で、やはり具体的な事例を収集して、そこから導き出される教訓、知見を体系化していくことは、当委員会でぜひやるべきことだろうと思う。そのときに、必ずしも安全・安心に限らず、例えば、地域連携というようなことでうまくいっていることも参考にするという姿勢で臨んでいくのがよろしいのかなと思う。
 本日は貴重な御意見をいただき、感謝申し上げる。本日いただいた御意見は、事務局で整理して、今後の作業部会の議論に生かしていただきたい。

<議題5.その他>
【堀井主査】  最後に、今後の日程等について、事務局から説明をお願いしたい。
【沼田補佐】  次回の委員会は、5月下旬から6月上旬の開催を予定しており、改めて委員の皆様の日程を調整した上で、御連絡させていただく。
【堀井主査】  以上で第1回安全・安心科学技術及び社会連携委員会を終了する。

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