宇宙開発利用部会(第80回) 議事録

1.日時

令和5年12月12日(火曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 宇宙基本計画(契約制度の見直し)への対応状況について
  2. イプシロンSロケットの開発状況について
  3. 令和5年度補正予算における文部科学省宇宙関係予算について
  4. 内閣府宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)により実施する文科省の戦略プロジェクトの進捗報告・評価について

4.出席者

委員

部会長 村山 裕三
臨時委員 秋山 文野
臨時委員 笠原 次郎
臨時委員 金井 宣茂
臨時委員 木村 真一
臨時委員 芝井 広
臨時委員 白井 恭一
臨時委員 鈴木 健吾
臨時委員 高橋 徳行
臨時委員 松岡 彩子
臨時委員 山崎 直子
臨時委員 山室 真澄
臨時委員 米澤 千夏

文部科学省

研究開発局長 千原 由幸
大臣官房審議官 永井 雅規
研究開発局宇宙開発利用課課長 上田 光幸
研究開発局宇宙開発利用課企画官 竹上 直也
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室室長 鈴木 優香
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 上田 尚之
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 木元 健一 
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 池田 宗太郎
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 橋本 郁也

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事 石井 康夫
 理事 布野 泰広
 経営企画部長 川崎 一義
 宇宙輸送技術部門イプシロンロケットプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 井元 隆行
 宇宙科学研究所宇宙機応用工学研究系准教授 冨木 淳史
 第一宇宙技術部門技術試験衛星9号機プロジェクト プロジェクトマネージャ 深津 敦

5.議事録

【村山部会長】 それでは定刻になりましたので、第80回の宇宙開発利用部会を開催いたします。今回も前回同様、オンラインでの開催となっております。委員の皆様にはご多忙のところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。まずは事務局から本日の会議に関する事務連絡をお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 事務局の宇宙開発利用課の竹上です。本日、宇宙開発利用部会の16名の委員のうち13名にご出席いただく予定としております。次に、本日の資料ですが議事次第に記載の通りです。オンライン状況について音声が繋がらないなどの問題がございましたら、事務局へメール、電話などでご連絡ください。事務局からは以上です。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。本日の議題は4件全て報告事項となっております。それでは早速議題に入りたいと思います。最初の議題ですが、宇宙基本計画、契約制度見直しへの対応状況についてです。本年6月に閣議決定された宇宙基本計画の改訂版において、JAXAによるプロジェクトの実施に関して、民間事業者にとっての事業性、成長性を確保できるような契約制度の見直しを行うことが明記されています。本日の報告はこれに応えるべく実施されているJAXAの検討についての中間報告となりますので、委員の皆様からご意見ご質問をいただき、JAXAの今後の検討に生かしていただきたいと考えております。それではJAXA石井理事、資料のご説明をお願いいたします。
 
【石井理事(JAXA)】 それでは私石井の方からご説明させていただきます。今ご紹介いただきました通りの位置づけでございますが、資料おめくりいただきまして2ページに背景・経緯を書いてございます。一つ目のポツのところには今、部会長にご紹介いただいたことが書かれております。今年の7月からJAXA内で組織横断的に本件の検討を開始しております。契約に関わるということではございますけれども、プロジェクトの実態やプロジェクトマネジメントの規程をもってその実行をウォッチしておりますチーフエンジニア室、こういったところを関連部署として参画をさせて、組織横断的に検討を開始しております。
本日は中間報告ということで、本年度末までに最終報告を目指しておりますけれども、今日は中間ということで報告をさせていただきます。宇宙基本計画にどういった記載があるかをページの下、参考ということで抜粋をさせていただいております。この文章のところに取り組むべき課題が明確になるように、丸1、丸2からずっと番号を付してございまして、丸6まで6項目識別をしております。まず丸1番がフロントローディングの強化、二つ目が、開発リスクの段階に応じた契約による官民の開発リスク分担の必要な見直し、丸3プロジェクトの進捗に応じた支払い手法の検討、丸4著しい物価為替変動への対応を継続的に実施、丸5防衛産業における取り組みを参考にJAXAから衛星開発プロジェクト等を受託する民間事業者の適正な利益を確保する政策を講じる、丸6調達契約に関し、対しての民間事業者とのコミュニケーションの充実を図る、こういった6項目を識別しております。
その6項目に関連した検討を進めます上で、プロジェクトの実態調査を進めております。内容としましては下に書いておりますが、民間事業者にとっての事業性、成立性、成長性の確保への影響要因の分析、それからフロントローディング強化に向けた情報の収集、こういったところを観点としまして、民間企業、さらにJAXA側のプロジェクトチーム、両方の実態調査、それから分析を開始しているという状況でございます。真ん中に線表、スケジュール的なものをお示ししておりますけれども、現在は実態調査と評価分析が終わりまして、フロントローディング強化の対策の検討等を行っている状況ということでございます。
次のページお願いいたします。実態調査を踏まえまして今後さらにその対策検討を具体化していくという状況でございますけれども、現在の分析の状況ということを少しまとめましたので、ご説明いたします。現在分析継続中でございますけれども、以下を検討の視点として識別をしております。まず一つ目の矢羽根でございますが、プロジェクト化の前段階で投資する人的・資金的リソースが十分でないため、結果としてフロントローディング不足となり、プロジェクト実行段階で適正な利益確保に影響しているのではないかという観点、この観点からいかにフロントローディングを充実しつつ進めていくかということが課題になると思っています。二つ目がシステム開発企業を選定する応札における、低価格重視環境が適正な利益確保に影響しているのではないかという観点。例えば低価格応札などが行われた場合にそれをどう扱うかというところも再考が必要ではないかということを考えております。三つ目、上記二つと関連しまして、プロジェクト実行段階において、原則として請負開発とする方針が影響しているのではないか、という観点でございます。こちらにつきましては、後ほど、この原則はどうして導入されたかご説明したいと思いますけれども、取り組むべき観点としてこの柔軟な契約類型の採用というのを推進することが必要ではないかということを考えております。上記の分析も踏まえまして、その前段階にありますミッション定義段階およびプロジェクト準備段階における課題識別と分析を進めまして、総合的な対策を継続検討していく予定でございます。
次のページは、今申し上げましたような分析をどういったファクトから出したかというところを参考までに掲げております。次のページをお願いします。5ページです。これは参考としましてサマライズしたファクトでございますので、読み上げは割愛いたしますけれども、やはりフロントローディング不足の状況という観点についてファクトがいくつか識別されておりますし、応札への影響という観点でも課題が見られるというところをご紹介しております。その下の四角には宇宙基本計画の契約制度の見直しの取り組みとの整理というか紐づけのようなものをご参考までにお示ししております。

次のページをお願いいたします。契約制度の見直しへの対応状況ということでございますが、まずフロントローディングの強化および請負契約適用に関わる原則の見直しということに取り組んでおります。先ほど開発段階では原則として請負というふうにするというお話をしましたが、これはJAXAでプロジェクト業務改革というのを行ったことに由来しております。これ米印の2(※2)が振ってございまして、下に説明が書いてあります。このプロジェクト業務改革というのは、2017年5月のX線天文衛星ひとみ・ASTRO-Hの運用異常、残念ながら設計のときの情報が運用におけるコマンド作成においてうまく引き継がれなかったということで、衛星の運用時に衛星を壊してしまうような運用をしてしまったというものでございますが、この際に企業側とJAXA側の責任分担に不明確なところがあったのではないかということに基づきまして、本格的に開発を契約する場合には企業側の責任を明確化するという意味で、原則請負とするという方針が得られました。それ以降進めてきたわけですけれども、本文の方に戻りますけれども、この考え方はプロジェクト実行段階に入る前までに企業の責任において実施を請け負うことができるレベルまで技術リスクを低減するということが基本的な方針でございました。そういうふうに技術リスクを低減した上で、プロジェクト実行段階においてシステム開発は請負契約で行う考え方でございました。二つ目のポツのところに今行っております。一方でこういう原則で考えてまいりましたけれども、開発難易度やリスクが高いものにおいては、事前の技術的リスク低減が十分ではなかった場合において当初企業が予想しきれなかったリスク、追加費用が発生した場合に、企業側がこれを負担せざるを得ない状況に対応するということが起こったと。これを防ぐといいますか、改善するためにこの原則を見直すという方針、これにつきましてはJAXA内で既に決定をいたしました。具体的にはシステム開発企業の共通理解を得ながら、フロントローディングの強化を含む技術リスクの低減に係る検討と並行し、請負契約を適用する条件や適用するフェーズに見直しの検討を進めているところでございます。検討結果を踏まえまして年度内を目途に機構プロジェクト実施における、契約の基本的な方針、こういった文章がございますので、こういった文書の改定をするということを行う予定でございます。方針としてはもうこの原則見直しは決定をして、対応している状況でございます。

7ページ目、次のページに参ります。このページは契約制度と各プロジェクトのフェーズの対応というのをわかりやすくお示ししたものなんですけれども、下の絵に書いてあります通りプロジェクトの概念検討・概念設計、こちらでまずは計画の詳細化を行うわけですけれども、プロジェクト実行段階の基本設計、こちらからは、基本的には大規模な試作試験とかが始まりますので、この段階で受託システム企業を1社選定するというプロセスになります。現状はこの赤矢印下に書いてありますけれども、原則として請負契約というふうにしておったものでございます。繰り返しになりますけれども、この企業を選ぶ段階で十分なリスク低減が行えない場合に、後段で企業側の負担が増えざるを得ない状況が発生する可能性があるということで、これは企業との対話を重ねまして、そのフェーズに応じて、まずその対象とするシステムのリスクに応じて、契約の形態を検討して進めていくということを考えております。
次8ページに参りまして、契約制度見直しへの対応の状況でございますが、著しい物価、為替変動への対応というのが、これはもう宇宙基本計画にも明確に書かれているところでございますけれども、昨年度からJAXAではこの部材高騰による企業負担に関し、どういう対応ができるかということを調査検討しまして、公共工事におけるスライド条項というのがございます。こちらは部材高騰による価格変動のうち契約金額の1%を超える部分については、JAXAが負担するというものでございまして、このルールを適用いたしまして、JAXA側で価格変動の大きい分は負担するということを既に始め、かつ継続をしている状況でございます。また今後ですけれども、新規の衛星開発プロジェクトへの企業努力の及ばない将来のコスト上昇リスクを吸収する新たな措置として、防衛産業の取り組み参考に、コスト変動調整率の導入に向けて、概算要求を実施しております。来年度は新しいプロジェクトについては概算要求にも反映していただいている状況でございますが、既存のプロジェクト、既にスタートしているプロジェクトについての対応について、その他案件の対応については継続検討中でございます。それからその下でございますけども、民間事業者の適正利益を確保する施策としまして、防衛産業の取り組みを参考に宇宙産業における民間事業者の適正な利益確保に資する施策の検討をしておりまして、メーカーの意見も聴取しながら、実現性実効性公平性などを考慮しつつ進め、具体的にしていくためには外部の有識者の御意見をいただくということで、委員会のようなものを持って具体化をしていきたいというふうに考えております。
次のページ9ページは今触れました、その防衛産業の取り組みというもので、防衛装備庁の資料をお示ししております。利益率を高めにするとか、コスト変動調整率というもの、将来のコスト変動を見越して契約履行時に上乗せを行うというようなもの、こういうものを参考にさせていただくということでございます。
10ページに参りまして、契約制度の見直しへの対応状況でございますけれども、契約の性質に見合った契約条件・支払条件の検討ということで、これにつきましては、まず一つ目としまして、技術的リスク低減の状況に応じまして請負契約を適用するフェーズの検討をするというのは既にお話ししましたけれども、その契約の性質に合った契約条件・支払い条件というのも、セットで検討したいと思っております。そのうち支払い条件につきましては、前払い・中間払いを組み合わせる他に、必要が認められる場合のマイルストーン払い、これは事前にある段階で何かを達成した場合にはいくらお支払いするというような、事前の合意をしておくというやり方でございますけれども、こういうことも取り入れたいというふうに考えております。そのために各プロジェクトの調達計画の立案におきましては、企業との調達面での対話を十分に行う必要があるというふうに考えております。これを“調達面のフロントローディング”と呼ばせていただきまして、こういったものを推進するということで着手しております。
その下はJAXAの調達制度等の企業への丁寧な説明というのも、宇宙基本計画に明記されておりますけれども、より高い予見性を持って競争に参加いただけるように、JAXAの調達制度について企業に丁寧に説明する取り組みの検討に着手しておりまして、標準的な説明資料を準備し、JAXA公開ホームページに掲載するなどの取り組みについても検討を進めているところでございます。
最後11ページに参りまして今後の予定ですけれども、民間事業者の意見を取り込みながら、2023年度末までを目途に検討を進めます。必要に応じまして関連するJAXA内の規定類等の改定をいたします。更なる検討等、取り組みの結果につきましては、来年度の宇宙開発利用部会でも御報告させていただく予定でございます。ご説明以上でございます。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございました。それではただいまのご説明に対してご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。挙手をお願いいたします。もう既に上がっております。まず鈴木委員お願いいたします。
 
【鈴木委員】 鈴木でございます。ページ8でご案内いただいた「2022年度からJAXAでは近年の部材高騰による企業負担に対し、」っていうところですけれども、具体的にはこの1.0%を超える部分というのがどういった金額のものが何件ぐらい生じているものなのかみたいなものを少し伺いたいと存じます。あともう一つあわせてお伺いしたいのが、こういった世界事情とかがいろんな形で変わることによって部材が高騰するだけならいいですけど入ってこないみたいな形で、納期に間に合う納品ができないみたいな懸念も感じています。そのあたりに対してはどのような件数で発生していて、どのように対応されているかについて教えていただけますでしょうか。
 
【石井理事(JAXA)】 ご質問ありがとうございます。まず手元に詳細なデータがございませんし、かつ契約内容に関わるお話になりますので、詳細はご勘弁いただきたいですけれども、22年度から対応させていただいていまして、かなり大きな金額、当然億を超える金額の対応が生じております。基本的には衛星とプロジェクト等でございますので宇宙関係のプロジェクトということでご理解いただきたいと思いますけれども、かなりの金額の高騰が生じているということでございます。それから半導体不足が世界的に生じておりまして、具体的なプロジェクト名は控えさせていただきますけれども、やはりアメリカ等からの部品の供給が滞るという関係で、スケジュールに影響が出ているものがあります。
ただプロジェクトの進捗はいろいろな試験とか製造がございますので、その順番をやりくりするというようなことも含めてインパクトを最小化するというのをそれぞれのプロジェクトで対応しているというところでございます。
 
【鈴木委員】 ありがとうございます。まさに金額として大きなものであれば予算とかも大きめに組まなければいけないのかなというところを心配しての質問でありました。あとはご回答いただいた中で、プロジェクトの中で工夫して対応できるものに関しては現状のものにも対応されているということで、今回の契約制度の見直しを通じてこういった受発注みたいなものが、よりフレキシブルにスムーズに行われることによってプロジェクトが効率的に推進することを願っています。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。続きまして、白井委員お願いいたします。
 
【白井委員】 興味深いご説明でした、ありがとうございました。三つ質問があります。
今回の検討のバックグラウンドとなった問題点をうかがうと請負契約方式の見直しが方向性として考えられているということでした。素直に考えるとFFP(ファーム・フィクスド・プライス)方式の改定・見直しということが選択肢に挙がりそうな気がするのですが、そちらではなくて請負契約の見直しに目が向いている、その辺の検討のプロセス、また、FFPを見直すという発想がなかったのかどうかについて教えていただきたいと、これが一つ目です。
二つ目は請負契約を見直すということ、これは方向性としては非常に納得感がありますけれども、その先どう考えているかというのが今のところはまだ示されていないようです。多分来年3月までの最終のときに何らかの具体的な方向性がお示しいただけるものと思いますが、請負契約に準委任契約的な要素を入れていこうというような感覚で検討が進んでいるというふうに考えてよろしいのか、これが二つ目です。
三つ目は違う観点で、冒頭の方でフロントローディングの強化のお話しがありました。これはおっしゃる通りだなと思うのですが、同時に今日の四つ目でしたか、プロジェクトのところの説明にもあるように今開発のスピードアップが要請されている中で、フロントローディングの強化が開発スピードとトレードオフになってしまうのではないかっていう懸念があります。その辺についていかがお考えでしょうか。以上3点、よろしくお願い申し上げます。以上です。
 
【石井理事(JAXA)】 ご質問ありがとうございます。まず基本的にはその契約の形は企業との対話の中で合意していく道を探していくものだと考えております。それで、FFPを見直すという選択肢はなかったのかというお話ですけれども、企業側からは例えばその今防衛産業で行われているようなコスト変動調整率という、先に少し変動しても大丈夫なリスク資金的なお金を積んでの契約をするという方式を望まれていますので、方向性としてはFFPでの見積条件を変えていくというような方向を志向されているというふうに理解しております。
二つ目に、契約の方式にあまり明確に結論がついていないので、何かやり方を工夫するということを考えているかというご質問がありましたけれども、基本的にはそんなに大きな変更ということをやるというよりは、リスクの高いプロジェクトに対しては、そのリスクを吸収する余地を残した契約形態を選考する。つまり請負ではなくて研究開発契約というような形態をとるということを考えております。
実態を申し上げますと、開発要素がもちろんあるにせよ、請負でやらせてもらった方がいいというふうに企業が希望するという状況は実は多くあります。やはり先を見越すことの非常に難しい科学衛星・探査衛星に企業側に対する負担が生じている状況が見て取れます。そういうものに対してどうやって対応していくかということがポイントであるというふうに考えております。やはりチャレンジングなものにはJAXA側がよりリスクを取って、進めていくということが求められているのだと考えております。
今のお話は、三つ目の質問のスピードというお話と関係するところでございまして、開発要素少なく例えば小型の衛星ですぐに打ち上げてしまうというようなアプローチをする場合は、フロントローディングは必要ございませんし、当然スピードを上げて対応していくというやり方、より企業側に責任を与えるというフレームワークでやっていくのではないかと考えますが、先ほど説明しましたような難しいもの、リスクが高そうなものをちゃんと識別してJAXA側でリスクが負えるような仕組みということで対応していくということが求められております。そういった難しいものというのはフロントローディングをしていかないと、JAXAがいかにリスクをとるといっても後段のコストオーバーランの要因の可能性を低くすることが難しくなりますので、そういうケースではやはりフロントローディングをしっかりと行って対応していくということが、最終的には遅くもならず、コストも抑えられて、適切な開発ができるというふうに考えております。
 
【白井委員】 ありがとうございました。質問ではなくてコメントなのですが、請負契約は企業側から見るとリスクは少ない、あるいは、比較的受け入れやすい状況であることはよくわかるのですが、一方で、請負契約ですと技術のブレークスルーとかイノベーションとかっていうものに対して、ブレーキ的な役割を果たしてしまう側面があるのではないかという感覚が個人的にはあります。その辺のところもぜひ今後あと数ヶ月間ご検討の中では皆さんでご検討いただければと思う次第です。よろしくお願いいたします。
 
【石井理事(JAXA)】 ありがとうございます。いろんなケースがあるのですけれども、ご心配のような点もあるかもしれませんが、私の承知している範囲では企業が請負でやりたいと言った場合には逆に企業側が自分のところでその先行投資して研究開発したような要素を盛り込みたいというような提案をしてくる場合もございます。これは非常に良い方向だと思っておりますので、いろんなケースございますので今白井先生おっしゃったようなことのないように対応してまいりたいと思っております。
 
【白井委員】 ありがとうございます。方向性としては非常に賛同、納得感のあるものですのでぜひよろしくお願いいたします。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。私の方から一点失礼します。私実は防衛調達の方が専門でもあるので、1点だけコメントしますが、基本的な契約の方向性はいいと思うんですけれども、引っかかるのは適正利潤の確保というところです。ここで防衛省のやり方を参考にするということですが、実は防衛と宇宙とは環境が違いまして、防衛の場合はどんどん企業が撤退している状態です。それを食い止めるために利益率を上乗せして、より魅力的にするということをやっているわけですよね。しかし宇宙はこれから成長していく産業で新規参入もこれからどんどん入れていかなきゃならないので、ただ単に利益率を上乗せするのは抵抗があります。これをやると、国際競争力がそがれます。価格競争力がなくなります。そういう点がありますし、それからその新規参入の企業にとっては、コストを開示したりすることにかなり抵抗がある部分も出てくると思うので、このままその防衛の部分を宇宙に当てはめるじゃなくて、もう少し工夫をしないとまずいと思うんですけれどもそのあたりはいかがでしょうか。
 
【石井理事(JAXA)】 ありがとうございます。まず新規の参入者に対しては丁寧に説明をして、かつコミュニケーションをとるということは非常に重要だと思っております。その一方で現在主要な、従来から衛星開発に取り組んでくれている企業等で赤字がだいぶ大きく発生したという話も聞いておりますので、そういった企業が防衛産業で生じたような、撤退騒ぎにならないかと言うことを我々としては懸念をしております。そういう意味でも防衛省、防衛装備庁の取り組みというのを参考にしないといけないのではないかというふうに考えている状況でございます。もちろん価格競争力、防衛産業との違いという意味で、そういう意味では宇宙関係は一品ものの開発がかなり多いということで、残念ながらその世界に今たくさん売れているという状況にはまだなっておりません。今後そういった状況を実現するためにはどういうことをやらなきゃいけないのかっていうのは、この契約だけではなくて総合的にいろいろ取り組まねばならないのではないかというふうに考えているところでございます。説明になっているかどうか自信ないですが、ご指摘ありがとうございます。
 
【村山部会長】 そういう視点も入れていただければと思います。時間の制約もありますので次の議題に進めさせていただきます。
二つ目の議題はイプシロンSロケットの開発状況についてです。イプシロンロケット6号機の打上げ失敗については本年5月に原因究明結果の報告書が取りまとめられました。それ以降進められてきた対策の設計への反映検討の結果を本日ご報告いただきます。また、7月に発生した能代における2段モータ爆発事故の原因調査状況については、これまで調査・安全小委員会においてJAXAから報告をいただいておりますが、本日は本部会にて最新の調査状況をあわせて報告いただきます。それではJAXA布野理事、イプシロンSロケットプロジェクトの井元プロジェクトマネージャ、説明をお願いいたします。
 
【布野理事(JAXA)】 JAXAの布野でございます。本日は今ご紹介ありました通り、イプシロンSロケット開発状況といたしまして、イプシロンロケット6号機打上げ失敗の原因となりました2段RCSタンクの直接対策および背後要因対策および本年7月に発生しました、2段モータ地上燃焼試験での異常燃焼の原因究明および対応につきまして、ご報告させていただきます。説明は、イプシロンプロマネの井元からさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 イプシロンロケットプロジェクトチームの井元でございます。資料に基づいて説明いたします。右下まず2ページになりますけども一番下のところ、本日の説明状況は先ほどご説明いただいた通りになりますので割愛いたします。右下3ページ目、まず6号機の失敗に関しての経緯になります。一つ目のポツにつきましては説明割愛させていただきまして二つ目のところですけども、原因究明のところです。まずこの直接原因といたしましては、2段RCSのダイアフラム式タンクにおけるダイアフラムシール部からの漏えいと特定しております。詳細なメカニズムも10ページでご説明いたします。背後要因につきましてはフライト実績に対する確認不足というふうに識別しております。
次4ページお願いいたします。まず失敗のメカニズムになりますけどもイプシロンロケットの2段のRCSガスジェット装置になりますけども、こちらの2系統ありまして、その2系統のうち1系統のタンクの中で、ダイアフラムがリング間隙間に噛み込んで、その後の溶接工程で損傷したというものがまず挙げられます。その後推進薬充填するのですけども、このヒドラジンの影響によりましてシールの潰し率が低下して、推進薬が液側からガス側に漏えいして、ダイアフラムが液ポートに覆いかぶさるという状況。その状態でフライトさせたところそのフライト中のパイロ弁の開動作時にダイアフラムが液ポートに入り込んで閉塞して、RCSの機能が喪失した、というものが判明したメカニズムになります。
5ページに移っていただきまして、こういったそのメカニズム・原因をもとに対策を検討いたしました。まずその現タンクの設計変更案と、H2Aタンクの活用案のトレードオフを行いました。結論から言いますと、打ち上げ能力への影響とか、射場運用性等の観点から現タンクの設計変更案を選定しております。この現タンクの設計変更案に対しましては同等の信頼性が確認できるということを後ほどご説明いたします。左の図にこのイプシロンSのRCSの概要を示しておりまして、強化型、6号機まではタンクが二つあったところを、信頼性を向上させるという観点でタンクを一つにする、部品点数を削減するということをまず図っております。それから現タンクにつきましては直径がH2Aタンクよりも少し小さい、H2Aタンクが少し大きくて少し重いというものになりまして、現タンクの設計変更案を選定しております。
次のページお願いいたします。こちらに現タンク設計変更に対する対策を示しておりまして、まず6号機の原因究明の中で、いろいろな試験検証を実施しておりまして、そこでたくさんの知見を得ております。そういった知見を最大限活用して対策を設定したものになります。まずこの左の表になりますけども、6号機の原因究明で抽出された課題ということで、一つ目がダイアフラム組込み時に噛込みが発生しやすい設計であった、ということに対しましては、このシール部の設計変更、シールではなくてシールを組み込む側、金属部分の方、そちらの設計変更をすることによりまして、噛込みの発生リスクを排除するということで、ここでも設計変更したもので噛込みを起こさせようと思っていろいろトライしたのですけども、噛込み一切発生しなかったという結果になっております。それから二つ目としましてダイアフラム噛込みを検出できる検査工程となっていなかったということで、検査工程を強化いたします。こちらまず、X線CTというところでしっかり見える、シールを組み込んだ状態でシール部、それから隙間が見えるというところを確認するということ、それから組込み時の寸法計測、こちらで異常が検出できるということまで確認しております。それから製造時の検査で漏えいを検出できなかったということで、漏えいに対する保証方法を設定しております。まず一つ目がX線CTによりまして、噛込みがないということを確認する。そういう状態であれば、仮にヒドラジンの影響を考慮しても必要な潰し率を確保可能であるということで漏えいしないということを確認しております。それから低圧で加圧いたしまして、ダイアフラムを押し込むといったような、これまでにプラスアルファする工程を追加いたしまして、漏えい有無を検出いたします。最後に液ポートへの閉塞防止という観点で、こちらの念のためということで、万が一のために液ポートに閉塞防止機構を追加しております。ダイアフラムが閉塞しないというもの、対策になります。こういったもので対策を確定いたしました。
続きまして7ページ、背後要因に移ります。まず6号機の失敗の背後要因ということで、これは宇宙機の実績等でフライト実績品ということで確認が不足していたという状況がありますので、イプシロンSロケットに対する取組みとして、まずフライト実績品の確認を実施いたしました。この基幹ロケット開発対象外の宇宙機のフライト実績品ですとか、カタログ品、購入品、こういったものの品質・信頼性確保に必要な情報をもう改めて確認いたしまして、追加試験が必要な事項を識別して開発計画に反映しております。その例といたしまして2段のRCSの注排弁、こちらの人工衛星に搭載していたものの実績ですけども、それを少し設計変更しておりますので、追加認定試験が必要であろうというふうに判断いたしまして、こちらに書いている試験を追加実施いたします。
それから次のページに移りまして、2番目といたしまして信頼性向上のための追加検証試験ということで、基礎データの取得ですとか、限界把握、それから設計に対する検証確度向上のための検証試験というものを識別して開発計画に反映しております。こちらでは例としまして三つ書いておりまして、PBSのタンクにもダイアフラム搭載しておりますけどもそちら破断限界データを取得するということで確認する計画であります。それから2段の機器搭載構造、こちらは複合材になりますけども、こちらの物性データ、こちらの文献データですとか、他型式のデータを使って設計しておりましたけども、補修等に伴う強度データですとか、耐候性のデータといったものを追加で取得することにしております。それから段間分離機構の作動特性データの取得ということで、こちらは非火工品の段間分離機構を採用しておりまして、そちらの駆動電流ですとか、バンド張力、それから分離デバイスの保持時間等の条件を様々変えて限界の確認をするといったような試験を実施いたします。
こういったところでイプシロンSの開発計画に反映いたしまして、しっかり信頼性を確保していくということを考えております。続きまして9ページお願いいたします。2段モータの地上燃焼試験の異常燃焼対応という話題に移らせていただきます。まず事象といたしましては、リマインドになりますけども、地上燃焼試験を開始した後に点火後約20秒から燃焼圧力が高い側に予測から乖離いたしまして、約57秒で燃焼圧力が最大使用圧力よりやや低い段階でモータが爆発したというものになります。こちらの原因としまして、まずFTAを展開いたしまして、詳細な分析を実施いたしました。その結果、モータケースに熱的に過大な負荷がかかって構造部材が強度を維持するための許容温度を超えたということで破壊に至ったというふうに推定しております。その要因として推進薬の燃焼異常、それからインシュレーションの断熱不良、この二つを識別しております。さらにその原因といたしまして二つに絞り込んでおりまして、一つ目がモータ輸送時、こちらの縦置きでノズルを下側にした状態でモータ輸送するのですけども、そのときに接触して損傷したというケース。それからイグブースタの一部が欠損しているということを確認しておりまして、その一部が溶融・飛散して損傷したと。この二つに絞り込んでいるというものが前回の調査・安全小委員会でご報告した内容になります。
それからの進捗を次のページ、10ページに示しております。結論から言いますと絞り込んだ二つの原因に対しまして追加検証を実施いたしまして、イグブースタの一部が溶融・飛散してインシュレーションが損傷したということが原因である、というふうに特定しております。破壊シナリオをこちらに書いておりまして、点火器のイグブースタというものがイグナイタの中にありまして、金属材料になりますけども、そちらの一部が溶融・飛散すると。それから、その溶融物がモータケースと推進薬の隙間に侵入いたしまして、推進薬側のインシュレーションが損傷したと。損傷部分の推進薬に着火して熱負荷が増加して、モータケース側のインシュレーション燃焼が拡大して、モータケースが許容温度を超過して破壊に至ったというシナリオを特定しております。
次のページからがFTAになりまして、11ページになりますけども、モータケースの破壊の熱負荷過大のうち、推進薬の燃焼異常につきましては、こちらは詳細を後ほどご説明しますけども要因ではないと。一方でインシュレーションの断熱不良が要因であるというふうに特定しています。
次のページをお願いいたします。12ページになりますけども、こちらの推進薬の損傷に関しまして製造不良以降、工場から試験場の能代に移送した以降の組立て不良のところですけども、こちらは解析によって強度余裕は十分あるということ。それから、試験を実施しても、推進薬は損傷しないということで要因ではないということ。それからイグブースタの破損によって推進薬が損傷するケースにおきましても追加試験、後ほどご説明いたしますけども、追加試験でこちら可能性はないというふうに考えております。
13ページをお願いいたします。インシュレーションの損傷につきましては組立て不良のところ、こちらも輸送のところにありますけども、こちらも追加試験を実施いたしまして、原因ではないというふうに特定しております。一番下のイグブースタの破損につきましては、こちらは原因であると。溶融物がインシュレーションを焼損させるということ。それから溶融物がインシュレーションを加熱して、インシュレーション裏側の推進薬接着面温度が推進薬の発火温度を超過するということを確認しているということで、こちらが原因というふうに特定しております。
14ページ、お願いいたします。ここから追加で実施いたしました試験結果を示しております。まず輸送のところになりますけども、モータ輸送時に接触して損傷のケース。輸送時の加速度データといたしまして、取得したデータが工場から能代までの輸送、それからハンドリングも含めてですけども、約20回の加速度応答を計測しております。そちらの最大加速度は2Gp-p(ピーク・トゥ・ピーク)ということで、そういうデータを取得しております。そういった取得データをもとに、次のページ、15ページからの試験を実施いたしました。まず、A-1ということで、推進薬が繰り返し荷重を受けるということに対しまして、テストピース、右の図に示すようなテストピースを作成いたしまして、試験を実施いたしました。輸送時の最大加速度の約8倍に相当する荷重を1000回、大体先ほどの20回の50倍になるのですけども、そういったものを負荷しても疲労による推進薬の損傷や強度の低下は一切ないということを確認しております。それからA-2といたしまして、モータケースと推進薬が接触することを模擬した部分試作試験を実施いたしました。この右の図に書いているように、推進薬にインシュレーションを貼り付けた状態で上から加速度荷重の9倍に相当する荷重を100回負荷してもインシュレーションに損傷、磨耗はないということを確認しております。こういったことから、輸送時にモータケースと推進薬が仮に接触したとしても、推進薬の損傷ですとか、インシュレーションの損傷も生じないということでこちらは原因ではないというふうに判断いたしました。
続きまして16ページ、お願いいたします。イグブースタについてですけども、こちらが原因である可能性について追加検証を実施いたしました。まずB-1といたしまして、溶融物の推進薬上挙動確認試験ということで、疑似推進薬、右の図に示しております通り疑似推進薬、こちら推進薬から酸化剤を安全な材料に置き換えておりまして、こちら物性的には同等です。こういったものの上に溶融物を落とすという試験を実施しておりまして、この溶融物は表面に付着することなく、どちらかというと反発するような形で移動するということを確認しておりまして、推進薬をほとんど損傷させていないということまで確認しております。
次のページお願いいたします。17ページになります。さらにB-2といたしまして、溶融物がインシュレーション上でどういう挙動をするのかといったところの試験を、右の図に示す通り試験をしまして、こちらにつきましても、融解物はインシュレーション上で表面に付着せず移動して、ただし溶融物がインシュレーション上にとどまるとインシュレーションが焼損して球状の穴が生じるといったところまで確認しております。続きまして推進薬の発火確認試験ということで、インシュレーションを貼り付けた推進薬をインシュレーション側からハロゲンランプで加熱するといった試験を実施いたしました。その結果推進薬が発火する温度を再確認しております。さらにその発火した後、火炎はインシュレーションから吹き出すというところまで確認いたしました。最後にB-4といたしまして、溶融物によるインシュレーション加熱試験ということで、こちらも疑似推進薬にインシュレーションを接着した部分供試体の上に溶融物を落としまして、どのような温度になるかといった試験を実施いたしました。この溶融物によりまして、インシュレーション裏側の推進薬接着面温度というものが、先ほど確認した発火温度、こちらをかなり超過するということを確認しております。
この結果から、イグブースタ溶融物がモータケースと推進薬の隙間に侵入すると、推進薬側のインシュレーションが損傷して異常燃焼が発生しうるということで、このイグブースタの一部が溶融・飛散してインシュレーションが損傷するということが原因と特定いたしました。
続きまして、18ページになります。こういった原因をもとに是正対策、それから水平展開を検討いたしました。まず2段モータに関しましては、この根本原因を排除するということでまずイグブースタの溶融を防ぐこと。そのためにイグブースタの表面にインシュレーションを施工するということを是正対策といたします。今回の試験で得られた知見をもとに解析条件を適正化して設計解析を実施しておりまして、イグブースタを溶融させない板厚のインシュレーションを施行いたします。それから3段モータに関しましても6月に地上燃焼試験を実施しておりまして、その中でイグブースタが溶融しているということを確認しております。こちらも同様の対策を適用いたします。さらにSRB-A・SRB-3につきましては、地上燃焼試験でイグブースタの溶損・欠損は発生していないということ。それから設計解析を実施して耐熱性に問題ないということを確認しておりますので、対策は不要と判断しております。こちら前回の調査・安全小委員会で報告した通りになります。こういった対策の妥当性を確認するために今後検証試験を実施していきます。まず、AからCにつきましては単体の試験になりますけれども、イグブースタ、こちらはインシュレーション施工したイグブースタ単体の燃焼試験を実施するということ。それからイグナイタ、こちらはイグブースタを含む点火器全体の燃焼試験、これは2段用と3段用を実施いたします。それからイグブースタの温度データ取得ということで、主燃焼の影響、メインの推進薬の温度影響の確認という観点も含めてデータを取得していって、設計の妥当性を再確認していくということ。それらを2段モータの再地上燃焼試験の前までに実施して、必要に応じて設計に反映いたしまして、再地上燃焼試験を実施するということを計画しております。なおイグブースタの入熱量に影響を及ぼすイグナイタの推進薬量の関係から、3段用のイグブースタへの入熱量、こちらは2段よりも小さいということで、2段の対策を行うことで3段モータの再地上燃焼試験は不要と判断しております。
今後の計画といたしまして、現在、背後要因分析を実施しているところでありますので、その対策を取りまとめてイプシロンS開発に反映していきます。それから2段モータの再地上燃焼試験を含めた全体計画を設定する計画でございます。これまでが2段モータの状況になります。
最後にまとめといたしまして、こちら説明を割愛させていただきます。説明は以上になります。
 
【村山部会長】 ご丁寧な説明ありがとうございます。それではただいまのご説明についてご意見・ご質問があればお願いいたします。まず笠原委員、手が上がっていますのでお願いいたします。
 
【笠原委員】 どうもご丁寧な説明を本当に誠にありがとうございます。また内容に関しましても、非常に真摯に問題に向き合われて改善の努力をされて、次に繋がる状況だというふうに理解しております。大変敬意を表します。
3点質問があります。まずはタンクの方のモジュールの改善策でダイアフラムの閉塞防止機構追加という6ページのところですが、質問させていただきたいのはこの防止機構を追加して、仮にダイアフラムが脱落して液ポートはふさがれなかった場合に、ガスポートから液を押して、それであの推進系としては十分な機能が果たせるとお考えになられているのか。要するに防止機構の追加が本当に有効性を伴っているのかというのがまず一つ目の質問です。
二つ目の質問はインシュレーションの破損ということで、非常に詳しく溶融物の飛散の問題を解析されていますが、どうやらずいぶん密度の高い、重いものが溶融されているというふうにご理解されているというふうに私は見受けました。ということは、タンクの下部というか、インシュレーションの下側の方が破壊に至ったのではないかなと、このご説明からは理解したのですが、それはいわゆる他の観察事象、つまり動画で見ていたり、圧力センサーの位置は難しいかもしれませんが、そういうものと整合しているのか。つまり下から破壊、下部から破壊しているのかということをちょっと確認させていただきたいと思いました。最後は根本的にはイグブースタが溶融したということが大きな原因だと思いますけど、このイグブースタが溶融するというこの物理的な可能性は、解析上ありえたのかどうか。つまり、そういう何らかの燃焼反応現象によってイグブースタは溶融してもおかしくない状況であったのかどうかというのはおそらく確認されたのではないかなと思います。その辺りの可能性に関してご説明いただけますでしょうか。以上3点でございます。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。まず6ページの閉塞防止機構ですけども、こちらの目的をまずご説明した方がよいと思います。こちら例えばダイアフラムが脱落するですとか、漏えいして液ポートに近くなるといったようなモードを想定したものではございません。そちらはこの固定の方で固定リング、その溶接の方をしっかりと対策をとるということです。この閉塞防止機構の目的ですけども、万が一原因究明の中で、何らかの要因で正常ケースであっても、ダイアフラムがこのポートに近づく可能性が限りなく低いとは考えていますけども、そういうものがあったとしても閉塞しないということを目的といたしたものでして、つまりダイアフラムがまず正常であるということが大前提になります。一つ目はまずよろしかったでしょうか。
 
【笠原委員】 よくわかりました。承知いたしました。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。それから二つ目になります。メカニズムの方、こちら10ページがいいかと思います。先生のご質問通り、我々もこの重力下側にこの溶融物が入り込んだというふうに判断しております。そちらのビデオの状況からも下側から発光しているということ。それから試験後に回収した飛散物といいますか、モータケースですね。こちらも下側から破断しているという結果になっております。一部データのひずみデータもそういった下側からといったところを示唆しておりますので、この重力下側に入り込んだというところと整合しているものになります。
 
【笠原委員】 ありがとうございます。深く納得いたしました。ありがとうございます。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 それから最後に設計解析のところですけども、イグナイタから輻射加熱を受けます。その輻射加熱による入熱では溶融しないという結果になっておりまして、何らか違う入熱要因があるというところに着目いたしまして、検討いたしました。情報漏えいの関係でその結果をちょっとここでは詳しくは説明できないですけども、そういうアルミナが影響するような入熱条件があるというふうに特定しておりまして、他のモータでも金属のものがありますので、その観察結果等を基に、入熱条件が今までの解析では十分ではなかったというふうに判断しております。そういった新たな条件を加えることによって、溶融するという解析結果が出ていると。そういったものは最終的には先ほどご説明したイグブースタの温度のデータ取得試験の中で確認していく計画でございます。
 
【笠原委員】 ありがとうございます。物理的に解明された後に対処されているってことがわかりました。納得いたしました。どうもありがとうございました。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。続きまして木村委員お願いいたします。
 
【木村委員】 ありがとうございます。私もこのイプシロンの前回打上げに関することについては、事故原因解明のプロセスに参加させていただいたので、対策をとられ、フライトに備えられるというのは非常に感慨深いものがありまして、本当に敬意を表したいと思います。事故原因であるダイアフラムタンクに対する対策は非常に適切だと思いますし、特に検証プロセスを拡充された点、ここは非常に重要だと思います。いかに設計的に完璧だと思っていても万が一に備えてやはり検証にかなり力を入れる、これは非常に大事なことなのかなと思っています。そこに非常に感銘を受けております。先ほどの笠原委員のご意見・ご質問と関係するのですけれども、今回のご説明では、シール部の設計変更とそれから閉塞防止機構、ここのところの具体的なご説明があまりなかったように思います。機微に関係することであればその旨おっしゃっていただければと思うのですけれども、どのような改修であるのか、定性的にでも簡単にご説明いただくことはできないでしょうか、というのが1点目です。
あともう一つは異常燃焼の方です。これも解析の方を非常に丁寧になされていて原因特定されているところは非常に良いことだと思います。この判断の過程には私も賛同いたします。これも先ほどの笠原委員の質問にも関係しますけれども、気になりましたのは、イグブースタの溶融が2段モータだけではなくて3段モータの地上燃焼試験でも起きていたという点です。このことから、設計プロセスが適切でなかったという可能性もあるかなと思っています。先ほどのお話で、現象を特定されて、設計手法そのものを見直されているということでした。このような更新を行っていけば、今後の設計には正しく反映できるという理解でよろしいでしょうか。以上2点お願いいたします。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 それではまず6ページに基づきまして設計変更のもう少し突っ込んだご説明いたします。こちらのおっしゃる通り機微な情報になりますので、定性的な説明にとどまらせていただきたいと思うんですけども、この6ページの右上のところですね。あの赤い部分が赤道リングというふうに称しておりまして、こちらのタンクの外壁に相当するものです。その左側の黄色いものがダイアフラムの固定リングということでこれは中のタンクの中に装着して溶接するものになります。こちらの赤の方、赤道リングというもの、こちらを組み込むときに摩擦が大きいということで、その摩擦があると噛み込みが発生しやすいものになっているということで、摩擦を、できるだけスムーズに、ないようにして、摩擦がない、非常に低くしてスムーズに組み込めるような対策、赤い側の形状を変更するということで、対策をとりました。
 
【木村委員】 ありがとうございます。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 それから閉塞防止機構ですけども、こちらの液ポートっていうのは非常に小さい、径が小さいものですけども、その上に多数の穴を有すると書いていますけども、そういうものを溶接いたします。そうすることによりまして、ダイアフラムがこの液ポートの中に突っ込まないという対策を施すことにいたしました。
 
【木村委員】 なるほど。言ってみれば排水口の目皿のような感じということですか。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 そうですね。そういうことです。
 
【木村委員】 ありがとうございます。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 それからイグブースタの溶融につきましても、こちら今回の事象を踏まえて全てのイグブースタ点検、現存するイグブースタ全部並べて確認したところ、やはり輻射加熱だけでは十分説明できないものがわかりまして、その条件を入れると溶融するというものは物理現象として一致するということを確認しました。この2段だけではなくて、3段も溶融しているといったところから、一方でSRB-AとかSRB-3は溶融してないと。こちらの3段式のイグナイタになっておりますので、直接入熱量は非常に小さいということで、そこに何らかの境界があるということでしっかり確認したところ、入熱条件を適正化することでクライテリアが出てきているというところになります。今種々のモータについて確認した結果に基づいて設計しているところですけども、こちら丸2に示しておりますCのイグブースタの温度データ取得試験、この中で、最終的にその妥当性を確認していくということを考えております。そうすることによりまして、全てのものに対する対策といいますか、設計が妥当であるといったところが確認できるのではないかというふうに考えております。
 
【木村委員】 なるほど。この検証試験の中でモデルそのものの検証をされていくということですね。わかりました。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。他のご質問いかがでしょうか。いいでしょうか。それではありがとうございました。それではイプシロンSロケットの開発状況については、今後まだ進捗に応じて本部会でも報告を随時受けていきたいと思います。
それでは次の議題に移らせていただきます。次の議題は令和5年度補正予算における文部科学省宇宙関係予算についてです。今年度の補正予算では、宇宙戦略基金として大きな予算が措置されるとともに、関連して先日改正JAXA法が成立しております。こうした最新の状況について事務局より説明いただきます。よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 事務局の竹上です。資料80-3に沿ってご説明させていただきます。補正予算に関しましては令和5年11月2日に、まず経済対策が閣議決定されまして、その後同年11月10日に補正予算案が閣議決定されました。その後11月29日に国会にて予算案通りに成立しておりますので、本日その状況について宇宙関係の部分を簡単にご紹介させていただければと思います。まず、予算措置されたものとして、基幹ロケットの開発および人工衛星の研究開発ということで、主な内容としましては、事業内容、左上が基幹ロケットの開発、2段落目にありますけれども、今般H3ロケット試験機1号機の打上げ失敗に係る原因究明を踏まえた開発、2号機等の開発に関する予算。それからイプシロンロケット6号機の打上げ失敗に係る原因究明結果を反映した上でのイプシロンSロケットの開発の実施、こうしたものに補正予算計上をしております。また左下、打上げ高頻度化対応ということで関連する施設設備の整備改修経費、さらには右側に行きまして人工衛星の研究開発等ということで、来年度打ち上げを予定していますGOSAT-GWの開発経費であるとか、DESTINY+の開発経費、さらには先日も事業評価いただきましたけれども降水レーダ衛星の開発、こうした要求していたものの前倒し実施、トータルで493億円措置いただいているところでございます。
次のページに行っていただきまして、こちらアルテミス計画の推進ということで、事業内容は記載されていますように、HTV-X、あるいはLUPEX、さらには右上の有人与圧ローバ開発のフロントローディング。さらには火星衛星探査計画のMMX。それぞれこちらも予算要求していた内容を一部前倒し措置という形でトータル108億円計上をしているところでございます。ここまでがJAXAの交付金、あるいは一部JAXA補助金も含みますけれども、トータルで今年601億円計上しております。令和3年度、4年度の補正予算に引き続きまして600億円台を確保させていただいているところでございます。当初予算の方は今まさに最終折衝中でございますので、今般計上いただいた補正予算と合わせて、文科省として当初予算も含めてしっかり確保していきたいと考えております。また年明けの宇宙開発利用部会の方でご報告させていただければと思います。
次に一つ新しい施策として宇宙戦略基金の創設でございます。こちら概算要求時点ではJAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化として、文科省として1年30億円、10年300億円予算要求させていただいておったものです。この部会でも事前評価いただきましてありがとうございました。予算折衝の過程で今般の補正予算として文科省分として10年1500億円、総務省・経産省と合わせて政府全体として3000億円がまずは計上されたところでございます。事業内容は既にご案内のところですけれども、民間企業・大学等が複数年度・最大10年間にわたって大胆に研究開発に取り組めるよう、産学官の結節点としての国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構に基金を設置するということですね。今後策定する宇宙技術戦略を踏まえということですけれども、今内閣府の宇宙政策委員会においてこの宇宙技術戦略、年度末の策定に向けて議論・検討されております。先般の宇宙政策委員会で基本的な考え方がでておりますけれども、これを踏まえて各省で技術開発テーマをしっかりと設定をしていくと。それを踏まえて民間企業、スタートアップ、大学、国研等に対する先端技術開発、技術実証、商業化等の支援を強化すると、こうした事業スキームを予定しているところです。
次のページ、より詳細な資料をいくつかご用意させていただいておりますけれども、水色囲みですね、総合経済対策の文脈だけご紹介させていただければと思います。ここもJAXAに10年間の宇宙戦略基金を設置し、そのために必要な関連法案を提出すること。あと今回当面の事業開始に必要な経費として3000億円ということでございますけれども、経済対策のところでは、速やかに総額1兆円規模の支援を行うことを目指すと記載されておりますので、今回の予算をまずは執行していくことが第一でございますけども、この経済対策に記載されている内容に向けて、検討を引き続き進めていくということを予定しております。次のページが宇宙戦略基金の概要。これは8月にご議論いただいたときにもお示ししているかと思いますけれども、輸送・衛星・探査、今、技術戦略で検討している3分野、これを支援分野といたしまして、方向性としては商業化支援、社会課題解決、フロンティア支援、この3者からテーマを決めて支援をしていくということを予定しております。
最後法律の改正概要についても簡単にご紹介させていただければと思います。補正予算の成立日である11月29日に成立をしております改正JAXA法の概要でございます。改正の主な点としては2点です。概要の1と2とございますけれども、機構の目的と業務に、これまでJAXAの補助事業、いわゆる補助金を助成するということができませんでしたので、これを目的と業務に追加させていただいたということが一点目。また2点目が基金の創設でございます。行括弧2から説明しますけども、今ご説明した助成業務、ここに対して基金を置けるようにするということです。もう一つ行括弧1、元々JAXAが持っている基礎研究・基盤的研究開発は、元々JAXA自身はできるのですけれども、このうち宇宙空間を利用した民間の事業にその成果の活用が見込まれる者を公募により選定して委託して行うということに関しては、同じように基金を置けるようにすると、基金を置いたものに関して今回の宇宙戦略基金という枠組みを通じて現場で使用していくということを可能とするための法律改正を行わせていただきました。現在、内閣府初め関係府省、さらにはもちろんJAXAと、技術戦略の策定もそうですし、具体的なこの執行方針、これらについて今鋭意検討中でございます。またJAXAの体制整備も並行して検討を進めているというところでございます。この利用部会でも随時状況をご報告、あるいはご相談させていただきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いできればと思います。私からの説明は以上です。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。それではただいまのご説明についてご意見ご質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。今まで説明していただいた部分もあるので、ご理解していただいているとは思いますがいいでしょうか。正式に動き始めたということです。
それでは次の議題に移らせていただきます。本日最後の議題になります。スターダストプログラムによる文科省の戦略プロジェクトの進捗状況とその評価についてです。スターダストプログラムは毎年度、内閣府宇宙政策委員会 衛星開発・実証小委員会において、継続是非の評価などが実施されており、その評価を受けるにあたって事前に本部会でも進捗状況の報告をいただき、必要に応じて助言をいただきたく考えております。今年度実施中の文化省所管のプログラムは10件あり、本日時間も限られていることから、委員の皆様には事前に資料を送付させていただき、コメントなども既にいくつかいただいております。本日は進捗状況の報告と併せて事務局には事前にいただいたコメントへの回答も行っていただき、さらに追加の質問コメントがあればご指摘いただきたいと思います。
それでは資料の説明を事務局よりお願いいたします。
 
【池田補佐(事務局)】 宇宙開発利用課の池田と申します。よろしくお願いいたします。今部会長からご説明ありました通り、案件がというか件数が大変多ございまして、事前に送付という形で対応させていただく形としました。今回画面に表示されております通り計10件ございまして、上の二つが令和2年度から開始しているもの。そしてその下からR4-1、2、3、6、7、R5-1、2、3というのが昨年部会の皆様にもご説明差し上げたものでございまして、大変たくさんのテーマについてご議論ご意見いただいたものと承知しております。順にご説明させていただきます。
まず次のページです。こちら令和5年の2月10日の宇宙開発利部会の方で承認いただいた際に指摘事項としていただいておりまして、対応してまいりますという形でその場では回答はしておったんですけれども、具体的にどういった状況かということをまとめております。
まず左の一番上。衛星用の通信フルデジタル化技術開発ということでETS-9に搭載していくフルデジタルペイロードの研究開発に係るものでございますけれども、指摘事項としては一つ目、世界の通信技術動向を常にモニターするということで性能・コストのベンチマーク評価を実施しつつ、開発を進めていくこと、ということで、対応状況としては、丸1調査会社を通じて海外の技術動向についても継続して調査実施しているということでして、引き続き事業者との意見交換を実施しております。また今回ETS-9に限らず、その先の市場獲得に向けた排熱技術といったところについても、別途スターダストの方で予算措置させていただいておりまして、継続的に日本の衛星市場を獲得できるようにということで我々も力添えをしているということです。また丸2開発にあたっては特にセキュリティ対策に万全を期して開発を進めること、をご指摘いただいておりまして、対応状況としてはJAXAのセキュリティ規定に則ってしっかりと適切に進めているということです。先般の管理サーバへの不正アクセスの案件もございまして、一旦イントラネットはロケット・衛星等の機微技術についての情報については取り扱っていないとは聞いていますが、現時点でも詳細な調査、検証確認を進めているところですので、これを踏まえつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
次です。R2-07、月面活動に向けた測位通信衛星技術です。月ナビゲーション衛星システムや、月地球間の光通信システムに係るあり方やコアとなる要素技術の獲得に向けた検証や要素技術への着手を進めるといったものでございます。質問・指摘の事項としては丸1宇宙実証の具体的な検討や低価格での早期の実証を見据えた設計を進める上で、総合アーキテクチャの検討条件の整理、年度内の更新を確実に実施し、手戻りのないように進めるということを御指摘いただいております。対応状況としては丸1総合アーキテクチャの更新の検討は既に令和4年度内に完了しておりまして、具体的に申せばNASAの衛星、ESAの衛星の暫定的な軌道情報ですとか、その機数というものを基にして必要となるコンステレーションのコストのミニマム化、あるいは早期のサービスインに繋がるような最適化の検討を行った上で、総合アーキテクチャを検討したというものでございます。
その結果JAXAの衛星軌道というのは、例えばNASAの衛星軌道と一緒で、12時間周期の月の楕円形凍結軌道をベースラインとして対応しているところです。丸2のセキュリティ対策につきましては先ほどの回答と同じような内容になります。
次のページをお願いします。R4-1、宇宙機のデジタル化を実現するマイクロプロセッサー内蔵FPGAモジュールの研究開発ということで、宇宙半導体・モジュールが海外製品にかなり依存している状況で、国産の高機能製品の開発を進める必要があろうというところ、国内の企業が保有する原子スイッチ技術とJAXAの保有する技術というものを適用して、システム・オン・チップ(SOC)化のFPGAの回路設計等々を行っていくというものです。こちら指摘事項としては丸1チップができた段階でモジュール化まで押し上げるのを待たずに早期にユーザー評価をしてサンプル供給をするなどの方針・方策を検討することといった点、また軌道上の実証についてはJAXA内閣府との関係のプログラムとの連携を検討するとご指摘いただいておりまして、対応状況としましては丸1の通り、2024年の1月時点で企業を集めてユーザー会を発足させまして、現状供給可能なサイズとして65nmのFPGAないし開発ツールのユーザー試行というものを開始していく予定です。
また本事業で進めていく16nmのFPGAに関しましては、評価サンプル供給に向けて搭載評価計画のすり合わせといったものについても複数の企業との対話を進めているところです。また指摘事項の丸2ヒアリングを行いながら世界とのベンチマークを図っていくことにつきましては、現時点でも宇宙市場の動向調査についてはNASA・ESAの協力も得つつ進めておりまして、また非宇宙市場への展開といったところについても試行しているということで、部品の企業を通じて継続した市場の動向調査等を実施しているというところです。
次にR4-02、衛星オンボードのPPPの実証機開発です。こちらは高分解能な衛星画像の画像処理のための時間を短縮するというところを目的として、オンボードでいわゆる準天頂からの信号を通じた補正情報を使用した高精度の単独測位というところに向けて、リアルタイムでの高精度な衛星の情報というものを得るということを検討しているものです。今回としては実証機の開発までが目的とされているところです。指摘事項丸1については、事業の実施にあたってあらかじめユーザーの候補にヒアリングを実施しニーズを確認するとともに、国内外の市場動向についても注視しつつ研究開発を進めることという御指摘いただいておりまして、これにつきましては対応状況丸1小型技術刷新衛星研究開発プログラム、JAXAが実施しているいわゆる刷新プログラムの枠組みを利用して、今回のオンボードPPP技術に関するRFIを実施しております。またその活動の中で具体のユーザーのニーズ把握を行ったところです。丸2のご指摘であるグローバル利用を見据えた研究開発を進めるということで、具体的にはグローバルなエリアでの利用に関しまして、ここに書かれている三つのようなものを、例えばGalileo HASとすると、これは欧州の全球の衛星測位システムでございますけれども、その中でも高精度サービスとして広く利用が見込まれる・期待できるHAS、そういったところのツールについての利用も考えているというところです。
またご指摘の丸3実証機の開発を進めるとともに軌道上の実証に向けた研究に努めるということ。これはJAXA・内閣府との連携を検討する、とされております。実際今回のスターダストにつきましては地上で実証機の開発のみだけ行いますけれども、それを実際打ち上げて実証まで持っていくというところについては、スターダストの外で予算措置をしたいというふうに考えておりまして、実際先ほどお話した刷新プログラムの枠組みを利用してRFIを実施したところでまして、つい昨日12月11日付けで、RFPについても公募の開始をしております。こうしたことを踏まえまして、年度内を目途に支援を開始していくということで、今回の衛星オンボードPPPの技術についても宇宙実証を進めていきたいというふうに考えているところです。
次のページお願いいたします。R4-03、高安定レーザーを用いた測位衛星搭載時計の基盤技術開発は、8月頃から着手されていると承知しておりますが、衛星測位システムの精度向上を目的として、その誤差の原因の一つとなるような時計の高精度化・高安定化を図っていくということで、現在大学等において研究されているような高安定レーザーと光周波数コム、モ-ドロックレーザーを組み合わせて、その精度の向上を図って、現在準天頂衛星に搭載されている時計よりも1桁・2桁上の安定性を確保する、ということを志向しております。ご指摘事項につきましては丸1軌道上実証の機会確保に向けてJAXAや内閣府等の宇宙実証プログラムとの連携を図るということで、対応状況につきましては、具体的には、「きぼう」での実証機会について打ち合わせを行っているところです。また丸2のご指摘について、衛星搭載用時計の開発を行っていないプロバイダ、もしくはその参入を進めているプロバイダへ売っていくということで、市場の獲得に繋がる可能性があり、そういった国際動向にも注視してほしいということでした。国連のGNSS委員会などで新規参入プロバイダ国が参加する会議資料等より動向を調査しているとともに、引き続き国際動向に注視していきながら我が国としてこういった市場獲得できるような道筋というものをしっかり検討していくとしております。以上が2月10日の時点でいただいたご意見に対する現時点での具体的な対応状況となっております。
引き続きまして次のページ以降は、今回事前に送付させていただいた資料に対する先生方からのご質問に対する回答というものを抜粋して掲載しております。一つ目、通信フルデジタル化技術開発につきましては、主な質問コメントとして、最終事業年度の本年度計画の成果見込みについてのご質問と、事業終了後も世界動向を注視し、継続的な競争力確保をしていくということが重要とご指摘いただいております。回答としましては、事業計画の通り200ギガbpsの通信容量を達成する見込みでございますが、昨今の物価等を受けまして、実際のGbps単価100万USドルといったところについては、世界中見渡してもなかなか厳しい状況にはあるというのが実態としてはございますが、引き続き事業者においては競合他社を上回る競争力を確保すべく検討努力を進めているというところで、現時点での計画値も依然として世界市場の中で競争力を確保できる設定というふうに考えているところです。
 次にR2-07、月面活動に向けた測位通信技術の開発につきまして、NASA/ESAの共同実証スケジュールと日本の実証スケジュール、2028年打ち上げ目標との整合性について問われておることについては、実際、月測位通信インフラにつきましては具体的に申し上げて、NASAは2025年に一機、27年に一機、2028年に2機打ち上げて、合計4機とするイメージだということです。かつESAは2027年に1機、2030年に3機ということで、2030年までに4機の体制の構築を予想しているということです。この中でJAXAについては2028年度中に一機の打ち上げを目指しているという状況でして、こうしたタイムラインに勘案しますと、2028年時点で、NASA4機、ESA1機、JAXA1機の計6機が打ち上がっている状況と理解しております。この6機を使って、実際の測位通信の国際相互運用の実証というものを進められるように、現在JAXAを中心に関係機関との対話を進めており、また通信技術・測位技術の規格の共通化についても議論に参画している状況というふうに回答が来ている状況です。
 では次のページよろしくお願いします。R2-07、続きになりますけれども同じく月面の測位通信です。航法精度40m、月地球間の高速通信1Gbpsの目標の中身というか趣旨如何、ということですけれども、まず水平40m以下の航法精度については、現在我が国が開発を進めている有人与圧ローバの要求に基づいて設定しているという点。また、1Gbpsについては今後の月探査で必要となる国際競争力を持つ通信速度として設定しており、例えば8Kのハイビジョン映像のリアルタイム伝送といったところ、こういったところをしっかりと要求されたときに達成できるようなデータ転送間を利する水準ということで設定しているということです。
 また、質問コメントのうちの丸3の点、複数の要素技術の研究開発が並行して実施されているが、システムとして組み上げた場合、最後そういったシステム統合のアクティビティが入っていませんが、そこの見通し如何ということでご質問いただいております。回答としましては、太字のところあたりです。大きな測位通信システムと統合する開発などについては既に検討を進めているという状況です。今回のスターダストにつきましても最初の段階で測位通信の総合アーキテクチャ検討を行っており、そこからブレークダウンをした上での研究開発をしている状況でございます。先ほどお伝えした通り2030年代半ばを大目標として、月の楕円凍結軌道の2軌道面に8基の衛星コンステレーションおよび月面基準、月面基準局からコンステレーション総合システムを構築していくといったイメージの中で、実際に必要なものについて検討していくということになっています。また国際連携で相互運用性および測位精度の検証を行うことについては、NASA/ESAと継続的に協議を進めている状況です。他の部分は回答が長いのですいません、割愛させていただきます。
 次です。R4-03、高安定レーザーの測位衛星搭載時計の基盤技術開発につきまして国産化も一つの目的としている中で、調達する部品についても国産が念頭かといった点です。こちらについては恐縮ですけれども、現在事業者が開発中の部品のモデルは多くは海外製でして、日本国内メーカーがそもそも少ない状況です。レーザー時計の目標性能の達成というものを今回最優先と考えておりますので、スピーディーにやっていくことにまずはプライオリティを置いた状況で、将来的には調達自在性のリスク等を踏まえ、異なる部品の国産化等も目指してまいりたい、といった回答となっております。
 次にR4-6です。こちらスペーストランスフォーメーション実現に向けた高分解能光学衛星のデータ解析技術の研究開発と利用実証ということですが、ちょうど11月から研究開発は開始されたところで、まだ具体的な進捗はなかなかご説明できないところではございますけれども、質問・コメントとしては利用省庁・地方自治体・研究機関・民間ユーザーに解析情報やツールの開発の提供を行い、情報が評価される体制になっていますが、これは既に構築されているのか、あるいは利用省庁などは具体的にどのような情報を評価すればよいのか周知されているのか、といった点をご質問いただいております。回答としては、今回のプロジェクトに関しましては、評価の体制について研究開発と並行して構築していくこととしております。段階的に、開発段階から先行して協力いただける一部の関係機関、民間事業者と協力関係を構築しながらも、PDCAサイクルを回しながらスケールアップ等々を進めていくということで考えています。実際、提案時点で、今回採択された事業者からは、複数の民間企業者ですとか、複数の自治体との協力を調整済みでございまして、近々さらに事業者と関係省庁の打ち合わせも実施していくこととしています。先月始まった研究開発ですけれども、早期にそういったユーザーへの対応を進めていく予定です。
 次にR5-02ということで、こちらも2ヶ月前、10月から研究開発が進んでいるものでして、次世代の電源システムの基盤技術獲得に向けた検討として、多様な電力ニーズの対応に向けて小型から大型衛星に広く活用できるデジタル電源システムの実現を目指すための検討をするということで、具体的には三つの技術に取り組みます。デジタル電源とありますスライス可能な電源。全固体バッテリー等の技術。高収納効率のパドルという三つの技術について検討・研究開発を進めるとされているところです。そしてご質問としては、こういった三つの技術について超小型から大型の衛星開発側との連携というものは、丸1一つだけのデジタル電源の、スライサブルな電源だけの要素技術に含まれるという理解でよろしいかということだったんですけども、実はそうではなくて、今述べた三つの技術全てでニーズ調査という形で、そのサイズといいますか、ニーズの確認というものを行っていきます。技術によってそのサイズの主戦場が異なってきます。電源につきまして例えば中型大型、バッテリーにつきましては小型、パドルについても小型、という形で想定はしておりますけれども、ニーズ調査していく中で、より市場の広がりのあるような形が見えてくれば、そちらに対してのサイズダウン、サイズアップしていくということも想定しています。
 最後になりました。R5-03、カーボンニュートラルの実現に向けた森林バイオマスの推定手法と戦略的な実装ということで、近年森林バイオマスで温室効果ガスの把握に係る衛星活用が進んでいる中で、グローバルストックテイクでのデータの標準化ですとか、カーボンクレジット市場への参入等を見据えて段階的に実証を行っていくといったものでございます。こちらにつきましても11月からの研究開発となっておりますけれども、ご質問とコメントとしては丸1本事業期間3年間の中で、森林カーボンクレジット算定の利用実証についてどこまで計画しているのかといった点についてご質問いただいております。丸1につきましては、今回は丸1丸2丸3丸4という形で少しずつスケールアップしながら実証を進めていきまして、カーボンクレジット算定に必要な衛星データの定義ですとか、その方法論に伴った実証を初期の開発実証ということで進めていくということとしております。その中で、今回は各クレジット制度において、衛星画像やバイオマスプロダクトの利用が認められるための方法の改定や新規の方法論の追加に必要な実証というものが何なのかといったところについて伴走・並行しながら議論を進めているところです。最終的には環境省・林野庁との意見交換の中でエビデンスを揃えていく想定です。今回の支援期間内で、実際にその算定手法が確立してクレジット算定の基準に入っていけるかどうかと言われると、おそらくそこまでの道筋というのは3年程度ではなかなか難しい気もしますけれども、少なくともどういった条件が必要であってどこまで揃えられるかといったところをつぶさに作っていくというところでございます。
 また丸2のご質問、公開可能なデータにPI-SAR-L3の観測データが含まれているかといった点については、観測データについて較正や精度検証、処理手順の確立後、可能な範囲で公開していく予定ということになっております。またPI-SAR-L3と打ち上げ予定の今後のALOS-4/PALSAR-3との関連について知りたいといった点につきましては、今回のPI-SAR-L3はまずは航空機に搭載すると考えており、現時点でALOS-2や4に搭載されているセンサーよりも高い分解能・画質、実験的機能としての多偏波の観測などが可能となっております。今後ALOS-4打上げ後のさらにその先の機能追加といった点も見据えつつ、将来のSAR衛星の適用可能性に繋がっていくようなものと考えています。長々と失礼いたしました。残りの今回のご質問コメントいただいてない点のテーマにつきましては、今回の件こちらには載せておりませんけれども、そちらも含めて改めてご質問等あるようでしたらこの場を使って言っていただければと思います。よろしくお願いいたします。 

【村山部会長】 どうもありがとうございます。それではただいまのご説明についてご意見ご質問があればお願いいたします。いかがでしょうか。質問が出ていなかったのがR4-7とR5-1ですけれども、これ両方ともかなり重要な技術ですので、私の方から若干質問したいと思います。
R4-7は排熱システムということで、これ非常に完成すれば面白い技術になると思うんですけれども、これが完成したときにマーケットはどの程度広がるかというのを知りたく思っています。特に海外でこの技術が導入される可能性があるのか、このあたりをお聞きしたいと思います。それとR5の01、これパワー半導体は注目されている重要技術ですけれども、この素子がどうなるかというのが極めて重要で、ダイヤモンドの素子を使って、かなり日本が先行しているということですけれども、気になるのはこれができてもそのコスト競争力があるかどうかという問題なのですね。この辺り何か情報があればお知らせ願えればと思います。以上2点です。
 
【池田補佐(事務局)】 ありがとうございます。まず高効率排熱システムの研究開発といった点につきましては、市場としてどこまでの規模があるかといったところについては、まだご回答差し上げられない状態ではあるのですけれども、例えば現時点で海外の衛星開発における2層流の熱輸送の実例というのが、実はまだ2021年に打ち上げられた1件のみとなっておりまして、それ以外のものについては情報がほとんど存在してない状況になっており、今回2層流排熱システムの獲得によって取れる市場は相当大きいと考えています。細かいデータが今手元になくて、もしJAXAさんの方から補足があればここでいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
【深津プロジェクトマネージャ(JAXA)】 聞こえますでしょうか。JAXAの深津と申します。今のご説明いただいたところに少し補足させていただきますと、なかなかこの分野につきましては、ある意味その世界の最先端といいますか、実証したという、打ち上げたというレポートは上がっているのですが、具体的にどうだったかというとあまり報告がなされておりません。まさにその競争の最前線ではないかと考えております。最近、欧州の方で似たような地上系のテストベッドに取り組んでいるという話は聞いておりますが、それも詳細を調査中の状況ではございます。そういう意味では世界的にもまさに取り組んでいるところでして、二相流につきましては、やはりその地上ではなかなかわからない、打ち上げてみないとわからないというところでその例が少ないと。だからそれができますと、今後の例えばこの通信衛星とか、また探査の方とかもいろいろ展開されていくんだろうとJAXAとしては期待しておりまして、今後の技術ではないかと考えているというところでございます。市場規模につきましては今ご説明があったような形で、まさにこれからまずこちらで取り組んで、それで展開を考えていきたいというとこでございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。状況わかりました。ありがとうございます。
 
【池田補佐(事務局)】 もう一点ダイヤモンドの方につきましては担当の方から回答させていただきます。
 
【豆佐専門官(事務局)】 ダイヤモンド半導体のR5-01の方につきましてですけれども、こちらにつきましては基礎研究の成果ということで初めて実用化できるような段階にきているというところで、現状製造コストというのは高い状況にあるということだと思っております。本事業を通じまして、高付加価値であります宇宙用途に、少数でも活用を進めていくということと同時に、国内企業等にもコンソーシアム等を通じて、量産化に向けた大規模設備投資の呼び込みとなるような形で活性化させていくということも期待しているところということでございます。こちらにつきましてもJAXAの方で何か補足はございますか。
 
【冨木准教授(JAXA)】 宇宙科学研究所の冨木と申します。この現状の高周波のパワー半導体は、ここ10年で主にガリウムナイトライドというGaNと呼ばれているものが非常に普及してきて、携帯電話基地局にも使われています。宇宙用途でも使われ始めているのですが、やはりこういったものが、新しいプロセスが普及してきた背景には、例えば日本ですと住友電工が非常にあの世界シェアの半分ぐらいを持っていて、非常に安い量産、コストも安く量産できているということがあります。やはりこういうふうになっていくためには民間企業のこういった参入とかもしくは参加というのが不可欠になっておりますので、先ほど文科省からも申し上げました通り、早くこういったパートナーを見つけて技術をトランスファーしていきたいということになります。先ほど申し上げたガリウムナイトライドに関しては、今非常に中国企業が高周波半導体を安く作ってきているということで、やはりあの住友電工が今後ずっと将来にわたってこういったところでシェアを確保できるっていうのは非常に厳しいのではないかなと考えております。早くこういう次世代のプロセスに取り組み、次に繋げていくということが求められると考えております。
 
【村山部会長】 わかりました。どうもありがとうございます。他、ご質問いかがでしょうか。いいでしょうか。手が挙がってないようですけれども。
それではどうもありがとうございました。事務局には本日の意見などを踏まえて、今後の内閣府での説明などに生かしていただきたいと思います。
 
【池田補佐(事務局)】 ありがとうございました。
 
【村山部会長】 ありがとうございました。本日の議事はこれで終了となります。最後に事務局から連絡、連絡事項があればお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 本日はありがとうございました。会議資料と議事録の公開について申し上げます。本日の会議資料は文部科学省ホームページに既に掲載させていただいております。また議事録につきましては、委員の皆様にご確認いただいた後、文科省ホームページに掲載させていただきます。なお本日議題2としてJAXAから報告をいただいたイプシロンSロケットの開発状況につきましては、本日13時半よりJAXAにおいて、プレス関係者向けのフォローアップブリーフィングが行われる予定ですのでご案内させていただきます。
最後に次回の宇宙開発利用部会ですが、年明け1月中旬の開催を予定しております。委員の皆様には別途ご連絡いたします。事務連絡は以上となります。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございました。以上をもちまして閉会といたします。本日は長時間にわたるご審議、また本年度は高頻度での開催となりましたが、委員の皆様におかれましては誠にありがとうございます。来年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。今年これは最後ですのでどうぞ良いお年をお迎えください。では失礼いたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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