平成30年1月24日(水曜日) 15時00分~16時30分
文部科学省 15階特別会議室
部会長 白石 隆 臨時委員 芝井 広 臨時委員 髙橋 德行 臨時委員 高薮 縁 臨時委員 永原 裕子 臨時委員 藤井 良一 臨時委員 松尾 亜紀子 臨時委員 横山 広美 臨時委員 吉田 和哉 臨時委員 米本 浩一
研究開発局宇宙開発利用課長 谷 広太 研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 庄崎 未果 研究開発局宇宙開発利用課企画官 山之内 裕哉 (説明者) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 理事 布野 泰広 第一宇宙技術部門 H3プロジェクトチーム/プロジェクトマネージャ 岡田 匡 三菱重工業株式会社防衛・宇宙セグメント宇宙事業部/副事業部長 田村 篤俊
【白石部会長】 それでは,時間になりましたので,宇宙開発利用部会第40回の会合を開催したいと思います。まず,事務局から今日の会議について事務的な確認をお願いいたします。
【事務局(山之内企画官)】 事務局でございます。本日は宇宙開発利用部会に御所属いただいています17名の委員のうち,10名の先生方に御出席いただいております。運営規則に定める定足数の要件を満足しておる状態でございます。よって,本日の会議は成立していることを報告いたします。
次に,本日の資料でございますが,お手元の議事次第の4ポツのとおりお配りしております。過不足等ありましたら,適宜事務局にお申しつけいただければと思います。
また,本日予定しております2件目の議題のH3ロケット詳細設計結果についてでございますが,H3ロケットの国際競争力に係る情報等が含まれておりますので,運営規則の定めにより,当該部分の審議及び議事次第で下線を付している資料の別添につきましては,非公開とさせていただくことを御提案させていただければと思います。
事務連絡及び非公開審議に係る点は以上でございます。
【白石部会長】 どうもありがとうございます。
それでは,今提案がございました議題2の審議と資料の一部は非公開ということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の発言あり)
【白石部会長】 それでは,事務局の提案の通りにさせていただきます。
【白石部会長】 まず最初の議題ですが,平成30年度文部科学省宇宙関係予算案についてでございます。文部科学省における平成30年度の宇宙関係予算案がまとまっておりますので,事務局から報告をお願いします。
【事務局(谷課長)】 より資料40-1に基づき説明を行った。
【白石部会長】 どうもありがとうございます。
御説明の予算案について何か御意見,御質問等ございますでしょうか。どうぞ,芝井委員。
【芝井委員】 御説明ありがとうございました。大変よくわかりました。これは総額が1,540億円で,ここに挙げられているものを足すと,二,三百億円不足するので,多分代表的なもののみを御説明で取り上げていただいたと思うのですが,予算の御説明としては,これ以外として,具体的ではなくてもよいのですけれども,どういう方向に使われているかについての御説明を頂きたいと思いました。
【事務局(谷課長)】 ありがとうございます。
主な事業については資料の通りとなります。気になる事業は網羅されていると思います。ここに入っていないものはJAXAの基盤的な経費等であり,これは設備の維持・更新など,人件費とか間接的な経費などが,結構大きいものとしてございます。それについては定常的な経費ということで,特段御説明させていただいておりません。また,それらの中には,例えば国際関係協力をしていく経費とか,そういったものも含まれております。
若干繰り返しになりますけれども,全体としては前年同でございます。予算的には非常に重要なプロジェクトでありますし,特にH3ロケットを中心に我が国として,国際的に見ても非常に重要な宇宙システムの開発と位置づけられますので,それをしっかり認めていただくべく努力をしたところであります。けれども,財政の厳しいところということをかなり厳しく言われまして,必ずしも実現に至らなかったこともございます。
例えば基盤的な経費のところについても,非常に厳しく査定をされたというような実態がございます。
【芝井委員】 今のに続けて御質問させていただきます。その他としては基盤的・経常的な経費という御説明ですが,主なものを提示していただいて,これはハイライトとしてすごくよくわかりますけれども,主なものが実際に動いていくためには,そのもととなっている技術開発は,この何倍もされているわけです。そのような積み上げの上で,このようなハイライトとしての大きなプロジェクトができるわけですので,決して基盤的な経費というだけではなくて,こういうものを実現するための費用もかなり含まれていると思うのです。だから,基盤的な経費だから減額せよということに対しては,やはり反論していただき,是非維持・発展していただかないと,将来のプロジェクトがしぼんでしまいます。そこは強くそのように思いますので,よろしくお願いします。
以上です。
【白石部会長】 どうぞ,永原委員。
【永原委員】 昨今の新聞におきましても,この宇宙に国が積極的に取り組むということは報道もされているわけですが,その分が上積みになるのならよろしいんですが,結局全体の宇宙予算は増えないままで,ハイライトを増やすために大幅に宇宙科学予算を圧縮しているように見えます。この圧縮の仕方が,またちょっとこれまでの過去数年間ぐらいの経費を考えますと,やはり異常なまでの少なさなわけですけれども,それは確かにH3ロケットや,イプシロン高度化も重要だとかと,個別に理由はあると思いますが,極端に宇宙科学の予算が圧縮された背景を,もう少し御説明いただけないでしょうか。
【事務局(谷課長)】 金額的には,非常に減った形になっていますが,御説明させていただいたとおり,例えばSLIMの予算変動分は,実質的にロケット1機分の効率化した形になっております。そういったところも見かけの数字という意味では,そういう効果も働いていると思っております。他方で,宇宙科学について十分な手当てができたのかということについては,私も非常にこういう形になったこと自体は,不満というか不本意でございます。
他方で,宇宙科学の分野でやるべきこと,例えば人材育成を含めた新たな宇宙科学のプロジェクトの立ち上げという意味では,厳しく査定を受けましたが,どうしても取りたい予算は確保したと思っておりまして,次に,更にそれを伸ばしていけるように,来年度の概算要求においてはしっかり要求してまいりたいと思っております。それについては是非応援をお願いします。
【永原委員】 御説明ありがとうございます。
こういうことも確かにある年,他とのバランスもあるかと思いますので,全体の額をなかなかふやすことが難しい時期では,こういうことがあるのは,確かにやむを得ないことなのかもしれません。ただし,これがずっと続きますと,ものすごい地盤沈下を起こします。これはもう国際競争の非常に激しい中で打撃が大きくなりますので,来年以降の日本の科学のフロンティア予算については,もちろん協力させていただきますので,御努力をお願いしたいと思います。
以上です。
【白石部会長】 ほかにございますか。
どうぞ,藤井委員。
【藤井委員】 今の質疑に関係する質問です。例えばISASですと,ある一定額の予算額の確保を目指しているわけですが,来年度の大体のトータルというのをお知らせいただきたいというのが一つです。それから,今回は昨年度と今年度の予算が出ておりますが,例えばこれは計画全体でどのくらいの予算がかかって,その中のどのくらいが今やっているかという観点でいうと,例えばX線天文衛星代替機は,32年度に打ち上げということで,31年度には準備完了になるのだと思いますが,どのくらいの,これは2年間で45億円となっていますが,総開発費としていて幾らで,現在までに幾ら予算が付いているか。例えばALOSについても,額としては65億円ぐらい1年間でついているわけですが,同様に教えていただきたい。
【事務局(谷課長)】 御質問に対し,二つ申し上げたいと思います。一つは,直接のお答えを申し上げます。まず,ISASの関係については,宇宙科学の予算は,113億円ぐらいの規模になります。これは先ほど申し上げた,例えばSLIMの効率化部分とかが非常に大きく効いているわけです。これは従来から一定額ということで,御議論いただいた中でいえば,非常に厳しい数字でございます。
それは永原先生からも御指摘いただき,永原先生は明示的には金額のことを御質問されませんでしたけれども,それを踏まえての御指摘だと理解してございます。それは非常に厳しい環境にある状況を迎えており,そういう局面にあるということは理解しています。
次に,総開発費のうちどのぐらい進捗しているのかということでいいますと,手元に詳しい資料がなく大変恐縮ですが,もう後年度負担が非常に苦しい状況が毎年続いておりまして,これはもう同じ状況がまた続くということでございます。
二つ目になりますけれども,結局前年同でやりなさいということで,緊縮財政を続けておりますが,このまま続けば,今の後年度負担というのは処理し切れないと非常に危機感を持っております。そういう意味で,やはりここはデフレ脱却ということで,大きく財政出動に舵を切っていくような方向にならないかと思っております。委員の先生方にも影響力の大きな先生方がたくさんいらっしゃいますので,全体が大きく伸びていくような方向性を,是非作っていただければ有り難いと思っております。
【藤井委員】 どうもありがとうございます。
そういう観点でいうと,補正予算のつけ方に偏りがあります。1の方は非常に多くて,2の方は入っていません。これは恐らく文科省側で項目が決められるわけではないのかもしれませんが。1の方はもともと昨年度より増えていて,かつ補正が付いています。2の方は,比較的減少して補正が付いていないことについて何か理由があるのでしょうか。
【事務局(谷課長)】 補正予算自身は施設整備費であるとか,補助金などにつけるということが基本的なルールとしてあります。宇宙科学のプロジェクトに補正予算をつけるというのは,そもそもなじまないというところはございます。ただし,全体を確保していくためには,補正予算についても活用するということを考えないといけないと思っております。全体を御覧いただいてわかりますように,1の方は,実は去年も補正予算がついております。当初予算と,それから補正予算と合わせて,千八百数十億円ぐらいの規模を維持してきています。
【白石部会長】 どうもありがとうございました。
ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。
厳しい状況は非常によくわかっております。その中でお互い努力するしかないと思いますので,来年度の予算要求についてもよろしくお願いします。
【白石部会長】 次の(2)の議題は一部非公開になりますので,3番目の議題,その他の方からやりたいと思います。ISEF2の準備状況について,事務局からお願いします。
【事務局(庄崎室長)】 より参考-1に基づき説明を行った。
【白石部会長】 これにつきまして何か御質問,御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは,次の議題に移る前に事務局から連絡事項がございましたらお願いします。
【事務局(山之内企画官)】 事務局でございます。
会議資料と議事録の公開について申し上げます。本部会の運営規則に基づきまして,本日の会議資料は非公開資料を除き公開となります。後日,文科省のホームページに掲載させていただく予定でございます。また,議事録についても非公開審議を除き公開になりますので,委員の皆様に御確認いただいた後,文科省のホームページに掲載させていただきますので,御協力よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【白石部会長】 どうもありがとうございます。
【白石部会長】 次の議題(2)に移ります。H3ロケット詳細設計結果についてでございます。これについてはJAXAから報告をお願いいたします。
【JAXA(布野理事)】 JAXAの布野でございます。
H3ロケットに関しましては,一昨年の4月に基本設計審査を終了いたしまして,その後詳細設計を続けてまいりました。その結果,昨年の12月にJAXA内におきまして詳細設計審査を実施しました。本日はその結果についてプロマネより御報告します。
【JAXA(岡田)】 より資料40-2-1に基づき報告を行った。
【白石部会長】 どうもありがとうございます。非公開の資料についても,続けて説明を頂くようにいたしますので,これから後の議論は非公開で行いたいと思います。プレスの方,それから,一般傍聴の方は御退席をお願いしたいと思います。
(傍聴者・報道関係者 退室)
以上
(説明者については敬称略)
研究開発局宇宙開発利用課