宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会(第36回) 議事録

1.日時

令和元年10月31日(木曜日) 15時00分~16時30分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局 会議室1

3.議題

  1. 国際宇宙ステーション(ISS)に提供するISS構成要素及び搭載物の安全確認について(ISS搭載型ハイパースペクトルセンサ(HISUI))
  2. その他

4.出席者

委員

主査  木村 真一
主査代理  神武 直彦
専門委員  野口 和彦
専門委員  馬嶋 秀行
臨時委員  松尾 亜紀子

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課企画官  原田 大地
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  渡邉 真人
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  岡屋 俊一

経済産業省
 製造産業局
  宇宙産業室 室長  浅井 洋介

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 有人宇宙技術部門
  有人システム安全・ミッション保証室
    室長  白井 達也
    主任  高橋 伸宏

一般財団法人 宇宙システム開発利用推進機構
 研究開発本部
  本部長  鹿志村 修     
  担当部長  菊池 雅邦
  担当部長  谷井 純

5.議事録

【木村主査】 定刻もちょっと過ぎましたので、それでは、ただいまから宇宙開発利用部会の調査・安全小委員会の第36回会合を開催させていただこうと思います。
 委員の皆様にはご多忙の中お集りいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、事務局から本日の会議に関する事務的な確認をお願いします。

【事務局(原田企画官)】 本日は、調査・安全小委員会にご所属いただいております9名の委員の先生方のうち5名の方にご出席をいただいております。運営規則に定めます定足数の要件を満足しております。したがいまして、本日の会議が成立していることをご報告いたします。
 なお、本日の小委員会はペーパーレスの会議とさせていただいておりますが、お手元にタブレットがございますが、こちらで資料をごらんいただければと思います。もし不都合等ございましたら事務局のほうまでお申しつけいただければと思います。
 事務連絡は以上でございます。

【木村主査】 ありがとうございます。

(1)国際宇宙ステーション(ISS)に提供するISS構成要素及び搭載物の安全確認について(ISS搭載型ハイパースペクトルセンサ(HISUI))

【木村主査】 それでは、早速、議題の1番目から入っていきたいと思います。
 1番目の議題、国際宇宙ステーション(ISS)に提供するISS構成要素および搭載物の安全性確認についてということで、まず、この議題の趣旨、それから、審査の対象の選定について、事務局のほうからご説明お願いします。

【事務局(原田企画官)】 資料36-1-1を開いていただければと思います。
 まず、1ポツをごらんいただければと思います。既に委員の先生方はご承知かもしれませんが、本小委員会の議論の枠組みに関して、あらためましてご説明さしあげたいと思います。
 ISSの構成要素と搭載物の安全性にかかわる責任と役割分担でございますが、国際宇宙ステーション計画は国際約束に基づきまして実施しております。全体の計画は米国政府、アメリカ航空宇宙局のNASAが担当しておりますが、そちらと日本国政府との責任分担、また、日本国政府におきましては文科省とJAXAの分担がそれぞれございまして、国際宇宙基地条約でありますとか、あるいは、その下の了解覚書、MOUに基づきまして、1ポツの(1)、(2)のとおり、NASAと日本国でそれぞれの責任分担があり、また(2)の中で日本国におきまして文科省とJAXAの役割分担がございます。
 かいつまんで申し上げますと、(1)のほうで、NASAに関しては国際宇宙ステーションに関する全体的な安全要求の設定をされておりまして、そこで全体の確認をしていることとなっております。その中で、日本国政府しては、日本が提供する構成要素につきまして、その安全が満たされていることを認証する責務を負っているという状況になっております。(2)につきましては、日本国内における文科省とJAXAの役割分担でございますが、国際約束でございますので政府が責任を負っているところでございますが、その支援機関としてJAXAが位置づけられております。
 その中で、日本が提供する要素、搭載物に関する安全要求の設定はJAXAが行っておりまして、こちらのほうの安全審査の実施も専門機関であり実施機関であるJAXAが担っているところでございます。丸3にありますが、この日本が提供する要素、搭載物につきまして、JAXAが行う安全審査がしっかりと行われているかどうかを認証するといったところが文科省の役割となっておりまして、次のページに全体的な図がありますが、4枚目のスライドになります。
 2ポツで、日本国内における安全性の認証の具体的な実施方法としましては、JAXAが提供する全ての要素、搭載物に関しまして個別に審査を行うことになっております。こちらに関しまして、過去に定めております基本指針における適合性に関して、しっかり審査が行われているかを国として、政府として認証することになっておりますが、本小委員会におきましても評価をいただくことによって、JAXAが実施いたします安全審査のプロセスが適切であることをご確認いただくことになっております。それが(2)の宇宙開発利用部会調査・安全小委員会の内容になっておりますが、この中で、年に1件程度、JAXAが実施している安全審査のプロセスが適切に機能しているかどうかといったところを本小委員会においてチェックをいただくことになっています。このチェックといいますのは、具体的な搭載物で、JAXAの安全審査の方法及びその結果の妥当性を評価していただくことでチェックすることになっております。
 赤字になっておりますが、本年度につきましては、打ち上げ予定の時期であるとか、あるいは、ISSに今般提供する物資が有するハザードの件数とか特殊性なども踏まえて、総合的に勘案し、ISS搭載型のハイパースペクトルセンサHISUIについて評価を行っていただくことといたしました。
 (3)になりますが、文科省としましては、本小委員会における妥当性の評価をもって、日本政府として行う安全性の認証といった形で国際約束に求められている日本国政府の認証としているところでございまして、基本的に、これまで行っている小委員会の認証プロセスを本小委員会におきましても引き続き実施させていただくこととなっております。
 以上でございます。

【木村主査】 どうもありがとうございます。今回のこの説明に関しまして何かご意見とかはございますか。今回について言うと、特殊性から考えて、新しいものということで、HISUIを議論しましょうということになっています。その点についてよろしいでしょうか。

(「なし」の声あり)

【木村主査】 よろしいですね。それでは、進めさせていただこうと思います。ありがとうございます。
 次の議題に入ります前に、ちょっと私のほうから委員会の進め方について若干提案をさせていただきたいと思っております。
 これまでも皆さんにしっかり見ていただいて、そのプロセスを見つつ、また、専門によってはやっぱり深掘りしたいという部分も当然あろうかと思います。皆様の専門性に合わせて、ぜひお願いしたいところでもあるのですが、時間が限られていて、その場で議論するのはなかなか消化し切れないという部分もあったりして、若干フラストレーションがたまる部分もあったかと思います。それともう一つは、皆様お忙しいので、なかなかご出席いただけない委員のご意見もまた大事だろうということもございます。
 従いまして、ご提案としては、委員会を2回に分けさせていただいて、最初にまずは説明を聞いて、即答できるような質問であればそこで議論していただく。ものによってはメールベースなり、2回目の会議の前までに文科省さんを通じてやりとりさせていただいて、それでクローズしていく。少し時間をかける部分というか、少し余裕を見てやっていったほうがよいのかなとも思います。
 毎回、終わりが結構ずるずると遅くなってしまうのも皆様ご負担をかけると思いますので、申しわけありませんが2回に分けさせていただいて、2回集まっていただくのですが、このような形態で委員会を進めさせていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【木村主査】 ありがとうございます。ちょっと新しい試みですが、このように進めさせていただきたいと思っております。ご賛同いただきましたので、いよいよ今回の議題のほうに進ませていただこうと思います。
 今回は、先ほど事務局のほうから説明のありました、審査対象がISS搭載型ハイパースペクトルセンサ、HISUIですね、これに関してJAXAによる安全審査結果の説明、それから、それに対する審議を行って、その上で、説明を受けた上で、次回の小委員会として評価審議結果をまとめたいという形で進めさせていただきます。
 今回の対象でありますISS搭載型ハイパースペクトルセンサ、HISUIですね、これは経済産業省から契約のもとで開発された宇宙システム開発利用推進機構JSS様から概要説明をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【JSS菊池】 JSSの菊池です。よろしくお願いします。
 まず、資料の番号が36-1-2でございます。
 最初のページですが、国際宇宙ステーションのISSに提供する搭載物として、今回のハイパースペクトルセンサ、HISUIの概要について説明します。
 HISUIというのは英語でHyperspectral Imager SUIteの略語でございます。ここの表紙に写真が載っておりますが、この白いカバーは多層断熱シートで、これに覆われている状態でございます。
 続いて、2ページのほうに移っていただきます。
 ここからが具体的なHISUIの概要ですが、HISUIは日本初の宇宙からのいわゆる目として、ハイパースペクトルセンサでの地球観測を行います。その1としまして、目的や意味でございますが、経済産業省が開発を進めてきたハイパースペクトルセンサHISUIは、対象物の反射光を100以上の連続した波長に分けて観測する光学センサでございます。資源探査をはじめとするさまざまな分野において、連続する高い波長分解能により識別能力の向上が可能であり、従来のものに比して非常に識別能力が上がるというものでございます。
 このHISUIはISSに取りつけられて地球の観測を行い、石油資源探査、それから、金属資源の探査等のさらなる効率化などを図るために以下の項目の実現を目指しています。三つありまして、一つ目は宇宙環境における実証を行って、HISUIの有用性の評価とかノウハウの獲得を行うこと。それから、エネルギー、資源分野等の利用分野での技術革新を図ること。3番目が我が国の宇宙開発産業とか利用産業の活性化を図ることです。それゆえに、下のほうにちょっと書いてありますが、我が国独自の技術開発を早期に実現していくことが必要不可欠ということで、宇宙から観測した高品質のハイパースペクトルデータを取得して、その処理及び解析技術を獲得して、エネルギー資源分野のみならず環境、農業、森林分野及び防災分野等での利活用に展開できるという大きな意味を持っています。
 右にはHISUIによる観測イメージ例がありますが、真ん中のHISUIがISSの国際宇宙ステーションの船外プラットフォームに設置されまして、下のような観測波長のバンド数を185持っています。観測幅は20キロということで、詳細は後のページで説明させていただきます。
 3ページ目ですが、HISUIの主な役割としまして、ISS搭載物安全審査の対象物であるHISUIは、ハイパースペクトルセンサと曝露ペイロードのバス部から構成されています。赤字で書いてありますが、安全の観点からHISUIのハイパースペクトルセンサは受動型の光学センサで、能動的な信号等は出しておりません。カメラで写真を撮るような感覚ですが、その観点から安全上、カタストロフィックなハザード源となるような可能性のある推薬とか火工品、バッテリ及び電波放射機能等は有しておりません。
 下に構成と主な役割が記載されていますが、HISUIとしてはハイパースペクトルセンサによる観測データを取得して、その観測データとデータ処理に必要なテレメトリ情報を「きぼう」に伝送します。ハイパースペクトルセンサは曝露ペイロード部に組みつけられるわけですが、可視近赤外領域と短波長赤外領域の観測を行います。それから、曝露ペイロードバス部は、そのセンサの作動に必要な電力などの資源と熱、構造等の観測環境を提供します。もう少し具体的な話は次ページから説明させていただきます。 4ページにHISUIの主要諸元が記載されていますが、ハイパースペクトルセンサというのは右図の水色の部分になっております。左の表に項目がありまして、寸法諸元ですが長さが約2.3メーター、幅が1.5メーター、高さが1.6メーターです。突起物を除くと書いてありますけれども、ロボットアームでつかむ把持部の突起が寸法には入っておりません。それから、質量としましては約550キロで、最初の表紙にありました多層断熱シートの装着状態の質量でございます。それから、電力系としまして、「きぼう」から120ボルトの電力を通常観測をやっている運用時に供給を受けまして、790ワット以下です。それから、同じく「きぼう」から、異常が発生した場合、通常観測ができないようなときにサバイバル運用というものに移行しますので、そのときはヒータ電力のみとなり、消費電力は120ワット以下となります。あと、ファルコンロケットで打ち上げた後、ドラゴン宇宙船でISSに航行するわけですが、その間のHISUIに温度変化があまり起きないようにするために、ドラゴンでヒータ用として120ボルトの電力の供給を受けます。この三つの電力供給があります。それから、下の通信系としましては、低速系のデータ伝送系、これはコマンドとテレメ系ですね。それから、観測データは高速データ伝送系で、光LANで転送を行います。それから、熱制御系としては、主に「きぼう」から供給されますフロリナートという冷媒で能動的な熱制御をして、電気コンポーネントの排熱を行うようにしております。右図にありますように、地球を観測した下からの矢印でHISUIのペイロードの開口部がありますが、42センチ×32センチぐらいの大きさです。それから、ちなみにHISUIの設計寿命は、3年を目標にしております。
 続きまして、5ページの説明に行かせていただきます。
 これが世界最高レベルのハイパースペクトルセンサということで、色々な特徴を持っているわけですが、その特徴の一つとして、上から3行目の開発目標として、高い波長精度と高いSN、信号対雑音比を同時に実現する実用的なセンサということを実現しております。あと、ユニークな特徴を持っていまして、括弧書きのポツに書いてありますように、観測データのオンボード補正機能、いわゆるデータの校正機能をオンボードで持っております。それから、三つ目に、観測データが非常に大容量ですので、送るときに可逆圧縮処理をしまして、地上で復元ができるような処理をとっております。右図のほうに概要の内部構造が少し載っておりますが、また下の表には光学特性を書いております。空間分解能として20メーターから30メーター、観測幅が20キロ、バンド数が185ということで、スペクトルの観測波長帯、下のところにあるVNIRが可視近赤外域で、SWIRと称しているのは短波長の赤外域です。波長分解能は10ナノメーター、それから、SWIRの波長分解能が12.5ナノメーターということで、二つ合わせて185バンドの観測波長を有していることになります。それから、変調伝達関数MTFというものは0.2以上で、これは高解像度になっております。ダイナミックレンジも12ビットとっておりますので、広くとれていると思います。あと、寸法と質量が書いてありますが、先ほどのHISUIの寸法、重量、質量の中に入るハイパースペクトルセンサ部の寸法と重量でございます。左にHISUIとASTER、Landsat、Sentinel、それから、WorldViewという商業衛星での、今あるマルチスペクトルセンサですと、バンド数は、例えば、ASTERですとVNIRのところが3バンド、SWIRが6バンドになっているのですが、一番上のHISUIですとこれを185バンドで全波長域をカバーするということができます。これによって画像による識別能力が極めて向上するということでございます。
 続きまして、6ページに行きます。
 曝露ペイロードバス部ですけれども、これはセンサの作動に必要な電力とか観測環境の提供を行い、それとともにハイパースペクトルセンサの観測データと処理に必要なテレメトリ情報を「きぼう」に伝送を行います。また観測画像の位置精度を向上させるために、曝露ペイロードバス部にはHISUI専用としての、左下の図にありますスタートラッカで姿勢情報を得ます。それから、GPSアンテナで位置と時刻情報を得ることで、地表の特徴が少なく画像からは位置座標が特定しにくいところでも精度よく座標を求めることができることになっています。それから、FRGFというものとPIUという図示がありますけれども、FRGFというのはISSのロボットアームでHISUIをつかむための把持部でございます。これが寸法的に上に飛び出しているところがあります。あと、PIUにはHISUIを「きぼう」の船外実験装置に取りつけるための装置交換機能と、ここから電力とか熱制御の冷媒を供給することになります。
 7ページに行きます。
 7ページ目は、ISSへの輸送とHISUIの取りつけのイメージの概要ですが、HISUIはSpaceX社のドラゴン輸送船に搭載され、ファルコンロケットで米国のフロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられて、ISSに輸送されます。下の図の一番下のほうに、日本から米国に搬送する飛行機はボーイング747ですが、これで打ち上げ準備のためにケネディ宇宙センターに運びこみます。その後、打ち上げ準備が完了した時点でファルコンロケットによる打ち上げを行いまして、搭載されたドラゴン補給船でのISSまでのフライトがございます。その後ドラゴン補給船はISSに係留します。ドラゴン補給船は一番上の右上の図に搭載図が載っておりますが、これはイメージでHISUIではございませんが、このようなふたのない状態で取りつけられます。この状態でISSのロボットアームで取り出して、右下の曝露部へHISUIを取りつけます。HISUIの設置場所は真ん中にありますポートの8番で、ISSは図の左上の方向に進行していきますので、その間に観測を行います。
 それから、次に、最後の8ページですが、特記事項としまして、安全審査で審議しましたハザードの安全対策について詳細な記述をしております。
 特に、HISUI運用のための電力供給に関する安全対策ということでございますが、右図にあります「きぼう」からの電力供給コネクタが、先ほど説明しましたPIUから供給されます。それから、ドラゴンからの電力供給コネクタが右下の図で、ちょっとわかりにくいですが、丸いところの右側がコネクタになっております。左の説明で、丸1で、ドラゴンの補給船での輸送時、HISUIの温度環境を維持するためにヒータ用の電力をドラゴン補給船からHISUIに供給されるということで、右下のところから電力を供給していただきます。その後、ドラゴン補給船から取り外された状態で、左の丸2のところの、「きぼう」曝露部にHISUI設置後の通常運用時用の120ボルトの通常運用電力が「きぼう」からHISUIに供給されます。その後、丸3なんですが、ただしということで、ISSの電力供給の異常時とかHISUI側の消費電力の異常時には、不測の事態としてHISUIに必要最低限のヒータ電力を供給するためのサバイバル運用を行います。ただし、このサバイバル運用を行うときに、中央部に書いてありますが、サバイバル運用時のヒータ電力ラインとドラゴンの運用時のヒータ電力ラインが設計上共有されておりまして、「きぼう」からの電力供給コネクタから電力を入れますと、ドラゴン側への電力コネクタ側に逆電流が流れる可能性があるということを安全審査で審議されまして、その対策として、設計上はHISUIのスイッチング回路に逆流電子防止のためのダイオードを、1個から冗長追加で2個追加しております。これによって逆電流がなくなるのですが、もう一つ、異常時ですから何らかの船外活動が必要になる場合も想定しまして、その場合の上流電源の遮断とか接触禁止区域の設定をする安全対策を行っております。このような故障許容とかリスク最小化、それから、運用手順の対策で、安全審査では過去の事例と同等の安全対策を有しているという評価で承認をされております。安全審査での審議の内容を紹介させていただきました。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

【木村主査】 ありがとうございます。それでは、今の説明についてご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。

【野口委員】 ご説明あった7ページの図で見るとわかりやすいと思いますが中央部にHISUIがくっついているのですが、HISUIの周辺環境はもう明らかになっているのでしょうか。
 つまりHISUIが一番手前左側についていて、右側に茶色いものがついたりしているのですが、HISUIの周りの環境は大体明らかになっているのでしょうか。

【JSS菊池】 明らかになっております。
 例えば、回転して当たらないようになっているとか、そのクリアランスで、両方とも回転機構を持っていませんので、ちゃんとクリアランスはとれています。あと、温度等の宇宙環境についての解析も確認されております。

【木村主査】 松尾委員、お願いいたします。

【松尾委員】 最後のところで、丸3で、サバイバル運用時のヒータ電力ラインとドラゴン運用時のヒータ電力ラインが共有化されているので逆流電流が流れるというお話だったのですが、両方へ電流が流れる可能性があるというように記載がされているのですが、これは可能性があるということなのか、実験等でそういうことが実際に起きたということなのか。何か「可能性がある」という書き方がちょっと気になったのでどういうことか、説明をお願いします。実際に流れていたのか、流れないのかということがはっきりしないのでちょっと教えていただけますか。

【JSS菊池】 実際には流れておりません。安全審査のフェーズ2で設計の確認をします。そこで、設計状態でダイオードが入っていて逆流しないようにしていますという説明をしましたが、冗長のためにもう1個追加しておきましょうとなりました。従いまして、このダイオードが壊れない限り、逆流電流は流れません。

【松尾委員】 それでは、ダイオードを入れないと流れる。

【説明者(JSS菊池)】 はい。流れます。

【松尾委員】 それは間違いないと。両方に流れるのであれば、この「可能性」という記述は要らないのではないでしょうか。流れるのだから。

【木村主査】 まあ、時系列的にはそうでしょうね。

【松尾委員】 このままだと流れるので、ダイオードに冗長性を持たせて入れますということなのかと思うのですが、どうですか。

【説明者(JSS菊池)】 そうですね。流れる可能性があるのでダイオードを入れたという記述が正しいです。

【JAXA高橋】 少し補足させていただきますと、通常の状態でコネクタに何もつながってない状態では流れることはありません。しかし、何かしらそこに宇宙飛行士が触れてしまうとか、ほかのものがついて負荷が変わってしまうと電流が流れる可能性があるということで、ここには「可能性がある」と書かれてございます。

【松尾委員】 そうですか。わかりました。

【木村主査】 よろしいでしょうか。馬嶋委員、どうぞ。

【馬嶋委員】 ちょっと理解ができなかったのですが、観測データのオンボード補正機能というものがあるというふうに説明されましたが、それは、どういうところでジャッジをして、結構それが、大きな負担がかかるのではないかと思ったのですが、どうでしょうか。

【JSS谷井】 もともとデータ量が非常に膨大なものですので、一つはデータの圧縮機能を持っていますが、それにプラスアルファの4素子の出力、つまり四つのデータを一つにしてデータ量を減らすということをしています。それでも波長分解能、空間分解能は、今、書かれている数値になっていますが、このように4分の1に圧縮するときに、一緒に波長の補正ですとか感度といいますかシグナルレベルの精度の補正を行ってしまおうということで実施しています。従いまして、もともとはデータを圧縮しなければならなかったということに起因しています。

【馬嶋委員】 それは良い方向になることなのですか。

【JSS谷井】 はい。まず、地表でデータをとって、その感度か波長の若干のひずみをはかっておいて、それをパラメータとしてオンボードのソフトウエアに組み込んで補正をしまが、打ち上がってからもキャリブレーションといいまして感度とか波長のひずみを地上におりてきたデータで見て、実際どうなっているか、あるいは、経年的に変化とか劣化していないかを見ながら、そのパラメータをオンボードにもう一度アップして補正の測長を書き直すという作業をしつつデータの補正を行うというものです。

【JSS菊池】 光学センサですので色で画像処理しているわけです。それが経年変化とか時間がたつことによってセンサのちょっとしたひずみが出てくるというときに、シフトして、ラジオメトリックの特性と言っているのですが、その感度が少し下がってくるような傾向にあります。それを画像として常に低下した分を補正して、いわゆる感度補正といいますか、画像としてちゃんと供給できるようなものにするための補正機能のことです。

【馬嶋委員】 赤外領域はすごく広いですよね。この特徴として。それも補正をすることに入っているのですか。何か難しそうだと思いますが。

【JSS菊池】 一番上の石油の鉱物を探すときには、実際にどういう岩石があるかというその岩石からの反射光でもってその岩石を特定します。その波長がシフトしないように、ちゃんと岩石識別ができるように画像処理をしていくということです。

【木村主査】 補正のパラメータは地上からのコマンドにより実現されるのですか。

【説明者(JSS菊池)】 そうです。

【松尾委員】 打ち上げのときにはほかのペイロードもあるのですか。

【説明者(JSS菊池)】 今、相乗りとなっています。

【松尾委員】 相乗りということですね。

【JAXA高橋】 この船外のところにはこのHISUIのほかにISSのリチウムイオンバッテリーを一つ搭載予定と聞いてございます。あとはまた、ドラゴン宇宙船の船内の中には幾つか別の実験装置等を搭載予定でございます。

【木村主査】 よろしいでしょうか。

(「なし」の声あり)

【木村主査】 それでは、ご審議ありがとうございます。
 引き続いて、審査対象に対してJAXAさんで実施した安全審査内容です。こちらが議題になると思いますが、審議したいと思いますので、ご説明をお願いいたします。

【JAXA白井】 それでは、資料36-1-3に基づきましてご説明させていただきます。JAXAの安全・ミッション保証室の白井と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、目次でございますが、目的と審査対象HISUIということで書いてございまして、安全解析の概要、それから、基本指針、これは調査・安全小委員会でつくっていただいた基本指針に基づきまして、適合性評価の結果を書いてございます。それから最後に結論をお示しいたします。
 付表は、先ほど申し上げた基本指針に関して、それに対する我々が評価した結果をまとめて示してございます。
 2ページに行きまして、目的でございますが、対象品がHISUIということをお示ししております。JAXAおける安全審査につきましては、この表に書いてございますとおり、設計フェーズに合わせましてフェーズ0/1、2、3というふうに段階を踏んで審査をしてございます。有人部門では安全審査としてフェーズ3まで行いまして、ここにある日付のとおり行っております。フェーズ3の最後にJAXA全体の安全審査委員会を開きまして、そこで承認ということになってございます。
 3ページ目に行きまして、目的ということで、繰り返しですが、有人安全審査でまずHISUIの安全評価を行い、JAXA全体の安全審査委員会にて有人の安全審査の結果と、それから、先ほどの指針に対する適合性について確認をしてございます。以下、これらについてご説明いたします。
 4ページ目は、安全審査の体制ということで示しておりまして、上のほうにJAXAの部門での有人安全審査会、それから、その上位の安全審査委員会ということでお示ししております。下のほうに経済産業省から委託されたJSSがHISUIを開発してございまして、JSSから安全評価に必要な報告書を提供いただきまして、その報告書に基づきましてJAXAが安全審査を行っているという次第です。安全評価報告書の中に、安全管理の報告とか安全解析、検証データの取得といったことを書いている次第です。
 5ページ目は、対象フェーズということでお示ししております。先ほどJSSの資料にございましたが、打ち上げから、廃棄まで書いてございますが、左のほうから右に時間が流れておりまして、左のほうからまずは射場作業ということで書いてございます。これはケネディ宇宙センターのことで、これは米国のほうで審査が行われるということで網がけをしてございます。それから、ファルコンロケットで打ち上げ、ドラゴン補給船で輸送、それからISSに到着して運用ということです。運用が終われば、これもドラゴン補給船で廃棄するということで計画されておりますが、この最後の廃棄のところもドラゴン補給船になりますので、こちらも米国側の審査ということで網がけしております。
 ということで、対象としては真ん中のISSの運用範囲ということが主になります。打ち上げと分離のところも審査対象に入れておりますが、これはISSで運用するに当たりまして、打ち上げ環境等に関して、その環境がこの装置に関して悪さをしていないということも含めて、構造的な健全性等が守られているかということを範囲に含めまして評価をしてございます。
 6ページに行きまして、ハザードの識別ということで模式図を書いてございます。どういうハザードがあるかということを分析いたしまして、それらに対する対策をとっているという状況です。これはFTAですが、ちょっと簡略化して書いてございまして、一応こういう形でFTAを行いまして、最終的なハザードを識別してございます。左側のほうにハザードということで搭乗員、ISS機能の喪失、それから、搭乗員の負傷という項目を頭に持ってきていまして、以下、右のほうにそれがなぜ起こるかというなぜなぜ分析のような形で示しています。最終的に一番右側のほうにハザードを識別して、そのハザードレポートをつくっております。
 ハザードレポートは、ハザードを示した上で、それの起こる原因とその事象、そのハザードに対する対策といいますか制御方法、それから、その制御をちゃんとうまくできるかということの検証結果等を一つのレポートにまとめまして、この一番右にあるレポートとなり、その番号が示されています。このやり方はISS共通になっていまして、この様式も同じように共通的なものを使って、先ほど申し上げたハザードの識別、原因、それから制御方法、検証方法といったことを示してございます。
 7ページ目が、実際にHISUIで行われたハザードの識別結果になってございます。全部で8件ございますが、一番上のSTD-6とSTD-7は標準型のハザードレポートで、これは過去の経験をもとに標準化されたハザードの制御、検証というものが既にISSではありまして、これに沿った形で書いているものです。それから、その下のユニークと呼んでいるハザードですが、このユニークハザードレポートが6件ありまして、これは標準化された方法以外のHISUI固有のハザードの識別ということでレポートにまとめてございます。有害な電磁放射、レーザの照射、構造破壊、圧力システムといった内容です。 8ページからこれらのレポートの中身、実際に安全の評価に当たったところをお示しています。
 まず、8ページ目は、先ほどの標準化されたハザードということで、スタンダードハザードレポートと我々呼んでおりますが、2件ございまして、電子機器から発生する電磁波によって船外宇宙服の機能に影響を与える可能性があるということで、ハザードと識別してございます。それらに対しては、適切な電磁適合性、EMCに関する、これはISSに同じように共通的な要求がございますが、それらの要求を満足した適合した設計をするということを制御としておりまして、検証結果は、それらの電磁適合性試験を行って、規定を満足するということを確認してございます。二つ目のレーザによる搭乗員の負傷ということですが、これはHISUIではレーザジャイロを使っておりまして、そのレーザを搭乗員に照射して損傷を与えるというハザードを識別してございます。これはISSに基準がありまして、レーザの出力レベルによってリスク度を分けているということで、レーザの出力レベルはClass1よりも低いレーザレベルであればそれほどリスクはないということで、ここのレーザ問題ないということで評価しております。レベルとしては、ISSでは米国のレーザ基準の出力を用いてClass1以下であれば問題ないということを規定していまして、本アイテムがそれ以下であるということを確認してございます。
 9ページ目から個別のハザードということで、ユニークハザードレポートのご紹介になります。1件目は構造破壊ということで識別しております。想定されるハザードですが、打ち上げおよび軌道上運用中の加速度荷重によりHISUIが構造破壊を起こすと、そこから端材が浮遊して船外活動の搭乗員に衝突し、搭乗員の喪失に至る可能性があるということで識別しております。これらに関しましては、幾つかそれらを起こすハザード原因が左のほうにございますが、これらに対して不適切な構造強度にならないように適切な構造設計、安全余裕を持った構造設計を行うということ、また材料選定においては適切な材料を選定しています。同じく安全要求に基づいたフラクチャコントロールという基準がございますが、それらに合致して構造破壊しないということで制御を行っております。それから、不適切な締結具の使用、これはファスナー、ボルト類ですが、認定されたそういったボルト類を使用する、ボルトが緩まないように緩み止めつきのボルトを使用する、ちゃんと締めるということでトルク管理を行うといったことが対策で、これらに関しましては図面とか製造記録、検査ということで確認をしてございます。それから、組み立て工程においてもヒューマンエラーで組み立てを間違えないように工程管理をして適切に取りつける、組み立てるということで、製造記録等を確認して問題ないことを確認しております。
 続きまして、2件目は、圧力システムの破損ということでハザードを識別しておりまして、これはバス部の能動温度制御システムの圧力系あるいはハイパーセンサの冷凍機の圧力システムが破裂するということで、その破片が船外活動の搭乗員に衝突したり、ISSにぶつかったりするということハザードを識別しております。これは同じようにハザードの原因が左側に書いてございますが、圧力システムですので適切な構造強度、圧力ストレスの影響を考慮して安全余裕を持った適切な設計をするといった内容です。それから、亀裂の進展がないように、先ほど申し上げたフラクチャコントロールというものがありまして、亀裂が進展しないという解析をしております。それから、材料選定においても適切な材料を使用すること。それから、過加圧になりまして圧力システムが破裂するというのを防ぐために、過加圧防止のためにリリーフバルブを使用する、フィルタによる目詰まり防止をするとか、冷却水の手順を正確に入れる、温度モニタをして必要なときには停止する、アキュムレータを冗長化するといったことで過加圧の防止をしております。それから、先ほどの構造と同じように、適切に組み立てを行うことで、製造検査の記録に問題ないことを確認しております。それから、デブリの衝突をハザードとして識別しておりまして、これは軌道上でデブリが衝突して、圧力システムに当たって破裂するといったことが考えられますので、それらに関しましては、デブリ衝突による損傷の確率を計算しまして、そのレベルがあるレベルよりは低いということを確認して許容している次第です。この確率計算については、NASAに計算をお願いして数値を出してもらっています。これもISSとして共通な基準がございまして、それを満足するということで確認しております。
 11ページは電気ショックで、これは電気故障も含めた船外のクルーへの電気ショックというハザードを識別しております。給電用コネクタに意図せぬ電気が流れることや、電気によって金属が溶融して、それによってクルーがけがをするといったところをハザードとして識別しております。これらに関しましては、安全要求を満足する適切なワイヤを使用すること。それから、安全要求を満足する電源遮断装置を使用して、フライト品に対してその機能を試験で確認する。また、決められたボンディング、接地の設計要求がありますので、それに従って正しくボンディング、接地を行うということです。電気によって溶融してしまう金属の発生につきましては、通電しているコネクタが露出しないようにするといったこととか、先ほど電力の話がありましたが、サバイバル運用においては、電流ラインが共通化して接触すると流れてしまうというハザードが考えられますので、逆流防止用ダイオードを入れる。それから、サバイバル運用時に通電する可能性があるコネクタについては、接触禁止区域を設定するといった対策をとってございます。
 次のページにもう少し詳しく書いてございますが、上の図はHISUIをISSのロボットアームで持っているときの状態です。「きぼう」に装着する前の状態ですが、そのときに宇宙飛行士は船外には出ないと思うのですが、その場合でもこのような「きぼう」の電力系のコネクタについてはカバーを設けて接触を防ぐといったことを考えております。それから、その下に先ほどの「きぼう」から電力を受けるときの通常時とサバイバル運用時の話が書いてございます。右下の図は船外プラットフォームの位置を示しておりまして、HISUIの取りつけ位置は今のところ8番と呼ばれる、先ほどの資料1にもありましたが、そこの図と、それから、右側の上のほうの図に書いてあるところになります。ピンクの部分は船外活動を行った場合のクルーの操作域ですが、基本的にはHISUIのコネクタのところには近づかないということになっております。近づいた場合でも先ほどの対策をとって、逆流防止とか接触禁止区域の設定とかを行っている次第です。
 次の13ページですが、ユニークの4番目ということで、ガラスの破損等に関しましてハザードと識別しております。ガラスはスタートラッカのレンズ、それから、ハイパーセンサの光学ガラスというものが該当しますので、そこにクルーが接触して破損してしまうということが考えられます。これに関しましては、ガラス自体は適切な強度を持たせて設計するということと、スタートラッカのレンズにつきましては、右の図にありますとおり、バッフルというものがついて、直接船外クルーが触らないようになっています。それから、ハイパーセンサは、左図の下のほうにございますが、これはもともと構造体の中に入ってございますのでクルーは接触しないようにはなっているということで確認をしてございます。
 14ページに行きまして、これは鋭利端部への接触ということで、シャープエッジに触れて船外クルーが宇宙服を傷つけてしまうといったことがハザードとして考えられますが、これらに関しましては、基本的に安全要求に従った鋭利端部のない設計にするということと、シャープエッジがどうしても残ってしまうような場所については、クルーが接触しないように接触禁止区域という運用上の設定をいたしまして、クルーがそこに行かないようにするといったことで制御をかけております。それから、不適切な製造、組み立てをしないという組み立て工程の管理をすることで制御を考えております。
 15ページは、高温・低温部に関して、クルーが接触して宇宙服のグローブを損傷したり、けがをしたりするということが考えられます。これに関しましては、まず、適切な熱設計をして、高温部とか低温部にならないかということを確認してございます。HISUIの場合はヒータが故障したケースを想定して、その場合の熱解析をいたしました。その場合においても、もともと定められている温度範囲がISSの場合にはございますので、その温度範囲の中に入っているということを解析にて確認しております。それから、同じく適切な組み立て工程の管理を行うということで制御を考えております。
 ここまではJAXAの安全審査の結果をまとめたもので、16ページ以降は宇宙開発利用部会での基本指針に対する適合性確認結果を表にまとめてございます。詳細は先ほど申し上げた付表1にありまして、指針が左にありまして、それに対して右側にHISUIの適用状況を書いてございます。パワーポイントの16ページから、それを要約した形で表に整理しております。
 先ほどの結果を用いまして、指針に対してどうかということを示しておりまして、基本的にこの指針に書いてございます適用範囲、それから、基本的な考え方、ハザードをちゃんと識別して制御していますかということを書いてございますが、それらに対しては、先ほど来申し上げましたとおり、ハザードの識別とそれらに対する対策と検証結果を示して、妥当であることを示しております。
 17ページは宇宙環境についてです。宇宙環境としてスペースデブリとか宇宙放射線、高真空に対して大丈夫かということですが、これも先ほどありましたデブリの衝突と、放射線対策を部品等ではちゃんと考慮して選定しているということ、それから、高真空、微小重力等については熱真空試験を行って環境対策を確認しております。
 18ページは、これも宇宙環境対策ということで、打上げ時の振動、加速度、音響、圧力等に関して、適切な構造設計等を行って問題ないということを確認してございます。下の振動、音響、電磁波に関しましても、先ほどのとおりで、電磁波に関しても適切な環境試験をして満足しているということを確認してございます。
 構造設計に関しましても、先ほどの構造のハザードレポートがありましたように、そこで適切な設計、剛性強度、静荷重強度、それから、材料強度についても適切に解析、選定評価を行っているということを確認してございます。
 それから20ページの6項目は安全・開発保証ということです。安全性ですが、安全にかかわるシステムについては、ほかのシステムの故障の影響を可能な限り受けないようにということです。
 それから、故障検知とか信頼性、自律性の確保とか、この辺は、HISUIというよりは「きぼう」のシステムのほうに係ることで、システム側の対応であり、HISUIとしては適用外となります。
 次は21ページです。安全・開発保証の品質保証に関しても、これは全体的なHISUIの品質保証ということで、先ほど来申し上げている構造とか圧力システムとか全てにわたって試験、解析、検査を行って検証を適切に行っているということで、品質保証の観点からも問題ないということを確認してございます。それから、搭乗員の保護ということですが、これも先ほどのシャープエッジとか温度に対する解析であるとか、レーザの出力が弱い出力になっているといったことで搭乗員の保護も行っているということを確認しています。
 22ページは緊急対策です。緊急警報等に関しましても、システム側対策の適用条件になりますので、HISUIとしてはないということです。それから、9項の安全確保体制につきましては、先ほど申し上げたとおり、JAXAのほうでJSSからいただいた安全評価報告書に基づきまして、独立した立場でJAXAの安全審査を行って、安全的に問題ないということを確認してございます。
 以上から、23ページが結論でございますが、各フェーズにおける有人安全審査会、フェーズ0/1、2、3、全てにわたってハザードの識別、制御方法、検証結果を審査いたしまして、安全解析が適切に行われていることを確認してございます。その後、JAXAの中では有人部門の審査結果を最終的なJAXAの安全審査会に付議して、先日、了承を受けております。それから、基本指針に関しましては、大ざっぱに申し上げましたが、JAXAで行った安全審査をもとに基本指針に関して適用性を確認して問題ないことを確認しております。
 以上より、JAXAとしてHISUIは安全要求を全て満足していると判断いたしまして、安全審査を完了してございます。
 あとはドラゴンでの打ち上げの19号機を予定しているということです。
 説明は以上です。

【木村主査】 ご説明ありがとうございます。それでは、ご質問等ありましたらお願いします。
 特に、この後のメール等のやりとりに必要な情報等がありましたら優先してお願いします。また質問で、簡単なものであればここでお答えいただいても結構ですし、ものによっては持ち帰りで、また議論継続という形でもあるかと思います。
 それではお願いします。

【野口委員】 もう1回きちっと見直して、頭の整理をして質問等があったら並べようと思うのですが、今、聞いた段階で、まず、6ページで今回はISSとHISUIの関係でリスク分析がなされていると思っていいですか。

【説明者(JAXA白井)】 はい。

【野口委員】 私は先ほどHISUIの周辺環境は決まっていますかと聞いたのもそこで、例えば、HISUIが近くのものに影響を与えて、それからISSに戻るとか、逆に周辺機器からHISUIが影響を受けるといった相互干渉だとか、そういう観点がなくていいのかなという点に疑問を持ったというのが一つあります。
 それから、6ページですが、これも今までの慣習であるとか専門性の違いかもしれませんが、一番左側のリスクのまとめ方にしても、搭乗員、ISSの機能の喪失という全く違うものを1個に区切るという感覚が、リスク分析からするとすごく違和感があるのですね。搭乗者の喪失というのは一体何を意味しているのだろうか。物体としていなくなるのか、命がなくなるのかと、実はよくわからない。何か搭乗員がいなくなる、あるいは亡くなるということとISSの機能喪失とは違うことでしょうという話があって、こういう事象を1個でまとめるということがロケットの分析の慣習だとしてもちょっと変だなと思います。
 それから、例えば、これも簡略化したということなので、たまたま示す資料としてかもしれませんが、これがFTAだとするとANDとORの関係がよくわからないのですね。一番上のほうの左からすると、ISSの機能の喪失と搭乗員の喪失というのは普通に考えるとこれはORです。それでは、搭乗員の喪失の下に書いてある物体の衝突と宇宙服の機能喪失というのは、これはどうもANDに見えます。だから、ANDとORという大事なものが抜けているFTAというのは普通ないので、ロジック的にどこまで押さえていいかがよくわからないという気もするし、ISSの機能喪失ということが物体の衝突と電気ショックという二つに二分されるというような話とか、搭乗員の負傷という事象が宇宙服の損失とレーザの照射という二つに限られているという、こういう話も実は根拠がよくわからない。おそらく色々なことを分析された後で重要な要素だけ並べられたのだろうというようには思っているのですが、後でメールでも結構ですので、そこら辺の事情がわかれば教えてください。

【説明者(JAXA白井)】 はい。承知しました。

【野口委員】 それから、次の7ページで、リスクの話とハザードが1対1の関係になっていることが結構気になっていて、あるリスクに対してハザードは複数あり、同じハザードがあってもそのハザードの顕在化シナリオは多々あるはずだと思っていて、えらく簡略化されているなというイメージがあります。また、その先はリスクではなくてハザードを扱うことになるのですが、ハザードの検証結果を見ていると、何かハザードがゼロになってリスクがゼロになったかのような印象を受けるのですが、そんなはずはないので、ハザードを検証したということとリスクの結果の関係がよくわからない。これは昔流に言うと、途中までリスク分析でやっていて、リスク分析の途中から解析になっている、その結果、最終的にはリスク分析にどう戻っているかということがよくわからなくなっているのですね。ざくっと言うと、このハザードに対してこういう処置をしたがリスクゼロとは言えないので、その場合の、残量リスクがよくわからない。残量リスクは小さいという前提で書かれていると思うのですが、残量リスクはどういうものがあるかということは、実は危機管理とか緊急時対応ではすごく重要なメッセージなので、気にしているハザードに対してはちゃんと対応しましたという話で終るのではなく、NASAに渡すメッセージとして、残量リスクはこういうものがありますということを示すことは重要なのではないかと思います。日本がハザードをなくしたことでてよしとしているとするとちょっと情報が足りないのではないかと思ったので、コメントしました。 また、エクセル表の内容についても内容を確認して質問として挙げておきます。

【木村主査】 ありがとうございます。確かに、資料でまとめる中で簡略化している部分は結構あると思いますし、確かに、AND/ORは自分も学生のレポートで書いていないと減点しますね。おっしゃるとおりだと思います。

【説明者(高橋)】 いくつか、お答えさせていただきます。
 まず、一つ目の搭載位置のところで、他のペイロードとかに影響しないかという観点に関しましては、これは曝露ペイロードに対するICDというものが規定されてございまして、そのICDに満たしたものを設計するということを前提にしておりますので、そこで確認をしてございます。
 二つ目のFTAですが、6ページ目のFTAのところは、基本的に全てORで書かれていて、何かしら一つの原因があると左側のハザードに至る可能性があるというものを全て挙げてございます。
 また、ハザードレポートで書いたものは、当然、リスクはゼロでない、リスクを除去できなかったものを全てハザードレポートとして残してございますので、ハザードレポートで最終的に識別したものは全てリスクゼロでないが、何かしらの対策を行った上で受け入れ可能だということになります。このようにリスクを低減したものが最終的に記載されたものでございます。

【JAXA白井】 さらに補足させていただきますが、27ページに添付3のリスク表がございます。これで、ハザードと申し上げていたのですが、ハザードのまず被害の度合いを考慮いたしまして、左下のほうにカタストロフィック、クリティカル、マージナル、ネグリジブルとありますが、ここで、ハザードの度合いを識別いたしまして、これもISSで決まっているのですが、カタストロフィックという一番被害の大きいものに関しては独立した対策を三つとることが決められています。その下のクリティカルについては独立した対策を二つとることが決められておりまして、資料としては対策をこうやっていますということをその区別なく書いてしまっておりますが、どのハザードにつきましても大体この一番重要のカタストロフィックというところに入ってきますので、独立した対策を大体三つとっているということです。また、その制御方法がちゃんと機能するかということを検証することになっていまして、その検証方法と、それから、検証を、例えば、試験で確認するとか、解析を行うとか、検査記録を確認するとか、そういう検証方法もチェックしていまして、その検証結果を最後にまとめて、まず、ハザードの度合い、三つの対策、検証方法、それから検証結果ということを全てハザードレポートにまとめまして、審査を行っております。

【木村主査】 ありがとうございます。

【野口委員】 ハザードとリスクの関係はわかりました。
 やはりそれで見ても、さっき言ったように、あるリスクに対してハザードが限定的になっているなと感じました。普通、一般的にリスク分析をやると、そんなシンプルな格好にはならないと思うし、さらに、この発生タブ図のA、B、C、Dを見ていると、「まれに発生する」と「ほとんど発生しない」と「たまに発生する」というものの置きどころによって随分イメージが変わってくるし、特に、「まれに発生する」と「ほとんど発生しない」というものの位置づけがほんとうにこういうハザードの種類に限定されるというのは、結構一般的な技術システムから言うと不思議な気がしています。ただそれは、限られた、いわゆるシステムとISSと従業員という関係の中ですから、そんなに複雑にならないのかもしれませんが、そこもちょっと読み解いてみないと、このままで「はい、そうですね」とめくら判は押せないなという気はします。

【木村主査】 その辺は議論を進めていただくということですね。ただし、一般的な工業製品に比較して、宇宙システムは使う人が訓練された上で、かつ、訓練された条件の中で使うことでもあります。

【野口委員】 そうですね。

【木村主査】 ある程度規定されたもとで使うという前提があるというのは確かで、そのもとで、この範囲であればこういう対策でいいというように、これまで行われてきたという部分もあるとは思います。

【野口委員】 そうですね。プロの世界ですからね。

【木村主査】 そこはちょっと継続してご議論いただくということでよろしいですね。
 ほかは、ご質問、ご意見等いかがでしょうか。馬嶋委員、お願いいたします。

【馬嶋委員】 まず、5ページですが、下に、有人安全審査会はISSへのSafe on arrivalの観点から評価していると書いてあるのですが、今、ご説明いただいたものは、ISSに行ってからのことが中心になっていたわけですが、どうしてこういうことを書いておられるのかちょっとわからなかったのですが。

【JAXA高橋】 お答えいたします。ロケットで打ち上げるときのロケットとの適合性とかという事項は全てロケット打ち上げサービスをする側のほうが対応しますので、我々としてそこは審査の範疇外としてございます。しかしながら、ロケットの打ち上げ環境によって構造的に壊れてしまった場合、ISSへ到着してから取りつけができないとか、あるいは、取りつけた後に構造破壊を起こして何かしらISSに危害を与えてしまう、そういった点は我々の範疇ということで、構造等を、ロケットの打ち上げ環境という条件がございますので、それをもとに試験、解析等を実施しているということです。そこがSafe on arrivalという考え方になってございまして、ロケットの打ち上げ環境のところも我々は考慮して評価してございます。ただし、ロケット自身で何かしら破壊しないとか、ロケットが何かしら違う問題を起こすというところは今回の審査の対象外となってございます。

【馬嶋委員】 今の説明でわかりましたが、初めて見ると、JAXAの審査対象範囲はわかりますが、この書き方だと、有人安全審査会はここしか評価していないように見えます。

【JAXA高橋】 このフェーズではそうですね。ここのフェーズは打ち上げから分離まではこの点しか見ておりません。ただし、運用の観点では全てを見ているということで、もしこれで説明がちょっとわかりづらいということであれば直させていただきます。

【馬嶋委員】 わかりづらいです。

【JAXA高橋】 承知いたしました。

【木村主査】 限定的な印象をむしろ与えるということですね。

【JAXA高橋】 ここは特記で書きましたが、こちらについては全体を全て見ているという形で対応させていただくということでいかがでしょうか。

【馬嶋委員】 ぜひ直してください。

【JAXA(高橋)】 承知しました。

【木村主査】 私も気が付かなかった。

【馬嶋委員】 次に、8ページです。有害な電磁放射というのが最初に出てくるのですが、これは何を指しているのですか。

【JAXA(高橋)】 電子機器を搭載しておりますので、その機器から出てくる電磁波等が他のシステムに影響を与えるところを評価してございます。

【馬嶋委員】 具体的には何が出てくるのですか。電磁波ですか。電磁波というのは非常に広くて、赤外線からX線までは全部電磁波です。

【JAXA高橋】 はい。この電磁適合性の要求というのは細かく決められていまして、自分自身が発するものが他の機器に与えるための条件と、それから、逆に、他から受けたもので自分自身が何かしら影響を受けて誤動作することの、その二つの基準が技術的に決められてございまして、それをもとに要件を満たした設計をしてございます。その確認のためには電磁適合性試験というものを実施しておりまして、そこでそれらの基準に合った電磁波が出ているか、あるいは、出ていないのか、それから、外から与えたときにHISUI自身が影響を受けないかということを確認してございます。

【馬嶋委員】 電磁波が有害になるという事象はたくさんあるのでしょうか?

【JAXA(高橋)】 はい。あります。

【木村主査】 いわゆるノイズです。電磁ノイズというか、電子回路が発することによってほかの電子機器にカップリングしてしまって、ノイズとして乗ってしまうという現象です。

【JAXA白井】 そうですね。電子機器ですので色々なところで接続しておりますので、一般的に出てくる電磁波と、それから、電線でつながって悪さするという二つあります。

【馬嶋委員】 ノイズと電磁波は違うような気がするのですが。

【JAXA白井】 ここでは両方合わせて一緒に考えています。通常のノイズもそうだし、ラジエーションとして出てくる電磁波も気にしています。

【馬嶋委員】 そんなにたくさん出るものですか?

【JAXA白井】 大体出ます。少なからずいろいろと。電子機器である限り発生します。

【木村主査】 むしろ衛星が小さくなってくると深刻です。

【JSS菊池】 レベルが大きくなると、電子機器が誤動作するということになりますので。

【馬嶋委員】 それは、ノイズのほうが多くないですか。

【JAXA白井】 ノイズもあります。電源がつながっている以上、ノイズで回ってきて、ノイズで悪さするとか。

【馬嶋委員】 それでは、ノイズも入れたほうがよろしいのではないですか?

【JAXA(白井)】 ノイズもこれには含まれています。

【木村主査】 イメージ的には総体としてこういう呼び方をしていますね。

【JAXA白井】 そうですね。

【木村主査】 要は、電磁障害に関する総合的な適合性という意味でこの言葉を使われているという理解ですか。

【JAXA白井】 そうです。

【JAXA高橋】 あともう一つ。先ほどの回路にノイズが入ってくる話は、電気設計のところでユニークハザードレポートの3番の中で評価してございます。

【馬嶋委員】 わかりました。高温部と低温部がかなり出てきたのですが、大体温度はどのぐらいになるのが高温部で、どのぐらいの温度が低温部なのか、わからなかったのですが。

【木村主査】 それは確かに出てこなかったですね。

【JAXA高橋】 これは技術的な情報ですので、必要でありましたら別途、メール等でJSSに確認した上でお答えはできるかと思いますが、この場でちょっと具体的な数字は控えさせてください。

【馬嶋委員】 わかりました。

【JSS菊池】 一応HISUIとしては、ハイパーセンサとしてはゼロから40℃の中で温度を保つようにしています。

【馬嶋委員】 でも、40℃以上になることはあるかもしれませんよね。

【JSS菊池】 それはシステムが異常時には40℃以上になります。

【JSS谷井】 40℃は望遠鏡のセンサの部分だけですので、外側のパネル等はもっと温度範囲を広くとっています。

【馬嶋委員】 大体わかっていることでしたらそういう数値を資料に入れていただいたほうが良いかと思います。高温部というと何かすごく高温になってやけどをするとか、低温部だとマイナス何℃になるとか勝手に想像してしまうので。

【木村主査】 数値はあったほうがいいですね。

【JAXA白井】 基本的にはこれは船外活動をするクルーが接触する部分に関してどのぐらいの温度になるかというのを熱解析しておりまして、船外活動だと宇宙服を着ておりますので、その宇宙服が耐え得る温度になります。つまり接触しても宇宙服のグローブが焼けないとか、凍りつかないといったところです。

【馬嶋委員】 そういうふうに書いていただいたほうがいいのではないかと思います。

【木村主査】 そうですね。

【JAXA白井】 わかりました。

【馬嶋委員】 あともう一つ、ちょっと気になったのが、17ページの宇宙放射線の話が入っているのですが、ここで放射線照射試験というのがうたわれていますが、具体的に放射線は何を照射してどのぐらいのドーズまで当てているのですか。
 というのは、宇宙放射線は85%が陽子線です。もしX線でやっているとしたら全く違う結果になると思うので、その辺の確認です。2番はヘリウムで14%ぐらい。あと、残る1%は電子番号が高いのが入ってくるのですが、NASAは鉄を結構気にしているのですが、確かに鉄は多いのですが、それを含めても1%ですね。そういうことを考えているのかどうかということを確認したいと思います。X線よりもパーティクルを当てないと検証ができないと思います。

【木村主査】 試験結果等をちょっと整理されていますか。

【JSS谷井】 部品材料等に放射線照射試験を行っています。また、おっしゃられた陽子線の試験もクリティカルな部品については実施しています。

【馬嶋委員】 X線ですか。

【説明者(JSS谷井)】 X線ではなくて、重粒子線です。

【馬嶋委員】 重粒子研や法医研とかに行ってやっているということですか。

【説明者(JSS谷井)】 はい。法医研で実施しています。

【馬嶋委員】 このような内容について具体的なことを資料に入れていただいたほうが安心します。

【説明者(JSS谷井)】 一応JAXAのスタンダードがありまして、それに基づいています。

【馬嶋委員】 よろしくお願いします。

【木村主査】 これはコンポーネントではなくて部品レベルで評価されたのですね。

【説明者(JSS谷井)】 そうです。

【木村主査】 ありがとうございます。ほかはよろしいですか。

(「なし」の声あり)

【木村主査】 気になるところをご指摘いただきました。ありがとうございます。
 あと、ほかにもあるかと思いますし、ご欠席の委員からも出るかもしれませんので、皆様のご意見、ご質問についてはエクセルで整理させていただこうと思います。どうもご議論ありがとうございました。
 最終的には次回までに何回かやりとりが発生するかと思いますけれども、次回までにクローズさせて、次回、皆さんで確認していただいて、最終的に結論という形にまとめさせていただこうと思います。

(2)その他

【木村主査】 それでは、最後に事務局のほうから連絡事項をお願いできますでしょうか。

【事務局(原田企画官)】 会議の資料と議事録の公開について申し上げます。
 本部会の運営規則に基づきまして、本日の会議資料につきましては公開とさせていただいております。当省のホームページに掲載させていただきます。また、議事録につきましても公開となりますので、委員の先生方にご確認いただいた後に、同じく当省のホームページに掲載させていただくこととなりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 本日、ハイパースペクトルセンサが経済産業省の事業ということで、宇宙産業室長の淺井室長に来ていただきました。最後になって恐縮ですが、一言お願いいたします。

【経済産業省宇宙産業室長(淺井)】 経済産業省宇宙産業室長の淺井と申します。
 このハイパースペクトルセンサは、我々は、先ほどJSSの菊池さんからもご説明ありましたように、石油資源、鉱物資源、こういった資源探査の探査能力を飛躍的に高めるという目的で開発をしてきておるものでございます。年内打ち上げ予定ということで準備を進めていますけれども、やはりISS、「きぼう」に搭載ということで、これまでは専ら衛星に搭載するセンサとしての開発には我々も経験はあるのですが、今回初めて「きぼう」に搭載するということで、非常に安全性というところについては重要視しながら取り組んでいるところでございます。これまでJSSさん、JAXAさんの協力を得ながらやってきましたが、引き続き今日のご指摘を踏まえながらしっかりと取り組んでいきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

【木村主査】 ありがとうございます。

【馬嶋委員】 質問、よろしいですか。すばらしい衛星で楽しみなわけですが、資源探査の可能性があるという場合に、成果について公表していくのでしょうか。

【経済産業省宇宙産業室長(淺井)】 衛星画像そのものは、地球観測という観点からすると、比較的日本国内だけではなくて海外にも使ってもらうというようなやり方で実施しようと思っています。ただし、衛星画像だけで解析ができるわけではないので、むしろそこからのデータを用いた解析技術の部分については、日本国内で比較的、資源開発の企業等がいらっしゃいますので、そういったところと一緒に開発をして、その成果は基本的には日本国内で活用していくというやり方を考えています。
 
【馬嶋委員】 非常に日本的だと思うのですが、世の中にはすぐ採掘してやろうと思う国はたくさんいるので、その辺も考えていただいたほうがいいのかなと思います。

【木村主査】 ありがとうございます。よろしいですか。
 いろいろとご議論もあるかと思います。皆様のご協力で、ほぼ時間通りに終えることができました。ほんとうにありがとうございます。
 以上で本日の議事は全て終了ということで、これをもちまして閉会とさせていただきたいと思います。ここまでの審議、まことにありがとうございました。お疲れさまでした。

以上


 (発言者については敬称略)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課