令和2年4月24日(金曜日)
書面審議
主査 木村 真一
主査代理 神武 直彦
専門委員 飯田 光明
専門委員 門脇 直人
専門委員 中西 美和
専門委員 野口 和彦
専門委員 古橋 智久
専門委員 馬嶋 秀行
臨時委員 松尾 亜紀子
以下のとおり、「宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(HTV9)に係る安全対策」について書面審議を行った。
(1)国際宇宙ステーション(ISS)での係留フェーズに係る安全対策に関する審議
・2018年 11 月の宇宙活動法の施行に伴い改訂された、「宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)等物資補給機の運用に係る安全対策の評価のための基本指針」(令和元年 7 月10 日改訂)に基づき、HTV9 号機の ISS での係留フェーズにおける安全対策の調査審議を行った。
・8 号機からの反映/変更事項に対する安全評価への影響を評価し、ハザードの識別、制御及び検証を行っていることを確認した。
・HTV8 号機と同様に前号機(HTV8 号機)の曝露パレットを HTV9 に搭載して廃棄することに対して、HTV8 用曝露パレットの挿入に関するハザードについて安全評価を実施し、適切に検証が実施されていることを確認した。
・ミッション機器として WLAN Demo 実験用 のモニターカメラ、データ処理装置の搭載では、HTV とのインタフェースについては、熱構造と電気的インタフェース等の条件が定められており、WLAN Demo はこの条件を満たす前提で開発され、それぞれに関する構造、電気、電磁放射ハザードについて安全評価をし、適切に検証が実施されていることを確認した。
・JAXA は、ISS 参加各国・機関が合意した安全評価プロセスに従い、日本が提供する全てのHTV9 に搭載・補給する搭載物(超小型衛星搭載用地球観測カメラ等)の安全評価を行っていること、及びNASA が安全評価を実施した搭載物(水タンク等)については、NASA が「Flight Safety Certificate」を発行し、JAXA はその内容をもとに安全評価を行っていることを確認した。
(2)上記委員の審議等を踏まえ、以下の調査審議結果となった。
JAXA は、HTV9 の ISS での係留フェーズに際して、号機横断的な審査結果と「こうのとり」8 号機までの審査・運用実績を踏まえた安全対策について、NASA との役割分担を含む所定のプロセスに則した安全審査を実施し、安全対策の妥当性が確認されたとしている。JAXA の安全対策について調査審議を行った結果、基本指針に定める各要件を満たしていると判断できる。
以上のとおり、JAXA による安全審査により妥当と判断された HTV9 に係る安全対策は、基本指針に定める各要件を満たしており、妥当であると判断する。
上記審議結果について、宇宙開発利用部会において主査から報告することで了承。
研究開発局宇宙開発利用課