宇宙開発利用部会(第74回) 議事録

1.日時

令和5年4月28日(金曜日) 13時00分~15時30分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 第12期宇宙開発利用部会の運営に係る事項(部会長の選任及び部会長代理の指名について / 宇宙開発利用部会運営規則について / 宇宙開発利用部会の活動内容について)
  2. 最近の宇宙に関する動向について
  3. イプシロンロケット6号機打上げ失敗原因調査状況について
  4. H3ロケット試験機1号機打上げ失敗原因調査状況について
  5. 衛星地球観測コンソーシアム (CONSEO) 2022年度提言「衛星地球観測の全体戦略に関する考え方」について
  6. 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」不適合事案に係る再発防止策の実施状況について
  7. 今後の我が国の地球低軌道活動及び国際宇宙探査の在り方(中間とりまとめ)について

4.出席者

委員

部会長 村山 裕三
臨時委員 秋山 文野
臨時委員 笠原 次郎
臨時委員 金井 宣茂
臨時委員 木村 真一
臨時委員 芝井 広
臨時委員 白井 恭一
臨時委員 鶴岡 路人
臨時委員 山崎 直子
臨時委員 山室 真澄     
臨時委員 米澤 千夏

文部科学省

大臣官房審議官 永井 雅規
研究開発局宇宙開発利用課長 上田 光幸
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 池田 一郎
研究開発局宇宙開発利用課企画官 竹上 直也
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 横井 奈央
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 木元 健一

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事 布野 泰広
 理事 佐々木 宏
 宇宙輸送技術部門 イプシロンロケットプロジェクト プロジェクトマネージャ 井元 隆行
 H3ロケットプロジェクト プロジェクトマネージャ 岡田 匡史
 第一宇宙技術部門 地球観測統括 平林 毅

5.議事録

――冒頭非公開――

 
【竹上企画官(事務局)】 それでは、YouTubeでの公開開始を確認できましたので、これより、宇宙開発利用部会を再開したいと思います。
 改めまして、事務局を務めます、宇宙開発利用課の竹上でございます。
 また、事務局にて人事異動がありまして、本日4月より、研究開発局担当の審議官として、永井が着任しております。
 着任の挨拶に加えまして、永井より、12期の開始にあたって、一言挨拶を申し上げます。
 
【永井審議官】 4月から、研究開発局担当の審議官になりました、永井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、まず、村山部会長を始めまして、委員の皆様におかれましては、日頃から宇宙開発利用の推進にご協力を賜り、感謝申し上げます。
 また、大変お忙しい中、本宇宙開発利用部会の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。
 第12期の最初ということで、少しお時間をいただきまして、文科省事務局を代表して、一言ご挨拶を申し上げます。
 まず、本日の議題にも関係いたしますが、我が国の基幹ロケットの開発は、現在、難しい局面にございます。
 文科省としても、打ち上げ失敗を重く受け止めるところでございます。
 他方で、これを大きな糧といたしまして、我が国として引き続き、宇宙へのアクセスの自律性の確保や、国際競争力の醸造を目指して、向上を目指して、しっかりと先に繋げていくことも何より重要だと思ってございます。
 現在、JAXAを始め、関係者の皆様が、早期の打ち上げ再開、Return To Flightに向けて、日々、原因究明に取り組んでいただいているところでございます。
 本日は、その状況についてご報告をいただく予定となってございます。
 また、眼を転じますと、民間事業者の活動も宇宙分野で更に活発になってきております。
 宇宙輸送を始め、様々なスタートアップが立ち上がり、具体的な取り組みも進んできております。
 文科省始め、政府といたしましても、これらを支援するための施策も注力してまいります。
 有人宇宙活動の分野では、先般、お二人の新たな宇宙飛行士が、宇宙飛行士の候補が選抜をされました。
 日本人宇宙飛行士には、今後、月、さらには、その先に向けての有人宇宙探索プログラムを担っていただくことになります。
 若田宇宙飛行士の5度目のISS計画におけるフライトも含めまして、非常に大きな注目、関心をいただいていたところと思ってございます。
 特に、近年は、宇宙開発利用をめぐる、国内外の動向も非常に大きく変化、ないしは進展をしてございます。
 本部会では、今後、宇宙開発利用をめぐる、様々な重要な課題取組みにつきまして、ご議論を賜ることになろうかと存じます。
 ということで、第1回目から、早速、盛り沢山、長丁場で大変恐縮ではございますが、委員の先生方におかれましては、ぜひお付き合いいただきまして、様々な観点から、忌憚のないご意見をいただけますと幸いでございます。
 何卒よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 
【竹上企画官(事務局)】 加えて、本日事務局からは、宇宙開発利用課長の上田、あと宇宙開利用推進室長の池田、あと、私、企画官竹上等が参加をしておるところでございます。
 続きまして、本日は、宇宙開発利用部会を構成する16名の委員のうち、11名にご出席いただいております。
 資料74-1-2の名簿に沿って、お一人ずつご紹介させていただきますので、カメラをオンにして、ご挨拶を一言いただければと思います。
 それでは、ご紹介いたします。まず、委員から、田中明子 産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門 マグマ活動研究グループ 研究グループ長は、本日ご欠席となっています。
 続きまして、村山裕三 同志社大学名誉教授であられます。
 
【村山委員】 村山です。
 2年間、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、臨時委員、秋山文野 サイエンスライターであられます。
 
【秋山委員】 サイエンスライターの秋山文野です。
 本日より、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、笠原次郎 名古屋大学教授であられます。
 
【笠原委員】 笠原次郎と申します。よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、金井宣茂 宇宙航空研究開発機構有人宇宙技術部門宇宙飛行士であられます。
 
【金井委員】 よろしくお願いいたします。JAXA宇宙飛行士の金井宣茂です。
前期までは、同様の宇宙飛行士である、大西が委員を務めておりましたけれども、今期は、私の方で対応させていただきたいと思います。
 若輩者ですが、しっかりと意見を言っていきたいと思いますので、ご指導よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、木村真一 東京理科大学教授であられます。
 
【木村委員】 東京理科大学の木村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 調査・安全小委員会の方、専門家会合等でも参加させていただきましたが、こちら、初めての参加になります。どうぞよろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、芝井広 大阪大学名誉教授であられます。
 
【芝井委員】 芝井です。よろしくお願いいたします。
 退職前は、宇宙科学の研究を、特に赤外線観測の研究をしておりました。よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、白井恭一 慶應義塾大学大学院講師であられます。
 
【白井委員】 白井です。よろしくお願いします。
 8年くらい前までですけれども、約20年強、保険会社で宇宙保険の引き受けをやっておりました。よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、鈴木健吾 株式会社ユーグレナ執行役員CTOは本日ご欠席でございます。
 続いて、髙橋德行 トヨフジ海運株式会社アドバイザーも本日ご欠席でございます。
 続きまして、鶴岡路人 慶應義塾大学准教授であられます。
 
【鶴岡委員】 鶴岡と申します。よろしくお願いいたします。引き続きお世話になります。
 私の専門は宇宙ではありませんで、国際政治とか、国際安全保障となっております。
 そういった観点から、少しでも貢献できればと思います。よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 松岡彩子 京都大学大学院教授は、本日ご欠席です。
 村松加奈子 奈良女子大学研究院教授も本日ご欠席であられます。
 村松先生は、今回より新たに委員に加わっていただいております。
 続きまして、山崎直子 一般社団法人 Space Port Japan 代表理事であられます。
 
【山崎委員】 前期に続きまして、今期もよろしくお願いいたします。
 宇宙開発が世の中に役に立つものに皆さんと一緒にしていければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、山室真澄 東京大学大学院教授であられます。
 
【山室委員】 山室です。
 専門は水環境で宇宙ではないのですけれども、水という観点から、何かお役に立つ意見を述べることができたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 ありがとうございます。
 続きまして、米澤千夏 東北大学大学院准教授であられます。
 
【米澤委員】 米澤と申します。よろしくお願いいたします。
 専門は地球観測、リモートセンシングになります。
 前期に引き続いて、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 委員の先生方、ありがとうございました。
 委員のご紹介は以上になりますが、議題に入る前に、非公開審議で宇宙開発利用部会の第12期部会長に村山裕三委員が、部会長代理に田中明子委員が選任されましたことをご報告いたします。
 それでは、村山部会長、ここからの議事進行をお願いいたします。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。了解いたしました。
 それでは、最初の議題ですけれども、「宇宙開発利用部会の活動内容について」です。
 これについて、事務局から説明をお願いいたします。
 
【木元補佐(事務局)】 事務局でございます。
 お手元の資料、74-1-4から説明させていただきます。
 まず、ここに、「宇宙開発利用部会(第12期)の調査審議について(案)」ということで、今期の宇宙開発利用部会でどのようなことをしていくのか、何を審議していくかということをまとめてございます。
 まず、基本的には、文部科学省における宇宙開発利用に関する重要事項を審議いただくことになります。
 ここに、1から5まで掲げてございます。
 まずは、文部科学省宇宙開発利用に取り組むに際しての基本方針、これらについての議論をしていただきます。
 それから、その次が、これがほとんどだと思うのですが、宇宙開発利用に関する研究開発課題の評価、基本的には、JAXAが実施します、プログラム、プロジェクト、これについての事前、中間、及び事後評価、これはJAXA自身が評価を行うわけですが、その妥当性について評価をしていただきます。
 それから、次からは、次の二つ…三つですね、3から5番まで。これについては、小委員会の方で特に取り扱う事項になります。
 まず、3項につきましては、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査の推進方策の議論ということで、ISSを含む、地球低軌道活動の在り方についてであるとか、国際宇宙探査計画の具体的な推進方策について、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会を設置して議論をいたします。
 それから、JAXAによる安全対策等の評価ということで、これからは、これまで、HTV・「こうのとり」が運用されておりましたが、現在、開発中の新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)がこれから運用になりますので、その運用に関わる安全対策、あるいは、国際宇宙ステーションで使用するために、与圧部に持ち込む物資でありますとか、こういった機器類の安全審査についての評価を、調査・安全小委員会の方で実施します。
 さらに、5番目です。これは、現在、ロケットの打ち上げ失敗について、調査・安全有識者会合という形で設置をして、先程ご紹介がありました木村先生に指導していただいておりますが、この調査・安全小委員会の方では、文部科学省に係る宇宙開発において重大な事故等が発生した場合には、必要に応じ、調査・安全小委員会において、原因の調査でありますとか、技術的な課題の対応策について調査審議をするということになっております。
 次の資料、別紙の方になりますが、ここでもうちょっと具体的な進め方について規定しております。
 大きく二つございまして、文部科学省が実施する重要な研究開発課題の評価、これは、文部科学省の内局予算で実施するものという定義でありまして、これについての評価を行います。
 目安として、総額、5年計画であれば、5年間の額が10億円以上を要することが見込まれる新規研究開発課題についての評価を行うということがあります。
 もう一つ、こちらのJAXAが運営費交付金の中で実施する研究開発プロジェクトの評価ということで、基本的には、JAXA自らが研究開発プロジェクトの評価を行って、その結果に対して、妥当性を評価するということを宇宙開発利用部会では行います。
 評価対象といたしましては、基本的には、文部科学省が重要と判断するもの。
 目安といたしまして、打上費用を含んで、概ね200億円を超えるものということになっております。
 評価をどこで実施するかということにつきましては、プロジェクトのフェーズ、四つのフェーズで、研究開発、運用と四つのフェーズに分けておりまして、それぞれで、前半の開発研究については、企画立案フェーズ、開発運用は実施フェーズという風にしまして、この間で評価を行います。
 タイミング的には、事前評価というものを企画立案フェーズの終わり、実施フェーズが終わったところで事後評価ということで実施をしていきます。
 このやり方としては、JAXA自身が評価した結果の妥当性を評価するというかたちで行うことになります。
 続きまして、各小委員会の設置について、でございます。
まずは、調査・安全小委員会、こちらにつきましては、ここにあります通り、設置の趣旨にあります通り、ロケットによる人工衛星等の打上げとか、国際宇宙ステーションを利用する活動等が、文部科学省における宇宙開発利用の推進になっておりますが、これらについて、人命・財産に関わる重大な事故に至ることがないよう、十分に安全を確保しつつ推進する必要があります。
 これらについてのトラブルについては、非常に高い専門性を持って調査しなければならないケースが非常に多くございます。
 このため、こういった重大な事故・不具合が発生した場合の原因調査、あるいは、事前の安全対策の評価について、小委員会を設置して、評価を行うということにしております。
 二番目に、その項目について定義しております。
 一つは、重大な事故・不具合等の原因、技術課題及びその対応策の調査ということで、基幹ロケットに関わる重大な事故、あるいは、JAXAが開発する衛星、探査機についての不具合、重大な不具合。
 あるいは、三番目として、ISSの運用における重大な事故、これは、飛行士の死亡、または、重大な事故ですとか、機能の喪失、恒久閉鎖に至る重大事故等、ということです。
 これらにつきましては、必要に応じて部会からの個別の付託なしに調査検討を行うということになっております。
 ISSに提供する物資に係る安全審査、これはJAXAが行うわけですが、それについての評価、その妥当性についての評価でございます。
 その他、宇宙開発利用部会の方で適当であると認めたことについて、個別に付託されて調査を行うことがございます。
 設置期間は、本日より令和7年2月14日、部会の任期と同じでございます。
 続きまして、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会の設置について、でございます。
 設置の目的といたしましては、現在運用中のISSが2030年まで運用を延長すると、続くことになりまして、その後のポストISS、運用終了後の地球低軌道活動についても、我が国としては、その在り方について、検討を進めているところです。
 これらの活動に関しまして、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会を設けまして、議論をしていくということになっております。
 調査検討事項としては、国際宇宙ステーション及び、その後継であります、ポストISSに対して、その運用を含む地球低軌道活動の在り方について、あるいは、国際宇宙探査の具体的な推進方策などについて、でございます。
 設置期間は、同じく令和7年2月14日まででございます。
 以上でございます。
 
【村山部会長】 木元さん、どうもありがとうございます。
 ただいまの説明について、ご意見・ご質問がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【村山部会長】 これも事務的な部分ですけれども。
 それでは、資料74-1-4、74-1-5及び74-1-6については、宇宙開発利用部会として、決定するということでよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、ご異議がないようですので、決定とさせていただきます。
 宇宙開発利用部会運営規則、第2条第4項に、小委員会に属すべき委員などは部会長が指名するとあり、第2条第1項には、小委員会に主査を置き、部会長が指名する者がこれにあたるとありますので、二つの小委員会に属する構成員と主査は、本日の会議終了後、速やかに私が指名するようにいたします。
 各小委員会の委員名簿につきましては、後日、事務局から連絡いたします。よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 本日は、第12期の最初の部会ですので、まずは、最近の宇宙に関する動向について、特に先日、宇宙政策委員会から公表された、新しい宇宙基本計画案の内容なども含めて、事務局から簡単にご説明をお願いできればと思います。
 よろしくお願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 事務局でございます。
 それでは、資料74-2、今、画面に映っております、この資料を用いて、簡単に最近の動向をご紹介させていただければと思います。
 まず、1ページを開いていただきまして、我が国における、宇宙開発利用体制と宇宙基本計画について、でございます。
 平成20年5月に宇宙基本法が成立しまして、その後、平成21年6月に宇宙開発戦略本部において、初めて宇宙基本計画というものが策定されました。
 宇宙開発戦略本部、資料の右側の方に記載されておりますが、総理を本部長としまして、全閣僚をメンバーとする政府の会議でございます。
 ここで、宇宙基本計画を始め、重要施策を決定するという枠組みになっております。
 二つ目のポツですけれども、この基本計画は、本文と工程表の二部構成でございまして、基本計画に関しましては、初めて策定されて以降、何回か改訂を繰り返しまして、最新のものは令和2年6月に閣議決定されたものでございます。
 また、実行計画としての工程表というパートがございまして、これは、毎年年末に改訂されて、宇宙開発戦略本部において決定すると、そうした枠組になっております。
 左下、緑色に囲まれた図ですけれども、この宇宙開発戦略本部を機能的に補助するものが、内閣府でございまして、そこに宇宙政策委員会、右側に記載しておりますけれども、委員会がございます。
 ここで、我が国全体としての宇宙政策の議論が実施されておりまして、その下には、例えば、宇宙安全保障部会であるとか、あるいは基本政策部会、さらにその下には、衛星に関する小委員会であるとか、科学探査に関する小委員会であるとか、あと最近、輸送に関する小委員会も新しく作られまして、ここで各省もオブザーバーと参加して、政策的議論が行われているところです。
 また、実施にあたっては、文部科学省を始め、総務省、経産省等、関係省庁、内閣府も含めまして、非常に連携した形で、今、実施をしているところでございます。
 また、一番下のところ、中核的な研究開発機関として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がございます。
 ここは、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、この4府省が主務大臣として共管していると、これがまず全体像となります。
 3ページでございます。
 次に、先ほどご紹介しました、令和2年に閣議決定されました、宇宙基本計画の概要の概要ということで、まず、基本的なスタンスとして、出口主導、民間活力の活用、資源の効果的活用、関係国との戦略的連携という四つのスタンスを示した上で、宇宙政策の目標と具体的なアプローチ、要は、取組ですけれども、取組を多様な国益への貢献という文脈で、四つの柱、一つ目が、宇宙安全保障の確保、二つ目が、災害対策・国土強靭化や地球規模課題の解決への貢献、三つ目が、宇宙科学・探査による新たな知の創造、四つ目が、宇宙を推進力とする経済成長とイノベーションの実現、この四つの柱に加えて、下にありますけれども、これらを支える総合的基盤の強化ということで、4+1のかたちで、我が国では、各省を含めた政策が整備されているというのが現行の宇宙基本計画の背景となります。
 4ページに進んでいただきまして、次に工程表でございます。
 先ほどご紹介しましたように、毎年12月の年末に、工程表、要は、具体的な実行計画でございます。これが作成、改訂されております。
 黄色ハイライト部分が文科省の取組になりますけれども、例えば、まず、総合的基盤、先ほどの+1のところからですけれども、総合的基盤の強化ということで、例えば、H3ロケットのさらなる競争力強化であるとか、打ち上げ高頻度化、さらには、射場等運用システムの整備・改善、民間小型ロケットの事業化促進、将来宇宙輸送システムの研究開発といったことが記載されています。
 また、一つ目の柱、宇宙安全保障の確保では、宇宙状況把握システム、SSAと呼ばれますけれども、これの実運用を2023年度から開始するといったこと。
 また、二つ目の国土強靭化や地球規模課題の解決のところでは、三つ目のポツですけれども、GOSAT-GWを2024年度に打ち上げを目指すといったところ。
 また、三つ目のポツ、ここは、全部文部科学省の取組ですけれども、アルテミス計画に参画し、ゲートウェイの機器開発を進める、あるいは、有人与圧ローバの研究開発を進め、2020年代後半に日本人の月面着陸の実現を図るといったこと。
 さらには、日・米宇宙協力に関する枠組協定について、2023年中の締結を目指すということ。
 さらに、2029年度の人類初の火星圏からのサンプルリターン実現に向け、2024年度にMMXの探査機を確実に打ち上げるといったこと。
 最後に四つ目の柱、経済成長とイノベーションの実現では、デブリ除去技術の実証事業の実施であるとか、三つ目のポツですけれども、SBIR制度の活用。
 こうしたものが、年度ごとの重点取組として、実行の取組として、毎年工程表という形で公表をされております。
 それを受けるかたちで5ページでございますけれども、文部科学省として、必要となる予算の確保を進めてきているところでございます。
 令和5年度宇宙関係予算につきましては、最近は、2行目の予算についてというところの下の小さい文字になっておりますけれども、令和5年度予算額として、1527億円、それに加えまして、補正予算も措置いただいておりまして、補正予算額639億円、総計2166億円、これを文部科学省として、現在確保しているところです。
 内容につきましては、ちょっと量も多いので、説明を割愛させていただきます。
 この後、12ページまで飛んでいただきまして、今日は一つ、新しい動きとしまして、ご説明、ご紹介差し上げたいと思うのは、基本計画の改訂でございます。
 昨年12月、宇宙開発戦略本部、まさに先程説明した工程表改訂の決定をする戦略本部のところで、総理から、今年夏を目途に最新の宇宙開発動向を踏まえ、宇宙基本計画を改訂するよう、発言、指示がありました。
 その後、宇宙政策委員会であるとか、その下の部会、小委員会、または、もちろん我々文部科学省を始めとする各省、そしてJAXAを含めて、改訂に向けた議論を年明けより進めて参りまして、先般、4月17日の宇宙政策委員会で計画案が委員会資料という形で公表をされました。次のページですね。
 これ自体は、これからパブリックコメントにかかるように聞いておりますし、その後、夏に予定されている閣議決定に向けたプロセスの中で変更され得るものだとの認識ではございますが、簡単に中身をご紹介させていただければと思います。
 14ページでございます。前文というところでございます。
 今回、新しい言葉として出てきているものが、2段落目、スペース・トランスフォーメーションとありますけれども、宇宙空間というフロンティアにおける活動を通じてもたらされる経済・社会の変革。
 これをしっかり進めていこうということが、全体の横串的なコンセプトとして出されております。
 3段落目です。我が国が宇宙先進国として、戦後構築してきた宇宙活動の自立性を維持・強化し、スペース・トランスフォーメーションにおいて、世界の先頭集団の一角を占め、世界をリードしていけるかどうかが、我が国の存立と繁栄の帰趨を大きく左右することになる。
 そのためには、目指すべき宇宙空間の開発・利用の将来像を描き、それを実現するため、時機を逸することなく、必要な対応を取っていかなければならない、ということ。
 さらに、そのためには、スピード感を持って、関係省庁間・官民の連携を図って、予算を含む資源を十分に確保していく、という意気込みが前文のところで書かれているところでございます。
 続きまして、15ページでございます。
 宇宙政策をめぐる環境認識。これは、既に先生方には十分ご案内のところかと思いますが、六つに整理されております。
 一つ目、安全保障環境下における宇宙空間の利用の加速、2ポツ目のチェックですけれども、「宇宙からの安全保障」さらには、「宇宙における安全保障」この二つの取組を強化していくことが必要といった状況。
 二つ目、経済・社会の宇宙システムへの依存度の高まりといった状況。
 また、三つ目は、宇宙産業の構造変革でございます。
 各国、民間資金を活用して、民間事業者を活用して、宇宙開発を強力に推進している状況、あるいは、アジャイルな開発手法、こうしたものが進んできているといったこと。
 四つ目では、月以遠の深宇宙を含めた宇宙探査活動の活発化が挙げられておりますが、世界の潮流として、科学・探査ミッションは大規模化が進んでいる。また、火星への着陸・探査に注目が集まっている状況。
 ISS延長については、我が国は参加を決定したという状況。
 さらに、月は国際競争が激化しているといったこと。
 5ポツ目は、宇宙へのアクセスの必要性の増大でございますが、こちらもロシアのウクライナ侵略によって、他国に依存することのない宇宙輸送システムを確保する重要性が浮き彫りになっていること。
 他方で、基幹ロケット打上げ失敗について、原因究明に透明性をもって取り組み、失敗を糧としていく必要があるということ。
 最後に、宇宙の安全で持続的な利用を妨げるリスク・脅威の増大ということで、スペースデブリ等のリスク・脅威が深刻化していると。
 こうした環境認識を、まず第1章のところでしっかりと整理をしているところです。
 これを受けて、次の16ページで、目標と将来像を示しています。その柱が、今まで4+1だったものを、少し再編する形で、1つ目が「宇宙安全保障の確保」、2つ目が「国土強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現」、三つ目が「宇宙科学・探査における新たな知と産業の創造」、四つ目が「宇宙活動を支える総合的基盤の強化」ということで、ここに記載されているような目標、そして、将来像、それぞれが整理されているところでございます。
 17ページ、ここも重要な基本的なスタンスのところでございます。
 先ほど、現行基本計画では、四つのスタンスとありましたけれども、今回、二つ増えて六つの基本的なスタンスが示されております。
 (1),(3),(4),(6)が、先程説明した四つのスタンス、例えば、出口主導みたいな表現は、この(1)のミッションへの実装や商業化を見据えた政策というかたちで、ブラッシュアップされた表現に変わっているのが、(1),(3),(4),(6)。
 今回、新しいスタンスとして出てきているものが、主に(2)と(5)という認識でございます。
 (2)宇宙技術ビジョンに基づく技術開発の強化ということで、一つ目のチェックにありますけれども、安保・民生分野横断的に検討し、的確な調査分析を踏まえ、開発を進めるべき技術を見極め、「宇宙技術ビジョン」を策定、とございます。
 これまで、工程表というロードマップは作成しておりましたが、やはり、しっかりと技術に対して、重要技術をちゃんと見極めて、それを産学官関係者でちゃんと共有していく、このビジョンが、おそらく衛星とか、輸送であるとか、そうした領域ごとに策定されるものという構想があると承知しておりますが、そうしたかたちで、技術に関するビジョンを作るといったところ、それを産学官で共有するといった、これも一つ新しいポイントなのかなと感じているところでございます。
次に、(5)宇宙開発の中核機関たるJAXAの役割・機能の強化ということで、様々に掲げられた取組を実行するためには、やはり、JAXAが非常に重要であると、JAXAにスポットライトが当てられた今回の基本計画になっております。
 まず、JAXA自身、JAXAの先端・基盤技術開発能力を拡充・強化するということ、大学や民間事業者向けにJAXAの戦略的な資金供給機能、これは、最近JAXAは新事業促進部を中心に新しい取組を様々、この利用部会でも紹介させていただいているような取組を進めていただいているところですが、こうした機能を強化して、産学官の結節点にするということ。
 そして、もちろん、上記に向けて、JAXAの人的資源を拡充・強化するということ。
 そうしたことが、今回、基本的スタンス、取組の一つ上の上位概念のところで整理がなされているところです。
 最後は、アプローチでございます。
 こちらは、それぞれ、先ほど説明しました、四つの柱ごとにやっていくべき取組が記載されているところでございます。
 ここから一つ一つ、またこれを説明すると長くなるので、説明は割愛させていただきますが、半分以上、かなりの部分が、文部科学省の取組が占めているところでございますので、まさに、ここに記載されている文部科学省、あるいはJAXAの取組、プロジェクトに対して、あるいは重要政策に対して、この宇宙開発利用部会での今後ご議論、ご審議いただくことを予定しているという状況でございます。
 基本計画自体は、先程申しましたように、これからまだ変更があり得るものですが、最新の状況としてご報告をさせていただきました。
 その他にも、参考資料というかたちで、いくつか最新の取組をご理解いただける資料を添付しておりますので、またお時間がある時に、眺めていただければと思います。
 事務局からの説明は以上でございます。
 
【村山部会長】 竹上さん、どうもありがとうございました。
 では、本日は議題も多いので、ただいまの報告内容については、質疑の時間は取らずに次の題に移りたいと思います。
 詳細をお知りになりたい場合は、事務局に連絡いただければお答えいただけると思います。
 次の議題(3)~(6)までが、報告事項、最後の議題(7)が審議事項となりますので、委員の皆様からは、その都度ご意見やご質問をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移っていきたいと思います。
 次の議題は、イプシロンロケット6号機の打上げ失敗原因調査状況についてです。
 それでは、JAXAの布野理事、井元プロジェクトマネージャ、ご説明をよろしくお願いいたします。
 
【布野理事(JAXA)】 JAXAの布野でございます。
 イプシロン6号機の打ち上げの原因究明状況につきましては、昨年12月に当部会においてご報告させていただいたところでございますけれども、その後も継続的に再現性試験等の原因究明を続け、失敗原因を特定するとともに是正対策、水平展開の検討を行っているところでございます。
 その状況に関しまして、4月18日に木村先生に主査をお願いしております、調査・安全有識者会合において報告いたしましたところでございます。
 本日は、その資料を用いまして、原因究明状況について、井元プロマネから報告させていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 イプシロンロケットプロジェクトチームの井元でございます。
 資料に基づいて説明いたします。
 まず、右下3ページ、目次が書かれておりまして、その次の4ページに今回報告する全貌を示しております。原因特定ができておりますので、そちらを中心に要点を絞ってご説明いたします。
 右下8ページをお願いいたします。
 まず、これまでフライトデータ、それから追加検証を元に、要因の絞り込みを行っておりまして、パイロ弁の開動作不良に関しましては、フライトデータを元に実施いたしました追加検証、それから、製造検査データの確認によりまして、これは要因ではないという風に確認しております。
 残った推進薬供給配管の閉塞ということで、この中のさらに絞り込みを実施したということが、今回の報告内容になります。
 続きまして、12ページをお願いします。
 こちら、FTAの全貌を示しておりまして、ダイアフラムによる閉塞のところまで特定しておりまして、そのうち「ダイアフラムが正常」であるケース、それから、異常であるケースに分割しております。
 まず、【A-2-1-1】加速度による閉塞ですけれども、こちらは要因である可能性は極めて低いということで「×」にしております。
 まず、加速度環境下、これは試験を実施しまして、ダイアフラムは液ポートには近接しないということ。
 それから、閉塞に至る条件であります、ダイアフラムが液ポートを覆って安定する可能性は極めて低いという要因から「×」にしております。
 続いて、振動・衝撃による変形ですけども、こちらは、この振動・衝撃、フライト中の振動・衝撃による変形は、ダイアフラムの弾性範囲内であって、液ポートに近接することはないということを確認しておりますので、要因ではないという風に判断しております。
 それから、「ダイアフラムが異常」に関しまして、まず、脱落ですけども、こちらも製造検査データ、それから設計データから要因ではないという風に判断しております。
 真ん中のダイアフラムシール部からの漏洩、こちらにつきましては、これが打ち上げ失敗の原因という風に特定しております。
 メカニズムに関しましては、まず、ダイアフラムがリング間隙間に噛み込んで、その後の溶接工程等で破断して損傷すると。
 それから、その部分から推進薬が、液側からガス側に漏洩して、ダイアフラムが液ポートに覆い被さると。
 そのあとのフライト中に、パイロ弁開動作動時に、ダイアフラムが液ポートに入り込んで閉塞するというメカニズムと特定いたしました。
 最後にダイアフラムの破断につきましても、製造工程、それから、追加検証の結果、要因ではないという風に判断しております。
 13ページ以降が、追加検証を実施したものになりまして、ポイントだけご説明いたします。
 まず、13ページの(a)閉塞確認試験ですけども、こちら、ダイアフラムが液ポートに覆い被さると閉塞するということを確認しております。
 それから、(b)ですけども、こちらは、強制的に漏洩を発生させて、ダイアフラムに傷をつけて漏洩を発生させると、推進薬を模擬した水は、液側からガス側に移動して、ダイアフラムが球殻に張り付くという現象を確認いたしました。
 次のページに移っていただきまして、右下14ページの(h)旋回腕試験になります。
 こちらは、JAXAの施設を使いまして、まず、アクリルタンクを使って、中が目視できる状態を使って、フライト時の最大加速度に相当いたします3.5Gを印加して、それから1Gに戻すという試験を実施したところ、最大加速度を印加しても、液ポートには近接しないということ。
 それから、最大加速度から1Gまで除荷する際には、どちらかというと液ポートから離れる側に移動するということで、そういう試験結果を得ております。
 それから、(i)ですけども、ダイアフラムの形状確認試験ということで、ガスを充填いたしまして、ヒドラジン未浸漬の状態で、ダイアフラムを人為的に近づけると、最小5mm程度まで近づきますけども、接するまでには至らないということ。
 それとあと、人為的にこのような形状になったことが無いということはないということまで確認しております。
 それから、その下の(j)ですけども、ダイアフラム近接状態での閉塞確認試験ということで、先ほど(a)でご説明したような試験に似た形で、こちらも人為的に手で変形させて、液ポートにダイアフラムを近接する状態で、模擬バルブのパイロ弁を開にしても、閉塞しないということを確認しておりまして、それは9Lから、6.5L、3L、1Lと、かなり水を減らしても閉塞しないということを確認しておりまして、最後には、もうほぼダイアフラムが液ポートを覆い被さるような0.3Lの状態にしたところ、閉塞が発生するという、(a)の試験が再現できたというかたちになります。
 それから、15ページですけども、(k)の組込検証試験ということで、組込む際にダイアフラムが噛み込む模擬をしたのですけども、そうすると、リング間隙間というところとシール部幅というものが大きくなって、この6号機の製造検査データに対応するような試験結果になりました。
 それから、(l)噛み込みによる損傷試験ということで、テストピースを使いまして、ダイアフラムを固定リングと溶接リングというものの間に挟み込んで溶接したところ、シール部の噛み込んだところの大部分が破断するという現象が見られました。
 それから、最後に噛み込み損傷模擬漏洩検証試験といたしまして、シール部噛み込みによる破断というものを模擬しまして、意図的に欠損させたダイアフラムで漏れ試験を実施したところ、漏れるというところまで確認しておりまして、ダイアフラムを手で押して、ダイアフラム形状に変形を加えると漏洩が発生する。
 その欠損の深さとしましては、噛み込みによる損傷確認試験、これは上の(l)のところで確認した結果を反映したところ。
 それから、欠損部の長さですけれども、これは6号機の+Y軸側の不具合が発生した製造検査データを反映した欠損を模擬したものでございます。
 それから、この漏れですけども、加圧圧力が上がると漏洩しにくくなりまして、単品の製造で確認した漏洩試験圧力であります0.01MPaになると漏洩しなくなるという結果になりました。
 こういった状況を元に、さらに詳細に書いたものが16ページ以降になりまして、まず、「ダイアフラムが正常」ケースにつきましては、この赤で示したところになりますけども、確認された事項としまして、繰り返しになりますけども、丸4ダイアフラムにフライト中の最大加速度相当を印加しても、ダイアフラムは液ポートには近接しないということ。
 それから、その3.5G、最大加速度から1Gまで除荷すると、ダイアフラムは液ポートから離れる側に移動するということ。
 それから、丸6、これは、ダイアフラムが閉塞する条件は、ダイアフラムが液ポートを覆い被さることであるということ。
 それから、丸7でダイアフラムが閉塞に至る条件であります、液ポートを覆い被さって安定する可能性は極めて低いということで、17ページの結論ですけども、フライト中の加速度環境下では、ダイアフラムは液ポートに近接することはないと。また、ダイアフラムが正常な場合は、ダイアフラムが液ポートに覆い被さって安定する可能性は極めて低いということで、これが要因とは考えにくいと判断しました。
 続いて、18ページになりまして、ダイアフラムの脱落、こちらは追加検証等を実施した結果、これは要因ではないという風に判断しております。
 それから、19ページ、ダイアフラムシール部からの漏洩になりますけども、こちら右の方に模式図を示しておりまして、ダイアフラムを組み込む時に噛み込んで、それが溶接で破断したというようなものを想定しておりますけども、確認された事項の4番目ですけども、まずダイアフラム組み込む時に、赤道リングと固定リングの隙間にシール部が噛み込むと、組み込み後の当該位相のリング間隙間とシール部幅は大きくなるという結果を得られております。
 それから丸5ですけども、6号機の+Y軸側の製造検査データ、こちらでは、この丸44と整合するものがあるということが確認されております。
 次のページお願いします。
 それで丸6ですけども、ダイアフラムシール部を噛み込ませて溶接すると、シール部噛み込み端部が、部分的に破断損傷するということ。
 それから、製造検査データを元に、模擬的に欠損させたダイアフラムでは、シール部から漏洩するということを確認しております。
 一方で、製造時に、なぜこれが検出できなかったと、この漏れを検出できなかったか考察しておりまして、一つ目ですけども、丸7の漏洩、これはダイアフラムを手で変形させないと漏洩しないというところ。
 それから、加圧圧力が上がると漏洩しにくくなりまして、これは、製造時の検査時圧力0.01MPaでは漏洩しなくなるということで、漏洩を検出できなかったということ。
 それから、シール特性上、シール性が良いということで、当該シール部以外でシールしていた可能性があるということ。
 それから、丸7の試験はヒドラジンを充填して、潰し量が小さい状態で試験したのですけども、検査時はヒドラジンを充填しておりませんので、潰し量が大きいということで漏洩しにくいという観点。
 それから、ヒドラジン充填をした後に輸送しますので、その時の振動ですとか、あと射場作業で反転作業を実施いたしますので、そういったところでシール性が変わっているというような要因があると考えました。
 結論といたしまして、これが要因という風に判断しております。
 21ページに移ります。
 ダイアフラムの破断につきましても、製造データ、それから、追加試験で要因ではないという風に判断しております。
 時間がなくなってきましたので、説明を加速いたします。
 22ページ。原因、ダイアフラムシール部からの漏洩ということで、特定したということを踏まえまして、現時点、開発リスクを抑えて、信頼性を確保するということで、大幅な設計変更なく、適用可能な国産の推進薬タンクを適用することを方針としまして、今、二つの案を考えているところです。
 現状のタンクの設計変更ということと、H-IIAタンク活用案。H-IIAタンクにつきましては、元々シール部の噛み込みが発生しない製造、設計製造工程となっておりまして、尚且つ、タンク液ポートに閉塞防止用の機構を有します。
 現タンクにつきましては、シール部の噛み込みが発生しない設計製造工程、それから、漏洩を確実に検知する方法を今検討しているところです。
 それから、推進薬充填量ですとか、閉塞防止用の機構追加といったところも、追加で検討しているところでございます。
 こちら、少しお時間をいただきまして、どちらかに決定してイプシロンSに適用するということを考えております。
 23ページ。背後要因になりますけども、元々イプシロンロケットは2段階開発ということで、1段階開発目は、M-VとH-IIAで培った技術を最大限活用するという方針で開発をしてきました。
 要素を分解いたしまして、H-IIA技術を活用したもの、それから、M-Vの技術を活用したものを左の表に示しておりまして、この2段のRCSタンクにつきましては、フライト実績品を適用したというのが、まずそもそものところであります。
 それに対しまして、24ページお願いいたします。
 なぜなぜ分析を示しておりますけども、背後要因としましては、フライト実績品に対する確認不足と識別しております。
 こちら、M-VとH-IIA技術を活用した範囲につきましては、適用開発を行っておりまして、新規開発品と同様に、20年来の基幹ロケットの信頼性向上の取り組みを踏まえた設計・製造・品質保証の確認を実施してきております。
 一方で、このタンクにつきましては、元々宇宙機で使用するために開発したものであるということで、適用開発時には、使用条件の違いを考慮した機械環境試験ですとか、耐圧試験等のタンク構造としての確認は実施してきたのですけども、内部につきましては、設計の考え方、作動原理を十分に理解した上での確認が不足していたという風に判断しております。
 25ページのなぜなぜ分析は、割愛させていただきまして、26ページ。
 こういった背景要因を元に、イプシロンSの信頼性をきっちり確保する活動を今実施しておりまして、フライト実績品に対して、十分な確認を実施するということで、20年代の信頼性向上に係る、開発の目が入っていない場合につきましては、開発当時の設計の考え方ですとか、使用条件の根拠、製造、品質保証方法に立ち返って確認を実施いたします。
 過去の設計に立ち返る場合には、H-IIA 6号機の打ち上げ失敗以降、これまで取り組んできておりました、信頼性向上の観点を十分に考慮いたします。
 最後に27ページをお願いいたします。
 まとめといたしまして、この失敗の原因をダイアフラムシール部からの漏洩と特定いたしました。
 今後の予定といたしまして、直接原因の是正として、現タンクとH-IIAタンクのトレードオフを実施して、処置を決定いたします。
 それから、背後要因の分析結果等をイプシロンSロケットに反映して、信頼性を向上させます。
 説明は以上になります。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、ただ今の意見について、ご意見・ご質問があればお願いいたします。いかがでしょうか。
 本件は継続的に報告を受けていまして、新任された委員の先生方は、ちょっと分かりにくい部分があったかと思いますけれども、申し訳ありません。
 いかがでしょうか。それでは、秋山委員、手が挙がっておりますので、お願いいたします。
 
【秋山委員】 サイエンスライターの秋山です。よろしくお願いいたします。
 22ページの今後の不具合への対策というところで、ちょっとお伺いしたいのですが、二つの案をどちらかにするか、今ご検討中ということですけれども、特にH-IIAタンクの活用案の方で、タンクのサイズが現在よりも大きくなるということで、こちらがもし選択された場合ですけれども、何か大きくなることによって、重量がアップするとか、そういった、今の…急いでいる場合には必要なのかもしれないですけれども、今後、重量等の面で何か不利になったりするとか、そういったトレードオフみたいなものがもしあれば、教えていただけないでしょうか。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 仰る通り、H-IIAタンクは大きいもので、少し質量的には不利になります。
 それから、今現在、射場でこのタンクを取り付ける案を検討しておりますので、ロケットの構造部分ですね、取り付け部分のドアを拡大するといったような検討が必要になります。
 そういう観点で、多少現タンクに対しては不利になるのですけども、重さという観点では、今2段に搭載しておりまして、こちら打ち上げ能力感度は、かなり小さいものになっておりますので、性能に対する影響というものは、ほぼ無視できるレベルになります。以上です。
 
【秋山委員】 ありがとうございます。
 そうしますと、ここで採用された案というのは、将来、イプシロンSでずっと使用するものであって、暫定的なもの…対策ではないという理解でよろしいでしょうか。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 仰る通りでして、まずこれを採用する場合には、継続的に使用することを考えております。
 
【秋山委員】 はい、分かりました。
 質問は以上です。どうもありがとうございました。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 他の方、いかがでしょうか。いいでしょうか。
 芝井委員から手が挙がりました。お願いいたします。
 
【芝井委員】 芝井ですが、26ページに不具合要因の対策の3-2のところの、さらに何ページ目かで、背後要因に係る以下の対策を、ということが書いてあるのですけれども、全体的には非常に細かく検査されていて、これに関しては信頼を受けると思うのですが、他のものに対して、全く同じことは起こらないのだけれども、このページに関しては、やや一般的なことが書いてあるわけですよね。
 これは、イプシロンSロケットだけに限らない記述がここに書かれていて、ここは、もう少しお考えをお聞かせいただきたいなと。これは一体どうやって対策したら良いのか分からないんですよね、これを読んだだけでは。いかがでしょうか。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 まず、イプシロンSに関しましては、こういうブラックボックスとは言わないまでも、それに近いようなものがあるのかないのかといったところを全て洗い出しまして、既に洗い出しているのですけども、そういったようなものの中身、特に打ち上げ失敗等に繋がるようなクリティカルなものにつきまして、今の設計の中身ですとか、開発試験結果ですとか、製造工程、品質工程、品質保証工程に立ち戻るものというものを今識別しつつあります。
 そういったものを、より詳細に確認していくというような行為になります。
 以上でよろしかったでしょうか。
 
【芝井委員】 お聞きしたかったのは、イプシロンS以外まで含めたもので、多分、ここに書かれているものに関して、実施しようとすると、大きい労力とコストがかかるんじゃないですかね。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 そちらは、うちの安信部を中心に、水平展開といったようなところを今考えてもらっておりますので、これも通常の工程…設計過程の中に組み込むような形になるかという風に考えております。
 
【芝井委員】 できたら、そのご検討と方針の結果を、またいつか聞かせていただければ、少し安心するのではないかと思いました。
 
【井元プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ちょっと担当部署と調整させていただきたいと思います。
 
【村山部会長】 ご検討いただければと思います。
 文科省の方から手が挙がっていますけれども。
 
【上田課長】 上田でございます。すみません、村山先生。宇宙開発利用課長の上田でございます。
 本件の事務局としてお答え申し上げます。
 今、井元プロマネからご報告をいただいたこの件ですけども、4月の18日に前回行いました。
 まだ、この議論自体はクローズしていませんので、次回、木村小委員長の下での小委員会が、5月に開催される予定です。
 この背後要因に対する対応についても、もう少し議論を深めようということになっていまして、それを深めた上で、文部科学省側の報告書も含めて、5月に取りまとめを目指して調整中でございます。
 そういった取りまとまったものにつきましては、今いただいたような問題意識も含まれますので、それを改めて取りまとまった後に、こちらの部会に報告させていただきたいと思っております。
 以上でございます。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 5月にもう一度、本件について議論する機会があるということですので、またその時によろしくお願いいたします。
 それでは、ちょっとお時間も押してきましたので、次の議題に移らせていただきます。
 次の議題は、「H3ロケット試験機第1号機打ち上げ失敗原因調査状況について」です。
 それでは、JAXA布野理事、岡田プロジェクトマネージャ、ご説明をお願いいたします。
 
【布野理事(JAXA)】 JAXAの布野でございます。
 H3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗の原因究明に関しましては、FTAを作成し、フライトデータの解析、製造記録の確認、それから再現試験と、精力的に現在実施しているところでございまして、これまでに3回、調査・安全有識者会合に報告しているところでございますが、本日は、昨日開催されました、会合の資料を用いまして、岡田プロマネより報告させていただきます。
 よろしくお願いいたします。
  
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 岡田でございます。まず目次、2ページをお開きいただきまして、発生事象の内容の辺りから、今日はご説明したいと思います。
 それではページをめくっていただきまして、3ページですが、本日の報告内容がございますけれども、現在、先程、布野理事よりお話がございました、原因究明を鋭意進めているところです。
 現時点、発生場所を絞り込んでいるところでございまして、本日は、その内容についてご説明していきたいと思います。
 ページは、11ページまでスキップさせていただきます。
 今回の失敗の原因の状況ですけれども、11ページにございます、基本動作の中でご説明していきますが、1段の分離のあとで、2段の推進系コントローラに、2段エンジンの着火信号をコンピュータから送るというところがトリガーですけれども、これをSEIGと呼びますが、SEIGの信号は正常に送られています。
 その後、SEIGの信号を受け取った、ECBというエンジンのコントロールボックスがエンジンの動作をし始めるというものでして、その動作の流れにつきましては、11ページの左下にございます。
 電気系と書いてありますのは、主に機体に搭載してある部分、右側のロケットの真下から見た図ですが、2段のタンクの下部に、このようにボックスが搭載されています。
 そして、点線から下ですけれども、2段エンジンという部分の中に、ECBであるとか、その先にあるPNPというものは、ニューマティックパッケージ、電磁弁を搭載したニューマティックパッケージ、それから、その先にエキサイタ、エンジンを点火するための、車で言うとスパークプラグのようなものですけれども、こういったものが構成されておりまして、制御電源というものは、途中から、SEIGの前から供給されている状況になっておりました。
 12ページに参りまして、今回の事象ですけれども、まず、SEIGというものは送信されたということと、受信までが正常に確認されております。
 その直後ですけれども、PSC2という、推進系を司っているコントローラの中にあります、電圧電流の異常を示す機器BITが異常を検知しております。
 異常を検知すると同時に、電源供給を遮断しておると。
 申し遅れましたけれども、このPSCというものは、冗長構成になっておりまして、A系、B系となっていて、まず、A系が電源供給を遮断して、B系に切り替わった後に、B系も同様に遮断されたということで、結果的に、その下流にありますエンジンは動作せずに、着火に至らなかったという事象でございます。
 14ページに参りまして、この事象に関しまして、2段のエンジンが火が付かなかったということをトップの事象にいたしましたFTAを早速作成いたしまして、この中でフライトデータであるとか、工場での再現試験、あるいは製造記録などを用いまして、順次絞り込みをかけております。
 15ページに参りまして、そのFTAをまず…階層としては上の部分ですね。1次、2次、3次という要因の3次までをここに載せてございます。
 それ以外につきましては、後程ご説明いたしますけれども、現在2次要因のところで推進系コントローラからニューマティックパッケージの電源が遮断されたというところは、事実であろうということで、それ以外を「×」にしております。
 その下の方の3次要因ですけれども、その中にもいくつか要因はあると考えておりまして、まずPSC2というコントロールの中で誤検知が起きた、あるいは、3.2.2では、実際の、正常な動作の範囲ですが、消費電力が 過大であって、電源が遮断された。それを検知して、電源が遮断されたと。
 それから、3.2.3では、PSC2の下流の主にエンジンの機器部で、短絡または地絡が起きますと、電流が過大になりますので、こういったことが原因ではないかということなどが、現在、主に検討しておったところでございまして、この検討の内容につきましては、後程少し深めてご説明いたしますけども、現在のところ、3.2.1の過電流誤検知、これは設計通りに機能しておりますので、概ね動作はできているのですけれども、確からしさの面から言うと、たまたま何か二つの事象が重なって起きると、可能性としてはゼロではないということで、「△-」にしてございます。
 それから、最も今可能性が高いと絞り込んでいるのは、「△」として、赤のハッチングで残っております、短絡または地絡でございます。
 ここまで追い込むために、16ページにありますような、地上での再現試験を行って参りました。
 例えばですけれども、機器メーカーでのコンポーネントを繋ぎ合わせたような機器の駆動試験でありますとか、同じような構成で短絡を模擬的に発生させて、実際の短絡の挙動というものがフライトデータと一致するか否かというところ。
 それから、No.2にありますのは、右下の写真にございますような、実際の機体、これは3号機の機体ですけれども、を用いまして、システム的に何か思わぬ挙動がなかったかということでございます。
 こういった観点での試験をした結果でございますけれども、凡そ機器の動作としては、正常に行われているということと、短絡自体は実際にあるところを短絡させると、今回のフライドデータと概ね矛盾しないデータが得られているというところまで評価をしております。
 ちょっとここから加速いたしますけれども、17ページから19ページにかけましては、まず、過電流誤検知の検討でございます。
 17ページにございますのは、設計上何か思わぬ回路の設計になっていないか、あるいは閾値が問題になっていなかったか、であるとか、18ページには、先程ご説明した再現試験によりまして、実際に、これは下のグラフにございますのは、短絡を模擬した場合に、このように過電流を検知して、A系が異常BITを検知して、B系に切り替わって、B系も異常BITを検知して、最後を遮断すると。2段階の遮断に至るということが、時定数も含めて、概ね飛行データと同じということを確認しております。
 それから、19ページには、その直前までのデータは正しかったのかということですけれども、この電流電圧の検知に用いるデータというものは、実際にテレメーターで、地上にその直前まで動作が降りてきておりまして、右の図にございますように、電圧電流とも、意図通りの作動をしておりますことから、このデータそのものが何かバケてしまって、それがために検知をしてしまったということではないのではないかという風に考えております。
 SEIGの時点で偶然何かが起きるというのは、排除はしておりますけれども、そういうことでございます。
 それから、20ページには、ここは、ちょっと今日は、ご説明としては、主に割愛させていただきますけれども、H3ロケット、この2段に関しましては冗長構成になっておりまして、独立の二重冗長です。
 その冗長の考え方につきまして、我々は、並列冗長というタイムクリティカルなシステムに用いる冗長設計の考え方と、待機冗長という、フィードバックを行いながら、比較的ゆっくりと制御…コントロールしていくところは、待機冗長と、こういった二つの冗長系を組み合わせているということを3ページに渡ってご説明しておりますけれども、現時点、この冗長設計自体が、何か今回の問題を引き起こしたという風には考えてございません。
 それから、23,24ページは、その他のFTAの考察を行っておりますが、これは今回のポイントではございませんので割愛させていただきます。
 そして、25ページに参りまして、現時点での評価ですけれども、冒頭申し上げました通り、一番下に載せてございます通り、下流の機器の短絡、地絡が発生した可能性が高いという風に評価しております。
 ただ、27ページに参りまして、今申し上げた可能性が高いとは申し上げたものの、まだ要因について具体的に明確になっていると、特定したという状況ではございませんので、今時点では、もう少し広い網をかけて、あらゆる可能性を排除せずに検討を継続しているところです。
 網のかけ方について、28ページから数ページに渡ってご説明しておりますけれども、ちょっと煩雑ですので、ポイントだけご説明しますと、まず28ページには、各故障モード、色々と思い当たる故障モードについて、どのくらいの強さで否定できるかということで、丸1から丸5までの否定の強さを示しております。
 例えば、一番強いのは、その故障モードではなかったという明確な証拠がデータの中にあるというものです。
 丸5は、正常時には検証されていると、これが最も弱い否定の根拠であると。
 これらを並べまして、故障モードの可能性について、下の方にR5から1に、検討の優先度というかたちで示しまして、R5を一番マークするべきであって、ただし、R4から下も、まだ排除しないということで、今考えております。
 29ページには、その考え方を載せてございますので、ご確認いただきたいのですけれども、現在、R5、最有力の候補として優先的に取り組んでおりますけれども、R4とR3、これは例えばですけれども、二重故障が同時に発生したであるとか、それから、たまたま制御のタイミングで何かが起きたとか、そういうかなりの比較的偶然が組み合わさったような部分も、どうしても考えざるを得ないですけれども、そういったものも視野に入れております。
 30ページは、R1からR5に対して、どの範囲がそれに該当するかということを冒頭ご説明した図でご説明しておりますが、主にR5からR3に関して、比較的優先度の高いものについては、2段エンジンが主にその対象であるということ。
 それから、31ページに参りまして、R5からR3という優先度の中でも、PSC2からエンジンのニューマティックパッケージ、あるいはその先のエキサイタに向けて、このように優先度が高くなるであろうと。
 それは、色々なこれまでのデータであるとか、根拠に基づいて絞り込んできておるわけですけれども、現在R5というものは、SEIGの時に通電をした部分であって、且つシングル構成になっている部分を最もマークして、それが赤のラインと赤の箱の部分ですけれども、ここをマークして、今検討に取り組んでおります。
 その部分につきまして、32ページ以降でお示ししておるのですけれども、少しご説明加速していきますが、今のご説明した、2段エンジンの短絡、地絡に関しては、さらに、3次要因から6次要因までブレイクダウンしています。
 4次要因というのは、場所でありまして、SEIGのタイミングで動作するようなもの、あるいは、しないものという分け方をしています。
 それから、5次要因はフライト環境の影響、それから、製造の特異性で分けております。
 6次の中では、それぞれの枝分かれということで、フライト環境でありますと、例えば、衝撃とか真空環境などが、主に検討の対象でございまして、製造の中では、製造単品では、先程ご説明したように異常は特にないのですけれども、これからご説明するに異常は特にないのですけれども、何か複合した可能性はあるのではないかということを示しております。
 34ページ以降は、そこを今、深掘りしている最中の内容でございまして、今、例えば34ページですと、衝撃が比較的強かったものですから、それについての評価をした部分。
 それから、35ページは、製造の特異性が…異常は無いのですけれども、特異性が2点ほど見出されておりまして、それをマークしているという部分。
 それから、36ページは、射場作業で最終的な機能点検で動作が確認しているのが3月2日でありまして、ここでは、まず動作は確かであったということと、それ以降は、エンジンアクセス等もなかったということを述べております。
 以上から、製造記録、それらを確認した結果として、不具合事象に直接つながるような現象は認められておりませんが、特記事項などには注目して、シナリオを詰めていきたいという風に考えております。
 今の検討の仕方ですけれども、37ページにございますように、原因究明の観点といたしましては、故障に至る要員の可能性検討を広げることとして、たまたま製造のばらつきの範囲で、短絡、地絡しやすい状態となっていて、途中で合格しているものがフライトで短絡、地絡に至るような複合要因についても、検討を広げております。
 38ページから40ページまでは、そういったものの絞り込みの仕方を乗せてございまして、41ページには、そういったものの絞り込みの結果として、エンジンの部品ごとに、その故障モードが何であって、要因としてどういう要因があり得るかということをマークしておる部分が、このように表になって載せてございまして、一点一点の丸が、一つ一つが故障のシナリオに繋がっていくという風に考えておりまして、現在、ある部分についてどういうことが考えられるかということを、43ページ以降でお示ししますような一点一点について、故障のシナリオを立てて、それを、検証を一つずつ行っているところでございます。
 それから、最後49ページに参りまして、今後の進め方ですけれども、FTAの要因の絞り込みにつきましては、今ご説明した通りでございます。
 残る要因についても、原因究明を2段エンジンの短絡、地絡について優先して進めて参りまして、最後検証試験によりまして、原因の絞り込みを行っていきたいと考えております。
 すみません、長くなりました。説明は以上です。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございました。
 では、ただいまのご説明について、ご意見・ご質問があればお願いいたします。
 山室委員、手が挙がっております。よろしくお願いします。
 
【山室委員】 聞こえますでしょうか。
 
【村山部会長】 大丈夫です。
 
【山室委員】 ご説明ありがとうございました。
 今回、こんな風に絞り込んだというご説明で、とても分かりやすかったのですけれども、37ページの、たまたま製造のばらつきの範囲で短絡、地絡しやすい状態となっており…最後のところですね。製造後の検査や地上試験では合格であったものが、フライト環境などによって、そういう重大な事故に至るという、こういうことがあるのだとしたら、今回はこうやって原因を究明しているのですけれども、あらゆる部品について、これは起こり得ることだと思うんですね。
 部品の組み合わせというものは、膨大にあるので、なので、これはちょっとシミュレーションとかをするとしたら、例えばAIを使って、膨大な数の可能性を検討するとか、原因究明ではなくて、発生可能性を未然に探知するという観点からの、一歩進んだ、そういう対策はお考えでしょうか。
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】  先生、ありがとうございます。
 ここも、ちょっと表現…本当にランダム故障のようなことまで、どう視野に入れるかということの、先生アドバイスだったと、ご質問だったと思うのですけれども、現在は、まず、何らかの手がかりがなかったかというところ、製造の中でも、まず手がかりを掴んだ上で、それの対象となる故障モードを今あたっているところでございまして、まずは、そこに注力したいという風に考えております。
 ちょっと今日は説明を割愛してしまったのですが、例えば、42ページに、製造時に内在する可能性のあるものという、実際の部品ごとに、そういったものを、今割り出しを行っておりまして、そういう形跡が実際になかったかどうかということを、例えば、他の地上に残っておる、あるいは同じようなロット部品の中で、手がかりをまず見つけた上でシナリオを立てていくと。それを検証していくというところを、今はまだ進めているところです。
 
【山室委員】 ありがとうございます。
 実は、先程のイプシロンの場合は、既に使っていた部品だったからというところがあって、やはり、何かが起こった、こうだろうということを人がやると、やっぱりヒューマンエラーとか、思い込みが入ってしまう気がするのですよ。
 原因究明の時はそれでいいと思うのですけれども、未然に防ぐという時には、今回そこまで至っていないと思うのですけれども、未然に防ぐための、何かこれまでとは違った方策というものを、今からでも原因究明しつつ、想像しつつ、そういう未然に防ぐためのシステム作りというものにも繋がるような原因究明をこれから進めていただけると良いかなと思いました。
 ありがとうございました。
 
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございました。
 先生、設計をロバストにするために、AIを活用するというのはいかがとかというアドバイスと受け取りまして、これからの開発などに生かしていきたいと考えます。
 ありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 続きまして、山崎委員、お願いいたします。
 
【山崎委員】 山崎です。
 原因究明をしてくださいまして、ご発表下さいまして、ありがとうございます。
 まだ、原因の完全な究明は続くということですけれども、一点目の確認が、今回の原因がPNPの短絡、地絡によるものだとした場合に、今後の対策としましては、設計変更というよりも、既に仕上がっているものを、いかに検証して、打ち上げの前に地上検証を充実していくことになるのかどうかということです。
 二点目としましては、先程のご質問にもありましたけれども、その場合に、地上での検証方法というのでしょうか。安全設計の考え方にもよるのかもしれませんけれども、従来やっていた検証を、例えば、環境条件をより厳しい状態にすればできるものなのか、それとも、もう少し抜本的に変える必要があるものなのか、現状での目安を教えていただければと思います。
 以上です。
 
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。
 まだ、要因そのものがはっきりと「これだ!」というところまで特定に至っていないので、少し幅広い選択が残る状況だと思っています。
 今、山崎委員がおっしゃられたように検査で抑えるという方法は、もちろん…短絡、地絡が起きる箇所、起き得る箇所というのは、大体マークできていますので、それが起き得ないようにするような、結果として起き得ないようにするような検査を行う…であるということを一番現物に手を入れない方法としてはあると思うのですけれども、原因によっては、要因よっては、何か手を入れないといけないことが出てくれないかもしれないという。まだ、そのような状況です。
 
【山崎委員】 状況承知いたしました。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 続きまして、白井委員、お願いいたします。
 
【白井委員】 すみません、予めお断りしますが、極めて素人質問なのですが、実は、ご説明の中で、今回は…聞こえていますよね。大丈夫ですよね。
 
【村山部会長】 大丈夫です。
 
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 聞こえております。
 
【白井委員】 質問は、原因の話ではなくて、設計思想の話です。
 この書類の中に、PSC2の過電圧過電流検知及び電源遮断機能は、設計意図通りだったというところがあったわけですが、これは、実はここが素人で分からなかったのは、これは、電源遮断は、なんで設計に入れているのだろうということです。
 つまり、2月に起こったような打ち上げ段階は、当然フェイルセーフだから止めなきゃいけないということは当然だと思うのですけれども、これは2段ですから、過電流過電圧でも、無理矢理着火してしまった方が、まだ、かすかな望みが残ったのではないかという、こういう素人感覚を持ってしまいました。
 私は、このまま電源遮断しなかったら何が起こったかという辺りも一言で教えていただけると嬉しいなという、こういう質問でございます。よろしくお願いいたします。
 
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 分かりました。先生ありがとうございます。
 まず、このH3ロケットは、冗長構成になっていると言いことをご説明いたしました。それは20ページでございます。
 この基本的な考え方ですけれども、ここでモニターしているのは、過電圧、そして過電流なわけですけれども、仮に過電圧が付加されたまました使用しようとした場合には、エンジンそのものにダメージ与えてしまって、したがって、その完治した系、例えばA系B系、これは独立でどちらが先に検知するかもありますけれども、検知したところはフェイルサイレントと言いまして、まず自分が動作をやめると。残った方に任せるというのが、基本の思想です。
 ついては、どちらの系でも、電源遮断に至るというようなことになりますので。今もう上げたことは、冗長個性になっている部分の中で、それが起きた場合には、そのバトンをタッチするということでございます。
 従いまして、今回につきましては、シングルの系統の中で起きたとしますと、まず、冗長系としては救いようがないというのが一点、それから、仮にこのまま動作したらどうなるかということでございますけれども、それはまだ、現象そのものがどうであったかという証拠が残っているわけではないので、場合分けになりますけれども、このまま例えば、短絡が続いた状態になりますと、一気に電力を消費してしまいまして、動作不定になって、非安全な状況になっていくというものでございますので、できるだけ、そういうことがないように冗長構成の中でブロックしているというものでございます。
 
【白井委員】 ありがとうございました。よく分かりました。ありがとうございます。
 
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。
 
【村山部会長】 続きまして、木村委員、お願いいたします。
 
 
【木村委員】 すみません、本来でしたら私、調査・安全小委員会の方で、普段、この議論をさせていただいているので、少しちょっとだけ、私の方からあまりコメントするのが良いかどうか分からないのですが、若干の解説を少しさせていただければと思います。
 今、議論いただいているポイントは、委員会の方でも、ポイントとして議論されてきたところに非常に関連しますので、先程ありました、シミュレーション技術、あるいは、言ってみれば、デジタルツインのような形で、シミュレーションを活用して、DX的に不具合等を予見するなり、そういう情報技術を活用する方が良いのではないかと、これは議論の中でも出ておりまして、なかなか大変だと思うのですけれども、そういうアプローチも、おそらくこれから先対策を考えていく上では、将来の設計には含めていくべきだろうと、こういう議論は委員会の中でも出ておりました。
 それから、今の白井委員からのご質問ですけど、昨日まさに、そこが議論になりまして、例えて言うと、おうちが一軒ありましたと。2カ所から電力を、二つの電力会社から電力を供給して…いただいておりました。その時に、お家の中でショートが起きていましたと。
 そうすると、ブレーカーがとりあえず両方落ちます。順次落ちていきますと。そこで、もしブレーカーが落ちなかったら、しかも、本当にそのショートが起きていたならば、その家が火災になってしまう危険性があるわけですね。
 今の場合、もし本当にその地絡が起きていて、ショートが起きていたのだとすると、電力を流し始めると、流し続けてしまうと、場合によっては、非常に破局的な状態になって、指令破壊すら効かないような、そういう状態に陥る危険性もあったので、ここは、おそらく切るということが判断されて、そういうシステムになっていたと。
 ただ、本当にショートが起きていたのか、それを解消できなかったかと言われると、それはなかなか難しい問題ですね。
 一過的なショート等で、もう1回電源を入れたら、あるいはショートが解消されていたかもしれないという思いも、実は我々委員会の方でもありまして、そういう議論はありました。
 ただ、もし仮に、ずっとショートが解消されないまま電源を通電するということは、やはり危険な状態であるので、ここは遮断するという設計になっていたのも、ある意味正しかったかなという風には議論しておりました。
 私の方からコメントだけさせていただきました。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 木村委員、小委員会では、色々お世話になっております。
 非常に丁寧なご説明、追加説明をいただきまして、誠にありがとうございます。
 他にご質問はいかがでしょうか。いいでしょうか。
 岡田マネージャ、大変なフェーズだと思いますけれども、引き続き、原因究明をどうぞよろしくお願いいたします。
 
【岡田プロジェクトマネージャ(JAXA)】 はい、頑張りたいと思います。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 それでは、次の議題に移らさしていただきます。
 次の議題は、衛星地球観測コンソーシアム、CONSEOからで、2022年度提言「衛星地球観測の全体戦略に関する考え方」についてです。
 JAXA、第一宇宙技術部門の平林統括、ご説明をお願いいたします。
 
【平林統括(JAXA)】 それでは、JAXAの平林より、ご説明をさせていただきます。
 2ページ目をお願いいたします。
 最初に、衛星地球観測コンソーシアム、CONSEOの概要についてご説明いたします。
 CONSEOは衛星地球観測に関わります、多様な産学官のステークホルダーで構成されておりますコンソーシアムでして、そのミッションといたしましては、黒枠の中に示しましたように、三つございます。
 一つ目は、衛星地球観測分野の総合的な戦略について議論して、国へ提言していくということ。
 二点目といたしましては、観測の成果を社会に還元し、産学官のエコシステムを形成して、また産学官の連携を推進していくということ。
 そして、三点目といたしまして、衛星地球観測を推進する機運を醸成するために、その価値を広く社会に発信していくという、三つを掲げております。
 そして、会長でございますけれども、笹川平和財団の角南理事長、それから副会長につきましては、「民」という立場で、ソニーグループの北野執行役、それから「学」の立場から、東京大学の高藪先生、それから、衛星開発・実証小委の座長等を務めていらっしゃいます、中須賀先生の3名の方に、副会長をお願いしているという状況でございます。
 会員数でございますけれども、この資料作成時からさらに増えておりまして、現在、法人・団体会員が186団体、有識者33名、オブザーバー省庁14団体ということで、法人・団体の会員につきましては、衛星の製造事業者に加えまして、衛星データを利用する事業者、それから、宇宙を中心とした事業を行っていない金融ですとか、投資機関、それから保険会社、それから商社等の方々も会員として参加していただいております。
 事務局は、JAXAの方で務めているというものが、このCONSEOでございます。
 次のページお願いいたします。
 これまでの経緯でございますけれども、昨年9月に設立をいたしまして、10月から12月にかけまして、主要論点といたしまして、目指すべき将来像、それを実現する上での課題と対策、推進方策等について会員間の議論を重ねて参りました。
 今年の2月の宇宙開発利用部会に、1月時点で、CONSEOで取りまとめました提言案について中間報告をさせていただいたところでございます。
 そして、3月の下旬にCONSEOの総会にて提言が取りまとめられました。
 一方で、3月7日のH3ロケット打ち上げ失敗による、ALOS-3の喪失を受けまして、次期光学衛星の検討を加速することが、この提言の中にも盛り込まれたところでございます。
 そして、CONSEOの中の光学・SARワーキンググループにおきまして、次期光学衛星に関心を有する事業者等からなる検討グループが複数構成されまして、具体的な検討作業を早急に行うということで、6月取りまとめ予定で進めているところでございます。
 6月の取りまとめが終わった後に、改めて本部会にもご報告させていただければと考えているところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 ここからは、CONSEOの方で取りまとめた提言になります。
 次のページをお願いいたします。
 提言としてはかなりの文量がございますので、このページから3ページ程にわたって要点をまとめておりますので、その3ページを主体にご説明をいたします。
 まず、このスライドでございますが、提言のポイントを1枚にまとめたものでございます。
 左上水色部分に示しておりますように、まず、将来目標といたしましては、衛星地球観測が主導して、”見通せる社会”の実現を目指すということを掲げております。
 衛星観測におきましては、現在の状況がどうなっているのかということを見ることができるわけでございますけれども、その衛星以外の、様々な情報も融合させて、さらには、モデルとも組み合わせることで、将来を予測し、見通せる社会の実現を目指すというものでございます。
 その見通せる社会といたしましては、四つ四角で示してございますけれども、例えば、食料安全保障や気候変動対策など、自然・社会経済などの将来を見通せる社会。
 一方で、事前の予測が困難な事象につきましては、その兆候や変化を迅速に見渡せる社会。
 それから、AIやロボットが進んだ未来社会におきまして、周辺を見通して、自動で活動できる社会。
 そして、4番目といたしまして、カーボンクレジットや自然資本等の新たな価値情報を可視化する社会像を描いております。
 また、定量的な目標を示した方が良いという会員さんからのコメントもございまして、衛星地球観測産業といたしまして、2030年には3600億円規模、2040年には2兆円規模を目指すという野心的な目標も掲げております。
 そして、この目標を達成するためには、政府主体の取り組みを着実に推進するだけではなく、民需の拡大、特にグローバル展開やデジタル・グリーン等の成長分野との融合が不可欠となるという旨も記載してございます。
 また、目標を実現するための推進戦略といたしまして、民間主体の衛星開発利用に関しましては、コンステレーション事業、それからデータ利用事業等におきまして、競争力を高めていくということに加えまして、グローバル市場の獲得のための取り組みを強化する必要があるということ。
 それから、産学官連携で、新規の事業を創出する上では、デジタル・グリーン分野と融合した、新規事業等の創出などの取組を強化する必要があるということ。
 また、政府主体の衛星開発利用につきましては、総花的になんでも実施するということではなく、日本が強いニーズや、強みを有している分野や、国内外の大きな民需が期待できる分野において、差別化した研究開発利用拡大を強化して、重点的に取り組むのだという、三つの推進戦略を掲げております。
 そして、これらの推進にあたりましては、政府において、衛星地球観測分野の全体戦略を策定し、様々な取組を戦略的且つ、総合的に推進するための、「戦略的な衛星地球観測プログラム」を。欧米におきましては、コペルニクス計画ですとか、ディケーダル・サーヴェイ、あるいは国内におきましては、準天頂衛星プログラムのような、そういうプログラムを立ち上げて、産学官連携に基づいて、様々な取組みを、スピード感を持って推進するべきだという提言を取りまとめたところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 ここからは、提言の目次構成に合わせて、それぞれどんなことが書かれているのかという要旨を2枚にまとめたものになります。
 まず、背景といたしまして、社会・経済環境の急速な変化や、気候変動問題の深刻化、さらには、ウクライナに見られますような、安全保障環境の変化や、認知戦といったものに伴いまして、衛星地球観測の重要性がますます高くなっているという認識を記してございます。
 次に、将来像についてです。まず、衛星地球観測が目指すべき将来像といたしましては、公共利用、民需の二つの領域の取組みによりまして、成長する将来像を目指していくということで、具体的には、我が国の課題や地球規模の危機への対応など、公共利用を中心とした領域に不可欠なツールとなっていくということ。
 また、デジタル・AI、グリーン分野等と融合いたしまして、民需を中心として、衛星観測産業が持続的に拡大するという将来像を描いております。
 また、この衛星地球観測が主導して目指す未来の社会像といたしましては、見通せる社会の実現を目指しているということ。
 そして、この業界として目指す姿といたしましては、官民の投資が利用の拡大や再投資に繋がるような、地球観測が発展する好循環が実現された、持続的なエコシステムの構築を目指すという、三つの将来像を描いております。
 一方で、実現に向けての課題でございますけれども、持続的なエコシステムの構築にあたりまして、根源的な課題としては、ビジネスの創出と社会実装に苦戦しているということが、会員の方々から示されたところでございます。
 それの要因といたしましては、三つほど分類しておりますけれども、まず、新たな利用を創出する上で、非宇宙分野を含む新規参入の促進や、新規ソリューションの創出において十分ではないのかという課題。
 あるいは、生み出した利用例を社会実装する上で、社会定着や、グローバル展開が、まだ十分進んでいないのではないかという課題。
 さらには、ニーズに対する衛星観測能力。例えば、分解能・頻度・精度等が不足しているのではないか。
 さらには、衛星データ提供の継続性、予見性が不足しているのではないかという課題。
 加えまして、将来に向けた継続的な技術開発の機会が不足し、競争力低下や自立的な技術基盤・産業基盤維持に関する懸念も課題として示されているところではございます。
 次のページをお願いいたします。
 基本方針といたしまして、整理したものがここからになります。
 まず、研究開発、社会実装、産業競争力の強化等に関する取組みを産学官連携によって、戦略的且つ総合的に推進する必要があるということで、特に産学官連携、国際連携に基づく実用的な観測インフラの構築や観測技術データ統合技術との研究開発の推進を掲げております。
 また、目標に向けた戦略推進の要点といたしまして、6点ほどここに挙げておりますけれども、これまで、ご説明してきました内容と重複いたしますので、割愛いたしますが、最後のポツでございますけれども、人材育成につきましては、我が国の衛星地球観測に関する、様々な取組みを持続的に推進する上での最重要課題の一つであるとの認識に基づきまして、中長期的な戦略的視点で、人材の確保・育成・交流等に必要な施策を推進するべきだといったような推進戦略を取りまとめてございます。
 説明は以上となります。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 ただ今のご説明について、ご意見・ご質問があれば、お願いいたします。
 いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。
 金井委員から手が挙がりました。お願いします。
 
【金井委員】 ありがとうございます。丁寧な説明をいただき、ありがとうございました。
 最後にご指摘されていた、人材の育成に関して、何か具体的な方策とか、こういったことをしては良いのではないかというようなことを、もしこの提言をまとめる中でありましたら、お聞かせいただければと思いまして、質問させていただきました。
 
【平林統括(JAXA)】 ご質問ありがとうございます。
 この全体的な推進戦略を受けまして、23年度のCONSEOの活動の中で、これを深掘りした検討を…深掘りした活動を検討しております。
 具体的には、そういう人材育成のカリキュラムを作るとか、人材育成のための機会を提供するといったような活動について、産学官でより検討を深めていくという活動を今年度行うこととしております。
 
【金井委員】 ありがとうございます。
  そうしますと、人材の確保の対象は学生さんですかね。それとも、新しい若手のエンジニアというような感じなのですかね。
 
【平林統括(JAXA)】 両方を対象にしておりまして、学生のみならず、新たにビジネスとして活用していきたいというように考えている方々、あるいは、既に利用しているけれども、さらに能力を高めていきたいという方々、色々なレベルに応じたカリキュラムを考えていければという風に考えております。
 
【金井委員】 承知しました。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 他はいかがでしょうか。米澤委員、お願いいたします。
 
【米澤委員】 どうもありがとうございます。米澤です。
 先程と同じように、最後の推進戦略のところで、民需の拡大というようなことをご説明いただきまして、私も実は、CONSEOは関わらせていただいているのですけれども、色々な民間の方に入っていただいていて、活気を感じています。
 さらに、これを拡大していくために、どのようなことをされていくのかということを、お立場からご説明いただければありがたいです。
 
【平林統括(JAXA)】 成長分野と、やはり融合していくことが、さらなる発展においては重要だということが、CONSEOの中でも議論されております。
 具体的にはグリーンとか、デジタル分野と融合していくべきではないかということで、じゃあどういう形で融合できるのだろうか、といったところにつきましても、今年度、個別の検討グループを作りまして、関心を持っている企業の方々と、あるいは、アカデミアの方々にも加わっていただいて、その辺の深掘りをしていきたいと考えています。
 一方で、国内だけですと、なかなか市場規模としては大きいというものではございませんので、グローバルに展開していくということも、非常に市場を拡大する上で重要でございますので、グローバル市場の展開ということにつきましても、個別のグループを作って、議論の深堀りをしていく計画でございます。
 
【米澤委員】 どうもありがとうございます。
 さらに個別で、やっぱりあたっていくことが必要ということでしょうか。
 
【平林統括(JAXA)】 22年度は、全体的な戦略を取りまとめましたけれども、その戦略に基づいた個別テーマごとに、深堀りの活動を23年度は行いたいという風には考えております。
 
【米澤委員】 よく分かりました。どうもありがとうございます。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 他の質問はいいでしょうか。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。次の議題もかなり重い課題ですけれども。
 
【笠原委員】 笠原ですけど、よろしいでしょうか。
 
【村山部会長】 CONSEOについてですよね。
 
【笠原委員】 先ほどのH3とイプシロンに関して、ちょっと私の方も、調査・安全部会の方に出席していたものですから、一言コメントをさせていただいてもよろしいでしょうか。
 
【村山部会長】 はい、短くお願いいたします。
 
【笠原委員】 H3もイプシロンも、極めて適切な調査分析を行っているという風に、現場の委員会で私も認識しております。
 ただ、先程、上田課長からもございました、背後要因というお言葉もありましたが、いずれも、新規開発物品と、それから過去の開発物品、そのインターフェース、狭間で今回の問題が起きているという認識を持っております。
 JAXAさんとしては、大変申し上げにくいことなのかもしれませんが、私委員の一意見としては、やはり、リソースですね。人や期間といったもの、そういうものを十分やはり、もっと必要だったのではないのかなと強く思います。
 一技術者としては、やはり徹底した開発が行いたいという気持ちで、ずっとこういうプロジェクトは行われているはずなのに、どうしても、既に開発したものや、過去のものを流用せざるを得ない状況というものが、今回の事故の背後要因の強い問題だという認識です。
 従いまして、やはり、もっとJAXAさんのこういうロケット、一番の重要な基盤のロケット開発は、国民全体でも応援すべきものでございまして、そういう意識を高める活動というか、そういうことを、やはり実施していただかないといけないと。これがまず一点です。
 もう一点は、そういう観点で言いますと、H-IIAの次のロケットというのは、完全に開発されたものですので、今回の事故は十分切り離されて、しっかりと打ち上げていただく。
 8月に打ち上げがあると聞いておりますが、それに向けては、積極的に打ち上げる方向で進められるのがよろしいかと、そのように感じております。
 あとになったコメントで、また、時間を頂戴して大変失礼いたしました。以上でございます。
 
【村山部会長】 どうも、貴重なご意見をありがとうございます。
 また、この議論は続きますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。次の議題は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」不適合事案に係る再発防止策の実施状況についてです。
 JAXA有人宇宙技術部門の佐々木理事、ご説明をお願いいたします。
 
【佐々木理事(JAXA)】 JAXA、有人宇宙技術部門長の佐々木です。
 資料74-6に基づきまして、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」不適合事案に係る再発防止策の実施状況についてご報告をさせていただきます。
 まずは、JAXA、有人宇宙技術部門で実施しました、長期閉鎖環境におけるストレス蓄積に関する研究におきまして、不適切な研究行為が行われまして、研究データの信頼性が損なわれ、研究全体の科学的価値が棄損されるような結果になってしまい。国民の皆様からの付託に応えることができなかっただけではなくて、研究に協力いただいた研究対象者の善意を裏切ってしまったということについて、深くお詫びを申し上げます。
 調査結果、それから、再発防止策につきましては、わたくしの責任に基づきまして、取りまとめさせていただいて、昨年11月25日に文部科学大臣並びに厚生労働大臣に報告書を提出させていただきました。
 本日は、その報告書にまとめました、再発防止策の実施状況を中心にご報告をさせていただきます。
 ページをめくっていただいていますが、本報告の概要としましては、すみません、元に戻していただけますか。
 まずは、どういう不適切行為があったかということをご説明させていただきます。今回初めてですので。
 それに基づきまして、再発防止策の実施状況と、今後の医学系研究に向けての、まずは、全体の概要をご説明します。
 そのあと、3項で、それぞれの各取組みについて詳細にご報告させていただいて、まとめとして、今後の宇宙医学研究に向けた取り組みというかたちでご説明をさせていただきます。
 次、お願いします。
 それでは、長期閉鎖環境に対する研究について、どんなことが行われたかということをご説明します。
 本来の目的としては、将来の有人惑星探査における、自立的な精神心理評価手法の確立と。
 日々、医者が宇宙飛行士のことを観察することができなくなりますので、そういうことを自立的に評価する手法を確立するということを目的とした研究になります。
 左下にありますように、2016年から2017年、5回にわたって実施されました。
 尚、その中で一部手順等のミスがありまして、問題がありまして、その後、理事長の判断として、一回立ち止まって、しっかりと体制を整えたうえで、再開すべしというご判断もあって、2019年には中止をしているといったことになります。
 一回ずつの研究につきましては、JAXAの閉鎖環境の設備に、成人8名が2週間程度滞在をしていただきました。それぞれ、5回の試験をしまして、全体では40名の方に参加いただきました。様々な方法で、ストレス状態を測定しました。
 その中で問題となったのは、一回の試験につき、8名に対して、トータル大体70回程度行われる精神心理面談でのストレス評価といったところになります。
 それぞれのデータは取得をしていたのですけれども、ストレス状態につきましては、精神心理面談で行って評価をしていたということになります。
 調査結果としましては、全体で20件の不適切な研究行為がありました。捏造と言うべき行為が5件、それから改ざんと言うべき行為とされたのが15件といったものになります。
 また、様々な調査をしていく中で、研究ノートの作成が不十分であったとか、そういうデータの信頼性を棄損させる行為も見つかりましたので、我々としては、医学系指針への不適合の程度は重大であるという判断をしまして、先程も言いましたように、昨年の11月25日に再発防止策も含めて、文科大臣、それから厚生労働大臣に報告をさせていただいております。
 右上の図はJAXAの中の組織図ですが、全体の中で、有人宇宙技術部門の中で行われていまして、有人宇宙技術部門につきましては、主に国際宇宙ステーション計画における運用、それから、利用を中心としておりますが、その中で、有人宇宙に関わる研究開発というものも行ってございます。その中で行われた研究になります。
 背後要因と言いますか、原因としては、指摘されて識別しましたのが、やはり、研究チームとして、研究力が不足しているということで、経験や知見を有する人材が不十分であった。
 また、適切な指導者も居なかったために、十分な教育指導もなかったとして、医学系研究の非常に高い倫理意識が必要ですが、そういう醸成の取組みも不足していたということで、十分な合理性を持った研究遂行がなされずに、データ管理も適切ではなかったという判断をしています。
 他の工学的な研究等は、JAXAとしては得意ですけれども、医学系研究については、なかなか、そういう人材が不足していたということが背景にございます。
 そして、組織的にも、そういうものが、ある意味合理性がない、確保されていない状態で進めてしまったということで、やはり、チェック機能であるとか、審査体制といったような、組織的な管理の不備もあったということで、止められなかったという判断をしました。
 こういうような問題があった中で、組織としても、医学系研究に関する認識が甘かったということで、色々な指摘もあったのですけれども、根本原因の分析を着手せずに、そのまま研究が遂行されてしまって、自律的に改善を図る機会を逃してしまったということが問題点だと考えています。
 次のページをお願いします。
 11月の報告書において、何をしていくかということを設定したのを、このページで概要を示しています。
 まず、公表を踏まえて行うべき措置として、やっていただいたのは、研究対象者へまず謝罪をすること。
 そして、色んな共同機関で共同研究をしていただいていますので、共同研究者に対する状況の連絡をすること。
 そして、社会というか、国民の皆様に説明をすること。
 そして、人事処分を行うこと。この四つを識別してまいりました。
 そして、再発防止策を講じる上での前提として、再発防止策を定期的にちゃんと点検評価すること。
 そして、むやみに再開するのではなくて、しっかりと当面、まずは侵襲及び介入するような研究を止めて、しっかりと再発防止策を確認した上で再開すること。
 そして、その再開にあたっては、研究シナリオ、研究方針をしっかりと再設定して進めるということとさせていただいております。
 そして、具体的に研究に対する再発防止策としては、5種類22項目を識別して設定をしております。
 大きく分類しますと、まず、データの信頼性確保と管理の徹底、そして、支援体制の構築を図るといったことで、しっかりとした研究データを管理して、別々に処理、個人情報もありますので、これをきっちりとするということにしています。
 それから、規範意識の醸成、そして、倫理意識とモラルの向上を図るといったところで、やはり、医学系研究としては、ここが非常に重要ということで、事例教育、それからポスターやカード等々、研修も強化をしていくということになります。
 そして、3番目が、研究計画が十分に練り上げられるような人材を育成すること。
 そして、JAXAで不足している後進育成にあたる研究者というものを招聘して確保するといったような、人の問題として考えていくということ。
 それから、4番目は、審査が十分でなかったといったところで、審査の体制であるとか、システムであるとか、マニュアルも含めて、しっかりと整備をするといったところ。
 そして最後、医学系研究に対する、全体として、有人部門としての認識不足と体制の不備を改善するということで、しっかりとマネジメントを行う体制を構築するといった、この大きく五つの分類の再発防止策を、設定をさせていただきました。
 その詳細のマッピングが、次のページに示させていただいております。
 公表にあたって講ずべき措置、上から時間的な流れがありますが、講ずべき措置として四つ挙げてありまして、並行して講じる上での前提三つ、そして再発防止策、先ほど五つの種類と申し上げましたが、その中の個々の内容については、22項目を識別して、それぞれについて対応を進めてまいっているところでございます。
 では、次のページをお願いします。
 再発防止策の実施状況と、まずは概要ですけれども、昨年度、2022年度につきましては、研究対象者や共同研究機関への謝罪といった、まずすべきことをしっかりと行って参りました。
 そして、研究体制の改善として、様々な研修、倫理・規範意識の向上であるとか、各種の要領の制定、それから倫理審査の運用の改善等々、まずは形と言いますか、箱をしっかりと作って、準備を進めてまいっているところです。
 今後、それを踏まえて、研究方針、シナリオについての検討に向けた取組みを開始したところです。
 今年度、これからですけれども、再発防止の確実な履行、それから、継続的な研究者の意識向上活動というものは当然のことながら、この方針設定に従って、実際に魂を入れると言いますか、まず人員、それから体制の強化を図っていきたいという風に考えています。
 具体的には、前半の方で指導者の採用を進めまして、その指導者の下、研究方針の取りまとめを行い、必要な人員の確保を進めるといったようなことを考えています。
 尚、研究者2名に関しては、責任を明確にすべく、人事処分を行いました。
 そして、彼らについては、研究活動から離れて、本業に専念させるといったことをしております。
 また、理事長・副理事長、それから私については、給与の一部の受取を辞退させていただいております。
 さらに、その後の医学研究に向けてですけれども、やはり地球低軌道から月・火星までの人類の活動領域が拡大する中で、やはり、日本人宇宙飛行士の健康を維持して、安全・安心に有人宇宙活動を可能とするといったような医療技術に資する知見の獲得というものは、JAXAの、もしくは我が国の有人宇宙活動におきまして不可欠だと考えております。
 当面の間、侵襲であるとか、介入を必要とするような、人間に対して何か負荷をかけるといったような研究は見合わせるということにしまして、再発防止を確実に履行前提として、それから研究方針を設定して、それに沿って研究を進めるような準備を進めていきたいと考えています。
 また、有識者のご意見を伺いながら、日本の優れた研究機関がたくさんありますので、協力を受けながら、研究方針の検討を進めていきたいということが、今後に向けての取組みになります。
 それでは、詳細、3項のご説明をさせていただきます。
 具体的にどういうことをしてきたかというご報告になります。
 まず、公表にあたって講ずべき措置として四つありますが、まず研究対象者への謝罪になります。
 対象者向けの説明会を対面及びオンラインで実施しまして、報告書を提出したその日に説明会を行っております。そして、不適切な行為があったことを謝罪させていただきました。
 そして、4月に入りまして、再度開催をしまして、研究成果、JAXAの取得したデータについては、研究として、成果として取り扱うことができない、データとして使うことができないということをご説明しました。
 また、そのやり取りの中で、色々な質問等がございました。その中で、調査概要について公表と、概要について、さらに追加検討しまして、最終報告書を公表させていただきます。
 そして、共同研究相手方への連絡につきましても、これは、前の公表前からしておりましたが、個別に調整した結果について、再度先週説明会でご説明しています。
 その中で、やはりJAXA取得データの提供をしないことを正式に通知し、謝罪しております。
 それから、社会、国民への説明におきましては、記者会見を2回開催させていただいております。本日も予定をしています。
 その中で、様々な問題点については、ご説明させていただいて、ホームページ上でも報告をさせていただきます。
 それから、人事処分。先程も述べましたように2名、それから関係役員の処分が行われまして、1ヶ月分の給与の10%の受取を、辞退をさせていただきました。
 それから、今後の再発防止策を講じる上での前提というところで、これは、先程概要を説明させていただきましたので、詳細割愛しますが、しっかりと定着状況の点検・評価、そして再開に向けて丁寧な対応、そして、シナリオ再設定をさせていただいてございます。
 それから、その後、具体的に再発防止策の進捗状況でございますが、時間も限られているという風に伺っておりますので、簡単にご紹介しますが、データ管理能力の向上、支援体制の構築といったところと、手順の明確化、点検実施といったところ、ここを今進めていまして、手順書等については、整備しましたので、この後、来月には講習会を実施して、教育を図っていきたいという風に考えています。
 それから、規範意識の醸成、倫理意識とモラルの向上につきましても、現在研修、それから、普及啓蒙活動を行って参りました。
 そして、利益相反マネジメントの充実等も行いまして、これからは、研究対象者の保護、例えば、医学的に安全を確認するプロセスといったようなものもしっかりと取り組んで参ろうとしております。
 それから、研究者の採用…次のページになりますが、研究者の採用、育成につきまして、やはり、必要な方を招聘するには、時間がかかるということで、昨年度中には、なかなか難しかったのですけれども、今、色々な方にご相談しながら、対応に向けて準備を進めているところです。
 そういう方が揃った段階で、体制のしっかりと整備を行いたいと考えています。
 それから、審査のシステムの強化ということでは、事務局の強化、それから、倫理審査の運営の改善ということで、マニュアル等も整備して、しっかりとできるような、体制整備の方は人材を確保して、進めてございます。
 そして、有人部門における研究支援体制の拡充ということで、個々の、今いる職員に関しては、資格取得等でしっかりと育成を進めておりますけれども、さらに、続いて、全体のマネジメントといった観点で評価を行っていきたいと考えてございます。
 3-2項です。2023年度の取組みということで、これも繰り返しになりますが、研究開発の見直しというのは、しっかりと研究を指導する方を想定して、その下で、しっかりと研究の会話ができる方を中心に、しっかりと研究を進めていこうといったような判断をしております。
 それから、それに基づきまして、研究方針、それから、人材育成方針、そして、研究者の採用といったような流れになります。
 それから、データ管理につきましても、非常に重要なところですので、手順書までは制定しておりますので、しっかりと関係者、研究者以外にも関わる人は多いですので、しっかりと講習会をして、教育をしていきたいという風に考えています。
 そして、医学系研究、やはり研究対象者の保護、安全性の確保というものが重要ですので、これについても、医療の専門家を追加・確認して、JAXA安全審査というものは充実していますが、その中に医療の安全審査もしっかりと見られるような体制を構築したいと考えてございます。
 信頼回復に向けた取組みとして、さらに追加として、医学系研究に向けて、我々の反省として、事例集・教訓集を作成して、外部の様々な方に、それを見ていただいて、参考にしていただければなという風に思っています。
 また、JAXAだけではできない、色々な研究がありますので、大学研究者の参加、もしくは研究支援といった仕組みについても検討しております。
 また、実際の閉鎖研究の試験の運用面での成果については、しっかりと教訓を取りまとめて公表させていただいております。
 これらの、今まで説明させていただいた実施状況については、適宜、JAXA内、倫理審査委員会に報告し、またホームページで適宜公開したいと考えています。
 最後になりますが、やはり我々としては、将来の人類の活動領域の拡大といったところに向けて、しっかりと医療に関する技術というものは、重要であると認識しております。
 当面、侵襲介入といった、大型な、大規模な研究は見合わせようとしておりますけども、日本の得意分野であるとか、世界に貢献できる分野として、宇宙だけではなくて、地上にも生かせる分野等において、リソースの観点もありますので、絞った形で研究方針を設定して、研究を進めたいと考えてございます。
 JAXAの独りよがりではなくて、有識者のご意見を伺いながら、また日本の研究機関にも協力を受けながら進めて参りたいと思います。
 長くなりましたが、説明は以上になります。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございました。
 ただいまのご説明について、ご意見・ご質問がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 私の方から一つだけ。
 大体、再発防止する形はできたようですので。でも、これは形を作るだけでは、再発はよく起こってしまうのですね。
 だから、教育がともかく重要ですので、この辺りの考え方の教育をこれからしっかりしていただいて、まさに、そういう形に命を吹き込むという、そういう話もありましたけれども、そこをしっかりやっていただければと思います。
 
【佐々木理事(JAXA)】 ありがとうございます。
 まさしく、そこが大事だと思っていますので、ただ教育とか講習とかをするだけではなくて、実地も含めて、しっかりとやっていきたいと思いますし、特に研究の知見のある方に来ていただいて、しっかりと指導いただけるようなことを進めていきたいと思っております。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 文科省の池田さんの方から…違いますか。特にいいですか。いいでしょうか。
 それでは、秋山委員の方から手が挙がっていますので、お願いします。
 
【秋山委員】 11ページでご説明いただいた、研究指導する人材、研究ディレクターの方という、こちらのことについて、ちょっと確認といいますか、お伺いしたいのですが、この方が研究指導に来られて、研究指導に入るスケジュールと言いますか…というのは、どのような。ここで見ると、2023年度の上半期に入られて、さらに、2023年度の秋頃までに中間取りまとめを行うという、かなりお忙しい感じのスケジュールに見えるのですが、ちょっとその辺りご説明をいただけないでしょうか。
 
【佐々木理事(JAXA)】 やはり、停滞するわけにはいきませんし、実際に、やはり改善を含めて、色々なご意見、ご指導をいただきたいと思っていますので、今お話しいただいたようなスケジュール感を目標に、しっかりと取り組みたいと思って、今、もう既に色んな方にご相談をさせていただいているところです。
 完全に異動してきていただけるということができない場合には、段階的に、順次来ていただくとか、色々なやり方はあろうかと思っておりますので、そういうものをなるべく早く出来るように工夫して参りたいという風に思っています。
 
【秋山委員】 分かりました。どうもありがとうございました。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、最後の議題に移らせていただきたいと思います。
 最後の議題は審議事項となっております。この議題は、今後の我が国の地球低軌道活動及び国際宇宙探査の在り方、中間まとめについてです。
 事務局より、宇宙利用推進室の池田室長、ご説明をお願いいたします。
 
【池田室長(事務局)】 宇宙利用推進室長の池田と申します。よろしくお願いします。
 時間が押しておりますので、簡潔にいかせていただきたいと思います。
 本件、昨今、地球低軌道において、アメリカにおいても、民間の活用ということで、CLD等々で業者選定される、あるいは月・火星に関して言えば、アルテミス計画を始め、様々なプロジェクトが走っている、あるいは走りつつある中で、我が国として、どういう対応していけば良いのかというところを考える中での、中間的な取りまとめというかたちで、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会において、本年2月に取りまとめさせていただいたものの審議になります。
 構成としまして、1ポツ、基本的な考え方、2ポツ、3ポツで地球低軌道、月・火星探査に向けたそれぞれの姿、4ポツ、5ポツで、それぞれ地球低軌道や月・火星に向けた、今後の取組みを述べさせていただいております。
 まず、1ページ目の基本的な考え方からご説明いたします。
 まず、前半ですが、国際宇宙探査について、その意義を述べております。
 最初の黒丸でございますが、外交・安全保障、産業競争力強化、科学技術イノベーション、人材育成、そういった観点で重要だと。
 また、この地球低軌道におけるプレゼンスというものが非常に重要であると。これをやはり、維持向上することが重要ということが一つ目の黒丸で述べているところでございます。
 二つ目の黒丸ですが、これをやっていくにあたって、やはり、非常に巨額の予算を必要とするということで、やはり国単独でやることは難しいと言いうことから、国際協力、これを活用していくことが重要であると。
 また、宇宙科学探査、これは我が国が強みを持っているところでございますが、ここら辺の知見を活用しながら、連携して戦略的にやっていくということが、今後プロジェクトを進めていく上で重要だということを述べております。
 三つ目の黒丸でございます。その中で、何を得ていくのか、国際宇宙探査で、ですね。ということで、四つほど、重点化技術ということで特定しております。深宇宙補給技術、有人宇宙滞在技術、重力天体離着陸技術、重力天体探査技術、こういった、我が国が、優位性が持っている技術、あるいは、今後の国際宇宙探査において、必要且つ、さらに波及効果が高いような技術、こういったものを伸ばしていく。JAXAを中心に開発・実証・高度化に取り組んでいくということが基本的な考え方と考えております。
 後半の三つが、地球低軌道に関係する基本的な考え方でございます。
 地球低軌道に関しては、やはり、アクセスが容易であるというところでもありますし、宇宙環境利用のための貴重な資源でもあるということ。
 また、ISS計画以外にも、色々な国が台頭する現状に鑑みまして、日本でも、産学官による、低軌道活動の場を確保して、引き続き、成果の獲得とプレゼンスの維持向上が必要だということ。
 その際には、やはり民間企業の参画拡大を図ることが重要だと。スタートアップでありますとか、従来宇宙に関わってきた産業ではないところの非飛宇宙の産業、こういったものの活力を取り入れながら進めていく、好循環を模索していくということが一つ考え方としてあります。
 また、昨年11月に我が国はISSの運用延長期間に参加を表明いたしましたが、2030年までの期間を活用しまして、国際宇宙探査で必要となる技術の実証、知の創造、社会課題解決、ビジネス・サービスの創出、人材育成、そういった場としてISSを活用していくと共に、科学研究、技術開発の取組みを月探査、あるいは将来の地球低軌道活動へ、シームレスにつなげていくということも、基本的な考え方として入れておくべきであろうと考えております。
 続きまして、2ポツ、3ポツに関しては、これまで累次議論させていただいた内容をまとめて、今後の在り姿としてまとめたものですので、割愛させていただきまして、時間の都合もありますので、4ポツに飛ばせていただきます。
 この4ポツが、まず地球低軌道で、今後どういった取組みをしていくかというところをまとめたものです。
 まず一つ目の括弧でございますが、2030年までは、国際宇宙ステーションがあるという前提ですが、それ以降をどうするかということで、日本独自の拠点を持つべきかどうかということが一つ目の論点として取りまとめさせていただいております。
 ただ残念ながら、ここは、なかなか色々な状況が交錯しているというところもありまして、まず、一つ目のポツにある通りでございますが、まずは、今後ポストISS活動における事業運営、これに関心を持っている企業等々と対話を行いつつ、その実現性を見極め、必要に応じて民間企業への支援策を含む、政府の関与の在り方を検討する必要があると。
 日本国内の企業の中でも、こういった日本の独自の拠点を築きたいという意向を証明されている企業もいらっしゃいますので、そういったところと対話を続けていくということが、まず一つかと思っております。
 また、次のポツでございますが、こういった独自拠点とはまた別に、海外の、米国の宇宙ステーションのサービスを利用する、民間宇宙ステーションのサービスを利用する場合であっても、日本の利用者が望む利用サービスが得られること、あるいは「きぼう」で、これまで培ってきた技術・ノウハウ、また、宇宙飛行士の訓練、養成ノウハウ等が継承されていくということは、留意して臨む必要があるということを二つ目のポツでまとめております。
 三つ目のポツといたしまして、一方で、様々な不確定要素がある状況でもありますので、複数の米国の国の民間商業宇宙ステーションと交渉していくとか、あるいは、ひょっとしたら「きぼう」をさらに使っていくということもあるのかもしれません。
 それ以外に、短期滞在型とか、あるいは、人工衛星型の低軌道上での短期実験・回収システム等々を含め、シームレスな移行のために必要な手段、これの検討も並行して行うということは必要だろうと考えております。
 続きまして、二つ目が利用拡大でございます。
 2030年代、民間主体に移行していくということにあたっては、LEOでの活動が事業として成立するということが重要だと思っております。
 民間事業者が、そういった魅力あるサービスを提供するなど、利用拡大にまず積極的な取組みを行うことが重要だろうと。
 さらに、政府としても、民間の取組みに対して、国としての利用の見通しや方向性、そういったものを示しながら、民間にとって予見性が高まるような取組みが必要であろう。
 また、その中で、現在も行われているものではありますけれども、この矢羽の中にあるような支援をしっかりとやっていく必要があるだろうと。
 技術移転でありますとか、事業競争の支援でありますとか、ノウハウの蓄積、機会の提供、あるいは、サービス調達等々の活用とかですね。
 あとは、国自身も、国JAXA自身も、サービスの利用者として継続的に使うということ等々が考えられます。
 さらに、その次のポツでございますが、将来の地球低軌道における、民間需要、民間が地球低軌道で主体になるといった場合に、やはり需要をきちっと掘り起こしておく必要があるだろうと思っておりますので、これを強力に推進するために、新たに民間の創意工夫を活用した地球低軌道の利用を促進する支援に取組むという風にさせていただいております。
 また、その次のポツでございますが、物資輸送でございます。民間による、この物資輸送のサービス化。今は、JAXAの方でHTV-Xを開発中でございますが、こういった物資輸送サービス化…将来の物資輸送サービス化を見据えて、地球の低軌道の利用を促進するということが、一つ今後の受容拡大に寄与するということで、競争力の強化に資する取組みを進めていくということでございます。
 次のページに行きまして、それ以外の部分でございますが、現状、国際宇宙ステーションはIGA、国家間の枠組みでやっておりますので、様々なルールが協定の中で決まっていると。
 ただし、これが民間に移管されてしまった場合にどうなるのかというところで、国際的なルール形成が必要になってくるだろうと考えております。
 この辺りも、他の関係国とも協議する場面が出てくるでありましょうし、民間とも対話をしながら、どういった形が良いのかということを検討していく必要があると思っております。
 また、それ以外にも先進的な技術、輸送でありますとか、低軌道プラットフォーム、あるいは有人住環技術、遠隔化・自動化・自律化、環境制御・生命維持技術、そういった必要な技術、先進的な技術の開発も進めていく必要があると思っております。
 続きまして、5ポツでございます。こちらは、アルテミス計画を含む国際宇宙探査に向けた取組みでございます。
 こちらは、まさに今、アルテミス計画に参画して、我が国としても、様々な貢献を進めておりますので、こういったものについて、順次プロジェクトを進めると共に、プロジェクトに参加されているものについては、着実に開発を進めていくということが必要であろうと考えています。
 矢羽の中にもございますが、月・火星探査に向けた研究開発。この中には、有人与圧ローバでありますとか、新たなゲートウェイ補給機の開発、それ以外に月面での調査研究開発、水資源探査などが挙げられます。
 また、科学ミッションへの貢献、日本人宇宙飛行士のご活動に向けた準備。
 つい先日、2月ですが、宇宙飛行士が新たに、宇宙飛行士候補生を選抜いたしました。こういった宇宙飛行士の活動に向けた準備も進めていく必要がある。
 また、月面への輸送能力の整備・向上といったところも必要になってくると考えております。
 こういったアルテミス計画等への貢献に資する研究開発について、本格的な開発への着手を進めると共に、それ以外の部分に向けた技術開発にも、国際協力を活用しながら、戦略的に進めていきたいと考えているところです。
 最後に、やはり月面関係でも、通信や測位等、月面活動に不可欠なインフラに関する国際ルールが現状ございませんので、やはり、こういったところも研究開発協力すると共に、並行してルール作りにも参画して、我が国としても不利にならないような在り方を模索していきたいと考えております。
 以上でございます。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、ただ今のご説明について、ご意見・ご質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
 いかがでしょうか。山崎委員、お願いいたします。
 
【山崎委員】 山崎です。ご説明くださいましてありがとうございます。
 低軌道の活動という時に、色々な要素が絡んでくると思います。
 ご発表してくださいましたように、ISSが今現状の大きな主流ですけれども、今後、軌道上のサービス、無人、それから有人を含めて低軌道をどう利活用していくかという観点が必要だと思っております。
 また、アルテミス計画との関連性もご説明してくださいましたけれども、将来的に、日本がどのように、宇宙で人類の活動領域を広げていくことに対して向き合っていくのか、非常に大きなテーマを含んでいると思っております。
 輸送系に関しても方針に基づいてどこまでの物資輸送をしていくのか、無人なのか、実験試料を持ち帰りできるようにするのか、人も含めるのかと、色々なことが絡んで、本当に大切な基本方針だと思いますので、今後のスケジュール感というのでしょうか、どういう形で、これをアウトプットとして繋げていくのか、そのスケジュールを教えていただければ幸いです。
 
【池田室長(事務局)】 ありがとうございます。
 こちら、中間まとめということで、いくつかToDoリストを入れさせていただきました。
 予算要求が必要なものについては、今回の概算要求に向けて頑張っていきますし、それ以外については、なかなかスケジュール感を設定するのが難しい部分もございますが、例えば、アルテミス計画であれば、何時何時までに有人与圧ローバであれば、29年度とか、そういったスケジュール感がありますので、それに間に合うようなプロジェクト管理を進めていくということかと思っております。
 また、やはり、特に低軌道ですけれども、時々刻々と状況が変わっているというところもございますので、こちら中間取りまとめというかたちにはしておりますけれども、引き続き、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会でも議論を続けて、アップデートし続けて、スケジュール感についても、チューニングをしていこうと思っております。
 まずは、この夏に向けて、打ち出せるものを検討し、それを出していこうと思っております。
 
【山崎委員】 承知いたしました。
 今後も、適宜チューニングされていくということで承知いたしました。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。いいでしょうか。
 本件は、審議事項ですので、本件を宇宙開発利用部会として決定するということで良いでしょうか。
 ご異議はおありでしょうか。いいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、ご意見ないようですので、これを決定といたします。どうもありがとうございました。
 
【池田室長(事務局)】 ありがとうございます。
 
【村山部会長】 それでは、最後に事務局から連絡事項があれば、お願いいたします。
 
【竹上企画官(事務局)】 事務局でございます。
 今日は、長時間にわたりありがとうございました。
 会議資料と議事録の公開について申し上げます。
 宇宙開発利用部会の運営規則に基づきまして、本日の会議資料は、非公開審議資料を除き公開となりますので、既に文科省ホームページに掲載させていただいております。
 また、議事録につきましても、非公開審議部分を除き公開となりますので、委員の皆様にご確認いただいたのち、文科省ホームページに掲載させていただきます。
 尚、次回の部会でございますが、来月の開催で調整予定です。委員の皆様には、後日、日程調整のご連絡をいたします。
 事務連絡としては以上です。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 長時間にわたり、どうもありがとうございました。
 若干時間が伸びてしまったのですけれども、ちょっと重要案件がたくさんありましたので、致し方ないかと思います。
 以上で、本日の議事は終了いたします。本当に真摯なご議論、誠にありがとうございました。
 それでは終了いたします。

―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課