宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会(第31回) 議事録

1.日時

平成30年5月18日(金曜日) 15時00分~17時10分

2.場所

文部科学省 13階1及び2会議室

3.議題

  1. 宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)に係る安全対策について
  2. H-ⅡBロケット7号機打上げに係る安全対策について
  3. その他

4.出席者

委員

主査  渡邉 篤太郎
専門委員  飯田 光明
専門委員  門脇 直人
専門委員  木村 真一
専門委員  中西 美和
専門委員  野口 和彦
専門委員  古橋 智久
専門委員  馬嶋 秀行
臨時委員  松尾 亜紀子

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課企画官  山之内 裕哉
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  梅津 義博

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 第一宇宙技術部門
  鹿児島宇宙センター所長 藤田 猛
  宇宙輸送安全計画ユニット長 石原 和臣
  鹿児島宇宙センター射場安全グループ長 船川 隆
 安全・信頼性推進部
  システム安全推進ユニット長 中野 哲也
 有人宇宙技術部門
  有人システム安全・ミッション保証室 室長 白井 達也
               主任研究開発員 高橋 伸宏
               主任研究開発員 山本 紘史
  HTV技術センター センター長 植松 洋彦

5.議事録

【事務局(山之内企画官)】  皆様,今回はお忙しいところお集まりいただき,ありがとうございます。まず,会を始めるに当たって,事務局より御連絡があります。

 山川委員が4月1日付で,JAXAの理事長に就任されましたことから,当小委員会の委員を辞職されております。そのため,宇宙開発利用部会の白石部会長より第一主査代理の渡邊委員に主査の指名を頂いておりますので,その紹介となります。

 では,渡邊委員,よろしくお願いいたします。

【渡邊主査】  御指名を頂きましたので,務めさせていただくことになりました。慣れない役割ですので不手際もあるかと思いますが,御容赦と御協力をお願いしたいと思います。

 それでは早速,小委員会を開催させていただきたいと思います。

最初に,事務的な確認を事務局からお願いします。

【事務局(山之内企画官)】  本日は,全員の委員に御出席いただいておりますので,運営規則に定める定足数の要件を満足しております。よって,本日の会議は成立していることを御報告いたします。

 次に,本日予定しております議題(2)の一部でございますが,ロケットの打上げに係る機微情報が含まれておりますので,運営規則の定めにより,審議及び資料は非公開とさせていただくことになります。委員の先生方並びにプレスを含む一般傍聴者の方には,御理解と御協力を頂きますようお願い申し上げます。

 また,議題(2)のH-ⅡBロケット7号機の打上げに係る安全対策についてでございますが,基本的に6号機と同様に,安全対策計画が立てられていることを事務局にて確認しております。これから行うJAXAの説明では,JAXA内での審査で議論されたことも説明いたしますので,そのことも参考にしていただき,委員の皆様の御視点から評価,検討を頂きたく,よろしくお願い申し上げます。

 最後に,本日の資料についてでございます。本日の資料はお手元の議事次第の4ポツの資料のとおりでございます。資料の過不足等がございしたら,適宜,事務局までお申し付けください。

 事務連絡は以上でございます。


(1)宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)に係る安全対策について


【渡邊主査】  早速,1番目の議題に入りたいと思います。

 宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機に係る安全対策についてです。

 最初に,審議に際しての基本情報として,宇宙ステーション補給機の全般的なこと,それから7号機固有のことを,JAXAから説明していただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

【JAXA(植松)】  より資料31-1-1に基づき説明を行った。

【渡邊主査】  ただいま説明していただいた内容について,御意見とか御質問がありましたら,お願いします。馬嶋委員,どうぞ。

【馬嶋委員】  再突入カプセルについての質問です。これは「はやぶさ」と同じような再突入の構造になっているのでしょうか。

【JAXA(植松)】  原理は似ておりますけれども,「はやぶさ」に比べると非常に大型で,「はやぶさ」は恐らくこれぐらいの大きさだと思うんですけれども,今回の小型回収カプセルは大体直径が90cm,高さ90cmというもので,中に入る容量が最大20Lという非常に大きなものになっておりまして,特徴的なのは保冷ができます。つまり,タンパク質実験試料のような,非常に温度に感度が高いようなものについても,温度を一定温度に保ったまま回収することができるという特徴的なものになっております。

【馬嶋委員】  再突入時のHTVに入れる重さは,そのときによって違うと思うのですけれども,大体平均してどのぐらいになりますか。

【JAXA(植松)】  その号機ごとに違いますが,大体宇宙ステーションから出るごみも相当出ますので,大体4tonぐらいのものを捨てることになります。今回も恐らく4ton強になると思います。

【渡邊主査】  ほかによろしいですか。

 それでは,具体的な審議に入りたいと思います。

 最初にHTV7号機の接近・係留・離脱フェーズに係る安全について,JAXAから説明をお願いします。

【JAXA(白井)】  より資料30-1-2に基づき説明を行った。

【渡邊主査】  説明どうもありがとうございました。

 御意見,御質問あれば,お願いします。木村委員,どうぞ。

【木村委員】  小型回収カプセルについて教えてください。これは回収されるときに本体から放出されるものでしょうか,それとも,本体と一体としてリエントリするものでしょうか。

【JAXA(白井)】  本体から切り離します。

【木村委員】  能動的に切り離されるのですか。

【JAXA(白井)】  そうです。

【木村委員】  切り離される機構自体の信頼性だとか,ISS近傍などで意図せず放出されるということはないという確認はされていますか。

【JAXA(白井)】  分離機構を持っていまして,その分離機構は,安全上2FT相当の対策で誤分離しないということは確認してございます。

【JAXA(高橋)】  少し補足させていただきますと,前回の調査・安全小委員会で,小型回収カプセルの安全について審議していただいています。その中で分離機構が適切に動作するというところを確認しておりまして,その結果も含めてHTVとしては,トータルとして小型衛星は不意に分離しないということを確認してございます。

【木村委員】  なるほど,分かりました。前回で既に確認されているということですね。

【JAXA(白井)】  そうです。

【木村委員】  はい。分かりました。

【渡邊主査】  ほかにございませんか。どうぞ。

【野口委員】  質問の前提の確認です。この再突入の審議は次の資料で行うのですよね。

【JAXA(白井)】  はい,そうです。

【野口委員】  どうもありがとうございました。基本的なことを幾つかお聞きしておきたいと思います。1号機を打上げたのは何年でしたか。

【JAXA(植松)】  2009年です。

【野口委員】  今から9年ぐらい前ですね。お聞きしたいは,9年経っているので,いろんな安全評価の手法とかは進化していると思っていて,審査を変更点について重点的にやるのはそれでいいと思っているのですけれども,JAXA自体からすると,新しい評価手法で,7号機を評価すると,1号機のときには見えなかったものが同じところでも見えてくることはないですか。

【JAXA(白井)】  それは,変更点だけをやっているわけではありませんので,各審査において変更点の確認もあるが,それを含めて全体としてハザードレポートが有効であるかという確認は行っております。

【野口委員】  質問の意図としては,心配しているのは今まで大丈夫だったことが今度も大丈夫という前提で審査しているのではないかと言うことです。そこには,二つ問題があって,一つは安全性の評価手法等が進んでくると,今まで大丈夫だと思っていたものに対し新たな問題が見えてくるところがあります。その点に関する報告が特にないので,安全性評価自体はこれだけ進化しているのだけれども,その視点で見直しても大丈夫だというものがあれば,そのことも報告していただきたいのが1点です。

 2点目は,これはこの小委員会で評価することがふさわしいかどうかもあるのですけれども,同じものを何回か打上げていると,全部成功するとは限りません。その点の安全性問題をどう見るかというのが,この小委員会でも考えなくてはいけないし,審査の問題でもあると感じています。それを安全性の問題でチェックする場合,品質保証の面でチェックするのかという話があるけれども,ちょっとやはりそこが気になっているところです。

 あと,リスク評価はやっていらっしゃるのでしょうか。

【JAXA(白井)】  はい。リスク評価と申しますか,この安全に関してハザードの解析等を行っています。

【野口委員】  ハザードの解析及び対策が十分かどうかという検証によって,大丈夫だということを確認したというやり方自体も,普通打上げるまでは確認はできないので,その確認をしたというには何らかの信頼性が十分だということを評価するか,リスクは十分に小さいことを評価したという意味だと思っていますので,そういう意味でリスク評価というのはやっているのでしょうか。

【JAXA(白井)】  そういう意味では,ここは安全ですけれども,各号機においていろんな設計審査なり,中間の審査なり,それから打上げ前の確認とか,そういうのはやっておりまして,そこで安全も含めて全体的に品質保証の結果も含めて確認はしていまます。

【野口委員】  質問の意図は理解いただけましたでしょうか。リスクという視点で評価していますかという質問です。何をお聞きしたいかというと,この7号機全体で一番大きなリスク又は残留リスクで一番大きいものはどのように捉えていらっしゃいますかということです。そのときの前提として,そういうリスク評価をしていませんと言われると質問できないので,そういう意味での質問となります。

【JAXA(白井)】  リスクという意味では,このハザードに関して,それが,対策がとれるということはリスクが下がっているということだと思いますので,そこの評価という意味では,そういう評価はしております。

【野口委員】  もちろん,安全性評価でリスクが下がっていることを確認しているのでしょうけれども,その中でも残留リスクの大小ってありますよね。そこで今,JAXAとして一番大きいと思っていらっしゃるリスクは何ですかという質問です。

【JAXA(高橋)】  よろしいですか。資料の20ページのところを御覧ください。

 我々は安全評価をするときにハザードレポートを用いて評価をしています。ここに,被害の度合いのところで,Ⅰ,Ⅱ,Ⅲとあるのですけれども,Ⅰがカタストロフィック,Ⅱがクリティカル,Ⅲがマージナルという形で識別をしてございます。その中でも幾つか微小な大小がありますが,特に一番我々が重視しているのは,HTV-0008,このカタストロフィック,HTVがISSに衝突をするというところですね。ここのところが一番重点的にNASA,JAXAの安全審査のところで議論されて,確認した項目でございます。

【野口委員】  カタストロフィック等の確率って,影響の大きさの評価ですよね。

【JAXA(高橋)】  はい。

【野口委員】  リスクだと当然,そういう発生確率等の可能性と併せてリスク評価しますね。別に記載しなくてもいいと思いますが。

【JAXA(白井)】  発生確率という意味では,その対策のとり方がやっぱり大切になると思います。故障許容対策,それからリスク最小化設計,それから運用制御という順番で行っており,その順番で確かに実施しているということを確認するので,これにより発生頻度を下げているということにはなると思います。

【野口委員】  もしそうやっていらっしゃるのであれば,今,一番大きい残留リスクは何ですかということをお聞きしたいです。

【JAXA(白井)】  残留リスクとしては,定量的にはちょっと言えないのですけれども……

【野口委員】  リスク評価といっても,言葉はいろいろあるので,例えばある一定の基準をクリアしたものをオーケーとしています。だから,それに対してそれ以上のリスクの大小は考えていませんというお答えなら,それはそれで結構です。時々確認しています又は大丈夫ですというお話が出てきたときに,それはどういう意味なんだろうかというのをもう一回確認したいだけで,普通は,このような構造機器はリスクがゼロにならないので,こういうリスクは保有していますという前提の中で,その事故対応とか危機管理に移っていくものです。大丈夫ですという意味がどのように受け取ればいいのかということについて,今お伺いしています。

【JAXA(白井)】  大丈夫ですというのは,先生がおっしゃったとおり,このプロセスに従って,こういうハザード解析をやって,制御をして,先ほどの制御の順番が順番どおりできているかというところまで評価を行い,リスクがそこまで下がっているという確認までは行っておりますが,その後の残留リスクの大きさというのは,現時点では評価していない状況です。

【野口委員】  はい,分かりました。説明については理解しました。

 最後に1点だけ。「こうのとり」をステーションに入れて,「こうのとり」の与圧キャリアの密封性がなくなっている段階で,ステーションでドッキングした後,何か作業をしようとしたときには何か問題はありませんか。

【JAXA(白井)】  与圧キャリアの圧力が下がっているとか,そういうことですか。

【野口委員】  気密性がなくなっているので,中が圧力ゼロになっている場合です。与圧されていない状況でドッキングした場合,特に問題はないでしょうか。

【JAXA(白井)】  それはドッキングした後に,ハッチを開ける前に,まず圧力を測定し,一定の圧力になっていないと,そのハッチは開けないで次のステップに入るようになっています。そのままハッチをすぐに開けるということではございません。

【野口委員】  分かりました。

【JAXA(高橋)】  少し補足させていただきますと,ハッチというのは二つあります。HTV側とそれからISS側の両方にハッチがあり,それぞれの間で圧力が異なりますので,その圧力を合わせてから全体の圧力が基準値内で,その差圧が少なくなった状態で開けますので,そこはそういった形で確認することになります。

【野口委員】  はい,ありがとうございました。例を挙げてお聞きしたのは,お話の中ではこういうことは大丈夫になっているというチェックの仕方だと,いろんなものがもちろん作業はチェックするのは承知しておりますけれども,大丈夫だという前提でやってしまったときの問題点も当然あるよなということで,そういうことへの対応のダブルチェックをさせていただいて,実際,評価は評価として,実際の作業は作業として当然のことながら,そういうチェックを実施していただいているというお返事を頂いたということで了承しました。

【渡邊主査】  古橋委員,どうぞ。

【古橋委員】  御説明ありがとうございました。これまで,6号機まで打上げられてこられる中で,こういった評価をして,それをまた設計,それから製造,運用してということを最近は何度も繰り返されてきていると思うのですけれども,そういった実際の運用の中でもともとの評価をした内容を見た中での評価とその運用の中で比べたときに,新たな問題が生じた,若しくは想定していないような問題が生じた。そういったことを次の号機にどう反映されているのか。そのプロセスについてもう少し詳しくお話しいただけますでしょうか。

【JAXA(白井)】  それは安全も含めてだと思うのですけれども,まずその号機のいろんな反省点についてですが,いろいろな不具合とか,いろいろな問題点をそれはそれで整理して,次の号機に向けてどう反映するかというのは,そういう審査会なり,チェックポイントで確認しています。それを常に号機で繰り返していくということをやってはおります。

【古橋委員】  例えばですけれども,いろんなミッションの中のそのパーツごとに起きた問題というものは,この次の計画の中に反映された中で評価をしていくという作業という,これはしっかり組織として丁寧に繰り返されていると認識してよろしいですか。

【JAXA(白井)】  はい,そうです。そのとおりになっています。

【古橋委員】  例えばですけれども,6号機の中で新たな課題,問題が見つかり,その対策を7号機に反映しており紹介できるようなものがあればお願いします。

【JAXA(高橋)】  では,私の方から。HTV6号機から7号機への変更というのは,何も積極的に変えたものだけになっているのではなくて,運用上の見直しをしたものとかも含めて,変更点を識別してございます。今回,例えば4ページのところに,4番に,ガラスクロステープの変更というものがございます。これは従来号機でも十分に問題はないのですけれども,よりアウトガス量の少ないものに変更するという設計の変更をしてございまして,こういったものも入れて,識別して変更してございます。

【古橋委員】  分かりました。もう1点の質問です。変更したところについて,今後,運用の中で実際にオペレートされる方がたくさんいらっしゃると思うのですけれども,そういった方とのいわゆる認識の共有といいますか,その取扱い上の変更すべき点とか,留意すべき点について徹底する方策というのは何か考えられているのでしょうか。

【JAXA(白井)】  運用に関しては,その運用のシミュレーションとかトレーニングがございまして,その変わったことについてはそこで周知徹底するということがございます。それからそこでの気付き点とか,そういうのがあれば,またそれは次の運用とか,設計にフィードバックするとか,そういう仕組みがあります。

【古橋委員】  分かりました。各部門間での,いわゆる情報といいますか,認識の共有,それから起きたことの共有みたいなものというのは,私も鉄道の中でいろいろ経験してきている中では,必ずしもうまくいっているようでいっていないことが,結構多いと思っていますので,是非その辺は慎重にやっていただくのが望ましいのではないかなと思います。

【JAXA(白井)】  はい。その辺,やはり情報伝達とか情報共有というのは非常に重要だとは思っていまして,それをうまくフィードバックできるようにというのは,JAXAの中でもいろいろ考えていまして,とにかく継続的に改善するようにはしているところです。

【渡邊主査】  ほかにございますか。どうぞ。

【門脇委員】  ちょっと細かいことですけれども,10ページのところの13番で,COM IOS-Nadir系統の削除というのがあって,その主な影響の欄の最後なんですけれども,「本アンテナに対する電磁適合性の評価が不要となった」という記述があるのですけれども,なくなったんだから評価することもできないといえば,それまでで当然と受け取れるのですが,あえてここに書いているというのは,それ以上の何か意味があるのでしょうか。

【JAXA(高橋)】  少々,これは細かな話になりますが,ハザードレポートには対象となる機器とか全て書かれてございます。従来号機に書いてあったアンテナを削除したという変更を行ったという,本当に小さな変更ですけれども,ハザードレポートにはその影響する機器とかが全部書かれているので,今回それを削除したということをここに書いたということでございます。

【門脇委員】  その電磁適合性の評価が不要になったということは,例えば,次のバッテリーを減らしても似たようなことが起こっているのではないかと思うのですけれども,こっちには書いていませんよね,そういう意味では。

【JAXA(高橋)】  はい。バッテリーの方は電力を供給できる量が減りますので,電力解析の見直しを行いまして,その変更をハザードレポートに反映してございます。

【門脇委員】  今,御説明されたのは,13番の2番目の文章か,「ハザードレポートへの影響はない」ということを御説明されたと思いますが,その次の文章の「電磁適合性の評価が不要となった」という,これをわざわざ書かれている意味をお聞きしたいのです。推測するのは,アンテナが1個削除されたということは,構造上の変更が起こったので,それ以外の例えば,ほかのアンテナの視野角の問題とか,そういうものに何か影響があるかもしれないのだけれども,それは起こらないので,そういう抵抗性試験などをやる必要はもうないですよというような意味なのかということを,ちらっと勝手に推測したのですけれども,その手の話ではないのですか。

【JAXA(白井)】  すみません。記載としては,これは余り意味がありません。そういう意味ではなく,アンテナがなくなって,電磁適合性の評価がなくなったわけではなくて,ただ単にこのアンテナを含めた電磁適合性の評価は不要ということで,電磁適合性の評価自体を不要としたわけではないです。

【門脇委員】  要するに,なくなった分に関してはできないのは余りにも当然なので,だけどあえて書いてあるという,そういうことですか。

【JAXA(白井)】  そうですね。それで,ここにあえて書くことが重要といういう意味ではございません。

【門脇委員】  分かりました。特に大きな意味があるわけではないということですね。
 

【渡邊主査】  ほかにございますか。馬嶋委員,どうぞ。

【馬嶋委員】  小型回収カプセルとか新しいところがあって, 6ページのところ,まずこの図の下に「リークパス」と書いてあるのですが,これはどういう意味ですか。

【JAXA(白井)】  これは図のところに,Seal Portion 1,2,3とありますが,ここは実際にシールをするところになっていまして,そこのシールがないとリークするという意味でリークパスということを書いています。

【馬嶋委員】  ちょっと分かり難いのではないでしょうか。ポーションが1,2,3,4とありますが,これがもし制御がなくなったら,ここだけでリークをするわけではないですよね。そこだけでリークするのですか。

【JAXA(白井)】  可能性としてはここが一番大きいと思います。それ以外は金属の構体になってございますので,材料系のシールとしてこのポーションがリークパスになるかと思います。

【馬嶋委員】  ではポイントがもう明らかになっているのですか。危ないところが分かっていて,それを制御しているのですか。

 それから右側に,3番のSeal Portionの4番は,シールは単独というのは分かるのですが,1番と2番のシールは冗長ですという意味がよく分からなかったのです。

【JAXA(高橋)】  こちらの説明をいたします。冗長という意味は,こちらのSeal Portion4のところは,赤い丸が一つだけになっています。これはシールが単系で一つしかない。それ以外の箇所にはシールが二つありまして,二つシールを使っています。安全上のシールは二つ用意して,更にそれぞれのシールが機能することを独立に確認するということが,安全な考え方の基本でございます。

 このSeal Portion 1に関しましてはシールが二つあり,それぞれ個々に試験ができるので,一番これが安全の確認ができております。2番目,3番目に関しましては,シールは二つあるのですけれども,これは独立に試験することはできませんので,一体となった形で確認をしているのです。これについては技術的な評価をして,安全上の確認をしてございます。Seal Portion 4のところは,逆に1個しかございませんので,独立の確認というか,1個の単体の確認になっております。これに対しても技術的な確認を行っていまして,ここのシールの健全性は確認していると,そういった形で4か所それぞれに対してシールの確認をしているという説明でございます。

【馬嶋委員】  冗長であるというのは,片方のシールがなくなっても機能を果たすという意味になるのですか。

【JAXA(高橋)】  そういうことでございます。

【馬嶋委員】  場所が同じですけれども。

【JAXA(高橋)】  いや,これは内側と外側に円の輪がOリングのような形が二つあるということです。内側の輪と外側の輪と,どちらかのシールが機能していれば,シールが保たれることになります。

【馬嶋委員】  分かりましたが,Seal Portion4番は,単独になりますが,問題はないのでしょうか。

【JAXA(高橋)】  はい。ここは単独でもシールは必要と考えて,設計としてはシールを設けました。

【馬嶋委員】  これはもう冗長である必要はないのですか。

【JAXA(高橋)】  ここは場所的に二重のシールをするのは難しい場所でしたので,一つのシールになっております。ただし,このシールの径が小さいシールですので,全体としてはそのシールの大きさからすると,シールの範囲が少ないということもありますので,いろいろそういった技術評価を行った上で,最終的な設計ではここは一重のシールとしてございます。

【馬嶋委員】  分かりました。

 また,与圧の圧力というのは,大体変わるものですか,ずっと同じなものですか。

【JAXA(白井)】  これは,組立ては軌道上の与圧の中で行いますので,HTVがあるハッチの代わりにこの隔壁を取り付けて,カプセルを取り付けるということですので,その時点ではHTV側とISS側の差圧はございません。

 帰還するときに先ほどの二つあるハッチを閉めて,真ん中の廊下のようなところから減圧して,ゼロ気圧にするということで,そこでISS側との差圧が出ますが,既にもうハッチを閉めて人はISSの方に入っておりますので,余り問題にならないという状況です。

【馬嶋委員】  このカプセルの離脱のときに,このシールが何か邪魔をするとかそういうことはないのでしょうか。

【JAXA(白井)】  そこは,特にシールとして悪さをするとかいうことはございません。

【馬嶋委員】  分かりました。

【JAXA(高橋)】  この与圧隔壁の内側のところに,このカプセルが搭載されまして,ここら辺に分離機構があるのですけれども,この与圧隔壁が残ったまま,このカプセルだけが分離していく形になります。よって,HTVの中の与圧状況は変わらずカプセルだけが外側に付いていて,分離していくという形になります。

【渡邊主査】  木村委員,どうぞ。

【木村委員】  先ほどの説明の中で,端末を汎用のPCに変えられたというお話がありました。その評価として,作業時間の遅れを評価されており,それで問題ないという話だったのですが,実際にはその作業手順等が複雑化することによるリスクだとか,あるいは汎用PCというのは非常にいろんな構成要素の集合体なので,それに伴うリスクの評価はいかがでしょうか。

【JAXA(白井)】  このPCの方は,実はNASA側で用意するPCになっていまして,そこにはこのHTVの運用をサポートするソフトウエアがございまして,それでパネルの,先ほど専門のパネルがありましたが,これとほぼ同じ画面がパソコンに出まして,それで運用手順としては今までのコマンドの送信と同じような運用手順になっているかと思います。

【木村委員】  タッチパネルで同様の操作をするというイメージでしょうか。

【JAXA(白井)】  タッチパネルですね。

【木村委員】  分かりました。そうすると,操作自体は……

【JAXA(高橋)】  すみません。タッチパネルじゃなくて,これはパソコンですので,マウスで操作となります。

【木村委員】  いわゆるポインティングデバイスを使う。

【JAXA(高橋)】  はい。ポインティングデバイスを。

【木村委員】  そうすると,結構作業性としては変わってくると思います。

【JAXA(高橋)】  はい。そこら辺のところも含めた上での,一番遅くなる時間というものを考慮してやってございます。また,この端末に関しても,1台で重要な機能を持たせるのは非常に危ないのですが,国際宇宙ステーションの中には同じ端末が複数ございます。その複数の端末が冗長化されておりますので,仮に一つが壊れたとしても,ほかの端末で操作できる。複数壊れたときに,再起動をかけたときにどれぐらいの時間でちゃんと復旧できるかとか,そういった応答性の解析とか,そういったものを含めて考慮した上で20秒というのが遅れとして考慮しなくてはいけない時間。その20秒という時間を,NASAと我々の間で情報をもらい,その結果を元に解析を回して,HTVが20秒間そのコマンドがなかったときにどこまでISSに接近するかという確認をして,その20秒を考慮してもこれまでと同様にHTVは安全なところに退避できるという確認をしてございます。

【木村委員】  分かりました。

【渡邊主査】  ほかにありますか。よろしいでしょうか。

 そうしたら,この点はここまでとしまして,次に,再突入に係る安全評価に対して,JAXAから説明をお願いします。

【JAXA(白井)】  より資料31-1-3に基づき説明を行った。

【渡邊主査】  ありがとうございました。御意見,御質問等ありましたらお願いします。どうぞ。

【野口委員】  二つあります。一つは1号機から6号機までに比べて着水範囲が3分の1ぐらいに狭められているのですけれども,これは技術的に何か大きな改善ポイントがあったのでしょうか。二つ目は,回収カプセルが分離できなくて一体で落ちてきたとき,どういう状況になるのでしょうか。2点についてお伺いします。

【JAXA(植松)】  HTV技術センターの方から御回答させていただきます。

 6号機までで再突入計画の運用自体もかなり習熟しているということと,それから2号機,3号機,4号機で再突入データ取得を行っておりまして,再突入の際の温度,加速度,姿勢とかを計測して,実際に再突入の破壊のメカニズムを実験データとして取得しております。

 そのような取得したデータで,具体的には破壊のメカニズムが当初,そのデータを取る前は,一発破壊だと考えていたものが,実は構造の中で一番弱いところがまず分離して,二つに割れてから落ちていく。それからその分離高度に関しましても,当初の想定はもうちょっと高いところを想定していたのですけれども,実際にはもっと低いところで分離していました。

 それから4号機では,それに加えて再突入する際に,軌道計画で,あえて高度400キロの宇宙ステーションの真下に「こうのとり」が再突入してくるように計画を立てまして,その際に,宇宙ステーションから高感度カメラで再突入の様子を観測する光学観測をいたしまして,我々が想定していた再突入域に,想定されたように落ちていったということを確認しております。そういったデータ,それから光学観測の結果を今回反映して,再突入の解析に充てておりますので,かなり確度が上がってきたと考えております。

【野口委員】  それから,分離しなかった場合はどのようになるでしょうか。

【JAXA(植松)】  分離しなかった場合には基本的には「こうのとり」の一部として再突入してきますので,分離した場合にはきちんと揚力飛行をとって,想定される海域に落ちてくれるのですけれども,分離しなかった場合には揚力飛行ができませんので,その弾道係数のまま,すとんと落ちてくるというような状況になります。

【野口委員】  はい,分かりました。

【渡邊主査】  ほかにございませんか。どうぞ。

【中西委員】  御説明ありがとうございます。2点あります。7ページの点線の下の安全管理体制のところに関してです。7ページの適合性評価の結果のところに,「緊急事態への即応については通常の運用体制で対応可能である」という文言があますが,後ろの4.1項のところにもあるのですけれども,定常時の体制でそのまま対応されるという意味でしょうか。

【JAXA(白井)】  これは,まず運用するに当たっては,通常のHTV及びカプセルの運用チームがありまして,そこで事態の把握とか,それから通報に対してはそこですることができるということです。緊急事態,非常に大きな事故とか,そういったものが発生したということになりますと,それと同時にこの事故対策本部というのができまして,いろいろこの対策本部が更に情報収集をするとか,対策を考えるということになります。まずは事象としては,事象の把握とか一報などは,それはこの運用チームでまずは把握できるかと思いますので,そういう意味で対応可能と書いてございました。

【中西委員】  体制として,同じ体制で行うという意味ですか。

【JAXA(白井)】  そうですね。運用チームはそのまま運用としてございますので,それはそれで普通の運用はありますが,非常に大きな事故とか緊急事態に接した場合は,別途事故対策本部というのができて,そちらで処置をするということになるかと思います。

【中西委員】  分かりました。あともう1点,今,運用,大きな事故の話が出てきたんですけれども,18ページの緊急事故への対応のところですが,これは場合によっては,例えばNASAの運用チームとの連携をとる必要が出てくるケースがあると思うのですけれども,それはここの中には含んでいないというか,書いていないということでしょうか。

【JAXA(白井)】  そうですね。ちょっとこれは国内の,JAXA内の体制ですが,先ほど言った運用チーム,ここはNASAと常に連携はしていますので,この対策本部の指示を受けて,どういったNASAと連携をすればよいかとか,そういうのはその都度対応できるかと思います。

【中西委員】  計画はあるということですか。

【JAXA(白井)】  そうですね。ものによって,そういったNASAと調整するとか,指示に従って,運用単位の中で調整できる体制はあるかと思います。

【中西委員】  分かりました。ありがとうございます。

【渡邊主査】  ほかにございますか。飯田委員,どうぞ。

【飯田委員】  教えていただきたいと思います。前の資料に関することです。与圧隔壁のところでシールをしていますが,HTVはISSから離脱して再突入をさせるときというのは,中に入っているものは,ごみですよね。何で離脱するときに,まだ圧力が必要なのでしょうか。与圧部が必要な理由がどう考えても分からないので教えていただけたらと思います。

【JAXA(植松)】  一つには離脱するときに,「こうのとり」の中に入っているのは基本的にごみですので,ごみの詰まったごみ袋みたいな感じなのですけれども,そこをもし真空にするとしますと,その中の空気が全部出てくるわけです。そうしますと,その空気によって,実は宇宙ステーションの船外実験装置などがございまして,非常にコンタミに対して敏感な機器もありまして,そういったものに対する不用意な空気の噴射とか,そういったものは避けてほしいというのがあります。そこはオプションとして一つあったのですけれども,NASAとの調整の中で,真空にするのはやめてほしいとなり,コンタミを出さずに離脱する運用形態にしております。

【飯田委員】  よく分かりました。ありがとうございました。

【渡邊主査】  馬嶋委員,お願いします。

【馬嶋委員】  中西委員の御質問と関連のある質問となります。今回は初めて若田さんが指揮をするということで,宇宙飛行士であり,国際宇宙ステーションにもおられましたと思いますが,「こうのとり」の打上げには携わっておられなかった思いますので,そのための対応としては訓練で補うということですか。

【JAXA(植松)】  「こうのとり」の打上げ射場作業自体には,余り関わっていなかったのは事実なんですけれども,ただ,キャプコムと言いまして,「こうのとり」の運用をやっているときに,地上で宇宙ステーションの宇宙飛行士とやりとりをするというような作業をやっておりますし,射場にも何回かこられて,クルーの宇宙飛行士としての立場で現物を確認していただくというようなことはやっていましたので,中身は御存じです。

【馬嶋委員】  それで,若田さんが運営管理実施責任者になって指揮をするわけですけれども,18ページを見ると,緊急事態になると本部長は,理事長が責任者になっております。緊急性のある緊迫した状況だと,やはり若田さんが指揮を執るべきではないかと思ったのですがいかがでしょうか。

【JAXA(白井)】  はい。本部長の組織としては理事長になってございますが,当然,現場の主任という意味では,この運用体制,若田理事を中心とした体制がございますので,こちらが主導して,情報収集とか,それから事故対策等を考えることにはなるかと思います。そういった意味ではこの事故対策本部の中に若田理事も含まれることになると思います。

【馬嶋委員】  それは,書かないと分からないですよね。

【JAXA(高橋)】  ここにということですか。

【馬嶋委員】  少し不自然な感じがしました。何かの事故が起こった途端に体制が変更になってしまうという感じが見えるので。

【JAXA(高橋)】  JAXAの中で危機管理の対応について決めてございまして,その中で事故が起きたときの対策本部長としては,理事長が行うとしております。それに従った形でトップは理事長にしているという報告になってございます。そのほかに,本部の中に何人か理事が入り構成されるという想定でございます。

【馬嶋委員】  今までは本部長は理事長以外ではなかったでしたか。

【JAXA(高橋)】  いや,これまでも事故対策本部のときは,理事長をトップとして事故対策本部を立てる体制です。

【馬嶋委員】  そうですか。

【JAXA(高橋)】  はい。

【馬嶋委員】  問題があるとは思っていませんが,実際に初動としては,運営管理実施責任者である若田さんが,指揮を継続された方が良いと思いました。

【JAXA(高橋)】  現場にかかわる指揮は当然,若田理事が実施します。ただ,事故が起きた後はモードが変わりまして,理事長をトップとして組織として対応する体制へ変わるということでございます。

【馬嶋委員】  緊急事態への対応ではないような気もするんですけれども。

【JAXA(高橋)】  ここは緊急というよりは,事故が起きた対策でございます。

【JAXA(白井)】  JAXA全体として対応しなければいけない,そういう事象になったときということになるかと思います。

【馬嶋委員】  それからもう一つよろしいですか。

【渡邊主査】  どうぞ。

【馬嶋委員】  8ページのところに,ノミナル着水予定区域というのがあって,今までは基本は燃え尽きてしまうという御説明だったと記憶しておりましたが,一部でも着水予定区域に着水したことはあるのでしょうか。今回の御説明では,カプセルとHTVの一部が着水するということをお話しされていましたが。

【JAXA(植松)】  これまでの御説明の中でも全てのものが完全に燃え尽きるということはなくて,やはりどうしてもチタン材であるとか,それからスラスター,もともと熱に耐えるように作られているようなものにつきましては,一部やはり燃え尽きずに落ちてくるものもあるというのが,各号機でも説明はしております。
 

【馬嶋委員】  それはどのぐらいの大きさで,どういうものかというのは識別されているのでしょうか。

【JAXA(植松)】  はい。そのものの大きさ,形,材料の材質,そういったものをパラメーターとして入力して,どういった飛行経路で落ちていくかということに基づいて行う溶融解析というものがございまして大体どういったものが残るかというのは識別しております。

【馬嶋委員】  それを実際に確かめるということは難しいのでしょうか。

【JAXA(植松)】  実際に確かめることは,今までは少なくとも「こうのとり」では非常に難しかったのは,やはり南太平洋の何もないところに落ちていましたので,さすがにそれを回収しに行くというのはやっておりませんでした。

【馬嶋委員】  今回は区域が違いますが,どういうものが燃え尽きず落下してくるかを識別していますか。

【JAXA(植松)】  そういった確認も行っております。

【渡邊主査】  よろしいでしょうか。

 それでは,これまでの議論の結果を踏まえて,審議結果の案を取りまとめたいと思います。事務局で案を作っておりますので,説明をお願いします。時間が大変押しておりますので,要領よく簡潔にお願いします。

【事務局(山之内企画官)】  より資料31-1-4に基づき説明を行った。

【渡邊主査】  御意見等ございましたら,お願いします。よろしいでしょうか。

 それではこの案に基づいて,宇宙開発利用部会には私から報告させていただきたいと思います。その際に,従前と同様,調査審議のポイントという資料の書きぶりについてはお任せいただきたいと思いますので,よろしくお願いします。

(「異議なし」という声あり)


【渡邊主査】  よろしいでしょうか。それでは御異議がないようですので,本日の審議結果を私の方から部会に報告するようにいたします。

(2)H-ⅡBロケット7号機打上げに係る安全対策について

  

【渡邊主査】  次の議題に行きます。H-ⅡBの7号機の打上げに係る安全対策についてですが,時間が大変押しておりますし,また,このH-ⅡB7号機は目標軌道も従前のものと全く同じで,類似点が非常に多いと思います。それで,過去の実績のあるところ,同じところは極力省略して,簡潔に説明をお願いいたします。

【JAXA(中野)】  より資料31-2-1,-2,-3に基づき説明を行った。

【渡邊主査】  ありがとうございます。

 御意見,御質問等ございましたら,お願いします。

【飯田委員】  聞き逃したかもしれませんけれども,ガス拡散の通報範囲が広い理由はなぜでしょうか。

【JAXA(中野)】  次の非公開の場で説明をさせていただきたく,お願いいたします。

【渡邊主査】  ほかにございますか。

【門脇委員】  今の最後の方の説明にあった飛行安全用航法センサを積みますということで,代わりに前まで積んでいたセンサを外してという御説明でしたが,今回積む新しい航法センサは,これまで積んでいたセンサの機能を包含しているということなんでしょうか,それとも,全く違う機能になるのでしょうか。

【JAXA(石原)】  宇宙輸送安全計画ユニットのユニット長の石原でございます。
 従前のレーダトランスポンダというのは,役割としてはロケットの位置,速度を計測するというものでございますが,今回,搭載します飛行安全用航法センサも全く同様に位置,速度を計測するということで,機能,性能には問題ございません。

【門脇委員】  それを変えられた理由は,何でしょうか。

【JAXA(石原)】  従前のレーダトランスポンダというのは,地上にレーダ局というのがございまして,そこからレーダ電波を出して,機体のレーダトランスポンダがそれを受信して,地上の方にまた電波を送り返す,その時間差で距離を測って,地上局のアンテナの上下角,方位角で位置を特定するというシステムでございますが,これは地上のレーダ局にものすごい高い精度の上下角,方位角の性能が必要なものでございますし,地上の保守点検,メンテナンスも含めて非常に手間がかかるものです。これを今回の飛行安全用航法センサになりますと,そういったレーダ局が不要になりまして,従前のこの飛行安全用航法センサをテレメトリで送信をして,テレメトリを受信する局だけで済むという,そういうメリットがございまして,このようにさせていただいております。

【門脇委員】  分かりました。

【渡邊主査】  ほかにございますか。

 まだ非公開セッションでこのテーマは続きますので,質問がございましたらそちらでお願いします。

 非公開審議に移りますが,その前に,議題3,その他を先に実施してからにしたいと思います。


(3)その他


【渡邊主査】  事務局よりお願いします。 

【事務局(山之内企画官)】  事務局でございます。

 会議資料と議事録の公開について申し上げます。

 本日の会議資料は後日,文科省のホームページにて掲載させていただきます。それと,議事録については,委員の皆様の御確認を頂いた後に,文科省のホームページに同じように掲載させていただきますので,よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【渡邊主査】  それでは,非公開審議に移りたいと思いますので,プレスの方,及び一般傍聴者の方は御退席をお願いいたします。

 

(プレス及び一般傍聴者 退席)

 

以上


(発言者については敬称略)


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