令和7年12月16日(火曜日) 15時00分~17時00分
文部科学省の会議室及びオンラインによるハイブリッド開催(一部非公開)
部会長 山崎 直子
部会長代理 久保田 孝
委員 田中 明子
臨時委員 秋山 文野
臨時委員 大貫 美鈴
臨時委員 小笠原 宏
臨時委員 笠原 次郎
臨時委員 金井 宣茂
臨時委員 木村 真一
臨時委員 神武 直彦
臨時委員 高橋 忠幸
臨時委員 鶴岡 路人
臨時委員 村松 加奈子
臨時委員 山室 真澄
臨時委員 吉井 信雄
臨時委員 吉成 雄一郎
研究開発局 宇宙開発利用課長 梅原 弘史
研究開発局 宇宙開発利用課 宇宙科学技術推進企画官 近藤 潤
研究開発局 宇宙開発利用課 課長補佐 木元 健一
(説明者)
議題1
文部科学省
研究開発局 宇宙開発利用課 課長補佐 島村 佳成
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
宇宙科学研究所宇宙機応用工学研究系 准教授 冨木 淳史
研究開発部門第一研究ユニット 研究領域上席 新藤 浩之
第一宇宙技術部門 衛星測位システム技術ユニット 技術領域主幹 佐々木 俊崇
第一宇宙技術部門 技術試験衛星9号機プロジェクトチーム サブマネージャ 新舘 恭嗣
第一宇宙技術部門 地球観測研究センター長 落合 治
第一宇宙技術部門 地球観測研究センター 研究領域主幹 田殿 武雄
国際宇宙探査センター 宇宙探査システム技術ユニット長 田邊 宏太
議題2
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
理事/宇宙科学研究所長 藤本 正樹
宇宙科学研究所太陽系科学研究系 准教授 山﨑 敦
宇宙科学研究所学際科学研究系 教授 森 治
宇宙科学研究所 科学推進部 計画マネージャ 松本 聡
議題3
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
理事/第一宇宙技術部門長 瀧口 太
第一宇宙技術部門 技術試験衛星9号機プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 小川 亮
第一宇宙技術部門 衛星システム開発統括 富田 英一
第一宇宙技術部門 技術試験衛星9号機プロジェクトチーム サブマネージャ 新舘 恭嗣
議題4
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
理事(経営企画部) 佐藤 寿晃
調査国際部長 小野田 勝美
【山崎部会長】 それでは定刻になりましたので、第100回の宇宙開発利用部会を開催いたします。今回は第100回ということで、大きな節目となります。歴代の関係者の皆様にまず敬意を表したいと思います。委員の皆様にはご多忙のところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。まず事務局より本日の会議についての事務連絡をお願いいたします。
【近藤企画官(事務局)】 はい、事務局の宇宙開発利用課の近藤です。10月21日付けで着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。本日は第53回2020年2月以来の対面ということで、少し冒頭遅れまして失礼いたしました。文部科学省内の会議室での対面、本日お越しになれない先生方はオンラインのハイブリッドの開催となっております。16名の委員の皆様、今日ご出席ということになってございます。なお、小笠原委員、笠原委員、金井委員、木村委員、神武委員、高橋委員、村松委員、山室委員はオンラインでご出席いただいており、その他の委員の皆様には当省内の会議室でご参加いただいております。ありがとうございます。
本日の資料につきましては、議事次第に記載の通りとなっております。オンラインの状況によって音声が繋がらない等の問題がございましたら、事務局の方へメール、電話等でご連絡いただければと思います。会議室でご参加の皆様におかれましては、ハイブリッドでの進行のため、ご発言の際はマイクに近づいてお話しいただき、初めにご自身のお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。ご発言の際はお手元のマイクのスイッチをオンにしていただいて、ご発言後はオフにしていただきますようお願いいたします。
まず議題に移る前に、資料100-5に基づいて最近のトピックについて私の方からご紹介をさせていただきます。ページをめくっていただいて、H3ロケット7号機の打上げ結果についてご報告いたします。10月26日の9時の打上げでHTV-Xの打上げに成功しております。HTV-Xについては10月30日の午前0時58分ISSへ到着して無事に結合されております。なお、明日も次の打上げが予定されております。
次に、補正予算の状況についてもご説明させていただきます。本日がちょうど参議院の予算委員会を午前中に通過したところですが、政府予算案として、基幹ロケットの開発高度化、人工衛星の研究開発等について298億円、ページをめくっていただいて、有人活動を行うアルテミス計画の推進等について302億円を計上させていただいております。また宇宙戦略基金事業については、総務省、経産省と合わせて合計2000億円、文科省分については950億円を計上しているところでございます。最近のトピックについて事務局からのご説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
【山崎部会長】 近藤企画官、どうもありがとうございました。最近のトピックスも発表いただきとても分かりやすかったと思います。それでは議題の方に移りたいと思います。
最初の議題は、「内閣府宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)により実施する戦略プロジェクトの進捗報告・評価について」です。スターダストプログラムとして今年度実施中の文科省所管のプロジェクトは7件あります。これらの進捗状況については、委員の皆様に事前に資料が展開されており、一部の委員からはご質問をいただいております。本日はいただいた質問事項を中心に個別の事業内容についてポイントを絞ってご説明いただき、議論の中で必要があればまた追加の説明をいただきたいと思います。それでは宇宙開発利用課の島村補佐、よろしくお願いいたします。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 山崎部会長ありがとうございます。では、早速内閣府宇宙開発利用加速化戦略プログラム、いわゆるスターダストプログラムにより実施する戦略プロジェクトの進捗報告・評価についてと題しまして、宇宙開発利用課の島村よりご説明できたらと思っています。こちらのプログラム、皆様ご案内の通り、各省が連携して取り組むような宇宙の技術開発を支援する事業となっておりまして、内閣府宇宙事務局の方で一括して予算を計上しておりまして、各省へ予算を振り替えるものという形になっております。
2ページ目お願いします。文部科学省担当事業としては7件事業を進めておりまして、現状いずれの事業も順調に進捗しているものと思っております。今年度での完了事業が2件ございまして、下の図にございます赤字で書かれております上から2番目の、宇宙用の半導体モジュールを国産の高機能製品にすることを目的としたFPGAモジュールの研究開発ですとか、一番下のカーボンニュートラルの実現に向けた森林バイオマス推定手法の確立と戦略的実装というプロジェクトについては今年度で終了という形になります。令和7年度の進捗内容につきまして、委員の皆様はもうすでに資料をご覧になられていると思いますので、私からはご指摘事項を中心にご説明できたらと思っております。
次のページお願いします。時間もございませんので、1つのテーマにつき1つ、主な質問について質問と回答というのをご紹介できたらと思っております。まず月面活動に向けた測位・通信技術開発というところでございますけれども、こちら一番上、久保田委員からご質問いただいておりまして、最終年度の統合地上検証モデルの構築と評価に向けての課題もあれば記入してほしいというところでございます。こちら回答といたしましては、統合地上検証モデルの評価に向けては、こちらのプログラム、NICTの取りまとめ分とKDDI社の取りまとめということがございまして、異なるベンダー間でインターフェースに関わる仕様調整が必要な部分というところが課題でございますけれども、成果最大化に向けて調整を継続中という形でございます。また、本プログラム、月と地上のエンドtoエンドの検証として、将来拡張性も考慮した組み合わせ検証方法を検討中の状況でございます。
4ページ目お願いします。こちらはFPGAの研究開発ということでございます。こちらも久保田委員からご質問いただいておりまして、耐宇宙環境性の評価を行うのかというご質問をいただきました。こちらは回答としましては、今年度の3月に行うという形で考えております。
次のページお願いします。高安定レーザーを用いた測位衛星搭載時計についての質問は、秋山委員からいただいておりまして、ISSでの実証を取り入れてはどうかというご質問をいただきました。我々もJAXAもISSでの実証をしたいと思っておりますけれども、予算の関係でこのプログラムでは実施できないのですが、このプログラムの外におきまして、レーザー時計の部分的な機能評価を行うという計画につきまして、今JAXAにおいて検討中というところでございます。
次のページお願いします。スペーストランスフォーメーションの実現に向けた研究開発でございます。こちらは上から2つ目、山崎部会長からご質問いただいておりまして、実装や商業化への壁になっている点があれば識別ください。また、それらへの取り組み方針についてご教示くださいという形でご質問いただきました。こちらへの回答といたしましては、課題としてはユーザの業務手順の変更ですとか、習熟期間、予算化のハードル等を乗り越える必要があると思っています。それに対しての取り組み方針といたしましては、衛星データ活用のツールや手順書等を整備しまして、ユーザと実証を繰り返しながら業務利用を進めていくということを考えています。やはり新技術につきましてはプラットフォーム化等によりまして、ユーザが体験できるような環境を整備して、実装への機会を増やす取り組みということが重要だと思っております。
次のページお願いします。こちらは高効率排熱システムの研究開発でございます。上から2つ目、こちら小笠原委員からご質問いただいておりまして、今後の支援・伴走計画の有無、ある場合はその内容について教えてほしいという形でご質問いただいておりました。回答といたしましては、こちらのプログラム、技術成熟度として5から6を目指しておりまして、民間企業による実用化に向けた技術リスクは大きく低減できると考えておりますけれども、委員ご指摘の通り、やはりキーコンポーネントの国産化等、戦略的な支援・伴走の必要性があると思っておりまして、JAXAにおいてその可能性について検討しているというところでございます。
次のページお願いします。ダイヤモンド半導体デバイスに関する研究開発でございます。こちらは一番上、久保田委員からご質問いただいておりまして、ダイヤモンドMOSFETを試作評価中とのことであるが、どの程度の高出力を目指しているのかというご質問をいただきました。こちら回答といたしましては、最初に実用化する素子の出力特性としましては、代表的なGaN素子の出力レベルと同等以上を目指しております。また、現状の評価というところにつきましては、出力電力密度の測定というところは今年度中には実施する予定でございます。ただ、目指すべき性能といったところは、まだ論文等には未公表のため、公表資料への反映は現時点では控えたいと考えております。
最後に、カーボンニュートラルの実現に向けた森林バイオマス推定手法の確立といったテーマでございます。一番上、こちら吉井委員からご質問いただいておりまして、航空機SARセンサーの開発について、将来的に衛星に搭載するのかという形のご質問いただいておりました。こちらについては、本事業にて取得したデータを用いまして、森林やカーボンクレジット分野における4偏波データの有効性について検証を進めていきたいと思っております。
駆け足になりましたけれども、以上がご指摘事項でございまして、11ページ目以降に、委員には事前にお示ししておりますけれども各テーマの事業計画、実施体制でしたりとか、進捗状況というところを示しております。本日は時間の関係で説明省いておりますけれども、必要に応じて参照していただけたらと思っています。以上でございます。
【山崎部会長】 はい、どうもありがとうございました。それではただ今のご説明に対しましてご意見ご質問がありましたらお願いいたします。今回事前に資料を展開いただきまして、丁寧に議論ができるようにシステムを作ってくださった点と、このように質問を中心にまとめてくださいましたので、状況とこれから目指すところが非常に分かりやすく説明いただいたのかなと思っております。さらに何かご質問ですとか、あるいはご意見などありましたらぜひ委員の皆様からお願いいたします。はい、田中委員、よろしくお願いいたします。
【田中委員】 実装とかそういうことをやった時に、今までこういう分野に入ってこられなかったところが入ってきた時に、あちこちに匂わせてあるのですけれども、やはり敷居が高いので入りにくいとか、分かりにくいとか、とっつきにくいとか、そういうことが所々に書いてあります。皆さん、色々努力をされているとか、こういうことをしていますという対応も書いてはあります。別によそさまを真似する必要はありませんがESAとかNASAを見ていますとトレーニングコースがとても充実しています。もちろん社会に対してすることも重要ですが、将来のユーザに対し、もうちょっと若い方、学生、あるいはそのポストぐらいの方を対象とするようなトレーニングコースというのがすごく色々準備されていると思います。そういうことについてもお考えになるということはなかなか組み込みにくいようなプロジェクトなのでしょうか。すみません、ちょっともしかしたらピンボケかもしれません。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 はい、人材育成というご指摘かなと思っております。こちらのプログラムにおいてという意味におきましては、まさにそのJAXAが絡んでいる部分がありますのでそういった技術開発を通じてOJTで支援するところはあろうかと思いますし、JAXAの中でも例えば衛星分野におきましては、JAXA-STEPSと呼ばれているような事業につきましては、大学とか企業とかとJAXAが連携して行うようなプログラムがございます。そういった形で、ある意味でJAXAを通じて連携をすることによって大学とかとの共同開発を通じてOJTを行うということは、一般的には行っているのかなと思っております。委員のご指摘、人材育成の重要性というところは引き続き課題かなと思っておりますので、そういったプログラムの進捗も見ながら、こちらのスターダストという部分ではございませんけれども、引き続き議論をしたいなと思っております。すみません、直接な回答になってないかもしれませんが、そういう形で回答させていただきます。
【山崎部会長】 はい、他にご意見ご質問等よろしいでしょうか。久保田委員、よろしくお願いいたします。
【久保田委員】 はい、久保田です。ありがとうございます。色々な研究開発が行われ、すごくキーとなる技術が対象となっていると思います。技術開発なり研究開発の中に特に事業計画というような書き方もありまして、是非実証してさらに実用化につなげるところを目指していただきたいということと、もしそこで出てきた課題があれば、その辺もしっかりと明確にしていただけるとよろしいかと思います。以上でございます。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 ご指摘ありがとうございます。スターダストプログラムの中においても、実証するプログラムもあれば、そこまでいけてない部分もプログラムとしてあると思います。技術開発してそれで終了ではなくて、実証して実用化して社会に価値を届けるということが大事かなと思っていますので、あくまでこのプログラムを利用しながら、もしかしたら企業さんあるいはJAXAさんに技術を引き続き進めていって、その社会の還元をしていくということが重要かなと思っております。ありがとうございます。
【山崎部会長】 はい、他にご質問等いかがでしょうか。オンラインの方も挙手ボタンでよろしくお願いいたします。では私からも1点ですけれども、質問させていただいたところもあるのですが、例えば過去に終了したスターダストプログラムに対して、現状どうなっているか、その後の課題はどうなのかなどの追跡調査のようなものはされていらっしゃるでしょうか。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 そうですね。フォローアップという意味におきましては、先ほどの回答とも繰り返しになるかもしれませんが、何か一律でやっているというわけではなくて、事業が終わった後に、例えば宇宙戦略基金でしたりとか、JAXAでの研究開発へつなげていくように我々としては努力をしているというところかなと思っています。
【山崎部会長】 はい、かしこまりました。是非そのような形でフォローアップも含めて留意いただけるといいのかなと思います。よろしくお願いいたします。ではオンラインで神武委員よろしくお願いいたします。
【神武委員】 ありがとうございます。慶応の神武です。このような取組み、宇宙業界がこれから色々な意味で世界を牽引していく上では非常に重要なテーマを扱っていただいていると思うのですが、今、このスターダストのプログラムと宇宙戦略基金ですとかSBIRですとか、通常なかったものに対しての、宇宙業界をより元気にするという意味での取り組みは非常に素晴らしいと思っています。一方、例えば宇宙戦略基金で言いますと、その取り組みの成果をできるだけ告知していこうという取り組みが少しずつなされてきていて、それもまだ道半ばだと思うのですが、このスターダストにおいてそのアウトプット、アウトカムを広く周知するという意味では、これからやっていくというのは大事だと思うのですが、そのあたりはどういう形で進められているもしくは進められようとしているかという点を教えてください。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 一応こちらの進捗でしたりとか研究成果というのは、内閣府のそれぞれの委員会でご説明したり、文科省の宇宙開発利用部会でご説明したりという形のことをしております。それを超えてという部分におきましては、各事業者さんあるいはJAXAさんにおいて、成果がそれぞれ出てきたら発表するという形かなと思っております。
【神武委員】 私のコメントとしては、各事業者に委ねるというのもありだとは思うのですけれども、スターダストというプログラムがあって、こういう成果があるということが、より非宇宙業界の方にも知っていただくことが、また新たなイノベーションですとか新しい取り組みにつながると思っておりまして、例えば宇宙戦略基金ですと、宇宙戦略基金としてそういう告知を進めていこうという議論をしていたりするのですが、現状はスターダストではそのようなことはされる予定はないということなのですね。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 そうですね。今のところ予定はないのですが、委員のご指摘を踏まえてこちらの内閣府が制度を持っておりますので、内閣府と相談をしながらどういう形ができるのかというのは議論したいと思っています。
【神武委員】 ありがとうございます。おっしゃる通り内閣府が制度の元というところはあると思いますので、是非議論いただければと思います。あとは最初に田中委員がおっしゃいましたように、そういう成果がよりその未来をつなぐ方々によって情報として得られると、若い人たちは新しいチャレンジに取り組みたいというところでのモチベーションを喚起するのが一つ大事なことだと思うので、そのあたり一つ検討事項として扱っていただけると助かります。ありがとうございます。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 神武委員ありがとうございます。承知しました。
【山崎部会長】 はい、吉井委員よろしくお願いいたします。
【吉井委員】 吉井でございます。今回改めてこのテーマを、それぞれ中身を拝見し、非常にそれぞれ意義深いプロジェクトだなと改めて思いました。その中で、これらのプロジェクトが選定された理由というのは、おそらくその日本の宇宙産業界の中でキーとなる技術だからということだと思いますが、それぞれのプロジェクトがその目的を達成した時に、宇宙産業に与える影響がどうなのかというところを俯瞰するような発信もあればいいなと思いました。ここだけ見ていると、これがうまく行ったら一体どうなるのだろうなというところで止まってしまいますので、是非そうした大きな絵も合わせて発信していただいた方がいいかなと思いました。
【島村補佐(宇宙開発利用課)】 吉井委員、ありがとうございます。スターダスト結局どういう成果が出たのかというところのご指摘かなと思っております。スターダストプログラム事業全般のことかと思っており、事業終了の時点には何か報告するのかと思っていますので、そこは内閣府含めて検討していきたいと思っています。
【山崎部会長】はい、他にご意見ご質問等いかがでしょうか。よろしいようでしたら、それではこの議題は終了しまして次の議題に移りたいと思います。ありがとうございました。
次の議題は「金星探査機「あかつき」(PLANET-C)及び小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の成果について」です。金星探査機あかつきと小型ソーラー電力セイル実証機イカロスは2010年にH-IIAロケット17号機にて打ち上げられ、ともに本年停波運用を実施し、運用終了となりました。今回はこれまで約15年の運用成果を報告いただきます。それではJAXA宇宙科学研究所の藤本所長、ご説明お願いいたします。
【藤本所長(JAXA)】 はい、ありがとうございます。表紙めくって1ページ目お願いします。今、部会長の方からご紹介いただいた通りです。少し補足しますと、あかつき及びそれにピギーで打ち上げたイカロスというのは、H-IIAで打ち上げて初めての惑星探査機だったということです。
それではページをめくって3ページ目にお願いします。そもそもあかつきとは何かということについてご説明します。地球と金星というのは双子の惑星とよく言われていますが、その表層環境は全く異なります。この地球と金星がなぜこんなに道を違えてしまったのかというのは惑星科学の上で大きなテーマですが、まず、あかつきは、その全く異なる金星大気がどのように振る舞うのかと、金星の気象学ということについてターゲットとした科学のミッションです。このために、金星周回軌道に入ってそこからいくつかのカメラを使って観測するということを目指したミッションでした。
4ページ目ご覧ください。金星と地球がどのように違うのかということについて申し上げているところです。金星というのは非常に分厚い大気がありまして、それがゆっくりと回る惑星本体の上に載っかっていると、そういった地球とは全く異なる状況にあります。そういった異なる状況における金星において最も特徴的な現象として、スーパーローテーション、大気が自転に比べてはるかに早い速度で回っているというものがあるわけですが、その解明というのが金星気象学を理解していく上での一つの象徴的なターゲットになるかと思います。あかつきは、この4ページの下部にありますように、いくつものカメラを搭載しまして、それぞれの波長で金星大気の高度の異なるところを観測します。これによって金星大気はどのように振る舞うのかということについて理解するという作戦を取りました。
次のページです。実はあかつきには大きなトラブルがありました。2010年12月に、金星周回軌道に入る予定だったのですが、推進系にトラブルがありまして、それに失敗しました。科学者グループは結構大騒ぎになったのですけども、当時のエンジニアリングのリーダーがどうにかするか黙っていろということになりまして、実際5年後、どうにかして見せたというかっこいい話があります。さらに話かっこよくしますと、当初の予定とは全く違う周回軌道に入っていたのですけども、その新しい軌道の中からでも成果を出してみせると、今度は科学者側が頑張りまして、大きな成果を出してきたというところがこの5ページ目の年表にあるところです。
6ページ目ご覧になって分かりますように、当初の予定とは違う観測になりましたので、少し時間はかかりましたが、長い時間をかけて、少しずつ問題意識を進化させていきました。全然違った軌道からでも科学は出来るのだということから立ち上げて、長い期間にわたって観測しましたので、長期変動トレンドが分かってきたと。そのような成果を出してきています。
7ページ目です。具体的にスーパーローテーション、金星大気特有の現象なのですけが、このメカニズムというものについてあかつきは解明しました。様々なカメラで様々な高度における大気の振る舞いが分かることから、このようなことが解明できたわけです。
さらに8ページ目にありますように、長い期間にわたって研究を続けましたので、地球大気において当たり前であるデータ同化ということにもトライをしました。データ同化というのは、地球のようにたくさんデータがあって初めてうまくいくのではないのかということが、これトライする前の当事者も考えていたことだったのですけども、金星大気のモデルに対してあかつきのデータをデータ同化という形で突っ込むことによって、図が2つありますが、右側のように観測データとより合う形で金星大気の動きが再現できたということで、ある意味、嬉しい驚きだったという風に聞いています。このような長い期間にわたって観測したことで、このような面白い結果も出てきているということをご紹介しました。
9ページ目です。あかつきはH-IIAで打ち上げて初めての惑星探査機だと申し上げましたが、まさに日本の惑星探査が本格化する時代の先駆けでもありました。結果として、この絵の下の方にありますように、日本の探査機が2機、地球から太陽の反対側にいるということが起きまして、そこから来る電波掩蔽観測(えんぺいかんそく)を用いることで、太陽大気の構造がよく分かると、こんなキャンペーン観測なんかもできるようなぐらいに、日本の惑星探査が成熟したということを象徴しています。
11ページ目お願いします。まさに日本の惑星探査が本格化することを象徴するあかつきだったわけですけども、色々と次の世代のミッションにも受け渡されていることがあります。まず観測機器です。あかつきに搭載された中間赤外カメラというものは、実ははやぶさ2号機にも搭載されました。そこで実は小惑星探査においては、非常にこの波長帯が有効だということが、ある種発見されて、その後ヨーロッパのミッションにおいても採用されるということになっています。また、推進系にトラブルがありましたとき申し上げましたが、11ページ目の下から2番目ですけども、あかつきで何が起きたということをきっちり分かった上で、これ実はあかつき以前では知られていなかった現象だったことに伴うトラブルだったのですが、その事象がはっきりしたことで、その後のはやぶさ2号機あるいはSLIMにおいては、同じトラブルは起きていないというレッスンが適用されたということも行われます。
以上、あかつきでした。それでは後半、イカロスについてお話しします。
14ページ目お願いします。イカロスといえばまずソーラーセイルです。燃料を使わずに宇宙空間を航行できればいいなという夢の技術で、これ100年前からアイデアはありますが、誰もやってみせた人はいませんでした。さらにイカロスではソーラー電力セイルということを考えます。ソーラーセイルのように広げた構造があるのであれば、そこに薄膜電池を貼り付けて発電すればいいではないかと、一度で二度おいしいことを狙ったというのがイカロスで、まさにこの技術実証に成功したというものです。
15ページ目ご覧ください。あかつきのピギーとして打ち上げましたので、サイズは大体このようなものです。300kgぐらいの宇宙機です。セイルを広げると一辺14mぐらいのサイズで、まさにこれぐらいのサイズでチャンスをさっさと掴んで実証してみせようということをやってみせた計画だということになります。
16ページ目です。ここにありますように、技術実証は本当にうまくいきました。まず1番、膜を広げて見せること。2番、広げた膜に貼ってある太陽電池を使って発電すること。さらには膜を使って宇宙機を加速したり、あるいは姿勢制御を行う、といった一連の技術実証が非常にうまくいったということがこの16ページ目のスライドに書いてある通りです。これはもちろん世界初の成果です。
18ページ目ご覧ください。このミッションはどのようにして終わったかということです。ソーラーセイルによって姿勢制御も行ったと先ほど申し上げましたが、これはあくまで技術実証レベルでやったものであって、実運用的には行ったものではありませんでした。ですので、姿勢制御のための燃料がなくなってしまうと、制御はできなくなりますから、探査機を見失ってしまうリスクというのは非常にあるわけです。実際3回ほどそのようなこと起きて、うまいこと予想ができていたのでもう1回見つけることができたのですけども、4回目に関しては、二度と探査機との通信が取れなくなって、それがゆえにイカロスの運用は止まったということです。ですので、もしソーラーセイルによる姿勢制御というものが、技術実証レベルではなくて運用レベルになっていれば、実はこのトラブルは起きなくてもっと長生きできたミッションだったのかもしれませんけど、1回目の技術ミッションですから、それも制約の中の話かなと思います。
20ページ目ご覧ください。これ、インタープラネタリースペース(惑星間空間)を飛んでいくミッションですから、いろんな実験、宇宙理学実験も行っています。一つだけ申し上げますと、ガンマ線バーストからの偏光を測るという世界で初めての科学的成果も出しているということです。
21ページ目です。これ、世界初技術実証だと申し上げましたが、これはアウトオブザブルーに何も無いところから生まれたわけではもちろんないわけです。あかつきのピギーというチャンスをうまく掴んだわけですけども、そのチャンスをうまく掴むからにはそれなりの準備がしてあったわけで、実は観測ロケットや大気球、こういった小規模実験をずっと積み重ねていく中で、十分に準備ができたところ、「余剰能力があるからピギーバックで打ち上げないか」というチャンスが来てそれを掴んで、宇宙実証でもうまくいったということを少し強調したいと思います。このような小規模実験、あるいはピギーによる宇宙実証、こういったチャンスがいかに貴重であるかということをこの21ページ目では申し上げたいことです。
22ページ目です。イカロスで成功して、じゃあ今後どうするのだということですけども、今ではチームとしては、これは小型の太陽系探査において非常に効果的な技術であると考えて、将来計画をいくつか練っているというところが22ページにある通りです。
23ページ目です。これ本当に何度も繰り返しますが、世界初の技術実証を成し遂げたわけですけども、小規模実験を繰り返し、かつちょうどいいサイズのミッションを提案して、ピギーバックのチャンスを掴むことで宇宙実証をしてみせました。このような機会を掴んでくること非常に大事であるということと同時に、このような機会というのは非常に人材育成敵にも高い効果を生むものだということが23ページ目に繰り返し書いてあります。
最後のページです。H-IIAによる太陽系探査がこの2つで始まり、その後いくつかいいミッション、「はやぶさ2号機」のような大成功するミッションもありましたが、今後はH3ロケットを使って素晴らしい太陽系探査をやっていきたいと思っています。私から以上です。
【山崎部会長】 はい、藤本所長ありがとうございました。それではただ今のご説明に対してご意見ご質問等お願いいたします。吉井委員、お願いいたします。
【吉井委員】 あかつき、非常に素晴らしい成果が出たプロジェクト両方ともだと思います。その中でですね、あかつきでスラスタが故障して、休眠させて5年後に復旧したということですけど、具体的に休眠させたことで直った部分があるのでしょうか。具体的にどのように復旧させたかを簡単に教えていただけますでしょうか。
【藤本所長(JAXA)】 壊れてしまったのはメインエンジンと呼ばれるもので、これはもう本当にノズル自身が吹っ飛んでしまったのでどうしようもなかったわけですね。なので、姿勢制御用の小さいスラスタがあるのですけども、それを使って本当にギリギリのところで軌道投入ができたというところです。全く違うシナリオですし、ギリギリのところでしたので、元々予定していたような綺麗な円軌道ではなくて楕円軌道になってしまったのですけども、今度は軌道投入できた以上、どうにかしてサイエンスを出すというところで科学チームが頑張ってくれました。
【吉井委員】 その5年の間にその小さい方のスラスタを使ってどうするかという計画を立てて実行されたと、そういうことですね。はい、わかりました。ありがとうございます。
【山崎部会長】 はい、吉成委員、お願いいたします。
【吉成委員】 学術的な意義が非常にあったということで大変喜ばしい結果かなと思っておりますが、逆に残された課題は何なのか、ないしはその後継のプロジェクト、ないしは後継のその技術に対してこの貢献はどういうことを考えてらっしゃるのか教えていただけますか。
【藤本所長(JAXA)】 そうですね。イカロスなんかがある種悪い例かもしれませんが技術実証した次に、ものすごく大きなミッションを考えようとして、なかなかそれは現実的ではないということになったのですね。当時、チャンスというのはなかなか無いものなので、ピギーなんかは別ですけども、チャンスがあったらもう最大限成果を出そうとして、ついつい素晴らしいものを提案しようとしてしまうのですけれども、多分NASAやESAは30年かけてそういう素晴らしい宇宙開発環境とかで打ち上げるというスタイルはあり得ると思うのですけども、日本の規模を考えるとそうではなくて、ちょうどいいもので、海外の人が手を出さないようなところを狙っていくというのが多分日本の勝ち筋なんじゃないのかと思うのですね。イカロスのチームもその後ある種の反省をして、この技術というのはまさに小さい探査機をリソースがない中でうまくコントロールするのに使うのがちょうどいいのではないかというような今アイデア持っていますので、このようなちょっと小規模だけど面白いミッションをどんどん打っていく、そういったプログラムの方向に今修正をかけているということですね。なので、新しい技術をうまく使ってちょっと面白いことをやってみせるという方向にプログラムを変えていきたいと考えています。
【吉成委員】 なるほど、ありがとうございます。金星の方はどうなるのでしょうか。
【藤本所長(JAXA)】 金星はその後、金星の科学のテーマとしてまさに今ある大気がどう振る舞っているのですかということでまずあかつきをやってみせたのですけども、惑星科学で金星というと、地球と金星がなぜこんなに違うのかということは大きなテーマになると思うのですよね。大気の進化だとかそういう話になること、あるいは系外惑星と比較するような話になってくるのだと思います。金星に関しては、あかつきの後に欧米が3つほど大きなミッションを提案して、それでだいぶ進むのかなと思ったら、ちょっとアメリカの事情だったりして分からなくはなってはいるのですけども、日本としてはむしろ金星そのものというよりは系外惑星ですね、太陽系ではこうなっているけども、他の星の周りではどうなっているのかというような方向、今少しそういった方向に話を伸ばしていこうかなと考えています。
【吉成委員】 ありがとうございます。
【山崎部会長】 では続きまして、鶴岡委員お願いいたします。
【鶴岡委員】ありがとうございます。あかつきとイカロスに関して、他がやらないところを小規模にやってそれが勝ち筋というお話があって非常に興味深いと思ったところです。この2つについても、それぞれ現場の方々が頑張ってやり遂げたという、なかなか日本人的には好きなストーリーなわけなのですけれども、今後もそういったニッチの小型のプロジェクトを軸にしていくというイメージでしょうか。それともやはり宇宙予算が増える中で、より大規模なものにシフトしていく、ないし、していけるということなのか。資源の制約の中でしょうがなく小規模なものをやっていたという理解が正しいのか。それとも、これが勝ち筋なので積極的にそれを追求していくということなのか。その方向性について教えてください。
【藤本所長(JAXA)】 本当にいろんな人と議論しているところなのですけども、結局、宇宙科学研究所の工学の方は自分たちでやるのが大好きな人たちで、かつそれで成果出ているので、それはある種のスタイルとして伸ばしていこうかと思います。より大きな話になると、それは素晴らしい成果が出るのですけども、時間はかかります。本当に時間をかけてすごいミッションをやるのが、日本のロケットの能力とかいろんなこと考える中で、それが本当にいいことなのか。世界で初めてのことについて自分たちが汗を流して、仕様を持って行ってメーカーにお願いするというよりも、本当に自分たちが手を動かしながら新しいことを最初にやってみせるのが、どっちが魅力的だろう、特に若い人たちにとってどっちが魅力的だろうと考えると、やっぱり後者なのですね。分野によっては本当にできるのですかというのはフェアな質問だと思いますけども、少なくとも太陽系探査のように、どこかに行ってみせて、どこかでちょっと変なことをやってみせるというようなことで十分成果が出る、探査系の話というところではまだまだやれることはいっぱいあると思っています。天文学の方ですと、やはり大きな望遠鏡で遠方を見るとかいうのが王道ですので、かなり厳しいのですけれども、それでもまだまだ、いくつか今進めようとしている話の中にも、いくつかは欧米が怖くて手を出せない、やれば面白いはずなのだけどもリスクがありすぎて手が出せないということはいくつかありますので、そういったところで積極的に乗り出していくというのをいろんな人と議論しているところです。
【鶴岡委員】 ありがとうございます。
【山崎部会長】 はい、では続きましてオンラインから笠原委員お願いいたします。
【笠原委員】 ありがとうございます。非常に、もうすでに皆様述べられていますが、人類史を代表するような重要な成果を上げられて、改めてその成果の大きさを実感しているところでございますし、今藤本所長が述べられたような戦略、それからステップバイステップの開発等、本当にいろんなお考えやご努力、あるいは文化といったものでこれらの成果がもたらされているなと改めて実感しています。その上で、推進系の研究者として一言申し上げたいことは、やはり今後のことを考えますと、こういう小型の、特に軌道投入系のスラスタの開発というのは、その基盤的な開発環境というのはとても重要で、そういうところに是非ともお力を今後も注いでいただいて、十分な開発環境を整備いただくことを改めて僭越ながらお願いをさせていただきたいと思っています。私の認識ではそんなに多くの環境が日本にはないという風に現状理解しておりまして、そういう小型スラスタ、500Nクラスのスラスタの、長時間しかも真空環境で試験できるような環境というのは、今後もこのクラスの成功には絶対的に必要なものだと思います。もちろんチャレンジされるようなところは、所長が述べられているような非常にシャープな狙いのところを狙うべきと私も全くそうだと思うのですが、ベースとなるような推進系に関しては、かなりしっかりとした環境整備が今後もずっと必要になると認識しております。そういう試験環境、人もそうだと思いますし、色々な文化的な接続性もあるかと思いますので、是非ともこの機会に所長の方からもそういう方面へのお力添えをいただければ大変ありがたいなと思っています。大変僭越なことを申し上げていると思いますが、是非ともよろしくお願いいたします。以上でございます。
【藤本所長(JAXA)】 ありがとうございます。推進系の原理は70年以上前に確立しているはずなのだけど、未だにロケットの打ち上げだとか惑星軌道投入するときにドキドキするって何なのだということは本当に思うのですけど、でもそれ笠原先生おっしゃる通り、これ本当に実験して積み上げていく技術だということはいろんな人とお話ししていて思うところなのです。色々な、それこそはやぶさ2号機だとかいろんな成功が続く中で、若い人と話をすると、いきなりそんな現場に突っ込まれても困るということをよく言われます。ですので、先ほど申し上げたように、できるだけ小型で、失敗してもいいとは言いませんけども、いろんなことに経験するようなプログラムというのも作っていきたいと思っています。あかつきだとかはやぶさ2号機だとかというような大きなミッションだけではなく、イカロス、さらにイカロスよりももう少し小さいぐらいのミッションで色々試すような場も作っていきたいと思っていますし、そのためには実験場もきちんと整備していくということも考えていきたいと思っています。コメントありがとうございます。
【笠原委員】 ありがとうございました。
【山崎部会長】 はい、他にご意見ご質問等いかがでしょうか。大貫委員、よろしくお願いいたします。
【大貫委員】 ご説明ありがとうございます。私の方からは一つお伺いしたいことがあるのですけども、このような世界に先駆けて小さいながらもユニークな実証をして、例えばすごく印象的なのですけども、民間からの引き合いで技術ですとか、全体的な技術じゃなくても一部実装として利用したいですとか、そういった引き合いが来るのではないかということも予測されるのですけども、そういったお話があった時に可能なのかどうかというあたりのところを教えていただければと思います。
【藤本所長(JAXA)】 実際そういう話、具体的には申し上げられないのですが、そういう話、実際引き合いはありまして、引き渡す方向は考えていますね。我々の深宇宙探査をしたりすると、できるだけリソースがかからない、例えばできるだけ軽く作るといった方向の開発をメーカーの方と一緒にやりますので、その開発の段階である種の技術がハンドオーバー出来ていて、その後そのメーカーの方が製品化していくなんてことも十分あり得ると思っています。ただし、残念ながら今の宇宙のトレンドというのは、高品質のものを使うというよりも、そこそこのものをいっぱい打ち上げて、ある種使い捨てにしていいのではないかというようなトレンドが、地球の周りでは一番大きなマーケットになっているみたいですので、ある種我慢のしどころかなと思うのですけども、本当にいいものが必要になるような形で宇宙マーケットが成熟してくれば、我々と一緒に何か面白いことをやってくれるメーカーにもいいチャンスがどんどん来るようになればいいかなと本気で思っています。
【大貫委員】 ありがとうございます。やはり関心を引くかなと思っての質問なのですけど、サイエンスの分野でも、今、サイエンスas aサービスみたいな形で民間がデータを提供するとか、そういったビジネスモデルも出てきていますので、ますます関心が高まると思います。ありがとうございます。
【山崎部会長】 はい、他にいかがでしょうか。吉井委員、お願いいたします。
【吉井委員】 イカロスでこのソーラーセイルによって航空技術獲得ということがありますけど、これは具体的にはソーラーセイルを使うことによって惑星探査がしやすくなるというか、スラスタ燃料が節約できるとかそういうことでしょうか。
【藤本所長(JAXA)】 そうですね。質量が小さいほどコントロールできますので、かつ小型機ですと推進系の燃料をあまり積みたくない、推進系は小型機でいつも問題になることですので、そこも同時に解決できるだろうという方向でこの一つの方向性が見えたのです。
【吉井委員】 なるほど。同じような考え方でそのデブリミティゲーションにも使おうとするような民間での動きもありますけれども、大貫さんのコメントとも重複するかもしれませんけれども、そういうデブリミティゲーションのプレイヤーみたいな方々とも交流はされていますか。
【藤本所長(JAXA)】 はい。デオービッティングですね、そういう引き合いは来ているという風には聞いています。
【吉井委員】 わかりました。ありがとうございます。
【山崎部会長】 はい、他にいかがでしょうか。秋山委員、お願いします。
【秋山委員】 ご説明ありがとうございました。細かいところになるかもしれませんが、11ページのあかつきの波及効果のところで、中間赤外カメラの技術がはやぶさ2号機にも、それからHeraですとか外国への協力にも活かされているという話、大変素晴らしいことだと思います。確かHeraへの搭載の時に伺ったことだと思うのですが、この中間赤外カメラの開発が、当初センサーもインテグレーターも国内だったところが、HeraだったかRAMSESだったか、どちらかですけれども、センサーの部分は海外製になったと聞いたと記憶しております。あまり短期間には開発し準備しにくい、時間が必要というところから海外製を採用することになったというお話も伺ったので、そのあたりの、こういういい成果を出せる機器の国産化というところに関しては、展望ですとか何かご準備されていることとかいかがでしょうか。
【藤本所長(JAXA)】 どうしても一品ものですと、今おっしゃったようなこと、トラブルとか起きるのですよね。なので、できるだけシリーズというのですかね、このカメラに関しては割と日本がやるべきことみたいな風になってきたのですが、熱赤外というと割と地味な観測をするものなのですが、それで小惑星の表面見てやると、小惑星の表面の状態が本当によく分かるという、そういうからくりがある種の発見があったわけですよね。それで日本がある種の評判を持ったわけなので、日本が得意とするカメラをどんどん作り続けるというシリーズ化の一つ狙いたいところですし、一番は結局こういうカメラは性能を決めるのは検出機なので、検出機の国産化というのは一ついつも意識していきたいことだと思っていますね。
【秋山委員】 ありがとうございます。そうしますと、その小さくて面白いミッションをクイックにたくさんやるということがあり得ると、こうしたセンサーの国産化ということにも繋がっていくという風に見えます。
【藤本所長(JAXA)】 そうですね、それも考えの中にございます。
【秋山委員】 はい、ありがとうございました。
【山崎部会長】 はい、他にいかがでしょうか。久保田部会長代理、お願いします。
【久保田部会長代理】 コメントになるかもしれませんけども、あかつきに関しては、ご説明ありましたように、軌道投入1回目失敗して再トライしてということで、当初の軌道から長楕円軌道になって、いわゆる目的としたサイエンスができないかもしれないというところに対して、逆転の発想で遠くで見るのと近くで見るので新しいサイエンスができたというのは素晴らしいことかなと思います。かつ15年以上運用してということで、是非プロジェクトメンバーに敬意を表したいと思いますし、もう一つ、やはり工学と理学が一体となって宇宙科学を推進していくというのは非常にユニークな点なので、是非今後もそのように進めていただければと思います。イカロスについては、ソーラーセイルの技術のみならずいろんな技術が獲得できているので、是非これも次のミッションに活かしていただければと思っている次第です。コメントでした。
【山崎部会長】 はい、ありがとうございます。では他にないようでしたら本議題を終了したいと思います。藤本所長もおっしゃってくださったように、やはり技術的にも科学的にも後続のミッションに引き継がれていたり、新しいまたミッションの提案に繋がっていくということが大事だと思いますし、そのためにもピギーのような小型のミッションからシリーズ化して、どんどんミッション創出していくことが大変重要だということが強調されたかなと思います。ありがとうございました。
はい、ではよろしければ次の議題に移ります。次の議題は「技術試験衛星9号機「ETS-9」の開発状況について」です。ETS-9プロジェクトは次世代静止通信衛星に必要となるバス技術及びミッション技術の実証を目的に開発が進められています。今般、開発計画の見直しを行い、本年10月にJAXA内の計画変更審査を実施し、プロジェクト計画を見直したとのことです。今回はそのご報告をしていただき、その後議論したいと思います。JAXAの瀧口理事、ETS-9プロジェクトの小川プロマネ、よろしくお願いいたします。
【瀧口理事(JAXA)】 はい。JAXAで衛星開発担当をしております瀧口でございます。地球観測・通信・測位といったところをやっています。実際にはETS-9を担当していますプロジェクトマネージャ小川の方から説明します。今日の議題の冒頭にスターダストの話がございましたが、まさにETS-9はスターダスト卒業生と言っても過言ではございません。3年ほどスターダストを使わせていただきまして、このETS-9に載っております通信機器、フルデジタルペイロードと呼んでおりますが、それとフルデジタルペイロードはかなり高発熱で、パソコンが熱くなるのと同じようなものなのですが、それの熱を排出する排熱機構、この辺のパッケージでミッション機器という形でスターダストを使わせていただいております。元々このETS-9というのは、オール電化バス、これ電気をイメージしていますけど、静止衛星って通常はロケットから分離しますと、自分で軌道を上げて静止化するまでに、衛星に搭載しているエンジンを吹かなきゃいけないという仕組みになっておりまして、従来型の推進系ですと、自重の半分ぐらい燃料を積んでロケットから分離した後、衛星自身が頑張って静止軌道に向かってエンジン吹かして、2週間ぐらいかけて飛んでいくという工程がございます。これをやはり燃料に食われてしまうのはもったいないと、静止軌道に行った時に仕事ができるところに重量を割きたいということで、燃料を減らすという形では電気推進を採用していく、はやぶさの時も電気推進の話はございましたけど、ちょっと時間はかかるのですが、むしろ燃料を減らす、それによって通信機器をもっとたくさん載せられる、大容量化、大電力化できるというところを目指すということで、そういった新世代バスを開発してきたのです。バス開発だけでは世の中の潮流にミートしていかないと、せっかく得たミッション重量のところに高度化したミッション機器も載せなきゃいけない。フルデジタルペイロード、何がデジタルかと言いますと、無線というのは今やデジタル信号を送れはしますけど、その周波数とかある種電波の世界で作り込む世界なのですが、これ自体もデジタル制御、ソフトウェア制御できるようにして、特に今、宇宙混雑化と言われていますけど、周波数もかなり逼迫しています。こういったものを軌道上でフレキシブルに変える、それから、ビームの指向範囲もユーザアベイラビリティに合わせてサービスとして変えていくといったところを狙うという新世代の通信衛星、これ欧州がかなり先にいっている感じがしたのですけれども、我々もこのスターダストで加速いたしました。3年で仕上げて衛星に搭載して、今一式として試験している中で、衛星一式としての開発に色々苦労が出たので、昨年、工程表の計画から抜け落ちているのですが、今回、来年度の打ち上げに向けてレディという形になりましたということを報告します。今回改訂される工程表の方にも打ち上げ可能ということでマーキングがなされるということで、状況報告に参りました。ではプロマネの方から説明の方よろしくお願いします。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 はい、それでは資料に基づきまして小川から説明させていただきますのでよろしくお願いします。
資料2ページ「はじめに」と書いておりますが、今回の報告は今瀧口からご説明させていただきました通り、開発計画を2026年度に打上げ準備完了を目指すというところに、変更したということ、ただしミッションの意義価値については維持されているということを、開発計画の状況と含めてご報告させていただくものになります。
3ページ目にここまでの経緯として説明をまとめてございますが、元々この技術試験衛星9号機は、総務省と文科省を事務局としたプロジェクト推進会議、こちらを経て始動させていただいているものでございます。途中、2019年頃に欧米の方でフルデジタル化のペイロードを搭載した衛星が発表されたことを踏まえまして、その市場動向についていかなくてはいけないということでフルデジタル通信ペイロードというものを開発追加搭載するという計画変更などをさせていただきまして、今に至っております。現在、維持設計フェーズということで、衛星組立試験のフェーズを進めているところでございますが、昨今、開発スケジュールが少し遅延しているところがございましたので、計画変更ということでプロジェクトの計画を見直したというものでございます。
4ページ目には今ご説明しましたプロジェクト推進会議の体制、こちらを掲載しておりますのでご覧ください。
5ページ目にはこの衛星のミッションとしてまとめてございますが、先ほど申しました通り、その全電化衛星技術ということと、大電力化、それに対して電力をたくさん使うと、宇宙では当然それはほとんど熱に変わってきますので、それをいかに効率的に排熱するかという高排熱技術をバス技術として実証するということと、それぞれ衛星通信技術を総務省、NICT含めて実証していくというものでございます。
6ページ目に衛星のコンフィギュレーションを掲載しておりますが、この絵の上の方が地球の中心を向いているような形で、そちらに通信機器がたくさん載っているという形になってございます。そして後ろの方にホールスラスタなどの推進系が載っているようなコンフィギュレーションとなってございます。
7ページ目に運用のところの考え方をまとめてございますが、打ち上げた後静止化まで、かなり電気推進などで時間はかかるのですが、静止化した後、実際には初期機能確認で機能チェックしてからではございますが、その後3年間、その3年間でバスの運用で実績を積むということと、各通信ペイロードについて各期間でそれぞれ通信実験を行ってまいります。4年目以降になりますと、スカパーJSAT社が商業活動をしつつ衛星バスを運用するというような新しいスキームを導入しているという状況でございます。
8ページ目に市場動向の分析を載せてございますが、適宜分析しているところからも、やはりスターリンクを中心とする低軌道系が伸びは大きいのですが、静止系もかなり安定して需要は伸びていくというようなところが確認できております。
9ページ目に参りまして、やはりそういう状況で静止通信衛星の中では、今回実施をするようなフレキシビリティの技術、全電化技術等が重要であるということが不可欠になってきているというところが確認できておりまして、欧州のフルデジタルペイロード衛星と同時期に今回打ち上げ時期を狙ってまいりますので、そこで打ち上げて実績を積めば、成果が最大化されるという風に考えておりますので、それらを踏まえましてミッション要求やアウトカム目標、こちらについては維持されているものと確認してございます。
10ページ目に今回のその審査の中で、お二人の先生方に外部評価委員として評価をいただいておりますが、いずれにつきましても計画変更の結果については妥当ということと、これに関してはスケジュールキープできるよう今後は頑張っていただきたいというようなコメントをいただいているものでございます。
最後になりますが11ページから開発計画としてまとめておりますが、ビフォーアフターとして、元々クリティカルパスとしてアクティブ熱制御系、こちら排熱の技術として少し難渋していたのですが、現在そちらについても開発試験を完了しまして衛星システムに既に搭載されておりまして、システム試験を進めております。再設定したその工程を維持しながら今開発を進めている状況でございます。
12ページ目にはこれまで実施している試験の風景などを掲載させていただいておりますが、この後も熱真空試験などの試験を着実に進めまして2026年度中に衛星として打ち上げ準備を完了するというスケジュールを維持していきたいと考えております。またNICTとは打上がった後の通信実験もどうやっていくかというところは連携して今検討を進めているというところでございます。ご報告としては以上になります。
【瀧口理事(JAXA)】 8ページ9ページあたり少し細かいですけど補足させていただきますと、欧州の方がこのアイデア先行したのですが、実は欧州の方も、例えばエアバス社が10機ぐらい受注しているもののまだ納品には至っていません。なかなかみんな苦労しています。その中でやはりETS-9が先行できるじゃないかという状況まで来ましたのでこれはもう是非ともやり遂げたいと私は思っております。以上でございます。
【山崎部会長】 ご説明どうもありがとうございます。本件は審議事項となりますので是非ご質問ご意見ありましたらお願いいたします。はい、秋山委員お願いします。
【秋山委員】 ご説明ありがとうございました。最後のほうにありました欧州との競争の状況ということについて是非お伺いしたいのですが、まず用語の整理お願いしたいのが、こちら資料でお示しいただいたフルデジタルペイロードという風に記載してありますけれども、欧州の状況を見ているとソフトウェア定義ペイロードというような言葉が使われており、同じ趣旨のものと理解して良いでしょうかという確認がまず1つ、もしそうであれば、先ほどエアバスの名前もちょっと上がりましたけれども、タレスアレニア等も同じ趣旨の衛星を進めていて、なかなか打ち上げに至らないという風に聞いております。その開発が難行している背景というのはなかなか外からは分かりにくいのですが、同じようなその熱制御の問題といったことは世界的に共通の開発課題という風に言えるのかということと、あとそれでETS-9がですね、26年度に変更にはなりましたけれども、順調にこのまま試験を進めて打上げ準備が整った時に、どのぐらい先行できるかと言いますか、一つですねやはり軌道上でちゃんと実績を出せたというところで先行できるのかという点についてお伺いできればと思います。お願いいたします。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】ありがとうございます。まず最初のソフトウェアディファインドサテライトという言い方もされておりますが、一方でフルデジタルペイロードということも欧米では言われております。用語としては同じことを意味しておりますが、ソフトウェア制御ということと、それをある意味デジタル制御ということで、違う用語ですが、同じことを意味しております。で、2つ目の難行の背景ですけども、やはり今少しおっしゃっていただいたように、不具合の状況、遅延の原因というのはなかなか表に現れてこないというところで、公開情報を色々探してるいのですが、ESAのホームページにARTESプログラムというところでこのOnesat、Inspireの状況が少し垣間見られているところがございまして、そこの情報ですと推進系の問題ですとか、制御系の問題、またOnesatのコンフィグレーション図を見ていると大きな展開ラジエータが途中で追加されているような絵も出てきたりするので、やはり排熱になかなか苦労してらっしゃるのではないかなという風にはこちらとしては推測しています。ですので同じようにやはり排熱の問題というのは、コンピューターの能力がかなりいるので、そこで苦労されているのではないかと推測しております。以上です。
あともう1つが競争力の観点で。どっちが早かったかどうかという話ではないのですが、同じ時期にやはり三菱電機としてもDS 2000というそのかつての衛星バスの実績、これは欧州でもオペレーター中でもかなり高い評価をいただいているという風に三菱電機さんから聞いております。そこに電気推進系ですとか、このソフトウェア・デファインドのペイロード、そういうものがどれだけちゃんとできているかというところと、あとそのメーカーのかつての信頼度を含めて、総合的に評価されているものと聞いていますので、早かったらそれですぐに売れるかというものではないと聞いておりますが、やはりあまりにも遅れるとどっちにしろ不利になっていくという風に聞いていますので、それはなるべく同じような時期に打上げていくのが望ましいとは考えています。
【瀧口理事(JAXA)】 1回打ち上げたら終わりではなくてですね、この世界しのぎ合いでございまして、実はスターダストの方にですね、20ページあたりですね、またその排熱装置のさらなる高度化もお願いさせていただいておりまして、まさに日々競争だと理解しています。
【秋山委員】 分かりました。色々背景のご説明も含めてありがとうございました。
【山崎部会長】 ありがとうございます。それでは吉井委員お願いいたします。
【吉井委員】 吉井でございます。ご説明いただいた通りですね、私ども宇宙保険をずっと引き受けて来ている中で、やはりタレスとボーイングは相当過去5年ぐらい、ソフトウェア・デファインドのことを強力にアピールしてですね、結果として追い抜くかもしれないという部分は商業宇宙の世界で非常に大きなニュースになりうると思いますので、是非ポジティブな発信をしてだければなというのが一つコメントでございます。あともう一つ、宇宙保険の観点で見た時のこのリスクっておそらくまず一つは電気推進でのそのオービットレイジングの一つと、あとは先ほどからお話をされている排熱のところなのですけども、この辺り、まずそのオービットレイジングってどれぐらいかかって、そのリスク、当然バイアレンも長くなるとかあると思うのですけれど、どのような対策を取られているかというところが一つと、あとその排熱のところで最終的にご苦労されて完成されたということで、どういったところで、冗長設計なり、安全サイドに立った設計をされているのかというのを簡単にお話を伺えればと思います。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。まず欧米に負けないところまで時期的に来たというところでしっかりアピールというところはNICT、三菱電機さんを含めてやっていきたいと思います。ありがとうございます。アクティブ熱制御系で苦労したところだったと思うのですけども、まずこのアクティブ制御を非常に大きなループを組むというところがございます。そこに対して複数の支流に分かれて流れていくところ、そこの中でいろんなバランスを取っていく中で、一つ何か壊れたとしても、非常に熱いところと冷たいところが変に傾かないように、そういう意味にいろんな補助のヒータをつけたりですね、熱的にうまくバランスを取れるようにそういう工夫はさせていただいています。オービットレイジングの件は、これまで欧米のフルデジタル衛星ではないのですが、過去のペイロードも積んだものですと大体4ヶ月から半年ぐらいというところは多いと聞いています。ETS-9の場合かなり大きな衛星で、あと実証もしながら上がっていくとこともございますので、大体7ヶ月から8ヶ月ぐらいかけて上がっていこうというところでしておりますが、最終的には4ヶ月とか5ヶ月で売っていくというところで三菱電機さんの方では検討されている状況です。
【山崎部会長】 ありがとうございます。それではオンラインの方で小笠原委員お願いいたします。
【小笠原委員】 小笠原です。ご説明ありがとうございます。今の吉井委員のご質問にかなり似てくるのですけれども、私から2つ教えてください。デジタルペイロードの件は私も業界を見ていて5年ぐらい前からOnesatとかInspireとかガンガンガン攻めてきていて、もう日本負けちゃうのかなと思ったら今日聞いた話で大変力強く感じましたので大変期待しています。そういう意味でまず一つ聞きたいのは、フルデジタルといった時にスペックの観点で見てこのETS-9で例えばOnesatとかInspireと比べてフルデジタルのスペックでは、例えばこちらが10年進んでいる、5年進んでいる、どんな感じになるのかというのが一つ教えて欲しいことと、もう一つ、エレクトリックの衛星にして電気推進にするという話でした。一方電気推進の方はもう10年ほど前から既存のと言いますか、例えば702SPとか当たり前に飛んでいる時代で、今度このETS-9でやるものはスペック的には既存のフルエレキの推進系よりもよほど高いものを狙うのか、それとも例えば同等だけれども劇的に安いものを狙うのか、どういったスペックを狙っているのか、その辺りその2点を教えていただきたいです。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。まず最初の通信能力のところですけども、今ちょうど映されている10ページのところですね、右下にすいません非常に小さい字で書いてあって分かりにくくて申し訳ないのですが、まず今Onesat、Inspireが大体100Gbps級だという風に伺っています。海外の衛星の動向としましても、やはりその150Gbpsを超えるようなものと言うと、もう超巨大なVHS、バイアサット社が1Tbpsぐらいのものを打上げていますけども、それが1機2機あるぐらいで、あまり主流にはなってないと考えています。その中でETS-9の成果を利用した三菱電機さんとしては最大200Gbpsまでを予定しておりますので、その実現性は今確認できているところです。ですので能力としてその100Gbps、もしくはそこからこれから欧米の方も若干上がっていくとは予想しているのですが、それに対してもこの2020年代のうちには十分対抗できる、200Gbpsというスペックをマックスとして持っておけば、十分じゃないかという風に評価しているという状況になってございます。それが1つ目です。
で、2つ目の電気推進系の方ですが、そちらにつきましてはやはり日々進化していると考えています。特にフルデジタルペイロードを載せるとなれば、そこに排熱能力や電気推進も含めて、バスシステムとしてかなり難易度が上がっていて、欧米のOnesat、Inspireも苦労しているという風に感じております。ですのでスラスタ一つ、電気推進という観点からすると従来とそんなに大きく変わることはないかもしれませんが、フルデジタルペイロードを載せた衛星がパッケージとしてバスとしてちゃんと完成させるという観点では、一つそれから先を行っているのではないかという風には評価しています。以上になります。
【小笠原委員】 ありがとうございました。200Gbpsという話とそれからトータルのシステムでの熱制御が大変だというところを理解できました。これで戦えるなということが理解できました。ありがとうございます。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 まとめていただきありがとうございます。
【山崎部会長】それではオンラインで神武委員よろしくお願いいたします。
【神武委員】 ありがとうございます。すでにご発言いただいた委員の方がお話しいただいたことが私がお伺いしたかったことで、頭一つ取ったとしても継続的に繋がっていくというところの三菱電機社をはじめとするメーカーの方がどう産業に繋げていくかというところが大事だと思います。そういうところが議論されているということとスターダストとの連携というところで非常に理解できました。今までの質問の中で出ていない観点としては、人材の育成という意味でこのような新たなチャレンジを大規模に行うというところで、ある意味うまくいっているように見えるということは思いますし、是非頑張っていただきたいのですが、何か瀧口さん、そして小川プロマネの方で、人材を育成するという意味、プロジェクトマネジメントするという意味で工夫された点、考えられた点などあれば教えていただければと思います。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。そういう観点で申しますとまず私が一番育てていただいたというところはございます。このプロジェクトをスタートした時に一担当としてあったところが今プロジェクトマネージャまで任されているというところで非常にありがたく感じています。それだけじゃなく、当時新入職員だったメンバーも含めて、今だいぶ立派になってきているということや、研究開発部門の方々やいろんな試験をしていただいているメーカーさんや相模原の方々も含めて、色々この技術試験衛星として、初めてのことをやるということに対して、色々チャレンジングにやっていただいていると思っていますし、そこで色々成長してきたなと考えています。そういう意味で技術試験衛星というのはやはりこれまでやったことのないことをどうやって達成するかというところがありますので、できるのかできないのかっていうのは、それはもう分からないけども、なるべくベストを尽くしてやってくるというところは、やはり創意工夫を若手も重視しながらプロジェクト一丸としてやってきたというところがあるかなと思っています。プロジェクトマネジメントセオリーはありますけども、それにないことでも何が正しいかしっかり考えてやってくる、そういうことをプロジェクトとしてはモットーとしてやってきたというところが工夫した点でございます。
【瀧口理事(JAXA)】 瀧口でございます。私も政府の受託衛星を経験しておりますが、やはり納期に向けて先を見て仕事をするというのは重要です。小川も私の下で数年やっていた時期はあるのですけど、やはりこれは先ほども言いましたように勝負だと、しのぎ合いだと思っていますので、スピード感、それから必ず技術でできないことはない、克服できるというところをある種気合いなのですけど、プロマネに頑張ってもらうために私はサポートを常にしております。以上でございます。
【神武委員】 ありがとうございます。いいシステムを作るにはいい人が育つということも大事だと思うので、そちらの方も是非継続して進めていただければと思います。ありがとうございます。
【山崎部会長】 ありがとうございます。吉成委員お願いいたします。
【吉成委員】 ありがとうございます。プロジェクトの意義そのものには何の異存もございませんし、非常にリカバリーショットを打とうと努力されていると大変よくわかりましてありがとうございます。ちょっとその、そういう意味ではプロジェクトの趣旨から多少外れる部分もあるかと思うのですけど、8ページ目、今後の通信需要のグラフがございまして、この左側はちゃんとGEOとLEOみたいな形で分かれているのでいいのですが、右側のこのモビリティ通信市場の需要っていうのが、伸びていくっていうのは、これは静止衛星で船もしくは航空機に使う需要がこのカーブで伸びいくという、そういう算定なのでしょうか。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 こちらは低軌道も合わせてのもので、すみません、ちょっと内訳までは確認できていない状況です。
【吉成委員】 そうですよね、いや、その資料としてミスリードかなと。すなわちGEOの需要がこれだけ伸びていくのでこのプロジェクトにミッションの投資意義があるという主張に見えますので、これはちょっと適切ではないのではないかなと。ここに書くのであれGEOとしてどういう風に伸びていくのかっていうことを説明すべきかと思うのですが、いかがでしょう。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 そこはおっしゃる通りです。大変失礼いたしました。
【吉成委員】 あともう一つは、やはりそのGEO対LEOというかですね、今後の通信需要というものがどうなってくのかということになると思うのですけが、GEOの新規衛星を開発するということの意義は十分理解した上での質問ですが、こちらで開発した技術だとかノウハウというのが、コンステレーション等に活きる部分があるのかないのか、そのような計画があるのか教えていただけますでしょうか。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 具体的にこれをここに転用するというところまでは決まっておりませんが、ここで開発した技術はいろんなとこに使えるものだとは考えております。特にいろんなバス機器もそうですし、排熱につきましても、今回新しいチャレンジをしますので、それをいかに小型化していくかというところは次のステップとしてあり得るのではないかと思いますし、フルデジタルに関しましても、衛星の中で広帯域の電波を処理するというところは、地球観測衛星、探査につきましても、そういうニーズというのは十分あると思っていますので、そういうデータのオンボード処理を高度化するというところでは発展性があるのではないかなと考えております。
【吉成委員】 ありがとうございます。
【瀧口理事(JAXA)】 GEO対LEOという対立構造ではなく、階層的、仮想的なシステムに仕上がっていくのだと私は思っていまして、GEOはGEOの良さがあってですね。大容量の通信をやるためには、これだけの通信機器を搭載しなくては、LEOにはこれだけの通信機器は乗りませんので、やはり回線とそのニーズといったもので組み合わせによるカスタム化、これが多分ビジネスモデルになっていくと思っています。
【吉成委員】 ありがとうございます。それであればということでそのご回答に対することとしたら、やはりそういう意味での全体戦略というのでしょうか、そういうまさにJAXAとしての戦略というものは是非どこかの機会でお伺いしたいなという風には思います。
【山崎部会長】 はい、他にいかがでしょうか。大貫委員よろしくお願いいたします。
【大貫委員】 ご説明ありがとうございました。私の方から一つお伺いしたいことがあるのですが今ちょうど最後に全体戦略という言葉も出てきましたが、このETS-9の計画が始まってから、見直しですとかもありつつ、かなりの年月も経っておりまして、そのかなりの年月の間にGEOのランドスケープと言いますか、通信の状況、特に通信と言いますと、商業と言いますかビジネスど真ん中のところではあるのですが、結構変わってきていると思います。それで先ほどいろいろな競争力の話もありましたが、別の観点の競争力でスモールGEOですとかマイクロGEOと言われているものも出てきていまして、もう新たに実装も始まり、実際に使われてきております。そういう全体感が変わる中で、この大容量のフルデジタルペイロードの衛星が競争力を持ちつつ、でも全体感としての利用の仕方というのも、新たに考えなくてはいけないことも出てきているのではないかと思うのですが、その辺りの計画について教えていただければと思います。
【小川プロジェクトマネージャ(JAXA)】 ありがとうございます。まさにマイクロGEOというところで、アストラニス、SWISSto12、そういうメーカーが非常に容量は小さいのですが静止軌道で運用できる衛星を実装し始めているというところは我々も聞いておりますし、そこはどういうマーケットとして広がっていくのかっていう議論は調査会社さんの方ともさせていただいているところです。やはり静止衛星としては2つ大きな話があると思っていまして、一つやはりその大容量の通信を一機でできる、これはまさにETS-9なりで狙っていっているマーケットそのものだと思っていまして、そこについては今後もそのアンカーとしての衛星通信の静止軌道スロットから一台でしっかりするというところについては変わらないものだと思っています。ただその一つ一つの衛星が高度化することによって、機数は若干減っていく、もしくはそういう隙間が生まれてくるという状況だと認識しています。そのマイクロGEOがどこまでメインストリームになるかっていうのはなかなかまだ予断を許さない状況かなと思っていまして、やはり軌道権益を確保するという目的がどうも大きいんじゃないかという風には聞いております。ですのでそこはまたどういう使い方が出てくるかというところによっては、そちらについてもマーケットをどうやって日本として一緒に開いていくかという話は今後していく必要があるかなとは認識しておりますが、ちょっと今後の議論かなという風には理解しています。
【大貫委員】 どうもありがとうございます。
【瀧口理事(JAXA)】マイクロGEOは、レジリエンスという観点が強いと思っています。それが本当に主流となるかどうかはまだ分かりません。発想として今出てきているという理解です。
【山崎部会長】 ありがとうございます。他よろしいでしょうか。それでは今回ご発表いただきました内容におきまして、是非委員の皆様からいただいたご意見、それからコメントも踏まえまして、示してくださった計画に基づき是非研究開発を進めていっていただければと思います。大変チャレンジングな技術試験衛星の打上げ準備が完了に目処が立ったということですので、引き続き進めていっていただければと思います。ありがとうございました。
【山崎部会長】 それでは次の議題に移りたいと思います。次の議題は「アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-31)の結果報告について」です。先月18日から21日の会期でフィリピンセブ島に第31回アジア・太平洋地域宇宙機関会議が開催されました。当日現地で参加されたJAXAの佐藤理事ご報告をいただきます。よろしくお願いいたします。
【佐藤理事(JAXA)】 国際関係の担当理事をしております佐藤です。本日はよろしくお願いいたします。ただいまご紹介ありました通りAPRSAF-31の結果概要ということで本日は報告をさせていただきます。このAPRSAFですけども、アジア太平洋地域のオープンな会議体という形で文科省と長年運営をしてきております。昨年もこの場でご報告させていただきましたが、昨年が節目となる30回大会だったということで、最近の状況に応じた形でその目標という形で規定しているその名古屋ビジョンと呼ばれるビジョンを昨年改定いたしました。今年はその改定したビジョンに則って行った最初の年ということになります。このAPRSAFの活動というのはですね、この年1回やるこの会議だけという、そういう一過性のものではなく、年間を通しましてワーキンググループでの各種の議論から、災害対応あるいは人材育成、こういったような各種のアクティビティ、これを重ねてきておるものでございまして、アジア・太平洋地域の各種のプレイヤーと強固に連携してやっているというのが特徴になってございます。また今年はですね、初めて国家元首マルコスジュニア大統領にいらしていただいたということで、非常に運営の方はバタバタで大変だったのですけれど、こういったところに来ていただくというのが、非常にこのフォーラムの信頼が非常に高いということを示しているのではないかなという風に我々としても考えてございます。それでは説明の方はそのAPRSAFの運営委員会、そこのメンバーを務めております調査国際部の小野田部長の方から行いたいと思います。よろしくお願いします。
【小野田部長(JAXA)】 JAXA調査国際部の小野田より説明させていただきます。アジア・太平洋地域宇宙機関会議APRSAFですけれども、日本からの提案をもとに1993年よりほぼ毎年開催しているものです。今年で31回目を迎え、今年は約40カ国及び地域から500人以上が参加するという会議へと発展しております。先ほど理事の佐藤からもありましたように、メンバーシップ制度を設けていないオープンな会議体として、アジア・太平洋地域の宇宙機関や大学、国際機関と、また近年では産業による参加も増加しておりまして、各地域の活動報告を聞いたり、協力に向けた具体的な議論を行っています。グラフが資料にございますけれども、ここに示すように90年代に遡って見ますと、非常に大幅な参加者数の伸びを示しているのがお分かりになると思います。
次お願いします。APRSAF-31の結果概要です。今年は11月の18から21日、フィリピンのセブ島で開催いたしました。テーマは「宇宙エコシステムの活用を通じて地域に力を与える」ということで、フィリピン宇宙庁PhilSA(フィルサ)ですね、比較的新しい宇宙機関ですけれども、こちらと文部科学省、そしてJAXAの共催で、総合議長はPhilSAのGay Perez長官代行と、それから文部科学省の古田審議官、また右の写真にもありますように、松本文部科学大臣のご挨拶もビデオでいただきました。現地参加は490名、オンライン参加が71名、会議上のホワイエにて展示も行っております。今後第32回のAPRSAFをタイのバンコクで、そして第33回は日本の福岡で開催予定です。
次お願いします。今回会合では成果文書といたしましてはジョイントステートメントを採択しております。これは2019年に採択した名古屋ビジョンというAPRSAFの活動と運営のビジョンを描いた文書がありまして、その後これを2024年に改定しているのですけれども、これに基づいて各活動の進捗内容を確認したようなものになっております。センチネルアジアや政府といったイニシアテチブを通じて衛星データの活用や社会課題解決について議論しました。また人材育成及び科学技術能力の向上のため、JICAとの「宇宙頭脳循環プログラム」に関するセッションも今回実施しまして、課題解決シナリオ作成などを行ったり、今年行われましたアフリカ開発会議TICADにおけるJICAが主催したセッションを事例として紹介したりしました。それから今後は宇宙の持続可能性についての議論を深めていくということになっています。また宇宙法制イニシアチブ、NSLIと呼んでいるものですけれども、これに関して議論をしたり、それから宇宙教育分野に関する議論も行っております。さらに産業と協力してB2Bマッチングのセッションも開催しました。フロンティア領域では「きぼう」を利用した科学人材育成などを推進していますと。こうした成果をまとめましてジョイントステートメントとして採択しております。
次をお願いします。今回の大きな特大のイベントといたしまして、フィリピンのフェルディナンドマルコスJr.大統領がAPRSAFに参加されました。APRSAFに国家元首あるいは国家の首脳が参加したのはこれが初めてのようでございまして、PhilSAの長官代行、古田審議官、JAXA理事長の山川による出迎え、それから大西飛行士らによる挨拶、それから出展者ブースもかなりゆっくり回っていただきまして、一つ一つご覧になって立ち回れまして、その様子のライブストリーミングを大統領官邸のメディアが行いまして、そして各種取材などもあって、大いに広報普及にも貢献しました。今回このように大統領参加という華々しい形で締めくくれたこと、特に開催国のPhilSAはですね、翌週に議会で予算審議を控えていたとのことで、APRSAFの開催により宇宙への注目が高まったこと非常に喜んでいました。他方で会議がこうして成功すればするほどJAXA職員による事務局負担も増すため、運営の効率化に関しては一層の努力、またご協力とご支援をいただきたく、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ご説明は以上です。
【山崎部会長】 どうもありがとうございました。それではただいまのご説明につきましてご意見とご質問を賜りたいと思います。いかがでしょうか。はい、吉成委員お願いします。
【吉成委員】 ご説明ありがとうございました。関心領域と言いましょうか、このジョイントステートメントの内容は理解した上でですが、例えば教育というところに重きがあるのか、あるいは宇宙利用に重きがあるのか、あるいはその半分ずつとかちょっと違うとかですね、その各国の関心領域というところを教えていただいてよろしいですか。
【小野田部長(JAXA)】 国によって、特にアジアの国々非常に多様性がありますので異なると思うのですけれども、JAXAとも協力の歴史の長いタイですとかそういった国はすでに利用がかなり進んでいると、そういった国は農業への利用ですとか、社会課題に資する気候変動、それから災害へのデータ利用ということに非常に関心が深い傾向がありますし、我々のALOSシリーズのデータを中心に利用してもらっていると。よって、地球観測関係のこの政府、これは気候変動環境関係のプロジェクトが多いですが、それから災害監視、アジアの国々の各国の人工衛星データを持ち寄って、災害の際の緊急監視をお互いに行うというセンチネルアジアという計画、そういったものに非常に参画及び関心を寄せる国々がまずあるということ。それから比較的、新しく入ってくるような国々はやはり人材育成、そしてキャパシティビルディングというところに重きを置きますし、またUAEなど中東の方まで来ていただきますので、UAEのような国々はご存知のようにすでに10年ぐらいにわたって協力はしているところですけれども、デブリなどサステイナビリティ、そしてルール作りといったところに、自国のプログラムがそれほど大きくなくてもルール作りということは必要だということで、レギュレーションルール作りということに関心を示す国も多いです。ですので、それから「きぼう」を用いた実験というのも比較的参加しやすい形のプログラムを提供していますので、こういった様々な分野で、非常に広くメニューを提供してそれぞれ皆さんにご参加いただいているというような形になっております。
【佐藤理事(JAXA)】 ちょっと補足ですけども、ここ何回かの傾向として民間間の繋がりっていうのもかなり盛り上がってきております。そういう形でAPRSAF我々実はやる直前にマニラでB2Bイベント的なことも実は一緒にやりまして、そこのマッチングを取っていくというところを強化してこうという取り組みをしています。各国やはり今小野田が紹介したようにデータの利用とかそういうところでかなりこれまでもやってきているのですが、皆さんのスピーチとかを聞いているとやはり自国でこれからは産業的にどんどんやっていく、自分とこで衛星も作りたいと、こういった話も結構色々出てきておりますので、そういったところにも日本の企業もうまくそこに入れるように我々もプロモートし、彼らもどうやって内からそのキャパビル的にやるとか、そういったとこの議論をする、こういうのを少し続けていってですね、ビジネスでも非常にいい成果が出るように我々としては持ってきたいなという風に考えております。
【吉成委員】 はい、ありがとうございます。
【山崎部会長】他はいかがでしょうか。吉井委員お願いします。
【吉井委員】 ありがとうございます。まさに今佐藤理事がおっしゃったところをコメントさせていただこうと思っていたところだったのですけれども、国内でも宇宙戦略基金のおかげで多くのスタートアップが立ち上がり、その出口としては当然海外へのデータなりサービスの販売ということが不可欠の中で、個々のスタートアップの方々見ているとどうしても人材とかリソースの問題で、個社で営業するというのはかなり難しいような状況もありますので、是非今の取り組みをさらに深めてですね、官民一体となってより重要なイベントにしていただければいいなという風に思いました。
【佐藤理事(JAXA)】 ありがとうございます。我々も基金を運営しながらそういう課題は非常に認識しておりますので、こういう仕組みを以外も色々ありますけども、そういうのも活用しながらプロモートしていきたいなと思います。
【山崎部会長】 はい、では田中委員お願いいたします。
【田中委員】 半分皆さん聞かれたことだと思うのですけれども、随分参加者数がどんどん伸びているということだと思うのですが、産業の方の比率が増えているという理解であっていますでしょうか。
【小野田部長(JAXA)】 そうですね。昨年はオーストラリアのパースだったのですけれども、地元の開催する産業関係の会議と共催をしたりしまして、今年も今ご紹介したようにマニラでのB2Bイベントと共催で、来年もおそらくバンコクもそのような形に、バンコクで毎年行っているタイスペースエキシビジョンというのと一緒に行うと、そういうタッグを組んで行っているような形で、産業の参加がこの参加人数の伸びに寄与しているというのは確かだと思います。
【田中委員】 あともう一つ、さきほど吉成委員もおっしゃっていましたが、いろんな出口を意識したようなプロジェクトがあちこち文科省の方も考えておられると思うのですが、それとして確かにすごく有効だとは思うので、それのサクセスというか、うまくいったモデルケースというのはもうできているものでしょうか。ビジネスとしてすごく成功したとか、どこどこで凄く展開ができたとか、そういうのがもしもあればすごくアピールできると思うのです。こんな成功事例があるので皆さん是非やりませんか?みたいな。変な話ですが行き渡るにはやはり広告というか、ある程度その成功事例があった方が皆さん資金もとりやすいのかなと思っています。もちろん先ほどおっしゃったように人材育成がメインなところもあれば、ビジネスモデルを展開したいようなお考え、ステージの国もあると思うのですが、特に人材育成は地道に期間をかけてずっとやり続けることが必要だと思うのです。今の日本の宇宙産業を考えているとビジネス展開するにはすごく大きなターゲット、良いターゲットだと思うので、もしも成功事例があれば教えていただければ良いかと思ったし、それを次の展開にもしも活かせるのだったら良いのかなという風に感じました。
【小野田部長(JAXA)】 今のところAPRSAFで取り上げているようなものは主に官民のプロジェクトということにはなると思うのですが、先ほど紹介しました政府、それからセンチネルアジアというのは、衛星データの利用においてはほとんど必ず今は民間の企業と組んで行っているような形になりますので、例えば政府の一環でCH4Riceというプロジェクトがあるのですが、そちらに関しても今回は民間の事業者からの事例紹介ということがありまして、これはその名の通り水田に関してメタンの排出量のコントロールをするということを人工衛星からのデータ観測によって行うというものなのですけれども、そうやって、国の人工衛星、それを配布する事業者、そしてソリューションを提供する企業という組み合わせで貢献をしているような例もあります。ここに数が挙げてございますが、B2Bマッチングイベントは約130名73組織が参加、96件のミーティングを実現し、高評価を獲得ということで、成約といったことのデータが出てくるのはもう少し先になるかもしれませんが、事例をおっしゃる通り、きちんと集めましてアピールできるようにしたいと思います。
【佐藤理事(JAXA)】 一応昨年は我々のこれをきっかけに民間同士で契約を結んだっていう事例も出ています。それが100件もというまだその状態ではないのですが、徐々にこういうのを繰り返してくとそういうとこに繋がるのではないかなという風に期待しております。
【山崎部会長】 先ほどオンラインで金井委員が手を挙げていらっしゃったと思うのですがいかがでしょうか。
【金井委員】ありがとうございます、金井でございます。今の委員の先生の皆様方とのディスカッションの中でだいぶ明確に自分の中ではなったと思うのですけども、一番最初の質問で参加される各国の側の受け止めであるとか期待みたいなものを紹介されましたけども、我が国として逆にこういったものをメリットとして教授したいとか、狙いとして入れていきたいみたいな、そういった我が国の側の立場としてどういったものが狙いなのかというのをお聞かせ願えればと思います。
あとは今回素晴らしい成果で私の同僚で宇宙から帰ってきたばかりの大西飛行士も参加いただいて、その活躍の場もプレゼンテーションさせていただいて本当にありがとうございます。事務局の皆様のハードワークに敬意を表したいとと思います。ありがとうございます。
【小野田部長(JAXA)】 ありがとうございます。そうですね、日本といたしましてはこうして政府とJAXAとそして今や産業等がタッグを組ませていただいて、社会課題、アジアの社会課題の解決のために、衛星データはじめ、そしてISS、様々な宇宙技術を活用するということ、まさにこの名古屋ビジョンにほとんど書いてある通りのことなのですけれども、これをアジア・太平洋地域で日本がリーダーシップを発揮しながら行き渡らせていくということを実現するのが大きなところの目標だろうと考えております。APRSAFは非常に珍しいユニークな会議体であると思っておりまして、その特色はやはり宇宙機関をその名の通り中心とした集まりで、テックフェアみたいな宇宙関係の会議は色々なシンガポールですとかタイですとか国々で日本でも今色々な会議が開催されていて企業さん単体でそこに出かけていくのは割とよく行われているけれども、こうして宇宙機関と一体で語り合う場というのは実は多くはない。しかも非常にハイレベルだというところが魅力であると思っておりまして、このユニークさをできれば維持しつつ発展させていきたいという風に思っております。宇宙飛行士の方に会うのも各国の皆さん非常に楽しみに来られますので、金井飛行士も是非次はいらっしゃっていただけると嬉しいなと思います。よろしくお願いいたします。
【金井委員】 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
【山崎部会長】 ありがとうございます。オンラインで神武委員挙手されていたでしょうか。
【神武委員】 ありがとうございます。ちょっと時間が厳しいかなと思ったのですが、一言だけコメントさせていただきますと、私も参加をさせていただいて、宇宙人材育成とかその辺り関わらせていただいたのですが、宇宙機関会合ではありますが、JICAさんのような宇宙機関ではない利用機関が参加されるというのは非常に大事なことだと思っていまして、実はJICAさんとの会議昨日やりましたけども、来年も頑張ろうみたいな話を委員会で話をしました。日本のみならずのその利用機関のインバイトというのがすごくこれから大事かなと思っていまして、提供者側だけではない利用者側の拡大というところは、どのように考えられているか教えていただければと思います。
【小野田部長(JAXA)】 ありがとうございます。神武先生も非常に活発にご参加いただいて、たくさん貢献いただいてありがとうございます。そうですね、これから利用側がますますとも思いますので、是非JICAさんはじめ利用機関そして利用者というのとのユーザとのエンゲージメントを進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
【神武委員】 ありがとうございます。ということは日本以外の利用機関も積極的に声をかけていくということと理解しました。ありがとうございます。
【山崎部会長】 どうもありがとうございます。ではよろしいでしょうか。金井委員もおっしゃっていましたけれども、これまで継続をされてきた事務局の皆様に敬意を表しつつ、また発展されていくことを期待したいとと思います。
では次の議題に移らせていただきます。次の議題は非公開とさせていただきます。このためYouTubeにて傍聴いただいている方におかれましては大変恐縮ですが、配信はこちらで停止いたしますのでご了承ください。お願いいたします。
(了)
研究開発局宇宙開発利用課