宇宙開発利用部会(第98回) 議事録

1.日時

令和7年8月22日(金曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 地球に接近する小惑星アポフィス探査計画RAMSESへの参画について
  2. 深宇宙探査技術実証機(DESTINY+)の開発状況について  ※DESTINY+の「+」は上付き文字
  3. 小型衛星に関する新プログラム「JAXA 宇宙技術実証加速プログラム(JAXA-STEPS)」について
  4. ポストISS時代を見据えた我が国の地球低軌道活動の在り方について
  5. 「基幹ロケット開発に係る有識者検討会」の状況について

4.出席者

委員

  部会長      山崎 直子
  部会長代理   久保田 孝
  委員        田中 明子
  臨時委員    秋山 文野
  臨時委員    大貫 美鈴
  臨時委員    小笠原 宏
  臨時委員    笠原 次郎
  臨時委員    金井 宣茂
  臨時委員    木村 真一
  臨時委員    神武 直彦
  臨時委員    高橋 忠幸
  臨時委員    鶴岡 路人
  臨時委員    村松 加奈子
  臨時委員    吉井 信雄
  臨時委員    吉成 雄一郎

文部科学省

  研究開発局長  坂本 修一
  大臣官房審議官(研究開発局担当)  古田 裕志
  研究開発局 宇宙開発利用課 課長  梅原 弘史
  研究開発局 研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)  迫田 健吉
  研究開発局 宇宙開発利用課 宇宙科学技術推進企画官  上田 尚之
  研究開発局 宇宙開発利用課 課長補佐  西 隆平
  研究開発局 宇宙開発利用課 課長補佐  島村 佳成
  研究開発局 宇宙開発利用課 課長補佐  五十嵐 郁貴
  研究開発局 宇宙開発利用課 課長補佐  木元 健一
  研究開発局 研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 課長補佐  川端 正憲
  研究開発局 研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 室長補佐  佐孝 大地
  研究開発局 研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)付 宇宙科学専門官  今野 良彦


(説明者)
 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
  理事(経営企画部)  佐藤 寿晃
  理事/宇宙科学研究所所長  藤本 正樹
  理事(研究開発部門)  稲場 典康
  理事(有人宇宙技術部門)  松浦 真弓
  理事補佐(有人宇宙技術部門)  川崎 一義
  宇宙科学研究所 宇宙機応用工学系研究系 教授(PDチーム長)  吉川 真
  宇宙科学研究所 DESTINY+プロジェクトマネージャ  高島 健
  宇宙科学研究所 科学推進部長  青柳 孝
  研究開発部門 超小型・小型衛星宇宙実証研究ユニット 上席/小型衛星新プログラム 推進チーム長  込山 立人
  研究開発部門 研究戦略部 計画マネージャ  柳瀬 恵一
  研究開発部門 第四研究ユニット長  南里 秀明
  有人宇宙技術部門 事業推進部長  小川 志保
  有人宇宙技術部門 宇宙環境利用センター長  白川 正輝
  宇宙輸送技術部門 H3プロジェクトチーム サブマネージャ  小林 悌宇
  宇宙輸送技術部門 H3プロジェクトチーム ファンクションマネージャ  寺島 啓太
  宇宙輸送技術部門 事業推進部 計画マネージャ  神谷 卓伸
  宇宙輸送技術部門 事業推進部 計画マネージャ  布施 竜吾
  経営企画部企画課 課長(PDチーム 副チーム長)  笠原 希仁
  経営企画部企画課 参事  林山 朋子

5.議事録

【山崎部会長】
 それでは、定刻になりましたので、第98回の宇宙開発利用部会を開催いたします。今回も前回同様オンラインでの開催となっております。
 委員の皆さまにはご多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、事務局の皆さん、そして発表してくださる皆さんにもお礼申し上げます。
 では、まず開催に当たり、事務局より本日の会議について事務連絡をお願いいたします。

【上田企画官(事務局)】
 事務局の上田でございます。本日、16名の委員のうち15名がご出席でございます。また、前回ご欠席でありました吉井委員が本日ご出席ということでございますので、委員就任のごあいさつ、一言頂戴できればと思います。よろしくどうぞお願いいたします。

【吉井委員】
 東京海上日動の吉井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【上田企画官(事務局)】
 ありがとうございました。
 さて、本日の資料につきましては、議事次第に記載のとおりとなっております。
 オンラインの状況につきまして、音声がつながらないなどの問題がございましたら、事務局へメールまたは電話でご連絡いただければと思います。
 事務連絡は以上でございます。

【山崎部会長】
 どうもありがとうございました。また、吉井委員、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、早速議題のほうに移りたいと思います。本日は5件議題があります。
 まず、最初ですけれども、地球に接近する小惑星アポフィス探査計画RAMSESへの参画についてです。
 昨年9月の第90回の当部会において、JAXAのプラネタリーディフェンスの取り組みについてご紹介をいただきました。その中で、小惑星アポフィスへの接近観測を目指す欧州宇宙機関ESAのRAMSESミッションについても紹介いただきました。本日は、そのRAMSESミッションへのJAXAの参画について、現在の検討状況をご説明いただきます。
 それでは、JAXAの佐藤理事、宇宙科学研究所の藤本所長、ご説明お願いいたします。

【佐藤理事(JAXA)】
 部会長、ご紹介ありがとうございます。経営企画担当の理事をしております佐藤です。冒頭、私のほうから少しお話をさせていただきますけれども、ご紹介ありましたとおり、昨年9月、わが国においても国際協力の下でプラネタリーディフェンスの活動に取り組むと、これは非常に重要だというお話を報告させていただきました。
 このプラネタリーディフェンス活動というものは人類全体の安全保障に関わるもので、国民の生命および財産の保護にも資するものと捉えて、JAXAとしても強力に検討を進めてきているところでございます。
 昨年12月の基本計画の工程表の改定におきまして、国連の国際惑星防護年であります2029年、ここに地球に最接近する小惑星アポフィス、これに対しまして国際協力による探査計画、これに向けた検討調整を進めるという記載をいただきました。
 その過程で、11月にJAXAとESAの間でここに向けたいろいろなお話をしたのですけれども、この共同声明におきましてもESA側とは認識を合わせておりまして、国際協力によるアポフィス探査計画としてRAMSESへ本格的に参画するための検討調整を進めてきております。
 今般、方向性を含めてめどが立ってまいりましたので、ご報告をさせていただきたいと思います。
 本日の説明につきましては、今回、われわれの中でいろいろ整理をしまして、このRAMSES計画への参画という点につきましては、宇宙科学研究所のほうに実施体制を置くことといたしましたので、所長の藤本のほうから説明をさせていただきたいと思います。それでは、藤本さん、よろしくお願いいたします。

【藤本所長(JAXA/ISAS)】
 宇宙科学研究所所長の藤本です。
 それでは、ページをめくってください。こちらにありますことは、今、ご説明いただいたとおりです。今まで宇宙基本計画の工程表等いろんなところでプラネタリーディフェンス、地球防衛活動についての皆さんのご理解を獲得することをやってまいりました。それと同時に、2029年4月13日の金曜日、アポフィスという小惑星が地球のすぐ近くを通り過ぎること、これはある意味、宇宙が企画する壮大な実験なわけですが、この機会を逃すべきではないということで、JAXA-ESAでの協力っていうことについても積み上げてまいりました。これから、長期にRAMSESへの参画の計画の方向性を決めることという、こちらの考えをご紹介したいと思います。
 次のページです。
 今までプラネタリーディフェンス、地球防衛という意味においてはこのようにJAXAの中でもいろいろ積み上げてきたところですが、そこにRAMSESというある種逃すべきではないチャンスが来たということが文脈になります。
 次のページお願いします。実際、今年の1月ごろ2024YR4という小惑星が8年後に地球にぶつかる確率が1%であるということがかなり話題になりました。この時点でもJAXAにおいてはプラネタリーディフェンスチームというものをつくっていましたので、比較的落ち着いて対応することができたということもあります。ですけども、これもある種地球防衛っていうようなことに対する考え方が常にいろんな人が興味を持ってる問題なんだということを学ぶ機会にもなりました。
 次のページお願いします。そういうこともありましたけども、やはり本音といいますか、見えてる範囲内で一番大きなイベントというのは2029年4月13日だということと思っています。実際、この表にありますように、いろんなところがこの機会を逃すべきではないということで計画を立ててきてるわけなんです。
 次のページに行ってください。実際、4年前の段階では、世界中の研究者が東大に4月に集まりいろいろ議論したわけなのですけれども、残念ながらといいますか、現実的にはDESTINY+、RAMSESのみがアポフィスのちゃんとした観測をする計画であるという言い方ができるのではないかと思います。NASAはOSIRIS-APEXということも考えていたんですけども、これは現時点では行わないという判断がされてますので、ますます世界人類を代表して日欧協力でアポフィスの観測をするためにはRAMSESということをきっちりJAXAとしても実現する方向に推していかなければいけないということを感じたところでした。
 次のページに行ってください。そのRAMSESというミッションですけども、繰り返しになりますが、宇宙が企画した壮大な実験、300メーターもある小惑星が地球のすぐ近くを通り過ぎるわけで、潮汐力の効果でいろんなことが起きます。こんな壮大な実験結果をちゃんと観測しないわけにはいかないだろうという意味において、地球大接近、その前後の期間も含めてですけども、ずっと小惑星の周りをランデブーして観測し続けるというのがRAMSESというものです。
 われわれはここに協力したいと思ってるわけですが、実はただ単に既にESAで確立していたミッションに対して協力するというわけではなくて、ESA側でもこのRAMSESというミッションはなかなか確立していなかったわけで、JAXAが協力することへの興味を示すという中で、ウィンウィン的にお互いを支え合ってRAMSESがここまで進んできたということについても申し添えたいと思います。
 次のページに行ってください。具体的には、Heraという先行ミッションがありますので、その先行ミッションのアーキテクチャーを使って、ミッション開発期間は極めて短いわけですけども、それでもどうにかできるということが考えられています。
 次のページに行ってください。今までRAMSESの参画ということについては皆さんからの理解を得る努力をいろいろしてきたということが上半分に書いてありますし、実際ESAとJAXAの間では将来に向かって大型協力をしていきましょうということを考えてきてるわけですけれども、そんな柱の一つとしてRAMSESが認知されているということが下半分に書いてあります。
 次のページに行ってください。このようにJAXA-ESAというフレームワークの中では非常にいいミッションだというふうに位置付けることができるわけですけれども、具体的な貢献アイテムを見ながら、それが本当に日本にとって良い効果をもたらすものなんだろうかということをまとめたのがこの表になります。
 この表よりも次のページのグラフィックスを見ていただきながら説明するほうがいいかと思いますので、次のページに行っていただくと、3つのアイテムですけれども、1つ目は熱赤外カメラです。これは惑星科学の分野において熱赤外カメラで小惑星を観測するということはある意味日本のお家芸になりつつありますので、その立場を確保するという意味でも今回RAMSESでこの貢献をしたいと思っています。
 2番目にあるのは、薄膜太陽電池です。これはメーカー名が書いてありますけれども、日本のメーカーが自慢とするコンポーネント、これをRAMSESという世界中が注目するミッションに提供して、かつ10キロとか、そういった単位での軽量化も実現していますので、ミッションを実現する上でも大きな貢献をしたコンポーネントになりつつあるわけですけれども、良いものが日本から提供されて、面白いミッションが実現する、そういった意味の非常にいい形の貢献になっているかと思います。
 3番目は、H3ロケットによる打ち上げということを考えております。これは、もう全世界が注目するミッションになると思いますので、アポフィスが地球接近した時にはかなりの人が肉眼でそれを見ることができるような、すごいイベントになりますから、それの機会を捉えて観測するミッション、それが日本のロケットで打ち上げられるということ、これもやはり日本にとってとてもいい貢献になるんだというふうに考えております。
 次のページに行ってください。まとめです。2029年4月13日の金曜日にアポフィスが地球最接近するわけですが、そういった機会を捉えて観測するということ、非常に大事だと思ってます。日欧が共同してそういったミッション、RAMSESというミッションを実現する方向で今は動いてきてるということが上半分に書いてあります。
 具体的にRAMSESに対する貢献としては3つのアイテムがありますが、この3つのアイテムはESA-JAXAの関係性、絆を強めるだけではなく、日本のコミュニティーにとっても非常にいい貢献内容になっているということについてご紹介させていただきました。
 H3ロケットを提供しますが、これ、実はこの後述べますように、DESTINY+との相乗りということも考えています。そういった意味においても、日本にとって非常にいい効果をもたらす貢献策だというふうに考えています。
 このように、非常にいいものだというふうに考えておりますので、今後、ESAとの共同の実現に向けて調整を加速していくこと、われわれはそのように考えているということを、今日、ご報告させていただきたいと思います。
 私からは以上です。

【山崎部会長】
 ご説明どうもありがとうございました。
 ただ今のご説明につきまして、ご意見、ご質問等ありましたら、ぜひ挙手ボタン等でお知らせください。お願いいたします。いかがでしょうか。では、順番に、名古屋大学の笠原先生、お願いいたします。

【笠原委員】
 藤本所長、ご説明ほんとにどうもありがとうございます。極めて重要な貢献をご用意されているということを理解いたしました。
 2点質問があります。1つは、潮汐力というお言葉が途中でございましたが、どういう現象が発生するのか。単純にサイエンスの興味で聞かせていただきます。それが1点。
 もう一点は、H3ロケット、非常に重要な役割を担うというふうに理解しましたが、いわゆる一発勝負というか、地球近傍を通過していきますので、H3ロケットに課される打ち上げのタイミング、非常に難しいものがあるのではないのかなとちょっと思ったりしたのですが、そのあたり大丈夫なのでしょうか。つまり、小惑星の通過に合わせて衛星を投入するというのは、それなりに非常に日本側にプレッシャーがかかるような状況とも理解しましたが、そのあたりのご説明いただいてもよろしいでしょうか。以上2点です。

【藤本所長(JAXA/ISAS)】
 まず、前半です。これ、300メーターもある小惑星というふうに述べましたけども、内部構造がどうなっているかって全く分かっていません。1つの固まりなのかといいますと、恐らくはそうではなくて、ラブルパイルというのですけれども、ちっちゃい破片が重なり合って300メーターもの天体になっているのだろうというふうにわれわれ思っています。内部構造が分かるということは非常に大事なのですけれど、なかなか分からないのですけれども、このような地球のすぐ近くを通り過ぎる時というのは、恐らくかなりの変形があるのだというふうに、天体そのものがそれなりに変形するのではないかという予想があります。そういった予想があった上で実際に観測することで、天体の内部構造が分かってきますので。天体の内部構造が分かるということはまさにプラネタリーディフェンスにとって非常に重要な情報ですから、小惑星の科学という意味でも興味深いし、プラネタリーディフェンスに対しても非常に大きな知見を与えるものだというふうに考えています。ですので、この宇宙が企画した壮大な実験の観測の機会を逃すべきではないということにつながります。
 後半のH3ロケットのローンチウインドウの話だと思いますけども。打ち上げは2029年4月の1年前の2028年とか、それぐらいのウインドウで打ち上げなければいけません。
 ウインドウの幅は数週間という意味において、惑星探査する上ではよくある話ではあるのですけれども、例えばもし逃したら2年後のウインドウがあるよねって話とは全然違いますので、おっしゃるように狭いウインドウでかつ1回しかないチャンスです。それを逃すわけにはいかないって話、そのとおりです。
 それ以上に、相乗りであるので、相乗りのための機構を開発するとか、あるいはある時期に打たなければいけないという意味においてはいろんな調整が加わってくるわけなのですけれども、幸いプラネタリーディフェンス、地球防衛活動ということに対して皆さんほんとにご理解を示していただけまして、いろんなところの調整は既に始まっていて見通しがついているという段階です。ですので、おっしゃるとおり、調整を始める前はいろんなことを心配したのですけれども、ある意味ほんとにいろんな方に理解していただいて、今まで調整を進めてきているところであります。

【笠原委員】
 はい、よく分かりました。応援しております。以上でございます。失礼いたします。

【山崎部会長】
 では、続きまして、秋山委員、よろしくお願いいたします。

【秋山委員】
 秋山です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私も2点質問がございまして。まず、今年の11月にESAのほうで承認があればミッションとして成立ということなのですけれども。この成立の確度が日本の参加によって後押しされて、成立性が上がったという理解でよろしかったでしょうか、というのがまず1点です。
 もう一つは、ミッションに対する純粋な興味というところでお伺いするのですけれども。アポフィスの最接近の時、静止軌道の内側を通るというふうに聞いて伺っておりますが、この時、最接近、地上からも非常に多くの観測ができる大変素晴らしいチャンスになるということですけれども、静止軌道の内側を通るということは、アポフィスと、それに5キロぐらいのところですか、一緒に来ているRAMSESを何か静止衛星から、例えば気象衛星とか、見下ろすような形で観測できるような、そういうチャンスというのはあり得るのでしょうかという、2点です。よろしくお願いいたします。

【藤本所長(JAXA/ISAS)】
 前半です。このタイミングでわれわれぜひ積極的に参加する方向に動いていきたいという皆さんのご理解、ここでご支援というんですか、お願いしているのは、まさにこのタイミングというのは11月のESAでの会合を見据えてのことになります。おっしゃるとおりです。ESA側でも確立しているミッションではありませんので、ほんとに日欧で協力して、お互いできる限りのことをやりながらこのチャンスを逃すべきではないということで、このミッションを実現していこうと、そういったESAとJAXAの関係性になってます。
 後半です。吉川さん、出てらっしゃいますかね。実はそういった検討はしていまして、そんなに簡単でないよっていうところまで、私、把握してるんですけども。より詳細な情報という意味では、吉川さん、もしよければ補足していただけますか。

【吉川教授(JAXA)】
 JAXAの吉川です。実は、既存の衛星からアポフィスが観測できるか、これ既に検討してまして、残念ながら気象衛星ひまわりからだと視野に入らないということになってしまってます。それ以外の日本の衛星についても検討してるのですが、ちょっとまだ、視野に入るか、入らないかなのですが、条件が合ってないという状況です。

【秋山委員】
 ほかの地域の気象衛星というのは、何かチャンスがあったりしますでしょうか。

【吉川教授(JAXA)】
 取りあえずわれわれ日本の衛星しか確認してませんので、ほかの国についてまだ分かりません。

【秋山委員】
 はい、失礼いたしました。

【藤本所長(JAXA/ISAS)】
 でも、秋山委員ご指摘のように、今後、これ多分かなり盛り上がっていくと思うのです。地上観測も含めて全世界的にいろいろと観測していくことになるのかなと思ってますし、まさに全世界の市民が地球防衛、プラネタリーディフェンスにということについて知る機会になるのかなというふうには、私のほうは予想しています。

【秋山委員】
 どうもありがとうございました。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。ぜひ世界的にも協力体制を模索していっていただけたらと私も思います。では、続いて、鶴岡委員、よろしくお願いいたします。

【鶴岡委員】
 ありがとうございます。鶴岡です。プラネタリーディフェンスについて非常に関心ありまして、お伺いしたいと思います。
 今回のこのRAMSES自体は、観測に任務が限定されていると理解しています。
 ただ、大枠で考えた時には衝突回避という問題があるわけです。今回の日本のRAMSES参加は、100%観測目的だと思いますし、しかも今回は地球にぶつかる可能性はないという計算の結果なんだとは思います。ただ、この衝突回避という点に関する日本の取り組みが、今回のRAMSES参画の先に何かつながるものなのか。また、衝突回避という文脈でのプラネタリーディフェンスに関する日本の今の方針について、教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【藤本所長(JAXA/ISAS)】
 プラネタリーディフェンスは、大きく2つのフェーズがあると思います。
 まず、衝突回避するにしても、やっぱり相手のことを分かってないといけないということです。DARTの実験とかよくご覧になったら、よくご存じかと思いますけれども、ちょっとびっくりするようなことがいまだに起きています。というのは、やはりわれわれ小惑星の構造というのをちゃんと理解していないのでっていうところがあるので。やはりまずはこういった機会を捉えて、あるいは今後は小惑星が地球の近くを、今回のアポフィスほどじゃないにしても、地球の近くに小惑星が来るたびにちゃんと観測して、相手のことをどんどん知った上で、小惑星何個観測したなんていうことではなくて、数十個観測して小惑星大体こんなもんですねなんて知見をまずは蓄えていかなきゃいけないフェーズだと思うのです。その中でこのアポフィスというのは一つの目玉のキャンペーンだと思ってます。
 やがては、もしほんとに地球にぶつかるなんてものが見えた時に、衝突回避するんですよねという話はおっしゃるとおりでして。そういった活動に関してはアメリカがもちろんリードしてるわけなのですけれども、日本でも小惑星探査をしてきた結果、こういった天体に接近する技術というのですかね、ほんとにぶつける、ぶつけない以前に、そもそも探査機がうまくナビゲーションできなくてはいけないわけなのですけれども、そういったものに関しては日本はそれなりに蓄積をしてきましたし、はやぶさ2拡張ミッションということにおいても、そういった技術を獲得するってことは一つの目標にしていますので、実際にぶつけるとかぶつけないとかっていうことではなく、その技術の問題としてぶつけるだけの精度を持って探査機を誘導できるか、そういった技術開発は進めるというところまではわれわれも考えてるところです。
 その先の話になってきますと、国際協調だとか法的な問題とかいろいろ出てくると思うんです。そこについては、JAXAのプラネタリーディフェンスチームというものをつくりましたので、まさにそういった分野をいろいろ議論を重ねていくのだろうというふうに考えています。
 いずれにしても、そういった活動も、このアポフィスのキャンペーンでうまくやれば盛り上がってくるのだというふうに私は考えています。

【鶴岡委員】
 ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ほかにご質問はよろしいでしょうか。ほかにないようでしたら、本議題はこれで終了したいと思います。タイムリーにこうしたミッションをきちんと準備くださったということはとても大切な点かなと思いましたので、ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。深宇宙探査技術実証機DESTINY+の開発状況についてです。
 DESTINY+は、小惑星Phaethonのフライバイ観測、それから星間ダストの分析などを目指して開発中の深宇宙探査実証機ですが、その打ち上げ手段やスケジュールには変更があり、先頃JAXA内で計画の変更審査が行われたところです。
 本日は、計画見直しの内容と現在の開発状況、そして今後の予定などについてご説明をいただきます。
 それでは、再び宇宙科学研究所の藤本所長、そしてDESTINY+プロジェクトの高島プロジェクトマネージャ、よろしくお願いいたします。

【藤本所長(JAXA/ISAS)】
 では、冒頭に藤本のほうからごく短くこの資料のハイライトについてご説明したいと思います。
 DESTINY+というのは、元々あるロケットで打ち上げることを考えていましたが、その開発状況が少し遅れておりまして、ある意味DESTINY+を打ち上げるロケットがなくなってしまったと。DESTINY+というのはあるローンチウインドウがありますので、タイミングを逃すわけにはいかないのですけれども、タイミングよく打ち上げる想定をしていたロケットが間に合わないというような状況になってしまっていました。
 それでどうするかというようなことをいろいろ考えてきたわけなのですけれども、今日、ご紹介するソリューションとしては、RAMSESというものと一緒にH3で相乗りで打ち上げるということをします。
 その結果、Phaethonに行くタイミングは逃がしませんし、アポフィスの観測もできますし、DESTINY+にはプラネタリーディフェンス、地球防衛という新たなフレーバーを加えることができましたので、元々は結構深刻な問題だったわけですけれども、非常にクリエイティブにDESTINY+の価値を高める形で解決する方向で考えてさせていただきたいということを、今日、ご報告したいと思います。
 私のほうからは以上ですので、あとは高島からとなります。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 高島のほうから、では続きを報告させていただきます。
 基本的には、打ち上げ手段の変更に伴う成功基準の一部書き換えといったところもありますので、そこのところも含めて説明させていただきます。
 次のページお願いします。DESTINY+ミッションがどんなものであったかというところを軽く書いてあります。DESTINY+は理工一体のミッションとして開発を続けています。工学ミッションとしては、電気推進の活用の拡大と、もう一つは、先進的なフライバイの探査というところです。先進的なフライバイでDESTINY+が目指すフライバイのシーケンスが左の図のほうに示してあります。約7.5時間前に自動シーケンスに入って、最接近まで自動で全観測をし切るというような形になってます。
 一方、理学のほうの目的としては、基本的にはダストに関するものを着目して見てあげようというとこです。そのダストの主たる供給源であるふたご座流星群の母天体であるPhaethonを観測するといったところが大きな目的としてあります。
 右側の表に主な搭載機器について載せてあります。
 次のページお願いします。なぜダストに着目したかという理学的なところですが、地球への有機物の供給源としてのダストに着目しているというところで、一番大きな点は、大気衝突の時に加熱起きにくいと、ゆっくりと大気中に積算していくというところで、地上への有機物の供給に有利であるというところで、このダストに着目して理学の目的を設定したということになっています。
 次のページお願いします。DESTINY+の経緯になりますけれども、2021年にプロジェクトとして立ち上がり、2022年に基本設計を終了したということになっています。その間、若干幾つかの変更事項が生じたために、2024年に計画変更および基本設計のフォローアップを行ったというところ。昨年度の12月に宇宙基本計画の工程表の書き換えに伴って、今年に入りそのH3打ち上げに関する時期および技術的な検討を行ったというのが、今回の計画変更審査の内容となっております。
 次のページお願いします。計画変更審査の主な内容ですけれども、打ち上げ手段の変更、時期の変更、あとはロケット変更に伴って一部探査機システムの変更を行わなければいけなかったというもの。あとは、成功基準の一部の見直しを行ったというところになっています。
 まずは、計画概要について、主な変更点は下の表にあるとおりです。主にロケットに関する変更のみになっております。探査機に関しては、当初の要求を満たすように開発を続けるということになっております。
 また、打ち上げ手段については、RAMSESとの相乗りといったところを前提に開発を進めていくというふうに決定いたしました。
 もう一つ大きな変更点は、打ち上げ手段に変更があったためにキックステージというものの開発がDESTINY+の打ち上げでは不要になったというところがありました。そのため、キックステージの開発は本プロジェクトの外とするという決断をいたしたところです。ただし、このキックステージというものは、小型の探査機を深宇宙に送り出すためには必須な技術であるということで、イプシロンとのセットというところもあるんですけれども、開発はJAXAとしては重要だというところで、別部門での開発は継続していくということが決定されていることになっております。
 次のページお願いします。DESTINY+の現状ですけれども、現在詳細設計フェーズに入っています。
 各コンポーネントの一部は、FMの製造および試験をしているという状態です。打ち上げに関してのRAMSESとの相乗り打ち上げというところで、RAMSESのほうに強い縛りがありますので、打ち上げについては2028年度、当初から打ち上げに対応ができるようにというところで開発は続けているというところになっています。
 次のページお願いします。変更となった成功基準とアウトカムについて少し説明させていただきます。ロケットの変更に伴って、惑星間への直接投入になったために、工学成功基準の前提であったスパイラル軌道上昇の運用ができなくなったということがあります。それに伴って成功基準の一部を変更するということを行っています。ただし、Phaethonのフライバイ時期、到着時期については変更がないというところで進めているところです。
 工学ミッションの意義・価値については、探査能力の向上、マルチフライバイ等の追加によって、意義・価値については現状維持しているだろうというふうに考えています。詳細は次のページで説明します。
 理学ミッションに関しては、元々Phaethonだけの探査だったんですけれども、工学のほうのマルチフライバイを追加することによって、Phaethon以外の小惑星の探査も行うというところで、純粋にこちらのほうは追加となるということで、意義・価値についてはある程度向上しているだろうと考えております。
 また、先ほどお話しましたように、工学・理学の意義とはまた別のところで、今、注目を浴びているアポフィスのフライバイ観測をできる軌道に入るということが分かりました。このアポフィスの観測を通じて、フライバイの撮像あるいはいろいろなサイエンスデータを取得したものを共有できればプラネタリーディフェンスへの今後の貢献に帰するのではないかというところで、新たにアウトカムとして追加しているということになっています。
 新しい軌道ですけれども、地球からアポフィスに向かい、その後地球フライバイを経てPhaethonにまた向かうという軌道になっています。
 次のページお願いします。工学の成功基準の一部見直しということがあります。計画変更に伴って上の部分が変更前の状態で、変更後が下の状態になっています。地球圏脱出といったものをフルサクセスに掲げていたのですが、ロケットの変更に伴ってこの部分はロケットにしていただくことになるということで、探査機自身での地球圏脱出といったものはなくなりました。
 それに代わって、探査の向上ということ、あるいはこの地球圏脱出に使うはずだった燃料を用いることで、エクストラサクセスになっていたマルチフライバイをフルサクセスに格上げすることによって、工学的なミッションの意義・価値は維持するという形を取ろうと考えております。
 また、エクストラサクセスについては、後期運用または軌道の幅を持たせるという意味で、化学推進を使わないフライバイを実施するといったこと、これらを新しいサクセスクライテリアとして追加させていただいたということになっております。
 次のページお願いします。理学のほうは、赤字で追記したとおり、Phaethon以外のものというとことで追記をしております。
 次のページお願いします。これは理学のほうの2つ目の目標で、これについてもPhaethon以外ですというところで追記をした形を取っています。
 次のページお願いします。アウトカムについては、理学と工学の観点からは大きな変更、見直し等はありません。当初の計画どおりにアウトカムが出せるという認識です。
 一方で、プラネタリーディフェンスへの貢献といった新たな可能性が出てきたということで、左下の部分を追加させていただいております。この内容については、先ほどあったようにいろいろな地球に接近する小天体に対していろいろなデータを取るという意味で、このアウトカムを追加するという形になっています。
 次のページに少し詳しく書いてありますので、お願いします。
 プラネタリーディフェンスへの貢献という意味では、アポフィスがまずは最初にあります。アポフィスフライバイの撮像をして、そのデータを提供するということでプラネタリーディフェンスへの貢献といったものがあるというもの。また、後期運用で計画をしているんですけれども、運用が継続となった場合には、プラネタリーディフェンスの対象の天体である別の2024YR4といったもの、これらを含め数多くの小天体についてフライバイ観測を毎年一つずつ繰り返すような軌道計画も考えておりますので、そういった意味でアウトカムとしてプラネタリーディフェンスも新たに追加ができるというふうに考えて今回の提案となっております。
 次のページお願いします。今後の予定ですけれども、探査機システムとしては来年度総合試験を経て2028年度の打ち上げということです。打ち上げ自体はRAMSESとの相乗りというのを前提に進めています。また、フライバイを30年にPhaethonをするとともに、その前の2029年にアポフィスのフライバイをまた確実に実施していけるように、現在開発を進めているということになります。
 報告としては以上です。

【山崎部会長】
 どうもありがとうございました。
 委員の皆さま、ご質問、ご意見等、よろしくお願いいたします。久保田委員、よろしくお願いいたします。

【久保田部会長代理】
 久保田です。ご説明ありがとうございました。打ち上げロケットで苦労しているところに、より充実した計画変更をご提案いただいたのかなというふうに思っております。
 2つ質問があるのですけれども、1つ目は、ロケットの変更に伴うシステム検討とともに軌道を変えたことによるシステムの影響というのはどのぐらいあるのか教えてほしいという点と、もう一つはミッションサクセスクライテリアで高度化というのが書いてあるのですけれども、これはオンボードでランデブーするところに該当するのかどうかという点と、これは新しいことなのか、今までやることを陽に出してきたのか、その辺ちょっと教えてください。2点お聞きしたいと思います。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 まずは軌道のほうですけれども、Phaethonフライバイについては時期が固定されていますので、軌道としてはPhaethonへのフライバイの時期を固定する形でアポフィスがフライバイできるかといったところの検討を進めてまいりました。現状では幾つのパターンがあるんですけれども、アポフィスのフライバイはできるだろうというところで運用計画は立てられているという認識でいます。

【久保田部会長代理】
 分かりました。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 もう一つ、サクセスクライテリアのほうですけども、高度というところは、Phaethon 1つだけではなかなか高度なものをやったと言い切れないところもあったので、今までの中では陽には書いてありませんでした。また、一つだけのフライバイでなかなか高度なフライバイの技術を獲得したと言いづらいところもあったので書いてなかったんですけども、今回マルチフライバイでフライバイを複数回実施することで、そのフライバイ技術の適用をPhaethon以外にも適用できるというところが確立できれば、その内容がサクセスクライテリアとして十分に挙げられるだろうということで、今回追加になったという経緯になります。

【久保田部会長代理】
 分かりました。素晴らしい計画だと思います。相乗りということと、ウインドウが限られているということで、開発大変だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。以上です。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。ほかにご質問はいかがでしょうか。吉井委員、よろしくお願いいたします。

【吉井委員】
 吉井でございます。ご説明ありがとうございます。
 今回の衛星のバスは汎用(はんよう)的なものを使ってるんでしょうか。それとも、今回のミッション用にバス自体も新たに開発したものなのでしょうか。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 一部イエスで、一部がノーになります。ほとんどの部分は小型科学衛星等を基準にした開発されたものを持ってきているような形になりますが、トラポン、特に通信系のところはかなり古い技術になっていたということもあって、今回新規に開発することで、新しいデジタルトラポンに今回新しく変わってるんですけども、そういったものが一部新規の開発として入っているという、組み合わせのような衛星だと思っていただければと思います。

【吉井委員】
 ありがとうございます。
 質問しました趣旨は、せっかくの重要なミッションを通じて、商用化を見据えて、惑星探査用の汎用バスみたいなものができれば、今後より安価に惑星探査ができるような時代が来るんじゃないかなというふうに思いました。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 はい。そのあたりも見据えて、一応標準的なものという形ではつくっているのですけれども、それぞれ科学ミッション、商業ミッション、目指すところが一部違うところもあるので、一部になるとは思いますけれども、一応ベースとしては使えるものという形で今回は開発を進めているということになります。

【吉井委員】
 ありがとうございます。

【山崎部会長】
 では、続いて、小笠原委員、よろしくお願いいたします。

【小笠原委員】
 打ち上げ時期が延びロケットが変わったにもかかわらず、ミッションがさらに価値が上がるということで大変期待しております。ありがとうございます。
 それで、心配は、るる先ほどからお話がございましたが、打ち上げのスケジュールがもうRAMSESで決まってしまっているということに対して、ちょっとコンティンジェンシーがどのぐらい考えてあるのかというところを念のため伺いたいと思いました。ミッションの価値を上げるためにシステムの変更等ございますというお話だったので、28年まで時間はあるとしても、開発がトラブって延びてしまうことがないかというところが1つと、最悪延びた場合に、わが国としてはESAとのミッションのほうを優先しないといけないというケースまで考えられるわけで、その場合はこの500キロのダミーマスみたいなことまで準備しないといけないじゃないかとかいろいろ考えられるんですが、どのくらいのコンティンジェンシーまでお考えかをちょっと教えていただきたくて伺います。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 まずは、スケジュール自体ですけれども、スケジュールの後ろのほうがかなり厳しいというところは、おっしゃるとおりだと思っています。そのために、前倒しでできるものはないかということで、いろいろなかみ合わせ試験等を当初予定していなかったものを追加して、前段階でできるだけ、もし問題が出るとしたら早く出るという形で開発を進めるように、今回の計画変更審査の中でスケジュールを変更しています。そういった意味で試験も1回多くしていますので、このスケジュールで何とかキープできるんじゃないかというふうに考えているところです。
 もう一つのコンティンジェンシーケースについては一応考えていて、そういうことはプロジェクトとしてはならないようにというふうに考えてはいるんですけども、もしもの時を想定して、ダミーマス等をお互いに考えるというところまでは今のところ少しずつ協議が進んでいるという状況になります。

【小笠原委員】
 分かりました。ありがとうございます。無事に行くことを祈っております。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。木村委員、よろしくお願いいたします。

【木村委員】
 先ほどのRAMSESも含めて2件とも大変興味深く意義の高いミッションだと思ってます。どちらも世界に対して主張できるミッション、すごく心躍る思いです。特にDESTINY+については、さまざまな要因に適切に対応されて、さらに対応するだけでもなくて、よりチャレンジングなミッションにバージョンアップされてるところが素晴らしいです。
 1点、2件に関連する話として、先ほどのRAMSESの中で日本が提供する技術の中で、日本の誇る薄膜太陽電池の技術を提供するとのことでした。これはDESTINY+の開発とクロスリンクしているお話とのことでご紹介あったと思います。
 このような相互に関連強い開発において、相互関係性がうまく整理できるか、そのあたりについて教えていただけると安心できるかと思います。
 元々日本の提供する薄膜太陽電池はDESTINY+のほうの技術を活用するということで先ほど伺ったのですが、2つの宇宙機が並行して開発されている状況になると思われますが、どのように相互関係を整理していく作戦なのかを教えていただきたいというところでございます。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 分かりました。薄膜太陽電池に対して、実は軌道上実証という意味では小さなものの展開と、あと発電に関しては、筑波の技術試験衛星で既に確認しています。それを今度は実証的な実運用の意味で大きくしたといったものが今回のDESTINY+になって、RAMSESのほうはそれよりも少し小型のものという形を提供する形になっています。ですので、基本的には地上試験にはなりますけれども、DESTINY+で無事に、今、1枚展開試験が終わってますけども、SAP展開できれば、RAMSESのほうでもその技術を用いてきちっと展開はできるでしょうということで進めているという形になってます。

【木村委員】
 ありがとうございます。大変安心しました。ぜひ頑張ってください。ありがとうございます。

【高島プロジェクトマネージャ(JAXA)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。ほかにご質問、ご意見等、いかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
 それでは、ご説明どうもありがとうございました。ミッションの変更にもかかわらずさらに発展させてくださっている様子を伺うことができました。ありがとうございました。
 それでは、次の議題のほうに移りたいと思います。次の議題は、小型衛星に関する新しいプログラム「JAXA宇宙技術実証加速プログラム(JAXA-STEPS)」についてです。
 昨年8月に開催された第89回宇宙開発利用部会において、JAXAの小型衛星の開発実証に関する複数のプログラムの再編と強化の計画についてご説明がありました。本日はその結果として創設される新プログラムについてご紹介いただきます。JAXA研究開発部門担当の稲場理事、資料のご説明どうぞお願いいたします。

【稲場理事(JAXA)】
 山崎部会長、ご紹介ありがとうございます。JAXAの稲場でございます。ご紹介ありましたとおり、新しい宇宙技術実証の加速プログラムを開始いたしますので、ご報告を差し上げます。
 次のページお願いいたします。小型衛星関係の技術実証をご覧いただく左側の3つが現在JAXAで行ってるものです。革新衛星プログラム、これは先ほどご議論がありました薄膜の太陽電池をRAMSES、それからDESTINY+でも利用されますが、こういうものが革新衛星由来の技術でございます。いわば技術を提案してそれを実証するという、ボトムアップタイプです。それから、右の刷新衛星、これは逆にトップダウンと申してますけれども、ミッションとしてこれは使える技術だというのを先に特定をして、それに必要な技術開発、実証するという、そういうプログラム。それから、真ん中の拡充というのは、50キロ級の衛星を打ち上げ機会とともに提供してこれを公募するという3つのプログラムです。
 次のページお願いします。今、部会長からご紹介ありましたとおり、1年前になりますけれども、諸般の世界が動いてる中でこういう多数のプログラムを発展的に統合しようという、そういう計画をJAXAの中で検討していました。環境変化はここにありますとおり、宇宙開発利用の競争がますます激しくなってきている。それから、JAXAに技術戦略のための基金ができました。事業者さまが主体的にひとりで進められるプログラムというものもあります。こういう中、利用者の方にはまだJAXAとの共同研究という、JAXAの研究開発基盤を利用してオープンイノベーションをしたいという、そういう声もございますので、これをどういう形でやっていくかということを検討してまいりました。
 次、お願いします。
 ここに掲げる3つの目標、何しろスピーディーなオープンイノベーションを実現する。それは3つのプログラムを統合して機能を集約をするということは、ユーザーから見てもワンストップになるという、そういう利点がありますし、さらに重要なのは技術実証にとどまらない、これは社会に実装していくという議論が重要だというふうに認識してます。
 次、お願いします。目指す技術は官民両方のミッションに裨益(ひえき)をするような、そのキー技術を早くProof of Conceptによって実証すると、そういう目的でございます。このチャートにありますとおり、左上のまずはコミュニティーを介しましたユーザーにどういうニーズがあるのかというところの収集、ここを基にアイデアをつくり、それを実際に具現化をしていく。その際に、大学や企業の方々ともにJAXAの技術アセットを使ってこれを具現化し、それを軌道上実証して、その結果をフィードバックと、こういうループを頻度を高く改良していくことによって国際的な競争力のある技術ができるというふうに考えています。
 次、お願いします。プログラムの目的ですけれども、1番目はクイックな実証ということで申し上げました。2番目のポイントですけれども、これは申し上げた実証をするに当たって、民間のサービスを、これを積極的に使おうということでございます。宇宙実証の機会を民間として提供するという、そういう構想も出ておりますし、打ち上げロケットに関しましても国内での小型ロケットの打ち上げという機会も今後出てまいりますので、そういう民間サービスを活用するという点が2点目。それから、3点目は、単に技術開発だけではございませんで、コミュニティーを醸成し、その中でさらに人材を育成するという、そういう重要なミッションというものも持っているというふうに考えてございます。
 次、お願いします。プログラムの機能は、先ほどのフローチャートでお示ししましたけれども、調査分析ですとか、コミュニティーの形成、実際にそれらをどう技術開発者、利用したい方々とつないでいくかという、そういうネットワークをつないでいくというコーディネート、この仕事というのも大事だというふうに考えています。
 次のページお願いいたします。8ページにプログラムの体制について書いてございます。一番上にありますのは、プログラム運営委員会ということで、私が座長を務めさせていただきますけれども、その中に産学の有識者の方に加わっていただきまして吟味をしていただくということです。
 まず、研究の左側のほうにありますけれども、方針についてまずこのプログラム委員会の中で議論いただきまして決めると。で、その方針に従ったことで公募をいたしまして、上がってきた提案、これを評価をして最終的にそのテーマは決定をしていくという、そういうループを回すことを考えております。
 次のページお願いします。公募の内容ですけども2つカテゴリーがございまして、今、申し上げました本格的な研究開発の技術をつくっていくというのが上の項目でございますけれども、それに加えまして教育目的の公募もしてまいります。これは、先ほどの革新衛星の中で、高専のキューブサットというものに人材育成観点で打ち上げ機会を提供すると、そういうプログラムをしておりましたので、これを継承するという、そういう目的もございますけれども、教育目的の公募もするということを考えてございます。
 次、お願いいたします。研究開発公募の内容ですけれども、一番上の表の中、募集区分とありますけれども、これは2つございまして、部品・機器それからツール/手法とありますけれども、これは何をつくるというんじゃなくて、どうつくるかという、そういうHowの部分の提案というのがこちらになります。それから、右側は衛星システムということで、システム全体のテーマということになります。
 フェーズというのがございまして、フィージビリティスタディーとそれから実際に宇宙で実証するというFMのフェーズという2段階で考えておりまして、それぞれの金額の目安と採択の件数というものの1回当たりはご覧いただくようなテーマ数を考えてございます。
 次、お願いいたします。具体的な研究開発のテーマ、大方針ですけども、ここにありますとおり「協調領域」というものと「競争領域」という、そういう2つを考えてございます。
 「協調領域」というのがありますけれども、今、小型衛星、国内の企業で幾つかつくられておりますけども、実はそのコンポーネントのサプライチェーンというのは極めて外国に依存しているという、そういう問題がございます。これは脆弱(ぜいじゃく)性にもつながりますので、これを国産のものに切り替えていきたい。その国産のものというのは必ずしも「競争領域」ではありませんで、複数の企業が共通して使うというところでもいいというふうに企業の方は言っていただいているので、それを目指すということです。
 何しろコストパフォーマンスが非常に重要ですので、それを達成するためにはやはり短期で効率よくつくるということで、DX開発技術というのがキーだと考えております。
 一方、「競争領域」に関しては、同じ国内企業の中でも、やはり他社との差別化が必要でございます。特にミッション系の技術に関しては、これは他社と差別化したいというのがありますので、それを「競争領域」としております。
 次、お願いします。具体的には、「協調領域」は3つです。申し上げました開発手法、AI/DX/モデルベースの開発手法。それから、小型化/モジュール化というのが世界的なすう勢になっておりますので、外販、外に売るということも念頭にこのモジュール化技術。それから、バス系のコンポの中ではやはりキーとなります誘導/制御/データ処理、そういう技術の3つをテーマにしてございます。
 それから、次の「競争領域」に関しては、やはりミッション系の技術になります。AI/DX。同じAIありますけども、こちらはどちらかと言いますとミッション系の処理技術、エッジコンピューティング、Software Defined Radioの領域かと思いますけども、そういう領域。それから、観測センサ、測位の技術。測位はわが国独自のみちびきの信号を受ける受信機等もスコープに入ってございます。
 次、お願いします。こちらは、「協調領域」について、今、申し上げたようなことを詳細に書いておりますので、スキップをさせていただきます。
 14ページは「競争領域」ですので、スキップさせていただきます。
 それから、続けて15ページは教育目的、こちらも先ほど申し上げたとおりでございます。高専等を想定してございます。こちらは、研究開発費は援助はしないという方針でございます。教育目的というのもございますので。
 次、お願いします。それでは、1点、先ほど3つのプログラムを発展的に統合するという話がありましたけれども、3つのテーマの中で既に採択済みの案件、テーマがございます。こちらについては、引き続きこの新プログラムの中でフォローアップをして確実に遂行していくという、そういうことを16ページに書いてございます。
 最後17ページになりますけれども、今後のスケジュールということで、今、申し上げました内容は、8月の半ばに公募通知ということでJAXAのホームページに掲載をしてございます。9月5日には説明会を実施し、公募は9月末からということで、選定は最終的には2月末に行い、4月から早々にプログラムを開始したいというふうに考えてございます。
 それから、あと参考資料として、今、お話をさせていただいた内容について少し補足することが書いてございます。
 19ページですけども、申し上げたとおり、やはり技術先行だけではサステナブルになりません。この技術、誰が使っていただけるかということもよく話をしながらテーマを作り込むことが大事だと考えておりますので、このページにありますとおり、地球観測それから通信、測位、それぞれ利用者のコミュニティーができておりますので、こういう組織とのインターフェースというものを十分取ってまいりたいと思います。
 私からの説明は以上でございます。

【山崎部会長】
 稲場理事、ありがとうございました。
 それでは、委員の皆さまからご意見、ご質問等、よろしくお願いいたします。笠原委員、よろしくお願いいたします。

【笠原委員】
 ご説明ほんとにどうもありがとうございます。非常に重要な取り組み、プログラムだということを再認識させていただきました。ワンストップで、かつ社会実装を目指すものだということで、しかも民間の衛星やロケットを活用しながらお進めになるというところも認識させていただきました。
 そこで、ちょっとすいません、大学の立場で聞かせていただきますが。実際7,000万円、2億円といった非常に巨額の開発費をこのプログラムでは実際に使用しながら進めることになるという理解なんですが、これは、例えば部品や衛星そのものの開発費用というふうに理解してよろしいでしょうか。例えば、その2億円によって衛星システム全体をつくり上げて、それをJAXAさんと相談しながら打ち上げの機会を待たせていただく。つまり、その費用が開発なのか、あるいはほんとにフライトモデルそのものなのかということをお聞きしたいのが1点と。それから、2年程度という期間がございますが、この間に、つまり打ち上げまで、つまり実証まで進めるようなタイムスケジュールを考えなければならないのか。そのあたりは、恐らく応募する方、皆さんがお気になされるところではないかと思いまして、すいません、代表して質問させていただきます。
 以上でございます。

【稲場理事(JAXA)】
 笠原委員、ご質問ありがとうございます。
 まず、ここに掲げている費用でございますけれども、特にご興味がありますのは衛星システム2億円というものは全部つくるとなると少し足りないかもしれないというのは私ども認識をしてございます。それで、ここは目安と一つ書いてありますものと、全額をここで賄うというのが必ずしもできない場合には、このプログラムは申し上げましたとおり、JAXAとご提案者との間のオープンイノベーションでございますので、ほかの基礎的な研究でそこを賄ったその技術をこれと合わせて適用していくということをすることもできますし、それは必要だというふうに考えております。
 それから、2つ目の期間に関してのご質問でございますけれども、まずはフィージビリティスタディーからスタートするものがほとんどだと思います。それで、1年プラス2年で最速は3年程度になるんですけれども、これは新しいこのプログラムとして打ち上げができそうな最短がその程度になるというふうに考えております。ですから、最初の応募の時に本当に3年で確実にできるスケジュールができるかというと、そこまでは求めておりませんし、そこは難しいのではないかなというふうに今は考えてございます。
 以上でございます。

【笠原委員】
 はい、ありがとうございます。大変柔軟にお考えになられているプログラムだというふうに理解しました。どうもありがとうございました。以上でございます。

【稲場理事(JAXA)】
 ありがとうございました。

【山崎部会長】
 では、続いて高橋委員、よろしくお願いいたします。

【高橋委員】
 ご説明どうもありがとうございました。3つほど質問があります。
 最初にお話がありましたように、宇宙戦略基金に対して、これはJAXAがリードして共同で技術開発を行って世の中に広めていくという活動と理解しました。開発にあたり、モジュール化技術などのいろんな成果が出てくると思いますが、それをどのように広めていくのか。例えば標準化であるとか、先ほど外販という話も出ましたが、その辺のことをもう少し具体的に教えていただけないでしょうか。
 次の質問は、打ち上げ手段は日本の小型ロケットみたいなものに限るのでしょうか。それとも、海外に同じような打ち上げサービスもあると思います。小型衛星をつくるにしても海外のサービスもあると思うのですが、そういうところまで含むのでしょうか。
 最後は、運用支援について教えてください。

【稲場理事(JAXA)】
 高橋委員、ご質問ありがとうございました。
 まず、1番目のご質問ですけれども、例えばモジュール化に関してこれを標準化して、しかもそれをどうやって利用を拡大していくかという、そういうご質問でしたけれども、まずはこれはご提案者のアイデアというものも尊重したいというふうには考えております。しかしながら、JAXAとしても、まずは申し上げた「競争領域」というものの中で、今まで私どもの事業者とのヒアリングの中で、こういうものについてはある程度しっかりしたものができれば他社と同じようなのを使っていいよというお言葉もありますので、まずはそういう点を足がかりに進めていきたいというふうに考えております。
 それから、2番目の打ち上げ手段、それからホステッド・ペイロード等について海外のものは許されるのか、想定しているのかというご質問ですけれども。基本は国内というふうに考えておりますけれども、技術を継承していく刷新衛星プログラム等はこれは海外の打ち上げ手段等も使っていることも事実です。そのプログラムも継承してまいりますので、国内がマストというふうには考えておりません。それが2番目です。
 それから、3番目の運用支援でございますけれども、これもさまざまな形態があるというふうに認識をしております。実証を生業とするそういう国内のプログラムも民間の方々から聞いているところもございます、構想として。ですから、そういうとこにお願いをすれば、運用もそこの企業が経費はかかりますけどもやってくれるという、そういうものが利用できるかと考えています。ものによっては、自分でそれを運用しなきゃいけないというプログラムも提案によっては出てくるのかなというふうに考えております。
 以上でございます。

【高橋委員】
 どうもありがとうございました。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。では、田中委員、よろしくお願いいたします。

【田中委員】
 はい、田中です。ご説明ありがとうございました。
 先ほどの笠原委員のご質問と、そのご回答についての、質問というよりも確認をしたいんですけれども。期間についても随分柔軟にお考えということなので安心したというのが1つです。ただ、ものによってはFSの結果、やっぱりFMを2年ではなく、もうちょっと長期的にということもあろうかと思うのですけれども、そういうのもあらかじめお考えになっているという理解でよろしいのでしょうか。簡単な質問ですけれど、よろしくお願いいたします。

【稲場理事(JAXA)】
 田中委員、ご質問ありがとうございます。今、おっしゃっていただいたとおりです。柔軟に考えております。よろしいでしょうか。

【田中委員】
 ありがとうございます。FSやってみた結果、やっぱりちょっともう少しじっくり考えたいっていうか、もう少し期間がかかりますっていうことは必ずあるかと思うので、その辺のところを長期的にお考えいただければいいかなというふうに思いました。
 以上です。

【稲場理事(JAXA)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。久保田委員、よろしくお願いいたします。

【久保田部会長代理】
 ありがとうございます。3つの制度を統合してさらに発展させるっていうような制度かなと思いました。
 2点質問があるんですけども、1つは先ほどちょっと触れましたけど、FSとFMがあって、通常はフィージビリティスタディーを1年やってFM2年という話ですけど、もし何らかの既に検討がされていた場合、FMをいきなりやるというのもありと考えてよろしいでしょうか。

【稲場理事(JAXA)】
 ありだと思っております。

【久保田部会長代理】
 分かりました。それから、小型衛星っていう小型の定義なんですけど、大体重量といいますか、どのぐらいの規模までをこの制度で対応するというお考えでしょうか。

【稲場理事(JAXA)】
 小型の定義はいろいろありますが、キューブ、超小型という50キロ、それから大きなものは100キロ程度は小型と言えるのですけれども、なかなか100キロをこの金額でというのは難しゅうございますので、まずは50キロ、システムレベルですと50キロ級、あとキューブ。ただ、コンポーネント技術というところを考えるのであれば、当然100キロ級のコンポーネントをこのスコープの中でやるというのはありかと考えております。

【久保田部会長代理】
 分かりました。柔軟に対応していただけるということで理解しました。ありがとうございます。

【稲場理事(JAXA)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 では、続いて、村松委員、よろしくお願いいたします。

【村松委員】
 ご説明どうもありがとうございました。このたび大変貴重な重要なプログラムで想定するユーザーとかの意見をくみ上げていくというような取り組みまで考えられていることに大変素晴らしいと思いました。
 これに関しては、プロデューサー側とかコーディネーター側が、想定ユーザーから出てきた意見を研究者側にも積極的に提案していくというような考え方でよろしいでしょうか。

【稲場理事(JAXA)】
 ご質問ありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、そういうネットワーキング、人脈を持ってるっていうのもJAXAの重要な研究開発基盤でございますので、そこは私どもの持っている、先ほど申し上げました利用者コミュニティーというのも近くにございますので、そこからの情報をご提供差し上げるとともに、要すれば直接的にお話ができるような、そんな機会、場をつくるというのも重要な仕事だというふうに考えてございます。

【村松委員】
 どうもありがとうございました。期待しております。

【稲場理事(JAXA)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。ほかにご質問、ご意見等ありますでしょうか。大貫委員、よろしくお願いいたします。

【大貫委員】
 ご説明ありがとうございます。私のほうからは、実証打ち上げの件数についてお伺いできればと思います。
 今までのプログラムがまずは窓口が一本化されて、ワンストップで提供されるというところが再設計されたのかなということで、応募する側としましてもしやすくなったところがあるかと思います。全体のプログラム再設計というところなんですが、件数的には今までそれぞれのプログラムであった件数よりも減るのかなというようなイメージも持ったんですけども、そういった意味で件数的なものが今までとはどういうふうになっているのかということと、あとは全体的に一本化してワンストップでということを設計するに当たって、その辺の考え方、何かじっくり絞ったものをっていうことですとか、背景にあったのかということについて教えていただければと思います。

【稲場理事(JAXA)】
 大貫委員、ご質問ありがとうございます。
 どういうロケットを使うかっていうところにも依存していると考えておりますけども。今までのプログラムの中では革新衛星っていうのは2年に1回イプシロンロケットを使った打ち上げ。それから、刷新プログラムは、これはホステッド・ペイロードで事業者の衛星の打ち上げの機会を利用するという、そんなことで2年あるいは1年に1回ぐらいの頻度でやってまいりました。それで、新しいプログラム、統合する形になりますので、今、申し上げましたような全体の頻度、つまりホステッド・ペイロード等を使って1年に1回何かするっていうのはやりたい。それから、1本国内のロケットを使って打ち上げるっていうのは、2年ないし3年に1回と、そんなペースでできたらいいな、という、そこは、予算との兼ね合い、それは開発側のテーマの募集の状況ともよると思うんですけれども、基本3つのプログラムを統合いたしましたので、その頻度というものは落とさないペースでやっていきたいという、そういう構想でございます。

【大貫委員】
 ありがとうございます。理解が深まりました。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。ほかにご意見、ご質問はよろしいでしょうか。
 私からも、1件できればお願いしたいのですが。こうした窓口は一本化されまして、非常にユーザー利点も深まるのかなと思います。場合によっては、小型衛星などの実証でも、例えばですけれども、後にもご説明がある宇宙ステーションでの実証機会を活用もできるのではないかというようなこともあるかと思うので、そうしたほかのプログラムの実証機会とも連携というものは図られていくのでしょうかという質問です。

【稲場理事(JAXA)】
 山崎部会長、ありがとうございます。
 社内でもその辺はよく話をしております。それで、「きぼう」放出の小型衛星っていうのは、特に国際ミッションの中で大変活発に行われてるのも承知しております。ただ、軌道の特殊性ですとか、高度の関係で、ミッションライフの制約というのもあります。ですから、そういうプログラムの特殊性とか特徴というのをよく踏まえて、場合によってはISSという方策もあるんじゃないかというのは、十分社内で密接に情報連携を取ってやってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【山崎部会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、本議題は終了したいと思います。活発なご議論ありがとうございました。

【稲場理事(JAXA)】
 ありがとうございました。

【山崎部会長】
 ありがとうございました。
 それでは、次の議題のほうに移ります。次の議題は、ポストISS時代を見据えたわが国の地球低軌道活動の在り方についてです。
 当部会に設置されている国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会、ISS小委員会と呼ばせていただきますけれども、その中でわが国の地球低軌道活動の充実・強化のための取り組みの方向性について議論してきていただきました。本日は、そこで取りまとめられた内容についてご説明をいただきます。
 事務局の迫田戦略官より、どうぞよろしくお願いいたします。

【迫田戦略官(事務局)】
 ありがとうございます。原田戦略官の後任として7月に着任をしました迫田と申します。どうぞよろしくお願いします。
 私からは、国際宇宙探査小委員会、この部会の下に設置する小委員会にて議論を重ねてきまして、ポストISS時代を見据えたわが国の地球低軌道活動の在り方について方針案をまとめましたので、ご報告させていただけたらと思います。
 まず、1つ目の緒言す。ご案内のとおり、2030年ごろにISS運用終了の予定です。これらを踏まえて、まずは現在のISS運用からその終了まで、「きぼう」実験等の効果的な運用、利用を通じた成果の創出・最大化に努めていく必要があると。そして、またポストISS時代におきまして、民間事業者が商業宇宙ステーションを管理するということになりますので、この時にわが国においても民間事業者を通じてその利用サービスが社会に提供されることを想定しまして、わが国の地球低軌道活動を持続的・安定的に確保するためにJAXAの機能・体制の強化・充実、また企業・大学等によるさらなる利用拡大・成果創出に向けた取り組みを提示する必要があるということでございまして、これらに関する方針をまとめたのがこのペーパーになります。
 中身についてご説明です。まず2.では、わが国の地球低軌道活動の基本的な立場を示しています。まず、ISS計画につきましては、2030年ごろのISS運用終了に向けて、「きぼう」であったりとか、またHTV-Xであったり、また宇宙飛行士の養成訓練活動といったISS運用を引き続き着実に行うと、こういうことを書いています。
 また、ISSの安全かつ計画的な運用終了に向けて、NASA等々と国際調整を進めていくということ、また、地球低軌道活動を持続的・安定的に行うために必要な科学技術、人的基盤をしっかりと自立的に維持できるよう備えるといったことも書いています。
 次のポストISSに関しましては、これは米国企業を中心に民間が主体となって商業的に宇宙ステーションが建設・運営されると。そして、わが国の企業がそこに対して利用サービスを提供していくことを想定しております。
 ただ一方で、国としてしっかりと必要な技術実証、科学研究等を持続的に行うため、その利用サービスをJAXAとして調達していくという方針も書いています。これによって、利用サービス提供企業の運営を支えて、地球低軌道活動の拠点を確保する。そして、この際にわが国として拠点の利用の裁量、柔軟性等の自立性を確保できることを重視すると言ったことも触れています。
 また、民間事業者が主体になるといえども、初期段階ではやはりビジネス事業の試行錯誤が見込まれることから、利用サービス提供企業や、または新規参入の方々の事業成立性を高める支援策も必要であるといったことも書いています。
 ISSからポストISS時代にわたるトランジションの時期の地球低軌道活動に関しましては、わが国がISS運用利用を通じて行ってきた、物資補給を含むアクセス技術や有人宇宙滞在技術、宇宙利用技術等の必要な技術実証、科学的成果の創出、商業利用の拡大、国際協力等、多面的な目的の地球低軌道活動の成果といったところを商業宇宙ステーションにも継続・発展させるといったところを書いております。これらによってしっかりと国としての自立性も維持するといったことを書いています。
 これが大きな基本的な立場としてまとめたものです。
 次に、3.です。諸外国における地球低軌道活動の動向ということで書いております。まず、米国につきましては、2026年に商業宇宙ステーション拠点事業者を2社以上選定予定といったことでアナウンスがされております。そして、欧州等ではESAが有人宇宙活動の継続の方針、またロシアは独自の宇宙ステーション計画といったところも示しています。また、中国につきましても、独自の宇宙ステーションを運用し、宇宙飛行士の長期滞在等地球低軌道での存在感を拡大しているといったことを書いています。また、インドにつきましては、独自の宇宙ステーション計画、2027年に有人宇宙飛行を計画しておりまして、宇宙ステーションにつきましては独自のものを2028年に打ち上げて、2035年に完成予定ということが示されています。
 次に4.の具体的な当面の取り組みです。ISSの取り組みに関しましては、ハード面に関してはISS「きぼう」をしっかりと利用していくといったことが重要であるということを書いています。また、HTV-Xを着実に運用して、必要な数の打ち上げを通じて安定的に物資の補給を行うということも触れています。また、終了に向けて、安全かつ計画的なスケジュールを提示するといったことも書いております。これは当然NASAと相談しながら今後決めていく、国内でも議論していく予定です。
 利用・ソフト面に関しては、「きぼう」利用の使いやすいスキームの見直しや、また利用に関する幅広い情報提供による企業・大学等の利用拡大、そして成果の創出・最大化を引き続き促進することに触れています。「きぼう」利用を通じた国際協力・国際貢献とともに、またAPRSAF等を通じましてアジアを含む国内外の人材育成も行なっていくことも書いています。
 ポストISS時代に向けた取り組みとして、開発・ハード面に関しましては、「きぼう」実験棟、HTV-X、宇宙飛行士の養成等、有人宇宙滞在技術等、わが国が優位性や国際競争力のある重要な技術をしっかり継承・発展させる必要があるというようなことを書いています。
 また、宇宙戦略基金等を通じましてISSで培ってきた技術、知見を企業・大学等に共有しながら、着実に開発・実証を含めて、そのサービスを調達していくことが重要であるということを書いています。
 次に、利用サービス提供事業の事業準備に必要な利用要求・調達方針も計画的に提示することが必要であるということを書いています。これについては、先月にJAXAからRFIを具体的なユーザーの方に、募集をかけているといったことを伺っています。
 また、利用要求・調達方針に関しては、今後の国際宇宙探査活動に向けて宇宙飛行士の養成訓練、能力の維持の場としてのJAXAの宇宙飛行士搭乗に関する観点も盛り込むことが重要であるといったことも書いています。
 利用・ソフト面に関しては、宇宙環境利用技術を持続的に発展させ、「きぼう」で培った研究基盤・知見・経験を効果的に継続することが重要であることから、JAXAは引き続き国際宇宙探査活動等の自らの宇宙開発利用に必要な技術実証を行うとともに、また大学等や産業も行う科学研究、また開発研究の機会を提供して、その取りまとめを継続するということを書いています。このためにも、JAXAにおいては科学研究の実施とオープンイノベーションの推進の機能・体制をそれぞれ構築すべきであるといったことを書いています。また、こういったオープンイノベーションの機能を通じて国内外の企業・大学機関等もネットワークを構築して、共同研究活動の結節点、ハブとしての役割を果たすといったことも書いています。さらに、国際競争力優位性の確保の見込める領域・課題をしっかりと検討していくということも盛り込んでおります。
 運用・システム面に関しましては、情報発信・提供、技術的助言とともに広報活動、国際ルールの整備、人材育成も重要であるといったことも盛り込んでいます。
 5.の今後の地球低軌道活動の展望のための視点に関しましては、持続性・自立性確保の観点から、JAXAが企業・大学等とともに自らがプレーヤーとなって将来にわたって適切に技術やノウハウを継承・発展させる取り組みを行っていくことが必要であるといったことを書いております。
 また、米国の政策など変化等々が激しい世界ということになっているので、このような海外動向を注視しながら機動的に対応可能としていくことが必要であるとも書いています。
 いずれにしましても、まだこれは方針を示したということでございますので、これに基づいて具体的な取り組みを今後またこの小委員会でも引き続きJAXAと連携しながら検討していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎部会長】
 迫田戦略官、ありがとうございました。これまでISS小委員会で議論を重ねてくださった内容を、今回、案という形でお示しくださいました。
 今回、この本部会では、これを本部会として決定をするという形で審議をさせていただきますので、ぜひ委員の皆さま、ご意見そしてご質問、よろしくお願いいたします。では、同じように挙手ボタンでお知らせくだされば。はい、木村委員、よろしくお願いいたします。

【木村委員】
 ありがとうございます。ご説明ありがとうございます。全体として非常によくまとまっていて、方針が示されていて、状況についての認識も非常に的確かと思いまして、総論として賛成というふうにまずコメントさせていただきます。
 ここでやはり日本が低軌道有人プラットフォームとしての「きぼう」を持っているという点は重要かと思います。これから先、商業宇宙ステーションであるとか低軌道の有人の活動が広がっていく、それから月面、まだちょっと今は見えにくい状況ではありますけれども、月面も含めて人類の宇宙活動が広がっていく中で、日本が「きぼう」実験棟を有していて、特に有人のプラットフォームを持っているというこの意味合いって非常に大きいと思っています。ですので、そこを最大限活用しつつ、次につなげていく。その時に、民間等の取り組みが重要ですね。民間がいろんなところで商業宇宙利用の中で食い込んでいけるような、その布石としてこれを活用していくということはすごく重要かなと、今、思っております。
 なので、有人のプラットフォームとしてそこのところを次につなげていく布石として最大限活用していく、それについての運用をうまく続けていくというところ、まず重要かなというふうに1点思っているところです。これ、コメントです。
 もう一点、コメントとしてなんですけれども、低軌道での有人のプラットフォームみたいな、なかなかユニークな環境の場合に、それを実現するためにまず上げる手前で地上を含めて、パラボリックフライト、あるいはバーチャルな世界も含めて、検証をしていく。いろんな異業種の人たちが入り込めるような、地上での打ち上げまでいかないレベルでの検証のプラットフォームみたいなものの拡充もやはり必要なのかなというふうに思っていて。そのあたり、宇宙戦略基金の枠組みも含めて、これが少し体制化されていくとよいのかなというふうに思ってます。
 この2点は、まだ基金の中でも、まだこれから先検討されるような内容かなとも思っているんですけれども、そこの連携をぜひ密に考えていただけるといいのかなというふうに思っております。以上、コメントです。
 総論として賛成なんですけれども、ぜひよろしくお願いします。

【迫田戦略官(事務局)】
 ありがとうございます。官と民でできること、お互い違うこともあると思いますので、しっかりとご意見を踏まえて、官民が連携しながら、我が国として低軌道のユニークな場を皆さんが利用できるような環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。

【木村委員】
 ありがとうございます。

【山崎部会長】
 では、続きまして、吉井委員、よろしくお願いいたします。

【吉井委員】
 ありがとうございます。
 スライドにも国際ルール作りというコメントがありますが、これはIGAがなくなると当事者間で賠償責任の在り方なんかが非常に難しくなるかなと思うんですが、今現在、JAXAとして何か具体的に、主にアメリカでだと思うんですが、何かルール作りに向けた論議というのは進んでるんでしょうか。

【迫田戦略官(事務局)】
 これは、JAXAのほうがご存じなので、JAXAにお任せしてもよろしいでしょうか。

【松浦理事(JAXA)】
 ルール作りも含めてポストISSの世界でこれまでのISSでやってきたような協力をどのように進められるかなど、ルールにもつながっていくかと思うのですけれども、そういった協議は必要だねというところは認識されているものの、まだ具体的な調整はこれからになります。

【吉井委員】
 分かりました。ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございました。では、吉成委員、よろしくお願いいたします。

【吉成委員】
 三菱商事の吉成です。今、このご説明の中で、国としての自立性を維持ということで、非常に重要な考え方かなというふうに考えておるわけですけども、基本的な考え方として、ちょっと理解を深めるための質問でもあるのですが、民間ステーションというのがこれから一般化し、米国のほうではこれを2社選定して使っていくと。それをプラットホフォームとしてサービスを利用する側に立つっていうことが明確に出ている一方で、わが国の考え方としては、似たようなことで、民間の事業者を主体にしながら、わが社として自立性が確保できるサービスを選んでいくっていう、まずその軸が1つあるのかなと思ってまして、そういう理解でいいのかということ。
 あと、もう一つは、国際協調というのは、またちょっと違う軸。要は民間と国との関係で2軸で分解できると思うのですが。そうなった時の国際協調というのは、各国が独自に自分たちの自立性を確保するいいサービスを選ぶっていうことと、国際協調っていうのはやや違う概念になると思うのですが、その自立性を確保しながら国際協調というのは具体的にはどんなようなイメージを持っているのかというところを教えていただけないでしょうか。

【迫田戦略官(事務局)】
 はい、ありがとうございます。
 まず、1点目のご質問ですけれども、民間企業の方が運営されると思いますが、例えば大学の皆さまが利用する際には、民間サービスを利用できる料金をお支払いすることができたら良いですが、体力がないところとか、また産業界の皆さまも基礎研究段階なのでなかなか投資しにくいところは、国として利用機会を提供していくことが重要だと思っています。この観点からは、民間の皆さまが提供するサービスの一部を公的機関で調達して一般の方々に開放するということを念頭に置いてこの報告書を書いております。
 2点目に関しては、民ベースのビジネスであるとはいえ、やはり国間でいろんなやりとりをしなければいけない。例えば、宇宙飛行士を打ち上げる機会も国として必要になるので、打ち上げ機会の手段は米国など海外が持っているということになりますので、ここの取引を民間も交えながらルール作りをしていくなど、これから考えていかなければいけない大きな課題であると思っております。

【吉成委員】
 分かりました。そのあたりのやっぱり課題が、これから整理していくということで理解しました。ありがとうございました。

【迫田戦略官(事務局)】
 ありがとうございます。

【山崎部会長】
 では、続いて、秋山委員、よろしくお願いいたします。

【秋山委員】
 秋山です。よろしくお願いいたします。
 CLDというものにこれからなるのかどうかというところですけれども、ISSから今後のポストISSへの移行期の展望と言いますか、見通しについてちょっとお伺いしたいんですけれども。これまでISSでいろいろ多くの利用の方々が積み上げてこられた実験装置なんですけれども、これをポストISSの存在が何か固まったとして、そこにまだ耐用年数のあるものを移設するとか、あるいは有用でもっと実験を続けたいというものをポストISSの何かに併せて再製造をするとか、そういった移行のための検討というか、枠組みみたいなものというのは既にあるのでしょうか。あるいは、今後検討を開始するといったご予定はあるのでしょうか、ということです。移行期に、せっかく開発した実験装置、移し替えることもできない、あるいは再製造といっても何かCLDのようなものですとインターフェースが変わってしまってそのままでは使えないとか、そういったことある場合に、今後5年間、ISS退役までの間、ちょっと挑戦的なことがしにくくなるのではないかと思ったもので、そういったことに対する手当てといいますか、といったことは検討されていらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。

【迫田戦略官(事務局)】
 ありがとうございます。今後、事業者選定の段階に入りますが、事業者の中には現状のISSに接続して既存機材の移行ができるような事業者の方もいるというふうに伺っています。その場合には、「きぼう」の中の一部を移行できる可能性もあるのかなと思いますが、これも事業者の選定次第であると思っています。今後、事業者やユーザーの皆さまのご意見をお聞きしながら決めていきたいなと思っております。

【秋山委員】
 では、そのように意見を伺う場を設ける方向性で、今、進めているということですね。

【迫田戦略官(事務局)】
 そうです。RFIなどさまざまな意見を聞く仕組みを通じて、どのように「きぼう」のアセットを継続・継承していくのかというところは検討していきたいと考えています。

【秋山委員】
 はい、分かりました。どうもありがとうございました。

【迫田戦略官(事務局)】
 はい、ありがとうございます。

【山崎部会長】
 ありがとうございます。ほかにご質問、ご意見、ありますでしょうか。挙手ボタンはほかになさそうですので、これまでの審議を踏まえまして、そうしますと資料98-4-1ならびに98-4-2について、小委員会からの提案どおりに決定するということでよろしいでしょうか。特に意義がある方は挙手ボタンでお願いいたします。

(異議なし)

【山崎部会長】
 では、ご異議がなさそうですので、本部会として本資料を決定するということとしたいと思います。ありがとうございました。
 ポストISSに向けて大まかな方針がこれで示されたわけですので、ISSの利用をしっかり続けるとともに、各委員からのご指摘もありましたように、ポストISSにきちんとつなげていくという形でよろしくお願いいたします。

【迫田戦略官(事務局)】
 ありがとうございました。

【山崎部会長】
 どうもありがとうございました。
 では、最後の議題に移ります。最後の議題は、「基幹ロケット開発に係る有識者検討会」の状況についてです。
 文部科学省研究開発局におきまして、わが国の基幹ロケット開発の方向性などに関し専門的な議論を行うため有識者による検討会が設置され、今年3月から6月にかけてH3ロケットの高度化などについて議論が行われました。
 本日は、ここまでの検討内容について、中間まとめとして事務局よりご説明いただきます。それでは、上田企画官、よろしくお願いいたします。

【上田企画官(事務局)】
 事務局の上田でございます。よろしくお願いいたします。
 この議題でご説明させていただくのは、基幹ロケット開発に係る有識者検討会についてでして、先ほど部会長からもお話しいただきましたが、本年3月26日にこの検討会を文部科学省の研究開発局に立ち上げさせていただきました。
 こちらの趣旨に検討の背景を記載しております。もう委員の皆さま方、よく背景ご案内のところもあると思いますので、ポイントだけ説明します。宇宙活動を活発化している中、政府としても基本計画に基づいて取り組みを進めていく中で、特に2030年代にH3ロケットに続く次の基幹ロケット、これを運用していくということや、打ち上げの高頻度化、それからロケットの打ち上げ能力の高度化、また射場を含めロケットの適切な維持・管理に向けた対応といった点を進めるべきということ、こういったことが基本計画に記載されております。こういった方針も踏まえて、昨年も宇宙開発利用部会において第88回、それから第91回だったと思いますけれども、基幹ロケットの開発方針、今後どうしていくのかということをJAXAからも報告をいただき、これまでも議論してきました。そういった中で、今後の検討を具体的にどのように進めるのかというところを専門の先生方にも集まっていただきまして、集中的に議論をしているというのがこちらの検討会となってございます。
 6月までに4回これまで議論させていただきまして、いったんここで高度化に向けた取り組みを中間まとめとして整理しておりますので、本日ご報告させていただくという趣旨になってございます。
 資料、次の3ページをお願いできればと思います。資料大部になっておりまして時間も限られておりますので、ポイントをかいつまんでご説明させていただきます。こちらの検討会で議論させていただきました検討の整理ということで、まとめさせていただいております。
 趣旨のところでございますけれども、検討会設置の経緯は先ほど申し上げたとおりでありますけれども、特にこの基幹ロケット、今の主要なロケットとなりましたH3ロケットにつきまして環境の変化、それからニーズの多様化に対応できる輸送能力、利便性の向上、価値の最大化をブロックアップグレードによる取り組みによって高度化を進め、年間6から8機以上、最短2週間間隔での打ち上げの高頻度化を目指す方針です。
 下側の現状と課題等は細かい内容、また皆さんご案内のところもありますので、ここでの口頭の説明は割愛させていただきますが、ポイントを具体的な取り組みというところでは、この下の右側の部分になってございます。
 一番上にブロックアップグレードの推進と記載しています。このブロックアップグレードとは、上の1行目に書いておりますけれども、打ち上げのニーズの変化を踏まえた持続的かつ段階的な開発のプロセス、これを基幹ロケットの開発にも取り入れることによって、開発のサイクルを短くする。また、技術開発に当たっては、フロントローディングで必要となるような技術の見極めをしながらミッション要求、システム定義をスピード感持って更新をしながら柔軟にシステム開発を進めていくということです。
 今回のこの中間まとめまでの議論では、この下のブロック1から3までの具体的な開発方針について議論し、取りまとめています。
 このページの一番下に小さく書いておりますけども、ブロック4以降は今後の検討課題ということになっておりまして、取りあえずこの6月までの検討ではブロック3までをどのように進めていくのかということを、集中的に議論させていただいたということになってございます。
 次の4ページ目以降、それぞれの各ブロックの具体的にどういったことをやるのかの詳細を説明させていただければと思います。
 まず、ブロックの1ということで、こちら打ち上げ対応ミッションの拡大ということです。上の四角の部分のポイントになりますけれども、特に、今、国内外で打ち上げのニーズの変化が顕在化している。具体的には、衛星のコンステレーション化、これが非常に大きな課題ということになっておりますので、こういったライドシェアミッションを短期間で実現できるような機能の開発をするということをやっていきたいということであります。
 ここの丸3に書いてございますけれども、こういった複数の衛星搭載機能ができるようなサブシステムレベルの開発、これを短期間で進めるということで、2027年以降には宇宙基金での小型衛星も出てくるというふうに見込まれておりますので、これに向けた打ち上げ手段を提供していくということでございます。こちらがブロック1の内容です。
 それから、次の5ページ目でございますが、こちらがブロックの2で、これは打ち上げサービスの高度化ということで、ロケットそのものだけではなくて、ロケットシステム全体、総合システムとしての価値を向上させる。特に安定的な打ち上げを実施する、高頻度化がきちんとできるようにということで、射場の整備といったところもきちんと進めていきたいところです。丸2になりますけれども、オンタイムの打ち上げ率、それから自由度の向上といったような、こういった利便性の高い打ち上げ環境ということを運用改善とそれから環境の整備によって取り組むということで、H3ロケット、これを年間6から8機以上の打ち上げを実現したいということと、最短で2週間間隔で連続して打ち上げ、これができるような高頻度の打ち上げ運用を実現をさせるということを、特にインフラの整備という観点で進めていきたいということです。
 具体的に何をしようとしているかというところを、下のポンチ絵のところにも書いてございます。この種子島の大型ロケットの組立棟、VABと、それから移動発射台というのがありまして、こちらH2AとH3の運用、これは種子島では2つの種類の大型ロケットの運用を同時に行っていたという形になっておりまして、それぞれH2A用とH3用ということで、このロケットの組立棟も分かれているということになっておりますけれども、これをいずれも2機直立でH3ロケットが運用整備できるように改修をするということですとか、それから移動発射台です。これも、今、H3用は1基だけということになりますけれども、この組立棟の整備と合わせて、移動発射台が2基になることで、打ち上げの高頻度化、柔軟化、これを目指していきたいという取り組みになります。
 それから、次の6ページお願いします。こちらブロックの3は打ち上げ能力の向上ということで、具体的には2段機体の能力を向上させるということです。
 丸2のとおり、海外競合ロケットに伍する打ち上げ能力の向上ということで、2段のエンジンの開発をする。下にイメージのポンチ絵もございますが、こちらの機体を大型化する、それから搭載推薬を増量するといったような開発に取り組むということを、きちんとフロントローディングも取り組みながら短期間での市場投入を目指すということで、より多くの大きなもの、多くの小型衛星を打ち上げることができるといった、そういった能力の獲得によって、商業打ち上げの受注機数増大を目指すことをまとめさせていただいてございます。
 また、中間まとめのポイントとしてはここまでですが、今後の議論するべき課題ということで少しこちらも整備させていただいております。
 30ページに今後の課題ということで幾つか整理させていただいておりまして、数が多いので全て読み上げはしませんが、JAXAの基盤強化、固体燃料ロケットの議論、それからロケットの大型輸送能力について。次のページに続きますが、ロケットの再使用技術について、それから有人の輸送技術をどのように進めていくのか。さらに、次の32ページにH3の次の次期基幹ロケット、これをどういうふうに進めていくのか。
 こういった、まだこの基幹ロケット開発に係る議論としては課題が多くあるという点も議論の中で整理されておりますので、引き続きこちらの検討会で詳細、技術的な面も含めて議論をさせていただきながら、またその経過については部会のほうでもご報告をさせていただく形で検討を進めさせていただきたいと考えている次第でございます。
 説明は以上とさせていただきます。

【山崎部会長】
 ご説明ありがとうございました。
 それでは、ご意見、ご質問等、よろしくお願いいたします。はい、秋山委員、よろしくお願いいたします。

【秋山委員】
 秋山です。よろしくお願いいたします。手短にといいますか、ブロック2とブロック3のアップグレードの兼ね合いについて一つお伺いしたいんですけれども。
 まず、ブロック3で2段の大型化ということなんですけれども、これができるとH3の全長はより長く伸長されることになるのでしょうかというのが1つと。
 もし、その場合に、このブロック2でのVABの改修との兼ね合いのところなんですけれども、もし大型に、より長くなるのであれば、そのあたりはどんなふうに対応されるのでしょうかということです。例えば、ショートタイプのフェアリングのみにするとか何か、そういう運用でやるのか。それとも、設備そのものがもう対応していくようになるのか。そのあたりはいかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

【上田企画官(事務局)】
 ご質問ありがとうございます。資料の28ページを映してもらえますでしょうか。こちらに少し説明は割愛させていただきましたが、詳細なスケジュールはこれから開発を進めながらかと思いますけれども、こういった段階で進めさせていただくということのイメージを持っております。ブロック1、ブロック2、ブロック3で進める中で、実際そのブロック3でどういった設計になるのかというところは少し時間を見ながらと思います。こういったところで、先ほどお話があった設計変更というところ、ブロック2にも影響が出てくる部分があればここで反映させていくという形になると思いますが、ここらあたり技術的な面で、JAXAからできれば補足をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【寺島ファンクションマネージャ(JAXA)】
 寺島と申します。H3プロジェクトです。私のほうから技術的なところで補足いたします。
 ブロック3に関しましては、今、ご認識のとおり大型化することによって機体の全長は若干増加することをベースに考えております。ただ、それに応じてVAB整備棟を造り替えるとなると、非常に大きなコストがかかってくるなど、影響範囲が大きくなりますので、現時点での考え方としては現状のVABの高さ制約の範囲の中で達成できる程度の大型化というところをベースに考えております。ですが、詳細な仕様については、今、ご説明がありましたように、今後の設計検討の中で決めていくということで考えております。
 以上です。

【秋山委員】
 はい、分かりました。ご説明どうもありがとうございました。

【山崎部会長】
 では、続きまして、小笠原委員、よろしくお願いいたします。

【小笠原委員】
 小笠原でございます。ご説明どうもありがとうございます。1件伺いたいことがあります。
 まず、全体を伺ってブロックアップグレードはステディーな開発アプローチで大変いい方向性だなと私は思って聞いておりました。あと、エンジニアの、ないしは参加するメンバーの経験を短いサイクルで積むという意味でも、ブロックアップグレードというのは大変いい戦略だなというふうに思って聞いておりました。
 1つ気になるのが、3ページの最初ご説明ありましたブロック2のところで、継続的に改善し、適時反映し、国際競争力を維持するというキーワードがございまして、確かに国際競争力を維持していくのは極めて大事だと思いますが、市場環境の認識とか今後の見通しとか、どういうふうにお考えなのか。H3を初めるときにこういった議論をした際には、市場環境認識をかなりしっかり議論をして、大体幾らぐらいの価格でないと市場で勝てる、勝てない、そういう議論があったと思うんですが。
 今、ファルコン9の後でスペースシップが飛ぶようになれば、ファルコン9から下手すると2桁ぐらい価格が下がるというような話もあります。そういう中でブロックアップグレードで国際競争力を本当に持ち続けられるのか、そのあたりの市場環境認識がどんな議論をされているのか、そのあたりを教えていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

【上田企画官(事務局)】
 ご質問、小笠原委員、ありがとうございます。まず、H3ロケットが開発当初の計画された時からの現状、今、大きく変わっているところは、まさにスペースXの台頭ということ、これは非常に大きいことでございます。特に当時はまだこれほどいわゆるコンステの衛星、それは商用のものも含めてこれほど多くのものが、しかも1つのロケットでたくさんのコンステレーションを1度に打ち上げると、こういったところの環境がない状況で、いわゆるH3のスペックですとか能力ですとか、そういったものを設計されたという状況がありますので、まずやはり今そこのところにきちんと対応していく。特に政府の衛星というのはまた別になるかもしれませんけども、やはり国際競争力という観点ではやっぱり商業衛星をしっかり取っていくことが大切。ご案内のとおりコンステの特に通信系の衛星などでありますれば、1度打ち上げてもその衛星がずっと機能するかというとそうではなく、寿命を迎える衛星の更新が必要になってきますので、きちんとコンステの需要をちゃんと取ってこの打ち上げを継続的にできるという形が、まずこの今の市場環境でしっかりやっていく上で重要だということで、そこのアップグレードをまずはブロック1でも速やかにここのところをしっかり取り組んで、商業的な受注、これは国際的にも非常に今はやっぱりここのコンステの需要が一番高まっているところでありますので、ここをしっかりしていくということなんだろうと思っております。
 ご質問の、さらに競争力のあるロケットが海外でも開発される、もしくは出てくるような見込みがある中で、そこをどういうふうにしていくのかということ、これも議論を並行して行っていく必要があるというふうに思っておりまして、まさにブロック4、それからそれ以降の次の基幹ロケットの開発も見据えた議論というのを、H3ロケットが動き出しましたけれども、もうこのタイミングから議論を進めていくということが必要なんだろうというふうに思っております。先ほども申し上げましたけども、コンステを多く打ち上げると、こういった商業需要にきちんと対応していくということなんだろうと思いますけども、その先の議論として、小笠原委員から、今、ご指摘あったような内容も含めて次の開発計画とか、そういったところをどこを見据えてやっていくのかというところはこの議論の中でしっかりやっていきたいなというふうに考えているところではあります。

【小笠原委員】
 ありがとうございます。29ページ見ますと、ブロック4の後でようやく再使用の議論が出てきておりまして、2040年の段階で再使用の議論をしているようでは市場環境が全く変わってしまって競争力がなくなっているんではないかと大変危惧しております。ぜひ今後の議論の中で、その価格環境、競争環境がどの時期に、どのぐらい厳しくなるかというところをどう見通すか。難しいんですが、そこもできれば一緒に議論をしていただけるといいかなと。最後コメントです。すいません。難しいことを言いまして。よろしくお願いします。

【上田企画官(事務局)】
 はい、ありがとうございます。いただいたコメントも含めて今後の議論の検討に反映させていただきたいなというふうに思います。また、再使用についても全く今の段階で何もしないというわけではなくて、再使用技術の基盤的な技術開発に取り組んでいるプロジェクトもありますので、そういったところの進捗も見ながら、実機へどういった反映させていくことができるのか。その時にコストの問題でありますとか、国際競争の問題、こういったところも併せて議論をして、国際的な動きに置いていかれないような取り組みというのが重要だというふうに思っておりますので、また引き続きご指導いただければと思います。

【小笠原委員】
 ありがとうございます。よろしくお願いします。

【山崎部会長】
 では、続きまして、久保田委員、よろしくお願いいたします。

【久保田部会長代理】
 久保田です。今の小笠原委員と同じようなコメントになるんですけども、段階的というのも理解できますし、ブロック1、ブロック2のライドシェア、それから高頻度というのもすごく大事な点だと思います。
 一方、日本の輸送系の戦略という今後の課題、すごく重要な点がいっぱい書いてあって、やはりこの部分の議論をしっかりした上でブロック3、ブロック4を進めていくべきかなという気が非常にしていますので、やはり非常に開発にはコストがかかって時間もかかる中で、やはりその先のものを見据えた議論を踏まえてブロック3、ブロック4の中身も詰めていただければというふうに思っている次第です。
 コメントです。

【上田企画官(事務局)】
 はい、ありがとうございます。いただいたコメントも含めて、ロケット開発の戦略というところを早急に詰めながら次の段階、ブロック3、ブロック4、こういったところにも取り組んでいきたいというふうに考えております。本来的には大きな目標があって、それできちんと取り組むというところが大事なのかなと思うんですけれども、特にブロック1みたいな速やかに取り組む部分はそういった議論を進めながらも、もう着手できれば着手しようということでアジャイルにここは進めていきたいというところもあり、今回先んじてここら辺の具体的な進め方というところを議論させていただいているというところもありますので、引き続き検討会の議論についてはこちらの部会でもご相談、ご報告をさせていただきながら、ゆくゆくは次の宇宙基本計画の改訂のタイミングとかもありますし、そういったところできちんと政府全体の方針としても反映できるように議論を進めさせていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【久保田部会長代理】
 どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎部会長】
 では、続きまして、笠原委員、よろしくお願いいたします。

【笠原委員】
 ほんとにご説明ありがとうございます。私もこちらの検討会の構成員として発言させていただいたりしていたもんですから、少しだけお話しさせてください。今日はご説明ほんとに丁寧に、一番重要なところを全ておっしゃっていただいたかなと改めて思います。
 それで、実はほんとにこの文章全般にその検討会で打ち合わせたことを非常に正確に記述されておりまして、それを記載されているということは改めて認識しましたので、お時間、委員の先生方ありましたら、いま一度よく詳しく見ていただきますと、先ほどの先生方からの質問に対しても情報がかなり詰まっているかなと再認識させていただきました。
 先ほどのご説明で最後の今後の課題等についてのところ、30ページ、それから31ページ、32ページのところに触れていただきましてほんとにありがとうございます。私も特に30ページ、それから31ページにかけて、特に(1)(2)(3)(4)、やはりかなり危機的な状況というか、やはりリソースやあるいは固体ロケット技術等、確実に守っていかないといけないという部分というのは非常にあるということをこの部会を通じて認識しておりまして、そういう点に関しまして、すいません、私なんぞが言う話ではないのかとは思うんですが、ご認識いただければありがたいかなと思っております。
 やはり最も重要な開発だとは思うんですが、基盤部分の維持等に今後も先生方のお力も合わせていただきながら進めさせていただくのがやはりよろしいのかなと、非常に偉そうな言い方で大変恐縮なんですが、感じております。
 ほんとにご説明ありがとうございました。いま一度、私もこの文章を再度読みながら認識を深めたいと思います。以上でございます。コメントで失礼いたします。

【山崎部会長】
 笠原委員、どうもありがとうございました。ほかにご質問、ご意見等はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本日、非常にいずれも貴重なご意見をいただいたと思いますし、笠原委員からもご指摘がありましたとおり、この検討会の委員の皆さんとの課題意識とも非常に共通するところも多かったのではと思います。上田企画官、本日ご説明ありがとうございます。また引き続き検討くださるということですので、深掘りをよろしくお願いいたします。
 では、本日の議事はこれで終了となります。最後に、事務局から連絡事項があればお願いいたします。

【上田企画官(事務局)】
 事務局でございます。本日も長時間にわたりご議論いただきましてありがとうございました。
 本日の会議資料につきましては、文部科学省のホームページに既に掲載させていただいてございます。また、議事録につきましては、委員の皆さまにご確認いただいた後に、文部科学省のホームページにこちらも後日掲載させていただきます。
 次回の当宇宙開発利用部会につきましては、現時点では9月末ごろの開催を予定してございます。委員の皆さまにおかれましては、日程の調整も含めて別途ご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、委員の皆さまにおかれましては、この後追加の連絡事項等ございますので、会議終了後もしばらくもしお時間許すようでございますればお残りいただければというふうに思います。
 事務連絡としては以上でございます。

【山崎部会長】
 どうもありがとうございました。以上をもちまして閉会といたします。本日も長時間にわたり、誠にありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課